JP2015000422A - 重ね溶接部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板の成形品に溶接を行った場合でも、衝突時にこの成形品が、スポット溶接部のHAZ最軟化部において低ひずみで破断することを防止する。【解決手段】少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材2と、他の鋼板またはその成形体であって第1の構成部材2に重ねられて溶接された第2の構造部材3とを備える重ね溶接部材1である。重ね溶接部材1は、例えばスポット溶接により形成された1つ以上のナゲット6と、ナゲット6の一部または全部を囲むように第1の構成部材2側に設けられた軟化領域7とを有し、軟化領域7は、スポット溶接を行った場合に形成されるHAZ最軟化部が形成される範囲を含むとともに高強度鋼板2の端面2bを除いた範囲に形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板またはその成形体が2枚以上重ね合わされて溶接された重ね溶接部材およびその製造方法に関する。
衝突安全性の向上と燃費の向上とを両立するため、自動車車体を構成するモノコックボディの骨格をなす構造部材(以下、「自動車用構造部材」という)への高強度鋼板の適用が拡大している。現在、自動車用構造部材には引張強度が980MPa級の高張力鋼板が用いられており、さらに、最近は引張強度が1180MPa級以上の高張力鋼板の適用も検討されている。また、プレス成形と同時に焼入れを行うホットスタンプ法を用いることにより引張強度が1500MPa以上の高強度の自動車用構造部材の製造も進められている。ホットスタンプ法によれば、鋼板が高温の軟質な状態でプレス成形を行うために成形後の寸法精度に関する問題の発生が少ないとともに、高温かつ高延性の状態でプレス成形を行うことができることから成形性に優れるという大きなメリットがある。
自動車用構造部材は、これら鋼板の成形品を一般的にはスポット溶接により他の成形品と溶接することにより構築される。しかし、1180MPa以上の高張力鋼板やホットスタンプ鋼板などの高強度鋼板の母材は、焼入れにより強化されているため、スポット溶接を行うとスポット溶接部の熱影響部(HAZ)が焼き戻しを受け、母材より軟化する。HAZの軟化(以下、「HAZ軟化」ともいう)は、980MPa鋼板でも認められるが、特に水冷機能を有する連続焼鈍設備(WQ−CAL)でマルテンサイト組織とされた1180MPa以上の高張力鋼板やホットスタンプ鋼板のスポット溶接部のHAZにおいて著しい。例えば、1180MPa級の冷延鋼板では母材の硬度はビッカース硬さHv370から420程度であるのに対し、HAZの最軟化部の硬度はHv300程度にまで低下する。
図11は、高強度鋼板からなる部材(1500MPa級のホットスタンプ鋼板部材)のスポット溶接部の硬さ分布の一例を示すグラフである。
図11のグラフに示すように、1500MPa級のホットスタンプ材の場合には、母材はビッカース硬さHv450程度であるが、HAZの最軟化部はHv300程度となり、HAZの最軟化部は母材よりもHv150程度低下する。
図12は、図11に示すスポット溶接部の硬さ分布を有するホットスタンプ鋼板部材が、HAZ最軟化部を起点として破断した状況を示す説明図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は断面図である。
このようなHAZ軟化は、スポット溶接の継手評価である、引張せん断試験、および十字引張試験の結果には影響しないものの、スポット溶接部を含んだホットスタンプの部品のフランジ部全体に引張荷重が負荷されると、図12(a)および図12(b)に示すように、HAZ軟化部に局所的にひずみが集中し、破断することがある。このように、1180MPa以上の鋼板のプレス成形品におけるスポット溶接部のHAZ軟化は、衝突時にプレス成形品の破断の起点となることがある。
例えばAピラー,Bピラー,ルーフレール,サイドシルといった、閉じた横断面を有するとともにこの横断面を成すためにスポット溶接されるフランジを備える自動車車体の筒状の構造部材は、自動車の衝突時にその部材が破断することなく塑性変形することにより、キャビン内の乗客を保護することを求められる。しかしながら、厳しい衝突モードの場合、例えば、米国道路安全保険協会(IIHS)のSUV側面衝突試験の場合、高強度鋼板を用いたBピラーリンフォースは、Bピラーのフランジのスポット溶接部のHAZ軟化部にひずみが集中して破断起点となってBピラー材が衝突中に破断し、キャビン内へのBピラーの侵入量が大きくなり、目標とする衝突性能を得られなくなることがある。また、Euro NCAPのポール側突試験の場合、ルーフレールのフランジのスポット溶接部のHAZ軟化部にひずみが集中して破断起点となってルーフレールが破断しキャビン内へのBピラーの侵入量が大きくなり、目標とする衝突性能を得られなくなることがある。
このため、これら1180MPa以上の高強度鋼板の自動車車体への適用では、自動車用構造部材におけるフランジに形成されたスポット溶接部のHAZ最軟化部が衝突により破断起点とならないことが求められる。
非特許文献1には、ホットスタンプ成形されるルーフレールにおける衝突による破断の危険がある部分を、ホットスタンプ成形時に行う熱処理によって母材の強度を低下することによって、スポット溶接を行われてもHAZ軟化を生じず、HAZ軟化部を起点とする自動車用構造部材の破断を防止する方法が開示されている。
非特許文献2には、ホットスタンプ成形品であるBピラーのフランジ部を高周波加熱による焼戻しによって母材の強度を低下させ、スポット溶接を行われてもHAZ軟化が生じず、HAZ軟化部を起点とする自動車用構造部材の破断を防止する方法が開示されている。
Tailored Properties for Press-hardened body parts Dr.Camilla Wastlund, Automotive Circle International, Insight edition 2011 Ultra-high strength steels in car body lightweight design-current challenges and future potential Tempering of hot-formed steel using induction heating(http://publications.lib.chalmers.se/publication/144308)
非特許文献1により開示されるようにルーフレールからAピラーまで一体化された部品でルーフレールの部位を広い範囲で強度を調整する方法では、ルーフレールの比較的広い範囲に低強度部が不可避的に形成されることになり、ホットスタンプ成形部品の高い強度が得られるというメリットを充分に享受することができず、軽量化の効果も限定的なものとなる。加えて、この方法では、焼入れ領域と未焼き入れ領域の間に不可避的に形成される比較的広い遷移領域において、強度特性がばらつき易く、自動車用構造部材の衝突性能にばらつきを生じる恐れがある。
非特許文献2により開示されるように、ホットスタンプ成形後に、Bピラーのフランジを広範囲にわたり高周波加熱により焼き戻し軟化させる方法は、広範囲な焼き戻しで発生する熱ひずみによってBピラーが変形し、Bピラーの寸法精度が低下する恐れがある。Bピラーのみならず、Aピラー,ルーフレールといったドアー開口部周りに配置される自動車用構造部材には、車体の建て付け精度を確保するために高い寸法精度が要求され、例えばドアーパネルとの間の隙間(パーティング)がドアーパネルの全周において均一になることが要求される。このため、ドアー開口部周りに配置される自動車用構造部材の寸法精度の低下は、自動車の外観品質を著しく損なう。また、フランジを広範囲に焼き戻すことにより自動車用構造部材の強度が低下し、ホットスタンプ材の高強度な特性を享受できなくなる問題がある。
また、自動車車体の設計段階において、Bピラーなどの自動車用構造部材の構造を、Bピラーのフランジのスポット溶接部のHAZ軟化部が、衝突時に破断するひずみに達することがないように、設計を変更することも考えられる。しかしながら、この方法では、自動車用構造部材へのレインフォースメントの追加,自動車用構造部材の板厚の増加等を行う必要が生じ、部品点数や板厚の増加による自動車車体のコスト上昇や自動車車体の重量増加が避けられない。
以上の説明では、自動車車体の組立に多用されるスポット溶接を例にとったが、レーザ溶接やアーク溶接といったスポット溶接以外の他の溶接においても事情は同じである。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板の成形品に溶接を行った場合でも、衝突時にこの成形品が、溶接部のHAZ軟化部において低ひずみで破断することを防止できる高強度鋼板の重ね溶接構造および重ね溶接構造と自動車用構造部材を提供することを目的とする。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、
この重ね溶接部材は、
溶接により、この部材の長手方向に沿って形成された1つ以上の溶接金属と、
1つ以上の溶接金属の一部または全部において、溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部を含むように少なくとも第1の構成部材側に設けられた軟化領域とを有し、
軟化領域は第1の構成部材の長手方向に沿った端面を除いた範囲に設けられていること
を特徴とする重ね溶接部材。
(2)第1の構成部材または第2の構成部材と重ね合わされて溶接された鋼板またはその成形体である第3の構成部材を備える(1)項に記載された重ね溶接部材。
(3)軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、軟化領域およびHAZ軟化部を除く第1の構成部材のビッカース硬さをB(Hv)とするとともにHAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、下記(1)式および(2)式を満足する(1)項または(2)項に記載された重ね溶接部材。
A≦C+50 ・・・・・(1)
B−300≦A ・・・・・(2)
(4)軟化領域は、長手方向について溶接金属の端から4.0mm以上離れた位置まで、かつ長手方向と直交する方向について溶接金属の長手方向と直交する方向の最大寸法の3倍以下の範囲に形成されている(1)項から(3)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
(5)軟化領域は焼戻し組織により形成される(1)項から(4)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
(6)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と他の鋼板またはその成形体である第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する重ね溶接部材の製造方法であって、
第1の構成部材に、長手方向に沿った端面を除いた範囲に長手方向に沿って少なくとも1つの軟化領域を設ける第1の工程と、
軟化領域を形成された第1の構成部材と第2の構成部材とを重ね合わせ、軟化領域の内側で溶接する第2の工程とを備えること
を特徴とする重ね溶接部材の製造方法。
(7)第2の工程において、第1の構成部材と、第2の構成部材と、これらとは他の鋼板またはその成形体である第3の構成部材とを重ね合わせて溶接する(6)項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
(8)軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、軟化領域およびHAZ軟化部を除く高強度鋼板のビッカース硬さB(Hv)とするとともにHAZ軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、下記(1)式および(2)式を満足する(6)項または(7)項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
A≦C+50 ・・・・・(1)
B−300≦A ・・・・・(2)
(9)軟化領域は、長手方向について溶接金属の端から4.0mm以上離れた位置まで、かつ長手方向と直交する方向について溶接金属の長手方向と直交する方向の最大寸法の3倍以下の範囲に形成される(6)項から(8)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
(10)軟化領域は焼戻しにより形成される(6)項から(9)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
本発明により、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板の成形品の組立てに溶接を用いた場合でも、衝突時に溶接部のHAZ軟化部が低ひずみで破断することを抑制できるようになる。これにより、例えば衝突時の乗員保護性能に優れ、高強度で形状精度の高い自動車用構造部材を提供できる。
図1(a),図1(b)は、Bピラーに本発明に係る重ね溶接部材を適用した状況を示す説明図であり、図1(a)はBピラーをサイドパネルアウタ側から透視したBピラーリンフォースの斜視図であり、図1(b)はBピラーの横断面図である。 図2(a),図2(b)は、ルーフレールに本発明に係る第1〜3の重ね溶接部材を適用した状況であって、図2(a)はルーフレールをルーフレールインナ側から透視したルーフレールアウタリンフォースの斜視図であり、図2(b)はルーフレールのB−B断面図である。 図3(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材に接合される第1の構成部材のフランジの近傍の一例を模式的に示す説明図であり、図3(b)および図3(c)は、スポット溶接部および軟化領域の近傍における断面の硬さ分布の一例を示すグラフである。 図4(a)は、本発明の効果を示すグラフであり、1500MPa級のホットスタンプ材に440MPa級冷延鋼板がスポット溶接された部材のフランジを模擬した引張試験片に引張荷重を与えた場合の応力−伸び線図であり、図4(b)は、比較例の引張試験片を示す説明図であり、図4(c)は本発明例の引張試験片を示す説明図である。 図5(a)〜図5(d)は、高強度鋼板である第1の構成部材におけるスポット溶接部と軟化領域の関係を概念的に示す説明図である。 図6(a)は、低強度鋼板の成形品である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板(1500MPa級ホットスタンプ鋼板)の成形品である第1の構成部材におけるC字状レーザ溶接部と軟化領域との関係を概念的に示す説明図であり、図6(b)は、図6(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図7(a)は、低強度鋼板の成形品である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板(1500MPa級ホットスタンプ鋼板)の成形品である第1の構成部材におけるリング状レーザ溶接部と軟化領域との関係を概念的に示す説明図であり、図7(b)は、図7(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図8(a)は、低強度鋼板の成形品である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板(1500MPa級ホットスタンプ鋼板)の成形品である第1の構成部材における円状レーザ溶接部と軟化領域との関係を概念的に示す説明図であり、図8(b)は、図8(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図9(a)は、低強度鋼板の成形品である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板(1500MPa級ホットスタンプ鋼板)の成形品である第1の構成部材における円状アーク溶接部と軟化領域との関係を概念的に示す説明図であり、図9(b)は、図9(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図10は、本実施例で用いた試験片の形状を示す説明図である。 図11は、高強度鋼板からなる部材(1500MPa級のホットスタンプ鋼板部材)のスポット溶接部の硬さ分布の一例を示すグラフである。 図12は、図11に示すスポット溶接部の硬さ分布を有するホットスタンプ鋼板部材が、HAZ最軟化部を起点として破断した状況を示す説明図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は断面図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。本発明は、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板を少なくとも1枚含む2枚以上の鋼板の重ね合わせ部を溶接する高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法に関するので、これらを順次説明する。なお、以降の説明では、溶接がスポット溶接である場合を例にとる。
1.重ね溶接部材1
本発明に係る重ね溶接部材1について、まず、図1(a)、図1(b)に示されるBピラーの例を参照しながら、順次説明する。
図1(a),図1(b)は、Bピラー1に本発明に係る重ね溶接部材1を適用した状況を示し、図1(a)はBピラー1をサイドパネルアウタ3側から透視したBピラーリンフォース2の斜視図であり、図1(b)はBピラー1の横断面図である。
本発明の重ね溶接部材1は、少なくとも,第1の構成部材2と第2の構成部材3とを備える。重ね溶接部材1を構成する鋼板の重ね枚数は2枚もしくは3枚である。3枚重ねの場合は、第1の構成部材2および第2の構成部材3に加え、さらにこれらに重ね合わされて溶接される第3の構成部材4を備える。
第1の構成部材2は、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体(以下、成形体の場合も含めて、「鋼板」と称する。)であり、1500MPa級ホットスタンプ鋼板であることが例示される。第1の構成部材2を構成する鋼板は、連続焼鈍設備でマルテンサイトを含む焼入れ組織とした高張力鋼板や、ホットスタンプ用の鋼板をオーステナイト温度以上に加熱し、水冷金型で成形しながら焼入れることにより強度を高めたホットスタンプ鋼板が例示される。
Bピラー1に本発明に係る重ね溶接部材1を適用する場合には、図1(b)に示すように、第2の構成部材3は、Bピラーインナパネルであり、440MPa級鋼板であることが例示されるとともに、第3の構成部材4は、サイドパネルアウタであり、270MPa級鋼板であることが例示される。
2枚重ね構造であれば、第2の構成部材3と第1の構成部材2とが重ね合わされてスポット溶接される。図1(b)に示すように3枚重ね構造であれば、第2の構成部材3および第3の構成部材4は、第1の構成部材2に重ねられてスポット溶接される。
なお、図1(b)に示すBピラー1では、第1の構成部材であるBピラーリンフォース2の内側に、第4の構成部材5としてヒンジリンフォースが部分的にさらに重ね合わされて、互いの溝底部で2枚重ね溶接されている。第4の構成部材5としては、980MPa級鋼板であることが例示される。
このように、重ね溶接部材1は、第1の構成部材2および第2の構成部材3が(3枚重ね構造の場合はさらに第3の構造部材4が)部分的に重ね合わされ、重ね合わせ部がスポット溶接されることにより、組み立てられた構造を有している。
重ね溶接部材1において、第1の構成部材2は、スポット溶接により形成された一つ以上のナゲット6と、ナゲット6のうちの全部または一部を取り囲むように形成された軟化領域7とを備える。軟化領域7は、ナゲット6およびその周囲に形成されたHAZ軟化部を取り囲むとともに、第1の構成部材2の長手方向に沿った端面2bを除いた範囲に設けられている。
スポット溶接部であるナゲット6の破断は、重ね溶接部材1であるBピラーの強度を主として担う第1の構成部材2がマルテンサイト組織の割合が多い引張強度が高い鋼板であるほど発生し易い傾向にある。したがって、第1の構成部材2が例えばホットスタンプ等により1500MPa級以上の引張強度を有する場合に、本発明は特に大きな効果を発揮する。第1の構成部材2を構成する鋼板の引張強度の上限には特に制限はないが、2000MPaとすることが望ましい。
第1の構成部材2,第2の構成部材3および第3の構成部材4を構成する鋼板の板厚の範囲も、通常の自動車強度部材用途に使用される、0.6〜2.6mm程度では十分適用可能である。
例えば、本発明をBピラー1に適用する場合は、上述のように、サイドパネルアウタ(第3の構成部材)として板厚0.7mmの270MPa級合金化溶融亜鉛めっき鋼板と、Bピラーリンフォース(第1の構成部材)として板厚1.8mmの1500MPa級ホットスタンプ鋼板もしくは板厚1.6mmの1800MPa級ホットスタンプ鋼板と、Bピラーインナ(第2の構成部材3)として板厚1.2mmの440MPa級冷延鋼板との3枚重ね構造であることが例示される。
また、本発明をルーフレールに適用する場合は、サイドパネルアウタとして板厚0.7mmの270MPa級合金化溶融亜鉛めっき鋼板と、ルーフレールアウタリンフォースとして板厚1.2mmの1500MPa級ホットスタンプ鋼板と、ルーフレールインナとして板厚1.4mmの590MPa級冷延鋼板との3枚重ね構造であることが例示される。
さらに、本発明をバンパーリンフォースに適用する場合は、リンフォースアウタ(第1の構成部材)として板厚1.4mmの1800MPa級ホットスタンプ鋼板と、リンフォースインナ(第2の構成部材)として板厚1.4mmの590MPa級冷延鋼板との2枚重ね構造であることが例示される。
これらの例では、第1の構成部材2のみが1180MPa級以上の高強度鋼板であったが、第2の構成部材3または第3の構成部材4が1180MPa級以上の高強度鋼板であってもよい。重ね合わされる第2の構成部材3が1180MPa級以上の高強度鋼板の場合、衝突時に重ね合わされる第2の構成部材3のスポット溶接部のHAZ最軟化部での破断が予想されるケースでは、第2の構成部材3についても部分的に軟化領域7を形成すればよい。逆に衝突時に第2の構成部材3のスポット溶接のHAZ最軟化部での破断が発生しないと予想されるケースでは、第2の構成部材3については軟化領域7を形成する必要はない。
第1の構成部材2の鋼板の表面は、非めっきでもよいし、めっきがされていてもよい。用いられるめっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板,電気亜鉛系合金めっき鋼板(たとえばZn−Ni合金電気めっき鋼板),溶融亜鉛めっき鋼板,合金化溶融亜鉛めっき鋼板,溶融アルミニウムめっき鋼板,溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板等が例示される。またこれらがホットスタンプされた鋼板であってもよい。
スポット溶接により第1の構成部材2と第2の構成部材3との界面に形成されるナゲット6のナゲット径は、4√t以上7√t以下(t:重ね面の薄い側の板厚(mm))であることが望ましい。3枚重ね構造であれば、第1の構成部材2と第3の構成部材4の界面においても同様である。
重ね溶接部材1における軟化領域7のビッカース硬さA(Hv)は、第1の構成部材2の母材のビッカース硬さをB(Hv)とするとともにHAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、(1)式:A≦C+50、および(2)式:B−300≦Aを満足することが望ましい。すなわち、スポット溶接部2のHAZ最軟化部へのひずみ集中を確実に抑制するためにはA≦C+50であることが望ましい。また、第1の構成部材2の母材の硬さ低下による重ね溶接部材の強度低下を防止するためには、B−300≦Aであることが望ましい。
重ね溶接部材1における軟化領域7は、望ましくは、対象とするナゲット6に対して、第1の構成部材2の長手方向についてナゲット6の端から4.0mm以上離れた位置までかつ長手方向と直交する方向についてナゲット6の径の3倍以下の範囲に設ける。軟化領域7の長手方向の長さを十分に取ることにより、HAZ最軟化部へのひずみの集中を防ぐことができる。軟化領域7の長さの上限は特に望ましい値はないが、軟化時の熱ひずみの影響や自動車用構造部材としての強度低下を小さくするためには、例えばスポット溶接部6の端から50mm以下であることが望ましい。また軟化領域7の幅の上限についても同様で、ナゲット6の径の3倍以下であることが望ましい。
なお、ナゲット6の径は2枚の鋼板を重ねた界面における溶融凝固部の径の値とする。なお、3枚以上の複数の重ね合わせの場合に、第1の構成部材2の鋼板との重ね界面の溶融凝固部のうち、径が大きい側の溶融凝固部の値をナゲットの径とする。
また、前述したように、溶接は必ずしもスポット溶接である必要はない。このような場合も含めて、軟化領域は、望ましくは、長手方向について溶接金属(溶融凝固部)の端から4.0mm以上離れた位置まで、かつ長手方向と直交する方向について溶接金属(溶融凝固部)の最大寸法の3倍以下の範囲に設ける。
軟化領域7は、レーザビームもしくは高周波加熱による焼き戻しにより形成されることが望ましい。
次に、具体的な態様例として、Bピラー1およびルーフレールでの適用例について、上述の図1(a)および図1(b)とともに図2(a)および図2(b)を参照してさらに説明する。
図1(a)および図1(b)に示すように、Bピラー1においては、第1の構成部材であるBピラーリンフォース2と、第2の構成部材であるBピラーインナー3と、第3の構成部材であるサイドパネルアウタ4とが重ね合わされて、フランジ部(Bピラーリンフォース2においてはフランジ2a)には長手方向に複数のスポット溶接部6が形成されている。この例では、Bピラーリンフォース2の上部では、スポット溶接部6を囲むように軟化領域7が形成され、Bピラーリンフォース2の下部では、同様にスポット溶接部6を囲むように軟化領域7が形成されるのに対し、Bピラーンフォース2の高さ方向中間部では、スポット溶接部6に対応する軟化領域7が形成されていない。
上部の軟化領域7の形成は、衝突時にBピラー1の上部でのスポット溶接部6のHAZ最軟化部での破断による折れを防止し、下部の軟化領域7の形成は、衝突での大変形領域でのスポット溶接部6のHAZ最軟化部での破断を防止する。HAZ最軟化部が破断するひずみに達しない、Bピラーリンフォース2のフランジ2aの高さ方向中央部には、軟化領域7を形成しない。このように、軟化領域7の形成は、衝突時のスポット溶接部6のHAZ最軟化部を起点とする破断を防止するために、必要最小限であればよい。
図2(a)および図2(b)は、ルーフレール9に本発明に係る重ね溶接部材を適用した状況を示す説明図であって、図2(a)はルーフレール9をルーフレールインナ9−1側から透視したルーフレールアウタリンフォース8の斜視図であり、図2(b)はルーフレール9の横断面図である。
ルーフレール9においては、第3の構成部材であるサイドパネルアウタ10、第1の構成部材であるルーフレールアウタリンフォース8、および第2の構成部材であるルーフレールインナ9−1が重ね合わされて、それぞれのフランジ部(ルーフレールアウタリンフォース8では8a)に長手方向に複数のスポット溶接部6が形成されている。ルーフレールアウタリンフォース8の一部のスポット溶接部6に局所的な軟化領域7が形成されている。これにより、ルーフレールアウタリンフォース8の強度を極力下げることなく、スポット溶接のHAZ最軟化部での破断を抑制することができる。なお、図2(a)における符号11はAピラーを示す。
次に、本発明における軟化領域7の技術的意義を説明する。
図3(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材3に接合される第1の構成部材2のフランジ2aの近傍の一例を模式的に示す説明図であり、図3(b)および図3(c)は、スポット溶接部6および軟化領域7の近傍における断面の硬さ分布の一例を示すグラフである。なお、図3(a)における符号2bはフランジ2aの端面を示し、符号2cは第1の構成部材2の曲げ部を示し、符号Lはフランジ2aの長手方向への軟化領域7の長さであり、符号Wはフランジ2aの長手方向と直交する方向への軟化領域7の長さ(幅)である。また、図3(b)および図3(c)における硬さは、図3(a)中に破線で示す硬さ測定位置(第1の構成部材2の板厚方向中央位置)Cでの測定値である。なお、図3(b),図3(c)のグラフにおける「単独」と示された測定結果は、スポット溶接部6のみを形成し、軟化領域7を形成しない場合について硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材2の硬さの測定結果を示す。
図3(a)に示すように、1500MPa級冷延鋼板の成形品である第1の構成部材2が、フランジ2aを介して、440MPa級鋼板の成形品である第2の構成部材3と重ね合わされ、フランジ2aの延設方向へ断続的にスポット溶接部6が形成され(図3(a)では一つのスポット溶接部6を示す)、第1の構成部材2のフランジ2aのスポット溶接部6を囲むように軟化領域7が設けられている。
溶接部6の近傍の硬さ分布は、図3(b)のグラフに示すように、ナゲット6の周囲にHAZ最軟化部のピークが認められる場合もあれば、図3(c)のグラフに示すように、HAZ最軟化部12のピークが認められない場合もある。これは、軟化領域7の硬さが十分小さくて、例えば仮に軟化領域7を設けないでスポット溶接した場合におけるHAZ最軟化部12の硬さよりも小さければ、図3(c)のようにHAZ最軟化部12のピークが明確には認められないと考えられる。
図4(a)は、本発明の効果を示すグラフであり、図3(a)に示すような1500MPa級のホットスタンプ材に440MPa級冷延鋼板がスポット溶接された部材のフランジを模擬した引張試験片に引張荷重を与えた場合の応力−伸び線図であり、図4(b)は、比較例の引張試験片13を示す説明図であり、図4(c)は本発明例の引張試験片14を示す説明図である。
図4(c)に示す引張試験片14、すなわち1500MPa級の鋼板である第1の構成部材2が440MPa級の鋼板である第2の構成部材3と重ね合わされスポット溶接部6(ナゲット径:5〜6mm(おおよそ4√t))が形成され、さらにそのスポット溶接部6を囲むようにして軟化領域7(幅:10mm,長さ:15mm)が第1の構成部材2に設けられた引張試験片14では、図4(b)に示すような軟化領域を設けない引張試験片13と比較して、図4(a)のグラフに示すように、引張荷重に対して破断の発生するひずみ量が格段に増加し、吸収エネルギーが増加していた。
これは、引張試験片(すなわち重ね構造部材)13,14に引張荷重が負荷されたときに、軟化領域7が設けられていない引張試験片13では、HAZ最軟化部に局所的にひずみが集中するのに対し、引張試験片14は広がりを持った軟化領域7を有するために局所的なひずみの集中が抑制され、引張試験片14が破断するまでの変形量が向上したためである。
また、本発明によれば、従来のフランジを広範囲に焼き戻す手法や、重ね溶接部材の広い範囲に軟化領域を形成する手法に比べて、熱ひずみによる部品の変形が極めて小さい。そのため、Bピラー,ルーフレール,Aピラー等の高い形状精度を要求される自動車用構造部材への適用に特に適する。加えて、軟化領域7が第1の構成部材2の長手方向の端面に沿った範囲に形成されていないので、重ね溶接部材の強度低下が小さく、ホットスタンプ材など高強度材の材料特性を十分に生かすことができる。
図5(a)〜図5(d)は第1の構成部材2におけるスポット溶接部6と軟化領域7の関係を概念的に示す説明図である。
図5(a)は、高強度鋼板2のフランジ2aのスポット溶接部6を含むとともに端面2bを除いた範囲に、矩形状の軟化領域7が部分的に形成されたものである。
図5(b)は、高強度鋼板2のフランジ2aのスポット溶接部6を含むとともに端面2bを除いた範囲に、曲げR部2c側にまで軟化領域7が部分的に形成されたものである。
図5(c)は、高強度鋼板2のフランジ2aのスポット溶接部6を含むとともに端面2bを除いた範囲に、楕円状の軟化領域7が部分的に形成されたものである
さらに、図5(d)は、高強度鋼板2のフランジ2aのスポット溶接部6を含むとともに端面2bを除いた範囲に、矩形状の軟化領域7が形成されたもので、隣接する軟化領域7同士が連なったものである。
このようにして、図1(a),図1(b)や図2(a),図2(b)に例示するように、側面衝突でキャビン内の乗員を保護する重要部材であるBピラー,ルーフレール,サイドシルなどの、キャビンを取り囲んで配置される自動車用構造部材に本発明を適用することにより、これらの自動車用構造部材のスポット溶接部6のHAZ最軟化部での破断を抑制でき、側面衝突時に対する安全性を高めることができる。さらに、バンパーリンフォース,ドアビーム,フロアメンバー,フロントサイドメンバー,リアサイドメンバーへも本発明を適用することにより、これらの自動車用構造部材の強度特性を高めることができる。
以上説明した本発明に係る重ね溶接構造は、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板を含む自動車用構造部材への適用に適する。例えば、Bピラー,Aピラー,ルーフレール,サイドシル,バンパーリンフォース,ドアビーム,フロアメンバー,フロントサイドメンバー,リアサイドメンバーなどへ適用可能である。
2.重ね溶接部材の製造方法
次に、本発明において重ね溶接部材1を製造する方法について、説明する。なお、以下の説明は、主として2枚重ね構造についてのものであるが、3枚重ね構造でも同様である。また、図1(a)に示すような、重ね溶接部材1の長手方向へ複数の溶接部6および軟化領域7が形成される部材を想定して説明する。
本発明に係る重ね溶接部材1を製造する方法は、第1の工程で、引張強度が1180MPa以上の第1の構成部材2の長手方向の端面に及ばない範囲に部分的に軟化領域7を形成し、第2の工程で、形成された軟化領域7の内側でスポット溶接を行うことによりナゲット6を形成する。
まず、第1の工程で、スポット溶接により第1の構成部材2においてナゲット6の形成が予定されている部分のうち必要な箇所に、たとえば略矩形状の軟化領域7を形成する。すなわち、スポット溶接前に、スポット溶接が予定位置に軟化領域7形成する。このとき、スポット溶接を行ったときにHAZ軟化部が形成される範囲を含むとともに高強度鋼板2の端面2bを除いた範囲に、部分的な軟化領域7を形成しておき、第2の工程でこの軟化領域7の内部でスポット溶接する。
すなわち、軟化領域7は、ナゲット6の形成が予定される部分の周囲であって高強度鋼板のこの位置にスポット溶接を行った場合にHAZ軟化部が形成される範囲のうちでHAZ最軟化部が形成される範囲を含む範囲であって、第1の構成部材2の長手方向の端面を除いた範囲に、形成される。
軟化領域7の大きさ、形状または硬度の望ましい範囲は、前述した通りである。
スポット溶接の溶接条件には特に制限はなく、少なくとも対象となる鋼板2の重ね合わせ界面にナゲット径が4√t以上7√t以下(t:重ね面の薄い側の板厚(mm))となるナゲット6が形成されるように適宜決定すればよい。例えば、単相交流スポット溶接機もしくはインバータ直流スポット溶接機を用い、溶接電極の先端直径を6〜8mmの範囲とし、先端の曲率半径Rを例えば40mmとし、加圧力を2.5〜6.0kNの範囲とし、溶接電流の電流値を7〜11kAの範囲とし、通電時間を10/60〜40/60秒の範囲とすればよい。スポット溶接条件は例示した条件に限定されるものではなく、鋼種や板厚等に応じて適宜調整すればよいことは言うまでもない。
軟化領域7の形成方法は、高周波加熱もしくはレーザビームを用いた加熱による、焼き戻しが挙げられる。好適にはレーザビームによる加熱が望ましい。レーザビームは、エネルギーが安定しているためである。レーザビームとしては、ディスクレーザ,ファイバレーザ,ダイレクトダイオードレーザ,YAGレーザ,炭酸ガスレーザを用い、ビーム径5〜25mmの範囲とし、出力1〜10kWの範囲とし、溶接速度1〜20m/minの範囲とすることが例示される。さらに好適には、矩形集光が可能で矩形状のエネルギー分布を有するダイレクトダイオードレーザの適用が望ましい。
レーザビームによる焼き戻しによれば、レーザ照射は比較的短時間なので、鋼板2の表面は若干酸化するものの、スポット溶接性を低下させることは通常認められない。しかし、必要に応じて、アルゴン,窒素,炭酸ガス,ヘリウムなどの不活性のシールドガスを用いればよい。レーザビームの照射条件は、例示した条件には限定されず、前述した所定の軟化領域7が得られる照射条件であればよい。
第2の工程では、第1の構成部材2は、第2の構成部材3と重ね合わされ、スポット溶接によりナゲット6を形成することにより第2の構成部材3と接合される。
第2の構成部材3が1180MPa級以上の高強度鋼板である場合等、衝突時に第2の構成部材3のスポット溶接部6のHAZ最軟化部での破断が予想されるケースでは、第2の構成部材3についても、前述の第1の工程での説明と同様に、予め部分的に軟化領域7を形成すればよい。
以上の説明は、重ね枚数が2枚の場合を例にとったが、重ね枚数が3枚の場合、すなわち例えば図1に示すように、第2の構成部材3と第3の構成部材4との間に第1の構成部材3を配置する構造の場合には、第2の工程でさらに第3の構成部材4を重ね合わせスポット溶接を行うようにしてもよい。
また、第1,2の構成部材2,3をいずれも引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板により構成するとともに第3の構成部材4を引張強度が例えば270〜980MPa級の鋼板により構成する場合には、第1,2の構成部材2,3をまず重ね合わせてスポット溶接し、続いて第1の構成部材2または第2の構成部材3の一方または双方に軟化領域7を形成してから(軟化領域7は必要性に応じて一方または双方に形成するかを判断する)、第1の構成部材2に第3の構成部材4を重ねてスポット溶接するようにしてもよい。
以上の説明では、溶接がスポット溶接である場合を例にとったが、本発明はスポット溶接に限定されるものではなく、レーザ溶接やアーク溶接といったスポット溶接以外の他の溶接についても等しく適用される。
図6(a)〜図9(a)は、いずれも、低強度鋼板の成形品である第2の構成部材3とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板(1500MPa級ホットスタンプ鋼板)の成形品である第1の構成部材2における各種の溶接部6−1〜6−4と軟化領域7の関係を概念的に示す説明図であり、図6(b)〜図9(b)は、それぞれ図6(a)〜図9(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材2の硬さの測定結果を示すグラフである。なお、図6(b)〜図9(b)のグラフにおける「単独」と示された測定結果は、各レーザ溶接部6−1〜6−4のみを形成し、軟化領域7を形成しない場合について硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材2の硬さの測定結果を示す。
図6(a)は、第1の構成部材2のフランジ2aにC字状レーザ溶接部6−1を形成し、C字状レーザ溶接部6−1を取り囲んで軟化領域7が形成されたものである。
図7(a)は、第2の構成部材2のフランジ2aにリング状レーザ溶接部6−2を形成し、リング状レーザ溶接部6−2を取り囲んで軟化領域7が形成されたものである。
図8(a)は、第2の構成部材2のフランジ2aに円状レーザ溶接部6−3を形成し、円状レーザ溶接部6−3を取り囲んで軟化領域7が形成されたものである。
さらに、図9(a)は、第2の構成部材2のフランジ2aに円状アーク溶接部6−4を形成し、円状アーク溶接部6−4を取り囲んで軟化領域7が形成されたものである。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
供試材の化学成分を表1に示す。表1の単位は質量%であり、表1に示される以外の残部はFeおよび不純物である。
表1における供試材SQ1500は、非めっきの冷延鋼板をホットスタンプして得た引張強度1500MPa級のホットスタンプ鋼板であり、供試材SQZ1500は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板をホットスタンプして得た引張強度1500MPa級ホットスタンプ鋼板であり、供試材SQ1800は、非めっきの冷延鋼板をホットスタンプして得た引張強度1800MPa級ホットスタンプ鋼板であり、供試材JSC1270は、非めっきの引張強度1270MPa級の冷延鋼板である。また、表1における供試材JSC440は、非めっきの440MPa級鋼板である。
レーザビームを照射して略矩形状の軟化領域を形成し、その後スポット溶接し、試験片とした。
図10は、本実施例で用いた試験片15の形状を示す説明図である。
試験片15は、供試材16である鋼板にレーザを照射し焼き戻しをして軟化領域7を形成した。レーザ照射には、ダイレクトダイオードレーザを用い、ビームサイズ1.2×4mm〜15mmとし、速度2.0〜4.0m/min、シールドガス:アルゴン20l/minとした。軟化領域3をコントロールするため、出力を1.5kW〜4kWの範囲で変化させた。
次に供試材である鋼板17を、図10に示すように重ね合わせ、軟化領域7の内側でスポット溶接を行ってスポット溶接部6を形成した。スポット溶接は、単相交流スポット溶接機を用い、DR型電極(先端の直径6mm,曲率半径40mm)を用い、加圧力:400kgf,通電時間20cyc,電流値:ナゲット径6.0mmが得られる電流値である。スポット溶接のHAZの最軟化部のビッカース硬さはSQ1500:290、SQZ1500:290、SQ1800:390、SPC1270:280である。
次に、各試験片15で引張試験を実施した。引張試験は評点間距離50mmとし、引張速度3mm/min一定とした。破断までのひずみ(評点間隔50mmとし、鋼板にクラックが入りチャート上で急激に荷重が低下するひずみ)が3%未満の場合を×とし、3%以上3.5%未満を△とし、3.5%以上4%未満を□とし、4%以上のものを○とした。試験結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明例では、破断ひずみが3.5%以上であるのに対し、比較例ではスポット溶接のHAZ軟化部で小さいひずみで破断し、破断ひずみはいずれも3.5%未満であった。
1 本発明に係る重ね溶接部材(Bピラー)
2 Bピラーリンフォース(第1の構成部材)
2a フランジ
2b フランジ端面
2c 端面
3 サイドパネルアウタ(第2の構成部材)
4 Bピラーインナパネル(第3の構成部材)
5 ヒンジリンフォース(第4の構成部材)
6 ナゲット(溶接金属、スポット溶接部)
6−1 C字状レーザ溶接部
6−2 リング状レーザ溶接部
6−3 円状レーザ溶接部
6−4 円状アーク溶接部
7 軟化領域
8 ルーフレールアウタリンフォース(第1の構成部材)
8a フランジ部
9 ルーフレール
9−1 ルーフレールインナ(第2の構成部材)
10 サイドパネルアウタ(第3の構成部材)
11 Aピラー
12 HAZ最軟化部
13 比較例の引張試験片
14 本発明例の引張試験片
15 試験片
16,17 供試材

Claims (10)

  1. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって前記第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、
    当該重ね溶接部材は、
    前記溶接により、当該部材の長手方向に沿って形成された1つ以上の溶接金属と、
    前記1つ以上の溶接金属の一部または全部において、当該溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部を含むように少なくとも前記第1の構成部材側に設けられた軟化領域とを有し、
    前記軟化領域は第1の構成部材の長手方向に沿った端面を除いた範囲に設けられていること
    を特徴とする重ね溶接部材。
  2. 前記第1の構成部材または前記第2の構成部材と重ね合わされて溶接された鋼板またはその成形体である第3の構成部材を備える請求項1に記載された重ね溶接部材。
  3. 前記軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、前記軟化領域および前記HAZ軟化部を除く前記第1の構成部材のビッカース硬さをB(Hv)とするとともに前記HAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、下記(1)式および(2)式を満足する請求項1または請求項2に記載された重ね溶接部材。
    A≦C+50 ・・・・・(1)
    B−300≦A ・・・・・(2)
  4. 前記軟化領域は、前記長手方向について前記溶接金属の端から4.0mm以上離れた位置まで、かつ前記長手方向と直交する方向について前記溶接金属の長手方向と直交する方向の最大寸法の3倍以下の範囲に形成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
  5. 前記軟化領域は焼戻し組織により形成される請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
  6. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と他の鋼板またはその成形体である第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する重ね溶接部材の製造方法であって、
    前記第1の構成部材に、長手方向に沿った端面を除いた範囲に長手方向に沿って少なくとも1つの軟化領域を設ける第1の工程と、
    該軟化領域を形成された該第1の構成部材と前記第2の構成部材とを重ね合わせ、前記軟化領域の内側で溶接する第2の工程とを備えること
    を特徴とする重ね溶接部材の製造方法。
  7. 前記第2の工程において、前記第1の構成部材と、前記第2の構成部材と、これらとは他の鋼板またはその成形体である第3の構成部材とを重ね合わせて溶接する請求項6に記載された重ね溶接部材の製造方法。
  8. 前記軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、前記軟化領域および前記HAZ軟化部を除く前記高強度鋼板のビッカース硬さB(Hv)とするとともに前記HAZ軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、下記(1)式および(2)式を満足する請求項6または請求項7に記載された重ね溶接部材の製造方法。
    A≦C+50 ・・・・・(1)
    B−300≦A ・・・・・(2)
  9. 前記軟化領域は、前記長手方向について前記溶接金属の端から4.0mm以上離れた位置まで、かつ前記長手方向と直交する方向について前記溶接金属の長手方向と直交する方向の最大寸法の3倍以下の範囲に形成される請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
  10. 前記軟化領域は焼戻しにより形成される請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
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