JP2015001064A - 調整台座、及び構造物保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置補正を三方向以上で行うことが可能な調整台座、及び構造物保持装置を提供する。
【解決手段】本発明の調整台座20は、基礎杭10の杭頭12に対する面方向での取り付け位置を調整可能な台座本体21と、台座本体21に対する取り付け位置が調整可能とされる構造物取付部材23と、移動溝32と、台座本体21又は構造物取付部材23のいずれか一方に形成される一対の長穴27と、を備える。台座本体21は、基礎杭10に取り付けられる取付部分21aと、取付部分の両端部に連結される保持部分21bと、を含む。取付部分21aには、杭頭12に対する取付面24aに基礎杭10の軸回りに沿って形成され、基礎杭10に対する取付穴を構成する丸長穴25が形成されており、移動溝32は、構造物取付部材23が台座本体21上に設置された状態において、一対の長穴27と直交する方向に沿って延びる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の調整台座20は、基礎杭10の杭頭12に対する面方向での取り付け位置を調整可能な台座本体21と、台座本体21に対する取り付け位置が調整可能とされる構造物取付部材23と、移動溝32と、台座本体21又は構造物取付部材23のいずれか一方に形成される一対の長穴27と、を備える。台座本体21は、基礎杭10に取り付けられる取付部分21aと、取付部分の両端部に連結される保持部分21bと、を含む。取付部分21aには、杭頭12に対する取付面24aに基礎杭10の軸回りに沿って形成され、基礎杭10に対する取付穴を構成する丸長穴25が形成されており、移動溝32は、構造物取付部材23が台座本体21上に設置された状態において、一対の長穴27と直交する方向に沿って延びる。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、施工面である地中に回転貫入するアンカーを使用した種々の構造物の支柱設置等の基礎工事において、取り付け位置から外れたアンカー頭部への構造物の取り付け位置を補正することが可能な調整台座、及び構造物保持装置に関するものである。
一般に、建築物などの構造物を施工する場合、構造物の支柱を地上に支持するための基礎を設置する。このような基礎として支柱が嵌設される基礎杭(例えば、アンカー)を使用するが、このような基礎杭を支柱に合わせて多数が地中に貫入する。
このように基礎杭を地中に貫入する基礎工事を行う場合、基礎杭が傾いたり、基準位置から僅かに外れる場合がある。そこで、位置ずれを生じた基礎杭に対し、支柱を良好に設置可能に補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術では、X方向及びY方向の二軸方向に位置補正する場合、及び、X又はYのいずれか一方向と基礎杭の回転軸方向との二方向に位置補正する場合が想定されていたが、XYの二軸方向と回転軸方向とを含む三方向に対する位置補正については考慮されていなかった。そこで、少なくとも上記のような三方向に対する位置補正が可能な新たな技術の提供が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、位置補正を三方向以上で行うことが可能な調整台座、及び構造物保持装置を提供することを目的とする。
本発明の第一態様に従えば、施工面に貫入された基礎杭の杭頭に対する構造物の取り付け位置を調整するために用いられる調整台座において、前記杭頭に対する面方向での取り付け位置を調整可能な台座本体と、前記台座本体に対する取り付け位置が調整可能とされ、前記構造物が取り付けられる構造物取付部材と、前記構造物取付部材に形成され、前記構造物を固定するための固定ボルトを移動可能とする移動溝と、前記台座本体と前記構造物取付部材とを相対移動可能とし、前記台座本体又は前記構造物取付部材のいずれか一方に形成される一対の長穴と、を備え、前記台座本体は、前記基礎杭に取り付けられる取付部分と、前記取付部分の両端部に連結されて前記構造物取付部材を相対移動可能に保持する保持部分と、を含み、前記取付部分には、前記杭頭に対する取付面に前記基礎杭の軸回りに沿って形成され、前記基礎杭に対する取付穴を構成する丸長穴が形成されており、前記移動溝は、前記構造物取付部材が前記台座本体上に設置された状態において、前記一対の長穴と直交する方向に沿って延びることを特徴とする調整台座が提供される。
上記第一態様においては、前記構造物取付部材と前記台座本体との間に一部が挟持されて前記固定ボルトの脱落を防止する脱落防止プレートを備え、前記固定ボルトは、前記移動溝に下方から上方に向かって挿通されるとともに、ボルト頭部が前記脱落防止プレートに支持される構成としても良い。
上記第一態様においては、前記台座本体は、前記丸長穴を3つ有し、3つの前記丸長穴は、前記取付面に等間隔で形成されている構成としても良い。
上記第一態様においては、前記固定ボルトは、角根ボルトから構成される構成としても良い。
本発明の第二態様に従えば、構造物を保持する構造物保持装置において、前記構造物を施工する施工面に貫入される基礎杭と、上記第一態様に係る調整台座と、前記杭頭の上面に対する前記台座本体の取り付け角度を調整する角度調整部材と、を備え、前記調整台座は、前記取付穴を介して取付螺子を上方から前記杭頭に設けられた螺子部に螺合させることで前記基礎杭に取り付けられている構造物保持装置が提供される。
上記第二態様においては、前記角度調整部材が前記杭頭と前記台座本体との間に着脱可能なスペーサ部材である構成としても良い。
上記第二態様においては、前記基礎杭は、杭頭がフランジ部から構成されたアンカーであり、前記フランジ部は、平面視円形状からなり、周方向に沿って複数の貫通孔が等間隔で形成され、複数の前記貫通孔の裏面側には前記螺子部を含むナットが1個おきに溶接固定される構成としても良い。
上記第二態様においては、前記フランジ部は、前記貫通孔が6つ形成されている構成としても良い。
本発明によれば、取付穴を介して取付螺子が杭頭の螺子部に螺合することで台座本体を杭頭に固定することができる。この場合、螺子部の螺合作業は上方からの作業のみで行う事が可能となる。よって、杭頭が施工面に近接していた場合であっても、例えば、ナット等を押えるために杭頭の裏面側に手を入れる必要が無くなるので、効率良く施工作業を行うことができる。また、調整台座を備えるので、例えば、基礎杭の施工位置に僅かにズレが生じた場合であっても、杭頭に対する構造物の取り付け位置を補正することができる。よって、構造物の施工作業を精度良く行う事ができる。
以下、本発明に係る調整台座及び構造物保持装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態において、構造物保持装置は、種々の構造物(例えば、支柱や架台等)を保持するための基礎工事に使用される装置である。構造物としては、例えば、太陽光発電システム、建築物等を例示できる。
(第一実施形態)
図1は、本実施形態に係る構造物保持装置100の概略構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係る構造物保持装置100の分解斜視構成を示す図である。
図1、2に示すように、構造物保持装置100は、アンカー(基礎杭)10と、調整台座20とを有する。アンカー10は、基礎工事において施工面1である地中に貫入されて設置されるものである。調整台座20は、アンカー10の頭部に対する構造物の保持状態を調整するためのものである。ここで、保持状態の調整とは、アンカー頭部に対する傾き、アンカーの軸回りでの位置ずれ、アンカー頭部に対する面方向での位置ずれ等を解消するように、構造物の取付状態を調整することを意味する。
図1は、本実施形態に係る構造物保持装置100の概略構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係る構造物保持装置100の分解斜視構成を示す図である。
図1、2に示すように、構造物保持装置100は、アンカー(基礎杭)10と、調整台座20とを有する。アンカー10は、基礎工事において施工面1である地中に貫入されて設置されるものである。調整台座20は、アンカー10の頭部に対する構造物の保持状態を調整するためのものである。ここで、保持状態の調整とは、アンカー頭部に対する傾き、アンカーの軸回りでの位置ずれ、アンカー頭部に対する面方向での位置ずれ等を解消するように、構造物の取付状態を調整することを意味する。
図3は、アンカー10の概略構成を示す図であり、図3(a)はアンカー10の側面図であり、図3(b)はアンカー10の下面図であり、図3(c)はアンカー10の上面図である。
図3(a)、(b)、(c)に示すように、アンカー10は、本体部11と、フランジ部12とを有する。本体部11は、軸部11aと、該軸部11aの外周に沿って螺旋状に形成されるスクリュー部11bとを含む。軸部11aは棒状から構成され、基部側にフランジ部12が設けられ、先端部側が先鋭化されている。スクリュー部11bは、施工面1である地中にねじ込まれることで軸部11aを地中に効率よく貫入させる。
図3(a)、(b)、(c)に示すように、アンカー10は、本体部11と、フランジ部12とを有する。本体部11は、軸部11aと、該軸部11aの外周に沿って螺旋状に形成されるスクリュー部11bとを含む。軸部11aは棒状から構成され、基部側にフランジ部12が設けられ、先端部側が先鋭化されている。スクリュー部11bは、施工面1である地中にねじ込まれることで軸部11aを地中に効率よく貫入させる。
フランジ部12は、アンカー10の頭部(杭頭)を構成するものであり、調整台座20を支持する。本実施形態において、フランジ部12は、図3(b)、(c)に示すように、平面形状が円形であり、本体部11(軸部11a)と同心状に形成される。すなわち、本体部11及びフランジ部12の中心軸はそれぞれ一致しており、以下、該中心軸をアンカー10の軸と称す。
フランジ部12には、6つの貫通孔13が形成されている。6つの貫通孔13は、中心を基準として軸部11aの外形よりも大きい円周に沿って等間隔で配置されている。6つの貫通孔13は、1個おきに裏面側にナット14が溶接固定されている。すなわち、貫通孔13は、裏面側にナット14が溶接固定された第1貫通孔13aと、裏面側にナット14が溶接固定されない第2貫通孔13bとを含み、第1貫通孔13a及び第2貫通孔13bが交互に形成されている。
第1貫通孔13aは、例えば、後述するようにアンカー10を施工面1に打ち込んで貫入させる際に、打ち込み用治具を接続する時の固定に使用可能である。一方、第2貫通孔13bは、打ち込み用治具をフランジ部12に接続する場合に、例えば、打ち込み用治具に設けられた凸部を嵌合させることで該打ち込み用治具をフランジ部12に位置決めするのに使用可能である。
本実施形態において、フランジ部12は、中央にも貫通孔15が形成されており、該貫通孔15の裏面側にもナット16が溶接固定されている。なお、本実施形態において、ナット14、16は溶接によってフランジ部12に固定されているが、これに限られず、ナット14、16がフランジ部12と一体に形成されていても良い。この貫通孔15は、例えば、アンカー10の引き抜き試験を行う時のシャフトに接続するために使用されるが、用途はこれに限定されない。
本実施形態において、フランジ部12は、径方向における貫通孔13と貫通孔15の間の領域に、メッキ注入孔17が3個形成されている。具体的にメッキ注入孔17は、径方向において複数の貫通孔13のうち第1貫通孔13aと貫通孔15との間の領域に、それぞれ形成されている。
メッキ注入孔17は、略円筒状からなる軸部11aの内部に溶融メッキを入り込ませて内部表面をメッキ処理するためのものである。本実施形態において、アンカー10は、表面及び内面の全体がメッキ処理されたものとなっている。なお、メッキ注入孔17の数、形成位置は本形態に限定されることは無く、軸部11aの内部までメッキ処理を行わない場合はメッキ注入孔17を設けなくても良い。
図1、2に戻って、調整台座20は、台座本体21に形成された丸長穴25を介して螺子部材(取付螺子)26を上方からフランジ部12に設けられた第1貫通孔13aの裏面側に溶接固定されたナット(螺子部)14に螺合させることでアンカー10に取り付けられる。第1貫通孔13aには、上方から丸長穴25を介して螺子部材26がバネ座金31及び平座金35を介して挿通される。
さらに、構造物保持装置100は、調整台座20とフランジ部12との間に着脱可能なスペーサ部材(角度調整部材)22を備えている。スペーサ部材22は、アンカー10のフランジ部12の上面に対する台座本体21の取付角度を調整するためのものである。スペーサ部材22は、例えば、フランジ部12と調整台座20との隙間であって螺子部材26に挿通されるワッシャ(平座金)である。構造物保持装置100は、スペーサ部材22の数(枚数)を螺子部材26毎に異ならせることでフランジ部12の上面に対する調整台座20の取付角度が調整可能である。なお、図1、2では、フランジ部12と調整台座20との隙間にスペーサ部材22を1個ずつ(合計3個)設置した場合を図示している。なお、スペーサ部材22は、螺子部材26に必ずしも挿通される必要は無い。
図4乃至図6は、それぞれ調整台座20の概略構成を示す図である。具体的に、図4は調整台座20の上面図であり、図5は調整台座20の正面図であり、図6は調整台座20の側面図である。なお、図4では、説明の都合上、フランジ部12に形成された貫通孔13(第1貫通孔13a)を仮想的に図示している。図2、及び図4乃至6に示すように、調整台座20は、台座本体21と、構造物取付部材23とを主体に構成されている。台座本体21は、図1、2に示したように、アンカー10のフランジ部12に取り付けられるものであって、該フランジ部12に対する面方向での取り付け位置が調整可能とされている。構造物取付部材23は、例えば、構造物の支柱を取り付けるためのものであり、台座本体21に対する取り付け位置が調整可能とされている。
台座本体21は、アンカー10のフランジ部12に対する取付面24aを含む取付部分21aと、構造物取付部材23を保持する保持部分21bとを有する。取付部分21aは、矩形状の板部材の両端部をそれぞれ上方に折り曲げた略U字形状(略ハット形状)を呈している(図5参照)。すなわち、取付部分21aは、平面形状が矩形状であり、且つ断面形状が略U字状となっている。取付部分21aは、フランジ部12に対する取付面24aをなす底板24を有する。
台座本体21は、取付部分21aの底板24に複数(本実施形態においては、例えば、3つ)の丸長穴25が形成されている。丸長穴25は、台座本体21をアンカー10のフランジ部12に対して固定する際に螺子部材26を挿入する取付孔として用いられる。丸長穴25は、所定径の円周に沿うように形成されている。本実施形態において、丸長穴25が形成される円周の径と、フランジ部12上において貫通孔13が形成される円周の径とは同じである。これにより、台座本体21は、フランジ部12上に設置した状態でアンカー10の軸回りに回転させた場合であっても、丸長穴25の内部に貫通孔13の一部を臨ませることができるようになっている。
本実施形態において、丸長穴25は、取付部分21aの底板24に等間隔で形成されるとともに、それぞれが同じ長さに設定されている。3つの丸長穴25は、フランジ部12上に台座本体21が配置された場合において、裏面側にナット14が溶接固定された3つの第1貫通孔13aをそれぞれ内部に臨ませることが可能な長さに設定されている。
本実施形態において、調整台座20は、図1、2に示したように、台座本体21に形成された丸長穴25を介して螺子部材(取付螺子)26を上方からフランジ部12に設けられた第1貫通孔13aの裏面側に溶接固定されたナット(螺子部)14に螺合させることでアンカー10に取り付け可能である。
一方、台座本体21は、螺子部材26におけるナット14への螺合状態を緩めることで、アンカー10の軸回りに回転することでフランジ部12に対する取り付け位置が調整可能である。台座本体21は、丸長穴25の長さ分だけフランジ部12においてアンカー10の軸回りに移動可能である。
ここで、フランジ部12に対する台座本体21の調整幅は丸長穴25の長さに依存する。そのため、上記調整幅を大きくするには、丸長穴25の長さを大きくすればよい。しかしながら、丸長穴25の長さを大きくすると、隣接する丸長穴25との肉厚がうすくなってしまい、底板24における機械的強度が低下してしまうことから、丸長穴25の長さには制約が出てしまう。
ここで、フランジ部12に対する台座本体21の調整幅は丸長穴25の長さに依存する。そのため、上記調整幅を大きくするには、丸長穴25の長さを大きくすればよい。しかしながら、丸長穴25の長さを大きくすると、隣接する丸長穴25との肉厚がうすくなってしまい、底板24における機械的強度が低下してしまうことから、丸長穴25の長さには制約が出てしまう。
そこで、本実施形態においては、丸長穴25の寸法を、該丸長穴25が形成される円周を6分割した長さと同等若しくはこれよりも僅かに大きく設定している。この場合において、上記調整幅が不足した場合、図4に示される左右方向を入れ替えるように上下を反転させた状態に台座本体21をフランジ部12に取り付ければよい。このとき、フランジ部12に対する丸長穴25の位置も反転することとなる。よって、反転前後でフランジ部12に対する丸長穴25の相対位置を異ならせることができる。丸長穴25の寸法が上述のように円周を6分割した長さよりも大きく、且つ丸長穴25が円周方向に沿って等間隔に3つ配置されていれば、上述のように台座本体21の取り付け位置を反転させることでフランジ部12における周方向の全域に丸長穴25による開口領域を対応させることができる。したがって、台座本体21は、施工面1に設置されたアンカー10のフランジ部12に対して360度の全方向に亘って取り付け位置が調整可能となる。
保持部分21bは、底板24と平行に延びるように取付部分21aの両端部にそれぞれ連結されている。保持部分21bは、図4に示したように平面視矩形状の部材であり、長辺方向に沿って長穴27が形成されている。すなわち、台座本体21は、保持部分21bに形成された一対の長穴27を有している。長穴27は、後述の構造物取付部材23における台座本体21に対する取り付け位置を調整するためのものである。
構造物取付部材23は、一対の保持部分21b間に掛け渡された状態に台座本体21上に取り付けられる。構造物取付部材23は、保持部分21bの長穴27に対応する位置に貫通孔28が形成されている。構造物取付部材23は、貫通孔28及び長穴27を介してボルト29及びナット30が締結することで台座本体21(保持部分21b)に固定可能である。ボルト29は、下方から上方に向かうように貫通孔28及び長穴27に挿通されている。
ナット30と構造物取付部材23との間には、バネ座金51及び平座金52が設けられている。構造物取付部材23は、ナット30を緩めることで長穴27に沿ってボルト29が移動可能となって、台座本体21上を移動する事で該台座本体21に対する取り付け位置を調整することが可能である。なお、ボルト29としては、例えば角根ボルトを用いるのが好ましい。このようにすれば、ボルト29が回転することなく、長穴27の壁面に沿ってスムーズに移動するようになる。
構造物取付部材23は、2つの貫通孔28を結ぶ直線上に沿って溝状の長穴(移動溝)32が形成されている。この長穴32は、ベースレール50(図5参照)を構造物取付部材23に対して固定するための固定ボルト40を挿通させるためのものである。長穴32は、構造物取付部材23が台座本体21上に設置された状態において、保持部分21bに形成された長穴27と直交方向に沿って形成されている。
本実施形態において、固定ボルト40は、例えば角根ボルトから構成されるのが好ましい。これにより、固定ボルト40は、角型からなる基部が長穴32の内面に沿って移動可能とされている。よって、固定ボルト40が回転することなく、長穴32の壁面に沿ってスムーズに移動するようになる。固定ボルト40は、下方から上方に向かうように長穴32に挿通されている。固定ボルト40には、ベースレール50を固定するためのナット41が締結されている。ナット41と構造物取付部材23との間には、バネ座金53及び平座金54が設けられている。これによれば、ナット41を緩めることで固定ボルト40を長穴27に沿って移動可能とすることができるので、固定ボルト40によるベースレール50の取り付け位置を長穴27の長さ方向に沿って調整することが可能となる。
本実施形態において、調整台座20は、構造物取付部材23と台座本体21との間に一部を挟持した脱落防止プレート33を設けている。脱落防止プレート33は、長穴32に挿通された固定ボルト40の頭部40aを下方側から支持し、該固定ボルト40が台座本体21の底板24上に脱落するのを防止するためのものである。脱落防止プレート33は、1枚の板状部材を折り曲げて形成され、構造物取付部材23と台座本体21との間に挟持される挟持部分33aと、該挟持部分33aに対して下方に向かって凹んだ状態に形成される凹み部分33bと、を含む。挟持部分33aには、貫通孔28及び長穴27とともにボルト29を挿通させるための孔34が形成されている。
この構成に基づき、脱落防止プレート33は、挟持部分33aが構造物取付部材23と台座本体21との間に挟持されることで保持された際、凹み部分33bと構造物取付部材23の下面との間に隙間Sを生じさせるようになっている。凹み部分33bは、上記隙間Sが固定ボルト40の頭部40aの厚みよりも小さくなるように形成されている。
この構成に基づき、固定ボルト40は、頭部40aにより支持されるため、長穴32から脱落することが無い。
この構成に基づき、固定ボルト40は、頭部40aにより支持されるため、長穴32から脱落することが無い。
続いて、上記構成からなる構造物保持装置100を使い方として、該構造物保持装置100による構造物の保持方法について説明する。
図7は、構造物保持装置100を使用する場合の状況を説明するための図であり、図7(a)は施工面1に複数の構造物保持装置100が設置された状態を示す図であり、図7(b)は施工面1に施工された構造物保持装置100による構造物の支持構造における側面図である。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。施工面に水平な水平面内における一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
図7は、構造物保持装置100を使用する場合の状況を説明するための図であり、図7(a)は施工面1に複数の構造物保持装置100が設置された状態を示す図であり、図7(b)は施工面1に施工された構造物保持装置100による構造物の支持構造における側面図である。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。施工面に水平な水平面内における一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
本説明では、例えば、施工面1のX方向に沿って、構造物として長尺状のベースレール50を設置した場合を例に挙げる。
この場合、図7(a)に示すように、施工面1のX方向に沿って複数の構造物保持装置100が施工される。
この場合、図7(a)に示すように、施工面1のX方向に沿って複数の構造物保持装置100が施工される。
構造物保持装置100を施工する場合、まず、アンカー10を施工面1に貫入させる。構造物保持装置100は、アンカー10を施工面1に貫入する場合、調整台座20を分離した状態で行う。アンカー10は、例えば、打ち込み用治具により施工面1に貫入される。打ち込み用治具は、例えば、アンカー10の第1貫通孔13aの裏面側に設けられたナット14と接続されてアンカー10に対して固定される。これにより、打ち込み用治具による打ち込み力をアンカー10に効率よく伝達させることができる。なお、打ち込み用治具とアンカー10との位置合わせには、例えば、第2貫通孔13bが使用される。
アンカー10を地中に貫入した後、アンカー10のフランジ部12の上面に調整台座20を取り付ける。
ところで、アンカー10を施工面1である地中に貫入する場合、例えば、地中における岩石や不均質な土質、地盤等が要因となって施工面1に対して傾いた状態となったり、基準位置から外れた位置に施工されてしまう可能性がある。また、アンカー10の捩じ込み量にバラつきが生じることで、複数のアンカー10のフランジ部12の向きにズレが生じてしまう可能性もある。
本実施形態に係る構造物保持装置100は、フランジ部12の上面に取り付けた調整台座20による調整機能を利用することでベースレール50の取り付け位置(固定ボルト40の位置)を図7(a)に示すようにX方向に沿う直線上に調整することが可能である。
フランジ部12の上面に調整台座20を取り付けるに際し、フランジ部12の上面の水平度を測定する。すなわち、アンカー10における施工面1に対する傾きを測定する。水平度を調べる方法としては、例えば、台座本体21の底板24に水平器を設置すれば良い。すなわち、底板24に水平器を設置した調整台座20の台座本体21をフランジ部12上に載置し、フランジ部12の上面の傾斜度を測定する。
このように底板24の水平度を測定するとともに、所望の水平度が得られるようにフランジ部12と調整台座20との隙間に所定枚数のスペーサ部材22を挿入していけばよい。スペーサ部材22は、例えば、フランジ部12と調整台座20との隙間であって螺子部材26に挿通可能な位置に挿入される。すなわち、スペーサ部材22は、フランジ部12における第1貫通孔13aに対応する位置に配置される。構造物保持装置100は、スペーサ部材22の数を螺子部材26毎に最適な数(図7(b)においては、例えば、同図における右側の螺子部材26のみにスペーサ部材22を1枚設置している)とすることでフランジ部12の上面に対する調整台座20の取付角度を任意に調整することができる。これにより、施工面1に対して生じたフランジ部12の傾きを補正することができる。
各第1貫通孔13aに必要な数のスペーサ部材22を設置した状態で、台座本体21がフランジ部12上に載置される。このとき、台座本体21に形成された3つの丸長穴25は、それぞれ内部に第1貫通孔13aを臨ませた状態となる。
スペーサ部材22の設置が終了した後、丸長穴25を介して螺子部材26をナット14に螺合させることで、台座本体21をアンカー10に仮固定する。このとき、スペーサ部材22は、螺子部材26に挿通されることで位置が規制されたものとなる。よって、スペーサ部材22は、台座本体21及び構造物取付部材23間に確実に保持されたものとなる。本実施形態では、フランジ部12上における3箇所にスペーサ部材22を設置することで調整台座20の取付角度の調整が可能であることから角度調整作業が簡便なものとなっている。
仮固定状態において、螺子部材26におけるナット14への螺合状態が緩んでいるため、台座本体21は丸長穴25内を螺子部材26が相対移動することでフランジ部12の上面に対する取付方向をアンカー10の軸回りに調整することができる。これにより、アンカー10に対する軸方向における調整台座20の取り付け位置の調整が行われる。本説明では、各構造物保持装置100において、取付部分21aに形成された長穴27の長さ方向をX方向に一致させるように各アンカー10のフランジ部12に対する台座本体21の位置が調整されている(図7(a)参照)。
なお、取り付け位置の調整幅が不足した場合、上述したようにフランジ部12に対する台座本体21の取付方向を反転させ、フランジ部12に対する丸長穴25の相対位置を移動させればよい。これにより、台座本体21は、施工面1に設置されたアンカー10のフランジ部12に対して360度の全方向に亘って取り付け位置を調整することができる。
なお、取り付け位置の調整幅が不足した場合、上述したようにフランジ部12に対する台座本体21の取付方向を反転させ、フランジ部12に対する丸長穴25の相対位置を移動させればよい。これにより、台座本体21は、施工面1に設置されたアンカー10のフランジ部12に対して360度の全方向に亘って取り付け位置を調整することができる。
ところで、施工面1に貫入されたアンカー10は、図7(b)に示すように、フランジ部12の裏面(ナット14)が地中に入り込んだ状態となるため、フランジ部12の裏面に作業者が手を入り込ませるスペースを確保することは困難である。これに対し、本実施形態によれば、フランジ部12の裏面側にナット14が溶接固定されているので、フランジ部12の上方側から螺子部材26をナット14に螺合させることでフランジ部12に調整台座20(台座本体21)を取り付けることができる。なお、螺子部材26は捩じ込まれることでナット14を挿通して地中内に貫入された状態となる。
続いて、ナット30を緩めた状態とすることでボルト29を長穴27に沿って移動させ、該ボルト29とともに構造物取付部材23を台座本体21上で相対移動させる。上述の位置調整作業によって、長穴27の長さ方向はX方向に一致している。そのため、台座本体21に対する構造物取付部材23のX方向における取り付け位置を調整することができる。本実施形態においては、ボルト29が角根ボルトから構成されているため、ボルト29は回転することなく長穴27の壁面に沿ってスムーズに移動する。よって、調整及び締結作業を片手で容易に行うことができ、作業効率を高めることができる。
ここで、台座本体21はスペーサ部材22による角度調整によって施工面1に対して水平な状態にフランジ部12上に取り付けられている。よって、構造物取付部材23は、施工面1に対して水平度を維持した状態でX方向における取付位置が調整される。
台座本体21に対する構造物取付部材23の取り付け位置が確定した後、ナット30をボルト29に締結する事により、構造物取付部材23が台座本体21に対して固定される。
台座本体21に対する構造物取付部材23の取り付け位置が確定した後、ナット30をボルト29に締結する事により、構造物取付部材23が台座本体21に対して固定される。
続いて、調整台座20にベースレール50を取り付ける場合、ナット41、バネ座金53及び平座金54を固定ボルト40から取り外す。このとき、固定ボルト40には脱落防止プレート33と構造物取付部材23との間において頭部40aが脱落防止プレート33の弾性力によって適度に挟まれている。これにより、固定ボルト40は、長穴32に沿ってスムーズに移動することができる。これにより、ベースレール50の取り付け位置をX方向と直交するY方向において調整することができる。
固定ボルト40は、ナット41が取り外された場合でも、頭部40aが脱落防止プレート33により支持されることで長穴32から脱落することが防止される。
本実施形態において、固定ボルト40は角根ボルトから構成されるため、固定ボルト40は回転することなく長穴32の壁面に沿ってスムーズに移動する。よって、調整及び締結作業を片手で容易に行うことができ、作業効率を高めることができる。固定ボルト40は、ベースレール50に形成された貫通孔50aを挿通させた状態でバネ座金53及び平座金54を介してナット41で締結することで構造物保持装置100により確実に保持することができる。本実施形態においては、ナット41の締結を上側からの作業で行う事ができるので、作業効率の低下が抑制され、工期短縮を図ることができる。
本実施形態において、固定ボルト40は角根ボルトから構成されるため、固定ボルト40は回転することなく長穴32の壁面に沿ってスムーズに移動する。よって、調整及び締結作業を片手で容易に行うことができ、作業効率を高めることができる。固定ボルト40は、ベースレール50に形成された貫通孔50aを挿通させた状態でバネ座金53及び平座金54を介してナット41で締結することで構造物保持装置100により確実に保持することができる。本実施形態においては、ナット41の締結を上側からの作業で行う事ができるので、作業効率の低下が抑制され、工期短縮を図ることができる。
以上述べたように、本実施形態に係る構造物保持装置100によれば、アンカー10の施工位置にズレが生じた場合であっても、調整台座20を機能させることで、固定ボルト40をX方向において所定のピッチで配置されるように調整することができる。また、調整台座20(台座本体21)は、フランジ部12の裏面側にナット14が溶接固定されているため、フランジ部12の上方側から螺子部材26をナット14に螺合させることでフランジ部12に調整台座20(台座本体21)を取り付けることができる。よって、アンカー10と調整台座20(台座本体21)との締結を上側からの作業のみで行う事ができることから作業効率の低下が抑制され、工期短縮を図ることができる。また、螺子部材26及びナット14の螺合作業を片手で行う事が可能となる。そのため、膝をかがめる程度の体勢で作業を行う事ができる。また、調整台座20(台座本体21)は、螺子部材26によって3箇所でフランジ部12に固定されるので、簡便且つ確実な取付を行う事ができる。
また、調整台座20は、台座本体21に形成された丸長穴25によりフランジ部12に対する位置が回転可能である。また、調整台座20は、台座本体21に形成された長穴27に沿って構造物取付部材23が相対移動可能である。また、調整台座20は、構造物取付部材23に形成された長穴32に沿って構造物(ベースレール50)を取り付ける固定ボルト40を長穴27と直交する方向に移動可能である。また、フランジ部12の上面が施工面1に対して傾斜した場合であっても、スペーサ部材22を用いることで、調整台座20の固定ボルト40を施工面1に対して垂直状態に補正できる。すなわち、調整台座20は、フランジ部12(アンカー10の頭部)に対する構造物の取り付け位置を、XYZ方向の3方向とZ軸回りの1方向とにおいて調整することができる。よって、構造物の取付方向を4方向で調整することができる位置補正機能に優れたものとなる。
よって、図7(a)に示したように、X軸方向に沿ってベースレール50の施工作業を精度良く行う事ができる。
よって、図7(a)に示したように、X軸方向に沿ってベースレール50の施工作業を精度良く行う事ができる。
(第二実施形態)
続いて、第二実施形態に係る構造物保持装置について説明する。本実施形態と上記第一実施形態との違いは、調整台座の構造であり、それ以外の構成は共通である。そのため、以下では、調整台座の構成を主体に説明する。なお、上記構成と同一部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
続いて、第二実施形態に係る構造物保持装置について説明する。本実施形態と上記第一実施形態との違いは、調整台座の構造であり、それ以外の構成は共通である。そのため、以下では、調整台座の構成を主体に説明する。なお、上記構成と同一部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図8は、本実施形態に係る構造物保持装置200の分解斜視構成を示す図である。図8に示すように、本実施形態に係る構造物保持装置200は、台座本体121と、構造物取付部材123とを有する。台座本体121は、アンカー10のフランジ部12に取り付けられるものであって、該フランジ部12に対する面方向での取り付け位置が調整可能である。構造物取付部材123は、例えば、構造物の支柱を取り付けるためのものであり、台座本体21に対する取り付け位置が調整可能である。
台座本体121は、構造物取付部材123を保持する保持部分121aと、アンカー10のフランジ部12に取り付けられる取付面122を含む取付部分121bと、を有する。本実施形態において、台座本体121は、1枚の板状から形成されている。
台座本体121は、取付部分121bに複数(本実施形態においては、例えば、3つ)の丸長穴125が形成されている。丸長穴125は、台座本体121をアンカー10のフランジ部12に対して固定する際に螺子部材26を挿入する取付孔として用いられる。丸長穴125は、所定径の円周に沿うように形成されている。本実施形態において、丸長穴125が形成される円周の径と、フランジ部12上において貫通孔13が形成される円周の径とは同じである。これにより、台座本体121は、フランジ部12上に設置した状態でアンカー10の軸回りに回転させた場合であっても、丸長穴125の内部に貫通孔13の一部を臨ませることが可能である。
本実施形態においても、丸長穴125は、取付部分121bに等間隔で形成されるとともに、それぞれが同じ長さに設定されている。3つの丸長穴125は、フランジ部12上に台座本体121が配置された場合において、各第1貫通孔13aをそれぞれ内部に臨ませることが可能な長さに設定されている。
調整台座120は、台座本体121に形成された丸長穴125を介して螺子部材26を上方からフランジ部12に設けられた第1貫通孔13aの裏面側に溶接固定されたナット14に螺合させることでアンカー10に取り付け可能である。本実施形態においても、丸長穴125の寸法を、該丸長穴125が形成される円周を6分割した長さと同等若しくはこれよりも僅かに大きく設定している。これにより、本実施形態においても、台座本体121の取り付け位置を反転させることでフランジ部12における周方向の全域に丸長穴125による開口領域を対応させることができる。したがって、台座本体121は、施工面1に設置されたアンカー10のフランジ部12に対して360度の全方向に亘って取り付け位置が調整可能である。
保持部分121aは、矩形状の台座本体121の両端部に位置する部分である。保持部分121aには、該台座本体121における短辺方向に沿って長穴127が形成されている。すなわち、台座本体121は、保持部分121aに形成された一対の長穴127を有している。長穴127は、構造物取付部材123における台座本体121に対する取り付け位置を調整するためのものである。
構造物取付部材123は、台座本体121の取付部分121bに載置される載置部123aと、構造物の支柱が取り付けられる支柱取付部分123bとを有する。支柱取付部分123bは、矩形状の板部材の両端部をそれぞれ下方に折り曲げた略U字形状(略ハット形状)を呈している。すなわち、支柱取付部分123bは、平面形状が矩形状であり、且つ断面形状が略U字状となっている。載置部123aは、台座本体121の表面と平行に延びるように支柱取付部分123bの両端部にそれぞれ連結されている。
載置部123aは、平面視矩形状の部材であり、長辺方向における中央部に保持部分121aの長穴127に対応する貫通孔128が形成されている。構造物取付部材123は、貫通孔128及び長穴127を介してボルト29及びナット30が締結することで台座本体121(保持部分121a)に固定可能である。ボルト29は、下方から上方に向かうように貫通孔128及び長穴127に挿通されている。
ナット30と構造物取付部材123との間には、バネ座金51及び平座金52が設けられている。構造物取付部材123は、ナット30を緩めることで長穴27に沿ってボルト29が移動可能となって、台座本体121上を移動する事で該台座本体121に対する取り付け位置を調整することが可能である。なお、ボルト29としては、上記実施形態と同様に、例えば角根ボルトを用いるのが好ましい。このようにすれば、ボルト29が回転することなく、長穴127の壁面に沿ってスムーズに移動するようになる。
構造物取付部材123は、支柱取付部分123bに溝状の長穴(移動溝)124が3つ形成されている。各長穴124は、ベースレール50(図5参照)を構造物取付部材123に対して固定するための固定ボルト40を挿通させるためのものである。すなわち、本実施形態に係る構造物取付部材123は、ベースレール50を3箇所で固定することが可能であり、例えば、重量が大きいベースレール50であっても確実に保持する事が可能である。各長穴132は、構造物取付部材123が台座本体121上に設置された状態において、保持部分121aに形成された長穴127と直交方向に沿って形成されている。
本実施形態においても、固定ボルト40は、例えば角根ボルトから構成されるのが好ましい。これにより、固定ボルト40は、角型からなる基部が長穴124の内面に沿って回転することなくスムーズに移動することができる。固定ボルト40は、下方から上方に向かうように長穴132に挿通されている。固定ボルト40には、ベースレール50を固定するためのナット41が締結されている。ナット41と構造物取付部材123(支柱取付部分123b)との間には、バネ座金53及び平座金54が設けられている。これによれば、ナット41を緩めることで固定ボルト40が長穴124に沿って移動可能となるので、固定ボルト40によるベースレール50の取り付け位置を長穴124の長さ方向に沿って調整することが可能となる。
以上述べたように、本実施形態に係る構造物保持装置200においても、アンカー10の施工位置にズレが生じた場合であっても、調整台座120を機能させることで、第一実施形態と同様、固定ボルト40をX方向において所定のピッチで配置されるように調整することができる(図7参照)。また、調整台座120(台座本体121)は、フランジ部12の裏面側にナット14が溶接固定されているため、フランジ部12の上方側から螺子部材26をナット14に螺合させることでフランジ部12に調整台座120(台座本体121)を取り付けることができる。よって、アンカー10と調整台座120(台座本体121)との締結を上側からの作業のみで行う事ができることから作業効率の低下が抑制され、工期短縮を図ることができる。また、螺子部材26及びナット14の螺合作業を片手で行う事が可能となる。そのため、膝をかがめる程度の体勢で作業を行う事ができる。また、調整台座120(台座本体121)は、螺子部材26によって3箇所でフランジ部12に固定されるので、簡便且つ確実な取付を行う事ができる。
また、調整台座120は、台座本体121に形成された丸長穴125によりフランジ部12に対する位置が回転可能である。また、調整台座120は、台座本体121に形成された長穴127に沿って構造物取付部材123が相対移動可能である。また、調整台座120は、構造物取付部材123に形成された長穴124に沿って構造物(ベースレール50)を取り付ける固定ボルト40を長穴127と直交する方向に移動可能である。また、フランジ部12の上面が施工面1に対して傾斜した場合であっても、スペーサ部材22を用いることで、調整台座120の固定ボルト40を施工面1に対して垂直状態に補正できる(図7参照)。すなわち、調整台座120は、フランジ部12(アンカー10の頭部)に対する構造物の取り付け位置を、XYZ方向の3方向とZ軸回りの1方向とにおいて調整することができる。よって、構造物の取付方向を4方向で調整することができる位置補正機能に優れたものとなる。
なお、第二実施形態では、一対の長穴127が台座本体121に形成され、貫通孔128が構造物取付部材123側に形成されることで台座本体121及び構造物取付部材が相対移動可能な構成を例に挙げたが、本発明は、これに限定されない。例えば、一対の長穴が構造物取付部材123側に形成され、貫通孔が台座本体121側に形成された構成としても良い。このように一対の長穴を構造物取付部材123側に場合において、ボルト29を台座本体121側に固定(例えば、溶接固定)するようにしても良い。これによれば、ボルト29が台座本体121側に固定されるので、ボルト29に対して上側からナット30を締めることで台座本体121及び構造物取付部材123の固定作業を容易に行う事が可能となる。
以上、発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、発明の内容は上記実施形態に限定されることは無く、発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、地中に貫入される基礎杭としてアンカー10を例示したが、アンカー10の構成はこれに限定されない。図9は、アンカー10の変形例に係る構成を示す平面図である。図9(a)に示すように、アンカー10Aは、貫通孔13が3つの第1貫通孔13aのみから構成されていても良い。あるいは、図9(b)に示すように、アンカー10Bは、フランジ部12の中央に貫通孔15が形成されていなくても良い。あるいは、図9(c)に示すように、アンカー10Cでは、全ての貫通孔13にナット14が溶接固定されていても良い。すなわち、貫通孔13が6つの第1貫通孔13aのみから構成されていても良い。あるいは、貫通孔13の裏面側にナット14を溶接固定する構成に代えて、図9(d)に示すように、アンカー10Dでは、6つの貫通孔13について1個おきに孔内に螺子部材26に螺合可能な雌螺子26aを形成するようにしても良い。
例えば、上記実施形態においては、地中に貫入される基礎杭としてアンカー10を例示したが、アンカー10の構成はこれに限定されない。図9は、アンカー10の変形例に係る構成を示す平面図である。図9(a)に示すように、アンカー10Aは、貫通孔13が3つの第1貫通孔13aのみから構成されていても良い。あるいは、図9(b)に示すように、アンカー10Bは、フランジ部12の中央に貫通孔15が形成されていなくても良い。あるいは、図9(c)に示すように、アンカー10Cでは、全ての貫通孔13にナット14が溶接固定されていても良い。すなわち、貫通孔13が6つの第1貫通孔13aのみから構成されていても良い。あるいは、貫通孔13の裏面側にナット14を溶接固定する構成に代えて、図9(d)に示すように、アンカー10Dでは、6つの貫通孔13について1個おきに孔内に螺子部材26に螺合可能な雌螺子26aを形成するようにしても良い。
また、上記実施形態ではアンカー10がフランジ部12を有していたが、フランジ部12を有しない形状であっても良い。この場合、本体部11の上部がアンカー頭部を構成し、該アンカー頭部に貫通孔13が形成されることとなる。
1…施工面、10、10A、10B…アンカー(基礎杭)、12…フランジ部(杭頭)、14…ナット、20、120…調整台座、21、121…台座本体、22…スペーサ部材、23…構造物取付部材、25、125…丸長穴、26…螺子部材、27…長穴(一対の長穴)、32…長穴(移動溝)、33…脱落防止プレート、40…固定ボルト、40a…頭部(ボルト頭部)、50…ベースレール(構造物)、100、200…構造物保持装置
Claims (8)
- 施工面に貫入された基礎杭の杭頭に対する構造物の取り付け位置を調整するために用いられる調整台座において、
前記杭頭に対する面方向での取り付け位置を調整可能な台座本体と、
前記台座本体に対する取り付け位置が調整可能とされ、前記構造物が取り付けられる構造物取付部材と、
前記構造物取付部材に形成され、前記構造物を固定するための固定ボルトを移動可能とする移動溝と、
前記台座本体と前記構造物取付部材とを相対移動可能とし、前記台座本体又は前記構造物取付部材のいずれか一方に形成される一対の長穴と、を備え、
前記台座本体は、前記基礎杭に取り付けられる取付部分と、前記取付部分の両端部に連結されて前記構造物取付部材を相対移動可能に保持する保持部分と、を含み、
前記取付部分には、前記杭頭に対する取付面に前記基礎杭の軸回りに沿って形成され、前記基礎杭に対する取付穴を構成する丸長穴が形成されており、
前記移動溝は、前記構造物取付部材が前記台座本体上に設置された状態において、前記一対の長穴と直交する方向に沿って延びることを特徴とする調整台座。 - 前記構造物取付部材と前記台座本体との間に一部が挟持されて前記固定ボルトの脱落を防止する脱落防止プレートを備え、
前記固定ボルトは、前記移動溝に下方から上方に向かって挿通されるとともに、ボルト頭部が前記脱落防止プレートに支持される
ことを特徴とする請求項1に記載の調整台座。 - 前記台座本体は、前記丸長穴を3つ有し、
3つの前記丸長穴は、前記取付面に等間隔で形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の調整台座。 - 前記固定ボルトは、角根ボルトから構成される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の調整台座。 - 構造物を保持する構造物保持装置において、
前記構造物を施工する施工面に貫入される基礎杭と、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の調整台座と、
前記杭頭の上面に対する前記台座本体の取り付け角度を調整する角度調整部材と、を備え、
前記調整台座は、前記取付穴を介して取付螺子を上方から前記杭頭に設けられた螺子部に螺合させることで前記基礎杭に取り付けられている
ことを特徴とする構造物保持装置。 - 前記角度調整部材が前記杭頭と前記台座本体との間に着脱可能なスペーサ部材である
ことを特徴とする請求項5に記載の構造物保持装置。 - 前記基礎杭は、杭頭がフランジ部から構成されたアンカーであり、
前記フランジ部は、平面視円形状からなり、周方向に沿って複数の貫通孔が等間隔で形成され、複数の前記貫通孔の裏面側には前記螺子部を含むナットが1個おきに溶接固定されている
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の構造物保持装置。 - 前記フランジ部は、前記貫通孔が6つ形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の構造物保持装置。
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Cited By (2)
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WO2017170671A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 日鐵住金建材株式会社 | 杭基礎構造 |
CN116290059A (zh) * | 2023-01-04 | 2023-06-23 | 江苏海洋大学 | 一种预制装配式超高性能混凝土螺旋桩承台及施工工艺 |
-
2013
- 2013-06-13 JP JP2013124837A patent/JP2015001064A/ja active Pending
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CN108463594A (zh) * | 2016-03-30 | 2018-08-28 | 日铁住金建材株式会社 | 地基结构 |
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