JP2015021689A - 作業施設用空調システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、工場の内気送風方法と、この方法に使用する攪拌扇の構造として、工場の高温帯域に複数基の攪拌扇を配備し、第1の攪拌扇から第4の攪拌扇に順次送風し、この多数基の攪拌扇で、前記内気を順送するものが案出されている(特許文献2参照)。
さらに、室内換気システムとして、外気を清浄化し且つ気化熱を利用して冷却し、室内に取り込み、室内の空気を室外に排出するようになしたものが案出されている(特許文献3参照)。
この作業施設用空調システムは、空気流が流通可能な実質的に直線状に延びる通路空間を有する作業施設のためのものである。そして、この作業施設用空調システムは、冷風発生機10と、冷風発生機により発生された冷風を吸引可能に作業施設の通路空間の一端側に配置され、通路空間の一端側より他端側に向かって流れる誘引気流を形成させる通路方向誘引気流発生機11と、作業施設の天井部に配置される排気装置12と、通路方向誘引気流発生機より通路空間の他端側でありかつ所定風速の誘引気流が流れる位置に配置され、誘引気流を吸引し、かつ、排気装置方向に向かって流れる排気用誘引気流を形成させる排気装置方向誘引気流発生機13とを備える。
空調設備の代わりに気化放熱冷風装置、換気装置を備えたものとして、特許文献1の気化放熱冷風装置では、室の一方側壁に送風機を備えただけで広い作業施設の場合に冷風を行き渡らせることができず、かつ屋根または側壁にもうけた換気扇で吸引排出するが、広い室内に滞留する高温の空気を完全に室外に出すことができず、作業環境が悪くなるという問題があり、また、特許文献2の工場の内気送風方法では複数基の攪拌扇で内気を順送することが開示されているだけで導入フアンで導入する外気を攪拌扇で順送するだけであり、外気温が高い夏期に、高温となっている施設内に外気を順送しても室内の温度を下げることができず、さらに特許文献3で外気を清浄化し且つ気化熱を利用して冷却し、室内に取り込み、室内の空気を室外に排出することを開示しているが、これも室内の長い通路を冷風を移動する手段がなく、かつ室内に滞留する温度の高い空気を換気扇で排出が十分行えず、作業施設内の改善ができないなどの問題がある。
本発明の目的は、作業施設に冷風発生機と、冷風発生機からの冷風を誘因する誘引気流発生機とを用いて、主たる通路空間より側部方向に延びる横方向領域空間を有効に冷却することができる作業施設用空調システムを提供するものである。
(1) 一方側壁部と前記一方側壁部と向かい合う他方側壁部を備える内部空間と、前記内部空間内に形成され、前記2つの壁部間に位置しかつ前記壁部と同方向に延びる縦方向領域と、前記縦方向領域より前記他方側壁部方向に延びる複数の他方壁部側横方向領域とを有する作業施設用空調システムであって、
前記空調システムは、前記縦方向領域の一方の側部側に設けられた送風ダクトと、前記送風ダクトに冷気を供給する冷風発生機と、前記送風ダクトに設けられた複数の冷風吐出部と、各冷風吐出部の冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域の前記一方の側部側から向かい合う他方の側部を通過し、前記他方壁部側横方向領域を流れる気流を形成する複数の誘引気流発生機とを備える他方側壁部方向冷風送気部を備え、
さらに、前記冷風送気部は、前記誘引気流発生機の誘引気流吐出口を上下方向および横方向に調整可能に保持する誘引気流発生機保持部を備え、前記送風ダクトの前記冷風吐出部は、前記冷風吐出口の前記誘引気流発生機の吸引口への近接および両者が向かい合うように調整可能な吐出口位置調整機能を備えている作業施設用空調システム。
(2) 一方側壁部と前記一方側壁部と向かい合う他方側壁部を備える内部空間と、前記内部空間内に形成され、前記2つの壁部間に位置しかつ前記壁部と同方向に延びる縦方向領域と、前記縦方向領域より前記一方側壁部方向に延びる複数の一方壁部側横方向領域と、前記縦方向領域より前記他方側壁部方向に延びる複数の他方壁部側横方向領域とを有する作業施設用空調システムであって、
前記空調システムは、前記縦方向領域の一方の側部側に設けられた第1の送風ダクトと、前記第1の送風ダクトに冷気を供給する冷風発生機と、前記第1の送風ダクトに設けられた複数の冷風吐出部と、前記冷風吐出部の冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域の前記一方の側部側から向かい合う他方の側部を通過し、前記他方壁部側横方向領域を流れる気流を形成する複数の誘引気流発生機とにより構成される他方側壁部方向冷風送気部と、
前記縦方向領域の他方の側部側に設けられ、前記第1の送風ダクトと所定距離離間する第2の送風ダクトと、前記第2の送風ダクトに冷気を供給する冷風発生機と、前記第2の送風ダクトに設けられた複数の冷風吐出口と、前記冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域の前記他方の側部側から向かい合う一方の側部を通過し、前記一方壁部側横方向領域を流れる気流を形成する複数の誘引気流発生機とにより構成される一方側壁部方向冷風送気部とを備え、
さらに、前記冷風送気部は、前記誘引気流発生機の誘引気流吐出口を上下方向および横方向に向き調整可能に保持する誘引気流発生機保持部を備え、前記送風ダクトの前記冷風吐出部は、前記冷風吐出口の前記誘引気流発生機の吸引口への近接および両者が向かい合うように調整可能な吐出口位置調整機能を備え、
そして、前記空調システムは、前記一方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口より吐出され、前記横方向領域を流れる一方側壁部方向気流と、前記他方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口より吐出され、前記横方向領域を流れる他方側壁部方向気流とが、実質的に当接しないように各前記誘引気流発生機の気流吐出口の向きが調整されている作業施設用空調システム。
(4) 前記一方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口と前記他方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口は、前記縦方向領域の一端側から他端側に向かって、交互となるように配置されている上記(2)または(3)に記載の作業施設用空調システム。
(5) 前記空調システムは、前記第1の送風ダクトの末梢部と前記第2の送風ダクトの抹消部とを接続する接続ダクトを備えている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(6) 前記接続ダクトには、圧力調整部が設けられている上記(5)に記載の作業施設用空調システム。
(7) 前記誘引気流発生機は、前記冷風吐出口より吐出する冷風の90%を越える冷風を吸引するとともに、さらに外気を吸引するものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(8) 前記空調システムは、前記誘引気流発生機が、前記冷風吐出口より吐出する冷風の一部を吸引し、誘引気流を発生し、かつ、前記誘引気流発生機により吸引されない残部の冷気が、前記冷風吐出口より付近に拡散するものとし、前記誘引気流発生機は、前記冷風吐出口より吐出する冷風の50%以上かつ90%以下の冷風を吸引するものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(9) 前記冷風吐出部の前記吐出口位置調整機能は、蛇腹状の変形可能部により構成されており、前記変形可能部は、前記冷風吐出口までの長さおよび高さを調整可能であり、かつ、前記冷風吐出口の上下方向および左右方向の向きを調整可能である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(11) 前記空調システムは、前記縦方向領域に誘引気流を送風する縦方向領域誘引気流形成部を備えており、前記縦方向領域誘引気流形成部は、前記送風ダクトに設けられた冷風吐出部と、前記冷風吐出部の冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域を流れる縦方向領域方向誘引気流を形成させる誘引気流発生機とにより構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(12) 前記作業施設は、天井に設けられた少なくとも1つの排気装置を備え、前記作業施設用空調システムは、前記排気装置に向かって流れる誘引気流発生機を備えている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(13) 前記冷風発生機は、水を用いた気化放熱式冷風発生機である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(14) 前記冷風発生機は、正面または上面に設けられた送風口と、向かい合う側面に設けられた2つの吸気口とを有するハウジングと、前記一方の吸気口の内側に配設され、下部に水を貯留するための貯留部を有する通気性収納部と、前記通気性収納部内に収納され、前記貯留部の水を散水パイプに供給するための循環ポンプと、前記散水パイプによって散水された水の膜を形成する冷却エレメントとを備える第1の冷却ユニットと、前記他方の吸気口の内側に配設され、下部に水を貯留するための貯留部を有する通気性収納部と、前記通気性収納部内に収納され、前記貯留部の水を散水パイプに供給するための循環ポンプと、前記散水パイプによって散水された水の膜を形成する冷却エレメントとを備える第2の冷却ユニットと、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニット間かつ前記送風口の下方に設けられ、前記第1および第2の冷却ユニットにより冷却された冷気を合わせて前記送風口に送る送風機とを備えている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
(15) 前記誘引気流発生機は、吹出口風量の数倍以上の周辺空気を誘引することにより誘引気流を形成するものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
このため、作業施設内の他方壁部側に延びる横方向領域を確実に冷却することができ、かつ、誘引気流発生機により生成される誘引気流は、縦方向領域を横切るため、縦方向領域もある程度冷却される。そして、この空調システムによれば、縦方向領域から他方の側壁に向かい、かつ側壁に向かうに従って暖気を徐々に含んでいく気流が形成されるため、良好に作業領域を冷却することができる。
一方側壁部方向冷風送気部の誘引気流発生機により生成される誘引気流と、他方側壁部方向冷風送気部の誘引気流発生機により生成される誘引気流は、互いに当接することなく、それぞれの横方向領域を流通するため、作業施設内の一方壁部側に延びる横方向領域および他方壁部側に延びる横方向領域を確実に冷却することができる。さらに、誘引気流発生機により生成される誘引気流は、縦方向領域を横切るため、縦方向領域もある程度冷却される。そして、この空調システムによれば、縦方向領域から両側壁に向かい、かつ側壁に向かうに従って暖気を徐々に含んでいく気流が形成されるため、良好に作業領域を冷却することができる。
本発明の作業施設用空調システム1は、例えば、図1に示すように、一方側壁部51と一方側壁部51と向かい合う他方側壁部52を備える内部空間と、内部空間内に形成され、2つの壁部51,52間に位置しかつ壁部51,52と同方向に延びる縦方向領域53と、縦方向領域(具体的には、縦方向通路)53より他方側壁部方向に延びる複数の他方壁部側横方向領域55を有する作業施設用空調システムである。
空調システム1は、縦方向領域53の一方の側部側に設けられた送風ダクト21と、送風ダクト21に冷気を供給する冷風発生機11と、送風ダクト21に設けられた複数の冷風吐出部3と、各冷風吐出部3の冷風吐出口31付近に吸引口42が位置するように配置され、冷風吐出口31より吐出する冷風を吸引し、縦方向領域53の一方の側部側から向かい合う他方の側部を通過し、他方壁部側横方向領域55を流れる気流71を形成する複数の誘引気流発生機4とを備える他方側壁部方向冷風送気部を備える。さらに、冷風送気部は、誘引気流発生機4の誘引気流吐出口41を上下方向および横方向に調整可能に保持する誘引気流発生機保持部6を備え、送風ダクト21の冷風吐出部3は、冷風吐出口31の誘引気流発生機4の吸引口42への近接および両者が向かい合うように調整可能な吐出口位置調整機能33を備えている。
そして、空調システム1は、縦方向領域53の一方の側部側に設けられた第1の送風ダクト21と、第1の送風ダクト21に冷気を供給する冷風発生機(第1の冷風発生機)11と、第1の送風ダクト21に設けられた複数の冷風吐出部3と、冷風吐出部3の冷風吐出口31付近に吸引口42が位置するように配置され、冷風吐出口31より吐出する冷風を吸引し、縦方向領域53の一方側と向かい合う他方側を通過し、他方壁部側横方向領域55を流れる気流71を形成する複数の誘引気流発生機4とにより構成される他方側壁部方向冷風送気部を備える。さらに、空調システム1は、縦方向領域53の他方の側部側に設けられ、第1の送風ダクト21と所定距離離間する第2の送風ダクト22と、第2の送風ダクト22に冷気を供給する冷風発生機(第2の冷風発生機)12と、第2の送風ダクト22に設けられた複数の冷風吐出口31と、冷風吐出口31付近に吸引口42が位置するように配置され、冷風吐出口31より吐出する冷風を吸引し、縦方向領域53の他方の側部側から向かい合う一方の側部を通過し、一方壁部側横方向領域54を流れる気流72を形成する複数の誘引気流発生機4とにより構成される一方側壁部方向冷風送気部を備える。
そして、この実施例の作業施設用空調システム1が適用される作業施設は、一方側壁部51と一方側壁部51と向かい合う他方側壁部52を備える内部空間と、内部空間内に形成された縦方向領域(縦方向通路)53と、縦方向領域53より側壁部方向に延びる複数の横方向領域(具体的には、横方向通路)54、55を有している。そして、縦方向領域(縦方向通路)53は、出入り口50より、ほぼ直線的に出入り口50と向かい合う壁部まで延びている。そして、この実施例における作業施設では、縦方向領域(縦方向通路)53の一方の側部より、一方の壁部51側に延びる複数の一方壁部側横方向領域(一方壁部側横方向通路)54と、縦方向領域(縦方向通路)53の他方の側部より、他方の壁部52側に延びる複数の他方壁部側横方向領域(他方壁部側横方向通路)55を有している。また、複数の一方壁部側横方向領域(一方壁部側横方向通路)54は、それぞれがほぼ平行に形成されており、同様に、複数の他方壁部側横方向領域(他方壁部側横方向通路)55も、それぞれがほぼ平行に形成されている。
他方側壁部方向冷風送気部(言い換えれば、第1の冷風送気部)は、縦方向領域53の他方の側部側に設けられた第1の送風ダクト21と、第1の送風ダクト21に冷気を供給する第1の冷風発生機11と、第1の送風ダクト21に設けられた複数の冷風吐出部3と、冷風吐出部3の冷風吐出口31付近に吸引口42が位置するように配置され、冷風吐出口31より吐出する冷風を吸引し、縦方向領域53の一方側から、向かい合う他方側を通過し、横方向領域55を他方側壁部52方向にかつ斜め下方に向かって流れる横方向領域流通他方側壁部方向気流71を形成させる複数の誘引気流発生機4とを備える。
同様に、一方側壁部方向冷風送気部は、縦方向領域53の他方の側部側に設けられ、第1の送風ダクト21と所定距離離間する第2の送風ダクト22と、第2の送風ダクト22に冷気を供給する第2の冷風発生機12と、第2の送風ダクト22に設けられた複数の冷風吐出口31と、冷風吐出口31付近に吸引口42が位置するように配置され、冷風吐出口31より吐出する冷風を吸引し、縦方向領域53の他方側から、縦方向領域53の一方側を通過し、横方向領域54を一方側壁部51方向にかつ斜め下方に向かって流れる横方向領域一方側壁部方向気流72を形成させる複数の誘引気流発生機4とを備えている。
この実施例の空調システム1では、他方側壁部方向冷風送気部と一方側壁部方向冷風送気部は、個々に冷風発生機を備えている。このようなものが好ましいが、第1の送風ダクト21と第2の送風ダクト22を連結し、1つのみの冷風発生機を備えるものとしてもよい。
この実施例にて用いられている気化放熱式冷風発生機11,12は、図12に示すように、正面もしくは上面(この実施例では上面)に設けられたダクト接続口61と、側面に設けられた吸気口とを有するハウジング80と、吸気口の内側に配設され、下部に水を貯留するための貯留部89を有する通気性収納部84と、通気性収納部84内に収納され、貯留部89の水を散水パイプ86に供給するための循環ポンプ87と、散水パイプ86によって散水された水の膜を形成する冷却エレメント85とを備える冷却ユニット83と、冷却ユニット83の内側かつ送風口62の下方に設けられ、冷却ユニット83により冷却された冷気を送風口62に送る送風機13とを備えている。
さらに、この実施例の気化放熱式冷風発生機11,12は、吸気口に設けられた吸気ルーバーパネル63を備えている。また、吸気ルーバーパネル63と冷却ユニット83間には、冷却ユニット前フィルタ38が配置されている。さらに、冷却ユニット83と送風機13間に位置する冷却ユニット後フィルタ88を備えている、そして、送風機13は、シロッコファン15とそれを回転させるためのモータ14を備えている。モータ14とシロッコファン15の回転軸に固定されたプーリー17は、ベルト16により連結されている。シロッコファンを用いることにより、多くの冷気を送気可能となっている。
第1の送風ダクト21および第2の送風ダクト22は、下流方向(冷風発生機11,12より離間する方向)に向かって横断面積が段階的に小さくなるものが用いられている。そして、断面積が変化する部分より若干上流側(冷風発生機側)となる部位に、冷風吐出部3が設けられている。図1に示すものでは、送風ダクト21,22は、横断面積が減少する複数(具体的には、4つ)の段階部を持ち、各段階部の末梢部に冷風吐出部3が設けられている。
誘引気流発生機4は、冷風吐出部3からの冷風を吸引して吹き出すとともに、周辺空気を誘引し、壁部51または壁部52方向に流れる誘引気流71,72を形成する。流れる誘引気流71,72は、周辺空気を誘引することにより加温されるものの冷風を含有するため、室温より冷たく、冷風を含有する誘引気流71,72は、作業施設5の横方向領域54、55に効率的に送られる。
誘引気流発生機4は、吹出口風量の数倍以上の周辺空気を誘引し、大きな空気流(誘引気流)を形成できるが好ましい。特に、誘引気流発生機4としては、吹出口風量の10倍以上、特に好ましくは、15倍以上の周辺空気を誘引し気流を形成するものであることが好ましい。誘引気流発生機4としては、本体ケーシングと、ケーシングに収納される電動ファンと、ケーシングに設けられ電動ファンにて吸込まれた空気を吹き出す吹き出しノズルにより構成され、電動ファンにより吸込まれてノズルから噴出する空気量により大空間の空気を移動可能なものが好適である。
具体的には、図1に示すように、他方側壁部方向冷風送気部の誘引気流発生機4と、一方側壁部方向冷風送気部の誘引気流発生機4が、縦方向領域53の一端側(言い換えれば、手前側、出入り口側)から他端側(言い換えれば、奥側)に向かって、交互(ジグザグ状)となるように配置されている。そして、斜めに向かい合う各誘引気流発生機4の誘引気流吐出口41より吐出される誘引気流は、縦方向領域53の上部を流れ、かつ、当接することなく異なる方向にて横切り、いずれかの壁部に到達するように流れる。このため、すべての誘引気流部は、縦方向領域を横切るため、その一部は、縦方向領域内に拡散するため、縦方向領域もある程度冷却される。
この実施例の作業施設用空調システム1dは、略矩形状の内部空間を有する作業施設用空調システムである。具体的には、一方側壁部51と一方側壁部51と向かい合う他方側壁部52を備える内部空間と、内部空間内かつ一方の壁部側に形成された縦方向通路53と、縦方向通路53より他方の側壁部方向に延びる複数の横方向領域55を有する作業施設用空調システムである。そして、空調システム1dは、送風ダクト21と、送風ダクト21に冷気を供給する冷風発生機11と、送風ダクト21に設けられた複数の冷風吐出部3と、各冷風吐出部3の冷風吐出部31付近に吸引口42が位置するように配置され、冷風吐出部31より吐出する冷風を吸引し、縦方向通路53を横切り、横方向領域55を他方側壁部52方向に流れる横方向領域壁部方向気流を形成させる複数の誘引気流発生機4とを備える冷風送気部を備える。さらに、冷風送気部は、誘引気流発生機4の誘引気流吐出口41を上下方向および横方向に調整可能に保持する誘引気流発生機保持部6を備え、送風ダクト21の冷風吐出部3は、冷風吐出部31の誘引気流発生機4の吸引口42への近接および両者が向かい合うように調整可能な吐出口位置調整機能33を備えている。
例えば、図10に示すような、作業施設用空調システムであってもよい。
そして、この実施例の作業施設用空調システム1cが適用される作業施設は、一方側壁部51と一方側壁部51と向かい合う他方側壁部52を備える内部空間と、内部空間内に形成された縦方向領域(縦方向通路)53と、縦方向領域53より側壁部方向に斜めに延びる複数の横方向領域(具体的には、斜め横方向通路)を有している。そして、縦方向領域(縦方向通路)53は、出入り口50より、ほぼ直線的に出入り口50と向かい合う壁部まで延びている。そして、斜め横方向領域は、縦方向領域(縦方向通路)53の一方の側部より、一方の壁部51側に延びる複数の一方壁部側横方向領域(一方壁部側横方向通路)と、縦方向領域(縦方向通路)53の他方の側部より、他方の壁部52側に延びる複数の他方壁部側横方向領域(他方壁部側横方向通路)を有している。また、複数の一方壁部側横方向領域(一方壁部側横方向通路)は、それぞれがほぼ平行に形成されており、同様に、複数の他方壁部側横方向領域(他方壁部側横方向通路)も、それぞれがほぼ平行に形成されている。
11,12 冷風発生機
21,22 送風ダクト
3 冷風吐出部
4 誘引気流発生機
Claims (15)
- 一方側壁部と前記一方側壁部と向かい合う他方側壁部を備える内部空間と、前記内部空間内に形成され、前記2つの壁部間に位置しかつ前記壁部と同方向に延びる縦方向領域と、前記縦方向領域より前記他方側壁部方向に延びる複数の他方壁部側横方向領域とを有する作業施設用空調システムであって、
前記空調システムは、前記縦方向領域の一方の側部側に設けられた送風ダクトと、前記送風ダクトに冷気を供給する冷風発生機と、前記送風ダクトに設けられた複数の冷風吐出部と、各冷風吐出部の冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域の前記一方の側部側から向かい合う他方の側部を通過し、前記他方壁部側横方向領域を流れる気流を形成する複数の誘引気流発生機とを備える他方側壁部方向冷風送気部を備え、
さらに、前記冷風送気部は、前記誘引気流発生機の誘引気流吐出口を上下方向および横方向に調整可能に保持する誘引気流発生機保持部を備え、前記送風ダクトの前記冷風吐出部は、前記冷風吐出口の前記誘引気流発生機の吸引口への近接および両者が向かい合うように調整可能な吐出口位置調整機能を備えていることを特徴とする作業施設用空調システム。 - 一方側壁部と前記一方側壁部と向かい合う他方側壁部を備える内部空間と、前記内部空間内に形成され、前記2つの壁部間に位置しかつ前記壁部と同方向に延びる縦方向領域と、前記縦方向領域より前記一方側壁部方向に延びる複数の一方壁部側横方向領域と、前記縦方向領域より前記他方側壁部方向に延びる複数の他方壁部側横方向領域とを有する作業施設用空調システムであって、
前記空調システムは、前記縦方向領域の一方の側部側に設けられた第1の送風ダクトと、前記第1の送風ダクトに冷気を供給する冷風発生機と、前記第1の送風ダクトに設けられた複数の冷風吐出部と、前記冷風吐出部の冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域の前記一方の側部側から向かい合う他方の側部を通過し、前記他方壁部側横方向領域を流れる気流を形成する複数の誘引気流発生機とにより構成される他方側壁部方向冷風送気部と、
前記縦方向領域の他方の側部側に設けられ、前記第1の送風ダクトと所定距離離間する第2の送風ダクトと、前記第2の送風ダクトに冷気を供給する冷風発生機と、前記第2の送風ダクトに設けられた複数の冷風吐出口と、前記冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域の前記他方の側部側から向かい合う一方の側部を通過し、前記一方壁部側横方向領域を流れる気流を形成する複数の誘引気流発生機とにより構成される一方側壁部方向冷風送気部とを備え、
さらに、前記冷風送気部は、前記誘引気流発生機の誘引気流吐出口を上下方向および横方向に向き調整可能に保持する誘引気流発生機保持部を備え、前記送風ダクトの前記冷風吐出部は、前記冷風吐出口の前記誘引気流発生機の吸引口への近接および両者が向かい合うように調整可能な吐出口位置調整機能を備え、
そして、前記空調システムは、前記一方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口より吐出され、前記横方向領域を流れる一方側壁部方向気流と、前記他方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口より吐出され、前記横方向領域を流れる他方側壁部方向気流とが、実質的に当接しないように各前記誘引気流発生機の気流吐出口の向きが調整されていることを特徴とする作業施設用空調システム。 - 前記一方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口と前記他方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口とが向かい合わないように、各前記誘引気流発生機の気流吐出口の向きが調整されている請求項2に記載の作業施設用空調システム。
- 前記一方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口と前記他方側壁部方向冷風送気部の前記誘引気流発生機の気流吐出口は、前記縦方向領域の一端側から他端側に向かって、交互となるように配置されている請求項2または3に記載の作業施設用空調システム。
- 前記空調システムは、前記第1の送風ダクトの末梢部と前記第2の送風ダクトの抹消部とを接続する接続ダクトを備えている請求項2ないし4のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記接続ダクトには、圧力調整部が設けられている請求項5に記載の作業施設用空調システム。
- 前記誘引気流発生機は、前記冷風吐出口より吐出する冷風の90%を越える冷風を吸引するとともに、さらに外気を吸引するものである請求項1ないし6のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記空調システムは、前記誘引気流発生機が、前記冷風吐出口より吐出する冷風の一部を吸引し、誘引気流を発生し、かつ、前記誘引気流発生機により吸引されない残部の冷気が、前記冷風吐出口より付近に拡散するものとし、前記誘引気流発生機は、前記冷風吐出口より吐出する冷風の50%以上かつ90%以下の冷風を吸引するものである請求項1ないし6のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記冷風吐出部の前記吐出口位置調整機能は、蛇腹状の変形可能部により構成されており、前記変形可能部は、前記冷風吐出口までの長さおよび高さを調整可能であり、かつ、前記冷風吐出口の上下方向および左右方向の向きを調整可能である請求項1ないし8のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記空調システムは、前記送風ダクトとほぼ平行かつ前記冷風吐出口側に設けられたフレームを備え、前記誘引気流発生機は、前記誘引気流発生機保持部により前記フレームに取り付けられており、かつ、前記誘引気流発生機保持部は、前記フレームに水平方向に回動可能に取り付けられており、さらに、前記誘引気流発生機保持部は、前記誘引気流発生機を上下方向に回動可能に保持する回動可能保持部を備えている請求項1ないし9のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記空調システムは、前記縦方向領域に誘引気流を送風する縦方向領域誘引気流形成部を備えており、前記縦方向領域誘引気流形成部は、前記送風ダクトに設けられた冷風吐出部と、前記冷風吐出部の冷風吐出口付近に吸引口が位置するように配置され、前記冷風吐出口より吐出する冷風を吸引し、前記縦方向領域を流れる縦方向領域方向誘引気流を形成させる誘引気流発生機とにより構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記作業施設は、天井に設けられた少なくとも1つの排気装置を備え、前記作業施設用空調システムは、前記排気装置に向かって流れる誘引気流発生機を備えている請求項1ないし11のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記冷風発生機は、水を用いた気化放熱式冷風発生機である請求項1ないし12のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記冷風発生機は、正面または上面に設けられた送風口と、向かい合う側面に設けられた2つの吸気口とを有するハウジングと、前記一方の吸気口の内側に配設され、下部に水を貯留するための貯留部を有する通気性収納部と、前記通気性収納部内に収納され、前記貯留部の水を散水パイプに供給するための循環ポンプと、前記散水パイプによって散水された水の膜を形成する冷却エレメントとを備える第1の冷却ユニットと、前記他方の吸気口の内側に配設され、下部に水を貯留するための貯留部を有する通気性収納部と、前記通気性収納部内に収納され、前記貯留部の水を散水パイプに供給するための循環ポンプと、前記散水パイプによって散水された水の膜を形成する冷却エレメントとを備える第2の冷却ユニットと、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニット間かつ前記送風口の下方に設けられ、前記第1および第2の冷却ユニットにより冷却された冷気を合わせて前記送風口に送る送風機とを備えている請求項1ないし13のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
- 前記誘引気流発生機は、吹出口風量の数倍以上の周辺空気を誘引することにより誘引気流を形成するものである請求項1ないし14のいずれかに記載の作業施設用空調システム。
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2013
- 2013-07-22 JP JP2013151771A patent/JP6110245B2/ja active Active
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