JP6137451B2 - 物理量センサー、電子機器、及び移動体 - Google Patents
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Description
本適用例に係る物理量センサーは、シールド電極と、シールド電極上に絶縁部を介して設けられた、第1の固定電極及び第2の固定電極と、第1の固定電極及び第2の固定電極に対向して配置された可動電極を含み、シールド電極上に支持部で支持された可動部と、を備え、第1の固定電極及び第2の固定電極は、電気的に分離して設けられていることを特徴とする。
上記適用例に係る物理量センサーの可動部は、導電性を有する材料で構成され、シールド電極及び可動部は、電気的に接続され同電位であることが好ましい。
上記適用例に係る物理量センサーの支持部は、第1軸に沿って設けられ、第1軸を境にして、可動部の質量が両側で異なることが好ましい。
上記適用例に係る物理量センサーの可動部には、錘部が設けられていることが好ましい。
上記適用例に係る物理量センサーの可動部には、凹部及び貫通孔の少なくとも一つが設けられていることが好ましい。
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかの物理量センサーを搭載していることを特徴とする。
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかの物理量センサーを搭載していることを特徴とする。
本適用例に係る物理量センサーは、第1凹部が設けられた基板と、前記第1凹部の底面上に設けられたシールド電極と、前記シールド電極上に絶縁部を介して設けられた、第1の固定電極及び第2の固定電極と、前記第1の固定電極及び前記第2の固定電極に対向して配置された可動電極を含み、前記シールド電極上に支持部で支持された可動部と、を備え、前記第1の固定電極及び前記第2の固定電極は、電気的に分離して設けられ、前記第1凹部は、平面視した場合に、前記可動部、前記第1の固定電極、及び前記第2の固定電極と重なる様に設けられ、前記支持部は、第1軸に沿って設けられ、前記第1軸を境にして、前記可動部の質量が両側で異なり、前記第1軸と交差する方向の前記可動部の一方側の端部には、錘部が設けられ、前記第1凹部の前記底面には、第2凹部が設けられ、前記第2凹部は、平面視した場合に、前記錘部と重なる様に設けられていることを特徴とする。
また、本適用例に係る物理量センサーにおいて、前記可動部は、導電性を有する材料で構成され、前記シールド電極及び前記可動部は、電気的に接続され同電位であることが好ましい。
また、本適用例に係る物理量センサーにおいて、前記可動部には、凹部及び貫通孔の少なくとも一つが設けられていることが好ましい。
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかの物理量センサーを搭載したことを特徴とする。
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかの物理量センサーを搭載したことを特徴とする。
第1実施形態に係る物理量センサーについて、図1から図4を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る物理量センサーの概略を示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’で示す部分の物理量センサーの断面を模式的に示す断面図である。図3は、図1中の線分B−B’で示す部分の物理量センサーの断面を模式的に示す断面図である。図4は、第1実施形態に係る物理量センサーの動作を説明する模式図である。
説明の便宜のため、図1及び図4では、蓋体の図示を省略している。また、図1から図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
本実施形態の物理量センサー100は、例えば、慣性センサーとして用いることができる。具体的には、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するための加速度センサー(静電容量型加速度センサー、静電容量型MEMS加速度センサー)として用いることができる。
固定電極部21には、第1の固定電極としての固定電極21a、及び第2の固定電極としての固定電極21bを備えている。また、絶縁部22は、固定電極21aに対応して設けられている絶縁部22a、及び固定電極21bに対応して設けられている絶縁部22bを備えている。
さらに、物理量センサー100は、可動部50を枠部40に支持する支持部30を備えている。また、支持部30には、第1の支持部としての支持部30a、及び第2の支持部としての支持部30bを備えている。また、可動部50は、支持部30aと支持部30bとを結ぶ仮想線としての第1軸Qを中心とする両側にそれぞれ可動領域51a、可動領域51bを有している。
なお、以下の説明において、固定電極21a及び固定電極21bは、総括して固定電極部21として説明する場合がある。また、絶縁部22a及び絶縁部22bは、総括して絶縁部22として説明する場合がある。また、支持部30a及び支持部30bは、総括して支持部30として説明する場合がある。また、可動領域51a及び可動領域51bは、総括して可動領域51として説明する場合がある。
第1凹部12は、物理量センサー100をZ軸方向から平面視した場合に、固定電極部21及び可動部50を内包し、重なる様に配設された第1底面12aを有する。第1底面12a上には、固定電極部21が設けられている。
基板10の材料は特に限定されないが、例えば、ホウ珪酸ガラス等を用いることができる。
なお、固定電極21a,21bは、絶縁部22a,22bによって相互に絶縁されている。
また、枠部40と、可動部50と、の間には、間隙4が設けられている。第1凹部12と間隙4とを有することで支持部30を支点として可動部50がシーソー揺動することができる。支持部30は、可動部50がシーソー揺動することにより生じる「ねじり変形」に対して復元力を有し、当該支持部30が破損することを防止することができる。
可動部50は、可動電極として機能するため導電性を有する材料で形成されている。本実施形態の可動部50は、シリコン基板を用いて支持部30及び枠部40と一体として形成されている。なお、可動部50は、その形成される材料は特に限定されることなく導電性を有する材料で形成されていれば良い。また、可動部50は、絶縁性を有する材料で形成することもできる。絶縁性を有する材料で可動部50を形成する場合には、固定電極部21と対向する面に導電性を有する電極膜を形成すれば良い。
この様な可動部50は、容易にシーソー揺動可能とした場合に、基板10が帯電することで静電引力(吸引)によって基板10側に吸引される場合がある。例えば、後述する蓋体60と、ホウ珪酸ガラスを用いた基板10と、を接合する際に陽極接合を用いた場合に、接合面とは反対側の面に向かって基板10に内包されるNa(ナトリウム)イオンの移動が生じる。Naイオンの移動が生じることで、接合面側(第1底面12a)には空乏層が生成され、第1底面12a側(上)が帯電しやすくなる。
また、フォトリソグラフィー技術によってシリコン基板をエッチングすることで、支持部30、枠部40、可動部50を一体として形成する場合に、ドライエッチング技術を用いることが一般的である。この様なドライエッチング技術を用いる場合には、プラズマを発生させ、その内部で生成されたイオン(ラジカル)を被加工物であるシリコン基板に衝突させるため、形成される可動部50等に帯電が生じやすい。また、基板10にホウ珪酸ガラスを用いた場合には、絶縁体である基板10にも帯電が生じやすく、基板10とシリコン基板との間に静電引力が作用し、当該シリコン基板(可動部50など)が基板10に吸引されることがある。
そこで本発明の物理量センサー100には、基板10と対向する可動部50を内包する様に固定電極部21を設けることで、基板10が帯電した場合でもシールド電極23がシールドとして機能し、可動部50が基板10に吸引されることを抑制することができる。
例えば、支持部30、枠部40、可動部50が一体としてシリコン等の導電性材料で形成されている場合、シールド電極23と枠部40とを接続する図示を省略する配線を設けることで、シールド電極23と可動部50とが電気的に接続される。シールド電極23と可動部50とが電気的に接続されることで同電位となるため、これらシールド電極23と可動部50との間には静電引力が作用しないことから、可動部50が基板10側に吸引されることを抑制することができる。
例えば、静電容量C1,C2は、傾倒可能な可動部50が水平である状態、即ち、第1軸Qを中心に可動領域51a,51bの両側に対して均等に加速度等が加えられている状態では同じ容量値となる。換言すると、可動部50と固定電極21aとの間隙2の距離(大きさ)と、可動部50と固定電極21bとの間隙2の距離(大きさ)と、が等しくなるため、静電容量C1,C2の容量値も等しくなる。
また、静電容量C1,C2は、可動部50が第1軸Qを支点に傾倒した状態、即ち、第1軸Qを中心に可動領域51a,51bに対して不均等に加速度が加えられている状態では、可動部50の傾倒に応じて、静電容量C1,C2の容量値が変化する。換言すると、可動部50と固定電極21aとの間隙2の距離(大きさ)と、可動部50と固定電極21bとの間隙2の距離(大きさ)と、が異なるため、静電容量C1,C2も間隙2の距離(大きさ)に応じて容量値が異なる。
配線71は、電極81から固定電極部21に向かって延設して、固定電極21aに接続されている。また、配線72は、電極82から固定電極部21に向かって延設して、固定電極21bに接続されている。また、配線73は、電極83から支持部30を介して可動部50に向かって延設して、その可動部50に接続されている。
これにより、静電容量C1の容量値(容量変化)は、固定電極21aに接続されている配線71及び電極81と、可動部50に接続されている配線73及び電極83と、によって出力することができる。また、静電容量C2の容量値(容量変化)は、固定電極21bに接続されている配線72及び電極82と、可動部50に接続されている配線73及び電極83と、によって出力することができる。
なお、配線71〜配線73と、電極81〜電極83とは、例えば、クロム(Cr)を下地膜とし、下地膜に金(Au)などを積層して設けることができる。また、配線71〜73と枠部40とは、電気的に絶縁分離されていることが好ましい。例えば、枠部40の上に酸化シリコン(SiO2)等からなる絶縁層を設け、絶縁層の上に配線71〜73を設けることができる。これによって、配線71〜73と枠部40とを電気的に絶縁分離することができる。
枠部40は、平面視において、可動部50の周囲に設けられている。枠部40は、可動部50と間隙4を介して基板10に設けられている。枠部40には、図1及び図3で示す様に上述した可動部50が支持部30によって支持されている。物理量センサー100をZ軸方向から平面視した場合に枠部40は、可動部50を内包し、当該枠部40と可動部50との間に間隙4を介して重なる様に配設されている。また、可動部50から延設されている支持部30が枠部40に支持され、枠部40と可動部50との間に間隙4を有することから、支持部30を支点として可動部50がシーソー揺動することができる。
本実施形態の物理量センサー100の動作について説明する。
本実施形態の物理量センサー100は、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度(例えば重力加速度)が可動部50に加えられた場合、第1軸Qを中心とする可動部50の可動領域51aと、可動領域51bと、の各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じる。物理量センサー100は、鉛直方向(Z軸方向)に加えられる加速度によって、可動部50の可動領域51a、及び可動領域51bに生じる回転モーメントに応じて、可動部50が傾倒する様に設けられている。なお、可動領域51a側の回転モーメント(例えば時計回りの回転モーメント)と、可動領域51b側の回転モーメント(例えば反時計回りの回転モーメント)とが均衡した場合には、可動部50の動き(傾き)も均衡する。
図4(a)に示す状態において、可動部50と固定電極21aとの間の距離(間隙2)、及び可動部50と固定電極21bとの間の距離(間隙2)が互いに等しくなる。これによって、静電容量C1,C2の容量値も等しくなる。
これに伴い可動部50は、第1軸Qを回転軸とする時計回りの力が作用することで、その可動部50の傾きが生じる。換言すると、可動部50は、第1軸Qを支点とするシーソー揺動によって可動領域51b側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、固定電極21bと可動部50(可動領域51b)との間隙2が小さく(短く)なり、その結果、図4(a)に示す静電容量C2の容量値が上述の可動部50が均衡している場合と比較して増加する。
他方、固定電極21aと可動部50(可動領域51a)との間隙2が大きく(長く)なり、その結果、図4(a)に示す静電容量C1の容量値が上述の可動部50が均衡している場合と比較して減少する。
これに伴い可動部50は、第1軸Qを回転軸とする反時計回りの力が作用することで、その可動部50の傾きが生じる。換言すると、可動部50は第1軸Qを支点とするシーソー揺動によって可動領域51a側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、固定電極21aと可動部50(可動領域51a)との間隙2が小さく(短く)なり、その結果、図4(a)に示す静電容量C1の容量値が上述の可動部50が均衡している場合と比較して増加する。
他方、固定電極21bと可動部50(可動領域51b)との間隙2が大きく(長く)なり、その結果、図4(a)に示す静電容量C2の容量値が上述の可動部50が均衡している場合と比較して減少する。
例えば、図4(b)の状態で得られる容量値の変化(加速度G1の大きさと方向)を基準として、図4(c)の状態における容量値の変化を判定することによって、図4(c)の状態で、どの方向に、どの程度の加速度G2が作用しているかを検出することができる。即ち、図4(c)の状態で得られる静電容量C1,C2の容量値の変化に基づいて、その変化の程度から、加わった加速度G2の値を検出することができる。
この様な物理量センサー100によれば、可動部50を包含する様に固定電極部21が基板10に設けられているため、基板10に電荷を帯びた場合でも可動部50に対する静電引力を固定電極部21に設けられたシールド電極23で遮蔽(シールド)することができる。
従って、静電引力によって可動部50が固定電極部21側に吸引されることと、静電引力による可動部50と固定電極21との間に生じる静電容量への影響とを抑制することができ、物理量センサー100の計測精度を高めることができる。
第2実施形態に係る物理量センサーについて、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、第2実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す平面図である。図6は、図5中の線分A1−A1’で示す部分の物理量センサーの断面を模式的に示す断面図である。
図5では、蓋体60の図示を省略している。また、図5及び図6では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
第2実施形態に係る物理量センサー200は、可動部50に錘部53が設けられている点が第1実施形態で説明した物理量センサー100とは異なる。その他の構成は、第1実施形態と同様のため、相違点を説明し、同様の部分には同様の符号を付して説明は一部省略する。
物理量センサー200の固定電極部21には、固定電極21と、絶縁部22と、シールド電極23と、を備えている。また、固定電極21には、第1の可動電極としての固定電極21a、及び第2の可動電極としての固定電極21bを備えている。また、絶縁部22は、固定電極21aに対応して設けられている絶縁部22a、及び固定電極21bに対応して設けられている絶縁部22bを備えることができる。
さらに、物理量センサー200は、可動部50を枠部40に支持する支持部30を備えている。また、支持部30には、第1の支持部としての支持部30a、及び第2の支持部としての支持部30bを備えることができる。
また、可動部50は、支持部30aと支持部30bとを結ぶ仮想線である第1軸Qを中心とする両側にそれぞれ可動領域51a、可動領域51bを有している。
例えば、図5及び図6に示す様に物理量センサー200には、可動部50の可動領域51bと連接する様に錘部53が設けられている。この様な物理量センサー200の可動部50は、加速度が加えられない状態(定常状態)において、錘部53の設けられた側が重力の作用する方向、即ち、−Z軸方向に傾倒する様に構成されている。
なお、錘部53の材料は特に限定されること無く、加速度等が加えられていない可動部50を傾倒させる質量を有する材料であれば良い。
本実施形態の物理量センサー200の動作について説明する。
本実施形態の物理量センサー200は、物理量センサー100と同様に、鉛直方向(Z軸方向)の加速度(例えば重力加速度)が可動部50に加えられた場合、可動部50(可動領域51a、可動領域51b)の各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じる。物理量センサー200は、鉛直方向(Z軸方向)に加えられる加速度によって、可動領域51a、及び可動領域51bに生じる回転モーメントに応じて、可動部50が傾倒する様に設けられている。
なお、物理量センサー200は、錘部53が設けられているため、加速度が加えられていない初期的な状態においては当該錘部53が設けられている可動部50側が−Z軸方向に傾倒する様に構成されている。
図7(a)に示す状態において、固定電極21bと可動部50(可動領域51b)との間隙2が小さく(短く)なり、その結果、加速度に応じて可動部50が傾くことによって変化する静電容量C2の容量値が最大となる。他方、固定電極21aと可動部50(可動領域51a)との間隙2が大きく(長く)なり、その結果、加速度に応じて可動部50が傾くことによって変化する静電容量C1の容量値が最小となる。
例えば、錘部53に作用する重力(−Z軸方向)と、+Z軸方向に作用する加速度G11が均衡した場合には、可動部50の傾きも均衡する。
これにより、可動部50(可動領域51a)と固定電極21aとの間の距離(間隙2)、及び可動部50(可動領域51b)と固定電極21bとの間の距離(間隙2)が等しくなる。これによって、静電容量C1,C2の容量も等しくなる。
例えば、可動部50は、当該−Z軸方向に作用する加速度G21が、可動領域51b及び錘部53に作用する重力(−Z軸方向)よりも大きい場合には、可動領域51a側が−Z軸方向に傾倒する。
これにより、可動部50(可動領域51a)と固定電極21aとの間隙2が小さく(短く)なり、その結果、静電容量C1の容量値が図7(a)に示した加速度が加えられていない初期状態と比べて増加する。他方、可動部50(可動領域51b)と固定電極21bとの間隙2が大きく(長く)なり、その結果、静電容量C2の容量値が図7(a)に示した加速度が加えられていない初期状態と比べて減少する。
可動領域51a,51bのいずれかの質量を異ならせることで、可動部50は、加速度が加えられていない場合に質量の大きい可動領域51側に傾倒することができる。これにより、可動部50が静電引力で基板10に吸引されることを抑制するとともに、加速度が加えられていない時の静電容量C1,C2のオフセットを抑制することができる。
なお、錘部53を設けずに、可動部50に有底の凹部、または表裏を貫通する貫通孔を設けることにより、可動部50の第1軸を境にした一方の領域と他方の領域のどちらかの質量を軽くすることで、可動部50に質量偏移を与えても良い。また、錘部53、凹部、貫通孔を組み合わせて可動部50に質量偏移を与えても良い。
この様な物理量センサー200によれば、可動部50に設けられた錘部53に作用する重力を超える加速度等が加えられなければ可動部50が傾倒しないため、計測の下限値を錘部53の重さによって設定することができる。また、物理量センサー200に加速度等が加えられていない時の計測オフセットを抑制することができ、計測精度を高めることができる。
第3実施形態に係る物理量センサーについて、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、第3実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す平面図である。図9は、図8中の線分A2−A2’で示す部分の物理量センサーの断面を模式的に示す断面図である。図8では、蓋体60の図示を省略している。また、図8及び図9では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋体とが重なる厚み方向を示す軸である。
第3実施形態に係る物理量センサー300は、基板10に設けられた第1凹部12に第2凹部312を有する点が、上述した第1実施形態で説明をした物理量センサー100、及び第2実施形態で説明した物理量センサー200とは異なる。その他の構成は、第1実施形態及び第2実施形態と略同様のため、相違点を説明し、同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
物理量センサー300は、固定電極21と、絶縁部22と、シールド電極23と、を備えている。また、固定電極21には、第1の可動電極としての固定電極21a、及び第2の可動電極としての固定電極21bを備えている。また、絶縁部22は、固定電極21aに対応して設けられている絶縁部22a、及び固定電極21bに対応して設けられている絶縁部22bを備えている。
さらに、物理量センサー300は、可動部50を枠部40に支持する支持部30を備えている。また、支持部30には、第1の支持部としての支持部30a、及び第2の支持部としての支持部30bを備えている。
また、可動部50には、支持部30aと支持部30bとを結ぶ仮想線である第1軸Qを中心とする両側にそれぞれ可動領域51a、可動領域51bを有している。また、可動部50には上述した物理量センサー200と同様に、可動領域51aもしくは可動領域51bと連接して錘部53を備えている。
なお、本実施形態の物理量センサー300をZ軸方向から平面視した場合に、可動部50と、固定電極部21とを内包し、重なる様に基板10に第1凹部12が設けられ、当該第1凹部12には、さらに第2凹部312が設けられている。
第2凹部312が設けられていることで、基板10と、可動部50が傾倒した場合に最も基板10と接近する錘部53が設けられた可動領域51b側の端部と、の間隙5を広くすることができ、基板10の帯電によって可動部50が静電吸引されることを抑制することができる。
この様な物理量センサー300によれば、第2凹部312が設けられていることで固定電極21aと可動領域51a側の可動部50との間隙2と比べて、固定電極21bと錘部53が設けられた可動領域51b側の可動部50との間隙5を広く(大きく)設けることができる。
これにより、加速度等が加えられていない状態で、錘部53が固定電極部21側に傾倒した場合でも、間隙5が広く設けられているため、静電引力によって可動部50が固定電極部21側に吸引されることを抑制し、計測精度を高めることができる。
次いで、本発明の一実施形態に係る物理量センサー100から300(以下、総括して物理量センサー100として説明する。)のいずれかを適用した実施例について、図10から図13を参照しながら説明する。
先ず、本発明の一実施形態に係る物理量センサー100を適用した電子機器について、図10から図12を参照しながら説明する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能する物理量センサー100が内蔵されている。
図13は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は本発明に係る物理量センサー100を備える。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500の車体1507には、当該自動車1500の加速度を検知する物理量センサー100を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が搭載されている。また、物理量センサー100は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
Claims (5)
- 第1凹部が設けられた基板と、
前記第1凹部の底面上に設けられたシールド電極と、
前記シールド電極上に絶縁部を介して設けられた、第1の固定電極及び第2の固定電極と、
前記第1の固定電極及び前記第2の固定電極に対向して配置された可動電極を含み、前記シールド電極上に支持部で支持された可動部と、を備え、
前記第1の固定電極及び前記第2の固定電極は、電気的に分離して設けられ、
前記第1凹部は、平面視した場合に、前記可動部、前記第1の固定電極、及び前記第2の固定電極と重なる様に設けられ、
前記支持部は、第1軸に沿って設けられ、
前記第1軸を境にして、前記可動部の質量が両側で異なり、
前記第1軸と交差する方向の前記可動部の一方側の端部には、錘部が設けられ、
前記第1凹部の前記底面には、第2凹部が設けられ、
前記第2凹部は、平面視した場合に、前記錘部と重なる様に設けられていることを特徴とする物理量センサー。 - 請求項1に記載の物理量センサーにおいて、
前記可動部は、導電性を有する材料で構成され、
前記シールド電極及び前記可動部は、電気的に接続され同電位であることを特徴とする物理量センサー。 - 請求項1または2に記載の物理量センサーにおいて、
前記可動部には、凹部及び貫通孔の少なくとも一つが設けられていることを特徴とする物理量センサー。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載した物理量センサーを搭載したことを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載した物理量センサーを搭載したことを特徴とする移動体。
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