JP2015018711A - 密閉型電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解液の分解が抑制されるとともに、内圧の上昇が低減されており、長期耐久性に優れた密閉型電池の製造方法を提供する。【解決手段】かかる製造方法は、正極および負極と非水電解液とを電池ケース内に収容する電池組立体の構築工程A、ここで、非水電解液は、下式(1)で示される化合物を含む;負極の表面に前記化合物に由来する皮膜を形成する工程B;工程Bが施された電池組立体の電池ケース内に酸素を導入する工程C;および、工程Cが施された電池組立体の電池ケースを封止する工程D;を包含する。なお、式(1)中、A+はカチオンであり、Mはリンまたはホウ素であり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。A+[MX6−2n(C2O4)n]−(1)【選択図】図1

Description

本発明は、密閉型電池の製造方法に関する。
リチウム二次電池や電気二重層キャパシタ等の非水電解液を含む密閉型の二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、いわゆるポータブル電源や車両搭載用の高出力電源等に好ましく利用されている。かかる密閉型電池では、電池容量の劣化を抑えてサイクル特性やハイレート特性を向上させる目的で、非水電解液にオキサラト錯体化合物(例えば、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート)を添加することが知られている(特許文献1等参照)。
特開2004−146071号公報
ところで、上記のオキサラト錯体化合物は、初期充電の際に負極で還元分解され、負極活物質の表面にその分解物からなる被膜を形成する。そしてかかる皮膜形成時には、オキサラト錯体化合物を構成する配位子としてのシュウ酸イオン(C 2−)が分解される等して、電池内にCOガスが発生する。このCOガスは、密閉された電池ケース内の内圧を高め、例えば、圧力感知型の電流遮断装置(CID)の作動圧の設定に影響を与えたり、ガス排出弁や外部接続端子等の配設部の気密性の長期信頼性を低下させる原因となり得る。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オキサラト錯体化合物添加の効果を好適に発現させるとともに、電池ケースの内圧の上昇を抑え得る、密閉型電池の製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するものとして、密閉型電池の製造方法を提供する。かかる製造方法は、以下の工程を包含することを特徴としている。
(A):正極および負極と非水電解液とを電池ケース内に収容する電池組立体の構築工程。ここで、上記非水電解液は、下記の一般式(1)で示される化合物を含む。なお、式(1)中、Aはカチオンであり、Mはリンまたはホウ素であり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。
[MX6−2n(C (1)
(B):上記負極の表面に前記化合物に由来する皮膜を形成する工程。
(C):上記工程Bが施された電池組立体の上記電池ケース内に酸素を導入する工程。
(D):上記工程Cが施された電池組立体の上記電池ケースを封止する工程。
かかる構成の密閉型電池の製造方法によると、非水電解液が上記式(1)で表される組成を有するオキサラト錯体化合物を含むため、例えば充電処理(典型的には初回充電処理)等の皮膜形成処理によって該化合物が還元分解され、負極活物質の表面にシュウ酸イオン(C 2−)に由来する良質な(緻密で安定性に優れた)被膜が形成される。これにより、負極活物質と非水電解液との界面が安定化され、非水電解液の還元分解を抑制することができ、耐久性に優れた密閉型電池を製造することができる。
さらに、かかる皮膜の形成に伴い発生されるCOガスは、上記工程Cにおいて電池ケース内の余剰空間(デッドスペースであり得る。)に導入された酸素(O)と、下記の一般式(2)で示される反応を生じる。
2CO+O→2CO (2)
すなわち、不可避の空間に導入された酸素の寄与により、COが占めていた体積が半減されることとなる。具体的には、2モル分のCOと1モル分のOが反応して2モル分のCOとなる。これにより、電池ケース内のガスの体積が減じ、電池内圧が低減される。延いては、例えば、圧力感知型の電流遮断装置(CID)の作動圧への影響が抑制され、また、ガス排出弁や外部接続端子等の配設部の気密耐久性を高め、より信頼性に優れた密閉型電池を製造することができる。
ここで開示される製造方法によって製造された密閉型電池は、ハイレート(特にはハイレートのサイクル)での充放電を行った場合でも、長期耐久性(気密耐久性を含む)を確保し得る。したがって、かかる特徴を活かして、ここに開示された密閉型電池の製造方法は、高出力密度や高耐久性が要求される用途の密閉型電池を製造する際に好適に適用することができる。このような用途としては、例えば電気自動車、ハイブリッド車両等の動力源(車両駆動用電源)が挙げられる。換言すれば、本発明は、他の側面として上記密閉型電池を備えた車両をも提供し得る。なお、車両に搭載される電池は、該電池が複数個相互に電気的に接続されてなる組電池の形態であり得る。
一実施形態に係る密閉型電池の断面構造を模式的に示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、酸素導入等の本発明の特徴的な工程等)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、電池構造や電池の一般的な製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される密閉型電池の製造方法は、本質的に、(A)電池組立体の構築工程;(B)皮膜の形成工程;(C)酸素導入工程;(D)封止工程、を包含することで特徴づけられている。図1は、密閉型電池の構成を説明する断面模式図である。以下、適宜図を参照しつつ、各工程について順に説明する。
[A:電池組立体の構築工程]
ここでは、典型的には、正極と負極とが対向してなる電極体20と非水電解液(図示せず)とを電池ケース10内に収容することで電池組立体1を構築する。ここで、電極体20の正極は、典型的には、正極集電端子30を介して電池ケース10の外部に配設された正極外部接続端子32に電気的に接続されている。また電極体20の負極は、典型的には、負極集電端子40を介して電池ケース10の外部に配設された負極外部接続端子42に電気的に接続されている。なお、典型的には、図1に示すように、電池ケース10のケース本体14に電極体20が収容されて、当該ケース本体14の開口部が蓋体12により閉じられている。また、電池ケース10の蓋体12の外部表面には、正負の外部接続端子32,42が配設されている。正負の集電端子30,40および外部接続端子32,42は、それぞれ、絶縁材料から構成されるガスケット34,44により蓋体12と気密を保ち得る状態で絶縁されている。電池ケース10としては、例えばアルミニウム合金等の軽量な金属製のものを好適に採用し得る。ガスケット34,44は、絶縁性の樹脂やゴム材等から構成することができ、特に限定されるものではないが、典型的には、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の芳香族性樹脂組成物、ナイロン6、ナイロン66、その他のポリアミド(PA)、ポリアセタール、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル樹脂、およびポリメタクリル酸メチル等の非芳香族性樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂およびその共重合体等により構成することができる。また、電池ケース10(典型的には蓋体12)には、電池ケース10の内圧が所定値を超えるとケース外部と連通する安全弁50や、電解液を注入する注液口60aおよびこれを封止する注液口栓60等が設けられていてもよい。さらに、後述の酸素を導入するための酸素導入口(図示せず)が設けられていても良い。そして、外部接続端子32,42と集電端子30,40との間には、電池ケース10の内圧が所定値を超えると作動する電流遮断機構(図示せず)が設けられていてもよい。なお、電池組立体1とは、皮膜形成工程(いわゆる、コンディショニング工程であり得る。)に先立った段階にまで組み立てられた電池全般をいい、電池の種類や構成等は特に制限されない。典型的には、電池組立体1において、電池ケース10は、蓋体12とケース本体14とが溶接等により接合されていてもよいが、電池ケース10の内部と外部とは、例えば注液口60a等を通じて連通可能な状態にあり、完全には封止(密閉)されていない。
電極体20は、例えば、正極活物質層を有する正極と負極活物質層を有する負極とを、典型的にはセパレータを介して積層することで構成することができる。かかる正極および負極は、例えば、複数のものが積層された積層型電極体20を構成していても良いし、長尺の正極シートおよび負極シートを積層し捲回してなる捲回型電極体20を構成していても良い。正負極の初期容量比、すなわち正極の初期充電容量(C)に対する負極の初期充電容量(C)の比として算出される容量比(C/C)については特に制限はないが、例えば1.0〜2.1程度とすることができる。
正極としては、典型的には、正極活物質を導電材やバインダ等とともに組成物として正極集電体上に付着させ、正極活物質層を形成した形態のものを用いることができる。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金)からなる導電性部材を好適に採用し得る。正極活物質としては、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)等を好適に採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料等を採用し得る。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等の各種のポリマー材料を採用し得る。
負極としては、負極活物質をバインダ等とともに組成物として負極集電体上に付着させ、負極活物質層を形成した形態のものを用いることができる。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好適に採用し得る。負極活物質としては、例えば、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料等を用いることができ、なかでもアモルファスコートグラファイト(黒鉛粒子の表面にアモルファスカーボンがコートされた形態のもの)を好適に採用し得る。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の各種のポリマー材料を採用し得る。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートを好適に採用し得る。なお、固体状の電解質を用いた電池(リチウムポリマー電池)では、電解質がセパレータを兼ねる構成であり得る。
非水電解液としては、典型的には非水溶媒中に支持塩を含有させたものを用いることができる。支持塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等を用いることができ、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩を好適に採用し得る。非水溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。
そして、かかる非水電解液には、上述した非水溶媒および支持塩以外に、被膜形成剤を含んでいる。かかる被膜形成剤は、上記一般式(1)で示されたオキサライト錯体やその誘導体等を含む化合物を考慮することができる。ここで、オキサライト錯体は、1つまたは2つまたは3つのシュウ酸イオン(C 2−)が、中心元素(配位原子)としてのMに配位結合して形成されるイオン性の錯体である。ここで、式(1)中のMは、リン(P)またはホウ素(B)である。すなわち、オキサライト錯体としては、オキサライトフォスフェートおよびオキサライトボレートの少なくとも一方を含む化合物を考慮することができる。Xは、F、Cl、Br等のハロゲン原子である。また、Aは、Li、Na、K等のアルカリ金属のカチオン;Be、Mg、Ca等のアルカリ土類金属のカチオン;プロトン;テトラブチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン等のテトラアルキルアンモニウムイオン;トリエチルメチルアンモニウムイオン等のトリアルキルアンモニウムイオン;等であり得る。好適な一態様では、Aは、アルカリ金属のカチオンであり、例えば、リチウムのカチオン(Li)である。また、オキサラト錯体化合物の好適な例としては、例えば、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート(Li[PF(C])や、リチウムビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C])等が挙げられる。特に、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを含むことが好ましい。
なお、非水電解質には、上記の皮膜形成剤以外に、例えば、ガス発生剤等の各種添加剤を適宜添加することもできる。
[B:皮膜の形成工程]
次いで、上記電池組立体の負極活物質層の表面に、上記化合物に由来する皮膜を形成する。典型的には、電池組立体1の正極(正極外部接続端子32)と負極(負極外部接続端子42)との間に外部電源を接続し、所定の電圧まで充電(典型的には定電流充電)を行うことができる。これにより、典型的には、上記非水電解質の一部と皮膜形成剤とが負極で還元分解され、負極活物質の表面にその分解物からなる被膜が形成される。
充電の条件は、活物質材料や非水溶媒の種類等の電池の構成にも依るために一概には言えないが、例えば、負極の電位(vs. Li/Li+)が、上記化合物の少なくとも1つの還元電位(vs. Li/Li+)と概ね同等またはそれよりも0.05V(vs. Li/Li+)以上(好ましくは0.1V(vs. Li/Li+)以上)低くなるまで行うことが好ましい。これにより、負極活物質層の表面に低抵抗な被膜を安定的に形成することができる。充電方式は特に限定されず、例えば、上記負極の電位に到達するまで定電流で充電する方式(CC充電)で行ってもよく、上記負極の電位に到達するまで定電流で充電した後、定電圧で充電する方式(CCCV充電)により行ってもよい。CC充電時のレートは、例えば1/10C〜10C程度とすることができる。また、外部接続端子32,42間の電圧(典型的には最高到達電圧)は、例えば、電池組立体のSOCがおよそ60%〜105%(典型的には80%〜100%、例えば90〜100%)の範囲にあるときに示し得る電圧範囲とすればよい。例えば、4.2Vで満充電となる電池では、およそ2.5V以上、例えば、3.8〜4.2Vの範囲に調整することが例示される。これにより、例えば、一例として、電池ケース10内の空隙(電池ケース10内の気相部分)の50体積%以上(好ましくは60体積%以上)がCOに占められる状態となり得る。なお、充電処理は1回でもよく、例えば放電処理を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。また、コンディショニングの促進等を目的として、圧力の負荷(加圧や減圧)等の手段を適宜併用することもできる。このように被膜を形成することで、更なる電解質の分解が抑制されて、電池の耐久性が向上される。
[C:酸素導入工程]
上記の皮膜形成後の電池組立体1の電池ケース10内に、例えば上記の注液口60a等を通じて酸素を導入する。例えば、電池ケース10内に酸素含有ガス(典型的には、酸素(O)ガス)を導入すればよい。ここで酸素ガスの濃度、純度等は特に制限はないが、ドライエア(酸素濃度およそ20%)よりも酸素濃度の高い酸素含有ガスを用いることが好ましく、電池性能を損ねるおそれが無いよう比較的高純度(例えば、99.9%以上)の酸素含有ガスを用いることが好ましい。これにより、電池ケース10内の余剰空間の少なくとも一部を酸素(O)で置換することができる。好ましくは電池ケース10内の空隙の20体積%以上50体積%以下(好ましくは40体積%以上50体積%以下)が酸素となるようにする。
[D:封止工程]
上記の酸素導入後、電池組立体1の電池ケース10の酸素導入部を封止する。例えば、注液口60aを通じて酸素を導入した場合は、かかる注液口60aを注液口栓60により蓋をして、注液口栓60と蓋体12とを溶接等の手段により接合することで封止(密封)すればよい。
かかる手法に基づき密封された電池組立体1においては、上記式(2)で示されるように、電池ケース10内のCOとOとが反応してCOに変換される。
ここで、上記式(2)の反応の平衡定数:kは、下式(3)で示される。また、式(3)中[CO],[O],[CO]はそれぞれCO,O,COの活量であって、本明細書ではモル濃度を採用している。また、下式(3)に基づき、例えば、容量が20Ah程度の角型密閉電池について常圧(1atm)で算出された平衡定数k1の一例を下記の表1に示す。なお、表1において、項目「T」は環境温度[K]を示し、項目「Log(k)」は平衡定数kを常用対数で表示した値を示す。
Figure 2015018711
Figure 2015018711
このように、表1に示される平衡定数を考慮すると、式(2)の反応は、温度に依らず右方向に進行(正反応)することがわかる。そして、式(2)の反応が進行すると、電池ケース10内に存在するCO,OおよびCOの気体のうち、反応に加担した気体の総モル量および総体積は2/3に減少して、電池ケース10の内圧が低減される。これにより、皮膜形成に伴い発生するCOによる内圧の上昇が抑えられた密閉型電池を製造することができる。
なお、上記の電池組立体1に対しては、エージング処理を施すこともできる。例えば、皮膜の形成工程がコンディショニング処理を兼ねている場合には、かかるコンディショニング処理の後であって、酸素導入工程の前に、エージング処理を行うことができる。エージング処理としては、例えば、上記SOC60%〜105%(典型的には80%〜100%、例えば90〜100%)の電池組立体を、40℃以上(例えば50〜80℃、好ましくは50〜75℃)の高温域で、例えば5時間以上(例えば、昇温開始からの合計時間が5〜48時間、好ましくは10〜24時間となるまで)保持することが例示される。かかるエージング処理を施すことで、密閉型電池の耐久性を高める皮膜の形成および電極体内に不可避的に混入した金属異物の溶解等を行うことができる。
なお、上記のエージング処理は、高温エージング処理に限定されることなく、常温あるいは常温近傍の温度範囲(例えば、15℃〜35℃程度)で処理することもできる。かかる常温近傍でのエージング処理としては、例えば、SOC40%〜105%(典型的には60%〜100%、例えば80〜100%)の電池組立体を、例えば5時間以上(例えば、昇温開始からの合計時間が5〜48時間、好ましくは10〜24時間となるまで)保持することが例示される。
高温エージングと常温近傍でのエージング処理とを組み合わせて行うようにしても良い。高温エージング後に常温近傍でのエージングを行う場合には、電池組立体を常温域まで降温し、所定の時間放置すればよい。
そして、上記のCOガスの発生は、必ずしも皮膜形成時に限定されない。例えば、密閉型電池の製造後であっても、例えば、電池内部の温度が高まったり、電極の電位が局所的に上昇するなどした場合等に、電解液が分解されてCOが生じ得る。
そこで、本発明の密閉型電池の製造方法においては、正負の外部接続端子32,42と蓋体12とを絶縁するガスケット34,44として、絶縁性材料であって、非極性気体を選択的に透過可能な材料で構成されたものを用いることを好ましい態様としている。また、例えば、安全弁50、注液口栓60等が備えられた密閉型電池の製造方法においては、これらの電池ケース10の内部と外部とを隔離する部材の少なくとも一部を、絶縁性材料であって、非極性気体を選択的に透過可能な材料で構成するのを好ましい態様としている。このような非極性気体を選択的に透過する材料とは、換言すると、極性気体であるCOよりも、非極性気体であるOおよびCOを好適に透過させる材料である。そして、さらには、OよりもCOを好適に透過させる材料であることがより好ましい。このような材料としては、具体的には、例えば、各種のフッ素系樹脂が例示される。かかるフッ素系樹脂としては、例えば、具体的には、上記に例示した、PFA,PTFEおよびFEP等を好ましく用いることができる。
かかる材料で構成されるガスケット34,44、安全弁50、注液口栓60等の部材を用いることで、製造後の密閉型電池においても、電池ケース10内のCO濃度が高まった場合にCOがかかる部材を通じて電池ケース10外に排出され得る。すると、上記式(2)で表される反応は、さらに右方向に進行し得る。したがって、電池ケース10内のCOをCOへと転換するとともに電池ケース10外に排出し得、電池ケース10内の力をさらに低下させることができる。
ここで開示される方法によって製造された密閉型電池は、電解液の分解が抑制されるとともに、内圧の上昇が低減されており、長期耐久性に優れたものとなり得る。したがって長期耐久性が求められる各種用途の密閉型電池に特に好適に利用することができる。なかでも、理論容量が10〜100Ah程度の高容量型の電池や、ハイレートでの充放電を繰り返し行う用途の電池等に好ましく適用することができる。具体的には、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)等であり得る。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 電池組立体
10 電池ケース
12 蓋体
14 ケース本体
20 電極体
30 正極集電端子
32 正極外部接続端子
34 ガスケット
40 負極集電端子
42 正極外部接続端子
44 ガスケット
50 安全弁
60 注液口栓
60a 注液口

Claims (1)

  1. 正極および負極と非水電解液とを電池ケース内に収容する電池組立体の構築工程A、
    ここで、前記非水電解液は、一般式(1):
    [MX6−2n(C (1)
    (式(1)中、Aはカチオンであり、Mはリンまたはホウ素であり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。)
    で示される化合物を含む;
    前記負極の表面に前記化合物に由来する皮膜を形成する工程B;
    前記工程Bが施された電池組立体の前記電池ケース内に酸素を導入する工程C;および、
    前記工程Cが施された電池組立体の前記電池ケースを封止する工程D;
    を包含する、密閉型電池の製造方法。
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