JP2017002296A - 樹脂組成物、リフレクター、リフレクターの製造方法、リフレクター付き光半導体素子実装用基板及び半導体発光装置 - Google Patents

樹脂組成物、リフレクター、リフレクターの製造方法、リフレクター付き光半導体素子実装用基板及び半導体発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形性が維持され、高温処理に必要な耐熱性が改善され、長期間の反射率の維持ができる樹脂組成物、その樹脂組成物を成形してなるリフレクター、リフレクター付き光半導体素子実装用基板及びそのリフレクターを使用した半導体発光装置を提供する。【解決手段】シリコーン樹脂、有機樹脂、白色顔料、及び平均繊維長が0.75μm以上、300μm以下、平均繊維径が0.5μm以上、25μm以下である繊維状無機フィラーを含む、樹脂組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、リフレクター、リフレクターの製造方法、リフレクター付き光半導体素子実装用基板及び半導体発光装置に関する。
従来、電子部品を基板等に実装させる方法として、所定の場所に予め半田が点着された基板上に電子部品を仮固定した後、この基板を赤外線、熱風等の手段により加熱して半田を溶融させて電子部品を固定する方法(リフロー法)が採用されている。この方法により基板表面における電子部品の実装密度を向上させることができる。
また、半導体発光素子の一つであるLED素子は、小型で長寿命であり、省電力性に優れることから、表示灯等の光源として広く利用されている。そして近年では、より輝度の高いLED素子が比較的安価に製造されるようになったことから、蛍光ランプ及び白熱電球に替わる光源としての利用が検討されている。このような光源に適用する場合、大きな照度を得るために、表面実装型LEDパッケージ、即ち、アルミニウム等の金属製の基板(LED実装用基板)上に複数のLED素子を配置し、各LED素子の周りに光を所定方向に反射させるリフレクター(反射体)を配設する方式が多用されている。
しかし、LED素子は発光時に発熱を伴うため、このような方式のLED照明装置では、LED素子の発光時の温度上昇によりリフレクターが劣化してその反射率が低下することで輝度が低下し、LED素子の短寿命化等を招くこととなる。従って、リフレクターには耐熱性が要求されることとなる。
上記耐熱性の要求に応えるべく、特許文献1では、発光ダイオードのリフレクターに用いるポリマー組成物を提案し、具体的には、ポリフタルアミド、カーボンブラック、二酸化チタン、ガラス繊維、及び酸化防止剤を含むポリマー組成物を開示している。そして、当該組成物について熱老化後の反射率を測定し、カーボンブラックを含有しないポリマー組成物に比べて、当該組成物では良好な反射率が得られ、黄変も少ないことを示している。しかし、特許文献1に記載のポリマー組成物の熱老化試験は170℃で3時間という短時間での評価であり、より長時間の実用的な条件での耐熱耐久性で良好な結果が得られるかどうかは不明である。
また、特許文献2では、光半導体素子と蛍光体等の波長変換手段とを組み合わせた光半導体装置に用いる熱硬化性光反射用樹脂組成物が開示されている。この特許文献2に記載の熱硬化性光反射用樹脂組成物の熱老化試験は150℃で500時間というより実用的な条件で検証しているが、成形時間が90秒と熱可塑性樹脂に比べ長く、またポストキュアとして150℃で2時間が必要なため、生産性に問題があった。
これらの問題点を解決するために、特許文献3では、ポリメチルペンテンと分子量が1000以下であるアリル系置換基を有する架橋処理剤とを含む電子線硬化性樹脂組成物が提案されている。この特許文献3には、白色顔料を含むこと、更に白色顔料以外の無機粒子を含む電子線硬化性組成物がリフロー工程において、優れた耐熱性を有し、リフレクター等の成形体とした場合において、優れた耐熱性が得られることが記載されている。しかし、特許文献3に記載の電子線硬化性組成物を用いてリフレクター等の成形体とした場合より、さらに優れた耐熱性が求められている。
特表2006−503160号公報 特開2009−149845号公報 特開2013−166926号公報
本発明の課題は、成形性が維持され、高温処理に必要な耐熱性が改善され、長期間の反射率の維持ができる樹脂組成物、その樹脂組成物を成形してなるリフレクター、リフレクターの製造方法、リフレクター付き光半導体素子実装用基板及びそのリフレクターを使用した半導体発光装置を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該目的を達成できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] シリコーン樹脂、有機樹脂、白色顔料、及び平均繊維長が0.75μm以上、300μm以下、平均繊維径が0.5μm以上、25μm以下である繊維状無機フィラーを含む、樹脂組成物。
[2] 有機樹脂が、ポリオレフィン樹脂である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量に対するシリコーン樹脂の含有率が、2質量%以上、80質量%以下である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、白色顔料200質量部以上、700質量部以下、及び繊維状無機フィラー10質量部以上、300質量部以下を含む、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[5] シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、架橋処理剤1質量部以上、100質量部以下を含む、[4]に記載の樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物。
[7] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる、リフレクター。
[8] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物をキャビティ空間を備える金型内に注入する工程、
金型内に注入された樹脂組成物を固化する工程、
金型内で固化された樹脂組成物を成形体として取り出す工程、
次いで、得られた成形体に電離放射線を照射する工程を含む、リフレクターの製造方法。
[9] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物と光半導体素子を載置することが可能な基板からなる、リフレクター付き光半導体素子実装用基板。
[10] 基板と、基板上に載置された光半導体素子と、基板と一体に設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを有し、前記リフレクターが[7]に記載のリフレクターである、半導体発光装置。
本発明により得られる樹脂組成物は耐熱性に優れているため、長期間に渡り反射率を向上させたリフレクターを得ることができる。また、本発明により得られる樹脂組成物は、成形性(流動性)に優れるので、射出成形等で成形体とする際に加工性が向上する。そのため、形状の再現性に優れた成形物を得ることができる。
本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の半導体発光装置の一例を示す概略断面図である。
[1.樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、シリコーン樹脂、有機樹脂、白色顔料、平均繊維長が0.75μm以上、300μm以下、平均繊維径が0.5μm以上、25μm以下である繊維状無機フィラーを含むものである。
以下、本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
<シリコーン樹脂>
シリコーン樹脂は、分子量が1000以上であり、ケイ素原子を含むものであり、ケイ素原子と酸素原子が結合した構造(シロキサン結合)を有する。この時、シリコーン樹脂を構成する全元素の25モル%以上がケイ素原子と酸素原子であることが好ましい。さらにシリコーン樹脂中の主鎖に含まれるケイ素原子と酸素原子を合計した割合が、主鎖を構成する全元素の50モル%以上であることが好ましく、主鎖がケイ素原子と酸素原子のみのシロキサン結合から構成されたものがより好ましい。また、本発明に用いられるシリコーン樹脂としては、特に制限されるものではないが、融点が−30℃以上、350℃以下のシリコーン樹脂を用いることが好ましい。ここでの融点はDSC(示差走査熱量分析)の吸熱ピーク位置などにより求めることが可能である。
このようなシリコーン樹脂としては、ケイ素原子と酸素原子の結合を有するシロキサン構造を主鎖とし、さらに有機官能基をケイ素原子上に有するオルガノシロキサン、ジオルガノシロキサン等の主鎖構造を有するシロキサンポリマーを挙げることができる。当該主鎖構造は、単一種の主鎖構造を有するものであってもよいし、複数種の主鎖構造を有するものであってもよい。さらに主鎖の末端どうしが結合した環状構造を有しており、分岐構造の複数の末端どうしが結合して籠状の構造を有していてもよい。こうした樹脂の構造が全てシリコーン樹脂構造からなるシリコーン樹脂以外にも、部分的にシリコーン樹脂以外の樹脂構造を含んでいてもよい。このシリコーン樹脂構造とシリコーン樹脂以外の樹脂構造を共に含む分子の場合、シリコーン樹脂構造は主鎖部分であって、側鎖に有機官能基を含んでいてもよい。この場合の側鎖の樹脂構造としては、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでいてもよく、炭素数は1以上、20以下であるものが好ましい。これ以外にも主鎖部分の一部にシリコーン樹脂以外の樹脂構造を含んでもよい。
また、分子全体の構造は、直鎖構造であってもよいし分岐構造であってもよい。そして、前記骨格構造中には、一つ以上の反応性官能基を有するものであってもよい。また、反応性官能基を有さないものは、例えば、ジメチルシリコーン樹脂やメチルフェニルシリコーン樹脂等のストレートシリコーン樹脂、メチル基とC2以上の炭素数を有するアルキル機がケイ素原子に結合したメチルアルキルシリコーン樹脂として知られている。この場合のアルキル基としては炭素数に特に制限は無いが、ヘキシル基、オクチニル基、ドデシル基等が好ましく用いられる。
前記反応性官能基としては、骨格構造に含まれるケイ素原子に結合する、ヒドロキシ基、アルケニル基、ハイドロジェンシリル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミノ基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシ基、フェノール基等が挙げられるが特に限定されない。
前記のシリコーン樹脂としては、具体的には、ジメチルシリコーン樹脂、メチルビニルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、メチルオクチニルシリコーン樹脂、メチルドデシルシリコーン樹脂やポリシロキサンを主体とするポリオルガノシロキサン等が挙げられる。これらのシリコーン樹脂は、シリコーンオイル等の比較的低分子量のシリコーン樹脂、及び高分子で合成樹脂として用いられる、一般に「シリコン樹脂」とも呼ばれているシリコーン樹脂を用いることができる。これらの中ではジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、メチルオクチニルシリコーン樹脂、メチルドデシルシリコーン樹脂からなるもの、もしくはこれらのシリコーン樹脂をより多く含むものが好ましい。さらにこれらの中で他の組成物との相溶性の観点からメチルオクチニルシリコーン樹脂、メチルドデシルシリコーン樹脂等のサイズの大きなアルキル基を有するものがさらに望ましい。
前記シリコーン樹脂は一定の範囲の分子量を有していることが好ましい。具体的にはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)でポリスチレンを標準物資として測定される重量平均分子量が1000以上、300000以下である。分子量が小さすぎる場合はある一定の加熱工程中での蒸発量が大きくなる傾向があり、安定に加工することが難しくなり好ましくない。大きすぎる場合は溶融時の粘度が大きく加工性が低下し、シリコーン樹脂以外の樹脂と混合する場合に加工時に溶融しにくくなり、同時に相溶性が低下して均一な組成を有する製品を得ることが出来なくなるために好ましくない。さらに好ましい範囲としては2000以上、200000以下である。最も好ましい範囲としては3000以上、150000以下である。この場合、加工が容易で他の樹脂と混合する場合でも相溶性が良好であるためにより容易に均一で高品質な製品を得ることができる。
前記シリコーン樹脂のGPCによる重量平均分子量測定条件の例としては、以下の条件を例示することができる。
溶離液:クロロホルム
温度:40℃
流速:1.0mL/min
試料濃度:0.5wt%
注入量:50μL
<有機樹脂>
本発明の樹脂組成物は、シリコーン樹脂と共に、有機樹脂を含む。この有機樹脂とは分子量1000以上であり、主鎖が炭素原子を含み、必要に応じて、酸素原子や窒素原子を含むものである。この時に好ましい範囲は主鎖上の炭素原子と酸素原子を合計した割合が90モル%以上であり、さらに好ましくは主鎖上の炭素原子の割合が90モル%以上である。有機樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等が代表的な利用可能な熱可塑性樹脂として挙げられるが、これらの中ではポリオレフィン樹脂を好ましく用いることができる。該ポリオレフィン樹脂は、主鎖が炭素−炭素結合からなる構成単位の重合体であり、炭素結合には環状の構造を含む場合もある。単独重合体でもよく、他のモノマーと共重合してなる共重合体でもよい。炭素−炭素結合は加水分解反応を起こさないので、耐水性に優れる。オレフィン樹脂としては、例えば、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂あるいはその水素添加、エチレン、プロピレン等のオレフィンのそれぞれ単独重合体、あるいはエチレン−プロピレンのブロック共重合体、ランダム共重合体、あるいはエチレン及び/又はプロピレンと、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の他のオレフィンとの共重合体、更には、エチレン及び/又はプロピレンと、酢酸ビニル等の他の単量体との共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンが好ましく、融点が230〜240℃と高く、成形温度が280℃程度でも分解せず、耐薬品性及び電気絶縁性に優れているという特性を有することからポリメチルペンテンがより好ましい。
前記ポリエチレンとは、エチレンの単独重合体であってもよいし、エチレンと、エチレンと共重合可能な他のコモノマー(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、酢酸ビニル、ビニルアルコール等)との共重合体であってもよい。ポリエチレン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、架橋ポリエチレン(PEX)等が挙げられる。これらのポリエチレンは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリプロピレンとは、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンと、プロピレンと共重合可能な他のコモノマー(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、酢酸ビニル、ビニルアルコール等)との共重合体であってもよい。これらのポリプロピレンは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリメチルペンテン樹脂としては4−メチルペンテン−1の単独重合体が好ましいが、4−メチルペンテン−1と他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の炭素数2ないし20のα−オレフィンとの共重合体で、4−メチル−1−ペンテンを主体とした共重合体でもよい。前記共重合体である場合は、耐熱性の観点から、炭素数10〜18のアルケンが共重合されたものが好ましく、炭素数16以上のアルケンが共重合されたものがより好ましい。
ポリオレフィン樹脂を用いる場合、ポリオレフィン樹脂の屈折率を1.40〜1.60とすることにより、樹脂組成物を成形して得られた成形体をリフレクターとした場合、光線反射率を向上させることができる。また、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が220,000以上、800,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が220,000以上であると、樹脂組成物を成形して得られた成形体にクラックが発生しにくくなるので好ましい。例えば、半導体発光装置中にクラックが発生していると、水分が浸入し半導体発光素子が故障するため極端に製品寿命が短くなる。また、重量平均分子量が800,000以下であると、樹脂組成物を成形することが困難とならないので好ましい。ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量の下限値は、好ましくは230,000以上、より好ましくは240,000以上である。また、重量平均分子量の上限値は、好ましくは700,000以下、より好ましくは650,000以下である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が好ましいが、再現性良く重量平均分子量が測定できる手法であれば、これに限定されない。たとえば、適切な溶媒で抽出した材料を例示した方法で重量平均分子量を測定することができる。
GPCによる重量平均分子量測定条件の例としては、以下の条件を例示することができる。
溶離液:o-ジクロロベンゼン
温度:140〜160℃
流速:1.0mL/min
試料濃度:1.0/L
注入量:300μL
本発明の樹脂組成物は、シリコーン樹脂と共に、有機樹脂を含むが、シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量に対するシリコーン樹脂の含有率は、2質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、70質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上、65質量%以下であることがさらに好ましい。シリコーン樹脂の含有率を上記範囲内とすることにより、樹脂組成物を硬化物させた際の耐熱性が向上し、リフレクターとして用いた場合、好ましいものとなる。また、長期間に渡り反射率を向上させたリフレクターを得ることができる。
<白色顔料>
本発明の樹脂組成物は、白色顔料を含む。白色顔料としては、酸化チタン、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、マイカ、炭酸カルシウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、チタン酸カリウム等を単独もしくは混合して用いることが可能である。
白色顔料は、当該樹脂組成物から得られる成形体に白色系の色調を付与するために用いられるものであり、特にその色調を高度の白色とすることにより、成形体の光線反射率を向上させることができる。成形体がリフレクターである場合には、良好な光線反射率が要求されるため、白色顔料としては、入手が容易で、光線反射率にも優れる酸化チタンを用いることが好ましい。
白色顔料の平均粒径は、成形性を考慮し、かつ高い反射率を得る観点からは、一次粒度分布において0.10μm以上、0.50μm以下であることが好ましく、0.10μm以上、0.40μm以下であることがより好ましく、0.21μm以上、0.25μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として求めることができる。
<繊維状無機フィラー>
本発明の樹脂組成物は、繊維状無機フィラーを含む。繊維状無機フィラーとしては、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウィスカー、珪素系ウィスカー、ワラストナイト、イモゴライト、セピオライト、スラグ繊維、ゾノライト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維およびホウ素繊維等を挙げることができる。
前記繊維状無機フィラーの中でも、本発明の樹脂組成物をリフレクター用として使用する場合は、半導体発光装置として使用した際の機械的強度や温度による形状安定性に優れるという観点から、ガラス繊維を用いることが好ましく、特に、二酸化ケイ素を60質量%以上含むガラス繊維を用いることが好ましい。ガラス繊維における二酸化ケイ素の割合は、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
繊維状無機フィラーは、平均繊維長が0.75μm以上、300μm以下、平均繊維径が0.5μm以上、25μm以下であることを要す。また、平均繊維長(L)と平均繊維径(D)との比であるL/Dが、1.5以上、30以下であることが好ましい。このような繊維状無機フィラーは、ミルドファイバーとも呼ばれ、長繊維無機フィラーを粉砕して得ることができる。繊維状無機フィラーが球状の形状に近づくと、線膨張係数が大きくなり、金属基板と共にインサート成形された際の反り、変形の原因となるため好ましくない。また、繊維状無機フィラーが長繊維状態の形状になると、樹脂組成物中に繊維状無機フィラーを均一に分散することが困難となったり、混練時の装置負荷が大きくコンパウンドの製造安定性が低下したりし、その結果、微小成形物中に繊維状無機フィラーが均一に存在しなくなるため、成形品の形状のバラツキや、成形品の硬さ等の物性にムラが生じるので好ましくない。前記平均繊維長は、好ましくは1.00μm以上、250μm以下、平均繊維径が0.7μm以上、20μm以下である。また、L/Dは、好ましくは1.7以上、25以下である。
本発明の樹脂組成物中に含まれる繊維状無機フィラーは、前述したとおり、平均繊維長は最大でも300μm以下であり、ミルドファイバーとも呼ばれ、長繊維無機フィラーを粉砕して得られるものであり、その繊維長は極めて短い。このような形状を有する繊維状無機フィラーを用い、押出機等の各種成形機を用いて樹脂組成物をペレットとして得て、次いで、射出成形機等の成形機を用いてペレットから成形体を得た際に、成形体中に含まれる繊維状無機フィラーの形状は、成形する際にせん断応力を受けても、その形状が大きく変化することはない。従って、加工により繊維状フィラーの寸法に関して好ましい範囲を逸脱することが無ければ結果としてリフレクタとして望ましい効果を得られる。
なお、組成物や成形品に含まれる繊維状フィラーの断面積は、下記の通り測定することもできる。
例えば、半導体発光装置のリフレクターを破断し、その断面を、SEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ S−4800)により観察する。破断面を金属製の試料台に略平行に固定した後に、破断面の垂直方向から倍率2500倍で観察を行う。
得られたSEM像において、リフレクターの断面に現れている繊維状フィラーの径長を測定する。繊維状フィラーの断面が楕円形状であった場合には、この楕円の長径と短径とを測定し、長径と短径との比が0.8から1.2のものを対象とする。
明確に長径と短径の比が2:1以上あり、円形ではない場合は長手方向の側面が見えない繊維状フィラー長手方向真正面から見えるものを選択して最も長い測定値を与える方向での直径を長径、長径から略垂直方向に径を測定した測定値を短径とする。
測定により得られた径長から繊維状フィラーの断面積を算出する際には、径長は、有効数字3桁まで測定する。また、断面積は、繊維状フィラーの断面のうち、断面積の小さいものから測定総数の50%のものについての平均値として算出する。少なくとも10個の断面の平均値が得られるようにサンプリングする。すなわち、測定総数が20個であれば、断面積の小さいものから10個についての平均値を算出する。算出後の平均値の数値の3桁目を四捨五入して、断面積の値とする。
さらに、組成物や成形品に含まれる繊維状フィラーの長さ測定については、下記の測定方法1及び2で測定することができる。
<繊維状フィラーの長さ測定方法1>
繊維状フィラーの長さ測定方法1は、以下の方法で測定する。半導体発光装置からリフレクター部分(成形品)を取り出しルツボに入れてマッフル炉中で600℃2時間加熱する。充分に放冷した後に、軽くつぶした後にガラス瓶に入れて、つぶしたかけらがかぶる程度のクロロホルムを入れた後に1分間振とうする。残ったかけら以外の上澄み部分をスポイトで清浄なガラス基板上に取り出して乾燥させる。完全にクロロホルムが蒸発した後にカーボンテープをクロロホルムを乾燥させたガラス面に貼り付けて剥がす。ガラス面貼付面を上に向けてSEM用の試料台に貼り付け略垂直方向からSEM(走査型電子顕微鏡、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズS−4800)で観察する。不定形ではない繊維状フィラーの形状を有しているものを選択し、直径よりも長い方向について長さを測定する。少なくとも10本以上の繊維状フィラーについて測定を行い、その平均値から成形品中に含まれる繊維状フィラーの長さとする。
<繊維状フィラーの長さ測定方法2>
繊維状フィラーの長さ測定方法2は、以下の方法で測定する。半導体発光装置からリフレクター部分(成形品)を取り出し厚さ200μm以下になる様に削る。薄くなった下面から光を当てて上面方向から光学顕微鏡で確認される透過光で確認される繊維状フィラーの内、直径と比較して明確に大きいと判断可能な長さを有する繊維状フィラーを選択してその長さを測定する。少なくとも10本以上について長さを測定してその平均値を成形中に含まれる繊維状フィラーの長さとする。
<配合割合>
本発明の樹脂組成物中の白色顔料の配合割合は、シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、白色顔料を200質量部以上、700質量部以下、好ましくは、250質量部以上、500質量部以下、より好ましくは、300質量部以上、500質量部以下とすることが望ましい。白色顔料の配合割合を上記範囲内とすることにより、リフレクターとした場合に、光線反射率を優れたものとし、成形性も維持することができる。
また、本発明の樹脂組成物中の繊維状無機フィラーの配合割合は、シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、繊維状無機フィラーを10質量部以上、300質量部以下、好ましくは、50質量部以上、250質量部以下、より好ましくは、80質量部以上、200質量部以下とすることが望ましい。繊維状無機フィラーの配合割合を上記範囲内とすることにより、リフレクターとした場合に、貯蔵弾性率及び引張弾性率、線膨張係数等の機械的強度を好ましいものとすることができる。
<架橋処理剤>
本発明の樹脂組成物は、架橋処理剤を含むことが好ましい。当該架橋処理剤としては、架橋処理剤の1つの環を形成する原子のうち少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、アリル系置換基と結合してなることが好ましい。また環構造が6員環である場合、当該環を形成する原子のうちの少なくとも2つの原子が、それぞれ独立に、アリル系置換基と結合してなり、1つのアリル系置換基が結合した原子に対して、他のアリル系置換基がメタ位の原子に結合していることが好ましい。さらに本発明に係る架橋処理剤は、下記式(1)〜(3)で表される化合物であることが好ましい。

(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)

(式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立に、アリル基、メタリル基、エステル結合を介したアリル基、及びエステル結合を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基である。)

(式中(3)中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜30の炭化水素基であり、R及びRは炭素数3以上、6以下のアルケニル基を示し、R及びRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4以上、30以下の炭化水素基である。炭化水素基中には、オレフィン性の不飽和結合を有さない炭化水素基であることが好ましい。これらの炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状のアルキル基や分岐状のアルキル基を挙げることができる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等を挙げることができる。これら炭化水素基には、前述したとおり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を挙げることができる。前記Rはアルキル基であることが好ましく、特に、炭素数6以上、20以下のアルキル基であることが好ましい。
及びRは炭素数3以上、6以下のアルケニル基を示し、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基のアルケニル基を挙げることができる。これらのアルケニル基中の炭素−炭素の二重結合の位置は、末端位であってもよいし、内部位であってもよい。R及びRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。R及びRとしては、特にプロペニル基が好ましく、プロペニル基の中でもアリル基であることが好ましい。そして、R及びRが共にアリル基であることが好ましい。
上記式(1)で表される架橋処理剤としてはトリアリルイソシアヌレート、メチルジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記式(2)で表される架橋処理剤としてはオルトフタル酸のジアリルエステル、イソフタル酸のジアリルエステル等が挙げられる。
上記式(3)で表される架橋処理剤としては、例えば、R及びRが共にアリル基である場合の具体的な化合物を例示すれば、5−ノニル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−デシル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−ドデシル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−トリデシル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−テトラデシル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−シクロヘキシル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−フェニル−1,3−ジアリルイソシアヌレート、5−ベンジル−1,3−ジアリルイソシアヌレート等を挙げることができる。
架橋処理剤は上記の式(1)〜(3)で表わされる架橋処理剤以外に、式(1)〜(3)において、R〜R、R,Rのいずれかを介して交互に結合したダイマー構造を有していたり、もしくはそれ以上の数が交互に結合したトリマー、オリゴマーの様な構造を有する架橋処理剤であっても構わない。また、R〜R、R,Rで示されるアリル系置換基は上記に記載した構造に限った訳では無く、アルコール、ケトン、エーテルの様な構造を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、架橋処理剤を用いることにより、樹脂組成物の成形性と硬化処理を改善することができる。樹脂組成物を成形した後の硬化処理には、通常、電離放射線を照射して硬化処理を行うが、架橋処理剤の使用により、樹脂組成物の流動性が高くなり、射出成形等で成形体とする際に、加工性が向上する。
樹脂組成物中の架橋処理剤の配合割合は、シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、100質量部以下、より好ましくは、5質量部以上、50質量部以下、さらに好ましくは、10質量部以上、30質量部以下とすることが望ましい。架橋処理剤の配合割合を上記範囲内とすることにより、リフレクターとした場合に、樹脂組成物の成形性と樹脂組成物の硬化物の硬化性を両立させることができる。
<流動性向上剤>
また、本発明の樹脂組成物には、流動性向上剤として、シランカップリング剤を配合することができる。シランカップリング剤としては、例えば、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、トリメトキシシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等を挙げることができる。
また、流動性向上剤として、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、極性ワックス、流動パラフィン、及び金属せっけん等も用いることができる。
前記流動性向上剤は、シリコーン樹脂を含む樹脂100質量部に対して通常、0.1質量部以上、50質量部以下の範囲内で用いることができる。
<その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、その他の種々の添加剤を配合することができる。その他の添加剤として、光安定剤、酸化防止剤、離型剤、球状の無機フィラー(例えば、球状ガラスや球状シリカ)、平均厚みが0.5μm以上、10μm以下であり、平均粒径が10μm以上、200μm以下である板状の無機フィラー等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、既述のシリコーン樹脂及び有機樹脂を含む樹脂、白色顔料、及び繊維状無機フィラー、必要に応じて使用される架橋処理剤、流動性向上剤、及びその他の添加剤を溶融混練してペレット等の造粒物として製造することができる。溶融混練方法としては、溶融混練押出機、2本ロールあるいは3本ロール、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、ポリラボシステムやラボプラストミル等の溶融混練機等の公知の溶融混練方法を用いることができる。
本発明の樹脂組成物から得られる硬化物は、該樹脂組成物をキャビティ空間を備える金型内に注入する各種成形方法を用いて、金型内で固化させて所定形状の成形体とし、金型内から成形体を取り出し、その成形体を硬化処理することにより得られる。成形方法としては、トランスファー成形、圧縮成形、射出成形等の成形方法を用いることができる。例えば、射出成形方法を用いる場合、シリンダー温度200℃以上、400℃以下、金型温度20℃以上、150℃以下で射出成形して得ることができる。このようにして得られた成形体を硬化処理する方法としては、通常は、電離放射線を照射することにより硬化物を得ることができる。電離放射線としては、電子線、紫外線等を挙げることができるが、比較的短時間で硬化物を得ることができる観点から、電子線を用いることが好ましい。なお、本発明の樹脂組成物に含まれるシリコーン樹脂の含有量は、繊維状無機フィラーが露出していない樹脂組成物から得られる成形体表面を、XPS、ESCA、TOP−SIMS等の表面分析を利用してSi含有量を定量することにより測定可能となる。
電離放射線として、電子線を用いる場合、電子線の加速電圧については、用いる樹脂組成物の大きさや成形体の厚みに応じて適宜選定し得る。例えば、厚みが1mm程度の成形体の場合は通常加速電圧250kV以上、3000kV以下程度で、使用した架橋処理剤を架橋し、硬化させることができる。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと成形体の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、成形体への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による成形体の劣化を最小限にとどめることができる。また、電子線を照射する際の吸収線量は樹脂組成物の組成により適宜設定されるが、成形体中の架橋密度が飽和する量が好ましく、照射線量は50kGy以上、600kGy以下であることが好ましく、特に100kGy以上、500kGy以下であることが好ましい。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
[2.リフレクター]
本発明のリフレクターは、既述の本発明の樹脂組成物を成形し、硬化してなる。
当該リフレクターは、後述する半導体発光装置と組み合わせて用いてよいし、他の材料からなる半導体発光装置(LED実装用基板)と組み合わせて用いてもよい。
本発明のリフレクターは、主として、半導体発光装置のLED素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。リフレクターの詳細については、本発明の半導体発光装置に適用されるリフレクター(後述するリフレクター12)と同じであるためここでは省略する。
[3.リフレクター付き光半導体素子実装用基板]
本発明のリフレクター付き光半導体素子実装用基板は、上述した本発明の樹脂組成物の硬化物と、光半導体素子を載置するための基板からなる。
リフレクターは、後述する半導体発光装置の一部として、組み込まれていてもよいし、他の構成からなる半導体発光装置、光半導体素子実装用基板と組み合わせてもよい。リフレクターは、主として、半導体発光装置の光半導体素子からの光をレンズ(出光部)の方へ反射させる作用を有する。リフレクターの詳細については、上述したリフレクター12と同じであるためここでは省略する。
光半導体素子実装用基板は、半導体発光装置の分野で用いられるものであればいかなるものであっても使用可能である。光半導体素子実装用基板の材料としては、例えば、アルミナや、窒化アルミニウム、ムライト、ガラスなどの焼結体から構成されるセラミック等を挙げることができる。これ以外にも、ポリイミド樹脂等のフレキシブル性を有する樹脂材料等を挙げることができる。特に金属よりなる光半導体素子実装用基板は、リードフレームと呼ばれることもあり、アルミニウム、銅及び銅の合金が用いられることが多く、半導体発光装置の反射率を向上させるために、これらの金属からなるリードフレームに、さらに銀などの反射率が高い貴金属を用いてメッキを施すことも多い。光半導体素子実装用基板は、光半導体素子を載置するダイパッドや、光半導体素子とワイヤーボンディングにより接続されるリード部等の端子部を有することがあるが、これらの端子部等の形状は、光半導体素子実装用基板が金属からなる場合には、もととなる金属板をハーフエッチングにより加工し、形成されていてもよい。本発明においては、上述の光半導体素子実装用基板を用いて、上述した樹脂組成物と光半導体素子実装用基板とを一体に射出成形することにより、樹脂組成物を所望のリフレクター形状に成形し、硬化させることで、本発明のリフレクター付き光半導体素子実装用基板が製造される。
本発明に係るリフレクター付き光半導体素子実装用基板のリフレクターのみの厚さは、0.1mm以上、3.0mm以下であることが好ましく、0.1mm以上、1.0mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上、0.8mm以下であることがさらに好ましい。
本発明に係るリフレクター付き光半導体素子実装用基板は、これに光半導体素子を載せて、光半導体素子と光半導体素子実装用基板の端子部とを電気的に接続し、さらに公知の封止剤により封止を行うことで、半導体発光装置とすることができる。
[4.半導体発光装置]
本発明の半導体発光装置を図1に例示する。本実施形態に半導体発光装置は、光半導体素子10と、この光半導体素子10の周りに設けられ、光半導体素子10からの光を所定方向に反射させる光反射面を有するリフレクター12とを基板14上に有してなる。光半導体素子10は、LED素子であることが好ましい。半導体発光装置において、リフレクター12は、上述のリフレクターに相当し、光反射面の少なくとも一部(図1の場合は全部)が上述した本発明の樹脂組成物からなるリフレクターで構成されてなる。
光半導体素子10は、放射光(一般に、白色光LEDにおいてはUV又は青色光)を放出する、例えば、AlGaAs、AlGaInP、GaP又はGaNからなる活性層を、n型及びp型のクラッド層により挟んだダブルヘテロ構造を有する半導体チップ(発光体)であり、例えば、一辺の長さが0.5mm程度の六面体の形状をしている。そして、ワイヤーボンディング実装の形態の場合には、リード線16を介して不図示の電極(接続端子)に接続されている。
リフレクター12の形状は、通常、角形、円形、楕円形等の筒状又は輪状等、任意の形状とすることができる。図1の概略断面図においては、リフレクター12は、筒状体(輪状体)であり、基板14の周囲に配設されるとともに、光半導体素子10を囲む凹部を有している。
なお、リフレクター12の凹部の内壁は、光半導体素子10からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられていてもよい(図1参照)。
また、リフレクター12の上部は、その上部に配設されるレンズ18側の端部(接合部)の形状に準じた形状とすることができ、このように加工された場合には、リフレクター12をレンズホルダーとしても機能させることができる。
リフレクター12は、図2に示すように、光反射面側だけを本発明の樹脂組成物からなる光反射層12bとしてもよい。この場合、光反射層12bの厚さは、熱抵抗を低くする等の観点から、500μm以下とすることが好ましく、300μm以下とすることがより好ましい。光反射層12bが形成される部材12aは、公知の耐熱性樹脂で構成することができる。
既述のようにリフレクター12上にはレンズ18が設けられているが、これは通常樹脂製であり、目的、用途等により様々な構造が採用され、着色されることもある。
基板14とリフレクター12とレンズ18とで形成される空間部は、透明封止部であってよいし、必要により空隙部であってもよい。この空間部は、通常、透光性及び絶縁性を与える材料等が充填された透明封止部であり、ワイヤーボンディング実装において、リード線16に直接接触することにより加わる力、及び、間接的に加わる振動、衝撃等により、光半導体素子10との接続部、及び/又は、電極との接続部からリード線16が外れたり、切断したり、短絡したりすることによって生じる電気的な不具合を防止することができる。また、同時に、湿気、塵埃等から光半導体素子10を保護し、長期間に渡って信頼性を維持することができる。
この透光性及び絶縁性を与える材料(透明封止剤組成物)としては、通常、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらのうち、耐熱性、耐候性、低収縮性及び耐変色性の観点から、シリコーン樹脂が好ましい。
以下に、図1に示す半導体発光装置の製造方法の一例について説明する。
まず、上記本発明の樹脂組成物を、所定形状のキャビティ空間を備える金型を用いたトランスファー成形、圧縮成形、射出成形等により、所定形状のリフレクター12に成形する。その後、別途準備した光半導体素子10を、接着剤又は接合部材により基板14に固定し、リード線16により光半導体素子10と光半導体素子実装用基板の電極を接続する。次いで、基板14及びリフレクター12により形成された凹部に、シリコーン樹脂等を含む透明封止剤組成物を注入し、加熱、乾燥等により硬化させて透明封止部とする。その後、透明封止部上にレンズ18を配設して、図1に示す半導体発光装置が得られる。
なお、透明封止剤組成物が未硬化の状態でレンズ18を載置してから、組成物を硬化させてもよい。
本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、電離放射線を照射して硬化させる際、電離放射線照射量を少なくすることができるので、電離放射線による劣化の少ないリフレクター、リフレクター付き光半導体素子実装用基板を得ることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、本実施例及び比較例において使用した材料は下記の通りである。
[樹脂]
*1:シリコーン樹脂A(重量平均分子量4500、シリコン原子上の置換基がメチル基:アルキル基(C8平均):末端メチル基=7:7:1であるシリコーン樹脂)
*2:シリコーン樹脂B(融点90℃、重量平均分子量10500、シリコン原子上の置換基がフェニル基:メチル基=5:2であるシリコーン樹脂)
*3:シリコーン樹脂C(重量平均分子量74800、シリコン原子上の置換基が全てメチル基であるシリコーン樹脂)
*4:シリコーン樹脂D(重量平均分子量26500、シリコン原子上の置換基がメチル基:アルキル基(C12平均):末端メチル基=23:23:1であるシリコーン樹脂)
*5:シリコーン樹脂E(重量平均分子量21900、シリコン原子上の置換基がメチル基:アルキル基(C12平均):フェニルエチル基:末端メチル基=20:20:2:1であるシリコーン樹脂)
*6:シリコーン樹脂F(重量平均分子量約30,000、シリコン原子に結合した置換基の末端以外は全てメチル基で、末端シリコン原子上の末端メチル基:末端ビニル基=2:1であるシリコーン樹脂)
*7:シリコーン樹脂G(重量平均分子量約30,000、シリコン原子に結合した置換基が、メチル基:ビニル基=200:1であるシリコーン樹脂)
*8:テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製、クリアロンP105)
*9:ポリオレフィン樹脂(三井化学株式会社製、TPX−MX002)
[白色顔料]
*10:酸化チタン(石原産業株式会社製、ルチル型構造 平均粒径0.21μm)
[繊維状無機フィラー]
*11:ガラス繊維(日東紡株式会社製、SS05DE−413SP、平均繊維長65μm、平均繊維径7.3μm、平均断面積41.6μm、断面形状は丸型のガラス繊維)
*12:ガラス繊維(セントラルグラスファイバー株式会社製、EFDE50−01、平均繊維長55μm、平均繊維径6.5μm、平均断面積33.2μm
*13:ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製、MF03JB1−20、平均繊維長34μm、平均繊維径10.2μm、平均断面積81.7μm
*14:ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製、MF06JB1−20、平均繊維長71μm、平均繊維径10.2μm、平均断面積81.7μm
*15:ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製、MF20JH1−20、平均繊維長192μm、平均繊維径10.2μm、平均断面積81.7μm
*16:ガラス繊維(日東紡株式会社製、CSG3PA−820、平均繊維長3mm、平均繊維径7.2μm、平均長径28.5μm、断面形状は楕円形のガラス繊維)
[非繊維状無機フィラー]
*17:球状シリカ(キンセイマテック株式会社製、F−HS20、平均粒径22μm)
*18:ガラスフレーク(日本板硝子株式会社製、REF−015、平均厚み5μm、平均粒径15μm)
[架橋処理剤]
*19:トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製)
[その他の添加剤]
*20:シランカップリング剤[信越化学工業株式会社製、KBM−3063(ヘキシルトリメトキシシラン)]
*21:酸化防止剤(1)[BASF・ジャパン株式会社製、IRGANOX1010]
*22:酸化防止剤(2)[株式会社ADEKA製、PEP36(ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)]
*23:離型剤[ステアリン酸亜鉛、堺化学株式会社製、SZ−2000]
[比較例1〜5、実施例1〜20]
下記表1及び表2に示すように各種材料を配合、混練し、樹脂組成物を得た。
なお、樹脂組成物は、各種材料を配合し、押出機(日本プラコン(株) MAX30:ダイス径3.0mm)とペレタイザー((株)東洋精機製作所 MPETC1)を用いて行い作製した。得られた樹脂組成物について、MVRを下記に記載の方法で評価した。また、樹脂組成物を射出成形機(ソディック(株)製 TR40ER)にて、リフレクター付き光半導体素子実装用基板を作製し、成形性を下記に記載の方法で評価した。耐熱性及び引張特性は、同成形機より成形サイズ750mm×750mm×厚さ0.5mmの成形体に加速電圧を800kVで400kGyの吸収線量にて電子線を照射した硬化物を、下記に記載の方法で評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
(評価1)
・樹脂組成物の成形性
上記で得た樹脂組成物を射出成形機(ソディック(株)製 TR40ER)にて、厚さ250μmの表面に銀メッキを施した光半導体素子実装用基板上に射出成形し、リフレクター付き光半導体素子実装用基板を作製した(樹脂厚み:700μm、外形寸法:35mm×35mm、開口部:2.9mm×2.9mm、開口部数:36個)。射出成形機条件は、シリンダー温度:260℃、金型温度:70℃、射出速度:200mm/sec、保圧力:100MPa、保圧時間:1sec、冷却時間:15secとした。成形性は成形時のプランジャ安定性を以下の基準により評価した。
○:・・・・成形性良好、プランジャ位置安定
△:・・・・成形可能だが、プランジャ位置不安定(不良発生の可能性がある)
×:・・・・成形不可能
(評価2)
・耐熱性
成形体の各試料の貯蔵弾性率を、RSAG2(TA INSTRUMENTS製)により、測定温度25℃〜400℃、昇温速度5℃/min、Strain 0.1%の条件にて測定した。270℃での貯蔵弾性率を下記表1に示す。
(評価3)
・反射率(450nm)
成形体の各試料について、得られた直後の成形の450nmの光線反射率(初期反射率)、200℃で45時間放置後の光線反射率、200℃で65時間放置後の光反射率を反射率測定装置MCPD−9800(大塚電子(株))を使用して測定した。成形体の試料を220℃で45時間、及び65時間放置し、その反射率が高いと、リフレクターとした場合に耐熱性が改善され、長期間の反射率の維持ができることを示す。
(評価4)
・線膨脹係数
線膨脹係数は、上記で得られた試料を、TMA8310(株式会社リガク製)を用いて、射出成形時の樹脂の流動方向に対して、25℃から300℃の寸法変化を測定し、50℃から150℃の変化率から算出した。
(評価5)
・流動性(MVR)
上記で得た樹脂組成物の流動性について、ボリュームフローレート(MVR)をJIS K 7210:1999 熱可塑性プラスチックのMVRに記載の方法に準拠した方法により測定した。具体的には、試験温度210℃、試験荷重2.16kg、60秒の条件で行った。測定装置としては、チアスト社製のメルトフローテスターを用いた。MVRは、成形性を示す指標であり、同一温度の比較においてはその数値が大きいほど流動性が高く、成形性に優れていることを示す。
上記実施例の結果から明らかなとおり、実施例1〜20で得られた樹脂組成物の硬化物は、シリコーン樹脂を用いていない比較例1及び2の樹脂組成物の硬化物に比較して、200℃で65時間放置後の反射率が高くなっていることが示されており、耐熱性が改善され、長期間の反射率の維持ができることが示めされている。また、実施例1〜20で得られた樹脂組成物の成形性はいずれも良好であることが示されている。そして、実施例1は線膨張係数が光半導体素子実装用基板として利用される銅の18ppm/℃に近く、光半導体素子実装用基板上に成形された際に加熱、冷却を伴う工程においても反り、変形が少なく抑えることが可能になっている。これに対して、無機フィラーとして繊維状無機フィラーを用いないで、球状無機フィラーを用いた比較例3及びフレーク状無機フィラーを用いた比較例4は、実施例1と比較して線膨張係数が高すぎ、好ましくないことが示されている。
さらに実施例10と実施例12に示されるとおり、分子中にビニル基を有するシリコーン樹脂を使用した場合はその割合を増やしても線膨張係数に悪影響を与える事無く、貯蔵弾性率及び反射率の改善効果が得られておりリフレクターとして望ましい特徴が得られている。また、繊維状フィラーを変更した実施例14から17では長さが200μm以下で30μmまで、直径は6.5μmから10.2μまでの場合に良好な成形性、リフレクター物性が得られている。直径が長径で28μm、長さが3000μm以上ある繊維状フィラーを用いた比較例5では成形性の悪化が著しく、リフレクターを成形することができない状態であった。また、白色顔料、繊維状フィラーの比率を調整した実施例18から20では実施例1と同等の結果が得られており、これらの比率であれば本発明に記載の樹脂組成物はリクフレクターとして優れた特性が示されている。
本発明の実施例では、シリコン樹脂を含む樹脂組成物に頻繁に利用される貴金属を含むヒドロシリル化触媒を含まずとも、電子線照射による架橋により良好な耐熱性が得られていることが貯蔵弾性率から示されており、高価で電気特性の悪化が懸念されるヒドロシリル化触媒を用いる事無くリフレクタとして使用可能な樹脂組成物の提供が可能である。なお、表1及び表2中の表価結果において、測定数値の記載がない箇所は、未測定であることを示す。
10・・・光半導体素子
12・・・リフレクター
14・・・基板
16・・・リード線
18・・・レンズ

Claims (10)

  1. シリコーン樹脂、有機樹脂、白色顔料、及び平均繊維長が0.75μm以上、300μm以下、平均繊維径が0.5μm以上、25μm以下である繊維状無機フィラーを含む、樹脂組成物。
  2. 有機樹脂が、ポリオレフィン樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量に対するシリコーン樹脂の含有率が、2質量%以上、80質量%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、白色顔料200質量部以上、700質量部以下、及び繊維状無機フィラー10質量部以上、300質量部以下を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. シリコーン樹脂と有機樹脂の合計量100質量部に対して、架橋処理剤1質量部以上、100質量部以下を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる、リフレクター。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物をキャビティ空間を備える金型内に注入する工程、
    金型内に注入された樹脂組成物を固化する工程、
    金型内で固化された樹脂組成物を成形体として取り出す工程、
    次いで、得られた成形体に電離放射線を照射する工程を含む、リフレクターの製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物と光半導体素子を載置することが可能な基板からなる、リフレクター付き光半導体素子実装用基板。
  10. 基板と、
    基板上に載置された光半導体素子と、
    基板と一体に設けられ、該光半導体素子からの光を所定方向に反射させるリフレクターとを有し、前記リフレクターが請求項7に記載のリフレクターである、半導体発光装置。
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