JP2014520939A - ポリエーテルポリオールの製造のための、複金属シアン化物触媒の活性化方法 - Google Patents

ポリエーテルポリオールの製造のための、複金属シアン化物触媒の活性化方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、1以上のH官能性スターター物質の存在下における、アルキレンオキシドとの二酸化炭素(CO)の触媒共重合によるポリエーテルカーボネートポリオールの製造のための、ヘテロクムレンを用いた複金属シアン化物(DMC)触媒の活性化方法、ならびに複金属シアン化物触媒の存在下における、1以上のH官能性スターター物質、1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からのポリエーテルカーボネートポリオールの製造方法であって、
(α)不活性ガス雰囲気下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃の温度で、DMC触媒をヘテロクムレンおよびH官能性スターター物質と混合し、
(β)不活性ガス雰囲気下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、100〜150℃の温度で、アルキレンオキシドを工程(α)からの混合物に添加し、
(γ)1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を、工程(β)から生じる混合物に連続的に計量添加する
ことを特徴とする方法に関する。

Description

本発明は、1以上のH官能性スターター物質の存在下における二酸化炭素(CO)とアルキレンオキシドとの触媒共重合によってポリエーテルカーボネートポリオールを製造するための、ヘテロクムレンを用いた複金属シアン化物(DMC)触媒の活性化方法に関する。
H官能性スターター物質(スターター)の存在下または不存在下におけるアルキレンオキシド(エポキシド)と二酸化炭素との触媒反応によるポリエーテルカーボネートポリオールの製造は、40年以上精力的に研究されている(例えばInoueら、Copolymerization of Carbon Dioxide and Epoxide with Organometallic Compounds;Die Makromolekulare Chemie 第130号、第210〜220頁、1969年)。例えばH官能性スターター物質を用いたこの反応は、式(I):
Figure 2014520939
〔式中、Rは、有機基、例えばアルキル、アルキルアリールまたはアリールを表し、それぞれヘテロ原子、例えばO、S、Si等を含んでもよく、eおよびfは整数を表す〕において図式形態で示され、式(I)においてポリエーテルカーボネートポリオールについてここで示される生成物は単に、示された構造を有するブロックは、得られるポリエーテルカーボネート中に原則として見出されるが、ブロックの順序、数および長さならびにスターターのOH官能価は変化してよく、式(I)に示されるポリエーテルカーボネートポリオールに限定されないことを意味すると理解される。この反応(式(I)参照)は、CO等の温室効果ガスのポリマーへの転化を示すので環境保護的に極めて有利である。式(I)において示される環式カーボネート(例えばR=CHについてはプロピレンカーボネート)は、更なる生成物、実際には副生成物として形成される。
必要に応じてCOの存在下において、部分量のアルキレンオキシド化合物をDMC触媒に添加し、次にアルキレンオキシド化合物の添加を中断し、ここで、次の発熱化学反応によって、温度ピーク(「ホットスポット」)を引き起こし得る発熱、およびアルキレンオキシドと場合によりCOとの反応によって反応器において圧力降下が観察される工程は、この発明に関しては活性化と呼ばれる。活性化の処理工程は、必要に応じてCOの存在下における、DMC触媒への部分量のアルキレンオキシド化合物の添加から発熱の発生までの期間である。一般に、活性化工程の前に、昇温下および/または減圧下において、適当な場合には反応混合物に不活性ガスを通入しながら、DMC触媒および、適当な場合には、スターターを乾燥するための工程を行ってよい。
アルキレンオキシドの単独重合(すなわち二酸化炭素の不存在下における)のためのDMC触媒の活性化が知られている。EP-A 0981407には、アルキレンオキシドの重合のためのDMC触媒の活性化が開示されている。触媒とスターターとの混合物の減圧下における加熱は、同時に不活性ガスが混合物に流されるか、または触媒とスターターとの混合物の加熱が有機溶媒の存在下において減圧下において行われる。これにより、触媒のより速い活性化および生成物の品質の向上がもたらされる。溶媒の使用はコストの増加(溶媒に対する材料費および生成物からの溶媒除去のための追加の処理工程)をもたらすこと、および空時収量が低下することが不利な点である。H官能性化合物の存在下における二酸化炭素(CO)とアルキレンオキシドとの共重合における使用は、EP-A 0981407に開示されていない。
EP-A 1474464には、ポリエーテルを製造するための触媒の活性化のための誘導時間の低減が開示され、これは、1bar未満の反応器内圧下においてアルキレンオキシドをDMC触媒とスターターとの混合物に添加することで達成される。H官能性化合物の存在下における二酸化炭素(CO)とアルキレンオキシドとの共重合における使用は、EP-A 0981407に開示されていない。
EP-A 0222453には、DMC触媒と硫酸亜鉛等の助触媒との触媒系を用いてアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からポリカーボネートを製造する方法が開示されている。この方法において、個別に部分量のアルキレンオキシドを触媒系に接触させることによって重合が開始される。その後初めて、残りの量のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を同時に計量添加する。EP-A 0222453の実施例1〜7に記載されているアルキレンオキシド化合物の量60重量%は、スターターに対して高く、アルキレンオキシド化合物の単独重合の発熱性が高いために、大規模の工業的使用に関するある安全性のリスクを示すという不利な点を有する。
WO-A 2003/029325(BASF)には、高分子量脂肪族ポリエーテルカーボネートポリオール(30,000g/モルより大きい重量平均分子量)の製造方法が開示され、ここでは、カルボン酸亜鉛および無水の複金属シアン化物化合物からなる群からの触媒が用いられ、アルキレンオキシドが添加される前に、少なくとも部分量の二酸化炭素とまず接触させる。150bar以下のCOの最終圧力によって、反応器および安全性について非常に高い要件が課せられる。150barの非常に高い圧力によってさえも、約33重量%のCOから最大42重量%までのCOしか組み込まれなかった。提示されている実施例には、溶媒(トルエン)の使用が記載されており、これは、反応後に加熱によって再度分離しなければならず、これによって時間および費用支出の増加がもたらされる。さらに、そのポリマーは、不均質性または多分散度2.7以上を有し、非常に広い分子量分布を有する。
従って、例えば特にCOの存在下における触媒活性の低下、またはアルキレンオキシドの連続添加中におけるCO下での触媒の時間のかかる活性化もしくは「制御されない」活性化といった、従来技術の不利な点を有さないDMC触媒の活性化の改善に対する要求がある。このように活性化された触媒は高活性を有し、ポリマーにおいて非常に高いCO含有量をもたらすべきである。生成する環式カーボネートの量は、可能な限り低くすべきである。
欧州特許出願公開第0981407号明細書 欧州特許出願公開第1474464号明細書 欧州特許出願公開第022453号明細書 国際公開第2003/029325号明細書
Inoueら、Copolymerization of Carbon Dioxide and Epoxide with Organometallic Compounds;Die Makromolekulare Chemie 第130号、第210〜220頁、1969年
従って、本発明の目的は、高含有量のCOの組み込みをもたらし、同時に、生成するポリエーテルカーボネートポリオールの有利な選択性(すなわち直鎖状ポリエーテルカーボネートに対する環式カーボネートの比率が低いこと)を有するポリエーテルカーボネートポリオールの製造方法を提供することであった。
驚くべきことに、本発明による目的は、DMC触媒の存在下において、1以上のH官能性スターター物質、1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からポリエーテルカーボネートポリオールを製造する方法であって、DMC触媒を1以上のヘテロクムレンの存在下において活性化することを特徴とする方法によって達成されることが見出された。本発明はまた、DMC触媒の活性化方法であって、ヘテロクムレンおよび場合によりH官能性物質の存在下においてDMC触媒を活性化する方法を提供する。
従って本発明は、DMC触媒の存在下において1以上のH官能性スターター物質、1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からポリエーテルカーボネートポリオールを製造する方法であって、
(α)不活性ガス雰囲気(例えばアルゴンまたは窒素)下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃、好ましくは125〜135℃の温度で、DMC触媒をヘテロクムレンおよびH官能性スターター物質と混合し、
(β)不活性ガス雰囲気(例えばアルゴンまたは窒素)下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃、好ましくは125〜135℃の温度で、アルキレンオキシドを工程(α)からの混合物に添加し、
(γ)1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を、工程(β)から生じる混合物に連続的に計量添加する(「共重合」)
ことを特徴とする方法を提供する。共重合のために用いられるアルキレンオキシドは、活性化において用いられるアルキレンオキシドと同一または異なってよい。
好ましい実施態様において、工程(β)における活性化において用いられる1以上のアルキレンオキシドの量は、0.1〜25.0重量%、好ましくは1.0〜20.0重量%、特に好ましくは5〜16.0重量%である(工程(α)において用いられるスターター物質の量を基準とする)。アルキレンオキシドは、1つの工程において、または段階的に複数の部分量を添加してよい。工程(α)におけるヘテロクムレンは、好ましくは、1:150〜10:1、特に好ましくは1:100〜1:1のヘテロクムレンに対するDMC触媒の重量比で用いる。DMC触媒は、生成するポリエーテルカーボネートポリオール中のDMC触媒の含有量が、好ましくは、10〜10,000ppm、特に好ましくは20〜5,000ppm、非常に好ましくは50〜500ppmであるような量で用いられる。
従って本発明はまた、DMC触媒の活性化方法であって、
(α)不活性ガス雰囲気(例えばアルゴンまたは窒素)下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃、好ましくは125〜135℃の温度で、DMC触媒をヘテロクムレンおよびH官能性スターター物質と混合し、次に
(β)不活性ガス雰囲気(例えばアルゴンまたは窒素)下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃、好ましくは125〜135℃の温度で、アルキレンオキシドを工程(α)からの混合物に添加する
ことを特徴とする方法を提供する。
工程(α):
工程(α)における個々の成分の添加は、同時にまたは連続的に任意の所望の順番で行ってよい;好ましくは、工程(α)において、不活性ガス雰囲気(例えばアルゴンまたは窒素)下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃、好ましくは125〜135℃で、DMC触媒をヘテロクムレンとまず混合し、次にH官能性スターター物質を添加する。または、不活性ガス雰囲気(例えばアルゴン、窒素および/または二酸化炭素)下において、DMC触媒をヘテロクムレンおよびH官能性スターター物質と混合してよく、混合物を90〜150℃、好ましくは125〜135℃の温度に加熱してよい。
特に好ましい実施態様において、不活性ガス(例えばアルゴンまたは窒素)、不活性ガス/二酸化炭素混合物または二酸化炭素を90〜150℃の温度で生成混合物に通入し、同時に10mbar〜800mbar、特に好ましくは50mbar〜200mbarの減圧(絶対)を施す。
更に好ましい実施態様においては、工程(α)において
(α1)H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物を、反応容器にまず導入し、
(α2)スターター物質またはその混合物の温度を、50〜200℃、好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜140℃にし、および/または反応器中の圧力を、500mbar未満、好ましくは5mbar〜100mbarに下げ、不活性ガス(例えばアルゴンまたは窒素)流、不活性ガス/二酸化炭素流または二酸化炭素流を必要に応じて反応器に通入し、
ここで、工程(α1)において、または続く工程(α2)においてすぐに、複金属シアン化物触媒およびヘテロクムレンを、H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物に添加する。
DMC触媒は、固体状またはH官能性スターター物質における懸濁液として添加してよい。触媒を懸濁液として添加する場合、好ましくは工程(α1)においてこれをH官能性スターター物質に添加する。
別の実施態様においては、生成混合物を、100℃〜130℃の温度において、少なくとも1回、好ましくは3回、1.5bar〜10bar(絶対)、特に好ましくは3bar〜6bar(絶対)の不活性ガス(例えばアルゴンまたは窒素)、不活性ガス/二酸化炭素混合物または二酸化炭素で充填し、次にそれぞれ増加した圧力を約1bar(絶対)に下げる。
工程(β):
1以上のアルキレンオキシドの計量添加および二酸化炭素の計量添加は、原理上、様々な方法で行うことができる。計量添加の開始は、減圧から、または予め選択した初期圧下において行ってよい。初期圧は、好ましくは不活性ガス(例えば窒素またはアルゴン等)または二酸化炭素を通入することによって確立され、圧力(絶対)は、10mbar〜100bar、好ましくは100mbar〜50bar、好ましくは500mbar〜50barである。
工程(γ):
1以上のアルキレンオキシドの計量添加および二酸化炭素の計量添加は、同時に、または連続して行ってよく、二酸化炭素の全量を、一度にそろって、または反応時間にわたって計量添加することによって添加してよい。アルキレンオキシドの添加中において、CO圧を、徐々にまたは段階的に、増加または減少してよく、または一定に保ってよい。好ましくは、二酸化炭素を充填することによって反応中において全圧を一定に維持する。1以上のアルキレンオキシドの計量添加を、二酸化炭素の計量添加と同時に、または連続して行う。一定の計量添加速度でアルキレンオキシドを計量添加してよく、または計量添加速度を徐々にまたは段階的に増加または減少させてよく、またはアルキレンオキシドを分けて添加してよい。好ましくは、一定の計量添加速度でアルキレンオキシドを反応混合物に添加する。複数のアルキレンオキシドをポリエーテルカーボネートポリオールの合成に用いる場合、個別にまたは混合物としてアルキレンオキシドを計量添加してよい。アルキレンオキシドの計量添加は、それぞれ別個の計量添加操作(添加)によって、または1以上の計量添加操作によって、同時に、交互にまたは連続的に行ってよく、個別にまたは混合物としてアルキレンオキシドを計量添加してよい。アルキレンオキシドおよび/または二酸化炭素の計量添加の性質および/または順序により、ランダム、交互、ブロック状またはグラジエント状のポリエーテルカーボネートポリオールを合成することができる。
好ましくは、二酸化炭素の反応が遅いために過剰の二酸化炭素が有利であるので、ポリエーテルカーボネートポリオールに組み込まれる二酸化炭素の計算上の量を基準として過剰の二酸化炭素を用いる。二酸化炭素の量は、特定の反応条件下における全圧によって決定することができる。ポリエーテルカーボネートポリオールの製造のための共重合に対する全圧(絶対)として、0.01〜120bar、好ましくは0.1〜110bar、特に好ましくは1〜100barの範囲が有利であることが見出されている。連続的にまたは不連続的に二酸化炭素を供給してよい。これは、いかに速くアルキレンオキシドが消費されるか、および生成物が場合によりCO不含有のポリエーテルブロックを含むかどうかに依存する。二酸化炭素の量(圧力として記載)は、同様にアルキレンオキシドの添加中に変えてよい。COは、固体として反応器に添加してもよく、その場合、選択した反応条件下において気体、溶解、液体および/または超臨界状態に移行し得る。
本発明による方法にとって、ポリエーテルカーボネートポリオールの製造のための共重合(工程(γ))は、50〜150℃、好ましくは60〜145℃、特に好ましくは70〜140℃、非常に特に好ましくは90〜130℃において行うのが有利であることがさらに見出されている。50℃未満の温度を定めた場合、反応はほとんど停止する。150℃より高い温度においては、望ましくない副生成物の量が非常に増加する。
3つの工程α、βおよびγは、同一の反応器において行ってよく、またはそれぞれ別個に異なる反応器において行ってよい。特に好ましい反応器型は、管式反応器、攪拌槽およびループ型反応器である。
ポリエーテルカーボネートポリオールを攪拌槽において製造することができ、ここでは操作の方法や実施態様に応じて、攪拌槽を、反応器ジャケット、内部冷却表面および/またはポンプ循環における冷却表面によって冷却する。生成物を反応終了後にのみ取り出す半回分式操作、および生成物を連続的に取り出す連続式操作のいずれの場合においても、特にアルキレンオキシドの計量添加速度に対して注意を払うべきである。二酸化炭素の抑制作用にも関わらずアルキレンオキシドが十分に速く完全に反応するように、これを調節すべきである。活性化工程(工程β)中の反応混合物における遊離アルキレンオキシドの濃度は、好ましくは>0ないし100重量%、特に好ましくは>0ないし50重量%、非常に好ましくは>0ないし20重量%(それぞれ反応混合物の重量を基準とする)である。反応(工程γ)中の反応混合物における遊離アルキレンオキシドの濃度は、好ましくは>0ないし40重量%、特に好ましくは>0ないし25重量%、非常に好ましくは>0ないし15重量%(それぞれ反応混合物の重量を基準とする)である。
共重合(工程γ)のための攪拌槽における更なるあり得る実施態様は、1以上のH官能性スターター物質を反応中において反応器に連続的に計量添加することによって特徴付けられる。反応中において連続的に反応器に計量添加されるH官能性スターター物質の量は、好ましくは少なくとも20当量モル%、特に好ましくは70〜95当量モル%(それぞれH官能性スターター物質の全量を基準とする)である。
好ましい実施態様において、工程αおよびβによって活性化された触媒/スターター混合物は、同一の反応器においてアルキレンオキシドおよび二酸化炭素とさらに反応する。更なる好ましい実施態様において、工程αおよびβによって活性化された触媒/スターター混合物は、異なる反応器(例えば攪拌槽、管式反応器またはループ型反応器)においてアルキレンオキシドおよび二酸化炭素とさらに反応する。
反応を管式反応器において行う場合、活性化された触媒/スターター混合物および適当な場合には更なるスターターならびにアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を、管を通して連続的に送り出す。反応相手のモル比率は、所望のポリマーによって変わる。好ましい実施態様において、各成分の最適な混和を可能とするために、ここで液体または超臨界状態で二酸化炭素を計量添加する。反応相手とのより良い完全な混合のために、例えばEhrfeld Mikrotechnik BTS GmbHによって市販されているような混合部材、または混合と熱除去を同時に改良した混合機−熱交換機部材を取り付けるのが有利である。
同じくループ型反応器をポリエーテルカーボネートポリオールの製造に用いることができる。これは、一般に材料を再循環する反応器を含み、例えば連続的に操作することもできるジェットループ型反応器、または反応混合物を循環するための適当な装置を備えたループ形状に構成された管式反応器または直列に接続された複数の管式反応器のループである。ループ型反応器の使用は、特にここで逆混合を実現できるため有利であり、その結果、反応混合物における遊離アルキレンオキシドの濃度を最適な範囲に、好ましくは>0ないし40重量%、特に好ましくは>0ないし25重量%、非常に好ましくは>0ないし15重量%(それぞれ反応混合物の量を基準とする)の範囲に維持することができる。
完全な転化を実現するために、工程γを行う反応装置の下流に更なる槽または管(「ドゥエルチューブ(dwell tube)」)を接続することが多く、ここで反応後に存在する遊離アルキレンオキシドの残留濃度が反応する。好ましくは、この下流の反応器における圧力は、反応工程γを行う反応装置と同じ圧力である。しかし、下流の反応器における選択圧力は、より高くても低くてもよい。更なる好ましい実施態様において、反応工程γ後、二酸化炭素の全部または一部を抜き、標準圧下またはわずかに増加させた圧力下において下流の反応器を操作する。下流の反応器における温度は、好ましくは10〜150℃、特に好ましくは20〜120℃である。
本発明によって得られるポリエーテルカーボネートポリオールは、少なくとも1、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6、非常に特に好ましくは2〜4の官能価を有する。その分子量は、好ましくは400〜10,000g/モル、特に好ましくは500〜6,000g/モルである。
ヘテロクムレンとして、イソシアネート基(すなわち少なくとも1つのO=C=N-基を含む化合物)、イソチオシアネート基(すなわち少なくとも1つのS=C=N-基を含む化合物)、カルボジイミド(すなわち少なくとも1つの-N=C=N-基を含む化合物)、ケテン基(すなわち少なくとも1つのO=C=C<基を含む化合物)、チオケテン基(すなわち少なくとも1つのS=C=C<基を含む化合物)からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含む化合物が用いられる。これに関して、イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボジイミド基、ケテン基および/またはチオケテン基は、オリゴマーまたはポリマーの一部であってもよい。例えば、ヘテロクムレンとしてポリカルボジイミドを用いてもよい。
式(II):
−(−X−N=C=O) (II)
〔式中、
は、1〜36個の炭素原子を有するn価の脂肪族、芳香族または脂環族基を表し、
nは、1〜6の自然数を表し、
Xは、化学結合(単結合)、-SO2-または-CO-基を表す〕
のイソシアネートが特に好ましい。
式(II)の化合物として、例えばトシルイソシアネート、ベンゾイルイソシアネート、アセチルイソシアネート、カルボニル-ジイソシアネート、スルホニル-ジイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、メタンスルホニル-ジイソシアネート、o-、m-およびp-フタロイル-ジイソシアネート、4,4',4''-トリイソシアナトフェニルメタン、4,4'-メチレン-ジイソシアネート、2,4'-メチレン-ジイソシアネート、2,2'-メチレン-ジイソシアネート、2,4-トルイレン-ジイソシアネート、2,6-トルイレン-ジイソシアネート、m-およびp-フェニレン-ジイソシアネート、ジフェニル-ジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトジフェニル、3,4'-ジイソシアナトジフェニルエーテル、4,4'-ジイソシアナトジフェニルエーテル、m-およびp-ビスイソシアナトメチルベンゼン、1,3-および1,4-ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,3-ビス-(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート(HDI)、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート、イソホロン-ジイソシアネート(IPDI)、m-テトラメチルキシレン-ジイソシアネート(m-TMXDI)、ビスイソシアナトメチルノルボルナン、フェニルイソシアネート、ブチルイソシアネートおよびメチルイソシアネートならびにこれらの物質の混合物が挙げられる。
本発明による方法において、ヘテロクムレンとして同様に好ましく用いられる化合物は、式(IIIa)および(IIIb):
−N=C=N−R (IIIa)
OCN−R−[−N=C=N−R−]−NCO (IIIb)
〔式中、
およびRは、C1〜C22アルキル、C6〜C18アリールまたはC7〜C22アラルキル基を表し、
は、2価のC6〜C36の脂肪族、芳香族または脂環族基を表し、
mは、3〜300、好ましくは5〜50の自然数を表す〕
の化合物である。
式(IIIa)の化合物として、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ-p-トルイルカルボジイミド、ジ-tert-ブチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、tert-ブチルエチルカルボジイミドまたは3-ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミドおよびメチオダイドまたはメチルトシレートとのその特定の反応生成物が挙げられる。カルボジイミド基自体は、アルキル化試薬、例えばヨウ化メチル、メチルトシレート、臭化ベンジルまたは硫酸ジメチルを用いて四級化されてもよい。式(IIIb)の化合物として、例えばポリカルボジイミドが挙げられ、これは例えば重合触媒として環式ホスフィンオキシドの存在下における、ジイソシアネート(例えば、4,4'-メチレン-ジイソシアネート、2,4'-メチレン-ジイソシアネート、2,2'-メチレン-ジイソシアネート、2,4-トルイレン-ジイソシアネート、2,6-トルイレン-ジイソシアネート、IPDIおよびm-TMXDI等)の重合から得ることができる。
一般に、2〜24個の炭素原子を有するアルキレンオキシド(エポキシド)を本発明による方法に用いることができる。2〜24個の炭素原子を有するアルキレンオキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1-ブテンオキシド、2,3-ブテンオキシド、2-メチル-1,2-プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1-ペンテンオキシド、2,3-ペンテンオキシド、2-メチル-1,2-ブテンオキシド、3-メチル-1,2-ブテンオキシド、1-ヘキセンオキシド、2,3-ヘキセンオキシド、3,4-ヘキセンオキシド、2-メチル-1,2-ペンテンオキシド、4-メチル-1,2-ペンテンオキシド、2-エチル-1,2-ブテンオキシド、1-ヘプテンオキシド、1-オクテンオキシド、1-ノネンオキシド、1-デセンオキシド、1-ウンデセンオキシド、1-ドデセンオキシド、4-メチル-1,2-ペンテンオキシド、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチレンオキシド、メチルスチレンオキシド、ピネンオキシド、モノ-、ジ-およびトリグリセリドとしてのモノ-またはポリエポキシ化脂肪、エポキシ化脂肪酸、エポキシ化脂肪酸のC1〜C24エステル、エピクロロヒドリン、グリシドール、およびグリシドールの誘導体、例えばメチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等ならびにエポキシド官能性アルキルオキシシラン、例えば3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン等からなる群から選択される1以上の化合物である。好ましくは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド、特にプロピレンオキシドをアルキレンオキシドとして用いる。
アルコキシル化に対して活性なH原子を有する化合物を、適当なH官能性スターター物質として用いることができる。活性H原子を有し、アルコキシル化に対して活性な基は例えば、-OH、-NH2(第1級アミン)、-NH-(第2級アミン)、-SHおよび-CO2Hであり、-OHおよび-NH2が好ましく、-OHが特に好ましい。用いるH官能性スターター物質として例えば、単官能性または多官能性アルコール、多官能性アミン、多官能性チオール、アミノアルコール、チオアルコール、ヒドロキシエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカーボネート、ポリエチレンイミン、ポリエーテルアミン(例えばいわゆるHuntsman製のJeffamine(登録商標)、例えばD-230、D-400、D-2000、T-403、T-3000、T-5000等またはBASFの対応製品、例えばポリエーテルアミンD230、D400、D200、T403、T5000等)、ポリテトラヒドロフラン(例えばBASFのPolyTHF(登録商標)、例えばPolyTHF(登録商標)250、650S、1000、1000S、1400、1800、2000等)、ポリテトラヒドロフランアミン(BASF製品ポリテトラヒドロフランアミン1700)、ポリエーテルチオール、ポリアクリレートポリオール、ヒマシ油、リシノール酸のモノグリセリドまたはジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸の化学変性モノグリセリド、ジグリセリドおよび/またはトリグリセリド、および1分子当たり平均少なくとも2つのOH基を含むC1〜C24-アルキル脂肪酸エステルからなる群から選択される1以上の化合物を用いる。例えば、1分子当たり平均少なくとも2つのOH基を含むC1〜C24-アルキル脂肪酸エステルは、Lupranol Balance(登録商標)(BASF SE)、Merginol(登録商標)型(Hobum Oleochemicals GmbH)、Sovermol(登録商標)型(Cognis Deutschland GmbH & Co. KG)およびSoyol(登録商標)TM型(USSC Co.)等の市販製品である。
用いることができる単官能性スターター物質は、アルコール、アミン、チオールおよびカルボン酸である。単価アルコールとして、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、3-ブテン-1-オール、3-ブチン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、プロパルギルアルコール、2-メチル-2-プロパノール、1-tert-ブトキシ-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、フェノール、2-ヒドロキシビフェニル、3-ヒドロキシビフェニル、4-ヒドロキシビフェニル、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、4-ヒドロキシピリジンを用いることができる。あり得る単官能性アミンは、ブチルアミン、tert-ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、アニリン、アジリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンである。単官能性チオールとして、エタンチオール、1-プロパンチオール、2-プロパンチオール、1-ブタンチオール、3-メチル-1-ブタンチオール、2-ブテン-1-チオール、チオフェノールを用いることができる。挙げることができる単官能性カルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、脂肪酸、例えばステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、アクリル酸等である。
H官能性スターター物質として適当な多価アルコールは例えば、2価アルコール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、1,4-ブチンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、メチルペンタンジオール(例えば3-メチル-1,5-ペンタンジオール等)、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ビス-(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン(例えば1,4-ビス-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコール等);3価アルコール(例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ヒマシ油等);4価アルコール(例えばペンタエリスリトール等);ポリアルコール(例えばソルビトール、ヘキシトール、スクロース、デンプン、デンプン加水分解物、セルロース、セルロース加水分解物、ヒドロキシ官能化脂肪およびオイル、特にヒマシ油等)、およびこれら上記アルコールと種々の量のε−カプロラクトンとの変性生成物である。
H官能性スターター物質は、ポリエーテルポリオール、特に100〜4,000g/モルの範囲の分子量Mnを有するポリエーテルポリオールの物質種から選択することもできる。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの繰り返し単位から構成されたポリエーテルポリオールが好ましく、好ましくは35〜100%のプロピレンオキシド単位の含有量を有し、特に好ましくは50〜100%のプロピレンオキシド単位の含有量を有する。これらは、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのランダムコポリマー、グラジエントコポリマー、交互またはブロックコポリマーであってよい。プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドの繰り返し単位から構成された適当なポリエーテルポリオールは、例えばBayer MaterialScience AGのDesmophen(登録商標)、Acclaim(登録商標)、Arcol(登録商標)、Baycoll(登録商標)、Bayfill(登録商標)、Bayflex(登録商標)、Baygal(登録商標)、PET(登録商標)およびポリエーテルポリオール(例えばDesmophen(登録商標)3600Z、Desmophen(登録商標)1900U、Acclaim(登録商標)Polyol 2200、Acclaim(登録商標)Polyol 4000I、Arcol(登録商標)Polyol 1004、Arcol(登録商標)Polyol 1010、Arcol(登録商標)Polyol 1030、Arcol(登録商標)Polyol 1070、Baycoll(登録商標)BD 1110、Bayfill(登録商標)VPPU 0789、Baygal(登録商標)K55、PET(登録商標)1004、Polyether(登録商標)S180等)である。更なる適当なホモポリエチレンオキシドは、例えばBASF SEのPluriol(登録商標)Eブランドであり、適当なホモポリプロピレンオキシドは、例えばBASF SEのPluriol(登録商標)Pブランドであり、適当なエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合コポリマーは、例えばBASF SEのPluronic(登録商標)PEまたはPluriol(登録商標)RPEブランドである。
H官能性スターター物質は、ポリエステルポリオール、特に200〜4,500g/モルの範囲の分子量Mnを有するポリエステルポリオールの物質種から選択することもできる。少なくとも2官能性のポリエステルをポリエステルポリオールとして用いる。ポリエステルポリオールは、好ましくは交互の酸およびアルコール単位を含む。用いられる酸成分は、例えばコハク酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、アジピン酸、フタル酸無水物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物または上記の酸および/または無水物の混合物である。用いられるアルコール成分は、例えばエタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス-(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールまたは上記のアルコールの混合物である。2価または多価ポリエーテルポリオールをアルコール成分として用いる場合、ポリエーテルカーボネートポリオールの製造のためのスターター物質として同様に機能することができるポリエステルエーテルポリオールが得られる。好ましくは、Mn=150〜2,000g/モルを有するポリエーテルポリオールを、ポリエステルエーテルポリオールの製造のために用いる。
H官能性スターター物質として、ポリカーボネートジオール、特に150〜4,500g/モル、好ましくは500〜2,500g/モルの範囲の分子量Mnを有するポリカーボネートジオールをさらに用いることができ、これは例えばホスゲン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはジフェニルカーボネートと2価アルコールまたはポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールとの反応によって製造される。ポリカーボネートの例は、例えばEP-A 1359177に見出される。例えば、ポリカーボネートジオールとして、Bayer MaterialScience AGのDesmophen(登録商標)C型、例えばDesmophen(登録商標)C 1100またはDesmophen(登録商標)C 2200等を用いることができる。
本発明のさらなる実施態様においては、H官能性スターター物質としてポリエーテルカーボネートポリオールを用いることができる。特に、ここに記載した本発明による方法によって得ることができるポリエーテルカーボネートポリオールを用いることができる。H官能性スターター物質として用いるこのポリエーテルカーボネートポリオールは、別個の反応工程においてこのために予め調製される。
H官能性スターター物質は、一般に1〜8、好ましくは2または3の官能価(すなわち1分子当たりの、重合に活性なH原子の数)を有する。H官能性スターター物質は、単独または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物としてのいずれかで用いる。
好ましいH官能性スターター物質は、一般式(IV):
HO−(CH−OH (IV)
〔式中、xは、1〜20の数、好ましくは2〜20の偶数である〕
のアルコールである。式(IV)によるアルコールは、例えばエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールおよびダイマー酸アルコールが挙げられる。更なる好ましいH官能性スターター物質は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、式(IV)によるアルコールとε−カプロラクトンとの反応生成物、例えばトリメチロールプロパンとε−カプロラクトンとの反応生成物、グリセロールとε−カプロラクトンとの反応生成物およびペンタエリスリトールとε−カプロラクトンとの反応生成物等である。さらに好ましく用いられるH官能性スターター物質は、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒマシ油、ソルビトールおよびポリアルキレンオキシド繰り返し単位から構成されるポリエーテルポリオールである。
H官能性スターター物質は、特に好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、2官能性および3官能性ポリエーテルポリオールからなる群から選択される1以上の化合物であり、ここでポリエーテルポリオールは、ジ−またはトリ−H官能性スターター物質およびプロピレンオキシドから構成されるか、またはジ−またはトリ−H官能性スターター物質、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドから構成される。ポリエーテルポリオールは、好ましくは62〜4,500g/モルの範囲の分子量Mnおよび2〜3の官能価、特に62〜3,000g/モルの範囲の分子量Mnおよび2〜3の官能価を有する。
ポリエーテルカーボネートポリオールの製造は、二酸化炭素およびアルキレンオキシドのH官能性スターター物質への触媒付加により行う。本発明に関して、「H官能性」とは、アルコキシル化に活性であるスターター物質の1分子当たりのH原子の数を意味すると理解される。
アルキレンオキシドの単独重合に用いるDMC触媒は原理上、従来技術から既知である(例えばUS-A 3404109、US-A 3829505、US-A 3941849およびUS-A 5158922参照)。例えばUS-A 5470813、EP-A 700949、EP-A 743093、EP-A 761708、WO 97/40086、WO 98/16310およびWO 00/47649に記載されているDMC触媒は、非常に高い活性を有し、非常に低い触媒濃度においてポリエーテルカーボネートポリオールの製造が可能となり、その結果、一般に最終生成物からの触媒の分離がもはや必要ではない。代表的な例は、EP-A 700949に記載されている高活性DMC触媒であり、これは、複金属シアン化物化合物(例えばヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛)および有機錯化配位子(例えばtert-ブタノール)に加えて、500g/モルより大きい数平均分子量を有するポリエーテルも含む。
本発明によるDMC触媒は、好ましくは
(i)第1工程において、1以上の有機錯化配位子、例えばエーテルまたはアルコールの存在下において金属塩の水溶液を金属シアン化物塩の水溶液と反応させ、
(ii)第2工程において、既知の技術(例えば遠心分離またはろ過)によって、(i)から得られた懸濁液から固体を分離し、
(iii)適当な場合には、第3工程において、有機錯化配位子の水溶液を用いて、分離した固体を洗浄し(例えば再懸濁し、次いでろ過または遠心分離による新たな分離により)、
(iv)次に、得られた固体を、適当な場合には粉状化後に、一般に20〜120℃の温度、一般に0.1mbar〜標準圧(1013mbar)の圧力下において乾燥し、
ここで、第1工程において、または複金属シアン化物化合物の沈殿(第2工程)直後に、1以上の有機錯化配位子(好ましくは過剰に(複金属シアン化物化合物を基準とする))、および必要に応じて更なる錯化成分を添加する
手順によって得られる。
本発明によるDMC触媒に含まれる複金属シアン化物化合物は、水溶性金属塩と水溶性金属シアン化物塩との反応生成物である。
例えば、塩化亜鉛(好ましくは、例えばヘキサシアノコバルト酸カリウム等の金属シアン化物塩を基準として過剰)の水溶液およびヘキサシアノコバルト酸カリウムを混合し、その後ジメトキシエタン(グライム)またはtert-ブタノール(好ましくは、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛を基準として過剰)を、形成した懸濁液に添加する。
複金属シアン化物化合物の調製に適当な金属塩は、好ましくは一般式(V):
M(X) (V)
〔式中、
Mは、金属カチオンZn2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Co2+、Sr2+、Sn2+、Pb2+およびCu2+から選択され、好ましくは、MはZn2+、Fe2+、Co2+またはNi2+であり、
Xは、1以上の(すなわち異なる)アニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンの群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、nは1であり、および
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、nは2である〕
を有し、
または、適当な金属塩は一般式(VI):
(X) (VI)
〔式中、
Mは、金属カチオンFe3+、Al3+、Co3+およびCr3+から選択され、
Xは、1以上の(すなわち異なる)アニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンの群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、rは2であり、および
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、rは1である〕
を有し、
または、適当な金属塩は一般式(VII):
M(X) (VII)
〔式中、
Mは、金属カチオンMo4+、V4+およびW4+から選択され、
Xは、1以上の(すなわち異なる)アニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンの群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、sは2であり、
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、sは4である〕
を有し、
または、適当な金属塩は一般式(VIII):
M(X) (VIII)
〔式中、
Mは、金属カチオンMo6+およびW6+から選択され、
Xは、1以上の(すなわち異なる)アニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンの群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、tは3であり、
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、tは6である〕
を有する。
適当な金属塩として、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)、塩化ニッケル(II)および硝酸ニッケル(II)が挙げられる。種々の金属塩の混合物を用いることもできる。
複金属シアン化物化合物の調製に適当な金属シアン化物塩は、好ましくは一般式(IX):
(Y)M’(CN)(A) (IX)
〔式中、
M’は、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ir(III)、Ni(II)、Rh(III)、Ru(II)、V(IV)およびV(V)からなる群から選択される1以上の金属カチオンであり、好ましくは、M’はCo(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(III)、Ir(III)およびNi(II)からなる群の1以上の金属カチオンであり、
Yは、アルカリ金属(すなわちLi、Na、K、Rb)およびアルカリ土類金属(すなわちBe2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+)からなる群から選択される1以上の金属カチオンであり、
Aは、ハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、アジ化物イオン、シュウ酸イオンまたは硝酸イオンからなる群から選択される1以上のアニオンであり、
a、bおよびcは整数であり、ただしa、bおよびcの価数は、金属シアン化物塩が電気的中性を有するように選択される;aは好ましくは1、2、3または4である;bは好ましくは4、5または6である;cは好ましくは価数0を有する〕
を有する。
適当な金属シアン化物塩として、例えばヘキサシアノコバルト(III)酸ナトリウム、ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ヘキサシアノコバルト(III)酸カルシウムおよびヘキサシアノコバルト(III)酸リチウムが挙げられる。
本発明によるDMC触媒に含まれる好ましい複金属シアン化物化合物は、一般式(X):
[M’x’(CN) (X)
〔式中、
Mは、式(V)〜(VIII)において規定され、
M’、は式(IX)において規定され、および
x、x’、yおよびzは、整数であり、複金属シアン化物化合物が電気的中性を有するように選択される〕
の化合物である。
好ましくは、
x=3、x’=1、y=6およびz=2、
M=Zn(II)、Fe(II)、Co(II)またはNi(II)および
M’=Co(III)、Fe(III)、Cr(III)またはIr(III)である。
適当な複金属シアン化物化合物a)として、例えばヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛、ヘキサシアノイリジウム(III)酸亜鉛、ヘキサシアノ鉄(III)酸亜鉛およびヘキサシアノコバルト(III)酸コバルト(II)が挙げられる。適当な複金属シアン化物化合物の更なる例は、例えばUS-A 5158922(第8欄、第29〜66行)に見られる。ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛が特に好ましく用いられる。
DMC触媒の調製において添加される有機錯化配位子は、例えばUS-A 5158922(特に第6欄、第9〜65行参照)、US-A 3404109、US-A 3829505、US-A 3941849、EP-A 700949、EP-A 761708、JP 4145123、US 5470813、EP-A 743093およびWO-A 97/40086に開示されている。例えば、酸素、窒素、リンまたは硫黄等のヘテロ原子を有する水溶性有機化合物は、複金属シアン化物化合物と共に錯体を形成することができ、有機錯化配位子として用いられる。好ましい有機錯化配位子は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、アミド、ウレア、ニトリル、スルフィドおよびこれらの混合物である。特に好ましい有機錯化配位子は、脂肪族エーテル(例えばジメトキシエタン)、水溶性脂肪族アルコール(例えばエタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オールおよび2-メチル-3-ブチン-2-オール)、および脂肪族または脂環式エーテル基と脂肪族ヒドロキシル基との両方を含む化合物(例えばエチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび3-メチル-3-オキセタン-メタノール)である。非常に好ましい有機錯化配位子は、ジメトキシエタン、tert-ブタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテルおよび3-メチル-3-オキセタン-メタノールからなる群から選択される1以上の化合物である。
必要に応じて本発明によるDMC触媒の調製において用いられるのは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアルキレングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリルアミド-co-アクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリ(N-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ポリビニルメチルケトン、ポリ(4-ビニルフェノール)、ポリ(アクリル酸-co-スチレン)、オキサゾリンポリマー、ポリアルキレンイミン、マレイン酸およびマレイン酸無水物コポリマー、ヒドロキシエチルセルロースおよびポリアセタールの化合物種、またはグリシジルエーテル、グリコシド、多価アルコールのカルボン酸エステル、胆汁酸もしくはそれらの塩、エステルもしくはアミド、シクロデキストリン、リン化合物、α,β-不飽和カルボン酸エステルもしくはイオン界面活性もしくは接合面活性化合物の化合物類からの1以上の錯化成分である。
好ましくは、本発明によるDMC触媒の調製における第1工程において、金属シアン化物塩に基づいて化学量論上過剰(少なくとも50モル%)に用いた金属塩(例えば塩化亜鉛)(すなわち少なくとも金属塩対金属シアン化物塩のモル比が2.25対1.00)および金属シアン化物塩(例えばヘキサシアノコバルト酸カリウム)の水溶液を有機錯化配位子(例えばtert-ブタノール)の存在下において反応させ、複金属シアン化物化合物(例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛)、水、過剰の金属塩および有機錯化配位子を含む懸濁液を生成させる。
これに関して、有機錯化配位子は、金属塩および/もしくは金属シアン化物塩の水溶液に存在してよく、または複金属シアン化物化合物の沈殿後に得られる懸濁液に直接添加される。金属塩および金属シアン化物塩の水溶液および有機錯化配位子を強く攪拌して混合するのが有利であると見出されている。次に、第1工程において生成した懸濁液を更なる錯化成分を用いて必要に応じて処理する。これに関して、錯化成分は、好ましくは水および有機錯化配位子を有する混合物において用いる。第1工程(すなわち懸濁液の生成)を行うための好ましい方法は、混合ノズルを用いて行い、特に好ましくはWO-A 01/39883に記載されているようなジェット分散器を用いて行う。
第2工程において、遠心分離またはろ過等の既知の技術によって、固体(すなわち本発明による触媒の前駆体)を懸濁液から分離する。
好ましい実施態様の別例においては、第3工程において、分離した固体を次に有機錯化配位子の水溶液を用いて洗浄する(例えば再懸濁し、次にろ過または遠心分離による再分離によって)。このように、例えば、塩化カリウム等の水溶性副生成物を本発明による触媒から除去することができる。好ましくは、洗浄水溶液中の有機錯化配位子の量は、溶液全体を基準として40〜80重量%である。
第3工程において、全溶液を基準として好ましくは0.5〜5重量%の範囲の更なる錯化成分を洗浄水溶液に必要に応じて添加する。
分離した固体を1回より多く洗浄することがさらに有利である。好ましくは、第1洗浄工程(iii−1)において、この方法で本発明に係る触媒から、例えば水溶性副生成物、例えば塩化カリウムを除去するために不飽和アルコールを含む水溶液を用いて洗浄を行う(例えば再懸濁し、次いでろ過または遠心分離による新たな分離により)。特に好ましくは、洗浄水溶液中の不飽和アルコールの量は、第1洗浄工程の溶液全量を基準にして40〜80重量%である。更なる洗浄工程(iii−2)において、第1洗浄工程を1回または数回、好ましくは1〜3回繰り返すか、または好ましくは非水溶液、例えば不飽和アルコールおよび更なる錯化成分の混合物または溶液(好ましくは、工程(iii−2)の洗浄溶液の全量を基準にして0.5〜5重量%の範囲)を洗浄溶液として用い、これを用いて固体を1回または数回、好ましくは1〜3回洗浄するかいずれかである。
分離して任意に洗浄した固体を、必要であれば粉状化後に、一般に20〜100℃の温度、一般に0.1mbar〜標準圧(1013mbar)の圧力下において、次に乾燥する。
ろ過、ろ過ケーキ洗浄および乾燥によって、懸濁液から本発明によるDMC触媒を分離する好ましい方法は、WO-A 01/80994に記載されている。
本発明による方法に従って得ることができるポリエーテルカーボネートポリオールは、副生成物の含有量が低く、問題なく処理することができ、特に、ジ−および/またはポリイソシアネートとの反応によってポリウレタン、特に軟質ポリウレタンフォームが得られる。ポリウレタン使用のため、少なくとも2の官能価を有するH官能性スターター物質に基づくポリエーテルカーボネートポリオールが好ましく用いられる。本発明による方法に従って得ることができるポリエーテルカーボネートポリオールは、洗剤および洗浄剤配合物の用途、掘削液体、燃料添加物、イオン性および非イオン性界面活性剤、滑剤、製紙またはテキスタイル製造用のプロセス薬品または化粧品配合物の用途に用いることができる。特定の使用分野に応じて、用いるポリエーテルカーボネートポリオールを、特定の物性、例えば分子量、粘度、官能価および/またはヒドロキシル価等に適合させなければならないことは当業者に知られている。
用いたH官能性スターター物質(スターター):
PET-1 112mg KOH/gのOH価を有するポリプロピレングリコール
DMC触媒は、WO-A 01/80994の実施例6に従って調製した。
用いたヘテロクムレンは:
DCC = ジシクロヘキシルカルボジイミド
TSI = トシルイソシアネート
であった。
共重合において、環式プロピレンカーボネートに加えて、一方で式(XIa):
Figure 2014520939
に示されるポリカーボネート単位を含み、および他方で、式(XIb):
Figure 2014520939
に示されるポリエーテル単位を含むポリエーテルカーボネートポリオールが生成した。
反応混合物は、1H-NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィによって特性を明らかにした:
生成したポリマーの重量平均分子量および数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定した。その手順は、DIN 55672-1に従った:「ゲル浸透クロマトグラフィ、パート1−溶離剤としてのテトラヒドロフラン」(PSS Polymer Service製のSECurity GPC System、流速1.0ml/分;カラム:2×PSS SDV linear M、8×300mm、5μm;RID検出器)。既知の分子量のポリスチレン試料をここで検量のために用いた。
OH価(ヒドロキシル価)は、DIN 53240-2に従って測定したが、THF/塩化メチレンに代えて、N-メチルピロリドンを溶媒として用いた。0.5モル濃度のKOHエタノール溶液を用いて滴定を行った(電位差測定法による終点検出)。証明書により特定されたOH価を有するヒマシ油は試験物質として機能した。「mg/g」で記載された単位は、mg[KOH]/g[ポリエーテルカーボネートポリオール]に関する。
ポリエーテルカーボネートポリオールに対する環式プロピレンカーボネートの量比(選択性、c/l)およびポリエーテルカーボネートポリオールにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比(比率e/f)および反応したプロピレンオキシドの量(C、モル%)を、1H-NMR分光法を用いて測定した。試料をそれぞれ重水素クロロホルムに溶解し、ブルカー分光計(AV400、400MHz、パルスプログラムzg30、待ち時間d1:1s、16スキャン)において測定した。1H-NMRスペクトル(TMS=0ppmを基準とする)における関連する共鳴は、次のとおりであり、積分に用いた:
I1: 1.11〜1.17:ポリエーテル単位のメチル基、共鳴領域は3つのH原子に対応する
I2: 1.25〜1.32:ポリカーボネート単位のメチル基、共鳴領域は3つのH原子に対応する
I3: 1.45〜1.49:環式カーボネートのメチル基、共鳴領域は3つのH原子に対応する
I4: 2.95〜2.99:遊離の未反応プロピレンオキシドのCH基、共鳴領域は1つのH原子に対応する
相対強度を考慮し、値を次のとおり算出した:
ポリマーに対する環式プロピレンカーボネートの量のモル比(選択性、c/l):
c/l=I3/I2 (XII)
ポリマーにおけるエーテル基に対するカーボネート基のモル比(e/f):
e/f=I2/I1 (XIII)
反応したプロピレンオキシドのモル含有量(C、モル%)を、活性化および共重合において用いたプロピレンオキシドの総量を基準として、式:
C=[((I1/3)+(I2/3)+(I3/3))/((I1/3)+(I2/3)+(I3/3)+I4)]*100% (XIV)
に従って算出し、試料においては97.8〜>99.9%の間であった。
実施例1:TSI-活性化DMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCOとの重合
DMC触媒(8mg)、TSI(0.5ml)およびPET-1(3g)の混合物を300ml容の圧力反応器にまず導入し、わずかに減圧(500mbar)下でArの緩流下において、130℃で混合物を30分間攪拌した(500rpm)[工程(α)]。15barのCO圧の適用後、HPLCポンプを用いて7.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、COを充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。反応混合物を130℃で30分間攪拌した(500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに32.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、混合物を100℃でさらに2.5時間攪拌した[工程(γ)]。氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
選択性c/lは0.03であった。
エーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは49/51であった。
実施例2:DCC-活性化DMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCOとの重合
DMC触媒(8mg)、DCC(9.2mg)およびPET-1(3g)の混合物を300ml容の圧力反応器にまず導入し、わずかに減圧(500mbar)下でArの緩流下において、130℃で混合物を30分間攪拌した(500rpm)[工程(α)]。15barのCO圧の適用後、HPLCポンプを用いて7.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、COを充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。反応混合物を130℃で30分間攪拌した(500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに32.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、混合物を100℃でさらに2.5時間攪拌した[工程(γ)]。氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
選択性c/lは0.05であった。
エーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは33/67であった。
比較実施例3:ヘテロクムレンを添加せず活性化したDMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCOとの重合
DMC触媒(8mg)およびPET-1(3g)の混合物を300ml容の圧力反応器にまず導入し、わずかに減圧(500mbar)下でArの緩流下において、130℃で混合物を30分間攪拌した(500rpm)[工程(α)]。15barのCO圧の適用後、HPLCポンプを用いて7.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、COを充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。反応混合物を130℃で30分間攪拌した(500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに32.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、混合物を100℃でさらに2.5時間攪拌した[工程(γ)]。氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。
選択性c/lは0.05であった。
エーテル基に対するカーボネート基のモル比e/fは27/73であった。
実施例1および2と比較実施例3とを比較することで(表1)、第1活性化段階におけるヘテロクムレンの存在により、COの組み込みがより高くなり、環式カーボネートの含有量がより低くなる傾向がもたらされることが示される。
Figure 2014520939
実施例4〜7:TSI濃度を変えたTSI-活性化DMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCOとの重合
DMC触媒(8mg)、表2にそれぞれ記載された量(nTSI)のTSIおよびPET-1(3g)の混合物を300ml容の圧力反応器にまず導入し、わずかに減圧(500mbar)下でArの緩流下において、130℃で混合物を30分間攪拌した(500rpm)[工程(α)]。15barのCO圧の適用後、HPLCポンプを用いて7.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、COを充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。反応混合物を130℃で30分間攪拌した(500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに32.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、混合物を100℃でさらに2.5時間攪拌した[工程(γ)]。氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。生成物の特性評価の結果を次の表2にまとめる。
Figure 2014520939
実施例8〜10:DCC濃度を変えたDCC-活性化DMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCOとの重合
DMC触媒(8mg)、DCCおよびPET-1(3g)の混合物を300ml容の圧力反応器にまず導入し、わずかに減圧(500mbar)下でArの緩流下において、130℃で混合物を30分間攪拌した(500rpm)[工程(α)]。15barのCO圧の適用後、HPLCポンプを用いて7.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、COを充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。反応混合物を130℃で30分間攪拌した(500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いてさらに32.5gのプロピレンオキシドを計量添加した(1ml/分)。次に、混合物を100℃でさらに2.5時間攪拌した[工程(γ)]。氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。生成物の特性評価の結果を次の表3にまとめる。
Figure 2014520939
実施例11〜18:生成物の鎖長を変えた、活性化DMC触媒を用いた、プロピレンオキシドとCOとの重合
DMC触媒(8mg)、適当な場合には表3に記載された種類および量のヘテロクムレンおよびPET-1(3g)の混合物を300ml容の圧力反応器にまず導入し、わずかに減圧(500mbar)下でArの緩流下において、130℃で混合物を30分間攪拌した(500rpm)[工程(α)]。15barのCO圧の適用後、HPLCポンプを用いて表3にそれぞれ記載された量のプロピレンオキシド15重量%を計量添加した(1ml/分)。次に、COを充填することによって反応器中の圧力を15barに維持した。反応混合物を130℃で30分間攪拌した(500rpm)[工程(β)]。100℃に冷却後、攪拌しながら、HPLCポンプを用いて残りの量のプロピレンオキシド85重量%を計量添加した(1ml/分)。次に、混合物を100℃でさらに2.5時間攪拌した[工程(γ)]。氷浴において冷却することによって反応を終了させ、増加した圧力を下げ、生じた生成物を分析した。生成物の特性評価の結果を次の表4にまとめる。
Figure 2014520939

Claims (15)

  1. 複金属シアン化物触媒の存在下において、1以上のH官能性スターター物質、1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からポリエーテルカーボネートポリオールを製造する方法であって、
    (α)不活性ガス雰囲気下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃の温度で、DMC触媒をヘテロクムレンおよびH官能性スターター物質と混合し、
    (β)不活性ガス雰囲気下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、100〜150℃の温度で、アルキレンオキシドを工程(α)からの混合物に添加し、
    (γ)1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を、工程(β)から生じる混合物に連続的に計量添加する
    ことを特徴とする方法。
  2. 工程(γ)を90〜130℃において行う、請求項1に記載の方法。
  3. DMC触媒の活性化方法であって、
    (α)不活性ガス雰囲気下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、DMC触媒をヘテロクムレンおよびH官能性スターター物質と混合し、次に
    (β)不活性ガス雰囲気下、不活性ガス/二酸化炭素混合物雰囲気下または純粋な二酸化炭素雰囲気下において、90〜150℃の温度で、アルキレンオキシドを工程(α)からの混合物に添加する
    ことを特徴とする方法。
  4. 工程(α)において
    (α1)H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物を反応容器にまず導入し、
    (α2)スターター物質またはその混合物の温度を50〜200℃にし、および/または反応器中の圧力を500mbar未満に調節し、
    ここで、工程(α1)または続く工程(α2)中において、複金属シアン化物触媒およびヘテロクムレンを、H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質に添加する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(β)において用いられる部分量の1以上のアルキレンオキシドは、(工程(α)において用いられるスターター物質の量を基準として)0.1〜25.0重量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボジイミド基、ケテン基およびチオケテン基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含む化合物(すなわち少なくとも1つのS=C=C<基を含む化合物)をヘテロクムレンとして用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 式(II):
    −(−X−N=C=O) (II)
    〔式中、
    は、1〜36個の炭素原子を有するn価の脂肪族、芳香族または脂環族基を表し、
    nは、1〜6の自然数を表し、
    Xは、単結合、−SO−または−CO−基を表す〕
    の化合物をヘテロクムレンとして用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 式(IIIa)および(IIIb):
    −N=C=N−R (IIIa)
    OCN−R−[−N=C=N−R−]−NCO (IIIb)
    〔式中、
    およびRは、C1〜C22アルキル、C6〜C18アリールまたはC7〜C22アラルキル基を表し、
    は、2価のC6〜C36脂肪族、芳香族または脂環族基を表し、
    mは、3〜300の自然数を表す〕
    の化合物をヘテロクムレンとして用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  9. ヘテロクムレンとして、トシルイソシアネート、ベンゾイルイソシアネート、アセチルイソシアネート、カルボニル-ジイソシアネート、スルホニル-ジイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、メタンスルホニル-ジイソシアネート、o-、m-およびp-フタロイル-ジイソシアネート、4,4',4''-トリイソシアナトフェニルメタン、4,4'-メチレン-ジイソシアネート、2,4'-メチレン-ジイソシアネート、2,2'-メチレン-ジイソシアネート、2,4-トルイレン-ジイソシアネート、2,6-トルイレン-ジイソシアネート、m-およびp-フェニレン-ジイソシアネート、ジフェニル-ジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトジフェニル、3,4'-ジイソシアナトジフェニルエーテル、4,4'-ジイソシアナトジフェニルエーテル、m-およびp-ビスイソシアナトメチルベンゼン、1,3-および1,4-ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,3-ビス-(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート(HDI)、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート、イソホロン-ジイソシアネート(IPDI)、m-テトラメチルキシレン-ジイソシアネート(m-TMXDI)、ビスイソシアナトメチルノルボルナン、フェニルイソシアネート、ブチルイソシアネートおよびメチルイソシアネート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ-p-トルイルカルボジイミド、ジ-tert-ブチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、tert-ブチルエチルカルボジイミドならびに3-ジメチルアミノプロピル-エチルカルボジイミドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  10. 用いられるH官能性スターター物質は、アルコール、アミン、チオール、アミノアルコール、チオアルコール、ヒドロキシエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリエチレンイミン、ポリエーテル-アミン、ポリテトラヒドロフラン、ポリエーテルチオール、ポリアクリレートポリオール、ヒマシ油、リシノール酸のモノ-またはジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸の化学修飾モノ-、ジ-および/またはトリグリセリドならびに1分子当たり平均して少なくとも2つのOH基を含むC〜C24-アルキル脂肪酸エステルからなる群から少なくとも1つ選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 用いられるH官能性スターター物質は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、2官能性および3官能性ポリエーテルポリオールからなる群から少なくとも1つ選択され、ここで、ポリエーテルポリオールは、2価もしくは3価のH官能性スターター物質およびプロピレンオキシドまたは2価もしくは3価のH官能性スターター物質、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドから構成され、ポリエーテルポリオールは、62〜4,500g/モルの範囲の分子量Mnおよび2〜3の官能価を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 用いられる複金属シアン化物触媒は、ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛、ヘキサシアノイリジウム(III)酸亜鉛、ヘキサシアノ鉄(III)酸亜鉛およびヘキサシアノコバルト(III)酸コバルト(II)からなる群から選択される少なくとも1つの複シアン化物化合物を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 用いられる複金属シアン化物触媒は、脂肪族エーテル、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび3-メチル-3-オキセタン-メタノールからなる群から選択される少なくとも1つの有機錯化配位子をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 管式反応器、攪拌槽、またはループ型反応器において行う、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 攪拌槽において行い、工程(γ)において1以上のH官能性スターター物質を反応中において攪拌槽に連続的に計量添加することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
JP2014520629A 2011-07-18 2012-07-16 ポリエーテルポリオールの製造のための、複金属シアン化物触媒の活性化方法 Pending JP2014520939A (ja)

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