JP2015009484A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出口内の液体の増粘を抑制するために吐出空間に供給される加湿空気を利用して、ローラの外周面に付着した異物を効率良く除去する。【解決手段】コントローラは、キャップ44を閉鎖状態に維持しつつ吐出空間V1に加湿空気を供給させた後、キャップ44を開放状態とする。そして、キャップ44を開放状態としてから所定時間が経過するまでの間、ファン62x,62yの駆動を維持する。これにより、吐出空間V1に供給された加湿空気がローラ対24に向かうように開口61xaを介して空気を吸引させる。その後、用紙をローラ対24を経由させて搬送させる。【選択図】図10
Description
本発明は、インク等の液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1には、記録ヘッド1の近傍に配置された搬送ローラ6Aに対し、当該ローラ6Aの外周面に付着した異物(インク、紙粉等)を除去するためのクリーニング手段100を設けることが示されている。
特許文献2には、吐出口内の液体の増粘を抑制するため、加湿ユニット60により吐出空間A1に加湿空気を供給することが示されている。
特許文献1のようにローラの異物除去専用の構成要素を設けると、装置構成の複雑化や装置の大型化が生じ得る。しかしながら、ローラの外周面に異物が付着すると、ローラ径がその分大きくなることで、当該ローラによる搬送速度が変化し、搬送精度が低下してしまう。
そこで、本願発明者は、特許文献2に示されているような加湿空気供給に係る技術に着目し、吐出空間に供給される加湿空気を利用してローラの異物除去を行うことについて検討し、以下の課題を知見した。特許文献2の加湿ユニット60は、吐出口内の液体の増粘を抑制するために設けられたものであるため、吐出空間に供給された加湿空気をローラに効率良く導くことができず、ローラの外周面に付着した異物を効率良く除去することができない。
本発明の目的は、吐出口内の液体の増粘を抑制するために吐出空間に供給される加湿空気を利用して、ローラの外周面に付着した異物を効率良く除去することができる、液体吐出装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の観点によると、液体を吐出するための複数の吐出口を有する、液体吐出ヘッドと、前記複数の吐出口と対向する吐出空間を前記吐出空間の外部の空間である外部空間に対して閉鎖するように構成されたキャップ、及び、前記キャップが前記吐出空間を前記外部空間に対して閉鎖する閉鎖状態と前記吐出空間を前記外部空間に対して開放する開放状態とを取り得るよう前記キャップを移動させるように構成された移動部を含む、キャップ部と、前記吐出空間に開口する第1開口を含み、前記第1開口を介して前記吐出空間に加湿空気を供給するように構成された、加湿部と、記録媒体を前記吐出空間を経由させて搬送方向に搬送するように構成された搬送部であって、前記搬送方向に関して前記液体吐出ヘッドに近接して配置されたローラを含む、搬送部と、前記搬送方向に関して前記第1開口とで前記ローラを挟む位置に開口する第2開口を含み、前記第2開口を介した空気の流れを生成するように構成された、気流生成部と、前記液体吐出ヘッド、前記移動部、前記加湿部、前記搬送部、及び前記気流生成部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加湿部を制御して、前記第1開口を介して前記吐出空間に加湿空気を供給させる、第1処理と、前記気流生成部を制御して、前記第1開口を介して前記吐出空間に供給された加湿空気が前記ローラに向かうように前記第2開口を介して空気を吸引させる、第2処理と、前記第2処理の後に、前記搬送部を制御して、記録媒体を前記ローラを経由させて搬送させる、第3処理と、を実行することを特徴とする、液体吐出装置が提供される。
上記観点によれば、第2処理によって、第1開口を介して吐出空間に供給された加湿空気がローラに向かう。これにより、ローラの外周面に付着した異物に、水分が付与される。その後、第3処理によって、記録媒体が搬送されると、水分を含んで柔らかくなった異物が、記録媒体に付着し、ローラの外周面から除去される。このように、吐出口内の液体の増粘を抑制するために吐出空間に供給される加湿空気を利用して、ローラの外周面に付着した異物を効率良く除去することができる。
前記第1開口は、前記搬送方向に関して前記ローラと部分的に対向する位置に、配置されており、前記制御部は、前記第1処理において、前記移動部を制御して、前記キャップを前記閉鎖状態とする、閉鎖ステップと、前記閉鎖ステップの後、前記移動部及び前記加湿部を制御して、前記キャップを前記閉鎖状態に維持しつつ、前記第1開口を介して前記吐出空間に加湿空気を供給させる、加湿空気供給ステップと、前記加湿空気供給ステップの後、前記移動部を制御して、前記キャップを前記開放状態とする、開放ステップと、を実行してよい。第1開口が上記のような位置に配置されている場合、第1処理において、キャップを開放状態としたまま吐出空間への加湿空気の供給を行うと、搬送方向及び複数の吐出口からの液体の吐出方向と直交する直交方向に関して、ローラに部分的にしか加湿空気を導くことができないという問題が生じ得る。これに対し、上記構成によれば、第1処理において、先ず、閉鎖ステップにおいてキャップを閉鎖状態とし、その後、キャップを閉鎖状態に維持しつつ、吐出空間に加湿空気を供給する。これにより、吐出空間内に、均一に加湿空気を供給することができる。その後、開放ステップにおいてキャップを開放状態として、第2処理において加湿空気をローラに向かわせる。これにより、直交方向に関してローラに均一に加湿空気を導くことができ、上記問題を抑制することができる。
前記制御部は、記録指令に基づいて、前記液体吐出ヘッド及び前記搬送部を制御して、前記吐出空間に搬送された記録媒体に前記複数の吐出口から液体を吐出させる、記録処理を実行し、前記記録処理において前記複数の吐出口から液体が吐出されているときに、前記気流生成部を制御して、前記第2開口を介して空気を吸引させてよい。この場合、気流生成部は、記録処理において複数の吐出口から液体が吐出されることによって生じる液体ミストを吸引するという機能を有する。したがって、上記構成によれば、装置が液体ミスト吸引用の構成要素を含む場合に、当該構成要素を気流生成部として用いることができるため、ローラ清掃用の気流生成部を別途設ける必要がなく、装置構成の簡素化や装置の小型化を実現することができる。
本発明に係る液体吐出装置は、複数の前記液体吐出ヘッドを備え、前記ローラは、前記複数の液体吐出ヘッドのうち前記搬送方向に関して隣接して配置された2つの液体吐出ヘッドの間に配置されており、前記第2開口は、前記搬送方向に関して、前記2つの液体吐出ヘッドの間で、かつ、前記ローラの上流側に、配置されてよい。この場合、第2開口が2つのヘッドの間に配置されているため、記録処理において、上流側のヘッドから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを第2開口から吸引し、当該液体ミストが下流側のヘッドに付着するのを抑制することができる。したがって、2つのヘッドが互いに異なる色の液体を吐出する場合は液体の混色を抑制することができ、2つのヘッドが互いに異なる性質の液体を吐出する場合は液体の変質(凝集等)を抑制することができる。また、第2開口がローラの上流側に配置されているため、下流側のヘッドの吐出空間に供給された加湿空気を、ローラを経由して第2開口から吸引することで、ローラに確実に導くことができる。さらに、記録処理において、上流側のヘッドから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを第2開口から吸引し、当該液体ミストがローラに付着するのを抑制することができる。
前記気流生成部は、前記搬送方向に関して前記2つの液体吐出ヘッドの下流側の位置に開口する第3開口をさらに含み、前記第3開口を介した空気の流れをさらに生成するように構成されており、前記制御部は、前記記録処理において前記複数の吐出口から液体が吐出されているときに、前記気流生成部を制御して、前記第2開口及び前記第3開口を介して空気を吸引させ、前記第2処理において、前記気流生成部を制御して、前記第2開口を介して空気を吸引させ、前記第3開口を介して空気を吸引させないようにしてよい。この場合、第3開口が2つのヘッドの下流側に配置されているため、記録処理において、下流側のヘッドから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを第3開口から吸引し、当該液体ミストが下流側のヘッドの下流側に配置された部材に付着するのを抑制することができる。また、第2処理において、第2開口及び第3開口の両方から空気を吸引させると、下流側のヘッドの吐出空間に供給された加湿空気を、第2開口及び第3開口の両方から吸引してしまい、ローラに導き難くなる。これに対し、上記構成によれば、第2処理において、第2開口を介して空気を吸引させ、第3開口を介して空気を吸引させないようにすることで、下流側のヘッドの吐出空間に供給された加湿空気を、ローラを経由して第2開口から吸引し、ローラに効率良く導くことができる。
前記制御部は、前記第2処理において、前記気流生成部を制御して、前記第3開口を介して空気を排出させてよい。この場合、第3開口から下流側のヘッドの吐出空間及びローラを経由して第2開口に至る、気流が生成される。これにより、下流側のヘッドの吐出空間に供給された加湿空気を、より効率良くローラに導くことができる。
前記制御部は、前記第2処理において、前記搬送部を制御して、前記ローラを前記空気の流れに沿った方向に回転させてよい。この場合、気流生成部が生成した気流を乱すことなく、気流生成部が生成した気流と、ローラの回転に伴って生じる気流とによって、加湿空気をより効率良くローラに導くことができる。また、ローラを回転させることで、ローラの外周面全体に加湿空気を付与することができる。
前記制御部は、前記第2処理において、前記搬送部を制御して、記録媒体を少なくとも前記吐出空間に搬送させないようにしてよい。第2処理において記録媒体が吐出空間に搬送されると、記録媒体に加湿空気が供給されてしまい、加湿空気をローラに導き難くなる。これに対し、上記構成によれば、第2処理において記録媒体が吐出空間に搬送されないため、加湿空気を効率良くローラに導くことができる。
前記制御部は、前記第3処理において、前記液体吐出ヘッドを制御して、前記吐出空間に搬送された記録媒体に前記複数の吐出口から液体を吐出させないようにしてよい。第3処理においてヘッドから記録媒体に液体が吐出されると、記録媒体に付着した液体がローラに付着し、ローラの清掃効率が悪化するという問題が生じ得る。これに対し、上記構成によれば、当該問題を抑制することができる。
前記制御部は、前記第1処理において、前記閉鎖ステップ、前記加湿空気供給ステップ、及び前記開放ステップを、複数回実行してよい。この場合、第2処理において加湿空気をローラに効率良く導くことができる。
前記第1開口は、前記キャップに形成されてよい。
前記第1開口は、前記液体吐出ヘッドに形成されてよい。
本発明によると、第2処理によって、第1開口を介して吐出空間に供給された加湿空気がローラに向かう。これにより、ローラの外周面に付着した異物に、水分が付与される。その後、第3処理によって、記録媒体が搬送されると、水分を含んで柔らかくなった異物が、記録媒体に付着し、ローラの外周面から除去される。このように、吐出口内の液体の増粘を抑制するために吐出空間に供給される加湿空気を利用して、ローラの外周面に付着した異物を効率良く除去することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るインクジェット式プリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、直方体形状の筐体1aを含む。筐体1aの天板上部には、排紙部31が設けられている。筐体1aの内部空間には、2つのヘッド10a,10b、2つのプラテン5、2つのキャップ部40、搬送部20、給紙部1c、気流生成部60、用紙センサ32、コントローラ1p、加湿部50(図6参照)等が収容されている。筐体1aの内部空間には、給紙部1cから排紙部31に向けて、図1に示す太矢印に沿って、用紙Pが搬送される搬送経路が形成されている。
ヘッド10a,10bは、互いに同じ構造であり、主走査方向(図1の紙面に垂直な方向)に長尺な略直方体形状を有する、ラインヘッドである。ヘッド10a,10bは、搬送部20による搬送方向(図1において太矢印で示す方向。以下、単に「搬送方向」と称す。)に関して、隣接して配置されている。ヘッド10a,10bの下面は、複数の吐出口14aが開口した吐出面10xである(図3及び図4参照)。ヘッド10a,10bの吐出口14aからはそれぞれ前処理液及びブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する場合がある。)が吐出される。前処理液は、インク中の成分を凝集又は析出させることにより、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する。前処理液は、カチオン系高分子、多価金属塩(例えば、マグネシウム塩)等を含有してよい。
ヘッド10a,10bは、副走査方向(主走査方向及び鉛直方向と直交する方向)に離隔して配置され、ホルダ3(図6参照)を介して筐体1aに支持されている。ホルダ3は、吐出面10xとプラテン5の支持面5aとの間に記録(画像形成)に適した所定の間隙が形成されるように、ヘッド10a,10bを支持している。
プラテン5は、ヘッド10a,10b毎に設けられており、対応するヘッド10a,10bの下方に配置されている。各プラテン5は、2つのプレート6a,6bを含む。プレート6a,6bは、軸7a,7bを中心としてそれぞれ回動可能である。各プラテン5は、コントローラ1pによる制御の下、プラテン回動モータ5M(図7参照)の駆動により回動する。このときプラテン5は、支持面形成位置(図1及び図5(a)参照)と開放位置(図5(b)参照)とを取り得る。支持面形成位置では、プレート6a,6bの先端同士が突き合わされ、用紙Pを支持する支持面5aが形成されている。支持面5aは、吐出面10xと所定の間隙を介して対向し、全体として平面状である。開放位置では、プレート6a,6bが下方に垂れ下がっている。
プラテン5は、用紙Pが搬送されるとき(例えば、記録制御において記録処理S3が実行されるとき、ローラ清掃制御においてS25が行われるとき等)、支持面形成位置に配置され、それ以外のとき(例えば、ローラ清掃制御においてS14〜S24が行われるとき)、開放位置に配置される。
キャップ部40は、ヘッド10a,10b毎に設けられている。各キャップ部40は、キャップ44、及び、区画部昇降機構45を含む(図5及び図6参照)。キャップ44は、区画部41、対向部42、及び2つのジョイント48,49を含む。区画部41は、吐出面10xを囲む環状の部材であり、ホルダ3に支持されている。区画部41は、ゴム等の弾性材料からなる、対向部42は、区画部41より一回り大きくかつプラテン5と略同じサイズを有する矩形状の板であり、対応するヘッド10a,10bの下方に配置されている。対向部42は、水分を吸収しない又は吸収し難い材料(例えばガラスや金属)からなる。ジョイント48,49は、図6に示すように、区画部41に取り付けられており、対応するヘッド10a,10bの主走査方向一端側及び他端側の両側面にそれぞれ配置されている。区画部昇降機構45は、複数のギア43、及び、区画部昇降モータ41M(図7参照)を含む。キャップ部40のより具体的な構成及び動作については、後に詳述する。
搬送部20は、用紙Pを各ヘッド10a,10bの吐出空間V1を経由させて搬送方向に搬送するように構成されており、ローラ対22,23,24,25,26,27、ガイド29a,29b,29c,29d,29e、及び中間ローラ21を含む。吐出空間V1とは、複数の吐出口14aと対向する空間をいう。
ローラ対22〜27は、搬送経路を形成するよう、搬送方向上流側からこの順で配置されている。各ローラ対22〜27のうち、一方のローラは、駆動ローラであり、搬送モータ20M(図7参照)に接続されている。駆動ローラは、コントローラ1pによる制御の下、搬送モータ20Mの駆動により回転する。各ローラ対22〜27のうち、他方のローラは、従動ローラであり、上記駆動ローラの回転に伴って回転する。なお、図7には1の搬送モータ20Mのみを示しているが、搬送モータ20Mは、ローラ対22〜27に対して個別に設けられている。したがって、ローラ対22〜27は、正方向(用紙Pを搬送方向に搬送する方向)及び逆方向(正方向とは逆の方向)に、独立して駆動可能である。
ローラ対24は、搬送方向に関して、ヘッド10a,10bの間で、ヘッド10bに近接して配置されている。ローラ対24を構成する2つのローラ24a,24bは、外周部分がセラミックス等の硬質な材料からなる。これにより、ヘッド10bの吐出空間V1に向けて用紙Pを高い精度で搬送することができる。ローラ対24以外のローラ対を構成する各ローラは、外周部分がゴム等の弾性材料からなる。
ガイド29a〜29eは、搬送経路を形成するよう、搬送方向上流側からこの順で配置されている。各ガイド29a〜29eは、互いに面方向に対向して離隔配置された一対の板を含む。
中間ローラ21は、ヘッド10aとローラ対24との間の、搬送経路に対して上側の位置に配置されている。中間ローラ21は、例えば拍車ローラであり、表面に前処理液が着弾した用紙Pを、当該表面が他の部分に接触することがないよう、ローラ対24に導く。
給紙部1cは、給紙トレイ1c1及び給紙ローラ1c2を有する。このうち給紙トレイ1c1が、筐体1aに対して着脱可能である。給紙トレイ1c1は、上面が開口した箱であり、複数の用紙Pを収容可能である。給紙ローラ1c2は、コントローラ1pによる制御の下、給紙モータ1cM(図7参照)の駆動により回転し、給紙トレイ1c1内で最も上方にある用紙Pを送り出す。
気流生成部60は、第1ユニット60x及び第2ユニット60yを含む。第1ユニット60x及び第2ユニット60yは、互いに同じ構成であり、それぞれ、ダクト61x,61y及びファン62x,62yを含み、ダクト61x,61yの先端に設けられた開口61xa,61yaを介した空気の流れを生成するように構成されている。
開口61xaは、搬送方向に関して、ヘッド10a,10bの間で、中間ローラ21の下流側、かつ、ローラ対24の上流側に、配置されている。開口61yaは、搬送方向に関して、ヘッド10a,10bの下流側、かつ、ローラ対25の上流側に、配置されている。開口61xa,61yaは、共に、搬送経路に対して上側の位置であって、ローラ対24,25を構成する2つのローラのうち搬送経路上側にあるローラよりも若干上方の位置に、配置されている。
ファン62x,62yは、コントローラ1pによる制御の下、正方向及び逆方向に、独立して駆動可能である。ファン62x,62yが正方向に駆動すると、開口61xa,61yaを介して、ダクト61x,61y内に空気が吸引される。ファン62x,62yが逆方向に駆動すると、開口61xa,61yaを介して、ダクト61x,61yから空気が排出される。以下、第1ユニット60xのファン62xを「第1ファン」、第2ユニット60yのファン62yを「第2ファン」と称す場合がある。
コントローラ1pは、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)に加え、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)、タイマ等を含む。ROMは、CPUが実行するプログラム、各種固定データ等を記憶している。RAMは、プログラム実行時に必要なデータ(例えば、画像データ)を一時的に記憶する。ASICは、画像データの書き換えや並び替え(例えば、信号処理や画像処理)を行う。I/Fは、外部装置(例えば、プリンタ1に接続されたPC)とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検知信号の入力/出力を行う。なお、コントローラ1pがASICを含まず、CPUが実行するプログラムによって画像データの書き換えや並び替えが行われてもよい。
コントローラ1pは、外部装置から受信した記録指令に基づいて、用紙Pに画像が記録されるよう、記録に係わる準備動作、用紙Pの供給・搬送・排出動作、用紙Pの搬送に同期した液体吐出動作等を制御する。用紙Pは、給紙部1cから送り出され、ローラ対22〜27及びガイド29a〜29eにより、搬送方向に搬送される。用紙Pは、ヘッド10a,10bの真下(支持面5aの上)を通過する際に、コントローラ1pの制御により吐出口14a(図4参照)から順次液体が吐出されることで、表面に画像が記録される。吐出口14aからの液体吐出動作は、用紙センサ32からの用紙先端検知信号に基づいて行われる。画像が記録された用紙Pは、筐体1a上部に形成された開口30から排紙部31に排出される。
次いで、図2〜図4を参照し、ヘッド10a,10bの構成について詳細に説明する。なお、図3では、アクチュエータユニット17の下側にあって点線で示すべき圧力室16及びアパーチャ15を実線で示している。
各ヘッド10a,10bは、流路ユニット12、8つのアクチュエータユニット17、8つのFPC(平型柔軟基板)19、リザーバユニット、回路基板等を含む。
流路ユニット12は、略同一サイズの矩形状の9枚の金属プレート12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,12iを積層した積層体であり、内部に流路が形成されている。当該流路は、マニホールド流路13、副マニホールド流路13a、及び個別流路14を含む。流路ユニット12の上面12xには、開口12yが形成されている。マニホールド流路13は、一端に開口12yを有し、他端において複数の副マニホールド流路13aに分岐している。個別流路14は、吐出口14a毎に設けられており、副マニホールド流路13aの出口から、流路抵抗調整用の絞りであるアパーチャ15、及び圧力室16を介して、吐出口14aに至る流路である。流路ユニット12における上面12xとは反対側の下面が、吐出面10xである。
1の吐出口14aに対して、1の圧力室16が接続している。圧力室16の開口は、略菱形形状である。圧力室16は、上面12xにおいてマトリクス状に配置され、圧力室群を構成している。圧力室群の占める領域は、アクチュエータユニット17の固定領域に対応している。各圧力室16の開口は、アクチュエータユニット17で閉鎖されている。吐出口14aは、吐出面10xにおける、アクチュエータユニット17の固定領域と対向する領域で、マトリクス状に配置されている。
8つのアクチュエータユニット17は、図2に示すように、主走査方向に沿って2列の千鳥状に配置され、上面12xに固定されている。各アクチュエータユニット17は、台形の外形をそれぞれ有する2つの圧電層の積層体である。2つの圧電層のうち圧力室16から遠い方の圧電層は、共通電極と個別電極に挟まれている。共通電極は、当該圧電層における圧力室16に近い面に形成されており、個別電極は、当該圧電層における圧力室16から遠い面に形成されている。個別電極は、圧力室16毎に設けられており、圧力室16に対向して配置されている。アクチュエータユニット17において各個別電極と各圧力室16とで挟まれた部分が、圧力室16毎に個別のユニモルフ型アクチュエータとして機能する。各アクチュエータは、独立して変形可能であり、FPC19を介して駆動電圧が印加されると、ユニモルフ変形し、対応する圧力室16の容積を変化させる。このとき、圧力室16内の液体にエネルギーが付与され、吐出口14aから液体が吐出される。
8つのFPC19は、8つのアクチュエータユニット17のそれぞれに接続されている。各FPC19は、一端がアクチュエータユニット17、他端が回路基板に固定され、その途中部にドライバICが実装されている。回路基板は、コントローラ1pから入力された信号を調整し、調整した信号をFPC19の配線を介してドライバICに出力する。ドライバICは、この信号を駆動信号に変換し、駆動信号をアクチュエータユニット17の各電極に伝達する。
リザーバユニットは、内部にリザーバを含む流路が形成されている。当該流路は、一端がチューブ等を介してカートリッジ、他端が流路ユニット12の流路と接続している。リザーバには、カートリッジ(図示略)から供給された液体が一時的に貯留される。リザーバユニットの下面には、凹凸が設けられている。凸部は、アクチュエータユニット17を避けるようにして、先端面が上面12xに固定されている。リザーバと接続した流路が、凸部の先端面に開口し、開口12yと接続している。凹部は、上面12x、アクチュエータユニット17の表面、及びFPC19の表面と、若干の隙間を介して対向している。
次いで、図5及び図6を参照し、キャップ部40及び加湿部50の構成及び動作について説明する。
キャップ44のうち、区画部41は、対応するヘッド10a,10bの側面全周に亘って固定された部分と、当該側面に沿って移動可能な部分とを含む。区画部41は、吐出面10xを外側から包囲している。区画部41は、複数のギア43と接続されており、コントローラ1pによる制御の下、区画部昇降モータ41M(図7参照)の駆動により、昇降する。対向部42は、コントローラ1pによる制御の下、対向部昇降モータ42M(図7参照)の駆動により、昇降する。対向部42が上方位置に配置されているときの対向部42の表面42aと吐出面10xとの離隔距離は、プラテン5が支持面形成位置に配置されているときの支持面5aと吐出面10xとの離隔距離に等しい。
対向部42は、用紙Pが搬送されるとき(例えば、記録制御において記録処理S3が実行されるとき、ローラ清掃制御においてS25が行われるとき等)、下方位置に配置され、それ以外のとき(例えば、ローラ清掃制御においてS14〜S24が行われるとき)、上方位置に配置される。
キャップ44は、吐出空間V1を吐出空間V1の外部の空間である外部空間V2に対して閉鎖する閉鎖状態(図5(b)及び図6参照)と、吐出空間V1を外部空間V2に対して開放する開放状態(図1及び図5(a)参照)とを取り得るように構成されている。コントローラ1pは、キャップ44を閉鎖状態にする場合、プラテン5を開放位置かつ対向部42を上方位置に維持しつつ、区画部昇降モータ41Mを制御して、区画部41を下降させる。このとき、区画部41の先端41aが表面42aに接触することによって、吐出空間V1が外部空間V2に対して閉鎖される。一方、コントローラ1pは、キャップ44を開放状態にする場合、区画部昇降モータ41Mを制御して、区画部41を上昇させる。このとき、区画部41の先端41aが表面42aから離隔することによって、吐出空間V1が外部空間V2に対して開放される。
加湿部50は、図6に示すように、タンク51、2本のチューブ52a、2本のチューブ52c、及び2つの加湿ポンプ50Pを含む。タンク51は、加湿液(例えば、純水、又は、防腐剤を添加した水)を貯留している。チューブ52a、チューブ52c、及び加湿ポンプ50Pは、それぞれ、ヘッド10a,10b毎に設けられている。チューブ52aは、タンク51と、対応するヘッド10a,10bに設けられたジョイント48とを接続している。チューブ52cは、タンク51と、対応するヘッド10a,10bに設けられたジョイント49とを接続している。加湿ポンプ50Pは、各チューブ52cの途中部に設けられている。
コントローラ1pによる制御の下、加湿ポンプ50Pが駆動すると、吐出空間V1内の空気は、ジョイント48の下面の開口48xから回収され、チューブ52aを通り、タンク51内に流入する。当該流入した空気は、タンク51内に貯留された加湿液によって加湿された後、チューブ52cを通り、ジョイント49の下面の開口49xを介して、吐出空間V1に供給される。このように、加湿部50は、開口49xを介して吐出空間V1に加湿空気を供給するように構成されている。開口48x,49xは、共に、吐出空間V1に開口している。
図6において、黒塗りの矢印は加湿前の空気の流れを示し、白抜きの矢印は加湿空気の流れを示す。
上記のような吐出空間V1への加湿空気の供給は、例えば記録指令が所定時間以上受信されなかったときに、キャップ44を閉鎖状態に維持しつつ、行われる。これにより、吐出口14a内の液体の増粘が抑制される。
本実施形態では、開口49xが第1開口、開口61xaが第2開口、開口61yaが第3開口に相当する。開口61xaは、搬送方向に関して、ヘッド10bに対応する加湿部50の開口49xとでローラ対24を挟む位置に、配置されている。開口49xは、キャップ44(詳細には、キャップ44の構成要素であるジョイント49)に形成されている。
次いで、図8を参照し、コントローラ1pが実行する記録制御について説明する。
コントローラ1pは、先ず、記録指令を受信したか否かを判断する(S1)。記録指令を受信した場合(S1:YES)、コントローラ1pは、第1ファン62x及び第2ファン62yを正方向に駆動させる(S2)。S2の後、コントローラ1pは、記録指令に基づいて、ヘッド10a,10b、給紙モータ1cM、及び搬送部20を制御して、記録処理を実行する(S3)。記録処理S3において、吐出空間V1に搬送された用紙Pに複数の吐出口14aから液体が吐出され、用紙Pに画像が記録される。S3の後、コントローラ1pは、第1ファン62x及び第2ファン62yの駆動を停止させる(S4)。S4の後、コントローラ1pは、当該ルーチンを終了する。
次いで、図9を参照し、コントローラ1pが実行するローラ清掃制御について説明する。
コントローラ1pは、先ず、ローラ清掃指令を受信したか否かを判断する(S11)。ローラ清掃指令は、例えば、ユーザがローラ清掃ボタンを押下したとき、所定枚数の用紙Pに対する記録が完了したとき等に、受信される。ローラ清掃指令を受信した場合(S11:YES)、コントローラ1pは、キャップ44が閉鎖状態であるか否かを判断する(S12)。キャップ44が閉鎖状態でない場合(S12:NO)、コントローラ1pは、区画部昇降モータ41M(図7参照)等を制御して、キャップ44を閉鎖状態とする(S13)。
キャップ44が閉鎖状態である場合(S12:YES)、又は、S13の後、コントローラ1pは、第1ファン62xを正方向に駆動させ、第2ファン62yを逆方向に駆動させる(S14)。S14の後、コントローラ1pは、搬送モータ20M(図7参照)を制御して、図10(b)に示すように、ローラ対24を逆方向に回転させ、ローラ対25を正方向に回転させる(S15)。
S15の後、コントローラ1pは、「d=1」とする(S16)。S16の後、コントローラ1pは、加湿ポンプ50Pを駆動させる(S17)。これにより、吐出空間V1に加湿空気が供給され、閉鎖された吐出空間V1の湿度が上昇し始める。
S17の後、コントローラ1pは、S17で加湿ポンプ50Pを駆動させてから所定時間T1が経過したか否かを判断する(S18)。所定時間T1は、時間T以上の時間に、設定されている。時間Tは、図10(c)に示すように、キャップ44を閉鎖状態に維持しつつ吐出空間V1に加湿空気の供給を開始した時点t0から、閉鎖された吐出空間V1の湿度が上限湿度H1に至る時点t1までの、時間である。例えば、プリンタ1の製造過程において、吐出空間V1に湿度センサを配置し、キャップ44を閉鎖状態に維持しつつ吐出空間V1に加湿空気を供給して、湿度センサからの信号に基づく湿度と時間との関係を求めてよい。そして、当該関係から時間Tを取得し、時間Tに基づいて所定時間T1を適宜設定してよい。
所定時間T1が経過した場合(S18:YES)、コントローラ1pは、区画部昇降モータ41M(図7参照)を制御して、キャップ44を開放状態とする(S19)。これにより、図10(b)に示すように、各ヘッド10a,10bの吐出空間V1に供給された加湿空気が、開口61xaを介してダクト61x内に吸引される。また、ダクト61yから排出された空気が、四方に分散し、開口61yaからヘッド10bの吐出空間V1及びローラ対24を経由して開口61xaに至る、気流が生成される。
S19の後、コントローラ1pは、S19でキャップ44を開放状態としてから所定時間T2が経過したか否かを判断する(S20)。所定時間T2は、開口61xaに向かう加湿空気によってローラ24a,24bの外周面に付着した異物が水分を含んで十分に柔らかくなるのに要する時間であり、加湿空気の量・温度・湿度・速度等に依存する。所定時間T2は、例えば、プリンタ1の製造過程において、実測等により、設定されてよい。
所定時間T1,T2は、コントローラ1pのROMに予め記憶されている。
所定時間T2が経過した場合(S20:YES)、コントローラ1pは、「d=n(nは、2以上の自然数)」か否かを判断する(S21)。「d=n」でない場合(S21:NO)、コントローラ1pは、「d=d+1」とし(S22)、その後、区画部昇降モータ41M(図7参照)を制御して、キャップ44を閉鎖状態とする(S23)。S23の後、コントローラ1pは、処理をS18に戻す。
「d=n」の場合(S21:YES)、コントローラ1pは、ファン62x,62y、ローラ対24,25、及び加湿ポンプ50Pの駆動を停止させる(S24)。S24の後、コントローラ1pは、給紙モータ1cM及び搬送モータ20M(図7参照)を制御して、清掃用の用紙Pを、給紙部1cから送り出し、ローラ対22〜27を経由させて搬送方向に搬送させ、排紙部31に排出させる(S25)。S25の後、コントローラ1pは、当該ルーチンを終了する。
以上に述べたように、本実施形態において、コントローラ1pは、加湿部50を制御して、開口49xを介して吐出空間V1に加湿空気を供給させる、第1処理と、気流生成部60を制御して、開口49xを介して吐出空間V1に供給された加湿空気がローラ対24に向かうように開口61xaを介して空気を吸引させる、第2処理と、第2処理の後に、搬送部20を制御して、用紙Pをローラ対24を経由させて搬送させる、第3処理と、を実行する。第1処理は、区画部昇降モータ41Mを制御して、キャップ44を閉鎖状態とする、閉鎖ステップ(S13,S23)と、閉鎖ステップの後、区画部昇降モータ41M及び加湿部50を制御して、キャップ44を閉鎖状態に維持しつつ、開口49xを介して吐出空間V1に加湿空気を供給させる、加湿空気供給ステップ(S17)と、加湿空気供給ステップの後、区画部昇降モータ41Mを制御して、キャップ44を開放状態とする、開放ステップ(S19)とを含む。第2処理は、S19でキャップ44を開放状態としてから所定時間T2が経過するまでの間、S14で駆動開始されたファン62x,62yの駆動を維持する処理に対応する。第3処理は、S25に対応する。
第2処理によって、開口49xを介して吐出空間V1に供給された加湿空気がローラ対24に向かう。これにより、ローラ24a,24bの外周面に付着した異物に、水分が付与される。その後、第3処理によって、用紙Pが搬送されると、水分を含んで柔らかくなった異物が、用紙Pに付着し、ローラ24a,24bの外周面から除去される。このように、吐出口14a内の液体の増粘を抑制するために吐出空間V1に供給される加湿空気を利用して、ローラ24a,24bの外周面に付着した異物を効率良く除去することができる。
開口49xは、図2及び図6に示すように、搬送方向(副走査方向)に関してローラ24a,24bと部分的に対向する位置(詳細には、ヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍)に配置されている。開口49xが上記のような位置に配置されている場合、第1処理において、キャップ44を開放状態としたまま吐出空間V1への加湿空気の供給を行うと、搬送方向及び複数の吐出口14aからの液体の吐出方向(鉛直方向)と直交する直交方向(主走査方向)に関して、ローラ24a,24bに部分的にしか加湿空気を導くことができないという問題が生じ得る。これに対し、本実施形態によれば、第1処理において、先ず、閉鎖ステップ(S13,S23)においてキャップ44を閉鎖状態とし、その後、キャップ44を閉鎖状態に維持しつつ、吐出空間V1に加湿空気を供給する(S17)。これにより、吐出空間V1内に、均一に加湿空気を供給することができる。その後、開放ステップ(S19)においてキャップ44を開放状態として、第2処理において加湿空気をローラ24a,24bに向かわせる。これにより、直交方向に関してローラ24a,24bに均一に加湿空気を導くことができ、上記問題を抑制することができる。
なお、開口49xがヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍に配置されているのは、ヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍にある吐出口14aに加湿空気を効率良く供給するためである。具体的には、プリンタ1の使用が長期間に及ぶと、区画部41の内壁に液体が付着し得る。当該液体は、乾燥すると、乾燥剤(水分の吸収源)として機能し、キャップ44が閉鎖状態にあるときに吐出空間V1の乾燥を助長し得る。ヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍は、区画部41によって3方向から囲まれており、区画部41によって2方向から囲まれている主走査方向中央部近傍に比べ、内壁の影響が強い。したがって、ヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍にある吐出口14aは、ヘッド10a,10bの主走査方向中央部近傍にある吐出口14aに比べ、乾燥し易い傾向にある。この点、本実施形態では、開口49xがヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍に配置されているため、ヘッド10a,10bの主走査方向端部近傍にある吐出口14aに対して加湿空気を効率良く供給することができ、当該吐出口14aの乾燥を抑制することができる。
コントローラ1pは、記録処理S3において複数の吐出口14aから液体が吐出されているときに、気流生成部60を制御して、開口61xaを介して空気を吸引させる(図8のS2〜S4参照)。即ち、気流生成部60は、記録処理S3において複数の吐出口14aから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを吸引するという機能を有する。したがって、本実施形態によれば、プリンタ1が液体ミスト吸引用の構成要素を含む場合に、当該構成要素を気流生成部60として用いることができるため、ローラ清掃用の気流生成部60を別途設ける必要がなく、装置構成の簡素化や装置の小型化を実現することができる。
開口61xaがヘッド10a,10bの間に配置されているため、記録処理S3において、ヘッド10aから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを開口61xaから吸引し、当該液体ミストがヘッド10bに付着するのを抑制することができる。したがって、ヘッド10a,10bが互いに異なる色の液体を吐出する場合は液体の混色を抑制することができ、ヘッド10a,10bが互いに異なる性質の液体を吐出する場合は液体の変質(凝集等)を抑制することができる(本実施形態では、後者の効果を得ることができる)。また、開口61xaがローラ対24の上流側に配置されているため、ヘッド10bの吐出空間V1に供給された加湿空気を、ローラ対24を経由して開口61xaから吸引することで、ローラ24a,24bに確実に導くことができる。さらに、記録処理S3において、ヘッド10aから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを開口61xaから吸引し、当該液体ミストがローラ24a,24bに付着するのを抑制することができる。
気流生成部60は、開口61xaに加えて、開口61yaを含み、開口61yaを介した空気の流れをさらに生成するように構成されている。コントローラ1pは、記録処理S3において複数の吐出口14aから液体が吐出されているときに、気流生成部60を制御して、開口61xa及び開口61yaを介して空気を吸引させる(図8のS2〜S4参照)。これにより、記録処理S3において、ヘッド10bから液体が吐出されることによって生じる液体ミストを開口61yaから吸引し、当該液体ミストがヘッド10bの下流側に配置された部材に付着するのを抑制することができる。また、第2処理において、開口61xa及び開口61yaの両方から空気を吸引させると、ヘッド10bの吐出空間V1に供給された加湿空気を、開口61xa及び開口61yaの両方から吸引してしまい、ローラ24a,24bに導き難くなる。これに対し、本実施形態によれば、コントローラ1pは、第2処理において、気流生成部60を制御して、開口61xaを介して空気を吸引させ、開口61yaを介して空気を吸引させないようにする(図9のS14参照)。これにより、ヘッド10bの吐出空間V1に供給された加湿空気を、ローラ対24を経由して開口61xaから吸引し、ローラ24a,24bに効率良く導くことができる。
コントローラ1pは、第2処理において、気流生成部60を制御して、開口61yaを介して空気を排出させる(図9のS14参照)。この場合、開口61yaからヘッド10bの吐出空間V1及びローラ対24を経由して開口61xaに至る、気流が生成される。これにより、ヘッド10bの吐出空間V1に供給された加湿空気を、より効率良くローラ24a,24bに導くことができる。
コントローラ1pは、第2処理において、搬送部20を制御して、ローラ24a,24bを、開口61xaを介した空気の流れに沿った方向に回転させる(図9のS15,図10(b)参照)。これにより、気流生成部60が生成した気流を乱すことなく、気流生成部60が生成した気流と、ローラ24a,24bの回転に伴って生じる気流とによって、加湿空気をより効率良くローラ24a,24bに導くことができる。また、ローラ24a,24bを回転させることで、ローラ24a,24bの外周面全体に加湿空気を付与することができる。
第2処理において用紙Pが吐出空間V1に搬送されると、用紙Pに加湿空気が供給されてしまい、加湿空気をローラ24a,24bに導き難くなる。これに対し、本実施形態によれば、コントローラ1pは、第2処理において、搬送部20を制御して、用紙Pを少なくとも吐出空間V1に搬送させないようにする。これにより、加湿空気を効率良くローラ24a,24bに導くことができる。
第3処理(S25)においてヘッド10a,10bから用紙Pに液体が吐出されると、用紙Pに付着した液体がローラ24a,24bに付着し、ローラ24a,24bの清掃効率が悪化するという問題が生じ得る。これに対し、本実施形態によれば、コントローラ1pは、第3処理において、ヘッド10a,10bを制御して、吐出空間V1に搬送された用紙Pに複数の吐出口14aから液体を吐出させないようにする。これにより、上記問題を抑制することができる。
コントローラ1pは、第1処理において、閉鎖ステップ、加湿空気供給ステップ、及び開放ステップを、複数回(n回)実行する(図9のS12〜S23。特に、S21〜S23参照)。この場合、第2処理において加湿空気をローラ24a,24bに効率良く導くことができる。
続いて、図11(a),(b),(c)を参照し、本発明の第2、第3、及び第4実施形態に係るインクジェット式プリンタについて、説明する。
第2実施形態に係るプリンタは、第1ユニット60xの位置を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同じ構成である。第2実施形態において、第1ユニット60x及びこれに含まれる開口61xaは、図11(a)に示すように、搬送方向に関して、ヘッド10a,10bの間で、ローラ対24の下流側に、配置されている。第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、各ヘッド10a,10bの吐出空間V1に供給された加湿空気が、開口61xaを介してダクト61x内に吸引される。
第3実施形態に係るプリンタは、キャップ部の構成を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同じ構成である。第3実施形態に係るキャップ部340は、図11(b)に示すように、上面に吐出面10xと略同じサイズの凹部を有する1の凹部材からなるキャップ344、及び、キャップ昇降機構345を含む。キャップ昇降機構345は、複数のギア343、及び、キャップ昇降モータ(図示略)を含む。キャップ344は、第1実施形態に係る対向部42の周縁に沿って区画部41が立設されるように、区画部41と対向部42とを一体にしたものである。キャップ344は、複数のギア343と接続されており、コントローラ1pによる制御の下、キャップ昇降モータの駆動により昇降し、先端が吐出面10xに接触することで吐出空間V1を外部空間V2に対して閉鎖する閉鎖状態と、先端が吐出面10xから離隔することで吐出空間V1を外部空間V2に対して開放する開放状態とを取り得る。キャップ344の底壁の中心(主走査方向及び副走査方向の両方向の中心)に、加湿空気の供給口(即ち、第1開口)349xが開口している。加湿空気の排出口は、任意の位置に開口してよい。
第4実施形態に係るプリンタは、ヘッド、キャップ部、及び加湿部の構成を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同じ構成である。第4実施形態に係るキャップ部440は、図11(c)に示すように、上面に吐出面10xと略同じサイズの凹部を有する1の凹部材からなるキャップ444、及び、キャップ昇降機構445を含む。キャップ昇降機構445は、第3実施形態に係るキャップ昇降機構345と略同じ構成であり、複数のギア443、及び、キャップ昇降モータ(図示略)を含む。キャップ444は、第3実施形態に係るキャップ344と略同じ構成であるが、加湿空気の供給口(即ち、第1開口)449xが、キャップ444の底壁ではなく、ヘッド10a,10bに形成されている。加湿部50のチューブ52a,52xは、ヘッド10a,10bの内部を通り、吐出面10xに開口した開口448x,449xとそれぞれ接続している。吐出空間V1内の空気は開口448xから排出され、開口449xから吐出空間V1に加湿空気が供給される。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
キャップ部について:
・キャップは、上述した形態に限定されない。例えば、搬送部がベルト搬送形式の場合、キャップは、対向部42の代わりに搬送ベルトを含んでよい。この場合、先端41aが搬送ベルトの表面に接触することによって、吐出空間V1が外部空間V2に対して閉鎖される。
・移動部は、上述した形態に限定されない。例えば、移動部は、ギア43の代わりに、ラックギア及びピニオンギアを含んでもよいし、ソレノイドを含んでもよい。また、液体吐出ヘッドがシリアル式の場合、ヘッドの移動に伴って、キャップがヘッドに対して相対移動することにより、キャップが閉鎖状態と開放状態とを取ってもよい。
・キャップは、上述した形態に限定されない。例えば、搬送部がベルト搬送形式の場合、キャップは、対向部42の代わりに搬送ベルトを含んでよい。この場合、先端41aが搬送ベルトの表面に接触することによって、吐出空間V1が外部空間V2に対して閉鎖される。
・移動部は、上述した形態に限定されない。例えば、移動部は、ギア43の代わりに、ラックギア及びピニオンギアを含んでもよいし、ソレノイドを含んでもよい。また、液体吐出ヘッドがシリアル式の場合、ヘッドの移動に伴って、キャップがヘッドに対して相対移動することにより、キャップが閉鎖状態と開放状態とを取ってもよい。
加湿部について:
・加湿部のタンクに、加湿液を加熱するヒータを設けてもよい。これにより、加湿空気を効率よく生成することができる。
・加湿部は、加湿液を貯留するタンクを用いた構成に限定されず、任意の構成(例えば、ミスト発生装置を用いて第1開口からミストを供給する構成、超音波式や加熱式の加湿方式を用いた構成)であってよい。
・第1開口は、吐出空間に開口する限りは、キャップやヘッドに限定されず、任意の部材に形成されてよい。
・第1開口は、吐出空間に開口する限り、任意の位置に配置されてよい。例えば、第1開口は、吐出空間における直交方向(主走査方向)の端部(図6参照)、及び、吐出空間における直交方向の中心(図11(b)参照)のいずれに配置されてもよい。また、第1開口は、例えば直交方向に延在することで、搬送方向に関してローラと部分的に対向する位置ではなく、搬送方向に関してローラと全体的に対向する位置に配置されてもよい。
・加湿部のタンクに、加湿液を加熱するヒータを設けてもよい。これにより、加湿空気を効率よく生成することができる。
・加湿部は、加湿液を貯留するタンクを用いた構成に限定されず、任意の構成(例えば、ミスト発生装置を用いて第1開口からミストを供給する構成、超音波式や加熱式の加湿方式を用いた構成)であってよい。
・第1開口は、吐出空間に開口する限りは、キャップやヘッドに限定されず、任意の部材に形成されてよい。
・第1開口は、吐出空間に開口する限り、任意の位置に配置されてよい。例えば、第1開口は、吐出空間における直交方向(主走査方向)の端部(図6参照)、及び、吐出空間における直交方向の中心(図11(b)参照)のいずれに配置されてもよい。また、第1開口は、例えば直交方向に延在することで、搬送方向に関してローラと部分的に対向する位置ではなく、搬送方向に関してローラと全体的に対向する位置に配置されてもよい。
搬送部について:
・ローラは、搬送方向に関してヘッドに近接して配置される限りは、ヘッドの搬送方向下流側及び上流側のいずれに配置されてもよく、また、ヘッドとの間に他の部材(ガイド部材等)を介在してもよい。
・ローラは、対で設けられることに限定されない。上述の実施形態のようにローラが対で設けられている場合、ローラ対を構成する2つのローラのうち少なくとも一方が清掃されればよい。
・搬送部を構成する複数のローラは、上述の実施形態のように個別のモータにより独立して駆動可能であってもよいし、共通のモータにより共通の態様で駆動可能であってもよい。
・ローラは、搬送方向に関してヘッドに近接して配置される限りは、ヘッドの搬送方向下流側及び上流側のいずれに配置されてもよく、また、ヘッドとの間に他の部材(ガイド部材等)を介在してもよい。
・ローラは、対で設けられることに限定されない。上述の実施形態のようにローラが対で設けられている場合、ローラ対を構成する2つのローラのうち少なくとも一方が清掃されればよい。
・搬送部を構成する複数のローラは、上述の実施形態のように個別のモータにより独立して駆動可能であってもよいし、共通のモータにより共通の態様で駆動可能であってもよい。
気流生成部について:
・上述の実施形態では、第1及び第2ユニット60x,60yに対して個別のファン62x,62yを設けているが、第1及び第2ユニット60x,60yに共通のファンを設けてもよい。この場合、当該共通のファンの駆動により、開口61xa,61yaを介した空気の吸引又は排出が行われる。
・第3開口を省略してもよい。
・上述の実施形態では、第1及び第2ユニット60x,60yに対して個別のファン62x,62yを設けているが、第1及び第2ユニット60x,60yに共通のファンを設けてもよい。この場合、当該共通のファンの駆動により、開口61xa,61yaを介した空気の吸引又は排出が行われる。
・第3開口を省略してもよい。
制御部について:
・第1処理において、閉鎖ステップ、加湿空気供給ステップ、及び開放ステップを、複数回実行せず、1回のみ実行してもよい。また、第1処理において、これらのステップを実行しなくてもよい。例えば、キャップを開放状態としたまま、第1開口を介して吐出空間に加湿空気を供給してもよい。
・第2処理において、ファン62yの駆動を停止させることで、第3開口を介して空気を排出させず、第3開口を介した空気の吸引及び排出のいずれをも行わないようにしてもよい。
・第2処理において、ローラを空気の流れに沿った方向に回転させなくてもよい。また、上述の実施形態のS15において、ローラ対25を回転させなくてもよい。
・第3処理で用いる媒体は、ローラ清掃用の媒体、及び、記録用の媒体のいずれでもよい。
・上述の実施形態において、S18:YESの判断時点の後、加湿ポンプの駆動を一旦停止させてもよい。
・上述の実施形態において、S24とS25はどちらが先に実行されてもよい。
・上述の実施形態では、S17で加湿ポンプ50Pを駆動させてから所定時間T1が経過した後に、キャップ44を開放状態とするが、これに限定されない。例えば、所定時間T1に基づいてではなく、吐出空間V1に設けられた湿度センサからの検知信号に基づいて、吐出空間V1の湿度が所定湿度以上になったときに、キャップ44を開放状態としてもよい。
・記録処理において複数の吐出口から液体が吐出されているときに、第2開口や第3開口を介して空気を吸引させなくてもよい。
・第1処理において、閉鎖ステップ、加湿空気供給ステップ、及び開放ステップを、複数回実行せず、1回のみ実行してもよい。また、第1処理において、これらのステップを実行しなくてもよい。例えば、キャップを開放状態としたまま、第1開口を介して吐出空間に加湿空気を供給してもよい。
・第2処理において、ファン62yの駆動を停止させることで、第3開口を介して空気を排出させず、第3開口を介した空気の吸引及び排出のいずれをも行わないようにしてもよい。
・第2処理において、ローラを空気の流れに沿った方向に回転させなくてもよい。また、上述の実施形態のS15において、ローラ対25を回転させなくてもよい。
・第3処理で用いる媒体は、ローラ清掃用の媒体、及び、記録用の媒体のいずれでもよい。
・上述の実施形態において、S18:YESの判断時点の後、加湿ポンプの駆動を一旦停止させてもよい。
・上述の実施形態において、S24とS25はどちらが先に実行されてもよい。
・上述の実施形態では、S17で加湿ポンプ50Pを駆動させてから所定時間T1が経過した後に、キャップ44を開放状態とするが、これに限定されない。例えば、所定時間T1に基づいてではなく、吐出空間V1に設けられた湿度センサからの検知信号に基づいて、吐出空間V1の湿度が所定湿度以上になったときに、キャップ44を開放状態としてもよい。
・記録処理において複数の吐出口から液体が吐出されているときに、第2開口や第3開口を介して空気を吸引させなくてもよい。
その他:
・液体吐出装置に含まれる液体吐出ヘッドの数は、1以上の任意の数であってよい。
・液体吐出ヘッドは、ライン式に限定されず、シリアル式であってもよい。
・液体吐出ヘッドは、ブラックインクや前処理液以外の、任意の液体を吐出してよい。
・記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
・液体吐出装置は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機等であってもよい。
・液体吐出装置に含まれる液体吐出ヘッドの数は、1以上の任意の数であってよい。
・液体吐出ヘッドは、ライン式に限定されず、シリアル式であってもよい。
・液体吐出ヘッドは、ブラックインクや前処理液以外の、任意の液体を吐出してよい。
・記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
・液体吐出装置は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機等であってもよい。
1 インクジェット式プリンタ(液体吐出装置)
1p コントローラ(制御部)
10a,10b インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
14a 吐出口
20 搬送部
24a,24b ローラ
40;340;440 キャップ部
44 キャップ
45 区画部昇降機構(移動部)
49x;349x;449x 開口(第1開口)
50 加湿部
60 気流生成部
61xa 開口(第2開口)
61ya 開口(第3開口)
344;444 キャップ
345;445 キャップ昇降機構(移動部)
P 用紙(記録媒体)
V1 吐出空間
V2 外部空間
1p コントローラ(制御部)
10a,10b インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
14a 吐出口
20 搬送部
24a,24b ローラ
40;340;440 キャップ部
44 キャップ
45 区画部昇降機構(移動部)
49x;349x;449x 開口(第1開口)
50 加湿部
60 気流生成部
61xa 開口(第2開口)
61ya 開口(第3開口)
344;444 キャップ
345;445 キャップ昇降機構(移動部)
P 用紙(記録媒体)
V1 吐出空間
V2 外部空間
Claims (12)
- 液体を吐出するための複数の吐出口を有する、液体吐出ヘッドと、
前記複数の吐出口と対向する吐出空間を前記吐出空間の外部の空間である外部空間に対して閉鎖するように構成されたキャップ、及び、前記キャップが前記吐出空間を前記外部空間に対して閉鎖する閉鎖状態と前記吐出空間を前記外部空間に対して開放する開放状態とを取り得るよう前記キャップを移動させるように構成された移動部を含む、キャップ部と、
前記吐出空間に開口する第1開口を含み、前記第1開口を介して前記吐出空間に加湿空気を供給するように構成された、加湿部と、
記録媒体を前記吐出空間を経由させて搬送方向に搬送するように構成された搬送部であって、前記搬送方向に関して前記液体吐出ヘッドに近接して配置されたローラを含む、搬送部と、
前記搬送方向に関して前記第1開口とで前記ローラを挟む位置に開口する第2開口を含み、前記第2開口を介した空気の流れを生成するように構成された、気流生成部と、
前記液体吐出ヘッド、前記移動部、前記加湿部、前記搬送部、及び前記気流生成部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記加湿部を制御して、前記第1開口を介して前記吐出空間に加湿空気を供給させる、第1処理と、
前記気流生成部を制御して、前記第1開口を介して前記吐出空間に供給された加湿空気が前記ローラに向かうように前記第2開口を介して空気を吸引させる、第2処理と、
前記第2処理の後に、前記搬送部を制御して、記録媒体を前記ローラを経由させて搬送させる、第3処理と、
を実行することを特徴とする、液体吐出装置。 - 前記第1開口は、前記搬送方向に関して前記ローラと部分的に対向する位置に、配置されており、
前記制御部は、前記第1処理において、
前記移動部を制御して、前記キャップを前記閉鎖状態とする、閉鎖ステップと、
前記閉鎖ステップの後、前記移動部及び前記加湿部を制御して、前記キャップを前記閉鎖状態に維持しつつ、前記第1開口を介して前記吐出空間に加湿空気を供給させる、加湿空気供給ステップと、
前記加湿空気供給ステップの後、前記移動部を制御して、前記キャップを前記開放状態とする、開放ステップと、
を実行することを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記制御部は、
記録指令に基づいて、前記液体吐出ヘッド及び前記搬送部を制御して、前記吐出空間に搬送された記録媒体に前記複数の吐出口から液体を吐出させる、記録処理を実行し、
前記記録処理において前記複数の吐出口から液体が吐出されているときに、前記気流生成部を制御して、前記第2開口を介して空気を吸引させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体吐出装置。 - 複数の前記液体吐出ヘッドを備え、
前記ローラは、前記複数の液体吐出ヘッドのうち前記搬送方向に関して隣接して配置された2つの液体吐出ヘッドの間に配置されており、
前記第2開口は、前記搬送方向に関して、前記2つの液体吐出ヘッドの間で、かつ、前記ローラの上流側に、配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記気流生成部は、前記搬送方向に関して前記2つの液体吐出ヘッドの下流側の位置に開口する第3開口をさらに含み、前記第3開口を介した空気の流れをさらに生成するように構成されており、
前記制御部は、
前記記録処理において前記複数の吐出口から液体が吐出されているときに、前記気流生成部を制御して、前記第2開口及び前記第3開口を介して空気を吸引させ、
前記第2処理において、前記気流生成部を制御して、前記第2開口を介して空気を吸引させ、前記第3開口を介して空気を吸引させないようにすることを特徴とする、請求項4に記載の液体吐出装置。 - 前記制御部は、前記第2処理において、前記気流生成部を制御して、前記第3開口を介して空気を排出させることを特徴とする、請求項5に記載の液体吐出装置。
- 前記制御部は、前記第2処理において、前記搬送部を制御して、前記ローラを前記空気の流れに沿った方向に回転させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記制御部は、前記第2処理において、前記搬送部を制御して、記録媒体を少なくとも前記吐出空間に搬送させないようにすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記制御部は、前記第3処理において、前記液体吐出ヘッドを制御して、前記吐出空間に搬送された記録媒体に前記複数の吐出口から液体を吐出させないようにすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記制御部は、前記第1処理において、
前記閉鎖ステップ、前記加湿空気供給ステップ、及び前記開放ステップを、複数回実行することを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記第1開口は、前記キャップに形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記第1開口は、前記液体吐出ヘッドに形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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JP7224808B2 (ja) | 2018-08-10 | 2023-02-20 | キヤノン株式会社 | 記録装置、その制御方法、及びプログラム |
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