JP5792310B2 - ポリエーテルカーボネートポリオールの製造方法 - Google Patents
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Description
(R1)(R2)(R3)C(OH)
〔R1は、少なくとも1つのC=Cおよび/または少なくとも1つのC≡C基を有する2〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、および好ましくはC=CまたはC≡C基の炭素原子の1つがヒドロキシル基を有する炭素に結合しており、炭化水素基の1以上の水素原子が炭素または水素以外の原子に置換し得、およびR2およびR3が互いに独立して水素、C1〜C20−アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C3〜C12−シクロアルキル、フェニルまたは少なくとも1つのC=Cおよび/または少なくとも1つのC≡C基を有する2〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、好ましくはC=CまたはC≡C基の炭素原子の1つがヒドロキシル基を有する炭素に結合しており、いずれの場合にも炭化水素基の1以上の水素原子が炭素または水素以外の原子に置換し得る〕
の不飽和アルコールである。
HO−(CH2)x−OH (II)
〔式中、xは、1〜20の数、好ましくは2〜20の偶数である〕
で示されるアルコールである。式(II)で示されるアルコールの例は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。更なる好ましいH官能性スターター物質は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、式(II)で示されるアルコールとε−カプロラクトンとの反応生成物、例えばトリメチロールプロパンとε−カプロラクトンとの反応生成物、グリセロールとε−カプロラクトンとの反応生成物ならびにペンタエリトリトールとε−カプロラクトンとの反応生成物である。さらに好ましく用いるH官能性スターター物質は、水、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒマシ油、ソルビトールおよび繰り返しポリアルキレンオキシド単位から構成されたポリエーテルポリオールである。
(i)第1工程において、シアン化物不含の金属塩の水溶液を金属シアン化物塩の水溶液と1以上の不飽和アルコールの存在下で反応させ、不飽和アルコールがシアン化物不含の金属塩の水溶液中、金属シアン化物塩の水溶液中または両水溶液中のいずれかに含まれ、
(ii)第2工程において、固体を(i)から得られた懸濁液から分離し、
(iii)適切な場合には、第3工程において、分離された固体を不飽和アルコールの水溶液で洗浄し(例えば再懸濁し、次いでろ過または遠心分離による新たな分離により)、
(iv)得られた固体を次いで、必要に応じて粉状化後に、乾燥し、
第1工程においてまたは複金属シアン化物化合物の沈殿(第2工程)の直後に、1以上の不飽和アルコールを、好ましくは過剰(複金属シアン化物化合物に基づく)に、必要に応じて更なる錯体形成性成分を添加する
手順により得られる。
M(X)n (III)
〔式中、Mは金属カチオンZn2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Co2+、Sr2+、Sn2+、Pb2+およびCu2+から選択され、好ましくは、MはZn2+、Fe2+、Co2+またはNi2+であり、
Xは、1以上(すなわち異なる)のアニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、アルコラートイオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンからなる群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、nは1であり、
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、nは2である〕
で示され、
また適当なシアン化物不含の金属塩は一般式(IV):
Mr(X)3 (IV)
〔式中、Mは金属カチオンFe3+、Al3+およびCr3+から選択され、
Xは1以上(すなわち異なる)のアニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンからなる群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、rは2であり、
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、rは1である〕
で示され、
また適当なシアン化物不含の金属塩は一般式(V):
M(X)s (V)
〔式中、Mは金属カチオンMo4+、V4+およびW4+から選択され、
Xは1以上(すなわち異なる)のアニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンからなる群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、sは2であり、
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、sは4である〕
で示され、
また適当なシアン化物不含の金属塩は一般式(VI):
M(X)t (VI)
〔式中、Mは金属カチオンMo6+およびW6+から選択され、
Xは1以上(すなわち異なる)のアニオン、好ましくはハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンおよび硝酸イオンからなる群から選択されるアニオンである;
X=硫酸イオン、炭酸イオンまたはシュウ酸イオンの場合、tは3であり、
X=ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオンまたは硝酸イオンの場合、tは6である〕
で示される。
(Y)aM’(CN)b(A)c (VII)
〔式中、M’は、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ir(III)、Ni(II)、Rh(III)、Ru(II)、V(IV)およびV(V)からなる群から選択される1以上の金属カチオンであり、好ましくは、M’はCo(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(III)、Ir(III)およびNi(II)からなる群から選択される1以上の金属カチオンであり、
Yは、アルカリ金属(すなわちLi+、Na+、K+、Rb+、Cs+)およびアルカリ土類金属(すなわちBe2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+)からなる群から選択される1以上の金属カチオンであり、
Aは、ハロゲン化物イオン(すなわちフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、水酸化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、カルボン酸イオン、シュウ酸イオンまたは硝酸イオンからなる群から選択される1以上のアニオンであり、
a、bおよびcは整数であり、a、bおよびcの価数は金属シアン化塩が電気的中性であるように選択される;aは好ましくは1、2、3または4;bは好ましくは4、5または6;cは好ましくは価数0である〕
で示される。
Mx[M’x’(CN)y]z (VIII)
〔式中、Mは式(III)〜(VI)として定まり、
M’は式(VII)として定まり、
x、x’、yおよびzは整数であり、複金属シアン化物化合物が電気的中性であるように選択される〕
で示される化合物である。
好ましくは、x=3、x’=1、y=6およびz=2、
M=Zn(II)、Fe(II)、Co(II)またはNi(II)、
M’=Co(III)、Fe(III)、Cr(III)またはIr(III)である。
(α)H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物を必要に応じてまず反応容器に入れ、適切な場合には、水および/または他の易揮発性化合物を、高温および/または減圧により除去し(「乾燥」)、DMC触媒を、H官能性スターター物質へ、または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物へ、乾燥前または乾燥後に添加し、
(β)活性化のために、
(β1)第1活性化工程において、1以上のアルキレンオキシドの第一の部分量(活性化および共重合に用いるアルキレンオキシドの量の全量を基準)を、工程(α)から得られた混合物へ添加し、該アルキレンオキシドの部分量のこの添加は、必要に応じて、CO2存在下で行うことが可能であるが、CO2不存在下で行うことが好ましく、引き続く発熱化学反応により生じる温度ピーク(「ホットスポット」)および/または反応器中の圧力低下をいずれの場合にも待ち、
(β2)第2活性化工程において、先行する活性化工程で温度ピークに達した後に、1以上のアルキレンオキシドの第二の部分量(活性化および共重合に用いるアルキレンオキシドの量の全量を基準)を、先行する活性化工程から得られる混合物へ添加し、該アルキレンオキシドの部分量の添加は、必要に応じて、CO2存在下で行うことが可能であるが、CO2不存在下で行うことが好ましく、引き続く発熱化学反応により生じる温度ピーク(「ホットスポット」)および/または反応器中の圧力低下をいずれの場合にも待ち、
(β3)必要に応じて、第3活性化工程または更なる活性化工程において、先行する活性化工程で温度ピークに達した後に、工程(β2)を0〜5回、好ましくは1〜4回、特に好ましくはただ1回繰り返し、アルキレンオキシドの部分量をCO2の不存在下で添加し、引き続く発熱化学反応により生じる温度ピーク(「ホットスポット」)および/または反応器中の圧力低下をいずれの場合にも待ち、
(β4)必要に応じて、更なる活性化工程において、先行する活性化工程で温度ピークに達した後に、工程(β3)を1〜5回、好ましくは1〜4回、特に好ましくはただ1回繰り返し、アルキレンオキシドの部分量をCO2の存在下で添加し、引き続く発熱化学反応により生じる温度ピーク(「ホットスポット」)および/または反応器中の圧力低下をいずれの場合にも待ち、
(γ)1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を、工程(β)から得られた混合物へ添加する(「共重合」)ことを特徴する方法を提供する。共重合に用いたアルキレンオキシドは活性化工程で用いたアルキレンオシキドと同一または異なり得る。
本発明に係るDMC触媒の存在下で、アルキレンオキシド(エポキシド)および二酸化炭素をH官能性スターター物質(スターター)に触媒添加することによってポリエーテルカーボネートポリオールを製造するために、H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物をまず反応容器に入れ、適切な場合には、水および/または他の易揮発性化合物を除去する。これは、例えば窒素によるストリッピング(必要に応じて減圧下)、または50〜200度、好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜140℃で減圧蒸留することによって行う。スターター物質またはスターター物質の混合物のこの前処理は、単純化のため以下では乾燥と呼ぶ。
1以上のアルキレンオキシドの計量および必要に応じての二酸化炭素の計量は、スターター物質または幾つかのスターター物質の乾燥およびDMC触媒の添加の後に行い、スターター物質の乾燥前または後に、DMC触媒を固体としてまたは懸濁液の形態で添加する。DMC触媒をスターター物質の乾燥前に添加する場合、DMC触媒は好ましくは、例えばスターター物質の乾燥と類似の方法で乾燥すべきである。1以上のアルキレンオキシド及び二酸化炭素の計量は原理上種々の方法で行うことができる。計量の開始は真空または事前に選択した初期圧から起こり得る。初期圧は好ましくは、不活性ガス、例えば窒素等を通入し、その圧力(絶対圧)は10ミリバール〜10バール、好ましくは100ミリバール〜8バールおよび好ましくは500ミリバール〜6バールである。特に好ましい実施態様では、1以上のスターター物質の混合物および工程(α)から得られたDMC触媒に、100〜130℃の温度で、少なくとも1回、好ましくは3回、1.5〜10バール(絶対圧)、特に好ましくは3〜6バール(絶対圧)の不活性ガス(窒素または希ガス、例えばアルゴン等)を入れ、いずれの場合にもすぐに続いて15分以内に増加した圧力を1バール(絶対圧)まで下げる。あるいは、同様に特に好ましい実施態様では、1以上のスターター物質およびDMC触媒の工程(α)で得られた混合物に40〜130℃の温度で不活性ガス(窒素または希ガス、例えばアルゴン等)を通入し、同時に10ミリバール〜800ミリバール、特に好ましくは50ミリバール〜200ミリバールの減圧(絶対圧)を行う。
1以上のアルキレンオキシドの計量と二酸化炭素の計量は同時または連続して行うことができ、二酸化炭素の総量を一度に揃って添加し、または反応時間を通して計量することにより添加できる。好ましくは、二酸化炭素を計量する。1以上のアルキレンオキシドの計量は二酸化炭素の計量と同時または連続して行う。幾つかのアルキレンオキシドをポリエーテルカーボネートポリオールの合成に用いる場合、その計量はいずれも独立の計量操作または1以上の計量操作によって同時または連続して行うことができ、少なくとも2つのアルキレンオキシドが混合物として計量される。アルキレンオキシドの計量と二酸化炭素の計量の性質により、ランダム、交互、ブロック様またはグラジエント様のポリエーテルカーボネートポリオールの合成が可能である。
の反応によってポリウレタン、特に柔軟性のポリウレタンフォームが得られる。ポリウレタン使用のため、好ましくは少なくとも2の官能価のH官能性スターター物質に基づくポリエーテルカーボネートポリオールが用いられる。本発明の方法で得られ得るポリエーテルカーボネートポリオールは洗剤および洗浄剤配合物の用途、掘削液体、燃料添加物、イオン性および非イオン性界面活性剤、滑剤、製紙またはテキスタイル製造用のプロセス薬品または化粧品の用途に用いることができる。用いるポリエーテルカーボネートポリオールは、特定の使用分野に応じて、特定の物性、例えば分子量、粘度、多分散度、官能性および/またはヒドロキシル価等に適合させるべきことは当業者に知られている。
(副生成物として形成した)環式カーボネート4.5ppmでの共鳴、ポリエーテルカーボネートポリオール中に組み込まれた二酸化炭素から得られるカーボネート(5.1〜4.8ppmでの共鳴)、未反応PO2.4ppmでの共鳴、ポリエーテルポリオール(すなわち、組み込まれた二酸化炭素を有さない)1.2〜1.0ppmでの共鳴、H官能性スターター化合物として組み込まれた1,8−オクタンジオール1.6〜1.52ppmでの共鳴。
A(4.5)=環式カーボネートについての4.5ppmでの共鳴面積(H原子に対応)
A(5.1〜4.8)=ポリエーテルカーボネートポリオールおよび環式カーボネートのH原子についての5.1〜4.8ppmでの共鳴面積
A(2.4)=遊離未反応POについての2.4ppmでの共鳴面積
A(1.2〜1.0)=ポリエーテルポリオールについての1.2〜1.0ppmでの共鳴面積
A(1.6〜1.52)=1,8−オクタンジオール(H官能性スターター化合物)についての1.6〜1.52ppmでの共鳴面積
触媒は、WO−A01/39883の図4による器具で調製した。
蒸留水937g中の塩化亜鉛258gとtert−ブタノール135gとの水溶液を、穴(直径0.7mm)を有する、WO−A01/39883の図2による噴出分散器を有するループ型反応器中に50℃で循環させた。蒸留水332g中のヘキサシアノコバルト酸カリウム26g(0.078モル)の溶液をこの混合物中に計量した。計量および引き続く循環時間中の噴出分散器内の圧力損失は2.5バールであった。次いで形成した分散液を、2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、60分間、50℃で循環した。その後、tert−ブタノール5.7g、蒸留水159gおよびポリプロピレングリコール1000 27.6gの混合物を分散液中に計量し、次いで2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、80分間、50℃で循環した。得られた分散液230gをろ過面積が20cm3の加圧フィルター中でろ過を行い、その後tert−ブタノール82g、蒸留水42.3gおよびポリプロピレングリコール1000 1.7gの混合物で洗浄した。洗浄したろ過ケーキを2枚のろ紙の間で機械的に圧縮し、最後に約0.05ミリバール(絶対圧)の高真空下で2時間、60℃で乾燥した。
触媒は、WO−A01/39883の図4による器具で調製した。
蒸留水937g中の塩化亜鉛258gと2−メチル−3−ブテン−2−オール135gとの水溶液を、穴(直径0.7mm)を有する、WO−A01/39883の図2による噴出分散器を有するループ型反応器中に50℃で循環させた。蒸留水332g中のヘキサシアノコバルト酸カリウム26g(0.078モル)の溶液をこの混合物中に計量した。この操作中の噴出分散器内の圧力損失は2.5バールであった。次いで形成した分散液を、2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、60分間、50℃で循環した。その後、2−メチル−3−ブテン−2−オール5.7g、蒸留水159gおよびポリプロピレングリコール1000 27.6gの混合物を分散液中に計量し、次いで2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、80分間、50℃で循環した。
得られた分散液230gをろ過面積が20cm3の加圧フィルター中でろ過を行い、その後2−メチル−3−ブテン−2−オール82g、蒸留水42.3gおよびポリプロピレングリコール1000 1.7gの混合物で洗浄した。洗浄したろ過ケーキを2枚のろ紙の間で機械的に圧縮し、最後に約0.05ミリバール(絶対圧)の高真空下で2時間、60℃で乾燥した。
触媒は、WO−A01/39883の図4による器具で調製した。
蒸留水937g中の塩化亜鉛258gと2−メチル−3−ブチン−2−オール135gとの水溶液を、穴(直径0.7mm)を有する、WO−A01/39883の図2による噴出分散器を有するループ型反応器中に50℃で循環させた。蒸留水332g中のヘキサシアノコバルト酸カリウム26g(0.078モル)の溶液をこの混合物中に計量した。この操作中の噴出分散器内の圧力損失は2.5バールであった。次いで形成した分散液を、2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、60分間、50℃で循環した。その後、2−メチル−3−ブチン−2−オール5.7g、蒸留水159gおよびポリプロピレングリコール1000 27.6gの混合物を分散液中に計量し、次いで2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、80分間、50℃で循環した。
得られた分散液230gをろ過面積が20cm3の加圧フィルター中でろ過を行い、その後2−メチル−3−ブチン−2−オール82g、蒸留水42.3gおよびポリプロピレングリコール1000 1.7gの混合物で洗浄した。洗浄したろ過ケーキを2枚のろ紙の間で機械的に圧縮し、最後に約0.05ミリバール(絶対圧)の高真空下で2時間、60℃で乾燥した。
触媒は、WO−A01/39883の図4による器具で調製した。
蒸留水937g中の塩化亜鉛258gと3−メチル−1−ペンチン−3−オール135gとの水溶液を、穴(直径0.7mm)を有する、WO−A01/39883の図2による噴出分散器を有するループ型反応器中に50℃で循環させた。蒸留水332g中のヘキサシアノコバルト酸カリウム26g(0.078モル)の溶液をこの混合物中に計量した。この操作中の噴出分散器内の圧力損失は2.5バールであった。次いで形成した分散液を、2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、60分間、50℃で循環した。その後、3−メチル−1−ペンチン−3−オール5.7g、蒸留水159gおよびポリプロピレングリコール1000 27.6gの混合物を分散液中に計量し、次いで2.5バールの噴出分散器内の圧力損失下において、80分間、50℃で循環した。
得られた分散液230gをろ過面積が20cm3の加圧フィルター中でろ過を行い、その後3−メチル−1−ペンチン−3−オール82g、蒸留水42.3gおよびポリプロピレングリコール1000 1.7gの混合物で洗浄した。洗浄したろ過ケーキを2枚のろ紙の間で機械的に圧縮し、最後に約0.05ミリバール(絶対圧)の高真空下で2時間、60℃で乾燥した。
蒸留水25ml中のヘキサシアノコバルト酸カリウム2g(6ミリモル)の溶液を、蒸留水73.5g中のヨウ化亜鉛46.9gおよび3−メチル−1−ペンチン−3−オール10.5gの溶液に強く攪拌(10000rpm)しながら添加し、次いで混合物をさらに10分間強く攪拌した(24000rpm)。その後、蒸留水12.3g中の3−メチル−1−ペンチン−3−オール0.4gおよびポリプロピレングリコール1000 2.1gの混合物を形成した懸濁液に添加し、次いで混合物を3分間強く攪拌した(10000rpm)。ブフナー漏斗を用いてろ過により固体を分離し、その後3−メチル−1−ペンチン−3−オール27.3g、蒸留水14.2gおよびポリプロピングリコール1000 0.6gの混合物と10分間攪拌し(10000rpm)、再度ろ過した。最後に、さらに一回、3−メチル−1−ペンチン−3−オール39gおよびポリプロピレングリコール1000 0.3gの混合物と10分間攪拌した(10000rpm)。ろ過後、触媒を約0.05ミリバール(絶対圧)の高真空下で2時間、100℃で乾燥した。
蒸留水25ml中のヘキサシアノコバルト酸カリウム2g(6ミリモル)の溶液を、蒸留水73.5g中の臭化亜鉛33.1gおよび3−メチル−1−ペンチン−3−オール10.5gの溶液に強く攪拌(10000rpm)しながら添加し、次いで混合物をさらに10分間強く攪拌した(24000rpm)。その後、蒸留水12.3g中の3−メチル−1−ペンチン−3−オール0.4gおよびポリプロピレングリコール1000 2.1gの混合物を形成した懸濁液に添加し、次いで混合物を3分間強く攪拌した(10000rpm)。ブフナー漏斗を用いてろ過により固体を分離し、その後3−メチル−1−ペンチン−3−オール27.3g、蒸留水14.2gおよびポリプロピングリコール1000 0.6gの混合物と10分間攪拌し(10000rpm)、再度ろ過した。最後に、さらに一回、3−メチル−1−ペンチン−3−オール39gおよびポリプロピレングリコール1000 0.3gの混合物と10分間攪拌した(10000rpm)。ろ過後、触媒を約0.05ミリバール(絶対圧)の高真空下で2時間、100℃で乾燥した。
実施例1〜6(下表参照)の1つによる乾燥したDMC触媒141mgおよび乾燥した1,8−オクタンジオール(H官能性スターター化合物)51gをまず、ガス計量装置を備えた1リットルの圧力反応器に入れた。反応器を130℃まで加熱し、約5バールまで窒素を通入し続いて約1バールまで減圧することを繰り返して不活性化した。この操作を3回行った。プロピレンオキシド(PO)25gを130℃、CO2不存在下で迅速に計量した。触媒の活性化は、温度ピーク(「ホットスポット」)および初期圧(約1バール)への圧力低下により現れた。第1の圧力低下の後に、20gのPOおよびその後19gのPOを迅速に計量添加し、その結果、いずれの場合にも温度ピークおよび圧力低下が順に生じた。反応容器に50バールのCO2を入れた後、50gのPOを迅速に計量添加し、その結果、待ち時間(時間1)の後に温度ピークが生じた。同時に、二酸化炭素CO2の圧力が低下し始めた。圧力が設定値以下に減少した時に新たなCO2を添加するようにして、その圧力を調節した。残りのプロピレンオキシド(435g)を約1.8g/分で反応器中に連続的にポンプで注入する一方、10分後に温度を5分毎に5℃の間隔で105℃まで下げた。POの添加が終了した時、CO2の更なる消費が観測されなくなるまで、上記の圧力下で105℃で攪拌(1500rpm)を続けた。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
〔1〕少なくとも1つの複金属シアン化物触媒の存在下で1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からポリエーテルカーボネートポリオールを製造する方法であって、複金属シアン化物触媒は錯体形成性配位子として不飽和アルコールを含む、方法。
〔2〕少なくとも1つの複金属シアン化物触媒の存在下で1以上のアルキレンオキシド、二酸化炭素および1以上のH官能性スターター物質の反応による上記〔1〕に記載の方法であって、複金属シアン化物触媒は錯体形成性配位子として不飽和アルコールを含む、方法。
〔3〕複金属シアン化物触媒は式(R 1 )(R 2 )(R 3 )C(OH)の不飽和アルコールを含み、R 1 は少なくとも1つのC=Cおよび/または少なくとも1つのC≡C基を有する2〜20個の炭素原子を有する炭化水素であり、R 2 およびR 3 は互いに独立して水素、C 1 〜C 20 アルキル、C 3 〜C 12 シクロアルキル、フェニルまたは少なくとも1つのC=Cおよび/または少なくとも1つのC≡C基を有する2〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕複金属シアン化物触媒は、不飽和アルコールとして3−ブテン−1−オール、3−ブチン−1−オール、2−プロペン−1−オール、2−プロピン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブチン−1−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オールおよび3−メチル−1−ペンチン−3−オールまたはその誘導体を含み、不飽和アルコール中の1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔5〕複金属シアン化物触媒は、不飽和アルコールとして2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オールおよび3−メチル−1−ペンチン−3−オールを含むことを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔6〕複金属シアン化物触媒は、不飽和アルコールとして3−メチル−1−ペンチン−3−オールを含むことを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔7〕DMC触媒を調製する手順において、
(i)第1工程において、シアン化物不含の金属塩の水溶液を金属シアン化物塩の水溶液と1以上の有機錯体形成性配位子の存在下で反応し、1以上の不飽和アルコールがシアン化物不含の金属塩の水溶液中、金属シアン化物塩の水溶液中または両水溶液中のいずれかに含まれ、
(ii)第2工程において、固体を第1工程から得られた懸濁液から分離し、
(iii)第3工程において、分離された固体を、少なくとも1つの不飽和アルコールの存在下または不存在下で有機錯体形成性配位子の水溶液で洗浄し、
(iv)得られた固体を次いで乾燥し、
第1工程においてまたは複金属シアン化物化合物の沈殿(第2工程)の直後に、1以上の有機錯体形成性配位子を添加する、上記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔8〕第1工程においてまたは複金属シアン化物化合物の沈殿(第2工程)の直後に、1以上の有機錯体形成性配位子および1以上の不飽和アルコールを添加する、上記〔7〕に記載の方法。
〔9〕DMC化合物を形成するために用いるシアン化物不含の金属塩は、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)、塩化ニッケル(II)および硝酸ニッケル(II)からなる群の少なくとも1つから選択される、上記〔7〕に記載の方法。
〔10〕DMC化合物を形成するために用いるシアン化物不含の金属塩は、塩化亜鉛、臭化亜鉛または塩化亜鉛と臭化亜鉛の混合物である、上記〔7〕に記載の方法。
〔11〕用いる金属シアン化物塩は、ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ヘキサシアノコバルト(III)酸カルシウムおよびヘキサシアノコバルト(III)酸リチウムからなる群の少なくとも1つから選択される、上記〔7〕に記載の方法。
〔12〕(α)H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物を、必要に応じてまず反応容器に入れ、適切な場合には、水および/または他の易揮発性化合物を除去し(「乾燥」)、DMC触媒、H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物を乾燥前または乾燥後に添加し、
(β)アルキレンオキシドおよび二酸化炭素を工程(α)から得られる混合物に添加する(「共重合」)
ことを特徴とする上記〔2〕に記載の方法。
〔13〕(α)H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物をまず反応容器に入れ、水および/または他の易揮発性化合物を、高温および/または減圧により除去し(「乾燥」)、DMC触媒を、H官能性スターター物質へ、または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物へ、乾燥前または乾燥後に添加し、
(β)活性化のために、
(β1)第1活性化工程において、1以上のアルキレンオキシドの第一の部分量(活性化および共重合に用いるアルキレンオキシドの量の全量を基準)を、工程(α)から得られた混合物へ添加し、該アルキレンオキシドの部分量の添加は、必要に応じて、CO 2 存在下で行うことが可能であるが、CO 2 不存在下で行うことが好ましく、引き続く発熱化学反応により生じる温度ピーク(「ホットスポット」)および/または反応器中の圧力低下をいずれの場合にも待ち、
(β2)第2活性化工程において、先行する活性化工程で温度ピークに達した後に、1以上のアルキレンオキシドの第二の部分量(活性化および共重合に用いるアルキレンオキシドの量の全量を基準)を、先行する活性化工程から得られる混合物へ添加し、該アルキレンオキシドの部分量の添加は、必要に応じて、CO 2 存在下で行うことが可能であるが、CO 2 不存在下で行うことが好ましく、引き続く発熱化学反応により生じる温度ピーク(「ホットスポット」)および/または反応器中の圧力低下をいずれの場合にも待ち、
(γ)1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素を、工程(β)から得られた混合物へ添加する(「共重合」)
ことを特徴とする上記〔2〕に記載の方法。
〔14〕DMC触媒はヘキサニトロメタレート単位「M 2 (NO 2 ) 6 」 3− (M 2 は3価の遷移金属イオン)を含まない、上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の方法。
Claims (3)
- 少なくとも1つの複金属シアン化物触媒の存在下で1以上のアルキレンオキシドおよび二酸化炭素からポリエーテルカーボネートポリオールを製造する方法であって、複金属シアン化物触媒は錯体形成性配位子として不飽和アルコールを含む、方法。
- 少なくとも1つの複金属シアン化物触媒の存在下で1以上のアルキレンオキシド、二酸化炭素および1以上のH官能性スターター物質の反応による請求項1に記載の方法であって、複金属シアン化物触媒は錯体形成性配位子として不飽和アルコールを含む、方法。
- DMC触媒を調製する手順において、
(i)第1工程において、シアン化物不含の金属塩の水溶液を金属シアン化物塩の水溶液と1以上の有機錯体形成性配位子の存在下で反応し、1以上の不飽和アルコールがシアン化物不含の金属塩の水溶液中、金属シアン化物塩の水溶液中または両水溶液中のいずれかに含まれ、
(ii)第2工程において、固体を第1工程から得られた懸濁液から分離し、
(iii)第3工程において、分離された固体を、少なくとも1つの不飽和アルコールの存在下または不存在下で有機錯体形成性配位子の水溶液で洗浄し、
(iv)得られた固体を次いで乾燥し、
第1工程においてまたは複金属シアン化物化合物の沈殿(第2工程)の直後に、1以上の有機錯体形成性配位子を添加する、請求項1または2に記載の方法。
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