JP2014521725A - JAKPI3K/mTOR併用療法 - Google Patents

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Abstract

JAKキナーゼ阻害剤およびPBK/mTOR二重阻害剤を含む併用療法ならびにこのような併用療法を用いて様々な癌を治療する方法が本明細書において提供される。

Description

(優先権の利益)
本願は、2011年8月10日に出願された米国仮特許出願第61/522,001号の利益を主張するものであり、上記出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。本明細書全体で引用されるあらゆる特許、特許出願および参考文献の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
米国では癌が主要な死因となっている。「癌」は多数の異なるタイプの癌、例えば、乳癌、前立腺癌、肺癌、結腸癌および膵臓癌を表すのに用いられるが、各タイプのガンは表現型レベルでも遺伝子レベルでも異なっている。一つ以上の遺伝子の発現が変異によって制御不能になると、無秩序な増殖という癌の特徴がみられるようになり、もはや細胞増殖を制御することが不可能となる。
骨髄増殖性新生物(MPN)は、骨髄において血液細胞(血小板、白血球および赤血球)の過剰産生を引き起こす癌のグループである。 MPNとしては、真性赤血球増加症(PV)、原発性または本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症、慢性骨髄性(骨髄球性)白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、若年性骨髄単球性白血病(JML)および慢性好酸球性白血病(CEL)/好酸球増多症候群(HES)が挙げられる。ここに挙げた障害は、次のような特徴、すなわち多能性造血前駆細胞が影響を受けること、形質転換クローンが非形質転換造血前駆細胞より優勢になること、限定できる刺激の非存在下で一つ以上の造血系統が過剰産生されること、in vitroで増殖因子非依存性のコロニーを形成すること、骨髄細胞過形成、巨核球過形成および異形成、主として染色体1、8、9、13および20に影響を及ぼす異常、血栓性および出血性素因、過剰増殖性の髄外造血、ならびにCMLより割合は低いが急性白血病への自然形質転換または骨髄線維症の発症という特徴の一部または全部を共有することから、同じグループに分類される。MPNの発症率は、CMLで年間、60歳超の者100,000人当たり約3人から、JMLで年間、出生〜14歳までの子供100,000人当たり0.13人まで、大きく異なる(非特許文献1)。
Vardiman JWら,Blood 100(7):2292−302,2002
したがって、MPNおよび固形腫瘍などのその他の癌の新たな治療法が依然として必要とされている。
本明細書では、式I:
(I)
の化合物であって、その立体異性体、互変異性体、ラセミ体、溶媒和物、代謝産物および薬学的に許容される塩を含めた、化合物と、式II:
(II)
の化合物であって、その互変異性体、水和物、溶媒和物および薬学的に許容される塩を含めた、化合物とを含む、併用療法が提供される。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩である。別の特定の実施形態では、式IIの化合物は、2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルである。
この併用療法はMPNおよび固形腫瘍を含めた様々な癌の治療に有用である。この併用療法はほかにも、あらゆるJAK関連疾患およびPI3K/mTORの二重阻害によって治療され得る疾患の治療に有用である。
一実施形態では、式IのJAK阻害剤と式IIのPI3K/mTOR二重阻害剤とを含む併用療法が本明細書に提供される。一実施形態では、JAK阻害剤は(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルであり、PI3K/mTOR二重阻害剤は2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルである。したがって、一態様では、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその塩と、2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物が本明細書に提供される。
併用療法の別の実施形態では、JAK阻害剤は(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルリン酸塩である。したがって、一実施形態では、JAK阻害剤の(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルリン酸と、PI3K/mTOR二重阻害剤の2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩とを含む併用療法が本明細書に提供される。
併用療法の一実施形態では、式Iの化合物と式IIの化合物が単一の製剤または単位投与剤形中にあり得る。単一の製剤または単位投与剤形は、薬学的に許容される担体をさらに含み得る。
別の態様では、有効量の式Iの化合物および式IIの化合物を対象に投与することを含む、治療を必要とする対象の癌を治療する方法が本明細書に提供される。治療対象となる癌は骨髄増殖性新生物であり得る。骨髄増殖性新生物の例としては、慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症(PMF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、全身性肥満細胞症および非定型慢性骨髄性白血病からなる群より選択されるものが挙げられる。
癌治療の一実施形態では、癌は固形腫瘍である。治療対象となる固形腫瘍の例としては、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、胃小区、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、腟、甲状腺、頸部または頭部の腫瘍が挙げられる。
別の実施形態では、治療対象となる癌はワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
本明細書に提供される方法の別の実施形態では、対象はヒトである。
これらの方法で使用する場合、式Iの化合物と式IIの化合物が単一の製剤または単位投与剤形中にあり得る。この方法の他の実施形態では、式Iの化合物と式IIの化合物が別個の製剤または単位投与剤形中にあり得る。あるいは、治療は、式Iの化合物と式IIの化合物を実質的に同時に投与することを含む。さらに別の実施形態では、治療は、式Iの化合物と式IIの化合物を異なる時間に投与することを含み得る。別の実施形態では、式Iの化合物を対象に投与した後、式IIの化合物の化合物を投与する。あるいは、式IIの化合物を対象に投与した後、式Iの化合物を投与する。
別の実施形態では、式Iの化合物および式IIの化合物の一方または両方を単独で投与したときには効果的ではない用量で式Iの化合物および/または式IIの化合物を投与するが、その量は併用したときには効果的である。
(詳細な説明)
JAKキナーゼ阻害剤(例えば、式Iの化合物)とPI3K/mTOR二重阻害剤(例えば、式IIの化合物)の組合せを投与すると、対象の癌、例えば骨髄増殖性新生物(MPN)および固形腫瘍の治療に驚くべき相乗効果が得られることが発見されている。このような二種類の薬剤の併用または共投与という方法は、現在利用できる治療法に奏効しないか、これに耐性を示す担癌個体の治療に有用であり得る。本明細書に提供される併用療法はほかにも、現在利用できる癌治療に耐性を示す個体において、このような治療法の効果を改善することおよび/またはこのような治療法の副作用を軽減することに有用である。
本明細書で使用されるある特定の用語について以下に記載する。本発明の化合物は、標準的な命名法を用いて記載されている。別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。
JAK阻害剤/PI3K/mTORの組合せ
治療剤の組合せならびに癌、例えば、MPNおよび固形腫瘍を治療するための治療剤の組合せの投与方法が本明細書に提供される。本明細書で使用される「薬剤の組合せ」およびこれと同様の用語は、二種類の薬剤、すなわち(1)式IのJAK阻害剤と、(2)式IIのPI3K/mTOR二重阻害剤との組合せを指す。
JAKファミリーは、免疫応答に関与する細胞の増殖および機能のサイトカイン依存性の調節に何らかの役割を果たしている。現在知られている哺乳動物のJAKファミリーのメンバーは四種類、すなわち、JAK1(Janusキナーゼ−1としても知られる)、JAK2(Janusキナーゼ−2としても知られる)、JAK3(Janusキナーゼ、白血球;JAKL;L−JAKおよびJanusキナーゼ−3としても知られる)およびTYK2(タンパク質−チロシンキナーゼ2としても知られる)である。JAKタンパク質は大きさが120〜140kDaであり、七種類の保存されたJAK相同(JH)ドメインを含み、このうちの一つは機能的な触媒キナーゼドメインであり、また別のものは、調節機能を担っている、および/またはSTATのドッキング部位としての役割を果たしている可能性のある偽キナーゼドメインである(Scott,M.J.,C.J.Godshall, et al.(2002)Clin.Diagn.Lab Immunol.9(6):1153−9)。
本明細書で使用される「JAK阻害剤」は、JAKキナーゼの活性を少なくとも一つ阻害する化合物またはリガンドを指す。「JAK阻害剤」はこのほか、「JAK1/JAK2阻害剤」であり得る。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤はJAK阻害状態を誘発する。JAK阻害剤の例が式Iの化合物である。
式Iの化合物は以下のように定義される:
化合物の立体異性体、互変異性体、ラセミ体、溶媒和物、代謝産物および薬学的に許容される塩を含めた
(I)
であり、式中、
、RおよびRはH、ハロおよびC1〜4アルキルから独立して選択され;
ZはC3〜6シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)である。
式Iの化合物の例としては、米国特許出願第12/137,892号、同第12/687,623号および米国特許第7,598,257号(いずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物が挙げられる。
特定の実施形態では、式Iの化合物は3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩である。別の実施形態では、式Iの化合物は(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩である。さらに別の実施形態では、式Iの化合物は(3S)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩である。ここに挙げた化合物の合成については、例えば、米国特許第7,598,257号および米国特許出願第12/687,623号(ともにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
別の実施形態では、式Iの化合物は(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルマレイン酸塩である。さらに別の実施形態では、式Iの化合物は(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル硫酸塩である。さらに別の実施形態では、式Iの化合物は(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルリン酸塩である。ここに挙げた化合物の合成については、例えば、米国特許出願第12/137,892号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
ホスファチジルイノシトール(PI)は、細胞膜にみられるリン脂質である。このリン脂質はほかにも、細胞内シグナル伝達に重要な役割を果たしている。ホスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)は、ホスファチジルイノシトールのイノシトール環の3位をリン酸化する酵素であることが確認されている[D.Whitman et. al.,Nature,332,664(1988)]。
哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)は、腫瘍細胞の栄養素および増殖因子に対する反応を調節するとともに、血管内皮増殖因子(VEGF)に対する作用を介して腫瘍への血液供給を制御する細胞シグナル伝達タンパク質である。mTORの阻害剤は、PI3K/Akt経路の下流メディエーターであるmTORの作用を阻害することによって、癌細胞を飢餓状態にし、腫瘍を縮小させる。PI3K/Akt経路は多くの癌で過剰に活性化されると考えられており、mTOR阻害剤に対する様々な癌の幅広い反応を説明するものとなり得る。PI3K/Aktキナーゼ経路の過剰な活性化は、多くの癌に共通するPTEN遺伝子の変異によって引き起こされる場合が多く、mTOR阻害剤に反応する腫瘍を予測するのに役立つことがある。
PI3K/mTOR二重阻害剤の有効性については、例えば、Mol.Cancer Ther.,7(7):1851−1863(July 2008)およびPNAS,106(52):22299−22304(December 29,2009)に記載されている。
式II化合物は、その互変異性体、水和物、溶媒和物および薬学的に許容される塩を含めた下記の構造を有するPI3K/mTOR二重阻害剤であり:
(II)
式中、
1aはフェニルであり、当該フェニルは、ハロゲン;非置換C1〜4アルキルまたはハロゲン、シアノ、イミダゾリルもしくはトリアゾリルによって置換されたC1〜4アルキル;C3〜6シクロアルキル;C1〜4アルキル、C1〜4アルキルスルホニルおよびC1〜4アルコキシからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されたアミノ;非置換ピペラジニルまたはC1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルスルホニルからなる群より独立して選択される一つもしくは二つの置換基によって置換されたピペラジニル;2−オキソ−ピロリジニル;イミダゾリル;ピラゾリル;ならびにトリアゾリルからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されており;
2aはOまたはSであり;
3aはC1〜4アルキルであり;
4aは、非置換ピリジルまたはハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシもしくは非置換ピペラジニルもしくはC1〜4アルキルによって置換されたピペラジニルによって置換されたピリジル;非置換ピリミジニルまたはC1〜4アルキルによって置換されたピリミジニル;非置換キノリニルまたはハロゲンによって置換されたキノリニル;あるいはキノキサリニルであり;
5aは水素またはハロゲンであり;
nは0または1であり、ここでn=1の場合、ラジカルRを有するN原子は正電荷を有し;
6aはオキシドであり;
7aは水素またはアミノである。
特定の実施形態では、式IIの化合物は、その互変異性体、水和物、溶媒和物および薬学的に許容される塩を含めた式IIa:
(IIa)
の化合物であり、式中、
1aはフェニルであり、当該フェニルは、ハロゲン;非置換C1〜4アルキルまたはハロゲン、シアノ、イミダゾリルもしくはトリアゾリルによって置換されたC1〜4アルキル;ならびに非置換ピペラジニルまたはC1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルスルホニルからなる群より独立して選択される一つもしくは二つの置換基によって置換されたピペラジニルからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されており;
2aはOであり;
3aはC1〜4アルキルであり;
4aは、非置換キノリニルまたはハロゲンによって置換されたキノリニルであり;
5aは水素であり;
7aは水素である。
一実施形態では、式IIの化合物は、その互変異性体、水和物、溶媒和物および薬学的に許容される塩を含めた構造を有し、式中、
1aはフェニルであり、当該フェニルは、非置換C1〜4アルキルまたはハロゲン、シアノ、イミダゾリルもしくはトリアゾリルによって置換されたC1〜4アルキルであり;
2aはOであり;
3aはC1〜4アルキルであり;
4aは非置換キノリニルまたはハロゲンによって置換されたキノリニルであり;
5aは水素であり;
nは0であり;
7aは水素である。
別の実施形態では、式IIの化合物は2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルおよびその薬学的に許容される塩である。さらに別の実施形態では、式IIの化合物は2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルのモノトシル酸塩である。ここに挙げた化合物およびその他の式IIの化合物については、国際公開第2006/122806号および同第2008/103636号(それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、全飽和の分岐または不分岐炭化水素部分を指す。アルキルは、好ましくは1〜20個の炭素原子、より好ましくは1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子または1〜3個の炭素原子を含む。アルキルの代表的な例としては、特に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。さらに、xが1〜5であり、yが2〜10である「C〜Cアルキル」という表現は、特定範囲の炭素数の特定のアルキル基(直鎖または分岐鎖)を表す。例えば、C〜Cアルキルとしては、特に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、tert−ブチルおよびイソブチルが挙げられる。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、炭素原子が3〜12個、好ましくは炭素原子が3〜9個または3〜6個の飽和または不飽和の単環式、二環式または三環式炭化水素基を指す。単環式炭化水素基の例としては、特に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられる。二環式炭化水素基の例としては、ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどが挙げられる。三環式炭化水素基の例としては、アダマンチルなどが挙げられる。
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、クロロ、ブロモ、フルオロおよびヨード基を指す。
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、特に明記されない限り、構造「−NR」によって表される部分を包含し、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル、アルキルスルホニルおよび/またはスルホニル基によって任意に置換された第一級、第二級および第三級アミンを包含する。例えば、Rは二個の水素原子、二個のアルキル部分または一個の水素と一個のアルキル部分を表し得る。
薬剤は、化合物が異なる立体異性体で存在し得るような不斉中心または不斉軸などの不斉要素、例えば不斉炭素原子を一つ以上含み得る。これらの化合物は、例えば、ラセミ体または光学活性型であり得る。不斉要素を二つ以上有する化合物では、これらの化合物はさらにジアステレオ異性体の混合物であり得る。不斉中心を有する化合物では、光学異性体およびその混合物がすべて包含されることを理解するべきである。さらに、炭素−炭素二重結合を有する化合物はZおよびE形態で存在し得るが、その化合物のあらゆる異性体が本発明に含まれる。ここに挙げた状況では、光学的に純粋な前駆体から合成を行う不斉合成またはラセミ体の分割によって単一鏡像体(光学活性型)を得ることができる。またラセミ体の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化または例えばキラルHPLCカラムを用いるクロマトグラフィーなどの従来の方法によって行うことができる。
特に明記されない限り、あるいは本文によって明示されない限り、本発明の併用療法に有用な化合物に言及する場合は、その化合物の遊離塩基とその化合物のあらゆる薬学的に許容される塩がともに含まれるものとする。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明のピリミジン化合物の無毒性の酸またはアルカリ土類金属の塩を指す。ここに挙げた塩は、ピリミジン化合物の最終的な分離および精製の過程でそのまま調製するか、塩基性または酸性官能基をそれぞれ適切な有機または無機の酸または塩基と別々に反応させることによって調製することができる。代表的な塩としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチナート、過硫酸塩、3−フェニルプロイオナート(phenylproionate)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられる。また塩基性窒素含有基を塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどのハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルのような硫酸ジアルキル、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなどの長鎖ハロゲン化物、臭化ベンジルおよびフェネチルのようなアラルキルハロゲン化物などのような薬剤によって四級化することができる。これにより水溶性もしくは油溶性または分散性の生成物を得ることができる。
薬学的に許容される酸付加塩を形成するのに用い得る酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸およびリン酸のような無機酸ならびにギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸、クエン酸およびアスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸のような有機酸が挙げられる。
塩基付加塩は、ピリミジン化合物の最終的な分離および精製の過程でそのまま調製するか、カルボン酸部分を薬学的に許容される金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩などの適切な塩基あるいはアンモニアあるいは有機第一級、第二級または第三級アミンと反応させることによって調製することができる。薬学的に許容される塩としては、特に限定されないが、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩などのアルカリ金属およびアルカリ土類金属に基づく陽イオンならびに特に限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含めた無毒性のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミン陽イオンが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンとしては、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミンなどならびにアルギニン、リジンおよびオルニチンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。
式IのJAK阻害剤と式IIのPI3K/mTOR阻害剤とを含む併用療法が本明細書に提供される。組合せの投与には、任意の適切な経路によって、組合せを単一の製剤または単位投与剤形で投与すること、組合せの個々の薬剤を同時に別々に投与すること、または組合せの個々の薬剤を逐次投与することが含まれる。組合せの個々の薬剤の用量により、薬剤(一つまたは複数)のうちの一つを組合せの他の薬剤(一つまたは複数)より高い頻度で投与する必要があり得る。したがって、しかるべき投与を可能にするため、包装された医薬品が、薬剤の組合せを含有する一つ以上の剤形と、薬剤の組合せのうちの一つを含有するが組合せの他の薬剤(一つまたは複数)は含有しない一つ以上の剤形とを含み得る。
「併用療法」という用語は、本開示に記載の治療学的な病態または障害を治療するために二種類以上の治療剤を投与することを指す。このような投与は、有効成分の比が固定された単一のカプセルまたは各有効成分のための複数のまたは別個の容器(例えば、カプセル)などの形で実質的に同時にこれらの治療剤を共投与することを包含する。さらに、このような投与はほかにも、各タイプの治療剤をほぼ同時にまたは異なる時間に逐次的に使用することを包含する。いずれの場合にも、その治療レジメンにより、本明細書に記載の病態または障害の治療において組合せ薬物の有益な効果が得られる。
本明細書で使用される「単一の製剤」という用語は、有効量の両方の治療剤を患者に送達するよう製剤化された単一の担体または賦形剤を指す。単一の賦形剤は、有効量の各薬剤を送達するよう任意の薬学的に許容される担体または補形剤とともに設計する。いくつかの実施形態では、賦形剤は錠剤、カプセル剤、丸剤または貼付剤である。他の実施形態では、賦形剤は溶液または懸濁液である。
「単位投与」という用語は、本明細書において、治療対象の患者に両方の薬剤を一つの剤形で一緒に同時に投与することを意味するのに使用される。いくつかの実施形態では、単位投与は単一の製剤である。ある特定の実施形態では、単位投与は、各賦形剤が薬学的に許容される担体および補形剤とともに有効量の薬剤を少なくとも一つ含むように賦形剤を一つ以上含む。いくつかの実施形態では、単位投与は、患者に同時に投与される一つ以上の錠剤、カプセル剤、丸剤または貼付剤である。
「治療する」という用語は、本明細書において、対象の疾患の少なくとも一つの症状を和らげる、軽減するまたは緩和することを意味するのに使用される。本発明の意味においては、「治療する」という用語はほかにも、発現を停止させること、遅延させること(すなわち、疾患または疾患の症状の臨床発現前の期間)および/または疾患の症状の進行もしくは悪化のリスクを低下させることを意味する。
「対象」という用語は、動物を包含することが意図されるものである。対象の例としては、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラットおよびトランスジェニック非ヒト動物が挙げられる。ある特定の実施形態では、対象はヒト、例えば、癌、例えば骨髄増殖性新生物または固形腫瘍に罹患している、これに罹患するリスクのある、あるいはこれに罹患する可能性のあるヒトである。
「約(about)」または「約(approximately)」という用語は通常、所与の数値または範囲の20%以内、より好ましくは10%以内、最も好ましくはさらに5%以内であることを意味する。あるいは、特に生体系では、「約(about)」という用語は、所与の数値の約1log(すなわち、一桁)以内、好ましくは二倍または二分の一以内であることを意味する。
本明細書に記載の薬剤の組合せは相乗効果を示す。本明細書で使用される「相乗効果」という用語は、二種類の薬剤、例えば式IのJAK阻害剤と式IIのPI3K/mTOR阻害剤などが、単独で投与した各薬物の効果を単に加算した場合よりも大きい何らかの効果、例えば、癌またはその症状の症候性の進行を遅らせる効果をもたらす作用を指す。相乗効果は、例えば、Sigmoid−Emax方程式(Holford,N.H.G.およびScheiner,L.B.,Clin.Pharmacokinet.6:429−453(1981))、Loeweの相加性の方程式(Loewe,S. and Muischnek,H.,Arch.Exp.Pathol.Pharmacol.114:313−326(1926))および半有効性の方程式(Chou,T.C.およびTalalay,P.,Adv.Enzyme Regul.22:27−55(1984))などの適切な方法を用いて計算することができる。上記各方程式を実験データに適用し、対応するグラフを作成して、組合せ薬物の効果の評価に役立てることができる。上記方程式に関連する対応するグラフは、それぞれ濃度−効果曲線、アイソボログラム曲線および併用指数曲線である。
薬剤の組合せ(すなわち、式IのJAK阻害剤と式IIのPI3K/mTOR阻害剤)の「有効量」とは、その組合せで治療したうつ病性障害のベースラインの臨床的に観察可能な徴候および症状を上回る観察可能な改善を得るのに十分な量のことである。
「経口剤形」は、経口投与のために処方されたまたは経口投与が目的の単位投与剤形を包含する。
式IのJAK阻害剤と式IIのPI3K/mTOR阻害剤の組合せを用いる治療方法
上記の併用療法治療を用いて癌、例えば骨髄増殖性新生物および固形腫瘍を治療する方法が本明細書に提供される。
本明細書で使用される「癌」は、不適切に高レベルの細胞分裂、不適切に低レベルのアポトーシスまたはその両方によって引き起こされるか、これらをもたらす任意の疾患を指す。癌の例としては、特に限定されないが、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、H鎖病および固形腫瘍が挙げられる。
さらに、本明細書に提供される併用療法は、抗腫瘍効果量の上記組合せの化合物を投与することを含む、ヒトを含めた温血動物の固体または液体腫瘍の治療のための医薬組成物に関する。
本明細書に提供される併用療法は、肉腫および癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞癌、ナイル管癌腫(nile duct carcinoma)、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌腫、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫(crailiopharyngioma)、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫(oligodenroglioma)、シュワン腫(schwamioma)、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫および網膜芽細胞腫)などの固形腫瘍の治療に使用することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される組合せを用いて治療することができる癌は骨髄増殖性疾患である。骨髄増殖性疾患(MPD)は、現在一般に骨髄増殖性新生物(MPN)と呼ばれる疾患であり、造血前駆細胞のクローン障害である血液悪性疾患に分類される。Tefferi,A. and Vardiman,J.W.,Classification and diagnosis of myeloproliferative neoplasms:The 2008 World Health Organization criteria and point−of−care diagnostic algorithms,Leukemia,September 2007,22:14−22が参照により本明細書に組み込まれる。これらは一つ以上の成熟骨髄系細胞型の増殖および生存の増強を特徴とする。この分類区分には、特に限定されないが、慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症(PMF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、全身性肥満細胞症および非定型慢性骨髄性白血病が含まれる。Tefferi,A. and Gilliland,D.G.,Oncogenes in myeloproliferative disorders,Cell Cycle.March 2007,6(5):550−566が、あらゆる目的にその全体が参照により組み込まれる。
別の実施形態では、本明細書に提供される併用療法は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、本態性血小板血症後骨髄線維症および続発性急性骨髄性白血病の治療に有用である。
いくつかの実施形態では、治療対象となる対象(例えば、ヒト)が骨髄増殖性疾患の一つ以上の治療法が無効であるか、これに対して耐性を示すことが明らかにされている。
特定の実施形態では、治療を必要とする対象の骨髄増殖性新生物を治療する方法が本明細書に提供され、この方法は、対象に有効量の(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩と2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩とを投与することを含む。この方法で使用する場合、式Iの化合物と式IIの化合物は、単一の製剤または単位投与剤形中にあり得る。この方法の他の実施形態では、式Iの化合物と式IIの化合物は、別個の製剤または単位投与剤形中にあり得る。
特定の実施形態では、治療を必要とする対象の固形腫瘍を治療する方法が本明細書に提供され、この方法は、対象に(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩と2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩とを含む有効量の組成物を投与することを含む。この方法で使用する場合、式Iの化合物と式IIの化合物は、単一の製剤または単位投与剤形中にあり得る。この方法の他の実施形態では、式Iの化合物と式IIの化合物は、別個の製剤または単位投与剤形中にあり得る。
さらに、本発明は、脂質キナーゼおよび/またはPI3キナーゼ関連タンパク質キナーゼ、特にPI3キナーゼおよび/またはDNAタンパク質キナーゼの活性の阻害に反応する増殖性疾患の治療のための方法に関し、この方法は、このような治療を必要とする温血動物、特にヒトに式Iの化合物と式IIの化合物との組合せを当該疾患に効果的な量で投与することを含む。
脂質キナーゼおよび/またはPI3キナーゼ関連タンパク質キナーゼの阻害に反応する好適な疾患には、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、胃腫瘍、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、腟もしくは甲状腺の良性もしくは悪性腫瘍、癌腫、肉腫、膠芽腫、多発性骨髄腫もしくは消化管癌、特に結腸癌もしくは結腸直腸腺腫もしくは頭頸部の腫瘍、表皮過剰増殖、乾癬、前立腺肥大症、新生物、上皮性の新生物、リンパ腫、乳癌または白血病から選択される増殖性疾患がある。その他の疾患としては、カウデン症候群、レルミット・デュクロ病およびバナヤン・ゾナナ症候群またはPI3K/PKB経路が異常に活性化した疾患が挙げられる。
一実施形態では、JAK関連疾患または障害の治療を必要とする個体に治療有効量または治療有効用量の本発明の組合せまたはその医薬組成物を投与することによって、対象(例えば、患者)のこのような疾患または障害を治療する方法が本明細書に提供される。JAK関連疾患には、JAKの過剰発現および/または異常な活性レベルを含めた発現または活性に直接的にまたは間接的に関連する任意の疾患、障害または病態が含まれ得る。JAK関連疾患にはほかにも、JAK活性の調節によって予防、改善または治癒され得る任意の疾患、障害または病態が含まれ得る。
JAK関連疾患の例としては、例えば、臓器移植拒絶反応(例えば、同種移植片拒絶反応および移植片対宿主病)を含めた、免疫系を冒す疾患が挙げられる。
JAK関連疾患のまた別の例としては、多発性硬化症、関節リウマチ、若年性関節炎、I型糖尿病、狼瘡、乾癬、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、免疫グロブリン腎症、自己免疫性甲状腺障害などの自己免疫疾患が挙げられる。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、尋常性天疱瘡(PV)または水疱性類天疱瘡(BP)などの自己免疫性水疱性皮膚障害である。
JAK関連疾患のまた別の例としては、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎および鼻炎などのアレルギー病態が挙げられる。JAK関連疾患のまた別の例としては、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)およびヒトパピローマウイルス(HPV)などのウイルス性疾患が挙げられる。
JAK関連疾患または病態のまた別の例としては、乾癬(例えば、尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚発疹、皮膚過敏、皮膚感作(例えば、接触皮膚炎またはアレルギー性接触皮膚炎)などの皮膚障害が挙げられる。例えば、一部の医薬品を含めたある特定の物質を局所に塗布すると、皮膚感作を引き起こすことがある。いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも一つのJAK阻害剤の局所投与によって皮膚障害を治療する。
さらなる実施形態では、JAK関連疾患は、固形腫瘍を特徴とする癌(例えば、前立腺癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、甲状腺癌、膠芽腫、カポジ肉腫、キャッスルマン病、黒色腫など)、血液癌(例えば、リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病などの白血病または多発性骨髄腫)ならびに皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)および皮膚B細胞リンパ腫などの皮膚癌を含めた癌である。皮膚T細胞リンパ腫の例としては、セザリー症候群および菌状息肉症が挙げられる。
JAK関連疾患にはほかにも、偽キナーゼドメインに少なくとも一つの変異(例えば、JAK2V617F)を有する変異体などの変異体JAK2の発現を特徴とする疾患が含まれ得る。
JAK関連疾患にはほかにも、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症を伴う骨髄様化生(MMM)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増多症候群(HES)、全身性マスト細胞疾患(SMCD)などの骨髄増殖性疾患(MPD)が含まれ得る。
また別のJAK関連疾患としては、炎症および炎症性疾患が挙げられる。炎症性疾患の例としては、眼球の炎症性疾患(例えば、虹彩炎、ブドウ膜炎、強膜炎、結膜炎またはその関連疾患)、気道の炎症性疾患(例えば、鼻炎もしくは副鼻腔炎などの鼻および副鼻腔を含めた上気道または気管支炎、慢性閉塞性肺疾患を含めた下気道など)、心筋炎などの炎症性ミオパチーおよびその他の炎症性疾患が挙げられる。
さらに、本明細書に記載の併用療法を用いて、虚血再灌流傷害または脳卒中もしくは心停止などの炎症性虚血性事象に関連する疾患もしくは病態を治療することができる。さらに、本明細書に記載の併用療法を用いて、癌に起因するまたはこれに関連するような食欲不振、悪液質または疲労を治療することができる。さらに、本明細書に記載の併用療法を用いて、再狭窄,硬化性皮膚炎または線維症を治療することができる。さらに、本明細書に記載の併用療法を用いて、低酸素症またはアストログリオーシスに関連する病態、例えば、糖尿病性網膜症、癌または神経変性などを治療することができる。例えば、Dudley,A.C. et al.,Biochem.J.2005,390(Pt 2):427−36およびSriram,K. et al.,J.Biol.Chem.2004,279(19):19936−47.Epub 2004 Mar 2を参照されたい。
疾患に罹患している個体に有効量の二重作用性のPI3K/mTOR阻害剤とJAK阻害剤の化合物を投与することによって、疾患、例えば骨髄増殖性疾患を治療する方法が本明細書に提供される。薬剤の組合せの量は、疾患の治療に効果がみられる量である。薬剤の組合せの相乗効果、すなわち、特定の用量で単独投与した一種類以上の薬剤に効果がみられなくても、同じ用量の各薬剤を併用投与した場合、その治療に効果がみられることに留意することが重要である。したがって、組合せ中の一種類以上の薬剤の用量が各薬剤のFDA承認用量に満たないことがある。
本明細書に提供される医薬組成物または組合せ(すなわち、式IのJAK阻害剤と式IIのPI3K/mTOR二重阻害剤)を臨床試験で試験することができる。適切な臨床試験は、例えば、増殖性疾患の患者を対象とする非盲検用量漸増試験であり得る。このような試験では、特に本発明の組合せの有効成分の相乗作用が明らかになる。増殖性疾患に対する有益な効果は、当業者などに公知のこのような試験の結果から直接明らかにすることができる。このような試験は特に、有効成分を用いた単独療法と本発明の組合せの効果を比較するのに適すると考えられる。一実施形態では、式Iの化合物の用量を最大耐量に達するまで漸増し、式Iの化合物を固定用量で投与する。あるいは、式IIの化合物を固定用量で投与し、式Iの化合物を漸増してもよい。患者には、毎日または断続的に化合物を投与し得る。このような試験では、治療の有効性が例えば、6週間毎の症状スコアの評価によって、12週間、18週間または24週間後に判定され得る。
本発明の薬剤の組合せの投与は、例えば、症状の緩和、進行遅延または抑制に関する有益な効果、例えば相乗的な治療効果のみならず、さらなる驚くべき有益な効果、例えば、本発明の組合せに使用する薬学的に活性な成分を一つのみ適用する単独療法に比べて副作用が少ない、生活の質が改善される、または罹病率が低下するという効果をもたらし得る。
また別の便益は、本発明の組合せの有効成分の用量を低減して使用し得ること、例えば、投薬量が少なくて済む場合が多いのみならず、頻度を減らして適用し得るため、副作用の発生率および重症度が低減し得ることであり得る。これは、治療対象となる患者の希望および必要性に応じたものとなる。
本発明の一つの目的は、癌、例えば骨髄増殖性疾患を標的とする、またはこれを予防するのに協働して治療効果を示し得る量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、式Iの化合物と式IIの化合物が一つの組合せた単位投与剤形または二つの別個の単位投与剤形で、一緒に、順次、または別々に投与され得る。また単位投与剤形は、配合剤であり得る。
両化合物を別々に投与する、または配合剤で投与するための医薬組成物、例えば、本発明による両化合物を含む単一の組成物は、それ自体が公知である方法ならびにヒトを含めた哺乳動物(温血動物)への経口または経直腸投与などの経腸投与および非経口投与に適した方法で、治療有効量の少なくとも一種類の薬学的に活性な組合せパートナーを例えば前述のように単独で、または特に経腸適用または非経口適用に適した一つ以上の薬学的に許容される担体もしくは希釈剤とともに含ませて調製することができる。
製剤
本明細書に提供される組合せ薬物は、医薬製剤の当業者に明らかな様々な方法によって調製することができる。様々な異なる方法で上記の各種放出特性がもたらされ得る。適切な製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、圧縮コーティング製剤および投与が容易なその他の製剤が挙げられる。
適切な医薬製剤は、有効成分(一つまたは複数)を例えば、約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%含有し得る。経腸または非経口投与の併用療法のための医薬製剤には、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤もしくは坐剤またはアンプルなどの単位投与剤形のものがある。別途明記されなければ、これらは、それ自体が公知である方法、例えば、従来の混合、造粒、糖コーティング、溶解または凍結乾燥工程によって調製される。複数の投与単位の投与によって必要な有効量に達し得るため、各剤形の個々の用量に含有される組合せパートナーの単位含有量が、それだけで有効量を占める必要はないことが理解されよう。
医薬組成物は、一つ以上の薬学的に許容される担体(補形剤)と組み合せた一種類以上の上記本発明の化合物を有効成分として含有し得る。本発明の組成物を製造する際には、有効成分を通常、補形剤と混合し、補形剤によって希釈するか、そのような担体内に例えば、カプセル、小袋、紙またはその他の容器の形態で封入する。補形剤が希釈剤の役割を果たす場合、それは固体、半固体または液体の物質であってよく、有効成分の賦形剤、担体または媒体として働く。したがって、組成物は錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、小袋剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体として、または液体媒体中のもの)、例えば活性化合物を最大10重量%含有する軟膏剤、軟ゼラチンおよび硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射用液剤ならびに無菌包装散剤の形態であり得る。
製剤を調製する際には、他の成分と組み合わせる前に、しかるべき粒子径になるよう活性化合物を粉砕することができる。活性化合物が実質的に不溶性であれば、それを200メッシュ未満の粒子径まで粉砕することができる。活性化合物が実質的に水溶性であれば、製剤中に実質的に均一に分布するよう、粉砕によって粒子径を例えば約40メッシュに調節することができる。
本発明の化合物は、湿式粉砕などの既知の粉砕方法を用いて粉砕し、錠剤形成または他の製剤タイプに適した粒子径にしてもよい。当該技術分野で公知の工程によって、本発明の化合物の微粉化(ナノ粒子)調製物を調製してもよく、例えば、国際特許出願2002/000196号を参照されたい。
適切な補形剤の一部の例としては、ラクトース(例えば、ラクトース一水和物)、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム)、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(例えば、ポビドン)、セルロース、水、シロップ、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。製剤はさらに、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油などの滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸などの保存剤;甘味剤;ならびに香味剤を含み得る。本発明の組成物は、当該技術分野で公知の方法を用いて、患者への投与後に有効成分の即時放出、持続放出または遅延放出がもたらされるよう製剤化することができる。
錠剤などの固形組成物の調製には、主要な有効成分を医薬補形剤と混合し、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固形予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均一であると言う場合、有効成分は通常、組成物を効果の等しい錠剤、丸剤およびカプセル剤などの単位投与剤形に容易に分割できるよう組成物全体に一様に分散している。次いで、この固形予備製剤を、本発明の有効成分を例えば約0.1〜約1000mg含有する上記タイプの単位投与剤形に分割する。
本発明の錠剤または丸剤をコーティングするか、他の方法で調合し、長時間の作用という利点が得られる剤形を作製することができる。例えば、錠剤または丸剤が内側の投与成分と外側の投与成分とを含み、後者が前者を包む形態であり得る。この二つの成分は、胃内での崩壊に耐えるのに役立ち、内側の成分を無傷のまま十二指腸内まで通過させるか放出を遅らせる腸溶性の層によって隔てられ得る。このような腸溶性の層またはコーティングには様々な物質を使用することができ、このような物質としては、多数のポリマー酸ならびにポリマー酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質との混合物が挙げられる。
経口投与または注射による投与のために本発明の化合物および組成物を組み入れることができる液体形態としては、水性液剤、適切に風味を加えたシロップ剤、水性または油性懸濁剤、ならびに綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油などの食用油で風味を加えた乳剤およびエリキシル剤ならびに同様の医薬賦形剤が挙げられる。
吸入または吹送のための組成物としては、薬学的に許容される水性溶媒、有機溶媒またはその混合物を用いた液剤および懸濁剤ならびに散剤が挙げられる。液体または固体の組成物は、上記のような適切な薬学的に許容される補形剤を含有し得る。いくつかの実施形態では、局所または全身効果を得るために組成物を経口経路または経鼻呼吸経路によって投与する。不活性ガスの使用によって組成物を噴霧することができる。噴霧された液剤を噴霧装置から直接吸入する、または噴霧装置をフェイスマスクのテントもしくは間欠的陽圧呼吸器に取り付けることができる。しかるべき方法で製剤を送達する装置から、溶液、懸濁液または粉末の組成物を経口的にまたは経鼻的に投与することができる。
特に、本発明の組合せの治療有効量の各組合せパートナーを、同時にまたは任意の順序で逐次的に投与することができ、また成分を別々にまたは配合剤として投与することができる。例えば、本発明による疾患の治療方法は、同時にまたは任意の順序で逐次的に、協同的に治療効果を示す量で、好ましくは相乗効果を示す量で、例えば、本明細書に記載の量に応じて毎日または断続的な投与によって、(i)第一の薬剤を投与することであって、(a)遊離または薬学的に許容される塩形態で、投与することと、(ii)薬剤を投与することであって、(b)遊離または薬学的に許容される塩形態で、投与することとを含み得る。本発明の組合せの個々の組合せパートナーは、治療過程で異なる時間に別々に投与しても、分割されたまたは単一の組合せ形態で同時に投与してもよい。さらに、投与という用語はほかにも、in vivoで組合せパートナーに転換するそのような組合せパートナーのプロドラッグの使用を包含する。したがって、本発明は、このような同時または交互の治療のあらゆるレジメンを包含するものであると理解されるべきであり、「投与」という用語は、それに応じて理解されるべきものである。
本発明の組合せで用いる各組合せパートナーの有効量は、使用する具体的な化合物または医薬組成物、投与の様式、治療対象となる病態、治療対象となる病態の重症度に応じて異なり得る。したがって、本発明の組合せの投与レジメンは、投与の経路ならびに患者の腎機能および肝機能を含めた様々な因子に従って選択される。通常の技術を有する臨床医または医師であれば、病態の進行を軽減する、阻止するまたは停止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定し処方することができる。
用量
疾患治療のための薬剤の組合せの至適用量は、既知の方法を用いて、各個体について経験に基づき決定することが可能なものであり、特に限定されないが、疾患の進行の程度;個体の年齢、体重、全般的健康状態、性別および食事;投与の時間および経路;ならびに個人が服用している他の薬剤を含めた様々な因子によって決まる。当該技術分野で周知のルーチンの試験および方法を用いて至適用量を確立することができる。
担体物質と組み合わせて単一の剤形を作製し得る薬剤の組合せの量は、治療する個体と特定の投与様式に応じて異なる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の薬剤の組合せを含有する単位投与剤形は、薬剤を単独投与するときに通常投与する量で組合せの各薬剤を含有する。
使用する化合物および治療または予防の対象となる具体的な病態に応じて、投与の頻度が異なり得る。一般に、効果的な治療をもたらすのに十分な最小用量を使用するのが好ましい。患者は一般に、治療効果について、治療または予防対象の病態に適した試験方法を用いて監視することができ、このような方法は当業者に周知である。
剤形は、製薬化学の当業者に容易に明らかになる様々な従来の混合、粉砕および成形加工技術によって調製することができる。
薬剤の組合せまたは薬剤の組合せの個々の薬剤を含有する経口剤形は、カプセル、例えばゼラチンカプセル内に封入された微小錠剤の形態であってもよい。これには、医薬製剤で使用されるゼラチンカプセル、例えばPfizer社から入手可能なCAPSUGELとして知られる硬ゼラチンカプセルなどを用いることができる。
本明細書において有用な経口剤形の多くが、薬剤の組合せまたは薬剤の組合せの個々の薬剤を粒子の形態で含有する。このような粒子を圧縮し、味マスキング剤形、圧縮コーティング剤形または腸溶コーティング剤形などのコーティング剤形の中核要素中に存在する錠剤にしてもよく、またカプセル、浸透圧ポンプ剤形またはその他の剤形中に含ませてもよい。
一実施形態では、本発明の薬剤化合物(例えば、PI3K/mTOR二重阻害剤とJAK阻害剤)は、本明細書に開示される組合せ、剤形、医薬組成物および医薬製剤中に、例えば、約100:1〜1:100、75:1〜1:75、50:1〜1:50、20:1〜1:20、10:1〜1:10、5:1〜1:5、2:1〜1:2および1:1の範囲の比で存在する。
毒性を生じることなく効果が得られる薬物化合物の最適な比、個々の用量および組合せた用量ならびに濃度は、有効成分の標的部位に対する有効性の動態によって決まり、当業者に公知の方法を用いて決定されるものである。
ここまで本発明について記載したが、同じものが多くの点で異なり得ることが明らかであろう。このような差異は本発明の範囲からの逸脱であると見なされるべきではなく、このようなあらゆる改変が後述の請求項の範囲内に含まれることが意図される。例えば、本明細書に開示される具体的なJAK阻害剤はいずれも、本明細書に開示される任意のPI3K/mTOR阻害剤と組み合わせることが可能であり、本明細書に開示される病的状態のいずれの治療にも用いることができる。さらに、JAK阻害剤とPI3KmTOR阻害剤とを組み合わせて単一の剤形にする場合、両薬剤を本明細書に記載の任意の薬学的に許容される一つまたは複数のいずれの担体とも組み合わせることができる。
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を説明するためのものである。
2−メチル−2−(4−(3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)フェニル)プロピオニトリル(化合物A)の合成
温度はセ氏温度(℃)で測定されるものである。特に明示されない限り、反応は室温(RT)で行われる。溶媒の比(例えば、溶離液または溶媒混合物中のもの)は体積比(v/v)で記載する。
A=HO/TFA 1000:1とB=アセトニトリル/TFA 1000:1との間のHPLC直線勾配;勾配1:4.5分間で2〜100%のBおよび100%のBで1分間;カラム:Chromolith Performance 100mm×4.5mm(Merck、Darmstadt、Germany);流速2ml/分。215nMで検出;勾配2:5分間で2〜100%のBおよび100%のBで2分間;カラム:Nucleosil C18逆相;150mm×4.6mm(SMT、Burkard Instruments、Dietikon、Switzerland);流速:2.0ml/分。215nmで検出。
実施例1a

5−ブロモ−2−(2−ニトロ−ビニルアミノ)−安息香酸
2−アミノ−5−ブロモ−安息香酸(Fluka、Buchs、Switzerland)25g(16mmol)をHO−HCl(37%)(10:1)に懸濁させた懸濁液を8時間攪拌した後、ろ過する(溶液A)。氷浴で冷却した氷35gとNaOH15.3g(382mmol)との混合物にニトロメタン(Fluka、Buchs、Switzerland)8.17g(255mmol)を10分間にわたって加える。0℃で1時間、rtで1時間攪拌した後、この溶液を氷28gとHCl(37%)42mlに0℃で加える(溶液B)。溶液AとBを合わせ、反応混合物をRTで18時間攪拌する。黄色沈殿をろ過除去し、HOで洗浄し、40℃、真空下で乾燥させると表題化合物が得られる。ES−MS:287,289(M+H),Brパターン;H NMR(DMSO−d):δ13.7−14.6/br s(1H),12.94/d(1H),8.07/d(1H),8.03/dd(1H),7.83/dd(1H),7.71/d(1H) 6.76/d(1H)。
実施例1b
6−ブロモ−3−ニトロ−キノリン−4−オール
5−ブロモ−2−(2−ニトロ−ビニルアミノ)−安息香酸(実施例1a)29g(101mmol)と酢酸カリウム11.9g(121mmol)を無水酢酸129ml(152mmol)中、120℃で1.5時間攪拌する。沈殿をろ過除去し、ろ液が無色になるまで酢酸で洗浄した後、HOで洗浄し、真空下で乾燥させると表題化合物が得られる。ES−MS:269,271(M+H),Brパターン;分析用HPLC:W=2.70分(勾配1)。
実施例1c
6−ブロモ−4−クロロ−3−ニトロ−キノリン
6−ブロモ−3−ニトロ−キノリン−4−オール(実施例1b)20g(74.3mmol)をPOCl150ml(1.63mol)中、120℃で45分間攪拌する。混合物をRTまで冷却し、氷水中に穏やかに注ぐ。沈殿をろ過除去し、氷水で洗浄し、CHClに溶かす。有機相を冷ブラインで洗浄し、水相を捨てる。MgSOで乾燥させた後、有機溶媒を蒸発乾固させると表題化合物が得られる。H NMR(CDCl):δ9.20/s(1H),8.54/d(1H),8.04/d(1H),7.96/dd(1H);分析用HPLC:W=4.32分(勾配1)。
実施例1d
2−メチル−2−(4−ニトロ−フェニル)−プロピオニトリル
(4−ニトロ−フェニル)−アセトニトリル(Fluka、Buchs、Switzerland)15g(92.5mmol)と臭化テトラブチルアンモニウム(Fluka、Buchs、Switzerland)1.64mg(5.09mmol)とヨードメタン43.3g(305mmol)をCHCl125mLに溶かした溶液に、NaOH10g(250mmol)を水125mlに溶かした溶液を加える。反応混合物をRTで20時間攪拌する。この後、有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、蒸発乾固させる。残渣をジエチルエーテルに溶かし、黒炭で30分間処理し、セライトでろ過し、真空下で蒸発させると、表題化合物が淡黄色固体として得られる。分析用HPLC:tret=3.60分(勾配1)。
実施例1e
(2−(4−アミノ−フェニル)−2−メチル−プロピオニトリル
2−メチル−2−(4−ニトロ−フェニル)−プロピオニトリル(実施例1d)16g(84.1mmol)とラネーNi4.16gをTHF−MeOH(1:1)160ml中、RT、1.1barのH下で12時間混合する。反応終了後、触媒をろ過し、ろ液を蒸発乾固させる。残渣をシリカゲル(ヘキサン−EtOAc 3:1〜1:2)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物が油として得られる。ES−MS:161(M+H);分析用HPLC:tret=2.13分(勾配1)。
実施例1f
2−[4−(6−ブロモ−3−ニトロ−キノリン−4−イルアミノ)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
6−ブロモ−4−クロロ−3−ニトロ−キノリン(実施例1c)18g(62.6mmol)と(2−(4−アミノ−フェニル)−2−メチル−プロピオニトリル(実施例1e)11g(68.9mmol)を酢酸350mlに溶かし、2時間攪拌する。この後、水を加え、黄色沈殿をろ過除去し、HOで洗浄する。固体をEtOAc−THF(1:1)に溶かし、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させる。有機相を蒸発乾固させると、表題化合物が黄色固体として得られる。ES−MS:411,413(M+H),Brパターン;分析用HPLC:tret=3.69分(勾配1)。
実施例1g
2−[4−(3−アミノ−6−ブロモ−キノリン−4−イルアミノ)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
2−[4−(6−ブロモ−3−ニトロ−キノリン−4−イルアミノ)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(実施例1e)24g(58.4mmol)をMeOH−THF(1:1)300ml中、1.1barのH下、ラネーNi8.35gの存在下で1時間混合する。反応終了後、触媒をろ過除去し、ろ液を蒸発乾固させると、表題化合物が黄色の泡状物質として得られる。ES−MS:381,383(M+H),Brパターン;分析用HPLC:tret=3.21分(勾配1)。
実施例1h
2−[4−(8−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
2−[4−(3−アミノ−6−ブロモ−キノリン−4−イルアミノ)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(実施例1g)5g(13.1mmol)とトリエチルアミン1.59g(15.7mmol)をCHCl120mlに溶かした溶液を、トリクロロメチルクロロホルマート(Fluka、Buchs、Switzerland)2.85g(14.4mmol)をCHCl80mlに溶かした溶液に氷浴中、0℃で40分間にわたって加える。反応混合物をこの温度で20分間攪拌し、次いで飽和NaHCO水溶液で反応を停止させ、5分間攪拌し、CHClで抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で蒸発させると、粗表題化合物が茶色がかった固体として得られる。ES−MS:407,409(M+H),Brパターン;分析用HPLC:tret=3.05分(勾配1)。
実施例1i
2−[4−(8−ブロモ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
2−[4−(8−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(実施例1h)3.45g(8.47mmol)とヨードメタン(Fluka、Buchs、Switzerland)1.8g(12.7mmol)と臭化テトラブチルアンモニウム(Fluka、Buchs、Switzerland)273mg(0.847mmol)をCHCl170mlに溶かした溶液に、NaOH(Fluka、Buchs、Switzerland)508mg(12.7mmol)をHO85mlに溶かした溶液を加える。反応混合物を2日間攪拌し、ヨードメタン900mg(6.35mmol)とNaOH254mg(6.35mmol)をHO5mlに溶かした溶液を加える。反応混合物をRTで1日間攪拌する。この後、HOで反応を停止させ、CHCl(2回)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で蒸発させると、表題化合物がベージュ色固体として得られる。ES−MS:421,423(M+H),Brパターン;分析用HPLC:tret=3.15分(勾配1)。
実施例1j
2−メチル−2−(4−(3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)フェニル)プロピオニトリル
3−キノリンボロン酸(Aldrich、Buchs、Switzerland)0.3mmol、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(Fluka、Buchs、Switzerland)8mgおよびNaCOの1M溶液0.5mlを、2−[4−(8−ブロモ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(実施例1i)84mg(0.2mmol)をDMF2mlに溶かした溶液に加える。混合物を100℃で1時間攪拌する。この後、飽和NaHCO水溶液で混合物の反応を停止させ、EtOAc(2回)で抽出する。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で蒸発させる。残渣をシリカゲル上に負荷し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると表題化合物が得られる。ES−MS:470(M+H);分析用HPLC:tret=2.90分(勾配1)。
(3R)−および(3S)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(化合物B)の合成
段階1.(2E)−および(2Z)−3−シクロペンチルアクリロニトリル
1.0Mカリウムtert−ブトキシドをTHF(235mL)に溶かした0℃の溶液に、シアノメチルホスホン酸ジエチル(39.9mL、0.246mol)をTHF(300mL)に溶かした溶液を滴加した。冷浴を取り外し、反応物を室温まで温めた後、0℃まで再冷却し、このとき、シクロペンタンカルボアルデヒド(22.0g、0.224mol)をTHF(60mL)に溶かした溶液を滴加した。冷浴を取り外し、反応物と外界温度まで温め、64時間攪拌した。混合物をジエチルエーテルと水の間で分配し、水相を三回分のエーテル、次いで二回分の酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して、オレフィン異性体24.4gを含有する混合物を得、それ以上精製せずにこれを使用した(89%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ6.69(dd,1H,トランスオレフィン),6.37(t,1H,シスオレフィン),5.29(dd,1H,トランスオレフィン),5.20(d,1H,シスオレフィン),3.07−2.95(m,1H,シス生成物),2.64−2.52(m,1H,トランス生成物),1.98−1.26(m,16H)。
段階2.(3R)−および(3S)−3−シクロペンチル−3−[4−(7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,−3−d]−ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン(15.0g、0.0476mol)をACN(300mL)に溶かした溶液に、3−シクロペンチルアクリロニトリル(15g、0.12mol)(シス異性体とトランス異性体の混合物として)、次いでDBU(15mL、0.10mol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。ACNを蒸発させた。混合物を酢酸エチルで希釈し、この溶液を1.0N HClで洗浄した。水層を三回分の酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンの勾配)により精製し、粘稠性の透明なシロップを得、これをエタノールに溶かし、数回蒸発させて酢酸エチルを除去して、ラセミ付加物19.4gを得た(93%)。鏡像異性体を分取HPLC(OD−H、15%エタノール/ヘキサン)により分離し、次の段階で別々に使用して、その対応する最終生成物を得た。分離された各鏡像異性体から生じた最終生成物(段階3を参照)は活性なJAK阻害剤であることがわかったが、分取HPLCから溶出する第二ピークから生じた最終生成物の方がその鏡像異性体よりも活性が高かった。
H NMR(300MHz,CDCl):δ8.85(s,1H),8.32(s,2H),7.39(d,1H),6.80(d,1H),5.68(s,2H),4.26(dt,1H),3.54(t,2H),3.14(dd,1H),2.95(dd,1H),2.67−2.50(m,1H),2.03−1.88(m,1H),1.80−1.15(m,7H),0.92(t,2H),−0.06(s,9H);MS(ES):437(M+l)。
段階3.
3−シクロペンチル−3−[4−(7−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(6.5g、0.015mol、上で単離されたRまたはS鏡像異性体)をDCM(40mL)に溶かした溶液にTFA(16mL)を加え、これを6時間攪拌した。溶媒およびTFAを真空下で除去した。残渣をDCMに溶かし、ロータリーエバポレーターを用いてさらに二回濃縮し、TFAをできる限り除去した。この後、残渣をメタノール(30mL)中、エチレンジアミン(4mL、0.06mol)とともに一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、水を加え、生成物を三回分の酢酸エチル中に抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、傾捨し、濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/DCMの勾配により溶離)により精製した。得られた混合物を分取HPLC/MS(0.15%NHOHを含有するACN/HOの勾配により溶離するC18)によりさらに精製して、生成物を得た(2.68g、58%)。
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.11(br s,1H),8.80(s,1H),8.67(s,1H),8.37(s,1H),7.60(d,1H),6.98(d,1H),4.53(dt,1H),3.27(dd,1H),3.19(dd,1H),2.48−2.36(m,1H),1.86−1.76(m,1H),1.68−1.13(m,7H);MS(ES):307(M+l)。
(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルマレイン酸塩の合成
試験管に(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(153.7mg、0.5mmol)とマレイン酸(61.7mg)、次いでイソプロピルアルコール(IPA)(4mL)を加えた。得られた混合物を透明になるまで加熱し、室温まで冷却した後、さらに2.5時間攪拌した。ろ過により沈殿を収集し、ろ塊を冷IPA0.8mLで洗浄した。ろ塊を真空下で一定重量まで乾燥させて、最終塩生成物を得た(173mg)。
(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルリン酸塩の合成
試験管に(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(153.5mg)とリン酸(56.6mg)、次いでイソプロピルアルコール(IPA)(5.75mL)を加えた。得られた混合物を透明になるまで加熱し、室温まで冷却した後、さらに2時間攪拌した。ろ過により沈殿を収集し、ろ塊を冷IPA0.6mLで洗浄した。ろ塊を真空下で一定重量まで乾燥させて、最終塩生成物を得た(171.7mg)。
(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル硫酸塩の合成
試験管に(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(153.0mg)と硫酸(56.1mg)、次いでアセトニトリル(7.0mL)を加えた。得られた混合物を透明になるまで加熱し、室温まで冷却した後、さらに2時間攪拌した。ろ過により沈殿を収集し、ろ塊を冷アセトニトリル0.8mLで洗浄した。ろ塊を真空下で一定重量まで乾燥させて、最終塩生成物を得た(180mg)。
生物活性
慢性骨髄増殖性新生物(MPN)では、限定されるわけではないが主としてJAK2またはJAK/STAT経路に関与するMPL、CBLもしくはLnkなどの他のタンパク質の変異を有する細胞にみられる制御不能なJAK/STATシグナル伝達が病原事象である。しかし、JAK2V617F変異細胞では、ERKおよびPI3K/Akt/mTOR経路などの他の下流経路の活性化も報告されている。この研究は、特異的阻害剤を単独で用いて、またはJAK2阻害剤と併用してPI3K/Akt/mTor経路を標的とすることの妥当性をin vitroで検討するものであった。実際、臨床試験で近年、骨髄線維症の患者におけるJAK1/2阻害剤(Verstovsek S,NEJM,2010;363:117、Pardanani A,JCO 2011;29:789、Harrison C,NEJM 2012;366:787、Verstovsek S,NEJM 2012;366:799)およびmTOR阻害剤のRAD001(Guglielmelli S,Blood 2011;118:2069)の有効性が報告されている。
次に挙げる薬物を使用した:アロステリック(RAD001)およびATP(PP242)mTOR競合剤;PI3K/mTOR二重阻害剤2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリル(化合物A);JAK1/2キナーゼATP競合剤(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(化合物B)。
in vitroデータ
マウス(Ba/F3およびBa/F3−EPORの野生型またはJAK2V617F(VF)発現型)およびヒト(JAK2VF変異HELおよびSET2)細胞系ならびに骨髄線維症(MF)または真性赤血球増加症(PV)の患者由来の初代MPN CD34+細胞を使用し、一部の実験ではBCR/ABL変異K562細胞を用いた。細胞増殖、コロニー形成、アポトーシス、細胞周期およびタンパク質リン酸化状態を評価した。ChouおよびTalalayに従って組合せ薬物の効果を分析し、併用指数(CI)(CI<1.0が相乗的活性を表す)を算出した。
Ba/F3−EPOR JAK2V617F変異細胞では、Ba/F3−EPOR JAK2野生型(wt)細胞よりも低用量のRAD001(615±50nM、IC50として測定)、PP242(98±5nM)および化合物A(87±50nM)によって細胞増殖が阻止された(それぞれ、10,000nM超;5,931±1,000nM;676±200nM)。JAK阻害剤の場合、IC50は化合物Bについて、野生型細胞の457±15nMと比較して51±2nMであった。上記薬物はいずれも、JAK2V617F変異HELおよびSET2細胞においても短期間の細胞増殖およびコロニー形成を阻止することができた。特に化合物Aは、HELおよびSET2細胞においてK562細胞よりも選択的な阻害を引き起こした(IC50、387±90nMおよび334±40nM対5,000±1,000nM;P<0.01)。
mTOR阻害剤はG期の細胞周期停止を誘発したが、アポトーシスの誘発性が極めて低く(最大で15〜20%未満)、逆にJAK1/2阻害剤は、最大60%超のアネキシン−V+ve細胞の用量依存的増加を引き起こし、化合物Aは最高濃度で30〜40%のアポトーシスを誘発した。ウエスタンブロット解析では、予想された特定の薬物標的(mTOR、4EBP1)のリン酸化阻害に加えて、PI3K/mTOR阻害剤が三種類ともリン酸化STAT5の程度も減少させることが明らかになった。SET2、HELおよびBa/F3−EPOR JAK2V617F細胞におけるsiRNA誘導性のmTORダウンレギュレーションによってリン酸化STAT5が減少したが、このことは直接的なmTOR依存性のリン酸化STAT5調節を示すものである。
次いで、MPN患者由来の初代細胞でRAD001および化合物Aの活性を分析した。両薬物とも、正常細胞よりも有意に低い(5〜10倍)用量でMPNの赤血球前駆細胞、骨髄前駆細胞および巨核球前駆細胞のクローン性増殖を低下させ、低nM範囲でエリスロポエチン依存性コロニー(EEC)形成を阻止した。特に化合物Aは、健常ドナーのIC50=780±150に対してIC50=43±20でMF ptsのCD34+細胞の増殖を減少させ(P<0.01)、正常細胞よりも統計的に低い(2〜15倍)用量でMFおよびPV造血前駆細胞のコロニー形成を減少させ、またPV患者細胞のEPO依存性コロニー(EEC)の増殖が強力に阻害された(IC50=20±10nM)。JAK2V617F変異患者の細胞での単一コロニー遺伝子型解析では、野生型コロニーに有利なVFの40±16%の減少が示された(範囲18〜71%、n=7)。総合すると、ここに挙げたデータは、PI3K/mTORの阻害剤がアポトーシス作用ではなく主として細胞増殖抑制作用を介して(JAK1/2阻害剤が優先的にそうするのと同様に)MPN細胞の増殖およびクローン原性を阻止することを示すものである。
PI3K/AKtおよびJAK1/2阻害剤による同時治療が相乗性を示すかどうかを判定するために、SET2細胞を様々な薬物用量で処置し、その増殖率およびアポトーシス率を測定した。ChouおよびTalalayに従って、相乗性を併用指数(CI)として算出した。化合物BとRAD001(CI:0.20)、PP242(CI:0.20)および化合物A(CI:0.37)との併用で相乗性の証拠が得られた。化合物Aと化合物Bの共処置より、SET2のアポトーシス率が相乗的に増加した(CI=0.25)。
Ba/F3−EPOR JAK2V617F変異細胞でも同様に相乗性が示された。化合物Aと化合物Bの共処置により、BaF3−EPOR VF(CI=0.77)細胞の増殖が相乗的に阻害された。このほか、RAD001と化合物Bとの併用の活性をEECアッセイで評価した。極めて低用量のJAK1/2阻害剤(5〜50nMの範囲)にRAD001(5nM)または化合物A(50nM)を加えると、有意な相乗性が得られ、EEC形成がほぼ完全に阻止されることがわかった。特に化合物Aと化合物Bとの組合せがEECアッセイで高い効果を示し、CI=0.17±0.04であった。
まとめると、以上のin vitroデータは、PI3K/mTOR阻害剤がMPN細胞に対して活性であり、そのJAK1/2阻害剤との併用により相乗性が生じ、各薬物をより低用量で使用することが可能になることを示すものである。したがって、PI3K/mTOR経路とJAK/STAT経路を同時に標的とすることが、MPN患者において効果を最大限に引き出し、毒性を低減する新たな治療戦略になる可能性が考えられる。
in vivoデータ:
I.
単独のおよびJAK2阻害剤と併用したPI3K/Akt/mTOR経路を標的とする薬物の効果を骨髄増殖性新生物のマウスモデルで確認するため、SCID BaF3 JAK2V617Fルシフェラーゼマウスモデルを用いた。これにより、ルシフェラーゼ活性の監視によって白血病クローン拡大の監視が可能となり、同時に、疾患の進行および範囲を確認するのに動物を屠殺する必要がないためマウス生存率の推定値が得られる。雌SCIDマウス(4〜6週齢;Harlan)に標準固形飼料を与え、水を自由摂取させた。尾静脈注射により3×10個のJAK2V617F−luc+細胞をマウスに投与した。クローン量に比例する生物発光シグナルを検出するイメージングの前に、マウスにD−ルシフェリンを注射した。細胞注射後6日目、Photon Imager(Biospace Lab)装置を用いてベースラインのイメージングを実施し、生物発光を確認した。次いで、マウスをそれぞれ六匹のマウスからなる治療コホート(溶媒、化合物A、化合物B、化合物A+化合物B)に無作為に分けた。毎日、per osで(経口的に)薬物治療を実施した。最初の薬物投与後7日目、14日目、21日目および28日目にイメージングを実施した。毎日、生存についてマウスの経過を観察し、マウスが後肢麻痺を発症するか瀕死状態になったとき安楽死させ、安楽死させた時点で死亡したものと見なした。
マウスに次のような治療を実施した(表1):溶媒のみ、化合物B(60mpk)、化合物A(45mpk)および化合物B(60mpk)+化合物A(45mpk)。マウスに顕著な体重減少はみられなかった。化合物A+化合物Bで共治療したマウスの平均生存期間が対照マウス(+54%、p<0.01)、化合物B治療マウス(+35.2%、p<0.02)および化合物A治療マウス(+11.9%)に比べて有意に増加し、BaF3 JAK2V617F細胞に対する相乗効果を示していた(表1を参照)。in vivoイメージングでは、併用療法を実施したマウスのBaF3−luc+細胞の増殖に他の全治療コホートに比べて遅延がみられた。併用療法を実施したマウスでは、他の実験群での漸進的増加に比して、最初の薬物投与後28日目まで強い生物発光シグナルが記録されなかった。
II.
不活性化V617Fエキソン13配列を挿入するフレックススイッチ(flex switch)戦略によりC57B16/J JAK2 V617Fノックイン(KI)マウスモデルを作製した。Vav−Creマウスとの交配により、JAK2VFヘテロ接合をもたらすMPN表現型を後代に生じさせるVF対立遺伝子を活性化する。マウスを5日間治療したのち、さらなる分析のために血液、脾臓および骨髄の細胞を採取した。
5日間治療したKIマウスでは、組合せ薬物が脾臓重量(脾臓指数中央値(体重に対する脾臓重量の比×100で算出):溶媒、化合物A、化合物Bおよび化合物A+化合物Bについて、それぞれ38、35、27および7)および網状赤血球数中央値(HPF(高倍率視野)当たりの数:溶媒、化合物A、化合物Bおよび化合物A+化合物Bについて、それぞれ48、50、44、35および3)の減少に各薬物単独よりも有意に高い効果を示した。脾臓におけるSTAT5および4EBP1のリン酸化レベルについては、化合物A+化合物Bを投与したマウスの方が、化合物Aまたは化合物Bのいずれかによる単一治療よりも有意に低下した。

Claims (25)

  1. 癌の治療を必要とする対象体の癌を治療する方法であって、
    式I:
    (I)
    [式中、
    、RおよびRはH、ハロおよびC1〜4アルキルから独立して選択され;
    ZはC3〜6シクロアルキルである]
    の化合物であって、その立体異性体、互変異性体、ラセミ体、溶媒和物、代謝産物および薬学的に許容される塩を含めた化合物、および
    式IIa:
    (IIa)
    [式中、
    1aはフェニルであり、該フェニルは、ハロゲン;非置換C1〜4アルキルまたはハロゲン、シアノ、イミダゾリルもしくはトリアゾリルによって置換されたC1〜4アルキル;ならびに非置換ピペラジニルまたはC1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルスルホニルからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されたピペラジニルからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されており;
    2aはOであり;
    3aはC1〜4アルキルであり;
    4aは、非置換キノリニルまたはハロゲンによって置換されたキノリニルであり;
    5aは水素であり;
    7aは水素である]
    の化合物であって、その互変異性体、水和物、溶媒和物および薬学的に許容される塩を含めた化合物
    を含む併用療法の有効量を前記対象体に投与することを含む方法。
  2. 前記癌が骨髄増殖性新生物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記骨髄増殖性新生物が慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性または特発性骨髄線維症(PMF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、全身性肥満細胞症および非定型慢性骨髄性白血病からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記骨髄増殖性新生物が真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)または原発性骨髄線維症(PMF)からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記癌が固形腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記固形腫瘍が脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、胃小区、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、腟、甲状腺、頸部または頭部の腫瘍である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記癌がワルデンシュトレームマクログロブリン血症である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記対象体がヒトである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記式Iの化合物が、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記式IIの化合物が、2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  11. 前記式Iの化合物が、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル・リン酸塩である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  12. 前記式Iの化合物と前記式IIの化合物が単一の製剤または単位投与剤形中にある、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記式Iの化合物と前記式IIの化合物が別々の製剤または単位投与剤形中にある、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  14. 前記治療が、前記式Iの化合物と前記式IIの化合物を実質的に同時に投与することを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  15. 前記治療が、前記式Iの化合物と前記式IIの化合物を異なる時間に投与することを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  16. 前記式Iの化合物を前記対象体に投与した後、前記式IIの化合物を投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  17. 前記式IIの化合物を前記対象体に投与した後、前記式Iの化合物を投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  18. 前記式Iの化合物および前記式IIの化合物の一方または両方を単独で投与したときには効果的ではないが併用したときには効果的である用量で前記式Iの化合物および/または前記式IIの化合物を投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  19. (3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩と、2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩を含む、骨髄増殖性新生物の治療のための併用療法。
  20. (3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩と、2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩を含む、固形腫瘍の治療のための併用療法。
  21. 式I:
    (I)
    [式中、
    、RおよびRはH、ハロおよびC1〜4アルキルから独立して選択され;
    ZはC3〜6シクロアルキルである]
    の化合物であって、その立体異性体、互変異性体、ラセミ体、溶媒和物、代謝産物および薬学的に許容される塩を含めた化合物、および
    式IIa
    (IIa)
    [式中、
    1aはフェニルであり、該フェニルは、ハロゲン;非置換C1〜4アルキルまたはハロゲン、シアノ、イミダゾリルもしくはトリアゾリルによって置換されたC1〜4アルキル;非置換ピペラジニルまたはC1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルスルホニルからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されたピペラジニルからなる群より独立して選択される一つまたは二つの置換基によって置換されており;
    2aはOであり;
    3aはC1〜4アルキルであり;
    4aは、非置換キノリニルまたはハロゲンによって置換されたキノリニルであり;
    5aは水素であり;
    7aは水素である]
    の化合物であって、その互変異性体、水和物、溶媒和物および薬学的に許容される塩を含めた化合物
    を含む、医薬組成物。
  22. 前記式IIの化合物が、2−メチル−2−[4−(3−メチル−2−オキソ−8−キノリン−3−イル−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)−フェニル]−プロピオニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記式Iの化合物が、(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項21に記載の組成物。
  24. 前記式Iの化合物が(3R)−3−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル・リン酸塩である、請求項21に記載の組成物。
  25. 薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項21に記載の組成物。
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