JP2015017302A - 二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法 - Google Patents

二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度(耐力)が高いために塑性変形や破断し難く、更に300℃加熱後(加熱時間1時間)の耐熱性にも優れ、かつ導電性も高くて、電池等の製造工程の歩留および電気的特性を向上させることができる二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法を提供する。
【解決手段】圧延により形成したCu−Zr系合金から得られる銅合金圧延箔であって、前記銅合金圧延箔の結晶方位についてBrass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>、Goss方位{110}<001>に配向している結晶方位密度をそれぞれB、C、S、Gとしたとき、[B/C/(G+S)]が、0.16〜0.6である二次電池集電体用銅合金圧延箔、およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池用集電体に適用可能な銅合金圧延箔およびその製造方法に関し、強度、特に長尺箔帯の幅方向(TD方向)の強度を向上させ、良好な導電性を有し、更に耐熱性を向上させた銅合金圧延箔およびその製造方法に関するものである。
リチウムイオン電池などの二次電池の集電体には銅箔が用いられている。銅箔からなる集電体は、その表面に、例えばカーボン系の活物質層が形成されることで、負極電極となる。このような負極電極では、活物質が集電体の表面に塗布された後、ロールプレスによって活物質の密度を高めている。しかしながらロールによるプレスでは、集電体を構成する銅箔が変形してしまう。これにより、活物質が脱落したり、形状不良により歩留まりが低下したりするといった問題が生じてしまう。近年、集電体の薄肉化が進行しており、この問題が顕著になってきている。なお、これらの負極集電体には、電解銅箔やタフピッチ銅(TPC)、無酸素銅(OFC)などの銅圧延箔が用いられている。
近年の電池容量向上の要求に伴い、従来のカーボン系活物質からシリコン(Si)系やスズ(Sn)系、カーボン系とシリコン系やスズ系を複合した系などの活物質への変更が検討されている。しかし、これらの新しい活物質は、充・放電に伴う膨張・収縮量がカーボン系よりも大きいために、使用中に集電体から離脱する問題がある。これは、活物質が膨張した際に集電体が塑性変形してしまうことが原因の一つと考えられる。近年の電池容量向上の更なる要求に照らすと、活物質の離脱は容量低下の主原因である。そこで、更にSi系やSn系や複合系などの、膨張・収縮の大きな活物質の適用が見込まれるため、特に活物質の離脱防止の重要性が増している。
また、集電体および活物質の膨張や収縮は、電池寸法に対する問題も引き起こす。
リチウムイオン二次電池は、シート状の正極電極と負極電極と各々の間にセパレータを介在させ、電極間を電解液で満たして構成される。例えば、円筒形のリチウムイオン二次電池では、長辺が圧延方向(RD方向)となるように切り出した銅箔から集電体を形成し、所定の処理を経て負極電極とする。その後、正極材とセパレータとを組合せて、長辺方向に重ねながら巻くことで円筒形に成型する。この場合、負極電極の円周方向(箔圧延時のRD方向)の膨張・収縮に対する許容範囲は、巻き合わせている事もあって比較的大きい。しかし、円筒の上下方向(箔圧延時のTD方向)については、電池ケースの寸法で制約されているため、許容範囲が小さい。極端に膨張が進んだ場合、端部を拘束された電極の歪が大きくなり、電極の破壊や短絡を起こし電池としての機能を果たさなくなることがある。そのため、集電体を構成する銅箔のTD方向の強度を向上させることが求められている。
さらに、リチウムイオン二次電池の製造工程においては、Si系やSn系の活物質を使用する場合に活物質と集電体を接合するためにポリイミド系のバインダーを使用する。接合には300℃以上の加熱が必要である。従って、リチウムイオン二次電池に用いられる銅箔には、加熱後も高い耐力を有することが要求されている。
上記のように、電池用銅箔の塑性変形が製造工程および使用中に問題となるため、変形の指標となる耐力を向上させることが求められている。耐力が向上すれば、降伏応力も上昇して弾性変形可能な応力範囲が拡大することが推定される。しかし一方で、銅箔の強度と導電性はおおよそトレードオフの関係にある。電池用銅箔には強度と導電性をバランス良く向上させることが求められている。
このような状況で、集電体に用いられる銅箔には、銅合金圧延箔が注目されている。一般的に、銅合金圧延箔は電解銅箔に比べて強度に優れる。しかし、圧延で厚さを薄くしながら製造するために製造が難しい。
銅合金圧延箔の機械的特性の改善に関しては、いくつかの技術が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
特許文献1では、合金化によって引張強さを高めることが提案されている。引張強さが高ければ、降伏応力も高くなっていることが推定される。特許文献2では、銅合金箔を450℃において4時間の熱処理に付すことによって、軟化させた後の伸びを高めることが提案されている。特許文献3では、Fe、Ni、Zn、Pの各元素を含有することで強度を向上できることが示されている。特許文献4では、多量のZnを含有させることにより材料の強度を高める方法が提案されている。
しかし、上記引用文献1では、耐力の記述ではないが引張強さは550MPa以下であり、それ以上に高めることはできなかった。特許文献2では、耐力の記述がない上に、圧延上がりの引張強さでも500MPa以下であり、これを前記熱処理によって更に軟化させているため、引張強さが不十分であった。特許文献3では、強度、導電率とも向上しているが、幅方向の強度の向上が報告されておらず、また、適正な時効処理が行われていないことから強度は不足していると考えられる。さらに、耐熱性が示されておらず、熱処理条件等から低いと考えられる。特許文献4では、添加元素の含有量が多いために導電率が著しく低下することが推定される。
従って、これらの従来の技術では、近年の電池、特に二次電池用集電体の材料への高度な要求を十分に満足することができない。
特開平11−339811号公報 特開2003―217595号公報 特開2006−49237号公報 特開2000−133276号公報
本発明の課題は、RD方向の耐力が520MPa以上に、TD方向の耐力が540MPa以上にでき、これらの強度(耐力)が高いために塑性変形や破断し難く、更に300℃加熱後(加熱時間1時間)にRD方向の耐力が450MPa以上、TD方向の耐力が470MPa以上にできて耐熱性も高く、また同時に導電性も80%IACS以上と高導電性である二次電池集電体用銅合金圧延箔を提供することにある。加えて、電池等の製造工程における歩留の向上および製造物の信頼性(電池破損防止等)や電気的特性を向上させることができる二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の手段によって実現された。
(1)Zrを0.001〜0.4mass%、並びに、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0〜0.8ass%含有し、残部が銅および不可避不純物からなるCu−Zr系の銅合金を圧延により形成して得られる銅合金圧延箔であって、
前記銅合金圧延箔の結晶方位について、Brass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>、Goss方位{110}<001>に配向している結晶方位密度を、それぞれ、B、C、S、Gとしたとき、[B/C/(G+S)]が、0.16〜0.6である二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(2)Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.001〜0.8ass%含有する(1)に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(3)加工率が90%以上である最終冷間圧延を施して製造された(1)または(2)に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(4)最終冷間圧延後に300℃以下で1時間以内の熱処理を施したとき、圧延方向と平行な方向の0.2%耐力が450MPa以上、幅方向と平行な方向の0.2%耐力が470MPa以上となる(1)から(3)のいずれか1項に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(5)Zrを0.001〜0.4mass%、並びに、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0〜0.8ass%含有し、残部が銅および不可避不純物からなるCu−Zr系の銅合金からなる二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法であって、
前記銅合金を鋳造して得た被圧延材に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、
均質化熱処理された被圧延材に対して、熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
前記熱間圧延工程後に、少なくとも600℃〜200℃の間は20℃/秒以上の冷却速度で冷却を行う冷却工程と、
前記冷却工程後に面削を行う面削工程と、
前記面削工程後に所定の加工率で中間冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、
前記中間冷間圧延後に、500〜800℃で10秒〜5時間の再結晶熱処理を行う最終再結晶熱処理工程と、
前記最終再結晶熱処理後に、90%以上の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、
を有する二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
(6)前記銅合金が、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.001〜0.8ass%含有してなる(5)に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
(7)最終冷間圧延工程の後に、300℃以下で1時間以内の熱処理を施す熱処理工程を有してなる(5)または(6)に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
本発明の二次電池集電体用銅合金圧延箔は、Cu−Zr系銅合金の銅合金圧延箔の機械強度、特に幅方向(TD)での0.2%耐力(以下、単に、「幅方向での耐力」や「YS(TD)」とも言う。)が高いため、二次電池などの製造工程における外力に対して、集電体として用いたとき、塑性変形や破断を防止することができ、また活物質を塗布していても集電体から活物質が脱落し難くできる。また同時に導電性も優れるため、二次電池の容量を向上させ、充放電サイクル特性を向上させることができる。さらに、十分に高い耐熱性を有するためにポリイミド等のバインダーを使用することができて、活物資と集電体の密着性を高めて電池特性を向上させることが可能となる。
本発明の銅合金圧延箔を模式的に示す斜視図である。 本発明の銅合金圧延箔の製造工程を説明するための図である。 [B/C/(G+S)]とRDサンプル、TDサンプルの耐力との関係を示す図である。 [B/C/(G+S)]と300℃、1時間加熱後のRDサンプル、TDサンプルの耐力との関係を示す図である。
本発明の第1は、好ましい実施形態において、圧延により形成した前記所定の合金組成の銅合金からなる二次電池集電体用銅合金圧延箔であって、結晶方位についてBrass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>、Goss方位{110}<001>に配向している結晶方位密度をそれぞれB、C、S、Gとしたとき、[B/C/(G+S)]が、0.16〜0.6である。
ここで、B/C/(S+G)=B/{C*(S+G)}であり、分子がBで、分母がC*(S+G)である。
ここで、結晶方位密度とは、X線回折極点測定による測定結果をODF解析することにより得られる結晶方位の集積度である。
本発明の第2は、好ましい実施形態において、上記の銅合金圧延箔を製造する銅合金圧延箔の製造方法であって、鋳造された被圧延材に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、均質化熱処理された被圧延材に対して熱間圧延を行う熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程後に、少なくとも600℃〜200℃の間は所定の冷却速度で冷却(例えば、水冷)を行う冷却工程と、前記冷却工程後に面削を行う面削工程と、前記面削工程後に所定の加工率で中間冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、前記中間冷間圧延後に、500〜800℃で10秒〜5時間の再結晶熱処理を行う最終再結晶熱処理工程と、前記最終再結晶熱処理工程後に、90%以上の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、を有する。
前記の冷却工程では、降温中の600℃〜200℃の間の冷却速度を少なくとも20℃/秒以上とする。この冷却工程は、例えば、水冷で行う。
前記の再結晶熱処理工程は、500℃〜800℃の熱処理温度で10秒〜5時間保持することによって行う。
前記の最終冷間圧延工程では、好ましくは、総加工率で90%以上とする。ここで、総加工率とは、複数パスの最終冷間圧延による板厚減少量の合計(mm)を最終冷間圧延前の板厚(mm)で除した比を%で表した値である。もし1パスで加工を行う場合には、合計加工率とは当該1パスの加工率そのものの意味である。
なお、各圧延工程での加工率(板厚減少率とも言う。)とは、圧延工程前の板厚t(mm)と圧延工程後の板厚t(mm)を用いて、下式の様に算出される値をいう。
加工率(%)={(t−t)/t}×100
本発明の二次電池集電体用銅合金圧延箔に用いる銅合金は、必須成分としてZrを含むCu−Zr系の銅合金であって、必須成分のZrを0.001〜0.4mass%、好ましくは0.01〜0.3mass%含有する。
また、前記Cu−Zr系の銅合金圧延箔に用いる銅合金は、必須成分のZrに加えて、副添加成分としてCr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.001〜0.8ass%、好ましくは0.01〜0.7mass%含有しても良い。
なお、Cu−Zr系の銅合金圧延箔は、必須成分を除く残部、または必須成分および副添加成分を除く残部が不可避不純物と銅により形成されている。
ここで、必須成分、副添加成分の含有量は、外部から添加するもののみでなく、合金の原料中に最初から混在している量も合わせた量を言う。また、不可避不純物とは、おおむね金属製品において、原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入したりするもので、本来は不要なものであるが、微量であり、金属製品の特性に影響を及ぼさないため許容されている不純物である。
さらに図面を参照して発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の銅合金圧延箔(1)を模式的に示す斜視図である。銅合金圧延箔は通常、一方向からの圧延ロールによる圧延を繰り替えされて製造されるため、圧延箔の圧延方向(RD方向)と幅方向(TD方向)とで強度等の特性に差(異方性)が生じることがある。そこで、本発明においては、RD方向およびTD方向の異方性を検討するため、銅合金圧延箔1のRD方向に応力をかけて強度を測定するためのRDサンプル2と、銅合金圧延箔1のTD方向に応力をかけて強度を測定するためのTDサンプル3とを用意する。そして本明細書では、例えばRDサンプル2にて銅合金圧延箔のRD方向の耐力を測定した場合「耐力(RD)」と表記し、TDサンプル3にてTD方向の耐力を測定した場合は「耐力(TD)」と表記することにする。
本発明の銅合金圧延箔1は、例えば箔厚tが20μm以下に設定され、以下の特徴をもって形成されている。なお、箔厚tは図1に示すような銅合金圧延箔1の厚さである。
本発明の銅合金圧延箔は、その結晶方位に関してBrass方位の存在量に対するCopper方位とGoss方位とS方位の結晶方位密度の関係[B/C/(G+S)]が、0.16〜0.6である。
結晶方位密度は、X線回折極点図測定により得られる正極点図をODF解析することにより得られる。
また、本発明の銅合金圧延箔は、以下に示すような所定の組成の銅合金として形成される。
図2は、本発明の銅合金圧延箔の製造工程を説明するための図である。
銅合金圧延箔は、図2に示すように、第1工程ST1から第9工程ST9を基本工程とする加工と熱処理を行って製造される。
第1工程ST1は銅合金の原料を溶解させる溶解工程であり、第2工程ST2は溶解した原料を鋳造して被圧延材(鋳塊)を形成する鋳造工程であり、第3工程ST3は被圧延材の鋳造組織を均質化する熱処理である均質化熱処理工程である。この均質化熱処理工程は、800〜1000℃で0.1〜5時間行う。
第4工程ST4は熱間圧延工程である。熱間圧延とは、金属を再結晶温度以上(本発明における銅合金では、通常600℃以上1000℃以下)に加熱して行う圧延をいう。
第5工程ST5は冷却工程であり、第6工程ST6は酸化スケールの除去のための面削工程であり、第7工程ST7は中間冷間圧延工程であり、第8工程ST8は再結晶させるための熱処理を行う再結晶熱処理工程であり、第9工程ST9は最終冷間圧延工程である。なお、冷間圧延とは、再結晶が生じない温度範囲(例えば常温)下で行う圧延をいう。
また、中間冷間圧延工程ST7の前に、中間焼鈍工程ST7’を行っても良い。あるいは、所望の板厚まで中間冷間圧延工程ST7を繰り返し、各中間冷間圧延工程ST7の間に中間焼鈍工程ST7’を行っても良い。この後者の場合には、最初の中間冷間圧延工程ST7の前には中間焼鈍工程ST7’を行っても行わなくてもよい。
中間焼鈍工程ST7’での熱処理条件は、加熱温度は500〜800℃、加熱時間は10秒〜5時間が好ましい。
第1工程ST1から第9工程ST9の具体的な加工と熱処理やそれらの条件については後述する。
本発明の銅合金圧延箔を製造する特徴的な処理は、冷却工程において少なくとも材料が600℃〜200℃の間の降温中の冷却速度を20℃/秒以上とし、再結晶熱処理工程における熱処理を500℃〜800℃の加熱温度でその温度に10秒〜5時間保持し、かつ最終冷間圧延工程における加工率を90%以上とする点である。
ここで、第5工程ST5の冷却は、圧延終了温度から約40℃まで実施するが、本発明においては、その冷却(降温)途中の前記所定の温度範囲600℃〜200℃の間における冷却速度を規定すれば所望の結晶方位密度を得られる。これは、より高温およびより低温の温度領域では、結晶方位の制御において冷却速度が及ぼす効果が小さいことによる。
以下、本発明の銅合金圧延箔の上述した結晶方位密度、耐力、導電率、耐熱性、結晶方位を制御する製造工程、合金成分等の特徴点に関して具体的に説明し、また、上記銅合金の実施例を比較例と対比しつつ説明する。
本明細書における結晶方位の表示方法は、材料の圧延方向(RD)をX軸、板(箔)幅方向(TD)をY軸、圧延法線方向(ND)をZ軸の直角座標系を取り、材料中の各領域がZ軸に垂直な(圧延面に平行な)結晶面の指数(hkl)と、X軸に平行な結晶方向の指数[uvw]とを用いて、(hkl)[uvw]の形で示す。また、(132)[6−43]と(231)[3−46]などのように、銅合金の立方晶の対称性の下で等価な方位については、ファミリーを表すカッコ記号を使用し、{hkl}<uvw>と示す。
例えば、Brass方位とは、圧延面法線方向(ND)に{110}面を、圧延方向(RD)に<112>方向を向いている状態であり、{110}<112>の指数で示される。
[結晶方位密度]
通常の銅合金圧延箔では、圧延集合組織が発達している。強度の低下という問題に対し、一般的な銅合金の圧延集合組織(圧延安定方位)は、一定の広がりは持っているものの、Brass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>が一般的であり、その他にGoss方位{110}<001>も存在する。
これらの各結晶方位には強度異方性を有するものがあり、Brass方位は圧延方向に垂直な方向に対する引張強さを向上させるが、一方Copper方位は圧延方向に平行な方向に対する強度を増加させる。これらに対して、Goss方位およびS方位はいずれの方向に対しても同等の強度を与える。
本発明の銅合金圧延箔では、材料中のBrass方位に配向する体積を増加させることで強度が増加し、特に圧延方向に垂直なTD方向の強度が向上する性質を有することが確認された。
本発明者らは、Brass方位に配向している結晶方位密度をB、Copper方位に配向している結晶方位密度をC、S方位に配向している結晶方位密度をS、Goss方位に配向している結晶方位密度をGとしたとき、[B/C/(G+S)]を増加させることが有効であることを知見した。この関係を後記の実施例、比較例の結果を参照して以下に説明する。
図3は、[B/C/(G+S)]と、圧延方向に平行な長手方向に採取したサンプル(RDサンプル)と圧延方向に垂直な幅方向に採取したサンプル(TDサンプル)の耐力との関係を示す図である。通常のCu−Zr系合金はRD方向の耐力が520MPa未満、TD方向の耐力が540MPa未満である。これに対して、本発明の銅合金圧延箔ではこのRD方向の耐力を520MPa以上、TD方向の耐力を540MPa以上に向上できることが確認された。
図3(および表1)から分かるように、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の実施例1〜7の場合、耐力(TD)は540MPa以上である。さらに、耐力(RD)および後述する耐熱性(RDおよびTD)にも優れるものであった。
これに対して、[B/C/(G+S)]が0.16未満の比較例3、5と参考例1〜2では、耐力(TD)は540MPa未満であって劣っており、これに加えて、いずれも、耐力(RD)と耐熱性(TDおよびRD)にも劣る。さらに比較例3では、導電率にも劣る。[B/C/(G+S)]が0.16未満の比較例4では、耐力(RD)に劣り、耐熱性(RDおよびTD)にも劣る。また、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の比較例1では、副添加元素の合計含有量が多すぎる点でその合金組成が本発明で規定する範囲外であり、耐力と耐熱性は満足しているが、導電率に劣る。[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の比較例2は、必須元素であるZrの含有量が多すぎる点でその合金組成が本発明で規定する範囲外であり、導電率に劣り、さらに耐力(TDおよびRD)と耐熱性(RD)にも劣る。さらに、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の比較例6は、Zrを含有しない点でその合金組成が本発明で規定する範囲外であり、耐力(TDおよびRD)と耐熱性(RDおよびTD)に劣る。
すなわち、図3に示すように、所定の合金組成として、かつ、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6になるように銅合金圧延箔を形成することにより、導電率を維持しつつ、RDとTD方向の耐力を向上させることができ、さらには耐熱性も向上させることができる。
図4は、[B/C/(G+S)]と、材料を300℃で1時間加熱後のRDサンプル及びTDサンプルにおける耐力(耐熱性)との関係を示す図である。本発明の銅合金圧延箔ではいずれも加熱後のRD方向の耐力を450MPa以上、加熱後のTD方向の耐力を470MPa以上に向上できて耐熱性に優れるものであった。
図4(および表1)から分かるように、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の実施例1〜7の場合、加熱処理後の耐力(TD)は470MPa以上である。さらに、加熱処理後の耐力(RD)にも優れるものであった。
これに対して、[B/C/(G+S)]が0.16未満の比較例3〜5と参考例1〜2では、加熱処理後の耐力(TD)は470MPa未満と低い。これに加えて、いずれも、加熱処理後の耐力(RD)にも劣る。また、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の比較例2、6では、加熱処理後の耐力(RD)が低い。これに加えて、比較例6では、加熱処理後の耐力(TD)も低い。さらに、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の比較例1は、加熱処理後の耐力は満足しているが、副添加元素の含有量の合計が多すぎるために、導電率に劣る。
すなわち、図4に示すように、所定の合金組成として、かつ、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6になるように銅合金圧延箔を形成することにより、導電率を維持して、耐力を向上して、更に加熱後のRDとTD方向の耐力(耐熱性)を向上させることができる。
そして、本発明によれば、所定の合金組成として、かつ、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の場合に、後述するように導電率も80%IACS以上と優れた。
換言すると、所定の合金組成として、かつ、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6になるように銅合金圧延箔を形成することにより、高い強度と耐熱性および導電性を同時に得ることができ、ひいては優れた電池特性を得ることが可能となる。
本発明においては、[B/C/(G+S)]は0.16〜0.6であり、好ましくは0.18〜0.4、さらに好ましくは0.2〜0.3である。
本発明における上記結晶方位の解析には、X線回折極点図法およびODF解析を用いる。ODFとは、Crystallite Orientation Distribution Function(結晶方位分布関数)の略で、各結晶方位の正極点図を三次元的に組み合わせることにより集合組織の存在量を定量化する結晶方位解析技術のことである。
本発明でいう集合組織の方位密度とは、ランダムな方位に対して各方位の強度を比率で表したものである。ここでいうランダムとは、結晶方位が均一に分散して集積がない集合組織を意味しており、ODF図上の方位密度(集積強度)の大きさが1に等しい。ランダムな方位の定義については、特開2008−303455号公報にも同様の記載がある。また、方位密度が1以下の値については、方位が非常に低い確率で現れることを意味している。
ODF解析はオイラー角の3変数(φ1,Φ,φ2)を直角座標軸にとった3次元方位空間に表示する。表示すべき角度範囲は、結晶の対称性および極点図の対称性に依存し、φ1は0°〜360°の値をとり得るが、圧延板のように極点図が上下左右に対称性をもち、1/4の極点図で表示できる場合にはφ1は0°〜90°の範囲となり、Φも同様に0°〜90°となる。φ2の範囲は結晶系に依存し、立方晶系では4回対称軸を持つため、一般に0°〜90°の範囲を表示する。ODFは本来3次元表示すべきであるが、等密度曲面で正確に表示することは難しいので、φ2またはφ1が一定である二次元断面を適当な間隔(通常5°間隔)で表示することが多い。1組のオイラー角(φ1,Φ,φ2)で与えられる点は1つの方位を表すので、ODFが極大値を示す位置のオイラー角を読み取れば、優先方位が正確に決定できる。このようにODF解析により集合組織を定量的に議論するため、方位分布関数を用いて複数の極点図(2次元情報)から3次元情報を取り出す解析をし、集合組織を定量できる。
ODF解析を行うための極点図を求める方法として、X線極点図法および電子後方散乱回折像法(EBSD法)がある。EBSD法はElectron Back Scatter Diffractionの略である。X線極点図法は試料に対するX線の入射角を特定のブラッグ角(例えば111回折角)に固定し、試料を直行する2軸の回りに系統的に回転させることにより、極点図を得る。
EBSD法とは、走査電子顕微鏡(SEM)内で試料表面の1点に電子線を入射させ、生じる反射電子回折模様(electron back−scattering pattern)を用いて局所領域の結晶方位や結晶構造を解析する方法をいう。
本発明における方位密度の測定は、上記X線極点図法において、X線回折装置として(株)リガク製RINT2500(商品名)を用い、管電圧:50kV、管電流:100mA、発散スリット:0.5°、散乱スリット:7mm、受光スリット:7mm、発散縦制限スリット:1.2mm、走査速度:360°/min、ステップ幅:5°の条件で行なった。各面において回折強度を測定した2θの範囲(θは回折角度)は、(111):38.0〜48.0°、(200):45.0〜55.0°、(220):69.0〜79.0°である。
一方、EBSD法において、上記試料に電子線を照射し、試料の表面近傍で非弾性散乱した電子線のうち、特定の結晶格子面に対してBragg反射の条件を満たすものは一対の回折線を形成する。この回折線の一部をスクリーン上に投影したものがEBSDパターンである。EBSD解析装置として(株)TSLソリューションズ製OIM−A5(商品名)を用いた。
[耐力]
電池用負極集電体材では、耐力(RD)は520MPa以上であることが好ましい。より好ましくは530MPa以上、更に好ましくは540MPa以上である。TD方向では耐力は540MPa以上であることが好ましく、より好ましくは550MPa以上、更に好ましくは560MPa以上である。ここで、耐力とは0.2%の永久歪を与える応力で定義される。
[耐熱性]
電池用負極集電体材では、耐熱性としては300℃以下、1時間以内の加熱後に耐力(RD)が450MPa以上であることが好ましい。より好ましくは460MPa以上、更に好ましくは470MPa以上である。TD方向では前記加熱後の耐力が470MPa以上であることが好ましく、より好ましくは480MPa以上、更に好ましくは490MPa以上である。ここで、耐熱性とは300℃、1時間加熱後の耐力、すなわち0.2%の永久歪を与える応力で定義される。すなわち、「300℃以下、1時間以内」という条件の中で、最大の熱負荷をかけた状態である「300℃、1時間」の熱処理後の試料にて評価する。
[導電性]
電池用負極集電体材では、導電率は80%IACS以上であることが好ましい。より好ましくは82%IACS以上、更に好ましくは85%IACS以上である。
[結晶方位を制御する工程]
一般に銅合金においては、立方体集合組織を発達させれば、圧延方向に(100)面が配向している領域を増大し、強度を向上することができる。
しかし、立方体集合組織は再結晶によって発達し、銅合金圧延箔のような加工組織中に増加させることはできない。強度を向上させるには圧延による加工硬化は必須であり、箔を焼鈍して再結晶優先方位を適用する技術は適用できない。
本発明において有効性が見出された結晶方位に制御するための製造工程の例を示す。なお、上述したように、Brass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>、Goss方位{110}<001>に配向している結晶方位密度をそれぞれB、C、S、Gとし、これらが、[B/C/(G+S)]の値が0.16〜0.6となる関係を満足すればよく、ここで示す製造工程の具体例のみに限定されるものではない。
結晶方位を制御するための銅合金圧延箔の製造工程としては、前述した、図2に示すように、第1工程ST1から第9工程ST9が基本工程となる。
すなわち、第1工程ST1の溶解工程、第2工程ST2の鋳造工程、第3工程ST3の均質化熱処理工程、第4工程ST4の熱間圧延工程、第5工程ST5の冷却工程、第6工程ST6の面削工程、第7工程ST7の中間冷間圧延工程、第8工程ST8の再結晶熱処理工程、第9工程ST9の最終冷間圧延工程からなる製造工程が基本となる。
ここで、所望の板厚まで中間冷間圧延工程ST7を繰り返し、各中間冷間圧延工程ST7の間に中間焼鈍工程ST7’を行っても良いことは、前記のとおりである。
本発明の製造方法の特徴は、冷却工程ST5において少なくとも600℃から200℃に降温している間の冷却速度を20℃/秒以上とし、かつ再結晶熱処理工程ST8における熱処理温度を500〜800℃とし、かつ最終冷間圧延工程ST9における加工率を90%以上とすることにある。
[合金組成]
Cu−Zr系の合金に含まれる必須成分Zrの含有量の範囲は0.001〜0.4mass%、好ましい含有量の範囲は0.01〜0.3mass%である。
上記の必須成分Zrに加えて、更に強度や耐熱性などの向上を目的に、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPから選ばれる少なくとも1種の副添加元素の添加が許容される。副添加元素の含有量の詳細は、上述の通りである。
特に、厚さ20μm以下の箔までの圧延において、内在する第2相によってピンホールが発生する問題に対しては、Si、Mg、Pなどの添加によって溶湯を脱酸して酸化物の形成を抑制することが、また、Mnの添加によって硫化物の形成を抑制することが、有効である。
上記で規定した成分の上限を超えて添加した場合に、酸化物、析出物、晶出物などの形態でサブミクロンオーダーの大きさの粗大な第2相として分散し、20μm以下の箔厚までの圧延の際に、ピンホールや箔(板)切れの原因となるため、好ましくない。また、導電性を著しく低下させるため、好ましくない。
また、上記で規定した成分の下限値未満に添加した場合に、その添加効果が充分に得られない。各成分の添加量は、上述の及び以下の用途に応じて、前記所定の範囲内において適宜調整されるものである。
本発明の銅合金圧延箔に用いられるCu−Zr系の銅合金の耐力はRD方向で520MPa以上、TD方向で540MPa以上である。また、導電性は、導電率が80%IACS(International Annealed Copper Standard: 国際焼きなまし銅線標準)以上であり、電気特性も良好である。
ここで、80%IACSとは、電気抵抗率がIACS(国際焼きなまし銅線標準)という名の“標準焼きなまし銅線”を100%とした場合に、対象の銅合金からなる導線が80%の導電性をもつということを示している。
なお、本発明の銅合金圧延箔は、特に20μm以下の厚さの銅合金箔が対象であるが、20μmを超える銅合金箔に適用することも可能である。薄さの下限には特に制限はないが、通常3μm程度である。
本発明の二次電池集電体用銅合金圧延箔は、電池の負極集電体としても適用が可能であり、例えば、上記のカーボン系やシリコン系の負極活物質のみならず、スズ系、これらを複合した系など、種々の活物質をその上に設けてなる、電池の負極集電体として好適に用いることができる。なお、本発明の効果は本書中に示した電池の構成の場合に限定されるものではない。
本発明の銅合金圧延箔は、フレキシブル基板(FPC)、テープキャリアパッケージ(TCP,TAB)、チップオンフレックス(COF)にも用いることができる。
但し、本発明は厚さが20μm以下の銅合金圧延箔を対象範囲としている。
以下に本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例の結果については下記の表1に示されている。
表1においては、上記銅合金圧延箔の実施例の評価結果を比較例と対比して示した。
表1の実施例の結果評価について述べる前に、本発明の実施例および比較例の銅合金圧延箔の製造方法、について説明する。
[銅合金圧延箔の製造方法]
本発明の銅合金圧延箔の製造方法の実施例について、図2を参照して説明する。
第1工程ST1において、原料を高周波溶解炉により溶解させ、溶解した原料を第2工程ST2において0.1〜100℃/秒の冷却速度で鋳造を行い、鋳塊を得た。鋳塊は、表1に示す合金成分を含有し、残部がCuと不可避不純物により形成されるものであった。
第3工程ST3において、第2工程ST2で得た鋳塊を温度800〜1000℃で0.1〜5時間の均質化熱処理を行い、そのまま第4工程ST4において温度600〜1000℃で熱間圧延を行った。ここで、熱間圧延の温度範囲600〜1000℃は、熱間圧延開始から終了までの温度範囲である。加工率は85〜97%とした。
次に、第5工程ST5において少なくとも600℃〜200℃の間の冷却速度を20℃/秒以上で水冷により冷却し、第6工程ST6において酸化スケール除去のために面削を行った。
その後に、第7工程ST7において、加工率が50〜98%の中間冷間圧延を行い、第8工程ST8において、500〜800℃で10秒〜5時間保持する再結晶熱処理を行い、第9工程ST9において90%以上の加工率で最終冷間圧延を行い、箔厚が20μm以下の銅合金圧延箔を作製した。
各熱処理や圧延の後に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて酸洗浄や表面研磨を行い、また形状に応じてテンションレベラーによる矯正を行った。
これらの製造条件の内、各試験例における、第5工程ST5での600℃〜200℃の間の冷却速度(℃/秒)、第8工程ST8での時効熱処理温度(℃)、第9工程ST9での加工率(板厚減少率、%)を、表1に示す。
この銅合金圧延箔について、下記の評価を行った。評価結果は、表1に併せて示す。
[結晶方位密度[B/C/(G+S)]]
Brass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>、Goss方位{110}<001>に配向している結晶方位密度をそれぞれB、C、S、Gとし、これらで表わされる[B/C/(G+S)]を、X線回折極点図測定法とODF解析法により、前述した方法に従って測定した。
前述したODF解析法により、X線回折極点図測定で得られた正極点図を利用した結晶方位解析技術を用い、結晶方位密度を解析した。
[0.2%耐力(YS)]
前記で得られた各々の銅合金圧延箔(1)から図1に示すようにRDサンプル(2)およびTDサンプル(3)を採取し、これらのサンプルについて、0.2%耐力(YS)を、JIS Z2241に準じて引張試験により測定した。この引張試験では、RDサンプルに対しては圧延方向と平行な方向(RD方向)に張力を印加し、一方、TDサンプルに対しては圧延方向と垂直な方向(TD方向)に張力を印加して行った。
耐力は、RDサンプルで520MPa以上、TDサンプルで540MPa以上を合格とし、それぞれ、それ未満を不合格とする。
[耐熱性]
前記で得られた各々の銅合金圧延箔のRDサンプルおよびTDサンプルについて、Ar雰囲気中で300℃にて1時間保持する熱処理を行った後に、加熱前と同様の方法(JIS Z2241)で引張試験を行い、0.2%耐力(YS)を測定した。熱処理後の耐力の低下が少ないほど耐熱性に優れることを意味する。
耐熱性は、加熱処理後の耐力が、RDサンプルで450MPa以上、TDサンプルで470MPa以上を合格とし、それぞれ、それ未満を不合格とする。なお、300℃1時間の熱処理で合格となる材料は、300℃以下1時間以内の熱処理ならば同様に合格となることを意味する。
[導電率(EC)]
20℃(±0.5℃)に保たれた恒温漕中で四端子法により比抵抗を計測して導電率を算出した。なお、端子間距離は100mmとした。
導電率は、80%IACS以上を合格とし、それ未満を不合格とする。
Figure 2015017302
表1の実施例では、本発明の銅合金圧延箔(本発明例)として実施例1〜7、比較例として比較例1〜6、および参考例1〜2について、それぞれ試験と評価を行った。
本発明に従った実施例1〜7と、比較のための比較例3〜5とは、必須成分Zrを0.001〜0.4mass%の含有量とする条件を満足し、かつ副添加成分Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg、Pを含有する場合その合計で0.001〜0.8mass%の含有量とする条件を満足している。ここで、実施例1〜7は、その製造条件が本発明の規定する条件を満足している。これに対して、比較例3〜5は、その製造条件が本発明の規定する条件を満足していない。
一方、比較例2、6、参考例1〜2は、必須成分Zrを0.001〜0.4mass%の含有量とする条件を満足していない。比較例1は、副添加成分Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg、Pを含有する場合その合計で0.001〜0.8mass%の含有量とする条件を満足していない。
実施例1〜7は、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の条件を満足している。実施例1〜7は、耐力(RD)と耐力(TD)がともに高く、さらには良好な耐熱性(RD、TDとも)も有しており、また導電率(EC)も高い。従って、各実施例では、いずれも高い、強度(耐力)、耐熱性と導電性を同時に達成できたと言える。
これに対して、各比較例および参考例では、前記の通り、合金組成と製造条件の内の少なくとも1点で本発明の既定する条件を満足しなかったために、いずれかの特性について劣った結果となった。以下に詳述する。
比較例1は、副添加成分の含有量が多すぎた例である。そして、比較例1は、導電率が低い。このように、比較例1は、導電率が本発明例より劣っている。これは、副添加成分の合計の含有量が多すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の銅合金圧延箔の特徴の1つである、所定の合金組成とするための副添加成分の合計の含有量を制御しないと、導電率が低くなっているものと推察される。
比較例2は、必須成分Zrの含有量が多すぎた例である。そして、比較例2は、導電率が低く、さらには、YS(RD)とYS(TD)つまり強度と、加熱後のYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、比較例2は、導電率、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、必須成分Zrの含有量が多すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の銅合金圧延箔の特徴の1つである、所定の合金組成とするための必須成分Zrの含有量を制御しないと、導電率、強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
比較例3は、[B/C/(G+S)]が小さすぎて条件を満足していない。そして、比較例3は、導電率が低く、さらには、YS(TD)とYS(RD)つまり強度と、加熱後のYS(TD)とYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、比較例3は、導電率、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、再結晶熱処理温度が低すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の製造方法の特徴の1つである、再結晶熱処理温度が低すぎると、[B/C/(G+S)]の条件を満足することができず、ひいては導電率、強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
比較例4は、[B/C/(G+S)]が小さすぎて条件を満足していない。そして、比較例4は、YS(RD)が低く、さらには、加熱後のYS(TD)およびYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、比較例4は、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、熱間圧延後の冷却速度が遅すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の製造方法の特徴の1つである、熱間圧延後の冷却速度が遅すぎると、[B/C/(G+S)]の条件を満足することができず、ひいては強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
比較例5は、[B/C/(G+S)]が小さすぎて条件を満足していない。そして、比較例5は、YS(TD)とYS(RD)が低く、さらには、加熱後のYS(TD)およびYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、比較例5は、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、最終冷間圧延での加工率が低すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の製造方法の特徴の1つである、最終冷間圧延での加工率が低すぎると、[B/C/(G+S)]の条件を満足することができず、ひいては強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
比較例6は、必須成分Zrを添加しなかった例である。そして、比較例6は、YS(TD)およびYS(RD)が低く、さらには、加熱後のYS(TD)およびYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、比較例6は、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、Zr添加がなかったことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の銅合金圧延箔の特徴の1つである、所定の合金組成とするためのZr添加がないと、強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
参考例1(TFC)は、必須成分Zrを添加しなかった例であり、[B/C/(G+S)]が小さすぎて条件を満足していない。そして、参考例1は、YS(TD)とYS(RD)が低く、さらには、加熱後のYS(TD)とYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、参考例1は、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、Zr添加がなかったこと、また、再結晶熱処理温度が低すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の銅合金圧延箔の特徴の1つである、所定の合金組成とするためのZr添加がないと、また、本発明の製造方法の特徴の1つである、再結晶熱処理温度が低すぎると、[B/C/(G+S)]の条件を満足することができず、ひいては強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
参考例2(OFC)は、必須成分Zrを添加しなかった例であり、[B/C/(G+S)]が小さすぎて条件を満足していない。そして、参考例2は、YS(TD)とYS(RD)が低く、さらには、加熱後のYS(TD)とYS(RD)つまり耐熱性も低い。このように、参考例2は、強度および耐熱性が本発明例より劣っている。これは、Zr添加がなかったこと、また、再結晶熱処理温度が低すぎたことに起因しているものと推察される。
すなわち、本発明の銅合金圧延箔の特徴の1つである、所定の合金組成とするためのZr添加がないと、また、本発明の製造方法の特徴の1つである、再結晶熱処理温度が低すぎると、[B/C/(G+S)]の条件を満足することができず、ひいては強度および耐熱性が低くなっているものと推察される。
以上説明したように、本発明で規定する、所定の合金組成と、結晶方位密度について[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6であることとを満足する銅合金圧延箔の場合には、強度(耐力)、耐熱性および導電性がいずれも高かった。
また、本発明の銅合金圧延箔の製造方法で規定する、熱間圧延後の少なくとも600℃〜200℃の間の降温時に冷却速度を20℃/秒以上とし、かつ再結晶熱処理温度を500〜800℃で10秒〜5時間とし、かつ最終冷間圧延における加工率を90%以上とすることにより、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の条件を満足する場合には、強度(耐力)、耐熱性および導電性がいずれも高い銅合金圧延箔を得ることができた。
一方、比較例では、所定の合金組成の規定を満たさなかったか、または、[B/C/(G+S)]が0.16〜0.6の条件を満足せず、その結果、耐力、耐熱性および導電性の少なくとも1つが所定の合格基準を満足せずに劣ったものであった。
上記の結果から、本発明の銅合金圧延箔によれば、強度(耐力)が高いために塑性変形や破断し難く、更に300℃加熱後(加熱時間1時間)に耐力を高く維持できて耐熱性も高く、また同時に導電性も高いために、電池等の製造工程の歩留および製造物の信頼性(破損等)や電気的特性を向上させることができる。
1 銅合金圧延箔
2 RDサンプル
3 TDサンプル

Claims (7)

  1. Zrを0.001〜0.4mass%、並びに、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0〜0.8ass%含有し、残部が銅および不可避不純物からなるCu−Zr系の銅合金を圧延により形成して得られる銅合金圧延箔であって、
    前記銅合金圧延箔の結晶方位について、Brass方位{110}<112>、Copper方位{121}<111>、S方位{231}<346>、Goss方位{110}<001>に配向している結晶方位密度を、それぞれ、B、C、S、Gとしたとき、[B/C/(G+S)]が、0.16〜0.6である二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  2. Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.001〜0.8mass%含有する請求項1に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  3. 加工率が90%以上である最終冷間圧延を施して製造された請求項1または2に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  4. 最終冷間圧延後に300℃以下で1時間以内の熱処理を施したとき、圧延方向と平行な方向の0.2%耐力が450MPa以上、幅方向と平行な方向の0.2%耐力が470MPa以上となる請求項1から3のいずれか1項に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  5. Zrを0.001〜0.4mass%、並びに、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0〜0.8ass%含有し、残部が銅および不可避不純物からなるCu−Zr系の銅合金からなる二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法であって、
    前記銅合金を鋳造して得た被圧延材に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、
    均質化熱処理された被圧延材に対して、熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延工程後に、少なくとも600℃〜200℃の間は20℃/秒以上の冷却速度で冷却を行う冷却工程と、
    前記冷却工程後に面削を行う面削工程と、
    前記面削工程後に所定の加工率で中間冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、
    前記中間冷間圧延後に、500〜800℃で10秒〜5時間の再結晶熱処理を行う最終再結晶熱処理工程と、
    前記最終再結晶熱処理後に、90%以上の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、
    を有する二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
  6. 前記銅合金が、Cr、Sn、Zn、Si、Mn、Mg及びPからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.001〜0.8ass%含有してなる請求項5に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
  7. 最終冷間圧延工程の後に、300℃以下で1時間以内の熱処理を施す熱処理工程を有してなる請求項5または6に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
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