JP2003011549A - 資金別貸借対照表 - Google Patents

資金別貸借対照表

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JP2003011549A
JP2003011549A JP2001202658A JP2001202658A JP2003011549A JP 2003011549 A JP2003011549 A JP 2003011549A JP 2001202658 A JP2001202658 A JP 2001202658A JP 2001202658 A JP2001202658 A JP 2001202658A JP 2003011549 A JP2003011549 A JP 2003011549A
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Yukitoshi Sato
幸利 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】借入金の発生理由を明確にし、また、企業の財
政状態を判断し、業績診断や財務診断ができる資金別貸
借対照表を提供する。 【解決手段】資金別貸借対照表は、損益資金の部(1)、
売上仕入資金の部(2)、固定資金の部(3)、流動資金の部
(4)を含み、上記順序で縦または横方向に配設してあ
り、固定資金の部(3)は、棚卸資産(301)の項目を含むそ
の1(31)、資本金(321)、資本準備金(322)の項目を含む
その2(32)、固定資産(331)の項目を含むその3(33)、
長期借入金(341)、社債(342)の項目を含むその4(34)、
に区分され上記順序で続いており、流動資金の部(4)
は、短期借入金(411)、割引手形(412)の項目を含むその
1(41)、未払費用(423)、預り金(424)、短期貸付金(42
1)、有価証券(422)の項目を含むその2(42)、に区分さ
れ上記順序で続いており、損益資金の部(1)、売上仕入
資金の部(2)、固定資金の部(3)、流動資金の部(4)に対
応して現金預金の部が設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、資金別貸借対照表
にかかり、更に詳しくは、どの様な性格の借入金がどの
様な段階で発生したかを容易に理解できるようにして企
業の財務診断を容易にした資金別貸借対照表に関する。
【0002】
【従来技術】会社が、ある一定期間の活動の結果をその
会社の利害関係者に報告するための書類として財務諸表
がある。その中で、ある時点の企業の財産の状態を明ら
かにする書類として貸借対照表が使用されている。
【0003】この貸借対照表の表示の仕方には、大きく
分けて勘定式と報告式とがある。前者は資産と負債・資
本を対照として示す形式のものである。後者は資産の部
から始まって負債、資本と順序立てて並べていく形式の
ものである。このうち勘定式貸借対照表が見やすさの観
点から一般に使用されている。
【0004】この貸借対照表は、その見方として資産全
体に対する流動資産、固定資産の割合、流動負債、固定
負債、自己資本、これらが資産全体の何パーセントを占
めるかを知り、モデルケースと照らし合わせてその多寡
によって企業が安定しているか不安定か、つまりバラン
ス状態を見る。そのためには、上記各欄の数字が示す内
容を十分理解しておかなければならなかった。
【0005】また、分析の結果が百分率などの数値分析
でなされるために、損益、資金との関連性について理解
するのが困難であった。このため、貸借対照表の分析結
果が企業において生かされていなかった。また、仮に数
値分析の理解がなされていても、数値分析の結果、企業
の取るべき指針が明確に理解できないために、数値分析
が無駄となっているばかりか、見やすいとはいえなかっ
た。
【0006】本発明者は、従来の制度会計と企業の損益
認識のギャップを解決すべく貸借対照分析を数字のプラ
ス及びマイナス等で理解できるようにし、それが損益と
資金に関連づけられた資金別貸借対照表を提案してきた
(実開平3−59869号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した資金別貸借対
照表は、一枚の表で一覧性を有し、経理の知識が乏しい
者でも貸借内容を理解して企業の財政状態及び財務体質
を知ることができるために好評であった。しかし、上記
した資金別貸借対照表は、一般的にはなじみがない表で
あるため、表を見ただけでは一般の人には内容を理解し
にくく、内容を理解した人の口頭での説明が必要であっ
た。
【0008】ところで、企業の資金には、営業活動によ
って得られる収益と営業活動にかかる費用や、営業活動
を支える固定資産などがある。営業活動によって得られ
る利益で固定資産や繰延資産を賄うことができれば、借
入金は不要であり、健全な企業経営ということができ
る。しかし、大半の企業においては、借入金の調達は避
けることはできない。
【0009】借入金には、長期借入金や短期借入金等が
あり、どの様な性格の借入金の調達がどの様な段階で必
要になったのかが理解できれば企業の財務診断ができ、
企業経営者や金融機関にとっては便利である。
【0010】本発明者は、既に提案した上記資金別貸借
対照表をもとに、お金の出入りの調和の判断、つまり企
業の財務診断ができないか研究を重ね、資金の性格を更
に検討した(本明細書では、現金預金以外の勘定科目を
資金と称している。取引で発生した勘定科目は資金であ
り、現金預金は資金で構成され、従って全ての勘定科目
は資金ということができる。)。
【0011】そして、まず、資金の中で、回収できない
資金(例えば、営業にかかった費用や給与など)と返済
の必要がない資金(例えば売上など)を「損益資金」と
した。次に、売上債権の未回収額と仕入債務の未払額の
差額で発生した資金を「売上仕入資金」とした。更に、
返済(償還)が長期にわたる資金の調達と長期にわたっ
て運用する資金を「固定資金」とした。そして上記3つ
の資金に該当しないものを「流動資金」とした。
【0012】以上のように企業活動に必要な資金を、損
益資金、売上仕入資金、固定資金、流動資金、の四種類
に分類した。更に、固定資金と流動資金を、企業活動の
安定性に寄与する順に複数に区分し、損益資金、売上仕
入資金、固定資金、流動資金に対応した現金預金のプラ
ス・マイナスで企業の財政状態や財務体質を知ることが
できることを知見した。本発明はこの知見に基づいて完
成したものである。
【0013】(発明の目的)本発明の目的は、借入金の
発生理由を明確にした資金別貸借対照表を提供すること
にある。また、本発明の他の目的は、企業の財政状態を
判断し、業績診断や財務診断ができる資金別貸借対照表
を提供することにある。その他の本発明の目的は以下の
説明によって明らかになるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。
【0015】第1の発明にあっては、損益資金の部、売
上仕入資金の部、固定資金の部、流動資金の部を含み、
これらの部は、上記順序で縦方向または横方向に配設し
てあり、上記固定資金の部は、棚卸資産の項目を含むそ
の1、資本金、資本準備金の項目を含むその2、固定資
産の項目を含むその3、長期借入金、社債の項目を含む
その4、の四つに区分されて上記順序で続いており、上
記流動資金の部は、短期借入金、割引手形の項目を含む
その1、未払費用、預り金、短期貸付金、有価証券の項
目を含むその2、の二つに区分されて上記順序で続いて
おり、上記損益資金の部、売上仕入資金の部、固定資金
の部、流動資金の部のそれぞれに対応して現金預金の部
が設けてあることを特徴とする、資金別貸借対照表であ
る。
【0016】第2の発明にあっては、損益資金の部の
欄、売上仕入資金の部の欄、固定資金の部の欄、流動資
金の部の欄を含み、これらの欄は、上記順序で縦方向ま
たは横方向に配設してあり、上記固定資金の部の欄は、
区分された四種類の欄を含み、当該四種類の欄は、売上
仕入資金の部の次に設けられており、棚卸資産の欄を含
む第1の欄、第1の欄の次に設けられており、資本金、
資本準備金の欄を含む第2の欄、第2の欄の次に設けら
れており、固定資産の欄を含む第3の欄、第3の欄の次
に設けられており、長期借入金、社債の各欄を含む第4
の欄が上記順序で続き、上記流動資金の部の欄は、短期
借入金、割引手形を含む欄、及び未払費用、預り金、短
期貸付金、有価証券を含む欄、に区分された二種類の欄
を含み、上記損益資金の部の欄、売上仕入資金の部の
欄、固定資金の部の欄、流動資金の部の欄の各欄に対応
して現金預金の欄が設けてあることを特徴とする資金別
貸借対照である。
【0017】上記資金のうち、資金的に企業財務の安定
度に寄与する度合いは、損益資金、売上仕入資金、固定
資金、流動資金の順である。したがって、資金別貸借対
照表においては、損益資金の部(の欄)、売上仕入資金
の部(の欄)、固定資金の部(の欄)、流動資金の部
(の欄)の順序で表記される。
【0018】上記順序は後で説明する実施の形態で示し
たように、縦方向に配設することもできるし、横方向に
配設することもできるなど、配設の仕方は問わない。通
常は、資金の流れを理解しやすくするために、一番上ま
たは一番横(左または右)に損益資金の部(の欄)を設
け、上記順序で配設する。表の一番下に損益資金の部
(の欄)を設け下から上記順序で配設することも可能で
あるが、あまり一般的ではない。
【0019】本明細書で使用する用語の概念は、下記の
通りである。「損益資金」の用語は、前期以前の損益の
累積金額と当期損益金額を合計したものを示す概念とし
て使用している。いわば儲けた金である。具体的には、
繰越損益等、売上高、営業外収益、特別利益などの利益
項目に相当する項目と、売上原価、営業費用、営業外費
用、特別損失などの損失項目に相当する項目で構成され
る。上記項目とは表現方法は異なっていても、回収でき
ない資金や返済の必要がない資金であれば、損益資金に
含まれる。
【0020】「売上仕入資金」の用語は、売上債権の未
回収額と仕入債務の未払額の差額で発生した資金を示す
概念として使用している。売上債権としては、受取手
形、売掛金、完成工事未収金、診療報酬未収金、未収運
賃、その他の未収金などがある。「売上仕入資金」は、
企業継続を前提とした場合、常時残高が発生するもので
あるから(資金幅があって動くものである。)損益資金
に近い性格を有する。そして、「損益資金」と「売上仕
入資金」を合計したものを「継続損益資金」と称してい
る。
【0021】「固定資金」の用語は、固定資産および繰
延資産取得の未払い額、および返済が長期にわたる資金
の調達と長期にわたって運用する資金を示す概念として
使用している。
【0022】「棚卸資産」の用語は、通常の意味で使用
している。棚卸資産は、売上げ、利益をあげるために仕
入れたものであるが、未だ、売り上げられないで、利益
に貢献していない。また、常時資金が固定化するので、
固定資金に含めている。そして、「棚卸資産」と上記
「継続損益資金」を合計したものを「実質損益資金」と
称している。
【0023】「資本金、資本準備金」の用語は、通常の
意味で使用している。資本金と資本準備金は、企業継続
を前提とした場合、返済の必要性がない資金であり、定
額で安定している。売上仕入資金についで、損益資金に
近い性格の資金である。そして、「資本金、資本準備
金」と上記「実質損益資金」を合計したものを「真正損
益資金」と称している。
【0024】「固定資産、繰延資産」の用語は、通常の
意味で使用している。この欄を設けたのは、「固定資
産、繰延資産」の運用が、損益資金・売上仕入資金・資
本金・資本準備金の範囲内であるかどうかを知るためで
あり、前記範囲内であれば無借金企業になり、優良企業
という判定ができる。そして、「固定資産・繰延資産」
と上記「真正損益資金」を合計したものを「正味損益資
金」と称している。
【0025】「長期借入金・社債等」は、通常の意味で
使用している。この欄を設けたのは、長期借入金・社債
等が必要であった理由をはっきりさせるためである。そ
して、「長期借入金・社債等」と上記「正味損益資金」
を合計したものを「安定資金」と称している。
【0026】「短期借入金・割引手形」は、通常の意味
で使用している。この欄を設けたのは、短期借入金・割
引手形等が必要であった理由をはっきりさせるためであ
る。この欄は、修正安定資金までの資金の流れを知るこ
とを目的としている。なぜなら、安定資金のマイナスを
短期借入金・割引手形等で補填している企業の倒産が非
常に多いからである。そして、「短期借入金・割引手
形」と上記「安定資金」を合計したものを「修正安定資
金」と称している。
【0027】「未払費用・預り金・短期貸付金・有価証
券等」は、通常の意味で使用している。未払費用は、請
求発生日よりも遅れて支払う金である。預り金、未払費
用は月末あるいは翌日にも支払いが生じる資金である。
このような資金は極めて短期に支払いが生じるものであ
るから、このような資金を加えて資金需要を満たすよう
な企業は、資金繰りがきわめて悪いことがわかる。
【0028】(作用)本発明に係る資金別貸借対照表を
使用した企業の財務診断方法について説明する。損益資
金の部の収支と、売上仕入資金の部の収支と、固定資金
の部・その1が企業の営業活動で動く資金である。した
がって、企業の営業活動で動く資金が全体として黒字
(プラス)であれば、企業としては健全な経営がなされ
ている。
【0029】企業の営業活動で動く資金が全体として赤
字(マイナス)であれば、その資金がプラスになるよう
に他の資金で補填する必要がある。その補填の順序とし
て、まず、返済の必要がないような安定した資金、即
ち、資本金、資本準備金で補填する。
【0030】その資金で補填できない場合は、返済の必
要がある資金でも返済条件が安定した資金、例えば長期
借入金、社債で補填する。その資金でも補填できない場
合は、やむをえず不安定な資金(短期借入金、割引手形
等)で補填する。
【0031】その資金で補填できない場合は、未払費用
・預り金等で補填する。このような資金は極めて短期に
支払いが生じるものである。従って、このような資金を
加えて資金需要を満たすような企業は、資金繰りがきわ
めて悪いことがわかり、上記資金の調達順によって企業
の財務診断が容易にできる。
【0032】本発明に係る資金別貸借対照表は、紙面、
ディスプレイ画面やスクリーン等各種の表示面に表すこ
とができ、その表示手段は問わない。一般的にはコンピ
ュータを使用して一旦ディスプレイ画面上に表示し、そ
れをプリンターで紙に印刷することになろう。また、講
演などではプロジェクターが使用されることもある。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係る資金別貸借
対照表の一実施例を示す説明図である。図1に示した資
金別貸借対照表は、上から順に、損益資金の部の欄1、
売上仕入資金の部の欄2、固定資金の部の欄3、流動資
金の部の欄4を有している。上記各欄は、資金調達の
部、資金運用の部および現金預金(残高)の部を含んで
いる。なお、既に説明したが、各資金の部の欄は、横方
向に配設することもできる。
【0034】損益資金の部の欄1は、左右に分割されて
いる。右側には繰越損益等の欄11、当期に発生した収
益の欄12が設けてある。繰越損益等は、前期以前の収
益と費用の差を表したものである。当期に発生した収益
の欄12には、売上高の欄121、営業外収益の欄12
2、特別利益の欄123等が含まれる。
【0035】左側には、売上原価の欄13、営業費用の
欄14、営業外費用の欄15、特別損失の欄16などが
設けてある。これらは当期に発生した費用である。その
左側には、損益資金の部の欄における現金預金の欄10
が設けてある。
【0036】売上仕入資金の部の欄2は、左右に分割さ
れている。左側には受取手形(売上債権)の欄21、売
掛金(売上債権)22の欄が設けてある。右側には、支
払手形(仕入債務)の欄23、買掛金(仕入債務)の欄
24が設けてある。受取手形(売上債権)の欄21、売
掛金(売上債権)22の欄の左側には、売上仕入資金の
部の欄における現金預金の欄20が設けてある。
【0037】売上仕入資金の部の欄2の次に「継続損益
資金」の欄51が設けられ、同欄の左側には、「継続損
益資金」つまり「損益資金」と「売上仕入資金」を合計
した金額が計上される現金預金の欄50が設けられてい
る。
【0038】固定資金の部の欄3は、その性格によっ
て、その1乃至その4までの四種類に区分されている。
固定資金の部・その1の欄31には、棚卸資産の欄30
1が設けてある。棚卸資産には、商品、製品、半製品、
原材料などが含まれる。棚卸資産の欄301の左側に
は、固定資金の部・その1の欄における現金預金の欄3
10が設けてある。現金預金の欄310に計上される金
額は常にマイナスで表示される。
【0039】固定資金の部・その1の欄31の次に「実
質損益資金」の欄61が設けられ、同欄61の左側に
は、「実質損益資金」つまり「棚卸資産」と上記「継続
損益資金」を合計した金額が計上される現金預金の欄6
0が設けられている。
【0040】固定資金の部・その2の欄32には、資本
金の欄321と資本準備金の欄322が設けてある。資
本金の欄321と資本準備金の欄322の左側には、固
定資金の部・その2の欄における現金預金の欄320が
設けてある。現金預金の欄320に計上される金額は常
にプラスで表示される。
【0041】固定資金の部・その2の欄32の次に「真
正損益資金」の欄71が設けられ、同欄71の左側に
は、「真正損益資金」つまり「資本金、資本準備金」と
上記「実質損益資金」を合計した金額が計上される現金
預金の欄70が設けられている。
【0042】固定資金の部・その3の欄33には、固定
資産の欄331、繰延資産の欄332が設けてある。固
定資産の欄331には、有形固定資産(建物・土地な
ど)の欄3311、無形固定資産(電話加入権など)の
欄3312、投資等(投資有価証券・出資金など)の欄
3313が設けてある。繰延資産には、社債発行差金、
株式発行差金などが含まれる。固定資産の欄331、繰
延資産の欄332の左側には、固定資金の部・その3の
欄における現金預金の欄330が設けてある。現金預金
の欄330に計上される金額は常にマイナスで表示され
る。
【0043】固定資金の部・その3の欄33の次に「正
味損益資金」の欄81が設けられ、同欄81の左側に
は、「正味損益資金」つまり「固定資産・繰延資産」と
上記「真正損益資金」を合計した金額が計上される現金
預金の欄80が設けられている。
【0044】固定資金の部・その4の欄34には、長期
借入金の欄341、社債の欄342が設けてある。長期
借入金の欄341、社債の欄342の左側には、固定資
金の部・その4の欄における現金預金の欄340が設け
てある。現金預金の欄340に計上される金額は常にプ
ラスで表示される。
【0045】固定資金の部・その4の欄34の次に「安
定資金」の欄91が設けられ、同欄91の左側には、
「安定資金」つまり「長期借入金・社債等」と上記「正
味損益資金」を合計した金額が計上される現金預金の欄
90が設けられている。
【0046】流動資金の部の欄4は、その性格によっ
て、その1およびその2の二種類に区分される。
【0047】流動資金の部・その1の欄41には、短期
借入金の欄411と割引手形の欄412が設けてある。
短期借入金の欄411と割引手形の欄412の左側に
は、流動資金の部・その1の欄における現金預金の欄4
10が設けてある。現金預金の欄410に計上される金
額は常にプラスで表示される。
【0048】流動資金の部・その1の欄41の次に「修
正安定資金」の欄101が設けられ、同欄101の左側
には、「短期借入金・割引手形」と上記「安定資金」を
合計した金額が計上される現金預金の欄100が設けら
れている。
【0049】流動資金の部・その2の欄42は、左右に
分割されている。左側には短期貸付金の欄421、有価
証券の欄422が設けてあり、右側には未払い費用の欄
423、預り金の欄424が設けてある。短期貸付金の
欄421と有価証券の欄422の左側には、流動資金の
部・その2の欄における現金預金の欄420が設けてあ
る。
【0050】(作用)本発明に係る資金別貸借対照表を
使用した企業の財務診断方法を、図2ないし図4に基づ
いて説明する。
【0051】図2は無借金企業の場合の資金別貸借対照
表を示している。損益資金の部の欄1において、繰越損
益等の欄11には1,000円が計上されている。当期に発
生した収益の欄12中、売上高の欄121には20,000円
が、営業外収益の欄122には500円が、特別利益の欄
123には500円がそれぞれ計上されている。そして、
繰越損益等の欄11に計上された1,000円と当期に発生
した収益である上記金額との合計は22,000円である。
【0052】売上原価の欄13には10,000円が、営業費
用の欄14には3,000円が、営業外費用の欄15には300
円が、また特別損失の欄16には300円がそれぞれ計上
されている。そして、上記合計金額22,000円から、当期
に発生した費用の合計金額13,600円を引いた現金預金の
欄14の金額8,400円が累積の利益である。
【0053】売上仕入資金の部の欄2において、受取手
形の欄21には3,000円が、売掛金の欄22には1,000円
が計上されており、その合計金額4,000円が当期末の売
上債権の残高である。一方、支払手形の欄23には2,00
0円が、買掛金の欄24には3,000円が計上されており、
その合計金額5,000円が当期末の仕入債務の残高であ
る。仕入債務の残高5,000円から売上債権の残高4,000円
を引いた金額1,000円が、現金預金の欄25に計上され
ている。
【0054】損益資金の部の現金預金8,400円と売上仕
入資金の部の現金預金1,000円の合計金額は9,400円であ
り、企業継続を前提とした場合の損益資金(継続損益資
金)である。現金預金の欄50に計上されている金額が
マイナスであって、その額が大きい場合は、経営に重大
な影響を及ぼす。
【0055】固定資金の部・その1の欄31において、
棚卸資産の欄310には3,000円が計上されている。そ
の金額は、そのまま現金預金の欄311にマイナス3,00
0円として計上されている。現金預金の欄310には常
時マイナスの金額が計上される。
【0056】損益資金の部の現金預金額、売上仕入資金
の部の現金預金額、固定資金の部1の現金預金額の合計
は、6,400円であり、この資金を実質損益資金と称して
いる。
【0057】固定資金の部・その2の欄32において、
資本金の欄321には10,000円が、資本準備金の欄32
2には3,000円が計上されており、現金預金の欄320
にはその合計金額である13,000円が計上されている。現
金預金の欄320には常時プラスの金額が計上される。
【0058】損益資金の部の現金預金額、売上仕入資金
の部の現金預金額、固定資金の部・その1の現金預金
額、固定資金の部・その2の現金預金額の合計は、19,4
00円であり、この資金を上記したように真正損益資金と
称している。
【0059】固定資金の部・その3の欄33において、
有形固定資産(建物・土地など)の欄3311には、5,
000円が、無形固定資産(電話加入権など)の欄331
2には1,000円が、投資等(投資有価証券・出資金な
ど)の欄3313には、2,000円が計上されている。ま
た繰延資産の欄332には1,000円が計上されている。
固定資金の部・その3の合計金額は9,000円であり、そ
の金額は現金預金の欄330にマイナスの金額として計
上されている。これは、資金の運用であるから常時マイ
ナスの金額が計上される。
【0060】また、損益資金の部の現金預金額、売上仕
入資金の部の現金預金額、固定資金の部・その1の現金
預金額、固定資金の部・その2の現金預金額、固定資金
の部・その3の現金預金額の合計は、10,400円であり、
上記したようにこの資金を正味損益資金と称している。
【0061】固定資金の部・その4の欄34において、
長期借入金の欄341、社債の欄342には金額が計上
されていない。流動資金の部・その1の欄41におい
て、短期借入金の欄411と割引手形の欄412には金
額が計上されていない。つまり借入金は0である。
【0062】流動資金の部・その2の欄42において、
短期貸付金の欄421に2,000円、有価証券の欄422
に1,000円、未払費用の欄423に500円、預り金の欄4
24には300円がそれぞれ計上されている。これらの合
計金額2,200円は、現金預金の欄420に、マイナス2,2
00円として計上されている。
【0063】図2に示した内容の企業の場合、無借金で
あり、しかも安定資金10,400円が流動資金の運用額3,00
0円(短期貸付金2,000円と有価証券1,000円)を上回っ
ているので優良企業と判断される。
【0064】図3は、長期借入金、社債で資金を補填し
ている企業の場合の資金別貸借対照表である。
【0065】図2に示した資金別貸借対照表とは主とし
て次の点で異なっている。まず、固定資金の部・その3
の有形固定資産(建物・土地など)の欄3311に計上
されている金額が20,000円、無形固定資産(電話加入権
など)の欄3312に計上されている金額が2,000円と
なっている。その結果、固定資産の部・その3の合計金
額が25,000円となっており、その金額が現金預金の欄3
30にマイナス25,000円の金額として計上されている。
【0066】また、固定資金の部・その4の欄34の長
期借入金の欄341に4,000円が、社債の欄342に3,0
00円が計上されており、その合計金額7,000円が現金預
金の欄340に7,000円の金額として計上されている。
【0067】更に、流動資金の部・その2の欄42にお
いて、短期貸付金の欄421に800円が、有価証券の欄
422に200円が計上され、流動資金の部・その2の欄
42の合計金額200円は、現金預金の欄420にマイナ
ス200円の金額として計上されている。
【0068】図3に示した資金別貸借対照表の内容の企
業は、安定資金の金額が1,400円で流動資金の運用額1,0
00円(短期貸付金800円と有価証券200円)を上回ってい
るので一応優良企業と判断される。ただし、図2に示し
た企業の場合の安定資金には、借入金は含まれていない
が、図3に示した企業の場合の安定資金には、長期借入
金と社債が含まれており、従って図2の企業に比べて財
務内容は劣る。
【0069】図4は、長期借入金、社債に加えて短期借
入金、割引手形で資金を補填している企業の場合の資金
別貸借対照表である。
【0070】図3に示した資金別貸借対照表とは主とし
て次の点で異なっている。まず、固定資金の部・その4
の欄34の長期借入金の欄341に2,000円が、社債の
欄342に1,000円が計上されている。つまり図3に示
した企業の場合と比べて、安定した調達資金額が少な
い。従って長期借入金と社債とでは資金の需要を十分に
賄うことができない。その不足分を短期借入金と割引手
形で資金を調達したため、短期借入金の欄411に3,00
0円が、割引手形の欄412に3,000円が計上されてい
る。
【0071】短期借入金は一年以内に返済しなければな
らない資金であり、短期に多額の利益が発生しなければ
返済できない。割引手形にしても、不渡りとなれば資金
手当が必要となる。このように短期借入金、割引手形に
よる資金の調達は、何れも不安定な資金調達であり、言
い換えればつじつま合わせの資金調達であり、このよう
な企業は財政状態は良いとはいえず、実際に倒産する確
率は高い。
【0072】以上の説明からも明らかなように、どの様
な性格の借入金の調達がどの様な段階で必要になったの
かが理解できるので企業の財務診断ができ、企業経営者
や金融機関にとっては便利である。
【0073】なお、本明細書で使用している用語と表現
は、あくまで説明上のものであって限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示されている実施の形態に
限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種
々の変形が可能である。
【0074】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、借入金の発生理由を明確にした資金別貸借
対照表を提供できる。また、企業の財政状態を判断し、
業績診断や財務診断ができる資金別貸借対照表を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る資金別貸借対照表の一実施例を示
す説明図。
【図2】無借金企業の場合の資金別貸借対照表。
【図3】長期借入金、社債で資金を補填している企業の
場合の資金別貸借対照表。
【図4】長期借入金、社債に加えて短期借入金、割引手
形で資金を補填している企業の場合の資金別貸借対照
表。
【符号の説明】
1 損益資金の部の欄 2 売上仕入資金の部の欄 3 固定資金の部の欄 31 固定資金の部・その1の欄 32 固定資金の部・その2の欄 33 固定資金の部・その3の欄 34 固定資金の部・その4の欄 4 流動資金の部の欄 41 流動資金の部・その1の欄 42 流動資金の部・その2の欄

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 損益資金の部、売上仕入資金の部、固定
    資金の部、流動資金の部を含み、これらの部は、上記順
    序で縦方向または横方向に配設してあり、 上記固定資金の部は、 棚卸資産の項目を含むその1、 資本金、資本準備金の項目を含むその2、 固定資産の項目を含むその3、 長期借入金、社債の項目を含むその4、の四つに区分さ
    れて上記順序で続いており、 上記流動資金の部は、 短期借入金、割引手形の項目を含むその1、 未払費用、預り金、短期貸付金、有価証券の項目を含む
    その2、 の二つに区分されて上記順序で続いており、上記損益資
    金の部、売上仕入資金の部、固定資金の部、流動資金の
    部のそれぞれに対応して現金預金の部が設けてあること
    を特徴とする、 資金別貸借対照表。
  2. 【請求項2】 損益資金の部の欄、売上仕入資金の部の
    欄、固定資金の部の欄、流動資金の部の欄を含み、これ
    らの欄は、上記順序で縦方向または横方向に配設してあ
    り、 上記固定資金の部の欄は、区分された四種類の欄を含
    み、 当該四種類の欄は、 売上仕入資金の部の次に設けられており、棚卸資産の欄
    を含む第1の欄、 第1の欄の次に設けられており、資本金、資本準備金の
    欄を含む第2の欄、 第2の欄の次に設けられており、固定資産の欄を含む第
    3の欄、 第3の欄の次に設けられており、長期借入金、社債の各
    欄を含む第4の欄が上記順序で続き、 上記流動資金の部の欄は、 短期借入金、割引手形を含む欄、及び未払費用、預り
    金、短期貸付金、有価証券を含む欄、に区分された二種
    類の欄を含み、 上記損益資金の部の欄、売上仕入資金の部の欄、固定資
    金の部の欄、流動資金の部の欄の各欄に対応して現金預
    金の欄が設けてあることを特徴とする資金別貸借対照
    表。
JP2001202658A 2001-07-03 2001-07-03 資金別貸借対照表 Pending JP2003011549A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014145609A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Seiko Epson Corp 物理量センサー、電子機器、及び移動体

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