JP2015015306A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

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馨 柴田
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勝史 秋田
慧 藤井
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慧 藤井
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Takashi Ishizuka
貴司 石塚
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Abstract

【課題】近赤外〜赤外域において量子効率が高い半導体素子等を提供する。
【解決手段】基板1と、基板1の上に位置し、a層とb層とを1対として複数対の多重量子井戸構造3と、基板1と多重量子井戸構造3との間に位置する結晶調整層2とを備え、結晶調整層2が、基板1と同じ材料で構成され基板1に接する第1調整層2aと、多重量子井戸構造のa層またはb層と同じ材料で構成され、多重量子井戸構造に接する第2調整層2bとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子およびその製造方法に関し、より具体的には、近赤外〜赤外域に対応するバンドギャップエネルギーを有する半導体素子およびその製造方法に関するものである。
InP等のIII−V族化合物半導体は、バンドギャップエネルギが近赤外〜赤外域に対応することから、通信用、生体検査用、夜間撮像用などの受光素子の研究開発が行われている。
この近赤外〜赤外域の波長域は、生体や環境に関連する物質の吸収スペクトルが位置するので、上記InP等を用いた受光素子の長波長域への受光感度の拡大が重要なテーマとなっている。たとえば、より長波長域の感度を高めるため、InP基板上にInGaAs/GaAsSbのタイプ2の多重量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)の受光層を備える、メサ型単画素のフォトダイオードの提案がなされている(非特許文献1)。この受光素子は、InP基板にInGaAsバッファを積層し、その上にInGaAs/GaAsSbのタイプ2の多重量子井戸構造を積層している。このメサ型単画素のフォトダイオードのカットオフ波長は2.39μmであり、波長1.7μmから2.7μmまでの感度特性が示されている。
一方、撮像装置などでは複数の画素(受光部)を配列した受光素子が用いられる。選択拡散によって不純物を導入することで画素を形成したプレーナ型受光素子において、上記のInGaAs/GaAsSbのタイプ2の多重量子井戸構造を用い、多重量子井戸構造が不純物によって劣化しないように、半導体積層構造に工夫を凝らした受光素子が提案されている(特許文献1、2)。この積層構造を用いることで、近赤外〜赤外域に感度をもつアレイ化された画素をもつ受光素子を得ることができる。
またInP基板上に、InGaAs/GaAsSbのタイプ2のMQWを活性層として形成し、発光波長2.14μmのLEDおよびレーザーダイオードの提案がなされている(非特許文献2)。このタイプ2のMQWは、有機金属気相成長(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法によって、温度530℃で成長している。InGaAsおよびGaAsSbの原料についても、それぞれの有機金属ガスが開示されている。
特開2009−206499号公報 特開2011−54915号公報
R.Sidhu, et.al. "ALong-Wavelength Photodiode on InP Using Lattice-Matched GaInAs-GaAsSbType-II Quantum Wells, IEEE Photonics Technology Letters, Vol.17, No.12(2005), pp.2715-2717 M.Peter, et.al. "Light-emittingdiodes and laser diodes based on a Ga1-xInxAs/GaAs1-ySby type II superlattice on InP substrate"Appl. Phys. Lett., Vol.74, No.14 (5 April 1999),pp.1951-1953
近赤外〜近赤外域の光はエネルギーが低く、環境温度の影響を強く受けるので、受光素子の場合には特に暗電流を低く抑えなければならない。このため結晶性を高めて暗電流を抑えることが重要であるとの認識がなされている。しかし感度もしくは量子効率を高めることもそれに劣らず重要である。上記の受光素子も含めて、従来の半導体素子では、暗電流の抑制に大きな注意を払うものの、感度もしくは量子効率の最大化については十分な注意が払われていない。
本発明は、近赤外〜赤外域において感度もしくは量子効率を向上することができる、半導体素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体素子は、III−V族半導体の基板と、基板の上に位置し、a層とb層とを1対とした複数対の多重量子井戸構造(MQW:Multi-Quantum Well)と、基板と多重量子井戸構造との間に位置する結晶調整層とを備え、結晶調整層が、基板と同じ材料で構成され該基板に接する第1調整層と、多重量子井戸構造のa層またはb層と同じ材料で構成された第2調整層とを含む。
本発明の半導体素子等によれば、近赤外〜赤外域において量子効率を向上することができる。
本発明の実施の形態における受光素子を説明するための断面図である。 図1の受光素子が光の入射を待機する状態を示す図である。 InP基板の透過率を示す図である。 本発明の実施の形態例であって、図1に示す受光素子の変形例を示す図である。 実施例における各試験体の感度を示す図である。
<本願発明の実施の形態例の列記>
最初に本願発明の実施の形態例を、1.半導体素子、2.エピタキシャルウエハ、3.半導体素子もしくはエピタキシャルウエハの製造方法、についての実施の形態例を列記して説明する。
1.半導体素子:
本発明の半導体素子は、III−V族半導体の基板と、基板の上に位置し、a層とb層とを1対とした複数対の多重量子井戸構造(MQW)と、基板と多重量子井戸構造との間に位置する結晶調整層とを備え、結晶調整層が、基板と同じ材料で構成され該基板に接する第1調整層と、多重量子井戸構造のa層またはb層と同じ材料で構成された第2調整層とを含む。これによれば、結晶調整層のうち第1調整層は基板と同じ材料であり、基板の表面に付着している酸素等の不純物が高濃度に分布するのを埋めて酸素等の影響をなくし、かつ表面の凹凸を埋めて平坦にすることができる。受光層のa層またはb層と同じ材料の第2調整層を第1調整層上にエピタキシャル成長させることで受光層の結晶性を高める良好な下地層となる。これら結晶調整層の作用により、受光素子の感度を向上させることができる。
(1)エピ基板界面:
結晶調整層の第1調整層と基板との界面にはいわゆるエピ基板界面が形成される。このエピ基板界面によって、第1調整層が基板表面に成長されていることで、第1調整層が基板と異なり、基板の上に成長された層であることを識別することができる。ここで、エピ基板界面とは、たとえば半導体基板を切り出してエッチング等で表面を清浄、平坦にしたあと、一度、大気中に出して、再びエッチング等で調整したあと、基板に接して結晶層を成長させたときの結晶層と基板との界面をいう。通常、酸素、炭素が不純物として高濃度に混入する。エピ基板界面は、酸素濃度が1E17cm−3以上、炭素濃度が1E17cm−3以上、と高いことで識別することができる。通常の半導体層中の酸素濃度等は5E16cm−3以下である。
(2)結晶調整層の厚み:
第1調整層の厚みが前記第2調整層の厚みの1/5以下とするのがよい。基板は近赤外〜赤外域の光を吸収する材料が多いので、第1調整層を薄く形成することは理にかなっている。また受光層のa層またはb層と同じ材料の第2調整層を厚めにエピタキシャル成長させることで受光層の結晶性を高める良好な下地層となる。第1調整層と第2調整層の厚み範囲の関係は、さらに望ましくは第1調整層の厚みを前記第2調整層の厚みの1/10以下、さらには1/20以下とするのがよい。その上で、第1調整層の厚みが3nm以上30nm以下であり、第2調整層の厚みが50nm以上であってもよい。これによって、近赤外〜赤外域に吸収がかかる基板が多いので、同じ材料からなる第1調整層による吸収を抑えることができる。
(3)ドーパント:
(i)基板が第1導電型のドーパントを含み、結晶調整層が該基板のドーパントと異なるドーパントを含み、画素が第2導電型領域を含むようにしてもよい。
(a1)基板の裏面に裏面電極(グランド電極)を配置する場合、画素を第2導電型として基板には第1導電型のドーパントがドープされる。pin接合もしくはpn接合に逆バイアス電圧を印加するために、結晶調整層は、第1導電型のドーパントがドープされたほうが電圧電源を小さくすることができる。しかし、結晶調整層をノンドープとしてi型にしてもよい。結晶調整層を第1導電型にする場合、通常、結晶調整層のドーパントは基板のドーパントと異なるものとする。その理由は、基板成長時の好適な第1導電型ドーパントと、たとえばMOVPE法で成長するときに好適な第1導電型ドーパントとは相違するからである。たとえば、基板は第1調整層に比べて数百倍の厚みを有するが、ドーパントの種類によっては近赤外〜赤外域に吸収が大きくかかる種類がある。このようなドーパントを基板に含有させることは避けることが望ましいが、厚みが数百分の一の第1調整層はそれほど大きな感度減少要因にならない。また、結晶調整層にドープする場合、第1調整層と第2調整層のドーパントは同じでもよいし、異なってもよい。
(a2)基板の裏面にグランド電極を配置しないで、結晶調整層の第2調整層にグランド電極を配置する場合、基板は第1導電型のドーパントを含んでもよいし、導電性を示さなくてもよい。基板は第1導電型のドーパントを含むことで近赤外〜赤外域の透過率が向上する場合があるからである。たとえばGaSb基板の場合、n型不純物であるテルル(Te)をドープすることで近赤外〜赤外域の透過率が、意図的にドープしないで結果的にp型を示すGaSb基板よりも、向上する。
(ii)基板が高抵抗性のドーパントを含み、結晶調整層は、少なくとも第2調整層が第1導電型のドーパントを含み、画素が第2導電型領域を含むようにしてもよい。基板が高抵抗性の場合、基板の裏面にグランド電極を配置することはない。この場合は、結晶調整層中の膜厚が厚い第2調整層にグランド電極を配置するのがよい。たとえばInP基板の場合、Feドープの半絶縁性InP基板は、近赤外〜赤外域の透過率が、Sドープのp型InP基板よりも向上する。
(iii)結晶調整層のうち第1調整層はノンドープであり、第2調整層が結晶調整層におけるドーパントを含むようにしてもよい。第2調整層にグランド電極を配置すると、第1調整層は、pin接合への逆バイアス電圧の印加の電圧経路には関係なくなる。このため、第1導電型のドーパントをドープしてもよいし、ノンドープでもよいが、基板の平坦性をより良好にするためにノンドープとするのがよい。
(4)多重量子井戸構造の種類:
基板が、InP基板、GaSb基板、およびGaAs基板、のいずれかであり、受光層がタイプ2の多重量子井戸構造であり、対(a/b)が(InGaAs/GaAsSb)または(InAs/GaSb)とすることができる。これによって、近赤外〜赤外域用の受光素子の感度を向上させることができる。なお、InGaAsは、InGa1−xAs(0.38≦x≦1)であり、GaAsSbは、GaAs1−ySb(0.36≦y≦1)である。基板の種類は、上記のほかに、GaP基板、InAs基板、InSb基板、AlSb基板、AlAs基板などを用いることができる。
(5)半導体素子を用いた製品:
(i)半導体素子を、近赤外〜赤外域を受光対象に含む受光素子としてもよい。これによって近赤外〜赤外域に高感度を有する受光素子を得ることができる。またこの受光素子を用いて光学センサー装置を得てもよい。
(ii)半導体素子を、近赤外〜赤外域の光を発光するレーザー、発光ダイード(LED:Light Emitting Diode)としてもよい。これによって各種の発光装置を形成してもよい。
2.エピタキシャルウエハ:
本発明のエピタキシャルウエハは、III−V族半導体の基板および該基板上の半導体積層構造を有する、上記のいずれかの受光素子におけるエピタキシャルウエハとする。
3.半導体素子もしくはエピタキシャルウエハの製造方法:
上記の半導体素子もしくはエピタキシャルウエハは、市販の有機金属気相成長装置を用いて、そこで常用されている原料ガスを用いて上記の半導体素子等を製造することができる。望ましくは、全有機金属気相成長法を用いることでより一層結晶性に優れたものを製造することができる。
(1)MOVPE法:
MOVPE法は、基板のサイズに制約を受けにくく、能率よく結晶性の良好な半導体素子を形成するのに適している。本実施の形態における半導体素子もしくはそのためのエピタキシャルウエハは、どのような成長方法で成長してもよいが、上記の点でMOVPE法で成長するのがよい。MOVPE法は、リン原料に無機材料のホスフィン(PH)を用い、As(砒素)の原料としては、アルシン(AsH)を用いる。全有機金属気相成長法は、MOVPE法のうちで、すべての成膜材料に有機金属ガスを用いる方法である。
(2)Pを含むエピタキシャル膜:
Pを含む薄膜は、もちろん、MOVPE法によって成長することができる。すなわち市販のMOVPE成長装置を用い、市販の原料ガスを用いて、たとえばInP窓層やInPバッファ層を成長することはできる。ただ、全有機金属気相成長法によれば、リンの原料にTBPを用いるため、低温成膜が可能になる。InP基板の表面の酸素等の不純物の埋め込み、凹凸を穏やかに平坦化するのは、この低温成膜が有効である。
(3)タイプ2(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造:
また、InP基板を用いた受光素子の場合、タイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造などを含む半導体積層構造の最上層の窓層にInP層を用いる場合が多い。この場合、たとえばInP窓層を、MOVPE法により、燐の原料にホスフィン(PH)を用いて成長することができる。より望ましくは、全有機金属気相成長法により、TBPを用いて低温で成長できるので、下層に位置する受光層中のGaAsSbの熱によるダメージの発生を誘起することなく良好な結晶性の受光層を得ることができる。
<本願発明の実施の形態の詳細>
次に、本願発明の実施形態のエピタキシャルウエハ等の具体例を、図面を参照しながら説明する。なお、本願発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
図1は、本発明の実施の形態の詳細例における受光素子(プレーナ型フォトダイオード)50の断面図である。受光素子50は、次のエピタキシャルウエハに形成されている。
(InP基板1/結晶調整層2/タイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造(MQW)の受光層3/InGaAs拡散濃度分布調整層4/InP窓層5)
結晶調整層2は、InP第1調整層2a/InGaAs第2調整層2b、の複合層からなり、InGaAs第2調整層2bにはグランド電極12がオーミック接触しているので、少なくとも当該InGaAs第2調整層2bにはn型不純物がドープされている。InP第1調整層2aの厚みは、InGaAs第2調整層2bの厚みの1/5以下である。具体的には、InP第1調整層2aの厚みは3nm以上30nm以下であり、InGaAs第2調整層2bの厚みは50nm以上である。本実施の形態におけるポイントは、結晶調整層2の材料の構成および厚みにある。受光素子50の画素Pは、たとえば30μmピッチで縦横に配列されて、近赤外〜赤外域の光の画像を提供する。
画素Pの主要部は、p型領域6によって形成されている。このp型領域は、選択拡散マスクパターン36の開口部の窓層5の表面からp型不純物である亜鉛(Zn)を選択拡散することで形成されている。隣の画素Pとは、選択拡散されていない領域によって隔てられて独立性が確保されている。各画素Pのp型領域6の先端にはpn接合15もしくはpi接合(グランド電極側も含めて広範囲にみればpin接合)が形成されている。受光層3は、イントリンシック(intrinsic:真性)にするために不純物は添加しないで、pin接合とすることを意図するが、不可避的に不純物(たとえばn型不純物)が低濃度で含有される。このため、pin型フォトダイオードといいながらp型領域の先端には実際はpn接合が形成されている。ここでは、pin接合およびpn接合を含めて、pn接合15と呼ぶ。
プレーナ方式にしたがって、受光層/窓層など積層体に窓層から不純物を選択拡散する場合、受光層がタイプ2多重量子井戸構造の場合、その多重量子井戸構造の結晶性が不純物に対して脆弱であるという問題がある。比較的低い不純物に対しても結晶性が劣化して暗電流が大きく増大する。このため、pn接合を形成するとき、タイプ2多重量子井戸構造の受光層内に導入する不純物の範囲は、できるだけ窓層に近い上部にした上で、その濃度を厳格に低く制御しなければならない。
この問題を解決するために、タイプ2多重量子井戸構造の受光層3と、窓層5との間に、拡散濃度分布調整層4を配置する。選択拡散された不純物のキャリア濃度は、窓層内では画素電極とオーミック接触する必要があり高濃度で分布し、この拡散濃度分布調整層内においてステップ状に急低下させる必要がある。ステップ状に急低下させて、タイプ2多重量子井戸構造の受光層内の上部で受光層内の反対型キャリアのバックグランド濃度に交差するようにする。この反対型キャリアのバックグランド濃度との交差点(面)が、pn接合15を構成する。このような構造によって、タイプ2多重量子井戸構造の受光層3内の不純物濃度分布は厳格に制御され、暗電流が抑制された近赤外〜赤外域の受光素子を得ることができる。その他の要請として、動画などの動きの追随性を高めるために挿入される拡散濃度分布調整層4は、電気伝導度の高い材料で形成することが望ましい。
受光素子50を製造するとき、上記のIII−V族半導体を積層してエピタキシャルウエハを形成した後、そのエピタキシャルウエハの窓層5に選択拡散マスクパターン36を配置して、Znを選択拡散してp型領域6、すなわちpn接合15を形成する。画素電極11およびグランド電極12も、エピタキシャルウエハの状態のまま形成する。受光素子(チップ)50ごとにパッケージする段階になって、エピタキシャルウエハは、各受光素子(チップ)50ごとに個片化される。
図2は、受光素子50が、対象光が入射するのを待っている、受光待機の状態を示す図である。pn接合15に対して、画素電極11および共通のグランド電極12によって逆バイアス電圧を印加すると、画素Pごとに空乏層Sが受光層3に張り出して受光待機状態となる。ある画素Pの空乏層Sに光が入射され受光されると電子・正孔ペアが生成し、正孔は画素電極11にドリフトし、電子はグランド電極12へとドリフトする。画素電極11に蓄積された電荷を一定の時間ピッチで読み出し、画素にわたって受光信号の強度分布を作成することで画像を得ることができる。この場合、pn接合15に対する逆バイアス電圧は、グランド電極12−InGaAs第2調整層2b−i型もしくは低n型受光層3−p型領域6−画素電極11、の経路で伝達される。したがってInGaAs第2調整層2bは、n型不純物を高濃度に含む必要がある。しかし、第1調整層2aおよびInP基板1は、導電性である必要はなく、それぞれの役割に応じて最適な不純物を含むことができるし、またノンドープであってもよい。
たとえば、InP基板1については、図3に示すように、近赤外〜赤外域の光の透過率を高くするために、半絶縁性もしくは高抵抗の鉄(Fe)ドープInP基板とするのがよい。図3には、合わせて硫黄(S)ドープInP基板の近赤外〜赤外域の透過率を示すが、表面粗研磨の影響が強く表れていて、波長域2μm〜3μmでの低い透過率は、誇張されている。しかし、波長3μm以上で透過率が低下しているのは、粗研磨というよりも不純物の影響であるとおもわれる。透過率の向上は、感度向上に直結する。
また、図示はしないが、基板がGaSbの場合は、n型不純物であるテルル(Te)をドープすることが、近赤外〜赤外域の光の透過率を高める上で効果的である。ノンドープのGaSb基板は、不可避的にp型不純物が混入してp型になるが、近赤外域の光の透過率は高いものの、波長2.5μm以上で、急激に透過率は低下する傾向がある。したがって、GaSb基板の場合には、基板にグランド電極をオーミック接触するしないにかかわらず、Teをドープするのが、近赤外〜赤外域において高い感度を確保するのに、不可欠である。
また、図2に示す受光素子50におけるInP第1調整層2aについても、導電性に関係なく受光層の結晶性を高めるための最適の不純物を含有させることができる。Feドープ半絶縁性InP基板1については、検討した限りノンドープとするのがよい。
(変形例):
図4は、図1もしくは図2に示す受光素子の変形例を示す図である。本変形例では、InP基板の裏面にグランド電極12をオーミック接触する。この構造においては、pn接合15に対して、グランド電極12および画素電極11によって逆バイアス電圧を印加するには、InP基板1−結晶調整層2の第1調整層2aおよび第2調整層2bは、直列で配置される。InP基板が第1導電性を示すことは必須であるが、結晶調整層2は第1導電性であってもよいし、i型であってもよい。結晶調整層2が第1導電型の場合、pn接合15に至る間の電圧降下が小さいので電圧電源を小さくできる利点がある。裏面電極が配置される場合、InP基板1は、硫黄(S)ドープしたものがよい。近赤外域に限定すれば、Feドープに比べてそれほど大きな透過率の低下は生じない。
この図4の変形例と第1もしくは図2の構造との相違は、次の点にあらわれる。図4の変形例の場合、pn接合15に対する逆バイアス電圧のグランド電極12側の電圧経路は、InP基板1を必ず含むので、十分大きい逆バイアス電圧を印加するのに必要な電圧電源は、InP基板1の厚みが第2調整層2bの厚みに比べて厚いので大きくなる傾向がある。
上記の半導体素子もしくはエピタキシャルウエハは、上述のように、通常のMOVPE法により製造することができる。すなわち市販のMOVPE成長装置を用いて、そこで常用されている原料ガスを用いて上記の半導体素子等を製造することができる。望ましくは、全有機金属気相成長法を用いることでより一層結晶性に優れたものを製造することができる。全有機金属気相成長法は、上記のように、すべての成膜材料に有機金属ガスを用いる方法である。全有機金属気相成長法と、MOVPE法との相違は、リン原料にターシャリーブチルホスフィン(TBP)を用いるか、または無機材料のホスフィン(PH)を用いるかに端的にあらわれる。
上記の実施の形態のエピタキシャルウエハを有機金属気相成長法によって製造する方法について説明する。このあと説明する実施例において、図4に示す変形例の受光素子50を用いたので、この変形例に即した製造法を説明する。また有機金属気相成長法の成膜装置の各部分を引用しながら説明するが、市販されている装置であり、とくに成膜装置の仕組みが重要な役割を演ずるわけではないので、図示は省略する。
まずウエットエッチング等により、表層の残留応力を除去しかつ所定の平坦化を実現したSドープn型InP基板1を準備し、基板テーブルに配置して、結晶調整層2を成長する。結晶調整層2は、第1調整層2aとしてInPを厚み3nm以上30nm以下の範囲、たとえば10nm程度で成長する。原料ガスは、InにはTMIn(トリメチルインジウム)もしくはTEIn(トリエチルインジウム)を用いる。またPの原料としては、PH(ホスフィン)を用いる。望ましくは、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)を用いる。これら有機金属ガス原料は、分子量が大きいために不安定であり、成膜温度(成長温度)を525℃以下の低温、たとえば450℃〜495℃の範囲の低温にしても容易に分解してInP基板表面にInP層をエピタキシャル成長する。InP基板1と同じInP層2aを低温成長することにより、基板の表面のミクロな凹凸を活性化させずに、またウエットエッチング後の大気との接触に起因する酸素等の不純物を活性化させずに、InP第1調整層2aにより埋め込むことができる。このとき、第1導電性とする場合には、有機原料ガスを用いてn型不純物をドープする。n型キャリア濃度は3E17cm−3程度とするのがよい。
次いでInGaAs第2調整層2bを厚み50nm以上たとえば200nm程度となるように成長する。Ga(ガリウム)の原料としては、TEGa(トリエチルガリウム)でもよいし、TMGa(トリメチルガリウム)でもよい。Inの原料としては、上記したTMInまたはTEInを用いる。As(砒素)の原料としては、アルシン(AsH)を用いる。望ましくは、TBAs(ターシャリーブチルアルシン)もしくはTMAs(トリメチル砒素)を用いる。n型不純物をドープする場合は、第1調整層2aと同じ不純物を用いてn型キャリア濃度を3E17cm−3程度とするのがよい。これにより受光層3を構成するタイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸の一方と同じ材料のInGaAs第2調整層2bをエピタキシャル成長することができる。このInGaAs第2調整層2bは、多重量子井戸構造の受光層3の下地層として機能して、多重量子井戸構造において良好な結晶性を実現することができる。
結晶調整層2のInGaAs第2調整層2bの成長に続いて、タイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造の受光層3、InGaAs拡散濃度分布調整層4およびInP窓層5を、有機金属気相成長法によって一貫して同じ成長室で成長する。このとき、成長温度または基板温度は、温度400℃以上かつ525℃以下の範囲に維持するのがよい。この温度範囲より高い成長温度にすると、受光層3中のGaAsSbが熱のダメージを受けて相分離を生じるからである。
400℃未満の成長温度とすると、有機MOVPEの原料ガスが十分に分解せず、炭素がエピタキシャル層に取り込まれる。原料ガスにおいて金属と結合している炭化水素の炭素である。炭素がエピタキシャル層に混入すると、意図しないp型領域が形成され、半導体素子にまで仕上げた状態で、性能劣化を生じる。たとえば受光素子の状態で、暗電流が多く、実用レベルの製品にならない。
成長室(チャンバ)内に石英管が配置され、その石英管に、原料ガスが導入される。石英管中には、基板テーブルが、回転自在に、かつ気密性を保つように配置される。基板テーブルには、基板加熱用のヒータが設けられる。成膜途中のエピタキシャルウエハ1aの表面の温度は、成長室の天井部に設けられたウィンドウを通して、赤外線温度モニタ装置によりモニタされる。このモニタされる温度が、成長するときの温度、または成膜温度もしくは基板温度等と呼ばれる温度である。本発明における製造方法における、温度400℃以上かつ525℃以下でInGaAs層などを形成する、というときの400℃以上および525℃以下は、この温度モニタで計測される温度である。石英管からの強制排気は真空ポンプによって行われる。
原料ガスは、石英管に連通する配管によって、供給される。有機金属気体の原料ガスは、恒温槽に入れられて一定温度に保持される。搬送ガスには、水素(H)および窒素(N)が用いられる。有機金属気体は、搬送ガスによって搬送され、また真空ポンプで吸引されて石英管に導入される。搬送ガスの量は、MFC(Mass Flow Controller:流量制御器)によって精度よく調節される。多数の、流量制御器、電磁弁等は、マイクロコンピュータによって自動制御される。
多重量子井戸構造の受光層3の成長について説明する。量子井戸におけるGaAsSbは、膜厚はたとえば5nm、またInGaAsの膜厚もたとえば5nmとする。GaAsSbの成膜では、TEGa(トリエチルガリウム)、TBAs(ターシャリーブチルアルシン)およびTMSb(トリメチルアンチモン)を用いる。Sb(アンチモン)の原料としては、TMSb(トリメチルアンチモン)でもよいし、TESb(トリエチルアンチモン)でもよい。また、TIPSb(トリイソプロピルアンチモン)、また、TDMASb(トリスジメチルアミノアンチモン)でもよい。As(砒素)の原料としては、アルシン(AsH)でもよいし、TBAs(ターシャリーブチルアルシン)もしくはTMAs(トリメチル砒素)でもよい。また、InGaAsについては、TEGa、TMIn、およびTBAsを用いることができる。これら有機金属ガス原料は、分子量が大きく不安定であるため、400℃以上かつ525℃以下の比較的低温で完全に分解して、結晶成長に寄与することができる。多重量子井戸の受光層3を全有機金属気相成長法によって、量子井戸の界面の組成変化を急峻にすることができる。この結果、高精度の分光測光をすることができる
原料ガスは、配管を搬送されて、石英管に導入されて排気される。原料ガスは、何種類でも配管を増やして石英管に練通させることができる。たとえば十数種類の原料ガスであっても、電磁バルブの開閉によって制御される。
原料ガスは、流量の制御は、流量制御器(MFC)によって制御された上で、石英管への流入を電磁バルブの開閉によってオンオフされる。そして、石英管からは、真空ポンプによって強制的に排気される。原料ガスの流れに停滞が生じる部分はなく、円滑に自動的に行われる。よって、量子井戸のペアを形成するときの組成の切り替えは、迅速に行われる。
エピタキシャルウエハの表面はモニタされる温度とされている。大サイズの有機金属分子がウエハ表面をかすめて流れるとき、分解して結晶成長に寄与する化合物分子は表面に接触する範囲、および表面から数個分の有機金属分子の膜厚範囲、のものに限られると考えられる。しかし、エピタキシャルウエハ表面温度または基板温度が、400℃未満のような過度に低い場合、原料ガスの巨大な分子、とくに炭素が十分に分解・除去されないで、エピタキシャルウエハに取り込まれる。III−V族半導体中に混入した炭素はp型不純物となり、意図しない受光素子を形成することになる。このため、半導体の本来の機能を低下させ、受光素子に製造された状態で性能劣化をもたらす。
真空ポンプで強制排気しながら上記ペアの化学組成に適合した原料ガスを電磁バルブで切り替えて導入するとき、わずかの慣性をもって先の化学組成の結晶を成長させたあとは、先の原料ガスの影響を受けず、切り替えられた化学組成の結晶を成長させることができる。その結果、ヘテロ界面での組成変化を急峻にすることができる。これは、先の原料ガスが、石英管内に実質的に残留しないことを意味している。
タイプ2(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸の受光層3を形成する場合、525℃を超える温度範囲で成長するとMQWのGaAsSb層に相分離が大規模で起こり、上述の凸状部Kのサイズ拡大および密度増加を助長させる。このため525℃以下で成長し、より好ましくは500℃以下とするのがよい。しかし一方で、上記のように、400℃未満の成長温度とすると、原料ガスに必然的に含まれる炭素がエピタキシャルウエハ内に取り込まれる。混入した炭素はp型不純物として機能するので、半導体素子に仕上げた状態で、製品にならないほどの性能劣化の原因になる。
結晶調整層2の形成からInP窓層5の形成まで、全有機金属気相成長法によって同じ成膜室または石英管の中で成長を続けることが、重要である。すなわち、本実施の形態のエピタキシャルウエハは再成長界面を持たない。再成長界面では、エピ基板界面と同様に、酸素濃度1e17cm−3以上、炭素濃度1e17cm−3以上のうちの少なくとも1つが満たされ、結晶性は劣化し、エピタキシャル積層体の表面は平坦になりにくい。本実施の形態では、エピ基板界面は形成されるが、再成長界面は形成されない。
本発明の作用を検証するために、図4に示す受光素子50を本発明例A1として試作して受光感度を測定した。試験体は本発明例A1と比較例C1の2体である。また、参考例R1として非特許文献1のFig.5のデータをもとに受光感度に換算した結果を用いた。
(本発明例A1:第1調整層/第2調整層=InP/InGaAs):
(1)積層構造:InP基板/InP第1調整層/InGaAs第2調整層/タイプ2(InGaAs(5nm)/GaAsSb(5nm))受光層2μm/InGaAs拡散濃度分布調整層1μm/InP窓層0.75μm
(2)結晶調整層の構成:n型InP第1調整層(膜厚10nm:キャリア濃度3E17cm−3)/n型InGaAs第2調整層(膜厚150nm:キャリア濃度3E17cm−3
(比較例C1:第1調整層/第2調整層=InP/InP):
(1)積層構造:InP基板/InP第1調整層/InP第2調整層/タイプ2(InGaAs(5nm)/GaAsSb(5nm))受光層2μm/InGaAs拡散濃度分布調整層1μm/InP窓層0.75μm
(2)結晶調整層の構成:n型InP第1調整層(膜厚10nm:キャリア濃度3E17cm−3)/n型InP第2調整層(膜厚150nm:キャリア濃度3E17cm−3
(参考例(非特許文献1)R1:第1調整層/第2調整層=InGaAs/InGaAs)
(1)積層構造:InP基板/InGaAs第1調整層/InGaAs第2調整層/タイプ2(InGaAs(5nm)/GaAsSb(5nm))受光層1.5μm/InGaAs拡散濃度分布調整層45nm/InGaAs窓層0.5μm
(2)結晶調整層の構成:n型InGaAs第1調整層(膜厚500nm:キャリア濃度 高)/i型InGaAs第2調整層(膜厚50nm:キャリア濃度 希薄)
参考例R1では、結晶調整層の第1調整層と第2調整層の膜厚の大小関係が、本発明例A1と比べて逆転している。本発明例A1および比較例C1におけるInP基板はSドープInP基板である。また、非特許文献1における参考例R1のInP基板は明記されていないが、N-typeと記載されているので、Sもしくは他のn型不純物を含んでいる。
本発明例A1および比較例C1の受光感度の、波長2.2μmにおける測定結果を図5に示す。また、合わせて参考例R1として非特許文献1のFig.5のデータから換算した受光感度を示す。図5では、それぞれ試験体A1、試験体C1、試験体R1とあらわしている。図5によれば、結晶調整層(=第1調整層/第2調整層)が、InP/InGaAsとした本発明例である試験体A1の感度が最も高く、1.0〜1.2程度であった。これに対してInP/InPの比較例の試験体C1では、0.4〜0.5程度と格段に低い結果となった。また参考例の試験体R1の感度は、0.75程度であり、本発明例より低い感度であった。
本発明の半導体素子、たとえば受光素子によれば、受光層と基板との間の、これまであまり注目されなかった結晶調整層もしくはバッファ層の構成に工夫をこらすことで、近赤外〜赤外域において感度が向上することができようになった。
1 InP基板、2 結晶調整層、2a 第1調整層、2b 第2調整層、3 タイプ2多重量子井戸構造の受光層、4 InGaAs拡散濃度分布調整層、5 InP窓層、6 p型領域、11 p側電極(画素電極)、12 グランド電極(n側電極)、15 pn接合、35 AR(反射防止)膜、36 選択拡散マスクパターン、50 受光素子(受光素子アレイ)、P 画素、S 空乏層。

Claims (9)

  1. III−V族半導体の基板と、
    前記基板の上に位置し、a層とb層とを1対とした複数対の多重量子井戸構造(MQW:Multi-Quantum Well)と、
    前記基板と前記多重量子井戸構造との間に位置する結晶調整層とを備え、
    前記結晶調整層が、前記基板と同じ材料で構成され該基板に接する第1調整層と、前記多重量子井戸構造のa層またはb層と同じ材料で構成された第2調整層とを含む、半導体素子。
  2. 前記第1調整層の厚みが前記第2調整層の厚みの1/5以下である、請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第1調整層の厚みが3nm以上30nm以下であり、前記第2調整層の厚みが50nm以上である、請求項1または2に記載の半導体素子。
  4. 前記基板が高抵抗性のドーパントを含み、前記結晶調整層は、少なくとも前記第2調整層が第1導電型のドーパントを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  5. 前記基板が第1導電型のドーパントを含み、前記結晶調整層が該基板のドーパントと異なるドーパントを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  6. 前記基板が、InP、GaSb、およびGaAs、のいずれかであり、前記多重量子井戸構造がタイプ2の多重量子井戸構造であり、対(a/b)が(InGaAs/GaAsSb)または(InAs/GaSb)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体素子。
  7. 前記基板がInPであり、前記多重量子井戸構造がタイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造であり、前記結晶調整層において、前記第1調整層がInPであり前記第2調整層がInGaAsである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体素子。
  8. 前記半導体素子は、近赤外〜赤外域を受光対象に含む受光素子である、請求項1に記載の半導体素子。
  9. 有機金属気相成長法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)によって半導体素子を製造する方法であって、
    III−V族半導体の基板上に接して、結晶調整層を成長する工程と、
    前記結晶調整層に接して、a層とb層とを1対として複数対のタイプ2の多重量子井戸構造を成長する工程とを備え、
    前記結晶調整層を第1調整層と第2調整層とで構成し、前記第1調整層を前記基板と同じ材料で該基板に接して成長し、また前記第2調整層を前記a層またはb層と同じ材料で前記第1調整層上に前記多重量子井戸構造の下面に接するように成長し、前記第1調整層の膜厚を前記第2調整層の膜厚の1/5以下とする、半導体素子の製造方法。

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