JP2015009395A - サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 放熱体に変形が生じにくいサーマルヘッドを供給する。
【解決手段】 サーマルヘッドX1は、基板7、基板7上に設けられ、主走査方向に配列された複数の発熱部9、および基板7上に設けられ、発熱部9に接続された電極を備えるヘッド基体3と、ヘッド基体3に隣り合うように配置され、発熱部9により生じた熱を放熱するための放熱体1とを備え、放熱体1は、主走査方向における両端部において、放熱体1の一方の長辺1eから副走査方向へ突出した突出部1bを有しており、突出部1bは、外部と固定するための固定部1dを有しており、突出部1bに隣り合うように、一方の長辺に第1切欠部が設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、サーマルヘッドおよびサーマルプリンタに関する。
従来、ファクシミリあるいはビデオプリンタ等の印画デバイスとして、種々のサーマルヘッドが提案されている。例えば、基板、基板上に設けられ、主走査方向に配列された複数の発熱部、および基板上に設けられ、発熱部に接続された電極を備えるヘッド基体と、ヘッド基体に隣り合うように配置され、発熱部により生じた熱を放熱するための放熱体とを備えるものが知られている。このサーマルヘッドは、放熱体が、主走査方向における両端部において、外部と固定するための固定部を備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−202927号公報
しかしながら、上述したサーマルヘッドでは、サーマルヘッドの駆動に伴う熱により、放熱体に熱膨張が生じ、主走査方向における両端が固定された放熱体の中央部にて、放熱体が変形し、放熱体上に配置されたヘッド基体の平坦性が保てない可能性がある。
本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドは、基板、該基板上に設けられ、主走査方向へ配列された複数の発熱部、および前記基板上に設けられ、前記発熱部に接続された電極、を備えるヘッド基体と、該ヘッド基体に隣り合うように配置され、前記発熱部により生じた熱を放熱するための放熱体とを備えている。また、該放熱体は、前記主走査方向における両端部において、前記放熱体の一方の長辺から副走査方向へ突出した突出部を有しており、該突出部は、外部と固定するための固定部を備えている。また、前記突出部に隣り合うように、前記一方の長辺に第1切欠部が設けられている。
また、本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタは、上記に記載のサーマルヘッドと、発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、発熱部上に記録媒体を押圧するプラテンローラとを備えている。
本発明によれば、放熱体に熱膨張が生じた場合においても、切欠部により変形を緩和し、放熱体上に設けたヘッド基体の平坦性を保つことができる。
本発明のサーマルヘッドの一実施形態を示す平面図である。 図1に示すI−I線断面図である。 (a)は図1に示すサーマルヘッドを構成するコネクタの斜視図、(b)は、コネクタが接続された状態を拡大して示す平面図である。 本発明のサーマルヘッドを構成する放熱体の斜視図である。 本発明のサーマルプリンタの一実施形態を示す概略図である。 本発明のサーマルヘッドの他の実施形態を構成する放熱体の斜視図である。 (a)は図6に示す放熱体の平面図であり、(b)は図6に示すII−II線断面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成する放熱体の斜視図である。 図8に示すIII−III線断面図である。 (a)は放熱体の変形例を示し、コネクタ近傍の裏面図であり、(b)は放熱体の他の変形例を示し、コネクタ近傍の裏面図である。
<第1の実施形態>
以下、サーマルヘッドX1について図1〜4を参照して説明する。図1,3(b)においては、導電性接合材23の図示を省略している。また、図1においては、保護層25および被覆層27を一点鎖線にて示しており、接続端子2については省略して示している。また、図4においては、ヘッド基体3およびコネクタ31を点線にて示している。
サーマルヘッドX1は、放熱体1と、放熱体1に隣り合うように配置されたヘッド基体3と、ヘッド基体3に接続されたコネクタ31とを備えている。
放熱体1は、直方体形状をなしており、基板7が載置される台部1aと、突出部1bと、第1切欠部1cと、固定部1dと、一方の長辺1eとを有している。放熱体1の上方には基板7とコネクタ31のハウジング10の一部が配置されている。
放熱体1は、平面視してほぼ矩形状に形成されており、一方の長辺1eが主走査方向に沿って配置されている。放熱体1は、例えば、厚さ0.5〜20mmの銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、ヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱を放熱する機能を有している。また、台部1aの上面には、両面テープあるいは接着剤等(不図示)によってヘッド基体3が接着されている。
ヘッド基体3は、平面視して、長方形状に形成されており、ヘッド基体3の基板7上にサーマルヘッドX1を構成する各部材が設けられている。ヘッド基体3は、外部より供給された電気信号に従い、記録媒体(不図示)に印字を行う機能を有する。
コネクタ31は、図3(a)に示すように、複数のコネクタピン8と、複数のコネクタピン8を収納するハウジング10とを有している。複数のコネクタピン8は、一方がハウジング10の外部に露出しており、他方がハウジング10の内部に収容されている。複数のコネクタピン8は、ヘッド基体3の各種電極と、外部に設けられた例えば電源との電気的な導通を確保する機能を有しており、それぞれが電気的に独立している。
ハウジング10は、各コネクタピン8をそれぞれ電気的に独立させた状態で収納する機能を有する。外部に設けられたケーブル(不図示)等の着脱により、ヘッド基体3に電気を供給している。
コネクタピン8は、導電性を有する必要があるため、金属あるいは合金により形成することができる。ハウジング10は、絶縁性の部材により形成することができ、例えば、熱硬化性の樹脂、紫外線硬化性の樹脂、あるいは光硬化性の樹脂により形成することができる。
以下、ヘッド基体3を構成する各部材について説明する。
基板7は、放熱体1の台部1a上に配置されており、平面視して、矩形状をなしている。そのため、基板7は、一方の長辺7aと、他方の長辺7bと、一方の短辺7cと、他方
の短辺7dと、端面7eを有している。基板7は、例えば、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。
基板7の上面には、蓄熱層13が形成されている。蓄熱層13は、基板7の上面の左半分にわたり形成された下地部13aと、主走査方向である複数の発熱部9の配列方向(以下、主走査方向と称する場合がある)に沿って帯状に延び、断面が略半楕円形状をなしている隆起部13bとを有している。下地部13aは、発熱部9の近傍に設けられており、後述する保護層25の下方に配置されている。隆起部13bは、印画する記録媒体を、発熱部9上に形成された保護層25に良好に押し当てるように機能している。
蓄熱層13は、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積することで、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くすることができ、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めるように機能する。蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板7の上面に塗布し、これを焼成することで形成されている。
電気抵抗層15は蓄熱層13の上面に設けられており、電気抵抗層15上には、接続端子2、グランド電極4、共通電極17、個別電極19、接続電極21、およびIC−IC接続電極26が設けられている。電気抵抗層15は、接続端子2、グランド電極4、共通電極17、個別電極19、接続電極21、およびIC−IC接続電極26と同形状にパターニングされており、共通電極17と個別電極19との間に電気抵抗層15が露出した露出領域を有する。電気抵抗層15の露出領域は、図1に示すように、蓄熱層13の隆起部13b上に列状に配置されており、各露出領域が発熱部9を構成している。
複数の発熱部9は、説明の便宜上、図1では簡略化して記載しているが、例えば、600dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
図1,2に示すように、電気抵抗層15の上面には、接続端子2、グランド電極4、共通電極17、複数の個別電極19、接続電極21、およびIC−IC接続電極26が設けられている。これらの接続端子2、グランド電極4、共通電極17、個別電極19、接続電極21、およびIC−IC接続電極26は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
共通電極17は、主配線部17a,17dと、副配線部17bと、リード部17cとを備えている。主配線部17aは、基板7の他方の長辺7bに沿って延びている。副配線部17bは、基板7の一方の短辺7cおよび他方の短辺7dのそれぞれに沿って延びている。リード部17cは、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延びており、複数設けられている。主配線部17dは、基板7の他方の長辺7aに沿って延びている。共通電極17は、一端部が複数の発熱部9と接続され、他端部がコネクタ31に接続されることにより、コネクタ31と各発熱部9との間を電気的に接続している。なお、主配線部17aの電気抵抗値を低下させるために、主配線部17aを他の共通電極17の部位より厚い厚電極部(不図示)としてもよい。
複数の個別電極19は、一端部が発熱部9に接続され、他端部が駆動IC11に接続されることにより、各発熱部9と駆動IC11との間を電気的に接続している。また、個別電極19は、複数の発熱部9を複数の群に分け、各群の発熱部9を、各群に対応して設け
られた駆動IC11に電気的に接続している。
複数の接続電極21は、一端部が駆動IC11に接続され、他端部が基板7の一方の長辺7a側に引き出された接続端子2に接続されている。それにより、コネクタ31に電気的に接続され、駆動IC11とコネクタ31との間を電気的に接続している。各駆動IC11に接続された複数の接続電極21は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
グランド電極4は、個別電極19と、接続電極21と、共通電極17の主配線部17dとが取り囲むように配置されており、広い面積を有している。グランド電極4は、0〜1Vのグランド電位に保持されている。
接続端子2は、共通電極17、個別電極19、接続電極21およびグランド電極4をコネクタ31に接続するために基板7の一方の長辺7a側に引き出されている。接続端子2はコネクタピン8に対応して設けられており、コネクタ31に接続する際は、それぞれ電気的に独立するようにコネクタピン8と接続端子2とが接続されている。
複数のIC−IC接続電極26は、隣り合う駆動IC11を電気的に接続している。複数のIC−IC接続電極26は、それぞれ接続電極21に対応するように設けられており、各種信号を隣り合う駆動IC11に伝えている。
上記の電気抵抗層15、接続端子2、共通電極17、個別電極19、グランド電極4、接続電極21、およびIC−IC接続電極26は、例えば、各々を構成する材料層を蓄熱層13上に、例えばスパッタリング法等の従来周知の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成される。なお、接続端子2、共通電極17、個別電極19、グランド電極4、接続電極21、およびIC−IC接続電極26は、同じ工程によって同時に形成することができる。
駆動IC11は、図1に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19の他端部と接続電極21の一端部とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御する機能を有している。駆動IC11としては、内部に複数のスイッチング素子を有する切替部材を用いればよい。
図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13上には、発熱部9、共通電極17の一部および個別電極19の一部を被覆する保護層25が形成されている。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食、あるいは印画する記録媒体との接触による摩耗から保護するためのものである。保護層25は、SiN、SiO、SiON、SiC、あるいはダイヤモンドライクカーボン等を用いて形成することができ、保護層25を単層で構成してもよいし、これらの層を積層したり、これらの材料を混合して構成してもよい。このような保護層25はスパッタリング法等の薄膜形成技術あるいはスクリーン印刷等の厚膜形成技術を用いて作製することができる。
また、図1,2に示すように、基板7上には、共通電極17、個別電極19および接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。
被覆層27は、共通電極17、個別電極19、IC−IC接続電極26および接続電極21の被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等
の付着による腐食から保護するためのものである。なお、被覆層27は、共通電極17および個別電極19の保護をより確実にするため、図2に示すように保護層25の端部に重なるようにして形成されている。被覆層27は、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料をスクリーン印刷法等の厚膜成形技術を用いて形成することができる。
被覆層27は、個別電極19、IC−IC接続電極26および接続電極21を露出させるための開口部(不図示)が形成されており、開口部を介してこれらの配線が駆動IC11に接続されている。また、駆動IC11は、個別電極19、IC−IC接続電極26および接続電極21に接続された状態で、駆動IC11の保護、および駆動IC11とこれらの配線との接続部の保護のため、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなるハードコート29によって被覆されることで封止されている。
図2,3を用いて、コネクタ31とヘッド基体3との電気的な接続、および接続部材12と放熱体1との接続について説明する。
図3(b)に示すように、グランド電極4の接続端子2および接続電極21の接続端子2上には、コネクタピン8が配置されている。図2に示すように、接続端子2と、コネクタピン8とは、導電性接合材23により電気的に接続されている。
導電性接合材23は、例えば、はんだ、あるいは電気絶縁性の樹脂中に導電性粒子が混入された異方性導電接着剤等を例示することができる。本実施形態においては、はんだを用いて説明する。コネクタピン8は、導電性接合材23に覆われることにより、接続端子2と電気的に接続されている。なお、導電性接合材23と接続端子2との間にNi、Au、あるいはPdによるめっき層(不図示)を設けてもよい。
図3においては図示していないが、接続端子2、コネクタピン8、および導電性接合材23の上方には被覆部材12(図7(b)参照)が設けられている。被覆部材12は、接続端子2、コネクタピン8、および導電性接合材23を被覆して固定する機能を有している。被覆部材12としては、例えば、エポキシ系の熱硬化性の樹脂、紫外線硬化性の樹脂、あるいは光硬化性の樹脂により形成することができる。
接続部材12を熱硬化性の樹脂により形成した場合、サーマルヘッドX1は、ヘッド基体3とコネクタ31のコネクタピン8とを導電性接合材23により接続した後に、軟化した接続部材12を塗布して硬化することにより、作製することができる。つまり、ヘッド基体3とコネクタ31とを導電性接合材23により一体化した後に、接続部材12によりヘッド基体3と放熱体1とを接続することができる。
コネクタ31は、コネクタピン8が、グランド電極4および接続電極21に接続されており、ハウジング10が、基板7の側面7eに接するように配置されている。そのため、ハウジング10の一部は放熱体1上に配置されている。ハウジング10は、放熱体1と所定の間隔をあけて配置されている。
次に図4を用いて放熱体1について詳細に説明する。
放熱体1は、台部1aと、突出部1bと、第1切欠部1cと、固定部1dと、一方の長辺1eとを有している。台部1aは、ヘッド基体3を載置する機能を有しており、発熱部9に生じた余剰の熱を大気中に放熱する機能を有している。突出部1bは、主走査方向の両端部に設けられており、放熱体1の一方の長辺1aから副走査方向へ突出している。突出部1bには、外部にある取付部材80(図5参照)と螺子止めするための固定部1dが
設けられている。固定部1dは、例えば、螺子穴を例示することができる。第1切欠部1cは、一方の長辺1eの主走査方向の両端部に設けられており、突出部1bに隣り合うように配置されている。放熱体1の一方の長辺1eは、主走査方向に沿って配置されており、基板7の一方の長辺7a側に配置されている。そのため、放熱体1の一方の長辺1eは、基板7の他方の長辺7b側に配置された発熱部9との距離を長くすることができる。
サーマルヘッドX1は、突出部1bに固定部1dが設けられており、固定部1dにより取付部材80(図5参照)に固定されている。そのため、放熱体1は、突出部1bにて固定されることとなり、台部1aに固定による歪みが生じにくい構成となっている。それゆえ、台部1aの平坦性を保つことができ、ヘッド基体3の平坦性を保つことができる。その結果、サーマルヘッドX1が精彩な印画を行うことができる。
また、サーマルヘッドX1は、突出部1bに隣り合うように、第1切欠部1cが設けられている。そのため、放熱体1を取付部材80に接続した際に生じた応力が、放熱体1の台部1a、具体的には、主走査方向の中央部における台部1aに生じる可能性を低減することができる。また、サーマルヘッドX1の駆動時の熱により放熱体1に熱膨張が生じた場合においても、第1切欠部1cにより、放熱体1の熱膨張による変形を緩和することができ、台部1aに変形が生じる可能性を低減することができる。
特に、第1切欠部1cが、放熱体1の一方の長辺1eに設けられていることにより、一方の長辺1e側にて熱膨張による変形を緩和するとともに、放熱体1の一方の長辺1eの反対側に位置する他方の長辺(不図示)の剛性が低下することを抑えることができる。そのため、基板7の他方の長辺7bの変形を抑えることができ、ヘッド基体3の平坦性を確保することができる。
突出部1bは、一方の長辺1eから、放熱体1の幅の20〜100%突出していることが好ましい。それにより、台部1aが変形する可能性を低減することができる。また、第1切欠部1cは、放熱体1の幅の10〜30%切欠かれていることが好ましい。それにより、台部1aが変形する可能性を低減することができる。
なお、主走査方向における両端部とは、放熱体1の短辺(不図示)から5〜20%の領域を示しており、主走査方向における中央部とは、放熱体1の主走査方向における中央から60〜90%の領域を示している。
次に、サーマルプリンタZ1について、図5を参照しつつ説明する。
図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタZ1は、上述のサーマルヘッドX1と、搬送機構40と、プラテンローラ50と、電源装置60と、制御装置70とを備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZ1の筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、サーマルヘッドX1は、発熱部9の配列方向が、主走査方向に沿うようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、駆動部(不図示)と、搬送ローラ43,45,47,49とを有している。搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図5の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものである。駆動部は、搬送ローラ43,45,47,49を駆動させる機能を有しており、例えば、モータを用いることができる。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。なお、図示しないが、記録媒体Pがインクが転写される受像
紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルムを搬送する。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に位置する保護膜25上に押圧する機能を有する。プラテンローラ50は、記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持固定されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給する機能を有している。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給する機能を有している。
サーマルプリンタZ1は、図5に示すように、プラテンローラ50によって記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることにより、記録媒体Pに所定の印画を行う。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行う。
<第2の実施形態>
図6,7を用いて、サーマルヘッドX2について説明する。サーマルヘッドX2は、主走査方向の中央部において、一方の長辺101eに第2切欠部16が設けられている点で、サーマルヘッドX1と異なり、その他の点は同様であるため説明を省略する。なお、同一の部材については同一の符号を付し以下同様とする。
サーマルヘッドX2は、主走査方向の中央部において、一方の長辺101eに第2切欠部16が設けられていることから、放熱体1の変形に伴う変位が大きくなりやすい、主走査方向における中央部の変位を小さくすることができる。また、第2切欠部16が、一方の長辺101eに設けられていることから、放熱体1の一方の長辺1eの反対側に位置する他方の長辺(不図示)の剛性が低下することを抑えることができ、発熱部9の配列に影響を与える可能性を低減することができる。それにより、サーマルヘッドX2は、精彩な印画を行うことができる。
図7(a)に示すように、第2切欠部16の副走査方向の長さWbが、第1切欠部101cの副走査方向の長さWaよりも長くなっている。それにより、主走査方向における中央部における放熱体1の変位を小さくすることができる。また、第2切欠部16の主走査方向の長さLbが、第1切欠部101cの主走査方向の長さLaよりも長くなっている。それにより、主走査方向における中央部における放熱体1の変位を小さくすることができる。
また、コネクタ31は、コネクタピン8が導電性接合材23によりヘッド基体3に接続されており、導電性接合材23を被覆するように被覆部材12が設けられている。被覆部材12は、図7(b)に示すように、被覆層27からハウジング10の上面にわたって設けられている。それにより、コネクタ31とヘッド基体3とを強固に接合している。
さらに、サーマルヘッドX2は、放熱体1とコネクタ31とが接合部材14により固定されている。接合部材14は、サーマルヘッドX2の放熱体1側から塗布されている。そ
のため、コネクタ31の下方に第2切欠部16が配置されていることにより、接合部材14を容易に塗布することができる。
また、図6に示すように、コネクタ31の下方に放熱体101が配置されており、第2切欠部16から基板7およびコネクタ31が露出している。より詳細には、第2切欠部16から、基板7の端面7eとハウジング10との境界が露出している。そのため、基板7の端面7eとハウジング10との境界に接合部材14を入り込ませることができ、放熱性を向上させることができる。また、放熱体1の上面とハウジング10の下面との間に、接合部材14を入ませることにより、放熱性を向上させることができる。
接合部材14としては、例えば、エポキシ系の熱硬化性の樹脂、紫外線硬化性の樹脂、あるいは光硬化性の樹脂を例示することができる。ハードコート29あるいは被覆部材12と同じ材料のものを用いてもよい。
なお、第2切欠部16の主走査方向の長さLbおよび副走査方向の長さWbが、それぞれ第1切欠部101bの主走査方向の長さLaおよび副走査方向の長さWaよりも長い例を示したが、どちらか一方のみが長くてもよい。具体的には、第2切欠部16の主走査方向の長さLbと第1切欠部101bの主走査方向の長さLaがほぼ同じ長さで、第2切欠部16の副走査方向の長さWbが、第1切欠部101bの副走査方向の長さWaよりも長い構成としてもよい。
<第3の実施形態>
図8,9を用いて、サーマルヘッドX3について説明する。サーマルヘッドX3は、第1切欠部201bと第2切欠部16との間における一方の長辺201eに、放熱体201の厚み方向に突出する凹凸201fが設けられている。その他の点は、サーマルヘッドX2と同様であり説明を省略する。
サーマルヘッドX3は、一方の長辺201eに凹凸201fが設けられている。これにより、一方の長辺201eの剛性を高めることができる。また、凹凸201fは、第1切欠部201bおよび第2切欠部16の間に設けられている。その結果、第1切欠部201bおよび第2切欠部16により、放熱体201の熱膨張による変形を抑えつつ、一方の長辺201eの剛性を高めることができる。
凹凸201fは、例えば、放熱体1の一方の長辺201eにエンボス加工を施すことにより作製することができる。凹凸201fの突出高さは、0.1〜5mmであることが好ましい。
また、凹凸201fは、放熱体201の厚み方向に突出しており、コネクタ31の両隣に配置されている。そのため、コネクタ31のハウジング10を挟持するように設けられることとなり、コネクタ31の位置合わせを容易にすることができる。
また、図9に示すように、コネクタ31のハウジング10と、放熱体201とは、被覆部材12および接合部材14により接合されている。被覆部材12は、ハウジング10の側面から放熱体201の凹凸201cにわたって設けられている。そのため、ハウジング10に熱が生じた場合、被覆部材12を介して放熱することができる。
接合部材14は、ハウジング10の底面から放熱体201の第2切欠部16の近傍にわたって設けられている。第2切欠部16により、ハウジング10の底面が露出しているため、容易に接合部材14を設けることができる。
なお、サーマルヘッドX3では、凹凸201fが、放熱体201の厚み方向に突出した例を示したがこれに限定されるものではない。例えば、凹凸201fが、副走査方向に突出していてもよい。この場合においても、一方の長辺201eの剛性を高めることができる。
<第4の実施形態>
図10を用いてサーマルヘッドX4,X5について説明する。サーマルヘッドX4,X5は、サーマルヘッドX2の変形例であり、第2切欠部316,416の構成が異なっている。
図10(a)に示すように、サーマルヘッドX4は、一方の長辺301eに第2切欠部316が複数設けられている。それにより、放熱体301が熱膨張した場合においても、第2切欠部316により変形を緩和することができる。また、図示していないが、放熱体301とハウジング10とを接合部材により接合した場合、接合部材と放熱体301との接触面積を増加させることができ、接続を強固なものにすることができる。
また、図10(b)に示すように、サーマルヘッドX5は、第2切欠部416が、樹脂挿入孔416aと、樹脂逃げ孔416bとを備えている。樹脂挿入孔416aは、サーマルヘッドX2の第2切欠部16と同様の構成であり説明を省略する。樹脂逃げ孔416bは、樹脂挿入孔416aの両側に配置されており、余剰の接合部材(不図示)を収容するために設けられている。そのため、サーマルヘッドX5から接合部材がはみ出す可能性を低減することができる。
なお、第2切欠部316が矩形状であり、樹脂逃げ孔416bが円形状の例を示したが、これに限定されるものではない。それぞれ円形状、楕円形状、あるいは多角形状であってもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態であるサーマルヘッドX1を用いたサーマルプリンタZ1を示したが、これに限定されるものではなく、サーマルヘッドX2〜X5をサーマルプリンタZ1に用いてもよい。また、複数の実施形態であるサーマルヘッドX1〜X5を組み合わせてもよい。
また、サーマルヘッドX1では、蓄熱層13に隆起部13bが形成され、隆起部13b上に電気抵抗層15が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13に隆起部13bを形成せず、電気抵抗層15の発熱部9を、蓄熱層13の下地部13a上に配置してもよい。また、蓄熱層13を基板7の上面の全域にわたって設けてもよい。
また、サーマルヘッドX1では、電気抵抗層15上に共通電極17および個別電極19が形成されているが、共通電極17および個別電極19の双方が発熱部9(電気抵抗体)に接続されている限り、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を構成してもよい。
さらにまた、電気抵抗層15を薄膜形成することにより、発熱部9の薄い薄膜ヘッドを例示して示したが、これに限定されるものではない。例えば、各種電極をパターニングした後に、電気抵抗層15を厚膜形成することにより、発熱部9の厚い厚膜ヘッドに本発明を用いてもよい。さらに、発熱部9を基板の端面に形成する端面ヘッドに本技術を用いてもよい。
なお、接続部材12を、駆動IC11を被覆するハードコート29とを同じ材料により形成してもよい。その場合、ハードコート29を印刷する際に、接続部材12が形成される領域にも印刷することで、ハードコート29と接続部材12とを同時に形成することができる。また、接続部材12をハードコート29により形成した後に、放熱部材を接続部材12上から第1凸部1bの上面にわたって設けてもよい。
X1〜X5 サーマルヘッド
Z1 サーマルプリンタ
1,101,201,301,401 放熱体
1a,101a,201a,301a,401a 台部
1b,101b,201b 突出部
1c,101c,201c 第1切欠部
1d,101d,201d 固定部
1e,101e,201e,301e,401e 一方の長辺
201f 凹凸
2 接続端子
3 ヘッド基体
4 グランド電極
7 基板
8 コネクタピン
9 発熱部
10 ハウジング
11 駆動IC
12 被覆部材
13 蓄熱層
14 接合部材
15 電気抵抗層
16 第2切欠部
17 共通電極
19 個別電極
21 接続電極
23 導電性接着剤
25 保護層
26 IC−IC接続電極
27 被覆層
29 ハードコート

Claims (8)

  1. 基板、
    該基板上に設けられ、主走査方向に配列された複数の発熱部、および
    前記基板上に設けられ、前記発熱部に接続された電極、を備えるヘッド基体と、
    該ヘッド基体に隣り合うように配置され、前記発熱部により生じた熱を放熱するための放熱体と、を備え、
    該放熱体は、前記主走査方向における両端部において、前記放熱体の一方の長辺から副走査方向へ突出した突出部を有しており、
    該突出部は、外部と固定するための固定部を有しており、
    前記突出部に隣り合うように、前記一方の長辺に第1切欠部が設けられていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記放熱体は、前記主走査方向における中央部において、前記一方の長辺に第2切欠部が設けられている、請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記放熱体は、前記第1切欠部と前記第2切欠部との間における前記一方の長辺に、凹凸が設けられている、請求項2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記ヘッド基体は、前記主走査方向における中央部において、前記放熱体の前記一方の長辺側に、前記電極を外部と電気的に接続するためのコネクタを備えており、
    前記コネクタに隣り合うように前記第2切欠部が配置されている、請求項2または3に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記第2切欠部の前記副走査方向の長さは、前記第1切欠部の前記副走査方向の長さよりも長い、請求項4に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記第2切欠部の前記主走査方向の長さは、前記第1切欠部の前記主走査方向の長さよりも長い、請求項4または5に記載のサーマルヘッド。
  7. 前記コネクタは、前記基板から前記副走査方向に突出して配置されており、
    前記第2切欠部により、前記基板および前記コネクタが露出している、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のサーマルヘッドと、
    前記発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、
    前記発熱部上に前記記録媒体を押圧するプラテンローラと、を備えることを特徴とするサーマルプリンタ。
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