JP2015016396A - 排気浄化システム、排気浄化方法、並びにそれに用いる選択還元型NOx触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)内燃機関の排気通路に排気浄化触媒及び選択還元型NOx触媒を備えた排気浄化システムにおいて、
前記選択還元型NOx触媒は、排気の空燃比が理論空燃比以下のときにアンモニアを生成する前記排気浄化触媒の下流に設けられ、前記排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤としてNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒であり、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化システム。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9)
(3)X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、(1)に記載の、排気浄化システム。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11)
(4)前記排気浄化触媒は、前記選択還元型NOx触媒の上流側に配置される吸蔵還元型NOx触媒と、前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置される三元触媒のうち、少なくとも一方の触媒であり、
前記内燃機関の燃焼条件を制御することで、前記内燃機関から排出される排気の空燃比を理論空燃比以下の空燃比とすることで、前記排気浄化触媒によるアンモニアの生成が行われる、
(1)〜(3)のいずれかに記載の、排気浄化システム。
(5)前記ゼオライトの構造が、国際ゼオライト学会が定めるコードでCHAであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の、排気浄化システム。
理論空燃比以下の空燃比とされた排気の流入により、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒によりアンモニアを生成する工程と、
前記排気浄化触媒により生成されたアンモニアを、前記排気浄化触媒の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒に吸着させ、吸着されたアンモニアを還元剤としてNOxを選択還元する工程、
を含む排気浄化方法であって、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化方法。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
(7)X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、(6)に記載の、排気浄化方法。
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9)
(8)X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、(6)に記載の、排気浄化方法。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11)
(9)前記排気浄化触媒は、前記選択還元型NOx触媒の上流側に配置される吸蔵還元型NOx触媒と、前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置される三元触媒のうち、少なくとも一方の触媒である、
(6)〜(8)のいずれかに記載の、排気浄化方法。
(10)前記ゼオライトの構造が、国際ゼオライト学会が定めるコードでCHAであることを特徴とする、(6)〜(9)のいずれかに記載の、排気浄化方法。
前記選択還元型NOx触媒は、前記排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元
剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒であって、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
(12)X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、(11)に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9)
(13)X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、(11)に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11)
(14)前記排気浄化触媒は、前記選択還元型NOx触媒の上流側に配置される吸蔵還元型NOx触媒と、前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置される三元触媒のうち、少なくとも一方の触媒であり、
前記内燃機関の燃焼条件を制御することで、前記内燃機関から排出される排気の空燃比を理論空燃比以下の空燃比とすることで、前記排気浄化触媒によるアンモニアの生成が行われる、
(11)〜(13)のいずれかに記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
(15)前記ゼオライトの構造が、国際ゼオライト学会が定めるコードでCHAであることを特徴とする、(11)〜(14)のいすれかに記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)であるYが式1〜11のいずれかを満たす、骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含むゼオライトを準備する工程と、
前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)であるXが式1〜11のいずれかを満たすように、Cuの金属源及びゼオライトを分散媒と混合した混合スラリーを調製し、混合スラリーの分散媒を除去して得られた粉体を焼成する工程、
を含むことを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒の製造方法。
これを用いた排気浄化システム及び排気浄化方法を提供することができる。
(1)触媒、触媒を用いた排気浄化システム及び排気浄化方法
本発明は、内燃機関の排気通路に排気浄化触媒及び選択還元型NOx触媒を備えた排気浄化システムにおいて、
前記選択還元型NOx触媒は、排気の空燃比が理論空燃比以下のときにアンモニアを生成する前記排気浄化触媒の下流に設けられ、前記排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤としてNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒であり、前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化システムに関する。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
本発明は、好ましくは、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、上記排気浄化システムに関する。
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9)
本発明は、より好ましくは、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、上記排気浄化システムに関する。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11)
理論空燃比以下の空燃比とされた排気の流入により、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒によりアンモニアを生成する工程と、
前記排気浄化触媒により生成されたアンモニアを、前記排気浄化触媒の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒に吸着させ、吸着されたアンモニアを還元剤としてNOxを選択還元する工程、
を含む排気浄化方法であって、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合
計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化方法に関する。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
前記選択還元型NOx触媒は、前記排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒であって、前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒に関する。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
3またはNSR触媒4においてNOと反応してNH3が生成される。そして、三元触媒3またはNSR触媒4を通過する排気の空燃比が理論空燃比以下のときにNH3が生成されることになる。なお、本実施例においては三元触媒3またはNSR触媒4の少なくとも一方の触媒が、本発明に係る排気浄化触媒に相当する。なお、本実施例では、以降NSR触媒4を排気浄化触媒として説明するが、三元触媒3を排気浄化触媒としても同様に考えることができる。また、三元触媒3及びNSR触媒4を合わせて、本発明に係る排気浄化触媒としてもよい。
もにNSR触媒4において硫黄被毒が進行することから、それを解消するために排気温度を上昇させる場合があり、このようなときにもSCR触媒5でのNH3吸着能が低下し得る。このようなSCR触媒5における高温域でのNH3吸着能の低下に関する課題を踏まえ、本発明者等は、鋭意検討を行った。その結果、Cu/SAPOにおけるCu担持量(重量%)をX、SAPOにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、Y及びX/Yが上記特定の数値範囲を満たす場合において、高温下でのNH3吸着能及びNOx浄化性能が向上していることを知見した。本発明はこのような知見に基づいて、完成されたものである。
SAPOは、AlとPがOを介して交互に配列し、一部のPがSiに置換された構造を持つ。ここでSiに置換された部分が酸点となる。
これにCuを担持した場合(Cu/SAPO)、Cuは酸点の一部に原子レベルで結合した構造となる。
Cu/SAPOを、図1に示すような排気浄化システムに適用したとき、リッチ空燃比下ではCuと結合していない酸点にNH3が吸着する。次に、リーン空燃比下でCu上にNOxが吸着し、酸点に吸着しているNH3と反応してN2に浄化される。
このメカニズムによれば、Cuが担持されるサイトであり、かつNH3が吸着されるサイトでもある酸点が多い方がよく、酸点形成に寄与するSi量が多い方がよいと考えられる。
また、NOx浄化が効率よく起こるためには、NH3吸着サイトである(Cuと結合していない)酸点と、NOx吸着サイトであるCuの両方がバランスのとれた状態で存在することが必要と考えられ、Cu量/Si量に最適値が存在すると考えられる。
また、排ガス規制値を満足するために、ガス温度410℃の場合、優れた浄化性能を有するために望ましくは0.219mmol/gを超えるNOx浄化量を、耐久後においても優れた浄化性能を有するためにより望ましくは0.247mmol/g以上のNOx浄化量を、より高い規制値レベルを満たすために最も望ましくは0.264mmol/gを超えるNOx浄化量を必要とする。
0.219mmol/gを超えるNOx浄化量を得る組成としては、Y(Si量)及びX/Y(Cu量/Si量)が、上記式1〜式4のいずれかを満たすものであり、0.247mmol/g以上のNOx浄化量を得る組成としては、Y(Si量)及びX/Y(Cu量/Si量)が、上記式5〜式9のいずれかを満たすものであり、0.264mmol/gを超えるNOx浄化量を得る組成としては、Y(Si量)及びX/Y(Cu量/Si量)が、上記式10〜式11のいずれかを満たすものである。
本発明の触媒においては、上記のとおり、SAPOにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)は、NH3吸着能及びNOx浄化性能の観点からはSi量は大きいほどよい。NH3吸着能及びNOx浄化性能、合成の容易性等を考慮すれば、具体的には、限定されないが、9.97≦Y≦19.00、好ましくは11.50≦Y≦19.00、より好ましくは12.83≦Y≦19.00であってよい。
本発明の触媒においては、上記のとおり、Cu量/Si量に最適値が存在する。したがって、Cu/SAPOにおけるCu担持量(重量%)は、Siの含有量によってCu担持量の最適値が異なり、Siの含有量に応じて調整可能である。具体的には、限定されないが、本発明の触媒において通常使用されるSiの含有量を考慮し、Cu担持量X(重量%)は、好ましくは1.54≦X≦4.61、より好ましくは2.36≦X≦3.73であってよい。
本発明に用いるゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含む。
本発明におけるゼオライトの骨格構造内には、Al、P及びSi以外の他の原子が含まれていてもよい。含まれていてもよい他の原子としては、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などの原子の1種又は2種以上が挙げられ、好ましくは、鉄原子、銅原子、ガリウム原子が挙げられる。
XRD)により決定する。
FX、AFY、AHT、CHA、DFO、ERI、FAU、GIS、LEV、LTA、VFIのいずれかが好ましく、AEI、AFX、GIS、CHA、VFI、AFS、LTA、FAU、AFYのいずれかがさらに好ましく、燃料由来の炭化水素を吸着しにくいことからCHA構造を有するゼオライトが最も好ましい。
ゼオライトのフレームワーク密度が上記下限値未満では、構造が不安定となる場合があったり、耐久性が低下する傾向があり、一方、上記上限値を超過すると吸着量、触媒活性が小さくなる場合があったり、触媒としての使用に適さない場合がある。
なお、本発明におけるゼオライトの粒子径とは、下記に説明するゼオライトの製造において、テンプレートを除去した後の粒子径として測定した値をいう。また、この粒子径とは、電子顕微鏡でゼオライトを観察した際の、任意の10〜30点のゼオライト粒子の一次粒子径の平均値をいう。
本発明の触媒は、自動車エンジン等の内燃機関から排出される排気を浄化するための、排気浄化触媒である。本発明の触媒は、特に高温下でのNH3吸着能及びNOx浄化性能が向上されていることから、内燃機関の排気通路において、排気の空燃比が理論空燃比以下のときにNH3を生成する排気浄化触媒の下流に設けられるSCR触媒である。ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれるNOx浄化に使用されるSCR触媒の場合、一般的にNH3供給下において使用される。これに対して、ガソリンエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれるNOx浄化に使用される、内燃機関の排気通路において、排気の空燃比が理論空燃比以下のときにNH3を生成する排気浄化触媒の下流に設けられるSCR触媒の場合、リッチ空燃比における運転時にNSR触媒から排出されるNH3を吸着し、リーン空燃比における運転時に吸着NH3を利用し、NOxを還元する。したがって、このような用途の場合、優れたNH3吸着能及びNOx浄化性能が必要となる。加えて、特に高温下でのNH3吸着能及びNOx浄化性能が高いことも性能として求められる。
本発明は、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒の製造方法であって、
前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)であるYが式1〜8のいずれかを満たす、骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含むゼオライトを準備する工程と、
前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)であるXが式1〜8のいずれかを満たすように、Cuの金属源及びゼオライトを分散媒と混合した混合スラリーを調製し、混合スラリーの分散媒を除去して得られた粉体を焼成する工程、
を含むことを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒の製造方法に関する。
本発明におけるゼオライトはそれ自体既知の化合物であり、通常用いられる方法に準じて製造することができる。
即ち、Si原料、Al原料及びP原料を各々の酸化物換算のモル比で表した場合、SiO2/Al2O3の値は、通常、0.3より大きく、好ましくは0.4以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは0.6以上である。また通常1.0以下であり、好ましくは0.8以下である。また同様の基準でのP2O5/Al2O3の比は通常0.5以上、好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上であり、通常1.3以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下、さらに好ましくは0.9以下、特に好ましくは0.75以下である。
水熱合成によって得られるゼオライトの組成は、水性ゲルの組成と相関があり、従って、所望の組成のゼオライトを得るためには水性ゲルの組成を、上記の範囲において適宜設定すればよい。
この温度範囲での昇温時間が1時間未満であると、得られたテンプレート含有ゼオライトを焼成して得られるゼオライトの耐久性が不十分となる場合がある。また、80℃から120℃までの温度範囲内に1時間以上置かれることが、得られるゼオライトの耐久性の面で好ましい。
一方、この温度範囲での昇温時間の上限は特に制限はないが、長すぎると生産効率の面で不都合な場合があり、通常50時間以下、生産効率の点で好ましくは24時間以下である。
本発明の触媒を製造する際のゼオライトへの金属の担持方法としては、特に限定されないが、一般的に用いられるイオン交換法、含浸担持法、沈殿担持法、固相イオン交換法、CVD法等が用いられる。好ましくは、イオン交換法、含浸担持法である。
前述の金属酸化物や無機バインダーやその他の各種添加剤を使用する場合は、分散媒中に添加しておいてもよい。
未満では、除去すべき分散媒の量が多くて、分散媒除去工程に支障をきたす場合がある。また、スラリー中の固形分の割合が前記上限値超過では、金属や、ゼオライト以外の他の成分がゼオライト上に均一に分散しにくくなる傾向がある。
なお、混合スラリーの調製に用いるゼオライトは、前述の如く、テンプレートを含むゼオライトであってもよく、テンプレートを除去したゼオライトであってもよい。
ゼオライトは通常、分散媒と混合すると発熱することがあり、調合温度が上記上限値を超えるとゼオライトが酸又はアルカリにより分解する可能性がある。調合温度の下限は分散媒の融点である。
で高温条件に長時間曝されると、金属原子を担持させたゼオライトの構造の分解が促進されると考えられる。そのため乾燥時間が長くなるほど触媒活性が低下すると考えられる。
なお、ここで、混合スラリーから分散媒を除去するための乾燥時間とは、被乾燥物中の分散媒の量が1重量%以下になるまでの時間をいい、水が分散媒の場合の乾燥時間は、混合スラリーの温度が80℃以上になった時点から、被乾燥物中の水の含有量が1重量%以下になるまでの時間をいう。水以外の分散媒の場合の乾燥時間は、その分散媒の常圧における沸点より20℃低い温度になった時点から、被乾燥物中の分散媒の含有量が1重量%以下になるまでの時間をいう。
Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(重量%)X及びゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)で
あるYの値を指標とし、X及びYが式1〜11のいずれかを満たすCuを担持したゼオライトを選択することを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒の調製方法である。
[組成分析]
ICP−OES(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置ICPV−8100、株式会社島津製作所製)により、Cu/SAPO中のCu,Si,Al,Pの重量パーセント濃度を分析した。
Cu量X(wt%)は分析データをそのまま用い、Si量Y(mol%)は次式により算出した。
触媒100mgを採取し、所定量の融解剤を加え、1000℃で溶解させる。得られた溶解物を室温まで冷却後、所定量の塩酸溶液を加え、約80℃に加熱し、触媒を完全に溶解させる。得られた溶液を、室温まで冷却後、全体量で100mlになるように純水を加える。ICP−OESにより、この溶液中のCu,Si,Al,P含有量を測定する。Cu,Si,Al,P含有量及び採取した触媒重量から、Cu,Si,Al,Pの重量パーセント濃度を算出する。
所定量の触媒が塗布されたハニカム触媒(φ30mm×L15mm)を、固定床流通式反応装置に装填する。表1の(1)のガスを外部ヒーターにより600℃まで加熱し、触媒流入ガス温度600℃で5分間触媒を曝す。表1の(1)のガスを流通させた状態で、触媒流入ガス温度を所定温度(410℃又は550℃)まで下げる。触媒流入ガス温度を所定温度に保持した状態で、表1の(2)のガスに切り替え、20分間触媒を曝す。触媒流入ガス温度を所定温度に保持した状態で、表1の(3)のガスに切り替え、15分間触媒を曝す。このとき、NOx分析計(6000FT,HORIBA製)を用いて、触媒流入NO濃度、NO2濃度、及び触媒流出NO濃度、NO2濃度を測定し、次式によりNOx浄化量を算出する。
所定量の触媒が塗布されたハニカム触媒(φ30mm×L15mm)を、固定床流通式反応装置に装填する。表1の(1)のガスを外部ヒーターにより600℃まで加熱し、触媒流入ガス温度600℃で5分間触媒を曝す。表1の(1)のガスを流通させた状態で、触媒流入ガス温度を所定温度(410℃又は550℃)まで下げる。触媒流入ガス温度を所定温度に保持した状態で、表1の(2)のガスに切り替え、20分間触媒を曝す。このとき、FT−IR式ガス分析装置(HORIBA製、MEXA−6000FT)を用いて、触媒流入NOx濃度、NH3濃度と、及び触媒流出NOx濃度、NH3濃度を測定し、次の反応式より、反応により消費したNH3量を、測定したNOx濃度より算出し、次の計算式によりNH3吸着量を算出する。
(実施例1の触媒)
水1484kg、75%リン酸592kg、及び擬ベーマイト(25%水含有、サソール社製)440kgを混合し、3時間攪拌した。この混合液にfumedシリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製)117kgと水1607kgを加え、10分間攪拌した。この混合液にモルホリン285kgとトリエチルアミン331kgを加え、1.5時間攪拌し、以下の組成を有する水性ゲルを得た。
Al2O3/SiO2/P2O5/モルホリン/トリエチルアミン/H2O=1/0.6/0.7/1/1/60(モル比)
シリコアルミノフォスフェート(SAPO)ゼオライトを合成した。得られたゼオライトを用い、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を96g使用し、3266gの純水を攪拌し、水スラリーとした。この常温の水スラリーを1200Φの円盤回転式噴霧乾燥機で乾燥した。乾燥条件は入口温度200℃、出口温度120℃とした。円盤の回転数は18000rpmとした。スラリーを1.5kg/時の速度で供給し、577gの乾燥粉
体を1時間で回収した。乾燥に要した時間は10秒以下であった。この乾燥粉体を触媒1gあたり12ml/分の空気流通中で、500℃で4時間焼成して、Cu/SAPOを合
成した。
実施例1において、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を130g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
実施例1において、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を165g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
水1655kg、75%リン酸900kg、及び擬ベーマイト(25%水含有、サソール社製)567kgを混合し、3時間攪拌した。この混合液にfumedシリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製)88kgと水987kgを加え、10分間攪拌した。この混合液にモルホリン364kgとトリエチルアミン465kgを加え、さらにSAPOゼオライト38kgを種晶として添加し1.5時間攪拌し、水性ゲルを得た。種晶として用いたSAPOゼオライトは、以下のとおり合成した。水253gに85%リン酸101gおよび擬ベーマイト(25%水含有、サソール社製)68gをゆっくりと加え、攪拌した。これをA液とした。A液とは別にヒュームドシリカ(アエロジル200:日本アエロジル社製)7.5g、モルホリン43.5g、トリエチルアミン55.7g、水253gを混合した液を調製した。これをA液にゆっくりと加えて、3時間攪拌し、水性ゲルを得た。該水性ゲルをフッ素樹脂内筒の入った1Lのステンレス製オートクレーブに仕込み、攪拌させながら30℃から190℃まで、16℃/時の昇温速度で直線的に昇温し、最高到達温度190℃で50時間反応させた。最高到達温度に昇温する過程で、80℃から120℃の範囲におかれた時間は2.5時間であった。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。(得られたゼオライトはジェットミルによりメジアン径3μmとなるよう粉砕した。)その後560℃で空気気流下焼成を行い、テンプレートを除去することにより合成した。
得られたゼオライトを用い、実施例1の方法により、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を65g使用し、Cu/SAPOを合成した。
実施例4において、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を99g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
水21kg、75%リン酸9.0kg、及び擬ベーマイト(25%水含有、サソール社
製)5.8kgを混合し、3時間攪拌した。この混合液にfumedシリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.0kgと水22kgを加え、10分間攪拌した。この混合液にモルホリン3.4kgとトリエチルアミン4.3kgを加え、さらにSAPOゼオライト0.4kgを種晶として添加し1.5時間攪拌し、水性ゲルを得た。種晶として用いたゼオライトは実施例4の方法により合成した。
得られたゼオライトを用い、実施例1の方法により、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を94g使用し、Cu/SAPOを合成した。
実施例4の種晶として用いたゼオライトの製造方法により、CHA型SAPOゼオライトを合成した。
得られたゼオライトを用い、実施例1の方法により、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を59g使用し、Cu/SAPOを合成した。
実施例1の方法において、モルホリンとトリエチルアミン添加後に、実施例1で得られたSAPOゼオライト5kgを種晶として添加し水性ゲルを得、合成、濾過、乾燥後、得られた乾燥粉体をジェットミル粉砕しないこと以外は同様にして、CHA型SAPOゼオライトを合成した。
得られたゼオライトを用い、実施例1の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を82g使用し、Cu/SAPOを合成した。
水217gに75重量%リン酸95g及び酸化銅(II)7.2gを加え、酸化銅(II)が完全に溶解するまで攪拌した。その後、擬ベーマイト(25重量%水含有、コンデア社製)61.8gをゆっくりと加え、2時間攪拌した。さらに、fumedシリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製)16.4g及び水153.2gを加え、10分間攪拌した。その後、モルホリン39.6g、トリエチルアミン46gをゆっくりと加え、1時間攪拌した。さらに、テトラエチレンペンタミン(キシタ化学社製)17.2gを添加した後、0.5時間攪拌して以下の組成を有する水性ゲルを得た。
SiO2:0.6
Al2O3:1
P2O5:0.8
CuO:0.2
テトラエチレンペンタミン:0.2
モルホリン:1
トリエチルアミン:1
水:50
られた乾燥紛体をジェットミルで3〜5μmに粉砕し、その後550℃で空気気流下焼成を行い、有機物を除去し、Cu/SAPOを合成した。
実施例4の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を132g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
実施例1の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を49g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
実施例1の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を23g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
実施例4の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を23g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
実施例7の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を23g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
実施例7の銅担持方法で、ゼオライト1kgに対し酢酸銅(II)−水和物を94g使用した以外は同様にして、Cu/SAPOを合成した。
硝酸銅(II)・3水和物(キシダ化学製)12gを、200gの脱イオン水に溶解して、硝酸銅水溶液を調製した。
100gのゼオライトβ(東ソー製、Si/Al(モル比)=25)を100gの脱イオン水に分散させ、これに前記硝酸銅水溶液を加えて3時間以上攪拌した。
その後、150〜250℃で12時間乾燥させ、さらに500℃で焼成してCu/ゼオライトβを合成した。
水253gに85%リン酸101gおよび擬ベーマイト(25%水含有、サソール社製)68gをゆっくりと加え、攪拌した。これをA液とした。A液とは別にヒュームドシリカ(アエロジル200:日本アエロジル社製)7.5g、モルホリン43.5g、トリエチルアミン55.7g、水253gを混合した液を調製した。これをA液にゆっくりと加えて、3時間攪拌し、水性ゲルを得た。該水性ゲルをフッ素樹脂内筒の入った1Lのステンレス製オートクレーブに仕込み、攪拌させながら30℃から190℃まで、16℃/時の昇温速度で直線的に昇温し、最高到達温度190℃で50時間反応させた。最高到達温度に昇温する過程で、80℃から120℃の範囲におかれた時間は2.5時間であった。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。得られたゼオライトはジェットミルによりメジアン径3μmとなるよう粉砕し、テンプレートを含有したCHA型SAPOゼオライトを得た。
このテンプレートを含有したゼオライトを、560℃で空気気流下焼成を行い、テンプレートを除去した。
シュウ酸鉄アンモニウム・3水和物(キシダ化学製)23gを、200gの脱イオン水に溶解。
100gのゼオライトβ(東ソー製、Si/Al(モル比)=25)を100gの脱イオン水に分散させ、これに前記シュウ酸鉄水溶液を加えて3時間以上攪拌した。
その後、150〜250℃で12時間乾燥させ、さらに500℃で焼成してFe/ゼオライトβを合成した。
本試験では、Cu/SAPOのCu量、Si量の組成を変えてNOx浄化性能を評価し、NOx浄化性能に優れた触媒の数値範囲を特定した。
上記製造例において作製したCu/SAPOを触媒として用いた。
上記Cu/SAPO、Al2O3ゾル、H2O(Cu/SAPO100gに対し、Al2O3ゾルをAl2O3換算で7.8gの比率)を混合・撹拌し、スラリー化した。
上記スラリーをコーディエライトハニカムにコーティングした。コート量は180g/Lとした。120℃で乾燥し、空気中、550℃で2時間焼成し、実施例1〜10及び比較例1〜5の触媒によるハニカム触媒を得た。
これら触媒について、上記方法に基づき、Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(重量%)であるX、ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)であるYを測定した。結果を表2に示す。
また、排ガス規制値を満足するために、ガス温度410℃の場合、望ましくは0.219mmol/gを超えるNOx浄化量を、より望ましくは0.247mmol/g以上のNOx浄化量を、最も望ましくは0.264mmol/gを超えるNOx浄化量を必要とする。
0.219mmol/gを超える必要性能を満たす触媒は、Y(Si量)及びX/Y(Cu量/Si量)が以下の式を満たすものであると確認された。
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4)
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9)
0.264mmol/gを超える必要性能を満たす触媒は、Y(Si量)及びX/Y(Cu量/Si量)が以下の式を満たすものであると確認された。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11)
本試験では、前記製造例の実施例及び比較例の触媒のガス温度550℃におけるNOx浄化性能を評価した。
ガス温度を550℃にした以外は試験例1と同様の条件で、NOx浄化量を測定した。結果を表3に示す。
本試験では、前記製造例の実施例及び比較例のNOx浄化性能及びNH3吸着性能を評価した。
試験例1と同様にして、実施例1の触媒及び従来の触媒である比較例のFe/SAPO、Cu/ゼオライトβ、Fe/ゼオライトβを用いて、ハニカム触媒を作製した。
これらハニカム触媒について、上記方法に基づき、ガス温度410℃におけるNOx浄化量及びNH3吸着量を測定した。結果を表4及び図4に示す。
2・・・排気通路
3・・・三元触媒
4・・・吸蔵還元型NOx触媒
5・・・選択還元型NOx触媒
6・・・噴射弁
7・・・吸気通路
8・・・スロットル
9・・・点火プラグ
10・・・ECU
16・・・アクセルペダル
17・・・アクセル開度センサ
18・・・クランクポジションセンサ
Claims (16)
- 内燃機関の排気通路に排気浄化触媒及び選択還元型NOx触媒を備えた排気浄化システムにおいて、
前記選択還元型NOx触媒は、排気の空燃比が理論空燃比以下のときにアンモニアを生成する前記排気浄化触媒の下流に設けられ、前記排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤としてNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒であり、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化システム。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4) - X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の、排気浄化システム。
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9) - X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の、排気浄化システム。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11) - 前記排気浄化触媒は、前記選択還元型NOx触媒の上流側に配置される吸蔵還元型NOx触媒と、前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置される三元触媒のうち、少なくとも一方の触媒であり、
前記内燃機関の燃焼条件を制御することで、前記内燃機関から排出される排気の空燃比を理論空燃比以下の空燃比とすることで、前記排気浄化触媒によるアンモニアの生成が行われる、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の、排気浄化システム。 - 前記ゼオライトの構造が、国際ゼオライト学会が定めるコードでCHAであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の、排気浄化システム。
- 内燃機関の燃焼条件を制御して前記内燃機関から排出される排気の空燃比を理論空燃比以下の空燃比とする工程と、
理論空燃比以下の空燃比とされた排気の流入により、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒によりアンモニアを生成する工程と、
前記排気浄化触媒により生成されたアンモニアを、前記排気浄化触媒の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒に吸着させ、吸着されたアンモニアを還元剤としてNOxを選択還元する工程、
を含む排気浄化方法であって、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライト
は骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化方法。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4) - X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、請求項6に記載の、排気浄化方法。
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9) - X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、請求項6に記載の、排気浄化方法。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11) - 前記排気浄化触媒は、前記選択還元型NOx触媒の上流側に配置される吸蔵還元型NOx触媒と、前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置される三元触媒のうち、少なくとも一方の触媒である、
請求項6〜8のいずれか一項に記載の、排気浄化方法。 - 前記ゼオライトの構造が、国際ゼオライト学会が定めるコードでCHAであることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の、排気浄化方法。
- 内燃機関の排気通路において、排気の空燃比が理論空燃比以下のときにアンモニアを生成する排気浄化触媒の下流に設けられる選択還元型NOx触媒であって、
前記選択還元型NOx触媒は、前記排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒であって、
前記選択還元型NOx触媒は、Cuを担持したゼオライトを含み、且つ前記ゼオライトは骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含み、前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)をX、前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)をYとしたとき、X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
9.97≦Y<12.64かつ0.154≦X/Y≦0.262 (式1)
12.64≦Y<12.83かつ0.154≦X/Y≦0.312 (式2)
12.83≦Y<17.83かつ0.150≦X/Y≦0.312 (式3)
17.83≦Y≦19.00かつ0.132≦X/Y≦0.312 (式4) - X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
11.50≦Y<11.94 かつ 0.154≦X/Y≦0.217 (式5)
11.94≦Y<12.83 かつ 0.154≦X/Y≦0.238 (式6)
12.83≦Y<14.82 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式7)
14.82≦Y<17.83 かつ 0.150≦X/Y≦0.286 (式8)
17.83≦Y≦19.00 かつ 0.132≦X/Y≦0.286 (式9) - X及びYが以下の式を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
12.83≦Y<17.69 かつ 0.150≦X/Y≦0.238 (式10)
17.69≦Y≦19.00 かつ 0.150≦X/Y≦0.261 (式11) - 前記排気浄化触媒は、前記選択還元型NOx触媒の上流側に配置される吸蔵還元型NOx触媒と、前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置される三元触媒のうち、少なくとも一方の触媒であり、
前記内燃機関の燃焼条件を制御することで、前記内燃機関から排出される排気の空燃比を理論空燃比以下の空燃比とすることで、前記排気浄化触媒によるアンモニアの生成が行われる、
請求項11〜13のいずれか一項に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。 - 前記ゼオライトの構造が、国際ゼオライト学会が定めるコードでCHAであることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒。
- 請求項11〜15のいずれか一項に記載の、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒の製造方法であって、
前記ゼオライトにおけるSi、Al及びPの合計に対するSiの含有量、Si/(Si+Al+P)(mol%)であるYが式1〜11のいずれかを満たす、骨格構造に少なくともSi、Al及びPを含むゼオライトを準備する工程と、
前記Cuを担持したゼオライトにおけるCu担持量(Cu換算、重量%)であるXが式1〜11のいずれかを満たすように、Cuの金属源及びゼオライトを分散媒と混合した混合スラリーを調製し、混合スラリーの分散媒を除去して得られた粉体を焼成する工程、
を含むことを特徴とする、排気浄化触媒によって生成されたアンモニアを還元剤として用いるNOxの選択還元用の選択還元型NOx触媒の製造方法。
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