JPH0566423U - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷房病がなく移動可能で、小形な空気調和機
を得る。 【構成】 圧縮機９と、凝縮器６と、減圧装置１１と、
蒸発器１と、アキュームレータ１０とを各々接続した冷
凍サイクルＡと、冷風用ファン４及び凝縮器用ファン７
と両ファン４、７を駆動するモータ８と、キャビネット
１２とより成る冷凍ユニット１Ａに、垂直ダクト１４を
立設し、これより延長し、小穴１５−２を有する水平ダ
クト１５を設け、この水平ダクト１５より噴出した冷風
が冷凍ユニット１Ａに配設された蒸発器１に戻る冷風循
環流路Ｂを形成したので、この冷風循環流路Ｂにより人
体の全体を冷却できる。又、冷風は冷凍ユニット１Ａに
再循環するため冷凍ユニット１Ａを小形化できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、屋外、工場内、イベント会場、ホテルのロビイ等の大空間の一部空 間を冷却し、人体への快適性と省エネルギーとを計った空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

屋外の施設、又は屋内の大空間の冷房について、従来この種の空気調和機は、 図６に示す、人体の局部的冷却をするスポット式の空気調和機の例がある。

【０００３】 このスポット式の空気調和機は、現在多くのメーカーにより製品化され販売さ れているが各社ともほぼ同一構造で、冷凍ユニット１Ａより外気温度より１０℃ 前後低い温度の冷風を作り、これをフレキシブルダクト１０１により人体近くに 導き、人体に吹き付けていた。又、上記の空気調和機は、フレキシブルダクト１ ０１の直径を１００ｍｍ前後とし、ここより吐出する風速は１０ｍ／ｓと高速で 人体に近接した噴出口より人体の一部に吹き当てて冷却していた。

【０００４】 又、他の従来技術として図７に示す如く冷凍ユニット１Ａを冷媒の蒸発ユニッ ト１０２と冷媒の凝縮ユニット１０３に分割したセパレート方式で蒸発ユニット １０２の上部より冷風を吹き出しこの下部に吸込ませる冷風リターン方式でこの 上方にパラソル１０４を取付け日光を遮断し、蒸発ユニット１０２と凝縮ユニッ ト１０３を接続する冷媒配管１０５や電気配線１０６、蒸発ユニット１０２から のドレン配管等を地中に埋設したものがある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

人体の一部に低温の冷風を高速で吹き付けることは人体各部の温度分布を不均 一とし、快適性に劣ることは勿論、自律神経のアンバランスを誘起し冷房病を疾 病させる不具合があった。

【０００６】 又フレキシブルダクト１０１で吹出した冷風は冷凍ユニット１Ａの蒸発器にリ ターンせず、大気中に放出するワンウェイ冷却をしているため、冷却空気のエネ ルギー不利用により冷凍ユニット１Ａの冷却負荷が大きくなり一般の冷風リター ン方式の空気調和機より冷凍ユニット１Ａが大形となり、エネルギー消費が多く なる不具合があった。

【０００７】 後記従来技術は冷風のリターンによる省エネルギー効果は改善されるものの、 人体の一部に高速の冷風を吹き当てることに関しては前記従来技術と変らず、快 適性及び冷房病の疾病に関しては何ら改善されていない不具合がある。

【０００８】 この上、蒸発ユニット１０２は上部に風圧を受けるパラソル１０４を取付ける ため転倒防止のコンクリート基礎工事、アンカーボルト固定工事を必要とし、又 、冷媒配管１０５、電気配線１０６、ドレン配管等の埋設工事が大工事となる。 又蒸発ユニット１０２及び凝縮ユニット１０３の移動は不可能であり、必要な所 に自由に設置し冷却することができない不具合があった。

【０００９】 本考案は、上記不具合を解決して、冷房病の心配がなく、移動可能で、小形な 空気調和機を得るのが課題である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するためになされたものであり、冷媒を圧縮する圧縮 機と、冷媒を凝縮する凝縮器と、冷媒を減圧する減圧装置と、冷媒を蒸発する蒸 発器と、冷媒の戻りを防止するアキュームレータとを各々接続して冷媒を循環さ せる冷凍サイクルと、冷風循環用の冷風用ファン及び冷媒を放熱する凝縮器用フ ァンと、これら両ファンを駆動するモータと、キャビネットとより成る冷凍ユニ ットに、冷風を上方に導く垂直ダクトを立設し、この垂直ダクトより延長し、冷 風の噴出用の小穴を有する略水平方向の水平ダクトを設け、この水平ダクトより 噴出した冷風が前記冷凍ユニットに配設された蒸発器に戻る冷風循環流路を形成 したものとした。

【００１１】

【作用】

本考案の空気調和機は、冷凍ユニットに、冷風を上方に導く垂直ダクトを立設 し、この垂直ダクトより延長し、冷風の噴出用の小穴を有する略水平方向の水平 ダクトを設け、この水平ダクトより噴出した冷風が前記冷凍ユニットに配設され た蒸発器に戻る冷風循環流路を形成したので、この冷風循環流路により大量の快 適温度の冷気を快適風速で人体の全体を覆うように冷却できる。

【００１２】 又、水平ダクトから吹きでた冷却空気は冷凍ユニットに再循環するため冷凍ユ ニットを小形化できる。

【００１３】 尚、冷凍ユニットと垂直ダクト及び水平ダクトが一体化しているので、設置工 事が不要で、かつ移動可能になる。

【００１４】

【実施例】

本考案の一実施例を図１〜図３により説明する。

【００１５】 １Ａは冷凍ユニットで、空気調和機の本体からなるものである。１は冷媒を蒸 発する蒸発器で、冷凍ユニット１Ａの前面側に配設され、フィンドチューブ形の 熱交換器の構造をしている。２は蒸発器１の下部に配設する露受け皿、２−１は 露受け皿２の下部に接続するドレンパイプ、３は露受け皿より下方に設置された ドレンタンクで、その上部開口部３−１にドレンパイプ２−１の下端を挿入して いる。４は冷風用ファンで、蒸発器１の後方に設けられ、通風して冷媒の蒸発潜 熱により冷却した後述する冷風１６を循環させるものである。５はフィルターで 、蒸発器１の冷気流入口側に設けてある。６は冷媒を凝縮する凝縮器で、冷凍サ イクル１Ａの背面側に配設され、蒸発器１と同様、フィンドチューブ形の熱交換 器の構造としている。７は凝縮器用ファンで、凝縮器６の前方に設けられ凝縮器 ６に送風し、冷媒の凝縮熱を放熱させるものである。８はモータで、冷風用ファ ン４と凝縮器用ファン７を駆動するものである。９は冷媒を圧縮する圧縮機で、 冷凍ユニット１Ａに内設され、低温低圧の冷媒を高温高圧とするものである。１ ０はアキュームレータで圧縮機９の冷媒流入側に設けられ、圧縮機９への液冷媒 戻りを防ぐものである。１１は冷媒の減圧装置で凝縮器６の下流に設けてある。 １２は冷凍ユニット１Ａのキャビネット、１２−１はキャビネット１２の前面パ ネルで、その下端は床面にまで近接するように形成されて、背面熱風の廻り込み を防止するものである。１２−２は流入口で、凝縮器６へ冷風１６を送風するた めキャビネット１２の側面に開口している。１２−３は凝縮器６の放熱のための 流出口で、キャビネット１２の背面に開口している。１２−４は蒸発器１側の冷 風流出口で、キャビネット１２の上面に設けてある。従来の空気調和機より通風 量を増大し、冷風温度を快適となるようにしている。１３はキャビネット１２の 下部に設けるキャスター、１４は冷風１６を上部に導く垂直ダクトで、冷風流出 口１２−４に（例えば、高さ２．２ｍ）立設し矩形断面で偏平状をしている。１ ５は略水平方向の水平ダクトで、垂直ダクト１４から（例えば、１ｍ）前方に延 長し、矩形断面の偏平状をしている。１５−１は水平ダクト１５の下面側の冷風 噴出ダクト部で、水平ダクト１５の下面の大部分に冷風１６を噴出するための小 穴１５−２を複数設けてある。１６は冷風の流れ方向を示す矢印、１７は凝縮器 ６の暖風の流れ方向を示す矢印、１８は床面である。

【００１６】 Ａは冷凍サイクルで、冷媒を圧縮する圧縮機９と、圧縮機９が圧縮した冷媒を 凝縮する凝縮器６と、凝縮器６が凝縮した冷媒を減圧する減圧装置１１と、減圧 装置１１が減圧した冷媒を蒸発する蒸発器１と、蒸発器１が蒸発した冷媒の戻り を防止するアキュームレータ１０とを各々接続して冷媒を循環させるように構成 されている。

【００１７】 他の実施例を図４により説明する。

【００１８】 垂直ダクト１４は、上下方向に摺動する垂直可動ダクト１４−１を有し、垂直 ダクト１４より前方に延長した略水平方向の水平ダクト１５は、水平方向に摺動 する水平可動ダクト１５−３を有している。前記図１〜図３の冷凍ユニット１Ａ の冷風流出口１２−４に垂直ダクト１４を接続して構成したものである。

【００１９】 又、他の実施例を図５により説明する。

【００２０】 ２１は水平ダクト１５に取付ける四角形の枠、２２は膜状の壁で、枠２１に取 付けるため薄い合成樹脂膜からなるものである。２３は冷房する簡易な小室で、 枠２１と枠２１を覆う壁２２により構成したもので簡易な部品を追加することに より移動可能に構成されている。又、小室２３には、水平ダクト１５及び、蒸発 器１と対向する面に開口２４を設けてある。

【００２１】 以下に上記構成による動作を説明する。

【００２２】 電源を入れると、圧縮機９が冷媒を圧縮して前記冷凍サイクルＡにより冷媒が 循環する。これと同時にモータ８を駆動し、凝縮器６の冷媒の凝縮熱を放熱させ 、蒸発器１の冷媒の蒸発により冷風用ファン４により流入した空気を冷却し、垂 直ダクト１４を経由し、水平ダクト１５の下面の冷気噴出ダクト部１５−１の小 穴１５−２より冷風１６を噴出させ、水平ダクト１５の下部全体の空間を冷却し 、水平ダクト１５の下方に位置する人体の全体を冷気１６が覆うよう流動し、こ の後冷風１６はフィルター５に流入し防塵後蒸発器１に戻る冷気循環流路Ｂを形 成する。ここで冷風１６はダクト１５の下面の大部分で構成する冷風噴出ダクト 部１５−１の広い面積から流出させるので、この風速は大風量であっても人間に 快適な０．２ｍ／ｓ前後の最適風速とすることができる。

【００２３】 又、冷風温度は大風量にすることにより、快適温度にすることができる。この 上冷風１６は人体全体を均一に冷却できる。

【００２４】 一方冷風１６は小穴１５−２より下方に噴出させる運動エネルギーと冷風１６ の大比重により下方向に流動し、冷凍ユニット１Ａの蒸発器１に吸込まれる。こ の冷風１６はキャビネット１２の前面パネル１２−１より、背面部の暖風１７と 混合することがなく、冷風１６はあまり温度が上昇せず低い状態で蒸発器１に戻 るので、冷凍効率がよく冷凍ユニット１Ａを小形化できる。又、構造的にも冷凍 ユニット１Ａと垂直ダクト１４及び水平ダクト１５が一体に構成しており、据付 工事が一切不要である上、冷房を必要とする位置に自由に移動ができる。

【００２５】 又、図４に示した他の実施例の作用は、上記の例に加えて、垂直ダクト１４及 び水平ダクト１５を摺動自在としたことで、冷却対象の大、小に対応した最適な 冷風噴出ダクト部１５−１を選定できる。

【００２６】 又、図５に示した他の実施例の様に小室２３を構成して冷却することで、より 一層冷却効率の良い省エネルギーで小室２３を冷却できる。

【００２７】

【考案の効果】

以上の如く本考案の空気調和機は、冷凍ユニットに垂直ダクトを接続し、垂直 ダクトから水平方向に延長した水平ダクトに設けた小穴から噴出する冷風が人体 全体を覆うようにかつ最適風速、最適温度で流れるため快適性が向上し、冷房病 の疾病を防止することができる効果がある。

【００２８】 更にこの冷風は冷凍ユニットの蒸発器に戻る冷風循環流路を形成するため、冷 凍ユニットを小形化できるので、省資源と省エネルギーを計ることができる。

【００２９】 この上冷凍ユニットと垂直ダクト及び水平ダクトを一体に構成し、かつキャス ターが取付けられているため、据付工事が一切不要である上、冷却を必要とする 場所が変更になっても即移動と冷却運転が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す空気調和機の縦断面図
である。

【図２】本考案の一実施例を示す空気調和機の横断面図
である。

【図３】本考案の一実施例を示す空気調和機の斜視図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例を示す空気調和機の斜視図
である。

【図５】本考案の他の実施例を示す空気調和機の斜視図
である。

【図６】従来の実施例を示す空気調和機の斜視図であ
る。

【図７】従来の他の実施例を示す空気調和機の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 蒸発器 １Ａ 冷凍ユニット ４ 冷風用ファン ６ 凝縮器 ７ 凝縮器用ファン ８ モータ ９ 圧縮機 １０ アキュームレータ １１ 減圧装置 １２ キャビネット １４ 垂直ダクト １５ 水平ダクト １５−２ 小穴 Ａ 冷凍サイクル Ｂ 冷風循環流路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷媒を圧縮する圧縮機（９）と、圧縮機
   （９）が圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器（６）と、凝縮
   器（６）が凝縮した冷媒を減圧する減圧装置（１１）
   と、減圧装置（１１）が減圧した冷媒を蒸発する蒸発器
   （１）と、蒸発器（１）が蒸発した冷媒の戻りを防止す
   るアキュームレータ（１０）とを各々接続して冷媒を循
   環させる冷凍サイクル（Ａ）と、冷風循環用の冷風用フ
   ァン（４）及び冷媒を放熱する凝縮器用ファン（７）
   と、これら両ファン（４）、（７）を駆動するモータ
   （８）と、キャビネット（１２）とより成る冷凍ユニッ
   ト（１Ａ）に、冷風を上方に導く垂直ダクト（１４）を
   立設し、この垂直ダクト（１４）より延長し、冷風の噴
   出用の小穴（１５−２）を有する略水平方向の水平ダク
   ト（１５）を設け、この水平ダクト（１５）より噴出し
   た冷風が前記冷凍ユニット（１Ａ）に配設した蒸発器
   （１）に戻る冷風循環流路（Ｂ）を形成したことを特徴
   とする空気調和機。