しかしながら、図8に示される具体例では、セパレータ102及び燃料電池セル本体101が例えば面方向(図8の矢印F1,F2方向を参照)に沿って変形すると、封止材105において開口部104の内側面に接する部分に引張応力が作用して割れ106が生じやすくなる。その結果、封止材105によるガス封止ができなくなるおそれがある。
また、図9に示される具体例では、ロウ材113による接合後に封止材115による封止を行おうとしても、セパレータ102と燃料電池セル本体111との間に生じる隙間116が狭いため、熱処理前の封止材115が隙間116に流れ込みにくいという問題がある。この場合も、封止材115において開口部114の内側面に接する部分に引張応力が作用するために、割れ(図示略)が生じやすくなる。また、封止材115の形成材料が気泡(隙間116内の空気)を多く巻き込むため、熱処理時に気泡が弾けることによって封止材115に欠損部分が生じてしまい、封止材115によるガス封止ができないという問題が生じてしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、セパレータと燃料電池セル本体との間に破損しにくい封止部を確実に形成させることにより、燃料電池セル本体とセパレータとの接合部分の信頼性を向上させることができるセパレータ付燃料電池セル及び燃料電池スタックを提供することにある。
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、固体電解質層、前記固体電解質層の第1主面に配置された空気極及び前記固体電解質層の第2主面に配置された燃料極を有する燃料電池セル本体と、開口部を有する枠状をなし、Agを含むロウ材で構成される接合部を介して、前記燃料電池セル本体に取り付けられるセパレータとを備えたセパレータ付燃料電池セルであって、前記ロウ材が、前記セパレータにおいて前記開口部よりも外周側となる位置に接合され、前記セパレータにおいて前記ロウ材よりも前記開口部側に位置する部分と前記燃料電池セル本体との間に、ガラスを含む封止材を有する封止部が設けられ、前記セパレータと前記燃料電池セル本体との間に生じる隙間が、前記ロウ材側から前記開口部側に行くに従って大きくなるように設定されることを特徴とするセパレータ付燃料電池セルがある。
手段1に記載の発明によると、セパレータと燃料電池セル本体との間に生じる隙間が、ロウ材側から開口部側に行くに従って大きくなるように設定されているため、封止材を、広がっている開口部側から隙間内に容易に流し込むことができる。この場合、封止部のうち、セパレータと燃料電池セル本体との間の箇所では、封止材とセパレータとの境界部分に、引張応力ではなく剪断応力が作用するため、割れが生じにくくなる。また、封止材が気泡(隙間内の空気)を巻き込みにくくなり、熱処理時において気泡が弾けることに起因した封止材の破損も防止できる。従って、封止材によるガス封止をより確実に行うことができる。以上のことから、燃料電池セル本体とセパレータとの接合部分の信頼性を向上させることができる。
また、セパレータにおいてロウ材よりも開口部側に位置する部分と燃料電池セル本体との間に、封止材を有する封止部が設けられるため、セパレータと燃料電池セル本体との間に配置されたロウ材が、空気極に接する酸化剤ガス、または、燃料極に接する燃料ガスに対して直接接触しなくなる。その結果、ロウ材への酸化剤ガスまたは燃料ガスの移動が阻止されるため、ロウ材中での酸化剤ガスまたは燃料ガスの拡散が抑制され、水素と酸素との反応を起因とするボイドの発生を防止することができる。
燃料電池セル本体を構成する固体電解質層は、燃料極に接する燃料ガス及び空気極に接する酸化剤ガスなどの一部がイオンとなって移動する性質(イオン電導性)を有している。固体電解質層中を移動するイオンとしては、例えば酸素イオンや水素イオンなどが挙げられる。
固体電解質層(固体酸化物層)の形成材料としては、例えばZrO2系セラミック、CeO2系セラミック、LaGaO3系セラミック、BaCeO3系セラミック、SrCeO3系セラミック、SrZrO3系セラミック、CaZrO3系セラミックなどがある。
燃料電池セル本体を構成する空気極は、酸化剤となる酸化剤ガスと接触し、セパレータ付燃料電池セルにおける正電極として機能する。ここで、空気極の形成材料としては、例えば、金属材料、金属の酸化物、金属の複合酸化物などを挙げることができる。金属材料の好適例としては、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh等やそれらの合金などがある。金属の酸化物の好適例としては、例えば、La、Sr、Ce、Co、Mn、Feの酸化物(La2O3、SrO、Ce2O3、Co2O3、MnO2、FeO)などがある。金属の複合酸化物の好適例としては、例えば、La、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe、Mnを含有する複合酸化物(La1−xSrxCoO3系複合酸化物、La1−xSrxFeO3系複合酸化物、La1−xSrxCo1−yFeyO3系複合酸化物、La1−xSrxMnO3系複合酸化物、Pr1−xBaxCoO3系複合酸化物、Sm1−xSrxCoO3系複合酸化物)などがある。
また、酸化剤ガスとしては、例えば、酸素と他の気体との混合ガスなどが挙げられる。この混合ガスは、窒素やアルゴン等の不活性ガスを含有していてもよい。なお、混合ガスは、安全で安価な空気であることが好ましい。
燃料電池セル本体を構成する燃料極は、還元剤となる燃料ガスと接触し、セパレータ付燃料電池セルにおける負電極として機能する。ここで、燃料極の形成材料としては、例えば、希土類元素(Sc、Yなど)により安定化されたZrO2系セラミック、及び、希土類元素(Sm、Gdなど)をドープしたCeO2系セラミック等のうち、少なくとも1つのセラミック材料と、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh、Ni、Fe等の金属材料及びそれら金属材料の合金のうちの少なくとも1つと、を混合した金属セラミック材料の混合物(サーメット)を使用することができる。
また、燃料ガスとしては、例えば、水素ガス、炭化水素ガス、水素ガスと炭化水素ガスとの混合ガスなどが挙げられる。燃料ガスとして炭化水素ガスを選択した場合、炭化水素ガスの種類は特に限定されないが、例えば、天然ガス、ナフサ、石炭ガス化ガス等であることが好ましい。なお、水中にガス(水素ガス、炭化水素ガス、混合ガス)を通過させて加湿することによって得られる燃料ガスや、ガス(水素ガス、炭化水素ガス、混合ガス)に水蒸気を混合させることによって得られる燃料ガスを選択してもよい。また、1種類の燃料ガスのみを用いてもよいし、複数種類の燃料ガスを併用してもよい。さらに、燃料ガスは、窒素やアルゴン等の不活性ガスを含有していてもよい。また、液体の原料を気化したものを燃料ガスとして使用したり、水素ガス以外のガスを改質して生成した水素ガスを燃料ガスとして使用したりすることもできる。
燃料電池セル本体の固体電解質層に取り付けられるセパレータは、耐熱性、化学的安定性、強度、燃料電池セル本体との熱膨張差等を考慮すると、金属製セパレータであることが好ましい。金属製セパレータの形成材料の好適例としては、SUS430、SUS444、SUH21などのフェライト系ステンレス鋼が挙げられる。
なお、金属製セパレータとして、クロミア(酸化クロム)被膜を形成する材料(例えば、上記のステンレス鋼)を用いる場合、封止材に含まれるガラスがクロミアと反応する可能性があるため、封止材の信頼性が低下してしまう。そこで、セパレータは、例えば2質量%以上10質量%以下のアルミニウム(Al)を含み、接合部を構成する接合材(ロウ材)は、例えば2体積%以上15体積%以下の、アルミニウムの酸化物または複合酸化物を含み、封止材は、例えばAl2O3換算で、2質量%以上20質量%以下のアルミニウムを含むことがよい。このようにした場合、セパレータ、接合部及び封止部のいずれもがアルミニウムを含むことから、セパレータ、接合部及び封止部の間での親和性が良好となるため、接合及び封止の信頼性がよりいっそう向上する。詳述すると、セパレータがアルミニウムを2質量%以上含むと、表面にアルミナ被膜が形成されることによってセパレータの耐酸化性が向上する。また、ロウ材がアルミニウムの酸化物または複合酸化物を2体積%以上含むと、ロウ材が、セパレータのアルミナ被膜と親和してアンカー材として機能するため、セパレータとの接合強度が向上する。同時に、アルミナ被膜との濡れ性も向上するため、ロウ付け時にロウ材がセパレータから弾かれるといった問題を解消することができる。さらに、封止材がアルミニウムをAl2O3換算で2質量%以上含むと、封止材が、セパレータのアルミナ被膜や接合部のアルミニウムと親和するため、セパレータとの界面や接合部との界面に隙間が生じるといった問題を解消することができる。以上のことから、封止材の信頼性が向上する。なお、セパレータがアルミニウムを10質量%よりも多く含んでしまうと、セパレータの形成材料が硬くなるため、加工しにくくなる。また、ロウ材がアルミニウムの酸化物または複合酸化物を15体積%よりも多く含んでしまうと、接合部中のAg間のネッキングが弱くなり、ロウ材の強度が低下してしまう。さらに、封止材がアルミニウムをAl2O3換算で20質量%よりも多く含んでしまうと、封止材の熱膨張係数が低くなるため、セパレータとの熱膨張差によって封止材が割れるおそれがある。
また、金属製セパレータの厚さは、0.5mm以下(例えば0.1mm)であることが好ましい。仮に、金属製セパレータの厚さが0.5mmよりも厚いと、セパレータ付燃料電池セルを複数積層して燃料電池スタックを形成する際や運転時に、金属製セパレータに作用する機械応力や熱応力が緩和されにくくなるため、燃料電池セル本体が破損するおそれがある。具体的に言うと、例えば、固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)を形成する際に、燃料電池セル本体とセパレータとを接続する接合部や封止部に印加される機械応力や熱応力が緩和されず、燃料電池セル本体が損傷する(割れる)おそれがある。
なお、開口部に、金属板の打抜加工時に生じたバリが残されている場合、セパレータにおいてバリが突出していない側の面を燃料電池セル本体側に向けた状態で、セパレータを燃料電池セル本体に取り付けるようにすることが好ましい。このようにした場合、セパレータは、バリの基端側から先端側に行くに従って隙間が大きくなるように配置されるようになる。その結果、セパレータに曲げ加工を施さなくても、セパレータと燃料電池セル本体との間に生じる隙間を、ロウ材側から開口部側に行くに従って大きくなるように設定することができる。よって、セパレータ付燃料電池セルの製造コストを低減させることができる。
なお、セパレータは、Agを含むロウ材で構成される接合部を介して燃料電池セル本体に取り付けられる。ロウ材としては、Agと酸化物との混合体、具体的には、Ag−Al2O3、Ag−CuO、Ag−TiO2、Ag−Cr2O3、Ag−SiO2などが挙げられる。さらに、ロウ材として、Agと他の金属との合金、具体的には、Ag−Ge−Cr、Ag−Ti、Ag−Al、Ag−Pdなどを用いることもできる。なお、ロウ材は、大気雰囲気下でロウ付けされたものであることが好ましい。仮に、真空下や還元雰囲気下でロウ付けを行うと、空気極等の形成材料の特性が変化する可能性があるからである。
また、セパレータは燃料電池セル本体に取り付けられる。ここで、セパレータが取り付けられる態様としては、以下のものが挙げられる。例えば、燃料電池セル本体が備える空気極が固体電解質層の第1主面の中央部に配置される一方、燃料電池セル本体が備える燃料極が固体電解質層の第2主面全体に配置される場合には、セパレータは、ロウ材を介して第1主面の外周部に取り付けられることが好ましい。この場合、セパレータを固体電解質層の第1主面に取り付けたとしても、空気極が邪魔になることはない。なお、空気極が第1主面全体に配置される一方、燃料極が第2主面の中央部に配置される場合には、セパレータは、ロウ材を介して第2主面の外周部に取り付けられることが好ましい。さらに、空気極が第1主面の中央部に配置されるとともに、燃料極が第2主面の中央部に配置される場合には、セパレータは、ロウ材を介して第1主面の外周部及び第2主面の外周部の少なくとも一方に取り付けられることが好ましい。
さらに、セパレータにおいてロウ材よりも開口部側に位置する部分と燃料電池セル本体との間には、ガラスを含む封止材を有する封止部が設けられる。なお、封止部は、セパレータにおいて燃料電池セル本体と向かい合う対向面と、セパレータにおいて対向面の反対側に位置する面とを覆うものであり、セパレータは、封止材によって挟み込まれていることが好ましい。この場合、封止部は、セパレータの対向面に加えて、セパレータにおいて対向面の反対側に位置する面にも接触するため、封止材とセパレータとの熱膨張差に起因したセパレータの変形(セパレータが対向面の反対側に反ろうとする変形)を抑制することができる。その結果、封止部において対向面に接する部分は割れが生じにくいため、封止材によるガス封止をより確実に行うことができる。また、セパレータが封止材によって挟み込まれるため、セパレータの変形が抑制される。その結果、セパレータの変形を起因とする封止部の破損を防止できるため、接合部への燃料ガスまたは酸化剤ガスの到達を抑制することが可能となる。
ここで、ガラスを含む封止材としては、具体的には、ガラス、ガラスセラミック(結晶化ガラス)、ガラスとセラミックとの複合材料などを利用することができる。一例として、SCHOTT社製 G018−311を用いることができる。
なお、ガラスを含む封止材は、セパレータのアルミナ被膜との濡れ性が悪いと、確実なガス封止ができないという問題がある。このため、封止材にはMgやZnが含まれていることが好ましい。MgやZnは、アルミナ被膜と反応することにより、MgAl2O4やZnAl2O4といった化学的に安定する反応物を形成するため、濡れ性が向上すると同時に耐久性も向上する。
また、封止部は、内部に直径0.1μm以上50μm以下の気泡を複数有することが好ましい。このようにすれば、気泡によって割れの伝搬を防止することができるからである。仮に、気泡の直径が0.1μm未満になると、割れの伝搬を防止するという効果が得られなくなる。一方、気泡の直径が50μmを超えると、封止材が割れやすくなる。
上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、上記手段1に記載のセパレータ付燃料電池セルを複数積層してなることを特徴とする燃料電池スタックがある。
手段2に記載の発明によると、セパレータと燃料電池セル本体との間に、封止材を有する封止部が設けられるとともに、セパレータと燃料電池セル本体との間に生じる隙間が、ロウ材側から開口部側に行くに従って大きくなるように設定されている。このため、封止材を、広がっている開口部側から隙間内に容易に流し込むことができる。この場合、封止部のうち、セパレータと燃料電池セル本体との間の箇所では、封止材とセパレータとの境界部分に、引張応力ではなく剪断応力が作用するため、割れが生じにくくなる。また、封止材が気泡(隙間内の空気)を巻き込みにくくなり、熱処理時において気泡が弾けることに起因した封止材の破損も抑止できるため、封止材によるガス封止をより確実に行うことができる。以上のことから、燃料電池セル本体とセパレータとの接合部分の信頼性、ひいては、燃料電池スタックの信頼性を向上させることができる。
また、セパレータにおいてロウ材よりも開口部側に位置する部分と燃料電池セル本体との間に、封止材を有する封止部が設けられるため、セパレータと燃料電池セル本体との間に配置されたロウ材が、空気極に接する酸化剤ガス、または、燃料極に接する燃料ガスに対して直接接触しなくなる。その結果、ロウ材への酸化剤ガスまたは燃料ガスの移動が阻止されるため、ロウ材中での酸化剤ガスまたは燃料ガスの拡散が抑制され、水素と酸素との反応を起因とするボイドの発生を防止することができる。
以下、本発明を燃料電池1に具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1,図2に示されるように、本実施形態の燃料電池1は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。燃料電池1は、発電の最小単位であるセパレータ付燃料電池セル11を複数積層してなる燃料電池スタック10を備えている。燃料電池スタック10は、縦180mm×横180mm×高さ80mmの略直方体状をなしている。また、燃料電池スタック10は、同燃料電池スタック10を厚さ方向に貫通する8つの貫通孔40を有している。なお、燃料電池スタック10の四隅にある4つの貫通孔40に締結ボルト41を挿通させ、燃料電池スタック10の下面から突出する締結ボルト41の下端部分にナット(図示略)を螺着させる。また、残り4つの貫通孔40にガス流通用締結ボルト42を挿通させ、燃料電池スタック10の上面及び下面から突出するガス流通用締結ボルト42の両端部分にナット43を螺着させる。その結果、複数のセパレータ付燃料電池セル11が固定されるようになっている。
図2,図3に示されるように、燃料電池1は、セパレータ付燃料電池セル11と、集電体66と、コネクタプレート51,60とを積層配置することによって構成されている。セパレータ付燃料電池セル11は、空気極フレーム52、絶縁フレーム53、セパレータ54、燃料電池セル本体55及び燃料極フレーム56を順番に積層することによって構成されている。
コネクタプレート51,60は、耐熱性及び導電性に優れたステンレス鋼などの金属材料によって略矩形板状に形成され、セパレータ付燃料電池セル11の上端部及び下端部に配置されている。コネクタプレート51,60は、セパレータ付燃料電池セル11内にガス流路を形成するとともに、隣接するセパレータ付燃料電池セル11同士を導通させるようになっている。詳述すると、隣接するセパレータ付燃料電池セル11同士の間に位置するコネクタプレート51,60は、いわゆるインターコネクタとなり、隣接するセパレータ付燃料電池セル11同士を区画するようになっている。なお、本実施形態のコネクタプレート60は、下側に隣接するセパレータ付燃料電池セル11のコネクタプレート51を兼ねている。また、燃料電池スタック10の上端部に配置されたコネクタプレート51は上側エンドプレート12となり、燃料電池スタック10の下端部に配置されたコネクタプレート60は下側エンドプレート13となっている。両エンドプレート12,13は、燃料電池スタック10を挟持しており、燃料電池スタック10から出力される電流の出力端子となっている。なお、エンドプレート12,13となるコネクタプレート51,60は、インターコネクタとなるコネクタプレート51,60よりも肉厚になっている。
図2,図3に示される空気極フレーム52は、ステンレスなどの導電性材料によって略矩形枠状に形成されている。よって、空気極フレーム52の中央部には、同空気極フレーム52を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部61が設けられている。また、絶縁フレーム53は、厚さ0.5mmのマイカシートによって略矩形枠状に形成されている。よって、絶縁フレーム53の中央部には、同絶縁フレーム53を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部63が設けられている。さらに、燃料極フレーム56は、マイカシートによって略矩形枠状に形成されている。よって、燃料極フレーム56の中央部には、同燃料極フレーム56を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部62が設けられている。
図2〜図4に示されるように、本実施形態のセパレータ54は、金属箔(金属板)の折曲加工によって形成された金属製セパレータである。金属製セパレータは、主として鉄(Fe)を主成分とする金属材料によって形成され、2質量%以上10質量%以下(本実施形態では3質量%)のアルミニウム(Al)を含んでいる。そして、セパレータ54の表面にはアルミナの被膜が形成されている。セパレータ54の熱膨張係数は、JIS Z 2285;2003に規定されるものであり、具体的には10〜12ppm/℃程度となっている。なお、セパレータ54の熱膨張係数は、常温〜300℃間の測定値の平均値をいう。また、セパレータ54の厚さは、0.5mm以下に設定されることが好ましく、特には、0.05mm以上0.1mm以下(本実施形態では0.1mm)に設定されることが好ましい。さらに、セパレータ54は、同セパレータ54において固体電解質層81と向かい合う対向面93と、セパレータ54において対向面93の反対側に位置する面94とを有している。また、セパレータ54は、同セパレータ54を厚さ方向に貫通する矩形状のセパレータ開口部64を中央部に有する略矩形枠状をなしている。そして、セパレータ54のセパレータ開口部64側の端部65は、上方に突出するように湾曲した断面円弧状をなしている。よって、セパレータ54と固体電解質層81との間に生じる隙間S1は、ロウ材91側からセパレータ開口部64側に行くに従って大きくなるように設定されている。
図2,図3に示されるように、本実施形態の燃料電池セル本体55は、固体電解質層81、空気極82及び燃料極83を備え、発電反応により電力を発生するようになっている。固体電解質層81は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などのセラミック材料によって形成され、厚さ0.01mmの矩形板状をなしている。固体電解質層81の熱膨張係数は、JIS Z 2285;2003に規定されるものであり、具体的には8〜10ppm/℃程度となっている。なお、固体電解質層81の熱膨張係数は、常温〜300℃間の測定値の平均値をいう。また、固体電解質層81は、セパレータ54の下面に固定されている。固体電解質層81は、酸素イオン伝導性固体電解質体として機能するようになっている。また、空気極82は、固体電解質層81の第1主面84(図2,図3では上面)の中央部に貼付され、燃料電池スタック10に供給された空気(酸化剤ガス)に接するようになっている。一方、燃料極83は、固体電解質層81の第2主面85(図2,図3では下面)全体に貼付され、同じく燃料電池スタック10に供給された燃料ガスに接するようになっている。即ち、空気極82及び燃料極83は、固体電解質層81の両側に配置されている。空気極82は、セパレータ54のセパレータ開口部64内に配置され、セパレータ54と接触しないようになっている。また、燃料極83は、ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとの混合物(Ni−YSZ)によって形成され、厚さ0.8mmの平面視矩形状をなしている。
図4に示されるように、セパレータ54は、接合部90を介して、燃料電池セル本体55、具体的には、固体電解質層81の第1主面84の外周部に取り付けられている。また、接合部90は、銀(Ag)を含むロウ材91によって構成され、2体積%以上15体積%以下(本実施形態では8体積%)の、アルミニウム(Al)の酸化物または複合酸化物を含んでいる。ロウ材91は、セパレータ54においてセパレータ開口部64よりも外周側となる位置に接合され、セパレータ開口部64の開口端の全周に亘って配置されている。なお、ロウ材91の幅L1は、厚さ方向に切断した断面図(図4参照)において、切断面の内端から外端までの距離を示すものであり、具体的には2mm以上6mm以下(本実施形態では4mm)に設定されている。また、ロウ材91の厚さは、10μm以上80μm以下に設定されることが好ましく、特には、20μm以上50μm以下(本実施形態では30μm)に設定されることが好ましい。
そして、セパレータ54においてロウ材91よりもセパレータ開口部64側に位置する部分と固体電解質層81との間には、封止部95が設けられている。封止部95は、ガラス(SCHOTT社製 G018−311)を含む封止材92を有しており、Al2O3換算で、2質量%以上20質量%以下(本実施形態では10質量%)のアルミニウム(Al)を含んでいる。封止材92の熱膨張係数は、JIS R 3102;1995に規定されるものであり、具体的には8〜12ppm/℃程度となっている。なお、封止材92の熱膨張係数は、常温〜300℃間の測定値の平均値をいう。また、封止材92は、セパレータ54においてセパレータ開口部64よりも外周側となる位置に配置されている。そして、封止材92は、セパレータ開口部64の開口端の全周に亘って配置されている。さらに、封止材92(封止部95)は、セパレータ54の対向面93と、セパレータ54において対向面93の反対側に位置する面94と、セパレータ54のセパレータ開口部64側の端面(セパレータ開口部64の内側面)とを覆うようになっている。このため、セパレータ54は、封止材92によって挟み込まれている。また、封止材92は、セパレータ54の表面に密着するのに加えて、ロウ材91のセパレータ開口部64側の端面、及び、固体電解質層81の第1主面84に密着している。なお、封止材92の幅L2は、厚さ方向に切断した断面図(図4参照)において、切断面の内端から外端(ロウ材91との密着部分)までの距離を示すものであり、具体的には1mm以上4mm以下(本実施形態では2mm)に設定されている。また、封止材92の厚さは80μm以上500μm以下(本実施形態では300μm)に設定されている。
なお、図2,図3に示されるように、本実施形態のセパレータ付燃料電池セル11では、燃料極フレーム56の開口部62、及びコネクタプレート60等により、セパレータ54の下方に燃料室15が形成されるようになっている。なお、燃料室15内には、固体電解質層81及び燃料極83が収容されている。
また、本実施形態のセパレータ付燃料電池セル11では、コネクタプレート51、空気極フレーム52の開口部61、及び、絶縁フレーム53の開口部63等により、セパレータ54の上方に空気室16が形成されるようになっている。そして、空気極82の表面側には、ニッケル合金等の金属材料からなる集電体66が設置されるようになっている。その結果、空気極82及びコネクタプレート51は、集電体66を介して電気的に接続されるようになる。
さらに、図2に示されるように、燃料電池スタック10は、各セパレータ付燃料電池セル11の燃料室15に燃料ガスを供給する燃料供給経路70と、燃料室15から燃料ガスを排出する燃料排出経路71とを備えている。燃料供給経路70は、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる燃料供給孔72と、燃料供給孔72及び燃料室15を連通させる燃料供給横孔73とによって構成されている。また、燃料排出経路71は、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる燃料排出孔74と、燃料排出孔74及び燃料室15を連通させる燃料排出横孔75とによって構成されている。よって、燃料ガスは、燃料供給孔72及び燃料供給横孔73を順番に通過して燃料室15に供給され、燃料排出横孔75及び燃料排出孔74を順番に通過して燃料室15から排出される。
また、図2に示されるように、燃料電池スタック10は、各セパレータ付燃料電池セル11の空気室16に空気を供給する空気供給経路(図示略)と、空気室16から空気を排出する空気排出経路(図示略)とを備えている。空気供給経路は、燃料供給経路70と略同様の構造を有しており、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる空気供給孔(図示略)と、空気供給孔及び空気室16を連通させる空気供給横孔(図示略)とによって構成されている。また、空気排出経路は、燃料排出経路71と略同様の構造を有しており、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる空気排出孔(図示略)と、空気排出孔及び空気室16を連通させる空気排出横孔(図示略)とによって構成されている。よって、空気は、空気供給孔及び空気供給横孔を順番に通過して空気室16に供給され、空気排出横孔及び空気排出孔を順番に通過して空気室16から排出される。
例えば、燃料電池1を稼働温度に加熱した状態で、燃料供給経路70から燃料室15に燃料ガスを導入するとともに、空気供給経路から空気室16に空気を供給する。その結果、燃料ガス中の水素と空気中の酸素とが固体電解質層81を介して反応(発電反応)し、空気極82を正極、燃料極83を負極とする直流の電力が発生する。なお、本実施形態の燃料電池スタック10は、セパレータ付燃料電池セル11を複数積層して直列に接続しているため、空気極82に電気的に接続される上側エンドプレート12が正極となり、燃料極83に電気的に接続される下側エンドプレート13が負極となる。
次に、燃料電池1の製造方法を説明する。
まず、ステンレス板を打ち抜くことにより、コネクタプレート51,60、空気極フレーム52及びセパレータ54を形成する。なお、セパレータ54の形成においては、セパレータ開口部64が形成されると同時に、セパレータ54のセパレータ開口部64側の端部65が、上方に突出するように湾曲した断面円弧状をなすように形成される。また、マイカシートを所定形状に形成することにより、絶縁フレーム53及び燃料極フレーム56を形成する。具体的には、市販のマイカシート(マイカと成形用樹脂との複合体からなるシート)を他の部材(コネクタプレート51,60、空気極フレーム52及びセパレータ54など)と略同じ形状に形成する。なお、マイカシートに含まれている樹脂成分は、他の部材とともに積層された後に行われる熱処理によって蒸発する。さらに、マイカシートは、各セパレータ付燃料電池セル11を積層方向にボルト締めした際に他の部材に挟まれることによって、各部材をシールするようになっている。
次に、セパレータ付燃料電池セル11を、従来周知の手法に従って形成する。具体的には、燃料極83となるグリーンシート上に固体電解質層81となるグリーンシートを積層し、焼成する。さらに、固体電解質層81上に空気極82の形成材料を印刷した後、焼成する。この時点で、燃料電池セル本体55が形成される。
その後、セパレータ54を、ロウ付けによって固体電解質層81に対して固定する。具体的には、固体電解質層81とセパレータ54とのそれぞれにロウ材91を配置する。例えば、ペースト状のロウ材91を、固体電解質層81の第1主面84とセパレータ54の対向面93とにそれぞれ印刷する。なお、印刷によってロウ材91を配置する代わりに、ディスペンサを用いてロウ材91を配置するようにしてもよい。
次に、ロウ材91を溶融し、固体電解質層81とセパレータ54とを接合する。具体的には、ロウ材91が配置された固体電解質層81と、同じくロウ材91が配置されたセパレータ54とを接触させた状態で、大気雰囲気下で、例えば800〜1200℃で加熱する。その結果、固体電解質層81側のロウ材91とセパレータ54側のロウ材91とがそれぞれ溶融し、固体電解質層81とセパレータ54とが互いに接合される。
次に、セパレータ54と固体電解質層81との隙間S1を、封止材92によって封止する。具体的には、封止材92を含むペーストを印刷することにより、隙間S1に対して封止材92を配置する。さらに、封止材92を含むペーストを、大気雰囲気下で、ロウ材91の溶融時よりも低い温度(本実施形態では700〜1000℃)で加熱する。その結果、ペーストが溶融し、封止材92が形成される。なお、ペーストの印刷によって封止材92を配置する代わりに、ディスペンサなどを用いて隙間S1にペーストを流し込むことによって、封止材92を配置してもよい。また、ガラスを含む断面楔状の板材を隙間S1内に配置した後、溶融させることによって、封止材92を形成してもよい。
その後、空気極フレーム52、絶縁フレーム53、(固体電解質層81がロウ付けによって固定された)セパレータ54及び燃料極フレーム56などを積層して一体化する。この時点で、セパレータ付燃料電池セル11が形成される。
次に、複数のセパレータ付燃料電池セル11やコネクタプレート51,60などを積層して一体化することにより、燃料電池スタック10を形成する。そして、燃料電池スタック10の四隅にある4つの貫通孔40に締結ボルト41を挿通させ、燃料電池スタック10の下面から突出する締結ボルト41の下端部分にナット(図示略)を螺着させる。また、残り4つの貫通孔40にガス流通用締結ボルト42を挿通させ、燃料電池スタック10の上面及び下面から突出するガス流通用締結ボルト42の両端部分にナット43を螺着させる。その結果、各セパレータ付燃料電池セル11が固定され、燃料電池1が完成する。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、セパレータ54と固体電解質層81との間に、封止材92を有する封止部95が設けられるとともに、セパレータ54と固体電解質層81との間に生じる隙間S1が、ロウ材91側からセパレータ開口部64側に行くに従って大きくなるように設定されている。このため、封止材92を、広がっているセパレータ開口部64側から隙間S1内に容易に流し込むことができる。この場合、隙間S1に流れ込んだ封止材92(封止部95のうち、セパレータ54における対向面93と固体電解質層81の第1主面84との間の箇所)では、封止材92とセパレータ54との境界部分に、引張応力ではなく剪断応力が作用するため、割れが生じにくくなる。また、封止材92が気泡(隙間S1内の空気)を巻き込みにくくなり、熱処理時において気泡が弾けることに起因した封止材92の破損も抑止できるため、封止材92によるガス封止をより確実に行うことができる。以上のことから、燃料電池セル本体55とセパレータ54との接合部分の信頼性を向上させることができる。
(2)本実施形態では、セパレータ54においてロウ材91よりもセパレータ開口部64側に位置する部分と固体電解質層81との間に、封止材92を有する封止部95が設けられるため、セパレータ54と固体電解質層81との間に配置されたロウ材91が、空気極82に接する空気に対して直接接触しなくなる。その結果、ロウ材91への空気の移動が阻止されるため、ロウ材91中での空気の拡散が抑制され、水素と酸素との反応を起因とするボイドの発生を防止することができる。
(3)本実施形態において用いられるロウ材91は、Agを含み、大気雰囲気下でロウ付けの温度に到達したとしても酸化しにくいため、大気雰囲気下でのロウ付けが可能となる。従って、ロウ付け時における燃料電池セル本体55(特に空気極82)の性能低下を防止することができる。具体的に言うと、空気極82が例えばLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3)によって構成される場合に、LSCFの結晶構造が変化することに起因する性能低下を防止することができる。さらに、燃料電池セル本体55の性能低下を防止するために、ロウ付け時の雰囲気をアルゴン(Ar)等の不活性ガスにしなくても済むため、装置や工程の複雑化を防止することができる。
なお、本実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、セパレータ54のセパレータ開口部64を形成すると同時に、セパレータ54のセパレータ開口部64側の端部65を、上方に突出するように湾曲した断面円弧状をなすように形成していた。しかし、セパレータ開口部64を形成した後の工程において、端部65を加工するようにしてもよい。
・図5のセパレータ付燃料電池セル21に示されるように、セパレータ23のセパレータ開口部24に、金属箔の打抜加工時に生じたバリ22を残しておき、セパレータ23を、バリ22の基端側から先端側に行くに従って隙間S2が大きくなるように配置してもよい。なお、バリ22の高さは、20μm以上300μm以下(ここでは100μm)に設定される。このようにすれば、セパレータ23に曲げ加工を施さなくても、隙間S2を、ロウ材25側からセパレータ開口部24側に行くに従って大きくなるように設定することができる。よって、セパレータ付燃料電池セル21の製造コストを低減させることができる。なお、バリ22を残しつつ、セパレータ23に曲げ加工を施すようにしてもよい。
・上記実施形態では、セパレータ54のセパレータ開口部64側の端部65を、上方に突出するように湾曲した断面円弧状をなすように形成することにより、セパレータ54と固体電解質層81との間に生じる隙間S1を、ロウ材91側からセパレータ開口部64側に行くに従って大きくなるように設定していた。しかし、固体電解質層81に、ロウ材91側からセパレータ開口部64側に行くに従って深くなる凹部を設けることにより、隙間S1を、ロウ材91側からセパレータ開口部64側に行くに従って大きくなるように設定してもよい。また、セパレータ54を断面円弧状に形成するとともに固体電解質層81に凹部を設けることにより、隙間S1を、ロウ材91側からセパレータ開口部64側に行くに従って大きくなるように設定してもよい。
・上記実施形態のセパレータ付燃料電池セル11は、いわゆる燃料極支持型の燃料電池セルであり、空気極82が固体電解質層81の第1主面84の中央部に配置される一方、燃料極83が固体電解質層81の第2主面85全体に配置され、第1主面84の外周部にセパレータ54が取り付けられる構成を有していた。
しかし、図6に示されるように、空気極33が第1主面35全体に配置される一方、燃料極34が第2主面36の中央部に配置され、第2主面36の外周部にセパレータ32が取り付けられる、いわゆる空気極支持型のセパレータ付燃料電池セル31であってもよい。また、図7に示されるように、空気極123が第1主面125の中央部に配置されるとともに、燃料極124が第2主面126の中央部に配置され、第1主面125の外周部にセパレータ122が取り付けられる、いわゆる電解質支持型のセパレータ付燃料電池セル121であってもよい。なお、セパレータ122は、第2主面126の外周部に取り付けられていてもよいし、第1主面125の外周部及び第2主面126の外周部の両方に取り付けられていてもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記封止材は、前記セパレータにおいて前記固体電解質層と向かい合う対向面、前記セパレータにおいて前記対向面の反対側に位置する面、前記セパレータの前記開口部側の端面、前記ロウ材の前記開口部側の端面、及び、前記第1主面に密着することを特徴とするセパレータ付燃料電池セル。
(2)上記手段1において、前記封止材の融点は、前記ロウ材の融点よりも低い温度であることを特徴とするセパレータ付燃料電池セル。
(3)上記手段1において、前記セパレータは、板状をなし、前記開口部に折り曲げ部またはバリが形成されていることを特徴とするセパレータ付燃料電池セル。このようにした場合、セパレータは、板状をなすことから剛性が低くなる。このため、熱膨張差に起因する応力を緩和しやすくなり、燃料電池セル本体の割れの発生を抑制することができる。
(4)上記手段1において、前記開口部に、金属板の打抜加工時に生じたバリが残されており、前記セパレータは、前記バリの基端側から先端側に行くに従って前記隙間が大きくなるように配置されていることを特徴とするセパレータ付燃料電池セル。
(5)上記手段1において、前記空気極が前記第1主面の中央部に配置される一方、前記燃料極が前記第2主面全体に配置され、前記セパレータが、前記ロウ材を介して前記第1主面の外周部に取り付けられていることを特徴とするセパレータ付燃料電池セル。