JP2015021042A - ジアリルフタレート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明の目的は、成形加工において型への充填性・離型性等が良好で、成形が容易であり、また成形加工品が耐熱性、耐熱耐光性に優れ、白色度が高く、高い白色度を長期間維持可能な成形用樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】ジアリルフタレート樹脂(a)、重合開始剤(b)、酸化チタン(c)、及び安定剤(d)を含有し、安定剤(d)がヒンダードアミン系化合物であり、かつ組成物中の含有量がジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴するジアリルフタレート樹脂組成物である。このジアリルフタレート樹脂組成物を硬化させて耐熱性、耐光性、耐熱耐光性に優れ、長期にわたり白色度を高く維持できる、発光ダイオードを収納するパッケージを成形できる。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、耐熱耐光性に優れ、高い白色度及びその白色度を長期間維持できる成形物を与えるジアリルフタレート樹脂組成物に関するものである。
近年、発光ダイオードを用いた照明器具において、耐熱性および耐熱耐光性に優れ、高い白色度を長時間維持できる材質を用いた収納パッケージが求められている。例えば、収納パッケージの材質として、セラミック材料が用いられている。セラミック材料は、可視光の表面反射が高く、放熱性、電気絶縁性に優れるため、照明器具において広く用いられている。しかしながら、セラミック材料は成形加工において型への充填性・離型性等の面で劣るため、これに代わる材料の検討が行われている。
ジアリルフタレート樹脂は、優れた寸法安定性、耐熱性、耐湿熱性を有し、また、成形加工において型への充填性・離型性等に優れており、電気電子部品用成形材料や注型用樹脂として広く用いられている。
発光ダイオードの収納パッケージに、ジアリルフタレート樹脂を用いた例として、特許文献1には、ジアリルフタレート樹脂、重合開始剤、酸化チタン及び光安定剤を含有し、酸化チタンが、二酸化チタン量として80〜97重量%に調整され、かつ、その含有量が組成物の全重量にして5〜120重量部であることを特徴とするジアリルフタレート樹脂組成物が記載されている。しかしながら、ジアリルフタレート樹脂組成物中に含まれる成分が時間の経過とともに黄変の原因となるため、長期の白色度の維持の面で不十分なものであった。
上記課題を解決1つの手法として、ジアリルフタレート樹脂組成物中に酸化防止剤を添加する方法が挙げられる。ジアリルフタレート樹脂のような熱硬化性樹脂組成物に用いる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤が一般的に用いられる。しかしながら、フェノール系酸化防止剤は、自動酸化の過程で生成するペルオキシラジカルを捕捉してフェノキシラジカルを経て、キノン系化合物へと酸化される。このキノン系化合物は、着色物質であることが知られており、白色度が要求される樹脂組成物においては、有色化合物の生成の点からフェノール系酸化防止剤を用いることができなかった。そこで、パッケージ材料として、成型性に優れるジアリルフタレート樹脂を用い、耐熱性に優れ、高い白色度を長期間維持することのできる樹脂組成物の開発が求められている。
特開2008−255338
本願発明の目的は、成形加工において型への充填性・離型性等が良好で、成形が容易であり、また成形加工品が耐熱性、耐熱耐光性に優れ、白色度が高く、高い白色度を長期間維持可能なジアリルフタレート樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決する為、鋭意検討した結果、特定の安定剤を含有するジアリルフタレート樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出した。即ち、本願発明は、ジアリルフタレート樹脂(a)、重合開始剤(b)、酸化チタン(c)、及び安定剤(d)を含有し、安定剤(d)がヒンダードアミン系化合物であり、かつ樹脂組成物中における安定剤(d)の含有量がジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴するジアリルフタレート樹脂組成物が、耐熱性に優れ、高い白色度を長時間維持可能なことを見出し、本願発明を完成した。
本願発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下にジアリルフタレート樹脂組成物を提供する。
項1. ジアリルフタレート樹脂(a)、重合開始剤(b)、酸化チタン(c)、及び安定剤(d)を含有し、
安定剤(d)がヒンダードアミン系安定剤であり、かつ組成物中の含有量がジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴するジアリルフタレート樹脂組成物。
項2. ヒンダードアミン系安定剤が、N−R型ヒンダードアミン系安定剤又はN−OR型ヒンダードアミン系安定剤であること特徴とする項1に記載のジアリルフタレート樹脂組成物。
項3. 酸化チタン(c)が、ルチル型であり、表面処理を施されていることを特徴とする項1又は2に記載のジアリルフタレート樹脂組成物。
項4. 項1〜3のいずれかに記載のジアリルフタレート樹脂組成物を熱硬化することによって得られる硬化物。
項5. 項1〜3のいずれかに記載のジアリルフタレート樹脂組成物を成形してなることを特徴とするLED用リフレクター。
項6. 項5に記載のLEDリフレクターを装着してなるLED照明器具。
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、耐熱性また耐熱耐光性に優れ、熱硬化によって得られる硬化物の白色度が高く、高い白色度を長期間維持することが可能であるため、電気的特性にも優れるため、高い耐熱性と白色度を要求される電気・電子分野の成形用の材料として好適に用いることができる。
例えば、本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、成形が容易であり、成形品表面の白色度が高く、LEDチップからの発光の照射効率と反射効率を向上させることが可能なため、LEDチップ等の発光素子を収納するための樹脂製パッケージを提供することができる。
以下、本願発明を詳しく説明する。
ジアリルフタレート樹脂組成物
本願発明は、ジアリルフタレート樹脂(a)、重合開始剤(b)、酸化チタン(c)、及び安定剤(d)を含有し、安定剤(d)がヒンダードアミン系化合物であり、かつ樹脂組成物中の安定剤(d)の含有量がジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴するジアリルフタレート樹脂組成物である。
ジアリルフタレート樹脂(a)
本願発明で用いられるジアリルフタレート樹脂(a)とは、ジアリルオルソフタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマー、ジアリルテレフタレートプレポリマー等のジアリルフタレート樹脂に代表され、これらの単独、あるいは2種以上の混合物であってよい。成形品に高い耐熱性が要求される場合にはイソタイプまたは、パラタイプのものを使用することが好ましい。また、当該樹脂はジアリルオルソフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー、ジアリルテレフタレートモノマー等の2種以上のいわゆるジアリルフタレートモノマーの共重合体からなるプレポリマーであってもよい。この場合、ベンゼン環上の水素原子が塩素、臭素等のハロゲン原子で置換されていてもよく、また分子内に存在する不飽和結合が全部または一部において、水添されたプレポリマーもここに含まれるものとする。
また、ジアリルフタレート樹脂(a)には、ジアリルフタレートモノマーを配合してもよい。ジアリルフタレートモノマーとして、ジアリルオルソフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー、ジアリルテレフタレートモノマー等を例示することができる。
ジアリルフタレートモノマーの含有量は、樹脂組成物全体に対して、0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましく、0.2〜1.9重量%がさらに好ましい。
ジアリルフタレート樹脂(a)としては、樹脂の粘度等を考慮すると、重量平均分子量(GPCにより測定され、標準ポリスチレン換算)は20,000〜60,000であることが好ましく、ヨウ素価は50〜90であることが好ましく、軟化点65〜110℃であることが好ましい。
ジアリルフタレート樹脂(a)の含有量は、樹脂組成物全体に対して10〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。
重合開始剤(b)
本願発明で用いられる重合開始剤(b)としては、上記ジアリルフタレート樹脂を熱硬化させるものであれば、特に制限なく使用することができる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バリレート、tert−ブチルパーオキシカーボネート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート等を例示することができる。中でも、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートが好ましい。
樹脂組成物中の重合開始剤(b)の含有量は、成形性の観点から、ジアリルフタレート樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部であり、好ましくは1〜4重量部である。
酸化チタン(c)
本願発明で用いられる酸化チタン(c)としては、ルチル型、アナターゼ型及びブルッカイト型の3つの結晶型があり、何れであってもよいが、好ましくは、ルチル型である。酸化チタン(c)の平均粒子径は、0.01〜1μmの範囲のものであればよく、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲のものである。なお、平均粒子径はレーザー回析散乱方等によって測定することができる。
酸化チタン(c)の平均粒子径を上記の範囲内とすることにより、白色度が高く、表面反射率の高い成形品を与えるジアリルフタレート樹脂組成物を得ることができる。
また、酸化チタン(c)として、表面処理を施したものが好ましく、表面処理剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の金属酸化物;シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機物等が挙げられる。好ましくはシリカ、アルミナ及びジルコニアから選ばれた少なくとも一種、又はシリカ、アルミナ、ジルコニア及び有機物から選ばれた少なくとも一種で表面処理された酸化チタンである。中でも耐熱性の点で、シリカ及びアルミナで表面処理された酸化チタンが好ましい。
このような酸化チタン(c)として、次のような市販品が知られ、これらは何れも本願発明において使用できる。
ルチル型酸化チタンである堺化学工業(株)製のR−11P、TCR−52、D−918、FTR−700(いずれも商品名)、石原産業(株)製のタイペークCR−50、
CR−50−2、CR−60、CR−60−2、CR−63、CR−80、CR−90、CR−90−2、CR−93、CR−95、CR−97、R−820、R−830、R−930、R−980、R−680、R−550、PF−739、PC−3、UT−771(いずれも商品名)、テイカ(株)製のJR−403、JR−405、JR−805、JR−806、JR−701、JR−800等(いずれも商品名)、冨士チタン工業(株)製のTR−600、TR−700、TR−750、TR−840、TR−900(いずれも商品名)等を例示することができる。
また、樹脂組成物中の酸化チタン(c)の含有量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、5〜300重量部であり、好ましくは100〜230重量部である。
5重量部未満では白色度、耐熱性及び耐熱耐光性の点で不十分であり、300重量部を超えると成形性面で劣る。
安定剤(d)
本願発明で用いられる安定剤(d)としては、ヒンダードアミン系化合物の安定剤を例示することができる。
ヒンダードアミン系化合物の安定剤(d)として、窒素原子の隣接する2つの炭素原子に複数の立体障害作用を示す置換基を持ったピペリジン環を有する化合物である。このような立体障害作用を示す置換基としては、例えば、メチル基等を例示することができる。具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−〔2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸とジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2‐ビス(3−オキソ−2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)エタン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、ポリ〔1−オキシエチレン(2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ピペリジル)オキシスクシニル〕、ポリ〔2−(1,1,4−トリメチルブチルイミノ)−4,6−トリアジンジイル−(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノヘキサメチレン−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート等を例示することができる。 また、上述したヒンダードアミン系安定剤は単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、ヒンダードアミン系化合物の安定剤(d)の例としては、N−H型ヒンダードアミン系安定剤、N−R型ヒンダードアミン系安定剤、N−OR型ヒンダードアミン系安定剤などを例示することができる。
N−H型ヒンダードアミン系安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(BASF社製 TINUVIN 770DF)、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン(BASF社製 UVINUL 4050FF)、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(BASF社製 Chimassorb 2020FDL)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](BASF社製 Chimassorb 944FDL)、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合物(BASF社製 UVINUL 5050H)等を例示することができる。
N−R型ヒンダードアミン系安定剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(BASF社製 TINUVIN 144)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)(BASF社製 TINUVIN 765)、コハク酸とジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、(BASF社製 TINUVIN 622SF)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物(SABO S.r.l社製 SABOSTABUV 119)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート(ADEKA社製 アデカスタブ LA−52)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル1,2,3,4ブタンテトラカルボキシラート(ADEKA社製 アデカスタブ LA−62)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシリックアシッド,1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンの混合エステル(ADEKA社製 アデカスタブ LA−63)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物(ADEKA社製 アデカスタブ LA−63P)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート等を例示することができる。
N−OR型ヒンダードアミン系安定剤の具体例としては、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤システム(BASF社製 TINUVINXT 850FF)、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤システムを基本とする耐侯安定剤システム(BASF社製 TINUVIN 855FF)、過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、及びシクロヘキサン、N,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物(BASF社製 Flamestab NOR116FF)、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート(ADEKA(株)製 LA−81)等を例示することができる。また、上述したヒンダードアミン系安定剤は単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
中でも耐熱性、耐熱耐光性の点で、N−R型ヒンダードアミン系安定剤又はN−OR型ヒンダードアミン系安定剤が好ましく、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、コハク酸とジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物がより好ましく、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、コハク酸とジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物がさらに好ましい。
上記ヒンダードアミン系化合物は、安定剤としての効果のみでなく、酸化防止剤としての効果も有することから、本願発明において酸化防止剤としての機能を排除するものではない。
樹脂組成物中の安定剤(d)の含有量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であればよく、好ましくは0.1〜7重量部であり、より好ましくは、0.1〜5重量部であり、さらに好ましくは0.1〜2重量部である。上記範囲であれば、十分に本願発明の効果を得ることができる。
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物には、上記の成分の他、本発明の樹脂組成物による成形物の白色度を低下させず、その他の物性(耐熱性、耐熱耐光性等)に影響を与えない限り、紫外線吸収剤、内部離型剤、硫黄系酸化防止剤、充填剤、可塑剤、結晶核剤等の添加剤を含有させることができる。
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物の製造法は、特に限定されず、上記の各成分の所定量を均一に混合して調製できればよい。
調製された樹脂組成物の硬化、成形法も特に限定されず。通常の射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、積層成形、押出成形等の各種成形法により所望の成形物を得ることができる。
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、特に白色度及びその白色度を長期間維持することが要求される成形物、例えば、LEDチップの収納パッケージのような成形物の素材として適用できる。
本願発明において白色度とは、本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物を次の条件で成形・硬化させた硬化物の表面の白色度を言う。
すなわち、ジアリルフタレート樹脂組成物が硬化する温度・時間で成形して得られる成形品、具体的には、例えば、樹脂組成物の軟化点より高い160℃で、3分間、圧縮成形することにより、厚さ3mm、直径100mmの成形品を得、この成形品を用い、測色色差計ZE6000(日本電色工業(株)製)を用いて、JIS Z8730に規定されるハンターの色差式による明度(L値)、赤色度(a値)及び黄色度(b値)を求め、これらの値から下記(1)式により白色度を求めた。
白色度=100−〔(100−L)+a+b1/2 (1)
〔式中、Lは明度、aとbは色度(aは赤方向、−aは緑方向、bは黄方向、−bは青方向)を示す。〕
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、上記の成形条件で得られる硬化物の上記(1)式で求めた初期白色度が、94以上である。94以上であれば、LEDチップからの発光の取り出し効率が十分に得られる。
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、高い白色度及び耐熱性、耐熱耐光性に優れその白色度を長期に維持でき、且つ電気特性を有する成形物に成形できるので、LEDチップの収納パッケージ用として好ましく使用できる。
LEDチップの収納パッケージとしては、例えば、特開2003−163378号公報の図1又は2に示されているような、上方が開口したパッケージの底面に凹部を形成し、その凹部にLEDチップを収納できる形状としてなるものである。近年、様々な材料及び形状の収納パッケージが考案されている。本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、これらの収納パッケージの成形に適用でき、それらの収納パッケージによりLEDチップを収納する様々な発光装置を作成することができる。
中空パッケージの成型は、成型金型の内面に、好ましくは離型剤を塗り、この金型内に本発明の組成物を流し込み、加熱硬化させて成型物を得ることができる。本願発明の組成物は流動性に優れているために、金型の細部まで組成物を流し込むことができるので、小型で、入り組んだ構造の金型であっても、仕上がりの優れた成型物を得ることができる。
以下、本願発明を実施例及び比較例により詳しく説明する。本発明はこれらにより特に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られた成形板の物性は、次の試験法で試験し、評価した。
1)白色度初期値(W
成形品を室温まで冷却し、測色色差計ZE6000(日本電色工業(株)製)を用いて、JIS Z8730に規定されるハンター色差式による明度(L値)、赤色度(a値)及び黄色度(b値)を求め、これらの数値から次式により求めた白色度である。
白色度=100−〔(100−L)+a+b1/2
2)耐熱変色性(H )及び耐熱耐光変色性(H
成形品を180℃に保たれた熱風循環式乾燥機で、12時間処理した後、上記と同様に白色度(W)を求めた。また、120℃に保たれた光照射器(メタルハライドランプ、60mW)中で、30時間光照射した後、上記と同様に白色度(W)を求めた。上記の白色度初期値Wに対する白色度保持率(%)を次式で算出した。
(%)=(W/W)×100
(%)=(W/W)×100
:180℃、12時間処理した成形板の白色度
:120℃、光照射、30時間処理した成形板の白色度
:180℃、12時間処理した成形板の白色度保持率(%)
:120℃、光照射、30時間処理した成形板の白色度保持率(%)
3)離型性
上記成形品を成形する際、成形品本体及びバリの離型状態を観察し、離型性を目視により評価した。評価基準を下記に示す。
○:離型性良好
×:成形品本体又はバリ部の離型性が不良、もしくは硬化不良。
実施例1
ジアリルイソフタレート樹脂〔商品名:ダイソーイソダップ、重量平均分子量3〜5万、ダイソー(株)製〕100重量部、酸化チタン〔商品名:R−820:シリコン、アルミナ及び酸化亜鉛で表面処理されたもの、二酸化チタン含有量、93%;石原産業(株)製〕150重量部、重合開始剤〔商品名:パーブチルE、純度97%以上、日油(株)製〕3.75重量部、及びヒンダードアミン系化合物〔商品名:LA−81(ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート)、ADEKA(株)製〕0.25重量部、並びに離型剤〔化合物名:ステアリン酸亜鉛、堺化学工業(株)製〕1.25重量部を混合し、ジアリルフタレート樹脂組成物1を得た。なお、各組成をまとめたものを表1に示す。得られた樹脂組成物1を融点より高い160℃で、3分間、圧縮成型することにより、厚さ3mm、直径100mmの成形板1を得た。得られた成形板1を用い、上記の測定法にて評価した。評価結果を表2(耐熱変色性)、表3(耐熱耐光変色性)に示す。
実施例2
安定剤をヒンダードアミン系化合物〔商品名:LA−63P テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、ADEKA(株)製〕に変更した以外は、実施例1と同様の条件でジアリルフタレート樹脂組成物2を得た。なお、各組成をまとめたものを表1に示す。得られたジアリルフタレート樹脂組成物2を実施例1と同様の条件で成形し、成型板2を得て、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2(耐熱変色性)、表3(耐熱耐光変色性)に示す。
実施例3
安定剤をヒンダードアミン系化合物〔商品名:TINUVIN 622SF コハク酸とジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、BASF社製〕に変更した以外は、実施例1と同様の条件でジアリルフタレート樹脂組成物3を得た。なお、各組成をまとめたものを表1に示す。得られたジアリルフタレート樹脂組成物3を実施例1と同様の条件で成形し、成型板3を得て、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2(耐熱変色性)、表3(耐熱耐光変色性)に示す。
実施例4
ヒンダードアミン系化合物〔商品名:LA−81;、ADEKA(株)製〕の含有量を0.125重量部に変更した以外は実施例1と同様の条件でジアリルフタレート樹脂組成物4を得た。なお、各組成をまとめたものを表1に示す。得られたジアリルフタレート樹脂組成物4を実施例1と同様の条件で成形し、成型板4を得て、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2(耐熱変色性)、表3(耐熱耐光変色性)に示す。
実施例5
ヒンダードアミン系化合物〔商品名:LA−81、ADEKA(株)製〕の含有量を0.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の条件でジアリルフタレート樹脂組成物5を得た。なお、各組成をまとめたものを表1に示す。得られたジアリルフタレート樹脂組成物5を実施例1と同様の条件で成形し、成型板5を得て、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2(耐熱変色性)、表3(耐熱耐光変色性)に示す。
比較例1
ジアリルイソフタレート樹脂〔商品名:ダイソーイソダップ、重量平均分子量3〜5万、ダイソー(株)製〕100重量部、酸化チタン〔商品名:R−820:シリコン、アルミナ及び酸化亜鉛で表面処理されたもの、二酸化チタン含有量、93%;石原産業(株)製〕150重量部、重合開始剤〔商品名:パーブチルE、純度97%以上、日油(株)製〕3.75重量部、及び離型剤〔化合物名:ステアリン酸亜鉛、堺化学工業(株)製〕1.25重量部を混合し、ジアリルフタレート樹脂組成物6を得た。得られたジアリルフタレート樹脂組成物6を融点より高い160℃で、3分間、圧縮成型することにより、厚さ3mm、直径100mmの成形板6を得た。得られた成形板6を用い、実施例1と同様に評価した。評価結果を表2(耐熱変色性)、表3(耐熱耐光変色性)に示す。
比較例2
ジアリルイソフタレート樹脂〔商品名:ダイソーイソダップ、重量平均分子量3〜5万、ダイソー(株)製〕100重量部、酸化チタン〔商品名:R−820:シリコン、アルミナ及び酸化亜鉛で表面処理されたもの、二酸化チタン含有量、93%;石原産業(株)製〕150重量部、重合開始剤〔商品名:パーブチルE、純度97%以上、日油(株)製〕3.75重量部、フェノール系酸化防止剤〔商品名:Irganox1076 オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF製〕2.5重量部、及び離型剤〔化合物名:ステアリン酸亜鉛、堺化学工業(株)製〕1.25重量部を混合し、ジアリルフタレート樹脂組成物7を得た。得られたジアリルフタレート樹脂組成物7を融点より高い160℃で、3分間、圧縮成型することにより、厚さ3mm、直径100mmの成形板7を得た。得られた成形板7を用い、実施例1と同様に評価した。評価結果を表2(耐熱変色性)に示す。
比較例3
酸化防止剤をフェノール系酸化防止剤〔商品名:Songnox1010 ペンタエリトリイルテトラキス−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、Songwon Industrial社製〕2.5重量部に変更した以外は、比較例1と同様の条件で樹脂組成物8を得た。得られた樹脂組成物8を比較例1と同様の条件で成形し、成型板8を得て、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2(耐熱変色性)に示す。
比較例4
酸化防止剤をフェノール系酸化防止剤〔商品名:AO−80 3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフィエニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカン、ADEKA(株)製〕2.5重量部に変更した以外は、比較例1と同様の条件で樹脂組成物9を得た。得られた樹脂組成物9を比較例1と同様の条件で成形し、成型板9を得て、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2(耐熱変色性)に示す。
Figure 2015021042
表1において、
1.ジアリルフタレート樹脂*1):ダイソーイソダップ(商品名):重量平均分子量(ポリスチレン換算)3〜5×10、ダイソー(株)製
2.酸化チタン粉末*2):R−820(商品名):ルチル型酸化チタン、二酸化チタン93.0%以上、表面処理剤;アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、一次粒子径0.26μm、石原産業(株)製
3.重合開始剤*3):パーブチルE(商品名)t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、日油(株)製
4.ヒンダードアミン系化合物*4)
LA−81(商品名)ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート:ヒンダードアミン系安定剤、ADEKA(株)製
LA−63P(商品名)テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物:ヒンダードアミン系安定剤、ADEKA(株)製
TINUVIN622SF(商品名)コハク酸とジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、:ヒンダードアミン系安定剤、BASF社製
5.酸化防止剤*5)
Irganox1076(商品名)オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート:フェノール系酸化防止剤、BASF社製
Songnox1010(商品名)ペンタエリトリイルテトラキス−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート:フェノール系酸化防止剤、Songwon Industrial社製
AO−80(商品名)3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフィエニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカン:フェノール系酸化防止剤、ADEKA(株)製
6.離型剤*6):ステアリン酸亜鉛、堺化学工業(株)製
Figure 2015021042
Figure 2015021042
ヒンダードアミン系化合物を添加していない成型板6(比較例1)と比較すると、ヒンダードアミン系化合物を添加した成型板である成型板1〜5(実施例1〜5)は初期白色度の値はほとんど変わらないものの、耐熱性試験(180℃)後の白色度は高いことがわかる。このことから、ヒンダードアミン系化合物は成型板の熱による変色の度合いを低下させていることがわかる。一方、通常使用されるフェノール系酸化防止剤を添加した成型板である成型板7〜9(比較例2〜4)は、初期白色度、耐熱性試験後の白色度ともに、ヒンダードアミン系化合物を添加した成型板である成型板1〜5(実施例1〜5)と比べて低くなっている。これは、フェノール系酸化防止剤が成型時の熱および耐熱性試験の熱によって、酸化したことにより着色物質になったためと考えられる。以上のことから、ヒンダードアミン系化合物を添加することにより、初期白色度は維持し、且つ耐熱性及び耐熱耐光性を向上させることができることがわかる。
本願発明のジアリルフタレート樹脂組成物は、耐熱性、耐熱耐光性に優れ、白色度が高く、その白色度を長く維持できる成形物を与え、且つ固有の電気特性に優れているので、電気・電子機器用の成形物、特に発光ダイオードを収納するパッケージを成形できる等極めて有用である。

Claims (6)

  1. ジアリルフタレート樹脂(a)、重合開始剤(b)、酸化チタン(c)、及び安定剤(d)を含有し、
    安定剤(d)がヒンダードアミン系安定剤であり、かつ組成物中の含有量がジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴するジアリルフタレート樹脂組成物。
  2. ヒンダードアミン系安定剤が、N−R型ヒンダードアミン系安定剤又はN−OR型ヒンダードアミン系安定剤であること特徴とする請求項1に記載のジアリルフタレート樹脂組成物。
  3. 酸化チタン(c)が、ルチル型であり、表面処理を施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のジアリルフタレート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のジアリルフタレート樹脂組成物を熱硬化することによって得られる硬化物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のジアリルフタレート樹脂組成物を成形してなることを特徴とするLED用リフレクター。
  6. 請求項5に記載のLEDリフレクターを装着してなるLED照明器具。
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