JP2015023056A - 積層パンケーキ型超電導コイル及びそれを備えた超電導機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化物超電導線材の臨界温度以下に冷却されて使用される場合に作用する熱収縮に起因する応力による劣化が起こり難く、しかも冷却効率が良い超電導コイル、及びそれを備えた超電導機器を提供する。【解決手段】巻枠32にテープ状の酸化物超電導線材10を巻回したコイル本体を積層し樹脂6を含浸させてなり、巻回された酸化物超電導線材10の内周端部10a同士に導電性の接続部材31を橋渡しして接続部30を形成させた積層パンケーキ型超電導コイルであって、前記接続部30と前記巻枠32の間、又は前記接続部30とその外周に巻きつけられる前記酸化物超電導線材10との間の何れか一方又は両方に、含浸に用いる含浸樹脂6と接着しない離形層33が形成されていることを特徴とする積層パンケーキ型超電導コイル13。【選択図】図5

Description

本発明は、積層パンケーキ型超電導コイル及びそれを備えた超電導機器に関する。
近年のエネルギー、環境、資源問題を解決できる高効率、低損失の電気機器の一つに低電流損失の材料として超電導体を用いた超電導コイルが挙げられる。超電導コイルに用いられる超電導体として、Bi(ビスマス)系やRE−123系(REは希土類元素を表す)と呼ばれる酸化物超電導体が知られている。これら酸化物超電導体は、液体窒素温度付近で超電導特性を示すため、実用上有望な材料として期待されている。
酸化物超電導体を電気機器に使用するためには、酸化物超電導体を線材に加工して、電力供給用の導体あるいは磁気コイル等の酸化物超電導線材として用いるのが一般的である。
Bi系の酸化物超電導線材は、Bi系の酸化物超電導層をAgのシース材で被覆した状態となるようにPowder In Tube法(PIT法)により製造されたものが提案されている。また、RE−123系酸化物超電導線材は、テープ状の金属基材上に中間層を介し成膜法により酸化物超電導層を積層した構造が提案されている。これらの線材として、アスペクト比の大きいテープ形状のものが知られている。
これらのテープ状の酸化物超電導線材を超電導コイルに加工するにあたっては、酸化物超電導線材を巻枠に巻回しパンケーキ型にした後に、コイル強度を向上させるために樹脂含浸させる。また、これらのパンケーキ型超電導コイルを実用化するにあたって、超電導コイルを冷却装置からの熱伝導により冷却する伝導冷却方式を採用することができる。
この超電導コイルにおいて、酸化物超電導線材と巻枠が固着していると、超電導コイルを冷却した際に、巻枠と超電導線材の線膨張係数の差、並びに含浸させる含浸樹脂と超電導線材の線膨張係数の差により、酸化物超電導線材の厚さ方向に応力が加わり超電導特性劣化する可能性があると指摘されている。
そこで、特許文献1には、最内周ターンの酸化物超電導線材と、巻枠の間に、非粘着性のポリイミドテープを介装し、これによって、線膨張係数の差に起因する酸化物超電導線材の劣化を抑制する構造が開示されている。
特開2008−140905号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、巻枠を冷却装置によって低温として熱伝導により超電導線材を冷却する伝導冷却方式を採用するにあたって、巻枠と超電導線材の間にポリイミドテープが介在しているため、冷却効率が低下するという問題があった。
そこで、線膨張係数の差に起因する酸化物超電導線材の劣化が起こり難く、しかも冷却効率が高い超電導コイルが望まれている。
本発明は、以上のような従来の背景に鑑みなされたもので、酸化物超電導線材の臨界温度以下に冷却されて使用される場合に作用する熱収縮に起因する応力によって、超電導特性の劣化が起こり難く、しかも冷却効率が良い超電導コイル、及びそれを備えた超電導機器の提供を目的とする。
前記課題を解決するため本発明の積層パンケーキ型超電導コイルは、巻枠に絶縁被覆層を有するテープ状の酸化物超電導線材を巻回したコイル本体を積層し、巻回された酸化物超電導線材の端部同士に導電性の接続部材を橋渡しして接続部が形成され、樹脂を含浸させた積層パンケーキ型超電導コイルであって、前記酸化物超電導線材の端部であって前記接続部の前記接続部材との接点においては、前記絶縁被覆層が除去されており、前記接続部の内周側、又は外周側の何れか一方又は両方に、含浸に用いる含浸樹脂と接着しない離形層が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、酸化物超電導線材の周囲に絶縁被覆層を備えていることによって、巻回される酸化物超電導線材同士の導通を防ぐのみならず、酸化物超電導線材を含浸樹脂と隔離し含浸樹脂と酸化物超電導線材の線膨張係数の差に起因する応力を軽減して超電導特性の劣化を抑制できる。
また、テープ状の酸化物超電導線材同士を接続している接続部において、コイルの内周側又は外周側に含浸樹脂と接着しない離形層が形成されているので、冷却時に含浸樹脂と酸化物超電導線材の線膨張係数の差に起因して作用しようとする応力を離形層が含浸樹脂と離形することにより軽減できる。
加えて、この離形層は、接続部に形成され、コイルの周回に渡って形成されるものではないため、接続部以外においては、巻枠と酸化物超電導線材が固着している。このため、巻枠を冷却装置により低温とし熱伝導により超電導線材を冷却する伝導冷却方式を採用する場合において、効率よく冷却できる。
また、本発明の積層パンケーキ型超電導コイルは、前記接続部が、巻回された酸化物超電導線材の内周端部に形成され、前記離形層が、前記接続部と前記巻枠の間、又は前記接続部とその外周に巻きつけられる前記酸化物超電導線材との間の何れか一方又は両方に形成されていても良い。
接続部が、巻回された酸化物超電導線材の内周端部に形成される場合においては、接続部と巻枠が隣接する。したがって、酸化物超電導線材の接続部は、巻枠の熱収縮の影響で超電導特性の劣化が起こりやすい。本発明によれば、前記接続部と前記巻枠の間、又は前記接続部とその外周に巻きつけられる前記酸化物超電導線材との間の何れか一方又は両方に離形層が形成されているため、接続部に加わる応力を抑制できる。
また、本発明の積層パンケーキ型超電導コイルは、前記離形層が、フッ素樹脂テープ、フッ素樹脂コート、パラフィン、グリース、シリコンオイルのうち何れか1つ又は2つ以上の組み合わせからなることが好ましい。
上記構成とすることで、含浸樹脂と離形可能な離形層を形成し、超電導特性の劣化を抑制した積層パンケーキ型超電導コイルを提供することが可能となる。
本発明の超電導機器は、前記積層パンケーキ型超電導コイルが備えられたことを特徴とする。
前記積層パンケーキ型超電導コイルを備えた超電導機器であるならば、酸化物超電導線材の臨界温度以下に冷却する操作を行っても超電導特性の劣化がなく優れた超電導特性を維持できる超電導機器を提供できる。
本発明によれば、テープ状の酸化物超電導線材同士を接続している接続部において、コイルの内周側又は外周側に含浸樹脂と接着しない離形層が形成されているので、冷却時に巻枠及び含浸樹脂と酸化物超電導線材の線膨張係数の差に起因して作用しようとする応力を離形層が含浸樹脂と離形することにより軽減できる。
また、この離形層は、接続部に形成され、コイルの周回に渡って形成されていないため、接続部以外においては、巻枠と酸化物超電導線材が固着している。このため、巻枠を冷却装置により低温とし熱伝導により超電導線材を冷却する伝導冷却方式を採用する場合において、効率よく冷却できる。
本発明に係る第1実施形態の積層パンケーキ型超電導コイルに用いる酸化物超電導線材の構造を示す断面図である。 図1に示す酸化物超電導線材の絶縁被覆層の形成手順を示す斜視図である。 図1に示す酸化物超電導線材を一対接続し巻枠に巻回した超電導コイル積層体を示す斜視図である。 図3に示す超電導コイル積層体の一部である接続部の拡大図を示す。 図3に示す超電導コイル積層体を含浸樹脂で覆い構成された第1実施形態の積層パンケーキ型超電導コイルを示す図であり、図3(a)は斜視図であり、図3(b)及び図3(c)は、それぞれ図3(a)に示すA−A線、B−B線に沿う断面図である。 本発明に係る第1実施形態の積層パンケーキ型超電導コイルを採用した超電導機器の一例を示す模式図である。 本発明に係る第1実施形態の変形例の積層パンケーキ型超電導コイルの断面図である。 本発明に係る第2実施形態の積層パンケーキ型超電導コイルの断面図である。 本発明に係る第3実施形態の積層パンケーキ型超電導コイルの断面図である。 本発明に係る第4実施形態の積層パンケーキ型超電導コイルの断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る超電導コイルの第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る超電導コイルを構成するための酸化物超電導線材の一例構造を示す概略断面図である。本実施形態の酸化物超電導線材10は、基材1の一面上に中間層2と酸化物超電導層3と安定化層4とがこの順に積層されてなる超電導積層体5の外周面上に、超電導積層体5の外周面を覆う絶縁被覆層7が形成されてなる。本実施形態において安定化層4は、酸化物超電導層3上に形成された第1安定化層8と、第1安定化層8上に形成された第2安定化層9により構成されている。
なお、図1に示す酸化物超電導線材10は、本発明の特徴をわかりやすくするため、便宜上、各層の厚さを誇張して記載しているが、本実施形態の酸化物超電導線材10は全体として薄いテープ形状とされている。また、以下の実施形態を示す各図においても本発明の特徴をわかりやすくするため、要部となる部分を拡大あるいは誇張して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
前記基材1は、長尺とするためにテープ状であることが好ましく、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)に代表されるニッケル合金などの耐熱性に優れた高強度の金属材料からなる。また、基材1として、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金テープ基材を適用することもできる。基材1の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、10〜500μmの範囲とすることができる。
中間層2は、酸化物超電導層3の結晶配向性を制御し、基材1中の金属元素の酸化物超電導層3側への拡散を防止し、両者の物理的特性(熱膨張率や格子定数等)の差を緩和するバッファー層として機能する金属酸化物からなることが好ましい。中間層2は、一例として、拡散防止層とベッド層と配向層とキャップ層の積層構造とすることができるが、拡散防止層とベッド層の一方あるいは両方を略して構成しても良い。
拡散防止層は、Si、Al、GZO(GdZr)等から構成され、例えば厚さ10〜400nmに形成される。
ベッド層は、界面反応性を低減し、その上に形成される膜の配向性を得るため層であり、Y、Er、CeO、Dy3、Er、Eu、Ho、La等からなり、その厚さは例えば10〜100nmである。
配向層は、その上のキャップ層の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。配向層の材質としては、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。この配向層をIBAD(Ion−Beam−Assisted Deposition)法により良好な2軸配向性で成膜するならば、キャップ層とその上に成膜する酸化物超電導層3の結晶配向性を良好にして優れた超電導特性を発揮させることができる。
キャップ層は、上述の配向層の表面に成膜されて結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなり、具体的には、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、Nd、LaMnO等からなる。キャップ層の膜厚は50〜5000nmの範囲に形成できる。
酸化物超電導層3は酸化物超電導体として公知のもので良く、具体的には、RE−123系と呼ばれるREBaCu(REは希土類元素であるSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上を表す)を例示できる。この酸化物超電導層3として、Y123(YBaCu7−X)又はGd123(GdBaCu7−X)などを例示できる。酸化物超電導層3の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
第1安定化層8(保護層)はAg又はAg合金などの良電導性かつ酸化物超電導層3と接触抵抗が低くなじみの良い層として形成される。第1安定化層8を成膜するには、スパッタ法などの成膜法を採用し、その厚さを1〜30μm程度に形成できる。
第2安定化層9は、銅、Cu−Zn合金、Cu−Ni合金等の銅合金、アルミニウム又はその合金、ステンレス等の比較的安価な導電性の金属材料からなることが好ましい。第2安定化層9は、第1安定化層8とともに、酸化物超電導層3が超電導状態から常電導状態に遷移しようとした時、酸化物超電導層3の電流を転流するバイパスとして機能する。また、酸化物超電導線材10を超電導限流器に使用する場合、第2安定化層9は、クエンチが起こり常電導状態に転移した時に発生する過電流を瞬時に抑制するために用いられる。この用途の場合、第2安定化層9に用いられる材料は、例えば、Ni−Cr等のNi系合金等の高抵抗金属が挙げられる。第2安定化層9の厚さは例えば10〜300μmとすることができる。
第2安定化層9を形成するには、例えば上述の材料からなるテープ材の裏面側に接続用のSnめっき半田層を形成した安定化テープを用い、第1安定化層8上に第2安定化層9を半田付けするなどの方法により形成できる。
以上説明の如く構成された超電導積層体5の全周を取り囲むようにポリイミドテープなどの絶縁テープ7Aを重ね巻き(ラップ巻き)し、絶縁被覆層7を形成することで、酸化物超電導線材10を得ることができる。
図2に、超電導積層体5に対する絶縁テープ7Aの巻き付け方の一例であるラップ巻きの方法を図示する。絶縁テープ7Aは、超電導積層体5の外周に隙間なく巻きつけられる必要があるため、自身と重なりを持って螺旋状に巻かれている。このように巻きつけられることで、コイル状にして、樹脂を含浸する際に、超電導積層体5に含浸樹脂6が浸入することが無く、含浸樹脂6と超電導積層体5の各構成層との線膨張係数の差によって作用しようとする応力が超電導積層体5に加わることを抑制できる。
絶縁テープ7Aの巻きつけ方は、図2に示す方法に限らず、例えば、縦添えによって包囲する方法などがある。何れの方法においても、超電導積層体5の全周を取り囲むように絶縁テープ7Aが巻きつけられていれば良い。
図3にこの酸化物超電導線材10を一対用意して作製した超電導コイル積層体14を示す。この超電導コイル積層体14は、2つのコイル本体11を積層した構造を有し、2つのコイル本体11、11の酸化物超電導線材10の内周端部10a同士は、接続部30を形成して接続されている。また、コイル本体11、11の最外周には、外周端部10b、10bが露出している。
なお、本実施形態において、それぞれのコイル本体11は、酸化物超電導線材10の積層構造において安定化層4が形成された側を内側とし、基材1側を外側として巻回されている。
酸化物超電導線材10が巻きつけられる巻枠32は、金属材料からなる事が好ましく、特に熱伝導特性の高い銅やアルミニウム及びこれらの合金などからなることがより好ましい。これによって、巻枠32を冷却装置によって冷却して、巻枠32を介して酸化物超電導線材10を冷却させる伝導冷却方式を採用する場合において、冷却効率を高めることができる。
一対の酸化物超電導線材10、10の内周端部10a、10a同士の接続は、接続部材31を介してなされている。図4に、超電導コイル積層体14の一部であり、一対の酸化物超電導線材10、10の内周端部10a、10a同士の接続部30を拡大して示す。
図4に示すように、一対の酸化物超電導線材10、10同士は、それぞれ幅方向にずらして配置されている。また、これらの酸化物超電導線材10、10のそれぞれの内周端部10a、10a同士が幅方向に並列し配置されている。この近接する端部10a、10aを橋渡しするように、接続部材31が導電性接合材(図示略)を介して接合され、これにより接続部30を形成している。
接続部30における酸化物超電導線材10の内周端部10aであって、接続部材31と導電性接合材を介して当接する部分(接点となる部分)は、酸化物超電導線材10の最外周に形成された絶縁被覆層7が除去されている。これにより、酸化物超電導線材10の第2安定化層9を露出させ、当該第2安定化層9に導電性接合材を介して接続部材31が接合されている。
接続部材31の接合に用いる導電性接合材は、半田のような低融点金属を使用することができる。この場合の半田は、従来公知の物を使用可能であるが、特に融点が300℃以下の半田を用いることが好ましい。これにより、300℃以下の温度で接続部材31の接合を行うことが可能となり、半田付けの熱により酸化物超電導線材10の特性が劣化することを抑止できる。
接続部材31として、矩形状の金属板材を用いることができる。接続部材31は、幅方向にずらして配置された一対の酸化物超電導線材10、10の内周端部10a、10aを覆う十分な大きさであることが望ましい。また、この接続部材31と酸化物超電導線材10の内周端部10aとの接合は、導電性接合材を介して行う。したがって、接続部材31は、導電性接合材による接合面積を十分に確保できる大きさであることが望ましい。接続部材31の材質としては、抵抗値の低い金属材料を用いる事ができ、例えば銅、又は銅合金が好適に用いられる。
また、接続部材31として、基材の一面上に中間層と酸化物超電導層と安定化層とがこの順に積層されてなる上述した超電導積層体5と同様の構成のものを用いても良い。この場合においては、酸化物超電導線材10の第2安定化層9と、接続部材31の安定化層とを対向させて導電性接合材により接合することで、接続部30における接続抵抗を低くすることが可能となる。
図4に示すように、この接続部30において、接続部材31の巻枠32と対向する側の内側面31aに、この内側面31aの全面積を覆うように、フッ素樹脂テープ(離形層)33が貼り付けられている。このフッ素樹脂テープ33は、片面に接着層が形成されており、当該接着層側を接続部材31の内側面31aに貼り付けることによって、接続部材31に固定されている。フッ素樹脂テープ33は、接続部材31の内側面31aと略同じか、若干大きく形成されているため、接続部材31の内側面31aを覆うことができる。
図5(a)に、上述した超電導コイル積層体14(図3参照)の全体を含浸樹脂6で覆い構成される積層パンケーキ型超電導コイル13を示す。なお、本実施形態においては、2つのコイル本体11を積層した2層構造の超電導コイル積層体14を樹脂含浸することにより積層パンケーキ型超電導コイル13を形成している。しかしながら、3つ以上のコイルを積層した超電導コイル積層体を用いて、多層構造となった積層パンケーキ型超電導コイルを形成しても良い。なお、その場合においては、線材同士の接続部は、コイルの最外周にも形成されることとなり、上述した接続部30と同様に接続部材を介して上下の酸化物超電導線材10が接続される(図7を基に本実施形態の変形例として後段で説明を行う)。
本実施形態においては、超電導コイル積層体14を含浸樹脂6により固定しているため、電磁力に対し強い構造となっている。
含浸樹脂6としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる事ができる。含浸樹脂6を含浸させる際には、真空含浸により超電導コイル積層体14の隅々まで含浸樹脂6を浸透させることが望ましい。これにより積層パンケーキ型超電導コイル13の機械的強度(コイル剛性)を向上させることができる。
図5(b)、(c)に、図5(a)に示す積層パンケーキ型超電導コイル13の断面図を示す。なお、図5(b)は、図5(a)のA−A線に沿って接続部30を含むように断面をとった図であり、図5(c)は、図5(a)のB−B線に沿って接続部30を含まない部分の断面をとった図である。
図5(b)に示すように、積層パンケーキ型超電導コイル13の接続部30において、酸化物超電導線材10の最外周に形成された絶縁被覆層7が除去されて、超電導積層体5が露出している。これにより、超電導積層体5の第2安定化層9が露出し、当該第2安定化層9に接続部材31が接合されている。接続部材31の巻枠32に対向する内側面31aには、フッ素樹脂テープ33が貼り付けられている。
図5(b)、(c)に示すように、接続部30以外の酸化物超電導線材10は、絶縁被覆層7を有しており、絶縁被覆層7は内側の超電導積層体5と接着していない。したがって、酸化物超電導線材10の臨界温度以下に冷却して使用する場合、冷却に伴う巻枠32及び含浸樹脂6の収縮により酸化物超電導線材10に応力が作用しようとしても、絶縁被覆層7と超電導積層体5との界面で隙間が生じ、応力を開放するので、超電導積層体5に作用する応力を緩和できる。
一方、接続部30においては、接続部材31との接点を確保する目的で、酸化物超電導線材10の絶縁被覆層7は除去されている。したがって、超電導積層体5に含浸樹脂6が直接接触しており、含浸樹脂6及び巻枠32と超電導積層体5との線膨張係数の差に起因して、応力が加わる懸念がある。そこで、本実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル13の接続部30においては、接続部材31の内側面31aにフッ素樹脂テープ33が貼り付けられている。このフッ素樹脂テープ33は、含浸樹脂6と接着しない離形層として機能する。したがって、この積層パンケーキ型超電導コイル13を臨界温度以下に冷却して使用する場合、フッ素樹脂テープ33と含浸樹脂6との界面に剥離が生じ、超電導積層体5に加わる応力のうち、コイル内周側(巻枠32方向)へ加わる応力が解放され、超電導積層体5の劣化を抑制できる。
なお、本実施形態において、離形層は、フッ素樹脂テープ33であるとしたが、離形層は、含浸樹脂6と接着しない(剥離する)ものであればこれに限るものではない。例えば、接続部材31の内側面31aにフッ素樹脂コーティングを行い、フッ素樹脂コートの離形層を形成しても良い。またパラフィン、グリース、シリコンオイル等の離形剤を接続部材31の内側面31aに塗布して離形層を形成しても良く、この場合においては、樹脂含浸の際に、接続部材31の内側面31aから形成した離形層が流出しないように粘度高いものを用いることが望ましい。
また、本実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル13において、コイル最内周に位置する酸化物超電導線材10は、接続部30を除いて絶縁被覆層7を有し、当該絶縁被覆層7により酸化物超電導線材10の超電導積層体5に加わる応力を軽減している。したがって、接続部30を除くコイル最内周の酸化物超電導線材10と巻枠32との間には、フッ素樹脂テープ33のような離形層を設ける必要がなく、酸化物超電導線材10と巻枠32が固着されている。巻枠32を冷却装置により冷却し、熱伝導により超電導線材を冷却するにあたって、巻枠32と酸化物超電導線材10が固着されていることで、巻枠32と酸化物超電導線材10との間で熱伝導による冷却が効率良く行なわれる。
次に、以上のように構成された積層パンケーキ型超電導コイル13を備えた超電導機器20の一例について図6を基に説明する。
図6に示す超電導機器20は、真空容器などの収容容器21と、その内部に設置された4個の積層パンケーキ型超電導コイル13と、収容容器21の内部の積層パンケーキ型超電導コイル13を臨界温度以下に冷却するための冷却装置22を備えて構成された超電導マグネット装置の一例である。
積層パンケーキ型超電導コイル13は4個重ねて配置され、積層パンケーキ型超電導コイル13同士の間には、円板状に形成された金属製の冷却板25を改装して全体が鍔板26、26の間に配置されている。
積層パンケーキ型超電導コイル13の巻枠32は、当該積層パンケーキ型超電導コイル13の上下に配置されている冷却板25又は鍔板26と接触しており、冷却板25又は鍔板26が冷却されると、熱伝導により巻枠32も冷却され、積層パンケーキ型超電導コイル13を内側から効果的に冷却できる。
収容容器21は、図示略の真空ポンプに接続されていて、内部を目的の真空度に減圧できるように構成されている。また、積層パンケーキ型超電導コイル13は、収容容器21の外部の電源23に電流リード線23a、23bを介し接続されており、この電源23から積層パンケーキ型超電導コイル13に通電できるようになっている。
この超電導機器20において、冷却装置22を作動させると冷却装置22が伝熱部材28、冷却ロッド27を介して鍔板26、26と複数の冷却板25を伝導冷却する。さらに鍔板26、冷却板25と接触する積層パンケーキ型超電導コイル13の巻枠32も冷却され、積層パンケーキ型超電導コイル13を臨界温度以下(例えば77K以下の温度、50Kあるいは20Kなど)に冷却できる。
積層パンケーキ型超電導コイル13において、巻枠32が含浸樹脂6と接着しているため、巻枠32を冷却することで、積層パンケーキ型超電導コイル13を効率よく伝導冷却できる。
また、この超電導機器20において、常温から冷却装置22により冷却を開始し、臨界温度以下まで積層パンケーキ型超電導コイル13を冷却して使用する場合、積層パンケーキ型超電導コイル13を覆っている含浸樹脂6、並びに巻枠32が熱収縮することで積層パンケーキ型超電導コイル13に応力が作用しようとする。しかしながら、本実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル13は、絶縁被覆層7が含浸樹脂6と超電導積層体5との間に介在しているため、熱収縮に起因して作用する応力を緩和できる。また、絶縁被覆層7が除去されている接続部30においては、接続部材31の内周側にフッ素樹脂テープ33が貼り付けられており、当該フッ素樹脂テープ33が離形層として、応力を解放するため、超電導積層体5の劣化を抑制している。したがって、常温から臨界温度以下に冷却する操作を行って、積層パンケーキ型超電導コイル13に熱収縮に起因する応力を作用させたとしても酸化物超電導線材10に作用する応力を低減できるので、酸化物超電導線材10の超電導特性を劣化させることなく超電導機器20を使用できる。
<変形例>
図7に、本実施形態の変形例である4つのコイル本体11を積層した構成を有する積層パンケーキ型超電導コイル15を示す。
この積層パンケーキ型超電導コイル15は、超電導コイル積層体14(図3参照)を2段に積層し、これらの間で上下に隣接する酸化物超電導線材10の外周端部10b、10b同士を接続部材31を介し接続し、接続部40を形成し、さらに含浸樹脂6を含浸させた構造となっている。
接続部40における酸化物超電導線材10の外周端部10bは、内周端部10aと同様に、酸化物超電導線材10の最外周に形成された絶縁被覆層7が除去されており、これにより露出した第2安定化層9に導電性接合材を介して接続部材31が接合されている。また、接続部材31の内側面31aには、フッ素樹脂テープ33が貼り付けられている(図4参照)。
含浸樹脂6により覆い構成される本変形例の積層パンケーキ型超電導コイル15において、外周端部10b、10b同士の接続部40において、超電導積層体5は、内周端部10a、10a同士の接続部30と同様に、含浸樹脂6に直接接触している。したがって、含浸樹脂6と超電導積層体5との線膨張係数の差に起因する応力が加わる懸念がある。
接続部40は、接続部30と同様に、接続部材31の内側面31aにフッ素樹脂テープ33が貼り付けられている。これにより、この積層パンケーキ型超電導コイル15を臨界温度以下に冷却しても、フッ素樹脂テープ33と含浸樹脂6との界面に剥離が生じるため、超電導積層体5のコイル内周側と外周側とにそれぞれ加わる応力のうち、コイル内周側へ加わる応力が解放され、超電導積層体5の劣化を抑制できる。
図8〜図10に、第2、第3、第4実施形態の2層構造の積層パンケーキ型超電導コイル34、35、36の断面図を示す。なお、図8〜図10は、第1実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル13の断面図である図5(b)に対応しており、積層パンケーキ型超電導コイル34、35、36の接続部37、38、39を含むように断面をとっている。また、図8〜図10において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
なお、以下に説明する第2、第3、第4実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル34、35、36には、第1実施形態と同様に、離形層として、フッ素樹脂コートやパラフィン、グリース、シリコンオイル等の離形剤を用いても良い。加えて、図6に示す超電導機器20に応用することもできる。
<第2実施形態>
図8に示す第2実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル34は、第1実施形態と比較して、接続部37の構造が異なる。より具体的には、フッ素樹脂テープ33を貼り付ける対象が異なる。
フッ素樹脂テープ33は、第1実施形態のものと同様に、接続部37の接続部材31より若干大きく形成されている。このフッ素樹脂テープ33は、接続部材31の線材とは逆側の内側面31aと対向する部分の巻枠32に貼り付けられている。即ち、フッ素樹脂テープ33の片面に形成された接着層によって、巻枠32に貼り付けられて、巻枠32に固定されている。
フッ素樹脂テープ33は、接続部37に対向する部分の巻枠32を含浸樹脂6と固着させないための離形層として機能する。これによって、接続部37に熱収縮によりコイル内周側及び外周側の両側から応力が加わることを抑制できる。
この積層パンケーキ型超電導コイル34を臨界温度以下に冷却して使用する場合、フッ素樹脂テープ33と含浸樹脂6との界面に剥離が生じ、超電導積層体5に加わる応力のうち、巻枠32の熱収縮による巻枠32方向の応力が解放され、超電導積層体5の劣化を抑制できる。
<第3実施形態>
図9に示す第3実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル35は、第1実施形態と比較して、接続部38の構造が異なる。より具体的には、フッ素樹脂テープ33を貼り付ける対象が異なる。
フッ素樹脂テープ33は、第1実施形態のものと同様に、接続部38の接続部材31より若干大きく形成されている。このフッ素樹脂テープ33は、接続部38において、接続される超電導積層体5の基材1側に貼り付けられている。
フッ素樹脂テープ33は、接続部38の外周側を含浸樹脂6と固着させないための離形層として機能する。これによって、接続部38に熱収縮によりコイル内周側及び外周側の両側から応力が加わることを抑制できる。
この積層パンケーキ型超電導コイル35を臨界温度以下に冷却して使用する場合、フッ素樹脂テープ33と含浸樹脂6との界面に剥離が生じ、超電導積層体5に加わる応力のうち、コイル外周側に加わる応力が解放され、超電導積層体5の劣化を抑制できる。
<第4実施形態>
図10に示す第4実施形態の積層パンケーキ型超電導コイル36は、第1実施形態と比較して、酸化物超電導線材10を巻枠32に巻回する際の各層の積層方向と、接続部39の構造が異なる。
図10に示すように、巻枠32に巻回された酸化物超電導線材10は、安定化層4が形成された側を内側、基材1側を外側とされている。また、接続部39において、接続部材31は、絶縁被覆層7を除去して露出させた第2安定化層9に接合されている。接続部材31のコイル外周側に位置する外側面31bには、フッ素樹脂テープ33が貼り付けられている。
フッ素樹脂テープ33は、第1実施形態のものと同様に、接続部39の接続部材31より若干大きく形成されており、接続部材31の外側面31bを覆うように貼り付けられている。
フッ素樹脂テープ33は、接続部39の外周側を含浸樹脂6と固着させないための離形層として機能する。これによって、接続部39に熱収縮によりコイル内周側及び外周側の両側から応力が加わることを抑制できる。
この積層パンケーキ型超電導コイル36を臨界温度以下に冷却して使用する場合、フッ素樹脂テープ33と含浸樹脂6との界面に剥離が生じ、超電導積層体5に加わる応力のうち、コイル外周側に加わる応力が解放され、超電導積層体5の劣化を抑制できる。
幅5mm、厚さ0.07mm、長さ35mのテープ状のハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)製の基材上に、Al層(拡散防止層;膜厚150nm)と、Y層(ベッド層;膜厚20nm)と、MgO層(配向層;膜厚10nm)と、CeO層(キャップ層;膜厚1.0μm)と、GdBaCu層(酸化物超電導層;膜厚1.0μm)と、銀層(第1安定化層;膜厚8μm)を備えた超電導積層体を用意した。なお、この超電導積層体の拡散防止層、ベッド層はイオンビームスパッタ法、配向層はIBAD法、キャップ層、酸化物超電導層はPLD法、第1安定化層はスパッタ法により形成されている。
この超電導積層体の第1安定化層上に、0.075mm厚の銅テープ(第2安定化層)を錫半田(融点230℃)により貼り合わせて超電導積層体を作製した。次に、厚さ15μm、幅4mmのポリイミドテープを用意し、このポリイミドテープを前記超電導積層体にラップ巻き(図2参照)して超電導線材の外周面を覆う絶縁被覆層を形成し、酸化物超電導線材を得た。
この酸化物超電導線材を一対用意し、端部から30mmの絶縁被覆層を除去する。これらの一対の酸化物超電導線材の端部を幅方向にずらして配置し、さらに除去した部分の第2安定化層に、厚さ0.5mmの、幅10mm、長さ30mmの銅からなる接続部材を半田付けして、実施例1及び比較例1の酸化物超電導線材の接続構造体を作製した。なお、この段階で実施例1及び比較例1の酸化物超電導線材の接続構造体は、同様の手順で作製された同形態の試料である。
実施例1及び比較例1の接続構造体を、液体窒素により77Kに冷却して、臨界電流値Icを測定した。
次に、実施例1及び比較例1の接続構造体を、接続部が最内周となるように、また、酸化物超電導線材の第2安定化層側が内側となるように(即ち、接続構造体の接続部材が巻枠側となるように)、内径50mmの巻枠に125ターン巻きつけ2層構造の超電導コイル積層体を作製した。なお、実施例1の接続構造体を巻枠に巻きつける際には、巻枠の接続部材と対向する部分に、厚さが0.08mm、大きさが10mm×35mmのフッ素樹脂テープを貼り付け、上述した第2実施形態に示す構造(図8参照)とした。
これらの超電導コイル積層体をエポキシ樹脂で真空含浸し実施例1及び比較例1の積層パンケーキ型超電導コイルを得た。
実施例1及び比較例1の積層パンケーキ型超電導コイルを液体窒素を用いて77Kに冷却し、臨界電流値Icを測定した。
実施例1及び比較例1の接続構造体としての臨界電流値Icと積層パンケーキ型超電導コイルとしてのIcの測定結果、並びにこれらの比であるIc/Icを表1にまとめて示す。
Figure 2015023056
実施例1と比較例1の接続構造体の臨界電流値Icが異なるのは、線材の個体差に由来するものであると考えられる。
また、実施例1において、接続構造体としての臨界電流値Icに対して積層パンケーキ型超電導コイルとしてのIcが低下しているのは、巻回してコイル形状としたことにより、接続構造体の状態と比較してより強力な磁場が、酸化物超電導線材に印加され、この磁場によって、臨界電流値が低下したためと考えられる。
これに対して、比較例1においては、接続構造体としての臨界電流値Icに対して積層パンケーキ型超電導コイルとしてのIcが大幅に低下している。これは、含浸樹脂及び巻枠と酸化物超電導線材を構成する各層との線膨張係数の差により冷却時に超電導線材の厚さ方向に応力が作用し超電導特性が劣化したためであると考えられる。
以上実施例に示すように、フッ素樹脂テープからなる離形層を、接続部材と対向する巻枠に貼り付けて形成することによって、積層パンケーキ型超電導コイルが劣化することを抑制できることが確認された。
1…基材、2…中間層、3…酸化物超電導層、4…安定化層、5…超電導積層体、6…含浸樹脂、7…絶縁被覆層、7A…絶縁テープ、8…第1安定化層、9、12…第2安定化層、10…酸化物超電導線材、10a…内周端部、10b…外周端部、11…コイル本体、13、34、35、36…積層パンケーキ型超電導コイル、14…超電導コイル積層体、20…超電導機器、22…冷却装置、25…冷却板、26…鍔板、30、37、38、39、40…接続部、31…接続部材、31a…内側面、31b…外側面、32…巻枠、33…フッ素樹脂テープ(離形層)

Claims (4)

  1. 巻枠に絶縁被覆層を有するテープ状の酸化物超電導線材を巻回したコイル本体を積層し、巻回された酸化物超電導線材の端部同士に導電性の接続部材を橋渡しして接続部が形成され、樹脂を含浸させた積層パンケーキ型超電導コイルであって、
    前記酸化物超電導線材の端部であって前記接続部の前記接続部材との接点においては、前記絶縁被覆層が除去されており、
    前記接続部の内周側、又は外周側の何れか一方又は両方に、含浸に用いる含浸樹脂と接着しない離形層が形成されていることを特徴とする積層パンケーキ型超電導コイル。
  2. 前記接続部が、巻回された酸化物超電導線材の内周端部に形成され、
    前記離形層が、前記接続部と前記巻枠の間、又は前記接続部とその外周に巻きつけられる前記酸化物超電導線材との間の何れか一方又は両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層パンケーキ型超電導コイル。
  3. 前記離形層が、フッ素樹脂テープ、フッ素樹脂コート、パラフィン、グリース、シリコンオイルのうち何れか1つ又は2つ以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層パンケーキ型超電導コイル。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の積層パンケーキ型超電導コイルが備えられたことを特徴とする超電導機器。
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