JP2015009351A - 主軸装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主軸に流体の発熱が生じやすい減衰付加軸受を用いる場合であっても、主軸および工具の熱変位を抑制しながら主軸の振動を効果的に抑制することで、高い加工精度を確保する主軸装置を提供することを目的とする。
【解決手段】主軸装置1は、工具21を保持し、回転駆動される主軸20と、転がり軸受41〜44よりも工具21側に設けられ、第一流体が供給されることにより主軸20の振動を抑制する減衰付加軸受50と、減衰付加軸受50に第一流体を供給し、第一流体の温度を調整可能とする第一流体供給装置60と、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて各部位における、主軸20の温度変化を抑制するように、主軸20の回転数Rに応じて第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度を制御する制御装置90と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】主軸装置1は、工具21を保持し、回転駆動される主軸20と、転がり軸受41〜44よりも工具21側に設けられ、第一流体が供給されることにより主軸20の振動を抑制する減衰付加軸受50と、減衰付加軸受50に第一流体を供給し、第一流体の温度を調整可能とする第一流体供給装置60と、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて各部位における、主軸20の温度変化を抑制するように、主軸20の回転数Rに応じて第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度を制御する制御装置90と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、工作機械に使用される主軸装置に関する。
例えば、特許文献1には、主軸の熱変位を測定するセンサおよび工具の先端位置を測定するセンサを備え、主軸の熱変位を補正する加工装置が開示されている。
また、特許文献2には、回転駆動されるスピンドルのダンパ装置について開示されている。スピンドルのダンパ装置は、スピンドルの外周面とスピンドルを支持する支持体の内周面との間にダンパポケット部を形成している。このダンパポケット部に液体を供給することによりダンピング抵抗を生じさせるとともに、スピンドルの回転数に応じて液体の圧力の可変制御を行い、スピンドルの振動を抑制している。
しかしながら、特許文献1に示されている主軸装置については、加工中に工具先端の位置の計測を行うことはできない。よって、加工中に、主軸の発熱が工具へ伝達し、工具に熱変位が生じる場合には、加工点を正確に把握することができず、加工精度に影響を及ぼす。
また、特許文献2に示す主軸装置のように、支持体に流体を用いる場合は、流体が繰り返しせん断されることで、流体が発熱する。そして、主軸の回転数が大きくなると、流体の発熱が大きくなり、主軸および工具に熱が伝達する。これにより、主軸および工具に熱変位が生じ、加工精度に影響を及ぼす。また、びびり振動をより効果的に抑制するために、静圧軸受ではなく減衰付加軸受を用いた場合は、粘度の高い流体を用いるため、せん断抵抗が大きくなり、流体の発熱が生じやすい。よって、主軸および工具の熱変位を招きやすく、加工精度に影響を及ぼす。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、主軸に流体の発熱が生じやすい減衰付加軸受を用いる場合であっても、主軸および工具の熱変位を抑制しながら主軸の振動を効果的に抑制することで、高い加工精度を確保する主軸装置を提供することを目的とする。
(請求項1)本手段に係る主軸装置は、工具を保持し、回転駆動される主軸と、主軸を回転可能に支持する転がり軸受と、転がり軸受よりも工具側に設けられ、第一流体が供給されることにより主軸の振動を抑制する減衰付加軸受と、減衰付加軸受に第一流体を供給し、第一流体の温度を調整可能とする第一流体供給装置と、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲において各部位における、主軸の温度変化を抑制するように、主軸の回転数に応じて第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する制御装置と、を備えている。
本手段によれば、制御装置は、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲において各部位における、主軸の温度変化を抑制するように、主軸の回転数に応じて第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御するため、主軸および第一流体の温度上昇を抑制できる。よって、主軸が保持する工具への熱の伝達が抑制されるため、工具の熱変位が抑制される。さらに、減衰付加軸受を用いることによって、びびり振動を効果的に抑制することができる。したがって、主軸装置は、高い加工精度を確保できる。
(請求項2)好ましくは、制御装置は、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲において、主軸の回転数の変化による主軸の温度上昇を抑制するように、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する。
すなわち、制御装置は、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲における主軸の温度上昇を抑制するように、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御するため、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲における主軸の温度を、容易にかつ精度よく一定とするように制御できる。
(請求項3)また、制御装置は、予め記憶された主軸の回転数に応じた第一流体の温度に基づいて、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する。
すなわち、制御装置は、予め記憶された主軸の回転数に応じた第一流体の温度に基づいて、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御するため、回転数の変更と同時に第一流体の温度が補正される。よって、主軸の温度上昇をより短時間で抑制することができる。
すなわち、制御装置は、予め記憶された主軸の回転数に応じた第一流体の温度に基づいて、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御するため、回転数の変更と同時に第一流体の温度が補正される。よって、主軸の温度上昇をより短時間で抑制することができる。
(請求項4)また、主軸装置は、減衰付加軸受から排出される第一流体の温度を検出する温度センサをさらに備え、制御装置は、温度センサにより検出される温度に基づいて、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する。
すなわち、制御装置は、減衰付加軸受から排出される第一流体の温度に基づいて、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御するため、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲における主軸の温度を、より精度良く一定とするように制御することができる。
(請求項5)また、主軸装置は、減衰付加軸受より反工具側に配設され、第二流体が循環するジャケットと、ジャケットに第二流体を供給し、第二流体の温度を調整可能とする第二流体供給装置と、をさらに備え、制御装置は、ジャケットが配設されている主軸の軸方向範囲において、主軸の温度を所定温度とするように、第二流体供給装置の供給する第二流体の温度を制御し、かつ、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲の温度を所定温度とするように、第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する。
すなわち、制御装置は、第一流体が存在する主軸の軸方向範囲の温度およびジャケットが配設されている主軸の軸方向範囲の温度を所定温度にて同一の温度とするように制御する。よって、主軸全体が同一の温度となるため、主軸に温度勾配が生じず、主軸全体に亘って熱変位が抑制される。
(請求項6)また、主軸装置は、減衰付加軸受より工具側で主軸の軸方向の変位を検出する第一変位センサと、減衰付加軸受より反工具側で主軸の軸方向の変位を検出する第二変位センサと、をさらに備え、制御装置は、第一変位センサにより検出される変位と第二変位センサにより検出される変位との差を一定とするように第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する。
すなわち、制御装置は、それぞれのセンサにより検出される変位の差を一定とするように第一流体供給装置が供給する第一流体の温度を制御する。よって、主軸の熱変位が抑制されるため、主軸の温度上昇が抑制される。したがって、制御装置は、主軸の熱変位を直接的に検出することで、より確実に主軸の温度を一定とするように制御できる。
以下、本発明の主軸装置1を具体化した第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。主軸装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1に示すように、主軸装置1は、ハウジング10、主軸20、モータ30、複数の転がり軸受41〜44、減衰付加軸受50、第一流体供給装置60、および制御装置90を備えている。
ハウジング10は、中空筒状に形成され、その中に主軸20を保持する。主軸20は、工具21を保持し、回転駆動されるものである。具体的には、主軸20は、先端側(図1の左側)に、工具21を保持し、モータ30によって回転駆動される。モータ30は、ハウジング10の筒内に配置されており、ハウジング10に固定されたステータ31および主軸20に固定されたロータ32を備えて構成されている。また、モータ30は、主軸20の回転数Rを検出する回転数センサ(図示せず)を備えている。本実施形態においては、回転数センサは、例えば磁気式エンコーダである。
転がり軸受41〜44は、ハウジング10に対して主軸20を回転可能に支持するものである。転がり軸受41〜43は、例えば玉軸受を適用し、モータ30よりも工具21側に配置される。一方、転がり軸受44は、例えば、ころ軸受を適用し、モータ30より工具21の反対側(後端側)に配置される。すなわち、転がり軸受41〜44は、モータ30を軸方向中央に挟むように配置される。
減衰付加軸受50は、転がり軸受41〜44よりも工具21側に設けられ、第一流体が供給されることにより主軸20の振動を抑制するものである。減衰付加軸受50は、図2に示すように、減衰付加部51、流体供給路52、ドレイン53、エア供給環状溝54およびエア供給路55を備えている。なお、図2において、実線にて示す矢印は第一流体の流れる方向を表し、一点破線にて示す矢印はエアの流れる方向を表している。
減衰付加部51は、減衰付加軸受50の内周面と主軸20の外周面との周方向の環状の隙間により形成されている。減衰付加部51に第一流体が供給されることにより、主軸20の振動を抑制する減衰効果が発揮される。減衰効果は、減衰付加部51に供給される第一流体の流量Qに応じて変化する。具体的には、第一流体の流量Qが多くなると減衰効果が大きくなり、流量Qが少なくなると減衰効果は小さくなる。減衰効果の大きさを表す減衰係数は、隙間の大きさ等の流路の抵抗、粘性等の第一流体の特性および第一流体の流量Q等によって定まる。第一流体は、本実施形態において、例えば油である。
流体供給路52は、一端が第一流体供給装置60に接続されている。第一流体供給装置60から供給される第一流体が流体供給路52を介して導出口52aから減衰付加部51に導出される。導出口52aは、減衰付加軸受50の内周面の周方向に1つ以上配設されている。
ドレイン53は、減衰付加軸受50の内周面の周方向に環状に設けた凹部によって形成され、流体供給路52の導出口52aよりも工具21側に配設される環状溝53aおよび導出口52aよりも工具21の反対側に配設される環状溝53bを備えている。減衰付加部51から第一流体が環状溝53a,53bよりドレイン53に導入され、ドレイン53を介して第一流体を貯めておく図示しない第一タンクへ、第一流体が導出される。
エア供給環状溝54は、減衰付加軸受50の内周面の周方向に環状に設けた凹部によって形成され、環状溝53aよりも工具21側に配設されるエア環状溝54aおよび環状溝53bよりも工具21の反対側に配設されるエア環状溝54bによって構成されている。エア供給環状溝54は、図示しないエアポンプからエア供給路55を介して供給されたエアを減衰付加部51に導出するものである。導出されたエアは、第一流体が減衰付加部51から工具21側または軸受41〜44側へ第一流体が排出されることを防止するエアシールを構成する。
第一流体供給装置60は、減衰付加軸受50に第一流体を供給し、第一流体の温度を調整可能とするものである。第一流体供給装置60は温度調整部およびポンプ(いずれも図示なし)を含んで構成されている。温度調整部は例えば、オイルクーラおよびヒータ等の熱交換器を含んで構成されている。
第一流体供給装置60は、ポンプを駆動させて第一タンクから第一流体を第一流体供給装置60に導入する。そして、第一流体供給装置60は、第一流体を第一供給温度Taに温度調整部によって調整し、流体供給路52を介して減衰付加軸受50に第一流体を供給する。第一供給温度Taは、減衰付加軸受50に第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度であり、制御装置90によって設定される。
さらに、主軸装置1は、図1に示すように、ジャケット70、第二流体供給装置80を備えている。ジャケット70は、減衰付加軸受50より工具21の反対側(以下、反工具21側とする。)に配設され、第二流体が循環するものである。
ジャケット70は、ハウジング10内であって、転がり軸受41〜44およびモータ30より外周側に主軸20と同心状に形成されている螺旋状の溝71、一端に接続されている第二流体供給装置80から、他端に接続される溝71へ第一流体を導出する流体供給路72および一端に接続されている溝71から、他端に接続されている第二流体を貯めておく第二タンクへ第二流体を導出するドレイン73を備えている。第二流体は、第二タンクから第二流体供給装置80に導入され、第二流体供給装置80からジャケット70に再び供給される。よって、第二流体は、ジャケット70と第二流体供給装置80との間を循環している。
第二流体供給装置80は、ジャケット70に第二流体を供給し、第二流体の温度を調整可能とするものである。第二流体供給装置80は温度調整部、ポンプ(いずれも図示なし)および温度センサ81を含んで構成されている。温度調整部は例えば、オイルクーラおよびヒータ等の熱交換器を含んで構成されている。温度センサ81は、ドレイン73に配設され、ジャケット70から排出される第二流体の温度(以下、排出温度Tβとする。)を検出するものである。
第二流体供給装置80は、ポンプを駆動させて第二タンクから第二流体を第二流体供給装置80に導入する。そして、第二流体供給装置80は、第二流体を第二供給温度Tαに温度調整部によって調整し、流体供給路72を介して溝71に第二流体を供給する。第二供給温度Tαは、ジャケット70に第二流体供給装置80が供給する第二流体の温度であり、制御装置90によって設定される。
制御装置90は、演算処理を実行するCPU部と、プログラムなどを保存するROMやRAMなどの記憶部と、情報を交換するための入出力部とを備えて構成されている。制御装置90は、回転数センサおよび第一流体供給装置60と電気的に接続されている。回転数センサにより検出された主軸20の回転数Rは、検出信号として制御装置90に送信される。制御装置90は、回転センサからの検出信号に基づいて、第一供給温度Taの値を設定し、その値を制御信号として第一流体供給装置60に送信する。
ここで、主軸20の回転数Rに応じた第一供給温度Taは、データベースとして記憶部に予め保存されている。主軸20の回転数Rと第一供給温度Taとの関係は、図3に示すように、右肩下がりのグラフとなる。すなわち、回転数Rが大きくなった場合は、第一流体および主軸20の温度上昇を抑制するために、第一供給温度Taを低くするように設定されている。
また、制御装置90は、第二流体供給装置80と電気的に接続されている。温度センサ81により検出される排出温度Tβは、検出信号として第二流体供給装置80を介して制御装置90に送信される。制御装置90は、温度センサ81からの検出信号に基づいて、第二供給温度Tαの値を設定し、その値を制御信号として第二流体供給装置80に送信する。具体的には、制御装置90は、排出温度Tβを所定温度Tsとするように、第二流体供給装置80によって第二供給温度Tαを補正するフィードバック制御(例えばPID制御)を行う。
次に、上述した主軸装置1における作動について説明する。主軸装置1は、電源が投入された後、ワークの切削加工等を開始する前に暖機運転を行う。具体的には、制御装置90は、主軸20の温度を所定温度Tsとするように制御する。
具体的には、制御装置90は、主軸20を回転駆動させずに、第一供給温度Taを所定温度Tsに設定し、第一流体供給装置60により第一流体を減衰付加軸受50に供給する。また、制御装置90は、排出温度Tβが所定温度Tsとなるように第二供給温度Tαを設定し、第二流体供給装置80により第二流体をジャケット70に供給する。そして、排出温度Tβが所定温度Tsとなり、所定時間(例えば5分)が経過したときに、主軸20の温度が所定温度Tsにて安定したとして、制御装置90は暖機運転を終了する。
そして、主軸装置1は、制御装置90に保存されているプログラム等にしたがって、ワークの切削加工等を行う。加工開始時は、主軸20の回転数Rは第一回転数R1であるため、制御装置90は、図3に示すように、第一供給温度Taを第一温度Ta1とするように第一流体供給装置60によって調整し、第一流体を減衰付加軸受50に供給する。
主軸20が第一回転数R1にて回転駆動しているため、主軸20は転がり軸受41〜44との摩擦抵抗およびモータ30の回転駆動により発熱する。さらに、減衰付加軸受50に供給された第一流体が減衰付加部51にて繰り返しせん断され、減衰付加部51に存在する第一流体も発熱する。これらにより、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて、主軸20の温度が所定温度Tsから上昇する傾向にある。
ここで、第一流体が主軸20を冷却する冷媒として作用するように、第一温度Ta1は所定温度Tsよりも低く設定されている。主軸20の回転駆動により発生した主軸20の熱量が第一流体に移動することによる第一流体の温度上昇と、第一流体のせん断による第一流体の温度上昇とを考慮した結果に基づいて、第一温度Ta1が設定されている。すなわち、主軸20の回転数Rが第一回転数R1の場合に、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて、主軸20の温度を所定温度Tsにて一定とするように、第一温度Ta1が設定されている。
よって、制御装置90は、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて各部位における、主軸20の温度変化を抑制するように、主軸20の回転数Rに応じて第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度を制御するものである。また、制御装置90は、予め記憶された主軸20の回転数Rに応じた第一流体の温度に基づいて、第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度を制御する。
また、主軸20の回転駆動により主軸20に発熱が生じた場合は、ジャケット70を循環する第二流体が冷媒として作用するため、主軸20の発熱量は第二流体に移動する。これにより、排出温度Tβが上昇する。そして、制御装置90は、排出温度Tβの上昇分に応じて第二流体供給装置80によって、第二供給温度Tαを低くする補正をする。
そして、制御装置90は、排出温度Tβが所定温度Tsとなるまで、第二供給温度Tαを低くする補正を繰り返す。排出温度Tβが所定温度Tsとなれば、主軸20の温度が所定温度Tsとなったと判断できる。
すなわち、制御装置90は、ジャケット70が配設されている主軸20の軸方向範囲20bにおいて、主軸20の温度を所定温度Tsとするように、第二流体供給装置80の供給する第二流体の温度を制御し、かつ、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aの温度を所定温度Tsとするように第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度を制御する。これにより、第一流体および第二流体によって、主軸20全体が所定温度Tsにて一定に保たれる。
そして、予め設定されたプログラムに従って、主軸20の回転数Rが第一回転数よりも大きい第二回転数R2となったときは、制御装置90は、第一供給温度Taを第二温度Ta2に設定する。
主軸20の回転数Rが大きくなったため、主軸20および減衰付加部51に存在する第一流体の発熱が大きくなる。この場合であっても、第一流体が冷媒として作用するように、第二温度Ta2は、第一温度Ta1よりも低く設定されている。具体的には、主軸20の回転数Rが第二回転数R2の場合に、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて、主軸20の温度を所定温度Tsにて一定とするように、第二温度Ta2が設定されている。
よって、制御装置90は、主軸20の回転数Rが変更されると、主軸20の温度を所定温度Tsにて一定とするように、第一流体供給装置60によって、第一供給温度Taを補正する。したがって、制御装置90は、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて、主軸20の回転数Rの変化による主軸20の温度上昇を抑制するように、第一流体供給装置60が供給する第一流体の温度を制御する。
また、制御装置90は、排出温度Tβが所定温度Tsとなるように、第二流体供給装置80によって、第二供給温度Tαを調整する。これにより、減衰付加軸受50より反工具21側であり、ジャケット70が配設されている主軸20の軸方向範囲20bにおいても、回転駆動による主軸20の温度が所定温度Tsにて一定に保たれる。よって、主軸20の回転数Rが変更された場合であっても、第一流体および第二流体によって、主軸20全体が所定温度Tsにて一定に保たれる。
本実施形態によれば、制御装置90は、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおいて各部位における、主軸20の温度変化を抑制するように、主軸20の回転数Rに応じて第一供給温度Taを制御するため、主軸20および第一流体の温度上昇を抑制できる。よって、主軸20が保持する工具21への熱の伝達が抑制されるため、工具21の熱変位が抑制される。さらに、減衰付加軸受50を用いることによって、びびり振動を効果的に抑制することができる。したがって、主軸装置1は、高い加工精度を確保できる。
また、制御装置90は、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおける主軸20の温度上昇を抑制するように、第一供給温度Taを制御するため、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおける主軸20の温度を、容易にかつ精度よく一定とするように制御できる。
そして、制御装置90は、予め記憶された主軸20の回転数Rに応じた第一流体の温度に基づいて、第一供給温度Taを制御するため、回転数Rの変更と同時に第一供給温度Taが補正される。よって、主軸20の温度上昇をより短時間で抑制することができる。
また、制御装置90は、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aの温度とジャケット70が配設されている主軸20の軸方向範囲20bとを所定温度Tsにて同一の温度とするように制御する。よって、主軸20全体が同一の温度となるため、主軸20に温度勾配が生じず、主軸20全体に亘って熱変位が抑制される。
次に、本発明における第二実施形態について、第一実施形態と異なる点について説明する。第二実施形態は、第一実施形態に比べ、減衰付加軸受50から排出される第一流体の温度(以下、排出温度Tbとする。)を検出する温度センサ100(特許請求の範囲に記載の温度センサ;図示なし)をさらに備えている点が異なる。
温度センサ100は、ドレイン53に配設されている。温度センサ100と制御装置90とは電気的に接続されており、温度センサ100により検出された排出温度Tbは、検出信号として制御装置90に送信される。制御装置90は、温度センサ100からの検出信号に基づいて、第一供給温度Taの値を設定し、その値を制御信号として第一流体供給装置60に送信する。
ここで、第二実施形態においては、制御装置90は、第一供給温度Taの設定を、第一実施形態における上述したデータベースに基づいて行っていない。第二実施形態では、制御装置90は、排出温度Tbに基づいて、第一供給温度Taを制御する。具体的には、制御装置90は、排出温度Tbを所定温度Tsとするように、第一供給温度Taを制御(例えばPID制御)する。主軸装置1が暖機運転中である場合など、主軸20が回転駆動していないときに、排出温度Tbが所定温度Tsとなれば、主軸20の温度が所定温度Tsとなったと判断できる。
そして、制御装置90がプログラム等により主軸20を回転駆動させている場合など、主軸20に発熱が生じたときは、主軸20および減衰付加軸受50に供給された第一流体が発熱する。これにより、排出温度Tbが上昇する。そして、制御装置90は、減衰付加軸受50に供給された第一流体を冷媒として作用させるため、排出温度Tbの温度上昇に応じて第一供給温度Taを低くする補正をする。
そして、制御装置90は、排出温度Tbが所定温度Tsとなるまで、第一供給温度Taの補正を繰り返す。排出温度Tbが所定温度Tsとなれば、主軸20の温度が所定温度Tsとなったと判断できる。
本実施形態によれば、制御装置90は、排出温度Tbに基づいて、第一供給温度Taを制御するため、第一流体が存在する主軸20の軸方向範囲20aにおける主軸20の温度を、より精度良く一定とするように制御することができる。
次に、本発明における第三実施形態について、第一実施形態と異なる点について説明する。図4に示すように、第三実施形態は、第一実施形態に比べ、センサ装置200をさらに備えている点が異なる。センサ装置200は、第一変位センサ210、第二変位センサ220およびアーム230を備えている。
第一変位センサ210および第二変位センサ220は、対向部材との距離を測定するものであり、例えば、渦電流センサである。第一変位センサ210は、減衰付加軸受50より工具21側で主軸20の軸方向の変位を検出するものである。第一変位センサ210は、アーム230の先端230aに取り付けられ、主軸20に形成されているフランジ22における減衰付加軸受50より工具21側の第一面22aに対向している。
第二変位センサ220は、減衰付加軸受50より反工具21側で主軸20の軸方向の変位を検出するものである。第二変位センサ220はアーム230の先端230bに取り付けられ、フランジ22における減衰付加軸受50より反工具21側の第二面22bに対向している。本実施形態においては、主軸装置1の暖機運転を開始した時点での主軸20の位置における第一面22aおよび第二面22bを基準とし、第一変位センサ210が第一面22aの軸方向の変位を測定し、第二変位センサ220が第二面22bの軸方向の変位を計測する。
アーム230は、ハウジング10が固定されているサドル300からハウジング10の外周面に沿って軸方向に延びるようにハウジング10とは別体に設けられている。また、アーム230は、ハウジング10に比べて線膨張係数が小さな材料で形成されている。つまり、同一温度において、ハウジング10の熱変位よりアーム230の熱変位の方が小さくなる。
第一変位センサ210および第二変位センサ220と制御装置90とは電気的に接続されており、第一変位センサ210および第二変位センサ220により検出された第一面22aおよび第二面22bの軸方向の変位は、検出信号として制御装置90に送信される。
制御装置90は、第一変位センサ210および第二変位センサ220からの検出信号に基づいて、第一供給温度Taの値を補正し、その値を制御信号として第一流体供給装置60に送信する。
ここで、第三実施形態は、制御装置90は、第一供給温度Taの設定を、第一実施形態における上述したデータベースに基づいて行っていない。第三実施形態では、制御装置90は、第一変位センサ210により検出される変位と第二変位センサ220により検出される変位との差δhを一定とするように第一供給温度Taを制御(例えばPID制御)する。
具体的には、制御装置90は、暖機運転開始時から、第一変位センサ210および第二変位センサ220からの検出信号に基づいて、第一面22aおよび第二面22bの軸方向の変位の差δhを連続的に演算する。そして、プログラム等による加工開始から、制御装置90は、暖機運転終了時点における変位の差δhkを基準とし、変位の差δhkに変化がないかを連続的に判定する。
ここで、基準とする変位の差δhkから変化がないと判定する場合、つまり、変位の差δhが一定である場合は、暖機運転終了時点からフランジ22の軸方向の長さに変化がないと判断できる。よって、フランジ22に熱変位が生じていないため、制御装置90は、第一供給温度Taの値を補正しない。
一方、主軸20の回転数Rの変化等により、主軸20および第一流体に発熱が生じた場合は、フランジ22へ熱量が移動し、フランジ22の温度が上昇するため、フランジ22に熱変位が生じる。これにより、変位の差δhに変化が生じる。そして、制御装置90は、変位の差δhに変化があると判定したときは、第一流体供給装置60によって第一供給温度Taを低くするように補正する。
そして、制御装置90は、変位の差δhが基準とする変位の差δhkとなるまで、第一流体供給装置60によって第一供給温度Taの補正を繰り返す。変位の差δhが基準とする変位の差δhkとなれば、フランジ22の熱変位が抑制され、温度上昇が抑制されたと判断できる。
本実施形態によれば、制御装置90は、それぞれのセンサ210,220により検出される変位の差δhを一定とするように第一供給温度Taを制御する。よって、主軸20の熱変位が抑制されるため、主軸20の温度上昇が抑制される。したがって、制御装置90は、主軸20の熱変位を直接的に検出することで、より確実に主軸20の温度を一定とするように制御できる。
なお、第二実施形態および第三実施形態において、制御装置90は、第一供給温度Taの設定を、第一実施形態における上述したデータベースに基づいて行っていない。これに代えて、制御装置90は、第一供給温度Taの設定を、第一実施形態における上述したデータベースを用いて行ようにしても良い。
具体的には、第二実施形態において、制御装置90は、第一供給温度Taの設定を、第一実施形態における上述したデータベースに基づいて行い、さらに、排出温度Tbを所定温度Tsとするように、第一流体供給装置60によって第一供給温度Taを補正するようにすると良い。これにより、制御装置90は、短時間かつ精度よく、主軸20の温度を一定とするように制御できる。
また、第三実施形態において、制御装置90は、第一供給温度Taの設定を、第一実施形態における上述したデータベースに基づいて行い、さらに、第一変位センサ210により検出される変位と第二変位センサ220により検出される変位との差δhを一定とするように第一供給温度Taの値を補正するようにすると良い。これにより、制御装置90は、短時間かつ精度よく、主軸20の温度を一定とするように制御できる。
また、第二実施形態において、制御装置90は、排出温度Tbを所定温度Tsとするように、第一流体供給装置60によって第一供給温度Taを制御している。これに代えて、制御装置90は、排出温度Tbを所定温度Tsとするように、第一流体供給装置60によって第一供給温度Taを制御し、さらに、第一変位センサ210により検出される変位と第二変位センサ220により検出される変位との差δhを一定とするように第一供給温度Taの値を補正するようにすると良い。これにより、制御装置90は、より精度よく、主軸20の温度を一定とするように制御できる。
また、各実施形態において、主軸20および第一流体の温度上昇を抑制するために、制御装置90は、第一流体供給装置60または第二流体供給装置80が供給する各流体の温度を変更するように制御しているが、これに代えて、各流体の温度を変更するだけでなく、ポンプの回転数を変更する等により、流体の流量Qも合わせて変更するようにしても良い。
10…ハウジング、20…主軸、20a…軸方向範囲、21…工具、41〜44…転がり軸受、50…減衰付加軸受、60…第一流体供給装置、70…ジャケット、80…第二流体供給装置、90…制御装置、210…第一変位センサ、220…第二変位センサ、Ts…所定温度。
Claims (6)
- 工具を保持し、回転駆動される主軸と、
前記主軸を回転可能に支持する転がり軸受と、
前記転がり軸受よりも前記工具側に設けられ、第一流体が供給されることにより前記主軸の振動を抑制する減衰付加軸受と、
前記減衰付加軸受に前記第一流体を供給し、前記第一流体の温度を調整可能とする第一流体供給装置と、
前記第一流体が存在する前記主軸の軸方向範囲において各部位における、前記主軸の温度変化を抑制するように、前記主軸の回転数に応じて前記第一流体供給装置が供給する前記第一流体の温度を制御する制御装置と、を備えた主軸装置。 - 前記制御装置は、前記第一流体が存在する前記主軸の軸方向範囲において、前記主軸の回転数の変化による前記主軸の温度上昇を抑制するように、前記第一流体供給装置が供給する前記第一流体の温度を制御する、請求項1の主軸装置。
- 前記制御装置は、予め記憶された前記主軸の回転数に応じた前記第一流体の温度に基づいて、前記第一流体供給装置が供給する前記第一流体の温度を制御する、請求項1または2の主軸装置。
- 前記減衰付加軸受から排出される前記第一流体の温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記温度センサにより検出される温度に基づいて、前記第一流体供給装置が供給する前記第一流体の温度を制御する、請求項1〜3の何れか一項の主軸装置。 - 前記減衰付加軸受より反工具側に配設され、第二流体が循環するジャケットと、
前記ジャケットに前記第二流体を供給し、前記第二流体の温度を調整可能とする第二流体供給装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記ジャケットが配設されている前記主軸の軸方向範囲において、前記主軸の温度を所定温度とするように、前記第二流体供給装置の供給する前記第二流体の温度を制御し、かつ、前記第一流体が存在する前記主軸の軸方向範囲の温度を前記所定温度とするように、前記第一流体供給装置が供給する前記第一流体の温度を制御する、請求項3または4の主軸装置。 - 前記減衰付加軸受より前記工具側で前記主軸の軸方向の変位を検出する第一変位センサと、
前記減衰付加軸受より反前記工具側で前記主軸の軸方向の変位を検出する第二変位センサと、をさらに備え、
前記制御装置は、前記第一変位センサにより検出される変位と前記第二変位センサにより検出される変位との差を一定とするように前記第一流体供給装置が供給する前記第一流体の温度を制御する、請求項1〜5の何れか一項の主軸装置。
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CN104985201A (zh) * | 2015-07-22 | 2015-10-21 | 西安交通大学 | 一种可编程的智能电主轴 |
JP2016172314A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-29 | 株式会社ジェイテクト | 主軸装置 |
CN109550979A (zh) * | 2018-10-31 | 2019-04-02 | 湖南大学 | 一种高速主轴单元轴承套圈轴向热位移确定方法 |
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2013
- 2013-07-02 JP JP2013138957A patent/JP2015009351A/ja active Pending
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