JP2015000747A - 咬合具付き包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 雄部材と雌部材とからなる咬合具が、包装袋の開口部に沿って装着された咬合具付き包装袋であって、雄部材は帯状の第一基部と、帯状の雄型咬合部を備えており、雌部材は帯状の第二基部と、帯状の雌型咬合部を備えており、雄型咬合部および雌型咬合部が少なくとも高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して無機充填物1〜30重量部を含む樹脂組成物からなり、第一基部および第二基部がポリオレフィン樹脂からなり、雄部材は第一基部と雄型咬合部が一体成形され、雌部材は第二基部と雌型咬合部が一体成形された未延伸の形状保持性を有する部材であり、積層体は厚さ1μm以上の金属箔層が積層されていないことを特徴とする咬合具付き包装袋である。
【選択図】 図1
Description
そこで、積層材料からなり、パウチ本体部の一辺に未シール部を有するパウチの片側外面又は両側外面の未シール部に近接する位置に、形状保持性プラスチック線材を未シール部と平行に粘着層によって接着したパウチが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材とシーラント層を少なくとも有する表面材および裏面材の2枚の積層体からなる自立袋であって、開封予定線に沿って切り取ることにより形成される開口部の開封予定線に平行し、表裏面材のシーラント層に多層構造の延伸した形状保持性プラスチック線材をそれぞれのシーラント層との熱融着により配置した包装袋も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなり雄部材及び/又は雌部材と形状保持部材が熱融着され一体化された熱可塑性樹脂製の咬合具が包装袋の開口部の内面に融着された咬合具付き包装袋も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、雄部材は帯状の第一基部と、第一基部の一方の面上に突出して第一基部と連続して設けられた帯状の雄型咬合部を備えており、雌部材は帯状の第二基部と、第二基部の一方の面上に突出して第二基部と連続して設けられた帯状の雌型咬合部を備えており、雄型咬合部および雌型咬合部が少なくとも高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して無機充填物1〜30重量部を含む樹脂組成物からなり、第一基部および第二基部がポリオレフィン樹脂からなり、雄部材は第一基部と雄型咬合部が一体成形された未延伸の形状保持性を有する部材であり、雌部材は第二基部と雌型咬合部が一体成形された形状保持性を有する部材である構成とすることにより、咬合具(チャック)と形状保持材の2部品を必要とする従来の包装袋に比べ、コスト低減が図れ、加えて2部材を包装袋に取り付ける従来の製造工程に比べ、簡素化が図れ、生産性に優れる。
また、雄部材および雌部材は未延伸の形状保持性を有する部材であるので、包装袋の製造の際、咬合具がガイドロールに擦れてもひげ状物が発生することがない。
さらに、積層体は厚さ1μm以上の金属箔層が積層されていない構成とすることにより、包装袋をゴミとして焼却処理しても、包装袋の積層体の総重量に対して金属箔成分が占める割合が僅かであり、焼却炉を傷めることがない。
図1は本発明に係る咬合具付き包装袋の一実施形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)はA−A線断面図、図2は 図1(ロ)の円内に相当する部分の咬合具が咬合した状態を示す拡大断面図、図3は本発明に係る咬合具付き包装袋の咬合具を説明する説明図、図4は本発明に係る咬合具付き包装袋の開口した状態を示す部分斜視図、図5は本発明に係る咬合具付き包装袋のその他の実施形態を示す正面図であり、図中の1、1’は咬合具付き包装袋、2は前面胴材、3は背面胴材、4は底材、5は咬合具、6は側端シール部、7は下端シール部、8は未シール部、9は上端シール部形成予定部、10は雄部材、11は帯状の第一基部、12は帯状の雄型咬合部、20は雌部材、21は帯状の第二基部、22は帯状の雌型咬合部、30は積層体、31は基材層、32は中間層、33は熱接着性樹脂層、40は切欠き孔、Nはノッチ、Oは開口部、aは雄部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の第一基部の長さ、bは雄部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の雄型咬合部の長さ、cは雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の第二基部の長さ、dは雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の雌型咬合部の長さ、eは咬合具と平行方向の未シール部の長さ、fは開口部の長さをそれぞれ示す。
このような構成とすることにより、従来の咬合具(チャック)と形状保持材の2部品を必要とする包装袋に比べ、コスト低減が図れ、加えて2部品を包装袋に取り付ける従来の製造工程に比べ、簡素化が図れる。また、咬合具5の雄部材10および雌部材20は未延伸であり、従来の形状保持性の咬合具のように延伸されることなく、未延伸の形状保持性を有する部材とされているので、包装袋の製造の際、従来の延伸された部材の咬合具と比べ、咬合具5がガイドロールに擦れてもひげ状物が発生することがないという効果が得られる。
また、図3に示すように、雌部材20の帯状に伸びる方向と直交する方向において第二基部の長さcが雌型咬合部の長さdの2倍〜5倍(c/d)であることが好ましい。第二基部の長さcと雌型咬合部の長さdの比(c/d)が2倍未満であると咬合具5を積層体30に熱接着しにくく、5倍を超えると十分な形状保持性が得られなくなる。なお、雄部材10の帯状に伸びる方向と直交する方向において第一基部の長さaが雄型咬合部の長さbの比(a/b)は第二基部の長さcと雌型咬合部の長さdの比(c/d)より少し小さいものとなるが形状保持性への影響は無視できる程度であり、第二基部の長さcと雌型咬合部の長さdの比(c/d)を咬合具の咬合部の比として表すこととした。
図2に示すように前面胴材2、背面胴材3の積層体30は基材層31、中間層32、熱接着性樹脂層33がドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層されてなる。基材層31としては、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を用いたフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向ないし二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができ、フィルムの厚さとしては基材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決めればよい。通常、当該合成樹脂製フィルムに印刷が施されることが多く、印刷適性が求められるために、一軸方向ないし二軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。また、合成樹脂製フィルムにポリビニルアルコール、塩化ビニリデン等のバリア材がコートされたフィルム及び酸化珪素、酸化アルミ等の無機物が蒸着されたフィルムも使用される。
本発明で重要なことは、積層体30は厚さ1μm以上の金属箔層が積層されていないことを特徴とするものであり、従来の金属箔層を備えた包装袋は金属箔層の有する形状保持性により、開口部の形状保持は達成されるが、使用後の廃棄物としての焼却の問題を有するものであり、これに対し、本発明は金属箔層を使用することなく、厚さ1μm未満の例えば、アルミニウム等の蒸着層とすることにより、廃棄物の焼却の問題を生じることがない。
ただし、図1に示すように開口部Oにおいて咬合具5と平行方向の未シール部の長さeが40mm以上で220mm以下であることが好ましい。220mmを超えると包装袋の開口部を屈曲変形させ開口した状態から元の状態に戻ろうとする力が咬合具の形状保持しようとする力を上回り開口部の形状保持性が劣る。
雄型咬合部に高密度ポリエチレン樹脂にタルクを含む樹脂組成物を用い、第一基部にポリオレフィン樹脂を用い、所定の雄型用金型を用いて共押出し成形して一体化し、冷却し雄部材10を作製した。同様に雌型咬合部に高密度ポリエチレン樹脂にタルクを含む樹脂組成物を用い、第二基部にポリオレフィン樹脂を用い、所定の雌型用金型を用いて共押出し成形して一体化し、冷却し雌部材20を作製した。冷却後、雌部材20の雌型咬合部22と、雄部材10の雄型咬合部12とを咬合させて、帯状の咬合具を巻取状にして作製した。雄型咬合部および雌型咬合部の樹脂組成物としては、高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対する無機充填物としてのタルクの含有量を0重量部、1重量部、3重量部、30重量部としたものをそれぞれ用いた。なお、高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対してタルクの含有量を35重量部とした樹脂組成物についても咬合具を作製したが、押出し適性が悪く作製を断念した。
また、咬合具の断面積については、雄部材および雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の断面積を合計した断面積に対して、雄型咬合部と雌型咬合部の帯状に伸びる方向と直交する方向の断面積を合計した断面積が占める割合(以下、断面積比という。)を25%、35%とし、それぞれ作製した。なお、前記断面積が占める割合25%については基部(フランジ)の幅を7mmとし、雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向において第二基部の長さが雌型咬合部の長さの4倍とした。以下、雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向において第二基部の長さが雌型咬合部の長さに対する比率を基部/咬合部比という。前記断面積が占める割合35%については基部(フランジ)の幅を13mmとし、基部/咬合部比を8倍とした。
つぎに、基材層31として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、中間層32として厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(VMPET)を使用し、熱接着性樹脂層33として厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)を使用し、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法(DL)により積層し、PET12μm/DL/VMPET12μm/DL/LLDPE40μmなる構成の積層体Aを作製した。
また、基材層31として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、中間層32として厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ON)を使用し、熱接着性樹脂層33として厚さ70μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)を使用し、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法(DL)により積層し、PET12μm/DL/ON15μm/DL/CPP70μmなる構成の積層体Bを作製した。上記積層体A、Bについて、下記の方法によりループスティフネス値を測定し積層体の腰強度とした。結果は表1に示す。
(ループスティフネス測定方法)
積層体を幅15mm、長さ120mmのMD方向を長辺とする短冊に切り取り供試サンプルとし、ループスティフネステスタ(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、温度23℃、湿度50%の条件下でループ周長100mmとしてのMD方向のループスティフネス値を測定した。
2 前面胴材
3 背面胴材
4 底材
5 咬合具
6 側端シール部
7 下端シール部
8 未シール部
9 上端シール部形成予定部
10 雄部材
11 帯状の第一基部
12 帯状の雄型咬合部
20 雌部材
21 帯状の第二基部
22 帯状の雌型咬合部
30 積層体
31 基材層
32 中間層
33 熱接着性樹脂層
40 切欠き孔
N ノッチ
O 開口部
a 雄部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の第一基部の長さ
b 雄部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の雄型咬合部の長さ
c 雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の第二基部の長さ
d 雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の雌型咬合部の長さ
e 咬合具と平行方向の未シール部の長さ
f 開口部の長さ
Claims (6)
- 相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具が、積層体からなる包装袋の一辺に設けられた開口部の内面に開口部に沿って装着された咬合具付き包装袋であって、
前記雄部材は帯状の第一基部と、前記第一基部の一方の面上に突出して前記第一基部と連続して設けられた帯状の雄型咬合部を備えており、
前記雌部材は帯状の第二基部と、前記第二基部の一方の面上に突出して前記第二基部と連続して設けられた帯状の雌型咬合部を備えており、
前記雄型咬合部および前記雌型咬合部が少なくとも高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して無機充填物1〜30重量部を含む樹脂組成物からなり、前記第一基部および前記第二基部がポリオレフィン樹脂からなり、
前記雄部材は前記第一基部と前記雄型咬合部が一体成形された未延伸の形状保持性を有する部材であり、
前記雌部材は前記第二基部と前記雌型咬合部が一体成形された未延伸の形状保持性を有する部材であり、
前記積層体は厚さ1μm以上の金属箔層が積層されていないことを特徴とする咬合具付き包装袋。 - 前記無機充填物が、タルク、造核剤、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムおよびこれらの混合物からなる群より選ばれたことを特徴とする請求項1に記載の咬合具付き包装袋。
- 前記雄部材および前記雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向の断面積を合計した断面積に対して、前記雄型咬合部と前記雌型咬合部の帯状に伸びる方向と直交する方向の断面積を合計した断面積が占める割合が35%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の咬合具付き包装袋。
- 前記雌部材の帯状に伸びる方向と直交する方向において前記第二基部の長さが前記雌型咬合部の長さの2倍〜5倍であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の咬合具付き包装袋。
- 前記積層体のループスティフネスが0.1N(ニュートン)/15mm以下であり、前記開口部において前記咬合具と平行方向の未シール部の長さが220mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の咬合具付き包装袋。
- 前記包装袋が、前記開口部に沿って装着された前記咬合具と交差する両端に側端シール部を備えてなり、前記咬合具は前記側端シール部の両外縁まで伸びており、前記咬合具の前記雄部材および前記雌部材の前記側端シール部と交差する部分に前記雄部材および前記雌部材のそれぞれに切欠き孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の咬合具付き包装袋。
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