JP2015007739A - 表示装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、上記画質の劣化は、バックライトの発光輝度にあわせて画像データを補正する画像処理以外の画像処理により画素値が所定の範囲外の値となってしまう場合にも生じる。
画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
入力画像データに所定の画像処理を施すことにより生成される画像データの画素値のうち、所定の範囲外の画素値が前記所定の範囲内の値に制限され、且つ、画素値が制限された画素の周囲の画素の画素値が、前記所定の範囲外の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように調整された画像データを生成し、前記表示手段に出力する出力手段と、
を有する。
画像データに基づく画像を表示する表示手段を有する表示装置の制御方法であって、
入力画像データに所定の画像処理を施すことにより生成される画像データの画素値のうち、所定の範囲外の画素値が前記所定の範囲内の値に制限され、且つ、画素値が制限された画素の周囲の画素の画素値が、前記所定の範囲外の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように調整された画像データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成された画像データを前記表示手段に出力する出力ステップと、を有する。
以下、本発明の実施例1に係る表示装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。
図1は、本実施例に係る表示装置の機能構成の一例を示す図である。
本実施例に係る表示装置は、液晶パネル部101、バックライト部102、特徴量検出部103、発光輝度決定部104、増加率決定部105、増加部106、補正部107、
などを有する。
なお、本実施例では、説明を分かりやすくするため、入力される画像データの画素値の範囲と、液晶パネル部101の透過率を制御する画像データの画素値の範囲とが同一であるものとする。例えば、入力される画像データの画素値の範囲が0〜255であり、画素値が0のとき液晶パネル部101の透過率は最小になり、画素値が255のとき液晶パネル部101の透過率は最大になるものとする。以後、特に断りのない限り、画素値の取り得る範囲の最大値をDMAXとする。
なお、特徴量は、画像を解析することにより検出されてもよいし、外部から入力されてもよい。
なお、全ての画素について画素値に対応する輝度を実現するためには、少なくとも、最大の画素値に対応する輝度を実現可能な発光輝度でバックライト部102を発光させなければならない。しかし、発光輝度決定部104では、最大の画素値に対応する輝度が実現可能か否かを考慮せず、黒浮が抑制されるように、発光輝度が決定される。
まず、発光輝度決定部104は、バックライト領域毎に、画像領域のヒストグラムを、画素値の大きいカテゴリからの累積ヒストグラムに変換する。
次に、発光輝度決定部104は、バックライト領域毎に、累積ヒストグラムにおいて、度数が閾値以上(例えば、総度数の1%以上)となるカテゴリ(画素値の範囲)の最大画素値HistHを検出する。
そして、発光輝度決定部104は、バックライト領域毎に、HistHをDMAXで除算した値を低下率として算出する。
次に、発光輝度決定部104は、バックライト領域毎に、標準発光輝度制御値に低下率を乗算することにより、発光輝度制御値を算出する。
図2に、ヒストグラムと累積ヒストグラムの一例を示す。図2(a)の例では、高い画素値のカテゴリ(画素値が239以下のカテゴリ)で度数が閾値以上となっているため、低下率は1に近い値となり、発光輝度制御値として、標準発光輝度制御値に近い値が得られる。図2(b)の例では、低い画素値のカテゴリ(画素値が127以下のカテゴリ)まで度数が閾値以上とならないため、低下率は小さな値となり、発光輝度制御値として、標準発光輝度制御値よりも大分低い値が得られる。
なお、本実施例では、輝度ヒストグラムに基づいて発光輝度(発光輝度制御値)を算出する構成としたが、発光輝度の決定方法はこれに限らない。例えば、演算を行わずに、特徴量と発光輝度制御値との対応関係を表すテーブルを用いて発光輝度制御値が決定されてもよい。画素値(RGB値など)のヒストグラムを用いて発光輝度制御値が決定されてもよい。画素値や輝度の平均値、分散、最大値、最小値、最頻値、中間値など、ヒストグラム以外の特徴量から発光輝度が決定されてもよい。特徴量として、複数種類の値(例えば、最大輝度と平均輝度)が用いられてもよい。
発光輝度制御値で発光させた場合とで、画面上に表示される画像の輝度を一致させるためには、低下率の逆数を増加率とすればよい。
ここで、処理画像データの画素値が、所定の範囲外(液晶パネル部101に入力可能な画素値の範囲外)の値となることがある。具体的には、画素値を高めることにより、画素値がDMAX(液晶パネル部101に入力可能な画素値の最大値)を超えることがある。例えば、DMAX=255、入力画像データの画素値が200、増加率が1.5倍である場合には、処理画像データの画素値は300となり、DMAXを超える。以後、画素値のうち、DMAXを超えた分の値を飽和量とする。上記例では、飽和量は45である。
液晶パネル部101の透過率は、画素値がDMAXのときに最大となり、それ以上にすることはできない。そのため、画素値がDMAXを超える場合、画面上の輝度は、画素値に対応する輝度よりも低い値となってしまう(輝度の不足が生じる)。本実施例では、説明を簡単にするために、画素値の変化に対し、画面上の輝度が線形に変化するものとする。そのため、飽和量と、バックライト部102の発光輝度との積に比例する量の輝度が不足することになる。
補正部107は、画素値を制限したことによる制限画素の輝度の変化が補償(抑制)されるように、当該制限画素の周囲の画素の画素値を調整することにより、制限画像データから補償画像データ(抑制画像データ)を生成する。具体的には、画素値を制限することにより制限画素の画素値がDMAX以下に低減され、制限画素の輝度が低下する。そのため、補正部107は、そのような輝度の低下が補償されるように、制限画素の周囲の画素の画素値を高める。また、本実施例では、補正部107は、1つの制限画素の輝度の変化を補償するために周囲の画素に与える画素値の調整量によって表される色相が、当該制限画素の制限前の画素値によって表される色相と一致するように、調整量を決定する。
そして、補正部107は、補償画像データを液晶パネル部101に出力する。
補正部107は、制限部108と補償部(抑制部)109を有する。
制限部108は、処理画像データの画素値のうち所定の範囲外の画素値(DMAXより大きい画素値)を、所定の範囲内の値に制限することにより、制限画像データを生成する。そして、各画素の制限量を表す制限量信号(処理画像データから制限画像データを減算した信号)と、制限画像データとを出力する。
補償部109は、制限部108により画素値が制限されたことによる制限画素の輝度の変化が補償(抑制)されるように、当該制限画素の周囲の画素の画素値を調整することにより、制限画像データから補償画像データ(抑制画像データ)を生成し、補償画像データを出力する。
制限部108は、最大値検出部110、制限率決定部111、除算部112、減算部1
13などを有する。
最大値検出部110は、画素毎に、処理画像データの画素値を構成するR値、G値、B値から、最大値を検出する。そして、最大値検出部110は、画素毎の最大値を出力する。
制限率決定部111は、画素毎に、DMAXに対する、最大値検出部110で検出された最大値の割合を、制限率として算出する。但し、DMAXに対する、最大値検出部110で検出された最大値の割合が1以下場合には、制限率は1とされる。そして、制限率決定部111は、画素毎の制限率を出力する。
例えば、R値、G値、B値が、それぞれ、220、384、128の場合には、384が最大値として検出される。そして、DMAX=255の場合には、制限率は、255を384で除算した値(約1.5)となる。
除算部112は、画素毎に、処理画像データの画素値を構成するR値、G値、B値を、制限率で除算することにより、制限画像データの画素値を算出する。そして、除算部112は、制限画像データ(各画素値が、処理画像データの画素値を制限率で除算して得られる値である画像データ)を出力する。
減算部113は、画素毎に、処理画像データの画素値から制限画像データの画素値を減算することにより、制限量信号の値(画素値)を算出する。そして、減算部113は、制限量信号(各画素値が、処理画像データの画素値から制限画像データの画素値を減算して得られる値である画像データ)を出力する。
補償部109は、ライン遅延部a114、ライン遅延部b115、ライン遅延部c116、加算量決定部117、加算量制限部118、加算部119などを有する。
ライン遅延部a114には、制限画像データが入力される。そして、ライン遅延部a114からは、1ライン遅延した制限画像データが、1ライン遅延制限画像データとして出力される。
ライン遅延部b115には、制限量信号が入力される。そして、ライン遅延部b115からは、1ライン遅延した制限量信号が、1ライン遅延制限量信号として出力される。
ライン遅延部c116には、1ライン遅延制限量信号が入力される。そして、ライン遅延部c116からは、2ライン遅延した制限量信号が、2ライン遅延制限量信号として出力される。
加算量決定部117は、画素毎に、その画素を調整対象の画素(注目画素)として、注目画素の上下左右に隣接する4つの画素(隣接画素)の輝度の変化を補償するための4つの調整量を決定する。本実施例では、1ライン遅延制限量信号の画素が注目画素とされる。また、1ライン遅延制限量信号の画素が注目画素の左右に隣接する画素とされる。そして、遅延されていない制限量信号の画素が注目画素の上に隣接する画素とされ、2ライン
遅延制限量信号の画素が注目画素の下に隣接する画素とされる。本実施例では、1つの制限画素の輝度の変化が4つの画素によって補償される。そのため、1つの制限画素の飽和量(制限量信号の値)の1/4が、当該制限画素の輝度の変化を補償するための注目画素の調整量とされる。
加算量決定部117は、注目画素に対し、上記4つの調整量の総和(総調整量)を、加算量として算出する。そして、加算量決定部117は、画素毎の加算量を出力する。
利得Gは、例えば、以下の方法で算出される。
まず、式1−1〜1−3を用いて、加算量を構成するR値の利得の最大値GMR、G値の利得の最大値GMG、B値の利得の最大値GMBが算出される。式1−1〜1−3において、DMAXは、液晶パネル部101に入力可能な画素値の最大値である。DR、DG、DBは、制限画像データの画素値を構成するR値、G値、B値である。OVR、OVG、OVBは、加算量を構成するR値、G値、B値である。
GMR=(DMAX−DR)/OVR ・・・(式1−1)
GMG=(DMAX−DG)/OVG ・・・(式1−2)
GMB=(DMAX−DB)/OVB ・・・(式1−3)
そして、利得GMR、利得GMG、利得GMBのうちの最小値が利得Gとして設定される。但し、利得GMR、利得GMG、利得GMBがいずれも1以上の場合には、1が利得Gとして設定される。
また、本実施例によれば、輝度の変化を補償するために画素に与える調整量によって表される色相が、制限前の画素値の色相と一致するように処理が行われる。それにより、所定の範囲外の画素値を当該所定の範囲内の値に制限することにより生じる画質の劣化をより抑制することができる。具体的には、画素値を制限したことによる色の変化や、輝度を補償したことによる色の変化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、調整後の画素値が所定の範囲外の値となる画素が存在する場
合に、当該画素の調整後の画素値が所定の範囲内の値となるように、当該画素の画素値の総調整量が制限される。具体的には、調整後の総調整量によって表される色相が、調整前の総調整量によって表される色相と一致するように、総調整量が制限される。それにより、所定の範囲外の画素値を当該所定の範囲内の値に制限することにより生じる画質の劣化をより抑制することができる。具体的には、調整後の画素値が所定の範囲外の値となる場合でも、輝度を補償したことによる色の変化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、1つの制限画素の輝度の変化を複数の画素に補償させる際に、画素値の調整量が複数の画素間で互いに等しくなるように、複数の画素の画素値の調整量が決定される。それにより、補償による輝度むらの発生を抑制することができる。
なお、本実施例では、画素値が所定の範囲(画素値の取りうる範囲)の上限値を超える場合について説明したが、これに限らない。画素値が所定の範囲の下限値を下回った場合には、当該画素値が下限値以上の値に制限されることがある。その場合には、同様の方法により、下限値を下回った画素値を制限したことによる輝度の変化が補償されてもよい。但し、下限値を下回った画素値を制限したことによる輝度の変化を補償すると、黒浮が生じる虞がある。そこで、黒浮の抑制を優先し、上限値を超えた画素値を制限したことによる輝度の変化のみが補償されてもよい。
なお、本実施例では、制限画素の上下左右に隣接する4つの画素が、制限画素の周囲の画素である場合の例を説明したが、制限画素の周囲の画素はこれに限らない。例えば、制限画素の上に隣接する2画素、下に隣接する2画素、左に隣接する2画素、右に隣接する2画素の計8画素が周囲の画素とされてもよい。制限画素の上、下、左、右、左上、右上、左下、右下に隣接する8画素が周囲の画素とされてもよい。
なお、本実施例では、画素値の増加に対して透過率(画面上の輝度)が線形に増加する場合の例を示したが、これに限らない。例えば、画素値の増加に対して透過率(画面上の輝度)が指数関数的に増加してもよい。その場合には、例えば、画素値に対する透過率の変化を表す関数を用いて、画素値を制限したことによる輝度の変化を算出(推定)することができる。そして、上記関数と、調整対象の画素の画素値(制限画像データの画素値)とから、輝度の変化を補償する補償量を算出することができる。
なお、注目画素が制限画素である場合には、加算量を加算する余地が少ない。そのため、そのような注目画素は、調整対象の画素として選択されなくてもよい。そして、本実施例では、1つの制限画素の輝度の変化を、当該制限画素の上下左右に隣接する4つの画素に補償させる構成としたが、1つの制限画素の輝度の変化が必ずしも上記4つの画素により補償されるとは限らない。例えば、上記4つの画素のうち、2つの画素の画素値がDMAXである場合には、制限画素の輝度の変化は残りの2つの画素でしか補償することができない。そのため、そのような場合には、制限画素の輝度の変化を1/2ずつ2つの画素で補償させることが好ましい。即ち、制限画素の周囲に存在する制限画素の数(制限画素以外の画素の数)に基づいて、補償量を決定することが好ましい。
なお、本実施例では、バックライト領域毎に発光輝度や画素値が調整される構成としたが、これに限らない。画像全体の明るさに基づいて、バックライト全体の発光輝度が制御され、バックライト全体の発光輝度に基づいて、各画素値が調整されてもよい。
なお、本実施例では、表示装置が液晶表示装置である場合の例を説明したが、表示装置は液晶表示装置に限らない。表示装置は、バックライト部と、バックライト部からの光を透過して画像を表示する表示部とを有する表示装置であればよい。
なお、1つの制限画素の輝度の変化を複数の画素に補償させる際に、画素値の調整量が複数の画素間で互いに異なっていてもよい。そのような場合であっても、上記効果に順じた効果を得ることができる。
なお、制限後の画素値の色相、輝度の変化を補償するために画素に与える調整量によっ
て表される色相は、制限前の画素値の色相と一致していなくてもよい。また、調整後の総調整量によって表される色相は、調整前の総調整量によって表される色相と一致していなくてもよい。そのような場合であっても、画素値を制限したことによる制限画素の輝度の変化が補償すれば、当該輝度の変化による画質の劣化を抑制することができる。
以下、本発明の実施例2に係る表示装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。
実施例1では、全ての制限画素の飽和量を補償する構成について説明した。ここで、大面積の領域の画素値が制限されている場合には、注目画素の周囲に多くの制限画素が存在するため、注目画素の加算量が大きくなり、利得Gが小さくなる。そのため、大面積の領域の画素値が制限されている場合には、本発明の効果(画質の劣化を抑制する効果)が低下する。それだけでなく、大面積の領域の画素値が制限されている場合には、多くの制限画素の色が注目画素の色に加算されるため、画像のディテールが失われてしまう(画質が劣化してしまう)虞がある。制限画素は、制限画像データを生成する際に画素値が制限された画素であり、入力画像データに所定の画像処理を施すことにより画素値が所定の範囲外の値となる画素である。
一方、局所的に存在する制限画素(孤立制限画素)の輝度の変化を補償する場合には、利得Gは1に近い値となり、本発明の効果として高い効果を得ることができる。
そこで、本実施例では、処理画像データの画素値のうち、制限画素の画素値を所定範囲内の値に制限し、孤立制限画素の周囲の画素の画素値を、当該孤立制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が補償されるように調整する。処理画像データは、入力画像データに所定の画像処理を施すことにより生成される画像データである。
本実施例では、高い効果を得ることのできる孤立制限画素に限定して、当該孤立制限画素の輝度の変化が補償されるため、高い効果を得ることができる。
本実施例に係る補償部は、ライン遅延部a114、ライン遅延部b115、ライン遅延部c116、加算量決定部117、加算量制限部218、加算部119、加算量制御部220などを有する。
ライン遅延部a114、ライン遅延部b115、ライン遅延部c116、加算量決定部117、加算部119の動作は実施例1と同じである。
注目画素の周囲に存在する制限画素の数が所定数より多い場合には、当該制限画素が孤立制限画素である可能性が低い。そこで、本実施例では、加算量制御部220は、一の画素(注目画素)の周囲に存在する制限画素の数が所定数以下である場合に、当該制限画素が孤立制限画素であると判定する。具体的には、加算量制御部220は、注目画素の上下左右に隣接する4つの画素のうち、3つ以上の画素が制限画素である場合には、それら制限画素が孤立制限画素ではないと判定する。そして、加算量制御部220は、注目画素の上下左右に隣接する4つの画素のうち、2つ以下の画素が制限画素である場合には、それら制限画素が孤立制限画素であると判定する。加算量制御部220は、注目画素の周囲の制限画素が孤立制限画素である場合には、制御信号として0を出力し、注目画素の周囲の制限画素が孤立制限画素でない場合には、制御信号として1を出力する。
限したことによる輝度の変化が補償されるように、当該孤立制限画素の周囲の画素の画素値が調整される。
なお、孤立制限画素の検出方法は上記方法に限らない。例えば、制限画素のみからなる領域を検出し、その領域のサイズが所定値以下の場合に、当該領域が孤立制限画素からなる領域であると判定してもよい。また、制限画素に隣接する画素の中に、当該制限画素の画素値に比べ所定値以上低い画素値を有する画素が所定数(例えば2つ)以上存在する場合に、当該制限画素が孤立制限画素であると判定してもよい。
以下、本発明の実施例3に係る表示装置およびその制御方法について図面を参照して説明する。実施例1では、総調整量で画素値を調整することができない場合、具体的には加算量によって画素値がDMAXを超えてしまう場合に、利得Gによって加算量を制限する構成について説明した。注目画素の周囲の制限画素が孤立制限画素である場合には、利得Gは1に近い値となる可能性が高いが、注目画素の周囲の制限画素が孤立制限画素でない場合には、利得Gは1から離れた小さな値となる可能性が高い。利得Gが1に近い場合には、加算量(調整量)を制限したことによる輝度の変化が小さく、制限画素の輝度の変化が十分に補償されるため、本発明の効果(画質の劣化を抑制する効果)として高い効果が得られる。しかしながら、利得Gが1から離れた小さな値である場合には、加算量(調整量)を制限したことによる輝度の変化(低下)が大きく、制限画素の輝度の変化が十分に補償されない、本発明の効果として高い効果を得ることができない。
調整量を制限したことによる輝度の変化は、例えば、バックライト部の発光輝度を制御することにより補償することができる。
そこで、本実施例では、総調整量を制限したことによる輝度の変化が補償されるように、バックライト部の発光輝度を制御する。具体的には、バックライト領域毎(画像領域毎)に、その領域内の各画素の利得Gに基づいて、発光輝度決定部104で決定される低下率を補正する。それにより、利得Gが1から離れた小さな値である場合にも、画質の劣化を抑制する効果として高い効果を得ることを可能にする。
本実施例に係る表示装置は、液晶パネル部101、バックライト部102、特徴量検出部103、発光輝度決定部304、増加率決定部105、増加部106、補正部307、などを有する。
液晶パネル部101、バックライト部102、特徴量検出部103、増加率決定部105、増加部106の動作は実施例1と同じである。
補正部307の機能構成の一例を図10に示す。
補正部307は、制限部108と補償部309を有する。
制限部108の動作は実施例1と同じである。
補償部309は、実施例1で説明した補償部109と同様に、補償画像データを生成し出力する。また、補償部309は、バックライト領域毎に、その領域内の各画素の利得Gを表す統計量情報に基づいて、その領域の発光輝度が不足しているか否か(制限画素の輝
度の変化が十分に補償されているか否か)を判定する。そして、補償部309は、その判定結果に基づいて、バックライト領域毎の発光輝度を補正するための発光輝度補正信号を生成し、出力する。
補償部309は、ライン遅延部a114、ライン遅延部b115、ライン遅延部c116、加算量決定部117、加算量制限部318、加算部119、発光輝度補正判定部321などを有する。
ライン遅延部a114、ライン遅延部b115、ライン遅延部c116、加算量決定部117、加算部119の動作は実施例1と同じである。
以下、発光輝度決定部304の処理について具体的に説明する。
まず、発光輝度決定部304は、フレーム毎に、各バックライト領域について、発光輝度補正信号の値に応じたカウント処理を行う。発光輝度補正信号の値が1のときには補正値を1カウントアップする。発光輝度補正信号の値が0のときには補正値を1カウントダウンする。補正値の初期値及び下限値は0とする。
そして、発光輝度決定部304は、バックライト領域毎に、補正値に所定の定数KTを乗算し、その値を低下率に加算する。定数KTが0.002の場合には、50フレームの期間で発光輝度補正信号の値が1のときに、低下率が0.1上昇する。このように、発光輝度補正信号として1が出力されているバックライト領域では、低下率が徐々に上昇し、発光輝度も徐々に上昇する。発光輝度が十分な値に達し、平均利得が閾値より大きくなると、発光輝度補正信号として0が出力されるようになり、発光輝度は一定とされる。
なお、低下率ではなく発光輝度制御値が補正されてもよい。
なお、本実施例の構成(総調整量を制限したことによる輝度の変化が補償されるように、バックライト部の発光輝度を制御する構成)は、実施例2の構成に適用することもできる。
以下、本発明の実施例4に係る表示装置およびその制御方法について図面を参照して説明する。本実施例では、実施例3とは異なる方法により、画素値を制限したことによる輝度の変化が十分に補償できない場合にも、当該輝度の変化を十分に補償することを可能とする構成について説明する。なお、本実施例の構成は、実施例3の構成に適用することもできる。
本実施例に係る補償部は、総調整量が制限された画素である総調整量制限画素の総調整量を制限したことによる輝度の変化が補償されるように、当該総調整量制限画素の周囲の画素の画素値を調整する。
補償部は、第1制限画素検出部422、第1分配係数決定部423、第1加算量決定部424、第1加算量制限部425、第1加算部426、第2制限画素検出部427、第2分配係数決定部428、第2加算量決定部429、第2加算量制限部430、第2加算部431などを有する。なお、実施例1で説明したライン遅延部は省略している。
ここで、増加率が3であり、DMAXが255であったとすると、符号bで示す制限画像データと、符号cで示す制限量信号(第1制限量信号)とが得られる。
第1制限画素検出部422は、第1制限量信号に基づいて、制限画素を検出し、検出結果を第1制限画素データとして出力する。具体的には、第1制限画素検出部422は、第1制限量信号の値が0でない画素を制限画素として検出する。そして、第1制限画素検出部422は、制限画素に1が割り当てられ、それ以外の画素に0が割り当てられた第1制限画素データを生成し、出力する。符号cで示す第1制限量信号から、符号dで示す第1制限画素データが得られる。
加算量が算出される。また、本実施例では、制限画素に対しては、輝度の変化を補償するための画素値の調整を行わないため、第1加算量は0とされる。第1加算量決定部424は、画素毎に第1加算量を表す第1加算量データを出力する。符号cで示す第1制限量信号と、符号eで示す第1分配係数データとから、符号fで示す第1加算量データが得られる。
加算量データ(第2制限加算量データ)とから、符号lで示す第2補償画像データが得られる。
なお、本実施例では、補償処理を2回繰り返す構成としたが、補償処理の繰り返し回数を増やせば、画素値を制限したことによる輝度の変化をより確実に補償することができる。
なお、本実施例の構成(総調整量制限画素の周囲の画素の画素値を調整する構成)は、実施例2や実施例3の構成に適用することもできる。
以下、本発明の実施例5に係る表示装置およびその制御方法について図面を参照して説明する。実施例1〜4では、バックライトの発光輝度にあわせて入力画像データを補正する画像処理により、画素値が所定の範囲外の値となってしまう場合の例を説明した。しかし、上記画像処理以外の画像処理によっても、画素値が所定の範囲外の値となり、画素値が所定の範囲内の値に制限されてしまうことがある。画像処理の種類に依らず、画素値が所定の範囲内の値に制限されれば、画素値を制限したことによる輝度の変化が生じ、画質が劣化してしまう。そこで、本実施例では、上記画像処理とは異なる画像処理を行う表示装置の例を説明する。
本実施例に係る表示装置は、表示部501、画像処理部532、制限部108、補償部109などを有する。
制限部108と補償部109の動作は実施例1と同じである。
表示部501は、画像データに基づく画像を表示する表示パネルである。表示部501は、例えば、有機ELディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネルなどである。
図15の例では、画像処理によりG値がDMAXを超える。そのため、色バランスを保ちながら、G値がDMAXとなるように、R値、G値、B値が調整(制限)されることにより、制限画像データが生成される。そして、当該調整による画素値の変化分(制限量)が、色バランスを保ちながら、周囲の画素の画素値に加算され、補償画像データが生成される。
なお、本実施例の構成(バックライトの発光輝度にあわせて入力画像データを補正する画像処理以外の画像処理が行われる構成)は、実施例2〜4の構成に適用することもできる。
なお、本実施例に係る表示装置は、実施例1〜4のような表示装置(バックライト部と、バックライト部からの光を透過して画像を表示する表示装置)に限らない。本実施例に係る表示装置は、独立した光源を有さない表示装置であってもよい。
以下、本発明の本発明の実施例6に係る表示装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。
実施例1〜5では、入力画像データに所定の画像処理を施すことにより処理画像データを生成し、処理画像データの画素値を調整する例を説明した。本実施例では、処理画像データを生成しない例を説明する。
図16は、本実施例に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施例に係る表示装置は、液晶パネル部101、バックライト部102、特徴量検出部103、発光輝度決定部104、補正データ生成部1605、制限画素検出部1606、補正データ調整部1607、補正部1608、Limit部1609、などを有する。
図28に入力画像データの一例を示す。図28に示す入力画像データのうち、ひときわ明るい星(P部)を含む画像領域に対しては、特徴量として、図17に示すようなヒストグラムが得られる。図17は、輝度の取り得る範囲(本実施例では0〜255)を16等分した16カテゴリのヒストグラムの例である。図17のヒストグラムでは、0〜15の輝度範囲であるカテゴリ1に度数が集中している。また、図17の例では、224〜239の輝度範囲であるカテゴリ15の画素も少しだけ存在している。図17において、カテゴリ15の画素は、P部の画素である。
具体的には、発光輝度決定部104は、バックライト領域毎に、そのバックライト領域に対応する画像領域のヒストグラムから、最大カテゴリを判断する。最大カテゴリは、度数が1以上のカテゴリのうち、最も高輝度側のカテゴリである。そして、発光輝度決定部104は、最大カテゴリの番号が大きいほど発光輝度が高くなるように(バックライト領域に表示される画像の最大輝度が高いほど発光輝度が高くなるように)、バックライト領域毎に発光輝度を決定する。なお、本実施例では、16個のカテゴリに対して、低階調側から順番に1〜16の番号が付されているものとする。
しかしながら、図17に示すようなヒストグラムが得られるバックライト領域に表示される画像は、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含む。そして、そのようなバ
ックライト領域の発光輝度を、最大カテゴリの番号に応じた高い値に制御してしまうと、図28に示すように、フレアと呼ばれる黒浮きが生じてしまう。そこで、本実施例では、バックライト領域に表示される画像が、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含む場合には、そうでない場合に比べて発光輝度が低くなるように、発光輝度を決定する。
具体的には、本実施例では、発光輝度決定部104は、最大カテゴリの番号に応じて、最大カテゴリの番号が大きいほど低い第1の低下率β(β≦1)を決定する。また、発光輝度決定部104は、ヒストグラムに基づいて、発光輝度を最大カテゴリの番号に応じた値に制御した場合にフレアが発生する可能性が高いほど低い第2の低下率γ(γ≦1)を決定する。そして、発光輝度決定部104は、第1の低下率βと第2の低下率γで標準発光輝度Bdを低減することにより、発光輝度BLC(=γβBd)を決定する。
なお、γの決定方法は特に限定されない。例えば、最大カテゴリの度数に応じて、最大カテゴリの度数が多いほど高いγが決定されてもよい。また、最大カテゴリの番号と、最も度数が多いカテゴリの番号との差に応じて、当該差が大きいほど低いγが決定されてもよい。
補正データ生成部1605は、乗算器1801,1802、差分計算部1803、及び、割り算部1804を有する。
乗算器1801には、標準発光輝度Bdと、補正値決定処理(補正値を決定する処理)の対象である画素の入力画素値(入力画像データの画素値)が入力される。乗算器1801は、標準発光輝度に入力画素値を乗算する。図28のP部の画素の入力画素値が224である場合、当該画素についての乗算結果は、224Bdとなる。
乗算器1802には、発光輝度決定部104で決定されたバックライト領域毎の発光輝度と、補正値決定処理の対象である画素の入力画素値とが入力される。乗算器1802は、補正値決定処理の対象である画素が表示されるバックライト領域の発光輝度BLC(=γβBd)に入力画素値を乗算する。図28のP部の画素についての乗算結果は224BLC(=224γβBd)となる。
差分計算部1803の入力ポートAには乗算器1801の乗算結果が入力され、差分計算部1803の入力ポートBには乗算器1802の乗算結果が入力される。差分計算部1803は、入力ポートAに入力された値から、入力ポートBに入力された値を減算する。差分計算部1803の減算結果は、発光輝度を標準発光輝度Bdから発光輝度BLCに制御した場合の輝度の不足分を示す。図28のP部の画素が補正値決定処理の対象である場合、入力ポートAに224Bdが入力され、入力ポートBに224γβBdが入力され、減算結果として224Bd−224γβBd=224(1−γβ)Bdが算出される。
割り算部1804の入力ポートCには差分計算部1803の減算結果が入力され、割り算部1804の入力ポートDには発光輝度決定部104で決定されたバックライト領域毎の発光輝度が入力される。割り算部1804は、入力ポートCに入力された値を、入力ポートDに入力された値(補正値決定処理の対象である画素が表示されるバックライト領域の発光輝度)で除算する。上述した輝度の不足分を発光輝度BLCで除算することで、輝度の不足分を補償するために必要な補正値を算出することができる。図28のP部の画素が補正値決定処理の対象である場合、入力ポートCに224(1−γβ)Bdが入力され、入力ポートDに、補正値決定処理の対象である画素が表示されるバックライト領域の発
光輝度として発光輝度BLC(=γβBd)が入力される。そして、除算結果として(224(1−γβ)Bd)/(γβBd)=224・(1−γβ)/γβが算出される。割り算部1804は、画素毎の除算結果を補正データとして制限画素検出部1606に出力する。
制限画素検出部1606は、加算部1901、差分計算部1902、及び、飽和判断部1903を有する。
加算部1901には、補正データと、制限画素判断処理の対象の画素の入力画素値とが入力される。加算部1901は、制限画素判断処理の対象の画素の入力画素値に、制限画素判断処理の対象の画素の補正値を加算する。そして、加算部1901は、加算結果を差分計算部1902へ出力する。図28のP部の画素が制限画素判断処理の対象である場合、入力画素値として224が入力され、当該画素の補正値として224(1−γβ)/γβが入力される。そして、加算結果として224+224(1−γβ)/γβ=224/γβが算出される。
差分計算部1902の入力ポートEには加算部1901の加算結果が入力され、差分計算部1902の入力ポートFにはDMAX(液晶パネル部101に入力可能な画素値の最大値;本実施例では255)が入力される。DMAXは、例えば、不図示の記憶部に予め記録されている。差分計算部1902は、入力ポートEに入力された値から、入力ポートFに入力された値を減算する。減算結果は飽和量である。そして、差分計算部1902は、減算結果を飽和判断部1903へ出力する。図28のP部の画素が制限画素判断処理の対象である場合、入力ポートEに224/γβが入力され、入力ポートFに255が入力され、減算結果として224/γβ−255が算出される。なお、減算結果が負となる場合に差分計算部1902が減算結果を0に補正してもよい。
飽和判断部1903は、差分計算部1902の減算結果に基づいて、制限画素か否かを判断する。そして、飽和判断部1903は、制限画素か否かの判断結果(飽和信号)と、飽和量とを補正データ調整部1607に出力する。具体的には、飽和量が正である画素については、制限画素であると判断され、飽和信号として1が出力され、飽和量として差分計算部1902の減算結果がそのまま出力される。飽和量が0または負である画素については、制限画素でないと判断され、飽和信号として0が出力され、飽和量として0が出力される。図28のP部の画素に対する減算結果(224/γβ−255)が正である場合、当該画素の飽和信号として1が出力され、当該画素の飽和量として224/γβ−255が出力される。
値に制限されるように、制限画素に対する補正値を調整する。また、補正データ調整部1607は、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が補償されるように、当該制限画素の周囲の画素に対する補正値を調整する。それらの処理により、調整補正データが生成される。なお、本実施例では説明の簡略化のため、制限画素の周囲の画素が、制限画素の左右に隣接する2画素である例を説明するが、周囲の画素はこれに限らない。例えば、周囲の画素は、制限画素の上下に隣接する2画素であってもよいし、制限画素の上下左右に隣接する4画素であってもよいし、制限画素に隣接する8画素(制限画素の上、下、右、左、右上、右下、左上、左下に隣接する8画素)であってもよい。
補正データ調整部1607は、割り算部2001、差分計算部2002、及び、MUX2003を有する。
割り算部2001の入力ポートGには制限画素検出部1606から飽和量が入力され、割り算部2001の入力ポートHには周囲の画素(周辺画素)の数が入力される。割り算部2001は、入力ポートGに入力された飽和量を、入力ポートHに入力された値で除算する。それにより、除算結果として、制限画素の周囲の画素に対する補正値の調整量が算出される。具体的には、処理対象の画素が制限画素である場合に、除算結果として、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化を補償するための補正値の調整量が算出される。処理対象の画素が制限画素でない場合には、除算結果として0(補正値を調整しない値)が算出される。そして、割り算部2001は、除算結果(調整量)を、周辺画素の補正値BLCの調整量として補正部1608に出力する。上述したように、本実施例では、周辺画素の数は2である。図28のP部の画素が処理対象である場合、入力ポートGに224/γβ−255が入力され、入力ポートHに2が入力され、除算結果として(224/γβ−255)/2が算出される。
差分計算部2002の入力ポートJにはDMAX(255)が入力され、差分計算部2002の入力ポートKには、処理対象の画素の入力画素値が入力される。差分計算部2002は、入力ポートJに入力された値から、入力ポートKに入力された値を減算する。それにより、減算結果として、入力画素値をDMAXに補正するための補正値が算出される。即ち、処理対象の画素が制限画素である場合に、減算結果として、制限画素の入力画素値を制限後の画素値に補正するための補正値が算出される。差分計算部2002は、減算結果をMUX部2003へ出力する。図28のP部の画素が処理対象である場合、入力ポートJに255が入力され、入力ポートKに224が入力され、減算結果として31が算出される。
MUX部2003には、補正データ生成部1605で生成された補正データ、差分計算部2002の減算結果、及び、制限画素検出部1606の判断結果(飽和信号)が入力される。MUX部2003は、補正データの補正値または差分計算部2002の減算結果を、補正値として補正部1608に出力する。具体的には、MUX部2003は、飽和信号が0である場合、即ち処理対象の画素が制限画素でない場合に、補正データの補正値を補正値として出力する。そして、MUX部2003は、飽和信号が1である場合、即ち処理対象の画素が制限画素である場合に、差分計算部2002の減算結果を補正値として出力する。図28のP部の画素に対する飽和信号は1であるため、当該画素が処理対象である場合には、差分計算部2002の減算結果である31が、当該画素の補正値として出力される。
なお、本実施例では、画素毎の補正値と調整量とが調整補正データとして出力される例を示したが、画素毎に補正値と調整量の和が調整補正値として算出され、画素毎の調整補正値が調整補正データとして出力されてもよい。
画素毎に、入力画素値に、補正データ調整部1607から入力された補正値と調整量を加算する。それにより、補正画像データが生成される。そして、補正部1608は、補正画像データをLimit部1609へ出力する。図28のP部の画素の周辺画素の入力画素値が10であった場合には、当該周辺画素の調整量が(224/γβ−255)/2であるため、当該周辺画素の補正後の画素値は、10+(224/γβ−255)/2=(224/γβ−235)/2となる。
上述したように、本実施例では、飽和量を周辺画素の数で除算することにより調整量が算出される。そのため、本実施例では、複数の周辺画素の画素値が同じ調整量で調整された補正画像データが生成される。
図22に、制限画素と周辺画素の表示輝度の一例を示す。図22(a)は、バックライト領域毎の発光輝度を制御しない場合の表示輝度を示す(バックライト制御前)。即ち、図22(a)は、標準発光輝度でバックライト部を発光させて補正前の画素値を表示した場合の表示輝度を示す。図22(b)は、バックライト領域毎の発光輝度を制御した場合の従来技術における表示輝度を示す(バックライト制御後)。即ち、図22(b)は、発光輝度決定部104で決定された発光輝度BLCでバックライト部を発光させて従来技術における補正後の画素値を表示した場合の表示輝度を示す。図22(c)は、バックライト領域毎の発光輝度を制御した場合の本実施例における表示輝度を示す(バックライト制御後)。即ち、図22(c)は、発光輝度決定部104で決定された発光輝度BLCでバックライト部を発光させて本実施例における補正後の画素値を表示した場合の表示輝度を示す。図22の破線は、表示輝度の取り得る値の最大値(標準発光輝度でバックライト部を発光させて画素値DMAXを表示した場合の表示輝度)を示す。図22の太線は表示輝度を示し、細線は表示輝度の不足分を示す。
図23(a)は、バックライト領域毎の発光輝度を制御しない場合の表示画像を示す(バックライト制御前)。
図23(b)は、表示輝度の最大輝度が確保されるようにバックライト領域毎の発光輝度を制御した場合の従来技術における表示画像を示す(バックライト制御後)。図23(b)の例では、バックライト領域毎の発光輝度を制御することにより表示画像のコントラストを高めることができる。しかしながら、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含むバックライト領域の発光輝度が高い値に制御されるため、フレアが発生してしまう
。具体的には、ひときわ明るい星(P部)を含むバックライト領域でフレアが発生してしまう。
図23(c)は、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含むバックライト領域の発光輝度が高い値に制御されるようにバックライト領域毎の発光輝度を制御した場合の従来技術における表示画像を示す(バックライト制御後)。図23(c)の例では、バックライト領域毎の発光輝度を制御することにより表示画像のコントラストを高めることができる。そして、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含むバックライト領域の発光輝度が低い値に制御されるため、フレアの発生を抑制することができる。しかしながら、低い値に制御されたバックライト領域内の画素のうち、入力画素値が高い画素は、画素値を補正してもバックライト領域の発光輝度の変化による表示輝度の変化を補償しきれないため、暗く表示されてしまう。換言すれば、補正後の画素値がDMAXを超える画素は、画素値がDMAXに制限されてしまうため、暗く表示されてしまう。具体的には、P部が暗く表示されてしまう。
図23(d)は、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含むバックライト領域の発光輝度が高い値に制御されるようにバックライト領域毎の発光輝度を制御した場合の本実施例における表示画像を示す(バックライト制御後)。本実施例では、バックライト領域毎の発光輝度を制御することにより表示画像のコントラストを高めることができる。また、明るい領域を少ししか含まず、暗い領域を多く含むバックライト領域の発光輝度が低い値に制御されるため、フレアの発生を抑制することができる。さらに、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が補償されるように周辺画素の画素値が調整されるため、制限画素の画素値を制限したことによる表示輝度の変化を抑制することができる。具体的には、P部を明るく表示することができる。
なお、補正データの算出方法は上述した方法に限らない。例えば、標準発光輝度Bdと発光輝度決定部で決定された発光輝度BLCの比α(α=Lb/Lca≧1)を求め、(α−1)に入力画素値を乗算することにより補正値が算出されてもよい。
なお、本実施例では、Limit部に入力される画像データを補正画像データと呼んだが、Limit部から出力される画像データを補正画像データと呼んでも構わない。
以下、本発明の実施例7に係る表示装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。実施例6では、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化を周辺画素で補償した。しかし、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化は、周辺画素だけでは補償しきれないことがある。本実施例では、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が周囲の画素で補償しきれない場合に、当該周囲の画素の外側の画素の補正後画素値(補正画像データの画素値)を補正する。それにより、周囲の画素で補償しきれない分の輝度の変化が補償される。
図24は、本実施例に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施例に係る表示装置は、実施例6(図16)の機能部の他に、第2補正データ生成部2401と第2補正部2402を有する。なお、実施例6と同じ機能部には同じ符号を付し、その説明は省略する。
第2補正データ生成部2401と第2補正部2402により、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が周辺画素で補償しきれない場合に、当該周辺画素の外側の画素の補正後画素値が補正される。
の画素値を制限したことによる輝度の変化が周辺画素で補償しきれないことを意味する。第2補正データ生成部2401は、周辺画素の補正後画素値が所定の範囲外の値である場合に、制限画素から見て周辺画素の外側の画素(外側画素)に対する補正値を第2補正値として決定する。具体的には、第2補正値として、周辺画素で補償しきれない分の輝度の変化を補償するための補正値が決定される。本実施例では、第2補正データ生成部2401は、周辺画素の補正後画素値がDMAXを超えているか否かを判断する。そして、第2補正データ生成部2401は、周辺画素の補正後画素値がDMAXを超えている場合に、当該補正後画素値の飽和量を算出し、飽和量を外側画素の数(所定数)で除算することにより、外側画素の第2補正値を算出する。
本実施例では、1つ目の処理として、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化を周辺画素で補償する処理が行われる。そして、2つ目の処理として、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が周辺画素で補償しきれない場合(周辺画素の補正後画素値がDMAXを超えた場合)に、外側画素で補償する処理が行われる。
本実施例では、制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が周辺画素で補償しきれない場合に、3つの外側画素の補正後画素値が補正される。
具体的には、画素Aの補正後画素値がDMAXを超えた場合には、画素Aの補正後画素値の飽和量を3で除算することにより第2補正値が算出される。そして、画素X,I,Jの補正後画素値に、算出した第2補正値が加算される。
同様に、画素Bの補正後画素値がDMAXを超えた場合には、画素Bの補正後画素値の飽和量を3で除算することにより第2補正値が算出される。そして、画素J,K,Lの補正後画素値に、算出した第2補正値が加算される。
なお、本実施例では、1つの周辺画素に対して3つの外側画素の補正後画素値が補正される場合の例を示したが、これに限らない。例えば、1の周辺画素に対して図25に示す16個の画素I〜Xの補正後画素値が補正されてもよい。また、1つの周辺画素に対して隣接する全ての外側画素の補正後画素値が補正されてもよい。具体的には、画素Aに対して画素I,J,W,Xの補正後画素値が補正されてもよい。
なお、本実施例では、制限画素から1画素分離れた画素が周辺画素であり、制限画素から2画素分離れた画素が外側画素である場合の例を示したが、これに限らない。例えば、制限画素から2画素分の領域に含まれる画素が周辺画素であり、制限画素から4画素分の領域に含まれる画素のうち、周辺画素以外の画素が外側画素であってもよい。
以下、本発明の実施例8に係る表示装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。実施例6では、周辺画素の画素値が同じ調整量で調整された補正画像データを生成
する例を説明した。本実施例では、周辺画素の画素値(補正後画素値)が互いに等しくなるような調整量で当該周辺画素の画素値が調整された補正画像データを生成する例を説明する。
図26は、本実施例に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施例に係る表示装置は、実施例6(図16)の補正データ調整部1607と補正部1608の代わりに画像データ補正部2601を有する。なお、実施例6と同じ機能部には同じ符号を付し、その説明は省略する。
画像データ補正部2601は、画像処理部2701、加算部2702、及び、割り算部2703を有する。画像データ補正部2601には、入力画像データ、補正データ、制限画素検出部1606の判断結果(飽和信号)、飽和量、及び、DMAXが入力される。
画像処理部2701は、画素毎に、入力画素値に補正値BLCを加算する。また、画像処理部2701は、画素毎に、その画素が、制限画素か、周辺画素か、それ以外の画素かを判断する。制限画素か、周辺画素か、それ以外の画素かの判断は、飽和信号を用いて行われる。制限画素については、画像処理部2701は、入力画素値に補正値BLCを加算した値をDMAXに制限し、制限された値を補正後画素値として出力する。制限画素でも周辺画素でもない画素については、画像処理部2701は、入力画素値に補正値BLCを加算した値を補正後画素値として出力する。そして、周辺画素については、画像処理部2701は、入力画素値に補正値BLCを加算した値を処理値として加算部2702に出力する。
加算部2702は、制限画素毎に、その制限画素の各周辺画素の処理値(入力画素値に補正値BLCを加算した値)と、当該制限画素の飽和量との和を算出する。
割り算部2703は、制限画素毎に、その制限画素に対する加算部2702の計算結果を、周辺画素の数(本実施例では2)で除算する。そして、割り算部2703は、制限画素毎に、その制限画素に対する除算結果を、当該制限画素の各周辺画素の補正後画素値として出力する。
なお、周辺画素の補正後画素値の算出方法は上記方法に限らない。例えば、各周辺画素の入力画素値に応じて、周辺画素の補正値が調整されてもよい。具体的には、周辺画素間の入力画素値の比に応じた重みで周辺画素の補正値が調整されてもよい。
なお、実施例6〜8では、各画素の補正後画素値を算出する処理が並列に行われてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、画面の左上から右下に向かって画素を順番に選択し、画素毎に補正後画素値が算出されてもよい。具体的には、ライン毎に、左から右に向かって画素を順番に選択し、画素毎に補正後画素値が算出されてもよい。その場合、処理対象の画素が過去に周辺画素として選択され、当該画素の画素値が調整されていることがある。その場合には、調整後の画素値を用いて補正データや飽和量が算出されてもよいし、入力画素値を記憶しておき、入力画素値を用いて補正データや飽和量が算出されてもよい。
106 増加部
107,307 補正部
108 制限部
109,309 補償部
501 表示部
532 画像処理部
1605 補正データ生成部
1606 制限画素検出部
1607 補正データ調整部
1608 補正部
1609 Limit部
2401 第2補正データ生成部
2402 第2補正部
2601 画像データ補正部
Claims (17)
- 画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
入力画像データに所定の画像処理を施すことにより生成される画像データの画素値のうち、所定の範囲外の画素値が前記所定の範囲内の値に制限され、且つ、画素値が制限された画素の周囲の画素の画素値が、前記所定の範囲外の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように調整された画像データを生成し、前記表示手段に出力する出力手段と、
を有することを特徴とする表示装置。 - 前記出力手段は、
前記入力画像データに前記所定の画像処理を施すことにより、処理画像データを生成する画像処理手段と、
前記処理画像データの画素値のうち前記所定の範囲外の画素値を、前記所定の範囲内の値に制限することにより、制限画像データを生成する制限手段と、
前記制限手段により画素値が制限された画素である制限画素の、前記制限手段が画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように、当該制限画素の周囲の画素の画素値を調整することにより、前記制限画像データから抑制画像データを生成し、前記抑制画像データを前記表示手段に出力する抑制手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記制限手段は、制限前の画素値によって表される色相が保たれるように、画素値を制限し、
前記抑制手段は、1つの制限画素の輝度の変化を抑制するために周囲の画素に与える画素値の調整量によって表される色相が、当該制限画素の制限前の画素値によって表される色相と一致するように、前記調整量を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。 - 前記抑制手段は、1つの制限画素の輝度の変化を複数の画素に抑制させる際に、画素値の調整量が前記複数の画素間で互いに等しくなるように、前記複数の画素の画素値の調整量を決定する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の表示装置。 - 前記抑制手段は、調整後の画素値が前記所定の範囲外の値となる画素が存在する場合に、当該画素の調整後の画素値が前記所定の範囲内の値となるように、当該画素の画素値の総調整量を制限する
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記抑制手段は、調整後の総調整量によって表される色相が、調整前の総調整量によって表される色相と一致するように、総調整量を制限する
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。 - 光を発する発光手段と、
前記発光手段を発光させる制御手段と、
を有し、
前記表示手段は、画像データに基づく透過率で前記発光手段からの光を透過することにより、画像を表示し、
前記制御手段は、総調整量を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように、前記発光手段の発光輝度を制御する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の表示装置。 - 前記抑制手段は、総調整量が制限された画素である総調整量制限画素の総調整量を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように、当該総調整量制限画素の周囲の画素の画素値を調整する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記出力手段は、
前記入力画像データと前記所定の画像処理に基づいて、前記入力画像データの画素値を前記所定の画像処理が施された画素値に補正するための画素毎の補正値を表す補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記入力画像データと前記補正データに基づいて、前記入力画像データに前記所定の画像処理を施すことにより画素値が前記所定の範囲外の値となる画素を制限画素として検出する検出手段と、
前記入力画像データ、前記補正データ、及び、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記入力画像データに前記所定の画像処理を施すことにより生成される画像データの画素値のうち、所定の範囲外の画素値が前記所定の範囲内の値に制限され、且つ、画素値が制限された画素の周囲の画素の画素値が、前記所定の範囲外の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように調整された補正画像データを生成する画像生成手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記画像生成手段は、
前記制限画素の前記所定の画像処理後の画素値が前記所定の範囲内の値に制限されるように、前記制限画素に対する補正値を調整し、前記制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように、当該制限画素の周囲の画素に対する補正値を調整することにより、調整補正データを生成する調整手段と、
前記調整補正データを用いて前記入力画像データの各画素値を補正することにより、前記補正画像データを生成する第1補正手段と、
を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。 - 前記画像生成手段は、前記制限画素の周囲の画素の画素値が同じ調整量で調整された補正画像データを生成する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の表示装置。 - 前記画像生成手段は、前記制限画素の周囲の画素の画素値が互いに等しくなるような調整量で当該周囲の画素の画素値が調整された補正画像データを生成する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の表示装置。 - 前記出力手段は、前記制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が当該制限画素の周囲の画素で抑制しきれない場合に、当該周囲の画素で抑制しきれない分の輝度の変化が抑制されるように、前記補正画像データの画素値のうち、当該周囲の画素の外側の画素の画素値を補正する第2補正手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記出力手段は、
前記制限画素が、局所的に存在する孤立制限画素か否かを判定し、
前記入力画像データに前記所定の画像処理を施すことにより生成される画像データの画素値のうち、前記制限画素の画素値が前記所定の範囲内の値に制限され、且つ、前記孤
立制限画素の周囲の画素の画素値が、当該孤立制限画素の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように調整された画像データを生成し、前記表示手段に出力する
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記出力手段は、一の画素の周囲に存在する制限画素の数が所定数以下である場合に、当該制限画素が孤立制限画素であると判定する
ことを特徴とする請求項14に記載の表示装置。 - 光を発する発光手段と、
入力画像データの特徴量を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された特徴量に基づく発光輝度で前記発光手段を発光させる制御手段と、
を有し、
前記表示手段は、画像データに基づく透過率で前記発光手段からの光を透過することにより、画像を表示し、
前記所定の画像処理は、前記発光手段を所定の発光輝度で発光させた場合と、前記特徴量に基づく発光輝度で発光させた場合とで、画面上に表示される画像の輝度が等しくなるように、前記発光手段の発光輝度にあわせて前記入力画像データを補正する処理である
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の表示装置。 - 画像データに基づく画像を表示する表示手段を有する表示装置の制御方法であって、
入力画像データに所定の画像処理を施すことにより生成される画像データの画素値のうち、所定の範囲外の画素値が前記所定の範囲内の値に制限され、且つ、画素値が制限された画素の周囲の画素の画素値が、前記所定の範囲外の画素値を制限したことによる輝度の変化が抑制されるように調整された画像データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成された画像データを前記表示手段に出力する出力ステップと、を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
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