JP2015022079A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる画像形成装置を得る。【解決手段】制御部が、スクリーンの角度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。これにより、一次転写の際の、ドット崩れの発生、及びドット崩れに対する極端な抑制の発生がドット単位では起こっても目視にて認識できなくなる。これにより、転写ベルト31の帯電履歴に起因する色の濃度変動が抑制される。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1には、ハーフトーンスクリーン構造を用いて画像の階調を表現すると共に、多数の凸部が均一に分布するように配置した中間転写体を用いて記録媒体へ画像を転写定着する画像形成装置において、ハーフトーンスクリーン構造及び凸部の配置に起因して発生するモアレ縞による画質劣化を低減する画像形成装置が記載されている。
特開平11−198451号公報
本発明の課題は、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することである。
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、スクリーンを用いてトナー画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成されたトナー画像を周回する転写ベルトに転写する一次転写部材と、前記一次転写部材によって前記転写ベルトに転写されたトナー画像を記録媒体に転写する二次転写部材と、前記一次転写部材によってトナー画像が転写される前記転写ベルトの転写領域において、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記転写ベルトが周回して前記トナー画像が記録媒体に二次転写された後に前記転写領域に最初に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記スクリーンの点列又は線列の角度を変えることで、前記スクリーンを異ならせることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記スクリーンの点密度または線密度を変えることで、スクリーンを異ならせることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記画像形成部は、色ごとに複数備えられ、複数の前記画像形成部は、前記転写ベルトの周回方向に沿って並んで配置され、前記制御部は、前記画像形成部によって形成されたトナー画像が前記一次転写部材によって転写される前記転写ベルトの転写領域において、先に前記転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記転写ベルトが周回して次に前記転写ベルトの周回方向において転写に用いる最も上流側に配置される前記画像形成部によって前記転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、スクリーンを用いて記録媒体に転写する用途で用いる複数の第1トナー画像と、スクリーンを用いて前記第1トナー画像と前記第1トナー画像との間に記録媒体に転写する以外の用途で用いる第2トナー画像と、を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された前記第1トナー画像及び前記第2トナー画像を周回する転写ベルトに転写する一次転写部材と、前記一次転写部材によって前記転写ベルトに転写された前記第1トナー画像を記録媒体に転写する二次転写部材と、前記第1トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記第2トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、色ごとに複数備えられ、周回する転写ベルトの周回方向に沿って並んで配置され、スクリーンを用いて記録媒体に転写する用途で用いる複数の第1トナー画像と、スクリーンを用いて前記第1トナー画像と前記第1トナー画像との間に記録媒体に転写する以外の用途で用いるための第2トナー画像とを形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された前記第1トナー画像及び前記第2トナー画像を前記転写ベルトに転写する一次転写部材と、前記一次転写部材によって前記転写ベルトに転写された前記第1トナー画像を記録媒体に転写する二次転写部材と、前記転写ベルトの周回方向において転写に用いる最も上流側に配置された前記画像形成部によって前記第1トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記第2トナー画像を形成するのに複数の前記画像形成部によって用いられるスクリーンとを異ならせる制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、次に該転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとが同じ場合と比して、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる。
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、スクリーンを構成する一の点列又は一の線列と他の点列又は線列との角度を異ならせることで、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる。
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、スクリーンを構成する一の点列又は一の線列と他の点列又は他の線列との角度を異ならせることで、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる。
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、請求項4に記載の構成を備えない場合と比して、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる。
本発明の請求項5の画像形成装置によれば、第1トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、第2トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとが同じ場合と比して、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる。
本発明の請求項6の画像形成装置によれば、転写ベルトの周回方向において最も上流側に配置された画像形成部によって第1トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、各色の画像形成部によって第2トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとが同じ場合と比して、転写ベルトの帯電履歴に起因する色の濃度変動を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる転写ベルトに転写されるトナー画像を示した模式図である。 (A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の対する比較例の画像形成装置において、転写ベルトに転写されるドットを示した模式図である。 (A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の対する比較例の画像形成装置において、転写ベルトに転写されるドットを示した模式図である。 (A)(B)(C)(D)本発明の実第1施形態に係る画像形成装置において、転写ベルトの帯電状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる先のクリーンと次のスクリーンとを示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の作用をグラフで説明した図面である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像形成部を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の感光体ドラム等を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像形成部及び定着装置等を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の作用をグラフで説明した図面である。 本発明の第4実施形態に係る画像形成装置に用いられる転写ベルトに転写されるトナー画像及ぶトナーパッチを示した模式図である。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図10に従って説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向であって装置上下方向を示し、矢印Wは水平方向であって装置幅方向を示す。
<画像形成装置の全体構成>
図10は、画像形成装置10を正面側から見た全体構成を示す概略図である。この図に示される如く、画像形成装置10は、電子写真方式により記録媒体としてのシート部材Pに画像を形成する画像形成部12と、シート部材Pを搬送する媒体搬送装置50と、画像が形成されたシート部材Pに対する後処理等を行う後処理部60と、を含んで構成されている。
さらに、画像形成装置10は、前述の各部及び後述の電源部80の制御を行う制御部70、及び制御部70を含む上記各部に電力を供給する電源部80を含んで構成されている。
また、画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20(画像形成部の一例)と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写装置30と、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置40と、を含んで構成されている。
媒体搬送装置50は、画像形成部12にシート部材Pを供給する媒体供給部52と、トナー画像が形成されたシート部材Pを排出する媒体排出部54と、を含んで構成されている。また、媒体搬送装置50は、シート部材Pの両面に画像を形成させる際に用いられる媒体戻し部56と、後述する中間搬送部58と、を含んで構成されている。
後処理部60は、画像形成部12でトナー画像が転写されたシート部材Pを冷却する媒体冷却部62と、シート部材Pの湾曲を矯正する矯正装置64と、シート部材Pに形成された画像を検査する画像検査部66と、を含んで構成されている。後処理部60を構成する各部は、媒体搬送装置50の媒体排出部54中に配置されている。
画像形成装置10は、媒体搬送装置50の媒体排出部54を構成する排出媒体受け部541を除き、各部が筐体90内に収容されている。この実施形態における筐体90は、装置幅方向に隣り合う第1筐体91及び第2筐体92より成る2分割構造とされている。これにより、画像形成装置10の搬送単位が装置幅方向に小型化されている。
第1筐体91には、後述する定着装置40を除く画像形成部12の主要部と、媒体供給部52とが収容されている。第2筐体92には、画像形成部12を構成する定着装置40と、排出媒体受け部541を除く媒体排出部54と、媒体冷却部62と、画像検査部66と、媒体戻し部56と、制御部70と、電源部80とが収容されている。第1筐体91と第2筐体92とは、一例として図示しないボルト・ナット等の締結手段によって結合されている。この結合状態で第1筐体91と第2筐体92との間には、画像形成部12の後述する転写ニップNTから定着ニップNFへのシート部材Pの連絡開口部90C1、及び媒体戻し部56から媒体供給部52へのシート部材Pの連絡路90C2が形成されている。
(画像形成部)
画像形成部12は、前述の通りトナー画像形成部20と、転写装置30と、定着装置40と、を含んで構成されている。トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計6色のトナー画像形成部20が設けられている。図9に示す(V)、(W)、(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色を示している。転写装置30は、6色分のトナー画像が重畳して一次転写された転写ベルト31から、転写ニップNTにおいてシート部材Pに6色分のトナー画像を転写するようになっている。
なお、本実施例では、一例として、第1特別色(V)、及び第2特別色(W)は、他の色に比して頻繁に使用されるユーザ特有の第1コーポレート色、及び第2コーポレート色とされる。
〔トナー画像形成部〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。したがって、以下、各色の画像形成ユニット14について、特に区別することなく説明する。トナー画像形成部20の画像形成ユニット14は、図8に示されるように、像保持体の一例である感光体ドラム21と、帯電器22と、露光装置23と、現像器の一例である現像装置24と、清掃装置25と、除電装置26とを含んで構成されている。
[感光体ドラム]
感光体ドラム21は、円筒状に形成されて接地され、図示しない駆動手段によって自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体ドラム21の表面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層が形成されている。図9に示される如く、各色の感光体ドラム21は、正面視で装置幅方向に沿って直線状に並べて配置されている。
[帯電器]
帯電器22は、図8に示されるように、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。この実施形態では、帯電器22は、コロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器とされている。
[露光装置]
露光装置23は、感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成するようになっている。具体的には、制御部70を構成する画像信号処理部71(図10参照)が外部から受け取った画像データから階調データを作成し、この階調データによって露光装置23が変調した露光光Lを帯電器22により帯電された感光体ドラム21の表面に照射するようになっている。この露光装置23による露光光Lの照射によって、感光体ドラム21の表面には静電潜像が形成される。
[現像装置]
現像装置24は、負極に帯電したトナーを含む現像剤Gで感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像することで、感光体ドラム21の表面にトナー画像を形成するようになっている。
そして、現像装置24は、トナーを保持するトナーカートリッジ27からトナーが供給されるようになっている。
[清掃装置]
清掃装置25は、転写装置30へのトナー画像の転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを感光体ドラム21の表面から掻き取るブレード状とされている。
[除電装置]
除電装置26は、転写後の感光体ドラム21に光を照射して除電を行う。これにより、感光体ドラム21の表面の帯電履歴がキャンセルされるようになっている。
〔転写装置〕
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像をシート部材Pに二次転写するようになっている。以下、具体的に説明する。
[転写ベルト]
転写ベルト31は、図9に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、図9に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。
また、複数のロール32のうち、図9に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、図9に示すロール32Bは、後述する二次転写ロール34の対向ロールとして機能する。ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
[一次転写ロール]
この転写ベルト31の内側には、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させる転写部材の一例である一次転写ロール33(一次転写部材の一例)が配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33は、トナー極性とは逆極性の転写電圧(または転写電流)が印加されるようになっている。この転写電圧の印加により、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が転写ベルト31に転写される構成である。
[二次転写ロール]
また、転写装置30は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール34(二次転写部材の一例)を備えている。二次転写ロール34は、ロール32Bとの間に転写ベルト31を挟むように配置され、転写ベルト31との間に転写ニップNTを形成している。この転写ニップNTには、媒体供給部52から適時にシート部材Pが供給されるようになっている。二次転写ロール34はその芯部が接地され、かつロール32Bは、図示しない給電部によって、トナー極性と同極性の転写電圧(または転写電流)が印加されるようになっている。この転写電圧の印加により、転写ニップNTを通過するシート部材Pに、転写ベルト31からシート部材Pにトナー画像が転写されるようになっている。
[清掃装置]
さらに、転写装置30は、二次転写後に転写ベルト31を清掃する清掃装置35を備えている。清掃装置35は、転写ベルト31の周回方向において、二次転写が行われる部分(転写ニップNT)の下流側で、かつ一次転写が行われる部分の上流側に配置されている。清掃装置35は、転写ベルト31の表面に残留したトナーを転写ベルト31の表面から掻き取るブレード351を備えている。
〔定着装置:概要〕
定着装置40は、転写装置30においてトナー画像が転写されたシート部材Pに、該トナー画像を定着させるようになっている。この実施形態では、定着装置40は、複数のロール413に巻き掛けられた定着ベルト411と加圧ロール42とで形成される定着ニップNFにおいてトナー画像を加熱しつつ加圧することで、トナー画像をシート部材Pに定着する構成とされている。なお、ロール413Hは、内部に例えばヒータを備えると共に図示せぬモータから伝達される駆動力により回転する加熱ロールとされている。これにより、定着ベルト411が矢印R方向に周回するようになっている。
また、加圧ロール42は、図示せぬモータから伝達される駆動力により、定着ベルト411の周速度と同様の周速度で回転するようになっている。
(媒体搬送装置)
図10に示されるように、媒体搬送装置50は、媒体供給部52と、媒体排出部54と、媒体戻し部56と、中間搬送部58と、を含んで構成されている。
〔媒体供給部〕
媒体供給部52は、シート部材Pが積載して収容される収容器521を備えている。この実施形態では、収容器521は、転写装置30に対して下方で装置幅方向に沿って2つ並べて配置されている。
各収容器521から二次転写位置である転写ニップNTまでには、複数の搬送ロール対522及び図示しないガイド等によって媒体供給経路52Pが形成されている。媒体供給経路52Pは、2箇所の折返部52P1、52P2において装置幅方向に折り返されて上昇しつつ転写ニップNTに至る形状(略「S」字状)を成している。
そして、各収容器521の上側には、収容器521に積載された最上位のシート部材Pを送り出す送出ロール523が配置されている。複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向の最上流側の搬送ロール対522Sは、送出ロール523によって収容器521から重なって送り出されたシート部材Pを一枚ずつに分離する分離ロールとして機能する。また、複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向において転写ニップNTの直上流に位置する搬送ロール対522Rは、転写ベルト31上のトナー画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせるように動作されるようになっている。
また、媒体供給部52は、予備搬送経路52Prを備えている。予備搬送経路52Prは、第1筐体91の第2筐体92側とは反対側の開口部91Wから発し、媒体供給経路52Pの折返部52P2に合流している。予備搬送経路52Prは、第1筐体91の開口部91W側に隣接して配置されるオプションの記録媒体供給装置(図示省略)から送り出されたシート部材Pを画像形成部12に送り込む際の搬送経路とされている。
〔中間搬送部〕
図9に示されるように、中間搬送部58は、転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFまでの間に配置され、ロールに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトを備えたベルト搬送部材581を複数備えている。
ベルト搬送部材581の内側から空気を吸引(負圧吸引)してシート部材Pを搬送ベルトの表面に吸い付けながら搬送ベルトが周回してシート部材Pを搬送するようになっている。
〔媒体排出部〕
図10に示されるように、媒体排出部54は、画像形成部12の定着装置40でトナー画像が定着されたシート部材Pを、第2筐体92における第1筐体91側とは反対側の端部に形成された排出口92Wから筐体90の外部に排出するようになっている。
媒体排出部54は、排出口92Wから排出されたシート部材Pを受ける排出媒体受け部541を備えている。
この媒体排出部54は、定着装置40(定着ニップNF)から排出口92Wまでにシート部材Pを搬送する媒体排出経路54Pを有する。媒体排出経路54Pは、ベルト搬送部材543、複数のロール対542、及び図示しないガイド等によって形成されている。そして、複数のロール対542のうち、シート部材Pの排出方向の最下流に配置されたロール対542Eは、シート部材Pを排出媒体受け部541上に排出する排出ロールとして機能する。
〔媒体戻し部〕
媒体戻し部56は、複数のロール対561を備えている。複数のロール対561は、両面に画像を形成する要求がある場合に、画像検査部66を通過したシート部材Pが送り込まれる反転経路56Pを形成している。反転経路56Pは、分岐パス56P1と、搬送パス56P2と、反転パス56P3とを有する。分岐パス56P1は、媒体排出経路54Pから分岐されている。搬送パス56P2は、分岐パス56P1から受け取ったシート部材Pを媒体供給経路52Pに送り込むようになっている。反転パス56P3は、搬送パス56P2の途中に設けられ、搬送パス56P2を搬送されるシート部材Pの搬送方向を逆向きに折り返すことで(スイッチバック搬送させて)表裏を反転させるようになっている。
(後処理部)
後処理部60を構成する媒体冷却部62、矯正装置64、及び画像検査部66は、媒体排出部54の媒体排出経路54P上において分岐パス56P1の分岐部分に対するシート部材Pの排出方向の上流側に、排出方向の上流側からこの順で配置されている。
〔媒体冷却部〕
媒体冷却部62は、シート部材Pの熱を吸収する吸熱装置621と、シート部材Pを吸熱装置621に押し付ける押付装置622とを備えている。吸熱装置621は、媒体排出経路54Pに対する上側に配置され、押付装置622は、媒体排出経路54Pに対する下側に配置されている。
吸熱装置621は、無端状の吸熱ベルト6211と、吸熱ベルト6211を支持する複数のロール6212と、吸熱ベルト6211内に配置されたヒートシンク6213と、ヒートシンク6213を冷却するためのファン6214とを含んで構成されている。
吸熱ベルト6211は、外周面においてシート部材Pと熱交換可能に接触する。複数のロール6212のうち、ロール6212Dは、吸熱ベルト6211に駆動力を伝達する駆動ロールとして機能する。ヒートシンク6213は、媒体排出経路54Pに沿った定められた範囲で吸熱ベルト6211の内周面に摺動可能に面接触されている。
押付装置622は、無端状の押付ベルト6221と、押付ベルト6221を支持する複数のロール6222とを備えている。押付ベルト6221は、複数のロール6222に巻き掛けられている。押付装置622は、シート部材Pを吸熱ベルト6211(ヒートシンク6213)へ押し付けながら、吸熱ベルト6211とでシート部材Pを搬送するようになっている。
〔矯正装置〕
媒体排出部54における媒体冷却部62の下流側には、矯正装置64が設けられている。矯正装置64は、媒体冷却部62から受け取ったシート部材Pの湾曲(カール)を矯正するようになっている。
〔画像検査部〕
媒体排出部54における矯正装置64の下流側には、画像検査部66の主要部を成すインラインセンサ661が配置されている。インラインセンサ661は、シート部材Pに照射しシート部材Pから反射された光に基づいて、定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度を検出するようになっている。
<画像形成装置の画像形成動作(作用)>
次に、画像形成装置10によるシート部材Pへの画像形成工程、及び、その後処理工程の概要を説明する。
図10に示されるように、画像形成指令を受けた制御部70は、トナー画像形成部20、転写装置30、定着装置40を作動させる。これにより、図9に示されるように、各色の画像形成ユニット14の感光体ドラム21、現像装置24の現像ロール242が回転され、転写ベルト31が周回される。また、加圧ロール42が回転されると共に、定着ベルト411が周回される。さらに、これらの動作に同期して、制御部70は、媒体搬送装置50等を作動させる。
これにより、各色の感光体ドラム21は、回転されながら帯電器22によって帯電される。また、制御部70は、画像信号処理部で画像処理が施された画像データを、各露光装置23に送る。各露光装置23は、画像データに応じて各露光光Lを出射して、帯電した各感光体ドラム21に露光する。すると、各感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム21に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤によって現像される。これにより、各色の感光体ドラム21には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のうち、対応する色のトナー画像が形成される。
各色の感光体ドラム21に形成された各色のトナー画像は、各色の一次転写ロール33を通じた転写電圧の印加によって、周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、6色分のトナー画像が重畳された重畳トナー画像が形成される。この重畳トナー画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。
この転写ニップNTには、図10に示されるように、媒体供給部52の搬送ロール対522Rによって重畳トナー画像の搬送にタイミングを合わせてシート部材Pが供給される。この転写ニップNTにおいて転写電圧が印加されることで、転写ベルト31から重畳トナー画像がシート部材Pに転写される。
トナー画像が転写されたシート部材Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて、搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過するシート部材Pに熱及び圧力を付与する。これにより、シート部材Pに転写されたトナー画像が定着される。
定着装置40から排出されたシート部材Pは、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部541に向けて搬送されつつ、後処理部60により処理が施される。定着工程により加熱されたシート部材Pは、先ず媒体冷却部62において冷却される。次いで、シート部材Pは、矯正装置64によって湾曲が矯正される。さらに、シート部材Pに定着されたトナー画像は、画像検査部66によって、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度が検出される。そして、シート部材Pは、媒体排出部54に排出される。
一方、シート部材Pの画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)、制御部70は、画像検査部66の通過後のシート部材Pの搬送経路を、媒体排出部54の媒体排出経路54Pから媒体戻し部56の分岐パス56P1に切り替える。これによりシート部材Pは、反転経路56Pを経由して表裏反転されて媒体供給経路52Pに送り込まれる。このシート部材Pの裏面には、前述した表面への画像形成工程と同様の工程で画像が形成(定着)される。このシート部材Pは、前述した表面への画像成形後の処理工程と同様の工程を経て、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部541に排出される。
<要部構成>
次に、黒色(K)の画像をシート部材Pに形成させる場合の制御部70による各部の制御について説明する。
黒色の(K)の画像をシート部材Pに形成させる場合には、制御部70は、図7に示されるように、トナー画像形成部20C〜Vに備えられた感光体ドラム21C〜Vを図示せぬリトラクト機構を用いて転写ベルト31から離間させる。
また、制御部70は、一次転写ロール33Kによってトナー画像が転写される転写ベルト31の転写領域において、先にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる。
以下、詳細に説明する。
図1の上段には、トナー画像形成部20Kによって転写ベルト31に転写されるトナー画像102、104、106、108、110が示され、図1の下段には、転写ベルト31が周回することでトナー画像102、104、106が転写された転写領域112、114、116がどこに移動したのかが示されている。このように図1には、先にトナー画像が転写ベルト31に転写される転写領域と、次にこの転写領域に転写されるトナー画像との関係が分かるように模式的に転写領域等が示されている。また、トナー画像におけるハッチングの相違は、トナー画像を形成するのに用いたスクリーンが異なることを示している。
図1に示されるように、転写ベルト31の一周目でトナー画像102が転写された転写領域112は、転写ベルト31の二周目でトナー画像104の一部及びトナー画像106の一部と重なる(図中範囲E、範囲D)。
このように重なっている場合に、制御部70は、先に転写領域112に転写されたトナー画像102を形成するのに用いられるスクリーンと、次にこの転写領域112に転写されるトナー画像104、106を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる。
スクリーンは、制御部70を構成する画像信号処理部71(図10参照)が外部から受け取った画像データから露光装置23を制御するための階調データを作成する際に用いられる。このスクリーンは、一例として複数の点列から構成される網点パターンであって、制御部70は、網点パターンを構成する複数の点から複数のトナーで構成されるドットを形成するために用いる点を選択し、さらに、選択された点の大きさを変えることで、階調データを作成する。
本第1実施形態では、制御部70は、スクリーンの角度を変えること、つまり、スクリーンを構成する点列の角度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせるようになっている(図5参照)。
<要部構成の作用>
以上説明したように、制御部70は、スクリーンの角度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。
ここで、比較例として、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次に該転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとが同じ場合にトナー画像に与える影響ついて以下に説明する。
図4(A)(B)(C)(D)には、転写ベルト31の帯電状態が示されている。
先ず、転写ベルト31は、一次転写ロール33Kによる一次転写によって全体的にマイナスに帯電される。ここで、図4(A)に示されるように、ドット部(ドットが形成される部分)の帯電量は少なく、非ドット部(ドットが形成されない部分)の帯電量は多い。つまり、ドット部と非ドット部との間に電位差が生じる。
次に、転写ベルト31は、二次転写ロール34による二次転写によって、プラス方向の電荷を受ける。二次転写によって受けたプラス電荷が多ければ一次転写でのマイナス帯電を打ち消して転写ベルト31はプラス帯電となり、二次転写によって受けたプラス電荷が少なければマイナス電位を維持する。
ここで、二次転写においても一次転写と同様に、ドット部の帯電量は少なく、非ドット部の帯電量は多い。そこで、ドット部、非ドット部それぞれの電位が二次転写を通過した後どのような状態となるかは、二次転写電圧の高低によって異なる。
二次転写電圧が弱ければ、図4(B)に示されるように、一次転写で形成されたドット部の電位と非ドット部の電位との関係が、そのまま転写ベルト31に帯電履歴として残る。
また、二次転写電圧が強ければ、図4(D)に示されるように、一次転写で形成されたドット部の電位と非ドット部の電位との関係が逆転して転写ベルト31に帯電履歴として残る。つまり、ドット部が相対的にマイナス、非ドット部が相対的にプラスとなる。
一方、二次転写電圧が弱くもなく強くもない場合には、図4(C)に示されるように、ドット部の電位と非ドット部の電位とが同等となり帯電履歴は残らない。
通常、二次転写での転写電圧は、前述した二次転写電圧が強い場合に相当する(図4(D))場合が多い。
図4(D)のような帯電履歴が存在した転写ベルト31の上に、一次転写で、ドットを形成すると、ドット崩れ、又はドッド崩れに対する極端な抑制が発生する。
以下ドット崩れ、ドット崩れに対する極端な抑制について説明する。
前述したように、二次転写電圧が強い場合には、ドット部が相対的にマイナス、非ドット部が相対的にプラスとなる(図4(D)参照)。ドット部と非ドット部との境界には電位差が生じており、転写ベルト31に転写されるマイナス帯電したトナーは、この電位差によって作られる電界の影響を受ける。
転写ベルト31の一周目のドット部に、転写ベルト31の二周目で再びドットが形成されると、図3(A)に示されるように、形成されるドットを構成するトナーは、ドットの外側へ向かう力(図中矢印参照)を受けて外側に移動する。この結果、ドット崩れが発生する。
このようなトッド崩れが周辺で複数発生すると、図3(B)に示すように、隣り合うドットを構成するトナー同士の距離が近くなり、色の濃度が高くなる(色が濃くなる)。
これに対して、転写ベルト31の一周目のドット部間(ドット部とドット部との間)に、転写ベルト31の二周目でドットが形成されると、図2(A)に示されるように、形成されたドットを構成するトナーはドットの内側へ向かう力(図中矢印参照)を受ける。この結果、ドット崩れに対する極端な抑制が発生する。
このようなトッド崩れに対する極端な抑制が周辺で複数発生すると、図2(B)に示されるように、隣り合うドットを構成するトナー同士の距離が遠くなり、色の濃度が低くなる(色が薄くなる)。
このように、転写ベルト31に残った帯電履歴によって、ドット崩れ、又はドット崩れに対する極端な抑制が発生し、これらが周辺で複数発生することにより、色の濃度が変化する。なお、ドット崩れ、及びドット崩れに対する極端な抑制が発生しない状態で、色の濃度が適度となる。
このような現象は、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとが同じ比較例の場合に顕著に表れる。スクリーンの点列を構成する点が一周目と二周目で同様の位置関係にあるからである。ドット崩れが発生しているドットの周囲のドットも同様に崩れ、またドット崩れに対する極端な抑制が発生しているドットの周囲のドットは同様に極端な抑制が発生する。すなわち、ドット崩れの発生が、ある面積を持って起こり、これによりその領域の濃度は高くなる。ドット崩れに対する極端な抑制も同様に、ある面積を持って起こるため、その領域の濃度は低くなる。
本第1実施形態では、制御部70は、スクリーンの角度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。
前述した比較例では、ドット崩れやドット崩れに対する極端な抑制が、ある面積を持って発生することで、濃度が高くなったり低くなったりしている。
しかし、スクリーンの角度を変えることで、ドット崩れやドット崩れに対する極端な抑制が単独のドットあるいは周囲の少数のドットに留まるようになり、ある面積を持って発生しなくなる。
図5にはスクリーンの角度を変えた状態が示されている。○の点列から構成されるスクリーン(転写ベルト一周目によって形成された帯電履歴に相当する)に対して、スクリーンの角度を変えることで、●の点列から構成されるスクリーン(転写ベルト二周目に形成されたトナードットに相当する)となる。このように、スクリーンの角度を変えることで、○の点と●の点の位置関係は常に変動し、○の点と●の点が重なる部分とずれる部分が交互に現れるようになる。
これにより、一つ一つのドットは崩れたり極端に抑制されたりするが、それらが交互に現れるため、全体としては色の濃度変動が抑制される。
図6には、搬送方向で200dpi(dot per inch)のスクリーンを用いて角度を変えた場合の濃淡周期がグラフで示されている。また、高体積抵抗率(1011Ωcm以上)の転写ベルト31を用いる場合を想定している。具体的には、縦軸はドット崩れとドット崩れに対する極端な抑制によって形成される色の濃淡周期〔mm〕とされ、横軸はスクリーンの変更角度〔度〕とされている。濃淡周期は○の点列(一周目スクリーンによる帯電履歴)と●の点列(二周目スクリーンによるトナードット)の干渉縞として現れる。したがって濃淡周期は計算で求めることができ、図6はその計算結果である。
最も濃淡差が顕著に表れる黒のハーフトーン画像では、濃淡周期が0.5〔mm〕以下になると、濃淡差が目視にて確認しづらくなり、濃淡周期が0.4〔mm〕以下になると濃淡差が目視にて確認困難となる。
このグラフから分かるように、スクリーンの変更角度15度〜75度の範囲で、濃淡周期が0.5〔mm〕以下となり、スクリーンの変更角度20度〜70度の範囲で、濃淡周期が0.4〔mm〕以下となる。これより、色の濃度変動を抑制する上で、スクリーンの変更角度については、15度〜75度が好ましく、20度〜70度がより好ましい。
(まとめ)
制御部70が、スクリーンの角度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。これにより、図6のグラフからも分かるように、転写ベルト31の帯電履歴に起因する色の濃度変動が抑制される。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について図11に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
本第2実施形態の制御部70は、スクリーンのドット密度(点密度)を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。
図11には、ドット密度を変えた場合の濃淡周期がグラフで示されている。また、高体積抵抗率(1011Ωcm以上)の転写ベルト31を用いる場合を想定している。具体的には、縦軸は色の濃淡周期〔mm〕とされ、横軸は搬送方向で200〔dpi〕を0とした際のドット密度の変更量とされている。例えば、ドット密度の変更量が−10%は、ドット密度を200〔dpi〕から180〔dpi〕に変更した場合を示し、ドット密度の変更量が+10%は、ドット密度を200〔dpi〕から220〔dpi〕に変更した場合を示す。
このグラフから分かるように、−20%(160〔dpi〕)以下、又は+35%(270〔dpi〕)以上で、濃淡周期が0.5〔mm〕以下となり、−25%(150〔dpi〕)以下、又は+45%(290〔dpi〕)以上で、濃淡周期が0.4〔mm〕以下となる。これより、色の濃度変動を抑制する上で、ドット密度の変更量を、−20%以下、又は+35%以上とするのが好ましく、−25%以下、又は+45%以上とするのがより好ましい。
(まとめ)
制御部70が、スクリーンのドット密度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。これにより、図11のグラフからも分かるように、転写ベルト31の帯電履歴に起因する色の濃度変動が抑制される。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
第3実施形態では、制御部70が、トナー画像形成部20K〜Vを稼働させ、全色の感光体ドラム21を転写ベルト31に接触させてカラーのトナー画像をシート部材Pに転写するようになっている(図9参照)。
そして、制御部70は、先に(一周目で)トナー画像形成部20K〜Vによって転写ベルト31の転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、次に(二周目で)転写ベルト31の周回方向において転写に用いられる中で最も上流側に配置されたトナー画像形成部20Vによってこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる。
これにより、トナー画像形成部20Vによって転写ベルト31に転写されるトナー画像における色の濃度変動が抑制される。
なお、トナー画像形成部20K〜Wによって転写ベルト31に転写されるトナー画像については、トナー画像形成部20K〜Wによって転写される転写ベルト31の部分は、トナー画像形成部20K〜Wによってトナー画像が転写ベルト31に転写される際に、既に転写ベルト31の周回方向の上流側に配置されたトナー画像形成部20Vを通過している。これにより、転写ベルト31のこの部分の帯電履歴が変えられているため、トナー画像形成部20K〜Wでトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンの変更は、濃度変動に与える影響は少ない。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の一例について図12に従って説明する。なお、第3実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
第4実施形態では、トナー画像形成部20K〜Wでトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンは特に規制されない。一般的には、20K〜Yまでは全て異なるスクリーンが用いられ、20Vと20Wは搭載された色によってスクリーンが選択される。
図12の上段には、トナー画像形成部20によって転写ベルト31に転写される複数のトナー画像150(第1トナー画像の一例)と、転写ベルト31に転写される後述するトナーパッチ154K〜V(第2トナー画像の一例)が示され、図12の下段には、転写ベルト31が周回することでトナー画像150が転写された転写領域152、及びトナーパッチ154K〜Vが転写された転写領域156K〜Vがどこに移動したのかが示されている。このように図12には、先にトナー画像、トナーパッチが転写ベルト31に転写される転写領域と、次にこの転写領域に転写されるトナー画像、トナーパッチとの関係が容易に分かるように模式的に転写領域等が示されている。また、ハッチングの相違は、トナーパッチを形成するのに用いたスクリーンが異なることを示している。
以下、トナーパッチ154について説明する。トナー濃度を調整するのに用いられる各色のトナーパッチ154K〜Vが各色のトナー画像形成部20K〜Vで形成されるようになっている。そして、このトナーパッチ154K〜Vは、転写ベルト31においてトナー画像150とトナー画像150との間(インターイメージ)に転写される。具体的には、転写ベルト31の搬送方向に対して直交する方向に異なる色のトナーパッチ154が2個転写される。
そして、制御部70は、転写ベルト31の周回方向において最も上流側に配置されたトナー画像形成部20Vによってトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、各色のトナーパッチ154を形成するのにトナー画像形成部20K〜Vによって用いられるスクリーンとを異ならせる。本実施形態では、各色のトナーパッチ154に用いられるスクリーンも互いに異なっている。
これにより、図12に示されるように、転写ベルト31の一周目で転写ベルト31にトナーパッチ154が転写された転写領域156が、転写ベルト31の二周目でトナー画像150の一部と重なっても(図中範囲F、範囲G)、トナー画像150における色の濃度変動が抑制される。
(まとめ)
制御部70が、トナー画像形成部20Vによってトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、各色のトナーパッチ154を形成するのにトナー画像形成部20K〜Vによって用いられるスクリーンとを異ならせる。これにより、トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンを異ならせることができない場合であっても、前述した図12に示す範囲F、範囲Gで、転写ベルト31の帯電履歴に起因する色の濃度変動が抑制される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、特に説明しなかったが、高体積抵抗率(1011Ωcm以上)の転写ベルト31を用いる場合に、二次転写ニップNTでの放電が顕著に抑制されるため、放電による白抜けなどの画像欠陥発生を防ぐことができる。
また、上記第3実施形態では、スクリーンを異ならせる方法について言及していないが、スクリーンの角度を変えても、スクリーンのドット密度を変えてもよい。
また、上記実施形態では特に説明しなかったが、中濃度から低濃度画像であるハーフトーン画像を出力する際に、前述した色の濃度変動を抑制する作用が顕著に現れる。
また、上記第4実施形態では、複数のトナー画像形成部20を稼働させたが、一つのトナー画像形成部20だけを稼働させる際(単色モード)には、稼働させるトナー画像形成部20でトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、トナーパッチを形成するのに用いるスクリーンとを異ならせればよい。
また、上記第1実施形態では、スクリーンが複数の点列から構成されたが、スクリーンが複数の線列から構成されてもよい。この場合には、スクリーンを構成する線列の角度を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせる。
また、上記第2実施形態では、スクリーンのドット密度(点密度)を変えることで、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンと、次にこの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いるスクリーンとを異ならせたが、スクリーンが複数の線列から構成されている場合には、スクリーンの線密度(単位面積当たりに線が占める面積)を変えてもよい。
また、上記第4実施形態では、トナー濃度を調整するために用いるトナーパッチを例にとって説明したが、トナーパッチが、図示せぬ感光体クリーナーや転写ベルトクリーナーの動作を安定させるために用いるもの、現像器内の現像剤の状態を良好に保つために用いるもの、又は各色の位置合わせをするために用いるもの等であってもよい。
また、上記実施形態では、タンデム方式の画像形成装置10を例にとって説明したが、ロータリー方式の画像形成装置に本願構成を用いてもよい。ロータリー方式の画像形成装置の場合であっても、先に転写ベルトの転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、転写ベルトが周回してトナー画像がシート部材Pに二次転写された後に転写領域に最初に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせればよい。
10 画像形成装置
20K〜V トナー画像形成部(画像形成部の一例)
31 転写ベルト(中間転写ベルトの一例)
33K〜V 一次転写ロール(一次転写部材の一例)
34 二次転写ロール(二次転写部材の一例)
70 制御部
102 トナー画像
104 トナー画像
106 トナー画像
108 トナー画像
110 トナー画像
112 転写領域
114 転写領域
116 転写領域
150 トナー画像
152 転写領域
154K〜V トナーパッチ
156K〜V 転写領域

Claims (6)

  1. スクリーンを用いてトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成されたトナー画像を周回する転写ベルトに転写する一次転写部材と、
    前記一次転写部材によって前記転写ベルトに転写されたトナー画像を記録媒体に転写する二次転写部材と、
    前記一次転写部材によってトナー画像が転写される前記転写ベルトの転写領域において、先に転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記転写ベルトが周回して前記トナー画像が記録媒体に二次転写された後に前記転写領域に最初に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる制御部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記スクリーンの点列又は線列の角度を変えることで、前記スクリーンを異ならせる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記スクリーンの点密度または線密度を変えることで、スクリーンを異ならせる請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成部は、色ごとに複数備えられ、
    複数の前記画像形成部は、前記転写ベルトの周回方向に沿って並んで配置され、
    前記制御部は、前記画像形成部によって形成されたトナー画像が前記一次転写部材によって転写される前記転写ベルトの転写領域において、先に前記転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記転写ベルトが周回して次に前記転写ベルトの周回方向において転写に用いる最も上流側に配置される前記画像形成部によって前記転写領域に転写されるトナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. スクリーンを用いて記録媒体に転写する用途で用いる複数の第1トナー画像と、スクリーンを用いて前記第1トナー画像と前記第1トナー画像との間に記録媒体に転写する以外の用途で用いる第2トナー画像と、を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成された前記第1トナー画像及び前記第2トナー画像を周回する転写ベルトに転写する一次転写部材と、
    前記一次転写部材によって前記転写ベルトに転写された前記第1トナー画像を記録媒体に転写する二次転写部材と、
    前記第1トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記第2トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンとを異ならせる制御部と、
    を備える画像形成装置。
  6. 色ごとに複数備えられ、周回する転写ベルトの周回方向に沿って並んで配置され、スクリーンを用いて記録媒体に転写する用途で用いる複数の第1トナー画像と、スクリーンを用いて前記第1トナー画像と前記第1トナー画像との間に記録媒体に転写する以外の用途で用いるための第2トナー画像とを形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成された前記第1トナー画像及び前記第2トナー画像を前記転写ベルトに転写する一次転写部材と、
    前記一次転写部材によって前記転写ベルトに転写された前記第1トナー画像を記録媒体に転写する二次転写部材と、
    前記転写ベルトの周回方向において転写に用いる最も上流側に配置された前記画像形成部によって前記第1トナー画像を形成するのに用いられるスクリーンと、前記第2トナー画像を形成するのに複数の前記画像形成部によって用いられるスクリーンとを異ならせる制御部と、
    を備える画像形成装置。
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