JP2015006962A - ガラス微粒子堆積体の製造方法 - Google Patents

ガラス微粒子堆積体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度の変動を抑制することによりガラス微粒子堆積体の外径の変動を低減することができるガラス微粒子堆積体の製造方法を提供する。【解決手段】少なくともロッドにガラス微粒子を堆積させる初期段階からガラス微粒子を略一定径で定常的に堆積させる定常段階に移行するまでの間における、ガラス微粒子堆積体の先端部の初期目標位置パターンXaを用意し、初期段階からガラス微粒子堆積体の先端部を撮像装置によってモニターし、先端部が初期目標位置パターンXaに沿って成長するように、ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス微粒子をロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製するガラス微粒子堆積体の製造方法に関する。
従来、ガラス微粒子堆積体を製造する方法としてVAD法が知られている。下記特許文献1には、VAD法の一例として、ロッドに堆積されたガラス微粒子堆積体の引き上げ制御を行なうに際し、レーザー光線を用いて堆積面を検出する製造方法の一例が開示されている。
特開昭60−41538号公報 特開2006−193360号公報 特開2000−281378号公報
一般的に、特許文献1に開示されたようなレーザー光線を用いて堆積面を検出する製造方法では、初期段階では一定の速度でガラス微粒子堆積体を引き上げ、その堆積面がレーザー光線を遮るようになった定常段階ではレーザー光線の受光量が一定になるように引上速度を制御する。このため、初期段階から定常段階に切り替わる時点において、ガラス微粒子堆積体を引き上げる速度に変動が発生し易く、この変動の発生に伴ってガラス微粒子堆積体の外径に変動が生じてしまうことがあった。
そこで、本発明は、ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度の変動を抑制することによりガラス微粒子堆積体の外径の変動を低減することができるガラス微粒子堆積体の製造方法の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法は、ガラス微粒子をロッドに吹き付けて軸方向に堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
少なくとも前記ロッドに前記ガラス微粒子を堆積させる初期段階から前記ガラス微粒子を略一定径で定常的に堆積させる定常段階に移行するまでの間における、前記ガラス微粒子堆積体の先端部の初期目標位置パターンを用意し、
前記初期段階から前記ガラス微粒子堆積体の先端部を撮像装置によってモニターし、当該先端部が前記初期目標位置パターンに沿って成長するように、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する、ものである。
本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度の変動を抑制することができ、ガラス微粒子堆積体の外径の変動を低減することができる。
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造装置の構成を示す図である。 ガラス微粒子堆積体における先端部の目標位置パターンの一例を示す図である。 図2に示す目標位置パターンに沿って成長するように制御されたガラス微粒子堆積体の引上速度、及び従来のレーザー光線を用いた制御による引上速度を示す図である。 ガラス微粒子堆積体の外径の変動を対比した図である。
<本発明の実施形態の概要>
最初に本発明の実施形態の概要を説明する。
(1)ガラス微粒子堆積体の製造方法は、ガラス微粒子をロッドに吹き付けて軸方向に堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
少なくとも前記ロッドに前記ガラス微粒子を堆積させる初期段階から前記ガラス微粒子を略一定径で定常的に堆積させる定常段階に移行するまでの間における、前記ガラス微粒子堆積体の先端部の初期目標位置パターンを用意し、
前記初期段階から前記ガラス微粒子堆積体の先端部を撮像装置によってモニターし、当該先端部が前記初期目標位置パターンに沿って成長するように、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する、ものである。
上記のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度は、ガラス微粒子を堆積させる少なくとも初期段階から、ガラス微粒子堆積体の先端部が目標位置パターンに沿って成長するように制御される。このため、初期段階から定常段階に移行するまでの間、ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を、定常段階における引上速度に向けて徐々に近づけることができる。この結果、定常段階に移行した際の引上速度に大幅な変動(ハンチング)が発生することを抑制することができる。これにより、ガラス微粒子堆積体の外径を安定化させることができ、ガラス微粒子堆積体の生産性を向上させることができる。
(2)また、上記(1)のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記初期目標位置パターンは、前記定常段階に移行する際の前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度が、前記定常段階の前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度に略一致するように制御されるパターンに設定されていることが好ましい。
この製造方法によれば、ガラス微粒子を定常的に堆積させる定常段階に移行する際のガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を、定常段階のガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度に略一致するように制御できるので、定常段階に移行した際の引上速度の変動をより滑らかになるように、抑制することができる。
(3)また、上記(1)または(2)のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記定常段階における前記ガラス微粒子堆積体の先端部の定常目標位置パターンを用意し、前記定常段階においても前記ガラス微粒子堆積体の先端部を撮像装置によってモニターし、当該先端部が前記定常目標位置パターンに沿って成長するように、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御することが好ましい。
この製造方法によれば、ガラス微粒子を定常的に堆積させる定常段階においてもガラス微粒子堆積体の先端部が目標位置パターンに沿って成長するように制御される。このため、定常段階における引上速度の制御の切り替えを行うことが無く、定常段階に移行してからも引上速度に変動(ハンチング)が発生することを抑制することができる。これにより、ガラス微粒子堆積体の外径を安定化させることができ、ガラス微粒子堆積体の生産性を向上させることができる。
(4)また、上記(1)から(3)のいずれかのガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記初期目標位置パターンは、0.3〜3.0mm/分の範囲に含まれる傾きを有するように設定されていることが好ましい。
この製造方法によれば、堆積の初期段階において、0.3〜3.0mm/分の範囲内の傾きでガラス微粒子堆積体の堆積面が堆積されるように先端部の目標位置がパターン化されている。このため、初期段階における引上速度が高すぎたり低すぎたりすることなく、安定したガラス微粒子堆積体の製造が可能になり、生産性を向上させることができる。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法の実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を実施することのできる製造装置1の構成を示す。
図1に示すように、製造装置1は、ガラス微粒子堆積体Mが形成される反応容器2と、反応容器2の上方から内部に吊り下げられた支持棒3と、支持棒3に取り付けられたガラスロッド4(ロッドの一例)とを備えている。また、製造装置1は、反応容器2の内部下方に配置されたガラス微粒子生成用バーナ5と、反応容器2の側面に取り付けられた排気管6と、反応容器2の外部に配置されたCCDカメラ(撮像装置の一例)7とを備えている。さらに、製造装置1は、支持棒3を昇降および回転させる昇降回転装置10と、ガスの流量制御を行なうMFC(マスフローコントローラ)11と、ガラス微粒子堆積体Mの堆積データを処理する堆積データ処理装置12と、各部の動作を制御する制御部13とを備えている。
支持棒3は、反応容器2の上壁に形成された貫通穴を挿通して上下方向に配置されており、反応容器2内に配置された一方の端部(図において下端部)にはガラスロッド4が取り付けられている。支持棒3は、他方の端部(図において上端部)を昇降回転装置10により把持されており、昇降回転装置10の制御に基づいて昇降および回転される。
ガラスロッド4は、ガラス微粒子が堆積されるロッドであり、支持棒3に取り付けられている。ガラスロッド4は、支持棒3の動作に伴って反応容器2内を支持棒3の方向に昇降されたり、支持棒3の軸まわりに回転される。
ガラス微粒子生成用バーナ5は、原料ガスが火炎加水分解されて生成されたガラス微粒子をガラスロッド4に噴き出し堆積するバーナであり、コア部を堆積するコア用バーナ5aとクラッド部を堆積するクラッド用バーナ5bとによって構成されている。コア用バーナ5aとクラッド用バーナ5bの先端部は反応容器2の内部に突出して配置されている。
排気管6は、ガラスロッド4およびガラス微粒子堆積体Mに付着しなかったガラス微粒子を反応容器2の外部に排出する管である。
CCDカメラ7は、ガラス微粒子が堆積されている最中のガラス微粒子堆積体Mの先端部Maをモニターする映像取得手段である。CCDカメラ7は、実際には、先端部Maのうち、ガラスロッド4の軸から左右方向に所定の距離だけ離れた外周位置における観察点の軸方向の変位を観察する。CCDカメラ7は、軸方向の変位を観察するためにガラス微粒子堆積体Mの先端部Maおよびその周囲近傍の輝度データを測定する。CCDカメラ7は、ガラス微粒子堆積体Mの先端部Maの軸方向(図において上下方向)に走査した複数点の輝度データを測定する。CCDカメラ7は、堆積データ処理装置12を介し制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて先端部Maのモニターを行う。モニターによって取得された輝度データは堆積データ処理装置12へ送信される。
昇降回転装置10は、支持棒3およびガラスロッド4を介してガラス微粒子堆積体Mを昇降動作および回転動作させる装置である。昇降回転装置10は、制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて支持棒3を回転させながら引き上げる動作を制御している。
MFC11は、コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bに供給する原料ガスの流量制御を行なう装置である。MFC11は、制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて、原料ガスの供給量の制御を行なっている。原料ガスは、原料容器21内に収容された液体原料を気化させたものが供給される。
堆積データ処理装置12は、CCDカメラ7によって測定されたガラス微粒子堆積体Mのデータを処理する装置である。堆積データ処理装置12は、CCDカメラ7によって測定されたガラス微粒子堆積体Mの先端部Maおよびその周囲近傍の輝度データの演算処理を行なっている。堆積データ処理装置12は、連続した2点間の輝度変化率から微分波形を取得するとともに取得した微分波形からガラス微粒子堆積体Mの先端部Maの外周位置を算出している。堆積データ処理装置12は、CCDカメラ7によって測定される輝度データに基づいて、ガラス微粒子が継続して堆積されている最中にオンタイムでガラス微粒子堆積体Mの先端部Maの外周位置を特定している。特定された先端部Maのデータは、堆積データ処理装置12に設けられた記憶部12aに記憶される。
制御部13は、昇降回転装置10、MFC11、CCDカメラ7等の動作を制御している。図示を省略するが、制御部13は、制御を司るCPUと、CPUに係る各種処理を実行するプログラムが保持されたROMとを備えている。CPUはプログラムにしたがって各動作を制御するための制御信号を昇降回転装置10、MFC11、CCDカメラ7等に送信する。また、制御部13は記憶部13aを備えており、記憶部13aには、例えば、ガラス微粒子堆積体Mの先端部Maの目標位置パターンのデータ、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度のデータ等が記憶されている。ここで、目標位置パターンとは、各堆積時間における先端部Maの目標位置を示したパターンであり、予め設定されているパターンである。
次に、本例のVAD法によるガラス微粒子堆積体Mの製造方法について説明する。
先ず、昇降回転装置10に支持棒3が取り付けられることにより、支持棒3の先端に取り付けられたガラスロッド4が反応容器2内に納められる。
MFC11は、制御部13から送信される制御信号に基づき、原料ガス、火炎形成ガス、およびバーナシールガスを、コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bに供給する。この実施形態では、MFC11は、設定した量の原料ガスを供給する。コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bへは、原料ガス及び火炎形成ガスを投入し、原料ガスを加水分解反応させてガラス微粒子を生成する。そして、生成したガラス微粒子をガラスロッド4に対し吹き付けて、継続的にガラス微粒子を堆積させる。
CCDカメラ7は、制御部13から送信される制御信号に基づき、ガラスロッド4に堆積されたガラス微粒子堆積体Mの先端部Maをモニターする。昇降回転装置10は、制御部13から送信される制御信号に基づき、ガラス微粒子堆積体Mの成長に合わせて、ガラス微粒子堆積体Mが堆積されたガラスロッド4を回転させながら引き上げる。
制御部13は、ガラス微粒子堆積体Mの先端部Maが予め定められた目標位置パターンに沿って成長するように、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度の制御を行っている。図2は、先端部Maの目標位置パターンの一例を示したものである。横軸にガラス微粒子の堆積時間を示し、縦軸に先端部Maの目標位置を示す。縦軸において、目標位置0mmの位置とは、定常段階でのガラス微粒子堆積体Mの先端部Maの目標位置を示している。また、目標位置のマイナス(−)方向は図1における上方向を示している。
図2に示すように、先端部Maの目標位置パターンXは、初期目標位置パターンXaと、定常目標位置パターンXbとを有している。初期目標位置パターンXaは、ガラス微粒子の堆積が開始された当初である初期段階からガラス微粒子が定常的に堆積される定常段階に移行するまでの期間における先端部Maの目標位置を示す。これに対して、定常目標位置パターンXbは、ガラス微粒子が定常的に堆積される定常段階における先端部Maの目標位置を示す。
初期目標位置パターンXaは、目標位置が経時変化するパターンであり、この例では、初期段階における例えば堆積時間T1の目標位置が約−165mmに定められており、定常段階に移行する堆積時間T2における目標位置がほぼ0mmに定められている。また、初期目標位置パターンXaの傾きは、0.3〜3.0mm/分の範囲に含まれるように設定されており、初期段階では傾きが一定の大きい値に設定され、定常段階に近づくにしたがって傾きが徐々に小さい値になるように設定されている。
定常目標位置パターンXbは、初期目標位置パターンXaに継続して設けられるパターンであり、目標位置が0mmの固定した位置に定められており、その傾きは0mm/分に設定されている。
このように初期目標位置パターンXaの傾きは定常段階に近づくにしたがって定常目標位置パターンXbの傾きに漸近するように設定されている。これにより、初期目標位置パターンXaから定常目標位置パターンXbへと滑らかに目標位置のパターンが移行して、初期目標位置パターンXaと定常目標位置パターンXbとによって連続した目標位置パターンXが形成されている。
制御部13は、堆積の初期段階、例えば図2の堆積時間T1の段階から目標位置パターンXに基づいた引上速度の制御を行っている。制御部13は、CCDカメラ7によってモニターされたガラス微粒子堆積体Mの先端部Maのデータを堆積データ処理装置12の記憶部12aから読み出す。また、制御部13は、先端部Maの目標位置パターンXのデータ、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度のデータを記憶部13aから読み出す。
制御部13は、記憶部12aから読み出した先端部Maの現在の位置のデータと、記憶部13aから読み出した目標位置パターンXの現在の堆積時間における目標位置のデータとを比較し、両データの偏差を算出する。
制御部13は、これらの算出したデータおよび読み出したデータ等に基づいて、先端部Maを目標位置パターンXに沿って成長させるための、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を算出する。制御部13は、算出した引上速度によってガラス微粒子堆積体Mの引き上げ動作を行うように、昇降回転装置10の引上速度を制御する。これにより、目標位置パターンXに沿って先端部Maが成長するように形成されたガラス微粒子堆積体Mが製造される。
以上説明した本実施形態のガラス微粒子堆積体Mの製造方法により、ガラス微粒子堆積体Mの先端部Maを予め定められた目標位置パターンXに沿って成長させるようにガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を制御すると、その引上速度は、図3に示す引上速度Yのようになる。
また、この引上速度Yの変化と対比するために、従来のレーザー光線を用いて引上速度の制御を行った場合の引上速度の変化を、図3に引上速度Zとして示す。レーザー光線を用いた制御の場合、堆積を開始した当初(T1からTzの期間)では、レーザー光線を用いた引上速度の制御は行なわれず、図3に示すように予め設定された一定の傾きの速度でガラス微粒子堆積体が引き上げられる。そして、堆積面がレーザー光線を遮る位置まで到達した時点(Tz)から堆積面の位置が一定に保持されるように引上速度Zの制御が開始される。この場合、制御が開始された時点(Tz時点)の引上速度は、引上速度と堆積面の位置を一定に保持するために必要な引上速度に比べて大幅に遅かったため、引上速度Zは堆積時間TzにおいてZ1からZ2へと急激に速くなる方向へ制御される。このような引上速度Zの制御により、堆積面がレーザー光線を遮る位置に達してから暫らくの間は引上速度Zに変動(ハンチング)が発生し、この変動に伴いガラス微粒子堆積体の外径変動が生じる。
これに対して、引上速度Yの場合にはCCDカメラ7を用いて引上速度Yの制御を行っており、その制御は、ガラス微粒子の堆積を開始した初期段階、例えば堆積時間T1から行われている。このため、初期段階の堆積時間T1から定常段階に移行する堆積時間T2までの間において、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度Yaを徐々に速くすることができ、定常段階に移行する堆積時間T2の際の引上速度Yaを、定常段階における引上速度Ybと略一致する速度に制御することができる。この結果、初期段階から定常段階に亘って滑らかな引上速度Yの変化を実現することができ、定常段階に移行した際に大幅な引上速度の変動(ハンチング)が発生するのを抑制することができる。
上記のように引上速度の変動の発生を抑制することができるので、ガラス微粒子堆積体Mの長手方向において成長速度を安定化することができる。これにより、ガラス微粒子堆積体Mの外径を安定化させることができ、ガラス微粒子堆積体Mの生産性を向上させることができる。
図4に本実施形態の製造方法によって製造されたガラス微粒子堆積体Mの外径Pyと、従来のレーザー光線を用いて制御することによって製造されたガラス微粒子堆積体の外径Pzを示す。横軸の長手位置において左側が堆積の開始側を示す。外径Pzと比較すると、図4に示すように、特に堆積の開始側において外径Pyの変動は大幅に抑制されていることが確認できる。
また、初期目標位置パターンXaは、0.3〜3.0mm/分の範囲に含まれる傾きを有するように設定されており、堆積の初期段階においてもこの初期目標位置パターンXaに沿って成長するように制御されている。これにより、初期段階における引上速度が高すぎたり低すぎたりすることなく、ガラス微粒子堆積体Mのさらに安定した製造が可能になり、生産性を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、初期段階から定常段階に至る間、および定常段階に移行した後においてもCCDカメラ7によってモニターする場合を例示した。しかし、これに限定されず、例えば、初期段階から定常段階に至るまでをCCDカメラ7によってモニターし、定常段階に移行した後はレーザー光線を用いてモニターするように切り換えても良い。この場合には、先端部Maの目標位置パターンXは、定常段階における定常目標位置パターンXbを有している必要はなく、初期目標パターンXaを含んで構成されていれば良い。
M:ガラス微粒子堆積体、Ma:先端部、X:目標位置パターン、Xa:初期目標位置パターン、Xb:定常目標位置パターン、1:ガラス微粒子堆積体の製造装置、2:反応容器、3:支持棒、4:ガラスロッド、5:ガラス微粒子生成用バーナ、5a:コア用バーナ、5b:クラッド用バーナ、6:排気管、7:CCDカメラ(撮像装置)、10:昇降回転装置、11:マスフローコントローラ、12:堆積データ処理装置、13:制御部

Claims (4)

  1. ガラス微粒子をロッドに吹き付けて軸方向に堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    少なくとも前記ロッドに前記ガラス微粒子を堆積させる初期段階から前記ガラス微粒子を略一定径で定常的に堆積させる定常段階に移行するまでの間における、前記ガラス微粒子堆積体の先端部の初期目標位置パターンを用意し、
    前記初期段階から前記ガラス微粒子堆積体の先端部を撮像装置によってモニターし、当該先端部が前記初期目標位置パターンに沿って成長するように、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する、ガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 前記初期目標位置パターンは、前記定常段階に移行する際の前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度が、前記定常段階の前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度に略一致するように制御されるパターンに設定されている、請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 前記定常段階における前記ガラス微粒子堆積体の先端部の定常目標位置パターンを用意し、前記定常段階においても前記ガラス微粒子堆積体の先端部を撮像装置によってモニターし、当該先端部が前記定常目標位置パターンに沿って成長するように、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する、請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 前記初期目標位置パターンは、0.3〜3.0mm/分の範囲に含まれる傾きを有するように設定されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
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