以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の部品供給装置の構成を概略的に示している。
本実施の形態の部品供給装置10は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に部品を供給するように構成されている。具体的には、部品供給装置10は、図2に示す部品Cが収納され保持されているキャリアテープ200を使用してその部品Cを移戴ヘッド100のノズル102に供給する。
図2は、キャリアテープ200の前端面側部分(テープ送り方向Aへのテープの移動時において前側になる端面側部分)を示している。なお、図2に示す直交座標系u−v−wにおいて、u軸方向はテープ幅方向に対応し、v軸方向はテープ長手方向に対応し、w軸方向はテープ厚さ方向に対応している。
図2に示すように、キャリアテープ200は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に供給される部品Cを収容する複数の収容部202がテープ長手方向(v軸方向)に並んで形成されたベーステープ204と、部品Wを収容した状態の収容部202を覆うようにベーステープ204にテープ幅方向(u軸方向)の両端側が貼り付けられたトップテープ206とを有する。また、キャリアテープ200は、そのベーステープ204にテープ長手方向に並んで形成され、テープ厚さ方向(w軸方向)に貫通する複数の送り孔208を有する。
図2に示すように、トップテープ206は、送り孔208が形成された部分を除くベーステープ204の主面204aの部分に接着剤等によって貼り付けられている。具体的には、トップテープ206は、テープ幅方向(u軸方向)の中央部分(収容部202を覆う部分)を除いて両端側部分206a、206bがベーステープ204の主面204aに貼り付けられている。
図1に戻り、部品供給装置10は、本体部12と、本体部12内に形成されたテープ経路Pと、テープ経路Pに沿ってキャリアテープ200をテープ長手方向のテープ送り方向に送るための複数のスプロケット14〜18と、ベーステープ204からトップテープ206を剥離するためのブレード20とを有する。
部品供給装置10の本体部12のテープ経路Pの始端(テープ送り方向Aの上流側の端)には、キャリアテープ200を本体部12内に投入するためのテープ投入口12aが設けられている。なお、キャリアテープ200は、トップテープ206が貼り付けられた側であるベーステープ204の主面204aを上方に向けた状態でテープ長手方向にテープ投入口12aに投入される。
また、ブレード20によってトップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202内の部品Cを部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102が上方から吸着できるように、テープ経路Pの上方に配置された部品取り出し口12bを部品供給装置10は備える。すなわち、部品取り出し口12bが、移戴ヘッド100のノズル102が部品Cを吸着する位置である部品供給位置Q1に設けられている。
複数のスプロケット14〜18は、テープ経路Pに沿ってキャリアテープ200をテープ長手方向であるテープ送り方向Aに送るために、テープ経路Pに設けられている。複数のスプロケット14〜18は、その歯14a〜18aがキャリアテープ200の送り孔208に係合した状態で回転することにより、キャリアテープ200をテープ経路Pに沿ってテープ送り方向Aに部品取り出し口12b(部品供給位置Q1)に向かって送る。
ブレード20は、トップテープ206を部分的に剥離するためのトップテープ剥離機構であって、部品供給位置Q1で移載ヘッド100のノズル102が部品を吸着できるように、部品供給位置Q1に対してテープ送り方向Aの上流側のトップテープ剥離位置Q2でベーステープ204からトップテープ206を部分的に剥離する。このブレード20について、図3〜図7を用いて詳細に説明する。
図3は、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102にキャリアテープ200が保持する部品を供給する位置である部品供給位置Q1と、ベーステープ204からトップテープ206がブレード20によって剥離される位置であるトップテープ剥離位置Q2とを含む部品供給装置10の部分拡大図である。図4は、トップテープの剥離を開始する直前におけるトップテープ剥離位置Q2周辺の部品供給装置10の部分拡大図である。図5および図6は、トップテープ206側から見たトップテープ剥離位置Q2周辺の部品供給装置10の部分拡大図である。なお、図5はトップテープ206の剥離を開始する直前のブレード20の状態を示し、図6はトップテープ206の剥離中のブレード20の状態を示している。図7は、ブレード20の斜視図である。
図3に示すように、部品供給位置Q1に対してテープ送り方向Aの上流側に位置するトップテープ剥離位置Q2で、ブレード20は、その刃先20aによってベーステープ204からトップテープ206を部分的に剥離するように構成されている。具体的には、図4に示すように、テープ送り方向Aに移動中のキャリアテープ200の前端210側からトップテープ206とベーステープ204との間に刃先20aを進入させることにより、ブレード20はベーステープ204からトップテープ206を剥離する。
また、図6に示すように、送り孔208から例えば遠い側のテープ幅方向の端であるトップテープ206の一方の端部分206aのみを、ブレード20はベーステープ204から剥離するように構成されている。さらに、ベーステープ204から剥離されたトップテープ206の一方の端部分206aが送り孔208の上方に配置されるように、ブレード20はトップテープ206の端部分206aを折り返すように構成されている。
具体的には、ブレード20は、その斜視図である図7に示すように、刃先20aによってベーステープ204から剥離されたトップテープ206の一方の端部分206a(送り孔208から遠い側のテープ幅方向端部分)を送り孔208側に折り返す折り返し部20bを有する。折り返し部20bは、刃先20aによって剥離されたトップテープ206の端部分206aが送り孔208側に折り返されるように、剥離されたトップテープ206の端部分206aをガイドする凹状の円錐状湾曲面によって構成されている。この円錐状湾曲面の折り返し部20bにより、ベーステープ204の収容部202を覆うトップテープ206が送り孔208上に折り重なり、収容部202内の部品Cが外部に露出する。なお、以下では、トップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部、すなわちトップテープ206に覆われていない収容部は符号202’で示す。
ブレード20の刃先20aによってトップテープ206が剥離されると、そのトップテープ206に覆われていない収容部202’から部品Cが外部に飛び出す可能性がある。そこで、部品供給装置10は、部品供給位置Q1に到達するまで、トップテープ206に覆われていない収容部202’を覆うように構成されている。以下、トップテープ206に覆われていない収容部202’を覆うために必要な部品供給装置10の構成要素および関連する構成要素について説明する。
まず、図3および図4に示すように、部品供給装置10は、その本体部12内に、スプロケット14、16、および18によってテープ送り方向Aに送られるキャリアテープ200がテープ経路Pに沿って移動するようにガイドするテープガイド部30を有する。なお、本体部12内に設けられるテープガイド部30は、本体部12と一体的に構成されてもよく、または本体部12と別体で構成されてもよい。
テープガイド部30は、図3および図4に示すように、斜め上方に向かって直線状に延在するキャリアテープ200のテープ経路Pの部分(以下、「傾斜経路」と称する)P1に沿って延在する傾斜ガイド面30aと、テープ送り方向の下流側である傾斜経路P1のテープ送り方向Aの前端から水平方向に直線状に延在するテープ経路Pの部分(以下、「水平経路」と称する)P2に沿って延在する水平ガイド面30bとを含んでいる。このテープガイド部30の傾斜テープガイド面30aの上方にブレード20は配置されている。すなわち、ブレード20の刃先20aによってキャリアテープ200からトップテープ206が剥離されるトップテープ剥離位置Q2がキャリアテープ200の傾斜経路P1上に設けられている。
テープガイド部30の傾斜ガイド面30a上(トップテープ剥離位置Q2)でブレード20の刃先20aによってトップテープ206を剥離されたベーステープ204は、その傾斜ガイド面30aに沿って部品供給位置Q1に向かってテープ送り方向Aに送られる。このとき、トップテープ剥離位置Q2を通過したベースープ204における収容部202’はトップテープ206に覆われていない状態である。
トップテープ剥離位置Q2を通過した、トップテープ206に覆われていないベーステープ204の収容部202’を覆うために、図7に示すように、ブレード20はカバー面20cを備える。ブレード20のカバー面20cは、図4に示すように、刃先20aからテープ送り方向Aに向かってテープガイド部30の傾斜ガイド面30aと平行に延在する。また、ブレード20のカバー面20cは、トップテープ206に覆われていないベーステープ204の収容部202’と対向する。
このブレード20のカバー面20cとテープガイド部30の傾斜ガイド面30aとの間を、ブレード20の刃先20aによってトップテープ206を剥離されたキャリアテープ200(ベーステープ204)がテープ送り方向Aに通過する。その通過中に、ブレード20のカバー面20cにより、トップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’が覆われる。これにより、キャリアテープ200の傾斜経路P1上において、トップテープ206に覆われていないベーステープ204の収容部202’からの部品Cの外部への飛び出しが防止される。
上述したように、キャリアテープ200の傾斜経路P1(テープガイド部30の傾斜ガイド面30a)上において、トップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’は、ブレード20のカバー面20cによって覆われる。
しかし、キャリアテープ200の傾斜経路P1上でトップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’は、水平経路P2上では、ブレード20のカバー面20cによって覆われていない。その代わりとして、本実施の形態の場合、水平経路P2上においては、トップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’は、カバー部32によって覆われる。ここからは、このカバー部32について説明する。
カバー部32は、トップテープ剥離位置Q2と部品供給位置Q1とを通過するキャリアテープ200のベーステープ204の主面204a側とテープ幅方向両端側とを覆う、キャリアテープ200の長手方向視(送り方向A視)で概ね「コ」の字形状の断面を備える。
すなわち、カバー部32は、図3に示すように、トップテープ剥離位置Q2と部品供給位置Q1とをテープ送り方向Aに通過するキャリアテープ200の上方で水平方向(Y軸方向)に延在する天板部32aと、天板部32aのテープ幅方向(X軸方向)の両端から下方向(Z軸方向)に延在する側壁部32b、32cとを備える。なお、天板部32aには、カバー部32内のキャリアテープ200から部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102が部品Cを取り出すための部品取り出し口12bが形成されている。
このカバー部32の天板部32aは、図3に示すように、キャリアテープ200の傾斜経路P1に対してテープ厚さ方向に対向してブレード20を支持するブレード支持部32dと、水平経路P2に対してテープ厚さ方向に対向してキャリアテープ200を下方向に押さえるテープ押さえ部32eとを備える。
カバー部32の天板部32aにおけるブレード支持部32dに、下方からブレード20がその取り付け面20dを介して取り付けられている(図5〜7参照)。それにより、ブレード20は、カバー部32の天板部32aに形成された部品取り出し口12bの高さ位置より下方にあって且つ傾斜経路P1の上方の位置に設けられる。
ブレード20が部品取り出し口12bの高さ位置より下方の位置でトップテープ206を部分的に剥離することにより、ブレード20またはブレード20によって剥離されたトップテープ206に対し、部品取り出し口12bの上方を水平方向に移動する部品供給装置の移載ヘッド100のノズル102の干渉が抑制される。なお、本明細書で言うノズルの水平方向の移動は、少なくとも水平方向にノズルが移動するという意味であって、単に水平方向のみにノズルが移動することを意味するわけではない。したがって、水平方向に移動しつつ上下方向(Z軸方向)に移動するノズルの動作、いわゆるノズルのアーチモーション動作も、本明細書で言うノズルの水平方向の移動に含まれる。
一方、カバー部32のテープ押さえ部32eは、図4に示すように、水平経路P2において、キャリアテープ200を上方からテープガイド部30の水平ガイド面30bに向かって押さえるためのテープ押さえ面32fを備える。このテープ押さえ面32fは、カバー部32の天板部32aの裏面(本体部12内部側(テープガイド30側)の面)におけるテープ送り方向Aの下流側部分に該当する。
このカバー部32の天板部32aにおけるテープ押さえ部32eのテープ押さえ面32fが、キャリアテープ200の水平経路P2上において、トップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’(図10B参照)を覆う。
これにより、トップテープ剥離位置Q2でブレード20の刃先20aによってトップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’は、傾斜経路P1上ではブレード20のカバー面20cによって覆われ、水平経路P2上ではカバー部32の天板部32aにおけるテープ押さえ部32eのテープ押さえ面32fによって覆われる。それにより、トップテープ206が剥離されて該トップテープ206に覆われていない収容部202’は、その内部の部品Cが外部に飛び出すことなく、トップテープ剥離位置Q2から部品供給位置Q1にテープ送り方向Aに移動することができる。
トップテープ206が剥離されたベーステープ204における傾斜経路P1上および水平経路P2上の収容部202’を覆うために、傾斜経路P1上のブレード20と、カバー部32の天板部32aにおけるテープ押さえ部32eとは、テープガイド部30の傾斜ガイド面30aおよび水平ガイド面30bに向かってそれぞれ付勢されている。本実施の形態の場合、具体的には、ブレード20を支持するとともにテープ押さえ部32eを備えるカバー部32全体がテープガイド部30に向かって付勢されている。
カバー部32は、本体部12のテープ経路P(P1、P2)に対して開閉可能に設けられている。そのために、本実施の形態の場合、カバー部32は、図3に示すように、テープ送り方向Aの下流側の部分に、テープ幅方向(X軸方向)に延在して両端がカバー部32の側壁部32b、32cに固定された支点ピン34を有する。
カバー部32の支点ピン34は、部品供給装置10の本体部12に形成された支持穴12cに支持されている。この支持穴12cは、テープ幅方向(X軸方向)に貫通して且つZ軸方向に長い小判(長穴)形状の断面を備え、支点ピン34が回転可能に且つZ軸方向に移動可能に挿通されている。カバー部32が支点ピン34を中心として旋回することにより、図8に示すように、カバー部32はテープ経路Pでのテープガイド部30上のキャリアテープ200の上方に向かって開くことができる。
このようなカバー部32を閉じた状態でロックするために、図3および図8に示すように、部品供給装置10は、下方向に(テープガイド部30に向かって)付勢することによってカバー部32を閉じた状態でロックするロックレバー部36を有する。
カバー部32を閉じた状態でロックするロックレバー部36は、図3に示すように、カバー部32に対してテープ送り方向Aの上流側で、本体部12に揺動可能に支持されている。
具体的には、ロックレバー部36は、テープ幅方向(X軸方向)に延在する揺動中心線S1を中心として揺動するように本体部12に支持されている。また、ロックレバー部36は、カバー部32に近いその自由端側に、カバー部32と離間可能に当接して該カバー部32を下方向に付勢するためのカバー当接部36aを備える。さらに、カバー当接部36aがカバー部32と接触する方向にロックレバー部36を揺動して付勢させるための圧縮ばね36bを、ロックレバー部36は有する。
ロックレバー部36のカバー当接部36aがカバー部32に当接した状態のとき(図3参照)、カバー部32はロックレバー部36によって下方向に付勢される。それにより、カバー部32に支持されているブレード20とともにカバー部32が備えるテープ押さえ部32eとがテープガイド部30に向かって付勢される。
その結果、カバー部32に支持されているブレード20のカバー面20cとカバー部32に備えられたカバー押さえ部32eのテープ押さえ面32fとが、トッププテープ206を剥離されたベーステープ204の主面204aと当接した状態で、トップテープ206に覆われていない収容部202’を覆うことができる。
なお、ロックレバー部36のカバー当接部36aがカバー部32から離間した状態のときは(図8参照)、カバー32部は開閉可能な状態にされる。ロックレバー部36のカバー当接部36aがカバー部32から離間した状態で該カバー部32が支点ピン34を中心として旋回することにより、図8に示すように、カバー部32はテープガイド部30上のキャリアテープ200の上方に対して開放可能に開くことができる。
カバー部32が開くことにより、キャリアテープ200が外部に露出される。また、カバー部32の裏面側のブレード支持部32dに支持されたブレード20も外部に露出される。これにより、ブレード20のメンテナンスが容易になる。例えば、ブレード20の交換が容易になる。また、例えば、ブレード20の刃先20aやカバー面20cに付着した、トップテープ206をベーステープ204に貼り付けるための接着剤のかすなどの除去などのメンテナンスが容易になる。このように、ブレード20の刃先20a、テープガイド部30の傾斜ガイド面30aおよび水平ガイド面30Bなどの、キャリアテープ200を用いて部品を供給するために必要な部材のメンテナンスやチェックが容易になる。
なお、図3に示すように、カバー部32の支点ピン34を圧縮ばね38によって下方(Z軸方向)に付勢することにより、テープ送り方向Aのカバー部34の下流側部分を下方に付勢してもよい。カバー部32のテープ送り方向Aの下流側部分を付勢する圧縮ばね38と上流側部分を付勢するロックレバー部36とにより、カバー部32は、テープ送り方向A全体にわたって安定してテープガイド部30に向かって付勢される。
図9は、カバー部32を上方から見た図である。具体的には、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102がキャリアテープ200が保持する部品Cを吸着するための部品取り出し口12bが形成されたカバー部32の部分を示している。また、図10A、10B、および10Cは、閉じた状態におけるカバー部32のX軸方向視の断面図であって、図8におけるE−E線、F−F線、およびG−G線に沿った断面図である。
図9に示すように、ブレード20の刃先20aによってトップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’は、ブレード20のカバー面20cの下方をテープ送り方向Aに移動し、カバー部32に形成された部品取り出し口12bに到達する。部品取り出し口12bを介して収容部202’が外部に露出することにより、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102は収容部202’内の部品Cを上方から吸着することができる。
本実施の形態の場合、図9に示すように、部品取り出し口12bは、スプロケット18の歯18aとカバー部32の天板部32aとの接触とを回避するための逃げ穴32gと一体にあるいは近接して形成されている。この逃げ穴32gにより、スプロケット18を部品取り出し口12bに対してキャリアテープ200のテープ幅方向(X軸方向)に隣接して配置することができる。すなわち、部品取り出し口12bに位置する収容部202’に対してテープ幅方向に隣接する送り孔208に、スプロケット18の歯18aが係合することができる。その結果、スプロケット18によって部品取り出し口12bに対して収容部202’内の部品Cが高精度に位置決めされる。
なお、スプロケット18の歯18aとカバー部32の天板部32aとの接触が回避することができるのであれば、天板部32aを貫通する逃げ穴32gではなく、凹部状の逃げ部であってもよい。
図10Aは、図9のE−E線における断面を示しており、キャリアテープ200の傾斜経路P1の上方に位置するカバー部32の部分における断面を示している。
図10Aに示すように、テープガイド部30の傾斜ガイド面30a(傾斜経路P1)上においては、ブレード20の刃先20aによって剥離されたトップテープ206が、ブレード20の折り返し部20bによってベーステープ204の主面204aの送り孔208側上に折り重ねられる。
具体的には、ベーステープ204のテープ幅方向(X軸方向)の送り孔208側部分とカバー部32の天板部32aとの間であってブレード20に対してテープ幅方向に隣接する空間内に、ブレード20によって剥離されたトップテープ206が配置される。
テープガイド部30の傾斜ガイド面30aとカバー部32の天板部32aとの間のZ軸方向の距離は、図4に示すように、テープ送り方向Aの下流側に向かうにしたがって減少していく。そのため、ブレード20の折り返し部20bによってベーステープ204の送り孔208側に折り返されたトップテープ206は、テープ送り方向Aに向かうにしたがってベーステープ204の送り孔208に接近するようにカバー部32の天板部32aによってガイドされる。
傾斜経路P1においてブレード20の折り返し部20bによって折り返されたトップテープ206がベーステープ204の送り孔208に接近しつつ、キャリアテープ200はテープガイド部30の傾斜ガイド面30aに沿ってテープ送り方向Aに送られる。そして、キャリアテープ200は、ベーステープ204の主面204aの送り孔208側上にトップテープ206が折り重なった状態で、水平経路P2でのカバー部32の天板部32aにおけるテープ押さえ部32eのテープ押さえ面32fとテープガイド部30の水平ガイド面30bとの間に進入する。
図10Bは、図9のF−F線における断面を示しており、キャリアテープ200の水平経路P2の上方にあって、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側に位置するカバー部32の部分における断面を示している。すなわち、図10Bは、テープ押さえ部32eにおける部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側の部分32e’の断面を示している。以下、この部分32e’を上流側テープ押さえ部32e’(特許請求の範囲の「第1のテープ押さえ部」に対応)と称する。また、その上流側テープ押さえ部32e’におけるテープ押さえ面32fの部分を第1のテープ押さえ面32f’(特許請求の範囲の「第1のテープ押さえ面」に対応)とする。
図10Bに示すように、カバー部32の上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’は、トップテープ206を剥離されたベーステープ204の主面204aと当接した状態で、収容部202’を覆うように構成されている。
具体的には、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’は、トップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’の周縁部分と当接する第1の接触部32h(特許請求の範囲の「第1の接触部」に対応)と、折り重ね状態のトップテープ206を収容する第1のトップテープ収容空間32i’をベーステープ204の主面204aとの間に形成する第1の対向部32j’(特許請求の範囲の「第1の対向部」に対応)とを有する。
本実施の形態の場合、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’における第1の対向部32j’に形成された第1のトップテープ収容空間32i’は、図9に示すように、キャリアテープ200の傾斜経路P1のテープ送り方向Aの前端側から延在して部品取り出し口12bに連絡するように、カバー部32の天板部32aの裏側に形成されている。
なお、本実施の形態の場合、図10Bに示すように、スプロケット18の歯18aとカバー部32の天板部32aとの接触を回避するための逃げ穴32g内に、折り重ね状態のトップテープ206の一部が収容されている。すなわち、逃げ穴32gの一部と第1のトップテープ収容空間32i’の一部が共通の空間で構成されている。これは逃げ穴32gが近傍に存在することによるものであって、必ずしも、逃げ穴32gの一部によって第1のトップテープ収容空間32i’の一部を構成する必要はない。
キャリアテープ200の水平経路P2における部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側では、ベーステープ204の主面204aの送り孔208側上に折り重ねられたトップテープ206は、第1のトップテープ収容空間32i’内をテープ送り方向Aに移動し、部品取り出し口12bに到達する。
一方、ベーステープ204の主面204aの収容部202’側は、カバー部32の上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’における第1の接触部32hに当接しながら、すなわち収容部202’が第1のテープ押さえ面32f’に覆われながら部品取り出し口12bに到達する。
このように、ベーステープ204の主面204aの送り孔208側上に折り重ねられたトップテープ204を収容するための第1のトップテープ収容空間32i’を、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’に形成する理由について説明する。
図11は、本実施の形態のカバー部32から第1のトップテープ収容空間32i’を取り除いた、比較例の部品供給装置におけるカバー部132の断面図である。
図11に示すように、比較例の部品供給装置のカバー部132における上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’は、図10Bに示す本実施の形態のカバー部32における上流側テープ押さえ部32e’と異なり、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206を収容するための第1のトップテープ収容空間32i’を備えていない。そのため、比較例の上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’とベーステープ204の主面204aとの間に、ベーステープ204上に折り重ねられた状態のトップテープ206の厚さとほぼ同等の隙間が生じる。すなわち、折り重ね状態のトップテープ206によってベーステープ204の主面204aと上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’とが接触できない。
比較例の上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’とベーステープ204の主面204aとの間に折り重ねた状態のトップテープ206の厚さとほぼ同等の隙間が生じても、収容部202’の上方に位置する上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’により、収容部202’内の部品Cが外部に飛び出すことは抑制されている。
しかしながら、上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’とベーステープ204の主面204aとの間に隙間が存在するために、キャリアテープ200の移動中に、部品Cが収容部202’内で転動することがある。その結果、図11に示すように、収容部202’内で部品Cが立つ可能性がある。すなわち、収容部202’内の部品Cの姿勢が、正常な姿勢から、部品Cの一部がベーステープ204の主面204aを越える姿勢に変化する可能性がある。なお、ここで言う部品Cの「正常な姿勢」とは、ベーステープ204の主面204aに貼り付けられたトップテープ206によって収容部202’が覆われていたときにおける部品Cの姿勢、すなわちベーステープ204の主面204aを越えることなく収容部202’内に収容されているときの姿勢を言う。
図1に示す部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102は、「正常な姿勢」の部品Cを、部品取り出し口12bを介して吸着するように構成されている。そのため、図11に示すように、その一部がベーステープ204の主面204aから越えた姿勢で部品Cが部品取り出し口12b(部品供給位置Q1)に送られた場合、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102はその部品Cを正常に吸着できない。
そこで、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102が正常に吸着することができる正常な姿勢の部品Cを部品取り出し口12bに送るために、図10Bに示すように、カバー部32における上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’に、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206を収容するための第1のトップテープ収容空間32i’が形成されている。
図10Bに示すように、第1のトップテープ収容空間32i’がトップテープ206を収容することにより、カバー部32における上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’(その第1の接触部32h)は、トップテープ206を剥離されたベーステープ204の主面204aにおけるの収容部202’の周縁部分と当接することができる。それにより、収容部202’内の部品Cは、トップテープ206によって収容部202’が覆われていたときと同様に、正常な姿勢に維持される。すなわち、収容部202’内において部品Cの転動が抑制される。
なお、図11に示すように第1のトップテープ収容空間を備えていない比較例の部品供給装置のカバー部132の場合、部品Cの種類によっては、収容部202’内で立ち上がった部品Cが上流側テープ押さえ部132e’に接触する場合がある。立ち上がった部品Cが上流側テープ押さえ部132e’に接触すると、テープガイド部30の水平ガイド面30bと上流側テープ押さえ部132e’の第1のテープ押さえ面132f’との間でキャリアテープ200が詰まってテープ送り不良が発生する可能性がある。
このような収容部202’内で立ち上がった部品Cを原因とするテープ送り不良(キャリアテープ200の詰まり)も、図10Bに示すように、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’がトップテープ206を剥離されたベーステープ204における収容部202’の周縁部分と当接することにより抑制することができる。
図10Cは、図9のG−G線における断面を示しており、キャリアテープ200の水平経路P2の上方にあって、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの下流側に位置するカバー部32の部分における断面を示している。すなわち、図10Cは、テープ押さえ部32eにおける部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの下流側の部分32e’’の断面を示している。以下、この部分32e’’を下流側テープ押さえ部32e’’(特許請求の範囲の「第2のテープ押さえ部32e’’」に対応)と称する。またその下流側テープ押さえ部32e’’におけるテープ押さえ面32fの部分を第2のテープ押さえ面32f’’(特許請求の範囲の「第2のテープ押さえ面」に対応)とする。
図10Cに示すように、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’は、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206を収容する第2のトップテープ収容空間32i’’をベーステープ204の主面204aとの間に形成する第2の対向部32j’’を備えるのが好ましい。
下流側テープ押さえ部32e’’の第2のトップテープ収容空間32i’’は、部品取り出し口12bからテープ送り方向Aに延在するように、カバー部32の天板部32aの裏側に形成されている。したがって、キャリアテープ200の水平経路P2上において、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206は、上流側テープ押さえ部32e’の第1のトップテープ収容空間32i’、部品取り出し口12b、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のトップテープ収容空間32i’’を順に通過する。
下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’における第2の対向部32j’’に第2のトップテープ収容空間32i’’が形成されている理由について説明する。
上述したように、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側に位置する上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’に第1のトップテープ収容空間32i’を形成する理由は、第1のテープ押さえ面32f’をベーステープ204の主面204aに当接させて収容部202’内での部品Cの転動を抑制するためである。これに対して、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの下流側に位置する下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’に第2のトップテープ収容空間32i’’を形成する理由は異なる。
下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’に第2のトップテープ収容空間32i’’が形成されていない場合を仮定する。この場合、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’は、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206により、ベーステープ204の主面204aと接触することができない。そのため、第1のテープ収容空間32i’によってベーステープ204の主面204aと当接することができる上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’に比べて、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206の厚さだけ高い位置(テープガイド部30の水平ガイド面30bから離れた位置)に、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’は配置される。
下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’が上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’に比べて高い位置にあるために、上流側テープ押さえ部32e’と下流側テープ押さえ部32e’’とを一体的に備えるカバー部32は、テープ送り方向Aの下流側が上流側に比べて高い傾いた姿勢をとる。
カバー部32がテープ送り方向Aの下流側が上流側に比べて高い姿勢をとると、カバー部32がキャリアテープ200を介してテープ部材30側に対して付勢する姿勢が不安定となり、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’がベーステープ204の主面204aから離れる。その結果、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’が収容部202’内での部品Cの転動を抑制することができなくなる。
したがって、上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’がベーステープ204の主面204aに当接するように、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’に、ベーステープ204の主面204a上に折り重ねられたトップテープ206を収容するための第2のトップテープ収容空間32i’’が形成されている。
このように下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’に第2のトップテープ収容空間32i’’を形成しなければならない原因は、上流側テープ押さえ部32e’と下流側テープ押さえ部32e’’とが共通のカバー部32に設けられて一体化されているからである。したがって、上流側テープ押さえ部32e’と下流側テープ押さえ部32e’’とが、本実施の形態と異なり、別体である場合には、下流側テープ押さえ部32e’’に必ず第2のトップテープ収容空間32i’’を形成する必要はない。すなわち、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’は、ベーステープ204の主面204aと当接することなく、折り重ねられた状態のトップテープ206を介してベーステープ204の主面204aをテープガイド部30に向かって付勢できればよい。
なお、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102が部品取り出し口12bを介して部品Cを意図的にまたは偶発的にベーステープ204の収容部202’から吸着しない場合がある。すなわち、ベーステープ204の収容部202’が、部品Cを収容したまま部品取り出し口12bをテープ送り方向Aの下流側に通過する場合がある。このような場合が想定されるのであれば、図10Cに示すように、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’は、収容部202’内の部品Cが部分的にベーステープ204の主面204aをテープ厚み方向の上方に越えたときにその越えた部分を収容する部品収容空間32kをベーステープ204の主面204aとの間に形成する第3の対向部32j’’’を有するのが好ましい。以下では、部品取り出し口12bを通過した部品を符号C’で示す。
図10Cに示すように、ベーステープ204の収容部202’に対向する下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’における第3の対向部32j’’’に形成された部品収容空間32kは、ベーステープ202’内の部品C’が部分的にベーステープ204の主面204aを越えたときに、その越えた部分と上流側テープ押さえ部32e’’との接触を回避できる大きさを備える。また、図9に示すように、部品収容空間32kは、部品取り出し口12bからテープ送り方向Aの下流側に延在するように、カバー部32の天板部32aの裏側に形成されている。
この部品収容空間32kにより、キャリアテープ200の水平経路P2における部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの下流側において、キャリアテープ200の詰まり(テープ送り不良)の発生が抑制される。このことについて図12を用いて説明する。
図12は、ベーステープ204の主面204aを越えた部品C’の部分を収容する部品収容空間を備えていない、比較例の部品供給装置における下流側テープ押さえ部132e’’の断面を示している。
図12に示すように、下流側テープ押さえ部132e’’の第2のテープ押さえ面132f’’におけるベーステープ204の収容部202’に対向する第3の対向部32j’’’に部品収容空間が存在しない場合、ベーステープ204の主面204aを越えて突出した部品C’の部分は下流側テープ押さえ部132e’’に接触する。
図12に示すように、ベーステープ204の収容部202’内の部品C’が下流側テープ押さえ部132e’’に接触すると、ベーステープ204は、部品C’を介して、下流側テープ押さえ部132e’’の第2のテープ押さえ面32f’’とテープガイド部30の水平ガイド面30bとの間に挟持される。それにより、キャリアテープ200が下流側テープ押さえ部132e’’とテープガイド部30との間をテープ送り方向Aに移動困難な状態になり、その結果としてキャリアテープ200が詰まってテープ送り不良が発生する。
したがって、下流側テープ押さえ部32e’’の第2のテープ押さえ面32f’’におけるベーステープ204の収容部202’に対向する第3の対向部32j’’’に、部品収容空間32kが形成されている。それにより、べーステープ204の主面204aを越えた部品C’の一部と下流側テープ押さえ部32e’’との接触を回避することができる。
なお、上述したように、部品収容空間32kは、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102が部品取り出し口12bを介して部品Cを意図的にまたは偶発的にベーステープ204の収容部202’から吸着しない場合を想定して設けられたものである。したがって、ベーステープ204の収容部202’が部品Cを収容したまま部品取り出し口12bを通過する可能性がないまたは極めて低い場合は、部品収容空間32kを省略することができる。
以上、本実施の形態によれば、ベーステープ204の主面204aからトップテープ206を部分的に剥離し、その剥離されたトップテープ206がベーステープ204の主面204a上に折り重ねられる場合において、トップテープ206が剥離されたベーステープ204における収容部202’内での部品Cの転動を抑制することができる。
上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、図9に示すように、上流側テープ押さえ部32e’の第1のトップテープ収容空間32i’と下流側テープ押さえ部32e’’の第2のトップテープ収容空間32i’’とは、部品取り出し口12bによって分断されている。これに代わって、例えば部品取り出し口12bの形状を変更するまたはスプロケット18の位置を変更する等により、例えば、図13に示すように、上流側テープ押さえ部32e’の第1のトップテープ収容空間32i’と下流側テープ押さえ部32e’’の第2のトップテープ収容空間32i’’とを連続させてもよい。なお、図13では、連続する第1のトップテープ収容空間32i’と第2のトップテープ収容空間32i’’とがクロスハッチングで示されている。
また、上述の実施の形態の場合、図6に示すように、トップテープ剥離機構であるブレード20は、その刃先20aによって、送り孔208から遠い側のテープ幅方向の端であるトップテープ206の端部分206aをベーステープ204から剥離する。また、ブレード20は、その折り返し部20bによって、剥離されたトップテープ206をベーステープ204の主面204aの送り孔208側上に折り重ねる。このようなブレード20に、本発明のトップテープ剥離機構は限らない。本発明は、広義には、収容部202内の部品Cが露出するようにトップテープ206を部分的に剥離し、剥離したトップテープ206をベーステープ204の主面204a上に折り重ねることができるトップテープ剥離機構であればよい。
さらに、上述の実施の形態の場合、図4に示すように、テープ押さえ部32e(上流側テープ押さえ部32e’+下流側テープ押さえ部32e’’)は、キャリアテープ200を覆うカバー部32の一部によって構成されているが、これに限らない。例えば、テープ押さえ部32eは、カバー部32と別体に構成されてもよい。テープ押さえ部32は、広義には、キャリアテープを上方から(トップテープが貼り付けられたベーステープの主面側から)押さえることができればよい。すなわち、テープ経路に沿って移動するキャリアテープの上方にテープ押さえ部は配置されていればよい。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、図10Bに示すように、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側に位置する上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’は、ベーステープ204の収容部202’の周縁部分全体と当接する第1の接触部32hにより、収容部202’内での部品Cの転動を抑制している。しかし、本発明はこれに限らない。上流側テープ押さえ部の第1のテープ押さえ面が、トップテープを剥離されたベーステープにおける収容部の周縁部分の一部と当接する第1の接触部を有する場合であっても、収容部内での部品の転動を抑制することは可能である。例えば、図14は、種々の実施の形態における上流側テープ押さえ部の第1のテープ押さえ面における第1の接触部をクロスハッチングによって示している。
図14(a)は、上述の実施の形態にかかる、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側で、トップテープを剥離されたベーステープ204を上方から押さえる上流側テープ押さえ部32e’の第1のテープ押さえ面32f’における第1の接触部32hをクロスハッチングで示している。第1の接触部32hは、トップテープ206を剥離されたベーステープ204の主面204aにおける収容部202’の周縁部分全体と当接することにより、収容部202’内での部品Cの転動を抑制する。
図14(b)は、別の実施の形態にかかる、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側で、トップテープを剥離されたベーステープ204を上方から押さえる部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側に位置する上流側テープ押さえ部の第1のテープ押さえ面における第1の接触部332hをクロスハッチングで示している。この第1の接触部332hは、トップテープを剥離されたベーステープ204の主面204aにおける収容部202’の周縁部分の一部と当接する。具体的には、ベーステープ204のテープ幅方向における収容部202’の中央部分を主に覆うようにして、収容部202’の周縁部分におけるテープ送り方向A(すなわちテープ長手方向)に対向する一方の辺の中央部から他方の辺の中央部に跨るように、第1の接触部332hはベーステープ204の主面204aに当接する。
図14(c)は、さらに別の実施の形態にかかる、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側で、トップテープを剥離されたベーステープ204を上方から押さえる上流側テープ押さえ部の第1のテープ押さえ面における第1の接触部432hをクロスハッチングで示している。この第1の接触部432hも、図14(b)に示す別の実施の形態の第1の接触部332hと同様に、トップテープを剥離されたベーステープ204の主面204aにおける収容部202’の周縁部分の一部と当接する。ただし、図14(c)の第1の接触部432hは、ベーステープ204のテープ幅方向における収容部202’の片側の部分(例えば周縁部分の半分)に当接する。
図14(a)〜14(c)に示すように、広義には、上流側テープ押さえ部の第1のテープ押さえ面における第1の接触部は、トップテープを剥離されたベーステープの主面における収容部の周縁部分の少なくともテープ長手方向に対向する辺に跨るように該ベーステープの主面に当接する。それにより、第1の接触部は、収容部内に収容された部品の飛び出しおよび転動を抑制することができる。
なお、上流側テープ押さえ部のテープ押さえ面における第1の接触部によって少なくとも部分的に覆われる収容部は、図14(a)〜14(c)に示す四角形状の収容部に限らない。キャリアテープは、例えば、図14(d)に示すように、円形状の収容部602’を備え、その収容部602’内に円形状の部品C’’を収容するキャリアテープ600であってもよい。図14(d)に示すように、部品取り出し口12bに対してテープ送り方向Aの上流側で、トップテープを剥離されたベーステープ604を上方から押さえる上流側テープ押さえ部の第1のテープ押さえ面における第1の接触部332hは、円形状の収容部602’の周縁部分のテープ送り方向A(すなわちテープ長手方向)に対向する辺部分に跨るように、ベーステープ604の主面604aに当接する。その結果、円形状の収容部602’内に収容された円形状の部品C’’の飛び出しおよび転動を抑制することができる。