JP2014529341A - 擬似移動床吸着を用いた分離方法および分離装置 - Google Patents

擬似移動床吸着を用いた分離方法および分離装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、擬似移動床(SMB)吸着を用いた異性体の分離方法に関する。上記方法は、擬似移動床を用いて、異性体を含む原料(F)を吸着分離する。擬似移動床は、複数の吸着剤床層(38)を備えている。複数の吸着剤床層(38)の間には、格子(39)が設けられている。吸着剤床層(38)の物質を流入および流出するパイプラインは、各格子(39)上に配置されている。擬似移動床に流入される物質および擬似移動床から流出される物質は、少なくとも吸着原料(F)、脱着剤(D)、抽出液(E)、およびラフィネート(R)を含んでいる。目的生成物は、抽出液(E)に豊富に存在する。抽出液(E)は、フラッシング液として使用され、原料の注入位置の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床層、および、抽出液の抽出位置の下流方向における2番目〜4番目のいずれか1つの吸着剤床層に注入される。上記方法は、C8芳香族化合物の吸着分離に利用され、吸着分離の目的生成物の純度を効果的に増大させることができるとともに、装置の処理能力を効果的に向上させることができる。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、吸着を用いた異性体の分離方法および分離装置に関し、特に、擬似移動床(SMB)吸着を用いて炭化水素を分離および精製するための方法および装置に関する。
〔発明の背景〕
吸着分離は、沸点の差が非常に小さい異性体の分離、または、構造的特徴の異なる種々の成分の分離に、非常に有効である。例えば、C芳香族化合物の異性体混合物からのp−キシレンの分離、および、別の構造を備える炭化水素類からの直鎖アルカンの分離に、非常に有効である。
SMB吸着による分離方法は、液相と固相との向流接触を実現し、分離効率を増大させる。米国特許第2985589号、米国特許第3201491号、米国特許第3626020号、米国特許第3686342号、米国特許第3997620号および米国特許第4326092号には、SMB吸着による分離装置および分離方法が記載されており、p−キシレンとm−キシレンとを分離するためにその方法が使用されている。Douglas M. Ruthvenは、Chemical Engineering Science(1989, v44(5):1011-1038)において、連続向流吸着による分離方法の原理、発展性、テストおよびモデルの研究、並びに工業的方法の概要を述べている。
典型的なSMB吸着分離は、少なくとも2つの供給原料の流れ(すなわち原料(F)および脱着剤(D)の流れ)、および、少なくとも2つの放出物質の流れ(すなわち抽出液(E)およびラフィネート(R)の流れ)を含んでいる。抽出液は、目的物質を豊富に含んでいる。各供給原料の流れが吸着カラムへ供給される位置、または吸着カラムから放出される位置は、周期的に移動する。吸着カラムにおいて供給原料の流れ方向に沿った供給原料の順番は、脱着剤(D)、抽出液(E)、原料(F)およびラフィネート(R)の順である。吸着カラムにおける供給原料の循環は、閉ループを形成する。吸着カラムへの供給原料の注入、および吸着カラムからの供給原料の放出を調節するための装置は、回転式バルブであっても、on−offバルブであってもよい。
吸着分離の間、供給原料の流れの多くが、運搬用パイプラインを共用し、吸着カラムに注入されるか、あるいは吸着カラムから放出される。吸着カラムの特定の床の位置に放出されるパイプライン、および、吸着カラムの特定の床の位置から放出されるパイプラインには、ラフィネート(R)、原料(F)、抽出液(E)および脱着剤(D)が順に通過する。上記パイプラインに含まれる、以前の残留物が上記パイプラインを通過する物質を汚染する結果、SMB吸着による分離に悪影響を与える。特に、SMB吸着による分離が、高純度の生成物の製造に使用される場合、パイプラインに残留した供給原料が、抽出液を汚染することがある。
米国特許第3201491号には、吸着によって連続的に分離される生成物の純度を増大させる方法が開示されている。残留原料が、抽出液を汚染するという状況に関して、「流体を中央に分配する供給口と供給流を受け入れる接触領域に向かう供給口との間の流路中の流体の容積を実質的に上回らない量で、上記供給流の流入口に対し上流側の隣の流体流入口に、供給原料から分離可能な流体を含むフラッシュ流を投入すること」が開示されている。フラッシング液は、脱着剤が豊富な流れ、脱着剤流入口の下流側に固定された多量の吸着剤から取り出された脱着剤が豊富な流れ、または、最も離れた下流側における、脱着領域を含む多量の吸着剤から回収された吸着剤が豊富な流れである。
米国特許第5750820号には、マルチグレイドフラッシュ吸着分離法が開示されている。上記方法は、多成分の供給流から目的生成物を分離する方法であって、
少なくとも1つの流体運搬管を通して上記供給流を装置内へ導入する工程、
少なくとも1種の目的成分を初期濃度で含む第1の原料から取り出される少なくとも1種の初回フラッシング媒体を十分量用いて、上記少なくとも1つの流体連通管を備える装置をフラッシングする工程(この結果、供給流の残留物が少なくとも1種の初回フラッシング媒体によって装置から洗い流される);
少なくとも1種の目的成分を最終濃度で含む第2の原料から取り出される最終フラッシング媒体を十分量用いて、上記少なくとも1つの流体連通管をフラッシングする工程(この結果、上記最終濃度が初期濃度よりも大きくなり、流体連通管から初期フラッシング媒体の残留物が、最終媒体によって、装置内の流体連通管に洗い流される);および、
上記装置から目的生成物を回収する工程を含み、
上記第1の原料が上記第2の原料から分離され、第1の原料および第2の原料の少なくとも一方が、装置から分離される。
米国特許第5972224号には、擬似流体床において生成物の純度を高めるための方法および装置が開示されている。上記装置は、少なくとも1つの吸着カラム内に収容される、固相または吸着剤を含む多数の床(A1からAn)と、各床の間に設けられた流体分配プレート(Pi)とを備える。これにより、各分配プレートがいくつかの領域(P10、P11、P12)に分割され、分割された分配プレートの各領域が少なくとも1つの分配チャンバーを含む。分配チャンバーは、開口部と、分配チャンバーの開口部の周辺に形成された流体循環スペースとを有している。分配チャンバーは、分配チャンバーと吸着カラムの外部に設置された任意の位置との間に延びる輸送ラインに接続されている。循環期間Tの間、異なるプレートに属する分配チャンバーへの各物質の流入、および、異なるプレートに属する分配チャンバーからの各物質の流出が実施される。上記のような特徴を有する方法を用いることによって、適切な流速の液量が上記分配プレートの異なる分配チャンバーに接続するパイプライン中のカラムを循環するように、持続的に循環され、フラッシング液は循環する流体に近い組成を有する。その目的は、外部から導入される上記フラッシング液中の物質と吸着カラム内の物質との組成の違いがより大きくなり、分離プロセスに障害を引き起こすのを避けるためである。しかしながら、上述のような液体は、おそらく以下の問題をも引き起こす。すなわち、吸着チャンバーを通過しない供給原料の流量が、吸着剤床に導かれる流量と同一になり、吸着分離に不利な影響を及ぼすという問題を引き起こす。
米国特許第6004518号には、高純度擬似移動床吸着分離装置が開示されている。上記装置は、一連の吸着剤床を保持するために適用される一連の個別吸着チャンバーと、上記個別吸着チャンバーに相互に連結され、原料および脱着剤の流れを装置内へ通過させると共に、抽出液およびラフィネートの流れを装置から取り出すことを可能にする一連の流体輸送ラインと、上記流体輸送ラインおよび吸着チャンバー間を通過する流体の流れを調節する一連のバルブとを備えており、個々のバルブの組は、各吸着チャンバーに結合しており、個々のバルブは、特定の吸着チャンバーへの供給流の流速を調節する各バルブの2つの口が、この特定の吸着チャンバーを次の上流側の吸着チャンバーに連結する流体輸送ラインに連結されることを特徴としている。これにより、上記次の上流側の吸着チャンバーから放出される流体は、上記バルブを通して流すことができ、上記バルブからの供給流、およびこのバルブから上記特定の吸着チャンバーに通じる管からの供給流をフラッシングすることができる。しかしながら、各吸着剤床は、分離されている必要があると共に、前の床から次の床に入る循環流体は、上記ラインおよびバルブを通過する必要がある。
[発明の概要]
本発明の目的は、SMB吸着を用いて、異性体混合物から高純度の生成物を分離する方法および装置を提供することであり、本発明の方法および装置は、吸着によって分離された目的生成物の純度を確保しつつ、より高い収率またはより高い処理能力を備える。
本発明における擬似移動床(SMB)吸着を用いた異性体の分離方法は、SMB吸着を用いて複数の異性体を含む供給原料を分離する工程を含み、上記SMBは、多数の吸着剤床を備え、各吸着剤床に格子が形成されており、上記各格子に上記吸着剤床における、供給原料を流入および流出するパイプラインが設けられ、SMBに注入される物質およびSMBから放出される物質は、少なくとも、原料、脱着剤、抽出液およびラフィネートを含み、上記抽出液は、目的生成物を豊富に含んでおり、上記抽出液を、フラッシング液として使用され、原料の注入位置の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床、および、上記抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の吸着剤床のいずれか1つの吸着剤床のそれぞれに注入することを特徴としている。
本発明に係る方法は、マルチバルブを用いてSMBに注入される物質およびSMBから放出される物質を調節し、抽出液は、精製領域にて実施される2回のフラッシングのためのフラッシング液として使用される。一方のフラッシング液は、上記原料の注入位置の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床に注入される。他方のフラッシング液は、上記抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の吸着剤床のいずれか1つの吸着剤床に注入される。上記抽出液が回収される前に、上記吸着剤床のパイプラインが、吸着によって分離される目標生成物の純度を確保するためにフラッシングされ、従来技術と比較して、より高い収率またはより高い処理能力が得られるようになる。
[図面の簡単な説明]
図1は、本発明において、SMBにおける吸着剤床の構造を示す図である。
図2は、本発明の方法において、フラッシング液の注入位置を示す図である。
図3は、キシレン混合物が吸着によって分離される間の吸着カラム中の液相物質の濃度分布を示すグラフである。
[発明の詳細な説明]
本発明においては、吸着剤床のパイプラインのフラッシング液としての抽出液、および、2つの流れによって異なる吸着剤床に注入される抽出液が開示される。吸着剤床に注入されるフラッシング液の組成は、上記フラッシング液が注入される吸着剤床の組成と類似しているので、吸着剤床に注入されるフラッシング液の影響は、最小限に抑えられ、吸着の効率が効果的に増大するようになる。
本発明の方法において、吸着を用いた分離に使用される擬似移動床は、1つまたはそれ以上の吸着カラムを備え、上記吸着カラムはそれぞれ、格子によって、多数の吸着剤床に分離される。ここで、上記格子は、以下の機能を備えている。すなわち、前の吸着剤床から次の吸着剤床へ物質を再配分し、外部から導入される物質を前の吸着剤からの物質と均一に混合すると共に、上記吸着カラム由来の前の吸着剤床からの物質の一部を回収する。上記格子は、液体を通過させる余裕があり、かつ吸着剤粒子が吸着剤床から脱離することを防ぐ。ここで、格子の上面および下面は、一般的に、細かい目の金網、金属焼成ふるい、またはジョンソンスクリーンである。外部から特定の吸着剤床へ導入される物質、および、前の床から回収され吸着カラムの外部から回収される物質は、上記吸着剤床の格子に連結されたパイプラインを介して上記吸着剤床から注入および放出される。
上記吸着カラムに導入される物質および上記吸着カラムから放出される物質は、原料(F)、脱着剤(D)、抽出液(E)およびラフィネート(R)を少なくとも含む。上記原料は、吸着分離を用いて精製される目的生成物を含む少なくとも2種以上の成分を含む混合物であり、上記原料中の成分は、吸着剤に対し異なる吸着選択性を有しており、上記吸着剤は、目的生成物に対してより高い吸着選択性を有している。上記脱着剤の沸点は、上記原料の沸点とは大きく異なるべきものであり、上記脱着剤は、精留によって上記原料中の成分から分離することができる。上記抽出液は、目的生成物を豊富に含むと同時に、上記脱着剤の一部を含む。上記ラフィネートは、少量の目的生成物を含み、その含有量が少量であるほど、吸着分離の効率は高くなる。上記ラフィネートの主成分は、脱着剤であり、上記原料中の他の成分は目的生成物以外である。上記脱着剤は、精留カラムによって、抽出液およびラフィネートから再利用される。
上記物質の流れる方向に沿って、吸着カラムは、脱着領域、精製領域、吸着領域および分離領域に分かれる。脱着剤の注入と抽出液の回収との間の吸着剤床は脱着領域であり、抽出液の回収と原料の注入との間の吸着剤床は精製領域であり、原料の注入とラフィネートの回収との間の吸着剤床は吸着領域であり、ラフィネートの回収と脱着剤の注入との間の吸着剤床は分離領域である。擬似移動床は、6個〜30個の床、好ましくは12個〜24個の床を備える。通常、2つの吸着カラムが使用され、全体として24個の床のうち、4個〜6個の床が脱着領域であり、8個〜10個の床が精製領域であり、6個〜8個の床が吸着領域であり、2個〜3個の床が分離領域である。本発明において、フラッシング液が注入される、ある特定の物質の注入位置および放出位置の上流および下流は、吸着カラムにおける上記物質の注入位置および放出位置の床に対応している。吸着カラムにおいて上記物質の流れ方向に沿った方向を下流方向とする場合、その逆方向が上流方向となる。例えば、フラッシング液は、抽出液が回収位置の下流に位置する1つの吸着剤床に注入される。すなわち、フラッシング液は、床において物質が流れる方向に沿った抽出液の回収位置の次の床に注入される。
フラッシングを必要とする残留物の量を最小限にするために、本発明は、格子に連結されたパイプラインに注入物質および放出物質のそれぞれを接続することを開示し、個別のon−offバルブを用いて上記物質を調節する。これにより、on−offバルブと吸着カラムとを最大限接近させることが可能となり、パイプラインの容積を減少させることが可能となる。
注入物質および放出物質の流れの数がn個、吸着カラムにおける床の数がm個である場合、全体でn×m個のon−offバルブが存在する。ある特定の時点において、注入物質および放出物質のそれぞれの流れを異なる床に接続するn個のon−offバルブは、開状態であり、残りのon−offバルブは、閉状態である。特定の時間間隔(すなわち処置時間)のときに、物質注入位置および物質放出位置はすべて、下方の床に移動する。吸着カラムにおいて上記物質の流れ方向に沿った注入物質および放出物質は、脱着剤(D)、抽出液(E)、原料(F)およびラフィネート(R)の順である。吸着カラム中の物質の循環は、閉ループを形成する。それぞれの床に関して、注入物質および放出物質は、循環中にラフィネート(R)、原料(F)、抽出液(E)および脱着剤(D)の順になる。上記物質の注入間隔および放出間隔は、異なっており、隣接する物質を分離する吸着剤床の数に依存する。すなわち、同一の床にて、隣接する2つの注入物質および放出物質の間の処置時間の数は、吸着カラムに対応する隣接する2つの注入物質および放出物質の間の床の数と同一である。例えば、脱着剤の注入と抽出液の回収との間の床は、5つの床を備える脱着領域であれば、特定の床に関して、抽出液は、脱着剤の注入前の5回の処置時間、その床から回収される。
吸着分離法における物質運搬パイプライン中の残留物の影響を解消し、そして高純度の目的生成物の分離を確実にするために、原料が通過し抽出液が通過するパイプラインをフラッシングする必要がある。しかしながら、高純度の生成物を生成しつつ、吸着分離法におけるフラッシングの副作用を回避するべきである。本発明は、精製領域の2つの異なる位置に抽出液を注入することによって、パイプラインをフラッシングすることを開示する。これにより、フラッシング後の床のパイプライン中の残留物の組成が、そのパイプラインを通過する物質の組成に近づき、その床に注入される物質の組成がその床中の物質の組成に近づく。その結果、吸着分離におけるフラッシングの影響が最小となる。
フラッシング液の2つの注入位置の一方は、原料の注入位置に近く、かつ原料を注入する床の上流方向における1番目または2番目の床である。他方の注入位置は、残留物をフラッシングし、回収される抽出液の汚染を避けるために、抽出液の回収位置に近く、かつ抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の床のいずれか1つの床である。
処置時間中において、原料を注入する床の上流方向における1番目または2番目の床に注入されるフラッシング液の注入量の体積は、フラッシング液調節バルブから床の格子までのパイプラインの全体積の1.0〜2.5倍、好ましくは、1.2〜2.0倍である。パイプライン中の残留物は、上記の注入量のフラッシング液にてフラッシングされる。吸着カラムに注入される物質は、原料と抽出液との混合物であり、その平均組成は、フラッシング用の流体が吸着カラムに注入される位置に配置された床における液相の物質の組成に近い。
処置時間中において、抽出液を回収する位置の下流方向の2番目〜4番目の床のいずれか1つの床に注入されるフラッシング液の注入量の体積は、フラッシング液調節バルブから床の格子までのパイプラインの全体積の0.5〜1.5倍、好ましくは、0.6〜1.0倍である。パイプラインは、フラッシング液の注入位置にてフラッシングされ、吸着カラムに注入される物質は、残った原料によってわずかに汚染された抽出液である。上記の量のフラッシング液によりフラッシングされることよって得られるフラッシング用の流体の組成は、フラッシング液が注入される吸着カラム内において選択された位置における液相の物質の組成に近い。
精製領域の異なる位置にパイプラインのフラッシング液として抽出液を注入することを除いて、本発明は、床をフラッシングするための抽出液回収ラインの上流方向における1番目または2番目の床に、脱着剤を注入することが好ましいことをさらに開示する。本発明の吸着による分離方法は、液相分離法である。実施温度の範囲は、20〜300℃、好ましくは100〜180℃であり、系全体を液相とすることのできる実施圧力は、0.8〜1.2MPaであることが好ましく、p−キシレンを吸着により分離する場合、0.6〜1.0MPaであることが好ましい。
本発明に係る方法にしたがって、吸着により分離される異性体は、キシレンおよびエチルベンゼンであることが好ましく、吸着により分離される目的生成物は、p−キシレンまたはm−キシレンであることが好ましい。
本発明は、擬似移動床(SMB)吸着を用いた異性体の分離装置を提供する。上記装置は、擬似移動床と、物質を流入および流出するパイプラインとを備え、上記SMBは、多数の吸着剤床を備え、各吸着剤床には格子が設けられており、各格子は、上記床(吸着剤床)における物質を流入および流出するパイプラインに設けられ、2本のフラッシング液用パイプラインが、上記床の間の物質を流入および流出するパイプライン上に平行に設けられ、各フラッシング液用パイプラインはon−offバルブを備え、抽出液がフラッシング液として使用され、一方のフラッシング液用パイプライン中のフラッシング液が、原料が注入される床の上流方向における1番目または2番目の床に注入され、他方のフラッシング液用パイプライン中のフラッシング液が、抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の床のいずれか1つの床に注入される。
物質を流入および流出するパイプラインは、各床の格子上に設けられており、平行に接続された多数のon−offバルブが、物質を流入および流出するパイプラインに設けられており、上記床の各物質の流入および放出を調節することが好ましい。各床の物質を注入および流出するパイプラインに設けられたon−offバルブの数は6〜7個、すなわち、各床に注入される物質または各床から放出される物質が、6〜7種類である。3本のフラッシング用パイプラインが設けられ、それらのうち2本のフラッシング用パイプがフラッシング流体として抽出液を使用し、3本目のフラッシング用パイプラインがフラッシング流体として脱着剤を使用し、注入位置が抽出液の回収位置の上流方向における1つの床であることが好ましい。
本発明を、図面の説明に基づいてさらに説明する。
図1は、本発明に係る方法において、SMBにおける吸着剤床を個別に図示したものである。複数の格子39が床(吸着剤床)38の上方に設けられ、2種類のフラッシング、すなわちフラッシングAおよびフラッシングBが、各床に設けられている。注入物質および放出物質の流れが6つ存在し、各物質パイプラインが、物質を流入および流出するパイプライン31を介して、格子39に接続されている。注入物質および放出物質の6つの流れは、供給原料の注入および放出を調節するバルブを備えた6本の別個のパイプラインを介して、物質を流入および流出するパイプライン31と接続されている。具体的には、脱着剤調節バルブ32は脱着剤の注入を調節し、抽出液調節バルブ33は抽出液の回収を調節する。フラッシング液A調節バルブ34は、フラッシング液Aの注入を調節し、注入位置は、抽出液の回収位置に近く、フラッシング液は抽出液である。フラッシング液B調節バルブ35は、フラッシング液Bの注入を調節し、注入位置は、原料の注入位置に近い。原料調節バルブ36は、原料の注入を調節する。ラフィネート調節バルブ37は、ラフィネートの回収を調節する。
図2によれば、擬似移動吸着剤床が24個の床を備えることが理解できる。図1によれば、各床は、6本の物質を流入および流出するパイプラインを備えており、24個の床では、合計6×24個のon−offバルブが備えられている。脱着剤の注入と抽出液の回収との間の脱着領域には、5つの床が備えられている。抽出液の回収と原料の注入との間の精製領域には、9つの床が備えられている。原料の注入とラフィネートの回収との間の吸着領域には、7つの床が備えられている。ラフィネートの回収と脱着剤の注入床との間の分離領域には、3つの床が備えられている。ある特定の時点において、注入物質および放出物質のそれぞれの流れを異なる床に接続する6つのon−offバルブは、開状態であり、その他のon−offバルブは閉状態である。特定の時間間隔、すなわち処置時間に、物質注入位置および物質放出位置はそれぞれ、ずべて下方の床に移動する。処置時間は、45〜200秒の範囲である。吸着カラム中の物質の循環は、閉ループを形成し、循環ポンプが、物質の循環のための動力を供給する。循環ポンプの流速は、循環ポンプが備えられている領域において必要とされる流速にしたがって調節され、循環ポンプの数は、吸着カラムの数と同数かそれ未満である。フラッシングポンプは、すべての抽出液パイプラインとすべてのフラッシング液用パイプラインとの間に設けられていてもよく、抽出液は、フラッシング液として、系に再利用される。フラッシングポンプは、抽出液のバッファタンクの後部にも設けられていてもよく、抽出液は、フラッシング液として、系に再利用される。流量計および流量調節バルブは、フラッシング液Aおよびフラッシング液Bの流速を調節するために、2つのフラッシングのそれぞれに備えられる。
図1によれば、ある床への物質の注入および放出は、以下の方法によって調節される:ある時点において、床の上方の格子に接続されたパイプライン31を介して、脱着剤が床に注入され始めることを想定すると、この床は脱着領域にある;処置時間(t)後、上記床の上方の格子に接続されたパイプライン31への脱着剤の注入が停止する;脱着剤が、次の床の上方の格子に接続されたパイプライン41に注入されることにより、脱着剤が次の床に注入される。分離領域にある最初の床に注入される物質または最初の床から放出される物質はない。3つの床が存在するので、3回の処置時間が必要になる。4×tの時点において、ラフィネートが、吸着領域に属する床の下方の格子に接続されたパイプライン41を介して、床から放出される。6回の処置時間後の10×tの時点において、まだ吸着領域にある床の上方の格子に連結されたパイプライン31を介して、原料が床に入り始める。11×tの時点において、フラッシング液Bが床に入り、この段階で、床が精製領域に入る。6回の処置時間後の17×tの時点において、抽出液の下方の2つの床に注入されるフラッシング液Aが、床の上方の格子に接続されたパイプライン31に注入され始め、フラッシング液Aが床に入り、この段階では、この床はまだ精製領域にある。3回の処置時間後の20×tの時点において、抽出液が、床の下方の格子に接続されたパイプライン41を介して、床に放出され始め、この段階で、床が脱着領域にある。4回の処置時間後の24×tの時点において、脱着剤が、床の上方の格子に接続されたパイプライン31を介して、床に再び入り、完全な循環が達成される。
図3は、エチルベンゼン(EB)、p−キシレン(PX)、m−キシレン(MX)およびo−キシレン(OX)を含むC芳香族化合物の異性体混合物から、PX(p−キシレン)を分離する方法において、24個の床を有するSMBにおける液相の供給原料の分布を示すグラフである。脱着剤はp−ジエチルベンゼン(PDEB)である。
本発明は、C芳香族化合物の異性体混合物からのp−キシレン(PX)の分離に使用されつつ、生成物の純度が、少なくとも99.5質量%、より好ましくは99.7質量%より大きいことが要求される。脱着剤は、p−ジエチルベンゼン(PDEB)であることが好ましく、吸着剤は、バリウムおよびカリウムの少なくとも一方で置換されたフォージャサイトであることが好ましい。一般的には、2つの吸着カラムが使用され、全体では24個の床が存在し、4〜6個の床が脱着領域であり、8〜10個の床が精製領域であり、6〜8個の床が吸着領域であり、2〜3個の床が分離領域である。
本発明は、C芳香族化合物の異性体混合物からのm−キシレン(MX)の分離に使用されつつ、生成物の純度が、少なくとも99.5質量%、より好ましくは99.7質量%より大きいことが要求される。脱着剤は、トルエンであることが好ましく、吸着剤は、アルカリ金属イオンで置換されたフォージャサイトであることが好ましい。
本発明は、別のC芳香族化合物の異性体混合物からのp−キシレン(MX)の分離、別のC芳香族化合物の異性体混合物からのm−キシレン(MX)の分離、別のC芳香族化合物の異性体混合物からのエチルベンゼンの分離、別の構造を備える炭化水素類からのn−アルカンの分離、別の構造を備える炭化水素類からのn−アルカンおよびモノメチル分岐パラフィンの分離、アルカンからのアルケンの分離にも使用することができる。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、本発明は以下の実施例によっては限定されない。
[実施例1]
本発明に係る方法を、p−キシレンの分離に使用し、SMB吸着を用いてp−キシレンを分離した。SMBは、24個の床を備えており、脱着領域は5個の床を備え、精製領域は9個の床を備え、吸着領域は7個の床を備え、分離領域は3個の床を備えていた。処置時間は80秒、実施温度は177℃、実施圧力は0.88MPaとした。吸着剤は、SIPOPEC catalyst companyによって製造されたRAX−2000A型の吸着剤(主成分はバリウムイオンで置換されたX型の分子ふるい)とした。個々のon−offバルブによって、各床への供給原料の流入口の流れと、各床からの供給原料の流出口の流れとを、それぞれ調整した。脱着剤である第1のフラッシングCをセットし、抽出液の回収位置の上流方向における1番目の床に注入した。第2のフラッシングAは抽出液であり、抽出液の回収位置の下流方向における2番目の床に注入した。第3のフラッシングBは抽出液であり、原料の注入位置の上流方向における1番目の床に注入した。ある床に関して、フラッシング液が通過するパイプラインの容積は、床単独における体積の0.75%であった。脱着剤はp−ジエチルベンゼンとした。
各床に関して、まずフラッシングBを用いて床をフラッシングし、次に、物質の流れる方向に沿ってフラッシングAを用いて床をフラッシングした。フラッシングAに使用された抽出液の体積と、フラッシングBに使用された抽出液の体積とは異なっていた。吸着分離のための原料、フラッシングAおよびフラッシングBが注入された床における物質の組成、および、異なる量のフラッシング液をフラッシングに用いつつ、床に注入された物質の組成が表1に記載されている。
表1におけるデータから、フラッシングBの体積が、通過するパイプラインの容積(個々の床におけるパイプライン全体の容積を参照)の1.2倍および1.7倍であった場合、床に注入された物質の組成は、原料の注入位置の上流方向における1番目および2番目の床の物質の組成とわずかに異なっており、原料の注入位置の上流方向における3番目の床の物質の組成とかなり異なることがわかった。従って、フラッシングBは、原料の注入位置の上流方向における1番目および2番目の床には適切に注入され、原料の注入位置の上流方向における3番目の床には適切に注入されなかった。
加えて、表1の最後の2列におけるデータから、床に注入されたフラッシングAの物質の組成が、抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の床における物質の組成とわずかに異なっており、抽出液の回収位置の下流方向における1番目または5番目の床の物質の組成とかなり異なることがわかった。従って、フラッシングAは、抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の床には適切に注入され、抽出液の回収位置の下流方向における1番目または5番目の床には適切に注入されなかった。
[実施例2]
SMB吸着を用いて、キシレン混合物からp−キシレンを分離した。SMBは、24個の床を備えており、脱着領域は5個の床を備え、精製領域は9個の床を備え、吸着領域は7個の床を備え、分離領域は3個の床を備えていた。実施温度は177℃、実施圧力は0.88MPaとした。キシレン混合物を含む原料の組成が表1に記載されている。吸着剤は、実施例1にて使用されたものと同一とした。
個々のon−offバルブによって、各床への供給原料の流入口の流れと、各床からの供給原料の流出口の流れとを、それぞれ調整した。脱着剤からなる第1のフラッシングCをセットし、抽出液の回収位置の上流方向における1番目の床に注入した。第2のフラッシングAは抽出液であり、抽出液の回収位置の下流方向における3番目の床に注入した。第3のフラッシングBは抽出液であり、原料の注入位置の上流方向における1番目の床に注入した。ある床に関して、フラッシング液が通過するパイプラインの容積は、床単独における体積の0.75%であった。脱着剤はp−ジエチルベンゼンとした。
各床に関して、それぞれのフラッシングに使用されたフラッシング液の量が、フラッシング液が通過するパイプラインの容積を基準としたパーセント表示で示されている(以下同様)。約99.7質量%のp−キシレン純度を確保する条件下における、p−キシレンの収率および処置時間中のフラッシング液の量が、表2に記載されている。
[実施例3]
実施例2における方法にしたがって、各フラッシングに使用するフラッシング液の量を変えて、SMB吸着を用いて、キシレン混合物からp−キシレンを分離した。約99.7質量%のp−キシレン純度を確保する条件下における、p−キシレンの収率および処置時間中のフラッシング液の量が、表2に記載されている。
[実施例4]
実施例2における方法にしたがって、各フラッシングに使用するフラッシング液の量を変えて、SMB吸着を用いて、キシレン混合物からp−キシレンを分離した。ある床に関して、フラッシング液が通過するパイプラインの容積は、床単独における体積の1.5%であった。p−キシレンの純度が必ず約99.7質量%となるような状況下における、p−キシレンの収率および処置時間中のフラッシング液の量が、表2に記載されている。
[比較例1〜3]
現在工業的に使用されているSMB吸着を用いてキシレン混合物からPX(p−キシレン)を分離する方法を実施した。SMBは、24個の吸着剤床を備え、脱着領域は5個の床を備え、精製領域は9個の床を備え、吸着領域は7個の床を備え、分離領域は3個の床を備えていた。処置時間は85秒、実施温度は177℃、実施圧力は0.88MPaとした。ロータリーバルブを用いて、各床のパイプラインを全ての床に接続し、フラッシング液を回収する流出口(Hout)を設け、脱着剤の注入位置の下流方向における1番目の床でフラッシング液を回収し、フラッシング液の流入口(Hin)(すなわち、原料の注入位置の上流方向における2番目の床)にフラッシング液を送り込んだ。脱着剤からなるフラッシングXをセットし、抽出液の回収位置の下流方向における1番目の床に注入した。フラッシング(Hin)およびフラッシング(Hout)は、2回の物質のフラッシングとして算出した。ある床に関して、フラッシング液が通過するパイプラインの容積は、床単独における体積の1.5%であった。原料は、表1に記載の原料と同一とし、脱着剤および吸着剤は、実施例2において使用された脱着剤および吸着剤と同一とした。p−キシレンの純度が必ず約99.7質量%となるような状況下における、p−キシレンの収率および処置時間中のフラッシング液の量が、表2に記載されている。p−キシレンの収率は、本発明に係る実施例におけるp−キシレンの収率よりも著しく低くなっていた。他の条件を比較例1と同一にし、吸着に使用する供給原料の流速を8%減少させることによっても、より高収率のp−キシレンを得ることができ、その結果も表2に記載されている。
Figure 2014529341

Figure 2014529341
Figure 2014529341
表2におけるデータによれば、実質的に同一のキシレン純度を確保する条件下において、本発明の方法は、比較例よりも、p−キシレンの収率が高く、または、処理能力が高いことがわかる。
本発明において、SMBにおける吸着剤床の構造を示す図である。 本発明の方法において、フラッシング液の注入位置を示す図である。 キシレン混合物が吸着によって分離される間の吸着カラム中の液相物質の濃度分布を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 擬似移動床(SMB)吸着を用いた異性体の分離方法であって、
    異性体を含む原料をSMB吸着によって分離する工程を含み、
    上記SMBは、複数の吸着剤床を備え、上記各吸着剤床には格子が設けられており、
    上記各格子は、上記吸着剤床における、物質を注入および放出するパイプラインに設けられ、
    上記SMBに注入される上記物質および上記SMBから放出される物質は、少なくとも原料、脱着剤、抽出液、およびラフィネートを含み、
    上記抽出液は、目的生成物を豊富に含み、
    上記抽出液を、フラッシング液として使用し、
    上記抽出液を、上記原料の注入位置の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床、および、上記抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の吸着剤床のいずれか1つの吸着剤床のそれぞれに注入することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    上記脱着剤を、上記抽出液の回収位置の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床に注入し、上記吸着剤床を洗浄することを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    処置時間中において、上記原料が注入される吸着剤床の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床に注入される上記フラッシング液の注入量の体積が、上記フラッシング液を調節するバルブから上記吸着剤床の格子までのパイプラインの全容量の1.0〜2.5倍であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    処置時間中において、上記抽出液が回収される吸着剤床の下流方向における2番目〜4番目の吸着剤床の内のいずれか1つの吸着剤床に注入される上記フラッシング液の注入量の体積が、上記フラッシング液を調節するバルブから上記吸着剤床の格子までのパイプラインの全容量の0.5〜1.5倍であることを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、
    上記吸着を用いた分離方法が、液相分離法であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、
    処理時間中において、上記SMBにおける上記物質の流れる方向に沿って流入される上記物質および放出される上記物質は、上記脱着剤、上記抽出液、上記原料、上記ラフィネートの順であることを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、
    上記SMBが複数の床を備え、
    上記複数の床が、脱着領域、精製領域、吸着領域、および分離領域に分かれていることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、
    吸着を用いて分離される上記異性体が、キシレンおよびエチルベンゼンであり、
    吸着を用いて分離される目的生成物が、p−キシレンまたはm−キシレンであることを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、
    吸着を用いた分離に用いられる上記脱着剤が、p−ジエチルベンゼンまたはトルエンであることを特徴とする方法。
  10. 擬似移動床(SMB)吸着を用いた異性体の分離装置であって、
    上記装置は、擬似移動床と、物質を流入および流出するパイプラインとを備え、
    上記SMBは、複数の吸着剤床を備え、上記各吸着剤床には格子が設けられており、
    上記各格子は、上記吸着剤床における、上記物質を流入および流出するパイプラインに設けられ、
    上記吸着剤床における、上記物質を流入および放出するパイプラインに、2本の平行なフラッシング液用パイプラインが設けられ、
    上記各フラッシング液用パイプラインは、on−offバルブを備え、
    抽出液が、フラッシング液として使用され、
    一方のフラッシング液用パイプラインのフラッシング液が、原料が注入される吸着剤床の上流方向における1番目または2番目の吸着剤床に注入され、
    他方のフラッシング液用パイプラインのフラッシング液が、上記抽出液の回収位置の下流方向における2番目〜4番目の吸着剤床のいずれか1つの吸着剤床に注入されることを特徴とする装置。
  11. 請求項10に記載の装置であって、
    上記各吸着剤床の格子は、上記物質を流入および流出するパイプラインに設けられ、
    平行に接続された複数の上記on−offバルブが、上記パイプラインに設けられ、上記吸着剤床における各物質の注入および放出を調節するようになっていることを特徴とする装置。
  12. 請求項10に記載の装置であって、
    6個〜7個の上記on−offバルブが、上記吸着剤床における上記物質を流入および流出するパイプラインのそれぞれに設けられていることを特徴とする装置。
  13. 請求項10に記載の装置であって、
    上記各吸着剤床は、脱着剤がフラッシング液として使用されるパイプラインを備え、
    上記脱着剤の注入位置が、上記抽出液の回収位置の上流方向の吸着剤床に存在することを特徴とする装置。
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