本出願は、本明細書において下記に記載される、式(I)で示されるBtk阻害剤化合物、その使用方法を提供する。
本出願は、式(I):
[式中、
----は、単結合又は二重結合のいずれかであり;
Aは、CONH
2が5員ヘテロアリールに結合している、5員ヘテロアリール又は5、6員二環式ヘテロアリール(各々場合により、1個以上のA’で置換されている)であり;
A’は、−NHR又はR
4であり;
Rは、H、−R
1、−R
1−R
2−R
3、−R
1−R
3、又は−R
2−R
3であり;
R
1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルと縮合しているヘテロアリールであり、これらの各々は、場合により、1個以上のR
1’又はR
1”で置換されており;
各R
1’は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、低級アルキルスルホンアミド、−S(O)
2、又はオキソであり;
各R
1”は、独立に、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、又はアミド(各々場合により、1個以上のR
1’’’で置換されている)であり;
各R
1’’’は、独立に、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はヘテロシクロアルキルであり;
R
2は、−C(=O)、−C(=O)O、−C(=O)NR
2’、−NHC(=O)O、−C(R
2’)
2、−O、−C(=NH)NR
2’、又は−S(=O)
2であり;
各R
2’は、独立に、H又は低級アルキルであり;
R
3は、H又はR
4であり;
R
4は、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、二環式シクロアルキル、二環式ヘテロシクロアルキル、スピロシクロアルキル、又はスピロヘテロシクロアルキルであり、これらの各々は、場合により、1個以上の低級アルキル、ハロ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、アシル、シアノ、オキソ、グアニジノ、ヒドロキシルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、ハロ低級アルコキシ、又はハロ低級アルキルで置換されており、ここで、2個の低級アルキル基は、一緒になって環を形成してもよく;
Qは、CH又はNであり;
Xは、CH、N、又はN(X’)であり;
X’は、低級アルキルであり;
Y
0は、H、ハロゲン又は低級アルキルであり;
Y
1は、Y
1a、Y
1b、Y
1c、又はY
1dであり;
Y
1aは、H又はハロゲンであり;
Y
1bは、低級アルキル(場合により、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、及び低級アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Y
1cは、低級シクロアルキル(場合により、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、及び低級アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Y
1dは、アミノ(場合により、1個以上の低級アルキル、アルコキシ低級アルキル、又はヒドロキシ低級アルキルで置換されている)であり;
Y
2は、H、ハロゲン又は低級アルキルであり;
Y
3は、H、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、又は低級ヒドロキシアルキルであり;そして
Y
4は、H、低級アルキル、又は低級ヒドロキシアルキルである]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合した式(I)の化合物を含む、医薬組成物を提供する。
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用される実体「a」又は「an」という語句は、1つ以上のその実体を指し、例えば、ある化合物は、1つ以上の化合物、又は少なくとも1つの化合物を指す。したがって、「a」(または「an」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」という用語を、本明細書では互換的に使用することができる。
「本明細書において上記定義のとおり」という語句は、発明の概要又は最も広範囲の請求の範囲に提供される、各基についての最も広範囲の定義を指す。以下に提供する全ての他の実施態様において、各実施態様において存在しうるものでありかつ明確には定義されていない置換基は、発明の概要に提供される最も広範囲の定義を保持する。
本明細書で使用されるように、移行句中であろうと、又は請求の範囲の主部中であろうと、「含む(comprise(s))」又は「含んでいる(comprising)」という用語は、無制限的意味を有すると解釈すべきである。すなわち、これらの用語は、「少なくとも有する」または「少なくとも含む」という語句と同義であると解釈すべきである。方法の文脈で使用する場合、「含んでいる(comprising)」という用語は、その方法が列挙された工程を少なくとも含むが、さらなる工程を含み得ることを意味する。化合物または組成物の文脈で使用する場合、「含んでいる(comprising)」という用語は、その化合物または組成物が列挙された特徴または成分を少なくとも含むが、更なる特徴または成分も含み得ることを意味する。
本明細書で使用されるように、他に特に示さない限り、「又は」という語は、「及び/又は」の「包括的な」意味で使用され、そして「いずれか/又は」の「排他的な」意味ではない。
「独立に」という用語は、ある変数が、同じ化合物内の同じか又は異なる定義を有する変数の存在又は非存在にかかわらず、いずれか1つの場合に適用されることを示すために本明細書では使用される。したがって、R”が2回出現し、かつ「独立に炭素又は窒素」として定義される化合物において、両方のR”が炭素であっても、両方のR”が窒素であっても、又は一方のR”が炭素であってそしてもう一方が窒素であることもできる。
任意の変数が、本発明において使用され又は特許請求される化合物を描写及び記述する任意の部分又は式中に1回より多く出現する場合、出現毎のその定義は、他の全ての出現でのその定義とは独立している。また、置換基及び/又は変数の組合せは、そのような化合物が安定な化合物となる場合に限り許される。
結合の末端の記号の「*」又は結合に沿って描かれる「------」は各々、それが一部分である分子の残りの部分への、官能基又は他の化学部分の結合点を指す。即ち、例えば、以下のとおりである:
環系の中へと描かれる結合(明らかな頂点で接続されるのとは対照的に)は、この結合が、任意の適切な環原子に結合してもよいことを示す。
「場合による」又は「場合により」という用語は、本明細書中に使用されるとき、引き続き記述される事象又は状況が、生じ得るが生じる必要がないこと、ならびに、その記述が、その事象または状況が生じる場合、及びそれが生じない場合を含むことを意味する。例えば、「場合により置換されている」とは、その場合により置換基されている部分には、水素原子又は置換基を組み込んでよいことを意味する。
「場合により結合」という語句は、結合が存在しても、しなくてもよく、その記載が一重、二重、又は三重結合を含むことを意味する。置換基が「結合」又は「不在」を意味する場合、置換基に結合している原子は直接接続している。
「約」という用語は、およそ、ほぼ、大体、又は前後を意味するのに本明細書では使用される。「約」という用語が、数値範囲と併せて使用されるとき、これは、記載された数値の上下に境界を延長することにより、その範囲に修正を加える。一般に、「約」という用語は、表示値の上下20%の変動で数値に修正を加えるために本明細書では使用される。
式(I)の特定の化合物は、互変異性を示す場合がある。互変異性化合物は、2つ以上の相互転換可能な種として存在することができる。プロトトロピック互変異性体は、2つの原子間の共有結合した水素原子の移動に由来する。互変異性体は、一般に平衡状態で存在し、個々の互変異性体を単離しようという試みは、通常、その化学的及び物理的性質が化合物の混合物と一致する混合物の生成に終わる。平衡の位置は、分子内の化学特性に依存する。例えば、アセトアルデヒドのような多くの脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト型が優位を占めるが、一方、フェノール類では、エノール型が優位を占める。普通のプロトトロピック互変異性体は、ケト/エノール(−C(=O)−CH− ⇔ −C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH− ⇔ −C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH− ⇔ −C(−NHR)=N−)互変異性体を含む。後者の2つは、ヘテロアリール及び複素環において特に一般的であり、そして本発明は、本化合物の全ての互変異性型を包含する。
本明細書で使用される技術及び科学用語は、他に定義しない限り、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味を有する。本明細書において、当業者に公知の種々の方法論及び材料が参照される。薬理学の一般原理を記載する標準的な参考文献の著作には、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が含まれる。当業者に公知の任意の好適な材料及び/又は方法を利用して、本発明を実施することができる。しかしながら、好ましい材料及び方法が記載される。後述の記載及び実施例において参照される材料、試薬などは、他に述べない限り、商業的供給源から入手可能である。
本明細書で記載される定義を追加して、化学的に関連する組み合わせ、例えば、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」などを形成してもよい。「アルキル」という用語が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように、別の用語に続く接尾語として使用される場合、これは、特に指定された他の基より選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記で定義されたアルキル基を指すことを意図する。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがってベンジル、フェニルエチル、及びビフェニルを含む。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピルなどを包含する。したがって、本明細書で使用されるように、「ヒドロキシアルキル」という用語は、下記で定義されるヘテロアルキル基のサブセットを定義するために使用される。−(ar)アルキルという用語は、非置換アルキル又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリール又は(het)アリールは、アリール基又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
本明細書で使用される「スピロシクロアルキル」という用語は、例えば、スピロ[3.3]ヘプタンのようなスピロ環シクロアルキル基を意味する。本明細書で使用されるスピロヘテロシクロアルキルという用語は、例えば、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタンのようなスピロ環ヘテロシクロアルキルを意味する。
本明細書で使用される「アシル」という用語は、式−C(=O)R[式中、Rは本明細書で定義される水素又は低級アルキルである]の基を示す。本明細書で使用される「アルキルカルボニル」という用語は、式C(=O)R[式中、Rは本明細書で定義されるアルキルである]の基を示す。C1−6アシルという用語は、6個の炭素原子を含有する、基−C(=O)Rを指す。本明細書で使用される「アリールカルボニル」という用語は、式C(=O)R[式中、Rはアリール基である]の基を意味し;本明細書で使用される「ベンゾイル」という用語は、Rがフェニルである、「アリールカルボニル」基を意味する。
本明細書で使用される「エステル」という用語は、式−C(=O)OR[式中、Rは、本明細書で定義される低級アルキルである]の基を示す。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を含有する非分岐鎖又は分岐鎖状の飽和一価炭化水素基を示す。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖状の炭化水素基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチルを含む低級アルキル基、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキル」という用語が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語に続く接尾語として使用される場合、これは、その他の特に指定された基より選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記で定義されたアルキル基を指すことを意図する。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、そのフェニルアルキル部分の結合点がアルキレン基上に存在するであろうという理解の下、R’R”−基(ここで、R’は、フェニル基であり、そしてR”は、本明細書で定義されるアルキレン基である)を示す。アリールアルキル基の例には、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、R’がアリール基であることを除けば、同様に解釈される。「(het)アリールアルキル」又は「(het)アラルキル」という用語は、R’が場合によりアリール基又はヘテロアリール基であることを除けば、同様に解釈される。
「ハロアルキル」又は「ハロ−低級アルキル」もしくは「低級ハロアルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子(ここで、1個以上の炭素原子は、1個以上のハロゲン原子で置換されている)を含有する、直鎖又は分岐鎖状の炭化水素基を指す。
本明細書で使用される「アルキレン」又は「アルキレニル」という用語は、他に示さない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖状炭化水素基(例えば、(CH2)n)又は2〜10個の炭素原子の分岐鎖状飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CH2CH(i−Pr)CH2−)を示す。メチレンの場合を除いて、アルキレン基の空原子価(open valences)は、同じ原子に結合していない。アルキレン基の例には、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基(ここで、アルキルは、上記で定義されたとおりである)、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(それらの異性体を包含する)を意味する。本明細書で使用される「低級アルコキシ」は、先に定義された「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルコキシ」は、−O−アルキル(ここで、アルキルは、C1−10である)を示す。
「PCy3」という用語は、3つの環状部分で三置換されているホスフィンを指す。
「ハロアルコキシ」又は「ハロ−低級アルコキシ」もしくは「低級ハロアルコキシ」という用語は、1個以上の炭素原子が1個以上のハロゲン原子で置換されている、低級アルコキシ基を指す。
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子がヒドロキシル基により置き換えられている、本明細書で定義されるアルキル基を示す。
本明細書で使用される「アルキルスルホニル」及び「アリールスルホニル」という用語は、式−S(=O)2R[式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、そしてアルキル及びアリールは、本明細書で定義されるとおりである]の基を指す。本明細書で使用される「ヘテロアルキルスルホニル」という用語は、式−S(=O)2R[式中、Rは本明細書で定義された「ヘテロアルキル」である]の基を示す。
本明細書で使用される「アルキルスルホニルアミノ」及び「アリールスルホニルアミノ」という用語は、式−NR’S(=O)2R[式中、Rは、それぞれアルキル又はアリールであり、そしてR’は、水素又はC1−3アルキルであり、そしてアルキル及びアリールは本明細書で定義されるとおりである]の基を指す。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜8個の炭素原子を含有する飽和炭素環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを指す。本明細書で使用される「C3−7シクロアルキル」又は「低級シクロアルキル」は、炭素環中の3〜7個の炭素からなるシクロアルキルを指す。
本明細書で使用される、カルボキシ−アルキルという用語は、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介するという理解の下、1個の水素原子がカルボキシルで置き換えられているアルキル部分を指す。用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」は、−CO2H部分を指す。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」という用語は、ヘテロアリール基の結合点が芳香族又は部分不飽和環上に存在するであろうという理解の下、1個以上のN、O、又はSヘテロ原子を包含し、残りの環原子が炭素である、環あたり4〜8個の原子を含有する少なくとも1個の芳香族又は部分不飽和環を有する、5〜12個の環原子の単環式又は二環式基を意味する。当業者に周知のとおり、ヘテロアリール環は、その全てが炭素である対応のものよりも芳香族性が小さい。したがって、本発明の目的のためには、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族特性さえあれば十分である。5〜6個の環原子及び1〜3個のヘテロ原子を有する単環式芳香族複素環を含むヘテロアリール部分の例には、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−[1,3]オキサゾリル、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール及びオキサジアキソリン(これらは、場合により、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ及びアリールカルボニルアミノより選択される1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で置換されていることができる)が挙げられるが、これらに限定されない。二環式部分の例には、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフチリジニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジニル、及びベンゾイソチアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。二環式部分は、場合により、いずれの環においても置換されていることができるが、しかし結合点は、ヘテロ原子を含有する環上に存在する。
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」又は「複素環」という用語は、1個以上の環ヘテロ原子(N、O又はS(O)0−2より選択される)を包含する環あたり3〜8個の原子の、スピロ環系を含む、1個以上の環、好ましくは1〜2個の環よりなる一価飽和環状基を示し、そしてこれは、他に示さない限り、場合により、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、及びそれらのイオン形態より選択される、1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で独立して置換されていることができる。複素環基の例には、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル及びイミダゾリニル及びそれらのイオン形態が挙げられるが、これらに限定されない。例はまた、例えば、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、又はオクタヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジンのような二環式であってもよい。
Btkの阻害剤
本出願は、式(I):
[式中、
----は、単結合又は二重結合のいずれかであり;
Aは、CONH
2が5員ヘテロアリールに結合している、5員ヘテロアリール又は5、6員二環式ヘテロアリール(各々場合により、1個以上のA’で置換されている)であり;
A’は、−NHR又はR
4であり;
Rは、H、−R
1、−R
1−R
2−R
3、−R
1−R
3、又は−R
2−R
3であり;
R
1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルと縮合しているヘテロアリールであり、これらの各々は、場合により、1個以上のR
1’又はR
1”で置換されており;
各R
1’は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、低級アルキルスルホンアミド、−S(O)
2、又はオキソであり;
各R
1”は、独立に、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、又はアミド(各々場合により、1個以上のR
1’’’で置換されている)であり;
各R
1’’’は、独立に、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はヘテロシクロアルキルであり;
R
2は、−C(=O)、−C(=O)O、−C(=O)NR
2’、−NHC(=O)O、−C(R
2’)
2、−O、−C(=NH)NR
2’、又は−S(=O)
2であり;
各R
2’は、独立に、H又は低級アルキルであり;
R
3は、H又はR
4であり;
R
4は、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、二環式シクロアルキル、二環式ヘテロシクロアルキル、スピロシクロアルキル、又はスピロヘテロシクロアルキルであり、これらの各々は、場合により、1個以上の低級アルキル、ハロ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、アミド、アシル、シアノ、オキソ、グアニジノ、ヒドロキシルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、ハロ低級アルコキシ、又はハロ低級アルキルであり、ここで、2個の低級アルキル基は、一緒になって環を形成してもよく;
Qは、CH又はNであり;
Xは、CH、N、又はN(X’)であり;
X’は、低級アルキルであり;
Y
0は、H、ハロゲン又は低級アルキルであり;
Y
1は、Y
1a、Y
1b、Y
1c、又はY
1dであり;
Y
1aは、H又はハロゲンであり;
Y
1bは、低級アルキル(場合により、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、及び低級アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Y
1cは、低級シクロアルキル(場合により、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、及び低級アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Y
1dは、アミノ(場合により、1個以上の低級アルキル、アルコキシ低級アルキル、又はヒドロキシ低級アルキルで置換されている)であり;
Y
2は、H、ハロゲン又は低級アルキルであり;
Y
3は、H、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、又は低級ヒドロキシアルキルであり;そして
Y
4は、H、低級アルキル、又は低級ヒドロキシアルキルである]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
本出願は、Xが、Nである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Qが、CHである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y1が、Y1aである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y1aが、Hである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y1が、低級アルキル又は低級シクロアルキルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y1が、tert−ブチル、イソ−プロピル、シクロプロピル、又はイソプロピルニトリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y1が、tert−ブチルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はシクロプロピルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y2が、Hである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はハロゲンである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y0が、Hであり、Y2が、Hであり、Y3が、F又はHであり、そしてY4が、ヒドロキシメチルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Qが、CHであり、Xが、Nであり、そして----が、二重結合である、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、フラニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、フェニル、インドリル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、又はオキサゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y1が、tert−ブチル又はシクロプロピルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、Fである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、そしてXが、Nである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、そしてY1が、tert−ブチル又はシクロプロピルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はシクロプロピルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y4が、低級ヒドロキシアルキルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y4が、ヒドロキシメチルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているフラニルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はシクロプロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているフラニルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているイミダゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はシクロプロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているイミダゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているチアゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているチアゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているピロリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているピロリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているピラゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているピラゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているフェニルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているフェニルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているインドリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているインドリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているピロロ[2,3−b]ピリジニルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているピロロ[2,3−b]ピリジニルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Aが、場合により、1個以上のA’で置換されているオキサゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、H又はFであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルであり、そしてAが、場合により、1個以上のA’で置換されているオキサゾリルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、ヒドロキシメチルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、Y3が、ヒドロキシメチルであり、Xが、Nであり、そしてY1が、tert−ブチル又はイソ−プロピルである、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、下記:
4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド;
2−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−チアゾール−4−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
2−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−4−メチル−オキサゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−チアゾール−4−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
5−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−フラン−2−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−フラン−2−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
4−[3−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
4−[2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−インドール−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−インドール−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
3−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−メチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−メチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
7−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−モルホリン−4−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−フルオロ−フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−クロロ−フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
6−ブロモ−1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,2−ジヒドロキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−ジメチルアミノメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド;
3−(4−アセチル−フェニルアミノ)−1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−ジメチルアミノメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;及び
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
からなる群より選択される、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、治療活性物質としての、式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病態を処置するための、式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、炎症性病態を処置するための、式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、関節リウマチ又は喘息を処置するための、式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病態の処置における使用のための、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、炎症性病態の処置における使用のための、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、関節リウマチ又は喘息の処置における使用のための、式(I)の化合物を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病態を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
本出願は、炎症性病態を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
本出願は、関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
本出願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合した式(I)の化合物を含む、医薬組成物を提供する。
本出願は、炎症性障害の処置用の医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、自己免疫性障害の処置用の医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性障害の処置用の医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、関節リウマチ又は喘息の処置用の医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本出願は、本明細書で記載した化合物、方法、又は組成物を提供する。
化合物及び調製
本発明に包含され、本発明の範囲内にある、代表的な化合物の例は、以下の表に示される。後述のこれら実施例及び調製法は、当業者が、本発明をより明確に理解し、かつ実施することができるように提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、単にそれを例示かつ代表するものと考えるべきである。
一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名の生成のためのバイルシュタイン研究所(Beilstein Institute)のコンピュータシステムである、AUTONOM(商標)v.4.0に基づく。描写される構造とその構造に与えられた名称の間に矛盾があれば、描写される構造をより重視されたい。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は点線により示されない場合、この構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈されたい。
表Iは、一般式(I)によるピリダジノン化合物の例を描写している。
スキーム1に記載のように、ブロモ−置換5員複素環式芳香族カルボキサミド(1)は、対応するエステル又はカルボン酸から、アンモニアとのアミド形成により調製することができる。構造(1)において、Xは、NH、NR、O又はSであることができ、ここで、Rは、メチル基のような低級アルキルであることができる。構造(1)において、Yは、CHもしくはメチル基のような低級アルキルで置換されている炭素、又は窒素原子であることができる。構造(2)において、Zは、窒素又はCHであることができ、そしてRは、一置換又は二置換であることができる。置換は、フルオロ、クロロ、アルキル、置換アルキル、又は環状アルキル基であることができる。(2)の調製は、文献(US2010/0222325)に記載されている。パラジウム触媒化カップリング条件(US2010/0222325)下、化合物(1)と(2)とのカップリングにより化合物(3)を与えることができ、これを加水分解して、所望の化合物(4)とすることができる。
代替的に、5員カルボキサミド(4)を、スキーム(2)に従って調製することができる。ブロモ−置換5員複素環式芳香族カルボキサミド(1)は、対応するエステル又はカルボン酸からアンモニアとのアミド形成により調製することができる。構造(1)において、Xは、NH、NR、O又はSであることができ、ここで、Rは、メチル基のような低級アルキルであることができる。構造(1)において、Yは、CHもしくはメチル基のような低級アルキルで置換されている炭素、又は窒素原子であることができる。ブロモ−置換5員複素環式芳香族カルボキサミド(1)は、パラジウム触媒化アリールボラート形成条件(US2010/0222325)下、ビス−ピナコラートボランとの反応により、対応するピナコラートボラート(5)に変換することができる。構造(6)において、Zは、窒素又はCHであることができ、そしてRは、一置換又は二置換であることができる。置換は、フルオロ、クロロ、アルキル、置換アルキル、又は環状アルキル基であることができる。化合物(6)の調製は、スキーム9に記載されている。アリールブロミド(6)を、パラジウム触媒化カップリング条件(US2010/0222325)下、5員芳香族複素環ホウ酸(5)とカップリングして、所望の化合物(4)を提供することができる。
スキーム3に示すように、5員複素環式カルボキサミドを芳香族環に縮合させて、二環式芳香族複素環カルボキサミドを与えることができる。インドール又はアザ−インドール誘導体(7)を、文献(Tetrahedron Letters 2009, 50, 15-18)と同様の条件に従ってパラジウム触媒化カップリング条件下、アリールボロン酸(8)とカップリングして、アリール−置換インドール又はアザ−インドール(9)を提供することができる。アリールボロン酸(8)の調製は、スキーム9に記載されている。構造(7)において、Xは、CH又は窒素であることができ、そしてYは、アルキル、ヘテロ原子で置換されているアルキル、又は複素環であることができる。構造(8)において、Rは、一置換又は二置換であることができる。置換は、フルオロ、クロロ、アルキル、置換アルキル、又は環状アルキル基であることができる。構造(8)において、Zは、窒素又はCHであることができる。化合物(9)のシアノ基の加水分解は、中性条件下、白金触媒の存在(Journal of Organic Chemistry 2004, 69, 2327-2331)下で達成して、対応するカルボキサミド(10)を提供することができる。
代替的に、カルボキサミド(10)は、スキーム4に従って調製することができる。構造(7)において、Xは、CH又は窒素であることができ、そしてYは、アルキル,ヘテロ原子で置換されているアルキル、又は複素環であることができる。塩基性条件(例えば、カリウムtert−ブトキシド)下、化合物(7)をフッ化アリール(11)と求核性芳香族置換反応により反応させて、化合物(12)を与えることができ、ここで、化合物(11)のハロゲンは、ブロモ又はヨード原子であることができる。ヨウ化第一銅の存在(US2010/0222325)下、(13)での化合物(12)の処理により、化合物(14)を与えることができる。化合物(13)の調製は、文献(US2010/0222325)に記載されており、ここで、Rは、一置換又は二置換であることができる。置換は、フルオロ、クロロ、アルキル、置換アルキル、又は環状アルキル基であることができる。構造(13)において、Zは、窒素又はCHであることができる。化合物(14)のアルデヒド基は、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)の使用により、還元してアルコールとすることができる。化合物(14)のシアノ基の加水分解は、中性条件下、白金触媒の存在(Journal of Organic Chemistry 2004, 69, 2327-2331)下で達成して、対応するカルボキサミド(10)を提供することができる。
5員芳香族複素環カルボキサミドがアミノピラゾールカルボキサミドである化合物に関して、その調製はスキーム5に記載されている。市販のアミノピラゾールニトリル(15)を、酢酸銅の存在下、カリウムトリフルオロボラート塩(16)と反応させて、化合物(17)を提供することができる。(17)への(15)の変換の間のN−アリール化の混合位置異性体に関して、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)条件下、所望の化合物(17)を分離することができる。構造(16)において、R1は、水素、アルキル基、及びアセトキシ基であることができる。構造(16)において、Rは、一置換又は二置換であることができる。置換は、フルオロ、クロロ、アルキル、置換アルキル、又は環状アルキル基であることができ、そしてZは、窒素又は炭素であることができる。化合物(16)の調製は、スキーム10に記載されている。パラジウム触媒条件下、アリールハライド(例えば、アリールブロミド)での化合物(17)のN−アリール化反応により、化合物(18)(ここで、X及びYは、CHであることができ、又はX及びYの一方は、窒素であることができる)を提供することができる。アリールハライドのR2基は、ジアルキルアミノカルボニル、アミノアルキル、複素環式アルキル、メチルスルホニル、モノ−又はジ−ヒドロキシ置換アルキル基であることができる。(18)への(17)の変換におけるアリールハライド反応物は、6員芳香族ハライドに限定されず、それは、5員芳香族ハライド又は複素環と縮合した5員芳香族ハライドであることができる。(18)のシアノ基の加水分解により、所望のカルボキサミド(19)を与えることができる。
アミノピラゾール部分を含有する5員芳香族カルボキサミドを調製する代替経路は、スキーム6に記載されている。塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、トリメチルシリルエトキシメチレンクロリド(SEM−Cl)での化合物(15)のNH基の保護により、2つの位置異性体を与えることができる。2つの位置異性体を分離して、(20)を与えることができる。パラジウム触媒の存在下、アリールハライドでの(20)のN−アリール化により、化合物(21)(ここで、X及びYは、CHであることができるか、又はX及びYの一方は、窒素であることができる)を与えることができる。アリールハライドのR基は、ジアルキルアミノカルボニル、アミノアルキル、複素環式アルキル、メチルスルホニル、モノ−又はジ−ヒドロキシ置換アルキル基であることができる。(21)への(20)の変換におけるアリールハライド反応物は、6員芳香族ハライドに限定されず、それは、5員芳香族ハライド又は複素環と縮合した5員芳香族ハライドであることができる。(21)のSEM基の脱保護は、酸性条件(例えば、希塩酸)下、又は塩基性条件(例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム)下で達成して、化合物(22)を与えることができる。塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド)の存在下、2−フルオロ−6−ヨードベンズアルデヒドでの化合物(22)の処理により、化合物(23)を提供することができる。Cu(I)触媒条件(例えば、ヨウ化第一銅)下、化合物(23)を化合物(13)によりN−アリール化して、化合物(24)(ここで、化合物(24)のZ及びR1は、化合物(13)のZ及びRと同じものとして定義される)を与えることができる。化合物(24)のアルデヒドの還元、続くニトリル加水分解により、所望のカルボキサミド(25)を与えることができる。
アミノピラゾール部分を含有する5員芳香族カルボキサミドを調製する代替経路は、スキーム7に記載されている。市販の化合物(15)を、文献の手順(WO2005/005414)に従って、対応するヨウ化物(26)に変換することができる。文献の手順(WO2005/005414)に従って、SEM−Clでの(26)のNH基の保護により、化合物(27)を与えることができる。パラジウム触媒(例えば、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0))の存在下、化合物(27)をアリールアミンと反応させて、N−アリール化生成物(28)を与えることができ、ここで、アリール基は、芳香族複素環部分であることができ、そしてアリール基は、ジアルキルアミノカルボニル、アミノアルキル、複素環式アルキル、メチルスルホニル、モノ−又はジ−ヒドロキシ置換アルキル基で置換されていることができる。(28)のSEM基の脱保護は、酸性条件(例えば、希塩酸)下、又は塩基性条件(例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム)下で達成して、化合物(29)を与えることができる。Cu(II)触媒(例えば、酢酸銅)の存在下、トリフルオロホウ酸カリウム塩(16)での化合物(29)の処理により、化合物(30)を提供することができ、ここで、化合物(16)のR基及びR1基は、スキーム5に記載のように定義されている。化合物(30)のシアノ基の加水分解により、所望のカルボキサミド(31)を与えることができる。
スキーム7で、(30)への(29)の変換において、N−アリール化生成物の所望の位置異性体を混合位置異性体の精製により得ることができる。
代替的に、スキーム8に従って、所望のアミノピラゾール誘導体を調製することができる。ヨウ化第一銅の存在下、化合物(32)は、R1−置換2,6−ジブロモベンゼンを化合物(13)で処理することにより得ることができる。パラジウム触媒条件下、化合物(32)での市販ヒドラゾン(33)のN−アリール化、続く、酸性条件下での加水分解により、所望のヒドラジン(34)を与えることができる。市販の化合物(35)での化合物(34)の処理を、同様の文献の手順(Journal of Organic Chemistry 2005, 70, 9222)を使用することにより達成して、所望のアミノピラゾール(36)を与えることができる。スキーム5で化合物(18)の調製において記載されているように、化合物(36)は、アリールハライドでN−アリール化することができる。化合物(30)のニトリル加水分解により、所望のカルボキサミド(31)を与えることができる。
必要なホウ酸アリール(2)、アリールボロン酸(8)及び中間体(6)の調製は、スキーム9に記載されている。ヨウ化第一銅の存在下、化合物(37)を化合物(13)で置換して、N−アリール化生成物(38)を与えることができる。穏やかな塩基性条件下、(38)の加水分解により、所望のヒドロキシル誘導体(6)を与えることができる。(2)への(38)の変換は、パラジウム触媒条件下、ビス(ピナコラト)ボランを使用することにより達成することができる。ホウ酸(2)の加水分解により、ボロン酸(8)を導くことができる。
最後に、必要なトリフルオロホウ酸カリウム塩(16)の調製は、スキーム10に記載されている。ヨウ化第一銅の存在下、アリールブロミド(39)での化合物(13)のN−アリール化により、化合物(40)(ここで、Rは、一置換又は二置換であることができる)を与えることができる。(41)への(40)の変換は、パラジウム触媒の存在下、ビス(ピナコラト)ボランを使用することにより達成することができる。文献の手順(Tetrahedron Letters 2005, 46, 7899)に従って、ホウ酸ピナコリルエステル(41)を、トリフルオロホウ酸(16)の対応する塩に変換することができる。
医薬組成物及び投与
本発明の化合物は、多種多様な経口投与剤形及び担体で処方しうる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、液剤、乳剤、シロップ剤、又は懸濁剤の形態で行うことができる。本発明の化合物は、他の投与経路の中でも、持続的(静脈内点滴)局所非経口的、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(透過促進剤を含みうる)、舌下、経鼻、吸入及び坐薬投与を含む他の投与経路により投与されたときに、有効である。好ましい投与様式は、一般に、苦痛の度合い及び活性成分に対する患者の反応に応じて調節することができる、好都合な一日投与レジメンを使用する経口投与である。
本発明の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用しうる塩は、1種以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と共に、医薬組成物の形態及び単位投薬形態にしてもよい。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物又は成分を伴うか又は伴わない、従来の割合の従来の成分を含むものであってよく、そして単位投薬形態は、利用すべき所期の1日用量範囲に見合う、任意の好適な有効量の活性成分を含んでもよい。医薬組成物は、経口使用のために、錠剤又は充填カプセル剤などの固体として、半固体として、粉末として、徐放製剤として、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、又は充填カプセル剤などの液体として;あるいは直腸内又は膣内投与用の坐剤の剤形で;あるいは非経口使用のために無菌注射剤の剤形で利用してもよい。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含む。「製剤」又は「投与剤形」という用語は、活性化合物の固体及び液体製剤の両方を含むことが意図されており、当業者は、活性成分が、標的臓器又は組織、及び所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて、異なる製剤として存在することができることを理解するであろう。
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にも、それ以外でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用である化合物を指し、獣医学的使用ならびにヒトに対する薬学的使用を許容しうる賦形剤を含む。本発明の化合物は単独で投与することができるが、一般的には、意図した投与経路及び標準的な製薬法に関して選択された1種以上の好適な医薬賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与される。
「薬学的に許容しうる」とは、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にも、それ以外でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用であるものを意味し、そして獣医学用ならびにヒトに対する薬学的使用を許容しうるものを含む。
活性成分の「薬学的に許容しうる塩」の形態はまた、まず非塩形態においては存在しなかった望ましい薬物動態学的特性を活性成分に付与し、そして身体におけるその治療活性の点で活性成分の薬力学に良い影響を与えることさえある。化合物の「薬学的に許容しうる塩」という語句は、薬学的に許容することができ、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩には:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成される酸付加塩;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンにより置換されているか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合するかのいずれかの場合に形成される塩が挙げられる。
固体形態の製剤には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩解剤又はカプセル化材料としても作用しうる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。錠剤では、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有する担体と好適な割合で混合され、所望の形状及び大きさに成形される。好適な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオバターなどが含まれるが、これらに限定されない。固体形態の製剤は、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
液体製剤もまた経口投与に適しており、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体製剤が含まれる。これらには、使用の直前に液体形態の製剤に変換されることが意図される固体形態の製剤が含まれる。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液で調製してもよく、あるいはレシチン、ソルビタンモノオレアート又はアカシアなどの乳化剤を含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、好適な着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と共に水に分散することにより調製することができる。
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注入又は持続注入による)のために処方してもよく、アンプル、充填済注射器(pre-filled syringes)、小量注入容器に単位用量形態で、又は防腐剤を添加した複数回投与用容器中に存在してもよい。組成物は、油性又は水性溶剤中の懸濁剤、液剤又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとってもよい。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又は溶剤の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)が含まれ、そして防腐剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有してもよい。代替的には、活性成分は、好適な溶剤、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて使用前に構成されるための、滅菌固体の無菌分離によるか又は溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
本発明の化合物は、軟膏、クリーム剤、又はローション剤として、又は経皮貼布として表皮に局所投与するために処方してもよい。軟膏及びクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加した水性又は油性基剤と共に処方してもよい。ローション剤は水性又は油性基剤と共に処方してもよく、一般に、1つ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含む。口腔内の局所投与に好適な製剤には、風味付けした基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性化剤を含むロゼンジ剤;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
本発明の化合物は坐剤としての投与のために処方してもよい。脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物のような低融点ロウを最初に溶融し、活性化合物を、例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注いで、放冷及び固化させる。
本発明の化合物は膣内投与用に処方してもよい。活性成分に加えてそのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーが適切であることが、当技術分野で公知である。
本発明の化合物は、経鼻投与用に処方してもよい。液剤又は懸濁剤は、例えば点滴器、ピペット又はスプレーのような従来の手段により直接鼻腔に塗布する。製剤は単回又は複数回投与形態で提供しうる。点滴器又はピペットの後者の場合、これは、適切な所定量の液剤又は懸濁剤を患者が投与することで達成しうる。スプレーの場合、これは、例えば計量噴霧スプレーポンプにより達成しうる。
本発明の化合物は、特に、鼻内投与を含む、気道へのエアゾール投与用に処方してもよい。化合物は、一般に、例えば5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有する。このような粒径は、例えば微粉化など、当技術分野で公知の手段により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素、あるいは他の好適なガスのような好適な噴霧剤を用いた加圧パック内で提供される。エアゾールはまた、好都合には、レシチンなどの界面活性剤を含有しうる。薬物の用量は、計量弁により調節されうる。代替的には、活性成分は、乾燥粉末、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)のような好適な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、又はブリスターパックの単位用量形態で存在してもよく、これから粉末剤が吸入器により投与されうる。
所望であれば、製剤は、活性成分の徐放又は制御放出投与に適合するように、腸溶コーティングを用いて調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達装置内に処方することができる。これらの送達系は、化合物の徐放が必要であり、患者の治療レジメンに対するコンプライアンスが重要である場合に有益である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着固体支持体に付着させる。目的の化合物はまた、浸透向上剤、例えばAzone(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。徐放出送達系は、手術又は注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム、又は生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に化合物を封入する。
医薬担体、希釈剤及び賦形剤を伴った適切な製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練した製剤科学者は、本発明の組成物を不安定にしたり、あるいはその治療活性を損なうことなく、特定の投与経路のための多数の製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を変更しうる。
本発明の化合物を水又は他の溶剤中でより可溶性にするためのその変更は、例えば、わずかな変更(塩形成、エステル化等)により容易に達成することができ、それは十分に、当技術分野における通常の技術の範囲内である。また、患者における最大限の有益な効果のために本発明の化合物の薬物動態を管理する目的で、特定の化合物の投与経路及び投薬レジメンを変更することもまた、十分に、当技術分野における通常の技術の範囲内である。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、個体における疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。用量は、それぞれの特定の症例における個別の要件に適合される。用量は、治療される疾患の重篤度、患者の年齢及び身体全体の健康状態、患者が治療を受けている他の医薬、投与経路及び形態、ならびに関与する医師の好み及び経験のような多数の要因に応じて広い範囲で変化させることができる。経口投与では、1日あたり約0.01〜約1000mg/kg体重の1日投与量が、単独療法及び/又は併用療法で適切である。好ましい1日投与量は、1日あたり、約0.1〜約500mg/kg体重、より好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgの人に対する投与では、投与量範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投与量は、単回投与として又は分割投与で、典型的には1日あたり1〜5回投与で投与することができる。一般に、処置は、化合物の最適用量未満の少量の投与量で始められる。その後、投与量は、個別の患者に最適な効果が達成されるまで少量ずつ増加される。本明細書に記載されている疾患を処置する通常の技術を有する当業者は、過度の実験を行うことなく、個人的な知識、経験及び本出願の開示に拠り、所与の疾患及び患者のために、治療有効量の本発明の化合物を確認することが可能となるであろう。
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では、製剤は、適量の活性成分を含有する単位用量に細分化される。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤などの製剤の別個の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジ剤自体であることができるか、あるいはそれはこれら任意のものの適切な数のパッケージ形態であることができる。
適応症及び処置方法
一般式(I)の化合物は、ブルトンチロシンキナーゼ(Btk)を阻害する。上流のキナーゼによるBtkの活性化により、ホスホリパーゼ−Cγの活性化がもたらされ、それが次に炎症性媒介物質の放出を刺激する。1−オキソ−1H−フタラジン−2−イルの側鎖を含む、一般式(I)の化合物は、他の側鎖を有する類似体と比較して、予想外に増強した阻害活性を示す。とりわけ、不飽和側鎖上のフッ素置換により、ヒトの全血中の効能において予想外のおよそ5〜10倍の増加が生じる。フェニル環上のヒドロキシメチル置換はさらに、その位置に別の置換を有する類似体と比較して、予想外に増加した効能を提供する。式(I)の化合物は、関節炎ならびに他の抗炎症性及び自己免疫性疾患の処置に有用である。したがって、式(I)による化合物は、関節炎の処置に有用である。式(I)の化合物は、細胞中のBtkを阻害すること及びB細胞成長を調節することに有用である。本発明はさらに、薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は希釈剤と混合した式(I)の化合物を含有する、医薬組成物を含む。
本明細書に記載の第一級カルボキサミド誘導体は、キナーゼ阻害剤、特に、Btk阻害剤である。これらの阻害剤は、哺乳動物において、Btk阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に対して応答性のある疾患を含む、キナーゼ阻害に対して応答性のある1つ以上の疾患を処置するのに有用であることができる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、本発明の化合物のBtkとの相互作用により、Btk活性の阻害、ひいてはこれらの化合物の薬学的有用性がもたらされると考えられる。したがって、本発明は、Btk活性の阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に対して応答性のある疾患を有する哺乳動物、例えば、ヒトの処置方法であって、かかる疾患を有する哺乳動物に、本明細書で提供される有効量の少なくとも1つの化学物質(chemical entity)を投与することを含む方法を包含する。有効濃度は、例えば、化合物の血液濃度をアッセイすることにより実験的に、あるいは生物学的利用能を計算することにより理論的に確定しえる。Btkに加えて、影響を受け得る他のキナーゼには、他のチロシンキナーゼ及びセリン/トレオニンキナーゼが含まれるが、これらに限定されない。
キナーゼは、増殖、分化、及び死(アポトーシス)のような基本的な細胞過程を制御するシグナル伝達経路において注目に値する役割を果たす。異常なキナーゼ活性は、多発性癌、自己免疫性及び/又は炎症性疾患、ならびに急性炎症反応を含む広範な疾患に関与している。主要な細胞シグナル伝達経路におけるキナーゼの多面的な役割は、キナーゼ及びシグナル経路を標的とする新規な薬物を同定するための重要な機会を提供する。
実施態様は、自己免疫性及び/又は炎症性疾患、あるいはBtk活性及び/又はB細胞増殖の阻害に対して応答性のある急性炎症性反応を有する患者の処置方法を包含する。
本発明による化合物及び組成物を使用して影響を与えることができる自己免疫性及び/又は炎症性疾患には、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン(Sjogren)病、組織移植片拒絶、及び移植器官の超急性拒絶、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連及び他の血管炎)、自己免疫性溶血及び血小板減少状態、グッドパスチャー(Goodpasture)症候群(ならびに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血症性ショック、ならびに重症筋無力症が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に含まれるものは、本明細書で提供される少なくとも1つの化学物質を、抗炎症性薬剤と組み合わせて投与する処置方法である。抗炎症性薬剤には、NSAID、非特異的及びCOX−2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素阻害剤、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体アンタゴニスト、免疫抑制剤及びメトトレキサートが含まれるが、これらに限定されない。
NSAIDの例には、イブプロフェン、フルビプロフェン、ナプロキセン及びナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールの組み合わせ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウム、及びヒドロキシクロロキンが含まれるが、これらに限定されない。NSAIDの例には、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ及び/又はエトリコキシブのようなCOX−2特異的阻害剤も含まれる。
いくつかの実施態様において、抗炎症性薬剤は、サリチル酸塩である。サリチル酸塩には、アセチルサリチル酸又はアスピリン、サリチル酸ナトリウム、ならびにサリチル酸コリン及びサリチル酸マグネシウムが含まれるが、これらに限定されない。
抗炎症性薬剤はまた、コルチコステロイドであり得る。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、又はプレドニゾンであり得る。
更なる実施態様において、抗炎症性薬剤は、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィンのような金化合物である。
本発明はまた、抗炎症性薬剤が、代謝阻害剤、例えば、メトトレキサートのようなジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、又はレフルノミドのようなジヒドロオロト酸脱水素酵素阻害剤である実施態様を包含する。
本発明の他の実施態様は、少なくとも1つの抗炎症性化合物が、抗C5モノクローナル抗体(例えば、エクリズマブ又はパキセリズマブ)、TNFアンタゴニスト、例えば、抗TNFαモノクローナル抗体である、エタネルセプト、又はインフリキシマブである組み合わせに関する。
本発明のさらに他の実施態様は、少なくとも1つの活性薬剤が、免疫抑制化合物、例えば、メトトレキサート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、及びミコフェノール酸モフェチルより選択される免疫抑制化合物である組み合わせに関する。
BTKを発現するB細胞及びB細胞前駆体は、B細胞リンパ腫、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含む)、毛様細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性及び急性骨髄性白血病ならびに慢性及び急性リンパ性白血病を含むが、これらに限定されないB細胞悪性腫瘍の病理に関与している。
BTKは、B系列リンパ系細胞におけるFas/APO−1(CD−95)死誘導シグナル伝達複合体(DISC)の阻害剤であることが示されている。白血病/リンパ腫細胞の運命は、DISCにより活性化されるカスパーゼの相反するアポトーシス促進性効果とBTK及び/又はその基質を伴う上流の抗アポトーシス調節機構との間の均衡に存在しうる(Vassilev et al., J. Biol. Chem. 1998, 274, 1646-1656)。
Btk阻害剤が化学増感剤として有用であり、そしてそれゆえ他の化学療法薬、特にアポトーシスを誘導する薬物と組み合わせる際に有用であることも発見されている。化学増感Btk阻害剤と組み合わせて使用することができる他の化学療法薬の例には、トポイソメラーゼI阻害剤(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン及びBCNU)、チューブリン指向剤(例えば、タキソール及びビンブラスチン)、及び生物学的薬剤(例えば、抗CD20抗体のような抗体、IDEC8、免疫毒素、及びサイトカイン)が挙げられる。
Btk活性は、第9及び第22染色体の部分の転座によりもたらされるbcr−abl融合遺伝子を発現するいくつかの白血病にも関連している。この異常は、一般に、慢性骨髄性白血病に認められる。Btkは、bcr−ablキナーゼにより恒常的にリン酸化され、これが下流の生存シグナルを開始し、これがbcr−abl細胞におけるアポトーシスを回避する(N. Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005201(11):1837-1852)。
処置の方法
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、炎症性病態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、炎症性及び/又は自己免疫性病態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)のBtk阻害剤化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、炎症性病態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)のBtk阻害剤化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)のBtk阻害剤化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、B細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)のBtk阻害剤化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、BtK活性を阻害するための方法であって、Btk阻害剤化合物がBtk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて50マイクロモル以下のIC50を示す、式(I)のいずれか一つのBtk阻害剤化合物を投与することを含む、方法を提供する。
上記方法の一つの変法において、Btk阻害剤化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて100ナノモル以下のIC50を示す。
上記方法の別の変法において、該化合物は、Btk活性のインビトロ生化学アッセイにおいて10ナノモル以下のIC50を示す。
本出願は、炎症性病態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の抗炎症性化合物を、式(I)のBtk阻害剤化合物と組み合わせて共投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の抗炎症性化合物を、式(I)のBtk阻害剤化合物と組み合わせて共投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、リンパ腫又はBCR−ABL1+白血病細胞を処置するための方法であって、それを必要としている患者に治療有効量の式(I)のBtk阻害剤化合物を投与することによる、方法を提供する。
略語
一般的に使用される略語には、以下が挙げられる:アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、気圧(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカルボナート又はboc無水物(BOC2O)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、CAS登録番号/Chemical Abstracts Registration Number(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)、ジ−イソ−プロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)、ジ−イソ−ブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL又はDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(Et2O)、エチルイソプロピルエーテル(EtOiPr)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソ−プロパノール(IPA)、イソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO2−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、n−ブチルリチウム(nBuLi)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、ジクロロ−((ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(Q−Phos)、室温(周囲温度、rt又はRT)、sec−ブチルリチウム(sBuLi)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMe2Si(TBDMS)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、トリエチルアミン(TEA又はEt3N)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、トリフラート又はCF3SO2−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMe3Si(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−C6H4SO2−又はトシル(Ts)、及びN−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)。接頭辞ノルマル(n)、イソ−(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)及びネオを包含する従来の命名法は、アルキル部分と共に使用される場合、その慣用の意味を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979Pergamon Press, Oxford.)。
一般条件
本発明の化合物は、当業者に公知の一般合成技術及び手順を利用することにより市販の出発物質を用い開始して調製することができる。以下の概説は、かかる化合物を調製するために好適な反応スキームである。さらなる例示は、特定の実施例に見出すことができる。
調製例
4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド(中間体−1)
DCM 16mL中1−メチル−1H−イミダゾール(2g、24.4mmol)の溶液に、トリクロロアセチルクロリド4.4gを滴下し、得られた混合物を25℃で6時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン3.4mLを撹拌しながら滴下した。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/DCM=4/1)により精製して、2,2,2−トリクロロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン(3.1g、収率56%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.35 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.06 (s, 3H)。
無水THF 26mL中の2,2,2−トリクロロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン(1.5g、6.6mmol)の溶液に、NBS 2.35gを−10℃で加えた。得られた混合物を−10℃で2時間、次に25℃で16時間撹拌した。溶液を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラム(溶離剤としてDCM)により精製して、1−(−4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリクロロエタノン(1.18g、収率58%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.15 (s, 1H), 4.05 (s, 3H)。
メタノール10mL中の1−(−4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリクロロエタノン1.18gの溶液に、ナトリウムメトキシド42mgを加え、得られた混合物を25℃で20分間撹拌した。TLCは、反応の完了を示した。溶液を蒸発させ、DCM 30mLに再溶解し、水(15mL×2)及びブライン(15mL)で洗浄した。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。残留物をシリカゲルカラム(DCM/MeOH=60/1)により精製して、4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチルエステル(0.575g、収率68%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.02 (s, 1H), 4.00 (s, 3H). 3.93 (s, 3H). LC-MS C6H7BrN2O2 (m/e)の計算値217.97、実測値219及び221 [M+1]+
MeOH中のアンモニアの飽和溶液に、4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチルエステル165mgを加え、得られた混合物を20℃で16時間撹拌した。溶液を蒸発させて、4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド(154mg、収率100%)を得た。LC-MS C5H6BrN3O (m/e)の計算値202.97、実測値204 及び206 [M+1]+。
2−ブロモチアゾール−4−カルボン酸アミド(中間体−2)
2−ブロモチアゾール−4−カルボン酸メチルエステル(50mg)を、メタノール中の飽和アンモニアの溶液(4mL)に溶解した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、2−ブロモチアゾール−4−カルボン酸アミド(46mg、収率100%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.11 (s, 1H)。LC-MS C
4H
3BrN
2OS (m/e)の計算値205.91、実測値207及び209 [M+1]
+。
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(中間体−3)
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(122mg、0.60mmol)、HATU(274mg、0.72mmol)及びDIEA(194mg、1.50mmol)を、DMF(5mL)に溶解した。一晩、アンモニアガスを絶え間なく泡立て入れながら反応混合物を室温で撹拌した。反応混合物をDCM 100mLで希釈し、次に水(50mL)で洗浄した。水層をDCM(20mL×2)で抽出した。すべての有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 6/1)により精製して、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(56mg、収率46%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 6.74 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H). LC-MS C
6H
7BrN
2O (m/e)の計算値201.97、実測値203及び205 [M+1]
+。
酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体−4)
四塩化炭素(300mL)中の2,6−ジブロモトルエン(55.5g、222.1mmol)及びNBS(43.5g、244.3mmol)の溶液に、過酸化ベンゾイル(5.37g、22.2mmol)を加えた。反応混合物を20時間還流し、室温に冷まし、水(300mL×3)及びブライン(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濾過し、蒸発させて、1,3−ジブロモ−2−ブロモメチルベンゼンを黄色の粉末(71g)として得た。この物質を更に精製しないで次の工程で使用した。
DMF(300mL)中の1,3−ジブロモ−2−ブロモメチルベンゼン(71.3g)の溶液に、酢酸ナトリウム(91.7g)を加え、得られた混合物を105℃で6時間撹拌した。混合物を冷まし、水(1500mL)でクエンチし、酢酸エチル(1000mL´2)で抽出した。合わせた有機層を水(1000mL)及びブライン(1000mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。残留物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュ、石油エーテル/酢酸エチル 30/1で溶離)により精製して、酢酸 2,6−ジブロモベンジルエステルを黄色の油状物(59.42g、収率89%)として得た。1H NMR (300 MHz, d6-DMSO) δ 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.07 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 2.11 (s, 3H)。
N2下、酢酸 2,6−ジブロモベンジルエステル(34.88g、113mmol)、6−tert−ブチル−2H−フタラジン−1−オン(4.56g、22.5mmol)、Cs2CO3(14.72g、45mmol)、CuI(6.44g、33.8mmol)及びN,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(2g、22.7mmol)を、DMF(92mL)に溶解した。反応混合物を150℃で4時間撹拌し、次に室温に冷まし、酢酸エチル(500mL)で希釈し、水500mLで洗浄した。水層を分離し、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(300mL×2)及びブライン(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 4/1)により精製して、酢酸 2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−ベンジルエステル(6.2g、収率64%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.39 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.72 (s, 2H), 7.41 - 7.35 (m, 2H), 5.17 (s, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.44 (s, 9H)。LC-MS C21H21BrN2O3 (m/e)の計算値428.07、実測値429 及び431 [M + 1]+。
N2下、DMSO 16.7mL中の酢酸 2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−ベンジルエステル(1.43g、10.7mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.03g、4.05mmol)、KOAc(0.99g、10.1mmol)及びPd(dppf)Cl2(0.3g、0.36mmol)を、80℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水100mLで洗浄した。水層を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL×2)及びブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 2/1)により精製して、酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステルを、緑色を帯びた固体(1.45g、収率91%)として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.39 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.96 (dd, J = 6.4, 2.5 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 7.52-7.45 (m, 2H), 5.30 (s, 2H), 1.86 (s, 3H), 1.43 (s, 9H), 1.33 (s, 12H)。LC-MS C27H33BN2O5(m/e)の計算値476.25、実測値477 [M + 1]+。
酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体−5)
N
2下、酢酸 2,6−ジブロモベンジルエステル(24.74g、80.3mmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン(3.54g、16.1mmol)、Cs
2CO
3(10.46g、32.1mmol)、CuI(4.61g、24.2mmol)及びN,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(1.42g、16.1mmol)を、DMF(70mL)に溶解した。反応混合物を150℃で4時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(200mL)で希釈し、次に水200mLを加えた。混合物を分離し、水層を酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、水(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄した。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 4/1)により精製して、2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−ベンジルエステル(3.21g、45%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.17 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.71 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.34 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 1.94 (s, 3H), 1.42 (s, 9H)。LC-MS C
21H
20BrFN
2O
3(m/e)の計算値446.06、実測値447及び449 [M+1]
+。
N2下、2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−ベンジルエステル(1.51g、3.39mmol)、ビスピナコラトジボロン(1.03g、4.06mmol)、KOAc(0.998g、10.7mmol)及びPd(dppf)Cl2(0.277g、0.339mmol)を、乾燥DMSO(80mL)に溶解した。反応混合物を80℃で24時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(200mL×2)で洗浄した。水層を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL×2)及びブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 2/1)により精製して、酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(1.26g、75%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.17 (d, J = 2.6, 2.4 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 6.9, 2.2 Hz, 1H), 7.49 - 7.44 (m, 4H), 6.31 (br s, 2H), 1.90 (s, 3H), 1.42 (s, 9H), 1.34 (s, 12H)。LC-MS C27H32BFN2O5(m/e)の計算値494.24、実測値495 [M+1]+。
6−tert−ブチル−2−(3−クロロ−2−ヒドロキシメチル−フェニル)−8−ヒドロキシメチル−2H−フタラジン−1−オン(中間体−6)
100mL容量の丸底フラスコに、6−tert−ブチル−2−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(671mg、1.86mmol、US2010/0222325に従って調製した)、シアン化ナトリウム(365mg、7.44mmol)及びDMSO(10mL)を加えて、明黄色の懸濁液を得た。混合物を80℃で16時間撹拌した。さらなるシアン化ナトリウム(182mg、3.72mmol)を加え、混合物を80℃で60時間さらに撹拌した。混合物を室温に冷まし、酢酸エチル及び水で抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル220g、ヘプタン中の0%〜40%アセトン)により精製して、7−tert−ブチル−3−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−5−カルボニトリルを黄色の固体(390mg、収率57%)として得た。
250mL容量の丸底フラスコ中に、7−tert−ブチル−3−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−5−カルボニトリル(390mg、1.06mmol)及びトルエン(8mL)を加えた。溶液を氷浴下で冷却し、トルエン中のDIBAH(2.33mL、2.33mmol)を加えた。混合物を氷浴下で1時間撹拌し、次にジクロロメタンで希釈し、1M 塩酸でクエンチした。混合物を10分間撹拌し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル120g、ヘプタン中の0%〜35%酢酸エチル)により精製して、7−tert−ブチル−3−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−5−カルボアルデヒド(147mg、37.4%)を明黄色の粉末として得た。
上記7−tert−ブチル−3−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−5−カルボアルデヒド(147mg、0.396mmol)を、ジクロロエタン(5mL)及びメタノール(5mL)と合わせて、黄色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(27mg、0.714mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を1N 塩酸で処理し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の蒸発の後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル40g、ヘプタン中の0%〜40%酢酸エチル)により精製して、6−tert−ブチル−2−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−8−(ヒドロキシメチル)フタラジン−1(2H)−オンを明黄色の固体(39mg、26.4%)として得た。LC/MS C20H21ClN2O3(m/e)の計算値372.12、実測値371.1 (M-H, ES-)。
実施例1
5−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−フラン−2−カルボン酸アミド
マイクロ波用のフラスコ中で、ジオキサン(7mL)及び水(0.7mL)中の5−ブロモフラン−2−カルボキサミド(200mg、1.05mmol)、酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体−5、1.04g、2.11mmol)、X−PHOS(50.2mg、0.105mmol)、Pd2(dba)3(48.2mg、0.052mmol)及びリン酸カリウム(894mg、4.21mmol)の懸濁液を、アルゴンで3〜5分間脱気した。混合物を125℃で30分間マイクロ波中に置いた。水を加え、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固した。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチル、100%酢酸エチルまでの勾配)により精製して、酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(5−カルバモイル−フラン−2−イル)−ベンジルエステル(78.5mg、16%)を得た。
メタノール(2mL)中の上記酢酸(78.5mg、0.164mmol)の溶液に、炭酸カリウム(4.5mg、0.033mmol)を加えた。混合物をN2下、5時間撹拌した。ジクロロメタンを加え、混合物を水で洗浄した。水相をジクロロメタンで1回抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固した。酢酸エチルを加え、懸濁液を5分間撹拌し、固体を濾別し、乾燥させて、5−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−フラン−2−カルボン酸アミド(42mg、59%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.38 (s, 9 H) 4.33 - 4.53 (m, 2 H) 4.66 - 4.92 (m, 1 H) 7.05 (d, J=3.78 Hz, 1 H) 7.20 (d, J=3.40 Hz, 1 H) 7.29 - 7.47 (m, 2 H) 7.50 - 7.63 (m, 1 H) 7.75 (dd, J=13.41, 1.70 Hz, 1 H) 7.81 - 8.03 (m, 3 H) 8.52 (d, J=2.64 Hz, 1 H); LC/MS C24H22FN3O4(m/e)の計算値435.16、実測値458 [M+Na]+。
実施例2
4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−フラン−2−カルボン酸アミド
マイクロ波用のフラスコ中で、ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)中の4−ブロモフラン−2−カルボキサミド(150mg、0.79mmol)、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアセタート(中間体5、468mg、0.95mmol)、X−PHOS(37.6mg、0.079mmol)、Pd2(dba)3(36.1mg、0.040mmol)及びリン酸カリウム(670mg、3.16mmol)の懸濁液を、アルゴンを5分間泡立て入れながら脱気した。混合物を125℃で30分間マイクロ波中に置いた。水を加え、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固した。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチル、100%EtOAcまでの直線勾配)により精製して、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−6−(5−カルバモイルフラン−3−イル)ベンジルアセタート(273mg、0.572mmol、収率72.4%)を得た。
メタノール(5mL)中の上記アセタート(262.6mg、0.55mmol)の溶液に、炭酸カリウム(15.2mg、0.11mmol)を加えた。混合物をN2下、3.5時間撹拌した。ジクロロメタン(50mL)を加え、混合物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固した。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチル、100%EtOAcまでの直線勾配)により精製して、4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−フラン−2−カルボン酸アミド(192mg、80%)を得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.36 - 1.62 (m, 9 H) 4.40 (br. s., 2 H) 7.35 (dd, J=6.80, 2.64 Hz, 1 H) 7.44 - 7.64 (m, 5 H) 8.14 (d, J=1.13 Hz, 4 H) 8.29 (d, J=2.64 Hz, 1 H); LC/MS C24H22FN3O4 (m/e)の計算値435.16、実測値 436 [M+H]+。
実施例3
4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド
この化合物を、実施例1に記載した同じ方法で、4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド(中間体−1)及び酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体4)を使用することにより調製した。所望の化合物を2工程で調製した(収率33%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.95 - 7.91 (m, 2H), 7.77 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.54 (t, J= 7.9 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 7.9, 1.3 Hz, 1H), 4.42 (br s, 2H), 4.14 (s, 3H), 1.46 (s, 9H)。LC-MS C
24H
25N
5O
3 (m/e)の計算値431.20、実測値432 [M+1]
+。
実施例4
2−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−チアゾール−4−カルボン酸アミド
この化合物を、実施例1に記載した同じ方法で、2−ブロモチアゾール−4−カルボン酸アミド(中間体−2)及び酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体4)を使用することにより調製した。所望の化合物を2工程で調製した(収率25%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6):δ 8.56 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.24 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.05-8.00 (m, 2H), 7.82 (dd, J = 1.8, 7.2 Hz, 1H), 7.61-7.58 (m, 2H), 4.54 - 4.45 (m, 2H), 1.41 (s, 9H). LC-MS C
23H
22N
4O
3S (m/e)の計算値434.14、実測値435 [M+1]
+。
実施例5
4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
この化合物を、実施例1に記載した同じ方法で、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(中間体−3)及び酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体4)を使用することにより調製した。所望の化合物を2工程で調製した(収率20%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 8.54 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.01 (dd, J = 1.8, 8.4 Hz, 1H), 7.48 - 7.45 (m, 2H), 7.28 - 7.23 (m, 2H), 7.08 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.35 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 1.41 (s, 9H)。LC-MS C
25H
26N
4O
3(m/e)の計算値430.20、実測値431 [M+1]
+。
実施例6
2−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−チアゾール−4−カルボン酸アミド
この化合物を、実施例1に記載した同じ方法で、2−ブロモチアゾール−4−カルボン酸アミド(中間体−2)及び酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体5)を使用することにより調製した。所望の化合物を2工程で調製した(収率10%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 8.59 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.94 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.88 - 7.79 (m, 2H), 7.66 - 7.63 (m, 2H), 4.61 - 4.52 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。LC-MS C
23H
21FN
4O
3S の計算値452.13、実測値453 [M+1]
+。
実施例7
4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチルフェニル]−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド
この化合物を、実施例1に記載した同じ方法で、4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸アミド(中間体−1)及び酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体5)を使用することにより調製した。所望の化合物を2工程で調製した(収率12%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 8.50 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.87 - 7.71 (m, 5H), 7.50 - 7.44 (m, 2H), 7.30 (dd, J = 1.2, 7.8 Hz, 1H), 4.38 - 4.33 (m, 2H), 4.00 (s, 3H), 1.39 (s, 9H)。LC-MS C
24H
24FN
5O
3(m/e)の計算値449.19、実測値450 [M+1]
+。
実施例8
4−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
この化合物を、実施例1に記載した同じ方法で、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(中間体−3)及び酢酸 2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体5)を使用することにより調製した。所望の化合物を2工程で調製した(収率60%)。
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 8.49 - 8.48 (m,1H), 7.86 (s, 1H), 7.73 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 7.44 - 7.42 (m, 3H), 7.25 - 7.23 (m, 2H), 7.06 (br s, 2H), 4.56 (s, 1H), 4.36 (s, 2H), 3.88 (s, 3H), 1.37 (s, 9H)。LC-MS C
25H
25FN
4O
3(m/e)の計算値448.19、実測値449.1 [M+H]
+。
実施例9
4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
工程1: N
2下、ジオキサン(15mL)及び水(3mL)中の酢酸 2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体−4に記載されている調製、300mg、0.699mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピロール−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル 2−メチルエステル(270mg、0.769mmol)、Pd(dppf)Cl
2(171mg、0.21mmol)及びK
2CO
3(289mg、2.19mmol)の混合物を、100℃で4時間加熱した。混合物を濃縮乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(2/1の比)で溶離)により精製して、4−[2−アセトキシメチル−3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−ピロール−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル 2−メチルエステル(160mg、収率40%)を得た。LC-MS C
32H
35N
3O
7(m/e)の計算値573.25、実測値473 [M-Boc+1]
+。
工程2: ジオキサン5mL及び水5mL中の4−[2−アセトキシメチル−3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−ピロール−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル 2−メチルエステル(136mg、0.24mmol)の溶液に、NaOH(40mg)を加え、反応混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水8mLに溶解し、1N HClでpH3〜4に酸性化した。混合物を酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸(99mg、収率100%)を得た。LC-MS C24H23N3O4(m/e)の計算値417.17、実測値418 [M+1]+。
工程3: HATU(104mg、0.27mmol)及びトリエチルアミン(1mL)を、乾燥THF(15mL)中の4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸(95mg、0.23mmol)の溶液に加えた。アンモニアガスを溶液に5時間泡立て入れた。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)により精製して、4−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(25mg、収率26%)を白色の固体として得た。 1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.43 (s, 1H), 8.28 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.98 - 7.92 (m, 2H), 7.52 - 7.39 (m, 2H), 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.03 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.38 (s, 2H), 1.38 (s, 9H). LC-MS C24H24N4O3(m/e)の計算値416.18、実測値417 [M+1]+。
実施例10
5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
工程1: N2下、ジオキサン(15mL)及び水(3mL)中の酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体4の調製に記載されている、300mg、0.63mmol)、5−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(150mg、0.69mmol)、Pd(dppf)Cl2(150mg、0.19mmol)及びK2CO3(261mg、1.9mmol)の混合物を、100℃で3時間加熱した。混合物を濃縮乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(8:1〜5:1の比)で溶離)により精製して、5−[2−アセトキシメチル−3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(237mg、収率77%)を黄色の液体として得た。LC-MS C28H29N3O5 (m/e)の計算値487.21、実測値 997 [2M+Na]+。
工程2: 飽和NH3/MeOH(20mL)中の5−[2−アセトキシメチル−3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(237mg、0.486mmol)の混合物を、室温で48時間撹拌した。混合物を蒸発乾固して、5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(150mg、収率68%)を黄色の固体として得た。LC-MS C26H27N3O4(m/e)の計算値445.20、実測値913 [2M+Na]+。
工程3: 水(5mL)を、ジオキサン(5mL)中の5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(150mg、0.337mmol)の溶液に加えた。混合物を5分間撹拌し、NaOH(40mg)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(113mg、収率78%)を黄色の固体として得た。LC-MS C25H25N3O4(m/e)の計算値431.18、実測値885 [2M+23]+。
工程4: HATU(110mg、0.288mmol)を、乾燥THF(15mL)中の5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(113mg、0.262mmol)の溶液に加えた。アンモニアガスを溶液に泡立て入れた。混合物をNH3(g)下、室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、5−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(25mg、収率22%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.42 (s, 1H), 8.27 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.02 - 7.90 (m, 2H), 7.54 - 7.35 (m, 2H), 7.24 - 7.13 (m, 2H), 7.02 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.37 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 1.37 (s, 9H)。LC-MS C25H26N4O3(m/e)の計算値430.20、実測値883 [2M+Na]+。
実施例11
2−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−4−メチル−オキサゾール−5−カルボン酸アミド
工程1: N2下、酢酸 2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルエステル(中間体−4に記載された調製、72mg、0.153mmol)、2−ブロモ−4−メチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル(34mg、0.146mmol)、Pd(dppf)Cl2(36mg、0.0438mmol)及びK2CO3(61mg、0.438mmol)を、ジオキサン/H2O(5:1、6mL)に溶解した。反応混合物を100℃で約1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)により精製して、2−[2−アセトキシメチル−3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステルを得た。
工程2: 上記2−[2−アセトキシメチル−3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステルを、NH3/MeOH 10mLに溶解した。反応物を室温で2日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製して、2−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−4−メチル−オキサゾール−5−カルボン酸アミド(47mg、2工程を経て収率68%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.57 (s, 1H), 8.24 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.20 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H), 8.06 - 8.00 (m, 2H), 7.66 - 7.58 (m, 2H), 4.73 - 4.57 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.41 (s, 9H)。LC-MS C24H24N4O4(m/e)の計算値432.18、実測値433 [M+H]+。
実施例12
4−[3−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−ヒドロキシルメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
工程1: 1−(4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(5.0g、19.5mmol)を、水酸化アンモニウム(72.5mL、29.4%水溶液)に溶解し、室温で45分間撹拌した。溶液を2N HClでpH=7にした。固体の沈殿物を濾過により回収した。固体を水で洗浄し、減圧下、50℃で一晩乾燥させた。水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を減圧下で濃縮して、さらなる固体を得た。濾過及び抽出から得た固体を合わせて、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(3.2g、81%)を白色の固体として得た。LC/MS-ESI 実測値 [M+H]+ 203及び205。
工程2: 25mL容量のマイクロ波用管に、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.5g、9.85mmol)、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(1.0g、4.93mmol)及び酢酸カリウム(1.45g、14.8mmol)を加えた。ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(142mg、246μmol)を、続いてX−phos(235mg、493μmol)を加えた。1,4−ジオキサン(10.0mL)を加えて、黒色の溶液を得た。管を密閉し、混合物をアルゴンで10分間パージした。反応混合物を65℃に加熱し、18時間撹拌した。粗反応混合物をH2O 100mLに注ぎ、酢酸エチル(4×100mL)で抽出した。有機相をブラインで、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、150g、5%〜50%酢酸エチル/ヘキサンの勾配)により精製した。減圧下で濃縮して、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(973mg、79%)を明黄色の泡状物として得た。LC/MS-ESI 実測値 [M+H]+ 251。
工程3: 10mL容量のマイクロ波用バイアルに、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(100mg、400μmol、当量:1.00)、2−(3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−シクロプロピル−8−フルオロイソキノリン−1(2H)−オン(137mg、400μmol、当量:1.00)、X−phos(19.1mg、40.0μmol、当量:0.1)、Pd2(dba)3(18.3mg、20.0μmol、当量:0.05)、及び第三リン酸カリウム(212mg、1.00mmol、当量:2.50)を加え、続いて1,4−ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)を加えて、暗褐色の懸濁液を得た。アルゴンで10分間パージしている間、反応混合物を撹拌した。溶液を125℃でマイクロ波中30分間加熱した。反応混合物を室温に冷ました。反応混合物をジクロロメタン50mLで希釈し、水で抽出した。水溶液を減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25%〜50%[60:10:1 ジクロロメタン:メタノール:水酸化アンモニウム水溶液]/ジクロロメタンの勾配)により精製して、4−[3−(6−シクロプロピル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−ヒドロキシルメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(25.9mg、15%)を白色の固体として得た。LC/MS-ESI 実測値 [M+H]+ 432。
実施例13
4−[3−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
工程1: 100mL容量の丸底フラスコ中、6−tert−ブチル−2−(3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1(2H)−オン(500mg、1.39mmol、当量:1.00)、無水酢酸(711mg、657μL、6.97mmol、当量:5)及びピリジン(331mg、338μL、4.18mmol、当量:3)を、ジクロロメタン(10.0mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、8時間撹拌した。室温に冷まし、48時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮して、黄褐色の油状物とした。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20%〜30%酢酸エチル/ヘキサンの勾配)により精製して、2−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−2(1H)−イル)−6−クロロベンジルアセタート(489mg、88%)を得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.37 (s, 9 H) 2.03 (s, 3 H) 2.62 (s, 3 H) 4.45 (s, 2 H) 5.33 (s, 2 H) 7.23 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 7.35 - 7.39 (m, 2 H) 7.43 - 7.52 (m, 2 H) 8.03 (d, J=8.31 Hz, 1 H)。
工程2: アルゴンバルーン及び温度計付きのコンデンサーを備えた50mL容量の2−口フラスコ中、2−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−2(1H)−イル)−6−クロロベンジルアセタート(489mg、1.22mmol、当量:1.00)及びビス(ピナコラト)ジボロン(619mg、2.44mmol、当量:2)を、1,4−ジオキサン(20.0mL)と合わせて、無色の溶液を得た。すべてが溶解するまで撹拌した。混合物を排気し、アルゴンで3回充填し、次に酢酸カリウム(359mg、3.66mmol、当量:3)を加えた。ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(35.1mg、61.0μmol、当量:0.05)を加えた。X−phos(58.1mg、122μmol、当量:.1)を加えた。混合物を排気し、アルゴンで3回充填した。反応混合物を65℃に加熱し、18時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、H2O 50mLに注ぎ、次に酢酸エチル(4×50mL)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄した。脱色活性炭を有機層に加えた。溶液を5分間撹拌した。溶液を、Celiteを通して濾過し、次に減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、25%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−2(1H)−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアセタート(518mg、82%)を得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.35 (d, J=9.44 Hz, 21 H) 1.99 (s, 3 H) 2.62 (s, 3 H) 4.44 (br. s., 2 H) 5.44 (s, 2 H) 7.22 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 7.36 - 7.58 (m, 3 H) 7.87 (dd, J=7.18, 1.89 Hz, 1 H) 8.04 (d, J=8.31 Hz, 1 H)。
工程3: 10mL容量のマイクロ波用バイアル中、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(82.5mg、406μmol、当量:1.00)[実施例12、工程1で調製した]、2−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−2(1H)−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアセタート(200mg、406μmol、当量:1.00)、X−phos(19.4mg、40.6μmol、当量:0.10)、及び第三リン酸カリウム(259mg、1.22mmol、当量:3.00)を、1,4−ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)と合わせて、暗褐色の懸濁液を得た。アルゴンで10分間パージしている間、反応混合物を撹拌した。反応混合物を125℃でマイクロ波中30分間加熱した。反応混合物をジクロロメタン50mLで希釈し、乾燥(MgSO4)させた。減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、20%〜100%酢酸エチル/ヘキサンの勾配)により精製して、2−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−2(1H)−イル)−6−(5−カルバモイル−1−メチル−1H−ピロール−3−イル)ベンジルアセタート(31mg、16%)を得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.37 (s, 9 H) 1.98 (s, 3 H) 2.68 (s, 3 H) 3.99 (s, 2 H) 5.28 (s, 2 H) 6.72 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 6.84 - 6.94 (m, 1 H) 7.23 (d, J=1.51 Hz, 1 H) 7.27 - 7.52 (m, 5 H) 7.61 (s, 1 H) 8.04 (d, J=7.93 Hz, 1 H)。
工程4: テトラヒドロフラン中の2−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−2(1H)−イル)−6−(5−カルバモイル−1−メチル−1H−ピロール−3−イル)ベンジルアセタート(31mg、63.4μmol、当量:1.00)に、NaOH(1.0M(水溶液)1.0mL、1.00mmol、当量:15.8)を加えた。反応混合物を60℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷ました。溶液を飽和NaHCO3(水溶液)及びジクロロメタンで希釈した。層を分離した。水層をジクロロメタンで1回抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させた。溶液を濾過した。減圧下で濃縮して、4−[3−(6−tert−ブチル−3−メチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(28mg、99%)を得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.26 - 1.40 (m, 9 H) 2.56 (s, 3 H) 3.95 (s, 3 H) 4.53 (br. s., 2 H) 5.23 (s, 2 H) 6.93 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.14 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.24 - 7.38 (m, 3 H) 7.39 - 7.53 (m, 1 H) 7.64 (dd, J=5.67, 3.40 Hz, 1 H) 8.01 (d, J=8.31 Hz, 1 H)。LC/MS-ESI 実測値 [M+H]+ 447。
実施例14
4−[3−(6−tert−ブチル−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド
15mL容量の管に、6−tert−ブチル−2−[3−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−8−(ヒドロキシメチル)フタラジン−1(2H)−オン(39mg、0.105mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(26.2mg、0.105mmol、中間体−4の調製において記載されたホウ酸塩の生成と同じ条件下、中間体−3及びビス(ピナコラト)ジボロンから調製した)、X−Phos(4.99mg、0.0105mmol)及びトリス−リン酸カリウム(55.5mg、0.262mmol)を加えた。ジオキサン(5mL)及び水(0.5mL)を、続いてPd
2(dba)
3(4.79mg、0.00523mmol)を加えた。混合物をアルゴンでパージし、次に30分間撹拌しながら、125℃に加熱した。さらなるPd
2(dba)
3(6.0mg、0.00655mmol)を加え、混合物を125℃で30分間さらに撹拌した。混合物をジクロロメタン及び水で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル12g、ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により精製した。所望の画分を分取TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム 90/10/1)によりさらに精製して、4−[3−(6−tert−ブチル−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミドを明黄色の粉末(7.6mg、収率15.8%)として得た。LC/MS C
26H
28N
4O
4(m/e)の計算値460.21、実測値459.0 (M-H, ES-)。1H-NMR (300 MHz, CDCl
3)
実施例15
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(10g、92.5mmol)を、DMF 100mLに溶解し、溶液を0℃で撹拌した。水素化ナトリウム(鉱油中60%、7.4g、185mmol)を少しずつ加えた。混合物を30分間撹拌し、(2−(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(純度90%、17.1g、92.5mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次にクロロホルム及び塩化アンモニウム水溶液で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、ISCOフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル220g、ヘキサン中の酢酸エチル、25分間で5%〜40%)により精製した。主要な成分として、僅かにより大きいRf値を有する画分を蒸発させ、次にヘキサン中の7%酢酸エチルから結晶化させて、結晶質で純粋な白色の化合物を1N−トリメチルシリルエトキシメチル−5−アミノ−4−シアノピラゾール(3.75g)として得た。主要な成分として、僅かにより小さいRf値を有する画分を蒸発させ、次にヘキサン中の4%酢酸エチルから結晶化させて、純粋な結晶質化合物を1N−トリメチルシリルエトキシメチル−3−アミノ−4−シアノピラゾール(3.50g)として得た。両方の成分を含有する母液及び画分を合わせ、蒸発させて、混合物(7.4g、この工程の総収率67%)を得た。1N−トリメチルシリルエトキシメチル−5−アミノ−4−シアノピラゾールについて:LC/MS C10H18N4OSi (m/e)の計算値238.12、実測値237.2 (M-H, ES-); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.00 (s, 9 H), 0.82 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 3.53 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 5.24 (s, 2 H) 6.80 (s, 2 H) 7.58 (s, 1 H);1N−トリメチルシリルエトキシメチル−3−アミノ−4−シアノピラゾールについて:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.00 (s, 9 H), 0.83 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 3.51 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 5.15 (s, 2 H), 5.65 (s, 2 H), 8.28 (s, 1 H)。
工程2: 工程1からの5−アミノ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(476mg、2.0mmol)及び(4−ブロモフェニル)(モルホリノ)メタノン(539mg、2.0mmol、4−ブロモベンゾイルクロリド及びモルホリンから調製した)を、温トルエン(10mL)に溶解し、炭酸セシウム(976mg、3.0mmol)を加え、トルエン(4mL)の添加が続いた。混合物をアルゴンで脱気し、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(102mg、0.2mmol)を加えた。混合物を密閉し、120℃で5時間撹拌した。混合物を濾過し、酢酸エチル(60mL)で濯いだ。有機層を酢酸エチル及び水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、ヘキサン中の酢酸エチル(8%メタノール含有)(15分間で5%〜50%、シリカゲル50g)を使用するISCO フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の画分を得て、これをエーテル及びヘキサンから結晶化させて、白色の結晶質物質を5−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(631mg、収率74.1%)として得た。LC/MS C21H29N5O3Si (m/e)の計算値427.20、実測値428.0 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.02 (s, 9 H), 0.95 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 3.61 (t, J=8.0 Hz, 2H), 3.50 - 3.80 (m, 8 H), 5.44 (s, 2 H), 6.57 (br. s., 1 H), 7.02 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.42 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.68 (s, 1 H)。
工程3: 5−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(880mg、2.06mmol)を、エタノール40mLに溶解した。塩酸(2N )を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。室温で16時間後、LC/MSは、60%の所望の物質及び40%の未反応出発物質を示した。混合物を65℃に加熱し、2時間撹拌した。LC/MSは、出発物質の完全な消費及び所望の生成物の生成を示した。混合物を氷浴下、水酸化ナトリウム溶液(水40mL中NaOH 4g)で処理した。得られた混合物を酢酸エチル(350mL)で2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。TLCは、混じりけのないスポットを示した。溶媒を蒸発させ、残留物を乾燥エーテルでトリチュレートして、5−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを白色の固体(530mg、収率86.6%)として得た。H−NMRは、所望の構造と一致した。LC/MSは、混じりけがなく、所望の分子量と一致した。LC/MS C15H15N5O2(m/e)の計算値297.12、実測値298.0 (M+H, ES+)。
工程4: カリウムtert−ブトキシド(68mg、0.60mmol)を、DMSO 3mLに溶解し、室温で5分間撹拌した。5−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(150mg、0.505mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。2−フルオロ−6−ヨードベンズアルデヒド(378mg、1.51mmol)を加え、混合物を室温で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチル及び水で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させた。溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルでトリチュレートした。固体を濾過して、オフホワイトの固体71mgを得た。TLC及びLC/MSによる白色の固体の分析は、混じりけのない物質を示した。濾液を濃縮し、ジクロロメタンに溶解し、ジクロロメタン中のメタノール(15分間で0〜5%、シリカゲル24g)を使用するISCO フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡いピンク色の固体58mgを得た。単離したいずれの固体も、所望の1−(2−ホルミル−3−ヨード−フェニル)−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(収率48.5%)として、TLC及びLC/MSから同じ結果を示した。LC/MS C22H18N5O3I (m/e)の計算値527.05、実測値526.0 (M-H, ES-); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.52-3.85 (m, 8H), 6.60 (br. s, 1H), 7.33 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.38-7.49 (m, 4H), 7.52 (d, J=8.1 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.08 (d, J=8.0 Hz, 1H), 9.93 (br. s, 1H)。
工程5: 1−(2−ホルミル−3−ヨードフェニル)−3−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(71mg、0.135mmol)、6−tert−ブチルフタラジン−1(2H)−オン(27.2mg、0.135mmol)、ヨウ化第一銅(25.6mg、0.135mmol)及び重炭酸ナトリウム(22.6mg、0.269mmol)を、DMSO 2mL中で合わせた。混合物をアルゴンで十分に脱気し、次に100℃に予熱した油浴中で撹拌した。1時間後、混合物をジクロロメタン及び水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル12g、ジクロロメタン中の0%〜5%メタノール)により精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを淡いピンク色の固体(34mg、収率42%)として得た。 LC/MS C34H31N7O4(m/e)の計算値 601.24、実測値602.1 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm1.45 (s, 9 H), 3.68 (br. m., 8 H), 6.68 (br. s., 1 H), 7.39 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.46 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.57 (dd, J=8.0, 1.1Hz, 1 H), 7.65 - 7.74 (m, 1 H), 7.74 - 7.81 (m, 2 H), 7.93 (dd, J=8.6, 1.8 Hz, 1 H), 8.17 (s, 1 H), 8.40 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 8.47 (br. s., 1 H), 9.90 (br. s., 1 H)。
工程6: 1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ]ピラゾール−4−カルボニトリル(53mg、0.0875mmol)を、ジクロロメタン6mL及びメタノール2mLに溶解した。水(0.5mL)及びメタノール(1.0mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(8.28mg、0.219mmol)溶液を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。LC/MSは、混ざりけのない所望の生成物を示した。混合物を蒸発乾固し、ジクロロメタン及び水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、純粋な所望の1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(52.8mg、収率100%)を得た。LC/MS C34H33N7O4(m/e)の計算値603.26、実測値604.1 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm1.47 (s, 9 H), 3.61 - 3.77 (m, 8 H), 4.35 (br. s., 2 H), 6.59 (br. s., 1 H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.50 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.58 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.67 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 7.80 (d, J=1.7 Hz, 1H), 7.83 (dd, J=8.1, 1.3 Hz, 1 H), 7.97 (dd, J=8.6, 1.7 Hz, 1 H), 8.39 (d, J=0.5 Hz, 1 H), 8.48 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 8.79 (s, 1 H)。
工程7: 1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(52mg、0.0861mmol)を、THF 4mL及び水0.4mLに溶解した。次に二水素トリス(ジメチルホスフィニト)ヒドロプラチナート(CAS#173416-05-2、3mg、8%当量)を加えた。混合物を1時間還流した。TLCは、出発物質の完全な消費を示した。LC/MSは、正しい分子量を有して生成された混じりけのない生成物を示した。混合物を蒸発乾固し、次にジクロロメタンに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒の蒸発の後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル24g、ジクロロメタン中のメタノール、16分間で0%〜5%)により精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを白色の固体(41mg、収率76.6%)として得た。 LC/MS C34H35N7O5 (m/e)の計算値621.27、実測値622.1 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δppm 1.41 (s, 9 H) 3.41 - 3.71 (m, 8 H), 4.37 (br. s., 2 H), 4.74 (br. s., 1 H), 7.36 (d, J=6.3 Hz, 3 H), 7.49 - 7.71 (m, 5 H), 7.80 (br. s., 1 H), 8.04 (d, J=9.1 Hz, 2 H), 8.25 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 8.56 (br. s., 2 H), 9.44 (br. s., 1 H)。
実施例16
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
この化合物を実施例15(実施例15の工程5、6及び7)に記載した同じ方法で、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン(US2010/0222325に従って調製した)を使用することにより調製した。
1−(2−ホルミル−3−ヨードフェニル)−3−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(115mg、0.218mmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(48mg、0.218mmol)、ヨウ化第一銅(41.5mg、0.218mmol)及び重炭酸ナトリウム(36.6mg、0.436mmol)を、DMSO 2mL中で合わせた。混合物をアルゴンで十分に脱気し、次に100℃に予熱した油浴中で1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン及び水で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物を、ジクロロメタン中のメタノール(16分間で0%〜5%、シリカゲル24g)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを淡いピンク色の固体(54mg、収率40%)として得た。LC/MS C34H30FN7O4 (m/e)の計算値 619.23、実測値620.0 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm1.43 (s, 9 H), 3.56-3.76 (m, 8 H), 6.61 br. s., 1 H), 7.40 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.46 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.52 (dd, J=12.4, 1.8 Hz, 1 H), 7.55 - 7.59 (m, 2 H), 7.64 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.78 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 9.97 (s, 1 H)。
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(52mg、0.0839mmol)を、ジクロロメタン6mL及びメタノール2mLに溶解した。水(0.5mL)及びメタノール(1.0mL)中の水素化ホウ素ナトリウム溶液(9.52mg、0.252mmol)を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。LC/MSは、混ざりけのない所望の生成物を示した。混合物を蒸発乾固し、ジクロロメタン及び水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、純粋な所望の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(51mg、収率98%)を得た。LC/MS C34H32FN7O4(m/e)の計算値621.25、実測値622.1 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm1.45 (s, 9 H), 3.59 - 3.77 (m, 8 H), 4.37 (br. s., 2 H), 6.59 (br. s., 1 H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.48 (dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H), 7.54 - 7.61 (m, 4 H), 7.66 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 7.81 (dd, J=8.1, 1.3 Hz, 1 H), 8.32 (d, J=2.5 Hz, 1 H), 8.74 (s, 1H)。
1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(46mg、0.074mmol)を、THF 4mL及び水0.5mLに溶解した。次に二水素トリス(ジメチルホスフィニト)ヒドロプラチナート(3mg、0.0069mmol)を加え、混合物を還流下、撹拌した。1時間後、TLCは、出発物質の完全な消費を示した。LC/MSは、混じりけのない所望の生成物が生成されたことを示した。混合物を蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ミクロンフィルターを通して濾過し、蒸発させた。残留物を、塩化メチレン中のメタノール(10分間で1.5%〜5%メタノール、シリカゲル12g)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを白色の固体(36mg、収率76.1%)として得た。LC/MS C34H34FN7O5(m/e)の計算値639.26、実測値640.1 (M+H, ES+); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δppm 1.38 (s, 9 H), 3.50 (br., 4 H), 3.59 (br., 4 H), 4.38 (br. s., 2 H), 4.78 (t, J=5.2 Hz, 1 H), 7.36 (d, J=8.6 Hz, 3 H), 7.52 - 7.69(m, 5 H), 7.76 (d, J=13.1 Hz, 2 H), 7.88 (s, 1 H), 8.54 (m, 2 H), 9.44 (s, 1 H)。
実施例17
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: カリウムtert−ブトキシド(120mg、1.07mmol)を、DMSO 5mLに溶解し、室温で5分間撹拌した。次に5−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(290mg、0.975mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。この溶液に、2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(396mg、1.95mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル及び水で抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残留物を酢酸エチル20mLでトリチュレートし、濾過して、所望の化合物70mgを得た。濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離して、2つ目のバッチである所望の化合物(110mg)を1−(3−ブロモ−2−ホルミル−フェニル)−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(収率38.4%)として得た。LC/MS C22H18BrN5O3(m/e)の計算値479.06、実測値477.8 (M-H, ES-); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δppm 3.50 (br. s., 4 H), 3.59 (d, J=3.8 Hz, 4 H), 7.34 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.53 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.65 (t, J=7.9 Hz, 1 H), 7.79 (d, J=7.9 Hz, 1 H), 7.85 (d, J=7.9 Hz, 1 H), 9.08 (s, 1 H), 9.47 (s, 1 H), 10.07 (s, 1 H)。1H-NMRのNOE分析により、所望の位置化学を確認した。
工程2: 1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−3−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(34mg、0.0708mmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(31.2mg、0.142mmol)、ヨウ化第一銅(27mg、0.142mmol)及び重炭酸ナトリウム(14.9mg、0.177mmol)を、DMSO 1mL中で合わせた。溶液をアルゴンで脱気し、次にマイクロ波中120℃で1時間加熱した。得られた混合物を酢酸エチル及び塩化アンモニウム溶液で抽出した。有機層を濃縮し、ヘキサン中の酢酸エチル(5%メタノール含有)(15分間で5%〜80%直線勾配、シリカゲル12g)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な所望の生成物を得た。この物質をヘキサン中のエーテルでトリチュレートし、濾過して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(18.2mg、収率41.5%)を、淡いピンク色の固体として得た。LC/MS C33H30FN7O3(m/e)の計算値591.24、実測値592.0 (M+H, ES+)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.38 (s, 9 H), 3.50 (br., 4 H), 3.59 (br., 4 H), 7.37 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.59 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.65 - 7.71 (m, 3 H), 7.78 (d, J=13.1 Hz, 1 H), 7.87 - 7.93 (m, 2 H), 8.08 (s, 1 H), 8.58 (d, J=2.3 Hz, 1 H), 9.29 (s, 1 H), 9.47 (s, 1 H)。
工程3: 1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)フェニル)−3−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(30mg、0.050mmol)を、THF 4mL及び水0.5mLに溶解した。次に二水素トリス(ジメチルホスフィニト)ヒドロプラチナート(2.3mg、0.0052mmol)を加え、混合物を還流下、撹拌した。1時間後、TLCは出発物質の完全な消費を示した。LC/MSは、混じりけのない所望の生成物が生成されたことを示した。混合物を蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ミクロンフィルターを通して濾過し、蒸発させた。残留物を、塩化メチレン中のメタノール(10分間で0%〜5%メタノール、シリカゲル12g)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−3−[4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを白色の固体(21mg、収率68%)として得た。LC/MS C33H32FN7O4(m/e)の計算値609.25、実測値608.0 (M-H, ES-)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.39 (s, 9 H), 3.51 (br. s., 4 H), 3.59 (br. s., 4 H), 7.39 (d, J=8.3 Hz, 3 H), 7.56 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.65- 7.73 (m, 3 H), 7.75 - 7.86 (m, 3 H), 7.89 (s, 1 H), 7.98 (br. s., 1 H), 8.60 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 9.04 (s, 1 H), 9.42 (s, 1 H)。
実施例18
1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミド
工程1: 乾燥ジメチルホルムアミド(10mL)中の1H−インドール−3−カルボニトリル(1g、7.03mmol)の冷却(氷浴)した溶液に、窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(383mg、8.44mmol、油中60%)を2回に分けて、約4分間かけて加えた。該物質を5分間撹拌し、次に氷浴を取り外し、混合物を周囲温度に温めた。2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(1.43g、7.03mmol)を粉末のまま一度に加えた。その物質を2時間激しく撹拌した。混合物を、機械式ポンプに接続しているロータリエバポレーターの上に置き、溶媒を除去した。残りの部分を、塩化アンモニウム水溶液(40mL)と酢酸エチル(40mL)との5%溶液に取り、分液漏斗に移した。有機相を回収し、50%希ブライン溶液(40mL)で洗浄した。酢酸エチル相を回収し、水相を酢酸エチル(2×35mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濾過し、取り出した。粗生成物をシリカ(10g、ジクロロメタンから)に吸着させ、100%塩化メチレンで溶離するHPLC(乾燥添加(dry loading);シリカゲル;40g)により精製して、準−純粋な生成物(990mg)を得た。この物質を高温のジクロロメタン/ヘキサンからトリチュレーションにより精製して、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリルを橙色の固体(354mg、収率16%)として得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.02 - 7.11 (m, 1 H) 7.27 - 7.38 (m, 2 H) 7.45 (d, J=7.93 Hz, 1 H) 7.61 (t, J=8.12 Hz, 1 H) 7.68 (s, 1 H) 7.80 - 7.86 (m, 1 H) 7.90 (dd, J=7.93, 1.13 Hz, 1 H) 10.05 (s, 1 H)。
工程2: 乾燥ジメチルスルホキシド(1.8mL)中の6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(US2010/0222325に従って調製した)36mg、0.16mmol)及び1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリル(59mg、0.18mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(31mg、0.36mmol)をアルゴン雰囲気下、加えた。次にヨウ化銅(35mg、0.18mmol)を加え、混合物を110℃に2時間加熱した。反応物を周囲温度に冷まし、水(40mL)及びジクロロメタン(40mL)に取った。該物質を、ジクロロメタンで十分に濯ぎながらセライトのプラグを通して濾過した。濾液を分液漏斗に移し、ジクロロメタン相を回収した。これを、希ブラインの50%溶液(40mL)で洗浄した。有機相を回収し、水相をジクロロメタンで逆抽出(2×35mL)した。ジクロロメタン相を合わせ、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、取り出した。次に1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリル(290mg、0.89mmol)を用いて大規模に、及び上記の試薬を同様な規模の量で、同一の手順及び処理により、同一の反応を繰り返した。2つの反応からの粗生成物を合わせ、HPLC(シリカゲル、100%CH2Cl2〜1%MeOH/CH2Cl2で溶離)により精製して、準−純粋な生成物を得た。該物質を分取薄層クロマトグラフィー(3プレート、0.5% MeOH/CH2Cl2で溶離、そして次に0.75%で、そして次に1% MeOH/CH2Cl2で再溶離)によりさらに精製した。生成物バンドを回収して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3 カルボニトリルを黄色の泡状固体(384mg、収率77%)として得た。LC/MS C28H21FN4O2(m/e)の計算値464.49、実測値465.0 (M+H, ES+): 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.42 (s, 9 H) 7.24 - 7.32 (m, 1 H) 7.34 - 7.41 (m, 2 H) 7.46 - 7.60 (m, 3 H) 7.75 (d, J=7.55 Hz, 1 H) 7.81 (s, 1 H) 7.83 - 7.87 (m, 1 H) 7.90 (t, J=7.96 Hz, 1 H) 8.25 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 9.56 (s, 1 H)。
工程3: 丸底フラスコに入っている1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3 カルボニトリル(12mg、0.03mmol)を、10%水/テトラヒドロフラン(1.5mL)に溶かした。次に、ヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸)−kp)[水素ビス−(ジメチルホスフィニト−kp)]白金(II)触媒(2mg、0.005mmol)を加え、混合物を加熱還流(油浴)した。1時間後、混合物を周囲温度に冷まし、揮発物を取り除いて(ロータリエバポレーター)、粗生成物を得た。この反応(上記と同様に、しかし溶媒として10% H2O/エタノールを使用した)を、61mg規模(0.24mmol)で繰り返し、上記のように処理した。2つの反応からの合わせた粗物質を分取薄層クロマトグラフィー(3プレート、5% MeOH/CH2Cl2で溶離、そして次に同じく5% MeOH/CH2Cl2で再展開)により精製した。生成物バンドを回収して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミドを明黄色の固体(51mg)として得た。LC/MS C28H23FN4O3(m/e)の計算値482.52、実測値483.0 (M+H, ES+): 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.40 (s, 9 H) 6.03 (br. s, 2 H) 7.20 - 7.36 (m, 3 H) 7.44 - 7.59 (m, 3 H) 7.66 (d, J=7.93 Hz, 1 H) 7.81 (t, J=7.60 Hz, 1 H) 7.91 (s, 1 H) 8.19 (m, 1 H) 8.23 (d, J=2.64 Hz, 1 H) 9.52 (s, 1 H)
工程4: メタノール/ジクロロメタン(1.35mL、2.9:1)に溶解した1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミド(51mg、0.11mmol)が入っている冷却(氷浴)したフラスコに、水(0.35mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.53mmol)の溶液を、ゆっくりと滴下した。混合物を10分間撹拌し、次にジクロロメタン(20mL)及び水(20mL)に溶かした。内容物を分液漏斗に注ぎ、撹拌した。有機相を回収し、50%希ブラインの溶液(20mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を回収し、水相を塩化メチレン(2×20mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。粗物質を、7.5%メタノール/ジクロロメタンで溶離するシリカゲルのショートカラムを通して濾過により精製した。所望の画分を回収し、次に該物質を高温のジクロロメタン/ヘキサンの溶液から結晶化させて、白色の結晶質生成物を1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミド(37mg)として得た。LC/MS C28H25FN4O3(m/e)の計算値484.54、実測値485.0 (M+H, ES+): 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 4.03 - 4.37 (m, 2 H) 5.49 - 6.00 (br. s, 2 H) 7.18 - 7.38 (m, 3 H) 7.49 - 7.71 (m, 5 H) 8.13 - 8.28 (m, 2 H) 8.32 (d, J=2.64 Hz, 1 H)。
実施例19
1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−フェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミド
工程1: 1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリルの調製は、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリル(222mg、純度40%、0.27mmol、上記の実施例18、工程1に記載の合成)と6−tert−ブチルフタラジン−1(2H)−オン(138mg、0.68mmol)との反応を介して、実施例18に記載された手順と同様の手順で実施した。同様の処理及び精製により、所望の生成物を明黄色−白色の固体(82mg、収率66%)として得た。LC/MS C28H22N4O2(m/e)の計算値446.51、実測値447.0 (M+H, ES+): 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 7.23 - 7.40 (m, 3 H) 7.55 (dd, J=7.93, 1.13 Hz, 2 H) 7.72 - 7.94 (m, 6 H) 8.32 (s, 1 H) 8.39 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 9.59 (s, 1 H)。
工程2: 1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミドの調製は、1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリル(82mg、0.18mmol)のニトリル加水分解、且つ触媒ヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸)−kp)[水素ビス−(ジメチルホスフィニト−kp)]白金(II)触媒(5mg、0.064mmol)の使用を介して、実施例18に記載された手順と同様の手順で実施した。同様の処理及び精製により、所望の生成物を明黄色のガラス状の固体(54mg、収率63%)として得た。LC/MS C28H24N4O3(m/e)の計算値464.5、実測値465.0 (M+H, ES+): 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.44 (s, 9 H) 7.21 - 7.37 (m, 3 H) 7.48 - 7.59 (m, 2 H) 7.67 - 7.76 (m, 2 H) 7.85 (t, J=7.93, 1.00 Hz, 1 H) 7.90 (s, 1 H) 8.14 - 8.20 (m, 1 H) 8.30 (s, 1 H) 8.37 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 9.56 (s, 1 H)
工程3: 1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−フェニル)−1H−インドール−3−カルボキサミドの調製は、水素化ホウ素ナトリウム(22mg、0.58mmol)の使用による1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−3−カルボニトリル(54mg、0.12mmol)の還元を介して、実施例18に記載された手順と同様の手順で実施した。同様の処理及び精製により、所望の生成物を白色の結晶質固体(36mg、収率64%)として得た。LC/MS C28H26N4O3(m/e)の計算値466.54、実測値467.0 (M+H, ES+): 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.46 (s, 9 H) 4.07 (br. d, J=11.70 Hz, 1 H) 4.30 (br. d, J=11.70 Hz, 1 H) 5.60 - 5.97 (m, 2 H) 7.20 - 7.38 (m, 3 H) 7.52 - 7.71 (m, 3 H) 7.80 (d, J=1.89 Hz, 1 H) 7.96 (dd, J=8.31, 1.89 Hz, 1 H) 8.17 - 8.29 (m, 2 H) 8.39 (s, 1 H) 8.46 (d, J=8.31 Hz, 1 H)。
実施例20
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 100mL容量のナシ型フラスコ中、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(150mg、1.05mmol、当量:1.00)、酢酸銅(II)(381mg、2.1mmol、当量:2)、ピリジン(166mg、170μL、2.1mmol、当量:2)及び6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)−2H−フタラジン−1−オン(706mg、1.15mmol、当量:1.1)を、塩化メチレン(10mL)と合わせて、青緑色の懸濁液を得た。反応混合物を窒素でフラッシュした。反応混合物を80℃に加熱し、16時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。混合物をヘキサン中の30〜50% EtOAcを使用するISCOで分離して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(122mg、25%)をオフホワイトの泡状物として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.64 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.36 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.82 (dd, J = 13.2, 1.6 Hz, 1H), 7.66 - 7.78 (m, 3H), 7.63 (dd, J = 7.3, 2.3 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 7.18 (br. s., 1H), 4.72 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.11 - 4.34 (m, 2H), 1.44 (s, 9H)。MS m/e 468.5 (M+H+)。
工程2: トルエン(25.2mL)中の1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(610mg、783μmol、当量:1.00)、アセトアルドキシム(139mg、143μL、2.35mmol、当量:3)及び塩化インジウム(III)(8.66mg、39.1μmol、当量:0.05)の撹拌した溶液を、110℃に加熱し、3時間撹拌した。反応混合物をEtOAc 15mLに注ぎ、飽和NH4Cl(1×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。溶媒の除去の後、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ヘキサン中の80%〜100% EtOAc)により分離して、不純物を含む所望の生成物66mgを得た。この物質を、TFA中、分取逆相HPLCにより再精製した。所望の生成物をNaHCO3(1×25mL)で中和した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、酢酸エチル/メタノール(9:1)で抽出して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(43mg、12%)を白色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.64 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.36 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.82 (dd, J = 13.2, 1.6 Hz, 1H), 7.66 - 7.78 (m, 3H), 7.63 (dd, J = 7.3, 2.3 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 7.18 (br. s., 1H), 4.72 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.11 - 4.34 (m, 2H), 1.44 (s, 9H)。MS m/e 486.6 (M+H+)。
工程1: 100mL容量の丸底フラスコ中、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(61.0mg、244μmol、当量:1.10)、2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−4−ヨードニコチンアルデヒド(100mg、222μmol、当量:1.00)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(16.2mg、22.2μmol、当量:0.1)を、ジオキサン(667μL)と合わせて、赤色の溶液を得た。水(66.7μL)中の炭酸カリウム(61.3mg、443μmol、当量:2)を加え、得られた懸濁液を70℃に加熱し、32時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、へキサン中の10%〜15%EtOAc)により精製して、4−[2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ホルミル−ピリジン−4−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(28mg、28.2%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.06 (s, 1H), 8.72 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 13.3, 1.8 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.69 - 7.76 (m, 1H), 7.50 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.12 (br. s., 1H), 3.93 (s, 3H), 1.39 (s, 9H); MS m/e 448.5 (M+H+)。
工程2: 25mL容量のナシ型フラスコ中、4−(2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−3−ホルミルピリジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボキサミド(28mg、62.6μmol、当量:1.00)を、CH2Cl2(3mL)及びMeOH(1mL)と合わせて、無色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(4.73mg、125μmol、当量:2.00)を加えた。反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(25mL)に注ぎ、飽和NH4Cl(3×10mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、その後、凍結乾燥して、4−[2−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸アミド(14mg、50%)を白色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ ppm 8.52 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.46 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 13.3, 1.8 Hz, 1H), 7.55 - 7.72 (m, 1H), 7.52 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.04 (br. s., 1H), 4.88 (br. s., 1H), 4.29 - 4.57 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 1.39 (s, 9H); MS m/e 450.5 (M+H+)。
実施例22
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 実施例15工程1からの5−アミノ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(500mg、2.1mmol)、2−(4−ブロモフェニル)プロパン−2−オール(519mg、2.41mmol)、及び炭酸セシウム(1.03g、3.15mmol)を、無水トルエン(14mL)に溶かした。混合物をアルゴンで脱気し、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(107mg、0.21mmol)を加えた。混合物をアルゴンで再び脱気し、次にアルゴン下、120℃で4.5時間撹拌した。さらなる2−(4−ブロモフェニル)プロパン−2−オール(50mg)を加え、混合物をさらに2時間加熱した。該物質を周囲温度に冷まし、一晩撹拌した。粗生成物をセライトのプラグを通して濾過し、酢酸エチル(60mL)で十分に濯いだ。有機層を分液漏斗中で水(60mL)と一緒に振盪し、回収した。水相を酢酸エチル(2×40mL)で逆抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。残りを、ヘキサン中の酢酸エチルを使用するAnalogixフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%〜45%の勾配、シリカゲル23g)により精製して、5−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニルアミノ)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを赤褐色の粘性油状物(482mg、収率62%)として得た。LC/MS C19H28N4O2Si (m/e)の計算値372.55、実測値371 (M-H, ES-)。
工程2: 5−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニルアミノ)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(480mg、1.13mmol)を、フッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1M、16.8mL)に溶かし、フラスコを密閉した。混合物を110℃に加熱した油浴中に置き、28時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷ました。水(60mL)及びジエチルエーテル(60mL)を加え、該物質を分液漏斗中で振盪し、有機相を回収した。水相をジエチルエーテル(2×50mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。残りの粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチルを使用するAnalogixフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%〜90%の勾配、シリカゲル40g)により精製して、3−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルをオフホワイトの粉末(128mg、収率47%)として得た。LC/MS C13H14N4O(m/e)の計算値242.28, 実測値241(M-H, ES-)。
工程3: 3−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを、実施例15に記載のプロトコルと同様のプロトコルに従うことにより、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルに変換した。
工程4: 1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(78mg、0.14mmol)及び二水素トリス(ジメチルホスフィニト)ヒドロプラチナート(7.1mg、0.12当量)を、テトラヒドロフラン(3.1mL)及び水(0.31mL)に溶かした。該物質を撹拌し、1時間加熱還流(油浴)した。混合物を周囲温度に冷まし、揮発物を取り除いた(ロータリエバポレーター)。粗物質を分取薄層クロマトグラフィー(2プレート、最初に塩化メチレン中の7%メタノールで溶離し、そして次に塩化メチレン中の6%メタノールで再展開した)により精製した。生成物のバンドを回収し、所望の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを明黄色の粉末(41mg)として得た。LC/MS C32H31FN6O4 (m/e)の計算値582.62、実測値581.0 (M-H, ES-)。
工程5: 1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(34mg、0.06mmol)を、1:1のメタノール及びジクロロメタンの溶液(15mL)に溶解した。これに、水(0.25mL)に溶解した水素化ホウ素ナトリウム(11mg、0.29mmol)の溶液を滴下した。10分間の撹拌の後、揮発物を取り除き(ロータリエバポレーター)、残りをジクロロメタン(30mL)及び水(30mL)に溶かし、分液漏斗中で振盪した。有機相を回収し、水相をジクロロメタンで逆抽出(2×25mL)した。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1g、ジクロロメタン中の7.5%メタノールで溶離)により精製して、所望の生成物1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドをオフホワイトの粉末(32mg)として得た。LC/MS C32H33FN6O4 (m/e)の計算値584.66、実測値583 (M-H, ES-)。
実施例23
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: WO2005/5414 A2と同様の手順に従った。このようにして、3−アミノ−4−シアノピラゾール(11g、102mmol)を、ヨウ化メチレン(150mL、1.87mol)に溶かし、フラスコを−10℃に冷却した。十分に撹拌しながら、亜硝酸イソアミル(92.4mL、688mmol)を、40分間かけて滴下した。添加の完了の後、混合物を5分間撹拌した。次に添加フラスコを取り外し、効率的なコンデンサーと取替え、該物質を100℃で2時間加熱(油浴)した。フラスコを周囲温度に冷まし、溶媒を除去(ロータリエバポレーター、最後に機械式ポンプ)した。残りを酢酸エチル(120mL)に取り、分液漏斗に移した。メタ重亜硫酸ナトリウムの5%水溶液(120mL)を加え、二相性混合物を振盪した。有機相を回収し、そして1N 塩酸の溶液(水溶液、120mL)と一緒に、続いて水(120mL)と一緒に振盪した。有機相を回収し、水相を酢酸エチル(2×100mL)で逆抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。粗生成物をシリカに吸着(約25g、ジクロロメタンから)させ、ヘキサン中の酢酸エチルを使用するAnalogix フラッシュカラムクロマトグラフィー(23%〜50%の勾配、シリカゲル80g)により精製(乾燥添加)して、明黄色の粉末(20g)を得た。この物質を、高温の酢酸エチル/ヘキサンから結晶化することによりさらに精製して、3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(11.3g)を明褐色の固体として得て、これを濾過により回収(5%酢酸エチル/ヘキサンで十分に濯いだ)した。母液から、第2の産生物(3.76g)も得た。LC/MS C4H2IN3 (m/e)の計算値 218.98、実測値218 (M-H, ES-)。
工程2: 3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(3.62g、16.5mmol)を、窒素雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(67mL)に溶かした。水素化ナトリウム(992mg、24.8mmol、油中60%)を一度に加え、混合物を、加熱(50℃)された超音波処理浴に50分間置いた。この混合物に、2−フルオロ−6−ヨードベンズアルデヒド(5.37g、21.5mmol)を加え、混合物を60〜65℃に加熱した油浴中に置いた。2時間の撹拌の後、さらなる2−フルオロ−6−ヨードベンズアルデヒド(350mg、1.4mmol)を加え、該物質をさらに1時間撹拌した。フラスコを周囲温度に冷まし、溶媒の90%近くまで取り除いた(ロータリエバポレーター)。ジエチルエーテル(30mL)及び水(50mL)を加え、混合物を30分間激しく撹拌した。沈殿した生成物を濾過により回収し、ジエチルエーテル及び水で十分に濯ぎ、真空オーブン中で乾燥させて、明黄褐色の粉末(4.78g)を得た。この固体生成物を、ジクロロメタン中の2%メタノールの溶液(約60mL、加熱溶解)に取り、分液漏斗に移した。水(60mL)を加え、該物質を振盪し、有機相を回収した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出して、所望の1−(2−ホルミル−3−ヨード−フェニル)−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを明黄色の粉末(3.973g)として得た。LC/MS C11H5I2N3O(m/e)の計算値448.99、実測値450(M+H, ES+)。
工程3: オーブンで乾燥させたフラスコに、1−(2−ホルミル−3−ヨード−フェニル)−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.703g、3.79mmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン[US2010/0222325に従って調製した](919mg、4.17mmol)及び重炭酸ナトリウム(637mg、7.59mmol)を入れ、乾燥ジメチルスルホキシド(30mL)に溶かした。混合物を超音波処理浴中にてアルゴンで脱気した。ヨウ化銅(722mg、3.79mmol)を加え、該物質を再び十分に脱気した。超音波処理にて、混合物を60℃に2.5時間加熱し、周囲温度で一晩静置した。さらなるヨウ化銅(360mg)を加え、該物質を超音波処理下、60℃で4時間加熱した。フラスコを周囲温度に冷まし、塩化メチレン(40mL)及び水(40mL)を激しく撹拌しながら加えた。5分後、該物質を、塩化メチレン中の1%メタノールの溶液で十分に濯ぎながら、セライトのプラグを通して濾過した。濾液を分液漏斗に移し、有機相を回収した。これを、50%希ブライン溶液(60mL、幾分粗粒)と一緒に振盪した。塩化メチレン相を回収し、水相を塩化メチレンで逆抽出した(注記:幾分の粗粒が観察された。それは、逆抽出の際、大量の有機溶液及び水溶液を使用するのに役に立った)。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。残りを塩化メチレンに溶かし、最初に100%ジクロロメタン(5分間維持)で溶離する、次にジクロロメタン中の1%〜3%メタノールの勾配(シリカゲル25g)に換えて溶離するAnalogix フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを、明褐色の粉末(1.2g)として得た。LC/MS C23H17FIN5O2(m/e)の計算値541.32、実測値542 (M+H, ES+)。
工程4: 1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.2g、2.22mmol)を、ジクロロメタン(40mL)及びメタノール(80mL)の溶液に溶解した。これに、水(0.35mL)に溶解した水素化ホウ素ナトリウム(21mg、0.53mmol)の溶液を滴下した。10分間の撹拌の後、揮発物を取り除き(ロータリエバポレーター)、残りをジクロロメタン(60mL)及び水(50mL)に取り、分液漏斗中で振盪した。有機相を回収し、水相をジクロロメタンで逆抽出(2×50mL)した。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。粗生成物を、Analogixフラッシュカラムクロマトグラフィー(カラム40g、最初に100%ジクロロメタン[10分間維持]で溶離する、次にジクロロメタン中の1%メタノールに換えて溶離)により精製し、これにより所望の生成物1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを明橙色の色付き油状物として得て、これを静置して凝固させた(1.029g)。LC/MS C23H19FIN5O2 (m/e)の計算値543.33、実測値544 (M+H, ES+)。
工程5: 小さな丸底フラスコに、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(212mg、0.39mmol)、5−クロロピリジン−2−アミン(65mg、0.51mmol)、XANTPHOS(56mg、0.098mmol)、及び炭酸セシウム(381mg、1.17mmol)を入れた。乾燥ジオキサン(5.7mL)を加え、混合物をアルゴンで十分に脱気した。Pd2(dba)3(46mg、0.051mmol)を加え、該物質を再びアルゴンで脱気した。フラスコを、95℃に加熱した油浴中に2.5時間置いた。フラスコを周囲温度に冷まし、酢酸エチル(30mL)及び水(30mL)を加えた。内容物を分液漏斗中で振盪し、有機相を回収した。水相を酢酸エチル(2×30mL)で逆抽出し、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。粗物質を分取薄層クロマトグラフィー(2プレート、塩化メチレン中の4%メタノールで溶離)により精製した。生成物バンドを回収して、所望の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを明黄色の粉末(111mg)として得た。LC/MS C28H23ClFN7O2(m/e)の計算値543.98、実測値544 (M+H, ES+)。
工程6: 1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(111mg、0.204mmol)及び二水素トリス(ジメチルホスフィニト)ヒドロプラチナート(10.5mg、0.025mmol)を、テトラヒドロフラン(3.8mL)及び水(0.38mL)に溶かした。該物質を撹拌し、1時間加熱還流(油浴)した。混合物を周囲温度に冷まし、揮発物を取り除いた(ロータリエバポレーター)。残りの粗生成物を、分取薄層クロマトグラフィー(2プレート、最初に、塩化メチレン中の7%メタノールで溶離する、次に同じく塩化メチレン中の7%メタノールで再展開する)により精製した。生成物バンドを回収して、所望の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1−H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドをオフホワイトの粉末(70mg)として得た。LC/MS C28H25ClFN7O3(m/e)の計算値561.99、実測値562 (M+H, ES+)。
実施例24
3−[5−(2−アゼチジン−3−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 2−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)−2−メチルプロパナール[US2012/40949 A1に従って調製した](28g、140mmol、当量:1.00)を、乾燥ジクロロメタン(252mL)に溶かし、窒素雰囲気下、−10℃に冷却した(ドライアイス/アセトニトリル冷却浴)。酢酸(10.4mL、182mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(41.6g、196mmol)を加えた。次に、効率的に撹拌しながら、アゼチジン(17mL、252mmol)を6分間かけて滴下した。添加の完了の後、混合物を5分間撹拌し、次に冷却浴を取り外し、該物質を周囲温度に温めた。1時間後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)及びジクロロメタン(80mL)を加えた。二相性物質を分液漏斗に移し、撹拌し、有機相を回収した。これを重炭酸ナトリウムの5%溶液(200mL)と一緒に、次にブラインの50%希釈溶液(200mL)と一緒に振盪した。有機相を回収し、水相を塩化メチレン(2×100mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。残りの粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノールの4%溶液で溶離するカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、40g)により精製して、所望の5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−2−クロロ−ピリジン(29.66g)を金褐色の流動性油状物として得た。LC/MS C12H17ClN2O (m/e)の計算値240.73、実測値241 (M+H, ES+)。
工程2: 無水テトラヒドロフラン(314mL)中の5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−2−クロロ−ピリジン(21.2g、88.1mmol)の脱気した溶液に、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(6.17g、17.6mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(8.06g、8.81mmol)を加えた。次にTHF中の1M リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(264mL、264mmol)を、添加漏斗を介して5分間かけて加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下、75℃で一晩撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウムの飽和水溶液(400mL)に注ぎ、酢酸エチル(350mL)で抽出した。有機相を回収し、50%希ブライン(350mL)で洗浄した。有機相を回収し、水相を酢酸エチル(2×200mL)で逆抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。残りの生成物をジクロロメタン中の0%〜12%メタノールで溶離するAnalogix フラッシュカラムクロマトグラフィー(カラム80g)により精製して、所望の5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミン(10.59g)を暗褐色の半−粘性油状物(及び純度がより低い画分を、同様の条件下、再精製して、もう一つの生成物4.01gを得ることもできる)として得た。LC/MS C12H19N3O (m/e)の計算値221.3、実測値222 (M+H, ES+)。
工程3及び4: 上記工程2で調製した該5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミンを、粗生成物を得るために実施例16−C、工程5及び6に記載のプロトコルと同様のプロトコルを使用して、所望の生成物に変換した。この物質を、分取薄層クロマトグラフィー(2プレート、最初に、塩化メチレン中の14%メタノールで溶離する、次に塩化メチレン中の12%メタノールでさらに2回再展開する)により精製して、所望の3−[5−(2−アゼチジン−1−イル−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを明褐色の粉末(27mg)として得た。LC/MS C35H39FN8O4(m/e)の計算値654.73、実測値655 (M+H, ES+)。
表I*は、上記実施例中に記載された手順と同様の手順を使用して調製した、さらなる類似化合物を示す。
実施例39
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 小容量のマイクロ波用管中に、乾燥ジメチルホルムアミド1.5mL中の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4カルボン酸アミド(上記実施例23で調製した)(31mg、55.2μmol)、シアン化亜鉛(51.8mg、441μmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(6mg、14.6μmol)を取り、アルゴンで十分に脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(7mg、7.6μmol)を加え、再び脱気した。混合物をマイクロ波用反応器中、150℃で60分間加熱した。溶媒を取り除き(ロータリエバポレーター/ポンプ)、残りを酢酸エチル(25mL)及び水(25mL)に溶かし、分液漏斗中で振盪した。有機相を回収し、水相を酢酸エチル(2×20mL)で逆抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、取り出した。粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(1プレート、ジクロロメタン中の9.5%メタノールで溶離)により精製した。生成物バンドを回収して、準−純粋な所望の生成物(21mg、純度91%)を得た。より高い純度のために、物質を1つの分取薄層クロマトグラフィープレートに再び添加し、ジクロロメタン中の7%メタノールで溶離させた。ジクロロメタン中の7%、次に8.5%、そして最後に9%メタノールでプレートを再展開させ、その時、より極性の高い不純物を分離した。より極性の低い生成物バンドを回収して、所望の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドをオフホワイトの固体(17mg、56%)として得た。LC/MS C29H25FN8O3 (m/e)の計算値552.57、実測値553 (M+H, ES+)。
実施例40
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸アミド
工程1: 1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(850mg、9.13mmol)を、乾燥DMSO 15mLに溶解し、カリウムtert−ブトキシド(1.08g、9.13mmol、当量:1.00)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(3.71g、18.3mmol、当量:2)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次に酢酸エチル及び水で抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の20%〜40%EtOAc)により精製して、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(1.83g、73%)を得た。
工程2: 25mL容量の容器中、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(50mg、181μmol、当量:1.00)、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(79.8mg、362μmol、当量:2)及びヨウ化銅(I)(69.0mg、362μmol、当量:2.00)を、DMSO(2.00mL)と合わせて、黄色の懸濁液を得た。重炭酸ナトリウム(38.0mg、453μmol、当量:2.5)をそれに加えた。混合物をマイクロ波中、120℃で1時間加熱した。反応混合物を飽和NH4Cl 25mLに注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。有機層を濃縮し、ヘキサン中の酢酸エチル(5%メタノール含有)を使用するISCO フラッシュカラムクロマトグラフィー(15分間で5%〜80%の直線勾配、シリカゲル12g)により精製して、純粋な所望の生成物を得て、これをヘキサン中のエーテルでトリチュレートし、濾過して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(19mg、25%)を得た。
工程3: 25mL容量の容器中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(18mg、43.3μmol、当量:1.00)、水素化ホウ素ナトリウム(6.56mg、173μmol、当量:4)を、CH2Cl2(2mL)及びMeOH(1mL)と合わせて、白色の懸濁液を得た。混合物を1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 25mLに注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。有機層を濃縮して、白色の生成物の1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(16mg、99%)を得た。
工程4: 10mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(16mg、38.3μmol、当量:1.00)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(1mg、2.33μmol、当量:0.0608)を、エタノール(821μL)及び水(410μL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を80℃に加熱し、2時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈した。反応混合物を、ガラス繊維紙を通して濾過した。粗物質を分取HPLCにより精製して、凍結乾燥させた白色の固体の1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸アミド(11mg、66%、[M+H]+ 436)を得た。
実施例41
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(935mg、10.0mmol、当量:1.00)を、乾燥DMSO 15mLに溶解し、カリウムtert−ブトキシド(1.19g、10.0mmol、当量:1.00)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(4.08g、20.1mmol、当量:2)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次に酢酸エチル及び水で抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の20%〜40%EtOAc)により精製して、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.53g、55%)を得た。
工程2: 25mL容量の容器中、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(100mg、362μmol、当量:1.00)、6−tert−ブチル−8−フルオロフタラジン−1(2H)−オン(160mg、724μmol、当量:2)及びヨウ化銅(I)(138mg、724μmol、当量:2.00)を、DMSO(2.00mL)と合わせて、黄色の懸濁液を得た。重炭酸ナトリウム(76.1mg、906μmol、当量:2.5)をそれに加えた。混合物をマイクロ波中、120℃で1時間加熱した。反応混合物を飽和NH4Cl 25mLに注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。有機層を濃縮し、ヘキサン中の酢酸エチル(5%メタノール含有)を使用するISCO フラッシュカラムクロマトグラフィー(15分間で5%〜80%直線勾配、シリカゲル24g)により精製して、純粋な所望の生成物を得て、これをヘキサン中のエーテルでトリチュレートし、濾過して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(110mg、73%)を得た。
工程3: 実施例22のように、アルデヒドをアルコールに還元した。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(89mg、213μmol、当量:1.00)及びヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸−kP)(4.58mg、10.7μmol、当量:0.05)を、エタノール(1mL)及び水(1.00mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を85℃に加熱し、45分間撹拌した。混合物が室温になるにまかせ、溶媒を減圧下で除去した。逆相HPLCによる精製により、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(51mg、56%、[M+H]+ 436)を得た。
実施例42
7−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸アミド
工程1: 250mL容量の丸底フラスコ中、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(4.34g、36.4mmol、当量:1.00)及びN−ヨードスクシンイミド(8.61g、38.3mmol、当量:1.05)を、アセトニトリル(60mL)と合わせて、明褐色の懸濁液を得た。反応混合物を3時間撹拌した。反応混合物をH2O 100mLに注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をジエチルエーテル(2×25mL)でトリチュレートして、5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(7.58g、85%)を橙色の固体として得た。
工程2: 200mL容量の丸底フラスコ中、5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.5g、10.2mmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(1.14g、1.56mL、11.2mmol、当量:1.1)及びDMAP(74.8mg、612μmol、当量:0.06)を、CH2Cl2(50.0mL)と合わせて、橙色の懸濁液を得た。トシル−Cl(2.00g、10.5mmol、当量:1.03)を反応混合物に少しずつ加え、反応混合物をさらに3時間撹拌した。反応混合物をH2O 25mLに注ぎ、DCM(3×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、赤色の油状物2gmを得た。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ヘキサン中の25%〜70% EtOAc)により精製して、5−ヨード−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1g、24.6%)を黄色の固体として得た。
工程3: 20mL容量の丸底フラスコ中、5−ヨード−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3.32g、8.32mmol、当量:1.00)、シアン化銅(I)(2.98g、33.3mmol、当量:4)、Pd2(dba)3(305mg、333μmol、当量:0.04)及びDPPF(738mg、1.33mmol、当量:0.16)を、ジオキサン(48.1mL)と合わせて、黄色の懸濁液を得た。反応物をアルゴンでパージし、混合物を80℃に加熱し、4時間撹拌した。4時間時点でのLCMSは、反応が完了したことを示した。粗反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質をエタノール(2×15mL)でトリチュレートして、オフイエローの固体1gを得た。
工程4: 15mL容量の丸底フラスコ中、7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(1g、3.35mmol、当量:1.00)及びTBAF(13.4mL、13.4mmol、当量:4.00)を、テトラヒドロフランと合わせて、オフホワイトの溶液を得た。反応混合物を3時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をジエチルエーテル(1×20mL)でトリチュレートして、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(312mg、65%)を得た。
工程5: 25mL容量の丸底フラスコ中、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(40.9mg、284μmol、当量:1.00)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(100mg、284μmol、当量:1.00)、酢酸銅(34.8mg)及びピリジン(44.9mg、45.9μL、568μmol、当量:2)を、ジクロロエタンと合わせて、暗青色の懸濁液を得た。反応混合物を窒素でフラッシュした。反応混合物を80℃に加熱し、16時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。混合物を、ヘキサン中の30〜50%EtOAcを使用するフラッシュカラムにより分離して、7−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(42mg、31%)を凍結乾燥した白色の粉末として得た。
工程6: 10mL容量の丸底フラスコ中、7−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(39mg、83.2μmol、当量:1.00)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(1mg、2.33μmol、当量:0.0280)を、エタノール(2mL)及び水(1mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を80℃に加熱し、2時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈した。反応混合物を、ガラス繊維紙を通して濾過した。HPLC精製を行って、7−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸アミド(33mg、66%、[M+H]+ 487)を得た。
実施例43
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(250mg、1.27mmol、当量:1.00)、TIPS−OTf(972mg、860μL、3.17mmol、当量:2.5)及びDIEA(492mg、665μL、3.81mmol、当量:3)を、ジオキサン(6.25mL)と合わせて、明褐色の溶液を得た。反応混合物を55℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc 20mLに注ぎ、飽和NaHCO3(3×10mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ヘキサン中の5%〜10% EtOAc)により精製して、無色の油状物の6−ブロモ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(380mg、85%)を得た。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(520mg、1.47mmol、当量:1.00)、酢酸パラジウム(II)(165mg、736μmol、当量:0.5)及びトリ−tert−ブチルホスフィン(149mg、182μL、736μmol、当量:0.5)を、トルエンと合わせて、黄色の溶液を得た。1−メチルピペラジン(442mg、491μL、4.41mmol、当量:3)及びナトリウムtert−ブトキシド(424mg、4.41mmol、当量:3)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc 20mLに注ぎ、飽和NaCl(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中の2%〜5% MeOH)により精製して、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(326mg、60%)を黄色の油状物として得て、それを静置して凝固させた。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(320mg、859μmol、当量:1.00)を、DMF(11.8mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を−20℃に冷却し、5分間撹拌した。アセトニトリル(11.8mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(365mg、224μL、2.58mmol、当量:3)を滴下し、得られた冷却した反応物を−20℃で撹拌し、そして3時間撹拌した。反応混合物をEtOAc 25mLに注ぎ、飽和NaCl(3×20mL)で抽出した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中の5%〜10% MeOH)により精製して、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(113mg、55%)を得た。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン3−カルボニトリル(110mg、456μmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(177mg、501μmol、当量:1.10)及び酢酸銅(112mg)を、1,2−ジクロロエタン(3.03mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(72.1mg、73.7μL、912μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物をEtOAc 20mLに注ぎ、飽和NH4Cl(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10% MeOH)により精製して、オフホワイトの固体の1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(43mg、17%)を得た。
工程5: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(43mg、76.0μmol)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(2.00mg、4.66μmol、当量:0.0613)を、エタノール(1.00mL)及び水(1.00mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮した。混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(35mg、97%、[M+H]+ 584)を得た。
実施例44
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−モルホリン−4−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(800mg、2.26mmol、当量:1.00)、酢酸パラジウム(II)(254mg、1.13mmol、当量:0.5)及びトリ−tert−ブチルホスフィン(229mg、279μL、1.13mmol、当量:0.5)を、トルエンと合わせて、黄色の溶液を得た。モルホリン(789mg、789μL、9.06mmol、当量:4)及びナトリウムtert−ブトキシド(653mg、6.79mmol、当量:3)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ヘキサン中の10%〜15%EtOAc)により精製して、4−(1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)モルホリン(703mg、86%)を明褐色の油状物として得た。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、4−(1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)モルホリン(803mg、2.23mmol)を、DMF(1.00mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を−20℃に冷却し、5分間撹拌した。アセトニトリル(1mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(474mg、291μL、3.35mmol、当量:1.5)を滴下し、得られた冷却した反応物を−20℃で撹拌し、そして3時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl(25mL)に注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、油状物390mgを得た。25mL容量の丸底フラスコ中、粗シアノ化合物及びTBAF(1.02mL、1.02mmol、当量:1)を、THF(2.00mL)と合わせて、白色の懸濁液を得た。反応混合物を1時間撹拌した。t=1時間の時点でLC−MSは、反応が完了したことを示した。反応混合物をDCM 20mLに注ぎ、飽和NaHCO3(2×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、ヘキサン中の50%EtOAc)により精製して、6−モルホリノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(180mg、35%)を白色の固体として得た。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−モルホリノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(65mg、285μmol、当量:1.00)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(150mg、427μmol、当量:1.5)及び酢酸銅(69.8mg)を、1,2−ジクロロエタン(3mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(45.1mg、46.1μL、570μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10%MeOH、次にシリカゲル、12g、ヘキサン中の30%〜45%EtOAc)により精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−モルホリノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(157mg、50%)を無色の油状物として得て、これを乾燥させた時、発泡した。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−モルホリノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(75mg、136μmol、当量:1.00)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(2mg、4.66μmol、当量:0.0343)を、エタノール(1mL)及び水(1.00mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−モルホリン−4−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(70mg、90%、[M+H]+ 571)を得た。
実施例45
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 100mL容量の丸底フラスコ中、1−アセチル−6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(250mg、947μmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(575mg、792μL、5.68mmol、当量:6)及びX−PHOS(181mg、379μmol、当量:0.40)を、ジオキサン(25mL)と合わせて、無色の溶液を得た。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(173mg、237μmol、当量:0.25)及び2−エトキシ−5−ピリジンボロン酸(205mg、1.23mmol、当量:1.3)を加え、得られた混合物を窒素下、5分間脱気した。反応混合物を100℃に加熱し、一晩撹拌した。反応混合物をH2O 50mLに注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の20%〜30%EtOAc)により精製して、6−(6−エトキシピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(167mg、67%)を得た。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(6−エトキシピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(110mg、416μmol、当量:1.00)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(161mg、458μmol、当量:1.10)及び酢酸銅(102mg)を、1,2−ジクロロエタン(3mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(65.8mg、67.3μL、832μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10%MeOH)により、次にSFCにより精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(6−エトキシピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(36mg、15%)を得た。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(6−エトキシピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(36mg、61.2μmol)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(263μg、0.612μmol、当量:0.01)を、エタノール(480μL)及び水(480μL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮した。混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(31mg、84%、[M+H]+ 607)を得た。
実施例46
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−フルオロ−フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 100mL容量の丸底フラスコ中、1−アセチル−6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(250mg、947μmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(575mg、792μL、5.68mmol、当量:6)及びX−PHOS(181mg、379μmol、当量:0.40)を、ジオキサン(25.0mL)と合わせて、無色の溶液を得た。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(173mg、237μmol、当量:0.25)及び2−フルオロフェニルボロン酸(265mg、1.89mmol)を加え、得られた混合物を窒素下、5分間脱気した。反応混合物を100℃に加熱し、1時間マイクロ波にかけた。反応混合物をEtOAc 50mLに注ぎ、H2Oで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の20%〜30%EtOAc)により精製して、6−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(220mg、98%)を得た。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(200mg、843μmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(297mg、843μmol、当量:1.00)及び酢酸銅(207mg)を、1,2−ジクロロエタン(10mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(133mg、136μL、1.69mmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の50%〜60%EtOAc)により、次にSFCにより精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(163mg、13%)を得た。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(65mg、116μmol)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(497μg、1.16μmol、当量:0.01)を、エタノール(853μL)及び水(853μL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次にアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−フルオロ−フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(61mg、91%、[M+H]+ 580)を得た。
実施例47
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−クロロ−フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 100mL容量の丸底フラスコ中、1−アセチル−6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(250mg、947μmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(575mg、792μL、5.68mmol、当量:6)及びX−PHOS(181mg、379μmol、当量:0.40)を、ジオキサン(25.0mL)と合わせて、無色の溶液を得た。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(173mg、237μmol、当量:0.25)及び2−クロロフェニルボロン酸(296mg、1.89mmol)を加え、得られた混合物を、窒素下、5分間脱気した。反応混合物を100℃に加熱し、一晩撹拌した。反応混合物をH2O 50mLに注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の20%〜30%EtOAc)により精製して、6−(2−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(142mg、59%)を得た。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(2−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(125mg、493μmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(174mg、493μmol、当量:1.00)及び酢酸銅(121mg)を、1,2−ジクロロエタン(6.25mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(78.0mg、79.7μL、985μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10%MeOH)により、次にSFCにより精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(2−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(4.5mg、2%)を得た。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(2−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(4mg、6.92μmol)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(29.7μg、0.0692μmol、当量:0.01)を、エタノール(853μL)及び水(853μL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し1時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−クロロ−フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(3.9mg、95%、[M+H]+ 596)を得た。
実施例48
6−ブロモ−1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(75.0mg、338μmol、当量:1.19)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(100mg、284μmol、当量:1.00)及び酢酸銅(52.2mg)を、1,2−ジクロロエタン(3.00mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(44.9mg、45.9μL、568μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の25%〜45%EtOAc)により精製して、6−ブロモ−1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(16mg、10.3%)を得た。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(14mg、25.6μmol)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(110μg、0.256μmol、当量:0.01)を、エタノール(2.99mL)及び水(2.99mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮した。HPLCによる精製により、6−ブロモ−1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(11mg、77%、[M+H]+ 565)を得た。
実施例49
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,2−ジヒドロキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−アセチル−6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(372mg、1.41mmol、当量:1.00)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(5mg、22.7μmol、当量:0.0161)及びトリブチル(ビニル)スズ(536mg、494μL、1.69mmol、当量:1.20)を、トルエン(8mL)と合わせて、明黄色の溶液を得た。窒素をその中に5分間泡立て入れながら混合物を脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(130mg、113μmol、当量:0.08)を加えた。反応物を再び窒素で脱気し、反応混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。混合物を飽和NaHCO3 15mLに注ぎ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の10%〜20%EtOAc)により精製して2つの生成物を得た:1−アセチル−6−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(160mg)、及び6−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(138mg)。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(138mg、816μmol、当量:1.00)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(287mg、816μmol、当量:1.00)及び酢酸銅(200mg)を、1,2−ジクロロエタン(3.58mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(129mg、132μL、1.63mmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、飽和EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10% MeOH)により、次にHPLCにより精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(51mg、13%)を得た。
工程3: 10mL容量のナシ型フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(50mg、101μmol、当量:1.00)、4−メチルモルホリン N−オキシド(17.8mg、152μmol、当量:1.50)及び四酸化オスミウム(41.2mg、50.9μL、4.05μmol、当量:0.04)を、アセトン(2mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を2日間撹拌した。反応物を亜硫酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、蒸発させた。さらなる4−メチルモルホリン N−オキシド(17.8mg、152μmol、当量:1.50)、四酸化オスミウム(41.2mg、50.9μL、4.05μmol、当量:0.04)及びアセトン(3mL)を加えて、褐色の溶液を得て、反応を1日間続けた。反応物を亜硫酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、蒸発させた。粗1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(15mg)を、次の工程で使用した。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(14mg、26.5μmol、当量:1.00)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(373μg、0.870μmol、当量:0.0328)を、エタノール(200μL)及び水(200μL)と合わせて、無色の溶液とした。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮した。混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,2−ジヒドロキシ−エチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(11.2mg、77%、[M+H]+ 546)を得た。
実施例50
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(420mg、1.19mmol、当量:1.00)及びチオモルホリン1,1−ジオキシド(482mg、3.57mmol)を、トルエン(3mL)と合わせて、黄色の溶液を得た。ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(60.7mg、119μmol)及びナトリウムtert−ブトキシド(400mg、4.16mmol、当量:3.5)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘキサン中の20%〜40%EtOAc)により精製して、6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−トリイソプロピルシラニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(327mg、68%)を黄色の油状物として得て、これを静置してオフホワイトの固体として凝固させた。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−トリイソプロピルシラニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(322mg、790μmol、当量:1.00)を、DMF(11.9mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を−20℃に冷却し、5分間撹拌した。アセトニトリル(11.9mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(335mg、206μL、2.37mmol、当量:3)を滴下し、得られた冷却した反応物を−20℃で撹拌し、3時間撹拌した。反応混合物をEtOAc 25mLに注ぎ、飽和NaCl(3×20mL)で洗浄した。蒸発の後、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中の5%〜10%MeOH)により精製して、6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(122mg、56%)を得た。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(122mg、442μmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(155mg、442μmol、当量:1.00)及び酢酸銅(108mg)を、1,2−ジクロロエタン(3.89mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(69.8mg、71.4μL、883μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10%MeOH)により、次にHPLCにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(22mg、8%)を得た。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(22mg、36.6μmol)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(1.1mg、2.56μmol、当量:0.07)を、エタノール(200μL)及び水(200μL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮して、次にアセトニトリル及び水で希釈し、濾過し、HPLCにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(15.5mg、68%、[M+H]+ 619)を得た。
実施例51
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド
工程1: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−ブロモ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(713mg、2.02mmol、当量:1.00)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(1.07g、1.32mL、12.1mmol、当量:6)及びビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(206mg、404μmol、当量:0.2)を、トルエン(2mL)と合わせて、黄色の溶液を得た。ナトリウムtert−ブトキシド(582mg、6.05mmol、当量:3)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌し、次に飽和NaCl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中の2%〜5%MeOH)により精製して、N1,N1−ジメチル−N2−(1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)エタン−1,2−ジアミン(405mg、56%)を黄色の油状物として得て、それを静置して凝固させた。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、N1,N1−ジメチル−N2−(1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−6−イル)エタン−1,2−ジアミン(405mg、1.12mmol)を、DMF(14.9mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を−20℃に冷却し、5分間撹拌した。アセトニトリル(14.9mL)中のイソシアン酸クロロスルホニル(477mg、293μL、3.37mmol、当量:3)を滴下し、得られた冷却した反応物を−20℃で撹拌し、3時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl 25mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。蒸発の後、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中の5%〜10%MeOH)により精製して、6−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(211mg、82%)を得た。
工程3: 25mL容量の丸底フラスコ中、6−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(211mg、920μmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(324mg、920μmol、当量:1.00)及び酢酸銅(226mg)を、1,2−ジクロロエタン(6.73mL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(146mg、149μL、1.84mmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl 20mLに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中の5%〜10%MeOH)により、次にHPLCにより精製して、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(18mg、3.5%)を得た。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(19mg、34.3μmol、当量:1.00)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(1.47mg、3.43μmol、当量:0.1)を、エタノール(271μL)及び水(271μL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮し、次にアセトニトリル及び水で希釈し、濾過した。得られた濾液を凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(14.2mg、71%、[M+H]+ 572)を得た。
工程1: 10mL容量のナシ型フラスコ中、6−ビニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(274mg、1.62mmol)、4−メチルモルホリン N−オキシド(17.8mg、152μmol、当量:1.50)及び四酸化オスミウム(3.29g、4.07mL、324μmol、当量:0.2)を、アセトン(3mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を室温で保持し、2日間撹拌した。反応物を亜硫酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、蒸発させた。さらなる4−メチルモルホリン N−オキシド(17.8mg、152μmol、当量:1.50)及び四酸化オスミウム(41.2mg、50.9μL、4.05μmol、当量:0.04)及びアセトン(3mL)を加えて、褐色の溶液を得て、反応を1日間続けた。反応物を亜硫酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、蒸発させた。粗6−ホルミル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリルを次の工程で使用した。
工程2及び3: 標準的還元的アミノ化条件に従った後、6−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(18mg、89.9μmol)、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−4−イル)フタラジン−1(2H)−オン(38.0mg、108μmol、当量:1.20)及び酢酸銅(22.0mg)を、1,2−ジクロロエタン(574μL)と合わせて、青色の懸濁液を得た。ピリジン(14.2mg、14.5μL、180μmol、当量:2)を加えた。反応混合物を45℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物をEtOAc 20mLに注ぎ、飽和NH4Cl(3×20mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(8mg)は精製しなかったが、次の工程で使用した。
工程4: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル(8mg、15.3μmol、当量:1.00)及び[水素ビス(ジメチルホスフィニト−kP)]白金(II)(655μg、1.53μmol、当量:0.1)を、エタノール(1mL)及び水(1mL)と合わせて、無色の溶液として得た。反応混合物を45℃に加熱し、1時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物のLCMSは、所望の生成物を示した。反応混合物をアセトニトリル及び水で希釈し、濾過し、HPLC精製に付し、続いて凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−6−ジメチルアミノメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸アミド(2.5mg、30%、[M+H]+ 543)を得た。
実施例53
3−(4−アセチル−フェニルアミノ)−1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル
工程1: 乾燥アセトニトリル(10mL)及び乾燥テトラヒドロフラン(30mL)の溶液に、5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.0g、9.25mmol)を、続いてトリエチルアミン(1.08mL、1.74mmol)を加えた。得られた懸濁液を室温で5分間撹拌し、次に0℃に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の(ブロモメタントリイル)トリベンゼン(1.89g、5.84mmol)の溶液を、窒素入口を備えた添加漏斗を介して、温度が5℃を超えない速度で滴下した。次に添加漏斗を乾燥テトラヒドロフラン(5mL)で洗浄し、反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次に室温に温まるにまかせて、2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残留物をEtOAc(150mL)に溶解し、そして水(100mL)で1回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、Na2SO4で乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、塩化メチレンを使用するカートリッジ式シリカゲル80gに適用し、カラムを10〜30%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶離した。生成物を含有する画分を合わせて、3−(トリチル−アミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.3g、41%)をオフホワイトの準−結晶質固体として得た。
工程2: 脱気したDMF(1.5mL)に、5−(トリチルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.36g、3.89mmol)、2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)ベンズアルデヒド(1.0g、2.6mmol)、ヨウ化銅(I)(494mg、2.6mmol)及び炭酸カリウム(717mg、5.19mmol)を加えた。真空と窒素パージを交互に行い反応物を5回不活性化し、次に100℃(外部温度)に8時間加熱した。次の朝、TLCは、微量の出発物質を示した。反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、珪藻土のパッドを通した。パッドをさらなるEtOAc(50mL)で濯ぎ、減圧下で濃縮した。粗物質をシリカカラムに吸着させ、カートリッジ式シリカゲル40g(20〜40%EtOAc/ヘキサン、5分間の均一濃度保持、次に20分間かけて40〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−(トリチル−アミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(632mg、37%)を得た。
工程3: 塩化メチレン(20mL)及びメタノール(10mL)中の1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ホルミル−フェニル]−3−(トリチル−アミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(632mg、0.965mmol)の溶液に、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(37mg、0.965mmol)を加えた。得られた濁った反応混合物を0℃で5分間撹拌し、次に室温で10分間撹拌した。次にTLCにより反応が完了したことを判断した。揮発物を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルに吸着させ、カートリッジ式シリカゲル40g(20〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)により精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(トリチル−アミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(482mg、76%)を得た。
工程4: 1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(トリチルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(382mg、0.582mmol)を、Et2O(30mL)に溶解し、0℃に冷却した。MeOH(2mL)を、続いて飽和エーテル性HCl(2mL、HClガスをエーテル100mL中に泡立て入れることにより調製した)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、TLCにより反応が完了したことを判断した。揮発物を減圧下で除去し、残留物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)とEtOAc(100mL)とに分配し、激しく撹拌した。水層を分離し、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。油状残留物をシリカゲルに吸着させ、粗生成物を、カートリッジ式シリカゲル25g(20〜70%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)により精製して、3−アミノ−1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(178mg、74%)を白色の粉状固体として得た。
工程5: 5mL容量のマイクロ波用反応バイアルに、3−アミノ−1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(50mg、0.121mmol)、1−(4−ブロモフェニル)エタノン(29mg、0.145mmol)、Pd2(dba)3(7.7mg、0.008mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(Brett-Phos)(9.1mg、0.017mmol)、炭酸セシウム(59mg、0.181mmol)を入れ、t−ブタノール(1.5mL)に懸濁した。真空とArパージを交互に行うことにより反応容器を3回不活性化し、次に室温で5分間撹拌して、不均質な混合物を得て、これが紫色を帯びた赤色から赤色を帯びた橙色に色が変わった。反応物を100℃(外部温度)に加熱し、その間に、約2分間の加熱の後に反応混合物の色が橙色に変化した。1.5時間後、TLCにより反応が完了したことを判断した。混合物をEtOAcで希釈し、珪藻土のパッドを通して濾過し、シリカゲルに吸着させた。粗生成物を、カートリッジ式シリカゲル12g(30%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)を使用するシリカゲルにより精製して、3−(4−アセチル−フェニルアミノ)−1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(40mg、62%)を白色の粉末として得た。
工程6: 実施例22工程4と同じ手順に従った。そのようにして、3−(4−アセチル−フェニルアミノ)−1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(114mg、0.214mmol)から、粗カルボキサミドを得て、これをRediSepカートリッジ式シリカゲル12g(30%〜100%(20%MeOH/EtOAc)/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)を使用するシリカゲルにより精製して、3−(4−アセチル−フェニルアミノ)−1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(99mg、84%、[M+H]+ 551)をオフホワイトの粉末として得た。
実施例54
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 5mL容量のマイクロ波用反応バイアルに、3−アミノ−1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(25mg、0.060mmol)、2−ブロモピリジン(11mg、0.072mmol)、Pd2(dba)3(3.9mg、0.004mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(Brett-Phos)(4.5mg、0.008mmol)、炭酸セシウム(29.5mg、0.091mmol)を入れ、t−ブタノール(0.609mL)に懸濁した。真空とArパージを交互に行うことにより反応容器を3回不活性化し、次に室温で5分間撹拌して、不均質な混合物を得て、これが紫色を帯びた赤色から赤色を帯びた橙色に色が変わった。反応物を100℃(外部温度)に加熱し、その間に、約2分間の加熱の後に反応混合物の色が橙色に変化した。2時間後、TLCにより反応が完了したことを判断した。混合物をEtOAcで希釈し、珪藻土のパッドを通して濾過し、シリカゲルに吸着させた。粗生成物を、RediSepカートリッジ式シリカゲル12g(30%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)を使用するシリカゲルにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(15mg、51%)を白色の粉末として得た。
工程2: 実施例22工程4と同じ手順に従った。そのようにして、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(15mg、0.0305mmol)から、粗カルボキサミドを得て、これをRediSepカートリッジ式シリカゲル12g(30%〜100%(20%MeOH/EtOAc)/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)を使用するシリカゲルにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(10mg、67%、[M+H]+ 510)をオフホワイトの粉末として得たが、これは5〜10%のピリジンにより加水分解されたアミド副生成物を含有していた。
実施例55
1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−ジメチルアミノメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 5mL容量のマイクロ波用反応バイアルに、3−アミノ−1−(3−(6−tert−ブチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(25mg、0.06mmol)、1−(6−クロロピリジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(13mg、0.075mmol)、Pd2(dba)3(4mg、0.004mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(Brett-Phos)(4.5mg、0.008mmol)、炭酸セシウム(30mg、0.091mmol)を入れ、t−ブタノール(0.609mL)に懸濁した。真空とArパージを交互に行うことにより反応容器を3回不活性化し、次に室温で5分間撹拌して、不均質な混合物を得て、これが紫色を帯びた赤色から赤色を帯びた橙色に色が変わった。反応物を100℃(外部温度)に加熱し、その間に、約2分間の加熱の後に反応混合物の色が橙色に変化した。4時間後、TLCにより反応が完了したことを判断した。混合物をEtOAcで希釈し、珪藻土のパッドを通して濾過し、シリカゲルに吸着させた。粗生成物を、RediSepカートリッジ式シリカゲル12g(30%〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)を使用するシリカゲルにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−ジメチルアミノメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(18mg、54%)を白色の粉末として得た。
工程2: 実施例22工程4と同じ手順に従った。そのようにして、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−ジメチルアミノメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(18mg、0.0328mmol)から、粗カルボキサミドを得て、これをRediSepカートリッジ式シリカゲル12g(30%〜100%(20%MeOH/EtOAc)/ヘキサンの勾配を用いるカラムで溶離)を使用するシリカゲルにより精製して、1−[3−(6−tert−ブチル−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−2−ヒドロキシメチル−フェニル]−3−(5−ジメチルアミノメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(10mg、54%、[M+H]+ 567)をオフホワイトの粉末として得た。
実施例56
1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
工程1: 実施例21の例における工程2と同様の方法で、1−(3−ブロモ−2−ホルミルフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(100mg、362μmol、上記実施例41で得た)を、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(88mg、63%)に変換した。
工程2: 25mL容量の丸底フラスコ中、1−(3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(87mg、225μmol、当量:1.00)及びヒドリド(ジメチルイル亜ホスフィン酸−kP)(4.82mg、11.2μmol、当量:0.05)を、エタノール(1mL)及び水(1.00mL)と合わせて、無色の溶液を得た。反応混合物を85℃に加熱し、45分間撹拌した。必要な反応時間(変換はLCMS及びTLCによりチェックした)の後、反応物が室温になるにまかせ、溶媒を減圧下で除去した。次に混合物を、HPLCテフロンフィルターを通して濾過し、逆相HPLCに通し、一晩凍結乾燥させて、1−[3−(6−tert−ブチル−8−フルオロ−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル)−フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(49mg、54%、[M+H]+ 406)を得た。
生物学的実施例
ブルトンチロシンキナーゼ(Btk)阻害アッセイ
本アッセイは、濾過による放射性33Pリン酸化生成物の捕捉である。Btk、ビオチン化SH2ペプチド基質(Src相同)、及びATPの相互作用により、ペプチド基質のリン酸化がもたらされる。ビオチン化生成物は、結合ストレプトアビジンセファロースビーズである。全ての結合放射性標識化生成物を、シンチレーションカウンターにより検出する。
アッセイしたプレートは、96ウェルポリプロピレン(Greiner)及び96ウェル1.2μm親水性PVDFフィルタープレート(Millipore)である。ここで報告される濃度は最終アッセイ濃度である:10〜100μMの、DMSO中の化合物(Burdick and Jackson)、5〜10nM Btk酵素(Hisでタグ付け、完全長)、30μMペプチド基質(ビオチン−Aca−AAAEEIYGEI−NH2)、100μM ATP(Sigma)、8mMイミダゾール(Sigma、pH7.2)、8mMグリセリン−2−ホスファート(Sigma)、200μM EGTA(Roche Diagnostics)、1mM MnCl2(Sigma)、20mM MgCl2(Sigma)、0.1mg/mL BSA(Sigma)、2mM DTT(Sigma)、1μCi33P ATP(Amersham)、20%ストレプトアビジンセファロースビーズ(Amersham)、50mM EDTA(Gibco)、2M NaCl(Gibco)、2M NaCl w/1%リン酸(Gibco)、microscint-20(Perkin Elmer)。
IC50の決定は、標準的な96ウェルプレートアッセイテンプレートから生成されるデータを利用して、1化合物当たり10個のデータ点から計算する。1個の対照化合物及び7個の未知の阻害剤を各プレート上で試験し、各プレートで2回行った。典型的には、化合物を、100μMから開始し、3nMで終了する半対数で希釈した。対照化合物はスタウロスポリンであった。ペプチド基質の不在下でバックグラウンドを計数した。ペプチド基質の存在下で総活性を決定した。以下のプロトコルを使用して、Btk阻害を決定した。
1) 試料調製:試験化合物を、アッセイ緩衝液(イミダゾール、グリセリン−2−ホスファート、EGTA、MnCl2、MgCl2、BSA)中、半対数の増分で希釈した。
2) ビーズ調製
a.)ビーズを500gで遠心分離することにより濯ぐ。
b.)PBS及びEDTAでビーズを再構成して、20%ビーズスラリーを生成する。
3) 基質を含まない反応ミックス(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、33P ATP)及び基質を含むミックス(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、33P ATP、ペプチド基質)を、30℃で15分間プレインキュベートする。
4) アッセイを開始するために、酵素緩衝液(イミダゾール、グリセリン−2−ホスファート、BSA)中のBtk 10μL及び試験化合物10μLを、室温で10分間プレインキュベートする。
5) 基質を含まないか又は含む反応混合物30μLを、Btk及び化合物に加える。
6) 総アッセイミックス50μLを30℃で30分間インキュベートする。
7) アッセイ40μLをフィルタープレート中のビーズスラリー150μLに移して、反応を停止させる。
8) 30分後、以下の工程で、フィルタープレートを洗浄する。
a. NaCl 3×250μL
b. 1%リン酸を含有するNaCl 3×250μL
c. H2O 1×250μL
9) プレートを65℃で1時間又は室温で一晩、乾燥させる。
10) microscint-20 50μLを加え、シンチレーションカウンターで33P cpmを計数する。
cpmの生データから活性パーセントを計算する。
活性パーセント=(試料−bkg)/(総活性−bkg)×100
一部位用量反応シグモイドモデルを使用して、活性パーセントからIC50を計算する。
y=A+((B−A)/(1+((x/C)D))))
x=化合物濃度、y=活性パーセント、A=最小、B=最大、C=IC50、D=1(ヒルの傾き)
CD69発現により測定される全血中のB細胞活性化の阻害
ヒト血液中のB細胞のB細胞受容体媒介活性化を抑制するBtk阻害剤の能力を試験する手順は以下のとおりである:
ヒト全血(HWB)を、健康な志願者から、以下の制限(24時間薬物を摂取しない非喫煙者)で得る。血液を、静脈穿刺により、ヘパリンナトリウムで抗凝固処理したバキュテナー管に回収する。試験化合物を、PBS中の所望の開始薬物濃度の10倍に希釈し(20×)、続いてPBS中の10% DMSO中で3倍連続希釈を行って、9点用量反応曲線を生成する。各化合物の希釈物5.5μLを2mLの96ウェルV底プレート(Analytical Sales and Services, #59623-23)に二重に加え;PBS中の10% DMSO 5.5μLを、対照物及び非刺激ウェルに加える。HWB(100μL)を各ウェルに加え、混合の後、プレートを37℃、5% CO2、100%湿度で30分間インキュベートする。ヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(Southern Biotech, #2022-14)(500μg/mL溶液の10μL、最終濃度50μg/mL)を、混合しながら、各ウェルに加え(非刺激ウェルを除く)、プレートを更に20時間インキュベートする。
20時間のインキュベーションの終わりに、試料を、蛍光プローブ標識抗体(PEマウス抗ヒトCD20 15μL、BD Pharmingen, #555623、及び/又はAPCマウス抗ヒトCD69 20μL、BD Pharmingen #555533)を用い、37℃、5% CO2、100%湿度で30分間インキュベートする。誘発制御、補償調節のための未染色かつ単一のステイン、及び初期電圧設定が含まれている。次に、試料を、1×Pharmingen溶解緩衝液1mL(BD Pharmingen # 555899)で溶解し、プレートを1800rpmで5分間遠心分離する。上澄みを吸引により除去し、残留ペレットを、さらなる1×Pharmingen溶解緩衝液1mLで再び溶解し、プレートを前述のとおり沈降させる。上澄みを吸い出し、残留ペレットをFACs緩衝液(PBS+1% FBS)中で洗浄する。最後の沈降の後、上澄みを除去し、ペレットをFACs緩衝液180μLに再懸濁する。試料を、BD LSR IIフローサイトメーターのHTS96ウェルシステム上で作動させるのに適した96ウェルプレートに移す。
使用する蛍光体に適切な励起及び発光波長を使用して、データを取得し、Cell Questソフトウェアを使用して陽性細胞値(%)を得る。結果を最初にFACS分析ソフトウェア(Flow Jo)により分析する。試験化合物のIC50は、抗IgMによる刺激の後、CD20−陽性でもあるCD69−陽性細胞の割合の50%減少する濃度(非刺激バックグラウンドについて8つのウェルを減算した後の8つの対照ウェルの平均)として定義される。IC50値を、XLfit software version 3, equation 201を使用して計算する。
このアッセイについての代表的な化合物データを、下記の表IIに列挙する。
本発明の化合物によるB細胞活性化の阻害を、抗IgM刺激B細胞応答に及ぼす試験化合物の作用を測定することにより立証する。
B細胞FLIPRアッセイは、抗IgM抗体による刺激からの細胞内カルシウム上昇の阻害剤候補の作用を測定する、細胞に基づく機能的方法である。Ramos(ラモス)細胞(ヒトBurkittリンパ腫細胞株。ATCC番号:CRL-1596)を増殖培地(後述)で培養した。アッセイの1日前に、Ramos細胞を新鮮増殖培地(上記と同じ)に再懸濁して、組織培養フラスコ中で0.5×106/mLの濃度に設定した。アッセイ当日、細胞を計数し、そして組織培養フラスコ中で、1μM FLUO-3AM(TefLabs Cat-No. 0116、無水DMSO及び10%プルロニック酸中で調製)を補足した増殖培地中で、1×106/mLの濃度に設定して、37℃(4% CO2)で1時間インキュベートした。細胞外色素を除去するために、遠心分離(5分、1000rpm)により細胞を回収し、FLIPR緩衝液(後述)に1×106細胞/mLで再懸濁し、次に96ウェルのポリ−D−リシン被覆した黒色/透明プレート(BD Cat-No. 356692)中にウェル当たり1×105細胞で分注した。試験化合物を100μM〜0.03μMの範囲の種々の濃度(7濃度、詳細は後述)で加え、細胞と共に室温で30分間インキュベートさせた。Ramos細胞のCa2+シグナル伝達を、10μg/mL抗IgM(Southern Biotech、Cat-No. 2020-01)の添加により刺激し、FLIPR(Molecular Devices、480nm励起のアルゴンレーザーを有するCCDカメラを使用して96ウェルプレートの画像を捕捉)で測定した。
培地/緩衝液:
増殖培地: L−グルタミン(Invitrogen、Cat-No. 61870-010)、10%ウシ胎仔血清(FBS、Summit Biotechnology、Cat-No. FP-100-05);1mMピルビン酸ナトリウム(Invitrogen、Cat. No. 11360-070)を含む、RPMI 1640培地。
FLIPR緩衝液: HBSS(Invitrogen、Cat-No. 141175-079)、2mM CaCl2(Sigma、Cat-No. C-4901)、HEPES(Invitrogen、Cat-No. 15630-080)、2.5mM プロベネシド(Sigma、Cat-No. P-8761)、0.1% BSA(Sigma、Cat-No. A-7906)、11mMブドウ糖(Sigma、Cat-No. G-7528)。
化合物希釈の詳細:
100μMの最も高い最終アッセイ濃度を達成するために、10mM 化合物原液(DMSO中に調製)24μLをFLIPR緩衝液576μLに直接加える。試験化合物を、FLIPR緩衝液に希釈(Biomek 2000ロボット分注器を使用)することにより、以下の希釈スキームを得る:溶剤、1.00×10−4M、1.00×10−5、3.16×10−6、1.00×10−6、3.16×10−7、1.00×10−7、3.16×10−8。
アッセイ及び分析:
カルシウムの細胞内上昇は、最大−最小統計量(Molecular DevicesのFLIPR対照及び統計値エクスポートソフトウェアを使用して、刺激性抗体の添加に起因するピーク値から休止基線値を減算する)を使用して報告した。IC50を非線形曲線当て嵌め(GraphPad Prism software)を使用して決定した。
マウスのコラーゲン誘発関節炎(mCIA)
0日目に、マウスに、完全(Complete)フロイント(Freund)アジュバント(adjuvant)(CFA)中のII型コラーゲンの乳濁液を、尾の基部又は背中の幾つかの位置に皮内(i.d.)注射する。コラーゲン免疫後、およそ21〜35日で、マウスは関節炎を発症する。関節炎の発症は、21日目に不完全(Incomplete)フロイント(Freund)アジュバント(adjuvant)(IFA;i.d.)中のコラーゲンを全身投与して同期(追加免疫)する。追加免疫に対するシグナルである軽度関節炎(スコア1又は2;後述のスコアの説明を参照のこと)の発症について、20日後から毎日マウスを調べる。追加免疫後に、マウスのスコアをつけ、所定の時間(典型的には2〜3週間)及び投与頻度(毎日(QD)又は1日2回(BID))で、候補治療薬を投与する。
ラットのコラーゲン誘発関節炎(rCIA)
0日目に、ラットに、不完全フロイントアジュバント(IFA)中のウシII型コラーゲンの乳濁液を、背中の幾つかの位置に皮内(i.d.)注射する。7日目頃にコラーゲン乳濁液の追加免疫注射(i.d.)を、尾の基部又は背中の別の部位に行う。関節炎は一般に、最初のコラーゲン注射の12〜14日後に観察される。14日目以降は、後述(関節炎の評価)のように関節炎の進行について、ラットを評価することができる。2回目の抗原刺激の時点から開始し、そして所定の時間(典型的には2〜3週間)及び投与頻度(毎日(QD)又は1日2回(BID))で、候補治療薬をラットに予防的に投与する。
関節炎の評価:
両方のモデルで、以下に記載の基準による4つの足の評価を伴うスコアリングシステムを用いて足及び肢関節の炎症の進行を定量する:
スコア: 1=足又は1つの指の腫脹及び/又は発赤。
2=2つ以上の関節の腫脹。
3=3つ以上の関節が関係する足の大きな腫脹。
4=足及び指全体の重篤な関節炎。
評価は、基線測定については0日目に行い、最初の徴候又は腫脹が現れたら1週間に最大3回再び開始して実験の最後まで行う。動物あたり最大スコア16を与える、個々の足の4つのスコアを足すことにより、各マウスの関節炎指標を得る。
ラットのインビボ喘息モデル
オスのBrown-Norwayラットに、ミョウバン0.2mL中のOA(オボアルブミン)100μgを、週に1回で3週間(0、7、14日目)腹腔内(i.p.)投与して感作させる。21日目(最後の感作の1週間後)に、ラットにOAエーロゾルで抗原刺激(1%OAを45分間)する0.5時間前に、溶剤又は化合物処方のいずれかを毎日(q.d.)皮下投与し、抗原刺激の4又は24時間後に止める。殺処分時に、血清試験及びPKのために、全てのラットからそれぞれ血清及び血漿を採取する。気管カニューレを挿入し、PBSで3回肺を洗浄する。BAL液を、総白血球数及び白血球分画について分析する。細胞のアリコート(20〜100μL)中の総白血球数は、コールターカウンター(Coulter Counter)で測定する。白血球分画については、50〜200μLの試料をサイトスピン(Cytospin)で遠心分離して、スライドをDiff-Quikで染色する。光学顕微鏡下で標準形態学的基準を使用して、単球、好酸球、好中球、及びリンパ球の比率を計数し、パーセントとして表す。Btkの代表的阻害剤は、対照レベルと比較して、OA感作ラット及び抗原刺激ラットのBAL中の総白血球数の低下を示す。
前記の発明は、明瞭さ及び理解の目的のために、説明及び例として幾つかの詳細が記載されている。変更及び変形を添付の請求項の範囲内で実施してもよいことが、当業者には明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であり制限的ではないことを意図していることが理解される。したがって、本発明の範囲は、上記の記載に関して決定されるべきではなく、下記添付の特許請求項に関して、そのような特許請求が享受できる権利の同等物の包括的範囲と共に決定されるべきである。
本出願で引用された全ての特許、特許出願書及び出版物は、各個々の特許、特許出願書又は出版物が個々に示すのと同じ程度に、全ての目的についてその全体が参照により本明細書に組み込まれる。