JP2015001596A - 白色反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】導光板との貼り付きを十分に抑制し、また導光板の傷付きを十分に抑制することができると共に、フィルムの製膜延伸性に優れる、白色反射フィルムを提供すること。【解決手段】反射層Aと、熱可塑性樹脂からなり粒子を含有する表面層Bとを有する積層フィルムであって、表面層Bが配向した層であり、且つ表面層Bが積層フィルムの少なくとも一方の最外層を形成し、該最外層を形成する表面層Bの反射層Aとは反対側の表面に上記粒子により形成された突起を有し、該表面において、高さ5μm以上7μm未満の突起個数が20〜200個/mm2、高さ7μm以上10μm未満の突起個数が20〜200個/mm2、高さ10μm以上15μm未満の突起個数が10〜100個/mm2、高さ15μm以上の突起個数が10個/mm2以下である、白色反射フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、白色反射フィルムに関する。特に、液晶表示装置に用いられる白色反射フィルムに関する。
液晶表示装置(LCD)のバックライトユニットには、液晶表示パネルの背面に光源およびさらにその背面に反射フィルムを備える直下型と、液晶表示パネルの背面に、背面に反射板を備えた導光板を配し、かかる導光板の側面に光源を備えるエッジライト型とがある。従来、大型のLCDに用いられるバックライトユニットとしては、画面の明るさおよび画面内の明るさの均一性に優れるといった観点から、直下型(主には直下型CCFL)が主に用いられ、エッジライト型は、ノート型PC等比較的小型のLCDによく用いられていたが、近年、光源や導光板の発展により、エッジライト型のバックライトユニットでも明るさおよび画面内の明るさの均一性が向上し、比較的小型のもののみならず、大型のLCDにおいてもエッジライト型のバックライトユニットが用いられるようになってきた。これは、LCDを薄くできるというメリットがあるためである。
エッジライト型バックライトユニットにおいては、導光板と反射フィルムとが直接接触する構造となる。そのため、かかる構造において、導光板と反射フィルムとが貼り付いてしまうと、貼り付いた部分の輝度が異常となり、輝度の面内バラツキが生じてしまうという問題がある。そこで、導光板と反射フィルムとの間にギャップを有し、かかるギャップを一定に保つことが必要である。例えば、反射フィルムの表面にビーズを有することにより導光板と反射フィルムとの間のギャップを一定に保つことができ、これらの貼り付きを防ぐことができる。
しかしながらこのとき、比較的柔らかい素材からなる導光板が反射フィルムと接すると、反射フィルムや表面のビーズにより導光板が傷付けられるという問題がある。この対策として、例えば特許文献1〜3のように、反射フィルムの表面に、塗布によりエラストマー系のビーズを含有する傷付き防止層を形成する報告がある。
特開2003−92018号公報 特表2008−512719号公報 特開2009−244509号公報
上記特許文献1〜3のような塗布による傷付き防止層の形成では、塗布工程を設ける必要がある等によりコストアップとなる。そこで、粒子を反射フィルム中に添加して表面突起を形成させ、導光板と反射フィルムとの間のギャップを保つことが考えらえる。しかしながら本発明者らの検討によれば、このような方法によるフィルム表面の突起形成においては、従来のように突起の個数のみに着目するだけでは、近年要求される導光板との貼り付き抑制および導光板の傷付き抑制について不十分な場合があることが分かった。また、反射フィルム中に添加する粒子量を多くすれば、貼り付き抑制効果は高くなるが、その一方で、粒子の種類によってはフィルム製造時に製膜延伸性が悪化する傾向となる。そのため、現実には粒子の添加量に制限があり、粒子量を多くして充分な貼り付き抑制効果を得るには限界があり、困難である。
そこで本発明は、導光板との貼り付きを十分に抑制し、また導光板の傷付きも十分に抑制することができると共に、フィルムの製膜延伸性にも優れる白色反射フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を達成するために、以下の構成を採用するものである。
1.反射層Aと、熱可塑性樹脂からなり粒子を含有する表面層Bとを有する白色反射フィルムであって、
表面層Bが配向した層であり、且つ表面層Bが積層フィルムの少なくとも一方の最外層を形成し、該最外層を形成する表面層Bの反射層Aとは反対側の表面に上記粒子により形成された突起を有し、
該表面において、高さ5μm以上7μm未満の突起個数が20〜200個/mm、高さ7μm以上10μm未満の突起個数が20〜200個/mm、高さ10μm以上15μm未満の突起個数が10〜100個/mm、高さ15μm以上の突起個数が10個/mm以下である、白色反射フィルム。
2.上記粒子が凝集粒子である、上記1に記載の白色反射フィルム。
3.上記粒子の平均粒子径が、7.0μm以上、15.0μm未満である、上記1または2に記載の白色反射フィルム。
4.揮発有機溶剤量が10ppm以下である、上記1〜3に記載の白色反射フィルム。
5.反射層Aがボイドを含有し、そのボイド体積率が15体積%以上、70体積%以下である、上記1〜4のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
6.導光板を備える面光源反射板として用いられる、上記1〜5のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
本発明によれば、導光板との貼り付きを十分に抑制し、また導光板の傷付きを十分に抑制することができると共に、フィルムの製膜延伸性にも優れる、白色反射フィルムを提供することができる。
本発明における密着斑評価に用いる構成体を示す模式図である。 本発明における導光板の傷つき評価および粒子の脱落評価の方法を示す模式図である。
本発明の白色反射フィルムは、反射層Aと表面層Bとを有する。
以下、本発明を構成する各構成成分について詳細に説明する。
[反射層A]
本発明における反射層Aは、熱可塑性樹脂とボイド形成剤とからなり、ボイド形成剤を含有させることによって層中にボイドを含有し、白色を呈するようにした層である。かかるボイド形成剤としては、詳細は後述するが、例えば無機粒子、該反射層Aを構成する熱可塑性樹脂とは非相溶の樹脂(以下、非相溶樹脂と呼称する場合がある。)を用いることができる。また、反射層Aの波長550nmにおける反射率は、好ましくは95%以上、さらに好ましくは96%以上、特に好ましくは97%以上である。これにより白色反射フィルムの反射率を好ましい範囲としやすくなる。
反射層Aは、上述のとおり層中にボイドを有するものであるが、かかるボイドの体積が反射層Aの体積に対して占める割合(ボイド体積率)は15体積%以上、70体積%以下であることが好ましい。このような範囲とすることで反射率の向上効果を高くすることができ、上記のような反射率が得やすくなる。また、製膜延伸性の向上効果を高くすることができる。ボイド体積率が低すぎる場合は、好ましい反射率が得難くなる傾向にある。このような観点から、反射層Aにおけるボイド体積率は、さらに好ましくは30体積%以上、特に好ましくは40体積%以上である。他方、高すぎる場合は、製膜延伸性の向上効果が低くなる傾向にある。このような観点から、反射層Aにおけるボイド体積率は、さらに好ましくは65体積%以下、特に好ましくは60体積%以下である。
ボイド体積率は、反射層Aにおけるボイド形成剤の種類や大きさ、量を調整することにより達成することができる。
(熱可塑性樹脂)
反射層Aを構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリルからなる熱可塑性樹脂を挙げることができる。中でも、機械的特性および熱安定性に優れた白色反射フィルムを得る観点から、ポリエステルが好ましい。
かかるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いることが好ましい。このジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等に由来する成分を挙げることができる。ジオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等に由来する成分を挙げることができる。これらのポリエステルのなかでも芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートはホモポリマーであってもよいが、フィルムを1軸あるいは2軸に延伸する際に結晶化が抑制されて製膜延伸性の向上効果が高くなる点から、共重合ポリマーが好ましい。共重合成分としては、上記のジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられるが、耐熱性が高く、製膜延伸性の向上効果が高いという観点から、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。共重合成分の割合は、ポリエステルの全ジカルボン酸成分100モル%を基準として、例えば1〜20モル%、好ましくは2〜18モル%、さらに好ましくは3〜15モル%、特に好ましくは7〜11モル%である。共重合成分の割合をこの範囲とすることによって、製膜延伸性の向上効果に優れる。また、熱寸法安定性に優れる。
(ボイド形成剤)
反射層Aにおいて、ボイド形成剤として無機粒子を用いる場合、無機粒子としては、白色無機粒子が好ましい。この白色無機粒子としては、硫酸バリウム、二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウムの粒子を例示することができる。これら無機粒子は、白色反射フィルムが適切な反射率を有するように平均粒子径や含有量を選択すればよく、これらは特に限定はされない。好ましくは、反射層Aや白色反射フィルムの反射率が本発明における好ましい範囲となるようにすればよい。また、反射層Aにおけるボイド体積率が本発明における好ましい範囲となるようにすればよい。これらのことを勘案して、無機粒子の平均粒子径は、例えば0.2〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.5μm、さら好ましくは0.4〜2.0μmである。またその含有量は、反射層Aの質量を基準として20〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がさらに好ましく、最も好ましくは31〜53質量%である。また、上述のような粒子態様を採用することにより、ポリエステル中で適度に分散させることが可能であり、粒子の凝集が起こり難く、粗大突起のないフィルムを得ることができ、また同時に、粗大粒子が起点となる延伸時の破断も抑制される。無機粒子は、どのような粒子形状でもあってもよく、例えば、板状、球状であってもよい。無機粒子は、分散性を向上させるための表面処理を行ってあってもよい。
ボイド形成剤として非相溶樹脂を用いる場合、非相溶樹脂としては、層を構成する熱可塑性樹脂と非相溶であれば特に限定されない。例えば、かかる熱可塑性樹脂がポリエステルである場合は、ポリオレフィン、ポリスチレンなどが好ましい。これらは粒子の態様でもよい。またその含有量は、無機粒子の場合と同様に、白色反射フィルムが適切な反射率を有するように、平均粒子径や含有量を選択すればよく、これらは特に限定はされない。好ましくは、反射層Aや白色反射フィルムの反射率が本発明における好ましい範囲となるようにすればよい。また、反射層Aにおけるボイド体積率が本発明における好ましい範囲となるようにすればよい。これらのことを勘案して、含有量は、反射層Aの質量を基準として10〜50質量%が好ましく、12〜40質量%が更に好ましく、最も好ましくは13〜35質量%である。
(その他の成分)
反射層Aは、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、その他の成分、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス、ボイド形成剤とは異なる粒子や樹脂等を含有することができる。
[表面層B]
本発明における表面層Bは、粒子を含有し、該粒子により表面に突起が形成された、熱可塑性樹脂からなり、配向した層である。ここで「配向した層」とは、フィルムの製造中あるいは製造後に塗液の塗布によって形成した層ではなく、後述の好ましい製造方法にあるような、例えば共押出法等を行い、次いで延伸が成されることによって形成された層であることを表わす。
このような表面層Bの形成方法に関係して、表面層Bは、配向ポリエステルフィルム層であることが好ましく、配向ポリエチレンテレフタレートフィルム層であることがより好ましい。さらに好ましくは二軸配向ポリエステルフィルム層であり、特に好ましくは二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム層である。これにより製膜延伸性に優れる。
(熱可塑性樹脂)
表面層Bを構成する熱可塑性樹脂としては、上述した反射層Aを構成する熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を用いることができる。中でも、機械的特性および熱安定性に優れた白色反射フィルムを得る観点から、ポリエステルが好ましい。
かかるポリエステルとしては、上述の反射層Aにおけるポリエステルと同様のポリエステルを用いることができる。これらのポリエステルのなかでも、機械的特性および熱安定性に優れる白色反射フィルムを得る観点から、芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートはホモポリマーであってもよいが、フィルムを1軸あるいは2軸に延伸する際に結晶化が抑制されて製膜延伸性の向上効果が高くなる点から共重合ポリマーが好ましい。かかる共重合成分としては、上記のジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられるが、耐熱性が高く、製膜延伸性の向上効果が高いという観点から、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。共重合成分の割合は、ポリエステルの全ジカルボン酸成分100モル%を基準として、例えば1〜20モル%、好ましくは2〜18モル%、さらに好ましくは3〜17モル%、特に好ましくは12〜16モル%である。共重合成分の割合をこの範囲とすることによって、製膜延伸性の向上効果に優れる。また、熱寸法安定性に優れる。
(表面層Bの態様)
本発明においては、上述したような熱可塑性樹脂からなり粒子を含有する表面層Bが白色反射フィルムの少なくとも一方の最外層を形成する。そして、かかる最外層を形成する表面層Bの反射層Aとは反対側の表面(以下、最外層表面と呼称する場合がある。)には、上記粒子により形成された突起を有する。そしてかかる突起は、導光板とフィルムとのギャップ確保の観点から、最外層表面において、適度な高さの突起を適度な頻度で有することが必要である。
本発明においては、該表面において、高さ5μm以上7μm未満の突起個数が20〜200個/mm、高さ7μm以上10μm未満の突起個数が20〜200個/mm、高さ10μm以上15μm未満の突起個数が10〜100個/mm、高さ15μm以上の突起個数が10個/mm以下であることが必要である。これにより導光板とフィルムとのギャップを十分に確保することができ、貼り付き抑制効果や導光板削れ抑制効果に優れる。
通常、導光板と反射フィルムとの間に必要とされるギャップの量は7〜15μmであり、このことから、上述の突起高さ分類の中でも高さ7μm以上15μm未満の突起個数が最も重要である。一方、比較的大径の粒子を多量に塗布もしくは添加すると、得られたフィルムの反射率が低下するなど光学特性への影響が大きくなるため、品質面から、大径粒子の添加量は少なくする必要がある。さらに、大径の粒子をフィルム層へ添加する場合には、製膜延伸時に破断不良が発生しやすくなり、著しく生産性が劣化するため、品質面に加えて生産性の面でも添加量を適正にコントロールする必要がある。
かかる観点から、本発明において必要とされる高さ10μm以上15μm未満の突起個数は、10〜100個/mmであり、より好ましくは15〜95個/mm、さらに好ましくは20〜90個/mmを満たす態様である。10μm以上15μm未満の突起個数がこの範囲より多くなると、得られたフィルムの反射率や輝度が低下したり、製造時の製膜延伸性が極端に低下し、良好な品質の製品を得ることが困難である。一方、突起個数がこれよりも少なくなると、導光板と反射板の間に充分なギャップが確保できず密着斑などの光学不良が発生したり、接触点が極端に少なくなるため導光板が削れ易くなるなどの不良が発生する。
高さ7μm以上10μm未満の突起は、上記10μm以上15μm未満の突起を補完する形で形成させるもので、本発明において必要とされる突起個数は、20〜200個/mmであり、より好ましくは25〜190個/mm、さらに好ましくは30〜180個/mmを満たす態様である。突起個数がこの範囲よりも多くなると、得られたフィルムの反射率低下が大きいなど光学特性への影響が大きくなるため問題となる。一方、突起個数がこれよりも少なくなると、導光板と反射板のギャップが充分に確保できなくなる。また、導光板若しくは反射板に圧力がかかった際にたわみが生じ、密着斑やそれによる削れ不良が発生して問題となる。
高さ5μm以上7μm未満の突起は、上記7μm以上15μm未満の突起を補完する形で形成させるもので、この突起を形成する粒子は、製膜延伸性、光学特性への影響はより少なくなる。本発明において必要とされる突起個数は、20〜200個/mmであり、より好ましくは25〜190個/mm、さらに好ましくは30〜180個/mmとなる。突起個数がこの範囲よりも多くなると、得られたフィルムの反射率低下が観察されるなど光学特性への影響が問題となる。また、突起個数がこれよりも少なくなると、導光板、若しくは反射板に圧力がかかった際にギャップが生じやすくなり、密着斑不良などが生じ問題となる。
また、高さ15μm以上の突起個数は10個/mm以下であることが必要である。かかる高さの突起は、導光板と反射フィルム間の削れ不良に最も影響し易く、充分少ない個数にコントロールしておく必要がある。また、製膜延伸性が低下する傾向にある。
本発明は、最外層表面において上述したような特定の高さの突起を特定の頻度で有することによって、各突起にできるだけ均一に導光板が接触する態様とし、各突起による導光板への圧力を分散することで、導光板と適度なギャップを有しながら、導光板の傷付きを抑制するというものである。上記範囲にないと、例えば高い突起だけに集中して導光板が接触する態様となり、その部分に圧力が集中して削れ易くなってしまう。
(粒子)
上記のような突起頻度とするためには、用いる粒子の粒度分布をコントロールしたり、粒子の平均粒子径や添加量を調整したりすればよい。また、延伸温度も突起頻度に影響する。例えば、縦延伸温度を高めにすることで本発明が規定する突起頻度の態様とし易くなる。
本発明において好ましく用いることのできる粒子の平均粒子径は7.0μm以上〜40.0μm未満である。これにより、後述する表面層Bの好ましい厚さにおいて、上述した最外層表面の突起高さの態様とし易くなる。平均粒子径が大きすぎると高い突起の頻度が多くなり、低い突起の頻度が少なくなる傾向にある。また、反射率や輝度に影響する場合がある。他方、小さすぎると高い突起の頻度が少なくなり、低い突起の頻度が多くなる傾向にある。かかる観点から、より好ましくは8.0〜20.0μm、さらに好ましくは9.0〜15.0μmである。
また、粒子の好ましい粒度分布は、粒径の標準偏差が0.1〜5.0μmである。これにより本発明が規定する最外層表面における突起の態様を達成し易くなる。かかる観点から、粒径の標準偏差は、より好ましくは0.3〜4.5μm、さらに好ましくは0.5〜4.0μm、特に好ましくは0.5〜3.5μm、最も好ましくは0.5〜3.0μmである。なお、このような粒度分布とするためには、より広い粒度分布を持った粒子を風力分級処理により選別する方法等を採用すればよい。
本発明において表面層Bが含有する粒子は、その種類を問わず有機粒子であっても、無機粒子であっても、有機無機複合粒子であってもよいが、上述の表面突起を形成させるために、あらかじめ粒子の粒度分布をコントロールし、さらに製膜加工時にも粒度、形状が概ね安定しているものを使用する必要がある。また、加熱加工しても溶融やガス発生しにくいものが好ましく、そのような観点からシリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機粒子が好ましい。
一方、製膜延伸時の破断不良をより抑制し、さらに自己回収原料を利用してフィルム生産する際の破断不良や光学特性への影響を抑制するためには、比較的軟質な凝集粒子が好ましい。
(その他の成分)
表面層Bは、上記構成成分以外の成分を、本発明の目的を阻害しない範囲において含有していてもよい。かかる成分としては、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス、上記粒子とは異なる粒子や樹脂等を挙げることができる。
また、表面層Bは、本発明の目的を阻害しない範囲において、反射層Aにおいて挙げたボイド形成剤を含有していてもよく、そのような態様とすることで反射率の向上効果を高くすることができる。その反面、表面層Bにおけるボイド形成剤の含有量を少なくするか、ボイド形成剤を含有しないと、製膜延伸性の向上効果を高くすることができる。これらの観点から、表面層Bにおけるボイド体積率(表面層Bの体積に対する表面層Bにおけるボイドの体積の割合)は、0体積%以上、15体積%未満であることが好ましく、さらに好ましくは5体積%以下、特に好ましくは3体積%以下である。特に本発明においては、反射特性と製膜延伸性の向上効果を同時に高めることができることから、上述した反射層Aにおける好ましいボイド体積率と、かかる表面層Bにおける好ましいボイド体積率とを同時に採用することが特に好ましい。
[層構成]
本発明における反射層Aの厚みは、80〜300μmであることが好ましい。これにより反射率の向上効果を高くすることができる。薄すぎると反射率の向上効果が低く、他方厚すぎることは非効率である。このような観点から、さらに好ましくは150〜250μmである。
また、表面層Bの厚み(複数有する場合は、導光板側となる最外層を形成する1層の厚み)は、10〜70μmであることが好ましい。
これにより、突起頻度を好ましい態様とし易くなり、導光板とのギャップ確保がし易くなる。表面層Bが薄すぎると、表面層Bの表面に形成した突起中の粒子脱落が発生しやすくなる傾向にある。また、製膜延伸性の低下が見受けられる。他方、厚すぎると反射率の向上効果が低くなる傾向にあり、また好ましい突起頻度が得難くなる傾向にある。かかる観点から、さらに好ましくは20μm以上であり、また、さらに好ましくは60μm以下である。
白色反射フィルムの積層構成は、反射層AをA、表面層BをBと表わした際に、B/Aの2層構成、B/A/Bの3層構成、B/A/B’/Aの4層構成(ここでB’は表面層Bと同様の構成の内層B’を表わす。)、またBを少なくともいずれか片方の最外層に配した5層以上の多層構成を挙げることができる。特に好ましくはB/Aの2層構成、B/A/Bの3層構成である。最も好ましくはB/A/Bの3層構成であり、製膜延伸性により優れる。また、カール等の問題が生じ難い。
反射層Aおよび表面層Bは、白色反射フィルム全体の厚みを100%とした際に、反射層Aの厚み比率が50〜90%であって、表面層Bの厚み比率が5〜50%、さらには5〜25%である態様が好ましく、反射特性や製膜延伸性等の各特性のバランスをより良くすることができる。ここで各層の厚み比率は、各層を複数有する場合は、それらの積算厚みどうしの比率をいう。
本発明においては、反射層Aと表面層B以外に、本発明の目的を損なわない限りにおいて他の層を有していてもよい。例えば、帯電防止性や導電性、紫外線耐久性等の機能を付与するための層を有していてもよい。また、フィルムの製膜延伸性を向上させるための、ボイド体積率の比較的低い(好ましくは0体積%以上、15体積%未満、さらに好ましくは5体積%以下、特に好ましくは3体積%以下である)支持層Cを設けることもできる。
[フィルムの製造方法]
以下、本発明の白色反射フィルムを製造する方法の一例を説明する。
本発明の白色反射フィルムを製造するに際しては、溶融押出法等によって得られた反射層Aに、溶融樹脂コーティング法(溶融押出樹脂コーティング法を含む)、共押出法およびラミネート法等により表面層Bを形成し、積層構成を形成することが、製膜延伸性の観点から好ましい。なかでも、本発明の白色反射フィルムは、反射層Aと表面層Bとを共押出法により積層して製造されたものであることが特に好ましい。また、反射層Aと表面層Bとは、共押出法により直接積層されていることが好ましい。このように共押出法で積層することによって、反射層Aと表面層Bとの界面密着性を高くすることができる上、フィルムを貼り合わせたり、フィルムの製膜後に改めて表面層Bを形成したりするための工程を経る必要が無いため、安価に、容易に量産できる。
以下に、反射層Aを構成する熱可塑性樹脂および表面層Bを構成する熱可塑性樹脂としてポリエステルを採用し、積層方法として共押出法を採用した場合の製法について説明するが、本発明はかかる製法に限定はされず、また下記を参考に他の態様についても同様に製造することができる。その際、押出工程を含まない場合は、以下の「溶融押出温度」は、例えば「溶融温度」と読み替えればよい。なお、ここで、用いるポリエステルの融点をTm(単位:℃)、ガラス転移温度をTg(単位:℃)とする。
まず、反射層Aを形成するためのポリエステル組成物として、ポリエステルと、ボイド形成剤と、他の任意成分を混合したものを用意する。また、表面層Bを形成するためのポリエステル組成物として、ポリエステルと、粒子と、他の任意成分を混合したものを用意する。これらポリエステル組成物は、乾燥して十分に水分を除去して用いる。
次に、乾燥したポリエステル組成物を、それぞれ別の押出機に投入し、溶融押出する。溶融押出温度は、Tm以上が必要であり、Tm+40℃程度とすればよい。
またこのとき、フィルムの製造に用いるポリエステル組成物、特に反射層Aに用いるポリエステル組成物は、線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μmの不織布型フィルターを用いて濾過を行うことが好ましい。この濾過を行うことで、通常は凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑え、粗大異物の少ないフィルムを得ることができる。なお、不織布の平均目開きは、好ましくは20〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。濾過したポリエステル組成物は、溶融した状態でフィードブロックを用いた同時多層押出法(共押出法)により、ダイから多層状態で押し出し、未延伸積層シートを製造する。ダイより押し出された未延伸積層シートを、キャスティングドラムで冷却固化し、未延伸積層フィルムとする。
次いで、この未延伸積層フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、製膜機械軸方向(以下、縦方向または長手方向またはMDと呼称する場合がある。)に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸後のフィルムは、続いてテンターに導かれ、縦方向と厚み方向とに垂直な方向(以下、横方向または幅方向またはTDと呼称する場合がある。)に延伸して、二軸延伸フィルムとする。
延伸温度としては、ポリエステル(好ましくは反射層Aを構成するポリエステル)のTg以上、Tg+30℃以下の温度で行うことが好ましく、製膜延伸性により優れ、またボイドが好ましく形成されやすい。また、延伸倍率としては、縦方向、横方向ともに、好ましくは2.5〜4.3倍、さらに好ましくは2.7〜4.2倍である。延伸倍率が低すぎるとフィルムの厚み斑が悪くなる傾向にあり、またボイドが形成されにくい傾向にあり、他方高すぎると製膜中に破断が発生し易くなる傾向にある。なお、縦延伸を実施しその後横延伸を行うような逐次2軸延伸の際には、2段目(この場合は、横延伸)は1段目の延伸温度よりも10〜50℃程度高くする事が好ましい。これは1段目の延伸で配向した事により1軸フィルムとしてのTgがアップしている事に起因する。
また、各延伸の前にはフィルムを予熱することが好ましい。例えば横延伸の予熱処理はポリエステル(好ましくは反射層Aを構成するポリエステル)のTg+5℃より高い温度から始めて、徐々に昇温するとよい。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。
二軸延伸後のフィルムは、続いて、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、溶融押出から延伸に引き続いて、これらの処理もフィルムを走行させながら行うことができる。
二軸延伸後のフィルムは、クリップで両端を把持したままポリエステル(好ましくは反射層Aを構成するポリエステル)の融点をTmとして(Tm−20℃)〜(Tm−100℃)で、定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して、熱固定し、熱収縮率を低下させるのがよい。かかる熱処理温度が高すぎるとフィルムの平面性が悪くなる傾向にあり、厚み斑が大きくなる傾向にある。他方低すぎると熱収縮率が大きくなる傾向にある。
また、熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜2.5%、さらに好ましくは0.2〜2.3%、特に好ましくは0.3〜2.0%の速度ダウンを実施してフィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすることによって縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率を得ることができる。
なお、二軸延伸に際しては、上記のような縦−横の逐次二軸延伸法以外にも、横−縦の逐次二軸延伸法でもよい。また、同時二軸延伸法を用いて製膜することができる。同時二軸延伸法の場合、延伸倍率は、縦方向、横方向ともに例えば2.7〜4.3倍、好ましくは2.8〜4.2倍である。
かくして本発明の白色反射フィルムを得ることができる。
[反射フィルムの特性]
(反射率、輝度)
本発明の白色反射フィルムの、表面層B側から測定した反射率は、好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは97.5%以上、特に好ましくは98.0%以上である。反射率が96%以上であることによって、液晶表示装置や照明等に用いた場合には、高い輝度を得ることができる。かかる反射率は、反射層Aのボイド体積率を高くする等好ましい態様としたり、反射層Aの厚みを厚くしたり、反射層Bの厚みを薄くしたり等各層の態様を好ましい態様としたりすることにより達成できる。
また、反射層B側から測定した輝度は、後述する測定方法により求められるが、5400cd/m以上が好ましく、5450cd/m以上がさらに好ましく、5500cd/m以上が特に好ましい。
上記反射率および輝度は、白色反射フィルムにおいて、導光板と用いるに際しては、導光板側となる側の面における値である。
(揮発有機溶剤量)
本発明の白色反射フィルムは、後述の方法にて測定した揮発有機溶剤量が、好ましくは10ppm以下である。これにより、表面層Bが有機溶剤を用いた塗布法により形成されたものではないことを示すことができる。また、自己回収原料を得て、それを用いてフィルムを製膜するに際して、ガスマークが発生し難くなり、製膜延伸性が向上する。かかる観点から、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下であり、理想的には0ppmである。本発明においては、揮発有機溶剤量を少なくするために、表面層Bの形成において、有機溶剤を用いた溶液コーティング法を採用せずに、上述した方法を採用することが好ましい。また、有機粒子の使用により揮発有機溶剤量は増加する傾向にある。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)光線反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。なお、測定は、反射層B側の表面において行った。表裏に異なる反射層Bを有する場合は、導光板側となる反射層B表面において測定した。
(2)粒子の平均粒子径
レーザー散乱型粒度分布測定機(島津製作所製SALD−7000)にて、粒子の粒度分布(粒径の標準偏差)を求め、d50での粒子径を平均粒子径とした。
(3)フィルム表面の突起頻度(突起個数)
レーザーマイクロスコープ(キーエンス製VK−X100)を用いて、反射フィルムの最外層表面の1.0mm×1.0mmの範囲について表面凹凸解析を行い、表面より高さ5.0μm以上〜7.0μm未満、7.0μm以上〜10.0μm未満、10.0μm以上〜15.0μm未満、15.0μm以上の各突起個数を算出した。
(4)揮発有機溶剤量
室温(23℃)において、1gのフィルムサンプルを10Lのフッ素樹脂製バッグに入れ、その中を純窒素でパージして密封した。次いで、直ちにかかるバッグの中の窒素から、0.2L/分の流量で、2本の分析用TENAX−TA捕集管にそれぞれ0.2L、1.0Lの窒素を採取し、これらを用いて、HPLCおよびGCMSにより、採取した窒素中に含まれる有機溶剤成分の質量を定量した。得られた値を窒素10L中の量に換算して、1gのフィルムサンプルから10Lの窒素中に揮発した有機溶剤の質量を求め、揮発有機溶剤量(単位:ppm、フィルムサンプルの質量基準)とした。なお、アルデヒド類は、アセトニトリルでアルデヒド誘導体化物を捕集管から溶出し、HPLCにより定量した。また、HPLCとGCMSとで値が異なる場合は、多く検出した方の値を採用した。
(5)フィルム厚みおよび層構成
白色反射フィルムをミクロトームにてスライスして断面出しを行い、かかる断面について日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて、倍率500倍にて観測し、フィルム全体、反射層A、表面層Bの厚みをそれぞれ求めた。なお、フィルム全体および表面層Bの厚みは、粒子が表面層B表面より突出している部分を除いた部分の厚みとした。各層の厚み(μm)を求めた上で各層の厚み比を算出した。
(6)ボイド体積率の算出
ボイド体積率を求める層のポリマー、添加粒子、その他各成分の密度と配合割合から計算密度を求めた。同時に、当該層を剥離する等して単離し、質量および体積を計測し、これらから実密度を算出し、計算密度と実密度とから下記式により求めた。
ボイド体積率=100×(1−(実密度/計算密度))
なお、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(2軸延伸後)の密度を1.39g/cm、硫酸バリウムの密度を4.5g/cmとした。
また、ボイド体積率を測定する層のみを単離し、単位体積あたりの質量を求めて実密度を求めた。体積は、サンプルを面積3cmに切り出し、そのサイズでの厚みをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて10点測定した平均値を厚みとし、面積×厚みとして算出した。質量は、電子天秤にて秤量した。
なお、粒子(凝集粒子含む)の比重としては、以下のメスシリンダー法にて求めた嵩比重の値を用いた。容積1000mlのメスシリンダーに絶乾状態の粒子を充填して、全体の重量を測定し、該全体の重量からメスシリンダーの重量を差引いて該粒子の重量を求め、該メスシリンダーの容積を測定し、該粒子の重量(g)を該容積(cm)で割ることによって求められる。
(7)融点、カラス転移温度
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20℃/分で測定を行った。
(8)輝度
LG社製のLED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)から反射フィルムを取り出し、各種反射フィルム(表面層B側を画面側(導光板に接する面)に設置し、バックライトユニットの状態にて輝度計(大塚電子製Model MC−940)を用いて、バックライトの中心を真正面より測定距離500mmで輝度を測定した。
(9)導光板の傷付き評価(削れ性評価)および粒子の脱落評価
図2のように、取っ手部分(図2の符号7)の端に長さ200mm×幅200mm×厚み3mmの鉄板(図2の符号8、重さ約200g)を固く貼り付け、その上に、評価面を上にした幅250mm×長さ200mmの反射フィルム(図2の符号9)を幅方向の両端からそれぞれ25mmの部分が鉄板からはみ出すようにして、(中央の200mm×200mmの部分が鉄板と重なるようにして)貼り付けた。この際、反射フィルムの評価面(表面層面)が外側になるようにした。また、反射フィルムの幅方向の両端で余った25mmの部分は、鉄板の裏側に折り返して、反射フィルムの端部(サンプリング時にナイフ等により刃を入れた部分)が導光板を削ってしまう影響を排除した。
次に、ドット面を上にした導光板(少なくとも400mm×200mmのサイズのもの)を水平な机上に固定し、上記で作成した鉄板に固定した反射フィルムを、評価面と導光板とが接触するように、反射フィルム側の面を下向きにして導光板の上に置き、さらにその上に500gの重り(図2の符号10)を載せて、距離200mmで(400mm×200mmの領域で鉄板に固定した反射フィルムを動かすことになる)1往復約5〜10秒の速度で15往復動かした。その後、導光板表面において、その削れ具合と、反射フィルムから脱落した粒子の有無について、20倍のルーペを用いて観察し、以下の基準で評価した。
導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、30往復動かした後にルーペで観察できるキズがない場合は「削れない」(削れ評価○)とし、20往復動かした後は観察できるキズがなかったが、30往復動かした後に観察できるキズがある場合は「削れにくい」(削れ評価△)とし、20往復した後に観察できるキズがある場合は「削れる」(削れ評価×)とした。
また、30往復動かした後において、導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、ルーペで観察できる白色異物がなければ、「粒子が脱落しない」(脱落評価○)とした。また、観察できる白色異物があった際は、かかる白色異物を顕微鏡により観測し、凝集粒子であることを確認して、脱落した粒子が5つ以下であれば、「粒子がほとんど脱落しない」(脱落評価△)とし、6つ以上であれば、「粒子が脱落する」(脱落評価×)とした。
なお、上記評価にあたっては、ドットサイズの影響を極力抑えるべく、導光板において、極力ドットサイズの大きな領域を選択し、各評価サンプルで揃えて行った。
(10)白点評価
上記(9)の評価で用いた反射フィルムと導光板を用いて、机上に、表面層面を上向きとなるように反射フィルムを置き、その上にドット面が下向きになるように導光板を置き、導光板の四辺のそれぞれに各300gの重りを置き固定し、LG社製のLED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)のバックライト光源を用いて、導光板の側面から光を入射して、目視で観察できる導光板ドット以外の明るい点があれば白点発生(評価×)とした。他方、目視で観察できる異常な明るい点がなければ白点発生しない(評価○)とした。
(11)密着斑評価(貼り付き評価)
LG社製のLED液晶テレビ(47インチサイズ)からシャーシを取り出し、テレビ内部側が上向きとなるように水平な机上に置き、その上に、シャーシとほぼ同じ大きさの反射フィルムを、表面層面が上向きとなるように置き、さらにその上に、元々テレビに備えられていた導光板および光学シート3枚(拡散フィルム2枚、プリズム1枚)を置いた。次いで、その面内で、シャーシの凹凸の最も激しい部分を含む領域に、図1に示すごとく直径5mmの円状足を三本備える正三角形型の台を置き、その上に更に20kgの重りを乗せて、かかる三本の足に囲まれた領域を目視で観測し、異常に明るい部分がなければ「密着斑がなし」(密着斑評価○)とした。また、異常に明るい部分があった場合は、光学シート3枚の上にさらに、元々テレビに備わっていたDBEFシートを置き、同様に目視で観測し、異常に明るい部分が直らなければ、「密着斑があり」(評価×)とし、異常に明るい部分がなくなれば、「密着斑が殆どなし」(評価△)とした。なお、三つ足に囲まれた領域は、各辺の長さが10cmの略正三角形とした。
(12)製膜延伸性
実施例に記載のフィルムを、テンターを用いた連続製膜法にて製膜したときの製膜安定性を観察し、下記基準で評価した。
◎:8時間以上安定に製膜できる。
○:3時間以上8時間未満安定に製膜できる。
△:3時間未満で1度切断が生じた。
×:3時間未満で複数回切断が発生し、安定な製膜ができない。
[実施例1]
<製造例1:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の合成>
テレフタル酸ジメチル136.5質量部、イソフタル酸ジメチル13.5質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して9モル%となる)、エチレングリコール98質量部、ジエチレングリコール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜240℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3mmHgまで減圧するとともに292℃まで昇温し、重縮合反応を行い、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1を得た。このポリマーの融点は235℃であった。
<製造例2:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2の合成>
テレフタル酸ジメチル129.0質量部、イソフタル酸ジメチル21.0質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して14モル%となる)に変更した他は、上記製造例1と同様にして、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を得た。このポリマーの融点は215℃であった。
<製造例3:粒子マスターチップ1の作成>
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の一部、およびボイド形成剤として平均粒子径1.0μmの硫酸バリウム粒子(表中、BaSOと表記する。)を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマスターチップの質量に対して硫酸バリウム粒子の含有量が60質量%となるように混合し、樹脂温度260℃にて押し出し、硫酸バリウム粒子含有の粒子マスターチップ1を作成した。
<製造例4:粒子マスターチップ2の作成>
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2に、粒子Aとして、東ソー・シリカ株式会社製AY−601(凝集シリカ)を風力分級し平均粒子径10.9μm、標準偏差1.0μmとした粒子を8質量%となるよう混合し、溶融温度250℃にて押し出し、粒子マスターチップ2を作成した。
(白色反射フィルムの製造)
上記で得たイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1と粒子マスターチップ1を反射層(A層)の原料として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2と粒子マスターチップ2を表面層(B層)の原料としてそれぞれ用い、それぞれの層が表1に記載した構成となるように混合し、押出機に投入し、A層は溶融押出し温度255℃にて、B層は溶融押出し温度230℃にて、表1に示すごとくB層/A層/B層の層構成となるように3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。このときB層/A層/B層の厚み比が2軸延伸後に10/80/10となるように各押出機の吐出量で調整した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを73℃の予熱ゾーン、つづけて75℃の予熱ゾーンを通して、92℃に保たれた縦延伸ゾーンに導き、縦方向に2.9倍に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながら115℃の予熱ゾーンを通して130℃に保たれた横延伸ゾーンに導き、横方向に3.6倍に延伸した。その後テンター内で185℃で熱固定を行い、幅入れ率2%、幅入れ温度130℃で横方向の幅入れを行い、次いでフィルム両端を切り落し、縦弛緩率2%で熱弛緩し、室温まで冷やして、表1に示すごとく厚み250μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
[実施例2〜6、比較例1〜3]
表面層に用いる粒子の態様を各々表1に示すとおりとする以外は、実施例1と同様にして白色反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
なお、それぞれ使用した粒子の種類は下記の通りである。
粒子B:東ソー・シリカ株式会社製AY−601(凝集シリカ)を風力分級して平均粒子径10.2μm、標準偏差3.0μmとした。
粒子C:積水化成品工業製BMX−40(真球状架橋アクリル粒子)を使用(平均粒子径35.0μm、標準偏差0.5μm)
粒子D:富士シリシア株式会社製サイロスフェア(球状性シリカ)を風力分級して平均粒子径14.5μm、標準偏差3.8μmとした。
[実施例7]
反射層Aのボイド形成剤を、表1に示すごとくポリエステルに非相溶な樹脂(シクロオレフィン、ポリプラスチックス社製「TOPAS 6017S−04」)に変更した以外は、実施例1と同様にして白色反射フィルムを作成し、評価を実施した。評価結果を表2に示す。
ND:未検出(検出限界)
本発明の白色反射フィルムは、導光板との貼り付きを十分に抑制し、また導光板の傷付きを十分に抑制することができるとともに、フィルムの製膜延伸性に優れるので、特に導光板を備える面光源反射板として、中でも、例えば液晶表示装置等に用いられるような、エッジライト型のバックライトユニットに用いられる反射フィルムとして好適に用いることができる。
4 シャーシ
5 反射フィルム、導光板、光学シートの積層物
601 正三角形型の台
602 重り
7 取っ手部分
8 鉄板
9 反射フィルム
10 重り
11 導光板
1101 ドット

Claims (6)

  1. 反射層Aと、熱可塑性樹脂からなり粒子を含有する表面層Bとを有する白色反射フィルムであって、
    表面層Bが配向した層であり、且つ表面層Bが積層フィルムの少なくとも一方の最外層を形成し、該最外層を形成する表面層Bの反射層Aとは反対側の表面に上記粒子により形成された突起を有し、
    該表面において、高さ5μm以上7μm未満の突起個数が20〜200個/mm、高さ7μm以上10μm未満の突起個数が20〜200個/mm、高さ10μm以上15μm未満の突起個数が10〜100個/mm、高さ15μm以上の突起個数が10個/mm以下である、白色反射フィルム。
  2. 上記粒子が凝集粒子である、請求項1に記載の白色反射フィルム。
  3. 上記粒子の平均粒子径が、7.0μm以上、15.0μm未満である、請求項1または2に記載の白色反射フィルム。
  4. 揮発有機溶剤量が10ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
  5. 反射層Aがボイドを含有し、そのボイド体積率が15体積%以上、70体積%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
  6. 導光板を備える面光源反射板として用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
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