JP2023017290A - ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置 - Google Patents

ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス微粒子堆積体の製造時において、ガラス微粒子堆積体のくびれの生成を抑制し、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを低減させる。【解決手段】種棒の先端に軸方向にガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、予め設定した引上げ速度パターンでガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御段階と、初期引上げ制御段階の後に、ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、レーザ光線の受光量が一定になるようにガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御段階と、を備え、定常引上げ制御段階は、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階を含み、移行段階におけるガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、初期引上げ制御段階の定常引上げ制御段階直前の引上げ速度より小さい、ガラス微粒子堆積体の製造方法。【選択図】図2

Description

本開示は、ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置に関する。
特許文献1には、ガラス微粒子を堆積させる初期段階から、ガラス微粒子を略一定径で定常的に堆積させる定常段階に移行するまでの間の引上げ速度を制御することが記載されている。具体的には、特許文献1には、CCDカメラによってスス外径をモニタし、目標外径パターンに沿って外径が成長するように引上げ速度を制御することが記載されている。また、特許文献1の段落0038には、ガラス微粒子堆積体の製造装置がCCDカメラを有さず、投光器と受光器によるモニタリングのみ可能な装置である場合、投光器から発せられたレーザ光線がガラス微粒子堆積体の堆積面に接する程度までガラス微粒子堆積体が成長しないと、ガラス微粒子堆積体を引き上げる速度を制御することができない、すなわち、初期段階から定常段階の間においてガラス微粒子堆積体を引き上げる速度を制御することができない、といった記載がある。
特許文献2には、ガラス微粒子の堆積初期は予め設定した引き上げ速度で引上げることが記載されている(図3など)。また、特許文献2の段落0040には、堆積面がレーザ光線を遮る位置まで到達した時点(Tz)から堆積面の位置が一定に保持されるように引上げ速度Zの制御が開始されること、制御が開始された時点(Tz時点)の引上げ速度は、引上げ速度と堆積面の位置を一定に保持するために必要な引上げ速度に比べて大幅に遅く、引上げ速度Zは堆積時間TzにおいてZ1からZ2へと急激に速くなる方向へ制御されること、及び、このような引上げ速度Zの制御により、堆積面がレーザ光線を遮る位置に達してから暫らくの間は引上げ速度Zに変動(ハンチング)が発生し、この変動に伴いガラス微粒子堆積体の外径変動が生じること、が記載されている。
特開2015-63431号公報 特開2015-6962号公報
特許文献1及び2に記載されているような従来の製造方法では、定常段階に到達するまでの間はガラス微粒子の堆積形状が変動しやすいため、レーザ光線を使った引上げ制御は行わず、予め設定した引上げ速度で引上げ制御を行っている。そのため、レーザ光線を使った引上げ制御に移行する際に、引上げ速度が大きく変化し、スス外径にくびれ(外径が局所的に小さくなっている部分)が生じやすい。そして、スス外径にくびれがあると、くびれ部分からガラス微粒子堆積体が割れるおそれが高くなる。
本開示の目的は、ガラス微粒子堆積体の製造時において、ガラス微粒子堆積体のくびれの生成を抑制し、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを低減させることである。
本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、
ガラス微粒子をバーナから種棒に吹き付け、前記種棒の先端に軸方向に前記ガラス微粒子を堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
予め設定した引上げ速度パターンで前記ガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御段階と、
前記初期引上げ制御段階の後に、前記ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、前記レーザ光線の受光量が一定になるように前記ガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御段階と、
を備え、
前記定常引上げ制御段階は、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階を含み、
前記移行段階における前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御段階の前記定常引上げ制御段階直前の引上げ速度より小さい。
本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造装置は、
ガラス微粒子をバーナから種棒に吹き付け、前記種棒の先端に軸方向に前記ガラス微粒子を堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
予め設定した引上げ速度パターンで前記ガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御と、
前記初期引上げ制御の後に、前記ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、前記レーザ光線の受光量が一定になるように前記ガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御と、
を行う制御装置を備え、
前記制御装置は、前記定常引上げ制御において、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階の引上げ制御を含み、
前記移行段階の引上げ制御は、前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御の前記定常引上げ制御直前の引上げ速度より小さくなるよう制御する。
上記開示の構成によれば、ガラス微粒子堆積体の製造時において、ガラス微粒子堆積体のくびれの生成を抑制し、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを低減させることができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造装置の構成を示す模式図である。 図2は、製造例1及び製造例2における、ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の変化を示すグラフである。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施態様を列記して説明する。
(1).本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、
ガラス微粒子をバーナから種棒に吹き付け、前記種棒の先端に軸方向に前記ガラス微粒子を堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
予め設定した引上げ速度パターンで前記ガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御段階と、
前記初期引上げ制御段階の後に、前記ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、前記レーザ光線の受光量が一定になるように前記ガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御段階と、
を備え、
前記定常引上げ制御段階は、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階を含み、
前記移行段階における前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御段階の前記定常引上げ制御段階直前の引上げ速度より小さい。
この構成によれば、初期引上げ制御段階から定常引上げ制御段階に移行する際の、引上げ速度の変化量を抑制することで、ガラス微粒子堆積体のくびれの生成を抑制し、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを低減させることができる。
(2).上記(1)に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記移行段階における前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御段階の前記定常引上げ制御段階直前の引上げ速度の半分より小さいことが好ましい。
この構成によれば、初期引上げ制御段階から定常引上げ制御段階に移行する際の、引上げ速度の変化量をより小さく抑えることで、ガラス微粒子堆積体のくびれの生成を更に抑制し、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを更に低減させることができる。
(3).上記(1)又は(2)に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記初期引上げ制御段階は、第一の引上げ速度で引上げ制御を行う第一段階と、前記第一段階の後に、前記第一の引上げ速度より大きい第二の引上げ速度で引上げ制御を行う第二段階と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、初期引上げ制御段階において引上げ速度を段階的に増加させることで、定常引上げ制御段階に移行する際の引上げ速度の変化量を抑制し易くなる。
(4).上記(1)から(3)のいずれかに記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記移行段階における引上げ速度を、複数回に分けて段階的に変化させてもよい。
この構成によれば、移行段階の引上げ速度の変化を複数回に分けて行うことで一回当たりの引上げ速度の変化量を低減できるため、ガラス微粒子堆積体にくびれが更に生じにくくなり、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを更に低減させることができる。
(5).上記(1)から(3)のいずれかに記載のガラス微粒子堆積体の製造方法において、
前記移行段階における引上げ速度を、連続的に変化させてもよい。
この構成によれば、移行段階の引上げ速度を連続的に増加させることで、引上げ速度を急激に変化させることがなくなるため、ガラス微粒子堆積体にくびれが更に生じにくくなり、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを更に低減させることができる。
(6).本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造装置は、
ガラス微粒子をバーナから種棒に吹き付け、前記種棒の先端に軸方向に前記ガラス微粒子を堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
予め設定した引上げ速度パターンで前記ガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御と、
前記初期引上げ制御の後に、前記ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、前記レーザ光線の受光量が一定になるように前記ガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御と、
を行う制御装置を備え、
前記制御装置は、前記定常引上げ制御において、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階の引上げ制御を含み、
前記移行段階の引上げ制御は、前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御の前記定常引上げ制御直前の引上げ速度より小さくなるよう制御する。
この構成によれば、初期引上げ制御段階から定常引上げ制御段階に移行する際の、引上げ速度の変化量を抑制することで、ガラス微粒子堆積体のくびれの生成を抑制し、ガラス微粒子堆積体が割れるおそれを低減させることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示に係る実施の形態の例を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、異なる図面であっても同一又は相当の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
(ガラス微粒子堆積体の製造装置)
図1は、本開示の一実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、製造装置1は、ガラス微粒子堆積体Mが形成される反応容器2と、反応容器2の上方から内部に吊り下げられた支持棒3と、支持棒3に取り付けられた種棒4と、を備えている。また、製造装置1は、反応容器2の内部下方に配置されたガラス微粒子生成用バーナ5と、反応容器2の側面に取り付けられた排気管6と、反応容器2の外部に配置された投光器7aおよび受光器7bと、を備えている。さらに、製造装置1は、支持棒3を昇降および回転させる昇降回転装置10と、ガスの流量制御を行なうMFC(Mass Flow Controller)11と、各部の動作を制御する制御部12と、を備えている。
支持棒3は、反応容器2の上壁に形成された貫通穴を挿通して上下方向に配置されており、反応容器2内に配置された一方の端部(図1において下端部)には種棒4が取り付けられる。支持棒3は、他方の端部(図1において上端部)を昇降回転装置10により把持されており、昇降回転装置10の制御に基づいて昇降および回転する。
種棒4は、ガラス微粒子が堆積されるロッド(例えば、ガラスロッド)であり、支持棒3に取り付けられている。種棒4は、支持棒3の動作に伴って反応容器2内で昇降したり、支持棒3の軸まわりに回転したりする。
ガラス微粒子生成用のバーナ5は、原料ガスと火炎形成ガスを噴出し、形成された火炎により原料ガスが火炎加水分解されて生成されるガラス微粒子を種棒4に堆積させるバーナである。バーナ5は、コア部を堆積するコア用バーナ5aと、クラッド部を堆積するクラッド用バーナ5bと、によって構成されている。コア用バーナ5aとクラッド用バーナ5bの先端部は、反応容器2の内部に突出して配置されている。
投光器7aと受光器7bは、ガラス微粒子堆積体Mの先端部Maの位置を検出する検出手段である。投光器7aは、レーザ光線を発する部位である。受光器7bは、レーザ光線を受ける部位である。投光器7aと受光器7bは、反応容器2の外部に、反応容器2を間に挟むように対向する位置に配置される。投光器7aから発せられたレーザ光線を先端部Maの堆積面に接するようにし、受光器7bによってこのレーザ光線の受光量を測定することで先端部Maの位置を検出する。
昇降回転装置10は、支持棒3および種棒4を介して、ガラス微粒子堆積体Mを昇降動作および回転動作させる装置である。昇降回転装置10は、制御部12から送信されてくる制御信号に基づいて、支持棒3の動作を制御する。
MFC11は、コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bに供給する原料ガスの流量制御を行なう装置である。MFC11は、制御部12から送信されてくる制御信号に基づいて、原料ガスの供給量の制御を行なう。原料ガスは、原料容器21内に収容された液体原料を気化させたものが供給される。
制御部12は、昇降回転装置10、MFC11、投光器7a、受光器7b等の動作を制御する。制御部12は、受光器7bから受信するレーザ光線の受信データ等に基づいて、昇降回転装置10の動作を制御することにより、後述する初期引上げ制御段階および定常引上げ制御段階におけるガラス微粒子堆積体Mの引上げ速度を制御する。また、制御部12は、記憶部12aを備えている。記憶部12aには、例えば、上述の各種制御をするためのプログラムやデータが記憶されている。
(ガラス微粒子堆積体の製造方法)
次に、ガラス微粒子堆積体Mの製造方法について説明する。先ず、昇降回転装置10に支持棒3が取り付けられることにより、支持棒3の先端に取り付けられた種棒4が反応容器2内に納められる。
MFC11は、制御部12から送信される制御信号に基づき、原料ガスおよび火炎形成ガスを、コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bに供給する。コア用バーナ5aおよびクラッド用バーナ5bは、投入された原料ガス及び火炎形成ガスにより、原料ガスを加水分解反応させてガラス微粒子を生成する。そして、生成されたガラス微粒子が種棒4に対して吹き付けられて、ガラス微粒子の堆積が開始される。
昇降回転装置10は、制御部12から送信される制御信号に基づき、ガラス微粒子堆積体Mの成長に合わせて、ガラス微粒子堆積体Mが堆積された種棒4を回転させながら引き上げる。
本実施形態において、制御部12によるガラス微粒子堆積体Mの引上げ速度の制御は、予め設定した引上げ速度パターンでガラス微粒子堆積体Mを引上げる初期引上げ制御段階と、初期引上げ制御段階の後の制御段階であって、ガラス微粒子堆積体Mの先端部Maがレーザ光線を遮るようにして、レーザ光線の受光量が一定になるようにガラス微粒子堆積体Mを引上げる定常引上げ制御段階と、を含む。
初期引上げ制御段階における引上げ速度パターンは、特に制限はされないが、例えば、段階的に引上げ速度を増加させるものであることが好ましい。具体的には、初期引上げ制御段階における引上げ速度パターンは、第一の引上げ速度で引上げ制御を行う第一段階と、第一段階の後に第一の引上げ速度より大きい第二の引上げ速度で引上げ制御を行う第二段階と、を含むパターンであることが好ましい。また、初期引上げ制御段階における引上げ速度パターンは、更に複数の引上げ速度で段階的に引上げ速度を増加させてもよく、例えば、第二段階の後に第二の引上げ速度より大きい第三の引上げ速度で引上げ制御を行う第三段階を含んでもよい。また、初期引上げ制御段階における引上げ速度パターンは、例えば、徐々に引上げ速度を増加させるものであってもよい。また、一定の引上げ速度を維持する段階と、徐々に引上げ速度を増加させる段階と、を含んでもよい。これらの引上げ速度パターンを採用することで、初期引上げ制御段階が上記の第一段階しか含まないような場合よりも後述の移行段階開始時の引上げ速度を大きくすることができる。結果として、移行段階における急激な引上げ速度の上昇を抑制し易くなり、結果として、くびれの生成やガラス微粒子堆積体の割れを生じさせ難くなる。
初期引上げ制御段階において、上述のように引上げ速度を段階的または連続的に変化させる場合、ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量を、変化直前の引上げ速度よりも小さくすることが好ましい。このような構成により、初期引上げ制御段階において外径異常が生じるおそれを低下させることができる。
定常引上げ制御段階では、投光器7aから発せられたレーザ光線を先端部Maの堆積面に接するようにし、先端部Maがレーザ光線を遮るようにして、受光器7bによってこのレーザ光線の受光量を測定することで、先端部Maの位置を検出する。受光器7bによって測定された受光量のデータは、制御部12へ送信される。そして、制御部12は、受光量が一定となるように、ガラス微粒子堆積体Mを引き上げる引上げ速度の制御を行なう。具体的には、先端部Maの成長によってレーザ光線が遮られ、受光量が予め設定した値を下回った時点から、制御部12は、レーザ光線の受光量が予め設定した値になるように、ガラス微粒子堆積体Mの引上げ速度の制御を行う。
定常引上げ制御段階は、先端部Maの成長によってレーザ光線が遮られてレーザ光線の受光量が予め設定した値を最初に下回った時点から、引上げ速度の制御によって最初にレーザ光線の受光量が設定値に戻るまでの移行段階を含む。
本実施形態において、制御部12は、移行段階におけるガラス微粒子堆積体Mの引上げ速度の1分当たりの変化量が、初期引上げ制御段階における定常引上げ制御段階直前の引上げ速度よりも小さくなるよう、移行段階における引上げ速度を制御する。すなわち、制御部12は、移行段階の開始時において、移行段階直前の引上げ速度の2倍以上の引上げ速度に急激に増加させないように制御する。
また、移行段階における引上げ速度の1分当たりの変化量は、初期引上げ制御段階における定常引上げ制御段階直前の引上げ速度の半分よりも小さいことが好ましい。すなわち、制御部12は、移行段階の開始時において、移行段階直前の引上げ速度の1.5倍以上の引上げ速度に急激に増加させないように制御することが好ましい。
移行段階における引上げ速度は、複数回に分けて段階的に変化させてもよく、連続的に変化させてもよい。また、移行段階における引上げ速度の制御は、段階的な変化と連続的な変化を併せておこなってもよい。
[実施例]
以下、本開示に係る実施例を示して、本開示をさらに詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1及び2)
製造装置1を用いて、製造例1及び2のガラス微粒子堆積体Mを製造した。製造例1及び2は、初期引上げ制御段階および定常引上げ制御段階におけるガラス微粒子堆積体Mの引上げ速度を変更したこと以外は、同条件である。製造例1及び製造例2における、ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の変化を示すグラフである。
図2において、製造例1および製造例2の初期引上げ制御段階と定常引上げ制御段階とは、下記に示すとおりである。
<製造例1>
初期引上げ制御段階:時間t1~t2
定常引上げ制御段階:時間t2以降(移行段階:時間t2~t3)
<製造例2>
初期引上げ制御段階:時間t4~t7
(第一段階:時間t4~t5、第二段階:時間t6~t7)
定常引上げ制御段階:時間t7以降(移行段階:時間t7~t8)
製造例1では、初期引上げ制御段階は、引上げ速度は常に一定であった。また、製造例1において、移行段階における引上げ速度の1分当たりの変化量は、初期引上げ制御段階の引上げ速度の2.0倍であった。すなわち、製造例1では、移行段階の開始時から終了時にかけて、移行段階直前の引上げ速度の約3倍に引上げ速度が増加していた。結果、製造例1では、くびれが発生し、ガラス微粒子堆積体Mに割れが生じた。
製造例2では、初期引上げ制御段階において、引上げ速度がV1の第一段階と、第一段階から第二段階へと連続的に引上げ速度を変化させる段階(時間t5~t6)と、引上げ速度がV1の1.6倍であるV2の第二段階と、を含んでいる。また、製造例2において、移行段階における引上げ速度の1分当たりの変化量は、移行段階直前の引上げ速度の0.8倍であった。すなわち、製造例2では、移行段階の開始時から終了時にかけて引上げ速度は、移行段階直前の引上げ速度の約1.8倍に増加していた。結果、製造例2では、くびれは発生せず、ガラス微粒子堆積体Mに割れも生じなかった。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
M:ガラス微粒子堆積体
Ma:先端部
1:ガラス微粒子堆積体の製造装置
2:反応容器
3:支持棒
4:種棒
5:バーナ
5a:コア用バーナ
5b:クラッド用バーナ
6:排気管
7a:投光器
7b:受光器
10:昇降回転装置
11:MFC
12:制御部
12a:記憶部
21:原料容器

Claims (6)

  1. ガラス微粒子をバーナから種棒に吹き付け、前記種棒の先端に軸方向に前記ガラス微粒子を堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    予め設定した引上げ速度パターンで前記ガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御段階と、
    前記初期引上げ制御段階の後に、前記ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、前記レーザ光線の受光量が一定になるように前記ガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御段階と、
    を備え、
    前記定常引上げ制御段階は、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階を含み、
    前記移行段階における前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御段階の前記定常引上げ制御段階直前の引上げ速度より小さい、
    ガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 前記移行段階における前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御段階の前記定常引上げ制御段階直前の引上げ速度の半分より小さい、請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 前記初期引上げ制御段階は、第一の引上げ速度で引上げ制御を行う第一段階と、前記第一段階の後に、前記第一の引上げ速度より大きい第二の引上げ速度で引上げ制御を行う第二段階とを含む、請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 前記移行段階における引上げ速度を、複数回に分けて段階的に変化させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  5. 前記移行段階における引上げ速度を、連続的に変化させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  6. ガラス微粒子をバーナから種棒に吹き付け、前記種棒の先端に軸方向に前記ガラス微粒子を堆積させていくことによってガラス微粒子堆積体を形成するガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
    予め設定した引上げ速度パターンで前記ガラス微粒子堆積体を引上げる初期引上げ制御と、
    前記初期引上げ制御の後に、前記ガラス微粒子堆積体の先端部がレーザ光線を遮るようにして、前記レーザ光線の受光量が一定になるように前記ガラス微粒子堆積体を引上げる定常引上げ制御と、
    を行う制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記定常引上げ制御において、最初に前記レーザ光線の受光量が一定となるまでの移行段階の引上げ制御を含み、
    前記移行段階の引上げ制御は、前記ガラス微粒子堆積体の引上げ速度の1分当たりの変化量が、前記初期引上げ制御の前記定常引上げ制御直前の引上げ速度より小さくなるよう制御する、
    ガラス微粒子堆積体の製造装置。
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