JP2015018673A - 接地短絡器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】電線を素早くかつ強固に把持できる接地短絡器具を提供する。【解決手段】接地短絡器具100は、L字状のフレーム1、第2の可動ジョー2、及びロック装置3を備える。フレーム1は、送りねじ84と螺合する雌ねじ部11fを基端部に有し、送りねじ84と略平行に延びる突条片11を備える。直動レール11rは、第1の可動ジョー82を回り止めしながら、案内できる。第2の可動ジョー2は、直動レール11rに案内されて昇降自在に移動でき、第1の可動ジョー82と対向配置された鉤状の爪部21を有する。ロック装置3は、爪部21が第1の可動ジョー82に向かって移動することを許容するが、爪部21が第1の可動ジョー82から離反する方向に移動することを阻止できる。フックバーを先端部に有する絶縁操作棒を用いて、第2の可動ジョー2を引き下げると、第2の可動ジョー2と第1の可動ジョー82で電線Wを把持できる。【選択図】図1
Description
本発明は、接地短絡器具に関する。特に、絶縁操作棒などの間接活線工具の先端部に電線把持部を有し、単一ねじ機構を用いた少なくとも一方の可動ジョーが電線をその外周方向から押し付けて、電線を接地短絡する接地短絡器具の構造に関する。
高圧配電線を無停電で配電工事を行う活線作業には、直接活線工法と間接活線工法の二通りがある。直接活線工法は、作業者が高圧ゴム手袋などの保護具を着用して、通電中の高圧配電線に直接触れて配電工事を行う。一方、間接活線工法は、作業者が絶縁操作棒(ホットスティック)などを用いて、通電中の高圧配電線に直接触れることなく配電工事を行うことができる。
高圧配電線を停電状態で配電工事を行う場合において、高圧配電線への誤通電などから感電を防止するため、間接活線工事用の接地短絡器具(アースフック)を用いて、高圧配電線を接地短絡している。これにより、作業者の安全を確保できる。
一般に、絶縁操作棒は、長尺の操作棒とこの操作棒の先端部に取り付けた配電作業用工具(以下、先端工具という)で構成している。そして、絶縁操作棒は、高圧配電線を把持、又は切断するなど、作業目的に対応した先端工具を交換できるように、絶縁操作棒の先端部に取り付けている。
このような絶縁操作棒の内、電線を確実に把持して接地短絡できると共に、電線の把持状態を維持可能な、接地短絡器具が知られている。この接地短絡器具は、鉤状の爪部を先端部に有する固定ジョーと、固定ジョーの爪部に向かって進退自在に固定ジョーに連結した可動ジョーを有する先端工具を備え、絶縁操作棒の先端部に先端工具を連結して、絶縁操作棒を回転操作することで、固定ジョーと可動ジョーの間に電線を把持して接地短絡している。
しかしながら、上述した接地短絡器具は、固定ジョーと可動ジョーの間に電線を挿入する必要があり、遠隔に配置された電線に対して、固定ジョーと可動ジョーの間隔を目視で確認することが困難であるという不具合があった。
上述した不具合を解消するため、固定ジョー及び可動ジョーは、一か所以上で位置決め可能であり、位置決めされたことてクリック感を発生させる位置決め手段を有する接地短絡器具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図4は、従来技術による接地短絡器具に備わる先端工具の構成を示す正面図である。図5は、従来技術による接地短絡器具に用いる絶縁操作棒の正面図である。図6は、従来技術による接地短絡器具の構成を示す図であり、図6(A)は接地短絡器具の正面図、図6(B)は図6(A)の左側面図、図6(C)は、接地短絡器具に備わる接地極の正面図である。
図4から図6を参照すると、従来技術による接地短絡器具200は、三つの先端工具8を備えている。先端工具8は、長尺の絶縁操作棒9の先端部に連結されて、絶縁操作棒9を回転操作することで、電線を把持できる。
図4又は図6を参照すると、三つの先端工具8の内、中央に位置する先端工具8は、仮支持用棒80を取り付けている。仮支持用棒80は、中央の先端工具8の両翼に配置された一対の先端工具8・8を支持できる。
図4又は図6を参照すると、接地短絡器具200は、三つの地絡ケーブル81wと一つの地絡ケーブル82wを備えている。地絡ケーブル81wは、その一方の端末を後述する固定ジョー81に接続している。例えば、地絡ケーブル81wの一方の端末は、圧着端子81tを用いて、固定ジョー81にねじ止めされている。地絡ケーブル81wは、その他方の端末を分岐端子部80bに接続している(図6(A)参照)。
図6(A)を参照すると、地絡ケーブル82wは、その一方の端末を分岐端子部80bに接続している。言い換えれば、地絡ケーブル81wは、分岐端子部80bを介して、地絡ケーブル82wから分岐接続している。地絡ケーブル82wは、その他方の端末をクリップ80cに接続している。図6(C)を参照して、地面などに打ち込まれた接地極80dにクリップ80cを接続することで、三つの先端工具8で把持された電線を一括して、接地短絡できる。
図4又は図6を参照すると、先端工具8は、C字状の固定ジョー81と可動ジョー82を備えている。固定ジョー81は、鉤状の爪部81nを先端部に形成している。可動ジョー82は、固定ジョー81の爪部81nに向かって進退自在に固定ジョー81に連結している。
図4又は図6を参照すると、先端工具8は、円柱状の接続金具83と送りねじ84を更に備えている。接続金具83は、後述する絶縁操作棒9に連結するために、T字状の溝83tを底面から切り欠いている。送りねじ84は、接続金具83と同軸上に結合している。送りねじ84は、外周に雄ねじを形成している。固定ジョー81は、その基端部に雌ねじを形成しており、送りねじ84とねじ結合している。固定ジョー81を固定した状態で、送りねじ84を回転すると、送りねじ84は螺旋運動しながら直動できる。このように、先端工具8は、単一ねじ機構を備えている。
図4又は図6を参照すると、送りねじ84は、その先端部が可動ジョー82の底部と回転自在に連結している。一方、可動ジョー82は、その一部が固定ジョー81に設けたレール部81rを跨いでおり、水平方向の回転が規制されている。
図4又は図6を参照して、送りねじ84を一方の方向に回転すると、可動ジョー82の回転が規制されつつ、可動ジョー82を爪部81nに向かって進出できる。送りねじ84を他方の方向に回転すると、可動ジョー82の回転が規制されつつ、可動ジョー82を爪部81nから後退できる。
図5を参照すると、絶縁操作棒9は、絶縁性を有するプラスチック製のパイプ部材で本体90を構成している。本体90の先端部には、接続金具83と連結可能な円筒状の接続金具91を取り付けている。又、本体90は、水切り鍔90aを先端部側に備えている。水切り鍔90aは、連続した雨水の流れを切る役目を有している。更に、本体90は、水切り鍔90aの下方に限界鍔90bを備えている。本体90は、限界鍔90bを目安にして、操作対象物との限界距離を認知できる。
図5を参照すると、接続金具91は、その外周が接続金具83に開口した穴83h(図4参照)に嵌合するように形成されている。接続金具91は、その上面から突出した第1突起91aと、外周から相反する向きに向かう一対の円柱状の第2突起91b・91cを備えている。接続金具91は、第1突起91aを突き上げるように、力を付勢する弾性体(図示せず)を内部に備えている。接続金具91を接続金具83の穴83hに挿入して、所定角度、回動すると、第1突起91aに付勢されて、一対の第2突起91b・91cをT字状の溝83tに嵌合できる(図4参照)。図示された絶縁操作棒9は、共用操作棒と呼ばれ、他の用途の先端工具を接続できる。又、図示されたロック構造は、ツイストロックと呼ばれている。
次に、接地短絡器具200の操作方法を説明する。図6を参照して、最初に、仮支持用棒80を利用して、中央の先端工具8の両翼に一対の先端工具8・8を支持する。次に、中央の先端工具8に絶縁操作棒9を連結する(図5参照)。次に、地面などに打ち込まれた接地極80dに中央の先端工具8を接続する。
次に、図4又は図5を参照して、絶縁操作棒9を操作して、先端工具8を電線に近づけ、固定ジョー81の爪部81nと可動ジョー82の間に電線を導入する。次に、爪部81nを電線に掛止する。なお、これに先立ち、固定ジョー81の爪部81nと可動ジョー82の間を最大に開いておくことが好ましい。爪部81nを電線に掛止した状態で、絶縁操作棒9を一方の方向に回転すると、固定ジョー81が電線によって回り止めされていると共に、固定ジョー81に対して可動ジョー82が回り止めされているので、送りねじ84にねじ送りされて、可動ジョー82を爪部81nに向かって進出できる。そして、固定ジョー81と可動ジョー82で電線を把持でき、接地短絡できる。
同様に、図6を参照して、仮支持用棒80に取り付けられていた他の二つの先端工具8・8についても、順次、絶縁操作棒9を連結して、仮支持用棒80から取り外して、対応する電線を把持することで、各電線を接地短絡できる。
しかしながら、従来技術による接地短絡器具200は、固定ジョー81に対して、可動ジョー82をねじ送りする機構を採用しているため、固定ジョー81に対して、可動ジョー82が最大に開いた状態から電線Wを把持するまで、絶縁操作棒9を多く回転すると必要があった。このため、作業員の手首を捻る回数を多くするなど、作業員に労力をかけるという問題があった。
送りねじ84のリード(回転数に対する移動量)を大きくすれば、絶縁操作棒9の必要回転数を減らすことはできるが、回転モーメントが大きくなって、絶縁操作棒9を強く握って回転する必要が生じるので、実用的でない。可動ジョーをねじ送りする絶縁操作棒の必要回転数を減らしても、電線を素早くかつ強固に把持できる接地短絡器具が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、可動ジョーをねじ送りする絶縁操作棒の必要回転数を減らしても、電線を素早くかつ強固に把持できる接地短絡器具を提供することを目的とする。
本発明者は、第1の可動ジョーをねじ送りする機構を基端部に設けたフレームの突条片に第1の可動ジョーに対向配置された第2の可動ジョーを移動自在に取り付け、この第2の可動ジョーが第1の可動ジョーに向かって移動するときに逆方向に移動することを阻止するロック装置を設けることにより、電線を素早くかつ強固に把持できることを見出し、これに基づいて、以下のような新たな接地短絡器具を発明するに至った。
(1)本発明による接地短絡器具は、長尺の絶縁操作棒の先端部と着脱自在に連結可能な円柱状の接続金具と、前記接続金具と同軸上に結合し、外周に雄ねじを形成した送りねじと、底部が前記送りねじの先端部と回転自在に連結した第1の可動ジョーと、前記送りねじの雄ねじと螺合する雌ねじ部を基端部に有し、前記接続金具の上方に向かって前記送りねじと略平行に延びる突条片の一方の片翼に形成され、前記第1の可動ジョーが回り止めされながら、案内する直動レールを有するL字状のフレームと、前記突条片に一方の端末を接続した地絡ケーブルと、前記直動レールに案内されて昇降自在に移動できるように前記突条片に連結すると共に、前記第1の可動ジョーと対向配置された鉤状の爪部を一方の片翼に形成した第2の可動ジョーと、前記爪部が前記第1の可動ジョーに向かって移動することを許容するが、前記爪部が前記第1の可動ジョーから離反する方向に移動することを阻止するロック装置と、を備える。
(2)前記フレームは、複数のラチェット歯を長手方向に連設したラックを前記直動レールと反対側に備え、前記ロック装置は、前記ラチェット歯に噛み合う一つ以上の係止爪を一方の端部に有する揺動アームと、一端部が前記揺動アームの中間部に回動自在に連結し、他端部が前記突条片の他方の片翼に回動自在に連結したリンク板と、前記係止爪が前記ラチェット歯に噛み合うように、前記リンク板の他端部を回転中心にして当該リンク板が一方の方向に回動する力を付勢する第1付勢手段と、前記係止爪が前記ラチェット歯を乗り越えて、前記揺動アームが一方の方向に回動したときに、当該揺動アームを他方の方向に回動させる力を付勢する第2付勢手段と、を備えることが好ましい。
(3)前記揺動アームは、三つの係止爪を有することが好ましい。
(4)前記第2の可動ジョーは、フックバーを先端部に有する絶縁操作棒を用いて、掛止できると共に、当該第2の可動ジョーを引き下げ可能な係合穴を前記爪部の先端部に有することが好ましい。
(5)前記揺動アームは、フックバーを先端部に有する絶縁操作棒を用いて、前記係止爪が前記ラチェット歯から離反するように、前記リンク板と連係して当該揺動アームを移動させる鉤片を他方の端部に有することが好ましい。
本発明による接地短絡器具は、第1の可動ジョーをねじ送りする機構を基端部に設けたフレームの突条片に第1の可動ジョーに対向配置された第2の可動ジョーを移動自在に取り付け、この第2の可動ジョーが第1の可動ジョーに向かって移動するときに逆方向に移動することを阻止するロック装置を設けているので、絶縁操作棒の必要回転数を減らして、電線を素早くかつ強固に把持できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[接地短絡器具の構成]
最初に、本発明の一実施形態による接地短絡器具の構成を説明する。
[接地短絡器具の構成]
最初に、本発明の一実施形態による接地短絡器具の構成を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による接地短絡器具に備わる先端工具の構成を示す斜視図であり、先端工具を背面側から観ている。図2は、前記実施形態による接地短絡器具に備わる先端工具を拡大して示す正面図である。
図3は、図2の要部を拡大した背面図であり、図3(A)は、揺動アームに設けた係止爪がラチェット歯に噛み合った状態図、図3(B)は、揺動アームに設けた係止爪がラチェット歯から離反した状態図である。
なお、従来技術で用いた符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同じとするので、説明を省略することがある。又、本発明では、第2の可動ジョーと区別するため、従来技術で示した可動ジョー82を第1の可動ジョー82として説明する。
図1又は図2を参照すると、本発明の一実施形態による接地短絡器具100は、先端工具10を備えている。先端工具10は、長尺の絶縁操作棒9の先端部に連結されて、絶縁操作棒9を回転操作することで、電線Wを把持できる。先端工具10は、円柱状の接続金具83、送りねじ84、及び第1の可動ジョー82を備えている。
図1又は図2を参照すると、接続金具83は、長尺の絶縁操作棒9の先端部と着脱自在に連結できる(図5参照)。送りねじ84は、接続金具と同軸上に結合している。又、送りねじ84は、外周に雄ねじを形成している。
図1又は図2を参照すると、第1の可動ジョー82は、その底部が送りねじ84の先端部と回転自在に連結している。
図1又は図2を参照すると、先端工具10は、L字状のフレーム1、第2の可動ジョー2、ロック装置3、及び地絡ケーブル81wを備えている。
(フレームの構成)
図1又は図2を参照すると、フレーム1は、送りねじ84の雄ねじと螺合する雌ねじ部11fを基端部に有している。又、フレーム1は、接続金具83の上方に向かって、送りねじ84と略平行に延びる突条片11を備えている。突条片11の一方の片翼には、直動レール11rを形成している。直動レール11rは、第1の可動ジョー82を回り止めしながら、第1の可動ジョー82が進退する方向に案内できる。突条片11の先端部には、後述する第2の可動ジョー2の脱落を防止する停止板12を固定している。地絡ケーブル81wは、突条片11に一方の端末を接続している。
図1又は図2を参照すると、フレーム1は、送りねじ84の雄ねじと螺合する雌ねじ部11fを基端部に有している。又、フレーム1は、接続金具83の上方に向かって、送りねじ84と略平行に延びる突条片11を備えている。突条片11の一方の片翼には、直動レール11rを形成している。直動レール11rは、第1の可動ジョー82を回り止めしながら、第1の可動ジョー82が進退する方向に案内できる。突条片11の先端部には、後述する第2の可動ジョー2の脱落を防止する停止板12を固定している。地絡ケーブル81wは、突条片11に一方の端末を接続している。
(第2の可動ジョーの構成)
図1又は図2を参照すると、第2の可動ジョー2は、直動レール11rに案内されて昇降自在に移動できるように、突条片11に連結している。又、第2の可動ジョー2は、第1の可動ジョー82と対向配置された鉤状の爪部21を一方の片翼に形成している。爪部21は、係合穴21hを先端部に形成している。フックバーを先端部に有する図示しない絶縁操作棒を用いて、フックバーを係合穴21hに掛止でき、第2の可動ジョー2を引き下げることができる。
図1又は図2を参照すると、第2の可動ジョー2は、直動レール11rに案内されて昇降自在に移動できるように、突条片11に連結している。又、第2の可動ジョー2は、第1の可動ジョー82と対向配置された鉤状の爪部21を一方の片翼に形成している。爪部21は、係合穴21hを先端部に形成している。フックバーを先端部に有する図示しない絶縁操作棒を用いて、フックバーを係合穴21hに掛止でき、第2の可動ジョー2を引き下げることができる。
又、図1又は図2を参照すると、第2の可動ジョー2は、爪部21と反対側に係止アーム22を突出している。フックバーを先端部に有する図示しない絶縁操作棒を用いて、フックバー1fを係止アーム22の上端縁に掛止でき(図3(A)参照)、第2の可動ジョー2を引き下げることもできる。
(ロック装置の構成)
図1又は図2を参照すると、フレーム1は、複数のラチェット歯13rを長手方向に連設したラック13を直動レール11rと反対側に備えている。図1から図3を参照すると、ロック装置3は、揺動アーム31とリンク板32を備えている。揺動アーム31は、ラチェット歯13rに噛み合う一つ以上の係止爪31rを一方の端部に有している。揺動アーム31は、三つの係止爪31rを有することが好ましく、第2の可動ジョー2の押し上げ力に耐えることができる。
図1又は図2を参照すると、フレーム1は、複数のラチェット歯13rを長手方向に連設したラック13を直動レール11rと反対側に備えている。図1から図3を参照すると、ロック装置3は、揺動アーム31とリンク板32を備えている。揺動アーム31は、ラチェット歯13rに噛み合う一つ以上の係止爪31rを一方の端部に有している。揺動アーム31は、三つの係止爪31rを有することが好ましく、第2の可動ジョー2の押し上げ力に耐えることができる。
図3を参照すると、リンク板32は、その一端部が揺動アーム31の中間部に回動自在に連結している。又、リンク板32は、その他端部が突条片11の他方の片翼に回動自在に連結している(図1又は図2参照)。
図3を参照すると、ロック装置3は、第1付勢手段となる捩りコイルばね33と、第2付勢手段となる捩りコイルばね34を更に備えている。捩りコイルばね33は、係止爪31rがラチェット歯13rに噛み合うように、リンク板32の他端部を回転中心にして、リンク板32が一方の方向に回動する力を付勢している。捩りコイルばね34は、係止爪31rがラチェット歯13rを乗り越えて、揺動アーム31が一方の方向に回動したときに、揺動アーム31を他方の方向に回動させる力を付勢している。
図1から図3を参照すると、ロック装置3は、前述したように構成しているので、ロック装置3は、爪部21が第1の可動ジョー82に向かって移動することを許容するが、爪部21が第1の可動ジョー82から離反する方向に移動することを阻止できる。なお、図3(B)を参照すると、揺動アーム31は、フックバー1fを先端部に有する図示しない絶縁操作棒を用いて、係止爪31rがラチェット歯13rから離反するように、リンク板32と連係して揺動アーム31を移動させる鉤片31kを他方の端部に有している。
[接地短絡器具の作用]
次に、実施形態による接地短絡器具100の操作方法を説明しながら、接地短絡器具100の作用及び効果を説明する。
次に、実施形態による接地短絡器具100の操作方法を説明しながら、接地短絡器具100の作用及び効果を説明する。
図1又図2を参照して、爪部21と第1の可動ジョー82の間に電線Wを導入できるように、第1の可動ジョー82に対して、予め第2の可動ジョー2を押し上げておく。次に、絶縁操作棒9を操作して、第2の可動ジョー2と第1の可動ジョー82の間に電線Wを導入した後に、フックバーを先端部に有する図示しない絶縁操作棒を用いて、フックバーを係合穴21hに掛止でき、第2の可動ジョー2を引き下げる。この状態で、ロック装置3が作動して、第2の可動ジョー2が逆方向に移動することを阻止できる。そして、図2に示すように、第2の可動ジョー2と第1の可動ジョー82で電線Wを把持できる。
実施形態による接地短絡器具100は、第1の可動ジョー82をねじ送りする機構を基端部に設けたフレーム1の突条片に、第1の可動ジョー82に対向配置された第2の可動ジョー2を移動自在に取り付け、この第2の可動ジョー2が第1の可動ジョー82に向かって移動するときに逆方向に移動することを阻止するロック装置3を設けているので、絶縁操作棒9の必要回転数を減らして、電線Wを素早くかつ強固に把持できる。
本発明による接地短絡器具は、次のような効果が奏される。
(1)フック状のバインド打ち器を先端に有する絶縁操作棒を用いて、第2の可動ジョーを素早く移動できるで、作業が迅速化される。
(2)第2の可動ジョーの逆送を防止するロック装置を備えているので、確実に電線を把持できる。
(3)第2の可動ジョーを引き下げた後に、絶縁操作棒を回転すると、第1の可動ジョーが上昇し、電線を緊締できる。
(4)作業者に手首への疲労が格段に軽減され、作業性が格段に向上する。
(5)絶縁操作棒の回転数を18回転程度から半回転から一回転程度に減らすことができる。
(1)フック状のバインド打ち器を先端に有する絶縁操作棒を用いて、第2の可動ジョーを素早く移動できるで、作業が迅速化される。
(2)第2の可動ジョーの逆送を防止するロック装置を備えているので、確実に電線を把持できる。
(3)第2の可動ジョーを引き下げた後に、絶縁操作棒を回転すると、第1の可動ジョーが上昇し、電線を緊締できる。
(4)作業者に手首への疲労が格段に軽減され、作業性が格段に向上する。
(5)絶縁操作棒の回転数を18回転程度から半回転から一回転程度に減らすことができる。
本発明は、絶縁操作棒などを用いて、停電状態の高圧配電線を接地短絡する間接活線工事用の接地短絡器具を開示したが、本発明の接地短絡器具は、間接活線工事用に限定されることなく、他の分野でも応用されることが期待される。
1 フレーム
2 第2の可動ジョー
3 ロック装置
9 絶縁操作棒
10 先端工具
11 突条片
11r 直動レール
21 爪部
81w
82 第1の可動ジョー
83 接続金具
84 送りねじ
100 接地短絡器具
2 第2の可動ジョー
3 ロック装置
9 絶縁操作棒
10 先端工具
11 突条片
11r 直動レール
21 爪部
81w
82 第1の可動ジョー
83 接続金具
84 送りねじ
100 接地短絡器具
Claims (5)
- 長尺の絶縁操作棒の先端部と着脱自在に連結可能な円柱状の接続金具と、
前記接続金具と同軸上に結合し、外周に雄ねじを形成した送りねじと、
底部が前記送りねじの先端部と回転自在に連結した第1の可動ジョーと、
前記接続金具の上方に向かって前記送りねじと略平行に延びる突条片の一方の片翼に形成され、前記第1の可動ジョーが回り止めされながら、案内する直動レールを有するL字状のフレームと、
前記突条片に一方の端末を接続した地絡ケーブルと、
前記直動レールに案内されて昇降自在に移動できるように前記突条片に連結すると共に、前記第1の可動ジョーと対向配置された鉤状の爪部を一方の片翼に形成した第2の可動ジョーと、
前記爪部が前記第1の可動ジョーに向かって移動することを許容するが、前記爪部が前記第1の可動ジョーから離反する方向に移動することを阻止するロック装置と、を備える接地短絡器具。 - 前記フレームは、複数のラチェット歯を長手方向に連設したラックを前記直動レールと反対側に備え、
前記ロック装置は、
前記ラチェット歯に噛み合う一つ以上の係止爪を一方の端部に有する揺動アームと、
一端部が前記揺動アームの中間部に回動自在に連結し、他端部が前記突条片の他方の片翼に回動自在に連結したリンク板と、
前記係止爪が前記ラチェット歯に噛み合うように、前記リンク板の他端部を回転中心にして当該リンク板が一方の方向に回動する力を付勢する第1付勢手段と、
前記係止爪が前記ラチェット歯を乗り越えて、前記揺動アームが一方の方向に回動したときに、当該揺動アームを他方の方向に回動させる力を付勢する第2付勢手段と、を備える請求項1記載の接地短絡器具。 - 前記揺動アームは、三つの係止爪を有する請求項2記載の接地短絡器具。
- 前記第2の可動ジョーは、フックバーを先端部に有する絶縁操作棒を用いて、掛止できると共に、当該第2の可動ジョーを引き下げ可能な係合穴を前記爪部の先端部に有する請求項1から3のいずれかに記載の接地短絡器具。
- 前記揺動アームは、フックバーを先端部に有する絶縁操作棒を用いて、前記係止爪が前記ラチェット歯から離反するように、前記リンク板と連係して当該揺動アームを移動させる鉤片を他方の端部に有する請求項2又は3記載の接地短絡器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013144789A JP2015018673A (ja) | 2013-07-10 | 2013-07-10 | 接地短絡器具 |
Applications Claiming Priority (1)
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