JP6450983B2 - センサー素子、電子機器、および移動体 - Google Patents
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本適用例に係るセンサー素子は、検出電極部と、検出電極部に対向して設けられている可動体と、検出電極部を垂直方向から平面視した場合に、検出電極部が設けられている領域に設けられ可動体に向かって突出する突起部と、が設けられ、突起部の表面の少なくとも一部は絶縁材であることを特徴とする。
可動体は、センサー素子に加えられる加速度等によって変位することができる。検出電極部と可動体とを対向させて設けることで、これらの間に静電容量が発生する。静電容量は、センサー素子に加えられる加速度等によって検出電極部と可動体との間隙の変化に応じて変動する。
センサー素子は、加えられた加速度等を静電容量の変化によって検出することができる。
可動体は、過度に変位した場合に突起部と当接する。可動体は、表面の少なくとも一部が絶縁材で構成されている突起部と当接することで、検出電極部との接触および短絡が抑制され、可動体と検出電極部との間に生じた静電容量の喪失を抑制することができる。
したがって、可動体と検出電極部との当接が抑制され、過度な加速度等が加えられた場合にも継続して加速度等を検出することができるセンサー素子を得ることができる。
上記適用例に係るセンサー素子において、検出電極部は、可動体に対向する位置に配置された第1検出電極部および第2検出電極部を含み、突起部は、検出電極部を垂直方向から平面視した場合に、第1検出電極部が設けられている領域に設けられ可動体に向かって突出する第1突起部と、第2検出電極部が設けられている領域に設けられ可動体に向かって突出する第2突起部と、を含むことが好ましい。
可動体は、センサー素子に加えられた加速度等により過度に変位した場合に、第1突起部または第2突起部、もしくは両突起部と当接する。可動体は、表面の少なくとも一部が絶縁材で構成されている第1突起部または第2突起部、もしくは両突起部と当接することで、検出電極部との接触および短絡が抑制され、可動体と検出電極部との間に生じた静電容量の喪失をさらに抑制することができる。
したがって、可動体と検出電極部との当接が抑制され、過度な加速度等が加えられた場合にも継続して加速度等を検出することができるセンサー素子を得ることができる。
上記適用例に係るセンサー素子において、検出電極部および突起部は、基板上に設けられ、突起部は、基板と一体に設けられていることが好ましい。
これにより、簡便な構造で突起部を設けることができる。
上記適用例に係るセンサー素子において、突起部は、表面に検出電極部が設けられ、且つ、可動体と当接する部分に絶縁材が設けられていることが好ましい。
これにより、絶縁材で構成されている突起部を検出電極部で覆うことで、可動体と、突起部と、の間に生じる電界を遮蔽することができる。
また、突起部に設けられた当該検出電極部のうち、可動体と当接する部分に絶縁材を設けることで、可動体と検出電極部との短絡を抑制することができる。
したがって、絶縁材で構成されている突起部に帯電による電荷が生じても、可動体が突起部に静電誘引されることを抑制することができる。
よって、センサー素子に加えられる加速度等の誤検出を抑制したセンサー素子を得ることができる。
上記適用例に係るセンサー素子は、可動体と少なくとも一部が対向して配置され、検出電極部と電気的に絶縁されたダミー電極部が設けられていることが好ましい。
したがって、ダミー電極部が設けられることで基板が露出する面積が抑制され、帯電にともなう基板と可動体との間に生じる電界を遮蔽することができる。よって、可動体が基板に誘引されることを抑制された加速度等の検出精度の高いセンサー素子を得ることができる。
上記適用例に係るセンサー素子は、検出電極部およびダミー電極部は基板上に設けられ、検出電極部とダミー電極部との間、および、検出電極部の第1検出電極部と第2検出電極部との間の少なくとも一方には、溝部が設けられていることが好ましい。
上記適用例に係るセンサー素子において、溝部の外縁には、可動体に向かって突出する突出部が設けられていることが好ましい。
上記適用例にかかるセンサー素子において、ダミー電極は固定電位にされている、もしくは可動体と電気的に接続されていることが好ましい。
上記適用例にかかるセンサー素子において、溝部の底面には、検出電極部およびダミー電極部の少なくとも一方が延設されていることが好ましい。
本適用例に係るセンサー素子は、検出電極部と、検出電極部に対向して設けられている可動体と、可動体に向かって突出する突起部と、が設けられ、検出電極部は、可動体に対向する位置に配置された第1検出電極部および第2検出電極部を含み、突起部は、検出電極部を垂直方向から平面視した場合に、第1検出電極部と第2検出電極部との間に設けられていることを特徴とする。
可動体は、センサー素子に加えられる加速度等によって変位することができる。検出電極部と可動体とを対向させて設けることで、これらの間に静電容量が発生する。静電容量は、センサー素子に加えられる加速度等によって検出電極部と可動体との間隙の変化に応じて変動する。
可動体は、センサー素子に加えられた加速度等により過度に変位した場合に、突起部と当接する。可動体は、突起部と当接することで検出電極部との接触および短絡が抑制され、可動体と検出電極部との間に生じた静電容量の喪失を抑制することができる。
したがって、可動体と検出電極部との当接が抑制され、過度な加速度等が加えられた場合にも継続して加速度等を検出することができるセンサー素子を得ることができる。
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかのセンサー素子が搭載されていることを特徴とする。
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかのセンサー素子が搭載されていることを特徴とする。
第1実施形態に係るセンサー素子について、図1から図3を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係るセンサー素子の概略を示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’で示す部分のセンサー素子の断面を模式的に示す断面図である。図3は、第1実施形態に係るセンサー素子の動作を説明する模式図である。
説明の便宜のため、図1では蓋体の図示を省略している。また、図3では、可動体および検出電極部以外の図示を省略している。なお、図1から図3では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
本実施形態のセンサー素子1は、例えば、慣性センサーとして用いることができる。具体的には、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するためのセンサー(静電容量型加速度センサー、静電容量型MEMS加速度センサー)として用いることができる。
基板10は、突起部14、検出電極部21等が設けられる基材である。基板10には、突起部14、検出電極部21等が設けられる一方面に第1凹部12が設けられている。
基板10に対して垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、第1凹部12は、検出電極部21、および可動体50を内包し、重なる様に配設された第1底面12aを有する。
基板10は、その材料として、例えば、ホウ珪酸ガラス等を用いることができる。
以下の説明において第1凹部12が設けられ、後述する蓋体60が接続されている基板10の一方面を主面10aと称する。
検出電極部21は、第1底面12aに対して垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、第1底面12aと少なくとも一部が可動体50と重なるとともに、可動体50に対して間隙13を置いて第1底面12a上に設けられている。検出電極部21は、第1検出電極部21aと、第2検出電極部21bと、を含み構成されている。なお、第1検出電極部21aおよび第2検出電極部21bは、電気的に相互が絶縁されている。
第1底面12a上には、支軸Qを中心とする両側の一方に第1検出電極部21aが設けられ、支軸Qを中心とする両側の他方に第2検出電極部21bが設けられている。
なお、第1検出電極部21aおよび第2検出電極部21bは、その表面積が等しいことが好ましい。また、第1可動体50a(可動体50)と第1検出電極部21aが重なる面積、および第2可動体50b(可動体50)と第2検出電極部21bが重なる面積は、それぞれ等しいことが好ましい。第1可動体50aおよび第2可動体50bと、第1検出電極部21aおよび第2検出電極部21bと、の間に生じる静電容量(電荷)の差によってセンサー素子1に加えられる力の方向を検出するためである。
突起部14は、第1底面12aから可動体50に向かって突出し、第1底面12a側の一端とは異なる他端に頂面141が設けられている。突起部14は、頂面141と可動体50との間に間隙13を有し、設けられている。突起部14は、第1突起部14aと、第2突起部14bと、を含み構成されている。
第2突起部14bは、検出電極部21に対して垂直方向であるZ軸方向から検出電極部21を平面視した場合に、第2検出電極部21bが設けられている領域と重なるとともに、頂面141bが第2検出電極部21bから露出する様に設けられている。また、第2突起部14bは、頂面141bと可動体50との間に間隙13を有して設けられている。
突起部14は、その材料として絶縁性を有する材料を用いることができる。突起部14は、その材料として、例えば、基板10と同じホウ珪酸ガラスを用いることができる。
可動体50は、第1底面12a上に設けられた検出電極部21に対して間隙13を有し、離間して設けられている。可動体50は、傾倒する際の支軸Qから延伸する支持部42によって枠部40に支持されている。枠部40は、基板10の主面10a上に第1凹部12の外周縁に沿って設けられている。
可動体50は、支軸Qを中心に第1可動体50aと、第2可動体50bと、を含み構成されている。可動体50は、主面10a上に設けられている枠部40に支持部42を介して支持されているため、検出電極部21との間で間隙13を有して離間させることができる。可動体50は、検出電極部21との間で間隙13を有し、離間させて設けられているため、支軸Qを支点にシーソー揺動することができる。
例えば、静電容量C1,C2は、可動体50が基板10に対して水平状態では略等しい静電容量値となる。可動体50と第1検出電極部21aとの間の間隙13の距離(大きさ)と、可動体50と第2検出電極部21bとの間の間隙13の距離(大きさ)と、が等しくなるため、静電容量C1,C2の静電容量値も等しくなる。
また、例えば、静電容量C1,C2は、可動体50が支軸Qを支点に傾倒した状態では、可動体50の傾倒に応じて、静電容量C1,C2の静電容量値が変化する。可動体50の傾倒に応じて、可動体50と第1検出電極部21aとの間の間隙13の距離(大きさ)と、可動体50と第2検出電極部21bとの間の間隙13の距離(大きさ)と、が異なるため、静電容量C1,C2も間隙13の距離(大きさ)に応じて静電容量値が異なる。
支持部42は、可動体50の支軸Qから枠部40に向かって延設されている。
支持部42は、トーションバネ(捻りバネ)として機能することができる。支持部42は、支軸Qの回転軸方向に捻れることができる。支持部42がトーションバネとして機能することで、可動体50は、加速度に応じて傾倒(シーソー揺動)することができる。
支持部42は、可動体50が傾倒することにより生じる「ねじり変形」に対して靱性を有し、当該支持部42が破損することを防止することができる。
枠部40は、基板10に対して垂直方向であるZ軸方向からの平面視において、第1凹部12の外周縁に沿って基板10の主面10a上に設けられている。枠部40は、可動体50との間に間隙43を有し、主面10a上に設けられている。
枠部40には、図1で示す様に可動体50が支持部42によって支持されている。
可動体50は、その材料として導電性を有する材料を用いることが好適である。可動体50は、電極として機能するためである。
なお、枠部40および支持部42と一体として形成する場合には、例えば、シリコン基板等フォトリソグラフィー法等によって加工容易な材料を用いることが好ましい。
蓋体60は、基板10と接続して設けられている。蓋体60には、第2凹部62が設けられている。蓋体60は、第2凹部62の頂面を接合面62aとして、基板10の主面10aと接続されることで基板10に設けられている第1凹部12と、蓋体60に設けられている第2凹部62と、に囲まれた空間であるキャビティ80が構成されている。基板10および蓋体60によって構成されたキャビティ80に可動体50等が収容されていることで、センサー素子1に対する外乱から可動体50等を保護することができる。
なお、蓋体60は、図示を省略する配線によって接地されている。
センサー素子1には、上述した検出電極部21と可動体50との間に生じた静電容量(C1,C2)を電気信号として取り出す配線部(不図示)が設けられている。配線部によって、可動体50の傾倒に応じて生じた静電容量をセンサー素子1の外部に出力することができる。
これにより、可動体50と、第1底面12aに設けられている検出電極部21と、が当接するおそれがある。可動体50と検出電極部21とが当接すると、可動体50と検出電極部21との間に生じた静電容量(C1,C2)が喪失し、センサー素子1として加速度等を計測することができなくなる。
本実施形態のセンサー素子1の動作について説明する。
図3は、センサー素子1の動作を説明する模式図であり、検出電極部21および可動体50以外の構成の図示を省略している。
センサー素子1は、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度(例えば重力加速度)が加えられた場合、可動体50に支軸Qを中心とする回転モーメント(力のモーメント)が生じる。
この状態で可動体50には、第1可動体50aより多くの重力加速度が第2可動体50bに作用している。よって、可動体50には支軸Qを回転軸とする時計回りの力が作用する。支軸Qが第1可動体50a側に偏心しているためである。したがって、可動体50は第2検出電極部21b側に傾倒する。
この状態で可動体50には、第2可動体50b側に加速度G11が加えられているため、支軸Qを回転軸とする反時計廻りの力が作用する。よって、可動体50は、第1検出電極部21a側に傾倒する。図3(b)においては、第2可動体50bに作用する重力加速度と、加速度G11とが略等しい状態を示している。そのため、可動体50は、基板10に対して略水平となる。
また、図3(a)で示したセンサー素子1に加速度が加えられていない状態と比べて、可動体50(第1可動体50a)と第1検出電極部21aとの間の間隙13は小さくなり、両部間に生じる静電容量C1も小さくなる。また、可動体50(第2可動体50b)と第2検出電極部21bとの間の間隙13は大きくなり、両部間に生じる静電容量C2の静電容量値も増加する。
この状態で可動体50には、第1可動体50a側に加速度G21が加えられているため、支軸Qを回転軸とする反時計廻りの力が作用する。よって、可動体50は、第1検出電極部21a側に傾倒する。図3(c)においては、第2可動体50bに作用する重力加速度と比べて、加速度G21が大きい状態を示している。そのため、可動体50は、第2可動体20b側に傾倒する。
また、図3(a)で示したセンサー素子1に加速度が加えられていない状態と比べて、可動体50(第1可動体50a)と第1検出電極部21aとの間の間隙13は小さくなり、両部間に生じる静電容量C1も小さくなる。また、可動体50(第2可動体50b)と第2検出電極部21bとの間の間隙13は大きくなり、両部間に生じる静電容量C2の静電容量値も増加する。
この静電容量C1,C2の静電容量値の変化(差動)によって、加速度の大きさと方向を検出することができる。
この様なセンサー素子1によれば、第1底面12aから可動体50に向かって突出する第1突起部14aと、第2突起部14bと、が設けられている。
可動体50は、過度に傾倒した場合に、第1突起部14aまたは第2突起部14bと当接することで、検出電極部21との接触および短絡が抑制される。
したがって、可動体50と検出電極部21との間に生じた静電容量C1,C2の喪失を抑制することができる。
よって、可動体50と検出電極部21との当接および短絡が抑制され、過度な加速度等が加えられた場合にも継続して加速度等を検出することができるセンサー素子1を得ることができる。
第2実施形態に係るセンサー素子について、図4を用いて説明する。
図4は、第2実施形態に係るセンサー素子を模式的に示す断面図である。図4は、図1中の線分A1−A1’で示す部分のセンサー素子の断面を模式的に示すものである。
図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
図4に示すセンサー素子1aは、第1実施形態で上述したセンサー素子1と同様に、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するためのセンサーとして用いることができる。
センサー素子1aには、第1凹部12の第1底面12a上にダミー電極部22が設けられている。
ダミー電極部22は、検出電極部21と電気的に絶縁されるとともに、基板10に対して垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、検出電極部21と重ならない様に第1底面12a上に配設されている。換言すると、第1底面12a上において、検出電極部21と排他的にダミー電極部22が配設されている。
また、ダミー電極部22は、可動体50と接続されることで可動体50と略同電位とすることができる。よって、ダミー電極部22と可動体50との間に静電引力の発生を抑制することができる。
この様なセンサー素子1aによれば、検出電極部21と電気的に絶縁されたダミー電極部22が第1底面12a上に設けられることで、第1底面12a上に基板10が露出される面積を抑制するとともに、基板10の帯電にともなう電界を遮蔽することができる。
したがって、ダミー電極部22が設けられることで基板10が露出する面積が抑制され、帯電にともなう電界を遮蔽することができる。
よって、可動体50が基板10に誘引されることを抑制し、加速度等の検出精度の高いセンサー素子1aを得ることができる。
第3実施形態に係るセンサー素子について、図5を用いて説明する。
図5は、第3実施形態に係るセンサー素子を模式的に示す断面図である。図5は、図1中の線分A1−A1’で示す部分のセンサー素子の断面を模式的に示すものである。
図5では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
図5に示すセンサー素子1bは、上述した各実施形態のセンサー素子1,1aと同様に、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するためのセンサーとして用いることができる。
溝部16は、第1検出電極部21aおよび第2検出電極部21bと、検出電極部21およびダミー電極部22と、の境界部18に設けられている。
検出電極部21およびダミー電極部22は、それぞれ排他的に第1底面12a上に電気的に絶縁されて設けられていることから、その境界部18において第1底面12aが露出する。
よって、基板10が帯電した場合に、境界部18から帯電に伴う電界が漏洩し、可動体50を基板10側に誘引する静電引力が生じる。そこで、基板10に対して垂直方向であるZ軸方向から可動体50を平面視した場合に、可動体50と重なる境界部18に溝部16が設けられている。
また、センサー素子1bは、境界部18において露出する第1底面12aを可及的に少なくすることが好ましい。したがって、検出電極部21およびダミー電極部22は、溝部16の底面まで延設されている。
溝部16が設けられることで、可動体50と、基板10の第1底面12aが露出する境界部18と、の間の間隙13を大きくすることができ、可動体50に対する静電引力の作用を抑制することができる。換言すると、可動体50が基板10側に静電誘引されることを抑制することができる。
この様なセンサー素子1bによれば、第1底面12a上に設けられている検出電極部21とダミー電極部22との間、および第1検出電極部21aと第2検出電極部21bとの間で、可動体50と重なる領域の境界部18には、溝部16が設けられている。
したがって、溝部16が設けられることで、可動体50と、境界部18において基板10が露出する第1底面12aと、の間隙13の距離を広げることができる。
よって、基板10の帯電による可動体50に対する静電引力を弱め、可動体50が基板10に誘引されることを抑制することができるセンサー素子1bを得ることができる。
第4実施形態に係るセンサー素子について、図6を用いて説明する。
図6は、第4実施形態に係るセンサー素子を模式的に示す断面図である。図6は、図1中の線分A1−A1’で示す部分のセンサー素子の断面を模式的に示すものである。
図6では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
図6に示すセンサー素子1cは、各実施形態で上述したセンサー素子1,1a,1bと同様に、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するためのセンサーとして用いることができる。
センサー素子1cは、第1実施形態のセンサー素子1で上述した第1突起部14aおよび第2突起部14bと、さらに突出部15と、を含み構成されている。
突出部15は、第1底面12aに設けられている第1検出電極部21aおよび第2検出電極部21bとの境界部18に設けられた溝部16に沿って設けられている。突出部15は、第1底面12aから可動体50に向かって突出し、第1底面12a側の一端とは異なる他端に頂面151が設けられている。突出部15は、頂面151と可動体50との間に間隙13を有し、設けられている。
また、突出部15を覆う様に検出電極部21が設けられている。突出部15を覆う第1検出電極部21aおよび第2検出電極部21bは、第1底面12aから溝部16に向かって延伸し、境界部18において相互に絶縁する様に設けられている。
その他の構成はセンサー素子1,1a,1bと同様のため、説明を省略する。
この様なセンサー素子1cによれば、第1検出電極部21aと第2検出電極部21bとの間に設けられた溝部16に沿って、第1底面12aから可動体50に向かって突出する突出部15が設けられている。
突出部15は、第1検出電極部21aまたは第2検出電極部21bに覆われている。
したがって、境界部18において露出する第1底面12aから漏洩する電界は、突出部15が設けられていることで検出電極部21に対する誘引が軽減され、可動体50と検出電極部21との間で生じる静電容量C1,C2への影響を抑制することができる。
よって、帯電による誘導が抑制されたセンサー素子1cを得ることができる。
第5実施形態に係るセンサー素子について、図7を用いて説明する。
図7は、第5実施形態に係るセンサー素子を模式的に示す図である。図7(a)は、図1中の線分A1−A1’で示す部分のセンサー素子の断面を模式的に示すものである。図7(b)は、第1突起部14aを模式的に拡大して示す拡大図である。図7では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
その他の構成等は第3実施形態で上述したセンサー素子1bと略同じであるため、同様の構成には同じ符号および符番を付して説明を一部省略してセンサー素子1dについて説明する。
図7に示すセンサー素子1dは、第3実施形態で上述したセンサー素子1bと同様に、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するためのセンサーとして用いることができる。
本実施形態のセンサー素子1dの突起部14は、その突起部14が検出電極部21に覆われ、さらに突起部14に設けられている検出電極部21を覆う様に絶縁部32が設けられている。また、突起部14は、第1底面12aから可動体50に向かって突出し、第1底面12a側の一端とは異なる他端に頂面141が設けられている。
第1突起部14aは、検出電極部21を垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、第1検出電極部21aと重なるとともに、頂面141aと可動体50との間に間隙13を有して設けられている。
また、第1突起部14aは、第1検出電極部21aに覆われ、さらに第1突起部14aに設けられている第1検出電極部21aを覆う様に絶縁部32が設けられている。
第2突起部14bは、第2検出電極部21bに覆われ、さらに第2突起部14bに設けられている第2検出電極部21bを覆う様に絶縁部32が設けられている。
センサー素子1dにおいて、ホウ珪酸ガラスを含み構成された基板10と、シリコンを含み構成される蓋体60と、を接合する方法として陽極接合法が用いられている。
例えば、基板10と蓋体60との陽極接合中に、突起部14と可動体50とが当接すると、ホウ珪酸ガラスを含み構成されている突起部14と、シリコンを含み構成されている可動体50と、の間で意図しない陽極接合が生じる。
この様なセンサー素子1dによれば、第1突起部14aおよび第2突起部14b(突起部14)を覆う様に検出電極部21が設けられ、さらに突起部14には、可動体50と当接する部分に検出電極部21を覆う絶縁部32が設けられている。
これにより、センサー素子1dは、突起部14が絶縁体で構成されている場合、帯電による電界を検出電極部21で遮蔽し、可動体50が突起部14に静電誘引されることを抑制することができる。また、センサー素子1dは、その製造時において、可動体50と突起部14とが当接しても、突起部14に設けられた検出電極部21によってNaイオンの移動が抑制され、可動体50と突起部14とが陽極接合されることを抑制することができる。したがって、可動体50が突起部14に静電誘引されることを抑制されるとともに、可動体50と突起部14との意図しない接合を抑制したセンサー素子1dを得ることができる。
例えば、センサー素子1、及び1aから1eは、加速度等が加えられていない初期状態においては、可動体50は第2検出電極部21b側に傾倒し、加速度が加えられることで第1検出電極部21a側に傾倒し、さらに加速度が加えられると第1突起部14aと可動体50とが当接することができる。
よって、少なくとも一つの突起部14が設けられていれば、上述した効果が得られるものである。
この様なセンサー素子に可動体が変位する方向における検出電極部の厚みの寸法より大きい突出寸法の突起部を少なくとも一つ設けることで、可動体と検出電極部との当接を防ぐことができる。したがって、可動体と検出電極部との接触および短絡が抑制され、可動体と検出電極部との間に生じた静電容量の喪失を抑制することができる。
よって、可動体と検出電極部との当接が抑制され、過度な加速度等が加えられた場合にも継続して加速度等を検出することができるセンサー素子を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るセンサー素子1、およびセンサー素子1aないし1d(以下、総括してセンサー素子1として説明する。)のいずれかを適用した実施例について、図8から図11を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態に係るセンサー素子1を適用した電子機器について、図8から図10を参照しながら説明する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能する静電容量型のセンサー素子1が内蔵されている。この様なセンサー素子1は、可動体50が基板10に接触し、静電容量C1,C2の喪失が抑制されているため、連続して加速度等の計測をおこなうことができる。よって、信頼性の高いデジタルスチールカメラ1300を得ることができる。
図11は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は、加速度センサーとして機能するセンサー素子1が各種制御ユニットに搭載されている。例えば、同図に示す様に、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知するセンサー素子1を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。加速度を検知して車体1507の姿勢に応じた適切な出力にエンジンを制御することで、燃料等の消費を抑制した効率的な移動体としての自動車1500を得ることができる。
また、センサー素子1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
この様なセンサー素子1は、可動体50が基板10に接触し、静電容量C1,C2の喪失が抑制されているため、連続して加速度等の計測をおこなうことができる。よって、信頼性の高い移動体1500を得ることができる。
Claims (13)
- 基板と、
前記基板上に設けられ、互いに電気的に絶縁されている第1検出電極部と第2検出電極部と、
前記検出電極部に対向している可動体と、
前記検出電極部と電気的に絶縁されるように、前記基板上に設けられているダミー電極部と、
を含み、
前記ダミー電極部は、一定の電位である、または前記可動体と電気的に接続され、
前記検出電極部と前記可動体とが重なる方向からの平面視で、前記検出電極部と前記ダミー電極部との間を隔てている第1の境界部は、前記基板が露出し、
前記平面視で、前記第1検出電極部と前記第2検出電極部との間を隔てている第2の境界部は、前記基板が露出し、
前記可動体と前記第1の境界部との間隙の距離は、前記可動体と前記検出電極部との間隙の距離よりも大きく、
前記可動体と前記第2の境界部との間隙の距離は、前記可動体と前記検出電極部との間隙の距離よりも大きく、
前記基板は、前記可動体と前記基板とが並んでいる方向に沿った前記基板の厚さ方向に凹んでいる溝部が形成され、
前記第1の境界部及び前記第2の境界部の何れか一方は、前記溝部の内部に配置されている、
ことを特徴とするセンサー素子。 - 請求項1において、
前記基板から前記可動体に向かって突出し、
前記平面視で、前記可動体と重なるように設けられている突起部を含む、
ことを特徴とするセンサー素子。 - 請求項2のいずれか一項において、
前記突起部の表面に前記検出電極部が設けられていることを特徴とするセンサー素子。 - 基板と、
前記基板上に設けられている検出電極部と、
前記検出電極部に対向している可動体と、
前記検出電極部と電気的に絶縁されるように、前記基板上に設けられているダミー電極部と、
前記基板から前記可動体に向かって突出し、前記検出電極部と前記可動体とが重なる方向からの平面視で、前記可動体と重なるように設けられている突起部と、
を含み、
前記ダミー電極部は、一定の電位である、または前記可動体と電気的に接続され、
前記平面視で、前記検出電極部と前記ダミー電極部との間を隔てている第1の境界部は、前記基板が露出し、
前記可動体と前記第1の境界部との間隙の距離は、前記可動体と前記検出電極部との間隙の距離よりも大きく、
前記突起部の表面に前記検出電極部が設けられている、
ことを特徴とするセンサー素子。 - 請求項4において、
前記検出電極部は、互いに電気的に絶縁されている第1検出電極部と第2検出電極部とを含み、
前記平面視で、前記第1検出電極部と前記第2検出電極部との間を隔てている領域に設けられている第2の境界部は、前記基板が露出し、
前記可動体と前記第2の境界部との間隙の距離は、前記可動体と前記検出電極部との間隙の距離よりも大きい、
ことを特徴とするセンサー素子。 - 請求項5において、
前記基板は、前記可動体と前記基板とが並んでいる方向に沿った前記基板の厚さ方向に凹んでいる溝部が形成され、
前記第1の境界部及び前記第2の境界部の少なくとも何れか一方は、前記溝部の内部に配置されている、
ことを特徴とするセンサー素子。 - 請求項2乃至6のいずれか一項において、
前記突起部は、
前記平面視で、
前記第1検出電極部の外縁よりも内側に設けられている第1突起部と、
前記第2検出電極部の外縁よりも内側に設けられている第2突起部と、
を含む、
ことを特徴とするセンサー素子。 - 請求項2乃至7のいずれか一項において、
前記突起部は、前記基板と一体に設けられていることを特徴とするセンサー素子。 - 請求項3乃至8のいずれか一項において、
前記突起部の前記可動体と当接する部分に絶縁材が設けられていることを特徴とするセンサー素子。 - 請求項1乃至9のいずれか一項において、
前記平面視で、前記第1の境界部の少なくとも一部は、前記可動体と重なっていることを特徴とするセンサー素子。 - 請求項1乃至10のいずれか一項において、
前記基板の材質は絶縁体であることを特徴とするセンサー素子。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のセンサー素子が搭載されていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のセンサー素子が搭載されていることを特徴とする移動体。
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