JP6964514B2 - シュリンク包装体の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながらシュリンク包装体は、搬送中に床や壁、パレット等との摩擦等により、隅角部以外から破れることもある。特許文献1では、隅角部以外からの破れに対しては何ら検討されていない。
しかしながら熱収縮性フィルムは、上述した通り、箱の隅角部から破れたり、搬送時に壁や床、パレット等との摩擦により隅角部以外から破れたりするという問題があった。贈答品の包装資材が破れていると、受取人が不快な思いをする恐れがある。
また従来と同じの包装機を用いたシュリンク包装体の製造方法を提供することや、熱収縮性フィルムの一部が破れても、消費者に破れを感じさせにくい包装体を提供することも、同時に課題とする。
また前記フィルムロールが、熱収縮性フィルムが複数枚重ねて巻き取られたマルチ巻きロールであり、前記被覆工程においてマルチ巻きロールから熱収縮性フィルムを複数枚重ねた状態で繰り出し、被包装物を多重に覆うことを特徴とする前記シュリンク包装体の製造方法が提供される。
また前記マルチ巻きロールが、チューブ状の熱収収縮性フィルムを扁平に折り畳んで巻き取ることにより製造されたダブル巻きロールであることを特徴とする前記シュリンク包装体の製造方法が提供される。
また前記マルチ巻きロールが、ガゼット加工されたチューブ状の熱収縮性フィルムを扁平に折り畳んだ後、巻き取ることにより製造された四重巻きロールであることを特徴とする前記シュリンク包装体の製造方法が提供される。
また被包装物を覆う多重の熱収縮性フィルムのうち、シュリンク包装体において最外に位置する熱収縮性フィルムにのみ、図柄および/または文字が印刷されていることを特徴とする前記包装体の製造方法が提供される。
また仮に最外に位置する熱収縮性フィルムが破れたとしても、他の熱収縮性フィルムによって被包装物が保護される為、被包装物が傷付いたり汚れたりし難い。更に被包装物を覆う多重の熱収縮性フィルムは、互いに接触している為、搬送途中に熱収縮性フィルムが嵩張らず、突起物に引っ掛かる等し難い。
また、マルチ巻きロールが、一枚の熱収縮性フィルムを半折して巻き取ったダブル巻きロール、あるいはチューブ状の熱収縮性フィルムを扁平に折り畳んで巻き取ったダブル巻きロール、更にはガゼット入りのチューブ状の熱収縮性フィルムを扁平に折り畳んだ後、必要に応じ長さ方向に切断して巻き取ることにより製造された四重巻きロールであると、被包装物を覆う熱収縮性フィルムの収縮挙動が酷似する為、得られる包装体の外観が良好となる。
多重の熱収縮性フィルムのうち、包装体において最外に位置する熱収縮性フィルムにのみ、図柄や文字を印刷していると、外側のフィルムが破れたとしても、該破れた個所から下側のフィルムの図柄や文字が見えることがなく、消費者に破れを感じさせにくい。
被覆工程は熱収縮性フィルムで被包装物を覆う工程である。本発明は該被覆工程において、熱収縮性フィルムで被包装物を多重に覆うことを特徴とする。多重に覆う方法は特に限定されるものではなく、例えば、図1(A)に示すように、多重巻きされていないシングル巻きロールSから熱収縮性フィルム2を繰り出し、該フィルムで被包装物を覆った後、再度、別の熱収縮性フィルム2で被包装物を覆うと良い。また図1(B)に示すように、一つの包装機に複数のフィルムフィードロールを取り付け、各フィルムフィードロールにシングル巻きロールSを配し、各シングル巻きロールSから熱収縮性フィルム2を繰り出し、これを重ね合わせて被包装物3を覆っても良い。更に予め熱収縮性フィルム2を複数枚重ねて巻き取り、マルチ巻きロールMを作成し、これを用いて被包装物を被覆しても良い。この場合、図1(C)に示すように、被包装物3を一重に被覆するための包装機(フィルムフィードロールが一つの包装機)をそのまま用いて、本発明の被覆工程を行うことができる。
熱収縮工程は、被覆工程において被包装物の周囲に配された多重の熱収縮性フィルムを加熱し、収縮させる工程である。フィルムの収縮により、内側に位置する熱収縮性フィルムが被包装物に接触し、更に各熱収縮性フィルムが隣接する熱収縮性フィルムと接触する。尚、本発明における「接触」は、被包装物や各熱収縮性フィルムがその表面の全域において接触することを要しない。少なくとも半分を超える面積において接触していればよい。熱収縮性フィルムの加熱には従来公知の方法を採用することができ、例えばシュリンクトンネルやドライヤー等を採用することができる。
本発明において用いられる熱収縮性フィルムは、加熱により少なくとも一方向に10%以上収縮することのできるフィルムであれば特に限定なく用いることができる。尚、本発明における収縮率(%)は、収縮前の長さをa、収縮後の長さをbとした場合に、((a−b)/a)×100により求めた値である。
このような熱収縮性フィルムは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂等を、Tダイ法で製膜した後、これをテンター法にて延伸することにより製造することができる。またインフレーション法により製膜後、チューブラー法により延伸することにより製造することができる。
また、各熱収縮性フィルムの収縮率も似通っていることが好ましく、各フィルムの収縮率(90℃のグリセリンバスに5秒間浸漬した際の収縮率)の差が、フィルムの幅方向、流れ方向の双方において、10%以内であることが好ましい。各フィルムの収縮率の差が大きくなった場合も、得られる包装体の外観が悪化する恐れがある。
図1(C)に示すように、被覆工程に供給されるフィルムロールが、熱収縮性フィルムが複数枚重ねて巻き取られたマルチ巻きロールであると、フィルムフィードロールが一本である従前の包装機を用いて、本発明のシュリンク包装体を得ることができる。
マルチ巻きロールは、例えば、複数のシングル巻きされたフィルムロールから、熱収縮性フィルムをそれぞれ同時に繰り出し、各熱収縮性フィルムを重ね合わせながら巻き取ることにより製造できる。
ダブル巻きロールは、例えば一枚の熱収縮性フィルムを半折し、これをロール状に巻き取ることにより製造することができる。また熱収縮性フィルムが、インフレーション法により製膜された後、チューブラー法により延伸されたフィルムのように、チューブ状に成形されたフィルムである場合は、該チューブ状の熱収縮性フィルムを扁平に折り畳み、これをロール状に巻き取るとよい。
四重巻きロールは、例えばチューブ状の熱収縮性フィルムの側縁を内側に折り込んでガゼット加工し、これを扁平に折り畳んだ後、フィルム幅がガゼット幅となるように、フィルムを長さ方向に切断して巻き取ることにより製造することができる。尚、ガゼット幅が、ガゼット後のフィルム幅とほぼ同じになる場合、即ちガゼット幅が、チューブ状フィルムの周長の約1/4となる場合は、長さ方向に切断せず、そのまま巻き取っても良い。
また上述した方法で得られるダブル巻きロールや四重巻きロールを用いて被包装物を被覆すると、各熱収縮性フィルムが同条件で作られた熱収縮性フィルムとなるので、熱収縮工程における収縮挙動が酷似し、得られる包装体の外観が良好となる。また熱収縮性フィルムが着色されている場合も、各フィルムの色合い同じとなるため、外側のフィルムが破れてもこれが認識され難い。
本発明の製造方法により得られるシュリンク包装体は、例えば、被包装物の両側面を残して熱収縮性フィルムが被包装物を被覆するスリーブ包装体や、熱収縮性フィルムが被包装物の全面を被覆するピロー包装体、L型シール包装体、四方シール包装体等のオーバーラップ包装体等を例示することができる。
尚、シュリンク包装体がオーバーラップ包装体である場合、収縮工程において空気が包装体から効率よく排出される為に、被包装物を覆う多重のフィルムを平面視した際に、各フィルムは重なる位置にエアー抜きの孔を備えることが望ましい。このような孔は、各フィルムを重ね合わせた後に穴あけ加工することにより形成することができる。
尚、本実施例ではポリプロピレン系樹脂から成る熱収縮性フィルムが二枚重ねで巻き取られたダブル巻きロールWを用いて、シュリンク包装体を製造する。
図2、図3に基づき、実施例1を説明する。実施例1では、ダブル巻きロールWを用いて、スリーブ包装されたシュリンク包装体1を製造する。
まずベルトコンベアー4上に被包装物3を供給する。また被包装物3の上方と下方にそれぞれダブル巻きロールWを配し、上方から繰り出された二枚重ねの熱収縮性フィルム2の先端と、下方から繰り出された二枚重ねの熱収縮性フィルム2の先端とを溶断シールして繋ぐ(図2(A))。次いでベルトコンベアー4を回転させ、熱収縮性フィルム2の間に被包装物3を供給する(図2(B))。被包装物の後方で、上方から繰り出された熱収縮性フィルム2と下方から繰り出された熱収縮性フィルム2とを、シールバー5により溶断シールすれば、被覆工程は完了である(図2(C))。
実施例1により得られる包装体1は、熱収縮性フィルム2が被包装物3を、被包装物3の両側面の中央部分を除いて覆う、いわゆるスリーブ包装体(図3)である。
図4、図5に基づき、実施例2を説明する。実施例2では、被包装物3の全面が二重に覆われたシュリンク包装体1を製造する。また実施例2に用いられるダブル巻きロールWは、予め熱収縮性フィルムを二枚重ねた状態で、エアー抜きの孔が設けられている。
まずベルトコンベアー4上に被包装物3を供給する。またダブル巻きロールWを上方に配し、該ロールWから二枚重ねの熱収縮性フィルム2を繰り出し、これをフォーマー7により筒状にし、その先端を溶断シールする(図4(A))。次いで熱収縮性フィルム2の両側端をシーラー8により連続的に縦シールし、筒状の熱収縮性フィルム2の内部に被包装物3を供給する(図4(B))。被包装物の後方で熱収縮性フィルム2をシールバー5により溶断シールすれば、被覆工程は完了である(図4(C))。
実施例2により得られる包装体1は、熱収縮性フィルム2が被包装物3全面を覆う、いわゆるピロー包装体(図5)となる。
ハーフトレーに収納された物品のシュリンク包装体や、木材のシュリンク包装体は非常に重い為、しばしば床面を引き摺るようにして運搬され、熱収縮性フィルムが破れることがある。本発明を用いて多重のシュリンク包装体とすれば、シュリンクフィルムは破れにくく、仮にが破れても被包装物の傷付き、汚れを防止することができる。
2 熱収縮性フィルム
3 被包装物
4 ベルトコンベアー
5 シールバー
6 シュリンクトンネル
7 フォーマー
8 シーラー
Claims (8)
- 熱収縮性フィルムがロール状に巻き取られたフィルムロールから、該熱収縮性フィルムを繰り出し、次いで該熱収縮性フィルムで被包装物の外周面を覆い、更に該熱収縮性フィルムをヒートシールする被覆工程と、前記熱収縮性フィルムを熱収縮させる熱収縮工程とを順に備えるシュリンク包装体の製造方法において、
前記被覆工程において、被包装物の全面を熱収縮性フィルムで多重に覆い、
前記熱収縮工程において、被包装物を覆う多重の熱収縮性フィルムを熱収縮させて、各熱収縮性フィルムを隣接する熱収縮性フィルムと少なくとも半分を超える面積において接触させることを特徴とするシュリンク包装体の製造方法。 - 前記フィルムロールが、熱収縮性フィルムが複数枚重ねて巻き取られたマルチ巻きロールであり、前記被覆工程においてマルチ巻きロールから熱収縮性フィルムを複数枚重ねた状態で繰り出し、被包装物を多重に覆うことを特徴とする請求項1記載のシュリンク包装体の製造方法。
- 前記マルチ巻きロールが、一枚の熱収縮性フィルムを半折して巻き取ることにより製造されたダブル巻きロールであることを特徴とする請求項2記載のシュリンク包装体の製造方法。
- 前記マルチ巻きロールが、チューブ状の熱収縮性フィルムを扁平に折り畳んで巻き取ることにより製造されたダブル巻きロールであることを特徴とする請求項2記載のシュリンク包装体の製造方法。
- 前記マルチ巻きロールが、ガゼット加工されたチューブ状の熱収縮性フィルムを扁平に折り畳んだ後、巻き取ることにより製造された四重巻きロールであることを特徴とする請求項2記載のシュリンク包装体の製造方法。
- 被包装物を覆う多重の熱収縮性フィルムが、全て同色に着色および/またはベタ印刷されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の包装体の製造方法。
- 被包装物を覆う多重の熱収縮性フィルムのうち、シュリンク包装体において最外に位置する熱収縮性フィルムにのみ、図柄および/または文字が印刷されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の包装体の製造方法。
- 前記被包装物が、少なくとも一部が紙材により被覆された商品であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシュリンク包装体の製造方法。
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