以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成を示している。
プリンタ10は、図1に示すように、画像処理装置100と画像出力装置200とを備え、コンピュータ20からの印刷データを受け付けた場合に、この印刷データを基に画像処理および画像形成処理を実施する。
画像処理装置100は、データ受付部110、記憶部120,150、PDL解釈部130、描画部140、画像データ解析部160および画像処理部170を有している。
データ受付部110は、コンピュータ20からの印刷データ例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータすなわちページ記述言語(以下「PDL」という)データを受け付け(取得し)、このPDLデータを記憶部120に保存する。
なお、コンピュータ20からの印刷データは、例えば、RGB色空間、L*a*b*色空間、CMY色空間、およびCMYK色空間の何れかの色空間で表現される画像データつまり印刷データである。
RGB色空間は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各色で構成される色空間を意味する。
L*a*b*色空間、画像出力装置などデバイスに依存しない色空間(均等色空間)であって、CIE L*a*b*表色系の色空間を意味する。CIEは国際照明印委員会を意味する。
CMY色空間は、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)およびイエロー(Yellow)の各色で構成される色空間を意味する。
CMYK色空間はシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)および黒(Black)の各色で構成される色空間を意味する。
PDL解釈部130は、記憶部120に記憶されたPDLデータを解釈し、この解釈した結果を描画部140へ出力する。
描画部140は、受け付けたPDLデータの解釈結果を基に描画にかかわる処理単位(例えばページ)ごとに描画処理を実施し、この描画処理の結果を記憶部150に保存する。また、描画部140は、処理単位の描画処理を終了した旨を画像データ解析部160および画像処理部170へ通知する。なお、描画部140による描画処理の結果(描画データ)は、ビットマップ形式(ラスタ形式)のデータ(画像データ)である。
なお、本実施の形態では、記憶部150には、処理単位としてのページ(1ページ)に対応するPDLデータにかかわる描画処理の結果(描画データ)に対する、後述する画像データ解析部160による予測処理が終了するまでは、次のページに対応するPDLデータにかかわる描画処理の結果(描画データ)は保存されないようになっている。
なお、実施の形態1では、描画部140は、PDLデータの解釈結果を基に、後述する画像データ解析部160による画像データ解析処理にかかわるデータ形式に適合するように、描画処理を実施するようになっている。
例えば、描画部140は、受け付けたPDLデータの解釈結果がRGB色空間で表現された画像データを意味している場合に、画像データ解析処理にかかわるデータ形式が、L*a*b*色空間で表現されるデータ(以下「L*a*b*データ」という)、CMY色空間で表現されるデータ(以下「CMYデータ」という)、およびCMYK色空間で表現されるデータ(以下「CMYKデータ」という)の何れかの色空間で表現されるデータのデータ形式のときは、前記RGB色空間で表現された画像データを、当該データ形式としての色空間で表現される画像データに変換(色変換)し、描画処理を実施する。
これに対し、受け付けたPDLデータの解釈結果がRGB色空間で表現された画像データを意味している場合に、画像データ解析処理にかかわるデータ形式がRGBデータのデータ形式の如く、PDLデータの解釈結果での色空間と画像データ解析処理にかかわるデータ形式での色空間とが同じときは、色変換は行われない。
画像データ解析部160は、予測手段、決定手段および更新手段の各機能を有しており、描画処理を終了した旨の通知を受け付けると、記憶部150に記憶されている描画データ(ビットマップデータ)について、画像データ解析処理にかかわる予め設定されるデータ形式(所定の色空間で表現されるデータのデータ形式)に従って、後述する画像欠陥事象が発生するか否かを画像データ解析し、画像欠陥事象の発生の予測処理を実施する。
上記画像データ解析処理にかかわる予め設定されるデータ形式には、例えば、RGBデータ、L*a*b*データ、CMYデータ、およびCMYKデータの何れかのデータのデータ形式が含まれる。
なお、本実施の形態1では、画像データ解析部160は、記憶部150に記憶されている当該描画データに対して予測処理を実施するようにしているが、当該描画データを記憶部150における当該描画データが記憶されている記憶領域とは異なる記憶領域に展開(保存)した後、この展開(保存)した描画データに対して予測処理を実施するようにしてもよい。
さて、画像データ解析部160予測手段、決定手段および更新手段の各機能について説明する。
予測手段は、第1の画像と該第1の画像よりも副走査方向の下流に位置する第2の画像とを含む所定の画像データについて、前記第1の画像の色の濃度情報と前記第2の画像の色の濃度情報とに基づき、前記第1の画像に対応する画像の少なくとも一部の画像が前記第2の画像に含まれることに起因して画像欠陥事象が発生することを予測する機能を有している。
また、予測手段は、前記所定の画像データに対応する静電潜像が形成される像担持体の回転方向の周囲の長さの正の整数倍の長さに対応する距離をもって位置する前記第1の画像および前記第2の画像が前記所定の画像データに含まれ、かつ前記第1の画像の少なくとも一部の画像にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報が前記第2の画像にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報に含まれる場合に、前記2つの画像の色の濃度情報を基に前記画像欠陥事象が発生することを予測する機能有している。
さらに、予測手段は、画像形成処理を実施する画像形成手段の周囲および内部のうち少なくとも一方の環境に関する情報、前記画像形成手段による画像形成処理の結果が印刷される用紙の紙質に関する情報、および前記画像形成手段の経時特性に関する情報のうち少なくとも1つの情報と、前記第1の画像に関する情報(色の濃度情報など)と、前記第2の画像に関する情報(色の濃度情報など)とに基づき、画像欠陥事象が発生することを予測する機能を有している。
実施の形態1では、「第1の画像の少なくとも一部の画像にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報が第2の画像にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報に含まれる場合」とは、第1の画像の少なくとも一部の画像に対応する1ラインのデータにおける先頭の画素の位置(X方向の位置)を示す画素位置と最後の画素の位置(X方向の位置)を示す画素位置との間の画素位置の範囲(1つのラインにおける複数の画素にかかわる画素位置の範囲つまりX方向の画素位置の範囲)を示す位置情報を意味する。
また、「像担持体の回転方向の周囲の長さ」とは、例えば「円筒状の回転体である感光体(感光体ドラム)の外円(静電潜像が形成される面)の円周の長さ」、を意味する。
ここで、像担持体の回転方向の周囲の長さ(以下「像担持体の周長」という)の正の整数倍の長さに対応する距離をもって第1の画像と第2の画像とが所定の画像データに含まれる場合について、図2〜図5の具体例を参照して説明する。
図2に示すように、所定の画像データ300は、8ビットのデータ(256階調)で表現され、高濃度(例えば黒色の256階調値=100%)の画像301と、低濃度(例えば黒色の76階調値=30%)の画像302と、を含んでいる。
上記第2の画像に相当する画像302は、上記第1の画像に相当する画像301よりも副走査方向の下流に位置している。また、画像301と画像302とは、像担持体の周長の正の整数倍(この例では1倍)の長さに対応する距離をもって位置している。さらに、画像301にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報(X方向の位置情報)は画像302にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報(X方向の位置情報)に含まれている。
図3に示すように、所定の画像データ310は、8ビットのデータ(256階調)で表現され、白抜き文字および高濃度背景(例えば黒色の256階調値=100%)の画像311と、低濃度(例えば黒色の76階調値=30%)の画像312と、を含んでいる。
上記第2の画像に相当する画像312は、上記第1の画像に相当する画像311よりも副走査方向の下流に位置している。また、画像311と画像312とは、像担持体の周長の正の整数倍(この例では1倍)の長さに対応する距離をもって位置している。さらに、画像311にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報(X方向の位置情報)は画像322にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報(X方向の位置情報)に含まれている。
図4に示すように、所定の画像データ320は、8ビットのデータ(256階調)で表現され、高濃度(例えば黒色の256階調値=100%)の画像321と、低濃度(例えば黒色の128階調値=50%)の画像322と、低濃度(例えば黒色の76階調値=30%)の画像323と、を含んでいる。
上記第2の画像に相当する画像322および画像323は、上記第1の画像に相当する画像301よりも副走査方向の下流に位置している。また、画像321と画像222とは、像担持体の周長の正の整数倍(この例では1倍)の長さに対応する距離をもって位置し、一方、画像321と画像223とは、像担持体の周長の正の整数倍(この例では2倍)の長さに対応する距離をもって位置している。さらに、画像321にかかわる主走査方向の位置を示す位置情報(X方向の位置情報)は、画像322および画像323のそれぞれにかかわる主走査方向の位置を示す位置情報(X方向の位置情報)に含まれている。
図5に示すように、所定の画像データ330は、8ビットのデータ(256階調)で表現され、1ページ目のページに対応する画像データ331と2ページ目のページに対応する画像データ332とで構成されているものとする。
画像データ331には、高濃度(例えば黒色の256階調値=100%)の画像331a、低濃度(例えば黒色の76階調値=30%)の画像331b、および高濃度(例えば青色の256階調値=100%)の画像331cが含まれている。
上記第2の画像に相当する画像331bは、上記第1の画像に相当する画像331aよりも副走査方向の下流に位置している。また、画像331aと画像331bとは、像担持体の周長の正の整数倍(この例では1倍)の長さに対応する距離をもって位置している。
画像データ332には、低濃度(例えば青色の76階調値=30%)の画像332aが含まれている。
ところで、実施の形態1では、先行するページに対応する用紙の後端部と直後のページに対応する用紙の先端部との間のギャップつまり用紙間ギャップは、画像出力装置200によって予め設定されるギャップとなるように制御される。
従って、1ページ目のページに対応する画像データ331に基づく画像と2ページ目のページに対応する画像データ332に基づく画像とは、図5に示すように、用紙間ギャップGだけ離れた状態の画像と同等であると言える。
そのため、上記第2の画像に相当する画像332aは、上記第1の画像に相当する画像331cよりも副走査方向の下流に位置している。また、画像332aと画像331cとは、上記用紙間ギャップGを含んだ状態で、像担持体の周長の正の整数倍(この例では1倍)の長さに対応する距離をもって位置している。
なお、図2〜図5を参照して分かるように、第1の画像と第2の画像との位置関係に注目した場合、第1の画像は副走査方向の上流に位置する画像であり、第2の画像は副走査方向の下流に位置する画像であると言える。
上述したようにゴーストの発生を予測する機能を有する予測手段は、次の(1)〜(4)の各条件のうち少なくとも1つの条件に適合したときは、ゴーストが発生すると予測する。
(1)第1の画像(上流に位置する画像)にかかわる色の濃度情報が第1の許容範囲に包含され、かつ第2の画像(下流に位置する画像)にかかわる色の濃度情報が第2の許容範囲に包含される。なお、第1の許容範囲を示す情報および第2の許容範囲を示す情報は、例えばROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)などの記憶手段に記憶され、画像データ解析部160によって該記憶手段から読み出される。
(2)第1の画像(上流に位置する画像)の領域の面積または第2の画像(下流に位置する画像)の領域の面積が所定の閾値以上のとき。なお、所定の閾値を示す情報は、例えばROMなどの記憶手段に記憶され、画像データ解析部160によって該記憶手段から読み出される。
(3)第1の画像(上流に位置する画像)の領域と第2の画像(下流に位置する画像)の領域とが重なる領域の面積が所定の閾値以上のとき。なお、所定の閾値を示す情報は、例えばROMなどの記憶手段に記憶され、画像データ解析部160によって該記憶手段から読み出される。
(4)第1の画像(上流に位置する画像)のコントラストと第2の画像(下流に位置する画像)のコントラストとの差が所定の規定値以上のとき。なお、所定の規定値を示す情報は、例えばROMなどの記憶手段に記憶され、画像データ解析部160によって該記憶手段から読み出される。
さて、決定手段は、上記予測手段によって画像欠陥事象が発生することが予測されたときは、画質に関する複数の要素情報の中から更新対象の要素情報を決定する。
更新手段は、上記決定手段によって決定された要素情報の要素内容を所定の要素内容に更新する。
本実施の形態1では、「画像欠陥事象」とは、「画像のディフェクト(不具合、欠陥)の1つである「ゴースト」、を意味する。これ以降の説明においては、画像欠陥事象をゴーストとして説明する。
また、「画質に関する複数の要素情報」とは、「画像処理にかかわる要素情報および画像形成処理にかかわる要素情報」、すなわち「画像形成処理にかかわるパラメータ(要素情報)および画像処理にかかわるパラメータ(要素情報)を含むパラメータ」、を意味する。
さらに、「更新対象の要素情報」とは、「画像処理にかかわるパラメータ(要素情報)および画像形成処理にかかわるパラメータ(要素情報)のうち少なくとも何れか一方の要素情報(パラメータ)」、を意味する。
これ以降の説明においては、画像処理にかかわる要素情報および画像形成処理にかかわる要素情報の各要素情報を、パラメータとして説明する。
なお、画像処理にかかわるパラメータには、例えば、色変換に関する色パラメータ、階調に関する階調パラメータ、網点(スクリーン)に関する網点(スクリーン)パラメータが含まれる。
一方、画像形成処理にかかわるパラメータには、例えば、帯電に関する帯電パラメータ、露光に関する露光パラメータ、現像に関する現像パラメータ、転写に関する転写パラメータが含まれる。
実施の形態1では、「ゴースト(画像欠陥事象)が発生するか否かを示す情報」を「ディフェクト発生予測フラグ情報」と定義する。このディフェクト発生予測フラグ情報は、「0」、「1」、「2」などの複数のフラグ値(複数のレベル)で表現可能になっている。これら各フラグ値のうち何れかのフラグ値を意味するディフェクト発生予測フラグ情報は、画像処理にかかわるパラメータおよび画像形成処理にかかわるパラメータに対して付与されるようになっている。
なお、フラグ値「0」の場合にはゴーストが発生しない旨を示し、フラグ値「1」またはフラグ値「2」の場合はゴーストが発生する旨を示すように設定されている。フラグ値「2」はフラグ値「1」に比べて、よりゴーストが発生しやすい条件であると予測された結果であり、よって、フラグ値「2」のときは、フラグ値「1」の場合と比較して、対応するパラメータの変更量(変位量)が大きくなるように設定される。つまり、「フラグ値「2」の場合のパラメータの変更量」>「フラグ値「1」の場合のパラメータの変更量」の関係が成立するようになっている。
実施の形態1では、「上記決定手段によって決定された要素情報の要素内容を所定の要素内容に更新」とは、「ゴーストが発生するか否かを示す情報つまりディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値を、ゴーストが発生しない旨を示す「0」から、ゴーストが発生する旨を示す例えば「1」または「2」に更新」、することを意味する。
これは、ゴーストが発生する旨を意味するディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値「1」またはフラグ値「2」を基に、更新対象のパラメータの設定内容が更新されることを意味すると言える。
予測手段、決定手段および更新手段の各機能を有する画像データ解析部160は、上述したようにしてゴースト(画像欠陥事象)の発生の予測処理を実施し、この予測処理の結果に応じて、ディフェクト発生予測フラグを、画像処理部170および画像出力装置200に向けて出力する。
画像処理部170に対しては、画像処理にかかわるパラメータに対応するディフェクト発生予測フラグ情報(以下「第1のディフェクト発生予測フラグ情報」という)が出力される。一方、画像出力装置200に対しては、画像形成処理にかかわるパラメータに対応するディフェクト発生予測フラグ情報(以下「第2のディフェクト発生予測フラグ情報」という)が出力される。
ここで、第1および第2のディフェクト発生予測フラグ情報の詳細について、図6を参照して説明する。
第1および第2のディフェクト発生予測フラグ情報は、それぞれ上述した各パラメータの変更を指示するためのフラグであるので、パラメータ変更指示フラグ情報であると言ええる。
そこで、実施の形態1では、パラメータに対応して設定されるディフェクト発生予測フラグ情報をパラメータ変更指示フラグ情報と定義する。
図6に示すように、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610は、色パラメータに対応し、変更対象のパラメータであるか否かを示す色パラメータ変更指示フラグ1611と、階調パラメータに対応し、変更対象のパラメータであるか否かを示す階調パラメータ変更指示フラグ1612と、網点パラメータに対応し、変更対象のパラメータであるか否かを示す網点パラメータ変更指示フラグ1613とを含んでいる。
一方、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620は、図7に示すように、帯電パラメータに対応し、変更対象のパラメータであるか否かを示す帯電パラメータ変更指示フラグ1621と、露光パラメータに対応し、更新のパラメータであるか否かを示す露光パラメータ変更指示フラグ1622と、現像パラメータに対応し、変更対象のパラメータであるか否かを示す現像パラメータ変更指示フラグ1623と、転写パラメータに対応し、変更対象のパラメータであるか否かを示す転写パラメータ変更指示フラグ1624とを含んでいる。
上述した各パラメータ変更指示フラグを1ビットのデータで表現するようにする場合では、そのフラグは、例えば「0」のときは「パラメータの変更なし」、「1」のときは「パラメータの変更あり、かつ変更内容」を意味するようする。
また上記各パラメータ変更指示フラグを複数のビットのデータで表現するようにする場合は、そのフラグは、例えば「0」のときは「パラメータの変更なし」、「1」のときは「パラメータの変更あり、かつ第1の変更内容」、「2」のときは「パラメータの変更あり、かつ第2の変更内容」を意味するようにする。
再度、図1を参照して説明する。画像処理装置100において、画像処理部170は、色変換部171、階調補正部172および網点生成部173を有しており、画像データ解析部160からの第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を基に色パラメータ、階調パラメータおよびスクリーン(網点)パラメータを変更するとともに、この変更処理後の色パラメータ、階調パラメータおよび網点パラメータを基に、受け付けた画像データ(描画データ)に対する色変換処理、階調補正処理および網点生成処理を実施する。
また、画像処理部170は、画像処理が終了した画像データを、画像出力装置200に向けて出力する。なお、画像処理部170の詳細については後述する。
画像出力装置200は、画像出力装置制御部210、パラメータ設定部220および画像形成部230を有している。
画像出力装置制御部210は、画像処理装置100の画像処理部170からの第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を基に、変更対象のパラメータである旨を意味するフラグに対応するパラメータに関してそのパラメータの内容を変更するようにパラメータ設定部220を制御する。
また、画像出力装置制御部210は、画像処理部170からの画像データを画像形成部230へ出力するとともに、画像形成処理にかかわるパラメータに関してパラメータの変更がない場合、あるいは変更対象のパラメータが存在した場合に後述するパラメータ設定部220からの変更処理が終了した旨の通知を受け取った場合は、画像形成処理を開始すべき旨の命令(画像形成処理開始命令)を画像形成部230へ出力する。
また、画像出力装置制御部210は、画像形成処理を実施する画像形成手段の機能を果たす画像形成部230の少なくとも周囲の環境に関する情報、画像形成部230による画像形成処理の結果が印刷される用紙の紙質に関する情報、および画像出力装置200の経時特性に関する情報(詳しくは画像形成部230の経時特性に関する情報)のうち少なくとも1つの情報を、画像処理装置100の画像データ解析部160に向けて出力する。
さらに、画像出力装置制御部210は、先行するページに対応する用紙の後端部と直後のページに対応する用紙の先端部との間のギャップつまり用紙間ギャップが、予め設定されるギャップとなるように制御する。
本願明細書では、画像形成処理を実施する画像形成手段の機能を果たす画像形成部230の少なくとも周囲の環境に関する情報を「環境情報」と定義し、画像形成部230による画像形成処理の結果が印刷される用紙の紙質に関する情報を「紙質情報」と定義し、画像出力装置200の経時特性に関する情報、詳しくは画像形成部230の経時特性に関する情報を「経時特性情報」と定義する。
パラメータ設定部220は、画像形成処理にかかわるパラメータを管理する機能を有するものであり、画像出力装置制御部210の制御に従って変更対象の画像形成処理にかかわるパラメータを変更するとともに、この変更処理が終了した旨を画像出力装置制御部210へ通知する。なお、パラメータ設定部220の詳細については後述する。
画像形成部230は、画像形成手段の機能を有しており、上記画像形成処理開始命令に従って、パラメータ設定部220によって管理されている画像形成処理にかかわるパラメータ、および受け付けた画像データに基づいて画像形成部処理を実行し、この画像形成処理の結果としての印刷出力結果(画像が印刷された用紙)を出力する。
図8は、画像処理装置100の画像処理部170および画像出力装置200のパラメータ設定部220の詳細な構成を示している。
図8に示す画像処理部170において、色変換部171は色パラメータ設定部171aおよび色パラメータ記憶部171bを有し、また階調補正部172は階調パラメータ設定部172aおよび階調パラメータ記憶部172bを有し、さらに網点生成部173は網点パラメータ設定部183aおよび網点パラメータ記憶部173bを有している。
色パラメータ記憶部171b、階調パラメータ記憶部172bおよび網点パラメータ記憶部173bには、それぞれデフォルト値としての色パラメータ、階調パラメータおよび網点パラメータが記憶されている。なお、デフォルト値としては、高画質(高精細および高階調を含む画質)の画像が出力されるべくパラメータ値が設定される。
色変換部171、階調補正部172および網点生成部173は、それぞれ第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を参照して、自己が管理するパラメータが変更対象のパラメータであるか否かを判断し、変更対象のパラメータであると判断したときは、配下にあるパラメータ記憶部の記憶内容(パラメータ)を変更する。
なお、上記各パラメータ記憶部においては、変更対象のパラメータではないと判断されたときは、配下にあるパラメータ記憶部の記憶内容(パラメータ)はそのままとなる(パラメータの変更は行われない)。
すなわち、色変換部171は、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の色パラメータ変更指示フラグ1611を参照して、色パラメータが変更対象のパラメータであるか否かを判断し、変更対象のパラメータであると判断した場合は、色パラメータ設定部171aに対し色パラメータの変更処理を依頼する。
色パラメータ設定部171aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき、色パラメータ記憶部171bの記憶内容を変更する。
そして、色変換部171は、描画部140からの画像データに対し、色パラメータ記憶部171bの記憶内容(色パラメータ)に基づいて色変換処理を実施するとともに、色変換処理後の画像データおよび第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を階調補正部172へ出力する。
ちなみに、色変換部171は、受け付けた画像データがRGBデータまたはL*a*b*データで表現されている場合に、色パラメータを基に、当該色空間での画像データを、印刷出力に適した色空間つまりCMY色空間あるいはCMYK色空間で表現される画像データに変換(色変換)する。これに対し、色変換部171は、受け付けた画像データがCMYデータあるいはCMYKデータで表現されている場合は、色変換することなく、当該画像データを次の階調補正部172へ出力する。
階調補正部172は、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612を参照して、階調パラメータが変更対象のパラメータであるか否かを判断し、変更対象のパラメータであると判断した場合は、階調パラメータ設定部172aに対し階調パラメータの変更処理を依頼する。
階調パラメータ設定部172aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容を変更する。
そして、階調補正部172は、色変換部171からの画像データ(色変換処理後の画像データ)に対し、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容(階調パラメータ)に基づいて階調処理を実施するとともに、階調処理後の画像データおよび第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を網点生成部173へ出力する。
網点生成部173は、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の網点パラメータ変更指示フラグ1613を参照して、網点パラメータが変更対象のパラメータであるか否かを判断し、変更対象のパラメータであると判断した場合は、網点パラメータ設定部173aに対し色パラメータの変更処理を依頼する。
網点パラメータ設定部173aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき、網点パラメータ記憶部173bの記憶内容を変更する。
そして、網点生成部173は、階調補正部172からの画像データ(階調処理後の画像データ)に対し、網点パラメータ記憶部173bの記憶内容(網点パラメータ)に基づいて網点生成処理(スクリーン処理)を実施するとともに、網点生成処理後の画像データを画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する。
画像出力装置200において、パラメータ設定部220は、図8に示すように、帯電パラメータ設定部221aおよび帯電パラメータ記憶部221bと、現像パラメータ設定部222aおよび現像パラメータ記憶部222bと、転写パラメータ設定部223aおよび転写パラメータ記憶部222bとを有している。
帯電パラメータ記憶部221b、現像パラメータ記憶部222bおよび転写パラメータ記憶部223bには、それぞれデフォルト値としての帯電パラメータ、現像パラメータおよび転写パラメータが記憶されている。なお、デフォルト値としては、高画質(高精細および高階調を含む画質)の画像が出力されるべくパラメータ値が設定される。
ところで、画像出力装置制御部210は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を参照して、変更対象のパラメータが存在するか否かを判断し、変更対象のパラメータが存在する場合は、該当するパラメータにかかわるパラメータ設定部に対しパラメータの変更処理を依頼する。
ここで、フラグ(1ビットまたは複数ビットのデータ表現のフラグ)が例えば「0」を示している場合には、このフラグに対応するパラメータは変更対象のパラメータではないと判断され、一方、このフラグが「0」以外の値例えば「1」を示している場合は、このフラグに対応するパラメータは変更対象のパラメータでると判断される。
すなわち、帯電パラメータ設定部221aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき帯電パラメータ記憶部221bの記憶内容を変更するとともに、この変更処理が終了したときは、その旨を画像出力装置制御部210へ通知する。
露光パラメータ設定部222aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき露光パラメータ記憶部222bの記憶内容を変更するとともに、この変更処理が終了したときは、その旨を画像出力装置制御部210へ通知する。
現像パラメータ設定部223aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき現像パラメータ記憶部223bの記憶内容を変更するとともに、この変更処理が終了したときは、その旨を画像出力装置制御部210へ通知する。
転写パラメータ設定部224aは、パラメータの変更処理の依頼があったときは、予め設定される変更量に基づき転写パラメータ記憶部224bの記憶内容を変更するとともに、この変更処理が終了したときは、その旨を画像出力装置制御部210へ通知する。
なお、上記各パラメータ記憶部においては、変更対象のパラメータではないと判断されたときは、その記憶内容(パラメータ)はそのままとなる(パラメータの変更は行われない)。
そして、画像出力装置制御部210は、パラメータの変更処理を依頼した全てのパラメータ変更部からの変更処理が終了した旨の通知を受け取った場合は、画像処理装置100の画像処理部170(の網点生成部173)からの画像データ(色変換処理、階調処理および網点生成処理が終了した画像データ)とともに画像形成処理開始命令を画像形成部230へ出力する。
その画像形成処理開始命令を受け付けた画像形成部230は、パラメータ設定部220の帯電パラメータ記憶部221b、露光パラメータ記憶部222b、現像パラメータ記憶部223bおよび転写パラメータ記憶部224bに記憶されている各パラメータ、および受け付けた画像データに基づいて、帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセスおよび転写プロセスを含む電子写真プロセス、いわゆる画像形成処理を実施する。
図9は、画像形成部230の詳細な構成を示している。
画像形成部230は、図9に示すように、像担持体としての感光体231、感光体231の表面を所定の極性の電位に帯電させる帯電手段としての帯電装置232、帯電された感光体231に向けて画像データに対応する露光光を照射する露光手段としての露光装置233、感光体231に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を与えて現像する現像手段としての現像装置234、感光体231に形成されたトナー像を用紙に転写させる転写手段としての転写装置235、トナー像が転写された用紙に対し熱および圧力を与えてトナー像を定着させる定着手段としての定着装置236、および感光体231の周面上の残留トナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置237を備えている。
また、画像形成部230は、画像形成制御部241、複数の電源供給部242,243,244を有している。
電源供給部242、電源供給部243および電源供給部244は、それぞれ帯電装置232、現像装置234および定着装置235に対して所定の電源電圧(バイアス電圧)を供給する。
画像形成制御部241は、パラメータ設定部220の帯電パラメータ記憶部221b、露光パラメータ記憶部222b、現像パラメータ記憶部223bおよび転写パラメータ記憶部224bのそれぞれからパラメータを読み出すとともに、該読み出した各パラメータに従って、帯電装置232に対する帯電にかかわる制御、露光装置233に対する露光にかかわる制御、現像装置234に対する現像にかかわる制御、および転写装置235に対する転写にかかわる制御を行う。
例えば、画像形成制御部241は、現像パラメータ記憶部222bから読み出した現像パラメータを基に、現像にかかわる制御として、電源供給部242が帯電装置232に対して供給すべき電源電圧(バイアス電圧)が、帯電パラメータに基づく電源電圧(バイアス電圧)になるように電源供給部242を制御する。
同様に、画像形成制御部241は、電源供給部243および電源供給部244に対しても、それぞれが供給すべき電源電圧(バイアス電圧)が、該当するパラメータに基づく電源電圧(バイアス電圧)になるように制御される。
なお、本実施の形態1では、画像処理装置100において、PDL解釈部130、描画部140、画像データ解析部160、および画像処理部170(色変換部171、階調補正部172および網点生成部173)は、それぞれの機能を実現させるためのプログラム(ソフトウェア)、および後述する処理手順に対応するプログラム(ソフトウェア)を含む所定のプログラム(画像処理プログラム)を、中央演算処理装置やプロセッサなど制御手段が実行することにより実現される。
ただし、色パラメータ記憶部171b、階調パラメータ記憶部172bおよび網点パラメータ記憶部173bは、例えば、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)などのメモリで実現される。
また、データ受付部110は、例えば、データの送受信機能を通信インタフェースなど通信装置で実現される。
なお、これ以降の説明においては、例えば感光体231の周長など像担持体の周長を、「ドラムピッチ」と定義する。
次に、プリンタ10による印刷処理について、図10を参照して説明する。
図10は、その印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
プリンタ10では、最初に、画像処理装置100の描画部140は、PDL解釈部130からのPDLデータの解釈結果を基に処理単位(ページ)に対応するPDLデータの描画処理を実施し、そのページに対応する描画データ(画像データ)を記憶部150に記憶するとともに、当該描画データ(画像データ)を画像処理部170へ出力し、さらに、当該描画処理が終了した旨を画像データ解析部160へ通知する。
描画処理が終了した旨の通知を受け付けた画像データ解析部160は、記憶部150に記憶されている該当する処理単位(ページ)の描画データ(画像データ)について、画像データの解析、および該解析した結果に基づくゴースト発生予測処理など画像データ解析処理を実施する(ステップS10)。
画像データ解析部160は、ゴースト発生予測処理の結果を基に、画像処理にかかわるパラメータに対応する第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610(図6参照)、および画像形成処理にかかわるパラメータに対応する第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620(図7参照)のうち少なくとも一方のディフェクト発生予測フラグ情報を生成する。
画像データ解析部160は、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を生成した場合には、当該フラグ情報を画像処理部170に向けて出力し、一方、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を生成した場合には、当該フラグ情報を画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する。
また、画像データ解析部160は、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610または第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を生成しなかった場合は、生成しなかったフラグ情報に対応するパラメータに基づき所定の処理を実施する画像処理部170または画像出力装置制御部210に対し、パラメータの変更は無しの旨を通知する。
画像処理部170では、受け付けた第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を基に画像処理にかかわるパラメータを変更する。
具体的には、色パラメータ設定部171a、階調パラメータ設定部172aおよび網点生成部173aのうち、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の「0」以外の値を示しているフラグに対応するパラメータを管理するパラメータ設定部が、当該変更処理対象のパラメータが記憶されているパラメータ記憶部の記憶内容を、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の該当するパラメータ変更指示フラグに基づくパラメータ内容に変更する。
これに対し、画像処理部170が「パラメータの変更は無しの旨」の通知を受け付けたときは、各パラメータ記憶部の記憶内容(パラメータ)は変更されず、そのままの状態になる。
次に、上述したようにしてパラメータの変更処理を終了した画像処理部180は、色パラメータ記憶部171b、階調パラメータ記憶部172bおよび網点パラメータ記憶部173bから読み出した各記憶内容(パラメータ)と、受け付けた画像データとに基づき画像処理を実施するとともに(ステップS20)、該画像処理後の画像データを画像出力装置200の画像出力装置制御部210へ出力する。
画像出力装置200では、画像出力装置制御部210が、受け付けた第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を基に、変更処理対象のパラメータについてパラメータを変更するようにパラメータ設定部220を制御するとともに、受け付けた画像データを画像形成部230へ出力する。
パラメータ設定部220は、画像出力装置制御部210の制御に従って、当該変更処理対象のパラメータが記憶されているパラメータ記憶部の記憶内容を、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の中の該当するパラメータ変更指示フラグに基づくパラメータ内容に変更する。
具体的には、帯電パラメータ設定部221a、露光パラメータ設定部222a、現像パラメータ設定部223aおよび転写パラメータ設定部224aのうち、パラメータの変更を依頼されたパラメータ設定部が、第3のディフェクト発生予測フラグ情報1620における画像出力装置制御部210から渡されるパラメータ変更指示フラグ情報を基に、配下のパラメータ記憶部の記憶内容(パラメータ)を変更する。
これに対し、画像出力装置制御部210が「パラメータの変更は無しの旨」の通知を受け付けたときは、各パラメータ記憶部の記憶内容(パラメータ)は変更されず、そのままの状態になる。
一方、画像形成部230では、画像形成処理にかかわるパラメータつまり帯電パラメータ記憶部221b、露光パラメータ記憶部222b、現像パラメータ記憶部223bおよび転写パラメータ224bから読み出した各パラメータと、受け付けた画像データとに基づき画像形成処理を実施する(ステップS30)。この画像形成処理の結果つまり印刷結果として、画像が印刷された用紙が出力される(ステップS40)。
次に、画像データ解析部160による画像データ解析処理について、図11を参照して説明する。
図11、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(7)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)1画素単位で解析。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインから順次解析する。
(3)1面(1ページ)に対応する画像データを解析する。
(4)RGBデータで解析する。
(5)画素単位で、ゴースト発生側の色範囲G1およびゴースト受け側の色範囲R1を基づきフラグを一次設定し、1ページ内でのフラグを累積カウントし、フラグを最終設定する。
(6)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」および「1」とし、ディフェクト発生予測フラグは2段階のレベルとする。
(7)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図12に示す色許容範囲情報1200が記憶されている。この色許容範囲情報1200と解析対象の画素の画素値(階調値)とを基に画像データ解析処理が実施される。
図12において、ゴースト発生側の画像の色範囲G1は上述した第1の許容範囲を示し、ゴースト受け側の画像の色範囲R1は上述した第2の許容範囲を示している。
色範囲G1(第1の許容範囲)は、RGBデータの各色つまりR(赤色)、G(緑色)およびB(緑色)を8ビットのデータ(256階調)で表現した場合に、R(赤色)、G(緑色)およびB(緑色)それぞれの色(以下「RGB色」という)の値(階調値)が「0」〜「50」に設定されている。
一方、色範囲R1(第2の許容範囲)は、RGBデータ(256階調)のRGB色の各色の値(階調値)が「100」〜「200」に設定されている。
なお、画像データ解析処理において色範囲R1および色範囲G1を採用するようにしているのは、ゴースト発生側の画像の濃度(階調)が第1の閾値(例えば「50」)よりも高く、かつゴースト受け側の画像の濃度が第2の閾値(例えば「200」)よりも低い場合にゴーストが発生するため、解析対象の画像(の画素)にかかわる色の色情報(階調値)と色範囲R1および色範囲G1とを比較して、ゴーストが発生するか否かを予測するためである。
さて、画像データ解析部160は、記憶部150に記憶されている処理単位(ページ)の描画データ(画像データ)を取得し、この取得した1ページに対応する描画データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンし(ステップS101)、画像データ解析を実施する。
画像データ解析部160は、解析対象の画素に関する画素データを解析した結果つまり画素値(階調値あるいは濃度値)を「Gdata」と定義し、その後、上記記憶手段から色許容範囲情報1200を読み出すとともに、解析対象の画素の画素データGdataおよび色許容範囲情報1200の中の色範囲G1(RGB色の各色の階調値「0」〜「50」)に基づき、「Gdata≧G1」の関係式が成立するか否かを判断する(ステップS102)。
ステップS102においては、第1の画像にかかわる画像に関する画素データ(ゴースト発生側の画像に関する画素データ)の色情報を解析していることになる。
画像データ解析部160は、ステップS102において上記関係式が成立すると判断した場合は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)を解析する(ステップS103)。
ステップS103においては、第2の画像にかかわる画像に関する画素データ(ゴースト受け側の画像に関する画素データ)の色情報を解析していることになる。
画像データ解析部160は、ステップS103での画像データ解析処理の結果つまり画素値(階調値あるいは濃度値)を「Rdata」と定義し、その後、前記画像対象の画素の画像データRdata、および上記色許容範囲情報1200の中の色範囲R1(RGB色の各色の階調値「100」〜「200)に基づき、「Rdata≧R1」の関係式が成立するか否かを判断する(ステップS104)。
画像データ解析部160は、上記関係式が成立すると判断した場合は、当該解析対象の画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「1」に設定(一次設定)し(ステップS105)、フラグ値「1」の数をカウントする(ステップS106)。
ここで、図12に示す色許容範囲情報1200、画素データGdataおよび画素データRdataに基づき設定(決定)されるフラグは、RGB色の色ごとに、例えば図13に示す一次設定フラグ情報1300の内容となる。
例えば、画素データGdataが階調値「50」を示し、画素データRdataが階調値「50」を示しているときは、フラグはフラグ値「0」となる。また、画像データGdataが階調値「50」を示し、画素データRdataが階調値「150」を示しているときは、フラグはフラグ値「1」となる。
さて、画像データ解析部160は、ステップS102において関係式が不成立であると判断した場合、ステップS104において関係式が不成立であると判断した場合、当該解析対象の画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「0」に設定(一次設定)し(ステップS107)、その後、ステップS106に進む。このステップS106においては、設定されたラグ値「0」の数がカウント、換言すればフラグ値「0」が設定された画素の数がカウントされる。
ステップS106を終了した画像データ解析部160は、解析終了位置であるか否かを判断し(ステップS108)、ここで、解析終了位置ではないと判断した場合には、次の画素(次のライン)の画像データ解析処理を実施すべく上記ステップ101へ戻る。
これに対し、ステップS108において解析終了位置であると判断した画像データ解析部160は、フラグ値「1」の累積のカウント数(累積カウント値)が、予め設定される所定のカウント数N以上であるか否かを判断し(ステップS109)、フラグ値「1」の累積のカウント数が所定のカウント数N未満の場合には、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「0」を設定し(ステップS110)、一方、フラグ値「1」の累積のカウント数が所定のカウント数N以上の場合は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「1」を設定する(ステップS111)。
ここで、一次設定されたフラグのフラグ値「0」と該フラグ値にかかわる累積のカウント数との対応関係で決定される最終的なフラグ、および一次設定されたフラグのフラグ値「1」と該フラグ値にかかわる累積のカウント数との対応関係で決定される最終的なフラグは、例えば図14に示す最終設定フラグ情報1400の内容となる。この例では、所定のカウント数Nは1×106に設定されている。
実施の形態1では、ゴーストはゴースト発生側の画像の面積あるいはゴースト受け側の画像の面積が所定の面積よりも広い場合に発生するので、累積のカウント数(つまりフラグ値「1」に対応する画素の累積のカウント数)を「面積の大きさ」として採用し、「所定のカウント数N」を「所定の面積」として採用している。
そして、画像データ解析部160は、ステップS110で設定したフラグ値「0」のディフェクト発生予測フラグ、またはステップS111で設定したフラグ値「1」のディフェクト発生予測フラグを、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(ステップS112)。
この場合、画素ごとに、図6に示した第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、および転写パラメータ変更指示フラグ1624に、フラグ値「0」またはフラグ値「1」が設定される。
なお、ステップS110でフラグ値「0」が最終的なフラグとなるときは、ディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグにはフラグ値「0」が設定される。これに対し、ステップS111でフラグ値「1」が最終的なフラグとなるときは、ディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグのうち少なくとも1つのパラメータ変更指示フラグにフラグ値「1」が設定される。
例えば、ゴーストが発生すると予測されたときに、転写パラメータを変更するようにした場合、帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622および現像パラメータ変更指示フラグ1623の各フラグにはフラグ値「0」が設定され、転写パラメータ変更指示フラグ1624にはフラグ値「1」が設定される。
このようなフラグ値が設定されたディフェクト発生予測フラグ情報1620が、図15に示すように画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力される。
なお、図15は、図1に示したプリンタ10での第1のディフェクト発生予測フラグ情報1620の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要を示している。
画像出力装置200においては、転写パラメータ設定部224aは、画像出力装置制御部210の制御の下、転写パラメータ変更指示フラグ1624に基づき転写パラメータ記憶部224bを更新する。他のパラメータ設定部222a、223a、224aは、配下のパラメータ記憶部の記憶内容は更新しない。
次に、上述した画像データ解析処理について、図16および図17を参照して説明する。
図16は、ページ単位の解析対象の画像データ(印刷対象の画像データ)1600を示している。
図16に示すように、画像データ1600にかかわる描画領域は、左上隅、右上隅、左下隅および右下隅の各XY座標値(0,0)、(Xmax,0)、(0,Ymax)および(Xmax,Ymax)で形成される領域である。
図16において、Xa、Yb、Xc、Ydの各値は上記描画領域内の任意の座標値であり、Ydumはドラムピッチを示している。
画像データ1600においては、(0,0)座標値から(Xmax,「Ymax−Ydum」)までの範囲が画像データ解析の領域となる。つまり、画像データ1600において、副走査方向に関しての領域1601が画像データ解析の領域であり、副走査方向に関しての領域1602はゴーストの影響がないため、画像データ解析(スキャン)が不要となる領域である。
画像データ解析部160は、解析対象の画像データ1600を画像データ解析の領域つまり(0,0)座標値から(Xmax,「Ymax−Ydum」)までの範囲を先頭のラインから順次、画素単位でスキャン(つまり画像データ解析)する。
図17は、画像データ解析部160による画像データ解析処理の様子を示している。
図17に示すように、画像データ解析部160は、画像データ1600について先頭のラインから順次、画素単位でスキャンし、画像データ解析し(P101、図11のステップS101参照)、画素データGdataがゴースト発生側の画像の色範囲G1内であると検知した場合(P102、図11のステップS101「YES」参照)、画素データGdataの位置(XY座標値)よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する画素データをスキャンする(P103、図11のステップS103参照)。
この例では、(Xa,Yb)座標値に位置する画素データGdataよりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置つまり(Xa,「Yb+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataがスキャンされる。
次に、画像データ解析部160は、画素データRdataがゴースト受け側の画像の色範囲R1内であると検知した場合には(P104、図11のステップS104「YES」参照)、当該画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグ「1」を一次設定する(P105、図11のステップS105参照)。
このようしてディフェクト発生予測フラグ「1」を一次設定した場合、画像データ解析部160は、画素データに対応してフラグ値「1」を設定するごとに、ディフェクト発生予測フラグ「1」の数をカウントする。
画像データ解析部160は、(Xa,「Yb+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataが解析終了位置でないと判断した場合は、(Xa,Yb)座標値に位置する画素データGdataの次の画素、つまり(Xa+1,Yb)座標値に位置する画素データGdataについて画像データ解析を実施する(P106、図11のステップS108「NO」参照)。
ここでは、上記(Xa+1,Yb)座標値に位置する画素データGdataを含めて複数のラインについて画像データ解析処理が実施されて、現在、例えば(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataが解析対象の画素データになったとする。
画像データ解析部160は、(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataに対応してP102、P103の処理と同様の処理を実施し、(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataよりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する画素データRdataつまり(Xc,「Yd+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataをスキャンする。
画像データ解析部160は、(Xc,「Yd+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataがゴースト受け側の画像の色範囲R1外であると検知した場合は(P107、図11のステップS104「NO」参照)、当該画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグ「0」を一次設定する(P108、図11のステップS107参照)。
このようしてディフェクト発生予測フラグ「0」を一次設定した場合、画像データ解析部160は、画素データに対応してフラグ値「0」を設定するごとに、ディフェクト発生予測フラグ「0」の数をカウントする。
画像データ解析部160は、(Xc,「Yd+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataが解析終了位置でないと判断した場合は、P106の処理と同様に、(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataの次の画素にかかわる(Xc+1,Yd)座標値に位置する画素データGdataについて画像データ解析を実施する(P109、図11のステップS108「NO」参照)。
そして、さらに複数のラインについて画像データ解析処理が実施されて、現在、例えば(Xmax,「Ymax−Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataが解析対象の画素データとなり、この画素データRdataに対する画像データ解析処理が終了したとする。
この場合、画像データ解析部160は、この画素データRdataのXY座標値が解析終了位置に達していると判断したときは(P110、図11のステップS108「YES」参照)、ディフェクト発生予測フラグ「1」の累積のカウント数が所定のカウント数N以上であるか否かを判断し(P111、図11のステップS109参照)、この判断した結果、ディフェクト発生予測フラグ「1」の累積のカウント数が所定のカウント数N以上である場合は、ディフェクト発生予測フラグ「1」を確定(最終的に設定)する(P112、図11のステップS111参照)。
そして、画像データ解析部160は、フラグ値「1」のディフェクト発生予測フラグを、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(P113、図11のステップS112参照)。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態2のプリンタは、図1、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態2のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
次に、実施の形態2のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部160による画像データ解析処理について、図18を参照して説明する。
図18、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(7)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)主走査方向および副走査方向ともに、例えば16画素(600dpiで0.68mmピッチ)単位で間引き解析する。
なお、主走査方向および副走査方向ともに例えば16画素で間引きスキャンし画像データ解析を実施するようにしているのは、ゴースト発生側の画像にかかわる面積とゴースト受け側の画像にかかわる面積がある程度広くないとゴーストが発生しないので、間引きスキャンをしてディフェクト発生予測フラグの判定を実施しても、ゴースト発生の予測処理には何ら支障はないからである。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインから順次解析する。
(3)1面(1ページ)に対応する画像データを解析する。
(4)CMYKデータで解析する。
(5)ゴースト発生側の色範囲G1、およびゴースト発生側の色情報とゴースト受け側の色情報とのコントラスト差に基づきフラグを一次設定し、1ページ内でのフラグを累積カウントし、フラグを最終設定する。
(6)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。
(7)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図19に示すフラグ設定情報1900が記憶されている。このフラグ設定情報1900と解析対象の画素の画素値(階調値)とを基に画像データ解析処理が実施される。
図19に示すように、フラグ設定情報1900は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)の色材の色ごとに、「ゴースト発生側の色範囲G1」、「コントラスト差ΔC<C1」、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」および「コントラスト差ΔC≧2」の各条件が設定されている。
また、「コントラスト差ΔC<C1」、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」および「コントラスト差ΔC≧2」の3つの条件に対応して、ディフェクト発生予測フラグのグフラグ値(この例では、「0」、「1」、「2」)が設定されている。
ここで、コントラスト差Δは「ゴースト発生側の画像にかかわる画素データGdata−ゴースト受け側の画像にかかわる画素データRdata」を演算して得られる結果である。
上記色材の色ごとに、コントラスト差ΔCが「コントラスト差ΔC<C1」、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」および「コントラスト差ΔC≧2」の3つの条件のうち何れかの条件に適合する場合に、解析対象の画素データに対応して、適合した条件に対応するディフェクト発生予測フラグのグフラグ値が採用されるようになっている。
実施の形態2では、第1の画像(ゴースト発生側の画像)のコントラストと第2の画像(ゴースト受け側の画像)のコントラストとの差を示す所定の規定値は、「コントラスト差ΔC<C1」の条件では「>20%」、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」の条件では「20〜79%」、「コントラスト差ΔC≧2」の条件では「≧80」に設定されている。
さて、画像データ解析部160は、図18に示すように、記憶部150に記憶されている処理単位(ページ)の描画データ(画像データ)を取得し、この取得した1ページに対応する描画データ(CMYKデータ)について、CMYKデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、例えば16画素単位で間引きスキャンし(ステップS201)、画像データ解析を実施する。
画像データ解析部160は、解析対象の画素に関する画素データを解析した結果つまり画素値(階調値あるいは濃度値)を「Gdata」と定義し、その後、上記記憶手段から色許容範囲情報1200を読み出すとともに、解析対象の画素の画素データGdataおよびフラグ設定情報1900の中の色範囲G1(CMYK色の各色の階調値「0」〜「50」)に基づき、「Gdata≧G1」の関係式が成立するか否かを判断する(ステップS202)。
ステップS202においては、第1の画像にかかわる画像に関する画素データ(ゴースト発生側の画像に関する画素データ)の色情報を解析していることになる。
画像データ解析部160は、ステップS202において上記関係式が成立すると判断した場合は、前回の解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)を解析する(ステップS203)。
画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわる画素データGdataとゴースト受け側の画像にかかわる画素データRdataとのコントラスト差ΔCを求め、この求めたコントラスト差ΔCが、「コントラスト差ΔC<C1」、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」、「コントラスト差ΔC≧2」のいずれに適合するかを判定する(ステップS204)。
画像データ解析部160は、「コントラスト差ΔC<C1」の関係式が成立すると判断した場合には、当該解析対象の画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「0」に設定(一次設定)し(ステップS205)、また、「コントラスト差ΔC≧2」の関係式が成立すると判断した場合には、当該解析対象の画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「1」に設定(一次設定)し(ステップS206)、さらに、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」の関係式が成立すると判断した場合は、当該解析対象の画素データRdataに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「2」に設定(一次設定)する(ステップS207)
画像データ解析部160は、ステップS205を終了した場合、ステップS206を終了した場合、ステップS207を終了した場合は、設定されたフラグ値ごとに当該フラグ値の数をカウント、換言すればフラグ値が設定された画素の数をカウントする(ステップS208)。
ステップS208を終了した画像データ解析部160は、解析終了位置であるか否かを判断し(ステップS209)、ここで、解析終了位置ではないと判断した場合には、次の画素(次のライン)の画像データ解析処理を実施すべく上記ステップ201へ戻る。
これに対し、ステップS209において解析終了位置であると判断した画像データ解析部160は、フラグ値「2」の累積のカウント数(累積カウント値)が予め設定される所定のカウント数M以上で所定のカウント数N未満であるのか、つまり「M≦累積のカウント数<N」の第1の関係式が成立するのか、または累積のカウント数が予め設定される所定のカウント数N以上であるのか、つまり「累積のカウント数≧N」の第2の関係式が成立するのかを判断する(ステップS210)。
画像データ解析部160は、ステップS109において、上記第1の関係式および第2の関係式ともに不成立であると判断した場合には、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「0」を設定し(ステップS211)、また、上記第1の関係式が成立すると判断した場合には、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「1」を設定し(ステップS212)、さらに、上記第2の関係式が成立すると判断した場合は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「2」を設定する(ステップS213)。
ここで、ゴースト発生側の画素データGdataとコントラスト差ΔCとに基づき決定される最終的なディフェクト発生予測フラグは、例えば図20に示す最終設定フラグ情報2000の内容となる。
そして、画像データ解析部160は、ステップS211で設定したフラグ値「0」のディフェクト発生予測フラグ、ステップS212で設定したフラグ値「1」のディフェクト発生予測フラグ、またはステップS213で設定したフラグ値「2」のディフェクト発生予測フラグを画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(ステップS214)。
この場合、画素ごとに、図6に示した第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、および転写パラメータ変更指示フラグ1624に、フラグ値「0」、フラグ値「1」または「2」が設定される。
なお、ステップS211でフラグ値「0」が最終的なフラグとなるときは、ディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグにはフラグ値「0」が設定される。これに対し、ステップS212でフラグ値「1」またはステップS213でフラグ値「2」が最終的なフラグとなるときは、ディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグのうち少なくとも1つのパラメータ変更指示フラグにフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定される。
例えば、ゴーストが発生すると予測されたときに、転写パラメータを変更するようにした場合、帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622および現像パラメータ変更指示フラグ1623の各フラグにはフラグ値「0」が設定され、転写パラメータ変更指示フラグ1624にはフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定される。
このようなフラグ値が設定されたディフェクト発生予測フラグ情報1620が、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力される。
画像出力装置200においては、転写パラメータ設定部224aは、画像出力装置制御部210の制御の下、転写パラメータ変更指示フラグ1624に基づき転写パラメータ記憶部224bを更新する。
なお、実施の形態2において、例えば図21に示すような、フラグとパラメータ変更内容との対応関係を示したフラグパラメータ対応情報2100がROMなどの記憶手段に記憶されている場合、転写パラメータ設定部224aは、転写パラメータ変更指示フラグ1624に設定されているフラグ値と、この記憶手段から読み出したフラグパラメータ対応情報2100とに基づいて、転写パラメータ記憶部224bの記憶内容(パラメータ)を更新する。
図21にフラグパラメータ対応情報2100においては、フラグ値「0」に対応する電圧の変化量(変位量)ΔVは「±0」となっているので、転写パラメータの変更は行われないことを意味する。
また、フラグ値「1」に対応する電圧の変化量(変位量)ΔVは「−150」となっているので、転写パラメータは、所定の転写電圧よりも電圧の変化量(変位量)ΔV=150V低下した転写電圧に変更されることを意味する。
さらに、フラグ値「2」に対応する電圧の変化量(変位量)ΔVは「−300」となっているので、転写パラメータは、所定の転写電圧よりも電圧の変化量(変位量)ΔV=300V低下した転写電圧に変更されることを意味する。
なお、この実施の形態2では、画像出力装置制御部210は、図22に示すように、画像処理装置100からの第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620と、環境情報、紙質情報および経時特性情報とを基に、そのディフェクト発生予測フラグ情報のフラグの読み替えを実施し、フラグの読み替え後のディフェクト発生予測フラグを基に、例えば、帯電パラメータ設置部221a、現像パラメータ設定部223aおよび転写パラメータ設定部224aに対し、フラグ値に応じたパラメータになるようにパラメータの変更処理を依頼する。
なお、図22は、図1に示したプリンタ10でのディフェクト発生予測フラグ情報1620の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要を示している。
上述した画像データ解析処理について、図23を参照して説明する。
図23は、画像データ解析部160による画像データ解析処理の様子を示している。
なお、ページ単位の解析対象の画像データは、図16に示した実施の形態1の場合の画像データと同様になっているので、ここではその詳細な説明については省略する。
図23に示すように、画像データ解析部160は、画像データ1600(図16参照)について先頭のラインから順次、例えば16画素単位で間引きスキャンし、画像データ解析し(P201、図18のステップS21参照)、画素データGdataがゴースト発生側の画像の色範囲G1内であると検知した場合(P202、図18のステップS201「YES」参照)、画素データGdataの位置(XY座標値)よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する画素データをスキャンする(P203、図18のステップS203参照)。
この例では、(Xa,Yb)座標値に位置する画素データGdataよりもドラムピッチ(Tdrum)だけ副走査方向の下流に位置つまり(Xa,「Yb+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataがスキャンされる。
次に、画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわる画素データGdata((Xa,Yb)座標値)とゴースト受け側の画像にかかわる画素データRdata((Xa,「Yb+Ydrum」)座標値)とのコントラスト差ΔCを求め、この求めたコントラスト差ΔCが、「C1≦コントラスト差ΔC<C2」の関係式に適合する場合は(P204、図18のステップS204「C1≦ΔC≦C2」参照)、当該画素データRdataに対応して、ディフェクト発生予測フラグ「2」を一次設定する(P205、図18のステップS207参照)。
このようしてディフェクト発生予測フラグ「2」を一次設定した場合、画像データ解析部160は、画素データに対応してフラグ値「2」を設定するごとに、ディフェクト発生予測フラグ「2」の数をカウントする。
画像データ解析部160は、(Xa,「Yb+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataが解析終了位置でないと判断した場合は、(Xa,Yb)座標値に位置する画素データGdataを基準にして16画素間引いた画素つまり(Xa+16,Yb)座標値に位置する画素データGdataについて画像データ解析を実施する(P206、図18のステップS209「NO」参照)。
ここでは、上記(Xa+16,Yb)座標値に位置する画素データGdataを含めて複数のラインについて画像データ解析処理が実施されて、現在、例えば(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataが解析対象の画素データになったとする。
画像データ解析部160は、(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataに対応してP202、P203の処理と同様の処理を実施し、(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataよりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する画素データRdataつまり(Xc,「Yd+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataをスキャンする。
画像データ解析部160は、上記ゴースト発生側の画像にかかわる画素データGdata((Xc,Yd))と上記ゴースト受け側の画像にかかわる画素データRdata((Xc,「Yd+Ydrum」))とのコントラスト差ΔCを求め、この求めたコントラスト差ΔCが、「コントラスト差ΔC≧C2」の関係式に適合する場合は(P207、図18のステップS204「ΔC<C1」参照)、当該画素データRdataに対応して、ディフェクト発生予測フラグ「0」を一次設定する(P208、図18のステップS205参照)。
このようしてディフェクト発生予測フラグ「0」を一次設定した場合、画像データ解析部160は、画素データに対応してフラグ値「0」を設定するごとに、ディフェクト発生予測フラグ「0」の数をカウントする。
画像データ解析部160は、(Xc,「Yd+Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataが解析終了位置でないと判断した場合は、P206の処理と同様に、(Xc,Yd)座標値に位置する画素データGdataを基準にして16画素間引いた画素つまり(Xc+16,Yd)座標値に位置する画素データGdataについて画像データ解析を実施する(P209、図18のステップS209「NO」参照)。
そして、さらに複数のラインについて画像データ解析処理が実施されて、現在、例えば(Xmax,「Ymax−Ydrum」)座標値に位置する画素データRdataが解析対象の画素データとなり、この画素データRdataに対する画像データ解析処理が終了したとする。
この場合、画像データ解析部160は、この画素データRdataのXY座標値が解析終了位置に達していると判断したときは(P210、図18のステップS209「YES」参照)、ディフェクト発生予測フラグ「2」の累積のカウント数が所定のカウント数N以上であるか否かを判断し(P211、図18のステップS210参照)、この判断した結果、ディフェクト発生予測フラグ「2」の累積のカウント数が所定のカウント数N以上である場合(「累積のカウント数≧N」の関係式が成立する場合)は、ディフェクト発生予測フラグ「2」を確定(最終的に設定)する(P212、図18のステップS213参照)。
そして、画像データ解析部160は、フラグ値「2」のディフェクト発生予測フラグを、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(P213、図18のステップS214参照)。
画像出力装置制御部210では、画像処理装置100からのディフェクト発生予測フラグ情報(フラグ値「2」)を、環境情報、紙質情報および経時特性情報を基に、そのディフェクト発生予測フラグ情報(フラグ値「2」)のフラグの読み替えを実施し、フラグの読み替え後のディフェクト発生予測フラグを基に、例えば、帯電パラメータ設置部221a、現像パラメータ設定部223aおよび転写パラメータ設定部224aに対し、フラグ値に応じたパラメータになるようにパラメータの変更処理を依頼する。
そして、帯電パラメータ、現像パラメータおよび転写パラメータは、フラグ値に応じたパラメータ値に変更される(P214)。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態3のプリンタは、図1、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態3のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
次に、実施の形態3のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部160による画像データ解析処理について、図24を参照して説明する。
図24、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(6)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)例えば16画素×16画素のブロックにかかわる画素値(階調値あるいは濃度値)の平均値(以下「16画素×16画素ブロックの平均値」という)または移動平均値を算出しながらスキャン。
なお、例えば16画素×16画素ブロックの平均値を算出しながらスキャンし画像データ解析するようにしているのは、ゴースト発生側の画像にかかわる面積とゴースト受け側の画像にかかわる面積がある程度広くないとゴーストが発生しないので、例えば16画素×16画素ブロックの平均値を算出しながらスキャンしてディフェクト発生予測フラグの判定を実施しても、ゴースト発生の予測処理には何ら支障はないからである。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインから順次解析する。
(3)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(4)CMYKデータで解析する。
(5)ゴースト発生側の色範囲G1、およびゴースト発生側の色情報とゴースト受け側の色情報とのコントラスト差に基づきフラグを一次設定し、所定のバンド(Band)幅でフラグを累積カウントし、バンド(Band)単位に、フラグを最終設定する。
なお、バンドは、Y方向(副走査方向)におけるドラムピッチに対応する長さ当たりの複数のラインとする。
(6)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。
(7)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図19に示した実施の形態2のフラグ設定情報1900が記憶されている。このフラグ設定情報1900と解析対象の画素の画素値(階調値)とを基に画像データ解析処理が実施される。
さて、画像データ解析部160は、図18に示すように、記憶部150に記憶されている処理単位(ページ)の描画データ(画像データ)を取得し、この取得した1ページに対応する描画データ(CMYKデータ)について、CMYKデータのデータ形式に従って、例えば16画素×16画素のブロックをスキャンし(ステップS301)、画像データ解析を実施する。
画像データ解析部160は、解析対象の16画素×16画素のブロックに関する複数の画素データを解析した結果つまり16画素×16画素ブロックの平均値を求める(ステップS302)。
画像データ解析部160は、この求めた16画素×16画素ブロックの平均値を「Gave」と定義し、その後、上記記憶手段から色許容範囲情報1200を読み出すとともに、解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Gaveよびフラグ設定情報1900の中の色範囲G1(CMYK色の各色の階調値「0」〜「50」)に基づき、「Gave≧G1」の関係式が成立するか否かを判断する(ステップS303)。
ステップS303においては、第1の画像にかかわる画像に関する画素データ(ゴースト発生側の画像に関する画素データ)の色情報を解析していることになる。
画像データ解析部160は、ステップS303において上記関係式が成立すると判断した場合は、前回の解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)を解析する(ステップS304)。
この場合は、ゴースト発生側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの位置よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する16画素×16画素ブロックの画素値(階調値)が解析される。
画像データ解析部160は、上記下流に位置する16画素×16画素ブロックにかかわる画素値(階調値)の平均値を求め(ステップS305)、この求めた16画素×16画素ブロックの平均値を「Rave」と定義する。
画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの平均値Gaveとゴースト受け側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの平均値Raveとのコントラスト差ΔCを求め、この求めたコントラスト差ΔCが、「コントラスト差ΔC<C1」、「C1≦コントラスト差ΔC≦C2」、「コントラスト差ΔC>2」の各関係式のいずれに適合するかを判定する(ステップS306)。
画像データ解析部160は、「コントラスト差ΔC<C1」の関係式が成立すると判断した場合には、当該解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「0」に設定(一次設定)し(ステップS307)、また、「コントラスト差ΔC≧2」の関係式が成立すると判断した場合には、当該解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「1」に設定(一次設定)し(ステップS308)、さらに、「C1≦コントラスト差ΔC≦C2」の関係式が成立すると判断した場合は、当該解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「2」に設定(一次設定)する(ステップS309)。
画像データ解析部160は、ステップS307を終了した場合、ステップS308を終了した場合、ステップS309を終了した場合は、設定されたフラグ値ごとに当該フラグ値の数をカウントする(ステップS310)。
ステップS310を終了した画像データ解析部160は、当該解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveにかかわる最後の画素(画素データ)の位置がバンド(Band)解析終了位置であるか否かを判断する(ステップS311)。
なお、バンド(Band)解析終了位置は、当該解析対象のバンドにかかわるドラムピッチ(Ydrum)に対応する長さ当たりの複数のラインの中の、最後のラインにかかわる最後の画素の位置に相当する。
画像データ解析部160は、ステップS311において、当該解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveにかかわる最後の画素(画素データ)の位置がバンド(Band)解析終了位置ではないと判断した場合には、次の16画素×16画素ブロックつまり次の画素(次のライン)の画像データ解析処理を実施すべく、上記ステップS301に戻る。
これに対し、当該解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveにかかわる最後の画素(画素データ)の位置がバンド(Band)解析終了位置であると判断した画像データ解析部160は、フラグ値「2」の累積のカウント数(累積カウント値)が予め設定される所定のカウント数M以上で所定のカウント数N未満であるのか、つまり「M≦累積のカウント数<N」の第1の関係式が成立するのか、または累積のカウント数が予め設定される所定のカウント数N以上であるのか、つまり「累積のカウント数≧N」の第2の関係式が成立するのかを判断する(ステップS312)。
画像データ解析部160は、ステップS312において、上記第1の関係式および第2の関係式ともに不成立であると判断した場合には、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「0」を設定し(ステップS313)、また、上記第1の関係式が成立すると判断した場合には、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「1」を設定し(ステップS314)、さらに、上記第2の関係式が成立すると判断した場合は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報にフラグ値「2」を設定する(ステップS315)。
ここで、ゴースト発生側の16画素×16画素ブロックの平均値Gaveとコントラスト差ΔCとに基づき決定される最終的なディフェクト発生予測フラグは、例えば図20に示した最終設定フラグ情報2000(実施の形態2参照)の内容となる。
そして、画像データ解析部160は、ステップS313で設定したフラグ値「0」のディフェクト発生予測フラグ、ステップS314で設定したフラグ値「1」のディフェクト発生予測フラグ、またはステップS315で設定したフラグ値「2」のディフェクト発生予測フラグを、解析対象の「Band−No.」のディフェクト発生予測フラグとして、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(ステップS316)。
ここで、「Band−No.」は、1番目のバンドを示す「Band−1」、2番目のバンドを示す「Band−2」、・・・、最後のバンドを示す「Band−last」の複数のバンドの中の解析対象のバンド(Band)を意味する。
ステップS316を終了した画像データ解析部160は、解析終了位置であるか否かを判断し(ステップS317)、ここで、解析終了位置ではないと判断した場合には、次のバンド(Band)にかかわる画像データ解析処理を実施すべく上記ステップ301へ戻り、解析終了位置であると判断した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
上述した画像データ解析処理においても、実施の形態2の場合と同様に、バンド毎に、図6に示した第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、および転写パラメータ変更指示フラグ1624に、フラグ値「0」、フラグ値「1」または「2」が設定される。
このディフェクト発生予測フラグ情報1620の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要は、図22に示した実施の形態2の例の場合と同じである。
すなわち、ディフェクト発生予測フラグ情報と環境情報、紙質情報および経時特性情報とを基に、そのディフェクト発生予測フラグ情報のフラグの読み替えが実施しされフラグの読み替え後のディフェクト発生予測フラグを基に、例えば、帯電パラメータ設置部221a、現像パラメータ設定部223aおよび転写パラメータ設定部224aに対し、フラグ値に応じたパラメータになるようにパラメータの変更処理が依頼される。
次に、上述した画像データ解析処理について、図25および図26を参照して説明する。
図25は、ページ単位の解析対象の描画データ(印刷対象の画像データ)2600を示している。
図25に示すように、描画データ2500にかかわる描画領域は、複数のページに対応しており、先頭のページに対応する左上隅および右上隅の各XY座標値(0,0)、(Xmax,0)、最終のページに対応する左下隅および右下隅の各XY座標値(0,Ymax)および(Xmax,Ymax)で形成される領域である。
画像データ解析部160は、解析対象の描画データ2500を画像データ解析の領域つまり(0,0)座標値から(Xmax,「Ymax−Ydum」)までの範囲を、例えば16画素×16画素のブロック単位で、スキャンし画像データ解析する。
図25において、Xa、Yb、Xc、Yd、Xe、Yfの各値は上記描画領域内の任意の座標値であり、Ydumはドラムピッチを示している。また、Band長=Ydum=ドラムピッチに設定されている。
なお、描画データ2500においては、副走査方向に関して、領域2501、領域2502および領域2503の各領域が、画像データスキャンおよび画像データ解析の対象領域である。副走査方向に関して、領域2504の領域については、副走査方向に関しての領域1602はゴーストの影響がないため、画像データ解析(スキャン)が不要である。
実施の形態3では、上述したようにBand長=Ydum=ドラムピッチに設定されているので、複数のバンドに関しては、奇数番目のバンドはゴースト発生側の画像に対応し、偶数番目のバンドはゴースト受け側の画像に対応する。その一例を以下に挙げる。
1番目のバンドを示す「Band−1」はゴースト発生側の描画データに対応する。
2番目のバンドを示す「Band−2」はゴースト受け側の描画データに対応する。
3番目のバンドを示す「Band−3」はゴースト発生側の描画データに対応する。
4番目のバンドを示す「Band−4」はゴースト受け側の描画データに対応する。
図26は、画像データ解析部160による画像データ解析処理の様子を示している。
画像データ解析部160は、図26に示すように、記憶部150に記憶されている処理単位(ページ)の描画データ(画像データ)を取得し、この取得した1ページに対応する描画データ2500について、例えば16画素×16画素のブロックをスキャンし、画像データ解析を実施する(P301、図24のステップS301参照)。
画像データ解析部160は、解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値(画素値の平均値)Gaveを求め(P302、図24のステップS302参照)、この16画素×16画素ブロックの平均値Gaveとフラグ設定情報1900(図19参照)とに基づき「Gave≧G1」の関係式が成立することを認識する(P303、図24のステップS303「YES」参照)。
画像データ解析部160は、前回の解析処理の対象であった画素の位置つまりゴースト発生側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの位置よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する16画素×16画素ブロックの平均値(画素値の平均値)を解析し(P304、図24のステップS304参照)、この解析した結果に基づき、当該下流に位置する16画素×16画素ブロックの平均値Raveを求める(P305、図24のステップS305参照)。
この例では、上記P304での下流に位置する16画素×16画素ブロックは、2番目のバンドを示す「Band−2」に対応する画像の中のブロックである。
画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの平均値Gaveとゴースト受け側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの平均値Raveとのコントラスト差ΔCを求め、この求めたコントラスト差ΔCが、「C1≦コントラスト差ΔC≦C2」の関係式に適合することを認識し(P306、図24のステップS306「C1≦ΔC≦C2」参照)、当該解析対象の16画素×16画素ブロック(この例では2番目のバンド「Band−2」内のブロック)の平均値Raveに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「2」に設定(一次設定)する(P307、図24のステップS309参照)。
画像データ解析部160は、上述したようにして解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveに対応して、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)したときは、フラグ値「2」の数をカウントする。
画像データ解析部160は、ゴースト受け側の画像に対応するバンドにかかわる当該解析対象の16画素×16画素ブロック内の最後の画素(画素データ)の位置が、当該バンド(Band)解析終了位置例えば(Xmax,Ydrum2)座標値ではないことを認識したときは、ゴースト発生側の画像にかかわる次の16画素×16画素ブロックつまり次の画素(次のライン)をスキャンし画像データ解析する(P308、図24のステップS311「NO」参照)。
なお、(Xmax,Ydrum2)は、2番目のバンド「Band−2」に対応する描画領域の右下隅の座標値(右下隅に位置する画素の座標値)を意味する。
画像データ解析部160は、P302〜P307の処理と同様の処理を実施し、その後、ゴースト受け側の画像に対応するバンド(この例では2番目のバンド「Band−2」)にかかわる当該解析対象の16画素×16画素ブロック内の最後の画素(画素データ)の位置が、当該バンド(Band)解析終了位置例えば(Xmax,Ydrum2)座標値であることを認識する(P309、図24のステップS311「YES」参照)。
画像データ解析部160は、上述したようにしてバンド(Band)解析終了位置であることを認識したときは、フラグ値「2」の累積のカウント数(累積カウント値)が予め設定される所定のカウント数N以上であるのか(「累積のカウント数≧N」の関係式が成立するのか)を判断し、この判断した結果、「累積のカウント数≧N」の関係式が成立する場合は(P310、図24のステップS312「≧N」参照)、当該2番目のバンド「Band−2」に対応して、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定する(P311、図24のステップS315参照)。
画像データ解析部160は、当該2番目のバンド「Band−2」にかかわるディフェクト発生予測フラグ(フラグ値「2」)を、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(P312、図24のステップS316参照)。
画像データ解析部160は、3番目のバンド「Band−3」に対応する描画データについて画像データ解析処理を実施し(P313)、その後、4目のバンド「Band−4」に対応する描画データについて画像データ解析処理を実施する。
すなわち、画像データ解析部160は、4番目のバンド「Band−4」に対応する描画データについて、16画素×16画素のブロックをスキャンし、画像データ解析を実施する(P314、図24のステップS301参照)。
画像データ解析部160は、解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値(画素値の平均値)Gaveを求め(P315、図24のステップS302参照)、この16画素×16画素ブロックの平均値Gaveとフラグ設定情報1900(図19参照)とに基づき「Gave≧G1」の関係式が成立することを認識する(P316、図24のステップS303「YES」参照)。
画像データ解析部160は、前回の解析処理の対象であった画素の位置つまりゴースト発生側の画像にかかわる16画素×16画素ブロックの位置よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置する16画素×16画素ブロック(この例では4番目のバンド「Band−4」内のブロック)の平均値(画素値の平均値)を解析し(P317、図24のステップS304参照)、この解析した結果に基づき、当該下流に位置する16画素×16画素ブロックの平均値Raveを求める(P318、図24のステップS305参照)。
画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわる16画素×16画素ブロック(この例では3番目のバンド「Band−3」内のブロック)の平均値Gaveとゴースト受け側の画像にかかわる16画素×16画素ブロック(この例では4番目のバンド「Band−4」内のブロック)の平均値Raveとのコントラスト差ΔCを求め、この求めたコントラスト差ΔCが、「コントラスト差ΔC>C2」の関係式に適合することを認識し(P319、図24のステップS306「ΔC>C2参照)、当該解析対象の16画素×16画素ブロック(この例では4番目のバンド「Band−4」内のブロック)の平均値Raveに対応してディフェクト発生予測フラグをフラグ値「1」に設定(一次設定)する(P320、図24のステップS308参照)。
画像データ解析部160は、上述したようにして解析対象の16画素×16画素ブロックの平均値Raveに対応して、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)したときは、フラグ値「1」の数をカウントする。
画像データ解析部160は、ゴースト受け側の画像に対応するバンドにかかわる当該解析対象の16画素×16画素ブロック内の最後の画素(画素データ)の位置が、当該バンド(Band)解析終了位置例えば(Xmax,Ydrum4)座標値ではないことを認識したときは、ゴースト発生側の画像にかかわる次の16画素×16画素ブロックつまり次の画素(次のライン)をスキャンし画像データ解析する(P321、図26のステップS311「NO」参照)。
なお、(Xmax,Ydrum4)は、4番目のバンド「Band−4」に対応する描画領域の右下隅の座標値(右下隅に位置する画素の座標値)を意味する。
画像データ解析部160は、P302〜P307の処理と同様の処理を実施し、その後、ゴースト受け側の画像に対応するバンド(この例では4番目のバンド「Band−4」)にかかわる当該解析対象の16画素×16画素ブロック内の最後の画素(画素データ)の位置が、当該バンド(Band)解析終了位置例えば(Xmax,Ydrum4)座標値であることを認識する(P322、図24のステップS311「YES」参照)。
画像データ解析部160は、上述したようにしてバンド(Band)解析終了位置であることを認識したときは、フラグ値「1」の累積のカウント数(累積カウント値)が予め設定される所定のカウント数N以上であるのか(「累積のカウント数≧N」の関係式が成立するのか)を判断し、この判断した結果、「累積のカウント数≧N」の関係式が不成立あり、予め設定される所定のカウント数M以上で所定のカウント数N未満つまり「M≦累積のカウント数<N」の関係式が成立する場合は(P323、図24のステップS312「M≦〜<N」参照)、当該4番目のバンド「Band−4」に対応して、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定する(P324、図24のステップS314参照)。
画像データ解析部160は、当該4番目のバンド「Band−4」にかかわるディフェクト発生予測フラグ(フラグ値「1」)を、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて出力する(P325、図24のステップS316参照)。
そして、画像データ解析部160は、5番目のバンド「Band−5」に対応する描画データをについて画像データ解析処理を実施し(P326)、さらに、他のバンドに対応する描画データをについて画像データ解析処理を実施し、その後、最終のバンド「Band−last」に対応する描画データに対する画像データ解析処理において、解析終了位置であることを認識したときは(P327、図24のステップS317「YES」参照)、描画データ2500に対する画像データ解析処理を終了する。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態4のプリンタは、図1、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態3のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
なお、実施の形態4では、描画部140、記憶部150および画像データ解析部160については、実施の形態1の場合とは多少機能が相違しているので、次にその相違する点について説明する。
描画部140は、記憶部130から読み出したPDL解釈結果に基づきラインの長さ(ライン幅)と主走査方向副走査方向に関してドラムピッチに対応する長さとで形成される領域(以下「ドラムピッチ描画領域」という)の単位で、画像データ(描画データ)を描画するとともに、このドラムピッチ描画領域単位で描画される画像データ(描画データ)描画データを記憶部150に格納するとともに、描画処理を終了した旨を画像データ解析部160へ通知する。
描画部140は、画像データ解析部160からの次の画像データの描画依頼の受け付けたときは、次のドラムピッチ描画領域単位での画像データ(描画データ)を描画し記憶部150に格納する。
記憶部150には、最新のドラムピッチ描画領域単位での画像データが記憶されるようになっている。
画像データ解析部160は、描画部140からの描画処理を終了した旨の通知を受けて、記憶部150から処理対象(ドラムピッチ描画領域単位)の画像データ(描画対象)を取得して画像データ解析処理を実施する。
画像データ解析部160は、ドラムピッチ描画領域単位)の画像データに対する画像データ解析処理を終了したときは、次のドラムピッチ描画領域単位)の画像データにかかわる描画処理を描画部140に依頼する。
上述したように、実施の形態4では、描画部140と画像データ解析部160とが協働して画像データ解析処理を実施するようになっている。
次に、実施の形態4のプリンタ10の画像処理装置100における描画部140と画像データ解析部160との協働による画像データ解析処理について、図27を参照して説明する。
図27、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(7)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)例えば主走査方向に関しては16画素で間引きスキャンし画像データ解析する。
なお、主走査方向に関して16画素で間引きスキャンして画像データ解析処理を実施するようにしているのは、ゴースト発生側の画像にかかわる面積とゴースト受け側の画像にかかわる面積がある程度広くないとゴーストが発生しないので、例えば16画素の画素値の平均値を算出しながらスキャンしてディフェクト発生予測フラグの判定を実施しても、ゴースト発生の予測処理には何ら支障はないからである。
(2)描画されたドラムピッチ描画領域単位の画像つまり画像データについて解析する。
(3)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(4)CMYKデータで解析する。
(5)設定テーブルをもとにフラグを一次設定し、1ページ内でのフラグを累積カウントし、1ページ単位でフラグを最終設定する。
(6)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。
(7)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図28に示すフラグ設定情報2800が記憶されている。フラグ設定情報2800は、CMYK色の色ごとに前記記憶手段に記憶されている。フラグ設定情報2800と解析対象の16画素の画素値(階調値)とを基に画像データ解析処理が実施される。
さて、描画部140は、図27に示すように、記憶部120から読み出したPDL解釈結果に基づいて、ドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)を描画し(ステップS401)、このドラムピッチ描画領域単位の画像データ(CMYKデータ)を記憶部150に格納するとともに、描画処理を終了した旨を画像データ描画部160へ通知する。
画像データ解析部160は、描画部140からの描画処理を終了した旨の通知を受けて、記憶部150に記憶されているドラムピッチ描画領域単位の画像データ(描画データ)について、CMYKデータのデータ形式に従って、例えば主走査方向に関して16画素の画像データをスキャンする(ステップS402)。
なお、ステップS402でスキャンしたドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)はゴースト発生側の画像に対応する。
画像データ解析部160は、スキャンした16画素の画像データにかかわる画素値(階調値)の平均値を求め、この求めた画像データの平均値を画像データ「Gdata」と定義する。
画像データ「Gdata」を求めた画像データ解析部160が、次のドラムピッチ描画領域単位)の画像データにかかわる描画処理を描画部140に依頼すると、描画部140は、前回の解析処理の対象であったドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)の位置よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置するドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)を描画するとともに(ステップS403)、このドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)を記憶部150に上書きし、描画処理を終了した旨を画像データ解析部160へ通知する。
なお、ステップS403で描画されたドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)はゴースト受け側の画像に対応する。
その描画処理を終了した旨の通知を受け取った画像データ解析部160は、ゴースト受け側の画像に対応するドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)について、主走査方向に関して16画素の画像データにかかわる画素値(階調値)の平均値を求め(ステップS404)、この求めた画像データの平均値を画像データ「Rdata」と定義する。
画像データ解析部160は、記憶部150からCMYK色の各色のフラグ設定情報2800(図28参照)を読み出し、この読み出した各色のフラグ設定情報2800と、上記画像データ「Gdata」および画像データ「Rdata」とを基にフラグ値を求め(ステップS405)、フラグ値「0」のときは、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「0」を設定(一次設定)し(ステップS406)、フラグ値「1」のときは、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)し(ステップS407)、フラグ値「2」のときは、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(ステップS408)。
例えば、画像データ「Gdata」が例えば階調値「70%」の色データを意味している場合に、画像データ「Rdata」が、階調値「5%」の色データを意味している場合にはフラグ値は「0」となり、また階調値「20%」の色データを意味している場合にはフラグ値は「1」となり、さらに階調値「30%」の色データを意味している場合は、フラグ値は「2」となる。
画像データ解析部160は、ステップS406を終了した場合、ステップS407を終了した場合、ステップS408を終了した場合は、設定されたフラグ値ごとに当該フラグ値の数をカウントする(ステップS409)。
画像データ解析部160は、1つのページに対応する画像データについての画像データ解析処理が終了したか否かを判断し(ステップS410)、この判断した結果、その画像データ解析処理を終了していない場合は、次の画素(次のライン)つまり次のドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)が制御部140によって描画されるべく、上記ステップ402へ戻る。
画像データ解析部160は、ステップS410において、1つのページに対応する画像データについての画像データ解析処理が終了したと判断した場合は、フラグ値「2」の累積のカウント数(累積カウント値)が予め設定される所定のカウント数M以上で所定のカウント数N未満であるのか、つまり「M≦累積のカウント数<N」の第1の関係式が成立するのか、または累積のカウント数が予め設定される所定のカウント数N以上であるのか、つまり「累積のカウント数≧N」の第2の関係式が成立するのかを判断する(ステップS411)。
画像データ解析部160は、ステップS411において、上記第1の関係式および第2の関係式ともに不成立であると判断した場合には、ディフェクト発生予測フラグに関してはフラグ値「0」を採用することとし(ステップS412)、また、上記第1の関係式が成立すると判断した場合には、ディフェクト発生予測フラグに関してはフラグ値「1」を採用することとし(ステップS413)、さらに、上記第2の関係式が成立すると判断した場合は、ディフェクト発生予測フラグに関してはフラグ値「2」を採用することとする(ステップS414)。
画像データ解析部160は、ステップS412でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「0」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「0」を設定する(ステップS415)。他のパラメータ変更指示フラグについてもフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、ステップS413でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「1」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」を設定する(ステップS416)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、ステップS414でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「2」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「2」を設定する(ステップS417)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
上述したようにして第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定されたときは、階調補正部172によって、これらフラグ値「1」またはフラグ値「2」に応じて階調パラメータ(階調補正パラメータ)のパラメータ値が変更される。
画像データ解析部160は、ステップS415を終了した場合、ステップS416を終了した場合、ステップS417を終了した場合は、最終的な第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を画像処理部170に向けて出力するとともに、全てのページについての画像データ解析処理を終了したか否かを判断する(ステップS418)。
画像データ解析部160は、ステップS418において、全てのページについての画像データ解析処理を終了したと判断した場合は、全てのページについての画像の描画が終了したか否かを判断し(ステップS419)、ここで、全てのページについての画像の描画を終了したと判断した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
ステップS418において、全てのページについての画像データ解析処理を終了していないと判断された場合は、上記ステップS401に戻る。
ステップS419において、全てのページについての画像の描画を終了していないと判断された場合は、上記ステップS401に戻る。
ところで、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を受け付けた画像処理部170では、色変換部171は、色パラメータ変更指示フラグ1611に設定されているフラグ値「0」に基づき色変換処理を実施する。この場合、色パラメータの変更は行われず、色パラメータ記憶部171bの記憶内容(色パラメータ)に基づき色変換処理が実施される。
また、網点生成部173は、網点パラメータ変更指示フラグ1613に設定されているフラグ値「0」に基づき網点生成処理(スクリーン処理)を実施する。この場合、網点パラメータの変更は行われず、網点パラメータ記憶部173bの記憶内容(網点パラメータ)に基づき網点生成処理が実施される。
さらに、階調補正部172は、階調パラメータ変更指示フラグ1612に設定されているフラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」に基づき階調補正処理を実施する。
ここで、階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定されているときは、階調補正部172の階調パラメータ設定部172aは、そのフラグ値に基づき、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容(階調パラメータ)を更新する。なお、階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「0」が設定されているときは、階調パラメータの変更は行われない。
そして、階調補正部172は、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容と図29に示す階調補正情報2900とに基づいて、描画部140からの画像データについて階調補正する。図30は、グラフ形式の階調補正情報2900を表形式の内容に書き直した階調補正情報3000を示している。
ちなみに、図29および図30において、パラメータ[1]は、受け側としてゴーストが発生し易いCin20〜50%域の濃度を高くする旨の内容になっている。これは、ゴーストが発生し難くなることを意味する。
パラメータ[2]は、受け側としてゴーストが発生し易いCin20〜50%域の濃度を高くし、かつ受け側としてゴーストが発生し易いCin80〜100%域の濃度を下げる旨の内容になっている。これは、ゴーストが発生し難くなることを意味する。
なお、図30において、入力階調情報は図29の横軸のCin[単位:%]に対応し、出力階調情報は図29の縦軸のCout[単位:%]に対応する。出力階調情報において、補正パラ[0]はフラグ値「0」に対応する階調パラメータ(階調補正パラメータ)[0]を意味し、補正パラ[1]はフラグ値「1」に対応する階調パラメータ(階調補正パラメータ)[1]を意味し、補正パラ[2]はフラグ値「2」に対応する階調パラメータ(階調補正パラメータ)[2]を意味する。
例えば、画像データの階調値が「50%」のときに、階調パラメータ変更指示フラグ1612に、フラグ値「0」が設定されている場合には階調値は「42%」となり、またフラグ値「1」が設定されている場合には階調値は「56%」となり、さらにフラグ値「2」が設定されている場合には階調値は「54%」となる。
上述したように、実施の形態4では、画像データ解析処理によりゴーストが発生すると予測されたときは、図31に示すように、階調パラメータ(階調補正パラメータ)が変更されるようになっている。
なお、図31は、図1に示したプリンタ10での第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要を示している。この例は、ゴーストが発生すると予測されたときは、階調補正部172による階調パラメータ(階調補正パラメータ)の変更処理が実施され、色変換部171および網点生成部173による該当するパラメータの変更処理が実施されない様子を示している。
ちなみに、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610は、画像処理部170に入力されて、色変換部171、階調補正部172および網点生成部173にそれぞれ入力される。
上述した画像データ解析処理について、図32および図33を参照して説明する。
図32は、ページ単位の解析対象の画像データ(印刷対象の画像データ)3200を示している。
図32に示すように、画像データ3200は、複数(N)のページに対応する複数(N)の画像データ3200−1、3200−2、・・・、3200−Nから構成されている。
1ページ目のページに対応する画像データ3200−1にかかわる描画領域は、左上隅、右上隅、左下隅および右下隅の各XY座標値(0,0)、(Xmax,0)、(0,Ymax)および(Xmax1,Ymax1)で形成される領域である。
2ページ目のページに対応する画像データ3200−2にかかわる描画領域の左上隅および右上隅の各XY座標値は(0,0)および(Xmax2,0)である。ちなみに、この描画領域の左下隅および右下隅の各XY座標値は、(0,Ymax2)および(Xmax2,Ymax2)となる(図示せず)。
最終ページ(Nページ)目対応する画像データ3200−Nにかかわる描画領域の左下隅および右下隅の各XY座標値は、(0,Ymax)および(Xmax,Ymax)である。また、この描画領域には、XY座標値(0,「Ymax−Ydrum」)およびXY座標値(Xmax,「Ymax−Ydrum」)が含まれている。
このXY座標値(Xmax,「Ymax−Ydrum」)は、複数のページについての画像データ解析処理の終了位置を意味する。
また、XY座標値(Xmax,Ymax)は、複数のページについての描画の終了位置を意味する。
図32において、(Xa,Yb)、(Xc,Yd)の各値は上記描画領域内の任意の座標値であり、Ydumはドラムピッチを示し、(Xmax1,Ymax1)は1ページ目のページの終了位置を示し、(Xmax2,0)は、2ページ目のページにかかわる1ライン目のラインの終了位置を示している。
また、Xa、Yb、Xc、Yd、Xe、Yfの各値は上記描画領域内の任意の座標値であり、Ydumはドラムピッチを示している。
図32に示す例では、(0,「Ymax−Ydrum」)、(Xmax,「Ymax−Ydrum」)、(0,Ymax)および(Xmax,Ymax)の各XY座標値で形成される描画領域3201は、ゴーストの影響がないため、画像データ解析(スキャン)が不要となる領域である。
図33は、描画部140と画像データ解析部160との協働による画像データ解析処理の様子を示している。
図33に示すように、描画部140がドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)を描画すると(P401、図27のステップS401参照)、画像データ解析部160は、そのドラムピッチ描画領域単位の画像(ゴースト発生側の画像データ)について主走査方向の16画素で間引きスキャンし(P402、図27のステップS402参照)、スキャンした16画素の画像データ「Gdata」(画素値(階調値)の平均値)を求める。
このようにしてスキャンした画像データ解析部160は、次のドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)についての描画処理を描画部140に依頼する。
この描画処理の依頼を受けて、描画部140は、前回の解析処理の対象であったドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)の位置よりもドラムピッチ(Ydrum)だけ副走査方向の下流に位置するドラムピッチ描画領域単位の画像(ゴースト受け側の画像データ)を描画する(P403、図27のステップS403参照)。
画像データ解析部160は、ゴースト受け側の画像に対応するドラムピッチ描画領域単位の画像(画像データ)について、主走査方向に関して16画素の画像データ「Rdata」(画素値(階調値)の平均値)を求める(P404、図27のステップS404参照)。
画像データ解析部160は、記憶部150からCMYK色の各色のフラグ設定情報2800(図28参照)を読み出し、この読み出した各色のフラグ設定情報2800と、上記画像データ「Gdata」および画像データ「Rdata」とを基にフラグ値を求め(P405、図27のステップS405参照)、例えばフラグ値「2」のときは、ディフェクト発生予測フラグに例えばフラグ値「2」を設定(一次設定)する(P406、図27のステップS408参照)。
ここで、画像データ解析部160は、設定されたフラグ値「2」の数をカウント(累積してカウント)する。
画像データ解析部160によって1つのページに対応する画像データについての画像データ解析処理位置ではないと認識されたときは、P401に戻る(P408)。
画像データ解析部160は、1つのページに対応する画像データについての画像データ解析処理位置であると認識したときは、フラグ値「2」の累積のカウント数(累積カウント値)が累積のカウント数が予め設定される所定のカウント数N以上であるのか(「累積のカウント数≧N」の関係式が成立するのか)を判断し、この判断した結果、「累積のカウント数≧N」の関係式が成立する場合は(P409、図27のステップS411「≧N」参照)、ディフェクト発生予測フラグに関してはフラグ値「2」を設定する(P410、図27のステップS414参照)。
画像データ解析部160は、P410でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「2」を設定し場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「2」を設定する(ステップP411、図27のステップS417参照)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、描画された画像データ(描画データ)に関して全てのページ解析終了を示す例えば(Xmax,「Ymax−Ydrum」)座標値を認識し(ステップP412、図27のステップS418[YES」参照)、さらに全てのページ描画終了を示す旨例えば(Xmax、Ymax)座標値を認識した場合は(ステップP413、図27のステップS419「YES」参照)、この画像データ解析を終了する。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態3のプリンタは、図1、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態3のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
なお、実施の形態5では、画像データ解析部160については、実施の形態1の場合とは多少機能が相違しているので、次にその相違する点について説明する。
画像データ解析部160は、画像データ解析処理により決定したディフェクト発生予測フラグ情報、特に第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610に設定されたフラグ値については、画像出力装置制御部210からの環境情報、紙質情報および経時特性情報を基にフラグ値の読み替え処理を実施する。
この読み替え処理後のフラグ値が設定された第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610が画像処理部170に向けて出力される。
次に、実施の形態5のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部160による画像データ解析処理について、図34を参照して説明する。
図34、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(6)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)1画素単位で解析する。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインから順次解析する。
(3)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(4)白抜きゴーストを検知するために、エッジ検出し、コントラストおよび白抜き距離(面積)を判定し、フラグを一次設定する。また画像出力装置情報も加味してフラグを最終設定する。
(5)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。
(6)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図35に示すフラグ設定情報3500、および図36に示すフラグ読み替え情報3600が記憶されている。フラグ設定情報3500は、RGB色の色ごとに前記記憶手段に記憶されている。
フラグ設定情報3500は、RGB色の色ごとに前記記憶手段に記憶されている。フラグ設定情報3500と解析対象の画素の画素値(階調値)とを基に画像データ解析処理が実施される。
画像データ解析部160は、記憶部150に記憶されている処理単位(ページ)の画像データ(描画データ)を取得し、この取得した1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(ステップS501)。
画像データ解析部160は、スキャンしたラインにかかわる画像データについて主走査方向または副走査方向のエッジを検出したか否かを判断し(ステップS502)、そのエッジを検出しない場合には、ステップS501に戻り、主走査方向または副走査方向のエッジを検出した場合は、そのデータ値(色の階調値)は、予め設定された第1の色情報(色の階調値)G1以上であるいか否か(「データ値≧G1」の関係式が成立するか否か)、あるいは予め設定された第2の色情報(色の階調値)G2(≠G1)以下であるか否か(「データ値≦G2」の関係式が成立するか否か)を判断する(ステップS503)。
ステップS503において「データ値≦G2」の関係式が成立すると判断した画像データ解析部160は、エッジ部のコントラストを算出し(ステップS504)、この算出したコントラストが予め設定されたコントラストC1以上であるか否か(算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS505)、この判断した結果、「算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立する場合は、エッジ間距離(面積)を算出する(ステップS506)。
画像データ解析部160は、ステップS506で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であるか否か(「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS507)、この判断した結果、前記関係式が成立する場合は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(ステップS508)。
なお、ステップS503において「データ値≧G1」の関係式が成立すると判断された場合は、ステップS508に進む。
ステップS508を終了した画像データ解析部160は、図35に示すフラグ設定情報3500を基にフラグを設定する(ステップS509)。
ステップS509を終了した画像データ解析部160は、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)、またはディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(ステップS510、ステップS511)。
なお、画像データ解析部160は、ステップS503において「データ値≧G1」および「データ値≦G2」の何れの関係式も不成立であると判断した場合、ステップS505において「算出したコントラスト≧C1」の関係式が不成立であると判断した場合、ステップS507において「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が不成立であると判断した場合、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「0」を設定(一次設定)する(ステップS512)。
画像データ解析部160は、ステップS510を終了した場合、ステップS511を終了した場合、ステップS512を終了した場合、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS513)、この判断した結果、その解析処理を終了していない場合にはステップS501に戻り、一方、1ページに対応する画像データの解析処理を終了した場合は、ステップS510、ステップS511またはステップS512において設定したディフェクト発生予測フラグのフラグ値について、画像出力装置制御部210からの環境情報、紙質情報および経時特性情報とフラグ読み替え情報3600(図36参照)とに基づき、フラグ値の読み替え処理を実施する(ステップS514)。
ここで、読み替え処理について図36を参照して説明する。設定された用紙が厚紙で環境が低湿の場合、一次設定されたフラグ値に対し、「+2」アップした値をフラグ値として再設定する。この実施の形態5では、フラグ値「2」が最大値なので、一次設定されたフラグ値にフラグ読み替え情報3600の所定の値を加算した結果が「2」を超える場合は「2」を再設定する。
画像データ解析部160は、上記フラグ読み替え処理の結果を基に、ディフェクト発生予測フラグに関しては、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を採用することとする(ステップS515、ステップS516、ステップS517)。
画像データ解析部160は、ステップS515でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「0」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「0」を設定する(ステップS516)。他のパラメータ変更指示フラグについてもフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、ステップS516でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「1」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「1」を設定する(ステップS519)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、ステップS517でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「2」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「2」を設定する(ステップS520)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
上述したようにして第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定されたときは、網点生成部173によって、これらフラグ値「1」またはフラグ値「2」に応じて網点パラメータ(網点生成パラメータ)のパラメータ値が変更される。
画像データ解析部160は、ステップS518を終了した場合、ステップS519を終了した場合、ステップS520を終了した場合は、最終的な第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を画像処理部170に向けて出力するとともに、全てのページについての画像データ解析処理を終了したか否かを判断する(ステップS521)。
画像データ解析部160は、ステップS521において、全てのページについての画像データ解析処理を終了していないと判断した場合には、ステップS501に戻り、一方、全てのページについての画像データ解析処理を終了したと判断した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
ところで、実施の形態5では、ゴーストが発生すると予測されたときは、網点パラメータを変更するようにしているので、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610においては、色パラメータ変更指示フラグ1611および階調パラメータフラグ1622にはそれぞれフラグ値「0」が設定され、網点パラメータ変更指示フラグ1613にはフラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定される。
このようなフラグ値が設定されている第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を受け付けた画像処理部170では、色変換部171は、色パラメータ変更指示フラグ1611に設定されているフラグ値「0」に基づき色変換処理を実施する。この場合、色パラメータの変更は行われず、色パラメータ記憶部171bの記憶内容(色パラメータ)に基づき色変換処理が実施される。
また、階調補正部172は、階調パラメータ変更指示フラグ1612に設定されているフラグ値「0」に基づき階調補正処理を実施する。この場合、階調パラメータの変更は行われず、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容(階調パラメータ)に基づき色変換処理が実施される。
さらに、網点生成部173は、網点パラメータ変更指示フラグ1613に設定されているフラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」に基づき網点生成処理(スクリーン処理)を実施する。
網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定されているときは、網点生成部173の網点パラメータ設定部173aは、そのフラグ値に基づき、網点パラメータ記憶部173bの記憶内容(網点パラメータ)を更新する。なお、網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「0」が設定されているときは、網点パラメータの変更は行われない。
ここで、網点パラメータ(網点生成パラメータ)がスクリーン線数を意味するパラメータであるとしたときに、網点パラメータ変更指示フラグ1613に設定されるフラグ値「0」、フラグ値「1」およびフラグ値「2」にそれぞれ対応する網点パラメータ(網点生成パラメータ)のパラメータ値が「0」、「−α1」および「−α2」であるとする。
なお、「|α1|」および「|α2|」はスクリーン線数の変化量を意味する。この場合、「|α1|<|α2|」の関係式が成立するようにパラメータ値が予め決定されている。
ちなみに、網点パラメータ変更指示フラグ1613にフラグ値「2」が設定されている場合、このフラグ値「2」に対応する網点パラメータのパラメータ値は、網点パラメータのパラメータ値が「0」の場合のスクリーン線数よりも少ないスクリーン線数を意味する「−α2」となる。
実施の形態5では、図37に示すように、画像データ解析部160は、画像データ解析処理により得られたディフェクト発生予測フラグ情報と、画像出力装置制御部210からの環境情報、紙質情報および経時特性情報とを基に、フラグの読み替え処理を実施するとともに、該フラグの読み替え処理の結果を基にディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値を再設定する。
なお、図37は、図1に示したプリンタ10での第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要を示している。この例は、ゴーストが発生すると予測されたときは、網点生成部173による網点パラメータの変更処理が実施され、色変換部171および階調補正部172による該当するパラメータの変更処理が実施されない様子を示している。
ちなみに、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610は、画像処理部170に入力されて、色変換部171、階調補正部172および網点生成部173にそれぞれ入力される。
上述した画像データ解析処理について、図38を参照して説明する。
図38は、画像データ解析部160による画像データ解析処理の様子を示している。
なお、ページ単位の解析対象の画像データは、図32に示した実施の形態4の場合の画像データと同様になっているので、ここではその詳細な説明については省略する。
画像データ解析部160は、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(P501、図34のステップS501参照)。
画像データ解析部160は、画像データについて主走査方向または副走査方向のエッジを検出する(P502、図34のステップS502参照)。
この例では、例えば(「Xa+2」,Yb)座標値および(「Xa+14」,Yb)座標値をエッジとして検出する。
画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわるデータ値(色の階調値)が、予め設定された第2の色情報(色範囲)G2以下であると認識し(P503、図34のステップS503「≦G2」参照)、その後、P502で検出したエッジ(エッジ部)のコントラストを算出する(P504)。
この場合、(「Xa+2」,Yb)座標値および(「Xa+14」,Yb)座標値の各座標値に対応する各エッジ部のそれぞれのコントラストは、「255−0」を演算した結果つまり「255」となる。
画像データ解析部160は、P502で検出した2つのエッジ部のエッジ間距離(面積)を算出する(P505、図34のステップS506参照)。
この例では、(「Xa+2」,Yb)座標値に対応するエッジ部と(「Xa+14」,Yb)座標値に対応するエッジ部との間の距離(エッジ間距離)が算出される。
画像データ解析部160は、P505で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であると判断した場合は、白抜きゴーストが発生すると予測し(P506)、その後、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(P507、図34のステップS508参照)。
画像データ解析部160は、フラグ設定情報3500(図35)を基にフラグを設定し(P508、図34のステップS509参照)、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)する(P509、図34のステップS510参照)。
画像データ解析部160は、1ページに対応する画像データの解析処理を終了していないと判断した場合には、次の画素(次のライン)について画像解析処理すべく、P502以降を実施する(P510、図34のステップS513「NO」参照)。
画像データ解析部160は、例えば(Xmax1、Ymax1)座標値を検知して、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P511、ステップS513「YES」参照)、画像出力装置制御部210からの環境情報、紙質情報および経時特性情報を取得し(P512)、これらの情報とフラグ読み替え情報3500とに基づき、フラグ値の読み替え処理を実施する(P513、図34のステップS514参照)。
画像データ解析部160は、P513でのフラグ読み替え処理の結果がフラグ値「2」のときは、ディフェクト発生予測フラグに関してはフラグ値「2」を採用することとし、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の網点パラメータ変更指示フラグにフラグ値「2」を設定する(P514、図34のステップS517参照)。
この例では、P509にてフラグ値「1」が設定されたディフェクト発生予測フラグは、P513でのフラグ読み替え処理によりフラグ値「2」に変更されたことになる。
画像データ解析部160は、(Xmax、Ymax)座標値を検知して、全てのページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P515、図34のステップS521「YES」参照)、この画像データ解析処理を終了する。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態3のプリンタは、図1、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態3のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
次に、実施の形態5のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部160による画像データ解析処理について、図39を参照して説明する。
図39、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(6)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)1画素単位で解析する。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインから順次解析する。
(3)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(4)白抜きゴーストを検知するために、エッジ検出し、コントラストおよび白抜き距離(面積)を判定し、フラグを一次設定する。また画像出力装置情報も加味してフラグを最終設定する。
(5)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。
(6)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図29あるいは図30に示した階調補正情報2900あるいは階調補正情報300(実施の形態4参照)、図35に示したフラグ設定情報3500(実施の形態5参照)が記憶されている。
さて、画像データ解析部160は、記憶部150に記憶されている処理単位(ページ)の画像データ(描画データ)を取得し、この取得した1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(ステップS601)。
画像データ解析部160は、スキャンしたラインにかかわる画像データについて主走査方向または副走査方向のエッジを検出したか否かを判断し(ステップS602)、そのエッジを検出しない場合には、ステップS601に戻り、主走査方向または副走査方向のエッジを検出した場合は、そのデータ値(色の階調値)は、予め設定された第1の色情報(色の階調値)G1以上であるいか否か(「データ値≧G1」の関係式が成立するか否か)、あるいは予め設定された第2の色情報(色の階調値)G2(≠G1)以下であるか否か(「データ値≦G2」の関係式が成立するか否か)を判断する(ステップS603)。
ステップS603において「データ値≦G2」の関係式が成立すると判断した画像データ解析部160は、エッジ部のコントラストを算出し(ステップS604)、この算出したコントラストが予め設定されたコントラストC1以上であるか否か(算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS605)、この判断した結果、「算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立する場合は、エッジ間距離(面積)を算出する(ステップS606)。
画像データ解析部160は、ステップS606で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であるか否か(「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS607)、この判断した結果、前記関係式が成立する場合は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(ステップS608)。
なお、ステップS603において「データ値≧G1」の関係式が成立すると判断された場合は、ステップS608に進む。
ステップS608を終了した画像データ解析部160は、図35に示すフラグ設定情報3500を基にフラグを設定する(ステップS609)。
ステップS609を終了した画像データ解析部160は、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)、またはディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(ステップS610、ステップS611)。
なお、画像データ解析部160は、ステップS603において「データ値≧G1」および「データ値≦G2」の何れの関係式も不成立であると判断した場合、ステップS605において「算出したコントラスト≧C1」の関係式が不成立であると判断した場合、ステップS607において「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が不成立であると判断した場合、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「0」を設定(一次設定)する(ステップS612)。
画像データ解析部160は、ステップS610を終了した場合、ステップS611を終了した場合、ステップS612を終了した場合、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS613)、この判断した結果、その解析処理を終了していない場合にはステップS601に戻る。
画像データ解析部160は、ステップS613において、1ページに対応する画像データの解析処理を終了した場合は、ステップS610、ステップS611またはステップS612において設定したディフェクト発生予測フラグのフラグ値を、所定のページ例えば1ページ目のページに対する第1のディフェクト発生予測フラグおよび第2のディフェクト発生予測フラグのフラグ値として設定する(ステップS614)。
すなわち、画像データ解析部160は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620中の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、転写パラメータ変更指示フラグ1624のうち少なくとも1つのパラメータ変更指示フラグには、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を設定し、他のパラメータ変更指示にはフラグ値「0」を設定する。
画像データ解析部160は、このようにしてフラグ値を設定した第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて通知する(ステップS615)。
また、画像データ解析部160は、第1のディフェクト発生予測フラグに関しては、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を採用することとする(ステップS616、ステップS617、ステップS618)。
画像データ解析部160は、ステップS616でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「0」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「0」を設定する(ステップS619)。他のパラメータ変更指示フラグについてもフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、ステップS617でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「1」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」を設定する(ステップS620)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部160は、ステップS618でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「2」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「2」を設定する(ステップS621)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
上述したようにして第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定されたときは、階調補正部172によって、これらフラグ値「1」またはフラグ値「2」に応じて階調パラメータ(階調補正パラメータ)のパラメータ値が変更される。
画像データ解析部160は、ステップS619を終了した場合、ステップS620を終了した場合、ステップS621を終了した場合は、最終的な第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を画像処理部170に向けて出力するとともに、全てのページについての画像データ解析処理を終了したか否かを判断する(ステップS622)。
画像データ解析部160は、ステップS622において、全てのページについての画像データ解析処理を終了していないと判断した場合には、ステップS601に戻り、一方、全てのページについての画像データ解析処理を終了したと判断した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
ところで、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を受け付けた画像処理部170では、色変換部171は、色パラメータ変更指示フラグ1611に設定されているフラグ値「0」に基づき色変換処理を実施する。この場合、色パラメータの変更は行われず、色パラメータ記憶部171bの記憶内容(色パラメータ)に基づき色変換処理が実施される。
また、網点生成部173は、網点パラメータ変更指示フラグ1613に設定されているフラグ値「0」に基づき網点生成処理(スクリーン処理)を実施する。この場合、網点パラメータの変更は行われず、網点パラメータ記憶部173bの記憶内容(網点パラメータ)に基づき網点生成処理が実施される。
さらに、階調補正部172は、階調パラメータ変更指示フラグ1612に設定されているフラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」に基づき階調補正処理を実施する。
ここで、階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」またはフラグ値「2」が設定されているときは、階調補正部172の階調パラメータ設定部172aは、そのフラグ値に基づき、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容(階調パラメータ)を更新する。なお、階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「0」が設定されているときは、階調パラメータの変更は行われない。
そして、階調補正部172は、階調パラメータ記憶部172bの記憶内容と図29に示した実施の形態4の階調補正情報2900あるいは図30に示した実施の形態4の階調補正情報3000とに基づいて、描画部140からの画像データについて階調補正する。
ちなみに、階調パラメータ変更指示フラグ1612がフラグ値「0」、フラグ値「1」およびフラグ値「2」のときのそれぞれの階調パラメータ(階調補正パラメータ)は、実施の形態4の場合と同様に、パラメータ値「0」=補正パラ[0]、パラメータ値「1」=補正パラ[1]およびパラメータ値「1」=補正パラ[2]となる。
一方、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を受け付けた画像出力装置制御部210では、その第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグに設定されているフラグ値と環境情報、紙質情報および経時特性情報とに基づき、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620つまり各パラメータ変更指示フラグのフラグ値を再設定する。
そして、画像出力装置制御部210は、フラグ値「1」またはフラグ値「2」が再設定されたパラメータ変更指示フラグに対応するパラメータを格納するパラメータ記憶部を配下にしているパラメータ設定部に対し、パラメータの変更処理を依頼する。
例えば、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620中の転写パラメータ変更指示フラグ1624にフラグ値「1」が設定され、他のパラメータ変更指示フラグにはフラグ値「1」が設定されているとする。
この場合、画像出力装置制御部210は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620中の転写パラメータ変更指示フラグ1624のフラグ値「1」と、例えば図40に示す転写パラメータ再設定情報4000とを基に、転写パラメータを再設定する。
図40において、通知フラグの値「0」、「1」および「2」は、転写パラメータ変更指示フラグ1624に設定されているフラグ値「0」、「1」および「2」に対応する。
転写電圧Δ(ボルト)の欄において、「−150」は、所定の転写電圧よりも「150ボルト」低下した転写電圧を意味するパラメータ値を示し、同様に、「−300」は、所定の転写電圧よりも「300ボルト」低下した転写電圧を意味するパラメータ値を示す。
例えば、転写パラメータ変更指示フラグ1624にフラグ値「1」が設定されていたときは、画像出力装置制御部210によって、転写パラメータは所定の転写電圧よりも「150ボルト」低下した転写電圧を意味するパラメータ値に再設定される。
実施の形態6では、図41に示すように、画像処理装置100では、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の階調パラメータ変更指示フラグ1622を使用して階調パラメータを変更する。また、画像出力装置200では、画像処理装置100からの第1のディフェクト発生予測フラグ情報1620の転写パラメータ変更指示フラグ1624および環境情報、紙質情報および経時特性情報に基づき当該転写パラメータ変更指示フラグ1624のフラグ値の読み替えを実施するとともに、該フラグ読み替え後のフラグ値を基に転写パラメータを変更する。
なお、図41は、図1に示したプリンタ10での第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610および第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要を示している。この例では、ゴーストが発生すると予測されたときは、階調補正部172による階調パラメータの変更処理が実施されるとともに、転写パラメータ設定部224aによる転写パラメータの変更処理が実施される様子を示している。また、他のパラメータについては変更されない様子を示している。
ちなみに、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610は、画像処理部170に入力されて、色変換部171、階調補正部172および網点生成部173にそれぞれ入力される。
上述した画像データ解析処理について、図42を参照して説明する。
図42は、画像データ解析部160による画像データ解析処理の様子を示している。
なお、ページ単位の解析対象の画像データは、図32に示した実施の形態4の場合の画像データと同様になっているので、ここではその詳細な説明については省略する。
画像データ解析部160は、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(P601、図39のステップS601参照)。
画像データ解析部160は、画像データについて主走査方向または副走査方向のエッジを検出する(P602、図39のステップS602参照)。
この例では、例えば(「Xa+2」,Yb)座標値および(「Xa+14」,Yb)座標値をエッジとして検出する。
画像データ解析部160は、ゴースト発生側の画像にかかわるデータ値(色の階調値)が、予め設定された第2の色情報(色範囲)G2以下であると認識し(P603、図39のステップS603「≦G2」参照)、その後、P602で検出したエッジ(エッジ部)のコントラストを算出する(P604)。
この場合、(「Xa+2」,Yb)座標値および(「Xa+14」,Yb)座標値の各座標値に対応する各エッジ部のそれぞれのコントラストは、「255−0」を演算した結果つまり「255」となる。
画像データ解析部160は、P602で検出した2つのエッジ部のエッジ間距離(面積)を算出する(P605、図39のステップS606参照)。
この例では、(「Xa+2」,Yb)座標値に対応するエッジ部と(「Xa+14」,Yb)座標値に対応するエッジ部との間の距離(エッジ間距離)が算出される。
画像データ解析部160は、P605で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であると判断した場合は、白抜きゴーストが発生すると予測し(P606)、その後、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(P607、図39のステップS608参照)。
画像データ解析部160は、フラグ設定情報3500(図35)を基にフラグを設定し(P608、図39のステップS609参照)、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)する(P609、図39のステップS610参照)。
画像データ解析部160は、1ページに対応する画像データの解析処理を終了していないと判断した場合には、次の画素(次のライン)について画像解析処理すべく、P602以降を実施する(P610、図39のステップS613「NO」参照)。
画像データ解析部160は、例えば(Xmax1、Ymax1)座標値を検知して、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P611、図39のステップS613「YES」参照)、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて通知する(P612、図39のステップS615参照)。
画像データ解析部160は、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612に例えばフラグ値「1」を設定する(P613、図39のステップS620参照)。
画像出力装置制御部210では、画像処理装置100からの第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の例えば階調パラメータ変更指示フラグ1622と、環境情報、紙質情報および経時特性情報とに基づき、当該階調パラメータ変更指示フラグ1622のフラグ値を再設定する(P614)。ここでは、転写パラメータを、所定のパラメータよりも150ボルト低下した転写電圧を意味するパラメータ値に再設定する。
画像データ解析部160は、P613でのフラグ読み替え処理の結果がフラグ値「2」のときは、ディフェクト発生予測フラグに関してはフラグ値「2」を採用することとし、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の網点パラメータ変更指示フラグにフラグ値「2」を設定する(P614、図39のステップS517参照)。
画像データ解析部160は、(Xmax、Ymax)座標値を検知して、全てのページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P615、図39のステップS622「YES」参照)、この画像データ解析処理を終了する。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
図43は、実施の形態7に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタ10の構成を示している。
このプリンタ10は、図1に示した実施の形態1のプリンタ10の構成において、描画部140および画像データ解析部160を描画部4310および画像データ解析部4320に変更した構成になっている。なお、図43において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
なお、実施の形態7では、PDL解釈部130は、PDL解釈して得られたジョブ枚数や両面設定などのジョブ(JOB)情報を画像データ解釈部4320へ通知する。
描画部4310は、描画部140の機能に加えて、画像データ解析部4320からの描画方向を変更すべき旨の指示を受けて、この指示された描画方向に従って画像データの所定の方向に回転させた状態で描画し、回転後の画像データを画像処理部170に向けて出力する機能を有している。
画像データ解析部4320は、画像データ解析部160の機能に加えて、PDL解釈部13からのJOB情報、および画像出力装置200の画像出力制御部210からの用紙サイズ情報を取得し、これら取得した情報を基に画像(画像データ)の出力方向を変更することを認識したときは、描画部4310に対し、画像データを所定の方向に所定の角度だけ回転させて描画すべき旨を通知(指示)する機能を有している。
また、実施の形態7のプリンタ10は、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。
さらに、実施の形態7のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
次に、実施の形態7のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部4300による画像データ解析処理について、図44を参照して説明する。
図44、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(8)の前提条件の下、画像データ解析部4320による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)描画された画像(画像データ)について1画素単位で全てスキャンする。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインからスキャンする。これは一度描画し終わってから判定することを意味する。
(3)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(4)RGBデータで検知する。
(5)白抜きゴーストも検知するために、エッジを検出し、コントラストおよび白抜き距離(面積)をカウントする。また画像出力装置情報も加味してフラグを再設定する。
(6)出力(印刷)すべき画像データの描画方向を変更する。
(7)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。
(8)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図35に示すフラグ設定情報3500(実施の形態5参照)が記憶されている。
さて、PDL解釈部130は、PDLデータを解釈し、このPDL解釈したことにより得られたジョブ(JOB)情報(ジョブ枚数や両面設定など)を画像データ解析部4320に向けて出力する。
画像データ解析部160は、図44に示すように、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(P701)。
画像データ解析部4320は、スキャンしたラインにかかわる画像データについて主走査方向または副走査方向のエッジを検出したか否かを判断し(ステップS702)、そのエッジを検出しない場合には、ステップS701に戻り、主走査方向または副走査方向のエッジを検出した場合は、そのデータ値(色の階調値)は、予め設定された第1の色情報(色の階調値)G1以上であるいか否か(「データ値≧G1」の関係式が成立するか否か)、あるいは予め設定された第2の色情報(色の階調値)G2(≠G1)以下であるか否か(「データ値≦G2」の関係式が成立するか否か)を判断する(ステップS703)。
ステップS703において「データ値≦G2」の関係式が成立すると判断した画像データ解析部4320は、エッジ部のコントラストを算出し(ステップS704)、この算出したコントラストが予め設定されたコントラストC1以上であるか否か(算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS705)、この判断した結果、「算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立する場合は、エッジ間距離(面積)を算出する(ステップS706)。
画像データ解析部4320は、ステップS706で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であるか否か(「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS707)、この判断した結果、前記関係式が成立する場合は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(ステップS708)。
なお、ステップS703において「データ値≧G1」の関係式が成立すると判断された場合は、ステップS708に進む。
ステップS708を終了した画像データ解析部4320は、図35に示すフラグ設定情報3500を基にフラグを設定する(ステップS709)。
ステップS709を終了した画像データ解析部4320は、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)、またはディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(ステップS710、ステップS711)。
なお、画像データ解析部4320は、ステップS703において「データ値≧G1」および「データ値≦G2」の何れの関係式も不成立であると判断した場合、ステップS705において「算出したコントラスト≧C1」の関係式が不成立であると判断した場合、ステップS707において「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が不成立であると判断した場合、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「0」を設定(一次設定)する(ステップS712)。
画像データ解析部4320は、ステップS710を終了した場合、ステップS711を終了した場合、ステップS712を終了した場合、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS713)、この判断した結果、その解析処理を終了していない場合にはステップS701に戻る。
画像データ解析部4320は、ステップS713において、1ページに対応する画像データの解析処理を終了した場合は、ステップS710、ステップS711またはステップS712において設定したディフェクト発生予測フラグのフラグ値を、所定のページ例えば1ページ目のページに対する第2の第1のディフェクト発生予測フラグのフラグ値として設定する(ステップS714)。
すなわち、画像データ解析部4320は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620中の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、転写パラメータ変更指示フラグ1624のうち少なくとも1つのパラメータ変更指示フラグには、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を設定し、他のパラメータ変更指示にはフラグ値「0」を設定する。
画像データ解析部4320は、画像出力装置200の画像出力装置制御部210からの給紙装置にセットされている用紙に関するサイズを示す用紙サイズ情報を取得するとともに(ステップS715)、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200に向けて通知する(ステップS716)。
画像データ解析部4320は、PDL解釈部130からのジョブ(JOB)情報を取得した場合には(ステップS717)、このジョブ(JOB)情報およびステップS715で取得した用紙サイズ情報を基に、出力すべき画像(画像データ)にかかわる出力方向の変更は可能か否かを判断する(ステップS718)。
画像データ解析部4320は、ステップS718において、画像データにかかわる出力方向の変更が不可能であると判断した場合にはステップS701に戻り、一方、画像データにかかわる出力方向の変更が可能であると判断した場合は、描画方向の変更を実施すべく(ステップS719)、描画部4310に対し、当該画像データを所定の方向に所定の角度だけ回転(例えば180度回転)させて描画すべき旨を通知するとともに(ステップS720)、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に対し、画像データにかかわる出力方向(出力方向変更フラグ)を通知する(ステップS721)。
画像データ解析部4320は、描画部4310への画像データにかかわる描画方向の通知および画像出力装置制御部210への画像データにかかわる出力方向の通知を終了した場合は、全てのページについての画像データ解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS722)、この判断した結果、全てのページについての画像データ解析処理を終了していない場合にはステップS701に戻り、一方、全てのページについての画像データ解析処理を終了した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
ところで、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を受け付けた画像出力装置制御部210では、その第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグに設定されているフラグ値と環境情報、紙質情報および経時特性情報とに基づき、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620つまり各パラメータ変更指示フラグのフラグ値を再設定する。
そして、画像出力装置制御部210は、フラグ値「1」またはフラグ値「2」が再設定されたパラメータ変更指示フラグに対応するパラメータを格納するパラメータ記憶部を配下にしているパラメータ設定部に対し、パラメータの変更処理を依頼する。
ここで、帯電パラメータおよび現像パラメータの変更処理について、図45を参照して説明する。
図45に示すパラメータ再設定情報4500は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620が通知された場合に適用されるパラメータ情報4510と、出力方向変更フラグが通知された場合適用されるパラメータ情報4520と、を含んでいる。
図45において、通知フラグの値「0」、「1」および「2」は、帯電パラメータ変更指示フラグ1621あるいは現像パラメータ変更指示フラグ1623に設定されているフラグ値「0」、「1」および「2」に対応する。
帯電電圧あるいは現像電圧(帯電/現像電圧)Δ(ボルト)の欄において、「+100」は、所定の帯電電圧あるいは現像電圧よりも「100ボルト」増加した帯電電圧あるいは現像電圧を意味するパラメータ値を示し、同様に、「+200」は、所定の転写電圧よりも「200ボルト」増加した帯電電圧あるいは現像電圧を意味するパラメータ値を示す。
また、出力方向変更フラグの値「0」、「1」および「2」は、出力すべき画像データにかかわる出力方向に関するパラメータに対応するものであり、それぞれ「変更なし」、「A4LEFからA4SEFに変更する旨」および「180度回転出力する旨」を意味する。
ちなみに、通知された第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の中の帯電パラメータ変更指示フラグ1621あるいは現像パラメータ変更指示フラグ1623にフラグ値「1」が設定されているときには、パラメータ情報4510を基に、環境情報、紙質情報、経時特性情報など画像出力装置情報に基づいて設定された帯電電圧あるいは現像電圧に対してΔ100ボルトだけ増加させた帯電電圧あるいは現像電圧を意味するパラメータ値が再設定される。
また、通知された第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の中の帯電パラメータ変更指示フラグ1621あるいは現像パラメータ変更指示フラグ1623にフラグ値「2」が設定されているときには、パラメータ情報4520を基に、環境情報、紙質情報、経時特性情報など画像出力装置情報に基づいて設定された帯電電圧あるいは現像電圧よりもΔ200ボルトだけ増加させた帯電電圧あるいは現像電圧を意味するパラメータ値が再設定される。かつ描画方向(出力方向)が変更される(例えば180度回転出力される旨のパラメータ値に変更される。
画像出力装置制御部210は、描画方向(出力方向)が変更されるときは、画像データ解析部4320から通知された画像データにかかわる出力方向を基に、用紙を収容する給紙装置にかかわるパラメータを、通知された出力方向で画像が出力可能な状態で用紙が収容されている給紙装置に対応するパラメータ値に用紙を収容する複数の給紙装置を示すパラメータ値に変更する。
実施の形態7では、図46に示すように、画像処理装置100では、JOB情報および用紙サイズ情報を基に画像(画像データ)の出力方向を変更することを認識したときは、描画部4310によって、画像データを所定の方向に所定の角度だけ回転させて描画する。また、画像出力装置200では、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620、および環境情報、紙質情報、経時特性情報など画像出力装置情報を基に、帯電パラメータや現像パラメータを変更し、さらには出力すべき画像(画像データ)にかかわる描画方向(出力方向)を変更する。
なお、図46は、図43に示したプリンタ10での第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610および第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の流れの概要およびパラメータの変更される様子の概要を示している。この例では、ゴースト(白抜きゴースト)が発生すると予測されたときは、帯電パラメータや現像パラメータの変更処理が実施され、さらには出力すべき画像(画像データ)にかかわる描画方向(出力方向)の変更処理が実施される様子を示している。
上述した画像データ解析処理について、図47を参照して説明する。
図47は、画像データ解析部4320による画像データ解析処理の様子を示している。
なお、ページ単位の解析対象の画像データは、図32に示した実施の形態4の場合の画像データと同様になっているので、ここではその詳細な説明については省略する。
画像データ解析部4320は、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(P701、図44のステップS701参照)。
画像データ解析部4320は、画像データについて主走査方向または副走査方向のエッジを検出する(P702、図44のステップS702参照)。
この例では、例えば(「Xa+2」,Yb)座標値および(「Xa+14」,Yb)座標値をエッジとして検出する。
画像データ解析部4320は、ゴースト発生側の画像にかかわるデータ値(色の階調値)が、予め設定された第2の色情報(色範囲)G2以下であると認識し(P703、図44のステップS703「≦G2」参照)、その後、P602で検出したエッジ(エッジ部)のコントラストを算出する(P704)。
この場合、(「Xa+2」,Yb)座標値および(「Xa+14」,Yb)座標値の各座標値に対応する各エッジ部のそれぞれのコントラストは、「255−0」を演算した結果つまり「255」となる。
画像データ解析部4320は、P702で検出した2つのエッジ部のエッジ間距離(面積)を算出する(P705、図44のステップS706参照)。
この例では、(「Xa+2」,Yb)座標値に対応するエッジ部と(「Xa+14」,Yb)座標値に対応するエッジ部との間の距離(エッジ間距離)が算出される。
画像データ解析部4320は、P705で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であると判断した場合は、白抜きゴーストが発生すると予測し(P706)、その後、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(P707、図44のステップS608参照)。
画像データ解析部4320は、フラグ設定情報3500(図35)を基にフラグを設定し(P708、図44のステップS709参照)、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(P709、図44のステップS711参照)。
画像データ解析部4320は、1ページに対応する画像データの解析処理を終了していないと判断した場合には、次の画素(次のライン)について画像解析処理すべく、P702以降を実施する(P710、図44のステップS713「NO」参照)。
画像データ解析部4320は、例えば(Xmax1、Ymax1)座標値を検知して、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P711、図44のステップS713「YES」参照)、所定のページ例えば1ページ目のページに対する第2のディフェクト発生予測フラグのフラグ値として「2」を設定する。
画像データ解析部4320は、画像出力装置200の画像出力装置制御部210からの給紙装置にセットされている用紙に関するサイズを示す用紙サイズ情報を取得するとともに(P712、図44のステップS715)、フラグ値「2」が設定されている第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200に向けて通知する(P713、図44のステップS716)。
ここで、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620においては、帯電パラメータ変更指示フラグ1621および現像パラメータ変更指示フラグ1623には、フラグ値「2」が設定されているものとする。
画像データ解析部4320は、PDL解釈部130からのジョブ(JOB)情報や画像出力装置制御部210からの用紙サイズ情報に基づいて出力すべき画像(画像データ)にかかわる出力方向の変更は可能か否かを判断し、この判断した結果、画像データにかかわる出力方向の変更が可能であると判断した場合は(P714、図44のステップS718「YES」参照)、描画方向の変更を実施すべく(P715、図44のステップS719参照)、描画部4310に対し、当該画像データを所定の方向に所定の角度だけ回転(例えば180度回転)させて描画すべき旨を通知するとともに、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に対し、画像データにかかわる出力方向(出力方向変更フラグ)を通知する(P716、図44のステップS721)。
画像出力装置200では、通知された第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の中のフラグ値「2」が設定されている帯電パラメータ変更指示フラグ1621および現像パラメータ変更指示フラグ1623、およびパラメータ再設定情報4500に基づき、所定の帯電電圧および所定の現像電圧よりも200ボルトだけ増加させた帯電電圧および現像電圧を意味するパラメータ値を採用する。
最後に、画像データ解析部4320は、(Xmax、Ymax)座標値を検知して、全てのページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P717、図44のステップS722「YES」参照)、この画像データ解析処理を終了する。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態8のプリンタは、図43に示した実施の形態7のプリンタ10、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態8のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
次に、実施の形態8のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部4320による画像データ解析処理について、図48を参照して説明する。
図48、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(10)の前提条件の下、画像データ解析部4320による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)描画された画像(画像データ)についてオブジェクト単位で全てスキャンする。
(2)描画された画像(画像データ)について先頭の1ラインからスキャンする。これは一度描画し終わってから判定することを意味する。
(3)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(4)RGBデータで検知する。
(5)白抜きゴーストも検知するために、エッジを検出し、コントラストおよび白抜き距離(面積)をカウントする。また画像出力装置情報も加味してフラグを再設定する。
(6)ドラムピッチの上流および下流を検知する。
(7)他のディフェクト情報も加味してフラグを設定する。
(8)出力(印刷)すべき画像データの描画方向を変更する。
(9)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。この場合、オブジェクトの平均値(例えば平均濃度)に応じてフラグのレベルを分ける。
(10)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図35に示すフラグ設定情報3500(実施の形態5参照)が記憶されている。
さて、PDL解釈部130は、PDLデータを解釈し、このPDL解釈したことにより得られたジョブ(JOB)情報(ジョブ枚数や両面設定など)を画像データ解析部4320に向けて出力する。
画像データ解析部4320は、図48に示すように、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(ステップS801)。
画像データ解析部4320は、上記画像データの中にグラフィック(グラフィックオブジェクト)あるいはイメージ(イメージオブジェクト)が含まれているか否かを判断し(ステップS802)、この判断した結果、グラフィックオブジェクトあるいはイメージオブジェクトが含まれている場合は、当該オブジェクトの平均値(例えば平均濃度)を算出する(ステップS803)。
画像データ解析部4320は、ステップS803で算出したオブジェクトの平均値が、予め設定された第1の色情報(色の階調値)P1以上であるいか否か(「平均値≧P1」の関係式が成立するか否か)、予め設定された第2の色情報(色の階調値)P2(≠P1)以下であるか否か(「平均値≦P2」の関係式が成立するか否か)を判断する(ステップS804)。
ステップS804において「平均値≦P2」の関係式が成立すると判断した画像データ解析部4320は、エッジ部のコントラストを算出し(ステップS805)、この算出したコントラストが予め設定されたコントラストC1以上であるか否か(算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS806)、この判断した結果、「算出したコントラスト≧C1」の関係式が成立する場合は、エッジ間距離(面積)を算出する(ステップS807)。
画像データ解析部4320は、ステップS807で算出したエッジ間距離(面積)が予め設定された距離S1以下であるか否か(「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が成立するか否か)を判断し(ステップS808)、この判断した結果、前記関係式が成立する場合は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の下流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(ステップS809)。
なお、ステップS804において「平均値≧P1」の関係式が成立すると判断された場合は、ステップS809に進む。
ステップS804において「P1<平均値<P2」の関係式が成立すると判断した画像データ解析部4320は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の上流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(ステップS810)。
画像データ解析部4320は、他のディフェクト情報を取得し(ステップS811)、この取得した他のディフェクト情報と、ステップS809でのスキャンした結果、あるいはステップS810でのスキャンした結果と、図35に示したフラグ設定情報3500とを基に、ディフェクト発生予測フラグを設定する(ステップS812)。
ステップS812を終了した画像データ解析部4320は、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)、またはディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(ステップS813、ステップS814)。
なお、画像データ解析部4320は、ステップS802においてテキストオブジェクトのみであると判断した場合、ステップS804において「平均値≧P1」および「平均値≦P2」の何れの関係式も不成立であると判断した場合、ステップS806において「算出したコントラスト≧C1」の関係式が不成立であると判断した場合、ステップS808において「エッジ間距離(面積)≦S1」の関係式が不成立であると判断した場合、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「0」を設定(一次設定)する(ステップS815)。
画像データ解析部4320は、ステップS813を終了した場合、ステップS814を終了した場合、ステップS815を終了した場合、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS816)、この判断した結果、その解析処理を終了していない場合にはステップS801に戻る。
画像データ解析部4320は、ステップS816において、1ページに対応する画像データの解析処理を終了した場合は、ステップS813、ステップS814またはステップS815において設定したディフェクト発生予測フラグのフラグ値を、所定のページ例えば1ページ目のページに対する第2のディフェクト発生予測フラグのフラグ値として設定する(ステップS817)。
すなわち、画像データ解析部4320は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620中の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、転写パラメータ変更指示フラグ1624のうち少なくとも1つのパラメータ変更指示フラグには、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を設定し、他のパラメータ変更指示にはフラグ値「0」を設定する。
画像データ解析部4320は、画像出力装置200の画像出力装置制御部210からの給紙装置にセットされている用紙に関するサイズを示す用紙サイズ情報を取得するとともに(ステップS818)、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200に向けて通知する(ステップS819)。
画像データ解析部4320は、PDL解釈部130からのジョブ(JOB)情報を取得した場合には(ステップS820)、このジョブ(JOB)情報およびステップS818で取得した用紙サイズ情報を基に、出力すべき画像(画像データ)にかかわる出力方向の変更は可能か否かを判断する(ステップS821)。
画像データ解析部4320は、ステップS821において、画像データにかかわる出力方向の変更が不可能であると判断した場合にはステップS801に戻り、一方、画像データにかかわる出力方向の変更が可能であると判断した場合は、描画方向の変更を実施すべく(ステップS822)、描画部4310に対し、当該画像データを所定の方向に所定の角度だけ回転(例えば180度回転)させて描画すべき旨を通知するとともに(ステップS823)、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に対し、画像データにかかわる出力方向(出力方向変更フラグ)を通知する(ステップS824)。
画像データ解析部4320は、描画部4310への画像データにかかわる描画方向の通知および画像出力装置制御部210への画像データにかかわる出力方向の通知を終了した場合は、全てのページについての画像データ解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS825)、この判断した結果、全てのページについての画像データ解析処理を終了していない場合にはステップS701に戻り、一方、全てのページについての画像データ解析処理を終了した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
ところで、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を受け付けた画像出力装置制御部210では、その第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620の各パラメータ変更指示フラグに設定されているフラグ値と環境情報、紙質情報および経時特性情報とに基づき、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620つまり各パラメータ変更指示フラグのフラグ値を再設定する。
そして、画像出力装置制御部210は、フラグ値「1」またはフラグ値「2」が再設定されたパラメータ変更指示フラグに対応するパラメータを格納するパラメータ記憶部を配下にしているパラメータ設定部に対し、パラメータの変更処理を依頼する。
この実施の形態8においても、帯電パラメータおよび現像パラメータの変更処理については、実施の形態7の場合と同様に実施することでできる。すなわち、画像出力装置200では、帯電パラメータ変更指示フラグ1621あるいは現像パラメータ変更指示フラグ1623に設定されているフラグ値と、図45に示したパラメータ再設定情報4500とを基に、帯電パラメータおよび現像パラメータのパラメータ値を再設定する。
また、この実施の形態8においても、図46に示した実施の形態7の例の如く、ゴースト(白抜きゴースト)が発生すると予測されたときは、帯電パラメータや現像パラメータの変更処理が実施され、さらには出力すべき画像(画像データ)にかかわる描画方向(出力方向)の変更処理が実施される。
上述した画像データ解析処理について、図49を参照して説明する。
図49は、画像データ解析部4320による画像データ解析処理の様子を示している。
なお、ページ単位の解析対象の画像データは、図32に示した実施の形態4の場合の画像データと同様になっているので、ここではその詳細な説明については省略する。
画像データ解析部4320は、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、先頭の1ライン目のラインから順次、画素単位でスキャンする(P801)。
画像データ解析部4320は、グラフィック(グラフィックオブジェクト)あるいはイメージ(イメージオブジェクト)を検知し(P802)、当該オブジェクトの平均値(例えば平均濃度)を算出する(P803)。
画像データ解析部4320は、上記算出した平均値が、予め設定される濃度P1以下であるか(「平均値≦P1」の関係式が成立するか)、予め設定される濃度P2(≠P1)以上であるか(「平均値≧P2」の関係式が成立するか)、またはP1を超えてP2未満であるか(「P1<平均値<P2」の関係式が成立するか)を判断し、この判断した結果、この場合「P1<平均値<P2」の関係式が成立すると認識する(P804)。
画像データ解析部4320は、解析処理の対象であった画素の位置よりもドラムピッチだけ副走査方向の上流に位置する画素の画素値(階調値)をスキャンする(P805)。
画像データ解析部4320は、他のディフェクト情報、および図35に示したフラグ設定情報3500を基に、フラグを設定し(P806)、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620にフラグ値「2」を設定(一次設定)する(P807)。
画像データ解析部4320は、例えば(Xmax1、Ymax1)座標値を検知して、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P808)、画像出力装置200の画像出力装置制御部210からの用紙サイズ情報を取得するとともに(P809)、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200に向けて通知する(P810)。
画像データ解析部4320は、ジョブ(JOB)情報および用紙サイズ情報を基に、出力すべき画像(画像データ)にかかわる出力方向の変更は可能か否かを判断する(P811)。
ここで、出力方向の変更が可能であると判断された場合は、描画方向の変更を実施すべく、描画部4310に対し、当該画像データを所定の方向に所定の角度だけ回転(例えば180度回転)させて描画すべき旨が通知されるとともに、画像出力装置200の画像出力装置制御部210に対し、画像データにかかわる出力方向(出力方向変更フラグ)が通知される。
最後に、画像データ解析部4320は、(Xmax、Ymax)座標値を検知して、全てのページに対応する画像データの解析処理を終了したと判断した場合は(P812)、この画像データ解析処理を終了する。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9に係る画像処理装置を有する画像形成装置を適用したプリンタの機能構成について説明する。
この実施の形態9のプリンタは、図43に示した実施の形態7のプリンタ10、図8および図9に示した実施の形態1のプリンタ10と同様の構成および機能を有している。また、実施の形態8のプリンタ10は、図10に示した実施の形態1のプリンタ10による印刷処理と同様の印刷処理を実施する。
次に、実施の形態9のプリンタ10の画像処理装置100の画像データ解析部4320による画像データ解析処理について、図50を参照して説明する。
図50、その画像データ解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
この例では、次の(1)〜(10)の前提条件の下、画像データ解析部160による画像データ解析処理が実施されるようになっている。
(1)描画された画像(画像データ)についてオブジェクト単位で全てスキャンする。
(2)ラスタライズ前の中間データの段階でオブジェクト毎に検知(判定処理を簡素化)する。
(3)ゴースト受け側のオブジェクトを検知する。
(4)ゴースト発生の可能性ある場合は、ドラムピッチの上流(ドラムピッチだけ副走査方向の上流)を検知する。
(5)上流にオブジェクトが存在し、ゴースト発生側の画像も所定の条件に適合したら所定の補正を実施する。
(6)ジョブ(JOB)単位で解析する。
(7)RGBデータで検知する。
(8)他のディフェクト情報も加味してフラグを設定する。
(9)ディフェクト発生予測フラグ情報のフラグ値は「0」、「1」および「3」とし、ディフェクト発生予測フラグは3段階のレベルとする。この場合、オブジェクトの平均値(例えば平均濃度)に応じてフラグのレベルを分ける。
(10)ROMなどの記憶手段には、画像データ解析部160によって参照される図35に示すフラグ設定情報3500(実施の形態5参照)が記憶されている。
画像データ解析部4320は、図50に示すように、1ページに対応する中間データ形式の画像データ(RGBデータ)について、RGBデータのデータ形式に従って、オブジェクト単位で全てスキャンする(ステップS901)。
画像データ解析部4320は、上記画像データの中にグラフィック(グラフィックオブジェクト)あるいはイメージ(イメージオブジェクト)が含まれているか否かを判断し(ステップS902)、この判断した結果、グラフィックオブジェクトあるいはイメージオブジェクトが含まれている場合は、当該オブジェクトの色情報Rを検知する(ステップS903)。
画像データ解析部4320は、検知した色情報Rが予め設定される色情報P1以上で、かつ予め設定される色情報P2(≠P1)以下であるか否か(「P1≦R≦P2」の関係式が成立するか否か)を判断する(ステップ904)。
画像データ解析部4320は、ステップS904において「P1≦R≦P2」の関係式が成立すると判断した場合は、ドラムピッチだけ副走査方向の上流に位置する画像をスキャンする(ステップ905)。
画像データ解析部4320は、ステップS905でスキャンした画像(画像データ)の中に、グラフィック(グラフィックオブジェクト)あるいはイメージ(イメージオブジェクト)が含まれているか否かを判断し(ステップ906)、この判断した結果、グラフィックオブジェクトあるいはイメージオブジェクトが含まれている場合は、当該オブジェクトの色情報Gを検知する(ステップ907)。
ステップS907を終了した画像データ解析部4320は、上記色情報Gが上記色情報P1以上であるか(「P1≦G」の関係式が成立するか)、あるいは上記色情報Gが上記色情報P2以下であるか(「P2≧G」の関係式が成立するか)を判断する(ステップS908)。
画像データ解析部4320は、他のディフェクト情報を取得し(ステップS909)、この取得した他のディフェクト情報と、図35に示したフラグ設定情報3500とを基に、ディフェクト発生予測フラグを設定する(ステップS910)。
ここで、他のディフェクト情報とは例えば転写不良(モトル)である。画像データ解析部4320は、別の判定式を基に、ゴーストの発生予測の場合と同様に、その転写不良(モトル)の発生を予測することができる。そして、画像データ解析部4320は、フラグ設定情報3500に加えて転写不良のディフェクト情報も加味した形で、ディフェクト発生予測フラグを設定する。
ステップS910を終了した画像データ解析部4320は、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「1」を設定(一次設定)、またはディフェクト発生予測フラグにフラグ値「2」を設定(一次設定)する(ステップS911、ステップS912)。
なお、画像データ解析部4320は、ステップS902においてテキストオブジェクトのみであると判断した場合、ステップS904において「P1≦R≦P2」の関係式が不成立であると判断した場合、ステップS906においてグラフィックオブジェクトあるいはイメージオブジェクトが存在しない場合、ステップS908において「P1≦G」の関係式および「P2≧G」の関係式の何れも不成立であると判断した場合、ディフェクト発生予測フラグにフラグ値「0」を設定(一次設定)する(ステップS913)。
画像データ解析部4320は、ステップS911を終了した場合、ステップS912を終了した場合、ステップS913を終了した場合、1ページに対応する画像データの解析処理を終了したか否かを判断し(ステップS914)、この判断した結果、その解析処理を終了していない場合にはステップS901に戻る。
画像データ解析部4320は、ステップS914において、1ページに対応する画像データの解析処理を終了した場合は、ステップS911、ステップS912またはステップS913において設定したディフェクト発生予測フラグのフラグ値を、所定のページ例えば1ページ目のページに対する第1のディフェクト発生予測フラグおよび第2のディフェクト発生予測フラグそれぞれのフラグ値として設定する(ステップS915)。
すなわち、画像データ解析部4320は、第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620中の帯電パラメータ変更指示フラグ1621、露光パラメータ変更指示フラグ1622、現像パラメータ変更指示フラグ1623、転写パラメータ変更指示フラグ1624のうち少なくとも1つのパラメータ変更指示フラグには、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を設定し、他のパラメータ変更指示にはフラグ値「0」を設定する。
画像データ解析部4320は、このようにしてフラグ値を設定した第2のディフェクト発生予測フラグ情報1620を画像出力装置200の画像出力装置制御部210に向けて通知する。
画像データ解析部4320は、第1のディフェクト発生予測フラグに関しては、フラグ値「0」、フラグ値「1」またはフラグ値「2」を採用することとする(ステップS916、ステップS917、ステップS918)。
画像データ解析部160は、ステップS916でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「0」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「0」を設定する(ステップS619)。他のパラメータ変更指示フラグについてもフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部4320は、ステップS917でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「1」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「1」を設定する(ステップS920)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部4320は、ステップS918でディフェクト発生予測フラグに関してフラグ値「2」を採用することとした場合には、第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610の中の階調パラメータ変更指示フラグ1612にフラグ値「2」を設定する(ステップS921)。他のパラメータ変更指示フラグについてはフラグ値「0」が設定される。
画像データ解析部4320は、ステップS919を終了した場合、ステップS920を終了した場合、ステップS921を終了した場合は、最終的な第1のディフェクト発生予測フラグ情報1610を画像処理部170に向けて出力するとともに、全てのページについての画像データ解析処理を終了したか否かを判断する(ステップS922)。
画像データ解析部4320は、ステップS922において、全てのページについての画像データ解析処理を終了していないと判断した場合には、ステップS901に戻り、一方、全てのページについての画像データ解析処理を終了したと判断した場合は、この画像データ解析処理を終了する。
この実施の形態9においても、帯電パラメータおよび現像パラメータの変更処理については、実施の形態7の場合と同様に実施することでできる。すなわち、画像出力装置200では、帯電パラメータ変更指示フラグ1621あるいは現像パラメータ変更指示フラグ1623に設定されているフラグ値と、図45に示したパラメータ再設定情報4500とを基に、帯電パラメータおよび現像パラメータのパラメータ値を再設定する。
また、この実施の形態9においても、図46に示した実施の形態7の例の如く、ゴースト(白抜きゴースト)が発生すると予測されたときは、帯電パラメータや現像パラメータの変更処理が実施され、さらには出力すべき画像(画像データ)にかかわる描画方向(出力方向)の変更処理が実施される。
上述した画像データ解析処理について、図51を参照して説明する。
図51は、画像データ解析部4320による画像データ解析処理の様子を示している。
この実施の形態9では、図52に示すようなゴーストが発生する可能性のある画像データに対する画像データ解析処理を想定している。
なお、ページ単位の解析対象の画像データは、図32に示した実施の形態4の場合の画像データと同様になっているので、ここではその詳細な説明については省略する。
画像データ解析部4320は、1ページに対応する画像データ(RGBデータ)について、オブジェクト単位で全てスキャンする(P901)。
画像データ解析部4320は、上記画像データの中にグラフィック(グラフィックオブジェクト)あるいはイメージ(イメージオブジェクト)があることを認識し(P902)、この認識したオブジェクトについてはゴースト受け側になる可能性のあるオブジェクトであると判定する(P903)。
画像データ解析部4320は、ドラムピッチだけ副走査方向の上流に位置する画像をスキャンする(P904)。
画像データ解析部4320は、上流の位置の画像(画像データ)の中に、グラフィック(グラフィックオブジェクト)あるいはイメージ(イメージオブジェクト)があることを認識し(P905)、この認識したオブジェクトについてはゴースト発生側になる可能性のあるオブジェクトであると判定する(P906)。
画像データ解析部4320は、図35に示したフラグ設定情報3500を基に、ディフェクト発生予測フラグを設定する(P907)。
(実施の形態10)
図53は、実施の形態10にかかわる画像形成システムの構成を示している。
図53に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置としてのプリンタ10と処理装置(クライアント装置)としてのコンピュータ20とが通信回線30を介して接続される。
コンピュータ20は、処理装置として機能するものであり、CPU(Central
Processing Unit:中央演算処理装置)21、ハードディスクなどの記憶装置22、RAM(Random
Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)などのメモリ23および通信インタフェース(以下「通信I/F」という)24を備えている。
記憶装置22は、文書の生成や印刷要求を発行するアプリケーションソフトウェア、プリンタドライバ、印刷データ(PDLデータ)など各種のデータを記憶する。
メモリ23は、記憶装置22から読み出されたプログラムやデータを記憶する。
通信I/F24は、通信回線30を介して、プリンタ10との間でデータの送受信を行うインタフェースである。
CPU21は、コンピュータ20全体を制御するものであり、例えば、記憶装置22からメモリ23へプリンタドライバを読み込んで実行する。これにより、印刷データ(PDLデータ)がプリンタ10に向けて送信される。
画像形成装置として機能するプリンタ10は、CPU11、ハードディスクなどの記憶装置12、RAMなどのメモリ13および通信I/F14を有する画像処理装置100と画像出力装置200とを備えている。このプリンタ10は、実施の形態1から実施の形態9の何れかの実施の形態のプリンタに対応する。
記憶装置12は、ソフトウェアである上述した画像処理プログラム(所定のプログラム)50など、印刷処理を実施するのに必要な各種のプログラムやデータを記憶している。
通信I/F14は、通信回線30を介して、コンピュータ20との間でデータの送受信を行うインタフェースであり、例えば、コンピュータ20から送信された印刷データを受信する。
ちなみに、画像処理プログラム50は、PDL解釈部130、描画部140(描画部4310)、画像データ解析部160(画像データ解析部4310)、および画像処理部170(色変換部171、階調補正部172および網点生成部173)のそれぞれの機能を実現させるためのプログラム(ソフトウェア)、および実施の形態1から実施の形態9の何れかの実施の形態にて説明した画像データ解析処理の処理手順に対応するプログラム(ソフトウェア)を含んでいる。
メモリ13は、記憶装置12から読み出された画像処理プログラム50、通信I/F14を介して受信された印刷データなどを記憶する。また、メモリ13には少なくとも次の(a)〜(e)の各記憶領域が割り当てられる。
(a)記憶部120として機能する記憶領域(印刷データを記憶する領域)。
(b)記憶部150として機能する記憶領域(描画データを記憶する領域)。
(c)色パラメータ記憶部171b、階調パラメータ記憶部172bおよび網点パラメータ記憶部173bとして機能する記憶領域(各パラメータを記憶する領域)。
(d)画像データ解析部160がゴースト(白抜けゴースト)発生の予測処理を実施する際に必要となる記憶領域(予測処理するときに必要な作業領域、予測処理過程の情報やその結果の情報などを記憶する記憶領域など)。
(e)画像処理部170が画像処理を実施する際に必要となる記憶領域(色変換処理、階調補正処理、スクリーン処理の各処理過程や処理結果などを記憶する記憶領域など)。
CPU11は、プリンタ10全体を制御するものであり、例えば、記憶装置12からメモリ13へ画像処理プログラム50を読み込んで実行することにより、高画質の画像データを生成して、画像出力装置200に向けて出力する。
通信回線30としては、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local
Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
上述した実施の形態1から実施の形態9の何れかの実施の形態でのプリンタ(画像形成装置)10、あるいは実施の形態10の画像形成システム1では、例えば図54に示すようなゴーストが発生するような画像データ、あるいは図55に示すようなゴーストが発生するような画像データに対する印刷処理を実施するに際し、画像処理装置100による前記画像データについての画像データ解析処理と、画像処理部170による画像処理にかかわるパラメータの変更処理あるいは画像出力装置200による画像形成処理にかかわるパラメータの変更処理が実施され、前述したゴーストの発生を抑制する(図2に示す画像や図3に示す画像が印刷出力される)。
なお、本願明細書において、情報処理装置は、プリンタ、換言すれば画像処理装置(図20参照)の如く、CPU、メモリおよび記憶装置で構成される。
本願明細書において、画像処理装置の各機能を実現し、上記画像処理の処理手順を示すプログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施の形態として説明したが、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
すなわち、上記所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。この場合、その記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置がインストールした後、このプログラムをCPUが実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像処理装置は、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
さらには、画像処理装置を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該画像処理装置が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該画像処理装置が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。