JP2015023641A - 電力変換装置およびエレベーター - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング素子により構成される電力変換装置のスイッチングに伴って発生する騒音を効果的に低減する。
【解決手段】インバータの各相の変調波に共通成分として矩形状の波形を重畳する。あるいは、上記の共通課題及び第2の課題を解決するために、コンバータに二相変調方式を適用し、インバータには、二相変調の周期と同じ周期の波形として正弦波または矩形状の波形をインバータの各相の変調波に共通成分として重畳するとともに、二相変調の位相に対する重畳する波形の位相のずれを60度以内、望ましくは30度以内、更に望ましくは0度(位相を一致させる)とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スイッチング素子により構成される電力変換装置に関するものであり、特にPWM整流器(以下、コンバータと称す)とPWMインバータ(以下、インバータと称す)とで構成される電力変換装置と、それを用いたエレベーターに関する。
電動機の可変速駆動のうちエネルギー回生が起こる場合には、図2に示すように商用電源21からコンバータ11により直流に変換し、さらに平滑コンデンサ41で平滑された直流電力からインバータ12を介して電動機22に可変電圧可変周波数の電力を供給して駆動する方式が一般的である。コンバータ11及びインバータ12は各相上下一対のスイッチング素子(ここではIGBT;絶縁ゲートバイポーラトランジスタを例に記述)で構成され、上下交互にスイッチングすることで電力変換を行う。
ここで、IGBTではスイッチングする際のスイッチング損失及び導通期間中の導通損失が発生する。また、スイッチングに伴って電流に高調波成分が発生し、これが配線等を流れることにより電磁力が発生し、配線やモータのコイルが伸び縮みし、空気を振動させて騒音が発生する。前述した損失のうちスイッチング損失はスイッチングの回数により増加するが、前述した騒音の発生を考慮すると人間の音感の強い周波数を避けるなどの理由からスイッチング周波数は通常10kHz程度としていることが多い。
ここで、スイッチング損失低減のため、スイッチング周波数を下げても騒音の不快感を抑制する方式として、特許文献1がある。これは、インバータの各相変調波に共通の成分として正弦波を重畳させることでスイッチングタイミングを分散させて耳障りな騒音の発生を抑制している。このように搬送波を変形せずに変調波の方を変形させる方式は、インバータ制御マイコンなどに適用しやすい利点がある。
また、搬送波周波数を変えずに損失低減を図る方式として、三相のうち一相のスイッチングを止める二相変調という方式がある。どの時点においても三相のうちいずれかの相がスイッチングを休止しているので、スイッチング回数が3分の2になりスイッチング損失が低減される。
特開2011−211777号公報
ここで、特許文献1の騒音抑制方法では、インバータの各相変調波に共通の成分として正弦波を重畳させている。しかし、共通成分重畳後の変調波の振幅が、搬送波の最大振幅を超えてしまうと、過変調となってしまうため、重畳させる正弦波の振幅の大きさには制限があり、重畳する正弦波の振幅が騒音抑制に必要な大きさに足りない場合には十分な騒音抑制の効果が得られない場合がある。
また、特許文献1の騒音抑制方法はインバータに関するものであり、コンバータとインバータとの両方がある場合については考慮されていない。コンバータとインバータとがある場合には以下のような問題がある。すなわち、図2において、電源21の対地浮遊容量91と電動機22の対地浮遊容量92が存在するため、コンバータ11及びインバータ12のスイッチングに起因する零相電圧の変化に応じて零相電流が流れる。この零相電流は、制御回路へのノイズを発生させる。そこで一般的に図2に示すように、電源21とコンバータ11との間にリアクトル51、52及び対地間コンデンサ53を有するフィルタ回路5を接続して、電動機の対地浮遊容量92を介した零相電流を対地間コンデンサ53を介して一巡させることにより電源21まで回らないようにする方法が用いられている。ただし、零相電流の増大はフィルタ回路の大形化を招くなど好ましくない。さらに、この零相電流が配線等を流れることにより電磁力が発生し、配線やモータのコイルが伸び縮みし、空気を振動させて騒音が発生する。
また、例えばコンバータに二相変調方式を適用した場合には、二相変調はある相のスイッチングを休止するために、零相電圧を変化させることになり、これにより零相電流が増加する可能性もある。
フィルタ回路5の対地間コンデンサ53が無い場合の零相回路の概略構成を図3に示す。コンバータ側零相電圧とインバータ側零相電圧との差ΔVz(零相電圧差)により、零相インピーダンスZzと電源及び電動機の対地浮遊容量91及び92を介して零相電流が流れる。
本発明が解決しようとする共通課題は、スイッチング素子により構成される電力変換装置のスイッチングに伴って発生する騒音を効果的に低減することである。
ここで、本発明が解決しようとする共通課題は、次の第1の課題と第2の課題とを含んでおり、本発明は、共通課題とともに、第1の課題と第2の課題とのうち少なくとも一方を解決することを目的とする。
第1の課題は、インバータの各相変調波に共通の成分を重畳させる場合に、スイッチングに伴って発生する騒音を、正弦波を重畳する場合に比べてさらに効果的に低減することである。
第2の課題は、コンバータとインバータとを有する電力変換装置において、コンバータに二相変調方式を適用した場合に、コンバータとインバータとの零相電圧の差によって生じる零相電流を一部相殺しつつ、騒音を低減することである。
上記の共通課題及び第1の課題を解決するために、インバータの各相の変調波に共通成分として矩形状の波形を重畳する。
また、上記の共通課題及び第2の課題を解決するために、コンバータに二相変調方式を適用し、インバータには、二相変調の周期と同じ周期の波形として正弦波または矩形状の波形をインバータの各相の変調波に共通成分として重畳するとともに、二相変調の位相に対する重畳する波形の位相のずれを60度以内、望ましくは30度以内、更に望ましくは0度(位相を一致させる)とする。ここで、重畳する波形を矩形状の波形とすることで、第1の課題も解決することができる。
本発明によれば、スイッチング素子により構成される電力変換装置のスイッチングに伴って発生する騒音を効果的に低減することができる。
本発明の実施例1の構成を示す。 本発明の適用分野である電力変換装置の構成を示す。 図2における零相回路の構成を示す。 本発明における矩形波生成方法例を示す。 本発明における第一の変換回路の波形を示す。 従来例として共通成分を重畳しない場合の周波数解析結果を示す。 比較例として特許文献1を応用した場合の周波数解析結果を示す。 本発明の実施例1を適用した場合の周波数解析結果を示す。 本発明の実施例1を適用した場合の波形を示す。 本発明の効果を説明する図を示す。 本発明の効果を補足する図を示す。 本発明の効果を説明する図を示す。 比較例として特許文献1を応用した場合の他の周波数解析結果を示す。 本発明の実施例1を適用した場合の他の周波数解析結果を示す。 本発明の効果を説明する図を示す。 本発明の実施例2の構成を示す。 本発明の実施例2の場合の効果を示す。 本発明の実施例3の構成を示す。
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。尚、各図および各実施例において、同一又は類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
本発明の実施例1の構成を図1に示す。図2と同じように商用電源21から三相の交流(第一の交流)をコンバータ11により直流に変換し、さらに平滑コンデンサ41で平滑された直流電力からインバータ12を介して三相の交流(第二の交流)に逆変換し、電動機22に可変電圧可変周波数の電力を供給する構成である。電源21とコンバータ11との間にはフィルタ回路5が接続されている。尚、フィルタ回路5の対地間コンデンサは図示省略している。コンバータ11及びインバータ12は各相上下一対のスイッチング素子(ここではIGBT;絶縁ゲートバイポーラトランジスタを例に記述)で構成され、コンバータ11のゲート駆動回路31及びインバータ12のゲート駆動回路32によって、上下交互にスイッチングすることで電力変換を行う。
コンバータ11及びインバータ12はPWM制御回路8により変調波と搬送波とを比較してPWM変調方式で制御される。平滑コンデンサ41の電圧を目標値に制御するために、コンバータ制御器42にて、電流検出器61により検出された電源電流と平滑コンデンサ41の電圧とを入力としてフィードバック制御してコンバータ11の各相電圧指令Vro、Vso、Vtoを作成する。尚、電流検出器61は3相分設けても良いが、2相分の電流がわかれば残りの1相は計算で求まるため図1のように電流検出器61は2相分でよい。各相電圧指令Vro、Vso、Vtoは、二相変調部43にて二相変調され、二相変調した変調波Vr*、Vs*、Vt*が出力される。PWM生成部811は、二相変調した変調波Vr*、Vs*、Vt*とコンバータ側搬送波801とを比較し、PWM変調方式でゲート駆動回路31を駆動するためのゲート駆動信号Sr、Ss、Stを作成する。ここで、ゲート駆動信号Sr、Ss、Stは三相それぞれの上下一対のスイッチング素子を短絡しないようなデッドタイムを確保して駆動するための信号であり、この信号を受けてゲート駆動回路31によりコンバータ11のスイッチング素子を駆動する。
電動機22の速度制御は、速度指令と速度検出器71を用いて検出した電動機22の速度とを入力として速度制御器7にてフィードバック制御される。速度制御器7は電流指令を出力する。電流検出器62を用いて検出したインバータ12の出力電流と、速度制御器7からの電流指令とを入力として、インバータ制御器72でフィードバック制御され、インバータ制御器72にて、インバータ12の各相電圧指令Vuo、Vvo、Vwoが作成される。尚、電流検出器62は3相分設けても良いが、2相分の電流がわかれば残りの1相は計算で求まるため図1のように電流検出器62は2相分でよい。
また、二相変調部43では、例えば二相変調前後(例:Vr*とVro)を比較して、変調波Vr*、Vs*、Vt*の零相成分が大きく変化するタイミングを検出して矩形波生成部82に出力し、矩形波生成部82では、インバータ側の各相電圧指令Vuo、Vvo、Vwoに共通成分Vinとして重畳させるための矩形状の波形(例えば矩形波)を生成する。この矩形状の波形(共通成分Vin)は、加算部83にて各相電圧指令Vuo、Vvo、Vwoに共通成分として重畳され、変調波Vu*、Vv*、Vw*としてインバータ側のPWM生成部812に入力される。
インバータ側のPWM生成部812は、共通成分Vinが重畳された変調波Vu*、Vv*、Vw*とインバータ側搬送波802とを比較し、PWM変調方式でゲート駆動回路32を駆動するためのゲート駆動信号Su、Sv、Swを作成する。ここで、ゲート駆動信号Su、Sv、Swは三相それぞれの上下一対のスイッチング素子を短絡しないようなデッドタイムを確保して駆動するための信号であり、この信号を受けてゲート駆動回路32によりインバータ12のスイッチング素子を駆動する。
次に、二相変調部43及び矩形波生成部82での、インバータ12側に共通成分として重畳する矩形状の波形の生成に関して、図4を用いて説明する。二相変調部43ではコンバータ11の各相電圧指令Vro、Vso及びVto(二相変調前の変調波)から、その大小関係により何れかの1相がスイッチングを休止するように、何れかの相の正極側スイッチング素子がオンを継続する第一の状態と、何れかの相の正極側スイッチング素子がオフを継続する第二の状態とが交互に存在し、第一の状態及び第二の状態の期間中に他の相のスイッチング素子の何れかはある時間おきにスイッチングするような変調波Vr*、Vs*、Vt*(二相変調後の変調波)に変換される。この変換自体は一般的な二相変調と同様である。
本実施例ではさらに、二相変調の周期と同じ周期の波形をインバータの各相の変調波に共通成分として重畳するために、インバータ12の各相の変調波に共通成分として重畳する矩形状の波形の周期が、コンバータ11の第一の状態の継続時間と第二の状態の継続時間とを合わせた時間となるように共通成分Vinを生成している。
例えば、ある相(ここではR相)の二相変調前後の変調波の差分Vr*−Vroの変化から矩形パルスを作成する。具体的には、二相変調部43は、二相変調前後の変調波の差分Vr*−Vroが立ち上がる時に立ち上がり、立ち下がる時に立ち下がる矩形パルスを生成し、矩形波生成部82に出力する。ここではR相を用いた例で説明したが、S相やT相でも同じ矩形パルスが得られるため、何れか1相を用いて矩形パルスを生成すればよい。尚、この矩形パルスは、二相変調で第二の状態から第一の状態へ切り替わるタイミングで立ち上がり、第一の状態から第二の状態へ切り替わるタイミングで立ち下がる。
矩形波生成部82では、この入力された矩形パルスと同じ周期の矩形状の波形(例えば矩形波)を生成する。位相は同じであることが望ましいが、必ずしも同じである必要はない。二相変調の位相に対する重畳する波形の位相のずれ(これは矩形波生成部82に入力された矩形パルスと矩形波生成部82から出力される矩形状の波形との間の位相のずれに対応する)を60度以内、望ましくは30度以内、更に望ましくは0度(位相を一致させる)とする。振幅については、矩形波生成部82で生成した矩形状の波形を共通成分Vinとして加算部83で各相電圧指令Vuo、Vvo、Vwoに加算しても過変調にならない範囲(共通成分重畳後の変調波Vu*、Vv*、Vw*が搬送波の最大振幅を超えない範囲)の振幅とする。
なお、二相変調部43から矩形波生成部82への信号は矩形パルスを例に説明したが、二相変調による元の電圧指令Vroと二相変調後の変調波Vr*との差が大きく変化するタイミングがわかれば、必ずしも矩形パルスでなくてもよい。
また、矩形波生成部82で生成される矩形状の波形は、必ずしも矩形波でなくても良く、例えば二相変調前後の変調波の差分Vr*−Vroのように一部が歪んだ波形であっても良い。
本発明の効果を以下で説明する。
効果の比較として、(A)インバータ側変調波に何も重畳しない場合(共通成分Vinが常に0)、(B)特許文献1にあるようにインバータ側変調波に共通成分Vinとして正弦波を重畳した場合(但しコンバータも考慮している点で特許文献1とは異なる)、(C)本実施例のようにインバータ側変調波に共通成分Vinとして矩形波を重畳した場合について、コンバータ側とインバータ側との零相電圧の差ΔVz(零相電圧差)を周波数解析(FFT解析)した結果で比較する。なお、ここでは零相電圧として、(式1)〜(式3)で算出した値とした。ここで、Vr、Vs、Vt、Vu、Vv及びVwは図2に示すようにコンバータ11側及びインバータ12側の相電圧である。
コンバータ側零相電圧 Vzc=(Vr+Vs+Vt)/3 …(式1)
インバータ側零相電圧 Vzi =(Vu+Vv+Vw)/3 …(式2)
零相電圧差 ΔVz=Vzi−Vzc …(式3)
この零相電圧差ΔVzにより零相電流の周波数及び振幅が決まる。
図5に、コンバータ11側の相電圧Vr、Vs及びVtと負極側との間の電圧Vrn、Vsn及びVtnを示す。横軸は時間(s)、縦軸は電圧である。尚、下半分の3つのグラフは上半分の3つのグラフの一部を横軸方向に拡大したものである。二相変調により直流電圧Vdcが継続する状態(正極側オン継続の状態)と0が継続する状態(正極側オフ継続の状態)とが入れ替わる様子がわかる。なお、これは前述の(A)、(B)及び(C)いずれの場合も同じである。
(A)、(B)及び(C)のそれぞれについて、インバータ12側の各相電圧指令に重畳する共通成分Vin(横軸は時間(s))、そのVinを重畳する前後の変調波Vou、Vu*(三相のうち一相)(横軸は時間(s))及び零相電圧差ΔVzの周波数解析(横軸は周波数(Hz))を、図6、図7及び図8に示す。ここでは、電源周波数50Hz(周期0.02秒)、インバータの出力周波数10Hz(周期0.1秒)、コンバータ側搬送波周波数8kHz、インバータ側搬送波周波数6.4kHzでインバータの共通成分重畳前の変調率kh(搬送波の最大振幅に対する共通成分重畳前の各相電圧指令Vuo、Vvo、Vwoの振幅の割合)を0.1とした。
図6は共通成分Vin=0の場合である。この場合には重畳前の変調波Vuoと重畳後の変調波Vu*は同じとなる。この時の零相電圧差ΔVzの周波数解析から、インバータ搬送波周波数6.4kHz成分が430Vとなる。また、電源周波数の3倍すなわち二相変調による変化の周波数(二相変調の周波数)である150Hz成分が95Vとなる。
図7は電源周波数の3倍周波数の正弦波を重畳させた場合である。すなわち、二相変調の周期と重畳する正弦波の周期を一致させた場合である。また、二相変調の位相に対する重畳する波形の位相も一致させている。具体的には、二相変調の第二の状態から第一の状態へ切り替わるタイミングと正弦波の位相が0度のタイミングとの位相のずれが0度(二相変調の第二の状態から第一の状態へ切り替わるタイミングと正弦波の位相が0度のタイミングとが一致する)となっている。ここで、過変調とならないように、重畳成分Vinの振幅は、(式4)で決まる最大値Vinmaxの半分とした。インバータの共通成分重畳前の変調率khが0.1であるため、重畳した正弦波の振幅は、搬送波振幅を1とした場合に0.45である。
Vinmax = 1−kh …(式4)
この時のΔVzは6.4kHz成分が378Vに低減され、騒音が低減していることがわかる。また、150Hz成分も58Vに低減され、零相電圧差による零相電流が一部相殺されていることがわかる。
図8が実施例1を適用した場合である。ここでは、共通成分Vinである矩形波の振幅は図7の正弦波振幅に合わせて0.45とした。二相変調の周期と重畳する矩形状の波形の周期は一致しており周波数150Hzである。また、二相変調の位相に対する重畳する波形の位相も一致させている。具体的には、二相変調の第二の状態から第一の状態へ切り替わるタイミングと矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとの位相のずれが0度(二相変調の第二の状態から第一の状態へ切り替わるタイミングと矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとが一致する)となっている。この時のΔVzは、6.4kHz成分が327Vと正弦波重畳よりもさらに低減され、騒音がさらに低減していることがわかる。また、150Hz成分については99Vと正弦波重畳の場合よりは大きくなっているが、何も重畳しない場合に比べれば僅かに上昇したのみであり、ほぼ変わらないと言える。通常であれば150Hzの矩形状の波形を重畳した分だけ零相電圧差が増えるはずであるが、コンバータ側の二相変調の周期と同じで位相も一致した矩形状の波形をインバータ側の変調波に共通成分として重畳したことにより、一部相殺され、重畳した矩形波状の波形の大きさに比べて150Hz成分の上昇が小さいという結果になっている。
図9は、図8の場合における、電源の一周期分の、コンバータ11側の電圧Vrn、Vsn及びVtn、インバータ12側の搬送波及び変調波Vu*、インバータ12側の電圧Vun(インバータ12側の相電圧Vuと負極側との間の電圧)、Vunから直流電圧Vdcの2分の1を引いて時間積分した波形及び零相電圧差ΔVzの波形である。コンバータ11側が二相変調によりVrn、Vsn、Vtnの何れか一相の正極側スイッチング素子がオン継続に入る時(図中のt1、t3、t5)にVu*が立ち上がり、Vrn、Vsn、Vtnのいずれか一相の正極側スイッチング素子がオフ継続に入る時(図中のt2、t4、t6)にVu*が立ち下がっている。このようにして、Vu*が正となっている間はU相の正極側スイッチング素子オンの割合が高くなり、Vunから直流電圧Vdcの2分の1を引いて(Vun−Vdc/2)、これを時間積分すると増加する。逆に、Vu*が負となっている間はU相の正極側スイッチング素子オフの割合が高くなり、Vunから直流電圧Vdcの2分の1を引いて(Vun−Vdc/2)、これを時間積分すると減少する。よって時間積分の値はこれらを交互に繰り返す三角波状となる。このようにスイッチング素子のオンとオフとの比率を変化させることができるため、スイッチングの間隔が分散され、6.4kHz成分が低減できる。そして、スイッチングの間隔が分散され、6.4kHz成分が低減すると、スイッチングに伴って発生する騒音が低減される。
尚、図7の場合でも、図9での説明と同様にスイッチングの間隔が分散され、6.4kHz成分が低減し、スイッチングに伴って発生する騒音が低減される効果が得られる。
図10に、正弦波重畳と本実施例のような矩形波重畳とで、重畳する共通成分Vinの振幅を変えた時の零相電圧差ΔVzの周波数解析による6.4kHz成分及び150Hz成分の振幅を示す。横軸はVin/Vinmax、縦軸は零相電圧差ΔVzの周波数解析による振幅である。また、共通成分Vinを重畳しない場合についても、共通成分Vinの振幅を0としてプロットしている。尚、ここでは矩形波重畳と説明しているが、厳密な矩形波ではない矩形状の波形でもほぼ同様の傾向となる。
図10(A)は、共通成分Vinの位相ずれが0degの場合であり、図10(B)では、共通成分Vinの位相ずれが180degの場合である。ここで、位相ずれとは、図7、図8でも説明したように、二相変調の位相(例えば二相変調の第二の状態から第一の状態へ切り替わるタイミングを位相0度と定義)に対する重畳する波形(例えば正弦波の場合は負から正に変わるタイミングを位相0度と定義し、矩形状の波形の場合は立ち上がりのタイミングを位相0度と定義)の位相のずれのことであり、図7、図8の場合は位相ずれは0degである。
図10(A)、図10(B)より、重畳する共通成分Vinの振幅を大きくすると、零相電圧差ΔVzにおける6.4kHz成分が低減することがわかる。これにより、騒音も低減する。この効果は、正弦波重畳であるか矩形波重畳であるかによらず得られるが、正弦波重畳の場合よりも矩形波重畳の場合の方が6.4kHz成分の低減の効果が大きい。また、この効果は、位相ずれが180degであっても同様である。したがって、この効果は、コンバータの二相変調とは無関係に得られる効果である。
ここで、騒音の低減効果を高めるためには重畳する共通成分Vinの振幅を大きくすればよいが、この振幅は過変調にならない振幅とする必要がある。したがって、重畳できる振幅の大きさには限界があり、正弦波の場合は、重畳する正弦波の振幅が騒音抑制に必要な大きさに足りない場合には十分な騒音抑制の効果が得られない場合がある。これに対して、矩形波重畳の場合には、正弦波重畳の場合に比べて、同じ振幅であっても6.4kHz成分の低減の効果が大きい、すなわち、騒音を低減する効果が高いという効果が得られる。これは、同じ振幅とした場合には、矩形波の方が正弦波に対して、その基本周波数(ここでは150Hz)成分が大きいためである。
また、図10(A)に示すように、正弦波重畳の場合も矩形波重畳の場合も、位相ずれが0degの場合には、重畳しない場合(Vinが0の場合)から共通成分Vinの振幅を大きくするに従い、150Hz成分が一度減少してから増大している。これに対して、図10(B)に示すように、正弦波重畳の場合も矩形波重畳の場合も、位相ずれが180degの場合は、共通成分Vinの振幅を大きくするに従い、150Hz成分が単純増加している。したがって、位相ずれが小さい場合には、零相電圧差が一部相殺されていることがわかる。
したがって、共通成分Vinは正弦波重畳でもよいが、過変調についても考慮すると、同じ振幅であっても騒音の抑制効果は矩形状重畳の方が高いので最も望ましく、また、共通成分Vinの振幅は、6.4kHz成分を十分抑制できつつも150Hz成分の悪化の影響が許容できる範囲で選択すればよい。
次に、位相ずれの大きさと零相電圧差の一部相殺の効果との関係について説明する。
図11(A)は、矩形波重畳の場合に、共通成分Vinとして重畳する矩形波の振幅を固定(Vin/Vinmax=0.5)して、位相ずれを変化させた場合の零相電圧差ΔVzの周波数解析による6.4kHz成分と150Hz成分の変化を示す。横軸は位相ずれ(deg)、縦軸は零相電圧差ΔVzの周波数解析による振幅である。また、図11(B)は、矩形波重畳の場合であって、それぞれ位相ずれを0deg、30deg、45deg、60deg、75deg、90degとした場合の、共通成分Vinの変化に対する零相電圧差ΔVzの周波数解析による6.4kHz成分と150Hz成分の変化を示す。横軸はVin/Vinmax、縦軸は零相電圧差ΔVzの周波数解析による振幅である。
図12(A)は、図11(A)の矩形波重畳を正弦波重畳に変えたものである。また、図12(B)は、図11(B)の矩形波重畳を正弦波重畳に変えたものである。
ここで、6.4kHz成分は、共通成分Vinの重畳なしに比べて、位相ずれの大きさによらずほぼ一定の低減効果があることがわかる。これは、共通成分Vinの矩形波または正弦波の周波数150Hzに対して、インバータ側搬送波の6.4kHzが十分に高いため、位相の違いは影響しないからである。このことからも、この効果はコンバータ側の二相変調の有無によらず得られる効果であることがわかる。
一方、150Hz成分に関しては、図11(B)、図12(B)に示すように、位相ずれが0deg、すなわち図7、図8、図9で示したように二相変調の位相に対して位相が一致した場合には最も最小値が小さくなる。そして、位相ずれが大きくなるに従って、最小値が大きくなっている。すなわち、矩形波重畳の場合も正弦波重畳の場合も、位相ずれが小さいほど、零相電圧差を一部相殺する効果が高いことがわかる。このとき、位相ずれは0degであることが最も望ましいが、図11(B)、図12(B)に示すように、60deg以内であれば重畳しない場合に比べて150Hz成分を小さくできる領域が存在するとともに、それ以外の領域でも増加量はあまり大きくない。また、30deg以内であれば図11(A)、図12(A)のように増加の傾きが小さいので、さらに望ましい。
次に、二相変調の周波数と重畳する波形の周波数が一致しない場合について説明する。
図13は、図7の正弦波重畳に対応する図であるが、正弦波の周波数が400Hzの場合を示しており、二相変調の周波数(150Hz)と一致していない。尚、周波数が一致していないので、位相ずれについては常に変動することになる。この場合、図7と比較して、6.4kHz成分は378Vと変わらないが、150Hz成分は95Vであり、図6の重畳しない場合と変わらない。さらに、図13では、400Hz成分に新たに153Vのピークが現れている。
図14は、図8の矩形波重畳に対応する図であるが、矩形波の周波数が400Hzの場合を示しており、二相変調の周波数(150Hz)と一致していない。尚、周波数が一致していないので、位相ずれについては常に変動することになる。この場合、図8と比較して、6.4kHz成分は327Vと変わらないが、図13の正弦波重畳よりは低減されている。また、150Hz成分は95Vであり、図6の重畳しない場合と変わらない。さらに、図14では、400Hz成分に新たに195Vのピークが現れている。
図13、図14からわかるように、6.4kHz成分に関しては、重畳する波形の周期・周波数が二相変調の周期・周波数と一致するかによらず、正弦波重畳よりも矩形波重畳の場合の方が低減効果が高いことがわかる。また、150Hz成分に関しては、重畳する波形の周期・周波数が二相変調の周期・周波数と一致させないと零相電圧差の一部相殺の効果が得られないことがわかる。
以上をまとめると、次の通りとなる。
まず、1つ目の観点として、インバータの各相の変調波に共通成分として矩形状の波形を重畳することで、スイッチングに伴って発生する騒音を、正弦波を重畳する場合に比べてさらに効果的に低減することができる。これは、コンバータにおいて二相変調をするか否か、および、二相変調をする場合でも、二相変調の周波数や位相によらず得られる効果である。すなわち、実施例1において、コンバータ側で二相変調をしない場合にも適用可能である。
また、2つの目の観点として、コンバータに二相変調方式を適用し、インバータには、二相変調の周期と同じ周期の波形として正弦波または矩形状の波形をインバータの各相の変調波に共通成分として重畳するとともに、二相変調の位相に対する重畳する波形の位相のずれを60度以内、望ましくは30度以内、更に望ましくは0度(位相を一致させる)とする。すなわち、実施例1において、共通成分として矩形状の波形を重畳するのに代えて正弦波を重畳するようにしても良い。これにより、コンバータとインバータとの零相電圧の差によって生じる零相電流を一部相殺しつつ、騒音を低減することができる。ここで、重畳する波形は、正弦波よりも矩形状の波形の方が同じ振幅であっても騒音を低減する効果が高い。
本発明の実施例2の構成を図16に示す。実施例1と同じ部分の説明は省略して相違点のみ説明する。ここでは、コンバータ11とインバータ12とで共通の搬送波80を用いてPWM制御信号を生成している。搬送波周波数を8kHzとして、(A)インバータ側変調波に何も重畳しない場合、(B)特許文献1にあるようにインバータ側変調波に共通成分Vinとして正弦波を重畳した場合(但しコンバータも考慮している点で特許文献1とは異なる)、(C)本実施例のようにインバータ側変調波に共通成分Vinとして矩形波を重畳した場合について、コンバータ側とインバータ側との零相電圧の差ΔVz(零相電圧差)を周波数解析(FFT解析)した結果を、それぞれ図17(A)、図17(B)、図17(C)に示す。横軸は周波数(Hz)、縦軸は零相電圧差ΔVzの振幅である。ここでは、コンバータ11、インバータ12ともに搬送波周波数が8kHzであるため、8kHz成分と150Hz成分が顕著となっている。8kHz成分に関しては、実施例1と同様に、重畳なしに比べて正弦波重畳では低減され、矩形波重畳では正弦波重畳よりもさらに低減されている。150Hz成分に関しても、実施例1と同じである。尚、本実施例では、搬送波周波数の2倍付近である16kHzが大きくなっているが、この周波数により発生する騒音は人間の耳の感度は低い領域であるため、8kHz成分ほど問題とならない。
このように、コンバータ11とインバータ12とで共通の搬送波80を用いた場合でも、実施例1と同様の効果が得られる。
本発明の実施例3を図18に示す。この場合は、インバータ12側のPWM生成部812における変調波Vu*、Vv*及びVw*を選択するための、モード選択部84がある。インバータ12の負荷として電動機22を可変速駆動した場合に、電動機22が低速領域よりも速い速度領域、例えば、速度検出器71の速度情報が所定の閾値より大きい領域や、インバータ12の出力である交流の周波数が所定の閾値より大きい領域や、インバータ制御器72で算出されるVuo、Vvo、Vwoの変調率が所定の閾値より大きい領域では、コンバータ11の二相変調とは別にインバータ12側を二相変調で駆動しても狭幅パルスは発生する可能性が低くなるため、インバータ12に二相変調の適用が可能である。一方、共通成分Vinとして重畳する矩形波の振幅の最大値は(式4)で制約されるため、変調率が高くなると重畳できる矩形波の振幅範囲が狭くなるため、矩形波重畳をしても十分な効果が得にくくなる。
そこで、(1)電動機22が低速領域(低速領域の判断条件として、例えば、速度検出器71の速度情報が所定の閾値以下の領域や、インバータ12の出力である交流の周波数が所定の閾値以下の領域や、インバータ制御器72で算出されるVuo、Vvo、Vwoの変調率が所定の閾値以下の領域)では、実施例1と同様にインバータ12を三相変調で制御するとともに矩形波重畳をして、(2)低速領域よりも速い速度領域となったら、矩形波重畳をやめるとともに、インバータ12を二相変調する。具体的には、搬送波をコンバータ11側と共通の搬送波801に切り替えるとともに、インバータ側変調波をインバータ制御器72からの各相電圧指令Vuo、Vvo及びVwoを二相変調部73により二相変調したVu2、Vv2及びVw2に切り替えてPWM生成部812に入力し、ゲート駆動信号Su、Sv、Swを生成する。これにより、どの速度領域においても低損失で騒音が目立たない駆動が可能となる。
なお、ここでは(1)低速領域と(2)他の領域との判断に、例えばインバータ12の出力である交流の周波数や、変調率や、速度検出器71の速度情報を用いる例を示したが、この中でも、変調率は、PWM制御器8の中で生成されるものであり制御回路構成が容易である。
実施例4は、実施例1から実施例3をエレベーターに適用した実施例である。電動機22は、エレベーターの巻上機に用いられる電動機22であり、この電動機22により図示しない乗りかごを駆動する。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いても良い。
11:PWM整流回路(コンバータ)
12:インバータ
21:三相電源
22:三相電動機
31、32:ゲート駆動回路
41:平滑コンデンサ
42:コンバータ制御器
5:フィルタ回路
51、52:リアクトル
53:コンデンサ
61、62:電流検出器
7:速度制御器
71:速度検出器
72:インバータ制御器
8:PWM制御器

Claims (13)

  1. スイッチング素子により構成され、三相の第一の交流を直流に変換するコンバータと、
    スイッチング素子により構成され、変調波と搬送波とを比較してPWM変調方式で前記直流を三相の第二の交流に逆変換するインバータとを有する電力変換装置において、
    前記インバータの各相の変調波に共通成分として矩形状の波形を重畳することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記コンバータは、変調波と搬送波とを比較してPWM変調方式で前記第一の交流を前記直流に変換し、何れかの相で正極側スイッチング素子のオンが継続される第一の状態と、何れかの相で正極側スイッチング素子のオフが継続される第二の状態とが交互に存在し、前記第一の状態及び前記第二の状態の期間中に他の相のスイッチング素子の何れかはある時間おきにスイッチングをしており、
    前記インバータの各相の変調波に共通成分として重畳する前記矩形状の波形の周期が、前記コンバータの前記第一の状態の継続時間と前記第二の状態の継続時間とを合わせた時間であり、
    前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとの位相のずれが60度以内であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとの位相のずれが30度以内であることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとが一致することを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記コンバータの搬送波と、前記インバータの搬送波とが共通の搬送波であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電力変換装置。
  6. 前記第二の交流は可変周波数であって負荷として電動機を駆動し、
    前記電動機が低速領域の場合には、前記インバータの各相の変調波に共通成分として前記矩形状の波形を重畳し、
    前記電動機が前記低速領域よりも速い速度領域の場合には、前記インバータの各相の変調波に共通成分として前記矩形状の波形を重畳せず、前記インバータにおいても何れかの相で正極側スイッチング素子のオンが継続される第一の状態と、何れかの相で正極側スイッチング素子のオフが継続される第二の状態とが交互に存在し、前記第一の状態及び前記第二の状態の期間中に他の相のスイッチング素子の何れかはある時間おきにスイッチングをすることを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の電力変換装置。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の電力変換装置を備え、前記第二の交流で駆動される電動機と、前記電動機により駆動される乗りかごとを有することを特徴とするエレベーター。
  8. スイッチング素子により構成され、変調波と搬送波とを比較してPWM変調方式で三相の第一の交流を直流に変換するコンバータと、
    スイッチング素子により構成され、変調波と搬送波とを比較してPWM変調方式で前記直流を三相の第二の交流に逆変換するインバータとを有する電力変換装置において、
    前記コンバータは、何れかの相で正極側スイッチング素子のオンが継続される第一の状態と、何れかの相で正極側スイッチング素子のオフが継続される第二の状態とが交互に存在し、前記第一の状態及び前記第二の状態の期間中に他の相のスイッチング素子の何れかはある時間おきにスイッチングをしており、
    前記コンバータの前記第一の状態の継続時間と前記第二の状態の継続時間とを合わせた時間を周期とする波形であって、正弦波または矩形状の波形を、前記インバータの各相の変調波に共通成分として重畳するとともに、
    前記波形が正弦波の場合には、前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記正弦波の位相が0度のタイミングとの位相のずれが60度以内であり、前記波形が矩形状の波形の場合には、前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとの位相のずれが60度以内であることを特徴とする電力変換装置。
  9. 前記波形が正弦波の場合には、前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記正弦波の位相が0度のタイミングとの位相のずれが30度以内であり、前記波形が矩形状の波形の場合には、前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとの位相のずれが30度以内であることを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  10. 前記第二の状態から前記第一の状態へ切り替わるタイミングと前記正弦波の位相が0度のタイミングまたは前記矩形状の波形の立ち上がりのタイミングとが一致することを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  11. 前記コンバータの搬送波と、前記インバータの搬送波とが共通の搬送波であることを特徴とする請求項8から10の何れかに記載の電力変換装置。
  12. 前記第二の交流は可変周波数であって負荷として電動機を駆動し、
    前記電動機が低速領域の場合には、前記インバータの各相の変調波に共通成分として前記波形を重畳し、
    前記電動機が前記低速領域よりも速い速度領域の場合には、前記インバータの各相の変調波に共通成分として前記波形を重畳せず、前記インバータにおいても何れかの相で正極側スイッチング素子のオンが継続される第一の状態と、何れかの相で正極側スイッチング素子のオフが継続される第二の状態とが交互に存在し、前記第一の状態及び前記第二の状態の期間中に他の相のスイッチング素子の何れかはある時間おきにスイッチングをすることを特徴とする請求項8から11の何れかに記載の電力変換装置。
  13. 請求項8から12の何れかに記載の電力変換装置を備え、前記第二の交流で駆動される電動機と、前記電動機により駆動される乗りかごとを有することを特徴とするエレベーター。
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