JP2015016080A - 障害物回避先導ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主脚2、主脚の下部に連結されている自走式の前輪駆動部3と、主脚の上部に設けた操作部4と、使用者が操作する操作部の指令に基づいて前輪駆動部を制御する制御部8とを備えた障害物回避先導ロボット1である。前輪駆動部は、車輪支持部9と、この車輪支持部に支持されて独立して回転駆動する2つの車輪10a,10bと、これら2つの車輪に回転速度差が発生したときに、車輪支持部を旋回させる旋回軸12とを備えている。
【選択図】図1
Description
この障害物回避先導ロボットに搭載されている制御装置は、ロボットの自己位置認識機能を備えている。すなわち、センサーが自己の周囲に存在する障害物を認識すると、該障害物を回避するための走行距離及び走行方向を演算し、また、走行中のロボットの左右の車輪の回転量の情報とセンサーからの障害物位置の情報のいずれか、または両方に基づいて自己位置を算出する。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、走行時において車輪に滑りが発生せず、車輪の回転量に基づいてロボットの移動情報(走行距離及び走行方向)を高精度に算出することができるとともに、小型軽量化を図ることで持ち運びが容易な障害物回避先導ロボットを提供することを目的としている。
また、本発明の一態様に係る障害物回避先導ロボットは、前記主脚の上部に設けたグリップ部に、前記操作部として力センサーを装着し、前記使用者が前記グリップ部を握って前記力センサーに与える力の向きを変化させることで、前記前輪駆動部の前記2つの車輪の回転速度制御が行われることが好ましい。
さらに、本発明の一態様に係る障害物回避先導ロボットは、前記制御部が、外乱の発生によって使用者の意図しない方向に前記車輪支持部が旋回した場合に、前記車輪支持部を外乱の発生前の位置に旋回させる制御を行うことが好ましい。
本実施形態の障害物回避先導ロボット1(以下、ロボット1と略称する)は、図1及び図2に示すように、上下方向に延在する主脚2と、主脚2の下部の主脚底板2aに上下方向の軸回りに旋回自在に連結している前輪駆動部3と、主脚2の上部に設けた前輪操作部4と、自己(ロボット1)の周囲の情報を取得するレーザーセンサー等の外界センサーSと、主脚2の上下方向の略中間位置に関節部5を介して連結し、下方に延在している2本の補助脚6と、各補助脚6の下端に設けたキャスター7と、前輪操作部4の操作により前輪駆動部3を直線走行、或いは旋回させ、外界センサーSからの情報により障害物を回避するロボット制御部8と、を備えている。
車輪支持部9は、天板9aと、天板9aに固定されて互いに平行に対向する一対の側板9bとで構成されており、一対の側板9bのそれぞれの内側に2個の車輪10a,10bが回転自在に連結され、一対の側板9bの外側に、2個の車輪10a,10bに駆動力を伝達する左車輪駆動モーター11a,右車輪駆動モーター11bが配置されている。
車輪支持部9の天板9aには、軸が上下方向に延在する旋回軸12が固定されており、この旋回軸12が主脚2の主脚底板2aに軸受け部材(不図示)を介して支持されていることで、前輪駆動部3の車輪支持部9が主脚2の下部に旋回自在に連結されている。
補助脚6の下端に設けられているキャスター7は、ある程度の角度範囲で旋回する車輪であり、前輪駆動部3の旋回に追従して旋回し、小回りも可能とされている。
関節部5は、固定レバー5aを備えており、この固定レバー5aの固定操作を行うことで、主脚2に対して所定の角度で傾斜した状態で補助脚6を固定する。そして、固定レバー5aの回動操作を行うと、主脚2に沿う位置まで2本の補助脚6を折り畳むことができる。
前輪操作部4は、図3に示すように、グリップ部14に装着されている力センサーである(以下、力センサー4と称する)。力センサー4は、x,y,z方向の力、及び、x,y,z軸回りのモーメント荷重を測定でき、使用者がグリップ部14に握り力を加えると力センサー4に力がかかり、ロボット制御部8に力(3軸)、モーメント荷重(3軸)に応じた力信号を出力する。
入力ポート15には、外界センサーSから自己(ロボット1)の周囲の情報が入力し、力センサー4から力信号が入力し、左車輪10aの近傍に配置した左車輪用エンコーダー18aから左車輪10aの回転量が入力し、右車輪10bの近傍に配置した右車輪用エンコーダー18bから右車輪10bの回転量が入力し、旋回軸12の近傍に配置した旋回軸用エンコーダー18cから旋回軸2の回転方向及び回転角度が入力する。
図5は、主制御部16の制御をブロック図で示したものであり、走行距離算出手段20、走行方向算出手段21、自己(ロボット1)位置認識手段22、障害物認識手段23、操作方向認識手段24、車輪回転速度算出手段25外乱判定手段26及び走行方向補正手段27を備えている。
また、自己位置認識手段22は、走行距離算出手段20で算出した走行距離と、走行方向算出手段21で算出した走行方向に基づいて、ロボット1の位置を認識する。
また、操作方向認識手段24は、力センサー4から取得した使用者が希望する走行方向を認識する。
また、車輪回転速度算出手段25は、算出したロボット1の位置、障害物の有無、使用者が希望する走行方向に基づいて、左車輪10aの回転速度、右車輪10bの回転速度を算出する。
さらに、走行方向補正手段27は、外乱判断手段26により外乱が発生していると判断したときに、外乱が発生する前の位置に旋回軸12回りに車輪支持部9が旋回するように、ロボット1の走行方向の補正値を算出する。
先ず、使用者がグリップ部14を握って前方に力を加えると、力センサー4に前向きの力がかかる。力センサー4からロボット制御部8に力信号が入力されることで、主制御部16の操作方向認識手段24は、操作方向が直進方向であることを認識し、車輪回転速度算出手段25は、左車輪10a及び右車輪10bが同一速度V1で回転する回転速度指令値を算出し、この回転速度指令値が、左車輪駆動モーター11a,右車輪駆動モーター11bに送出される。
また、使用者がグリップ部14を握って右側に力を加えると、力センサー4に右側向きの力がかかる。力センサー4からロボット制御部8に右側向きの力信号が入力されることで、主制御部16の操作方向認識手段24は、操作方向が右旋回であることを認識し、車輪回転速度算出手段25は、左車輪10aが高速V2で回転し、右車輪10aが低速V3(V3<V2)で回転する回転速度指令値を算出し、この回転速度指令値が、左車輪駆動モーター11a,右車輪駆動モーター11bに送出される。
次いで、使用者がグリップ部14を握って前方に力を加えると、図6(c)に示すように、右旋回した前輪駆動部3が速度V1で直線走行し、主脚2を自立支持している補助脚6のキャスター7も前輪駆動部3に追従して右旋回したのちに直線走行し、使用者を先導する。
これにより、走行中のロボット1の車輪10a,10bが走行面から一時的に離れた際、前輪駆動部3の車輪支持部9が旋回軸12回りに旋回してしまうという外乱が発生した場合であっても、前輪駆動部3の車輪支持部9を、外乱が発生する前の位置に旋回軸12回りに旋回させることができる。
本実施形態のロボット1は、主脚2の下部に連結した前輪駆動部3を、独立して回転駆動する2つの車輪(左車輪10a,右車輪10b)と、これら左車輪10a,右車輪10bに回転速度差が発生したときに、これら左車輪10a,右車輪10bを受動的に旋回させる旋回軸とを備えた構成としており、左車輪10a,右車輪10bを旋回させる駆動源を必要とせず、簡素な旋回機構(旋回軸)を備えただけなので、小型軽量化を図ることができるとともに、装置コストの低減化も図ることができる。
また、本実施形態のロボット1は、主脚2の上部のグリップ部14に力センサー4を装着し、使用者がグリップ部14の握り位置を変化させ、それにより、力センサーの出力値(力信号)が変化することで、前輪駆動部3の左車輪10a,右車輪10bの回転速度が変化するようにしているので、使用者は自在にロボット1を操作することができる。
また、本実施形態のロボット1の前輪駆動部3を構成する2つの車輪(左車輪10a,右車輪10b)は、走行の際に滑りが発生せず、これら車輪の回転量に基づいてロボット1の走行距離及び走行方向を算出することができるので、自己の位置情報を高精度に得ることができる。
また、図7に示すように、外界センサーSを、前輪駆動部3を構成する車輪支持部9の天板9aに固定すると、外界センサーSは、常に車輪10a,10bの進行方向を向くので、測定範囲が狭くても周囲の情報を正確に取得することができ、安価な外界センサーを選択することができる。
すなわち、図8は、本実施形態の前輪駆動部3を拡大して示したものであり、本実施形態の旋回軸12には旋回リミッター(不図示)が付設されており、この旋回リミッターにより、旋回軸12は左旋回に90°、且つ右旋回に90°までしか旋回しない構造とされている。また、主脚底板2aの下面には2台の反射型のフォトセンサー30a,30bが配置されているとともに、これら反射型フォトセンサー30a,30bに対向する天板9aの上面位置に、スケール31が設けられている。
そして、図9に示すように、車輪支持部9が旋回軸12回りに旋回しない場合、フォトセンサー30aが外側のスケール32の半円弧の帯状の中央部(直進位置)で対向し、フォトセンサー30bが内側のスケール33の半円弧の帯状の中央部(直進位置)で対向する。
また、車輪支持部9が旋回軸12回りに右旋回する場合、フォトセンサー30aが外側のスケール32の周方向の一端32aに向かうに従い帯幅が徐々に狭くなる位置で対向し、フォトセンサー30bが内側のスケール33の周方向の一端33aに向かうに従い帯幅が徐々に広くなる位置で対向する。
そして、主制御部16の外乱判定手段26は、フォトセンサー30a,30bが検出した白色部分(出力値)のデータと、図11で示した旋回参照グラフとを比較することで、旋回軸12の回転情報を得る。
そして、外乱判定手段26は、力センサー4から走行方向を変更する力信号が入力していないことを確認した場合には、外乱によってロボット1の走行方向が変更されたものと判断することができる。
旋回軸2が回転した情報を得た段階で、力センサー4から走行方向を変更すべき力信号が入力していないことを確認すると、走行補正手段27が、使用者が意図する走行方向への補正値を算出し、前輪駆動部3の車輪支持部9を、外乱が発生する前の位置に旋回軸12回りに旋回させることができるので、使用者を安全に先導することができる。
また、2台の反射型のフォトセンサー30a,30b及び外側のスケール32及び内側のスケール33に替えて、2台の磁気センサー及び2本の磁気テープからなるスケールを設けることで、車輪支持部9の旋回情報を得るようにしてもよい。
Claims (5)
- 主脚と、この主脚の下部に連結されている自走式の前輪駆動部と、前記主脚の上部に設けた操作部と、使用者が操作する前記操作部の指令に基づいて前記前輪駆動部を制御する制御部とを備え、前記使用者の歩行補助を行いながら走行する障害物回避先導ロボットであって、
前記前輪駆動部は、車輪支持部と、この車輪支持部に支持されて独立して回転駆動する2つの車輪と、これら2つの車輪に回転速度差が発生したときに、前記車輪支持部を旋回させる旋回軸とを備えていることを特徴とする障害物回避先導ロボット。 - 前記主脚に補助脚を連結し、この補助脚の下部に、前記前輪駆動部の旋回に追従して所定の角度範囲で旋回するキャスターを設けて前記主脚を自立支持することを特徴とする請求項1に記載の障害物回避先導ロボット。
- 前記主脚の上部に設けたグリップ部に、前記操作部として力センサーを装着し、前記使用者が前記グリップ部を握って前記力センサーに与える力の向きを変化させることで、前記前輪駆動部の前記2つの車輪の回転速度制御が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の障害物回避先導ロボット。
- 自己の周囲の情報を取得する外界センサーを備え、前記制御部は、前記外界センサーの情報を基に該障害物を回避するための走行距離及び走行方向を演算し、走行中は前記走行距離及び前記走行方向の情報と、前記2つの車輪の回転量から得られる自己位置の情報とのいずれか、または両方の情報に基づいて、該障害物を回避する方向に前記前輪駆動部を旋回させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の障害物回避先導ロボット。
- 前記制御部は、外乱の発生によって使用者の意図しないに方向に前記車輪支持部が旋回した場合に、前記車輪支持部を外乱の発生前の位置に旋回させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の障害物回避先導ロボット。
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