JP2003516711A - 正常ヒト皮膚組織由来の不死化した細胞系 - Google Patents

正常ヒト皮膚組織由来の不死化した細胞系

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1つのレトロウイルス由来の機能性腫瘍形成性遺伝子により不死化したヒトケラチノサイトの細胞系に関し、(1)非腫瘍形成性であり、(2)組織培養において高次の継代の後でさえも、分化する能力及び分化した正常なケラチノサイトによって発現されるタンパク質及び酵素を発現する能力を維持し、(3)血清及び栄養細胞層を含まない培地を用いた臓器特異的培養において培養される時、オルトケラチンの角質層を含む層状の分極した上皮を形成する、ことを特徴とする。本発明は、また、不死化したケラチノサイトを得るためのヒト皮膚細胞を不死化する改善された方法に関し、少なくとも2つの異なるレトロウイルスの機能性腫瘍形成性遺伝子を用いて、ケラチノサイトを感染させるステップを含むことを特徴とする。本発明は、さらに、免疫学的、薬理学的、光毒物学的及び化学毒物学的皮膚反応のための、異種遺伝子を発現するための、及び人工皮膚を構築するための、該ケラチノサイトの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、正常なヒト皮膚組織に由来し改良された分化特性を与える新規な不
死化細胞系、これらの細胞系を生産する方法、及び特に人工皮膚創製の分野にお
けるそれらの種々の使用に関する。
【0002】 (背景技術) 正常なヒト皮膚組織に由来する不死化細胞系の生産は、すでに公知である。一
般に、この目的のために用いられる方法は、不死化をもたらす薬剤を使用してイ
ンビトロで培養されるヒト皮膚細胞、例えばケラチノサイト及びメラノサイトの
形質転換を含む。不死化は細胞の生産に関連し、長期間にわたってインビトロで
、理論的には無期限に培養可能である。これらの細胞はまた選ばれた連続的な細
胞系である。これに対し、非不死化細胞は、インビトロで限られた回数の細胞分
裂の期間だけ増殖することができる。不死化した細胞は、確定した特性を有する
細胞の安定で潜在的には無限の供給源を提供するので、極めて有益である。不死
化した細胞系及び不死化したヒト皮膚細胞系の生産のための典型的な薬剤は、特
に、例えば不死化の性質をもたらすDNA配列を含有するウイルス類、組替えウ
イルス類及びプラスミド類を含む。
【0003】 不死化したヒト細胞系を生産するための最も一般的な方法は、恐らくシミアン
ウイルス40(SV40)、より具体的にはSV40のラージT抗原(T−Ag
)の配列を不死化の薬剤として使用することを含む。例えば、Steinber
gら、J.Cell Phys,123,117−125(1985);米国特
許第4885238号(Raddelら);米国特許第4707448号(Ma
jor);Stonerら,Cancer Res.,51,365−371(
1991);Chopraら,In vitro Cell Dev. Bio
l.,30A,539−546(1994);Chopraら,In vitr
o Cell Dev. Biol.,27A,763−765(1991);
Christianら,Cancer Res.,47,6066−6073(
1987);Rhimら,Science,227,1250−1252(19
85);及びGrubmanら,Gastrointest.Liver Ph
ysiol.,29,G1060−G1070(1994)が、不死化ヒト細胞
系の生産のための、SV40ベクター及びSV40のラージT抗原の配列を含む
ベクターの使用を報告している。そのような配列の導入は、一般に、SV40ウ
イルスまたは12/SV40ハイブリッドアデノウイルスの感染によって、また
はりん酸ストロンチウムの存在下での共沈による、ラウス肉腫ウイルスの長鎖末
端反復(long terminal repeat)及び調節SV40のor
i領域を含む組換えプラスミドを用いた細胞の形質移入によって行われる(Br
ashら,Mol.Cell Biol.,7,2031−2034,1987
を参照)。
【0004】 不死化した細胞系、特に不死化したヒトケラチノサイトを生産するための他の
公知の方法は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)のDNA配列を細胞に形質移入し
または感染させることを含む。例えば、米国特許第5376542号(Schl
egel)は、非腫瘍形成性不死化ヒト細胞系を生産するために、HPV−16
、18、31、33または35から単離したE6及びE7遺伝子、またはE7遺
伝子単独を用いたヒト上皮細胞の不死化を記載している。さらに、Barbos
aら、Oncogene,4,1529−1532(1989)及びMunge
rら、J.Virol.,63(10),4417−4421(1989)は、
不死化したヒトケラチノサイトを生産するために、HPV−16及びHPV−1
8のE6及びE7遺伝子を使用することを報告している。さらにはDurstら
、Oncogene,1,251−256(1987)は、乳頭腫ウイルスタイ
プ16を用いたケラチノサイトの不死化を記載している。
【0005】 しかしながら、多くのグループが不死化したケラチノサイト細胞系及びインビ
トロ分析におけるそれらの使用を発表したにもかかわらず、現在の技術水準での
不死化したケラチノサイト細胞系は、通常それらの使用を不利にするような1つ
以上の性質を示す。例えば、前記の不死化したケラチノサイトは、以下の性質の
1つまたはそれ以上を示す:(i)分化マーカー、例えば分化した正常なケラチ
ノサイトにより発現されるタンパク質の減少または喪失、(ii)組織培養にお
ける変形成長の性質、及び(iii)角質層パラケラチノサイトを有する層状の
分極した上皮の形成。
【0006】 これらの不利を取り除くために、欧州特許出願第780496号(Socie
te des Produits Nestle)は、新規な培養培地に加えて
、SV40ウイルス由来のベクターpLXSHD+SV40(#328)、また
は同様にヒト乳頭腫ウイルス16(HPV−16)由来のベクターpLXSHD
+E6/E7を用いて、ケラチノサイトまたはヒトメラノサイトを不死化するた
めの新規な方法を提案している。この方法で得られる不死化した細胞は、高次の
継代培養の後でさえも、分化の能力及び分化した正常なケラチノサイト及びメラ
ノサイトによって発現されるタンパク質と酵素の発現の能力を保持する。
【0007】 しかしながら、前記にも拘わらず、実用分野には依然として、より改善された
性質さえも有するヒト不死化ケラチノサイトを必要とする、重要な要求がある。
そのような細胞は、数多くの用途、特に高度に分化した皮膚細胞を必要とする分
析に対して、極めて有利であろう。
【0008】 (発明の概要) この目的のために、本発明は、少なくとも1つのレトロウイルス起源の腫瘍形
成性機能性遺伝子による、ヒト不死化ケラチノサイト細胞系に関し、それが (1)非腫瘍形成性であり、 (2)組織培養において高次の継代の後で、分化の能力、及び、分化した正常な
ケラチノサイトによって発現されるタンパク質及び酵素を発現する能力を保持し
、そして (3)血清を含まない培地中での、そして栄養細胞層なしでの臓器特異的培養に
おいて培養された時、角質層オルトケラチノサイトを有する層状の分極した上皮
を形成する、 ことに特徴を有する。
【0009】 本発明の他の目的は、正常な皮膚組織由来の不死化したケラチノサイト細胞系
を生産するための、新規な方法を提供することである。
【0010】 さらに本発明の他の目的は、本発明記載のこれらのケラチノサイト細胞系を使
用するための、例えば、皮膚反応の免疫学的、薬理学的、及び光及び化学毒物学
的分析のための、及び異種遺伝子の発現のための方法を提供することである。
【0011】 (発明の詳細な説明) 本発明は、非腫瘍形成性の不死化したケラチノサイト細胞系、即ち、例えば1
回の注射当たり少なくとも2x106の細胞を用いて動物に皮下注射をした場合
、腫瘍を形成しない細胞系を提供する。
【0012】 これらの細胞系は、また、高次の継代の後で分化の能力及び正常なケラチノサ
イトにより発現されるタンパク質を発現する能力を保持する。「高次の継代」と
いう表現は、培養において少なくとも10世代、好ましくは少なくとも20乃至
30世代、より好ましくは少なくとも50世代、そして理論的には無限の世代を
示す。例えば、本発明に従って生産される不死化ケラチノサイトは、ケラチンK
1/10、ケラチンK14、インボルクリン、フィラグリン及びロリクリンから
成る分化タンパク質類を、組織の培養における高次の継代の後でさえも発現する
【0013】 本発明の不死化したケラチノサイトは、正常なケラチノサイトのプロフィル(
profile)と同等ではないにしても類似しているシトクロームp450(
CYP450)のプロフィルを有する。例えば、本発明の細胞は、CYP450
1A1、2E1、2C18及び3A5を発現する。さらに、本発明の不死化した
ケラチノサイトは第二相の酵素、例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ
π(GSTπ)を、正常な非不死化ケラチノサイトに匹敵する程度に発現する。
【0014】 さらに、本発明の不死化したケラチノサイトは、細胞酸化及び炎症性の反応に
関与しているタンパク質類及び酵素類、例えば、スーパーオキシドジスムターゼ
(SOD)、タイプIのコラゲナーゼ及び腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)を
、ホルボールエステルでの処理の後分化した正常なケラチノサイトと類似したま
たは同等の程度に発現する。これらの一定の特性と共に、これらの細胞系は、皮
膚反応の免疫学的、薬理学的、炎症に関する、光及び化学毒物学的研究のための
、極めて興味ある、再現性のある供給源を代表する。
【0015】 さらに、本発明の不死化したケラチノサイトの系は、血清を含まない培地[例
えば、米国Biofluid社のEGF(5ng/ml)、ビタミンC(38μ
g/ml)及びCaCl2(1.5mM)を強化したNR2培地]中で及び栄養
細胞層なしで(線維芽細胞なしで)、臓器特異的培養で培養された場合、表層に
ケラチン化した層を有する層状の分極した上皮、通常いわゆるオルトケラチノサ
イトの形態を有する角質層、を形成する。このことは、角質層は有核細胞、つま
り核を有する細胞を失うことを意味する。
【0016】 不死化したケラチノサイトを用いた層状の分極した上皮の形成は、これまでに
古典的な培養条件の下で、つまり子牛の血清を含む培地及び栄養細胞層を用いる
手法によって成功している(Lechnerら,Virology,185,5
36−571,1991)。それにも拘わらず、不死化した細胞は正常な表層の
ケラチン化した層を形成しなかった。例えば、乳頭腫ウイルス16または18、
またはE6/E7によって不死化した細胞系は、非常に不規則な上皮細胞を形成
することが知られている(Blantonら、Am.J.Pathol.,13
8,673−685,1991;Hudsonら、J.Virol.,64,5
19−526,1990;McCaneら、Proc.Natl.Acad.S
ci.,85,7169−7173,1988;Woodworthら、Onc
ogene,7,619−626,1992)。
【0017】 これに対して、欧州特許出願第780496号(Societe des P
roduits Nestle)に記載された株は、血清を含まない培地中で栄
養細胞層なしで、臓器特異的培養で培養された場合、正常な表層のケラチン化し
た層を有し、しかしそれにも拘わらずパラケラチノサイトの形態を有する、即ち
、依然核を持った細胞を含む角質層を有する、層状の分極した上皮を形成した。
【0018】 本発明の不死化したケラチノサイトは、また、外来性の必須脂肪酸(AGE)
を吸収し、正常なケラチノサイトの不飽和状態及び鎖長延長と完全に対応するA
GEの不飽和状態及び鎖長延長を与える。
【0019】 一般的に、本発明の不死化したケラチノサイトは、以下の方法で得ることがで
きる: (i)ヒト皮膚のサンプルを入手し; (ii)培養可能な1次ケラチノサイトを得るために皮膚サンプルを調製し; (iii)血清を含まない培地中で、好ましくは細胞の固定及び成長を促進する
コーティングを施した培養プレート上のNR−3培地(欧州特許出願第7804
96号に記載)中で、これらの1次ケラチノサイトを培養し、ここで、該コーテ
ィングはフィブロネクチン、SAB及びタイプIのコラーゲンを含み; (iv)培養プレート上のケラチノサイトの最適な集密成長を得るのに十分な程
度に培地を置換し、プレートのコーティングを連続的に維持し; (v)培養物中のケラチノサイトをメラノサイトから分離し、そして感染培地中
に、好ましくはNR−3培地中に、そして好ましくは同様にコーティングを施し
た培養プレートを用いてトリプシン及びEDTAを含有する組成物で細胞を処理
した後で、分離したケラチノサイトを移し; (vi)SV40ウイルス及びヒト乳頭腫ウイルスのような少なくとも2つの異
なるレトロウイルスの機能性腫瘍形成遺伝子を用いて、ケラチノサイトに感染さ
せ; (vii)不死化したケラチノサイトを、予め同様にコーティングした培養プレ
ート上の血清を含まない増殖培地中に、好ましくはNR−2培地またはNR−3
培地(欧州特許出願第780496号に記載の培地であり、それらの組成は本明
細書に参照することにより取り込まれている)に移し;そして (viii)増殖後不死化したケラチノサイトを、高濃度のカルシウム(1.5
mM)を含有する簡便な分化培地へ、好ましくはEGF(5ng/ml)及びビ
タミンC(38μg/ml)を強化したNR−2培地へ移す。
【0020】 詳細には、ステップ(i)は通常正常なヒト供与者のヒト皮膚組織のサンプル
、例えば外科手術的な関与または小児科的な関与の間に得られるサンプル、を得
ることを含む。皮膚細胞の特殊なサンプル、例えば自己由来の皮膚細胞サンプル
の不死化は、確定した特性、例えば特定の供与者の特徴を有する特定の受容者の
プロフィル、を示す不死化したケラチノサイト細胞系の生産を可能にする。
【0021】 皮膚組織のサンプルは引き続きステップ(ii)で、インビトロでの培養に好
適なように調製される。この調製は、好ましくは、例えば培養に使用される培地
を用いて、最初に皮膚組織のサンプルを洗浄することにより行われる。この操作
は、血清を含まない培地であるNR−2培地で実施されることが好ましい。この
培地の正確な組成は欧州特許出願第780496号に記載されており、正常なケ
ラチノサイトの培養に有利であることが示されている。洗浄後、皮膚組織のサン
プルは、例えば皮膚採取器を用いて削ぎとられ、続いて小片に裁断される。
【0022】 得られた皮膚の切片は、次いで好ましくは真皮(dermis)及び表皮(e
pidermis)に分離される。この分離は物理的及び/または酵素的手段を
用いて行うことができる。具体的には、これはトリプシンによる処理により実現
し得る。例えば、EDTA(例えば約0.1%)を含有するトリプシン溶液(例
えば約0.5%)に、細胞分離を引き起こすのに十分な時間、例えば37℃の温
度で約30乃至60分間、または4℃で一夜の間、皮膚組織のサンプルを浮遊さ
せることにより実現し得る。
【0023】 真皮を分離し、表皮を引き続き培地中に置いて懸濁液にする。好ましくは、懸
濁する培地はダイズトリプシンインヒビター(SBTI)の溶液を含有し、トリ
プシンを不活性化するのに十分な時間、通常約5分間、細胞と接触させて細胞の
分離を引き起こす。引き続いて組織培養培地、好ましくは血清を除いたNR−2
培地(欧州特許出願第780496号に記載)及びフィルター(例えば100n
mのフィルター)を加え、所望の細胞、即ちケラチノサイトを得る。
【0024】 ステップ(ii)で得られた一次ケラチノサイトは、引き続いて予めコーティ
ングした培養プレート上で血清を含まない培地、好ましくはNR−2培地(欧州
特許出願第780496号に記載)に、好適な細胞濃度、好ましくは約1.2x
104セル/cm2で接種するために使用される。しかしながら、この細胞濃度を
広範囲に変えることは可能である。培養プレートは、好ましくはケラチノサイト
の固定及び成長を助長することが分っている組成、より詳細にはフィブロネクチ
ン、SAB及びコラーゲンタイプIの各溶液、を含有するコーティングが施され
る。
【0025】 ステップ(iv)においては、培養培地は最適な細胞成長を得るために、必要
に応じた頻度で置換される。培地は約2日毎に一度置換されることが好ましい。
しかしながら、皮膚組織の特殊なサンプルによっては、この頻度は変更可能であ
る。約10乃至14日の期間の後で、ほぼ全体の、具体的には約90%の集合体
が得られた後、ケラチノサイトとメラノサイトを分離する。この分離は、メラノ
サイト及びケラチノサイトに不利益な影響を与えることなしに適切に細胞分離を
起こさせる手段であれば、如何なる手段を選択しても実現できる。例えば、トリ
プシンを用いた差分処理により実施できる。好ましくは、メラノサイトまたはケ
ラチノサイトは、トリプシン/EDTA溶液で処理され、引き続いて選択培地へ
移される。ケラチノサイトの場合は、細胞は、好ましくは約5乃至10分の間ト
リプシン/EDTA溶液(0.025%/0.01%)で処理され、引き続いて
ステップ(v)において、予めコーティングされたプレート上でNR−3培地に
接種するために使用される。
【0026】 ケラチノサイトは、引き続いて不死化のための薬剤で処理される。細胞はまた
不死化が進むまで、例えば液体窒素中で凍結することができる。感染及び不死化
は、好ましくはSV40ウイルスのT−Ag及びHPV16のE6/E7のよう
な、少なくとも2つの異なるレトロウイルスの機能性腫瘍形成遺伝子を用いて実
施される。これらの各遺伝子は、独立したレトロウイルス構築物、例えば、図1
に示され、Stockshlaederら(遺伝子銀行、承認番号M64753
;Human Gen.Therapy,2,33−39,1991)に記載さ
れているレトロウイルスベクターpLXSHD+SV40(#328)、及び図
2に示されるレトロウイルスベクターpLXSHD+E6/E7に存在する。
【0027】 レトロウイルスベクターpLXSHD+SV40(#328)は、他の配列の
間に、SV40のT−Ag配列、SV40の5’及び3’長鎖末端反復配列、p
BR322の配列を含み、それらは大腸菌での複製、複数クローン化のサイクル
、SV40のポリアデニル化配列を可能にする。
【0028】 T抗原をコードする遺伝子の位置に、ベクターpLXSHD+E6/E7は、
ヒト乳頭腫ウイルス16由来のE6/E7遺伝子のNcoI/CfoI断片を有
する。
【0029】 不死化した後、細胞は引き続いて培養の間に必要な数の継代に従い、得られた
不死化した細胞は、続いてステップ(vii)の間に増殖培地へ移される。この
移動は、好ましくは第2世代の間に行われる。この増殖培地は血清を含まないも
のでよく、NR−2またはNR−3培地が好ましい。不死化した細胞は、予め連
続的にコーティングした培養プレート上で培養される。コーティングは、同様に
フィブロネクチン、SAB及びコラーゲンタイプIの各溶液を含む。
【0030】 増殖培地(好ましくはNR−2)における不死化細胞の増殖の後、ステップ(
viii)においてケラチノサイトは正常な及び不死化したケラチノサイトの分
化を引き起こす環境、好ましくは実際の皮膚を擬した環境に移される。このよう
にして、ケラチノサイトの組織を、正常な表層のケラチン化した層を有する層状
の分極した上皮にする。最後に細胞は、高濃度のカルシウムを含有する、血清を
含まない培地中で培養することができる。その培地は、例えば約1.5mMのカ
ルシウム、約5ng/mlのEGF及び約38μg/mlのビタミンCを含むN
R−2培地である。培養はプレート上で2乃至3週間の間液体/空気中間相で行
われる。例えば12キャビティを有するプレートFalcon No.3043
は、各キャビティがインサート(insert)Falcon No.3180
を有し、そこで液体/空気中間相にてケラチノサイトが生育する。空気はインサ
ート内部に含まれる大気より構成され、インサートから栄養培地は除かれる。液
体はキャビティに含まれる栄養培地であり、培地はインサートの膜を横切って移
動し、膜の上にケラチノサイトが生育する。
【0031】 本発明の不死化したケラチノサイトの性質に関しては、これらは皮膚反応の免
疫学的、薬理学的、光及び化学毒物学的分析に完全に好適である。例えば、本発
明の不死化したケラチノサイト細胞系は、分化した皮膚細胞を必要とする分析、
例えば、再構成した皮膚組織のバリア機能(角質化)の研究、分化したケラチノ
サイトの代謝(脂肪酸の代謝、抗酸化剤の代謝)の研究、皮膚細胞に対する紫外
線照射の影響に関する研究、皮膚細胞に対する潜在的な皮膚刺激剤及び皮膚感作
剤の影響に関する研究、脂質代謝の、局部処理の及び/または生体異物剤を含む
媒体による(例えば、化粧油、適切な保護剤、例えば光保護剤の選択による)研
究、炎症及び皮膚刺激の研究などに使用することができる。
【0032】 さらに、本発明に従って生産されるケラチノサイト細胞系は、潜在的な抗がん
性化合物及び皮膚疾病の治療のための潜在的な化合物を選択するために使用され
る。このことは通常、細胞系をそのような化合物と一定の期間接触し、それが何
であれ阻害的な影響の潜在的な誘導を定量することを意味する。阻害的な影響の
例としては、遺伝子毒性、DNAアダクトの形成、変異原性、細胞形質転換また
は細胞毒性がある。
【0033】 さらに、本発明の不死化したケラチノサイトの株は、DNA変異原性分析、皮
膚変異原性薬剤の選択のための分析、染色体変性薬剤の同定のための分析、悪性
形質転換の研究、細胞生化学(例えばCYP450の活性化の分析)の研究、化
合物の及び組成の、例えば炎症及びアレルギー反応に関与する必須脂肪酸カクテ
ルの選択、(炎症に関連して)TNFαを含むコラゲナーゼの活性化のための分
析、及びインターロイキンの検出に使用することができる。
【0034】 本発明の細胞系が角質層オルトケラチノサイトを形成するという事実に関して
、前記した変異原性の研究、免疫学的、薬理学的、光及び化学毒物学的研究のた
めを意図した人工皮膚の調製に関与するように、それらは特によく適合している
。この皮膚は、本発明のケラチノサイトの上皮のみから構成することができるが
、例えば正常なヒト皮膚により似せるために、好ましくはまたコラーゲン、線維
芽細胞、メラノサイトさえも含む。
【0035】 さらに、本発明のケラチノサイト細胞系は、組換えタンパク質類、例えばヒト
ポリペプチド及びタンパク質を発現することができ、そしてまた、RNA及びD
NAを生産することもできる。
【0036】 本発明に従って生産される不死化したケラチノサイトの中で、DK7−NR細
胞系のみが1例として、ブダペスト条約の取り決めに基づき、25,rue d
e Docteur Roux,75724 Paris,Franceに住所
を有するCollection Nationale de Culture
de Microorganisme(C.N.C.M.)において、1998
年3月19日に寄託され、寄託番号CNCMI−1996を受けた。この寄託は
ブダペスト条約の取り決めに基づき行われた。この細胞系の利用に関する全ての
制約は、本出願または本出願の優先権を主張する他の出願に対応する特許が授与
された後、最終的に解除されるであろう。
【0037】 本発明の他の特徴は、以下の実施例の記載から明らかになるであろう。これら
の実施例は、本発明を説明するために与えられるもので、制限するものと解釈す
べきではない。特に断らない限り、細胞の操作、ベクターの調製、細胞の形質転
換及び他の全ての技術的方法は、Sambrookらの著書[「分子クローン化
、実験室マニュアル」(Molecular Cloning,A Labor
atory Manual),Cold Spring Harbor Lab
oratory Press,USA,1989]に記載されたプロトコルに従
って実施される。
【0038】 実施例1:細胞系の調製及び性格付け 胸の皮膚組織を採取する。真皮部及び表皮部を分離した後、真皮を0.2x0
.2mmの小片に裁断し、血清を含む6cmの培養プレートに固定する。2乃至
4時間後最少量の必須培地のダルベッコ(Dulbecco)(DMEM,10
%のウシ胎児血清)を加える。この外植培養物を、線維芽細胞の過剰生育が目視
できるようになるまで引き続き培養する。集合した線維芽細胞の培養物を分離し
、増殖して凍結保存培養物を得る。
【0039】 気管支細胞について前記した「カクテル」コーティングで連続的にコーティン
グした培養箱に、一次細胞を接種する[Lechnerら、J.Tiss.Cu
lt.Meth.,9: 43−49(1985)]。通常約10乃至14日の
期間の後見られるように、ほぼ全体の、例えば約90%の集密(コンフルーエン
ス)が形成された後、ケラチノサイト及びメラノサイトを分離する。最後に、培
養物をトリプシン/EDTA(0.025%/0.01%)溶液で5分間処理し
、続いてメラノサイトを先ずケラチノサイトから分離して収穫する。引き続いて
一次ケラチノサイトを、血清を含まないNR−3培地中で、前記のコーティング
を施した培養箱を用いて、所望の細胞数に至るまで培養する(NR−3培地は、
メラノサイトに比較してケラチノサイトの生育により適する)。
【0040】 引き続いて、カプセル封じの細胞「パッケージング細胞系3T3−線維芽細胞
」を、Pfeiferら(Meth.Cell Sci.,17,83−89,
1995)のプロトコルに従い、プラスミドpLXSHD+SV40(#328
)及びpLXSHD+E6/E7を用いて形質移入する。但し、ウイルスは細胞
系内にカプセル封じした後収集され、ウシ胎児血清10%を含むDMEM培地中
で生育する。次いで、ケラチノサイトにウイルスを感染させ、不死化をもたらす
。感染の間、Pfeiferらの文献に記載されている血清を含まないPC−1
培地を同様に用いる。
【0041】 不死化の後、不死化したケラチノサイトを、前記のコーティングした培養箱を
用いて増殖培地NR−2またはNR−3に移す。細胞を所望する細胞数に至るま
で増殖した後、細胞を正常な及び不死化したケラチノサイトの培養に好適な分化
培地(NR−2)に移す。
【0042】 不死化したケラチノサイトは、高次の継代培養の後で改善された細胞成長を与
えることを示すことができ、それは欧州特許出願第780496号の細胞系につ
いて記載された細胞成長に匹敵し得る。
【0043】 CYP450、1A1、1A2、3A5、2E1、2B6、2A6及び2D6
の発現を、正常な及び不死化したケラチノサイトで構成される皮膚細胞中で、室
温でのDNAポリメラーゼ連鎖反応により分析する(mRNAの発現)。不死化
したケラチノサイトにより発現したCYP450のプロフィルは、正常なケラチ
ノサイトによるプロフィルに特に類似しているか、同一でさえある。
【0044】 細胞系は、高次の継代の後においてさえも、非不死化細胞と同じように、ベン
ツピレンより成るCYP450の誘導剤に反応する。
【0045】 分化マーカーは、T−Ag、インボルクリン(involucrine)、フ
ィラグリン(filaggrine)、ロリクリン(loricrine)、ビ
メンチン(vimentine)及びケラチン類K4、K7、K8、K10/1
、K13、K14、K17、K18及びK19に対する特異的な抗体により分析
される。分化能力を示すための最大能力は、DK7−NR細胞系に対して示され
得る。
【0046】 グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)を、ウエスタンブロット及
びノーザンブロットにより分析する。ケラチノサイトの全ての株は、GSTπに
対するメッセンジャーRNAを強く発現する。該細胞系におけるGSTα、GS
Tμ及びGSTπへの露出のプロフィルは、正常なケラチノサイトのそれと類似
している。
【0047】 ケラチノサイトに添加した必須脂肪酸(AGE)の不飽和化及び鎖長延長を分
析及び比較するために、不死化したケラチノサイト(及び正常なケラチノサイト
)をリノール酸(LA、15μモル)及びリノレン酸(LN、15μモル)で処
理する。これらの実験には、AEGが不足しているNR−2培地(Bioflu
ids社)を用いる。細胞培養物が集合体を形成した後前記処理を行い、それま
での培地から高濃度のカルシウム(1.5mM)を含有するNR−2培地へ移す
。細胞を4日間AGE類(2日後更新する)で処理する。AGEの分析は、抽出
し、薄層クロマトグラフィー(CCM)によりリン脂質を分離して行い、脂肪酸
メチルエステルの定量は、ガス−液体クロマトグラフィー(CGL)で行う。L
A(20:4n−6及び22:4n−6)及びLN(20:5n−3、22:5
n−3及び22:6n−3)の不飽和化及び鎖長延長の形成を示すことができる
。代謝のプロフィルは、正常なケラチノサイトで観察されるプロフィルと一致す
る。
【0048】 全ての細胞系は、2倍体細胞の間に大部分の染色体を有する亜2倍体(hyp
odiploid)であった。分析した細胞以外に、培養物の中に他の細胞は検
出されなかった。この結果は、細胞系が純粋であり、他の系を起源とする雑菌混
入がないことを裏付けている。
【0049】 不死化したケラチノサイトの腫瘍形成性は、ヌードマウスに皮下注射(1−2
x106ケラチノサイト)をすることにより定量した。テストしたケラチノサイ
ト、特にDK7−NRの株は、ヌードマウスにおいて腫瘍形成性ではない。
【0050】 実施例2:上皮の調製 実施例1記載の細胞を750,000細胞含有するNR−2培地を調製し、こ
の培地の0.5mlをインサート(Falcon No.3180)に取り、予
め新鮮なNR−2培地を含むプレート(Falcon No.3043)のキャ
ビティにこれらのインサートを配し、ケラチノサイトの成長に好適な条件下で2
日間ケラチノサイトを培養する。第3日目にインサート中の培地を除去し、細胞
を自由空気に曝す。キャビティに含まれる培地は2日毎に、EGF(5ng/m
l)、ビタミンC(38μg/ml)及びCaCl2(1.5mM)を添加した
NR−2培地で交換する。空気−液体中間相で2乃至3週間培養した後、このよ
うにして形成した上皮を収集し、ピクリン酸で固定し、その形態を分析する。
【0051】 結果は、ケラチノサイト細胞系、特にDK7−NR細胞系は、一般にいわゆる
基底層と呼ばれる層状の分極した上皮を形成し、正常な細胞の形態と同一の立方
体様の形態を有する細胞を含む。角質層は、核を有する細胞を失ったオルトケラ
チノサイトの形態を与える。オルトケラチノサイト細胞層の形成は、今日まで他
の公知の不死化した細胞系では不可能であった。例えば、同一の条件下で、DK
2−NR株(欧州特許出願第780496号)はパラケラチノサイトの角質層を
形成するが、これは依然有核細胞を含む角質化した細胞層である。オルトケラチ
ノサイトの形態の角質層のみが、ヒト皮膚の正常な状態を反映している。実際、
パラケラチノサイトの角質層は、例えば乾癬または新形成のような疾病に至る上
皮の異常な肥大によって特徴付けられる。
【0052】 実施例3:刺激テスト 実施例1で得られた細胞系、特にDK7−NR系を、NR−2培地中で培養す
る。ホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)及び紫外線
B照射(UV−B)から成る刺激剤で処理した後、「ストレス遺伝子」TNFα
(腫瘍壊死因子アルファ)の誘導を、ノーザン法及び生化学的検査により分析し
た。その結果は、細胞系、特にDK7−NR細胞系は、PMA及びUV−Bに反
応し、高次の継代の後においてもタンパク質TNFαを発現する。
【0053】 実施例4:人工皮膚の構築 インサートFalcon No.3180の膜をヒアルロン酸ベンジルエステ
ルのシート(Hyaff11)と交換する。インサートの底に一次ヒト線維芽細
胞(0.2ml培地中0.1x106細胞)を接種し、30分反応後インサート
に10%のウシ胎児血清を含むDMEM培地を満たす。5%の二酸化炭素を含む
大気下37℃で数日間培養を進めた後、インサートを空にし、750,000細
胞のDK7−NR細胞系を含む新鮮なNR−2培地0.5mlを供給する。予め
新鮮なNR−2培地2mlを含むプレートFalcon No.3043のキャ
ビティにインサートを納め、ケラチノサイトの成長に好適な条件下で2日間細胞
を培養する。第3日目にインサートに含まれる培地を除去し、細胞を自由空気に
曝す。キャビティ中の培地は、2日毎に定期的に、EGF(5ng/ml)、ビ
タミンC(38μg/ml)及びCaCl2(1.5mM)を添加したNR−2
培地で交換する。空気−液体中間相で2乃至3週間培養した後、正常な皮膚の特
性を与える人工皮膚の形成を認めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、得られたレトロウイルスSV40、つまり本発明のケラチノサイトを
不死化するために用いられる、プラスミドpLXSHD+SV40(#328)
を示す。
【図2】 図2は、乳頭腫ウイルス16のレトロウイルス由来の構築、即ち本発明のケラ
チノサイトを不死化するために用いられる、プラスミドpLXSHD+E6/E
7を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),A M,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH ,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB, GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,U A,UG,US,UZ,VN Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 DA03 EA02 EA04 GA11 GA18 4B065 AA93X AA97Y AB01 AC20 BA02 CA44 4C081 AA01 AA12 AB19 CD34 DA02 EA02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのレトロウイルス起源の機能性腫瘍遺伝子に
    よって不死化したヒトケラチノサイト細胞系であって、 (4)非腫瘍形成性であり; (5)高次の継代培養の後においてさえも、分化の能力、及び、分化した正常
    なケラチノサイトにより発現されるタンパク質及び酵素を発現する能力を保持し
    ;そして (6)血清及び栄養細胞層を含まない培地中での臓器特異的培養において培養
    される時、角質層オルトケラチノサイトを有する層状の分極した上皮を形成する
    ; ことを特徴とする、ヒトケラチノサイト細胞系。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つの異なるレトロウイルスのレトロウイルス起
    源の機能性腫瘍遺伝子によって不死化される、請求項1記載のヒトケラチノサイ
    ト細胞系。
  3. 【請求項3】 機能性腫瘍遺伝子がSV40ウイルス及びヒト乳頭腫ウイル
    ス16に由来することを特徴とする、請求項2記載のヒトケラチノサイト細胞系
  4. 【請求項4】 各機能性腫瘍遺伝子が独立したレトロウイルス構築物に含ま
    れることを特徴とする、請求項3記載のヒトケラチノサイト細胞系。
  5. 【請求項5】 それがブダペスト条約に基づく寄託番号CNCMI−199
    6を有するDK7−NR細胞系であることを特徴とする、請求項4記載のヒトケ
    ラチノサイト細胞系。
  6. 【請求項6】 不死化したケラチノサイトを得るためにヒト皮膚細胞を不死
    化するための改良された方法であって: (i)ヒト皮膚のサンプルを単離し; (ii)皮膚サンプルをインビトロ培養用に調製し; (iii)この皮膚組織の調製サンプルからケラチノサイトを得て、細胞の固
    着と成長を促進するためのフィブロネクチン、コラーゲンタイプI及びSABを
    含むコーティングを施した培養プレート上で、血清を含まない成長培地に該ケラ
    チノサイトを接種し; (iv)プレートのコーティングを連続的に維持しながら、培養中の細胞の最
    適な集密成長を得るのに十分なように培地を置換し、; (v)予め同様にコーティングされた培養プレート上の血清を含まない選択培
    地にケラチノサイトを移し; (vi)少なくとも2つの異なるレトロウイルスの機能性腫瘍遺伝子を用いて
    、ケラチノサイトに感染させ; (vii)得られた不死化したケラチノサイトを、予め同様にコーティングし
    た培養プレート上の、不死化ケラチノサイトの増殖に好適な血清を含まない増殖
    培地に移し;そして (viii)得られた増殖ケラチノサイトを、予め同様にコーティングした培
    養箱上の、血清を含まずカルシウムを高濃度に含有する分化培地へ移す; ステップを含むことを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 機能性腫瘍遺伝子がSV40ウイルス及びヒト乳頭腫ウイル
    ス16に由来することを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 各機能性腫瘍遺伝子が独立したレトロウイルス構築物に含ま
    れることを特徴とする、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 使用されるレトロウイルス構築物がベクターpLXSHD+
    SV40(#328)及びpLXSHD+E6/E7であることを特徴とする、
    請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 ステップ(iii)、(v)または(vii)における血
    清を含まない培地がNR−3培地であることを特徴とする、請求項6記載の方法
  11. 【請求項11】 ステップ(viii)における分化培地が少なくとも1.
    5mMのカルシウムを含有する修正したNR−2培地であることを特徴とする、
    請求項6記載の方法。
  12. 【請求項12】 皮膚反応の免疫学的、薬理学的、光及び化学毒物学的分析
    のための、及び異種遺伝子の発現のための、請求項1記載のケラチノサイトの使
    用。
  13. 【請求項13】 ブダペスト条約に基づく寄託番号CNCMI−1996を
    有するDK7−NR系を使用することを特徴とする、請求項12記載の使用。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のケラチノサイト細胞系を含むことを特徴と
    する人工皮膚。
  15. 【請求項15】 ブダペスト条約に基づく寄託番号CNCMI−1996を
    有するDK7−NR細胞系を含むことを特徴とする、請求項14記載の人工皮膚
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