JP6327384B2 - 物理量センサー、電子機器、および移動体 - Google Patents

物理量センサー、電子機器、および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、物理量センサー、電子機器、および移動体に関する。
近年、例えばシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical
Systems)技術を用いて、加速度等の物理量を検出する物理量センサーが開発されている。
物理量センサーは、例えば、基板と、基板に固定された固定電極部と、固定電極部に対して対向配置された可動電極部を備えた可動体と、を有し、固定電極部と可動電極部との間の静電容量に基づいて、加速度等の物理量を検出する。
このような物理量センサーにおいて、例えば、物理量センサーを製造する際に、可動体と基板とに電位差が生じ、可動体が静電力によって基板側に引っ張られて、可動体が基板に張り付いてしまうことがある。特に、可動体を封止するための蓋体(キャップ)と基板とを陽極接合する際には、可動体と基板との間に大きな電位差が生じるため、問題となる。
可動体が基板に張り付いてしまうことを防ぐために、例えば特許文献1には、固定電極が可動体(試験質量)に接触する前に、シールドに接触するようにした物理量センサーが開示されている。
米国特許第7,121,141号明細書
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、2つの固定電極の間の領域では基板が露出しているため、この露出した領域と可動体との間の静電力により、可動体が基板に張り付いてしまう場合がある。特に、特許文献1の物理量センサーでは、基板の露出した領域が剛性の低いトーションバーと対向しているため、可動体が基板に張り付きやすいという問題がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる物理量センサーを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記物理量センサーを含む電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る物理量センサーは、
基板と、
可動電極部を備えた可動体と、
前記可動体を第1軸まわりに変位可能に支持する支持部と、
前記可動体を前記第1軸を境に第1部分および第2部分に区分けした場合に、
前記第1部分に対向して前記基板上に配置された第1固定電極部と、
前記第2部分に対向して前記基板上に配置された第2固定電極部と、を含み、
前記基板上には、前記第1固定電極部と前記第2固定電極部との間の電極間領域に前記可動体と前記基板との間に生じる静電力を抑制するガード部が設けられている。
このような物理量センサーによれば、可動体と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例2]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記ガード部は、前記基板上の平面視で前記支持部と重なる位置に設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、支持部と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例3]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記ガード部は、平面視で前記可動体と重なる位置であって、且つ、前記第1固定電極部、前記第2固定電極部、および前記電極間領域の外側に設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、可動体と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例4]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記ガード部は、前記可動体と電気的に接続された電極であってもよい。
このような物理量センサーによれば、可動体と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
なお、本発明に係る記載では、「電気的に接続」という文言を、例えば、「特定の部材(以下「A部材」という)に「電気的に接続」された他の特定の部材(以下「B部材」という)」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A部材とB部材とが、直接接して電気的に接続されているような場合と、A部材とB部材とが、他の部材を介して電気的に接続されているような場合とが含まれるものとして、「電気的に接続」という文言を用いている。
[適用例5]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記ガード部の前記電極は、前記基板上に設けられた溝部の内底面に設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、可動体と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例6]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記基板の前記電極と前記第1固定電極部との間の領域、および前記基板の前記電極と
前記第2固定電極部との間の領域には、溝部が設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、可動体と基板との間に働く静電力を抑制し、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例7]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記第1固定電極部に隣り合う前記電極の数と前記第2固定電極部に隣り合う前記電極の数とは、等しくてもよい。
このような物理量センサーによれば、第1固定電極部と電極との間に発生する寄生容量と、第2固定電極部と電極との間に発生する寄生容量とを、容易に等しくすることができる。したがって、差動検出方式を用いて、第1固定電極部における寄生容量の影響と第2固定電極部における寄生容量の影響とをキャンセルすることができる。
[適用例8]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記電極、前記第1固定電極部、および前記第2固定電極部の少なくとも1つには、前記可動体に向けて突出する突起部が設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例9]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記ガード部は溝部であってもよい。
このような物理量センサーによれば、可動体と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例10]
本適用例に係る物理量センサーは、
基板と、
可動電極部を備えた可動体と、
前記可動体を第1軸まわりに変位可能に支持する支持部と、
前記可動電極部に対向して前記基板上に配置された固定電極部と、を含み、
前記基板上には、平面視で前記支持部と重なる領域に前記支持部と前記基板との間に生じる静電力を抑制するガード部が設けられている。
このような物理量センサーによれば、支持部と基板との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
[適用例11]
本適用例に係る電子機器は、
本適用例のいずれかに係る物理量センサーを含む。
このような電子機器によれば、本適用例のいずれかに係る物理量センサーを含むため、高い信頼性を有することができる。
[適用例12]
本適用例に係る移動体は、
本適用例のいずれかに係る物理量センサーを含む。
このような移動体によれば、本適用例のいずれかに係る物理量センサーを含むため、高い信頼性を有することができる。
第1実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る物理量センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る物理量センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る物理量センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態の第1変形例に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 第1実施形態の第1変形例に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第1実施形態の第2変形例に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 第1実施形態の第2変形例に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第1実施形態の第3変形例に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 第1実施形態の第3変形例に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 第2実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第2実施形態の変形例に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 第2実施形態の変形例に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第3実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 第3実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 第3実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 第4実施形態に係る移動体を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 物理量センサー
まず、第1実施形態に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る物理量センサー100を模式的に示す平面図である。図2は、第1実施形態に係る物理量センサー100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。なお、便宜上、図1では、蓋体70の図示を省略している。また、図1および図2には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示しており、以下に示す各図においても同様にX軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
物理量センサー100は、図1および図2に示すように、基板10と、可動体20と、支持部30と、固定部40と、固定電極部50,52と、ガード部60,62と、電極64と、蓋体70と、を含む。以下では、物理量センサー100が、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を検出する加速度センサー(静電容量型MEMS加速度センサー)である例について説明する。
基板10の材質は、例えば、ガラス等の絶縁材料である。例えば基板10をガラス等の絶縁材料、可動体20をシリコン等の半導体材料にすることにより、容易に両者を電気的
に絶縁することができ、センサー構造を簡素化することができる。
基板10には、凹部12が形成されている。凹部12の上方には、間隙を介して、可動体20、および支持部30,32が設けられている。図1に示す例では、凹部12の平面形状(Z軸方向から見た形状)は、長方形である。
基板10は、凹部12の底面(凹部12を規定する基板10の面)14に設けられたポスト部16を有している。ポスト部16は、底面14よりも上方(+Z軸方向)に突出している。ポスト部16の高さと凹部12の深さとは、例えば、等しい。ポスト部16には、可動体20に所定の電位を与えるための配線(図示せず)が設けられている。
可動体20は、支持軸(第1軸)Qまわりに変位可能である。具体的には、可動体20は、鉛直方向(Z軸方向)の加速度が加わると、支持部30,32によって決定される支持軸Qを回転軸(揺動軸)としてシーソー揺動する。支持軸Qは、例えば、Y軸と平行である。可動体20の平面形状は、例えば、長方形である。可動体20の厚さ(Z軸方向の大きさ)は、例えば、一定である。
可動体20は、第1シーソー片(第1部分)20aと、第2シーソー片(第2部分)20bと、を有している。第1シーソー片20aは、平面視において、支持軸Qによって区画される可動体20の2つの部分のうちの一方(図1では左側に位置する部分)である。第2シーソー片20bは、平面視において、支持軸Qによって区画される可動体20の2つの部分のうちの他方(図1では右側に位置する部分)である。すなわち、可動体20は、支持軸Qを境に第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20bに区分けされている。
例えば、鉛直方向の加速度(例えば重力加速度)が可動体20に加わった場合、第1シーソー片20aと第2シーソー片20bの各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じる。ここで、第1シーソー片20aの回転モーメント(例えば反時計回りの回転モーメント)と第2シーソー片20bの回転モーメント(例えば時計回りの回転モーメント)が均衡した場合には、可動体20の傾きに変化が生じず、加速度を検出することができない。したがって、鉛直方向の加速度が加わったときに、第1シーソー片20aの回転モーメントと、第2シーソー片20bの回転モーメントとが均衡せず、可動体20に所定の傾きが生じるように、可動体20が設計される。
物理量センサー100では、支持軸Qを、可動体20の中心(重心)から外れた位置に配置することによって(支持軸Qから各シーソー片20a,20bの先端までの距離を異ならせることによって)、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有している。すなわち、可動体20は、支持軸Qを境にして、一方側(第1シーソー片20a)と他方側(第2シーソー片20b)とで質量が異なる。図示の例では、支持軸Qから第1シーソー片20aの端面24までの距離は、支持軸Qから第2シーソー片20bの端面25までの距離よりも大きい。また、第1シーソー片20aの厚さと、第2シーソー片20bの厚さとは、等しい。したがって、第1シーソー片20aの質量は、第2シーソー片20bの質量よりも大きい。このように、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有することにより、鉛直方向の加速度が加わったときに、第1シーソー片20aの回転モーメントと、第2シーソー片20bの回転モーメントとを均衡させないことができる。したがって、鉛直方向の加速度が加わったときに、可動体20に所定の傾きを生じさせることができる。
なお、図示はしないが、支持軸Qを可動体20の中心に配置し、かつ、シーソー片20a,20bの厚さを互いに異ならせることによって、シーソー片20a,20bが互いに
異なる質量を有するようにしてもよい。このような場合にも、鉛直方向の加速度が加わったときに、可動体20に所定の傾きを生じさせることができる。
可動体20は、基板10と離間して設けられている。可動体20は、凹部12上に設けられている。図示の例では、可動体20と基板10との間には、間隙が設けられている。また、可動体20は、支持部30,32によって、固定部40から離間して接続されている。これにより、可動体20は、シーソー揺動することができる。
可動体20は、支持軸Qを境にして設けられた第1可動電極部21および第2可動電極部22を備えている。第1可動電極部21は、第1シーソー片20aに設けられている。第2可動電極部22は、第2シーソー片20bに設けられている。
第1可動電極部21は、可動体20のうち、平面視において第1固定電極部50と重なる部分である。第1可動電極部21は、第1固定電極部50との間に静電容量C1を形成する。すなわち、第1可動電極部21と第1固定電極部50とによって静電容量C1が形成される。
第2可動電極部22は、可動体20のうち、平面視において第2固定電極部52と重なる部分である。第2可動電極部22は、第2固定電極部52との間に静電容量C2を形成する。すなわち、第2可動電極部22と第2固定電極部52とによって静電容量C2が形成される。物理量センサー100では、可動体20が導電性材料(不純物がドープされたシリコン)で構成されることによって、可動電極部21,22が設けられている。すなわち、第1シーソー片20aが第1可動電極部21として機能し、第2シーソー片20bが第2可動電極部22として機能している。
静電容量C1および静電容量C2は、例えば、図2に示す可動体20が水平な状態で、互いに等しくなるように構成されている。可動電極部21,22は、可動体20の動きに応じて位置が変化する。この可動電極部21,22の位置に応じて、静電容量C1,C2が変化する。可動体20には、支持部30,32を介して、所定の電位が与えられる。
可動体20には、可動体20を貫通するスリット部26が設けられている。これにより、可動体20が揺動する際の空気の影響(空気の抵抗)を低減することができる。図示の例では、スリット部26は、複数設けられている。
可動体20には、開口部28が設けられている。開口部28には、支持部30,32および固定部40が設けられている。可動体20は、支持部30,32を介して、固定部40と接続されている。
支持部30,32は、可動体20を支持軸Qまわりに変位可能に支持している。支持部30,32は、トーションバネ(捻りバネ)として機能する。これにより、可動体20がシーソー揺動することにより支持部30,32に生じるねじり変形に対して強い復元力を有することができる。
支持部30,32は、平面視において、支持軸Q上に配置されている。支持部30,32は、固定部40と可動体20とを接続している。支持部30,32は、支持軸Qに沿って延在している。支持部30は、固定部40から+Y軸方向に延出している。支持部32は、固定部40から−Y軸方向に延出している。
固定部40は、開口部28に設けられている。固定部40は、平面視において、支持軸Q上に設けられている。固定部40は、基板10のポスト部16に接合されている。図示
の例では、固定部40の中央部が、ポスト部16に接合されている。
固定部40の基板10と離間している部分には、貫通孔46が設けられている。貫通孔46は、平面視において支持軸Q上に配置されている。固定部40に貫通孔46を設けることにより、基板10の熱膨張率と構造体2の熱膨張率との差によって生じる応力や、実装時に装置に加わる応力等が、支持部30,32に与える影響を低減することができる。
可動体20、支持部30,32、および固定部40は、一体に設けられている。可動体20、支持部30,32、および固定部40は、例えば1つの基板(シリコン基板)をパターニングすることによって一体的に設けられる。図示の例では、可動体20、支持部30,32、および固定部40が、1つの構造体(シリコン構造体)2を構成している。構造体2の材質は、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされることにより導電性が付与されたシリコンである。基板10の材質がガラスであり、構造体2の材質がシリコンである場合、基板10と固定部40とは、例えば陽極接合によって接合される。
物理量センサー100では、構造体2は、1つの固定部40によって基板10に固定されている。すなわち、構造体2は、基板10に対して1点(1つの固定部40)で固定されている。したがって、例えば構造体2が基板10に対して2点(2つの固定部40)で固定されている場合(例えば図12,13参照)と比べて、基板10の熱膨張率と構造体2の熱膨張率との差によって生じる応力や、実装時に装置に加わる応力等が、支持部30,32に与える影響を低減することができる。
第1固定電極部50は、基板10上に設けられている。第1固定電極部50は、第1可動電極部21に対向して配置されている。第1固定電極部50の上方には、間隙を介して、第1可動電極部21が位置している。可動体20を、支持軸Qを境に第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20bに区分けした場合に、第1固定電極部50は、第1シーソー片20aに対向して基板10上に配置されている。
第2固定電極部52は、基板10上に設けられている。第2固定電極部52は、第2可動電極部22に対向して配置されている。第2固定電極部52の上方には、間隙を介して、第2可動電極部22が位置している。可動体20を、支持軸Qを境に第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20bに区分けした場合に、第2固定電極部52は、第2シーソー片20bに対向して基板10上に配置されている。
第1固定電極部50の可動体20と対向する部分の面積と第2固定電極部52の可動体20と対向する部分の面積とは、等しい。第1固定電極部50の平面形状と第2固定電極部52の平面形状とは、例えば支持軸Qに関して互いに対称である。
第1固定電極部50は、ガード部60とガード部62との間に設けられている。すなわち、第1固定電極部50に隣り合う電極61の数は、2つである。また、第2固定電極部52は、ガード部60と電極64との間に設けられている。すなわち、第2固定電極部52に隣り合う電極61,64の数は、2つである。このように、物理量センサー100では、第1固定電極部50に隣り合う電極61の数と第2固定電極部52に隣り合う電極61,64の数とが、等しい。
なお、図示はしないが、蓋体70の、第1可動電極部21に対向する位置に第1固定電極部50が設けられ、蓋体70の、第2可動電極部22に対向する位置に第2固定電極部52が設けられてもよい。
ガード部60,62は、可動体20と基板10との間に働く静電力および支持部30,
32と基板10との間に働く静電力を抑制するための部材である。ガード部60,62は、図示の例では、可動体20と電気的に接続された電極61である。
ガード部60は、平面視において、基板10の第1固定電極部50と第2固定電極部52との間の領域(第1領域、電極間領域)14aに設けられている。図示の例では、基板10の領域14aは、平面視において、可動体20(第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20b)と重なる領域、および支持部30,32と重なる領域(第2領域)を含む。
ガード部60を構成する電極61は、可動体20および支持部30,32と対向して配置されている。すなわち、ガード部60を構成する電極61は、平面視において、可動体20(第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20b)および支持部30,32と重なっている。ガード部60を構成する電極61上には、間隙を介して、可動体20(第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20b)および支持部30,32が位置している。
ガード部62は、平面視において、基板10の第1シーソー片20aと重なる領域であって、第1固定電極部50の−X軸方向の領域14bに設けられている。ガード部62は、基板10上の平面視で可動体20と重なる位置であって、且つ、第1固定電極部50、第2固定電極部52、および第1領域14aの外側に設けられている。ガード部62は、基板10上の平面視で可動体20と重なる位置であって、第1固定電極部50、第2固定電極部52、および第1領域14aを避けて設けられている。ガード部62を構成する電極61は、第1シーソー片20aと対向して配置されている。すなわち、ガード部62を構成する電極61は、平面視において、第1シーソー片20aと重なっている。ガード部62を構成する電極61上には、間隙を介して、第1シーソー片20aが位置している。
電極64は、第2固定電極部52の+X軸方向の領域14cに設けられている。電極64は、図示の例では、可動体20と重ならない領域に設けられている。基板10の領域14a,14b,14cは、図示の例では、凹部12の底面14の一部である。
ガード部60を構成する電極61は、例えばポスト部16の表面に設けられた配線(図示せず)、固定部40、および支持部30,32を介して、可動体20と電気的に接続されている。また、ガード部62を構成する電極61、および電極64は、図示しない配線によって、ガード部60の電極61に電気的に接続されている。なお、ボンディングワイヤー(図示せず)等で、可動体20と各電極61,64とを電気的に接続してもよい。物理量センサー100では、各電極61が可動体20と電気的に接続されているため、各電極61と可動体20とを等電位にすることができる。これにより、構造体2(可動体20)と基板10との間に働く静電力を抑制することができる。
固定電極部50,52、ガード部60,62を構成する電極61、および電極64の材質は、例えば、アルミ、金、ITO(Indium Tin Oxide)等である。固定電極部50,52、ガード部60,62を構成する電極61、および電極64の材質は、ITO等の透明電極材料であることが望ましい。固定電極部50,52、ガード部60,62を構成する電極61、および電極64の材質として、透明電極材料を用いることにより、基板10が透明基板(ガラス基板)である場合、固定電極部50,52、ガード部60,62を構成する電極61、および電極64上に存在する異物等を容易に視認することができるためである。
蓋体70は、基板10上に設けられている。蓋体70は、基板10に接合されている。蓋体70および基板10は、可動体20を収容するキャビティー72を形成している。キ
ャビティー72は、例えば、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気である。蓋体70の材質は、例えば、シリコンである。蓋体70の材質がシリコンであり、基板10の材質がガラスである場合、基板10と固定部40とは、例えば陽極接合によって接合される。
次に、物理量センサー100の動作について説明する。
物理量センサー100では、加速度、角速度等の物理量に応じて、可動体20が支持軸Qまわりに揺動する。この可動体20の動きに伴って、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離、および第2可動電極部22と第2固定電極部52との間の距離が変化する。
具体的には、例えば鉛直上向き(+Z軸方向)の加速度が物理量センサー100に加わると、可動体20は反時計回りに回転し、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離が小さくなり、第2可動電極部22と第2固定電極部52との間の距離が大きくなる。この結果、静電容量C1が大きくなり、静電容量C2が小さくなる。
また、例えば鉛直下向き(−Z軸方向)の加速度が物理量センサー100に加わると、可動体20は時計回りに回転し、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離が大きくなり、第2可動電極部22と第2固定電極部52との間の距離が小さくなる。この結果、静電容量C1が小さくなり、静電容量C2が大きくなる。したがって、静電容量C1と静電容量C2との差に基づいて(いわゆる差動検出方式により)、加速度や角速度等の向きや大きさ等の物理量を検出することができる。
上述のように、物理量センサー100は、加速度センサーやジャイロセンサー等の慣性センサーとして使用することができ、具体的には、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するための静電容量型加速度センサーとして使用することができる。
物理量センサー100は、例えば、以下の特徴を有する。
物理量センサー100では、基板10と、可動電極部21,22を備えた可動体20と、可動体20を支持軸Qまわりに変位可能に支持する支持部30と、可動体20を支持軸Qを境に第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20bに区分けした場合に、第1シーソー片20aに対向して基板10上に配置された第1固定電極部50と、第2シーソー片20bに対向して基板10上に配置された第2固定電極部52と、を含み、基板10上には、第1固定電極部50と第2固定電極部52との間の電極間領域14aに可動体20と基板10との間に生じる静電力を抑制するガード部60が設けられている。これにより、可動体20と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。したがって、例えば物理量センサー100を製造する際に、可動体20と基板10とに電位差が生じ、可動体20が静電力によって基板10側に引っ張られて、可動体20が基板10に張り付いてしまうという問題が生じない。
物理量センサー100では、ガード部60は、基板10上の平面視で支持部30,32と重なる位置に設けられている。そのため、支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
物理量センサー100では、ガード部62は、平面視で可動体20と重なる位置であって、且つ、第1固定電極部50、第2固定電極部52、および電極間領域14aの外側の領域14bに設けられている。そのため、可動体20と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体が基板に張り付くことを防ぐことができる。
物理量センサー100では、ガード部60,62は、可動体20と電気的に接続された電極61である。そのため、可動体20および支持部30,32と電極61との間の電位差を小さくすること(もしくは電位差を生じさせないこと)ができる。したがって、可動体20および支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
物理量センサー100では、第1固定電極部50に隣り合う電極61の数と第2固定電極部52に隣り合う電極61,64の数とは、等しい。そのため、第1固定電極部50と電極61との間に発生する寄生容量と、第2固定電極部52と電極61,64との間に発生する寄生容量とを、容易に等しくすることができる。したがって、差動検出方式を用いて、第1固定電極部50における寄生容量の影響と第2固定電極部52における寄生容量の影響とをキャンセルすることができる。
1.2. 物理量センサーの製造方法
次に、第1実施形態に係る物理量センサーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3〜図5は、第1実施形態に係る物理量センサー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、例えばガラス基板をパターニングして、凹部12およびポスト部16を有する基板10を形成する。ガラス基板のパターニングは、例えばフォトリソグラフィーおよびエッチングにより行われる。
次に、凹部12の底面14に固定電極部50,52、ガード部60,62を構成する電極61、および電極64を形成する。固定電極部50,52、ガード部60,62を構成する電極61、および電極64は、スパッタ法等により底面14上に導電層を成膜した後、当該導電層をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングすることで形成される。
図4に示すように、基板10に、シリコン基板102を接合する。基板10とシリコン基板102との接合は、例えば、陽極接合によって行われる。
図5に示すように、シリコン基板102を、例えば研削機によって研削して薄膜化した後、パターニングして、可動体20、支持部30,32、および固定部40を一体的に形成する。パターニングは、フォトリソグラフィーおよびエッチング(ドライエッチング)によって行われ、より具体的なエッチング技術として、ボッシュ(Bosch)法を用いることができる。
図2に示すように、基板10に蓋体70を接合して、基板10および蓋体70によって形成されるキャビティー72に可動体20等を収容する。基板10と蓋体70との接合は、例えば、陽極接合によって行われる。本工程を、不活性ガス雰囲気で行うことにより、キャビティー72に不活性ガスを充填することができる。
本工程において、基板10に蓋体70を接合する際に、可動体20、支持部30,32、および固定部40を含む構造体2と基板10との間には、大きな電位差が生じる。しかし、ガード部60,62によって、可動体20および支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制することができる。したがって、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
以上の工程により、物理量センサー100を製造することができる。
1.3. 変形例
次に、第1実施形態に係る物理量センサーの変形例について、図面を参照しながら説明する。以下に示す各変形例に係る物理量センサー200,300,400において、上述した物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。図6は、第1変形例に係る物理量センサー200を模式的に示す平面図である。図7は、第1変形例に係る物理量センサー200を模式的に示す図6のVII−VII線断面図である。なお、便宜上、図6では、蓋体70の図示を省略している。
上述した物理量センサー100の例では、図1および図2に示すように、ガード部60,62は、可動体20と電気的に接続された電極61で構成されていた。
これに対して、物理量センサー200では、図6および図7に示すように、ガード部60,62は、可動体20と電気的に接続された電極61と、基板10に設けられた溝部18と、を含む。
ガード部60は、図示の例では、1つの電極61と2つの溝部18とで構成されている。ガード部60において、溝部18は、平面視において、基板10の第1固定電極部50とガード部60を構成する電極61との間の領域、および基板10の第2固定電極部52とガード部60を構成する電極61との間の領域に設けられている。
溝部18は、凹部12の底面14に設けられている。溝部18は、凹部12の底面14よりも可動体20との間の距離が大きい底面(可動体20に対向する面、内底面)を有している。溝部18を設けることによって、基板10と可動体20との間の距離を大きくすることができる。
ここで、静電力の大きさは、距離の2乗に反比例する。そのため、溝部18を設けることで、基板10と可動体20との間に働く静電力を抑制することができる。なお、溝部18の深さは、静電力によって基板10と可動体20とが張り付かないような深さであれば、特に限定されない。
ガード部62は、図示の例では、1つの電極61と1つの溝部18で構成されている。ガード部62において、溝部18は、平面視において、基板10の第1固定電極部50とガード部62を構成する電極61との間の領域に設けられている。
物理量センサー200では、ガード部60は、第1領域14aに設けられ、可動体20と電気的に接続された電極61と、平面視において、基板10のガード部60を構成する電極61と第1固定電極部50との間の領域、および基板10のガード部60を構成する電極61と第2固定電極部52との間に設けられた溝部18と、を含む。これにより、電極61および溝部18によって可動体20および支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
物理量センサー200の製造方法は、凹部12の底面14にエッチングにより溝部18を形成する工程を追加する点を除いて、上述した物理量センサー100の製造方法と同様であり、その説明を省略する。
なお、図示はしないが、ガード部60を溝部18のみで構成してもよい。すなわち、図
6および図7において、ガード部60を構成する電極61を、溝部18としてもよい。具体的には、第1領域14aの全体(ポスト部16を除く)を溝部18としてもよい。このような場合にも、可動体20および支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。同様に、ガード部62を溝部18のみで構成してもよい。
また、図示はしないが、溝部18の底面(内底面)に電極61を設けてもよい。また、第1領域14aの全体(ポスト部16を除く)に溝部18を設けて、当該溝部18の内底面に電極61を設けてガード部60としてもよい。また、同様に、第2領域14bの全体に溝部18を設けて、当該溝部18の内底面に電極61を設けてガード部62としてもよい。このような場合にも、可動体20および支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。図8は、第2変形例に係る物理量センサー300を模式的に示す平面図である。図9は、第2変形例に係る物理量センサー300を模式的に示す図8のIX−IX線断面図である。なお、便宜上、図8では、蓋体70の図示を省略している。
物理量センサー300では、図8および図9に示すように、固定電極部50,52および電極61には、それぞれ突起部65が設けられている。
突起部65は、各電極50,52,61から可動体20側に向けて突出している。突起部65の形状は、例えば、錘状である。突起部65は、平面視において、可動体20と重なる領域に設けられている。突起部65の数や位置は特に限定されない。図示の例では、突起部65は、基板10の底面14の露出した領域(電極50,52,61が形成されていない領域)の両側に設けられている。
具体的には、突起部65は、図示の例では、第1固定電極部50および第2固定電極部52の四隅、ガード部60を構成する電極61の四隅、ガード部62を構成する電極61の第1固定電極部50側の端部に設けられている。
物理量センサー300では、電極61、第1固定電極部50、および第2固定電極部52の少なくとも1つには、可動体20に向けて突出する突起部65が設けられている。これにより、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
物理量センサー300の製造方法は、凹部12を形成する際に、底面14に突起が形成されるようにエッチングし、該突起上に各電極50,52,61となる導電層を成膜して突起部65を形成する点を除いて、上述した物理量センサー100の製造方法と同様であり、その説明を省略する。
(3)第3変形例
次に、第3変形例について説明する。図10は、第3変形例に係る物理量センサー400を模式的に示す平面図である。図11は、第3変形例に係る物理量センサー400を模式的に示す図10のXI−XI線断面図である。なお、便宜上、図10では、蓋体70の図示を省略している。
物理量センサー400では、図10および図11に示すように、可動体20には、基板10の、ガード部60を構成している電極61と第1固定電極部50との間の領域14dと対向するスリット部26が設けられている。また、可動体20には、基板10の、ガー
ド部60を構成している電極61と第2固定電極部52との間の領域14eと対向するスリット部26が設けられている。
可動体20には、さらに、基板10の、ガード部62を構成している電極61と第1固定電極部50との間の領域14fと対向するスリット部26が設けられている。
物理量センサー400では、可動体20には、基板10が露出した領域14d,14e,14fと対向するスリット部26が設けられている。これにより、可動体20と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
(4)第4変形例
次に、第4変形例について説明する。図示はしないが、第4変形例に係る物理量センサーは、上述した図6および図7に示す溝部18、図8および図9に示す突起部65、および図10および図11に示すスリット部26を含んで構成されている。これにより、可動体20が基板10に張り付くことをより確実に防ぐことができる。
2. 第2実施形態
2.1. 物理量センサー
次に、第2実施形態に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図12は、第2実施形態に係る物理量センサー500を模式的に示す平面図である。図13は、第2実施形態に係る物理量センサー500を模式的に示す図12のXIII−XIII線断面図である。なお、便宜上、図12では、蓋体70の図示を省略している。
以下、第2実施形態に係る物理量センサー500において、第1実施形態に係る物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
物理量センサー500では、図12および図13に示すように、支持部30,32は、可動体20の周囲に設けられた固定部40a,40bと可動体20とを接続し、ガード部60は、基板10の第1固定電極部50と第2固定電極部52との間の領域(第1領域、電極間領域)14a、および平面視において基板10の支持部30と重なる領域(第2領域)14h,14iに設けられた電極61を含む。
物理量センサー500は、図12に示すように、可動体20の周囲に設けられた第1固定部40aおよび第2固定部40bを有している。固定部40a,40bは、図示の例では、基板10の枠部19に設けられている。固定部40a,40bと枠部19は、例えば、陽極接合によって接合される。第1固定部40aは、可動体20の+Y軸方向に設けられ、第2固定部40bは、可動体20の−Y軸方向に設けられている。すなわち、第1固定部40aと第2固定部40bとの間に可動体20が配置されている。
基板10の枠部19は、凹部12を囲むように設けられている。枠部19の側面は、凹部12の側面を規定する面である。枠部19と固定部40a,40bとは、例えば陽極接合によって接合される。
支持部30は、第1固定部40aと可動体20とを接続している。支持部30は、可動体20の+Y軸方向側の側面に接続されている。支持部32は、第2固定部40bと可動体20とを接続している。支持部32は、可動体20の−Y軸方向側の側面に接続されている。
物理量センサー500では、構造体2は、2つの固定部40によって基板10に固定されている。すなわち、構造体2は、基板10に対して2点(2つの固定部40)で固定されている。
ガード部60は、基板10の領域14a、および基板10の領域14h,14iに設けられた電極61で構成されている。基板10の領域14hは、平面視において、支持部30と重なる領域である。基板10の領域14iは、平面視において、支持部32と重なる領域である。基板10の領域14h,14iは、凹部12の底面14の一部である。図示の例では、1つの電極61が基板10の領域14a,14h,14iに渡って設けられているが、基板10の各領域14a,14h,14iにそれぞれ電極61が設けられていてもよい。
ガード部60を構成する電極61は、例えば、凹部12の側面、および枠部19の上面に延出して固定部40a,40bと電気的に接続されていてもよい。これにより、当該電極61は、第1固定部40a、支持部30(または第2固定部40b、支持部32)を介して、可動体20に電気的に接続される。なお、ボンディングワイヤー(図示せず)等で各電極61と可動体20とを電気的に接続してもよい。
物理量センサー500では、ガード部60は、平面視において、基板10の第1固定電極部50と第2固定電極部52との間の領域14a、および基板10の支持部30,32と重なる領域14h,14iに設けられた電極61を含む。これにより、可動体20および支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。
物理量センサー500の製造方法は、基板10の領域14h,14iに電極61を形成する点、および2つの固定部40a,40bを形成する点を除いて、上述した物理量センサー100の製造方法と同様であり、その説明を省略する。
2.2. 変形例
次に、第2実施形態に係る物理量センサーの変形例について、図面を参照しながら説明する。図14は、第2実施形態の変形例に係る物理量センサー600を模式的に示す平面図である。図15は、第2実施形態の変形例に係る物理量センサー600を模式的に示す図14のXV−XV線断面図である。なお、便宜上、図14では、蓋体70の図示を省略している。
以下、本変形例に係る物理量センサー600において、上述した物理量センサー500の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述した物理量センサー500の例では、図12および図13に示すように、ガード部60は、平面視において、基板10の第1固定電極部50と第2固定電極部52との間の領域(第1領域)14a、および基板10の支持部30と重なる領域(第2領域)14h,14iに設けられた電極61を含んで構成されていた。
これに対して、物理量センサー600では、図14および図15に示すように、ガード部60は、平面視において、基板10の第1固定電極部50と第2固定電極部52との間の領域(第1領域、電極間領域)14aに設けられた溝部18と、基板10の支持部30,32と重なる領域(第2領域)14h,14iに設けられた電極61とを含む。電極61は、可動体20と電気的に接続されている。
物理量センサー600では、電極61によって支持部30,32と基板10との間に働く静電力を抑制し、かつ溝部18によって可動体20と基板10との間に働く静電力を抑制して、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる。なお、図示はしないが、溝部18の内底面に電極61を設けてもよい。
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係る電子機器について、図面を参照しながら説明する。第3実施形態に係る電子機器は、本発明に係る物理量センサーを含む。以下では、本発明に係る物理量センサーとして、物理量センサー100を含む電子機器について、説明する。
図16は、第3実施形態に係る電子機器として、モバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1100を模式的に示す斜視図である。
図16に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を有する表示ユニット1106と、により構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー100が内蔵されている。
図17は、第3実施形態に係る電子機器として、携帯電話機(PHSも含む)1200を模式的に示す斜視図である。
図17に示すように、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。
このような携帯電話機1200には、物理量センサー100が内蔵されている。
図18は、第3実施形態に係る電子機器として、デジタルスチルカメラ1300を模式的に示す斜視図である。なお、図13には、外部機器との接続についても簡易的に示している。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、ビデオ信号出力端子1312には、テレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314には、パーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このようなデジタルスチルカメラ1300には、物理量センサー100が内蔵されている。
以上のような電子機器1100,1200,1300は、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる物理量センサー100を含むため、高い信頼性を有することができる。
なお、物理量センサー100を備えた電子機器は、図16に示すパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図17に示す携帯電話機、図18に示すデジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、各種ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ヘッドマウントディスプレイ、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、ロケット、船舶の計器類)、ロボットや人体などの姿勢制御、フライトシミュレーターなどに適用することができる。
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る移動体について、図面を参照しながら説明する。第4実施形態に係る移動体は、本発明に係る物理量センサーを含む。以下では、本発明に係る物理量センサーとして、物理量センサー100を含む移動体について、説明する。
図19は、第4実施形態に係る移動体として、自動車1500を模式的に示す斜視図である。
自動車1500には、物理量センサー100が内蔵されている。具体的には、図19に示すように、自動車1500の車体1502には、自動車1500の加速度を検知する物理量センサー100を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)1504が搭載されている。また、物理量センサー100は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用することができる。
自動車1500は、可動体20が基板10に張り付くことを防ぐことができる物理量センサー100を含むため、高い信頼性を有することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…構造体、10…基板、12…凹部、14…底面、14a,14b,14c,14d,14e,14f,14h,14i…領域、16…ポスト部、18…溝部、19…枠部、20…可動体、20a…第1シーソー片、20b…第2シーソー片、21…第1可動電極部、22…第2可動電極部、24,25…端面、26…スリット部、28…開口部、30,32…支持部、40…固定部、40a…第1固定部、40b…第2固定部、46…貫通孔、50…第1固定電極部、52…第2固定電極部、60…ガード部、61…電極、62…ガード部,64…電極、65…突起部、70…蓋体、72…キャビティー、100…物理量センサー、102…シリコン基板、200,300,400,500,600…物理量センサー、1100…電子機器、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1108…表示部、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1208…表示部、1300…デジタルスチルカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1430…テレビモニター、1440…パーソナルコンピューター、1500…自動車、1502…車体、1504…電子制御ユニット

Claims (11)

  1. 基板と、
    可動電極部を含む可動体と、
    前記可動体第1軸を回転軸として揺動できるように、前記可動体を支持している支持部と、
    を含み、
    前記可動体は、
    前記第1軸を境に区画され、前記第1軸と直交する方向に沿って並んでいる第1部分と第2部分とを含み、
    平面視で、前記第1軸から前記第1部分の前記直交する方向の先端までの距離は、前記第1軸から前記第2部分の前記直交する方向の先端までの距離よりも大きく、
    前記基板上には、
    前記第1部分と対向する第1固定電極部と、
    前記第2部分と対向する第2固定電極部と、
    前記可動体と電気的に接続されている第1電極と、
    前記可動体と電気的に接続されている第2電極と、
    が設けられ、
    前記第1電極は、
    前記基板上において、
    前記第1固定電極部と前記第2固定電極部との間の第1領域と、
    平面視で、前記可動体と重なり、前記第1部分の先端と前記第1固定電極部との間の領域を含む第2領域と、
    に設けられ、
    前記第2電極は、
    平面視で、前記可動体と重ならず、
    且つ、前記第2固定電極部の前記支持部側とは反対側に、前記第2固定電極部と離間して設けられている、
    物理量センサー。
  2. 請求項1において、
    前記第1領域に設けられている前記第1電極は、平面視で、前記支持部と重なっている、
    物理量センサー。
  3. 請求項1または2において
    前記基板の前記第1領域に設けられている前記第1電極と前記第1固定電極部との間の領域、
    前記基板の前記第1領域に設けられている前記第1電極と前記第2固定電極部との間の領域、
    及び前記基板の前記第2領域に設けられている前記第1電極と前記第1固定電極部との間の領域のうち少なくとも何れかには、溝部が設けられている、
    物理量センサー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記第1電極、前記第1固定電極部、及び前記第2固定電極部うち少なくとも何れかには、前記可動体側に突出している突起部が設けられている、
    物理量センサー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記可動体には、複数のスリットが設けられている、
    物理量センサー。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記基板の材質は、絶縁材料である、
    物理量センサー。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記可動体の材質は、半導体材料である、
    物理量センサー。
  8. 請求項7において、
    前記半導体材料は、導電性を有している、
    物理量センサー。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項において、
    前記第1固定電極部、前記第2固定電極部、前記第1電極、及び前記第2電極の材質は、アルミ、金、及びITOの何れかである、
    物理量センサー。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の物理量センサーを含む、電子機器。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の物理量センサーを含む、移動体。
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