JP2014528238A - 角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記段階(ハ)では、新たに置き換えた培地の色の変化が止まってそれ以上変わらない時に培地を除去すればよい。前記除去は、前記3〜7日間の追加培養期間内で行えばよい。培地を除去してから緩衝液で洗浄した後にインキュベートさせてもよい。前記洗浄に用いられる緩衝液には、例えば、PBSが挙げられる。インキュベーションは、洗浄された細胞を入れて蓋をした後に、インキュベーターに5〜10分間入れることであってよい。前記時間にわたってインキュベートすることで角化細胞を培養上皮細胞層の形態として容易に分離することができるようになる。
本発明の一実施例に係る角化細胞に適応したメラニン形成細胞は、(i)一次メラニン形成細胞に比べて低い、神経堤幹細胞マーカーであるp75NTRの発現量;(ii)一次メラニン形成細胞に比べて高い、メラノブラストから発現するBRN2の発現量;(iii)一次メラニン形成細胞に比べて高いメラニン含量;(iv)一次メラニン形成細胞に比べて高いチロシナーゼ活性;(v)ホルボール12−ミリステート13−アセテート(phorbol 12−myristate 13−acetate、PMA)欠如培地で培養の際、一次メラニン形成細胞に比べてp75NTRの高い発現増加量;(vi)PMA欠如培地で培養の際、一次メラニン形成細胞に比べてBRN2の低い発現増加量;(vii)PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量に対する、PMA欠如培地で培養の際の角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量の相対的な割合が、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量に対する、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞のp75NTRの発現量の割合の60〜160%に該当する発現量;(viii)PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量に対する、PMA欠如培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量の相対的な割合が、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞のBRN2の発現量に対する、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量の割合の1〜10倍に該当する発現量;及び(ix)一次メラニン形成細胞に比べて高い、2時間継代培養後のディッシュ底に付着された細胞の割合のうちの一つ以上の特徴を有するメラニン形成細胞であってよい。
1.角化細胞に適応したメラノサイトの生産
(a)角化細胞を培養する段階
ヒト角化細胞(Normal Human Epidermal Keratinocyte)は、ロンザ社製のNHEK−Neo、Pooled(Neonatal Normal Human Epidermal Keratinocytes、Pooled:製品番号00192906)を使用した。ヒト角化細胞の培養のための角化細胞培地は、KGM−Gold(商標) BulletKit(商標)製品番号192060;Lonza)を使用した。角化細胞が基底膜に付着して増殖する性質を保持するために、ディッシュは10μg/mlコラーゲンタイプIでコーティングしたものを使用した。前記細胞は、37℃、5% CO2インキュベーターで培養し、約70%の密度になったときに継代培養をした。角化細胞を培養上皮細胞層に分化を誘導するときは、KGM−2 BulletKit(製品番号CC−3107;Lonza)と0.1%ゼラチンコーティングを使用した。
角化細胞を培養上皮細胞層のシート形態としてディッシュから分離あるいは除去するために、前記角化細胞培地に最終的に高濃度のカルシウムを添加した、即ち、1.2mM CaCl2を添加したカルシウム培地を使用した。高濃度のカルシウム培地での培養もまた、同様の37℃、5% CO2インキュベーターで行った。角化細胞が培養ディッシュの底が見えないように培養された時点(約90% confluent)で角化細胞培地を前記高濃度のカルシウム培地に置き換えて3日間培養を行った。前記培養された角化細胞をPBS(Phosphate Buffered Saline、pH7.4)で3回洗浄して高濃度のカルシウムを除去し、角化細胞培地に置き換えて4日間さらに培養を行った。この期間内に新たに置き換えた培地の色の変化が止まってそれ以上変わらない時に培地を除去し、PBSで2回洗浄した後、蓋をしてインキュベーターに5分間入れておいた。再びPBSを入れる過程で培養上皮細胞層が自発的に分離された。培養上皮細胞層が除去された直後にディッシュ底には依然として細胞が残っていた。
前記培養上皮細胞層を除去した後にディッシュをPBSで2回洗浄し、アキュターゼ(Millipore;製品番号、SCR005)を5分間処理した。分離された細胞を遠心分離して沈殿させた後に0.1%ゼラチンでコーティングされたディッシュに移した。このときからHMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地を利用した。その結果としての培養された細胞を顕微鏡で撮像した写真が図1のBである。図1のBに示されるように、二極(bipolar)の模様を示している。
KaMCと比較するための一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)は、ロンザ社製のNHEM−Neo(Neonatal normal Human melanocytes、製品番号cc−2504)を利用した。
前記分離されたKaMC、角化細胞(Normal Human Epidermal Keratinocyte)は、ロンザ社製のNHEK−Neo、Pooled(Neonatal Normal Human Epidermal Keratinocytes、Pooled:製品番号00192906)(KC)、一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)のそれぞれをPBSで洗浄し、キット(miRNeasy mini kit、Qiagen、製品番号217004)を利用して全RNAを分離した後、RT−PCR kit(SuperScript III First−Strand Synthesis System for RT−PCR、Invitrogen、製品番号18080−051)を通じてcDNAを合成した。合成されたcDNAを鋳型として遺伝子に特異的に結合するプライマー(TaqMan(登録商標) Gene Expression Assays、Applied Biosystems)とSYBR(TaqMan(登録商標) Universal PCR Master Mix、Applied Biosystems;製品番号、4304437)を利用してメラニン形成細胞系細胞のマーカーであるSOX10、PAX3、MITF、TYR、TYRP1、DCT、PMEL、NESTINのmRNA発現の変化を測定した。
培地を除去してから細胞をPBSで2回洗浄した後、溶菌バッファー(lysis buffer)(Sigma)を入れて細胞を取得した。4℃で1時間にわたってロッキングしながら細胞内タンパク質を抽出した後、遠心分離(1300rpm、15分)にて細胞ペレット(cell pellet)と抽出物とを分離した。
メラニン形成細胞の分化を誘導する物質であるPMAの効果を調べるために、継代培養の際にPMA−free HMGS−2(Cascade Biologics、製品番号:S−016−5)が添加されたM−254を利用した(PMA−)。前記結果をHMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地で培養された細胞の結果と比較した(PMA+)。その結果を図6及び図7に示した。
継代培養初期の生着力や生存力を調べるために、同一の条件下で継代培養後、2時間が経過した時点で細胞の状態を観察した。具体的にKaMCとPMCを0.1%ゼラチンでコーティングされたディッシュへ移し、HMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地で、2時間37℃で培養した。その結果は図8のAに示されるとおりである。図8のAを見てみると、KaMCは2時間以内に95%以上の細胞がディッシュ底に確実に付着してデンドライト(dendrites)を延ばした形態を示している反面、同じ時間の間、PMCは付着できずに浮いている細胞の数が多いことが分かった。図8のAにおいて矢印で表示したものが浮いている細胞である。
(a)角化細胞を培養する段階
ヒト角化細胞を前記1.(a)の項目と同様にして培養した。
前記1.(b)項目と同様にして角化細胞をシート形態に分離させた。その結果、ディッシュ底には依然として細胞が残っていた。
前記培養上皮細胞層を除去してからディッシュをPBSで2回洗浄し、アキュターゼ(Millipore;製品番号、SCR005)を5分間処理した。分離された細胞を遠心分離して沈殿させた後に新しいディッシュに移した。この時からHMGS−2(Human melanocyte growth supplement−2、PMA−free;Cascase Biology;製品番号:S−016−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地を利用した。その結果としての培養された細胞を顕微鏡で撮像した写真が図9のBである。前記細胞の密度が約80%になった時に継代培養をした。図9のBに示される細胞を、メラニン形成細胞の代表的分化誘導物質であるPMAが添加されたメラニン形成細胞培地(M254/HMGS)で育てると、二極(bipolar)の分化された模様を示す(図9のC)。
KaMBと比較するための一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)は、ロンザ社製のNHEM−Neo(Neonatal normal Human melanocytes、製品番号cc−2504)を利用した。また、KaMBと比較するための角化細胞に適応したメラニン形成細胞(Keratinocyte−adapted Melanocyte、KaMC)を用意した。KaMCは、前記段階(c)で分離された細胞をHMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地で培養したことを除いては、KaMBと同法にて得た。また、PMAを入れた培地と入れていない培地とでそれぞれ培養した。
前記分離されたKaMB、KaMC、一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)のそれぞれをPBSで洗浄し、キット(miRNeasy mini kit、Qiagen、製品番号217004)を利用して全RNAを分離した後、RT−PCR kit(SuperScript III First−Strand Synthesis System for RT−PCR、Invitrogen、製品番号18080-051)にてcDNAを合成した。合成されたcDNAを鋳型として遺伝子に特異的に結合するプライマー(TaqMan(登録商標) Gene Expression Assays、Applied Biosystems)とSYBR(TaqMan(R) Universal PCR Master Mix、Applied Biosystems;製品番号、4304437)を利用してメラノブラスト/メラニン形成細胞系のマーカーであるNOTCH1、SOX10、PAX3、EDNRB、c−KIT、SNAI2、MITF、DCT、TYRP1、TYR、PMELのmRNA発現の変化を測定した。
培地を除去してから細胞をPBSで2回洗浄した後、溶菌バッファー(lysis buffer)(Sigma)を入れて細胞を取得した。4℃で1時間にわたってロッキングしながら細胞内タンパク質を抽出した後、遠心分離(1300rpm、15分)にて細胞ペレット(cell pellet)と抽出物とを分離した。
各タイプの細胞(5×104)を、I型コラゲン(最終10μg/ml)でコーティングをした8.0mmのポアサイズを有する細胞培養インサート(cell culture insert)(Becton Dickinson、製品番号:353097)に植えて24−ウェルに入れた後、4時間にわたって培養した。培地を除去し、メタノールを入れて5〜10分間固定させた。ヘマトキシリン(Hematoxilin)で5分間核を染色し水で数回洗浄した後、細胞質染色のためにエオシン(Eosin)を入れて1〜5分間浸しておいた。水で数回洗浄した後、インサートの内側を耳掻きを利用してきれいに拭いた。ナイフを利用してインサートからフィルターだけを分離した後、スライドガラスの上にマウントした。その結果を図11のCに示した。トランスウェルを使用して移動性を確認した結果、分化状態のKaMCに比べて、KaMBが4時間以内と遥かに優れた移動性を示した。生体内メラノブラストが発生過程の特性上、移動性(migration)を持つという点に基づくとき、KaMBはメラノブラスト的性質を有することが確認された。
KaMB、KaMCのそれぞれを100−mmディッシュで培養し、密度が80〜90%になったとき、PBSで2回洗浄し、溶菌バッファー(lysis buffer、Sigma)100〜150μlを入れて、セルスクレーパ(SPL Life Sciences)で細胞を取得した。低温冷蔵庫(4〜8℃)で10分間インキュベートし、10分間遠心分離した後に、各種のタンパク質を含む上層部を新しいチューブに移してからBCAタンパク質定量キット(protein assay kit)(Thermo Scientific;製品番号、23227)にてタンパク質定量をした。15μgタンパク質を電気泳動した後にニトロセルローズ膜に移送した後、SOX10(R&D systems、MAB2864)、PAX3(R&D systems、MAB2457)、BRN2(ProteinTech Group、14596−1−AP)、MART1(Thermo Scientific、MS−716)、TYRP2(Santa Cruz biotechnology、C−9、sc−74439)、TYRP1(Santa Cruz biotechnology、H−90、sc−25543)、TYR(Santa Cruz biotechnology、H−109、sc−15341)、GADPH(Santa Cruz biotechnology、FL−335、sc−25778)のそれぞれの抗体でウエスタンブロット(Western blot)を行った結果、KaMBから特異的にBRN2の発現が観察され(図11のD、星印(*))、KaMCからはメラニン生成の核心タンパク質であるチロシナーゼ(TYR)の発現が増加していることが分かった(図11のD、矢印(←))。BRN2はヒトメラノブラストマーカーであり、角化細胞の培養から分離したKaMBは、メラノブラストであることが確認された。
前記のようなメラノブラスト的性質を有するようになったことが単に培地の入れ替えによる脱分化の結果であるか否かを確認するために、一次メラニン形成細胞とKaMBを、メラニン形成細胞の分化を誘導する物質であるPMAが含まれたメラニン形成細胞培地とPMAが含まれていないメラノブラスト培地のそれぞれで培養させた。その結果、一次メラニン形成細胞は、PMAのある培地では適当に育ったが、PMAのないメラノブラスト培地ではほとんど育っていないことが分かった(図12のA、3rd、4th panels)。これに対し、角化細胞から分離されたKaMBは、PMAのあるメラニン形成細胞培地よりはPMAが含まれていないメラノブラスト培地で遥かに優れた増殖力を示した(図12のA、1st、2nd panels)。このような結果から、KaMBは、単にメラノブラスト培地で育てて得られる脱分化された細胞とは異なる性格の細胞であることが分かる。
各細胞のタイプ毎に24−ウェルプレートの1ウェル当たり3.4×104(総5ウェル)を植えて0、3、6、9、12日目に細胞数の測定を行った。その結果、KaMB細胞が最も優れた増殖力を示した(図12のB)。
各細胞を96−ウェルプレートの1ウェル当たり1×104個を植えて3日間培養後、細胞増殖ELISA、BrdUキット(Roche、製品番号:11 647 229 001)を利用して細胞をラベリングした後、吸光度を10、20、30分おきに測定した。BrdUは分裂する細胞のDNAにくっ付く性質がある。その結果、PMAが含まれていないメラノブラスト培地におけるKaMBが最も多く分裂及び増殖をしていることが分かった(図12のC)。KaMBは、PMAのない培地条件で長期間(passage 9)培養する間に大きな変化がなかったが(図13、3rd panel)、一次メラニン形成細胞はこの培地でほとんど増殖ができず、且つ長期間(passage 6)培養する間に細胞内部に多くの液胞(vacuoles)を形成した(図13、1st panel)。KaMCとPMCのそれぞれを、PMAを含むメラニン形成細胞培地で培養した時すらも、KaMCがPMCよりも優れた増殖力を示した(図12のB、C)。
本発明の一実施例に係る角化細胞に適応したメラニン形成細胞は、(i)一次メラニン形成細胞に比べて低い、神経堤幹細胞マーカーであるp75NTRの発現量;(ii)一次メラニン形成細胞に比べて高い、メラノブラストから発現するBRN2の発現量;(iii)一次メラニン形成細胞に比べて高いメラニン含量;(iv)一次メラニン形成細胞に比べて高いチロシナーゼ活性;(v)ホルボール12−ミリステート13−アセテート(phorbol 12−myristate 13−acetate、PMA)欠如培地で培養の際、一次メラニン形成細胞に比べてp75NTRの高い発現増加量;(vi)PMA欠如培地で培養の際、一次メラニン形成細胞に比べてBRN2の低い発現増加量;(vii)PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量に対する、PMA欠如培地で培養の際の角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量の相対的な割合が、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量に対する、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞のp75NTRの発現量の割合の60〜160%に該当する発現量;(viii)PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量に対する、PMA欠如培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量の相対的な割合が、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞のBRN2の発現量に対する、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量の割合の1〜10倍に該当する発現量;及び(ix)一次メラニン形成細胞に比べて高い、2時間継代培養後のディッシュ底に付着された細胞の割合のうちの一つ以上の特徴を有するメラニン形成細胞であってよい。
1.角化細胞に適応したメラノサイトの生産
(a)角化細胞を培養する段階
ヒト角化細胞(Normal Human Epidermal Keratinocyte)は、ロンザ社製のNHEK−Neo、Pooled(Neonatal Normal Human Epidermal Keratinocytes、Pooled:製品番号00192906)を使用した。ヒト角化細胞の培養のための角化細胞培地は、KGM−Gold(商標) BulletKit(商標)製品番号192060;Lonza)を使用した。角化細胞が基底膜に付着して増殖する性質を保持するために、ディッシュは10μg/mlコラーゲンタイプIでコーティングしたものを使用した。前記細胞は、37℃、5% CO2インキュベーターで培養し、約70%の密度になったときに継代培養をした。角化細胞を培養上皮細胞層に分化を誘導するときは、KGM−2 BulletKit(製品番号CC−3107;Lonza)と0.1%ゼラチンコーティングを使用した。
角化細胞を培養上皮細胞層のシート形態としてディッシュから分離あるいは除去するために、前記角化細胞培地に最終的に高濃度のカルシウムを添加した、即ち、1.2mM CaCl2を添加したカルシウム培地を使用した。高濃度のカルシウム培地での培養もまた、同様の37℃、5% CO2インキュベーターで行った。角化細胞が培養ディッシュの底が見えないように培養された時点(約90% confluent)で角化細胞培地を前記高濃度のカルシウム培地に置き換えて3日間培養を行った。前記培養された角化細胞をPBS(Phosphate Buffered Saline、pH7.4)で3回洗浄して高濃度のカルシウムを除去し、角化細胞培地に置き換えて4日間さらに培養を行った。この期間内に新たに置き換えた培地の色の変化が止まってそれ以上変わらない時に培地を除去し、PBSで2回洗浄した後、ディッシュの蓋をしてインキュベーターに5分間入れておいた。再びPBSを入れる過程で培養上皮細胞層が自発的に分離された。培養上皮細胞層が除去された直後にディッシュ底には依然として細胞が残っていた。
前記培養上皮細胞層を除去した後にディッシュをPBSで2回洗浄し、アキュターゼ(Millipore;製品番号、SCR005)を5分間処理した。分離された細胞を遠心分離して沈殿させた後に0.1%ゼラチンでコーティングされたディッシュに移した。このときからHMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地を利用した。その結果としての培養された細胞を顕微鏡で撮像した写真が図1のBである。図1のBに示されるように、二極(bipolar)の模様を示している。
KaMCと比較するための一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)は、ロンザ社製のNHEM−Neo(Neonatal normal Human melanocytes、製品番号cc−2504)を利用した。
前記分離されたKaMC、角化細胞(Normal Human Epidermal Keratinocyte)は、ロンザ社製のNHEK−Neo、Pooled(Neonatal Normal Human Epidermal Keratinocytes、Pooled:製品番号00192906)(KC)、一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)のそれぞれをPBSで洗浄し、キット(miRNeasy mini kit、Qiagen、製品番号217004)を利用して全RNAを分離した後、RT−PCR kit(SuperScript III First−Strand Synthesis System for RT−PCR、Invitrogen、製品番号18080−051)を通じてcDNAを合成した。合成されたcDNAを鋳型として遺伝子に特異的に結合するプライマー(TaqMan(登録商標) Gene Expression Assays、Applied Biosystems)とSYBR(TaqMan(登録商標) Universal PCR Master Mix、Applied Biosystems;製品番号、4304437)を利用してメラニン形成細胞系細胞のマーカーであるSOX10、PAX3、MITF、TYR、TYRP1、DCT、PMEL、NESTINのmRNA発現の変化を測定した。
培地を除去してから細胞をPBSで2回洗浄した後、溶菌バッファー(lysis buffer)(Sigma)を入れて細胞を取得した。4℃で1時間にわたってロッキングしながら細胞内タンパク質を抽出した後、遠心分離(1300rpm、15分)にて細胞ペレット(cell pellet)と抽出物とを分離した。
メラニン形成細胞の分化を誘導する物質であるPMAの効果を調べるために、継代培養の際にPMA−free HMGS−2(Cascade Biologics、製品番号:S−016−5)が添加されたM−254を利用した(PMA−)。前記結果をHMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地で培養された細胞の結果と比較した(PMA+)。その結果を図6及び図7に示した。
継代培養初期の生着力や生存力を調べるために、同一の条件下で継代培養後、2時間が経過した時点で細胞の状態を観察した。具体的にKaMCとPMCを0.1%ゼラチンでコーティングされたディッシュへ移し、HMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地で、2時間37℃で培養した。その結果は図8のAに示されるとおりである。図8のAを見てみると、KaMCは2時間以内に95%以上の細胞がディッシュ底に確実に付着してデンドライト(dendrites)を延ばした形態を示している反面、同じ時間の間、PMCは付着できずに浮いている細胞の数が多いことが分かった。図8のAにおいて矢印で表示したものが浮いている細胞である。
(a)角化細胞を培養する段階
ヒト角化細胞を前記1.(a)の項目と同様にして培養した。
前記1.(b)項目と同様にして角化細胞をシート形態に分離させた。その結果、ディッシュ底には依然として細胞が残っていた。
前記培養上皮細胞層を除去してからディッシュをPBSで2回洗浄し、アキュターゼ(Millipore;製品番号、SCR005)を5分間処理した。分離された細胞を遠心分離して沈殿させた後に新しいディッシュに移した。この時からHMGS−2(Human melanocyte growth supplement−2、PMA−free;Cascase Biology;製品番号:S−016−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地を利用した。その結果としての培養された細胞を顕微鏡で撮像した写真が図9のBである。前記細胞の密度が約80%になった時に継代培養をした。図9のBに示される細胞を、メラニン形成細胞の代表的分化誘導物質であるPMAが添加されたメラニン形成細胞培地(M254/HMGS)で育てると、二極(bipolar)の分化された模様を示す(図9のC)。
KaMBと比較するための一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)は、ロンザ社製のNHEM−Neo(Neonatal normal Human melanocytes、製品番号cc−2504)を利用した。また、KaMBと比較するための角化細胞に適応したメラニン形成細胞(Keratinocyte−adapted Melanocyte、KaMC)を用意した。KaMCは、前記段階(c)で分離された細胞をHMGS(Human melanocyte growth supplement;Cascase Biology;製品番号:S−002−5)が添加されたM254(Cascade Biologics、製品番号:M−254−500)培地で培養したことを除いては、KaMBと同法にて得た。また、PMAを入れた培地と入れていない培地とでそれぞれ培養した。
前記分離されたKaMB、KaMC、一次メラニン形成細胞(primary melanocyte、PMC)のそれぞれをPBSで洗浄し、キット(miRNeasy mini kit、Qiagen、製品番号217004)を利用して全RNAを分離した後、RT−PCR kit(SuperScript III First−Strand Synthesis System for RT−PCR、Invitrogen、製品番号18080-051)にてcDNAを合成した。合成されたcDNAを鋳型として遺伝子に特異的に結合するプライマー(TaqMan(登録商標) Gene Expression Assays、Applied Biosystems)とSYBR(TaqMan(R) Universal PCR Master Mix、Applied Biosystems;製品番号、4304437)を利用してメラノブラスト/メラニン形成細胞系のマーカーであるNOTCH1、SOX10、PAX3、EDNRB、c−KIT、SNAI2、MITF、DCT、TYRP1、TYR、PMELのmRNA発現の変化を測定した。
培地を除去してから細胞をPBSで2回洗浄した後、溶菌バッファー(lysis buffer)(Sigma)を入れて細胞を取得した。4℃で1時間にわたってロッキングしながら細胞内タンパク質を抽出した後、遠心分離(1300rpm、15分)にて細胞ペレット(cell pellet)と抽出物とを分離した。
各タイプの細胞(5×104)を、I型コラゲン(最終10μg/ml)でコーティングをした8.0mmのポアサイズを有する細胞培養インサート(cell culture insert)(Becton Dickinson、製品番号:353097)に植えて24−ウェルに入れた後、4時間にわたって培養した。培地を除去し、メタノールを入れて5〜10分間固定させた。ヘマトキシリン(Hematoxilin)で5分間核を染色し水で数回洗浄した後、細胞質染色のためにエオシン(Eosin)を入れて1〜5分間浸しておいた。水で数回洗浄した後、インサートの内側を耳掻きを利用してきれいに拭いた。ナイフを利用してインサートからフィルターだけを分離した後、スライドガラスの上にマウントした。その結果を図11のCに示した。トランスウェルを使用して移動性を確認した結果、分化状態のKaMCに比べて、KaMBが4時間以内と遥かに優れた移動性を示した。生体内メラノブラストが発生過程の特性上、移動性(migration)を持つという点に基づくとき、KaMBはメラノブラスト的性質を有することが確認された。
KaMB、KaMCのそれぞれを100−mmディッシュで培養し、密度が80〜90%になったとき、PBSで2回洗浄し、溶菌バッファー(lysis buffer、Sigma)100〜150μlを入れて、セルスクレーパ(SPL Life Sciences)で細胞を取得した。低温冷蔵庫(4〜8℃)で10分間インキュベートし、10分間遠心分離した後に、各種のタンパク質を含む上層部を新しいチューブに移してからBCAタンパク質定量キット(protein assay kit)(Thermo Scientific;製品番号、23227)にてタンパク質定量をした。15μgタンパク質を電気泳動した後にニトロセルローズ膜に移送した後、SOX10(R&D systems、MAB2864)、PAX3(R&D systems、MAB2457)、BRN2(ProteinTech Group、14596−1−AP)、MART1(Thermo Scientific、MS−716)、TYRP2(Santa Cruz biotechnology、C−9、sc−74439)、TYRP1(Santa Cruz biotechnology、H−90、sc−25543)、TYR(Santa Cruz biotechnology、H−109、sc−15341)、GADPH(Santa Cruz biotechnology、FL−335、sc−25778)のそれぞれの抗体でウエスタンブロット(Western blot)を行った結果、KaMBから特異的にBRN2の発現が観察され(図11のD、星印(*))、KaMCからはメラニン生成の核心タンパク質であるチロシナーゼ(TYR)の発現が増加していることが分かった(図11のD、矢印(←))。BRN2はヒトメラノブラストマーカーであり、角化細胞の培養から分離したKaMBは、メラノブラストであることが確認された。
前記のようなメラノブラスト的性質を有するようになったことが単に培地の入れ替えによる脱分化の結果であるか否かを確認するために、一次メラニン形成細胞とKaMBを、メラニン形成細胞の分化を誘導する物質であるPMAが含まれたメラニン形成細胞培地とPMAが含まれていないメラノブラスト培地のそれぞれで培養させた。その結果、一次メラニン形成細胞は、PMAのある培地では適当に育ったが、PMAのないメラノブラスト培地ではほとんど育っていないことが分かった(図12のA、3rd、4th panels)。これに対し、角化細胞から分離されたKaMBは、PMAのあるメラニン形成細胞培地よりはPMAが含まれていないメラノブラスト培地で遥かに優れた増殖力を示した(図12のA、1st、2nd panels)。このような結果から、KaMBは、単にメラノブラスト培地で育てて得られる脱分化された細胞とは異なる性格の細胞であることが分かる。
各細胞のタイプ毎に24−ウェルプレートの1ウェル当たり3.4×104(総5ウェル)を植えて0、3、6、9、12日目に細胞数の測定を行った。その結果、KaMB細胞が最も優れた増殖力を示した(図12のB)。
各細胞を96−ウェルプレートの1ウェル当たり1×104個を植えて3日間培養後、細胞増殖ELISA、BrdUキット(Roche、製品番号:11 647 229 001)を利用して細胞をラベリングした後、吸光度を10、20、30分おきに測定した。BrdUは分裂する細胞のDNAにくっ付く性質がある。その結果、PMAが含まれていないメラノブラスト培地におけるKaMBが最も多く分裂及び増殖をしていることが分かった(図12のC)。KaMBは、PMAのない培地条件で長期間(passage 9)培養する間に大きな変化がなかったが(図13、3rd panel)、一次メラニン形成細胞はこの培地でほとんど増殖ができず、且つ長期間(passage 6)培養する間に細胞内部に多くの液胞(vacuoles)を形成した(図13、1st panel)。KaMCとPMCのそれぞれを、PMAを含むメラニン形成細胞培地で培養した時すらも、KaMCがPMCよりも優れた増殖力を示した(図12のB、C)。
Claims (38)
- 角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞であるメラノブラストを生産する方法であって、
(a)角化細胞を角化細胞培地で培養する段階;
(b)前記培養物から角化細胞を除去する段階;及び
(c)角化細胞が除去された培養物からディッシュ底に付着された細胞を収去し、メラニン形成細胞培地又はメラノブラスト培地で培養する段階;
を含む、角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。 - 前記生産方法はメラニン形成細胞の生産方法であり、
前記段階(c)におけるメラニン形成細胞培地は、必須及び非必須アミノ酸、ビタミン、有機化合物、微量のミネラル、並びに無機塩を含むが、抗生剤、抗真菌剤(antimycotics)、ホルモン、成長因子又はタンパク質は含まない基本培地に、ウシ胎児血清、塩基性線維芽細胞成長因子、ウシ脳下垂体抽出物、ヘパリン、ヒドロコルチゾン、インシュリン、トランスフェリン、及びPMA(phorbol 12−myristate 13−acetate)を含む補充物で補充された培地である、請求項1に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。 - 前記生産方法はメラノブラストの生産方法であり、
前記段階(c)におけるメラノブラスト培地は、必須及び非必須アミノ酸、ビタミン、有機化合物、微量のミネラル、並びに無機塩を含むが、抗生剤、抗真菌剤(antimycotics)、ホルモン、成長因子又はタンパク質は含まない基本培地に、ウシ胎児血清、塩基性線維芽細胞成長因子、ウシ脳下垂体抽出物、ヘパリン、ヒドロコルチゾン、インシュリン、トランスフェリン、エンドセリン−1(endothelin−1)を含む補充物で補充された培地である、請求項1に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。 - 前記段階(a)における角化細胞はヒトの角化細胞人である、請求項1に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 前記段階(b)は、角化細胞を、前記角化細胞培地にカルシウムが添加されたカルシウム培地で培養することを含む、請求項1に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 前記段階(b)は、
(イ)培養された角化細胞を前記角化細胞培地にカルシウムが添加されたカルシウム培地で培養する段階;
(ロ)前記カルシウム培地を除去した後に細胞を洗浄し、角化細胞培地に置き換えて再び培養する段階;
(ハ)前記培地を除去した後に細胞を洗浄し、インキュベートさせる段階;及び
(ニ)インキュベートされた細胞から角化細胞をシート形態に分離させる段階;
を含む、請求項5に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。 - 前記段階(ニ)は、前記インキュベートされた細胞に緩衝液又は角化細胞培地を添加して角化細胞をシート形態に分離させることを含む、請求項6に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 前記段階(イ)では、角化細胞を前記角化細胞培地にカルシウムが添加されたカルシウム培地で2〜6日間培養する、請求項6に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 前記角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法は、
段階(a)において角化細胞を角化細胞培地で培養した結果、細胞が培養ディッシュにおいて80〜100%コンフルエント(confluent)にて培養された時点で角化細胞培地からカルシウム培地に置き換えることを含む、請求項6に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。 - 前記段階(ロ)では、角化細胞培地で3〜7日間培養する、請求項6に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 前記段階(ハ)では、培地の色の変化が止まってそれ以上変わらない時点で培地を除去する、請求項6に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 前記段階(ハ)における前記インキュベーションは、5〜10分間行う、請求項6に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞又はその前駆細胞の生産方法。
- 角化細胞に適応したメラニン形成細胞であって、
下記特徴のうちのいずれか一つ以上を有する角化細胞に適応したメラニン形成細胞:
(i)一次メラニン形成細胞に比べて低い、神経堤幹細胞マーカーであるp75NTRの発現量;
(ii)一次メラニン形成細胞に比べて高い、メラノブラストから発現するBRN2の発現量;
(iii)一次メラニン形成細胞に比べて高いメラニン含量;
(iv)一次メラニン形成細胞に比べて高いチロシナーゼ活性;
(v)ホルボール12−ミリステート13−アセテート(phorbol 12−myristate 13−acetate、PMA)欠如培地(PMA−free medium)で培養の際、一次メラニン形成細胞に比べてp75NTRの高い発現増加量;
(vi)PMA欠如培地で培養の際、一次メラニン形成細胞に比べてBRN2の低い発現増加量;
(vii)PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量に対する、PMA欠如培地で培養の際の角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量の相対的な割合が、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量に対する、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞のp75NTRの発現量の割合の60〜160%に該当する発現量;
(viii)PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量に対する、PMA欠如培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量の相対的な割合が、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞のBRN2の発現量に対する、PMA含有メラニン形成細胞培地で培養された角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量の割合の1〜10倍に該当する発現量;及び
(ix)一次メラニン形成細胞に比べて高い、2時間継代培養後のディッシュ底に付着された細胞の割合。 - 前記(i)のp75NTRの発現量は、一次メラニン形成細胞に比べて1/10倍以下に低い、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(ii)のBRN2の発現量は、一次メラニン形成細胞に比べて5倍以上高い、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(iii)のメラニン含量は、一次メラニン形成細胞に比べて高い、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(iv)のチロシナーゼの活性は、37℃で120分間インキュベーションの際に一次メラニン形成細胞に比べて2倍以上高い、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(v)の発現量は、一次メラニン形成細胞の発現量の2倍以上である、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(vi)の発現量は、一次メラニン形成細胞の発現量の9/10倍以下である、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(vii)において、PMA欠如培地で培養の際の角化細胞に適応したメラニン形成細胞のp75NTRの発現量が、メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞が発現するp75NTRの発現量の80〜120%に該当する発現量である、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(viii)において、PMA欠如培地で培養の際の角化細胞に適応したメラニン形成細胞のBRN2の発現量が、メラニン形成細胞培地で培養された一次メラニン形成細胞が発現するBRN2の発現量の3〜7倍に該当する発現量である、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記(ix)において、2時間継代培養後のディッシュ底に付着された細胞の割合が、80%以上である、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記角化細胞に適応したメラニン形成細胞は角化細胞から由来したものである、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記角化細胞はヒトの角化細胞である、請求項23に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記角化細胞に適応したメラニン形成細胞は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって生産されたものである、請求項23に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 前記角化細胞に適応したメラニン形成細胞は、寄託番号KCTC 12015BPにて寄託された細胞である、請求項13に記載の角化細胞に適応したメラニン形成細胞。
- 角化細胞に適応したメラノブラストであって、
MITF、DCT、TYRP1、SNAI2、C−KIT、及びEDNRBからなる群より選ばれる一つ以上のメラノブラストマーカーの発現量が、一次メラニン形成細胞又は角化細胞に適応したメラニン形成細胞に比べて高い特徴を有する、角化細胞に適応したメラノブラスト。 - 前記メラノブラストは、
MITF及びDCTのうちの一つ以上のメラノブラストマーカーの発現量が、一次メラニン形成細胞又は角化細胞に適応したメラニン形成細胞に比べて2倍以上高い特徴を有する細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。 - 前記メラノブラストは、
MITF及びDCTのうちの一つ以上のメラノブラストマーカーの発現量が、一次メラニン形成細胞又は角化細胞に適応したメラニン形成細胞に比べて4倍以上高い特徴を有する細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。 - 前記メラノブラストは、
角化細胞に適応したメラニン形成細胞に比べて高いBRN2タンパク質発現量、及び低いTYRタンパク質発現量のうちのいずれか一つ以上の特徴を有する細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。 - 前記メラノブラストは、メラノブラスト培地で9日間培養の際、初期の細胞数に比べて25倍以上増加した細胞数を示す細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記メラノブラストは、メラノブラスト培地で9日間培養の際、初期の細胞数に比べて30倍以上増加した細胞数を示す細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記メラノブラストは、メラノブラスト培地で6回以上の継代培養の際も増殖し続ける細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記メラノブラストは、メラノブラスト培地で9回以上の継代培養の際も増殖し続ける細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記角化細胞に適応したメラノブラストは、角化細胞から由来したものである、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記角化細胞は、ヒトの角化細胞である、請求項35に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記角化細胞に適応したメラノブラストは、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって生産されたものである、請求項36に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
- 前記角化細胞に適応したメラノブラストは、寄託番号KCTC 12250BPにて寄託された細胞である、請求項27に記載の角化細胞に適応したメラノブラスト。
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