JP2015078083A - ガラス微粒子堆積体の製造方法 - Google Patents

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Teruhiko Ito
輝彦 伊藤
榎本 正
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正 榎本
石原 朋浩
Tomohiro Ishihara
朋浩 石原
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Abstract

【課題】外径変動を抑制することが可能なガラス微粒子堆積体の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス微粒子をガラスロッド4に吹き付けて軸方向に堆積させることによってガラス微粒子堆積体Mを形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、ガラス微粒子を堆積している最中のガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maの輝度データをCCDカメラ7によってモニターし、測定された輝度データに基づいて、先端部近傍Maにおける堆積面の、長手方向の径方向の位置を示す堆積面輪郭位置を算出し、堆積面輪郭位置の接線の傾きが所定の範囲内となる複数の測定点(Y1〜Y5)を選択し、複数の測定点における輪郭位置と予め定めた目標輪郭位置とに基づいて、ガラス微粒子堆積体Mの製造条件を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス微粒子をロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作成するガラス微粒子堆積体の製造方法に関する。
従来、ガラス微粒子堆積体を製造する方法としてVAD法が知られている。VAD法においては、ガラス微粒子堆積体の先端位置をレーザー光線またはCCDカメラ等を用いてモニターし、先端位置が一定となるように引上速度などがフィードバック制御されている。例えば、特許文献1には、CCDカメラでガラス微粒子堆積体(スートコア)の先端位置を離散的に認識し、認識した先端位置を予め定められた時間で平均化して、平均化された先端位置を一定にするように引上げ速度または原料ガスの流量を制御する光ファイバ母材の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、CCDカメラでガラス微粒子堆積体(スートプリフォーム)の先端位置(コア部分)をモニターし、成長速度に合わせてバーナの位置を上下動させる光ファイバ用母材の製造方法が開示されている。
特開2006−193360号公報 特開2000−281378号公報
しかしながら、特許文献1に開示された製造方法では、堆積面形状が考慮されていないため、ガラス微粒子の堆積中における先端位置の堆積面の傾きが変動した場合、その変動に伴い成長速度の変動が発生してしまうことがある。このため、ガラス微粒子堆積体の長手方向における外径変動が大きくなる虞がある。外径変動が生じると、延伸した際に相対的にコア部の径が変化することになるため、ファイバ特性の変動が生じる。また、特許文献2に開示された製造方法でも、堆積面形状が考慮されていないため、ガラス微粒子堆積体の形状が大きくなった場合に長手方向で成長速度が不安定になり、外径変動が発生する可能性が高い。
本発明は、ガラス微粒子堆積体の外径変動を抑制することが可能なガラス微粒子堆積体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法は、バーナから原料ガス及び火炎形成ガスを噴出してガラス微粒子を生成し、生成した前記ガラス微粒子をロッドに吹き付けて軸方向に堆積させることによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記ガラス微粒子を堆積している最中の前記ガラス微粒子堆積体の先端部近傍の輝度データを撮像装置によってモニターし、
測定された前記輝度データに基づいて、前記先端部近傍における堆積面の、長手方向の径方向の位置を示す堆積面輪郭位置を算出し、
前記堆積面輪郭位置の接線の傾きが所定の範囲内となる複数の測定点を選択し、
前記複数の測定点における輪郭位置と予め定めた目標輪郭位置とに基づいて、前記ガラス微粒子堆積体の製造条件を制御する。
本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体の外径変動を抑制することが可能なガラス微粒子堆積体の製造方法を提供することができる。
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造装置の構成を示す図である。 ガラス微粒子堆積体の堆積面輪郭と堆積面上の点における接線の傾きを示す図である。 本発明の実施例と比較例の結果を図示した図である。
<本発明の実施形態の概要>
最初に本発明の実施形態の概要を説明する。
(1)ガラス微粒子堆積体の製造方法は、バーナから原料ガス及び火炎形成ガスを噴出してガラス微粒子を生成し、生成した前記ガラス微粒子をロッドに吹き付けて軸方向に堆積させることによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記ガラス微粒子を堆積している最中の前記ガラス微粒子堆積体の先端部近傍の輝度データを撮像装置によってモニターし、
測定された前記輝度データに基づいて、前記先端部近傍における堆積面の、長手方向の径方向の位置を示す堆積面輪郭位置を算出し、
前記堆積面輪郭位置の接線の傾きが所定の範囲内となる複数の測定点を選択し、
前記複数の測定点における輪郭位置と予め定めた目標輪郭位置とに基づいて、前記ガラス微粒子堆積体の製造条件を制御する。
上記のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、複数の測定点における堆積面輪郭位置を算出し、複数の測定点として、堆積面輪郭位置における接線の傾きが、所定の範囲内になる点を選択し、この輪郭位置と目標輪郭位置とに基づいてガラス微粒子堆積体の製造条件を制御する。輪郭位置を測定する点として、接線の傾きが所定の範囲内になる点を選択することにより、適切に堆積面形状を制御することができる。このようにして、目標輪郭位置に対する変動を抑制することができ、堆積面の傾きの変動の影響も緩やかにすることができる。堆積面の傾きは、成長速度と関連するため、成長速度の変動を抑制することができ、外径変動の小さいガラス微粒子堆積体を製造することができる。
(2)また、上記(1)のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記所定の範囲内となる前記複数の測定点として、前記堆積面輪郭位置の接線の傾きが2.0mm/mm以下であり、前記複数の測定点における接線の傾きの平均値の変動幅が0.4mm/mm以下である点を選択する、ことが好ましい。
上記のガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、製造条件を制御するために用いられる複数の測定点として、堆積面輪郭位置の接線の傾きが2.0mm/mm以下であり、接線の傾きの平均値の変動幅が0.4mm/mm以下である点を選択する。このような測定点を選択することにより、成長速度の変動幅を更に減少させることができ、外径変動の小さいガラス微粒子堆積体を製造することができる。
(3)また、上記(1)または(2)のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記製造条件として、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する、ことが好ましい。
この製造方法によれば、堆積面の傾きの影響を無くすことで、成長速度の変動幅を減少させることができる。従って、外径変動の小さいガラス微粒子堆積体を製造することができる。
(4)また、上記(1)から(3)のいずれか一つのガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記製造条件として、前記バーナから噴出される前記原料ガスの流量または前記火炎形成ガスの流量を制御する、ことが好ましい。
この製造方法によれば、さらに堆積面形状を一定に製造することができるので、成長速度の変動を減少させることができ、外径変動の小さい安定的な堆積体を製造することができる。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法の実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を実施することのできる製造装置1の構成を示す。
図1に示すように、製造装置1は、ガラス微粒子堆積体Mが形成される反応容器2と、反応容器2の上方から内部に吊り下げられた支持棒3と、支持棒3に取り付けられたガラスロッド4(ロッドの一例)とを備えている。また、製造装置1は、反応容器2の内部下方に配置されたガラス微粒子生成用バーナ5と、反応容器2の側面に取り付けられた排気管6と、反応容器2の外部に配置されたCCDカメラ(撮像装置の一例)7と、を備えている。さらに、製造装置1は、支持棒3を昇降および回転させる昇降回転装置10と、ガスの流量制御を行なうMFC(マスフローコントローラ)11と、ガラス微粒子堆積体Mの堆積データを処理する堆積データ処理装置12と、各部の動作を制御する制御部13とを備えている。
支持棒3は、反応容器2の上壁に形成された貫通穴を挿通して上下方向に配置されており、反応容器2内に配置された一方の端部(図において下端部)にはガラスロッド4が取り付けられている。支持棒3は、他方の端部(図において上端部)を昇降回転装置10により把持されており、昇降回転装置10の制御に基づいて昇降および回転される。
ガラスロッド4は、ガラス微粒子が堆積されるロッドであり、支持棒3に取り付けられている。ガラスロッド4は、支持棒3の動作に伴って反応容器2内を支持棒3の方向に昇降されたり、支持棒3の軸まわりに回転される。
ガラス微粒子生成用バーナ5は、原料ガスが火炎加水分解されて生成されたガラス微粒子をガラスロッド4に噴き出し堆積するバーナであり、コア部を堆積するコア用バーナ5aとクラッド部を堆積するクラッド用バーナ5bとによって構成されている。コア用バーナ5aとクラッド用バーナ5bの先端部は反応容器2の内部に突出して配置されている。
排気管6は、ガラスロッド4およびガラス微粒子堆積体Mに付着しなかったガラス微粒子を反応容器2の外部に排出する管である。
CCDカメラ7は、ガラス微粒子が堆積されている最中のガラス微粒子堆積体Mの先端部の近傍部分である先端部近傍Maをモニターする映像取得手段である。CCDカメラ7は、先端部近傍Maをモニターし先端部近傍Maの輝度データを測定する。CCDカメラ7は、堆積データ処理装置12を介し制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて先端部近傍Maのモニターを行う。モニターによって取得された輝度データは堆積データ処理装置12へ送信される。
昇降回転装置10は、支持棒3およびガラスロッド4を介してガラス微粒子堆積体Mを昇降動作および回転動作させる装置である。昇降回転装置10は、制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて支持棒3の動作を制御する。
MFC11は、コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bに供給する原料ガスの流量制御を行なう装置である。MFC11は、制御部13から送信されてくる制御信号に基づいて、原料ガスの供給量の制御を行なう。原料ガスは、原料容器21内に収容された液体原料を気化させたものが供給される。
堆積データ処理装置12は、CCDカメラ7によって測定されたガラス微粒子堆積体Mのデータを処理する。堆積データ処理装置12は、CCDカメラ7によって測定されたガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maの輝度データの演算処理を行なう。具体的には、連続した2点間の輝度変化率から微分波形を取得するとともに、取得した微分波形からガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maの堆積面輪郭を堆積中に算出する。算出された先端部近傍Maの堆積面輪郭位置のデータは、堆積データ処理装置12に設けられた記憶部12aに記憶される。
制御部13は、昇降回転装置10、MFC11、CCDカメラ7等の動作を制御する。図示を省略するが、制御部13は、制御を司るCPUと、CPUに係る各種処理を実行するプログラムが保持されたROMとを備える。CPUはプログラムにしたがって各動作を制御するための制御信号を昇降回転装置10、MFC11、CCDカメラ7等に送信する。また、制御部13は記憶部13aを備えており、記憶部13aには、例えば、ガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maにおける測定点の堆積面輪郭位置データ、先端部近傍Maの輪郭位置に対する予め定められた目標輪郭位置のデータ等が記憶される。ここで、測定点とは、CCDカメラ7によって測定される先端部近傍Ma上の長手方向における座標位置データのことであり、予め複数点が定められている。
次に、ガラス微粒子堆積体Mの製造方法について説明する。
先ず、昇降回転装置10に支持棒3が取り付けられることにより、支持棒3の先端に取り付けられたガラスロッド4が反応容器2内に納められる。
MFC11は、制御部13から送信される制御信号に基づき、原料ガス、火炎形成ガス、およびバーナシールガスを、コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bに供給する。コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bへは、原料ガス及び火炎形成ガスを投入し、バーナから噴出した原料ガスを加水分解反応させてガラス微粒子を生成する。そして、生成したガラス微粒子をガラスロッド4に対し吹き付けて、継続的にガラス微粒子を堆積させる(スス付けする)。
CCDカメラ7は、制御部13から送信される制御信号に基づき、ガラスロッド4に堆積されたガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maを堆積開始時から継続的にモニターする。CCDカメラ7は、ガラス微粒子を堆積している最中のガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maの輝度データを測定する。
堆積データ処理装置12は、CCDカメラ7によって測定されたこれらの輝度データに基づいてガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maの堆積面輪郭位置を算出する。
制御部13は、算出された先端部近傍Maの堆積面輪郭位置において、複数の測定点、例えば5個の測定点を特定する。
ここで、5個の測定点は、以下のような手順で予め定められる。
図2は、測定点として特定された5点の一例を示したものである。
図2の左図は、CCDカメラ7によって撮像されたガラス微粒子堆積体M1における先端部近傍Ma1の堆積面輪郭SaおよびSbを示す。縦軸にガラス微粒子堆積体の長手方向の位置を示し、横軸にガラス微粒子堆積体の径方向の位置を示す。横軸において0(ゼロ)の位置がガラスロッド4の中心軸の位置を示す。
図2のガラス微粒子堆積体M1は、例えば従来の投光器と受光器を有する製造装置を用いて、レーザー光線により堆積面上の1点(例えば図2のY2における堆積面位置)をモニターすることにより堆積面を検出し、ガラス微粒子堆積体M1を引き上げる引上速度(製造条件の一例)を制御する製造方法で作製された堆積体である。堆積面輪郭Saは、堆積中に撮像された堆積面の輪郭のうち、定常段階において引上速度が最も速かった時点の堆積面輪郭を示す。堆積面輪郭Sbは、堆積中に撮像された堆積面の輪郭のうち、定常段階において引上速度が最も遅かった時点の堆積面輪郭を示す。
図2の右図は、堆積面輪郭SaおよびSbにおける堆積面の接線の傾き曲線KaおよびKbを示す。傾き曲線KaおよびKbの傾きは、堆積面輪郭SaおよびSbの座標値を微分(dy/dx)したものであり、堆積面における長手方向の傾きを示す。
制御部13は、ガラス微粒子堆積体M1の先端部近傍Ma1における5個の測定点を定めるために、CCDカメラ7によって撮像された堆積面輪郭の中から図2の左図に示す堆積面輪郭Saと堆積面輪郭Sbとを選択する。続いて、制御部13は、図2の右図に示す堆積面の傾き曲線KaおよびKbにおいて2.0mm/mm以下の傾きを示す部分を測定点の候補を含む部分として選択する。図においてラインKiの左側が、2.0mm/mm以下の傾きに該当する。
まず、制御部13は、例えば、図2の右図に示された堆積面の傾き曲線KaとKbとで傾きが等しくなって交差する点Y3を先ず測定点の候補の一つとして選択する。図中では傾きKa3と傾きKb3とが等しい傾きを示している。次に、制御部13は、この点Y3を中心としてその点の長手方向における前後の点Y1,Y2,Y4,Y5を残りの4つの測定点の候補として選択し、候補として選択した合計5つの測定点(Y1,Y2,Y3,Y4,Y5)の各々における堆積面輪郭Saの堆積面の傾きを求めそれらの平均値を求める。また、制御部13は、5つの測定点(Y1,Y2,Y3,Y4,Y5)の各々における堆積面輪郭Sbの堆積面の傾きを求めそれらの平均値を求める。そして、制御部13は、堆積面輪郭Saの5つの測定点における傾きの平均値と、堆積面輪郭Sbの5つの測定点における傾きの平均値とを比較する。比較した結果、その差(最大値−最小値=変動幅)が0.4mm/mm以下である場合、制御部13は、候補の5つの測定点を、次回以降のガラス微粒子堆積体の製造において堆積面の輪郭位置を特定する5つの測定点として決定し記憶部13aに記憶する。
このようにして予め特定された複数の測定点(本例では5つ)を用いて、制御部13は、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を制御する。
まず、制御部13は、5個の測定点の各々について、ガラス微粒子堆積体Mの外径、すなわち、ガラス微粒子堆積体Mの長手方向に対する径方向の位置を算出する。制御部13は、算出された輪郭位置を予め定められた目標輪郭位置と比較し、輪郭位置と目標輪郭位置が一致するようにガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を制御する。具体的には、例えば、輪郭位置の値の平均値が目標輪郭位置の値の平均値よりも小さい場合には、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を遅くするように制御する。これとは反対に、平均輪郭位置の値の平均値が目標輪郭位置の値の平均値よりも大きい場合には、引上速度を速くするように制御する。
昇降回転装置10は、制御部13から送信される制御信号に基づき、ガラス微粒子堆積体Mが堆積されたガラスロッド4を所定の引上速度で回転させながら引き上げる。これにより、先端部近傍Maの輪郭位置が目標輪郭位置に沿って成長するガラス微粒子堆積体Mが製造される。
以上説明した本実施形態のガラス微粒子堆積体Mの製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体Mの先端部近傍Maの堆積面輪郭位置の接線の傾きが所定の範囲内となる複数の測定点を選択し、算出した輪郭位置がガラス微粒子堆積体Mの目標とする目標輪郭位置と一致するようにガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度が制御されている。輪郭位置を測定する点として、接線の傾きが所定の範囲内になる点を選択することにより、適切に堆積面形状を制御することができる。このようにして、成長速度の変動を減少させることができ、外径変動の小さいガラス微粒子堆積体を製造することができる。
また、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を制御するために用いられる5個の測定点を、堆積面の接線の傾きが2.0mm/mm以下の領域において選択している。また、ガラス微粒子堆積体M1の製造の際に、定常段階において引上速度が最も速かった時点の堆積面輪郭Saと引上速度が最も遅かった時点の堆積面輪郭Sbとを選択し、複数の候補点における堆積面輪郭Sa上の傾きの平均値と、複数の候補点における堆積面輪郭Sb上の傾きの平均値との差(最大値−最小値=変動幅)が0.4mm/mm以下である場合、これら複数の候補点を複数の測定点として特定している。このように特定された複数の測定点において輪郭位置を算出し、算出された輪郭位置と目標輪郭位置とに基づいてガラス微粒子堆積体の製造条件を制御している。これにより、成長速度の変動を更に減少させることができ、外径変動の小さいガラス微粒子堆積体を製造することができる。なお、堆積面の傾きが2.0mm/mm以下の領域において測定点を選択しているが、そのような領域としては、ガラス微粒子が堆積されている最中のガラス微粒子堆積体Mにおける先端側の(テーパになっている)部分が相当する。
また、ガラス微粒子堆積体Mにおける測定点の輪郭位置が目標輪郭位置と一致するようにガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する。このために、測定点の輪郭位置の値の平均値が目標輪郭位置の平均値より大きいと判定された場合には引上速度を速くするように制御され、また、小さいと判定された場合には引上速度を遅くするように制御される。このような制御を行なうことにより、ガラス微粒子堆積体Mの堆積面輪郭の成長速度の変動を減少させることができ、外径変動の小さい安定的な堆積体の製造を可能にすることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、5個の測定点における堆積面の傾きの平均値の差(変動幅)を測定点の選択の条件としたが、これに限定されず、例えば、5個の測定点における傾きの総和を選択の条件としても良い。また、5個は例示に過ぎず、他の複数個であっても良い。
また、上記実施形態では、ガラス微粒子堆積体Mにおける測定点の輪郭位置が目標輪郭位置と一致するようにガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御したが、これに限定されない。例えば、ガラス微粒子生成用バーナ5から投入される原料ガスまたは火炎形成ガスの流量を制御するようにしても良い。または引上速度とガス流量の両方を制御するようにしても良い。
[実施例1]
図1に示す製造装置1を使用してガラス微粒子堆積体Mの製造を行う。昇降回転装置10の支持棒3に取り付けるガラスロッド4として直径25mm、長さ400mmの純石英ガラスを使用する。ガラス微粒子生成用バーナ5には、原料ガスとしてSiClを、火炎形成ガスとしてH、Oを、バーナシールガスとしてNを投入する。
ガラス微粒子の堆積中にオンタイムで、反応容器2の外に設置したCCDカメラ7により、予め定めた5個の測定点における輪郭位置をサンプリング間隔1秒で撮像する。5個の測定点は、上述のように、堆積面の接線の傾きが2.0mm/mm以下であって、ガラス微粒子堆積体の堆積面輪郭Saの5つの測定点における傾きの平均値と、当該堆積体の堆積面輪郭Sbの5つの測定点における傾きの平均値との差(変動幅)が0.4mm/mm以下となるように予め定められた点である。制御部13により、5個の測定点における輪郭位置を算出する。また、輪郭位置と目標輪郭位置との偏差から、輪郭位置が目標輪郭位置と一致するようにガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を制御する。ガラス微粒子堆積体Mにおいて堆積中における堆積面の成長速度の変動(ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度の変動)を確認すると、図3のLに示すような成長速度の変化になった。全堆積期間を通して成長速度の変動は少なく安定していた。
ガラス微粒子堆積体Mの製造が完了した後、ガラス微粒子堆積体Mを高温加熱して透明化しガラス母材を作製する。作製されたガラス母材の外径を顕微鏡によって測定すると、ガラス母材の全長において外径が安定化されており、平均母材の外径に対する外径変動量を、1.7%に抑えることができた。
[実施例2]
図1に示す製造装置1を使用してガラス微粒子堆積体Mの製造を行う。昇降回転装置10の支持棒3に取り付けるガラスロッド4として直径25mm、長さ400mmの純石英ガラスを使用する。ガラス微粒子生成用バーナ5には、原料ガスとしてSiClを、火炎形成ガスとしてH、Oを、バーナシールガスとしてNを投入する。
ガラス微粒子の堆積中にオンタイムで、反応容器2の外に設置したCCDカメラ7により、予め定めた5個の測定点における輪郭位置をサンプリング間隔1秒で撮像する。5個の測定点は、上述と同様にして定められた点である。制御部13により、5個の測定点における輪郭位置を算出する。また、輪郭位置と目標輪郭位置との偏差から、輪郭位置が予め設定された目標輪郭位置と一致するようにガラス微粒子生成用バーナ5に投入する原料ガス(SiCl4)の流量を算出する。また、制御部13は、算出されたSiCl4の流量が投入されるように、MFC11の流量供給を制御する。
ガラス微粒子堆積体Mの製造が完了した後、ガラス微粒子堆積体Mを高温加熱して透明化しガラス母材を作製する。作製されたガラス母材の外径を顕微鏡によって測定すると、ガラス母材の全長において外径が安定化されており、平均母材の外径に対する外径変動量は、2.3%に抑えることができた。
[実施例3]
図1に示す製造装置1を使用してガラス微粒子堆積体Mの製造を行う。昇降回転装置10の支持棒3に取り付けるガラスロッド4として直径25mm、長さ400mmの純石英ガラスを使用する。ガラス微粒子生成用バーナ5には、原料ガスとしてSiClを、火炎形成ガスとしてH、Oを、バーナシールガスとしてNを投入する。
ガラス微粒子の堆積中にオンタイムで、反応容器2の外に設置したCCDカメラ7により、予め定めた5個の測定点における輪郭位置をサンプリング間隔1秒で撮像する。5個の測定点は、上述と同様にして定められた点であるが、ガラス微粒子堆積体の堆積面輪郭Saの5つの測定点における傾きの平均値と、当該堆積体の堆積面輪郭Sbの5つの測定点における傾きの平均値との差(変動幅)が1.0mm/mm以下となるように予め定められた点である。制御部13により、5個の測定点における輪郭位置を算出する。また、輪郭位置と目標輪郭位置との偏差から、輪郭位置が予め設定された目標輪郭位置と一致するようにガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度を制御する。ガラス微粒子堆積体Mにおいて堆積中における堆積面の成長速度の変動(ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度の変動)を確認すると、図3のNに示すような成長速度の変化になった。堆積開始時から暫くの間は成長速度が変動していた。
ガラス微粒子堆積体Mの製造が完了した後、ガラス微粒子堆積体Mを高温加熱して透明化しガラス母材を作製する。作製されたガラス母材の外径を顕微鏡によって測定すると、ガラス母材の外径の変動は抑制されてはいるものの、実施例1よりは大きくなり、平均母材の外径に対する外径変動量は、6.6%であった。
[比較例1]
図1に示す製造装置1を使用してガラス微粒子堆積体Mの製造を行う。昇降回転装置10の支持棒3に取り付けるガラスロッド4として直径25mm、長さ400mmの純石英ガラスを使用する。ガラス微粒子生成用バーナ5には、原料ガスとしてSiClを、火炎形成ガスとしてH、Oを、バーナシールガスとしてNを投入する。
ガラス微粒子の堆積中にオンタイムで、反応容器2の外に設置した投光器により、レーザー光線をガラス微粒子堆積体Mの堆積面に当ててガラス微粒子堆積体Mの製造を行なう。この時、ガラス微粒子堆積体Mの反対側に受光器を設置しておき、透過してきたレーザーの受光量をモニターする。レーザーの受光量は制御部13に内蔵されたPIDコントローラーへ送られる。制御部13は、受光量が予め設定した閾値と近づくようにガラス微粒子堆積体Mの引き上げる引上速度を制御する。ガラス微粒子堆積体Mにおいて堆積中における堆積面の成長速度の変動(ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上速度の変動)を確認すると、図3のMに示すような成長速度の変化になった。堆積開始時から暫くの間は成長速度が大きく変動していた。
ガラス微粒子堆積体Mの製造が完了した後、ガラス微粒子堆積体Mを高温加熱して透明化しガラス母材を作製する。作製されたガラス母材の外径を顕微鏡によって測定すると、ガラス母材の外径は大きく変動しており、平均母材の外径に対する外径変動量は、10.1%であった。
このように、実施例1〜3と比較例1の結果から、堆積面輪郭位置の接線の傾きが所定の範囲内となる複数の測定点を選択し、複数の測定点における輪郭位置と予め定めた目標輪郭位置とに基づいてガラス微粒子堆積体の製造条件を制御することにより、ガラス微粒子堆積体の外径変動を抑制することができることが確認できた。
M:ガラス微粒子堆積体、Ma:先端部近傍、Sa,Sb:堆積面輪郭、y1〜y5:測定点、Ka,Kb:傾き曲線、Ka1〜Ka,5Kb1〜Kb5:傾き、1:ガラス微粒子堆積体の製造装置、2:反応容器、3:支持棒、4:ガラスロッド、5:ガラス微粒子生成用バーナ、5a:コア用バーナ、5b:クラッド用バーナ、6:排気管、7:CCDカメラ(撮像装置)、10:昇降回転装置、11:MFC(マスフローコントローラ)、12:堆積データ処理装置、13:制御部

Claims (4)

  1. バーナから原料ガス及び火炎形成ガスを噴出してガラス微粒子を生成し、生成した前記ガラス微粒子をロッドに吹き付けて軸方向に堆積させることによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記ガラス微粒子を堆積している最中の前記ガラス微粒子堆積体の先端部近傍の輝度データを撮像装置によってモニターし、
    測定された前記輝度データに基づいて、前記先端部近傍における堆積面の、長手方向の径方向の位置を示す堆積面輪郭位置を算出し、
    前記堆積面輪郭位置の接線の傾きが所定の範囲内となる複数の測定点を選択し、
    前記複数の測定点における輪郭位置と予め定めた目標輪郭位置とに基づいて、前記ガラス微粒子堆積体の製造条件を制御する、ガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 前記所定の範囲内となる前記複数の測定点として、前記堆積面輪郭位置の接線の傾きが2.0mm/mm以下であり、前記複数の測定点における接線の傾きの平均値の変動幅が0.4mm/mm以下である点を選択する、請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 前記製造条件として、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる引上速度を制御する、請求項1または2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 前記製造条件として、前記バーナから噴出される前記原料ガスの流量または前記火炎形成ガスの流量を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108147655A (zh) * 2016-12-02 2018-06-12 中天科技精密材料有限公司 光纤预制棒的制造设备及其制造方法

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