JP2015005597A - 樹脂封止型センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加速度や角速度といった慣性力を検出するセンサ素子がパッド上に搭載され、全体が樹脂にてモールドされた樹脂封止型センサ装置において、樹脂注入時におけるセンサ素子やパッドの傾斜や変形を低減もしくは解消することでセンサ出力誤差が抑制もしくは解消され、信頼性の高い樹脂封止型センサ装置を提供すること。【解決手段】物理量検出用のセンサ素子1と、回路基板2と、平面視形状が矩形、円形、楕円形のいずれかの形状を有するパッド3と、パッド3に接続される吊りリード5A〜5Dおよび外部電通リード4とからなる回路ユニット10と、回路ユニット10を封止するモールド樹脂体20と、から構成される樹脂封止型センサ装置100において、パッド3の形状の中心点に、直交する2つの軸L1,L2の交点Oを一致させた際に、該形状が4つの領域に仮に分割されてできる各分割領域にそれぞれ吊りリード5A〜5Dが配設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、加速度や角速度を検出する1つの慣性力センサ、もしくは複数の加速度や角速度の検出部が複合された慣性力センサ等のセンサ素子とこれを搭載する回路基板をトランスファーモールドなどによって樹脂封止してパッケージを形成してなる樹脂封止型慣性力センサ装置に関する。
近年、自動車や農業機械、建設機械などでは車両姿勢の安定制御や安全性の向上、あるいは作業性の向上のために種々の物理量を検出するセンサ装置が開発されている。
自動車においては、横滑り防止や乗員の安全性向上のための機器(例えばエアバック)制御用として、特に加速度センサや角速度センサの適用が拡大している。
また、センサ装置の自動車への適用においてはエンジンルームへの搭載も想定されることから、熱変化や機械的振動などの過酷な環境負荷に耐えることが必要であるとともに、限られたスペースに搭載可能とするために、センサ装置自体も小型化することが不可欠となっている。
また、農業機械や建設機械では、傾斜地などで安定した作業を実施するために、接続される付属機の姿勢制御用(たとえば水平制御用)として慣性力センサが使用されている。
上記する各種のセンサ装置に搭載される加速度センサや角速度センサでは、小型化や多機能化および複合化、さらには量産性向上などを目的として、シリコン(Si)の微細加工技術(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)を用いた検出手段が主流となってきている。微細加工技術によってシリコンの微細なくし歯状構造体を形成し、このくし歯状構造体の微小変位を電気信号に変換することにより、加速度や角速度などの物理量を検出している。
このMEMS技術で製作された慣性力センサ(加速度センサや角速度センサ)を備えたセンサ装置の形態として、センサからの信号を処理するとともに外部との信号入出力を制御する回路基板(例えばLSI基板)の上にセンサを搭載し、これらセンサおよび回路基板をパッド(タブ)に搭載し、外部との電気的信号の伝達を行うリードをパッドに接続した上で、これらを樹脂で封止してパッケージを構成した形態のセンサ装置はよく知られるところである。
この形態のセンサ装置では、パッドとリードはリードフレームとして一体に形成されており、樹脂によるパッケージ形成後に、リードは、パッケージ内にあるインナーリードとパッケージの外に突出したアウターリードとなる。一方、パッドは吊りリードによってリードフレームに保持されている。なお、慣性力センサの樹脂によるパッケージングでは、トランスファーモールド方式による樹脂封止パッケージが一般的である。
トランスファーモールドによるパッケージングでは、パッド上に回路基板と慣性力センサ素子が接着剤(DAF(ダイアタッチフィルム)などの接着フィルムを含む)を介して搭載され、これらが接着された後に、金属細線(ワイヤ)によって慣性力センサ素子と回路基板の間、および回路基板とインナーリードの間が電気的に接続される。その後、この組立体はモールド金型内に載置され、金型の一端から樹脂が注入され、これが硬化することで樹脂封止パッケージが形成される。パッケージが形成された後、アウターリード以外のリードフレーム外枠などの不要部分が切断除去され、アウターリードを所定の形状に加工することで樹脂封止型センサ装置が製造される。
ところで、このトランスファーモールドによる樹脂封止では、パッケージ内部のセンサ素子や回路基板の配置、インナーリード形状などに起因して樹脂流動にアンバランスが生じる場合がある。
この樹脂流動のアンバランスは、センサ素子や回路基板表面に作用する樹脂流動による圧力に分布を生じさせ、この圧力分布に吊りリードが耐えられなくなるとパッドが上下方向(部材の厚さ方向)に変動する。この変動によってセンサ素子が水平から傾いた状態になったまま樹脂が硬化し、パッケージングされる場合がある。
加速度や角速度の慣性力センサ素子が水平から傾いた状態で実装されると、センサ出力はその傾斜角度分だけ低下(傾斜角をθとすると1/cosθ低下)するため、これが出力誤差となってセンサの安定性を阻害する要因となる。
このようにトランスファーモールドパッケージでのセンサ素子の傾斜防止を考慮したセンサ装置が特許文献1,2に開示されている。
特許文献1に開示されるセンサ装置では、センサを保持するための吊りリードが平面視矩形の回路基板の一対の2つの辺にそれぞれ複数本形成されている。
一方、特許文献2に開示される半導体装置においては、センサチップおよびコントローラチップを搭載する平面視矩形のダイパッドの一対の対向する2つの辺に吊りリードがそれぞれ1本ずつ形成されている形態や、さらに他の一対の2つの辺のうちの1つの辺に吊りリードが形成されている形態(合計3つの吊りリードでダイパッドが吊られた形態)が開示されている。
特開2013−44524号公報 特開2010−177510号公報
特許文献1に記載のセンサ装置では、平面視矩形の回路基板の一対の2つの辺をそれぞれ2本の吊りリードが支持するように形成されているので、その吊り方向に対しての変形には抵抗力がある。しかしながら、吊りリード形成面以外の他の一対の辺は吊りリードにて支持されていないことから、この一対の辺における変形や、この一対の辺で規定される方向の変形に対する抵抗力は不足しており、回路基板の変形防止としては不十分である。そのため、センサ出力を用いて高精度の車体制御や付属機器の姿勢制御を実施する場合には、センサの変形による誤差が問題となる可能性が高い。
この問題は、平面視矩形のダイパッドの一対の対向する2つの辺のみ、あるいは3つの辺のみを吊りリードで支持する特許文献2に記載の半導体装置においても同様に生じるものである。仮にダイパッドの3つの辺をそれぞれ吊りリードで吊った場合では、吊りリードで吊られていない残りの1辺の樹脂注入時の変形や傾きは抑制できず、センサチップの傾斜等による出力誤差を解消できない。尤も、特許文献2において吊りリードでダイパッドを吊る目的は、既述するように樹脂注入時のセンサ素子の傾き等を抑制することを目的としたものではなく、キャビティ内に樹脂を完全に充填することを目的としたものであることから、このようにダイパッドの2辺もしくは3辺を吊りリードで吊った形態であっても、特許文献2で掲げる目的は十分に達成されるものと考えられる。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、加速度や角速度といった慣性力を検出するセンサ素子がパッド上に搭載され、全体が樹脂にてモールドされた樹脂封止型センサ装置において、樹脂注入時におけるセンサ素子やパッドの傾斜や変形を低減もしくは解消することでセンサ出力誤差が抑制もしくは解消された、信頼性の高い樹脂封止型センサ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による樹脂封止型センサ装置は、物理量検出用のセンサ素子と、前記センサ素子を搭載する回路基板と、前記回路基板を搭載するとともに、平面視形状が矩形、円形、楕円形のいずれかの形状を有するパッドと、前記パッドに接続される吊りリードおよび外部電通リードと、からなる回路ユニットと、前記回路ユニットを封止するモールド樹脂体と、から構成される樹脂封止型センサ装置において、パッドの前記いずれかの形状の中心点に、直交する2つの軸の交点を一致させた際に、該形状が4つの領域に仮に分割されてできる各分割領域に、それぞれ前記吊りリードが配設されているものである。
本発明の樹脂封止型センサ装置によれば、センサ素子と回路基板を搭載する平面視形状が矩形、円形、楕円形のいずれかの形状を有するパッドが、その中心点に直交する2つの軸の交点を一致させた際にできる4つの各分割領域に吊りリードが配設されていることにより、樹脂注入時におけるセンサ素子、回路基板およびパッドからなる回路ユニットの変形や傾斜を抑制もしくは解消することができ、もってセンサ出力誤差を抑制して信頼性の高い樹脂封止型センサ装置となる。
本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態1の平面図であって上方のモールド樹脂体を除いてその内部を示した図である。 図1のII−II矢視図である。 図1のIII−III矢視図である。 パッドと吊りリードの実施の形態1の平面図である。 パッドと吊りリードの実施の形態2の平面図である。 パッドと吊りリードの実施の形態3の平面図である。 パッドと吊りリードの実施の形態4の平面図である。 本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態2の平面図であって上方のモールド樹脂体を除いてその内部を示した図である。 本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態3の平面図であって上方のモールド樹脂体を除いてその内部を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態を説明する。
(樹脂封止型センサ装置の実施の形態1)
<樹脂封止型センサ装置について>
図1は本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態1の平面図であって上方のモールド樹脂体を除いてその内部を示した図であり、図2は図1のII−II矢視図であって装置の長手方向断面図であり、図3は図1のIII−III矢視図であって装置の短手方向断面図である。
図1で示す樹脂封止型センサ装置100は、慣性力(加速度や角速度)などの物理量検出用のセンサ素子1と、センサ素子1を搭載する回路基板2(半導体素子ともいう)と、回路基板2を搭載するとともに平面視形状が矩形(長方形)のパッド3(ダイパッド、チップパッド、タブなどともいう)と、パッド3に接続される吊りリード5A,5B,5C,5Dおよび外部電通リード4と、からなる回路ユニット10と、回路ユニット10を封止するモールド樹脂体20と、から大略構成されている。
センサ素子1と回路基板2、回路基板2とパッド3はともに、ペースト状もしくはフィルム状の接合材7で接続されている。
センサ素子1の上面にある不図示の電極と回路基板2の上面にある不図示の電極はワイヤ6にて電気的に接続されており、回路基板2の該電極と外部電通リード4も同様にワイヤ6にて電気的に接続されている。
外部電通リード4は、モールド樹脂体20内にあって回路基板2と電気的に接続されるインナーリードと、不図示の外部の実装基板や筐体などに接続されるアウターリードが一体に形成されてその全体が構成されている。
センサ素子1は、シリコン(Si)を微細加工して形成されたくし歯状の物理量検出部を内蔵しており、それらの周囲がSiやガラスなどで積層封止されている。このセンサ素子1としては、加速度センサや角速度センサが単独に存在する形態のほか、これらが複数個複合化された形態が適用される。
回路基板2は、半導体プロセス加工技術によって所定の微細な回路や電極がSi上に形成されたものである。この回路基板2は、センサ素子1の検出動作を制御するとともに、センサ素子1からの検出信号を装置100の内外に入出力するための制御などもおこなう。
パッド3、外部電通リード4、および吊りリード5A〜5Dは、同素材で一体に形成されており、モールド樹脂体20が形成される前の段階では全体としてリードフレームを構成している。なお、本明細書において、パッドと吊りリードの「接続」とは、このように双方が同素材で一体に形成されていることを意味することの他にも、双方が異種素材の別部材であって接続工程を経て一体とされることをも意味する。
このリードフレームを構成するパッド3、外部電通リード4、および吊りリード5A〜5Dは、銅(Cu)やその合金、鉄−ニッケル合金(Fe-42Niなど)等の金属材料から形成される。
ワイヤ6は、たとえば直径20〜25μmの金(Au)素材の細線が使用される。
モールド樹脂体20は、たとえばシリカ粒子が充填された熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)から形成される。
センサ素子1と回路基板2、および回路基板2とパッド3を接続する接合材7には、導電性、非導電性の双方の材料が適用可能であるが、導電性が不要な場合は、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを主成分とするペースト状もしくはフィルム状の接合材が適用される。一方、導電性が必要な場合は、銀(Ag)粒子が充填されたペースト状もしくはフィルム状の接合材が適用される。中でも、フィルム状の接合材7は、部材同士の接合後にその厚みを均一に保つことができるため、部材の搭載位置のばらつき(水平度のばらつき)を抑制でき、センサ素子1の出力のばらつき低減効果が期待できる。
図示例では、センサ素子1、回路基板2、パッド3、モールド樹脂体20の平面視形状がともに矩形(長方形)である。なお、これらの平面視形状は矩形に限定されるものでなく、正方形、円形、楕円形などであってもよい。また、長方形や正方形には、隅角部が面取りされて湾曲している形状も包含される。
ここで、樹脂封止型センサ装置100の製造方法を概説する。
トランスファーモールドに先行して、センサ素子1、回路基板2、パッド3および吊りリード5A〜5D、および外部電通リード4を組み付け、ワイヤ6によるセンサ素子1と回路基板2、回路基板2と外部電通リード4それぞれの電気的接続をおこなって回路ユニット10を組み付けておく。
製作された回路ユニット10を、所定形状のキャビティを具備する不図示のモールド金型内に載置し、この際に吊りリード5A〜5Dを金型のそれぞれ4辺に固定して回路ユニット10をキャビティ内に吊持させる。
この状態で金型の一端から樹脂をキャビティ内に注入し、これが硬化することで回路ユニット10を包囲するようにしてモールド樹脂体20が形成される。
モールド樹脂体20が形成された後、アウターリード以外のリードフレーム外枠などの不要部分を切断除去し、アウターリードを所定の形状に加工することによって図示する樹脂封止型センサ装置100が製造される。
吊りリード5A〜5Dは、このモールド樹脂体20形成の際に、キャビティ内に注入された樹脂の樹脂圧に対して金型内で吊持された回路ユニット10の平面姿勢を保持し、変形を抑制する作用を奏するものである。
次に、以下、パッドと吊りリードの実施の形態を説明する。
<パッドと吊りリードの実施の形態1>
図1で示す樹脂封止型センサ装置100を構成するパッド3と吊りリード5A〜5Dの実施の形態を図4に示す。
図示する形態のパッド3と吊りリード5A〜5Dにおいて、パッド3は平面視形状が矩形(長方形)であり、二対のうちの長辺3a(長さt1)、短辺3b(長さt2)の各中点に吊りリード5A〜5Dが接続されている。
そして、これら4つの吊りリード5A〜5Dは、直交する2軸L1,L2の交点Oを矩形のパッド3の中心に一致させた際にできる4つの仮想の分割領域A〜Dの中にそれぞれ存在している。
さらに、4つの吊りリード5A〜5Dは、パッド3の各辺の中点において各辺に対して直交する方向に延設している。
ところで、本発明者等は、以下のようなたわみ量を算定する実験をおこなっている。具体的には、寸法が5mm×3mmの矩形平面で厚み0.15mmの銅素材のパッドを製作し、このパッドの各辺の中点でパッドを支持した状態で0.5MPaの等分布荷重をパッドに載荷させた場合と、同様のパッドの各隅角部でパッドを支持した状態で同様の等分布荷重を載荷させた場合とで、双方の最大たわみ量を測定したものである。
測定の結果、パッドの各辺の中点で支持した場合の最大たわみ量が16μmであったのに対して、パッドの各隅角部で支持した場合の最大たわみ量が164μmであり、およそ10倍もの相違があった。
この検証結果より、図4で示す形態のパッド3と吊りリード5A〜5Dでは、パッドの各辺の中点で吊りリードにて支持されていることから、パッドの剛性も高くなり、作用する荷重に対する変形やたわみを効果的に低減できる形態であることが分かる。
なお、図示を省略するが、各辺に対して吊りリードが直交せずに傾斜して配設されている形態であっても、変形やたわみ低減効果を十分に期待することができる。
<パッドと吊りリードの実施の形態2>
一方、図5は、パッドと吊りリードの実施の形態2の平面図である。この形態では、長辺3a、短辺3bをそれぞれ三等分し、それらの中央の1/3の範囲を中央領域とし、この中央領域内に吊りリード5A〜5Dをそれぞれ配設したものである。
なお、中央領域の設定は、各辺を三等分した際の中央の領域に限定されるものでなく、パッドの平面寸法と厚みの関係、作用する荷重との関係より、吊りリードを配設した際にパッドの変形やたわみを効果的に抑制できる適宜の範囲を設定でき、各辺を五等分した中央領域、七等分した中央領域などに設定することもできる。
<パッドと吊りリードの実施の形態3>
図6は、パッドと吊りリードの実施の形態3の平面図である。この形態では、平面視形状が円形のパッド3Aに対し、2つの直交する直径と該円形が交差する4つの点に4つの吊りリード5A〜5Dが配設されている。
この形態においても、これら4つの吊りリード5A〜5Dは、直交する2軸L1,L2の交点Oを円形のパッド3Aの中心に一致させた際にできる4つの仮想の分割領域A〜Dの中にそれぞれ存在している。
図示する形態のパッドと吊りリードによっても、パッドの変形およびたわみの低減効果を期待することができ、作用する樹脂圧に対してパッドの水平姿勢を保持できる作用を期待することができる。
<パッドと吊りリードの実施の形態4>
図7は、パッドと吊りリードの実施の形態4の平面図である。この形態では、平面視形状が楕円形のパッド3Bに対し、楕円形の長軸および短軸と該楕円形が交差する4つの点に4つの吊りリード5A〜5Dが配設されている。
この形態においても、これら4つの吊りリード5A〜5Dは、直交する2軸L1,L2の交点Oを楕円形のパッド3Bの中心に一致させた際にできる4つの仮想の分割領域A〜Dの中にそれぞれ存在している。
図示する形態のパッドと吊りリードによっても、パッドの変形およびたわみの低減効果を期待することができ、作用する樹脂圧に対してパッドの水平姿勢を保持できる作用を期待することができる。
(樹脂封止型センサ装置の実施の形態2)
次に、樹脂封止型センサ装置の他の実施の形態2について説明する。ここで、図8は本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態2の平面図であって上方のモールド樹脂体を除いてその内部を示した図である。
図示する樹脂封止型センサ装置100Aと図1で示す樹脂封止型センサ装置100の異なる構成は、長辺にある各吊りリード5C’、5D’がモールド樹脂体20の外部に延出して、外部電通リードとしての作用を有する点である。
さらに、吊りリード5C’、5D’のいずれか一方は信号用リード兼用吊りリードであり、センサ素子1および回路基板2とワイヤ6を介して電気的に接続されている点である。図8では、吊りリード5C’が回路基板2とワイヤ6で接続されている例を示してある。
吊りリードの一部をこのように外部電通リードとして使用することにより、パッド3を支持する吊りリードを外部電通リードとは別体に設ける必要がなくなるため、図示例では長辺のスペースを小さくすることが可能となり、樹脂封止型センサ装置100に対して樹脂封止型センサ装置100Aを小型化することができる。そして、このことは樹脂封止型センサ装置100Aを搭載するプリント基板や機器の小型化にも寄与することになる。
さらに、吊りリード5C’、5D’がアウターリードを包含することから、これらに放熱作用を期待することもできる。すなわち、回路基板2が動作することによって発生した熱を、パッド3を介して吊りリード5C’、5D’から樹脂封止型センサ装置100Aの外部へ放熱することができ、装置の放熱性の向上に繋がる。
なお、吊りリード5C’、5D’の一方のみでなく、双方が信号用リード兼用吊りリードであってもよい。
また、信号用リード兼用吊りリードを樹脂封止型センサ装置100Aの外部にあるグランド端子に接続してもよく、このことにより、樹脂封止型センサ装置100Aの出力信号に重畳されるノイズを低減することが可能となる。なお、この場合は、回路基板2の下面全体を外部のグランド端子と接続することでノイズに対する耐性強化を図ることができる。
(樹脂封止型センサ装置の実施の形態3)
次に、樹脂封止型センサ装置の他の実施の形態3について説明する。ここで、図9は本発明の樹脂封止型センサ装置の実施の形態3の平面図であって上方のモールド樹脂体を除いてその内部を示した図である。
図示する樹脂封止型センサ装置100Bと図1で示す樹脂封止型センサ装置100の異なる構成は、センサ素子1AがX軸方向とY軸方向に検出感度を有する2軸の加速度センサ素子1a、1bから構成されている点である。さらに、4つの吊りリード5A〜5Dが、X軸方向を延伸方向とする一対の2つの吊りリードと、X軸方向に直交するY軸方向を延伸方向とする他の一対の2つの吊りリードとから構成され、吊りリード5A〜5Dの延伸方向と2軸の加速度センサ素子1a、1bによる検出軸方向が一致している点である。
各センサ素子1a、1bのそれぞれの検出軸方向に傾斜が生じると、傾斜角度に応じた顕著な出力変動が生じる恐れがある。図示するようにセンサの出力軸と一致する方向に吊りリード5A〜5Dを設けることにより、加速度センサ素子1a、1bが搭載されているパッド3の検出軸方向への変形や傾斜を抑制することができ、センサ素子1a、1bの出力変動の抑制に繋がる。
なお、図示例は2軸の加速度センサ素子1a、1bが一体となってセンサ素子1Aが構成されたものであるが、加速度センサ素子1a、1bが別体であって、回路基板上で離れた状態で搭載された形態であってもよい(図示略)。
このように別体で離れた位置に加速度センサ素子1a、1bが搭載されている形態では、モールド樹脂体20の膨張収縮や樹脂封止型センサ装置全体の変形による影響を受け難い部位にそれぞれの素子を搭載することが可能となる。
さらに、2軸の加速度センサにZ軸方向の加速度センサ素子を加えた3軸のセンサ素子を適用してもよいし、加速度センサと角速度センサを組み合わせたセンサ素子を適用してもよい。
1,1A…センサ素子、2…回路基板(半導体素子)、3,3A,3B…パッド、4…外部電通リード、5A,5B,5C,5C’,5D,5D’…吊りリード、6…ワイヤ、7…接合材、10…回路ユニット、20…モールド樹脂体、100,100A,100B…樹脂封止型センサ装置、L1,L2…直交する2軸

Claims (9)

  1. 物理量検出用のセンサ素子と、
    前記センサ素子を搭載する回路基板と、
    前記回路基板を搭載するとともに、平面視形状が矩形、円形、楕円形のいずれかの形状を有するパッドと、
    前記パッドに接続される吊りリードおよび外部電通リードと、からなる回路ユニットと、
    前記回路ユニットを封止するモールド樹脂体と、から構成される樹脂封止型センサ装置において、
    パッドの前記いずれかの形状の中心点に、直交する2つの軸の交点を一致させた際に、該形状が4つの領域に仮に分割されてできる各分割領域に、それぞれ前記吊りリードが配設されている樹脂封止型センサ装置。
  2. 前記パッドの平面視形状が矩形であり、前記吊りリードが該矩形の4つの辺のそれぞれの中央領域に配設されている請求項1に記載の樹脂封止型センサ装置。
  3. 前記吊りリードが前記矩形の4つの辺のそれぞれの中点に配設されている請求項2に記載の樹脂封止型センサ装置。
  4. 前記吊りリードが前記矩形の4つの辺のそれぞれの中点において、該辺に対して直交している請求項3に記載の樹脂封止型センサ装置。
  5. 少なくとも1つの前記吊りリードが前記外部電通リードを兼用している請求項1に記載の樹脂封止型センサ装置。
  6. 前記吊りリードの延伸方向と前記センサ素子による検出軸方向が一致している請求項1に記載の樹脂封止型センサ装置。
  7. 4つの前記吊りリードは、X軸方向を延伸方向とする一対の2つの吊りリードと、X軸方向に直交するY軸方向を延伸方向とする他の一対の2つの吊りリードと、から構成されており、
    前記センサ素子は、X軸方向とY軸方向に検出感度を有する2軸の加速度センサ素子である請求項6に記載の樹脂封止型センサ装置。
  8. 前記パッドの平面視形状が円形であり、2つの直交する直径と該円形が交差する4つの点に4つの前記吊りリードが配設されている請求項1に記載の樹脂封止型センサ装置。
  9. 前記パッドの平面視形状が楕円形であり、該楕円形の長軸および短軸と該楕円形が交差する4つの点に4つの前記吊りリードが配設されている請求項1に記載の樹脂封止型センサ装置。
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