JP2015003739A - シュリンク包装体 - Google Patents

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孝之 加藤
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大 佐藤
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理学 山根
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Abstract

【課題】包装物品から包装プラスチックフィルムをワンステップで確実且つ容易に引き剥がすことができるようにする。
【解決手段】第1の幅を有するプラスチックフィルムを、第1の幅より狭い第2の幅を有する物品Pの前面、上面、後面及び下面に巻きつけてシュリンク包装し、プラスチックフィルムの幅方向両側の物品に巻きつけられない余った部分が物品Pの両側面を包み、該物品P両側面の略中央にプラスチックフィルムの側縁により開口部3を形成するシュリンク包装体1であって、開口部3の少なくとも上半部の周縁に沿って、かつ該周縁から一定距離を置いて複数の孔4を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、飲料等を充填した紙パック等を所定個数まとめた物品をプラスチックフィルムの熱収縮作用を使用して包装したシュリンク包装体に関し、より詳しくは、包装物品から包装プラスチックフィルムをワンステップで容易且つ確実に引き剥がすことができるシュリンク包装体に関する。
現在、例えば食品飲料業界においては、食品・飲料等の紙パックやペットボトル等の製品を確実に梱包し、メーカー工場から衛生的かつ荷重をあまり増やさずに出荷搬送するために、所定個数を単位としてプラスチックフィルムでシュリンク包装することが行われている。
配送拠点・小売店・エンドユーザ等の搬送先では、被包装品を取り出す際に包装プラスチックフィルムは剥がされる。このプラスチックフィルムを手で剥ぐ作業は、プラスチックフィルムがある程度の強度を有することから作業者にとって煩わしく負担を感じる作業となっている。このため、搬送先において、包装物品を傷付けるリスクを認識しつつも、カッター等を使用してプラスチックフィルムを除去することがよく行われており、結局、カッター等により紙パック等の製品容器を傷つけてしまうことが多い。このことは、飲料購入者からメーカーに寄せられる苦情のうち、カッター傷由来の紙パックの膨張や漏れ等に関する苦情が年間1〜2割を占めていることに表れている。
このようなことから、近年においては、カッターを使わずにプラスチックフィルムを負担なく容易に手で剥離できるようにするための様々な対策が提案されてきている。例えば、特許文献1に開示されるように、予め設けたミシン目に沿ってプラスチックフィルムを破断することにより、プラスチックフィルムを簡単に剥離できるようにしたシュリンク包装体が提案されている。
すなわち、特許文献1には、プラスチックフィルムを一定の方向に供給して物品のまわりに巻きつけ、プラスチックフィルムの幅方向両側の物品に巻きつけられずに余った部分は物品の当該両側面に折り込んだ状態で物品をシュリンク包装するシュリンク包装体が開示されている。物品の上面中央には、プラスチックフィルムの供給方向に直交する方向で物品の長手方向に延びる2列のミシン目が予め形成され、2列のミシン目の長手方向中央には、当該2列のミシン目を横切るように延びて両者を結ぶ切り込みが形成されている。
このプラスチックフィルムを剥離するには、ミシン目の長手方向中央の切り込みに指を入れ、切り込みの左又は右いずれか一方のフィルム片を把持してミシン目に沿って引っ張ることにより、2列のミシン目の間のフィルム片をミシン目に沿って剥ぎ取り、次いで、切り込みの左又は右の他方のフィルム片を引っ張ることにより、物品上面中央の2列のミシン目の間のフィルム片を物品の長手方向全長に亘り除去することができる。
しかしながら、上記した特許文献1の場合、包装物品からプラスチックフィルムを引き剥がすには、物品上面中央の切り込みに指をかける第1工程、切り込みの片側(例えば右側)のミシン目間の帯状フィルム片を剥がす第2工程、切り込み片側(右側)の2列のミシン目の外側の物品上面に残ったプラスチックフィルムを外方に剥がす第3工程、切り込みの他の片側(例えば左側)のミシン目間の帯状フィルム片を剥がす第4工程、切り込みの他の片側(左側)の2列のミシン目の外側の物品上面に残ったプラスチックフィルムを外方に剥がす第5工程を、少なくとも必要とする。したがって、プラスチックフィルム開包時の剥離ステップが多く、作業上非常に手間が掛かるという問題がある。
また、特許文献1にあっては、包装物品の上面におけるシュリンク包装体には、プラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力が、即ち、当該上面の包装体フィルムを周囲の4辺方向から外方へ引っ張る力が作用している。この応力は、いずれかの辺と平行に延びるミシン目に対して当該ミシン目と直交する左右両方向から作用する。このため、相互に隣接するミシン目同士が繋がり大きな孔になり、それが順次拡がるなどして、ミシン目が開包前に意図せずに裂けてしまう可能性がある。この現象はミシン目が交差している部分があると特に生じ易い。
さらに、プラスチックフィルムによるシュリンク包装時に、ミシン目を包装物品の上面中央に位置合わせする必要があり、その調整が難しいという問題もある。
特開2003−327271号公報
本発明は、包装物品からプラスチックフィルムを剥離する際に、ワンステップで、容易且つ確実に物品上面のプラスチックフィルムを全面に亘って引き剥がすことができ、ミシン面等が開包前に意図せずに裂けてしまうおそれの無いシュリンク包装体を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係るシュリンク包装体にあっては、第1の幅を有する長尺のプラスチックフィルムが、第1の幅より狭い第2の幅を有する物品の前面、上面、後面及び下面に巻きつけられてシュリンク包装され、前記プラスチックフィルムの幅方向両側の前記物品に巻きつけられずに余った部分が物品の両側面を包み、該物品両側面の略中央に前記プラスチックフィルムの側縁により開口部を形成するシュリンク包装体であって、
前記物品両側面において、前記開口部の少なくとも上半部の周縁に沿って、かつ該周縁から一定距離を置いて複数の孔を有することを特徴とする。
前記複数の孔は、シュリンク包装時に、前記プラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状となるように、シュリンク包装前の前記プラスチックフィルムの側縁に沿って、かつ該フィルム側縁から一定距離を置いて形成された、前記フィルム側縁に対して直交する方向に長さを有するスリットである。
前記複数の孔は、前記開口部周縁からの一定距離を10mm〜25mmとする。
前記複数の孔は、直径を0.5mm〜5mmとする。
前記複数の孔は、相隣接する孔相互の間隔を5mm〜50mmとする。
前記複数の孔は少なくとも3つ設ける。
前記プラスチックフィルムの素材は軟質プラスチックとする。
本発明によれば、包装物品の両側面を覆うプラスチックフィルムの開口部に手をかけて上方に強く引っ張るだけで、包装物品の上面のプラスチックフィルムを全面に亘り、ワンステップで容易且つ確実に引き剥がすことができる。
すなわち、本発明においては、物品両側面の略中央にプラスチックフィルムの側縁により形成された開口部の少なくとも上半部の周縁に沿って、複数の孔が、該周縁から一定距離を置いて設けられるため、上記した従来品のような、開包前の意図しない破れを防止することができる。
また、開口部周縁はプラスチックフィルムの収縮による厚いプラスチック塊で形成されており、複数の孔は開口部周縁に隣接して設けられないので、開口部に手をかけて持ち上げて運ぶ際に開口部周縁が破れる心配はない。プラスチックフィルムを剥ぐときは、搬送のために持ち上げる力よりも大きな引っ張り力を作用させれば、開口部にかけた手の両脇に位置する孔が開口部周縁へ向かって裂けていくので、片手でも容易に開包することができる。
複数の孔は、シュリンク包装前に前記開口部周縁に沿って放射状に形成された縦型スリットがシュリンク包装時のプラスチックフィルムの熱収縮に対する応力としての張力により略円孔形状になったものである。そのため、シュリンク包装前のプラスチックフィルムの幅方向両端部に縦型スリットを形成し、その際、スリット長さ、スリット相互の間隔及びフィルムの幅方向両端部からの距離等をプラスチックフィルムの収縮率を加味して設定することにより、シュリンク後には、開口部周縁に沿った所望の位置にほぼ的確に略円孔を配置することができる。
前記複数の孔は、前記開口部周縁からの前記一定距離が10mm〜25mmであるので、開口部周縁がプラスチックフィルムの収縮による厚いプラスチック塊で形成されていることと併せて、開口部に手をかけて持ち運ぶ程度の引っ張り力では、開口部周縁に亀裂を生じさせることがない。
前記複数の孔は、孔径を0.5mm〜5mmとすることにより、持ち運び時の引っ張り力よりも大きな引っ張り力を開口部に作用させることでシュリンク包装体を容易に剥ぐことができる。
前記複数の孔は、隣接する孔相互の間隔を5mm〜50mmとしたことにより、従来品のように隣接する孔が連通して開包前に意図せずに裂けてしまうことがない。
前記複数の孔は少なくとも3つ設けられるので、プラスチックフィルムを剥離する際に、物品側面の開口部にかける手が片手の場合と両手の場合との両方に対応することができる。すなわち、一側面の開口部に片手をかけて剥ぐ場合は、かけた片手の両脇に一つずつ計2つの孔が配置されていれば、ワンステップで物品上面のフィルムを全面に亘り剥ぐことができ、一側面の開口部に両手をかけて剥ぐ場合は、ほぼ真上の孔が一つあれば、ワンステップで物品上面のフィルムの中央を他側面近くまでほぼ物品の全長に亘り裂くことができる。
前記プラスチックフィルムは軟質プラスチックであるので、伸縮性ある材質による剥離性の向上したシュリンク包装体を提供することができる。
本発明を実施するための一形態を示し、シュリンク後の包装物品の斜視図である。 (a)は包装物品の側面図、(b)は開口部に手をかけて持ち上げたときのシュリンク包装体の状態を示す包装物品の側面図である。 (a)はシュリンク包装体を開口部に手をかけて剥いだときの操作初期のシュリンク包装体の状態を示す包装物品の側面図、(b)はシュリンク包装体を包装物品上面まで剥いだ状態を示す包装物品の側面図である。 シュリンク前のプラスチックフィルムにスリットを穿設する切り込み工程を示すフィルムの流れの下流側からの概略斜視図である。 シュリンク包装の作業工程の概略を示し、(a)は包装物品を上下のプラスチックフィルムによってスリーブ包装する工程の斜視図、(b)はスリーブ包装された包装物品がシュリンクトンネルを通過する工程を側方から視た図、(c)はシュリンク後の包装物品の斜視図である。 開口部周縁から孔までの距離と剥ぐのに必要な力との関係を温度層別に表した棒グラフである。 同様に、開口部周縁から孔までの距離と剥ぐのに必要な力との関係を温度層別に表した折れ線グラフである。 包装物品を開口部に手をかけて持ち上げた高さと、開口部周縁にかかる負荷との関係を表したグラフである。 (a)はシュリンク包装前のプラスチックフィルム1aに切込まれたスリット4′の拡大図、(b)はシュリンク包装体の開口部3が引っ張られたときに変形した孔4の拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明する。
本発明に係るシュリンク包装体1は、図1に示すように、六面を有する包装物品Pの、プラスチックフィルム1a,1bの延出方向Xを基準とする前面、上面、後面及び下面の各面が全面に亘ってプラスチックフィルムで覆われており、両側面だけは略中央に開口部が形成されており開口部の周囲のみがプラスチックフィルムで部分的に覆われている。
なお、この実施形態においては、プラスチックフィルムを上下2枚からなるものとして説明するが、本発明は、下側フィルム1bが包装物品Pの前方で上方に立ち上がり、物品Pの前面、上面、後面及び下面の各面を全面に亘って覆うように巻きつけられる1枚のプラスチックフィルムを使用するものも含むものとする。
包装物品Pをシュリンク包装する工程を図5に示す。
図5(a)に示すように、プラスチックフィルム1a,1bは、上側フィルム1aと下側フィルム1bとの上下2枚の第1の幅W1を有する長尺のプラスチックフィルムによって構成される。包装物品Pは、フィルム1a,1b間に上下から挟み込まれた状態でフィルムの第1の幅W1より狭い第2の幅W2を有する。フィルム1a,1bは、不図示のヒートシールバーにより、両フィルム1a,1bの延出方向を基準として前端部同士、後端部同士がヒートシールされてヒートシール線2(図5(c)参照)に沿って接合される。これにより、包装物品Pには、フィルム1a,1bの延出方向Xを基準として前面、上面、後面及び下面にフィルム1a,1bが巻きつけられて、いわゆるスリーブ包装される。
図5(b)に示すように、スリーブ包装された物品Pは、コンベアRによって搬送され、コンベアRの下流側に配したシュリンクトンネルQを通過する。シュリンクトンネルQ内で約120℃〜150℃の熱風を15秒〜25秒の間物品Pにあてると、プラスチックフィルム1a,1bが約―30%の寸法変化率で熱収縮し、物品Pがシュリンク包装される。このとき、フィルム1a,1bの各幅方向両側の物品Pに巻きつけられずに側方に張り出した部分は、当該側面の略中央にフィルム1a,1bの側縁により囲まれた開口部3を形成すると同時に、物品Pの両側面の外周部分を部分的に包み込むように覆う。このようにして形成されたシュリンク包装体1を図5(c)に示す。
上記プラスチックフィルムの素材としては、伸縮性のある軟質プラスチックであれば使用可能であるが、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の軟質ポリエチレンが好適である。20μ〜60μ程度の厚みの延伸フィルム(薄膜)状の低密度ポリエチレン(LDPE)の場合、約120℃〜150℃の温度でシュリンク処理したときの寸法変化率は―30%程度である。
図2(a)に示すように、包装物品Pの各側面において、ヒートシール線2より上側のシュリンク包装体1には、開口部3の周縁に沿って、かつ該開口部周縁から一定距離を置いて複数の孔4が等間隔で設けられている。
これら複数の孔4は、シュリンク包装前にプラスチックフィルム1aの側縁に沿って一列に、かつプラスチックフィルム1aの側縁と直交する方向に長さを有するように切込まれた複数のスリット4‘がシュリンク包装時にプラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状になり、開口部3周縁に沿って放射状に配置されたものである。なお、シュリンク包装前におけるスリット4′の形成については、図4を参照して後述する。
以上のように包装物品Pの各側面において、開口部3の周縁からに沿って設けられた複数の孔の作用について説明する。
シュリンク包装された物品Pを搬送するとき、すなわち、図2(b)に示すように、開口部3に手をかけて物品Pを持ち上げて運ぶとき、引っ張り力Fが開口部3の上半部のシュリンク包装体に作用する。しかし、開口部3周縁は、シュリンク収縮工程における開口部方向からの内部応力が小さいことから他の箇所と比べて収縮が大きく、厚く硬くなるため、また、複数の孔4は開口部3の周縁から一定距離を置いて配置されているため、開口部周縁は強度が高い。したがって、複数の孔4を開口部3周縁から一定距離を置いて配設することにより、開口部3周縁からの距離、孔径、孔間隔、プラスチックフィルムの材質、厚さ、等を適切に選択すれば、搬送時の引っ張り力Fによりシュリンク包装体1の開口部周縁が意図せずに裂かれることがなく、孔4が開口部3に手をかけて行われる物品Pの移動運搬作業時の障害となることはない。
シュリンク包装体1を包装物品Pから引き剥がすときには、包装物品Pを持ち上げて運ぶときの引っ張り力Fよりも大きな引張り力F′(>F)が開口部3の上半部のシュリンク包装体1に作用する。この大きな引張り力F′の作用により、以下の経過を辿ってシュリンク包装体1が裂ける。まず、図2(b)に示されるように、開口部3にかけた手指Hの両脇に位置する二つの孔4が、開口部3周縁近傍のシュリンク包装体1に生じる皺に沿って略斜め上下に引っ張られて略楕円形状に変形する(図9(b)参照)。すると、この二つの略楕円形状に変形した孔4の上下両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間部で開口部3に最も近い部分(図9(b)中“b”)が裂ける。この略楕円形状に変形した孔4の上下両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間部(図9(b)中“a”,“b”)は、シュリンク前に上側フィルム1aに切込まれたスリット4′の両端(図9(a)中“a′”,“b′”)に相当する。孔4の裂け目は、図中T1で示す方向に、開口部3に向かって直線的に延び、ついには図3(a)に示すように、開口部3の周縁を破断する。ここで、手指Hの中に残った開口部周縁の一部を持ってそのまま上に引っ張り上げると、手指Hの両脇に位置し、皺に沿って引っ張られて細長の二つの略楕円形状に変形した孔4の両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間で開口部3に最も遠い部分(図9(b)中“b”)を起点とする、図中T2で示す方向に延び、二列のシュリンク包装体1の裂け目が包装物品Pの側面から境界を経て上面に広がる。このように、図3(b)に示す如く、本発明による開口部3から一定距離を置いて配置される孔4は、上面の全てのシュリンク包装体1をほとんど一回の操作で除去することを可能にし、包装物品Pの上面側を片手で容易に開包することに大きく寄与するものである。なお、図3(a)、(b)において、分かり易く図示する都合上、手指Hを省略している。
次に、本実施形態における孔4を巡る各種寸法及び配置構成について説明する。
孔径:
上記したように、これら複数の孔4は、シュリンク包装前にプラスチックフィルム1aの側縁に沿って切り込まれたスリット4′が、シュリンク包装時にプラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状となり、開口部3周縁に沿って放射状に配置されたものである。これら孔4のシュリンク前のスリット4′の長さは0.5mm〜5mm、好ましくは1mm〜3mmである。この長さはシュリンク後も殆んど変わらず、孔4の孔径とほぼ等しい。孔の径が0.5mmより小さいと、孔径が0.5mmに満たないと孔4を設けた意味がなくなり、開口部3に手をかけてシュリンク包装体1を引き裂くときに、孔を包装体が裂ける起点とすることが困難となる。また、孔の径が5mmより大きいと、孔4の一部が包装物品Pの上面との境界にかかってしまう恐れがでてくる。
開口部周縁から孔までの距離(d):
本実施例においては、包装物品Pの側面において、開口部3の周囲を覆うシュリンク包装体1の、包装物品Pの上面と境界から開口部3周縁までの距離(D)を約30mmとしている。この場合、開口部3の周縁から孔4までの距離(d)は10mm〜25mmとすることが好ましい。そのために、シュリンク前において、物品に巻きつけられるプラスチックフィルム1aの物品側方への突出量を約40mmとし、複数のスリット4′の切り込み位置をプラスチックフィルム1aの側縁から約15mm〜35mm内側の位置とする。こうすることにより、シュリンク後における、包装物品Pの上面と境界から開口部3周縁までの距離(D)及び開口部3の周縁から孔4までの距離(d)はフィルムの熱収縮により若干短くなり、それぞれを約30mm及び10mm〜25mmとすることができる。このシュリンク前後の距離(D、d)の変化は、シュリンク時の寸法変化率がー30%の平均的低密度ポリエチレン(LDPE)からなるプラスチックフィルム1a,1bを使用した場合のものである。孔4と開口部3の周縁までの距離(d)が10mmに満たないと、開口部3周縁の強度が損なわれ、例えば、開口部3に片手をかけて物品Pを搬送するときの比較的弱い引っ張り力Fにより、開口部3周縁に配置された孔4が裂けて開口部3周縁に裂け目が伝播し、シュリンク包装体1が意図せずに裂かれてしまう恐れがある。逆にこの距離(d)が約25mmを超えると、孔4により開口部3周縁の強度を適度に低下させることができず、シュリンク包装体1を一回の操作で容易に除去することが難しくなる。
孔間隔(s):
開口部3周縁に沿って隣接する孔4相互の間隔(s)については、5〜50mmとすることが好ましい。5mmを下回ると、意図せずに孔4同士が連通乃至連結して孔が拡大してしまうおそれがある。孔4サイズのばらつきをも考慮して孔4同士の間隔は最低5mm必要である。また、孔4相互の間隔(s)が50mmを超えると、開口部3に手をかけてシュリンク包装体1を引き裂くときに、孔4が開包に関与しない箇所に配置される可能性がでてくる。
なお、本実施形態において、開口部3周縁に沿って設ける孔4の数は特に限定されるものではない。しかし、包装物品Pの左右いずれか一方の側面にある開口部3に手をかけて包装物品Pのシュリンク包装体を引き剥がす場合、一方の開口部3に片手をかける場合は少なくとも手の両脇に一つずつ計2つの孔4が必要であり、一方の開口部3に両手をかけてシュリンク包装体を引き剥がす場合にはほぼ真上に孔4が一つあればよい。この両方の場合に対応可能にするために孔4は少なくとも3つ配置するとよい。孔4を3つにする場合、孔の間隔(s)は約50mmとし、両側の孔4間の間隔が約100mmになるようにすれば、開口部3にかけた片手のちょうど両脇に孔4が一つずつ配置されることになる。
次に、以上の実施形態における孔4の形成方法について説明する。
図4に示すように、上側フィルム1aの幅方向両側縁から所定距離離れた内側に左右一対のカッター歯車11が配置されている。これらのカッター歯車11は、上側フィルム1aに接しており、フィルム1aが製品の流れの下流側にある後工程によりX方向に引き出されることで従動回転し、歯車に設置されたカッター刃がフィルムに喰い込むことで、一列の複数のスリット4′をフィルム1aの両端側縁に沿って等間隔に形成する。これにより、左右のカッター歯車11は、同期を必要としない設計となっており、パーツの管理ポイントが少なくなっている。カッター歯車11には、複数の切り込み用カッター刃11aと、カッター刃11a相互間に複数配置された略カマボコ形状の突起11bとが設けられている。切り込み用カッター刃11aは、例えば、3個〜4個の突起11bごとに各1個設けてある。突起11bは、受けローラ12との間にフィルム1aを挟み付け、フィルム1aが引き出されることに従って、カッター歯車11を回転させる。その際、切り込み用カッター刃11aが、上側フィルム1aに切り込みを入れスリット4′を形成する。カッター刃11aは、フィルム1aの側縁の延長方向に対して直交する方向に配向されているため、スリット4′はフィルム1aの側縁の延長方向に対して直交する方向に長さを有する。
幅方向両側縁に沿ってスリット4′が切り込まれた上側フィルム1aは、下側フィルム1bと共に物品Pをシュリンク包装する工程に進む。先に図5(a)(b)(c)を参照して説明したところに従いシュリンク包装が行われ、包装物品Pを得る。
以下に、図6〜図8を参照して、開口部3の周縁近傍における孔4の配置箇所とシュリンク包装体1の剥ぎ易さとの関係について行ったテストについて説明する。
テストに使用したプラスチックフィルム1a、1bは、シュリンク包装前の横幅(図5のW1)を430mmとし、上側フィルム1aの幅方向両側縁に沿って長さ2mmのスリット4′を約25mmの間隔で切り込んだ。上側フィルム1aは4種類用意し、それぞれスリット4′を設けた位置、即ち上側フィルム1aの両側縁からの距離を、それぞれ約15mm、約20mm、約25mm、約30mmと異ならせた。
一方、テストに使用した物品Pは、幅(図5のW2)335mm、重量約5.3Kgの同一諸元の4個の物品Pである。
これら4個の物品を、それぞれ上記4種類の上側フィルム1aとスリット4′を有しない下側フィルム1bによりスリーブ包装した。このとき、それぞれの物品Pの両側方にフィルム1a、1bが約45mm突出するようにした。かくて、スリーブ包装した物品Pを図5(b)に示されるシュリンクトンネルQ内でシュリンク包装した。
シュリンク包装によるフィルム収縮の結果、包装物品Pの両側面において、シュリンク包装体1の上面との境界から開口部3周縁までの距離(D)は約30mmとなった。開口部3周縁に沿って設けた複数の孔の孔径はシュリンク包装前のスリット4′と変わらずに2mmであった。開口部3周縁から孔4までの距離(d)は、上側フィルム1aの両側縁からスリット4’までの距離に応じて、4種類の物品毎に異なり、それぞれ約10mm、約15mm、約20mm、約25mmとなった。
このようにして得られた4種類の包装物品Pについて、−10℃、3℃、21℃、50℃の異なる温度環境における、開口部3周縁から孔4までの距離(d)とシュリンク包装体1の剥ぎ易さとの関係を調べた。
このテストの結果、温度環境が高温になればなるほど、また開口部3の周縁からの距離(d)が短くなればなるほど剥ぎ易く、逆に、低温になればなるほど、また距離(d)が長くなればなるほど開口部3周縁の強度が増して破れ難くなることが明確に示された。例えば、3℃の温度条件下では、距離(d)が20mmあると、少し手指Hに負荷が残る75N程度の力でちょうどよく剥ぐことができた。距離(s)が25mmになると、85N程度の力が必要となり、負荷が大きくなったが許容範囲と思われた。また、21℃の温度条件下では、距離(s)が10mmだと、包装物品Pの運搬時に必要とされる引張強度50Nよりも僅かに大きな力で剥ぐことができ、軽い不安を感じた。以上に基づき、開口部3周縁からの距離(d)は温度条件に応じて調整可能であることを考慮した結果、開口部3周縁からの距離(d)の許容範囲、すなわち、開口部3に手指Hをかけて物品を持ち上げて運搬するときには剥けず、意思をもって剥ぎ取るときにだけ剥ぐことができる距離(d)は10mm〜25mmであり、15mm〜20mmがより好ましく、20mm前がベストの距離であることが分かった。
なお、テストにおいては、幅(図5のW2)335mm、重量約5.3Kgの物品Pを使用して上記結果を得たが、物品Pの寸法、形状及び重量が異なれば、それに応じて「開口部3に手指Hをかけて物品を持ち上げて運搬するときには剥けず、意思をもって剥ぎ取るときにだけ剥ぐことができる、開口部3周縁から孔4までの距離(d)」も変化するものと思われる。しかしながら、そのように変化した距離(d)は、孔4が物品Pの側面に設けられたシュリンク包装体1の開口部3周縁から一定距離を置いて設けられている限りにおいて、本発明に含まれるものである。比較のために、開口部3の周縁から所定距離に孔がないシュリンク包装体を使用して同様のテストを試みたが、150N以上の力をもってしてもシュリンク包装体を引裂くことはできなかった。
ところで、このテストに使用されたシュリンク包装体に設けられたスリットの長さ即ち孔径は、小さいと外観上の見た目が良いが、2mm以下では刃の加工に手間がかかり、大幅なコストアップにつながるため、2mmにてテストを行った。このスリットの形成時に、フィルム側縁に対して直交方向に長さを有するスリットをその長さ方向に複数連ならせるべきかどうか、即ち開口部3周縁に沿って放射状に配置される孔を放射方向に複数連ならせるべきかどうかについても検討した。その結果、2つ以上スリットを連ならせると熱収縮時に隣接するスリット(孔)同士が結合して大孔になる可能性を排除できないことが分かった。このため、シュリンク包装前にフィルム側縁に沿って設けるスリットは一定間隔(s)で1つずつとした。シュリンク包装後の剥ぎ易さに関し、開口部3周縁に沿って一定間隔(s)の各位置に設けられる孔の数は一つでも剥き易さは十分に確保された。
なお、開口部3周縁に孔4を設ける包装物品Pの側面は、一方の側面だけで十分であるが、開口部3の周囲における孔4の存在が分かり難いため、包装物品Pの両側面に設けた方が良い。
図7は、図6と同様の、−10℃から50℃に至る異なる保管温度における、開口部3周縁から孔4までの距離(d)と、剥ぐのに必要な力(引張強度:N)との関係を、折れ線グラフの形で示すものである。これによると、開口部3周縁から孔4までの距離(d)は、−10℃から50℃までの広い保管温度範囲に亘って引張強度50N〜95Nを保持できる20mm前がベストの距離であり、保管温度に応じて距離(d)を調整することを考慮して、10mm〜25mmが許容範囲となる。
図8は、包装物品Pを床から持ち上げて運搬するときに、開口部3に手指Hをかけた際の持ち上げる高さと開口部3周縁にかかる負荷(引張強度:N)のテストデータである。このとき、シュリンク包装体1の開口部3に掛かる力は略引張強度50Nであることが示されている。
P 包装物品
Q シュリンクトンネル
R コンベア
H 手指
1 シュリンク包装体
1a 上側フィルム
1b 下側フィルム
2 ヒートシール線
3 開口部
4 孔
4′ スリット
11 カッター歯車
11a カッター刃
11b 突起
12 受けローラ
シュリンク包装体1を包装物品Pから引き剥がすときには、包装物品Pを持ち上げて運ぶときの引っ張り力Fよりも大きな引張り力F′(>F)が開口部3の上半部のシュリンク包装体1に作用する。この大きな引張り力F′の作用により、以下の経過を辿ってシュリンク包装体1が裂ける。まず、図2(b)に示されるように、開口部3にかけた手指Hの両脇に位置する二つの孔4が、開口部3周縁近傍のシュリンク包装体1に生じる皺に沿って略斜め上下に引っ張られて略楕円形状に変形する(図9(b)参照)。すると、この二つの略楕円形状に変形した孔4の上下両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間部で開口部3に最も近い部分(図9(b)中“b”)が裂ける。この略楕円形状に変形した孔4の上下両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間部(図9(b)中“a”,“b”)は、シュリンク前に上側フィルム1aに切込まれたスリット4′の両端(図9(a)中“a′”,“b′”)に相当する。孔4の裂け目は、図中T1で示す方向に、開口部3に向かって直線的に延び、ついには図3(a)に示すように、開口部3の周縁を破断する。ここで、手指Hの中に残った開口部周縁の一部を持ってそのまま上に引っ張り上げると、手指Hの両脇に位置し、皺に沿って引っ張られて細長の二つの略楕円形状に変形した孔4の両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間で開口部3に最も遠い部分(図9(b)中“”)を起点として図中T2で示す方向に延びシュリンク包装体1の裂け目が包装物品Pの側面から境界を経て上面に広がる。このように、図3(b)に示す如く、本発明による開口部3から一定距離を置いて配置される孔4は、上面の全てのシュリンク包装体1をほとんど一回の操作で除去することを可能にし、包装物品Pの上面側を片手で容易に開包することに大きく寄与するものである。なお、図3(a)、(b)において、分かり易く図示する都合上、手指Hを省略している。
本発明は、飲料等を充填した紙パック等を所定個数まとめた物品をプラスチックフィルムの熱収縮作用を使用して包装したシュリンク包装体に関し、より詳しくは、物品から包装プラスチックフィルムをワンステップで容易且つ確実に引き剥がすことができるシュリンク包装体に関する。
現在、例えば食品飲料業界においては、食品・飲料等の紙パックやペットボトル等の製品を確実に梱包し、メーカー工場から衛生的かつ荷重をあまり増やさずに出荷搬送するために、所定個数を単位としてプラスチックフィルムでシュリンク包装することが行われている。
配送拠点・小売店・エンドユーザ等の搬送先では、物品を取り出す際に包装プラスチックフィルムは剥がされる。このプラスチックフィルムを手で剥ぐ作業は、プラスチックフィルムがある程度の強度を有することから作業者にとって煩わしく負担を感じる作業となっている。このため、搬送先において、物品を傷付けるリスクを認識しつつも、カッター等を使用してプラスチックフィルムを除去することがよく行われており、結局、カッター等により紙パック等の製品容器を傷つけてしまうことが多い。このことは、飲料購入者からメーカーに寄せられる苦情のうち、カッター傷由来の紙パックの膨張や漏れ等に関する苦情が年間1〜2割を占めていることに表れている。
このようなことから、近年においては、カッターを使わずにプラスチックフィルムを負担なく容易に手で剥離できるようにするための様々な対策が提案されてきている。例えば、特許文献1に開示されるように、予め設けたミシン目に沿ってプラスチックフィルムを破断することにより、プラスチックフィルムを簡単に剥離できるようにしたシュリンク包装体が提案されている。
すなわち、特許文献1には、プラスチックフィルムを一定の方向に供給して物品のまわりに巻きつけ、プラスチックフィルムの幅方向両側の物品に巻きつけられずに余った部分は物品の当該両側面に折り込んだ状態で物品をシュリンク包装するシュリンク包装体が開示されている。物品の上面中央には、プラスチックフィルムの供給方向に直交する方向で物品の長手方向に延びる2列のミシン目が予め形成され、2列のミシン目の長手方向中央には、当該2列のミシン目を横切るように延びて両者を結ぶ切り込みが形成されている。
このプラスチックフィルムを剥離するには、ミシン目の長手方向中央の切り込みに指を入れ、切り込みの左又は右いずれか一方のフィルム片を把持してミシン目に沿って引っ張ることにより、2列のミシン目の間のフィルム片をミシン目に沿って剥ぎ取り、次いで、切り込みの左又は右の他方のフィルム片を引っ張ることにより、物品上面中央の2列のミシン目の間のフィルム片を物品の長手方向全長に亘り除去することができる。
しかしながら、上記した特許文献1の場合、包装された物品からプラスチックフィルムを引き剥がすには、物品上面中央の切り込みに指をかける第1工程、切り込みの片側(例えば右側)のミシン目間の帯状フィルム片を剥がす第2工程、切り込み片側(右側)の2列のミシン目の外側の物品上面に残ったプラスチックフィルムを外方に剥がす第3工程、切り込みの他の片側(例えば左側)のミシン目間の帯状フィルム片を剥がす第4工程、切り込みの他の片側(左側)の2列のミシン目の外側の物品上面に残ったプラスチックフィルムを外方に剥がす第5工程を、少なくとも必要とする。したがって、プラスチックフィルム開包時の剥離ステップが多く、作業上非常に手間が掛かるという問題がある。
また、特許文献1にあっては、包装された物品の上面におけるプラスチックフィルムには、プラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力が、即ち、当該上面の包装体フィルムを周囲の4辺方向から外方へ引っ張る力が作用している。この応力は、いずれかの辺と平行に延びるミシン目に対して当該ミシン目と直交する左右両方向から作用する。このため、相互に隣接するミシン目同士が繋がり大きな孔になり、それが順次拡がるなどして、ミシン目が開包前に意図せずに裂けてしまう可能性がある。この現象はミシン目が交差している部分があると特に生じ易い。
さらに、プラスチックフィルムによるシュリンク包装時に、ミシン目を物品の上面中央に位置合わせする必要があり、その調整が難しいという問題もある。
特開2003−327271号公報
本発明は、物品からプラスチックフィルムを剥離する際に、ワンステップで、容易且つ確実に物品上面のプラスチックフィルムを全面に亘って引き剥がすことができ、ミシン面等が開包前に意図せずに裂けてしまうおそれの無いシュリンク包装体を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係るシュリンク包装体にあっては、第1の幅を有する長尺のプラスチックフィルムが、第1の幅より狭い第2の幅を有する物品の前面、上面、後面及び下面に巻きつけられてシュリンク包装され、前記プラスチックフィルムの幅方向両側の前記物品に巻きつけられずに余った部分が物品の両側面を包み、該物品両側面の略中央に前記プラスチックフィルムの側縁により開口部を形成するシュリンク包装体であって、
前記物品両側面において、前記開口部の少なくとも上半部の周縁に沿って、かつ該周縁から一定距離を置いて複数の孔を有することを特徴とする。
前記複数の孔は、シュリンク包装時に、前記プラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状となるように、シュリンク包装前の前記プラスチックフィルムの側縁に沿って、かつ該フィルム側縁から一定距離を置いて形成された、前記フィルム側縁に対して直交する方向に長さを有するスリットである。
前記複数の孔は、前記開口部周縁からの一定距離を10mm〜25mmとする。
前記複数の孔は、直径を0.5mm〜5mmとする。
前記複数の孔は、相隣接する孔相互の間隔を5mm〜50mmとする。
前記複数の孔は少なくとも3つ設ける。
前記プラスチックフィルムの素材は軟質プラスチックとする。
本発明によれば、物品の側面を覆うプラスチックフィルムの開口部に手をかけて上方に強く引っ張るだけで、物品の上面のプラスチックフィルムを全面に亘り、ワンステップで容易且つ確実に引き剥がすことができる。
すなわち、本発明においては、物品の側面の略中央にプラスチックフィルムの側縁により形成された開口部の、少なくとも上半部の周縁に沿って、複数の孔が、該周縁から一定距離を置いて設けられるため、上記した従来品のような、開包前の意図しない破れを防止することができる。
また、開口部周縁はプラスチックフィルムの収縮による厚いプラスチック塊で形成されており、複数の孔は開口部周縁に隣接して設けられないので、開口部に手をかけて持ち上げて運ぶ際に開口部周縁が破れる心配はない。プラスチックフィルムを剥ぐときは、搬送のために持ち上げる力よりも大きな引っ張り力を作用させれば、開口部にかけた手の両脇に位置する孔が開口部周縁へ向かって裂けていくので、片手でも容易に開包することができる。
複数の孔は、シュリンク包装前に前記開口部周縁に沿って放射状に形成された縦型スリットがシュリンク包装時のプラスチックフィルムの熱収縮に対する応力としての張力により略円孔形状になったものである。そのため、シュリンク包装前のプラスチックフィルムの幅方向両端部に縦型スリットを形成し、その際、スリット長さ、スリット相互の間隔及びフィルムの幅方向両端部からの距離等をプラスチックフィルムの収縮率を加味して設定することにより、シュリンク後には、開口部周縁に沿った所望の位置にほぼ的確に略円孔を配置することができる。
前記複数の孔は、前記開口部周縁からの前記一定距離が10mm〜25mmであるので、開口部周縁がプラスチックフィルムの収縮による厚いプラスチック塊で形成されていることと併せて、開口部に手をかけて持ち運ぶ程度の引っ張り力では、開口部周縁に亀裂を生じさせることがない。
前記複数の孔は、孔径を0.5mm〜5mmとすることにより、持ち運び時の引っ張り力よりも大きな引っ張り力を開口部に作用させることでプラスチックフィルムを容易に剥ぐことができる。
前記複数の孔は、隣接する孔相互の間隔を5mm〜50mmとすることにより、従来品のように隣接する孔が連通して開包前に意図せずに裂けてしまうことがない。
前記複数の孔は少なくとも3つ設けられるので、プラスチックフィルムを剥離する際に、物品の側面の開口部にかける手が片手の場合と両手の場合との両方に対応することができる。すなわち、一側面の開口部に片手をかけて剥ぐ場合は、かけた片手の両脇に一つずつ計2つの孔が配置されていれば、ワンステップで物品上面のフィルムを全面に亘り剥ぐことができ、一側面の開口部に両手をかけて剥ぐ場合は、ほぼ真上の孔が一つあれば、ワンステップで物品上面のフィルムの中央を他側面近くまで物品の全長に亘り裂くことができる。
前記プラスチックフィルムは軟質プラスチックであるので、伸縮性ある材質による剥離性の向上したシュリンク包装体を提供することができる。
本発明を実施するための一形態を示し、シュリンク包装の斜視図である。 (a)はシュリンク包装体の側面図、(b)は開口部に手をかけて持ち上げたときのプラスチックフィルムの状態を示すシュリンク包装体の側面図である。 (a)はプラスチックフィルムを開口部に手をかけて剥いだときの操作初期の状態を示すシュリンク包装体の側面図、(b)はプラスチックフィルム物品上面まで剥いだ状態を示すシュリンク包装体の側面図である。 シュリンク前のプラスチックフィルムにスリットを穿設する切り込み工程を示すフィルムの流れの下流側からの概略斜視図である。 シュリンク包装の作業工程の概略を示し、(a)は物品を上下のプラスチックフィルムによってスリーブ包装する工程の斜視図、(b)はスリーブ包装された物品がシュリンクトンネルを通過する工程を側方から視た図、(c)は物品をシュリンク包装した後のシュリンク包装体の斜視図である。 開口部周縁から孔までの距離と剥ぐのに必要な力との関係を温度層別に表した棒グラフである。 同様に、開口部周縁から孔までの距離と剥ぐのに必要な力との関係を温度層別に表した折れ線グラフである。 シュリンク包装体を開口部に手をかけて持ち上げた高さと、開口部周縁にかかる負荷との関係を表したグラフである。 (a)はシュリンク包装前のプラスチックフィルム1に切込まれたスリット4′の拡大図、(b)はシュリンク包装時に開口部3が引っ張られたときに変形した孔4の拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明する。
本発明に係るシュリンク包装体は、図1に示すように、六面を有する物品Pの、プラスチックフィルムの延出方向Xを基準とする前面、上面、後面及び下面の各面が全面に亘ってプラスチックフィルムで覆われており、両側面だけは略中央に開口部が形成されており開口部の周囲のみがプラスチックフィルムで部分的に覆われている。
なお、この実施形態においては、プラスチックフィルムを上下2枚(1a,1b)のフィルムからなるものとして説明するが、本発明は、下側フィルム1bが包装前の物品Pの前方で上方に立ち上がり、包装後の物品Pの前面、上面、後面及び下面の各面を全面に亘って覆うように巻きつけられる1枚のプラスチックフィルムを使用するものも含むものとする。
包装前の物品Pをシュリンク包装する工程を図5に示す。
図5(a)に示すように、プラスチックフィルム1は、上側フィルム1aと下側フィルム1bとの上下2枚の第1の幅W1を有する長尺のプラスチックフィルムによって構成される。包装される物品Pは、フィルム1a,1b間に上下から挟み込まれた状態でフィルムの第1の幅W1より狭い第2の幅W2を有する。フィルム1a,1bは、不図示のヒートシールバーにより、両フィルム1a,1bの延出方向を基準として前端部同士、後端部同士がヒートシールされてヒートシール線2(図5(c)参照)に沿って接合される。これにより、包装後の物品Pには、フィルム1a,1bの延出方向Xを基準として前面、上面、後面及び下面にフィルム1a,1bが巻きつけられて、いわゆるスリーブ包装される。
図5(b)に示すように、スリーブ包装された物品Pは、コンベアRによって搬送され、コンベアRの下流側に配したシュリンクトンネルQを通過する。シュリンクトンネルQ内で約120℃〜150℃の熱風を15秒〜25秒の間物品Pにあてると、プラスチックフィルム1a,1bが約―30%の寸法変化率で熱収縮し、物品Pがシュリンク包装される。このとき、フィルム1a,1bの各幅方向両側の物品Pに巻きつけられずに側方に張り出した部分は、当該側面の略中央にフィルム1a,1bの側縁により囲まれた開口部3を形成すると同時に、物品Pの両側面の外周部分を部分的に包み込むように覆う。このようにして形成されたシュリンク包装体を図5(c)に示す。
上記プラスチックフィルムの素材としては、伸縮性のある軟質プラスチックであれば使用可能であるが、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の軟質ポリエチレンが好適である。20μ〜60μ程度の厚みの延伸フィルム(薄膜)状の低密度ポリエチレン(LDPE)の場合、約120℃〜150℃の温度でシュリンク処理したときの寸法変化率は―30%程度である。
図2(a)に示すように、物品Pの各側面において、ヒートシール線2より上側のシュリンク包装体1には、開口部3の周縁に沿って、かつ該開口部周縁から一定距離を置いて複数の孔4が等間隔で設けられている。
これら複数の孔4は、シュリンク包装前にプラスチックフィルム1aの側縁に沿って一列に、かつプラスチックフィルム1aの側縁と直交する方向に長さを有するように切込まれた複数のスリット4‘がシュリンク包装時にプラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状になり、開口部3周縁に沿って放射状に配置されたものである。なお、シュリンク包装前におけるスリット4′の形成については、図4を参照して後述する。
以上のように物品Pの各側面において、開口部3の周縁に沿って設けられた複数の孔の作用について説明する。
シュリンク包装された物品Pを搬送するとき、すなわち、図2(b)に示すように、開口部3に手をかけて物品Pを持ち上げて運ぶとき、引っ張り力Fが開口部3の上半部のプラスチックフィルム1に作用する。しかし、開口部3周縁は、シュリンク収縮工程における開口部方向からの内部応力が小さいことから他の箇所と比べて収縮が大きく、厚く硬くなるため、また、複数の孔4は開口部3の周縁から一定距離を置いて配置されているため、開口部周縁は強度が高い。したがって、複数の孔4を開口部3周縁から一定距離を置いて配設することにより、開口部3周縁からの距離、孔径、孔間隔、プラスチックフィルムの材質、厚さ、等を適切に選択すれば、搬送時の引っ張り力Fによりプラスチックフィルム1の開口部周縁が意図せずに裂かれることがなく、孔4が開口部3に手をかけて行われるシュリンク包装体Aの移動運搬作業時の障害となることはない。
プラスチックフィルム1物品Pから引き剥がすときには、シュリンク包装体Aを持ち上げて運ぶときの引っ張り力Fよりも大きな引張り力F′(>F)が開口部3の上半部のプラスチックフィルム1に作用する。この大きな引張り力F′の作用により、以下の経過を辿ってプラスチックフィルム1が裂ける。まず、図2(b)に示されるように、開口部3にかけた手指Hの両脇に位置する二つの孔4が、開口部3周縁近傍のプラスチックフィルム1に生じる皺に沿って略斜め上下に引っ張られて略楕円形状に変形する(図9(b)参照)。すると、この二つの略楕円形状に変形した孔4の上下両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間部で開口部3に最も近い部分(図9(b)中“b”)が裂ける。この略楕円形状に変形した孔4の上下両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間部(図9(b)中“a”,“b”)は、シュリンク前に上側フィルム1aに切込まれたスリット4′の両端(図9(a)中“a′”,“b′”)に相当する。孔4の裂け目は、図中T1で示す方向に、開口部3に向かって直線的に延び、ついには図3(a)に示すように、開口部3の周縁を破断する。ここで、手指Hの中に残った開口部周縁の一部を持ってそのまま上に引っ張り上げると、手指Hの両脇に位置し、皺に沿って引っ張られて細長の二つの略楕円形状に変形した孔4の両端(図9(b)中“c”,“d”)の中間で開口部3に最も遠い部分(図9(b)中“b”)を起点として図中T2で示す方向に延び、二列のプラスチックフィルム1の裂け目が物品Pの側面から境界を経て上面に広がる。このように、図3(b)に示す如く、本発明による開口部3から一定距離を置いて配置される孔4は、上面の全てのプラスチックフィルム1をほとんど一回の操作で除去することを可能にし、物品Pの上面側を片手で容易に開包することに大きく寄与するものである。なお、図3(a)、(b)において、分かり易く図示する都合上、手指Hを省略している。
次に、本実施形態における孔4を巡る各種寸法及び配置構成について説明する。
孔径:
上記したように、これらの複数の孔4は、シュリンク包装前にプラスチックフィルム1aの側縁に沿って切り込まれたスリット4′が、シュリンク包装時にプラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状となり、開口部3周縁に沿って放射状に配置されたものである。これら孔4のシュリンク前のスリット4′の長さは0.5mm〜5mm、好ましくは1mm〜3mmである。この長さはシュリンク後も殆んど変わらず、孔4の孔径とほぼ等しい。孔の径が0.5mmより小さいと、孔径が0.5mmに満たないと孔4を設けた意味がなくなり、開口部3に手をかけてシュリンク包装体1を引き裂くときに、孔を包装体が裂ける起点とすることが困難となる。また、孔の径が5mmより大きいと、孔4の一部が物品Pの上面との境界にかかってしまう恐れがでてくる。
開口部周縁から孔までの距離(d):
本実施例においては、物品Pの側面において、開口部3の周囲を覆うプラスチックフィルム1の、物品Pの上面と境界から開口部3周縁までの距離(D)を約30mmとしている。この場合、開口部3の周縁から孔4までの距離(d)は10mm〜25mmとすることが好ましい。そのために、シュリンク前において、物品に巻きつけられるプラスチックフィルム1aの物品側方への突出量を約40mmとし、複数のスリット4′の切り込み位置をプラスチックフィルム1aの側縁から約15mm〜35mm内側の位置とする。こうすることにより、シュリンク後における、物品Pの上面と境界から開口部3周縁までの距離(D)及び開口部3の周縁から孔4までの距離(d)はフィルムの熱収縮により若干短くなり、それぞれを約30mm及び10mm〜25mmとすることができる。このシュリンク前後の距離(D、d)の変化は、シュリンク時の寸法変化率がー30%の平均的低密度ポリエチレン(LDPE)からなるプラスチックフィルム1a,1bを使用した場合のものである。孔4と開口部3の周縁までの距離(d)が10mmに満たないと、開口部3周縁の強度が損なわれ、例えば、開口部3に片手をかけて物品Pを搬送するときの比較的弱い引っ張り力Fにより、開口部3周縁に配置された孔4が裂けて開口部3周縁に裂け目が伝播し、プラスチックフィルム1が意図せずに裂かれてしまう恐れがある。逆にこの距離(d)が約25mmを超えると、孔4により開口部3周縁の強度を適度に低下させることができず、プラスチックフィルム1を一回の操作で容易に除去することが難しくなる。
孔間隔(s):
開口部3周縁に沿って隣接する孔4相互の間隔(s)については、5〜50mmとすることが好ましい。5mmを下回ると、意図せずに孔4同士が連通乃至連結して孔が拡大してしまうおそれがある。孔4サイズのばらつきをも考慮して孔4同士の間隔は最低5mm必要である。また、孔4相互の間隔(s)が50mmを超えると、開口部3に手をかけてシュリンク包装体1を引き裂くときに、孔4が開包に関与しない箇所に配置される可能性がでてくる。
なお、本実施形態において、開口部3周縁に沿って設ける孔4の数は特に限定されるものではない。しかし、物品Pの左右いずれか一方の側面にある開口部3に手をかけて物品Pのプラスチックフィルム1を引き剥がす場合、一方の開口部3に片手をかける場合は少なくとも手の両脇に一つずつ計2つの孔4が必要であり、一方の開口部3に両手をかけてプラスチックフィルム1を引き剥がす場合にはほぼ真上に孔4が一つあればよい。この両方の場合に対応可能にするために孔4は少なくとも3つ配置するとよい。孔4を3つにする場合、孔の間隔(s)は約50mmとし、両側の孔4間の間隔が約100mmになるようにすれば、開口部3にかけた片手のちょうど両脇に孔4が一つずつ配置されることになる。
次に、以上の実施形態における孔4の形成方法について説明する。
図4に示すように、上側フィルム1aの幅方向両側縁から所定距離離れた内側に左右一対のカッター歯車11が配置されている。これらのカッター歯車11は、上側フィルム1aに接しており、フィルム1aが製品の流れの下流側にある後工程によりX方向に引き出されることで従動回転し、歯車に設置されたカッター刃がフィルムに喰い込むことで、一列の複数のスリット4′をフィルム1aの両端側縁に沿って等間隔に形成する。これにより、左右のカッター歯車11は、同期を必要としない設計となっており、パーツの管理ポイントが少なくなっている。カッター歯車11には、複数の切り込み用カッター刃11aと、カッター刃11a相互間に複数配置された略カマボコ形状の突起11bとが設けられている。切り込み用カッター刃11aは、例えば、3個〜4個の突起11bごとに各1個設けてある。突起11bは、受けローラ12との間にフィルム1aを挟み付け、フィルム1aが引き出されることに従って、カッター歯車11を回転させる。その際、切り込み用カッター刃11aが、上側フィルム1aに切り込みを入れスリット4′を形成する。カッター刃11aは、フィルム1aの側縁の延長方向に対して直交する方向に配向されているため、スリット4′はフィルム1aの側縁の延長方向に対して直交する方向に長さを有する。
幅方向両側縁に沿ってスリット4′が切り込まれた上側フィルム1aは、下側フィルム1bと共に物品Pをシュリンク包装する工程に進む。先に図5(a)(b)(c)を参照して説明したところに従いシュリンク包装が行われ、シュリンク包装体Aを得る。
以下に、図6〜図8を参照して、開口部3の周縁近傍における孔4の配置箇所とプラスチックフィルム1の剥ぎ易さとの関係について行ったテストについて説明する。
テストに使用したプラスチックフィルム1a、1bは、シュリンク包装前の横幅(図5のW1)を430mmとし、上側フィルム1aの幅方向両側縁に沿って長さ2mmのスリット4′を約25mmの間隔で切り込んだ。上側フィルム1aは4種類用意し、それぞれスリット4′を設けた位置、即ち上側フィルム1aの両側縁からの距離を、それぞれ約15mm、約20mm、約25mm、約30mmと異ならせた。
一方、テストに使用した物品Pは、幅(図5のW2)335mm、重量約5.3Kgの同一諸元の4個の物品Pである。
これら4個の物品を、それぞれ上記4種類の上側フィルム1aとスリット4′を有しない下側フィルム1bによりスリーブ包装した。このとき、それぞれの物品Pの両側方にフィルム1a、1bが約45mm突出するようにした。かくて、スリーブ包装した物品Pを図5(b)に示されるシュリンクトンネルQ内でシュリンク包装した。
シュリンク包装によるフィルム収縮の結果、物品Pの両側面において、シュリンク包装体の上面との境界から開口部3周縁までの距離(D)は約30mmとなった。開口部3周縁に沿って設けた複数の孔の孔径はシュリンク包装前のスリット4′と変わらずに2mmであった。開口部3周縁から孔4までの距離(d)は、上側フィルム1aの両側縁からスリット4’までの距離に応じて、4種類の物品毎に異なり、それぞれ約10mm、約15mm、約20mm、約25mmとなった。
このようにして得られた4種類の包装物品Pについて、−10℃、3℃、21℃、50℃の異なる温度環境における、開口部3周縁から孔4までの距離(d)とシュリンク包装体プラスチックフィルム1の剥ぎ易さとの関係を調べた。
このテストの結果、温度環境が高温になればなるほど、また開口部3の周縁からの距離(d)が短くなればなるほど剥ぎ易く、逆に、低温になればなるほど、また距離(d)が長くなればなるほど開口部3周縁の強度が増して破れ難くなることが明確に示された。例えば、3℃の温度条件下では、距離(d)が20mmあると、少し手指Hに負荷が残る75N程度の力でちょうどよく剥ぐことができた。距離(s)が25mmになると、85N程度の力が必要となり、負荷が大きくなったが許容範囲と思われた。また、21℃の温度条件下では、距離(s)が10mmだと、物品Pの運搬時に必要とされる引張強度50Nよりも僅かに大きな力で剥ぐことができ、軽い不安を感じた。以上に基づき、開口部3周縁からの距離(d)は温度条件に応じて調整可能であることを考慮した結果、開口部3周縁からの距離(d)の許容範囲、すなわち、開口部3に手指Hをかけて物品を持ち上げて運搬するときには剥けず、意思をもって剥ぎ取るときにだけ剥ぐことができる距離(d)は10mm〜25mmであり、15mm〜20mmがより好ましく、20mm前がベストの距離であることが分かった。
なお、テストにおいては、幅(図5のW2)335mm、重量約5.3Kgの物品Pを使用して上記結果を得たが、物品Pの寸法、形状及び重量が異なれば、それに応じて「開口部3に手指Hをかけて物品を持ち上げて運搬するときには剥けず、意思をもって剥ぎ取るときにだけ剥ぐことができる、開口部3周縁から孔4までの距離(d)」も変化するものと思われる。しかしながら、そのように変化した距離(d)は、孔4が物品Pの側面に設けられたプラスチックフィルム1の開口部3周縁から一定距離を置いて設けられている限りにおいて、本発明に含まれるものである。比較のために、開口部3の周縁から所定距離に孔がないシュリンク包装体を使用して同様のテストを試みたが、150N以上の力をもってしてもプラスチックフィルム1を引裂くことはできなかった。
ところで、このテストに使用されたシュリンク包装体Aのプラスチックフィルム1に設けられたスリットの長さ即ち孔径は、小さいと外観上の見た目が良いが、2mm以下では刃の加工に手間がかかり、大幅なコストアップにつながるため、2mmにてテストを行った。このスリットの形成時に、フィルム側縁に対して直交方向に長さを有するスリットをその長さ方向に複数連ならせるべきかどうか、即ち開口部3周縁に沿って放射状に配置される孔を放射方向に複数連ならせるべきかどうかについても検討した。その結果、2つ以上スリットを連ならせると熱収縮時に隣接するスリット(孔)同士が結合して大孔になる可能性を排除できないことが分かった。このため、シュリンク包装前にフィルム側縁に沿って設けるスリットは一定間隔(s)で1つずつとした。シュリンク包装後の剥ぎ易さに関し、開口部3周縁に沿って一定間隔(s)の各位置に設けられる孔の数は一つでも剥き易さは十分に確保された。
なお、開口部3周縁に孔4を設ける包装物品Pの側面は、一方の側面だけで十分であるが、開口部3の周囲における孔4の存在が分かり難いため、包装物品Pの両側面に設けた方が良い。
図7は、図6と同様の、−10℃から50℃に至る異なる保管温度における、開口部3周縁から孔4までの距離(d)と、剥ぐのに必要な力(引張強度:N)との関係を、折れ線グラフの形で示すものである。これによると、開口部3周縁から孔4までの距離(d)は、−10℃から50℃までの広い保管温度範囲に亘って引張強度50N〜95Nを保持できる20mm前がベストの距離であり、保管温度に応じて距離(d)を調整することを考慮して、10mm〜25mmが許容範囲となる。
図8は、包装物品Pを床から持ち上げて運搬するときに、開口部3に手指Hをかけた際の持ち上げる高さと開口部3周縁にかかる負荷(引張強度:N)のテストデータである。このとき、シュリンク包装体Aのプラスチックフィルム1の開口部3に掛かる力は略引張強度50Nであることが示されている。
シュリンク包装体
物品
Q シュリンクトンネル
R コンベア
H 手指
プラスチックフィルム
1a 上側フィルム
1b 下側フィルム
2 ヒートシール線
3 開口部
4 孔
4′ スリット
11 カッター歯車
11a カッター刃
11b 突起
12 受けローラ

Claims (7)

  1. 第1の幅を有するプラスチックフィルムが、第1の幅より狭い第2の幅を有する物品の前面、上面、後面及び下面に巻きつけられてシュリンク包装され、前記プラスチックフィルムの幅方向両側の前記物品に巻きつけられずに余った部分が物品の両側面を包み、該物品両側面の略中央に前記プラスチックフィルムの側縁により開口部を形成するシュリンク包装体であって、
    前記物品両側面において、前記開口部の少なくとも上半部の周縁に沿って、かつ該周縁から一定距離を置いて複数の孔を有することを特徴とするシュリンク包装体。
  2. 前記複数の孔は、シュリンク包装時に、前記プラスチックフィルムの熱収縮に対する内部応力により略円孔形状となるように、シュリンク包装前の前記プラスチックフィルムの側縁に沿って、かつ該フィルム側縁から一定距離を置いて形成された、前記フィルム側縁に対して直交する方向に長さを有するスリットであることを特徴とする請求項1に記載のシュリンク包装体。
  3. 前記開口部周縁から前記複数の孔までの一定距離は10mm〜25mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシュリンク包装体。
  4. 前記複数の孔は、直径が0.5mm〜5mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシュリンク包装体。
  5. 前記複数の孔は、相隣接する孔相互の間隔が5mm〜50mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシュリンク包装体。
  6. 前記複数の孔は少なくとも3つ設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシュリンク包装体。
  7. 前記プラスチックフィルムの素材は軟質プラスチックであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシュリンク包装体。
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JP2020109021A (ja) * 2018-12-28 2020-07-16 サントリーホールディングス株式会社 シュリンクフィルム

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