JP2016510051A - ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤 - Google Patents

ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤 Download PDF

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Abstract

本願は、BTKを阻害する、一般式I(式中、全ての可変部は、本明細書に記載されるとおりに定義される)に係る化合物を開示する。本明細書に開示される化合物は、BTKの活性を調節し、そして、過剰のBTK活性に関係する疾患を処置するために有用である。該化合物は、更に、関節リウマチ等の異常なB細胞増殖に関係する炎症性疾患及び自己免疫疾患を処置するために有用である。また、式Iで表される化合物と、少なくとも1つの担体、希釈剤、又は賦形剤とを含有する組成物も開示する。

Description

本発明は、BTKを阻害し、そして、異常なB細胞の活性化によって引き起こされる自己免疫疾患及び炎症性疾患を処置するために有用な新規化合物の使用に関する。
プロテインキナーゼは、ヒト酵素の最大のファミリーの1つを構成し、そして、タンパク質にリン酸基を付加することによって多くの様々なシグナル伝達プロセスを制御する(非特許文献1)。具体的には、チロシンキナーゼは、チロシン残基のフェノール部分においてタンパク質をリン酸化する。チロシンキナーゼファミリーは、細胞の増殖、遊走、及び分化を制御するメンバーを含む。異常なキナーゼ活性は、癌、自己免疫疾患及び炎症性疾患を含む様々なヒトの疾患に関与しているとされている。プロテインキナーゼは、細胞のシグナル伝達の重要な制御因子であるので、低分子キナーゼ阻害剤で細胞機能を調節するための標的を提供し、したがって、優れた薬物設計標的をもたらす。キナーゼ媒介性疾患過程の処置に加えて、キナーゼ活性の選択的かつ有効な阻害剤は、細胞のシグナル伝達プロセスの研究及び治療対象となる他の細胞標的の同定にも有用である。
B細胞が自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の発病において重要な役割を果たしているという良好な証拠が存在する。リツキサン等のB細胞を枯渇させるタンパク質に基づく治療法は、関節リウマチ等の自己抗体駆動炎症性疾患に対して有効である(非特許文献2)。したがって、B細胞の活性化において役割を果たしているプロテインキナーゼの阻害剤は、自己抗体産生等のB細胞媒介疾患の病態の有用な治療法であるはずである。
B細胞受容体(BCR)を通じたシグナル伝達は、増殖及び成熟抗体産生細胞への分化を含む様々なB細胞応答を制御する。BCRは、B細胞活性にとって重要な制御点であり、そして、異常なシグナル伝達は、無秩序なB細胞増殖、並びに複数の自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患を導く病原性自己抗体の形成を引き起こし得る。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、膜近位の、そして、BCRの直下流の非BCR会合キナーゼである。BTKの欠損は、BCRシグナル伝達をブロックすることが示されており、したがって、BTKの阻害は、B細胞媒介疾患過程をブロックするために有用な治療アプローチであり得る。
BTKは、Tecファミリーのチロシンキナーゼのメンバーであり、早期のB細胞発生、並びに成熟B細胞の活性化及び生存の重要な制御因子であることが示されている(非特許文献3、非特許文献4)。ヒトにおけるBTKの成熟は、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)の状態を引き起こす(非特許文献5及び非特許文献6に概説)。これらの患者は、免疫無防備状態であり、そして、B細胞の成熟障害、免疫グロブリン及び末梢B細胞レベルの低下、T細胞非依存性免疫応答の減少、並びに、BCR刺激後のカルシウム動員の減弱を示す。
また、自己免疫疾患及び炎症性疾患におけるBTKの役割についての証拠は、BTK欠損マウスモデルによっても提供されている。全身性エリテマトーデス(SLE)の前臨床マウスモデルでは、BTK欠損マウスは、疾患の進行の著しい回復を示す。加えて、BTK欠損マウスは、コラーゲン誘導関節炎に対して耐性である(非特許文献7)。選択的BTK阻害剤は、マウス関節炎モデルにおいて用量依存性効果を示した(非特許文献8)。
また、BTKは、疾患過程に関与している可能性があるB細胞以外の細胞によっても発現される。例えば、BTKは、肥満細胞により発現され、そして、BTK欠損骨髄由来肥満細胞は、抗原誘導脱顆粒の障害を示す(非特許文献9)。これは、BTKが、アレルギー及び喘息等の病的肥満細胞応答の処置に有用であり得ることを示す。また、BTK活性がないXLA患者由来の単球は、刺激後のTNFアルファ産生の減少を示す(非特許文献10)。したがって、TNFアルファ媒介炎症は、低分子のBTK阻害剤によって調節され得るだろう。また、BTKは、アポトーシスにおいても役割を果たしていることが報告されており(非特許文献11)、したがって、BTK阻害剤は、特定のB細胞リンパ腫及び白血病の処置に有用だろう(非特許文献12)。
T. Hunter, Cell 1987 50:823-829 Rastetter et al. Annu Rev Med 2004 55:477 Khan et al. Immunity 1995 3:283 Ellmeier et al. J. Exp. Med. 2000 192:1611 Rosen et al. New Eng. J. Med. 1995 333:431 Lindvall et al. Immunol. Rev. 2005 203:200 Jansson and Holmdahl Clin. Exp. Immunol. 1993 94:459 Z. Pan et al., Chem. Med Chem. 2007 2:58-61 Iwaki et al. J. Biol. Chem. 2005 280:40261 Horwood et al. J Exp Med 197:1603, 2003 Islam and Smith Immunol. Rev. 2000 178:49 Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005 201:1837
本願は、本明細書において以下に記載するとおり、式Iで表されるBTK阻害剤化合物、その使用方法を提供する。
本願は、式I:
Figure 2016510051

(式中、
nは、1又は2であり;
は、−C(=O)R1’、−S(=O)1’、又は−OC(R1’CHOHであり;
1’は、メチル又はモルホリンであり;
は、H又はFであり;
は、クロロ又はC(CH3’であり;
3’は、メチル、シアノ、又はヒドロキシメチルであり;
Xは、CH、CH、又はNであり;
は、CH又はNであり;
は、CH又はNであり;
Yは、CH又はOであるが、
ただし、nが2であるとき、両Xは、CHである)
で表される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤と混合された、式Iで表される化合物を含む医薬組成物を提供する。
(発明の詳細な説明)
定義
語句「a」又は「an」実体とは、本明細書で使用されるとき、その実体の1つ以上を指し、例えば、「a」化合物とは、1つ以上の化合物又は少なくとも1つの化合物を指す。このように、用語「a」(又は「an」)、「1つ以上の」、及び「少なくとも1つの」は、本明細書において互換的に用いることができる。
語句「本明細書において上に定義したとおり」とは、発明の概要又は最も広い請求項に提供される、各基についての最も広い定義を指す。以下に提供される全ての他の実施形態では、各実施形態に存在し得、そして、明確に定義されていない置換基は、発明の概要に提供される最も広い定義を保有する。
本明細書で使用されるとき、特許請求の範囲の移行句にあろうと本体にあろうと、用語「含む」及び「含んでいる」は、オープンエンドな意味を有すると解釈されるべきである。すなわち、この用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも包含する」の同義語として解釈されるべきである。方法に関連して用いられるとき、用語「含む」とは、その方法が、列挙された工程を少なくとも包含するが、追加の工程を包含してもよいことを意味する。化合物又は組成物に関連して用いられるとき、用語「含む」とは、その化合物又は組成物が、列挙された特徴又は成分を少なくとも包含するが、追加の特徴又は成分を包含してもよいことを意味する。
本明細書で使用されるとき、特に明確に他のことを指定しない限り、単語「又は」は、「及び/又は」という「包含的な」意味で用いられ、「いずれか/又は」という「排他的な」意味では用いられない。
用語「独立して」とは、可変部が、同じ化合物内の同じ又は異なる定義を有する可変部の有無にかかわらず、任意の1つの事例において適用されることを示すために本明細書で用いられる。したがって、R’’が2回出現し、そして、「独立して炭素又は窒素である」と定義されている化合物では、両方のR’’が炭素であってもよく、両方のR’’が窒素であってもよく、又は一方のR’’が炭素であり、他方が窒素であってもよい。
本発明で使用されるか又は特許請求される化合物を描写及び説明する任意の部分又は式において任意の可変部が2回以上出現する場合、各出現時におけるその定義は、全ての他の出現時における定義とは無関係である。また、置換基及び/又は可変部の組み合わせは、このような化合物から安定な化合物が得られる場合にのみ許容可能である。
結合の末端における記号「」又は結合を貫いて引かれている「------」は、それぞれ、官能基又は他の化学部分が、該官能基又は他の化学部分がその一部である分子の残りに結合する点を指す。したがって、例えば:
Figure 2016510051

である。
(明確な頂点において接続されているのとは対照的に)環系の中に引かれている結合は、その結合が適切な環原子のいずれにも結合され得ることを示す。
用語「任意の」又は「場合により」とは、本明細書で使用されるとき、その後に記載する事象又は状況が生じる場合もあるが、必ずしもそうではないこと、そして、その記載が、事象又は状況が生じる場合及び生じない場合を含むことを意味する。例えば、「場合により置換される」とは、場合により置換される部分に水素原子又は置換基を組み込み得ることを意味する。
語句「任意結合」とは、結合が存在していても存在していなくてもよいこと、そして、その記載が、単結合、二重結合、又は三重結合を含むことを意味する。置換基が「結合」又は「存在しない」と記載されている場合、その置換基に連結されている原子は、直接接続される。
用語「約」は、およそ、ほぼ、大体、又は前後を意味するために本明細書で使用される。用語「約」が数値範囲と併用されている場合、記載されている数値の上限及び下限を広げることによって範囲を変化させる。一般的に、用語「約」は、指定の値の上下に20%数値を変化させるために本明細書で使用される。
式Iで表される特定の化合物は、互変異性を示し得る。互変異性化合物は、2つ以上の相互変換可能な種として存在し得る。プロトトロピック互変異性体は、2つの原子間の共有結合されている水素原子の移動によって生じる。互変異性体は、一般的に、平衡状態で存在し、そして、個々の互変異性体を単離しようとする試みは、通常、その化学的特性及び物理学的特性が化合物の混合物と一致している混合物を生じる。平衡点は、分子内の化学的特徴に依存する。例えば、多くの脂肪族アルデヒド及びケトン(例えば、アセトアルデヒド)では、ケト型が優位であるが、一方、フェノールでは、エノール型が優位である。一般的なプロトトロピック互変異性体としては、ケト/エノール
Figure 2016510051

、アミド/イミド酸
Figure 2016510051

、及びアミジン
Figure 2016510051

互変異性体が挙げられる。後者2つは、ヘテロアリール及び複素環式環において特に一般的であり、そして、本発明は、化合物の全ての互変異性型を包含する。
本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、特に他のことを定義しない限り、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。本明細書では当業者に公知の様々な方法論及び材料を参照する。薬理学の一般的原理について記載している標準的な参考資料としては、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が挙げられる。当業者に公知の任意の適切な材料及び/又は方法を本発明の実施において利用することができる。しかしながら、好ましい材料及び方法を記載する。以下の明細書及び実施例で参照する材料、試薬等は、特に他に断りのない限り、商業的供給元から入手可能である。
本明細書に記載される定義は、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」等といった化学的に関連する組み合わせを形成するために付け加えられてもよい。用語「アルキル」を、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」におけるように別の用語の後に接尾辞として使用する場合、これは、他の具体的に命名された基から選択される1〜2個の置換基で置換されている、上に定義したとおりのアルキル基を指すことを意図する。したがって、例えば、「フェニルアルキル」とは、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがって、ベンジル、フェニルエチル、及びビフェニルを含む。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「ヒドロキシアルキル」は、以下に定義されるヘテロアルキル基のサブセットを定義するために用いられる。用語−(アル)アルキルとは、置換されていないアルキル又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリール又は(ヘト)アリールとは、アリール又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
用語「スピロシクロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、スピロ環式シクロアルキル基、例えば、スピロ[3.3]ヘプタン等を意味する。用語スピロヘテロシクロアルキルは、本明細書で使用されるとき、スピロ環式ヘテロシクロアルキル、例えば、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン等を意味する。
用語「アシル」は、本明細書で使用されるとき、式−C(=O)R(式中、Rは、水素又は上に定義したとおりの低級アルキルである)で表される基を意味する。用語又は「アルキルカルボニル」は、本明細書で使用されるとき、式C(=O)R(式中、Rは、上に定義したとおりのアルキルである)で表される基を意味する。用語C1−6アシルは、6個の炭素原子を含有する基−C(=O)Rを指す。用語「アリールカルボニル」は、本明細書で使用されるとき、式C(=O)R(式中、Rは、アリール基である)で表される基を意味し;用語「ベンゾイル」は、本明細書で使用されるとき、Rがフェニルである「アリールカルボニル」基を意味する。
用語「エステル」は、本明細書で使用されるとき、式−C(=O)OR(式中、Rは、上に定義したとおりの低級アルキルである)で表される基を意味する。
用語「アルキル」は、本明細書で使用されるとき、1〜10個の炭素原子を含有する非分枝又は分枝鎖の飽和一価炭化水素残基を意味する。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素残基を意味する。「C1−10アルキル」とは、本明細書で使用されるとき、1〜10個の炭素原子から構成されるアルキルを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルを含む低級アルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキル」を、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」におけるように別の用語の後に接尾辞として使用する場合、これは、他の具体的に命名された基から選択される1〜2個の置換基で置換されている、上に定義したとおりのアルキル基を指すことを意図する。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、フェニルアルキル部分の結合点がアルキレンラジカル上に存在するという理解の下で、ラジカルR’R’’−(式中、R’は、フェニルラジカルであり、そして、R’’は、本明細書に定義するとおりのアルキレンラジカルである)を意味する。アリールアルキルラジカルの例としては、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、R’がアリールラジカルであることを除いて同様に解釈される。用語「(ヘト)アリールアルキル」又は「(ヘト)アラルキル」は、R’が場合によりアリール又はヘテロアリールラジカルであることを除いて同様に解釈される。
用語「ハロアルキル」又は「ハロ低級アルキル」又は「低級ハロアルキル」とは、1つ以上の炭素原子が1つ以上のハロゲン原子で置換されている、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素残基を指す。
用語「アルキレン」又は「アルキレニル」とは、本明細書で使用されるとき、特に他に指定しない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖炭化水素ラジカル(例えば、(CH)又は2〜10個の炭素原子の分枝飽和二価炭化水素ラジカル(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を意味する。メチレンの場合を除き、アルキレン基のあいている原子価(open valences)は、同じ原子には結合しない。アルキレンラジカルの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルコキシ」とは、本明細書で使用されるとき、−O−アルキル基(式中、アルキルは、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(これらの異性体を含む)等、上に定義したとおりである)を意味する。「低級アルコキシ」とは、本明細書で使用されるとき、既に定義したとおりの「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を意味する。「C1−10アルコキシ」とは、本明細書で使用されるとき、−O−アルキル(式中、アルキルは、C1−10である)を指す。
用語「PCy」とは、3つの環式部分で三置換されているホスフィンを指す。
用語「ハロアルコキシ」又は「ハロ低級アルコキシ」又は「低級ハロアルコキシ」は、1つ以上の炭素原子が1つ以上のハロゲン原子で置換されている低級アルコキシ基を指す。
用語「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書で使用されるとき、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子がヒドロキシル基によって置換されている、本明細書に定義するとおりのアルキルラジカルを意味する。
用語「アルキルスルホニル」及び「アリールスルホニル」とは、本明細書で使用されるとき、式−S(=O)R(式中、Rは、それぞれ、アルキル又はアリールであり、そして、アルキル及びアリールは、本明細書に定義するとおりである)で表される基を指す。用語「ヘテロアルキルスルホニル」は、本明細書で使用されるとき、基−S(=O)R(式中、Rは、本明細書に定義するとおりの「ヘテロアルキル」である)で表される基を、本明細書で指し、意味する。
用語「アルキルスルホニルアミノ」及び「アリールスルホニルアミノ」とは、本明細書で使用されるとき、式−NR’S(=O)R(式中、Rは、それぞれ、アルキル又はアリールであり、R’は、水素又はC1−3アルキルであり、そして、アルキル及びアリールは、本明細書に定義するとおりである)で表される基を指す。
用語「シクロアルキル」とは、本明細書で使用されるとき、3〜8個の炭素原子を含有する飽和炭素環式環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルを指す。「C3−7シクロアルキル」とは、本明細書で使用されるとき、炭素環式環中の3〜7個の炭素から構成されるシクロアルキルを指す。
用語「カルボキシ−アルキル」とは、本明細書で使用されるとき、ヘテロアルキルラジカルの結合点が炭素原子を貫いているという理解の下で、1つの水素原子がカルボキシルで置換されているアルキル部分を指す。用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」とは、−COH部分を指す。
用語「ヘテロアリール」又は「複素芳香族」とは、本明細書で使用されるとき、ヘテロアリールラジカルの結合点が芳香環又は部分不飽和環上に存在するという理解の下で、環1つ当たり4〜8個の原子を含有し、1つ以上のN、O、又はSヘテロ原子が組み込まれ、残りの環原子が炭素である少なくとも1つの芳香環又は部分不飽和環を有する、5〜12個の環原子の単環式又は二環式のラジカルを意味する。当業者に周知であるとおり、ヘテロアリール環は、全てが炭素である対応物よりも低い芳香族特性を有する。したがって、本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族特性しか必要としていない。ヘテロアリール部分の例としては、5〜6個の環原子及び1〜3個のヘテロ原子を有する単環式芳香族複素環が挙げられ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルバモイルアミノ及びアリールカルボニルアミノから選択される1つ以上、好ましくは1つ又は2つの置換基で場合により置換されていてもよい、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−[1,3]オキサゾリル、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール及びオキサジアゾリンが挙げられるが、これらに限定されない。二環式部分の例としては、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾール、ベンズイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフチリジニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジニル、及びベンズイソチアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。二環式部分は、いずれかの環において場合により置換されていてもよいが、結合点は、ヘテロ原子を含有する環上に存在する。
用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」、又は「複素環」とは、本明細書で使用されるとき、環1つ当たり3〜8個の原子を有し、1つ以上の環ヘテロ原子(N、O、又はS(O)0−2から選択される)が組み込まれている1つ以上の環、好ましくは1〜2個の環(スピロ環系を含む)からなり、そして、特に他を指定しない限り、場合により、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、及びこれらのイオン形態から選択される1つ以上、好ましくは1つ又は2つの置換基で置換されていてもよい、一価飽和環状ラジカルを意味する。複素環式ラジカルの例としては、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソキサゾリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル、及びイミダゾリニル、並びにこれらのイオン形態が挙げられるが、これらに限定されない。また、例は、例えば、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、又はオクタヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン等の二環式であってもよい。
BTKの阻害剤
本願は、式I:
Figure 2016510051

(式中、
nは、1又は2であり;
は、−C(=O)R1’、−S(=O)1’、又は−OC(R1’CHOHであり;
1’は、メチル又はモルホリンであり;
は、H又はFであり;
は、クロロ又はC(CH3’であり;
3’は、メチル、シアノ、又はヒドロキシメチルであり;
Xは、CH、CH、又はNであり;
は、CH又はNであり;
は、CH又はNであり;
Yは、CH又はOであるが、
ただし、nが2であるとき、両Xは、CHである)
で表される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本願は、Rが、Hである、式Iで表される化合物を提供する。
本願は、Rが、tert−ブチルである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、CHである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、Nである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Rが、−C(=O)R1’であり、R1’が、モルホリンである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、nが、1である、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、CH又はCHである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Yが、CH又はCHである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、nが、2であり、Yが、Oである、式Iで表される化合物を提供する。
本願は、nが、2であり、Yが、Oであり、Rが、Hであり、Rが、tert−ブチルであり、Xが、CHであり、Xが、Nである、式Iで表される化合物を提供する。
本願は、Rが、−S(=O)1’であり、R1’が、メチルであるか、又は、Rが、−C(=O)R1’であり、R1’が、モルホリンである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、以下からなる群より選択される、式Iで表される化合物を提供する:
2−[2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−6−イル]−2−メチルプロパンニトリル;
2−[8−フルオロ−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[5−[[5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシピリジン−2−イル]アミノ]−1−メチル−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−1−オキソイソキノリン−6−イル]−2−メチルプロパンニトリル;
4−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[(5−メチルスルホニルピリジン−2−イル)アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−8−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5−オン;
5−クロロ−N−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリジン−3−イル]フェニル]−1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボキサミド;
6−tert−ブチル−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリジン−3−イル]フェニル]−3,4−ジヒドロ−2,7−ナフチリジン−1−オン;
6−tert−ブチル−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−3,4−ジヒドロ−2,7−ナフチリジン−1−オン;
6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−[2−メチル−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]フタラジン−1−オン;
8−tert−ブチル−4−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5−オン;及び
8−tert−ブチル−4−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[(5−メチルスルホニルピリジン−2−イル)アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5−オン。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、式Iで表される化合物を含む医薬組成物を提供する。
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤と混合された、式Iで表される化合物を含む医薬組成物を提供する。
本願は、炎症性障害を処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、自己免疫障害を処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、関節リウマチを処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、喘息を処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置するための上記化合物の使用を提供する。
本願は、関節リウマチを処置するための上記化合物の使用を提供する。
本願は、喘息を処置するための上記化合物の使用を提供する。
本願は、本明細書に記載する化合物、方法、又は組成物を提供する。
化合物及び調製
本発明によって包含され、そして、本発明の範囲内である代表的な化合物の例を、以下の表に提供する。これらの例及び下記調製は、当業者が本発明をより明確に理解し、そして、実施できるようにするために提供されるものである。これらは、本発明の範囲を限定するとみなすべきではなく、単に、その例示及び代表例である。
一般に、本願で用いられる命名法は、IUPAC体系的命名法の作成のためのBeilstein Instituteのコンピュータ化システムであるAUTONOMTM v.4.0に基づく。図示されている構造とその構造に与えられた名称との間に矛盾が存在する場合、図示されている構造により重きがおかれる。更に、ある構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、該構造又は構造の一部は、その立体異性体を全て包含すると解釈されるべきである。
表Iは、一般式Iに係る化合物の例を示す。これらの化合物は、ピリダジノン核基と組み合わされた、より極性の高い(cLogP<2)選択性基(例えば、ここにはtert−ブチルベンズアミドが位置する)を含有するように設計されて、この有益な組み合わせを含有しない類似の化合物でみられる肝毒性を最小化した。
Figure 2016510051

Figure 2016510051

Figure 2016510051

Figure 2016510051
一般的な合成スキーム
本発明の化合物は、任意の従来の手段によって調製され得る。これらの化合物を合成するのに適切なプロセスは、実施例に提供される。一般的に、本発明の化合物は、以下のスキームに従って調製され得る。
Figure 2016510051
5−フルオロ−インダン−1−オン10をSchmidt反応に供してジヒドロ−イソキノリノン11を得、これを、過剰のイソブチロニトリルカリウム塩で処理して、シアノ化合物12を得た。ジブロモベンズアルデヒド13とのBuckwald-Hartwigカップリングにより、モノ−ブロミド14を得、これを予め形成しておいた15のボロナートとのSuzukiカップリングを通してピリダジノン16を得た。ベンジル型アルコールへの最終還元により、目的の化合物1を得た。
Figure 2016510051
1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン17をイソブチロニトリルのリチウム塩による芳香族求核置換に供して、選択的にシアノ化合物18を得、これを、リチウムジイソプロピルアミドでそのリチウム塩に変換し、そして、二酸化炭素でクエンチして酸19を得た。カルボニルジイミダゾール及び水酸化アンモニウムで処理した後、アミド20を得た。エトキシ−ビニルボロナート21とSuzukiカップリングさせ、次いで、酸処理して、イソキノリノン22を得、これを2−ブロモ−6−フルオロ−ベンズアルデヒド及び炭酸カリウムによる求核芳香族置換に供して、中間体23を得た。他方、6−アミノ−ピリジン−3−オール24をエチルブロモ−イソブチラート25でアルキル化して芳香族エーテル26を得、これをブロモ−クロロ−ピリダジノン27とのBuckwald-Hartwigカップリングに供して28を得た。エステルをLAHで還元してアルコール29を得た。29をそのボロナートエステルに変換し、次いで、ブロミド23とSuzukiカップリングさせてアルデヒド30を得、これを対応するアルコールに還元して目的の化合物2を得た。
Figure 2016510051
クロロベンズアルデヒド31から得たO−メチル−2−クロロ−ベンズアルドキシム32を、Pd触媒C−H活性化下で選択的にオルト臭素化して(J. Org. Chem. 2011, 76, 6414-6420)、33を得、これを中間体34に加水分解した。他方、5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミン35をメタンスルフィン酸ナトリウムで処理して、スルホン36を得、これをブロモ−ピリダジノン27とカップリングさせて、中間体37を得た。p−メトキシベンズアルデヒド38を還元的にアミノ化してアミノアルコール39を得、これを、4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸40と縮合させた後、アミド41に変換した。水素化ナトリウムで処理した後、ベンゾ−オキサゼピノン42への分子内環化を達成した。塩基性条件下におけるイソブチルアルデヒドと42とのパラジウム触媒縮合により、アルデヒド43を得た。脱ベンジル化し、次いで、中間体34とBuckwald-Hartwigカップリングさせて、ビス−アルデヒド45を得た。クロロピリダジノン中間体37とのSuzukiカップリングにより46を得、これを還元して目的の化合物3を得た。
Figure 2016510051
ニトロアルコール47をO保護し、そして、アニリン49に還元し、これをボロナートエステル50に変換し、そして、ブロミド51とカップリングさせて52を得、これを、そのイソシアナートを介して、クロロ−イソインドリン53と縮合させて、尿素54を得た。最終的な脱保護により、目的の化合物4を得た。
Figure 2016510051
硝酸銀及び過硫酸アンモニウムの存在下で、ニコチンアミド55を2,2−ジメチル−プロピオン酸で処理して、tert−ブチルニコチンアミド56を得、これを、再度硝酸銀及び過硫酸アンモニウムの存在下で、フタルイミドプロパン酸57で処理して、58を得た(Journal of Heterocyclic Chemistry 1989, 26, 45)。58をヒドラジンで処理することにより当該フタルイミドを脱保護して、分子内環化後にジヒドロ−ナフチリジノン59を得、これを、Buckwald-Hartwig条件下でジブロモベンズアルデヒド13とカップリングさせて、ブロミド60を得た。ハロゲン化物61とSuzukiカップリングさせて62を得、これを還元した後、目的の化合物5及び6を得た。
Figure 2016510051
フルオロフタラジノン63(米国特許出願公開第20100222325号)をパラジウム(0)条件下でジブロモトルエン64とカップリングさせて、モノブロミド65を得、これをボロナートエステル66に変換し、そして、Suzuki条件下で15とカップリングさせて、目的の化合物7を得た。
Figure 2016510051
3−tert−ブチルフェノール67をブロミド68でアルキル化して芳香族エーテル69を得、これを酸処理によってクロマノール70に環化した。PCCで酸化して、クロマノン71を得た。アジ化ナトリウム及びメタンスルホン酸とのSchmidt反応により、ジヒドロ−ベンズオキサゼピノン72を得、これをジブロベンズアルデヒド13とのBuckwald-Hartwigカップリングに供して、ブロミド73を得た。対応するクロロピリダジノン15又は37とSuzukiカップリングさせて74を得、これを還元して、目的の化合物8及び9を得た。
医薬組成物及び投与
本発明の化合物は、広範な経口投与剤形及び担体に処方され得る。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、液剤、乳剤、シロップ剤、又は懸濁剤の形態であり得る。本発明の化合物は、他の投与経路の中でも、持続(点滴静注)局所非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透促進剤を含んでいてもよい)、バッカル、経鼻、吸入、及び坐剤投与を含む他の投与経路によって投与されたときに有効である。好ましい投与態様は、一般的に、苦痛の程度及び活性成分に対する患者の応答に従って調整することができる簡便な毎日の投与レジメンを用いる経口である。
本発明の化合物及び化合物群並びにそれらの薬学的に使用し得る塩は、1つ以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と共に、医薬組成物及び単位剤形の形態にしてもよい。医薬組成物及び単位剤形形態は、追加の活性化合物又は有効成分を含んで又は含まずに、従来の割合で従来の成分から構成されていてもよく、該単位剤形形態は、用いられるべき意図される日用投薬範囲と釣り合う任意の適切な有効量の活性成分を含有し得る。医薬組成物は、経口使用の場合、固体(錠剤又は充填カプセル剤等)、半固体、粉末、持続放出処方物、又は液体(液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、又は充填カプセル剤等)として;又は、直腸若しくは膣内投与の場合、坐剤の形態で;又は、非経口使用の場合、無菌注射溶液の形態で、使用され得る。典型例な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物又は化合物群(w/w)を含有する。用語「製剤」又は「剤形」は、活性化合物の固体及び液体の処方物の両方を含むことを意図し、そして、活性成分が、標的器官又は組織に並びに所望の用量及び薬物動態パラメータに依存して、異なる製剤に存在し得ることを、当業者は理解する。
用語「賦形剤」とは、本明細書で使用されるとき、一般的に安全であり、非毒性であり、そして、生物学的にも他の点でも非所望であることがない、医薬組成物の調製において有用な化合物を指し、そして、獣医学的使用及びヒトの薬学的使用に許容し得る賦形剤を含む。本発明の化合物は、単独で投与してもよいが、一般的に、意図する投与経路及び標準的な薬務に関連して選択される1つ以上の適切な薬学的賦形剤、希釈剤、又は担体と混合して、投与される。
用語「薬学的に許容し得る」とは、一般的に安全であり、非毒性であり、そして、生物学的にも他の点でも非所望であることがない医薬組成物の調製において有用であることを意味し、そして、獣医学的使用及びヒトの薬学的使用に許容し得ることを含む。
また、「活性成分」の「薬学的に許容し得る塩」形態は、まず、非塩形態では存在していなかった所望の薬物動態特性を活性成分に対して付与し得、そして、更には、体内におけるその治療活性に関する該活性成分の薬物動態に正の影響を与え得る。化合物の「薬学的に許容し得る塩」という語句は、薬学的に許容し得、そして、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩としては、以下が挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等といった無機酸と共に形成されるか;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等といった有機酸と共に形成される、酸付加塩;或いは、(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオン)によって置換されるか;又は有機塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等)と配位するかのいずれかのときに形成される、塩。
固体形態製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、矯味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用し得る1つ以上の物質であり得る。散剤では、担体は、一般的に、微粉化された活性成分との混合物である微粉化された固体である。錠剤では、活性成分は、一般的に、必要な結合能を有する担体と適切な割合で混合され、そして、所望の形状及び大きさに押し固められる。適切な担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂等が挙げられるが、これらに限定されない。固体形態製剤は、活性成分に加えて、着色剤、香料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有し得る。
また、液体処方物も経口投与に適切であり、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体処方物が挙げられる。これらは、使用直前に液体形態の製剤に変換されることを意図する固体形態の製剤を含む。乳剤は、溶液中、例えば、プロピレングリコール水溶液中で調製され得るか、又はレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、若しくはアカシア等の乳化剤を含有し得る。水性液剤は、活性成分を水に溶解させ、そして、適切な着色剤、香料、安定化剤、及び増粘剤を添加することによって調製され得る。水性懸濁剤は、微粉化された活性成分を粘稠材料(例えば、天然又は合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁化剤)と共に水に分散させることによって、調製され得る。
本発明の化合物は、(例えば、注入、例えば、ボーラス注入又は持続注入によって)非経口投与用に処方され得、アンプル、プレフィルドシリンジ、少量輸液の単位投与形態で、又は保存剤を添加した多回投与容器で、提示され得る。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳液、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液のような形態をとり得る。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注入可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられ、そして、保存剤、湿潤剤、乳化剤、若しくは懸濁化剤、安定剤、及び/又は分散剤等の調合剤(formulatory agent)を含有し得る。或いは、活性成分は、滅菌固体の無菌単離によって、又は適切なビヒクル(例えば、滅菌パイロジェンフリー水)を用いて使用前に構成するための溶液から凍結乾燥させることによって、得られる粉末形態であり得る。
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤、若しくはローション剤として、又は経皮パッチとして、表皮に局所投与するために処方され得る。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加した水性又は油性の基剤を用いて処方され得る。ローション剤は、水性又は油性の基剤を用いて処方され得、そして、一般に、1つ以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含有する。口内における局所投与に適切な処方物としては、好ましい基剤(通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント)中に活性剤を含むロゼンジ剤;不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア)中に活性成分を含むトローチ剤;及び適切な液体担体中に活性成分を含むマウスウォッシュが挙げられる。
本発明の化合物は、坐剤として投与するために処方され得る。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂等の低融点ワックスは、まず融解させ、そして、例えば撹拌によって、活性成分を均質に分散させる。次いで、融解した均質な混合物を簡便な大きさの型に注ぎ入れ、冷却させて固化させる。
本発明の化合物は、膣内投与するために処方され得る。活性成分に加えてこのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又は噴霧剤は、適切であることが当該技術分野において公知である。
本発明の化合物は、経鼻投与するために投与され得る。液剤又は懸濁剤は、従来の手段によって、例えば、スポイト(dropper)、ピペット、又はスプレーを用いて鼻腔に直接適用される。この処方物は、単回投与又は多回投与の形態で提供され得る。スポイト又はピペットの後者の場合、これは、適切な所定の容量の液剤又は懸濁剤を患者に投与することによって達成され得る。スプレーの場合、これは、例えば、定量噴霧スプレーポンプによって、達成され得る。
本発明の化合物は、特に呼吸器に、エアゾール投与(鼻内投与を含む)するために処方され得る。化合物は、一般的に、小さな粒子サイズ(例えば、ほぼ5ミクロン以下)を有する。このような粒子サイズは、当該技術分野において公知の手段によって(例えば、微粒子化によって)、得られ得る。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタン)、又は二酸化炭素、又は他の適切な気体等の適切な噴射剤と共に加圧パックで提供される。エアゾールはまた、簡便には、レシチン等の界面活性剤を含有し得る。薬物の用量は、定量バルブによって制御され得る。或いは、活性成分は、乾燥粉末、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)及びポリビニルピロリドン(PVP)等の適切な粉末基剤中の化合物の粉末ミックスの形態で提供され得る。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばカプセル又はカートリッジ(例えば、ゼラチンの)中の単位投与形態で、或いは、吸入器によりそこから粉末が投与され得るブリスターパックで、提示してよい。
望ましい場合、活性成分の持続又は制御放出投与のために適合された腸溶性コーティングを用いて、処方物を調製してもよい。例えば、本発明の化合物を、経皮又は皮下の薬物送達デバイス中に処方してもよい。これら送達系は、化合物の持続放出が必要であるときに、及び処置レジメンの患者のコンプライアンスが重要であるときに、有利である。経皮送達系における化合物は、皮膚接着性固体支持体に付着されていることが多い。また、目的の化合物は、浸透促進剤(例えば、アゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせてもよい。持続放出送達系は、手術又は注射によって皮下層中に皮下挿入される。皮下インプラントは、脂質溶解性の膜(例えば、シリコーンゴム)又は生分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸(polyactic acid))中に化合物を封入する。
医薬担体、希釈剤及び賦形剤を伴う適切な処方物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995、E. W. Martin編、Mack Publishing Company, 19th edition, Easton、Pennsylvaniaに記載されている。熟練の処方科学者は、本発明の組成物を不安定にしたり、その治療活性を損なわせたりすることなく、特定の投与経路のための多数の処方物を提供するために、本明細書の教示内で、処方物を改変し得る。
本化合物を水又は他のビヒクルにおいてより可溶性にするための改変は、例えば、範囲の軽微な改変(塩の処方、エステル化等)によって容易に達成され得、これは、当該分野における通常の技術の十分範囲内である。また、患者において有益な効果を最大化するために本化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び投薬レジメンを改変することも、当該分野における通常の技術の十分範囲内である。
用語「治療的に有効な量」とは、本明細書で使用されるとき、個体における疾患の症状を低減するのに必要な量を意味する。用量は、それぞれの特定のケースにおける個々の要求に調整される。その投薬量は、処置されるべき疾患の重篤度、患者の年齢及び全体的な健康状態、患者が処置されている他の医薬、投与の経路及び形態、並びに担当医の嗜好及び経験等の多数の要因に依存して、広い範囲で変動し得る。経口投与の場合、単独療法及び/又は併用療法において、1日当たり約0.01〜約1000mg/kg(体重)の一日投薬量が適切であるはずである。好ましい一日投薬量は、1日当たり、約0.1〜約500mg/kg(体重)、より好ましくは0.1〜約100mg/kg(体重)、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg(体重)である。したがって、70kgのヒトに投与する場合、投薬量の範囲は、1日当たり約7mg〜0.7gであろう。一日投薬量は、単回投薬量として、又は典型的に1日当たり1〜5回の投薬で、投与することができる。一般的に、処置は、化合物の最適用量未満のより少ない投薬で始められる。その後、個々の患者についての最適な効果に達するまで、少しずつ投薬を増加させる。当業者は、本明細書に記載される疾患を処置することにおける通常の技術を有する者は、過度の実験を行うことなく、そして、個人の知識、経験、及び本願の開示に頼って、所定の疾患及び患者についての本発明の化合物の治療的に有効な量を確認することができる。
医薬製剤は、好ましくは、単位剤形にある。このような形態では、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、包装製剤であってもよく、該包装は、個別量の製剤を含有する(例えば、パッケージ化された、錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル入りの散剤)。また、単位剤形は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジ剤であってもよいし、それは、パッケージ化された形態中の適切な数のこれらのいずれかのものであってもよい。
適応症及び処置方法
一般式Iで表される化合物は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を阻害する。上流のキナーゼによるBTKの活性化により、ホスホリパーゼ−Cγが活性化され、これは、続いて、前炎症性メディエーターの放出を刺激する。式Iで表される化合物は、関節炎、並びに他の抗炎症及び自己免疫疾患の処置において有用である。したがって、式Iに係る化合物は、関節炎の処置に有用である。式Iで表される化合物は、細胞内のBTKを阻害するため及びB細胞の発生を調節するために有用である。本発明は更に、薬学的に許容し得る担体、賦形剤又は希釈剤と混合された、式Iで表される化合物を含有する医薬組成物を含む。
本明細書に記載する化合物は、キナーゼ阻害剤、特にBTK阻害剤である。これらの阻害剤は、哺乳類において、BTK阻害及び/又はB細胞増殖阻害に応答する疾患を含む、キナーゼ阻害に応答する1つ以上の疾患を処置するために有用であり得る。いずれの特定の理論にも縛られることを望まないが、本発明の化合物とBTKとの相互作用により、BTK活性が阻害され、したがって、これらの化合物の薬学的有用性が得られると考えられる。したがって、本発明は、BTK活性の阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する疾患を有する哺乳類(例えば、ヒト)を処置する方法であって、このような疾患を有する哺乳類に、有効量の本明細書に提供する少なくとも1つの化学的実体を投与することを含む方法を含む。有効濃度は、例えば化合物の血中濃度をアッセイすることにより、又は理論的に、バイオアベイラビリティを計算することによって、実験的に確認され得る。BTKに加えて影響を受け得る他のキナーゼとしては、他のチロシンキナーゼ及びセリン/スレオニンキナーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
キナーゼは、増殖、分化、及び死(アポトーシス)等の基本的な細胞プロセスを制御するシグナル伝達経路において、顕著な役割を果たしている。異常なキナーゼ活性は、多発性癌、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患を含む様々な疾患、並びに急性炎症反応に関与している。重要な細胞シグナル伝達経路におけるキナーゼの多面的な役割は、キナーゼ及びシグナル伝達経路を標的とする新規薬物を同定するための重要な機会を提供する。
一実施形態は、BTK活性及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患、或いは急性炎症反応を有する患者を処置する方法を含む。
本発明に係る化合物及び組成物を用いて影響を受け得る自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患としては、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン病、 組織移植片拒絶反応、及び移植された器官の超急性拒絶反応、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連及び他の血管炎)、自己免疫性溶血性及び血小板減少性の状態、グッドパスチャー症候群(並びに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血症性ショック、並びに重症筋無力症が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に提供される少なくとも1つの化学的実体を抗炎症剤と組み合わせて投与する処置方法が本明細書に含まれる。抗炎症剤としては、NSAID、非特異的な及びCOX−2特異的なシクロオキシゲナーゼ酵素阻害剤、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体アンタゴニスト、免疫抑制剤、並びにメトトレキサートが挙げられるが、これらに限定されない。
NSAIDの例としては、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン及びナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールとの組み合わせ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウム、並びにヒドロキシクロロキンが挙げられるが、これらに限定されない。また、NSAIDの例としては、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、及び/又はエトリコキシブ等のCOX−2特異的阻害剤が挙げられる。
幾つかの実施形態では、抗炎症剤は、サリチル酸塩である。サリチル酸塩としては、アセチルサリチル酸、すなわちアスピリン、サリチル酸ナトリウム、並びにサリチル酸コリン及びマグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
また、抗炎症剤は、コルチコステロイドであってもよい。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、又はプレドニゾンであってもよい。
更なる実施形態では、抗炎症剤は、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィン等の金化合物である。
また、本発明は、抗炎症剤が、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤(例えば、メトトレキサート)又はジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、レフルノミド)等の代謝阻害剤である実施形態を含む。
本発明の他の実施形態は、少なくとも1つの抗炎症化合物が、抗C5モノクローナル抗体(例えば、エクリズマブ又はパキセリズマブ)、TNFアンタゴニスト(例えば、エタネルセプト(entanercept))、又は抗TNFアルファモノクローナル抗体であるインフリキシマブである組み合わせに関する。
本発明の更に他の実施形態は、少なくとも1つの活性剤が、メトトレキサート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、及びミコフェノール酸モフェチルから選択される免疫抑制化合物等の免疫抑制化合物である組み合わせに関する。
BTKを発現するB細胞及びB細胞前駆体は、B細胞リンパ腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を含む)、ヘアリーセル白血病、多発性骨髄腫、慢性及び急性の骨髄性白血病、並びに慢性及び急性のリンパ性白血病を含むがこれらに限定されない、B細胞悪性腫瘍の病理に関与している。
BTKは、B系統リンパ系細胞における、Fas/APO−1(CD−95)細胞死誘導複合体(DISC)の阻害剤であることが示されている。白血病/リンパ腫細胞の運命は、DISCによって活性化されるカスパーゼの逆アポトーシス促進効果と、BTK及び/又はその基質が関与する上流の抗アポトーシス制御機構とのバランスに帰し得る(Vassilev et al., J. Biol. Chem. 1998, 274, 1646-1656)。
また、BTK阻害剤は、化学増感剤として有用であり、したがって、他の化学療法薬、特にアポトーシスを誘導する薬物、との組み合わせにおいて有用であることが発見された。化学増感BTK阻害剤との組み合わせにおいて用いることができる他の化学療法薬の例としては、トポイソメラーゼI阻害剤(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、及びBCNU)、チューブリン指向剤(例えば、タキソール及びビンブラスチン)、及び生物剤(例えば、抗CD20抗体等の抗体、IDEC8、免疫毒素、及びサイトカイン)が挙げられる。
また、BTK活性は、9番及び22番染色体の部分の転座から生じるbcr−abl融合遺伝子を発現する幾つかの白血病と関連している。この異常性は、慢性骨髄性白血病において一般的に観察される。BTKは、bcr−abl細胞においてアポトーシスを回避する下流の生存シグナルを開始するbcr−ablキナーゼによって構成的にリン酸化される。(N. Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005 201(11):1837-1852)。
処置方法
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、炎症状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iを投与することを含む方法を提供する。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表されるBTK阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表されるBTK阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、喘息を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表されるBTK阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、B細胞増殖を阻害する方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表されるBTK阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、式Iのいずれか1つで表されるBTK阻害剤化合物を投与することを含む、BTK活性を阻害するための方法であって、前記BTK阻害剤化合物が、BTK活性のインビトロ生化学アッセイにおいて50マイクロモル濃度以下のIC50を示す方法を提供する。
上記方法の1つの変形例では、BTK阻害剤化合物は、BTK活性のインビトロ生化学アッセイにおいて100ナノモル濃度以下のIC50を示す。
上記方法の別の変形例では、該化合物は、BTK活性のインビトロ生化学アッセイにおいて10ナノモル濃度以下のIC50を示す。
本願は、炎症状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、式Iで表されるBTK阻害剤化合物と組み合わせて治療的に有効な量の抗炎症化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節炎を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、式Iで表されるBTK阻害剤化合物と組み合わせて治療的に有効な量の抗炎症化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
本願は、リンパ腫又はBCR−ABL1白血病細胞を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の式Iで表されるBTK阻害剤化合物を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、治療活性物質として用いるための上記化合物の使用を提供する。
本発明は、炎症性及び/又は自己免疫状態の処置における上記化合物の使用を提供する。
本発明は、炎症性及び/又は自己免疫状態を処置するための医薬を調製するための上記化合物の使用を提供する。
本発明は、炎症性及び/又は自己免疫状態の処置において使用するための上記化合物を提供する。
本発明は、関節リウマチの処置において使用するための上記化合物を提供する。
本発明は、喘息の処置において使用するための上記化合物を提供する。
本発明は、本明細書に記載される発明を提供する。
一般的な略記
共通して用いられる略記としては、以下が挙げられる:アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、雰囲気(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカーボナート又は無水boc(BOCO)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ケミカルアブストラクト登録番号(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)、ジ−イソ−プロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム(DIBAL又はDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、エチルイソプロピルエーテル(EtOiPr)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロパノール(IPA)、イソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、n−ブチルリチウム(nBuLi)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジニウムクロロクロマート(PCC)、ジクロロ−((ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc))、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))、ピリジニウムジクロマート(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(Q−Phos)、室温(周囲温度、rt又はRT)、sec−ブチルリチウム(sBuLi)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、トリエチルアミン(TEA又はEtN)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、トリフラート又はCFSO−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、並びにN−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、二級(sec−)、三級(tert−)、及びネオを含む従来の命名法は、アルキル部分とともに用いられるとき、それらの慣例の意味を有する。(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
一般的条件
本発明の化合物は、当業者に公知の一般的な合成技術及び手順を利用することによって、市販の出発物質で始めて調製することができる。以下の概要は、このような化合物を調製するのに適切な反応スキームである。更なる例示は、具体的な実施例に見出すことができる。
具体的な略記
boc tert−ブトキシカルボニル
CHCl ジクロロメタン
CsCO 炭酸セシウム
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
ヒューニッヒ塩基 N,N−ジイソプロピルエチルアミン
HCl 塩化水素
LC−MS 液体クロマトグラフィー質量分析
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
MeOH メチルアルコール
MgSO 硫酸マグネシウム
nBuLi n−ブチルリチウム
NaCl 塩化ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaOMe ナトリウムメトキシド
NaSO 硫酸ナトリウム
NHOH 水酸化アンモニウム
NMP 1−メチル−2−ピロリドン
NMR 核磁気共鳴
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSCl トリメチルシリルクロリド
一般的な実験の詳細
試薬は、Aldrich、Oakwood、Matrix、又は他の供給業者から購入し、更に精製することなく用いた。加熱のためにマイクロ波照射を用いる反応は、Personal Chemistry Emrys Optimizer System又はCEM Discovery Systemのいずれかを用いて実施した。数ミリグラム〜数グラムの規模の精製は、シリカゲルフラッシュカラムの溶離等の当業者に公知の方法によって実施し;また、場合によっては、CombiFlashシステムで溶離させる使い捨ての予め充填されたマルチグラムシリカゲルカラム(RediSep)を使用することによって、分取フラッシュカラム精製を行った。また、Biotage(商標)及びISCO(商標)も、中間体の精製のために、本発明で用いてもよかったフラッシュカラム装置である。
化合物の同定及び純度の判断のために、以下のシステムを用いて、LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)スペクトルを記録した。質量スペクトルの測定については、システムは、Micromass Platform II分光計:ポジティブモードのESイオン化(質量範囲:150〜1200)からなる。以下のHPLCシステムを用いて同時クロマトグラフィー分離を成し遂げた:ES Industries Chromegabond WR C-18 3u 120Å(3.2×30mm)カラムカートリッジ;移動相A:水(0.02%TFA)及び相B:アセトニトリル(0.02%TFA);勾配:3分間で10%Bから90%B;平衡時間:1分間;流速:2mL/分。
また、式1で表される多くの化合物は、当業者に周知の方法を用いて、逆相HPLCによって精製した。場合によっては、Shimadzu分取HPLCシステム及びLeap自動注入装置に取り付けられたGilson 215コレクターを制御するPE Sciex 150 EX Mass Specを用いて、分取HPLC精製を実施した。化合物は、陽イオン検出のLC/MS検出を用いて溶離流から回収した:C−18カラム(2.0×10cm、20mL/分で溶離)からの化合物の溶離は、10分間にわたっての、溶媒(A)0.05%TFA/HO及び溶媒(B)0.035%TFA/アセトニトリルの適切な線形勾配モードを用いて行った。HPLCシステムに注入するために、メタノール、アセトニトリル、及びDMSOの混合物に粗サンプルを溶解した。
Bruker 400MHz NMR分光計を用いてH−NMRによって化合物をそれぞれキャラクタライズした。
本発明の化合物は、公知の技術に従って合成してもよい。以下の実施例及び参照文献は、本発明の理解を助けるために提供される。しかし、実施例は、本発明を限定することを意図するものではなく、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。実施例における最終生成物の名称は、Isis AutoNom 2000を用いて生成した。
製造例
Figure 2016510051

DCM(168mL)中の5−フルオロ−インダン−1−オン(15g、104.83mmol)の撹拌した溶液にメタンスルホン酸(120mL)を0℃で加えた。この清澄な溶液にナトリウムアジド(9.5g、146.76mmol)を−10℃で40分間かけて分割して加えた。混合物を−10℃で2時間撹拌し、20%NaOH水溶液を0℃で滴下して、15分間撹拌した(TLC、シリカ;ヘキサン中の50%酢酸エチル、R=0.3)。DCMを分離した後、水性部分をDCM(2×50mL)で抽出し、有機部分を乾燥させ濃縮し、粗生成物を通常のカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100−200、生成物をヘキサン中の60%酢酸エチルで溶離した)によって精製して、6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(12.0g、69.31%)を白色の固体として得た。LC−MS:166.0(M+H).
Figure 2016510051

乾燥THF(30mL)中の6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(2.5g、15.14mmol)の撹拌した溶液にイソブチロニトリル(3)(5.4mL、60.54mmol)を加えた。この溶液にトルエン中の0.5(M)KHMDS(104mL、52mmol)を0℃でゆっくりと加えると、これは黄色を帯びた粘性液体に変わった。混合物を70℃で4時間加熱した(LCMSによってモニタリングした)。室温に冷却し、イソブチロニトリルの第2ロット(3mL、33.42mmol)を加え、もう一度70℃で加熱し16時間撹拌した(TLC、シリカ;ヘキサン中の50%酢酸エチル、R=0.25)。反応混合物を冷やし;氷冷水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機部分を濃縮し、得られた粗生成物をCombiFlashカラム(ヘキサン中の40−60%酢酸エチルを溶離剤として使用した)によって精製して、2−メチル−2−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−プロピオニトリル(2.5g,77.09%)を白色の固体として得た。LC−MS:215.2(M+H).
Figure 2016510051

乾燥ジオキサン(50mL)中の2−メチル−2−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−プロピオニトリル(2.5g,11.68mmol)の撹拌した溶液に、2,6−ジブロモ−ベンズアルデヒド(4.6g,17.52mmol)、CsCO(7.6g、23.36mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで脱気し、Pd(dba)2(134mg、0.234mmol)及びキサントホス(206mg、0.35mmol)を加え、もう一度脱気した。混合物を100℃で3時間加熱し、室温に冷却し、セライトパッドで濾過し;酢酸エチル(3×50mL)で洗浄した。混合物を濃縮し、CombiFlashカラム(ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶離した)によって精製して、2−[2−(3−ブロモ−2−ホルミル−フェニル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(2.5g,53.87%)を明褐色の固体として得た。LC−MS:397.2(M+H).
Figure 2016510051

ジオキサン(35mL)中の、6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オン(1.5g,4.29mmol)(米国特許出願公開第2012/40949号)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.4g、5.57mmol)及びKOAc(乾燥)(1.3g、12.86mmol)の反応混合物をアルゴン下で脱気し、X−Phos(307mg、0.64mmol)及びPd(OAc)(96mg、0.43mmol)を加え、98℃で15分間撹拌した。褐色の反応混合物は緑がかった褐色の溶液に変わった(LCMSによってモニタリングした)。フラスコを加熱浴から引き上げ、冷却し、ジオキサン−水(1:1;90mL)、n−BuOH(10.5mL)中の2−[2−(3−ブロモ−2−ホルミル−フェニル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(1.53g,3.86mmol)及びKCO(2.37g、17.15mmol)の脱気した懸濁液を含む第2のフラスコの中へアルゴン下でセライトの短いプラグを通して濾過した。反応混合物をアルゴンで脱気し、トリシクロヘキシルホスフィン(359mg、1.28mmol)、及びPd(dba)2(369mg、0.642mmol)を加え、もう一度脱気し、110℃で1時間加熱した。反応系を室温に冷却し、セライトのプラグを通して濾過し;酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、合わせた粗生成物を通常のカラムクロマトグラフィー(通常のシリカゲル100−200メッシュ、DCM中の2〜2.5%MeOHで溶離した)によって精製して、2−[2−(2−ホルミル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−イリダジン−3−イル}−フェニル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(1.5g、55.56%)を明褐色の固体として得た。LC−MS:632.6(M+H).
Figure 2016510051

DCM(55mL)及びMeOH(36mL)中の2−[2−(2−ホルミル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−イリダジン−3−イル}−フェニル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(3g,4.75mmol)の撹拌した溶液に、水(3.6mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(360mg、9.51mmol)の溶液を0℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした(シリカ、UV/DNP、DCM中の5%MeOH、Rf=0.35)。反応を氷でクエンチし、有機部分を分離し乾燥させ濃縮した)。粗生成物を通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、100−200、DCM中の2−2.5%MeOHで溶離した)により精製した。精製した物質をDCM及びヘキサンで再結晶して2−[2−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(2.1g、69.7%)を白色の固体として得た。LC−MS:634.6(M+H).
Figure 2016510051

1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(300g、1.55mol、当量:1.00)、イソブチロニトリル(215g、3.11mol、当量:2)及びTHF(1.2L)を5Lの3首フラスコに室温で装填した。1M LiHMDS(1.71L、1.71mol、当量:1.1)溶液を冷水浴下で温度範囲15−22℃で滴下し;添加に2.5時間要した。2.5時間後、HPLCによると91%変換されていた(SM9%及びジアルキル化12%)。更にLiHMDS溶液0.1当量を加えた。一晩撹拌すると97%変換された(SM3%及びジアルキル化21%)。反応を6N HClでpH約3−4にクエンチした。トルエンで抽出し(2回);次に合わせた有機物を濃縮し;更なるトルエンを使用して水及び過剰イソブチロニトリルも除去した。ジアルキル化した副生物が濃縮中に現れ;n−ヘプタンおよそ600mLを加え、次に室温で一晩撹拌した。溶液を濾過しほとんどの副生物を固体として除去し;ヘプタンで洗浄した。濾液を濃縮して90%HPLC純度を有する2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(337.9g、1.26mol、80.8%収率)を得た(SMは無くジアルキル化9%)。
Figure 2016510051

2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(172g、710mmol、当量:1.00)をTHF(1.03L)中に溶解し、次に溶液を−75℃に冷やした。2M LDA(373mL、746mmol、当量:1.05)を溶液に滴下し、−70℃未満の温度に維持した。更に2時間撹拌し、アリコートをドライアイスを用いて試験し;完全に変換されていた。別の3Lの丸底フラスコにドライアイス及びTHFを加えた。ドライアイスで逆クエンチし;アニオン溶液全体を移すのに30分要し、−50℃未満(−60〜−50℃)に温度を維持した。更なる1時間の撹拌の後、室温まで温まるにまかせた。水を加え、6N HCl溶液(pH3−4)で酸性化した。
相を分離しMTBE及びDCMで抽出した。合わせた有機物を濃縮した。2−ブロモ−4−(2−シアノプロパン−2−イル)−6−フルオロ安息香酸(246g、765mmol、108%収率)を油状物(約89%のHPLC純度)として得た。更なる精製をすることなく次反応へ移した。
Figure 2016510051

CDI(3.33g、20.6mmol、当量:1.4)を2−ブロモ−4−(2−シアノプロパン−2−イル)−6−フルオロ安息香酸(4.2g、14.7mmol、当量:1.00)のTHF(42mL)溶液に室温で分割して加えた。3時間撹拌した。水酸化アンモニウム(17.1g、19.1mL、147mmol、当量:10)を混合物に加えた。2時間撹拌した。20%KCO溶液で洗浄し、未反応出発物質を除去し、次に1N HClで洗浄した。EtOAc/ヘプタンから結晶化して2−ブロモ−4−(2−シアノプロパン−2−イル)−6−フルオロベンズアミド(3.4g、11.9mmol、81.2%収率)を得た。
Figure 2016510051

ジオキサン−水(7:1;16mL)中の2−ブロモ−4(シアノ−ジメチル−メチル)−6−フルオロ−ベンズアミド(2g,7.018mmol)及び2−((E)−2−エトキシ−ビニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(1.783mL、8.421mmol)の撹拌した溶液に、KCO(1.94gm、14.04mmol)、続いてトリシクロヘキシルホスフィン(157mg、0.561mmol)を加えた。反応混合物を窒素でよく脱気した。この反応混合物にPd(dba)2(161mg、0.281mmol)を加え、もう一度窒素で脱気し、90℃で16時間加熱し、6N HCl(6mL)を加え、40℃に5時間加熱した(シリカTLC;ヘキサン中50%酢酸エチル、Rf=0.3)。反応混合物からジオキサンを減圧下で除去し、得られた粗残留物をヘキサン中の10%EtOAcで洗浄することによって精製して2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリル(1.26g、77.98%)を褐色の固体として得た。LC−MS:229.2(M−H).
Figure 2016510051

DMA(28mL)中の2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−2−メチル−プロピオニトリル(1.26gm、5.478mmol)の撹拌した溶液に、2−ブロモ−6−フルオロ−ベンズアルデヒド(1.66gm、8.217mmol)、炭酸カリウム(1.512gm、10.957mmol)、続いて塩化テトラエチルアンモニウム(118mg、0.712mmol)を、アルゴン下で加えた。反応混合物を78℃で24時間加熱し(シリカTLC;ヘキサン中50%酢酸エチル、Rf=0.50)、水を加えDCM(2×90mL)で抽出した。合わせた抽出物を濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(通常のシリカゲル100−200メッシュ;ヘキサン中25%EtOAcを溶離剤として使用した)により精製して、2−[2−(3−ブロモ−2−ホルミル−フェニル)−8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(840mg、37.11%)を明黄色の固体として得た。LC/MC:412.8(M+)、414.8(M+2).
Figure 2016510051

ジオキサン(50mL)中の、6−クロロ−4−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(1g、3.08mmol)(国際公開第2012020008A1号)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.06g、4.00mmol)及びKOAc(乾燥)(907mg、9.23mmol)の反応混合物をアルゴン下で脱気した。X−Phos(220mg、0.46mmol)及びPd(OAc)2(69mg、0.31mmol)を加え、98℃で15分間撹拌した(LCMSによってモニタリングした)。フラスコを加熱浴から引き上げ、冷却し、2−[2−(3−ブロモ−2−ホルミル−フェニル)−8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(1.14g、2.77mmol)及びKCO(1.7g、12.31mmol)の脱気した懸濁液、ジオキサン(15.6mL)、水(15mL)、n−BuOH(3.7mL)を含む第2のフラスコの中へアルゴン下でセライトの短いプラグを通して濾過した。反応混合物をもう一度アルゴンで脱気し、トリシクロヘキシルホスフィン(257mg、0.92mmol)、Pd(dba)(264mg、0.46mmol)を不活性雰囲気下で加え、反応混合物を110℃で1時間加熱した。反応系を室温に冷却し、セライトのプラグを通して濾過し、酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、得られた粗生成物を通常のシリカカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100−200メッシュ、DCM中2−2.5%MeOHで溶離した)により精製して、2−[8−フルオロ−2−(2−ホルミル−3−{5−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(1.1g、57.38%、400mgの混合物)を褐色の粘着性固体として得た。LC−MS:622.2(M+H).
Figure 2016510051

DCM(46.7mL)及びMeOH(30.8mL)中の2−[8−フルオロ−2−(2−ホルミル−3−{5−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(2.4g、3.85mmol)の撹拌した溶液に、水(3.4mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(292mg、7.70mmol)の溶液を0℃で加えた。反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した(シリカTLC;DCM中5%MeOH、Rf=0.4)。反応を氷(100g)でクエンチし、有機部分をDCM(200mL)で希釈し、分離し、乾燥させ濃縮した。得られた粗生成物を通常のシリカカラムクロマトグラフィー(シリカ、100−200、DCM中2%MeOHで溶離した)により精製した。精製した物質をDCM及びエーテルで再結晶して2−[8−フルオロ−2−(3−{5−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−2−ヒドロキシメチル−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−soキノリン−6−イル]−2−メチル−プロピオニトリル(1.6g、66.45%)を白色の固体として得た。LC−MS:625.3(M+H).
Figure 2016510051

ACN(80mL)中の6−アミノ−ピリジン−3−オール(4gm、36.364mmol)の撹拌した溶液に炭酸セシウム(47.41gm、145.45mmol)を加え、室温で1時間撹拌し、2−ブロモ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(5.66gm、38.18mmol)を加え16時間撹拌した(シリカTLC;ヘキサン中50%EtOAc、Rf=0.5)。反応系に水(200mL)を加え、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(通常のシリカゲル100−200メッシュ、ヘキサン中18〜22%EtOAcを溶離剤として使用した)により精製して2−(6−アミノ−ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(4.4g、53.96%)を明黄色の固体として得た。LC/MS:224.8(M+H).
Figure 2016510051

乾燥ジオキサン(80mL)中の2−(6−アミノ−ピリジン−3−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(2g、8.929mmol)及び4−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(2.588gm、11.607mmol)の撹拌した溶液に、CsCO(10.188gm、31.25mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンでよく脱気し、キサントホス(774mg、1.339mmol)及びPd(dba)(654mg、0.714mmol)をアルゴン雰囲気下で加え、90℃で18時間加熱した。反応混合物を冷やし、セライトのプラグを通して濾過し;ジオキサン(50mL)で洗浄した。合わせた抽出物を濃縮し、粗生成物を得、これを通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより溶離剤としてヘキサン中の18%EtOAcを使用して精製して、2−[6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(2.7gm、82.44%)を黄色の固体として得た。LC−MS:367.0(M+H).
Figure 2016510051

乾燥THF(25mL)中の2−[6−(6−クロロ−2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(1g、2.73mmol)の撹拌した溶液に、LAH[3.8mL、3.8mmol、THF中1(M)溶液]を−40℃で(15分かけてシリンジを介して)滴下した。反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した(シリカTLC;ヘキサン中50%EtOAcを溶離剤として使用;Rf=0.2)。水(0.1mL)を加えることによりクエンチし、10分間撹拌し、5%NaOH溶液(0.2mL)を加え、10分間撹拌し、もう一度水(0.2mL)を加え、10分間撹拌し、清澄な有機部分を分離し、乾燥させ濃縮し、粗生成物を通常のシリカカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100−200メッシュ、ヘキサン中40−50%酢酸エチルで溶離した)により精製して6−クロロ−4−[5−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミノ]−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(650mg、73.42%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS:325.2(M+H).
Figure 2016510051

メタノール(150mL)中の4−メトキシベンズアルデヒド(20g、147.05mmol)の撹拌した溶液に、アミノエタノール(35.88g、588.23mmol)、酢酸(40.58g、676.47mmol)を加え、室温で20時間撹拌し、反応系にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.54g、88.23mmol)を加え、室温で36時間撹拌した(シリカTLC;DCM中5%MeOHを溶離剤として使用した;Rf=0.2)。反応混合物に水(500mL)中の飽和NaHCOを加え、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、減圧下で濃縮して2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−エタノール(6.0g、22.51%)を赤色油状物として得た。LC−MS:182.2(M+H).
Figure 2016510051

DCM(20mL)中の2−(4−メトキシベンジルアミノエタノール(1.0g、5.52mmol)の撹拌した溶液に、4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(1.21g、5.52)、DIPEA(1.18mL、7.18mmol)及びHATU(2.1g、5.52mmol)を加え、室温で16時間撹拌した(シリカTLC;移動相としてDCM中5%MeOH;Rf=0.5)。反応混合物を濃縮し;残留物に、飽和水性NHCl(50mL)を加えEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を1%水性HCl(30mL)及び水(20mL)で洗浄した。分離した有機部分を乾燥させ、濃縮して粗製の固まりを得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中40%EtOAcで溶離した)により精製して4−ブロモ−2−フルオロ−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンズアミド(0.5g、23.68%)を黄色の液体として得た。LC−MS:382.2(M+)、384.2(M+2).
Figure 2016510051

DMF(10mL)中の4−ブロモ−2−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−メトキシベンジル)−ベンズアミド(1.0g、2.61mmol)の撹拌した溶液に、NaH[(パラフィン油中60%);0.125g、3.14mmol]を室温で加え、アルゴン下で16時間撹拌した(シリカTLC;ヘキサン中50%EtOAc、Rf=0.5)。反応混合物に水性飽和NHCl(30mL)を加えEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(50mL)、続いてブライン(30mL)で洗浄し;乾燥させ濃縮して粗製の固まりを得、これをフラッシュクロマトグラフィー(通常のシリカゲル、ヘキサン中25%EtOAcを溶離剤として使用した)により精製して、8−ブロモ−4−(4−メトキシ−ベンジル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オン(0.6g、63.28%)を白色の固体として得た。LC−MS:362.2(M+)、264.2(M+2).
Figure 2016510051

密閉したチューブ中で、8−ブロモ−4−(4−メトキシ−ベンジル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オン(2g、5.52mmol)、BINAP(0.206g、0.33mmol)及びCsCO(4.67g、14.36mmol)をジオキサン(35mL)中に取った。反応混合物をアルゴンで5分間脱気し、イソブチルアルデヒド(27)(1.03g、14.36mmol)及びPd(OAc)(50mg、0.22mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を80℃にゆっくりと加熱し、16時間撹拌した(シリカTLC;ヘキサン中40%EtOAc、Rf=0.4)。反応混合物に水性飽和NH4Cl(50mL)を室温で加え、EtOAc(2×40mL)で抽出し、合わせた抽出物を水(50mL)で洗浄し、乾燥させ濃縮した。得られた粗生成物混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(通常のシリカゲル、移動相としてヘキサン中25%EtOAcを使用した)により精製して純粋な2−[4−(4−メトキシ−ベンジル)−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−8−イル]−2−メチル−プロピオンアルデヒド(1.0g、51.22%)を白色の固体として得た。LC−MS:354.0(M+H).
Figure 2016510051

TFA(66.77mL、866.85mmol)中の2−[4−(4−メトキシ−ベンジル)−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−8−イル]−2−メチル−プロピオンアルデヒド(1.5g、4.24mmol)の撹拌した溶液を密閉したチューブに取り、反応混合物を100℃で1時間加熱した(シリカTLC;ヘキサン中60%EtOAc、Rf=0.2)。揮発物を減圧下で除去し;残留物を水性飽和NaHCOで中和し、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ濃縮して、粗残留物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(通常のシリカゲル、ヘキサン中60%EtOAcを溶離剤として使用した)により精製して2−メチル−2−(5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−8−イル)−プロピオンアルデヒド(0.7g、70.6%)を白色の固体として得た。LC−MS:234.4(M+H).
Figure 2016510051

ジオキサン(15mL)中の2−メチル−2−(5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−8−イル)−プロピオンアルデヒド(0.5g、2.14mmol)及び2−ブロモ−6−クロロ−ベンズアルデヒド(30)(1.175g、5.36mmol)の撹拌した溶液に、CsCO(1.74g、5.36mmol)を加えアルゴンで5分間脱気した。脱気した反応混合物に、キサントホス(0.124g、0.215mmol)及びPd(dba)(0.062g、0.107mmol)をアルゴン下で加えた。反応系を密閉条件下で105℃に6時間加熱し、続いて室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(通常のシリカゲル、ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、2−クロロ−6−[8−(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル]−ベンズアルデヒド(0.45g、56.4%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS:372.2(M+)、374.2(M+2).
Figure 2016510051

6−クロロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(0.75g、2.38mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.2g、4.76mmol)、(X−phos)(0.17g、0.357mmol)及びKOAc(0.7g、7.14mmol)の撹拌した溶液を乾燥ジオキサン(75mL)中に取り、減圧下に置き、アルゴンで充填しなおした。これに酢酸パラジウム(0.053g、0.238mmol)を加え、フラスコを排気し、アルゴンで充填しなおした。混合物を油浴中で100℃に加熱し、30分間撹拌した(LCMSによってモニタリングした)。少量の脱Cl物質が観察された。加熱を80℃まで下げた。フラスコを加熱浴から引き上げたが、撹拌を続け、以下の試薬:2−クロロ−6−[8−(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル]−ベンズアルデヒド(0.883g、2.38mmol)、KCO(1.64g、11.90mmol)、水(5mL;別々に脱気した)、トリシクロヘキシルホスフィン(200mg、0.71mmol)及びPd(dba)2(205mg、0.36mmol)を加えた。フラスコを撹拌し、80℃で2時間加熱し、次に室温に冷却した。水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×150mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(200mL)で洗浄し、水性部分をDCM(200mL)中5%MeOHで再抽出した。有機抽出物の両方を合わせ、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中70%EtOAc)により精製して、2−[8−(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル]−6−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ベンズアルデヒド(0.55g、37.5%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS:616.2(M+H).
Figure 2016510051

メタノール(90mL)及びジクロロメタン(150mL)中の2−[8−(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル]−6−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ベンズアルデヒド(2.5g、4.065mmol)の撹拌した溶液を氷浴で冷やした。これに水素化ホウ素ナトリウム(0.92g、24.39mmol)を加えた。混合物を10分間撹拌し(シリカTLC;EtOAcのみを溶離剤として使用した;Rf=0.2)、水(600mL)で希釈しジクロロメタン(2×600mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(600mL)で洗浄し、乾燥させ減圧下で濃縮した。得られた残留物をヘキサン中80%EtOAcで洗浄して、8−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチル)−4−{2−ヒドロキシメチル−3−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オン(2g、79.39%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS:620.4(M+H).
Figure 2016510051

DCM(220mL)中の2−クロロ−ベンズアルデヒド(10g、71.42mmol)の撹拌した溶液に、O−メチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩(35)(7.11g、85.71mmol)及びピリジン(23mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した(シリカTLC;ヘキサン中15%EtOAc、Rf=0.6)。反応混合物を濃縮し、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン中10%EtOAcを溶離剤として使用して精製して[(2−クロロフェニル)メチリデン](メトキシ)アミン(9g、74.3%)を無色の油状物として得た。LC−MS:170.4(M+H).
Figure 2016510051

密閉したチューブ中で[(2−クロロフェニル)メチリデン](メトキシ)アミン(5g、29.58mmol)をDCE(100mL)中に取り、続いてN−ブロモスクシンイミド(5.23g、29.58mmol)、トリフルオロ酢酸銀(0.65g、2.95mmol)、酢酸パラジウム(0.66g、2.95mmol)及び酢酸(1.77g、29.58mmol)を加えた。得られた混合物を120℃に24時間加熱した。室温で水(150mL)及びDCM(300mL)を加え、混合物をセライトパッドで濾過した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(200mL)で再抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、得られた粗製の固まりをフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサンのみを使用して精製して、[(2−ブロモ−6−クロロフェニル)メチリデン](メトキシ)アミン(4.0g、54.4%)を黄色に着色した液体として得た。
Figure 2016510051

密閉したチューブ中で[(2−ブロモ−6−クロロフェニル)メチリデン](メトキシ)アミン(4.0g、16.12mmol)をTHF−HO(10:1;110mL)中に取った。反応混合物に、PTSA(6.12g、32.25mmol)、続いてパラホルムアルデヒド(4.83g、161.29mmol)を加え、100℃に30分間加熱した(シリカTLC;ヘキサンのみを溶離剤として使用した;Rf=0.3)。反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(200mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン中5%EtOAcを溶離剤として使用して精製して2−ブロモ−6−クロロ−ベンズアルデヒド(3.0g、84.75%)を黄色の固体として得た。
Figure 2016510051

アルゴン下の丸底フラスコに、5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミン(10g、57.8mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(9.4g、92.48mmol)、銅(I)トリフラート−ベンゼン錯体(1.74g、3.468mmol)、ラセミtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(40)(1.41mL、11.742mmol)及びDMSO(50mL)を入れた。反応混合物を110℃で16時間加熱した。反応の完了後、混合物を氷冷した水に注ぎ、水層をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ減圧下で濃縮した。粗製の固まりを、EtOAc−ヘキサンで溶離させる通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミン(4.0g、40.18%)を褐色の固体として得た。
Figure 2016510051

THF(40mL)中の5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミン(1.9g、11.047mmol)の溶液にカリウムtert−ペントキシド(THF中2M溶液)(4.2mL、8.4mmol)を滴下した。混合物を室温で10分間撹拌し、次に、氷浴中で冷却し、4−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(2.96g、13.256mmol)をTHF(20mL)中に溶解し、先の混合物に滴下した。混合物全体をもう一度室温に暖め、1.5時間撹拌した。反応の完了後、それを1M HClでクエンチし、混合物をDCM中に取り、焼結式漏斗で濾過した。濾液を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ減圧下で濃縮して粗製の6−クロロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(1.0g、28.76%)をオフホワイトの固体として得、これを更なる精製をすることなく次の工程に直接使用した。
Figure 2016510051

DCM(150mL)中の(2−ブロモ−6−ニトロ−フェニル)−メタノール(15.0g、64.65mmol)の溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(29.233g、193.94mmol)及びTEA(19.6mL、193.94mmol)を順次加えた。得られた混合物を60℃で40時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした(酢酸エチル:ヘキサン=1:9;Rf=0.7)。溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を酢酸エチル(1.5L)と水(1.0L)との間で分配した。有機層を乾燥させ、濾過し濃縮した。粗生成物を、ヘキサンからヘキサン中5%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(通常の、100−200メッシュ)カラムクロマトグラフィーで精製して純粋な(2−ブロモ−6−ニトロ−ベンジルオキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(21.0gm、93.81%)を明黄色の液体として得た。LC−MS:346.4(M+)、348.4(M+2).
Figure 2016510051

エタノール−水(1:1;340mL)中の、(2−ブロモ−6−ニトロ−ベンジルオキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(7.0gm、20.29mmol)、鉄粉末(3.83gm、68.58mmol)及び塩化アンモニウム(6.121gm、114.44mmol)の混合物を90℃で4時間加熱した(シリカTLC;酢酸エチル:ヘキサン=1:19、Rf=0.4)。反応混合物を焼結式漏斗中のセライトパッドで濾過し、酢酸エチル(2×20mL)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液を濃縮し、酢酸エチル(1.5L)を粗生成物に加え水(700mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し濃縮し、得られた粗生成物を、ヘキサン〜ヘキサン中2%酢酸エチルで溶離する中性アルミナカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な3−ブロモ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−フェニルアミン(5.8gm、90.37%)を明橙色の液体として得た。
Figure 2016510051

ジオキサン(60.0mL)中の3−ブロモ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−フェニルアミン(1.0gm、3.164mmol)の溶液に、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](4.018gm、15.821mmol)及びKOAc(0.932gm、9.493mmol)を加えた。混合物をアルゴンで脱気し、この混合物にPd(OAc)(71mg、0.316mmol)及びX−Phos(211mg、0.443mmol)を加え、脱気をアルゴンを用いて更に5分間続け、次に、90℃で3時間加熱した(シリカTLC;酢酸エチル:ヘキサン=1:19、Rf=0.4)。反応混合物をセライトパッドで濾過し、ジオキサン(2×5mL)で洗浄し濾液と合わせた。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、得られた粗残留物を、ヘキサン〜ヘキサン中2%酢酸エチルで溶離する中性アルミナカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋な2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミン(350mg、30.44%)を明橙色の固体として得た。LC−MS:364.2(M+H).
Figure 2016510051

密閉したチューブ中でジオキサン(52.0mL)中の2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミン(1.3g、3.58mmol)及び5−ブロモ−1−メチル−3−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−ピリジン−2−オン(1.407g、3.58mmol)の撹拌した混合物に、1(M)KCO水溶液(10.7mL)を加えアルゴンで脱気した。S−Phos(220mg、0.54mmol)及びPd(PPh(207mg、0.18mmol)を加え、続いてもう一度アルゴンで脱気し;密閉し90℃で2.5時間加熱した(シリカTLC;酢酸エチルのみ、Rf=0.5)。反応混合物を室温に冷却し酢酸エチル(250mL)を加えた。有機部分を水(120mL)及びブライン(120mL)で洗浄し、乾燥させ濾過し、真空中で濃縮して粗製の固まりを得、これを通常のシリカゲル(通常の、100−200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによりヘキサン中50%酢酸エチルから純酢酸エチルへの勾配極性溶離液を使用して精製して、純粋な5−[3−アミノ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−フェニル]−1−メチル−3−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−ピリジン−2−オン(1.31g、66.61%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS:550.4(M+H).
Figure 2016510051

DCM(70.0mL)中の5−[3−アミノ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−フェニル]−1−メチル−3−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−ピリジン−2−オン(700mg、1.27mmol)の溶液にトリエチルアミン(0.44mL、3.18mmol)を加え氷浴で0℃に冷却し、続いてホスゲン溶液[0.8mL、1.53mmol(トルエン中20%)]を添加し、0℃で10分間撹拌し、続いて5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール(489mg、3.18mmol)を加え、更に30分間撹拌した(シリカTLC;酢酸エチル100%、Rf=0.45)。溶媒を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル(通常の、100−200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによりヘキサン中50%酢酸エチルから100%酢酸エチルへの勾配溶離液を使用して精製して、5−クロロ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸(2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−アミド(910mg、97.99%)を褐色の粘着性固体として得た。LC−MS:729.4(M+H).
Figure 2016510051

メタノール(45.0mL)及びDCM(18.0mL)中の5−クロロ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸(2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−アミド(900mg、1.23mmol)の溶液に12(N)HCl(0.9mL)を室温で加え、10分間撹拌した(シリカTLC;メタノール:DCM=1:19を溶離剤として使用した、Rf=0.4)。飽和NaHCO溶液を泡立ちが止まるまで滴下した。反応物の固まりをDCM(600mL)で希釈し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ真空中で濃縮して粘着性の粗製の固まりを得、これをDCM−ヘキサン混合物から再結晶により精製して純粋な5−クロロ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−アミド(620mg、81.69%)を灰色固体として得た。LC−MS:615.2(M+H).
Figure 2016510051

10%HSO(82mL)中のニコチンアミド(10.0g、81.88mmol)の撹拌した溶液に、2,2−ジメチル−プロピオン酸(41.8g、409.4mmol)及びAgNO(4.2g、24.564mmol)を加え、混合物を撹拌しながら70℃で加熱した。HO(122mL)中の(NH(56.1g、245.64mmol)の溶液を、CO発生が止まるまで加えた。反応系をアルゴン雰囲気下で同じ温度で更に1時間撹拌した。TLCによりモニタリングして反応の完了後、混合物を室温に冷却し、水性NHの添加によりpH約9に調整し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製化合物をCombiFlashカラムクロマトグラフィーにより溶離溶媒としてEtOAc−ヘキサンを使用して精製して6−tert−ブチル−ニコチンアミド(9.6g、66%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS:179.0(M+H).
Figure 2016510051

10%HSO(90mL)中の6−tert−ブチル−ニコチンアミド(2g、11.221mmol)の撹拌した溶液に、3−フタリミドプロパン酸(9.84g、44.883mmol)、AgNO(1.91g、11.221mmol)、(NH(20.5g、89.767mmol)及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド(1.8g、4.937mmol)をそれぞれ加え、混合物全体を90℃で30分間加熱した。この混合物を70℃に冷却し、ACN−HO(3:7)(100mL)中の(NH(20.5g、89.767mmol)の溶液を加え、混合物をもう一度90℃で3時間加熱した。混合物をもう一度70℃に冷却し、ACN−HO(3:7)(100mL)中の(NH(20.5g、89.767mmol)の溶液を加え、90℃に16時間維持した。RMをSiOTLCによりモニタリングし、少量のSMがなお存在していたので、混合物をもう一度70℃に冷却し、ACN−HO(3:7)(100mL)中の(NH(20.5g、89.767mmol)の溶液を加え、更に6時間90℃に維持した。ある程度の量の出発物質が混合物中に存在し、これは長時間の加熱後でも消費されなかった。反応混合物を室温に冷却し、水性NHの添加によりpH約7に中和し、DCM(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ減圧下で濃縮して粗製の固まりを得、これを通常のシリカゲルカラムの小さなベッドに通して所望でない不純物を除去し、6−tert−ブチル−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチル]−ニコチンアミド(1.7gの粗製)を褐色の粘性油状物として他のいくつかの不純物と一緒に得た。この純粋でない物質を更なる精製をすることなく次の工程に直接使用した。LCMS:353.0(M+H).
Figure 2016510051

CHCN(40mL)中の(2.55g粗生成物、7.256mmol)の撹拌した溶液に、NHNH.HO(0.68mL、14.513mmol)を加え混合物を3時間還流した。SiOTLCによってモニタリングして反応の完了後、混合物を室温に冷却し、焼結式漏斗で濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗化合物を通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離溶媒としてEtOAc−ヘキサンを使用して精製して6−tert−ブチル−3,4−ジヒドロ−2H−[2,7]ナフチリジン−1−オン(165mg、2ステップで4.5%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS:205.0(M+H).
Figure 2016510051

6−tert−ブチル−3,4−ジヒドロ−2H−[2,7]ナフチリジン−1−オン(0.46g、2.252mmol)、2,6−ジブロモ−ベンズアルデヒド(2.97g、11.26mmol)、キサントホス(65.2mg、0.113mmol)及びCsCO(1.03g、3.153mmol)を1,4−ジオキサン(4.5mL)に取り、10分間混合物にアルゴンガスを通してバブリングした。Pd(dba)(38.8mg、0.068mmol)をそれに加え、100℃で4時間撹拌した。(TLCによりモニタリングして)反応の完了後、得られた混合物を室温に冷却し、これをEtOAcと水との間で分配した。有機層を集め、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の固まりを通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサンを使用して精製して2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−ベンズアルデヒド(416.0mg、47.7%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS:387.0(M)及び389.0(M+2).
Figure 2016510051

乾燥1,4−ジオキサン(22mL)中の、5−クロロ−1−メチル−3−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−1H−ピリジン−2−オン(506mg、1.29mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(424.7mg、1.67mmol)、X−phos(92mg、0.193mmol)及びKOAc(379mg、3.86mmol)の溶液を減圧下に置き、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(OAc)(31.7mg、0.142mmol)をそれに加え、フラスコを排気し、5分間アルゴンでもう一度充填しなおした。これを0.5時間還流し、次に室温に冷却した。固体をセライトベッドで濾別し、濾液を次反応のために直接使用した。別の丸底フラスコ中で、ジオキサン−水−n−ブタノール(1:1:0.4)(13.6mL)中の、2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−ベンズアルデヒド(0.5g、1.29mmol)、KCO(888mg、6.44mmol)及びCyP(108mg、0.39mmol)の混合物を脱気し、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(dba)(111mg、0.193mmol)、続いて先の反応の粗溶液をそれぞれ、それに加え、混合物全体を110℃で1時間加熱した。TLC及びLC−MSによりモニタリングして反応の完了後、反応系を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離溶媒としてMeOH−EtOAcを使用して粗生成物を得て2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−6−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−ベンズアルデヒド(488mg、2ステップで61%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS:621.2(M+H).
Figure 2016510051

メタノール−DCM(2:3)(15.2mL)中の2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−6−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−ベンズアルデヒド(1130mg、1.82mmol)の溶液を0℃に冷却し、水(3.8mL)中のNaBH(344g、9.11mmol)の溶液をそれに滴下した。得られた混合物を5分間撹拌し、追加の固体水素化ホウ素ナトリウム(344g、9.11mmol)を分割して加え、10分間撹拌した。LCMSによってモニタリングして反応の完了後、水で希釈し、DCMで抽出し、NaSOで乾燥させ減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルでDCM中の塩基性溶液(60:10:1のDCM−MeOH−NHOH)を使用して、6−tert−ブチル−2−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[2,7]ナフチリジン−1−オンを得、これをジエチルエーテル及びn−ペンタンで洗浄することによって更に精製し、オフホワイトの固体として6−tert−ブチル−2−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[2,7]ナフチリジン−1−オン(215mg、18.96%)を得た。LCMS:623.2(M+H).
Figure 2016510051

乾燥1,4−ジオキサン(12.5mL)中の、6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オン(280mg、0.801mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(264.3mg、1.041mmol)、X−phos(57.2mg、0.12mmol)及びKOAc(235.7mg、2.402mmol)の溶液を減圧下に置き、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(OAc)(19.7mg、0.088mmol)をそれに加え、フラスコを排気し5分間アルゴンでもう一度充填しなおした。これを16分間還流し、次に室温に冷却した。固体をセライトベッドで濾別し、濾液を次反応のために直接使用した。別の丸底フラスコ中で、ジオキサン−水−n−ブタノール(1:1:0.25)(8.1mL)中の、2−ブロモ−6−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−ベンズアルデヒド(56)(305.0mg、0.788mmol)、KCO(543.4mg、3.938mmol)及びCyP(66.3mg、0.236mmol)の混合物を脱気し15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(dba)(67.9mg、0.118mmol)、続いて先の反応の粗溶液をそれぞれ、それに加え、混合物全体を110℃で1時間加熱した。TLC及びLC−MSによりモニタリングして反応の完了後、反応系を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗製の固まりを得、これを通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離溶媒としてEtOAcを使用して精製して2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−6−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ベンズアルデヒド(291.0mg、2ステップで59.44%)を黄色の固体として得た。LCMS:622.6(M+H).
Figure 2016510051

メタノール−DCM(2:3)(22.2mL)中の2−(6−tert−ブチル−1−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[2,7]ナフチリジン−2−イル)−6−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ベンズアルデヒド(700mg、1.13mmol)の溶液を0℃に冷却し、水(4mL)中のNaBH(213mg、5.63mmol)の溶液をそれに滴下した。得られた混合物を5分間撹拌し、追加の固体水素化ホウ素ナトリウム(213mg、5.63mmol)を分割して加え、もう一度その温度で10分間撹拌した。LCMSによってモニタリングして反応の完了後、水を加えDCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルでDCM中の4−6%マジック溶液(比率60:10:1のDCM−MeOH−NHOH)を使用して精製して6−tert−ブチル−2−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[2,7]ナフチリジン−1−オンを得、これをジエチルエーテル及びn−ペンタンで洗浄することによって更に精製してオフホワイトの固体(322mg、46.00%)を得た。LCMS:624.4(M+H).
Figure 2016510051

DMSO(10mL)中の、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン(58)(1g、4.545mmol)、1,3−ジブロモ−2−メチル−ベンゼン(2.27g、9.091mmol)、CuI(0.26g、1.364mmol)及びKCO(0.63g、4.545mmol)の懸濁液を脱気し、続いて密閉したチューブ中で15分間アルゴンで充填しなおし、混合物を140℃で18時間加熱した。LC−MSによってモニタリングして反応の完了後、混合物を室温に冷却し、EtOAc−HOで希釈した。有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の固まりを通常のシリカゲルで溶離溶媒としてEtOAc−ヘキサンを使用して精製して2−(3−ブロモ−2−メチル−フェニル)−6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン(4.65g、43%)を明黄色の固体として得た。LCMS:389.0(M+)、391.2(M+2).
Figure 2016510051

2−(3−ブロモ−2−メチル−フェニル)−6−tert−ブチル−8−フルオロ−2H−フタラジン−1−オン(1.55g、3.985mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.02g、7.969mmol)、X−phos(0.23g、0.398mmol)及びKOAc(0.9g、9.165mmol)の混合物を、密閉したチューブ中でジオキサン(12mL)に取り、脱気し、続いて15分間アルゴンで充填しなおした。それにPd(OAc)(54mg、0.239mmol)を加え、80℃で6時間加熱した。反応はLC−MS及びTLCによれば完了していなかったので、試薬全量の半分をもう一度加え、同じ温度で16時間加熱し続けた。TLC及びLC−MSによりモニタリングして反応の完了後、混合物を室温に冷却しセライトのベッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗製の固まりをEtOAc−ヘキサンを使用する通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーの小さなベッドを通して、半純粋な6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−[2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−2H−フタラジン−1−オン(0.8g、約46.01%)を得、これを更なる精製をすることなく次反応に直接使用した。LCMS:437.0(M+H).
Figure 2016510051

10%水性ジオキサン(69mL)中の6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−[2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−2H−フタラジン−1−オン(2.4g、5.51mmol)及び6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オン(1.54g、4.4mmol)の溶液に、CsCO(6.75g、20.8mmol)を加え、この混合物をマイクロ波条件下に120℃で3時間加熱した。反応の完了後、混合物をセライトのベッドで濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物をDCM中の10%マジック溶液(DCM:MeOH:NHOH、比率60:10:1)を使用するフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−(2−メチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−2H−フタラジン−1−オン(1.5g、43.7%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS:624.2(M+H).
Figure 2016510051

水(20mL)中の水酸化ナトリウム(3.46g、86.667mmol)の撹拌した溶液に3−tert−ブチルフェノール(10g、66.667mmol)を加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。それに2−(2−ブロモ−エチル)−[1,3]ジオキサン(14.3g、73.33mmol)を加え、得られた混合物を41時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、次にEtOAc(150mL)を加え、撹拌しながら酢酸を加えてpH約4にし、続いて水(100mL)及びEtOAc(150mL)で希釈した。分配後に層を分離し、有機層を水(3×100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して2−[2−(3−tert−ブチル−フェノキシ)−エチル]−[1,3]ジオキサン(16gの粗生成物、約90.79%)を得、これを更なる精製をすることなく次の工程に直接使用した。GC−MS:264.0(M+).
Figure 2016510051

濃HCl(80mL)を氷浴で冷やし、それにTHF(40mL)を加えた。THF(40mL)中の2−[2−(3−tert−ブチル−フェノキシ)−エチル]−[1,3]ジオキサン(10g粗製、37.879mmol)を撹拌しながらその温度でゆっくりと加えた。添加の完了後、氷浴を取り除き、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。出発物質全部が消費された後、エーテル(100mL)を混合物に加え、層を分離した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ濃縮して、粗製の7−tert−ブチル−クロマン−4−オール(7.0g、粗製)を明黄色の油状物として得、これを更なる精製をすることなく次の工程に移した。
Figure 2016510051

7−tert−ブチル−クロマン−4−オール(7g粗製、33.981mmol)をDCM(300mL)に取り、撹拌しながらPCC(14.65g、67.961mmol)を分割して加えた。添加完了後、反応混合物を室温で3時間撹拌した。(LCMSによってモニタリングして)反応の完了後、ヘキサンを反応混合物に加え、セライトベッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗製の固まりを、通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離溶媒としてEtOAc−ヘキサンを使用して精製して7−tert−ブチル−クロマン−4−オン(3.8g、2ステップで49.18%)を明褐色の固体として得た。LCMS:205.2(M+H).
Figure 2016510051

7−tert−ブチル−クロマン−4−オン(5.0g、24.51mmol)及びメタンスルホン酸(7.5mL)をDCM(12mL)に取り、0℃に冷却した。固体ナトリウムアジド(3.2g、49.02mmol)をこの混合物に加え、得られた混合物をその温度で3時間撹拌した。反応混合物をNaOHの20%水溶液に0℃で注ぎ、もう一度10分間撹拌した。水性部分全体をCHCl(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の固まりを通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサンを使用して精製して8−tert−ブチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オン(5.0g、93.03%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS:220.2(M+H).
Figure 2016510051

8−tert−ブチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オン(0.92g、4.201mmol)、2,6−ジブロモ−ベンズアルデヒド(4.99g、18.904mmol)、キサントホス(109.4mg、0.189mmol)及びCsCO(1.91g、5.881mmol)を1,4−ジオキサン(15mL)に取り、アルゴンガスを混合物に通して10分間バブリングした。Pd(dba)(72.5mg、0.126mmol)をそれに加え、100℃で3時間撹拌した。TLCによりモニタリングして反応の完了後、得られた混合物を室温に冷却し、これをEtOAcと水との間で分配した。有機層を回収し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の固まりを通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサンを使用して精製して2−ブロモ−6−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−ベンズアルデヒド(1.1g、65.09%)を明褐色の固体として得た。LCMS:402.0(M−H)及び404.0(M+H).
Figure 2016510051

乾燥1,4−ジオキサン(30mL)中の、6−クロロ−2−メチル−4−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−2H−ピリダジン−3−オン(0.86g、2.464mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1001.4mg、3.943mmol)、X−phos(176.2mg、0.37mmol)及びKOAc(725.6mg、7.393mmol)の溶液を減圧下に置き、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(OAc)(55.3mg、0.246mmol)をそれに加え、フラスコを排気し、5分間アルゴンでもう一度充填しなおした。これを100℃で30分間加熱し、次に室温に冷却した。固体をセライトベッドで濾別し、濾液を次の反応に直接使用した(M+H:316.2)。別の丸底フラスコ中で、ジオキサン−水−n−ブタノール(1:1:0.4)(24mL)中の、2−ブロモ−6−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−ベンズアルデヒド(1g、2.481mmol)、KCO(1.03g、7.444mmol)及びCyP(0.21g、0.744mmol)の混合物を脱気し、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(dba)(0.21g、0.372mmol)、続いて先の反応の粗製の濾液をそれぞれ、それに加え、混合物全体を110℃で1.5時間加熱した。TLC及びLC−MSによりモニタリングして反応の完了後、反応系を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗製の固まりを得、これを溶離溶媒としてMeOH−EtOAcを使用するCombiFlashカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−6−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ベンズアルデヒド(1.0g、2ステップで63.3%)を白色の固体として得た。LCMS:637.6(M+H).
Figure 2016510051

メタノール−DCM(2:3)(69mL)中の2−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−6−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−ベンズアルデヒド(4.6g、3.145mmol)の溶液を0℃に冷却し、水(6.9mL)中のNaBH(1.38g、15.723mmol)の溶液をそれに滴下した。得られた混合物を10分間撹拌し、追加の固体水素化ホウ素ナトリウム(2.7g、31.447mmol)を分割して加え、もう一度その温度で1時間撹拌した。(LCMSによってモニタリングして)反応の完了後、水を加えDCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の固まりをDCM中10−30%マジック溶液(比率60:10:1のDCM−MeOH−NHOH)を使用するフラッシュシリカゲルで精製して8−tert−ブチル−4−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オンを得、これをジエチルエーテル及びn−ペンタンで洗浄することによって更に精製してオフホワイトの固体(2.12g、45.87%)を得た。LCMS:639.2(M+H).
Figure 2016510051

乾燥1,4−ジオキサン(70mL)中の、6−クロロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン(0.78g、2.484mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1009.5mg、3.975mmol)、X−phos(177.6mg、0.373mmol)及びKOAc(731.4mg、7.452mmol)の溶液を減圧下に置き、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(OAc)(55.8mg、0.248mmol)をそれに加え、フラスコを排気し、5分間アルゴンでもう一度充填しなおした。これを100℃で1時間加熱し、次に室温に冷却した。この溶液を次の反応に直接使用した(M+H:323.6)。別の丸底フラスコ中で、ジオキサン−水−n−ブタノール(1:1:0.25)(27mL)中の、2−ブロモ−6−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−ベンズアルデヒド(1g、2.481mmol)、KCO(1.71g、12.407mmol)及びCyP(0.21g、0.744mmol)の混合物を脱気し、15分間アルゴンで充填しなおした。Pd(dba)(0.21g、0.372mmol)、続いて先の反応の粗製の溶液をそれぞれ、それに加え、混合物全体を110℃で1.5時間加熱した。TLC及びLC−MSによりモニタリングして反応の完了後、反応系を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗製の固まりを得、これを溶離溶媒としてMeOH−EtOAcを使用するCombiFlashカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−6−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ベンズアルデヒド(510mg、2ステップで34.16%)を明黄色の固体として得た。LCMS:602.2(M+H).
Figure 2016510051

メタノール−DCM(2:3)(30mL)中の2−(8−tert−ブチル−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−4−イル)−6−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−ベンズアルデヒド(1g、1.572mmol)の溶液を0℃に冷却し、水(3mL)中のNaBH(0.3g、7.862mmol)の溶液をそれに滴下した。得られた混合物を10分間撹拌し、追加の固体水素化ホウ素ナトリウム(0.59g、15.723mmol)を分割して加え、もう一度その温度で1時間撹拌した。LCMSによってモニタリングして反応の完了後、水を加えDCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の固まりをDCM中の10−30%マジック溶液(比率60:10:1のDCM−MeOH−NH4OH)を使用するフラッシュシリカゲルで精製して8−tert−ブチル−4−{2−ヒドロキシメチル−3−[5−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オンを得、これをジエチルエーテル及びn−ペンタンで洗浄することによって更に精製してオフホワイトの固体(540mg、56.89%)を得た。LCMS:604.4(M+H).
生物学的実施例
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害アッセイ
このアッセイは、濾過を通した放射性33Pリン酸化生成物の捕捉である。BTK、ビオチン化SHペプチド基質(Src相同)、及びATPの相互作用により、ペプチド基質がリン酸化される。ビオチン化生成物を、ストレプトアビジンセファロースビーズに結合させる。全ての結合している放射標識された生成物をシンチレーションカウンターで検出する。
アッセイするプレートは、96ウェルポリプロピレン(Greiner)及び96ウェル1.2μm親水性PVDFフィルタープレート(Millipore)である。本明細書に報告する濃度は、最終アッセイ濃度である:DMSO(Burdick and Jackson)中10〜100μM 化合物、5〜10nM BTK酵素(Hisタグ付き、完全長)、30μM ペプチド基質(ビオチン−Aca−AAAEEIYGEI−NH)、100μM ATP(Sigma)、8mMイミダゾール(Sigma、pH7.2)、8mM グリセロール−2−リン酸(Sigma)、200μM EGTA(Roche Diagnostics)、1mM MnCl(Sigma)、20mM MgCl(Sigma)、0.1mg/mL BSA(Sigma)、2mM DTT(Sigma)、1μCi 33P ATP(Amersham)、20%ストレプトアビジンセファロースビーズ(Amersham)、50mM EDTA(Gibco)、2M NaCl(Gibco)、1%リン酸を含む2M NaCl(Gibco)、microscint−20(Perkin Elmer)。
IC50の決定は、標準的な96ウェルプレートアッセイテンプレートから得られるデータを利用して、1化合物当たり10個のデータ点から計算する。1つの対照化合物及び7つの未知阻害剤を各プレートにおいて試験し、そして、各プレートで2回測定した。典型的には、化合物は、100μMで始まり3nMで終わる半対数(half-log)で希釈を行った。対照化合物は、スタウロスポリンであった。バックグラウンドは、ペプチド基質の非存在下で計数した。総活性は、ペプチド基質の存在下で決定した。以下のプロトコールを用いて、BTK阻害を決定した。
1) サンプルの調製:試験化合物を、アッセイバッファ(イミダゾール、グリセロール−2−リン酸、EGTA、MnCl、MgCl、BSA)中、半対数増分で希釈した。
2) ビーズの調製:
a.) 500gで遠心分離することによってビーズをすすぐ。
b.) 該ビーズをPBS及びEDTAで再構成して20%ビーズスラリーを生成する。
3) 30℃で15分間、基質を含まない反応ミックス(アッセイバッファ、DTT、ATP、33P ATP)及び基質を含むミックス(アッセイバッファ、DTT、ATP、33P ATP、ペプチド基質)をプレインキュベートする。
4) アッセイを開始するために、酵素バッファ(イミダゾール、グリセロール−2−リン酸、BSA)中BTK 10μL及び試験化合物 10μLを室温で10分間プレインキュベートする。
5) 基質を含まないか又は含む反応混合物30μLをBTK及び化合物に添加する。
6) 全アッセイミックス50μLを30℃で30分間インキュベートする。
7) アッセイの40μLをフィルタープレート中のビーズスラリー150μLに移して、反応を停止させる。
8) 30分間後、以下の工程を用いてフィルタープレートを洗浄する
a. 3×NaCl 250μL
b. 3×1%リン酸を含有するNaCl 250μL
c. 1×HO 250μL
9) 65℃で1時間又は室温で一晩プレートを乾燥させる。
10) microscint−20 50μLを添加し、そして、シンチレーションカウンターで33P cpmを計数する。
cpmの生データから%活性を計算する。
%活性=(サンプル−bkg)/(総活性−bkg)×100
1サイト用量応答シグモイドモデルを用いて、%活性からIC50を計算する。
y=A+((B−A)/(1+((x/C)))))
x=化合物の濃度、y=%活性、A=最小、B=最大、C=IC50、D=1(ヒル勾配)
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害のTR−FRET(時間分解FRET)アッセイ
このBTK競合アッセイは、FRET(フェルスター/蛍光共鳴エネルギー転移)技術を用いて、ブルトン型チロシンキナーゼの不活性化状態についての化合物の力価(IC50)を測定する。50nM BTK-Bioease(商標):10nM Eu−ストレプトアビジン(Perkin-Elmer カタログ番号AD0062)の開始濃度で用いる1時間前に、BTK−Eu複合体を氷上でインキュベートした。アッセイバッファは、20mM HEPES(pH 7.15)、0.1mM DTT、10mM MgCl、3%キナーゼ安定化剤(Fremont Biosolutions、カタログ番号STB−K02)を含む0.5mg/mL BSAからなっていた。1時間後、上記で得られた反応混合物をアッセイバッファ中10倍希釈して、5nM BTK:1nM Eu−ストレプトアビジン複合体(ドナーフルオロフォア)を作製した。次いで、0.11nM BTK−Eu及び0.11nM キナーゼトレーサー178(Invitrogen、カタログ番号PV5593)の混合物 18μLを、ネガティブコントロールなしとしてのBTK−Euのみと共に、384ウェル平底プレート(Greiner、784076)に分注した。アッセイにおいて試験する化合物は、10倍濃縮物として調製し、そして、10点曲線を作成するために半対数増分の連続希釈をDMSO中で行った。FRET反応を開始させるために、DMSO中の10倍ストックとして調製した化合物をプレートに添加し、該プレートを14℃で18〜24時間インキュベートした。
インキュベートした後、プレートをBMG Pherastar蛍光プレートリーダー(又は等価物)で読み取り、そして、ユウロピウムドナーフルオロフォア(620nm発光)及びFRET(665nm発光)からの発光エネルギーを測定するために用いた。ネガティブコントロールのウェルの値を平均して平均最小値を得た。「阻害剤を含まない」ポジティブコントロールのウェルを平均して、平均最大値を得た。最大FRETの%を以下の等式を用いて計算した:
%最大FRET=100×[(FSR化合物−FSR平均最小値)/(FSR平均最大値−FSR平均最小値)]
(式中、FSR=FRETシグナル比)。%最大FRET曲線をActivity Base(Excel)にプロットし、そして、IC50(%)、ヒル勾配、z’及び%CVを決定した。Microsoft Excelを用いて二連曲線(2つの独立な希釈液から得た1本の阻害曲線)から平均IC50及び標準偏差を得る。
このアッセイについての代表的な化合物のデータを以下の表IIに列挙する。
Figure 2016510051
CD69の発現によって測定した全血におけるB細胞活性化の阻害
ヒト血液におけるB細胞のB細胞受容体媒介活性化を抑制するBTK阻害剤の能力を試験するための手順は、以下のとおりである:
24時間薬物を服用していない非喫煙者という制限条件で、健常ボランティアからヒト全血(HWB)を得る。ヘパリンナトリウムで抗凝固処理したVacutainerチューブに静脈穿刺によって血液を採取する。試験化合物を、PBS(20×)で所望の出発薬物濃度に10倍希釈し、次いで、PBS中10%DMSO中3倍連続希釈して、9点用量応答曲線を作成する。各化合物の希釈液5.5μLを96ウェルV底プレート(Analytical Sales and Services、#59623−23)2mLに二連で添加し;PBS中10%DMSO 5.5μLを対照及び非刺激ウェルに添加する。HWB(100μL)を各ウェルに添加し、そして、混合した後、プレートを37C、5%CO、湿度100%で30分間インキュベートする。ヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(Southern Biotech、#2022−14)(500μg/mL溶液 10μL、最終濃度50μg/mL)を混合しながら各ウェル(非刺激ウェルを除く)に添加し、そして、プレートを更に20時間インキュベートする。
20時間のインキュベートの最後に、37C、5%CO、湿度100%で30分間、蛍光プローブ標識した抗体(PEマウス抗ヒトCD20 15μL、BD Pharmingen、#555623及び/又はAPCマウス抗ヒトCD69 20μL、BD Pharmingen、#555533)と共にサンプルをインキュベートする。補償調整及び初期電圧設定のために、誘導された対照、未染色、及び単回染色を含める。次いで、1×Pharmingen Lyse Buffer(BD Pharmingen #555899)1mLでサンプルを溶解させ、そして、プレートを1800rpmで5分間遠心分離する。吸引を介して上清を除去し、そして、残りのペレットを別の1×Pharmingen Lyse Buffer 1mLで再度溶解させ、そして、プレートを上記のとおりスピンダウンする。上清を吸引し、そして、残りのペレットをFACsバッファ(PBS+1% FBS)で洗浄する。最後のスピンの後、上清を除去し、そして、ペレットをFACsバッファ 180μLに再懸濁させる。BD LSR IIフローサイトメーターにおけるHTS96ウェルシステムで測定するのに適した96ウェルプレートにサンプルを移す。
用いるフルオロフォアに適切な励起及び発光波長を用いて、データを取得し、そして、Cell Questソフトウェアを用いて陽性細胞率の値を得る。結果は、まず、FACS解析ソフトウェア(Flow Jo)によって解析する。試験化合物についてのIC50は、抗IgMによる刺激後にCD20陽性でもあるCD69陽性細胞の割合が50%低下する濃度として定義される(非刺激バックグラウンドについての8つのウェルの平均を減じた後の8つの対照ウェルの平均)。IC50値を、XLfitソフトウェア、バージョン3、式201を用いて計算する。
B細胞活性化の阻害−Ramos細胞におけるB細胞FLIPRアッセイ
本発明の化合物によるB細胞活性化の阻害は、抗IgMで刺激されたB細胞の応答に対する試験化合物の効果を決定することによって示される。
B細胞FLIPRアッセイは、抗IgM抗体による刺激から細胞内のカルシウム増加の潜在的阻害剤の効果を決定する、細胞に基づく機能的方法である。Ramos細胞(ヒトバーキットリンパ腫細胞株、ATCC番号CRL−1596)を増殖培地(下記)で培養した。アッセイの1日前、Ramos細胞を新鮮増殖培地(上記と同じ)に再懸濁させ、そして、組織培養フラスコ内において0.5×10/mLの濃度に設定した。アッセイ当日、細胞を計数し、そして、組織培養フラスコ内においてFLUO-3AM(TefLabsカタログ番号0116、無水DMSO及び10%プルロニック酸中で調製)1μMを補充した増殖培地中1×10/mLの濃度に設定し、そして、37℃(4%CO)で1時間インキュベートする。細胞外色素を除去するため、遠心分離(5分間、1000rpm)によって細胞を回収し、1×10細胞/mLでFLIPRバッファ(下記)に再懸濁させ、次いで、1×10細胞/ウェルで96ウェルのポリ−D−リジンでコーティングされた黒色/透明プレート(BDカタログ番号356692)に分注する。試験化合物を、100μMから0.03μMまでの範囲の様々な濃度(7濃度、詳細は後述)で添加し、そして、室温で30分間細胞と共にインキュベートさせる。10μg/mL 抗IgM(Southern Biotech、カタログ番号2020−01)を添加することによってRamos細胞のCa2+シグナル伝達を刺激し、そして、FLIPR(Molecular Devices、480nM励起のアルゴンレーザーを備えるCCDカメラを用いて96ウェルプレートの画像を捕捉)で測定する。
培地/バッファ:
増殖培地:L−グルタミン(Invitrogen、カタログ番号61870−010)、10%牛胎児血清(FBS、Summit Biotechnology、カタログ番号FP−100−05);1mM ピルビン酸ナトリウム(Invitrogen、カタログ番号11360−070)を含むRPMI1640培地。
FLIPRバッファ:HBSS(Invitrogen、カタログ番号141175−079)、2mM CaCl(Sigma、カタログ番号C−4901)、HEPES(Invitrogen、カタログ番号15630−080)、2.5mM プロベネシド(Sigma、カタログ番号P−8761)、0.1%BSA(Sigma、カタログ番号A−7906)、11mM グルコース(Sigma、カタログ番号G−7528)。
化合物の希釈の詳細:
100μMの最大最終アッセイ濃度を達成するために、10mM 化合物ストック溶液(DMSO中に作製)24μLをFLIPRバッファ 576μLに直接添加する。(Biomek 2000ロボットピペッターを用いて)FLIPRバッファ中に試験化合物を希釈し、以下の希釈スキームを得る:ビヒクル、1.00×10−4M、1.00×10−5、3.16×10−6、1.00×10−6、3.16×10−7、1.00×10−7、3.16×10−8
アッセイ及び分析:
カルシウムの細胞内増加を、最大−最小統計値(Molecular DevicesのFLIPRコントロール及び統計学的エクスポートソフトウェアを用いて刺激性抗体の添加によって引き起こされるピークから静止ベースラインを減じる)を用いて報告した。非線形曲線フィット(GraphPad Prismソフトウェア)を用いてIC50を決定した。
マウスコラーゲン誘発関節炎(mCIA)
0日目に、完全フロイントアジュバント(CFA)中II型コラーゲンのエマルションをマウスの尾の付け根又は背中の数ヶ所に注射する(i.d.)。コラーゲン免疫後、動物は、約21〜35日目に関節炎を発症する。関節炎の発症は、21日目に不完全フロイントアジュバント(IFA;i.d.)中コラーゲンを全身投与することによって同期(追加免疫)される。追加免疫に対するシグナルである軽度の関節炎(スコア1又は2;以下のスコアの詳細を参照)の任意の発症について、20日目後から毎日動物を検査する。追加免疫後、マウスをスコアリングし、所定の期間(典型的には、2〜3週間)及び投与頻度(1日1回(QD)又は1日2回(BID))で投与する。
ラットコラーゲン誘発関節炎(rCIA)
0日目に、不完全フロイントアジュバント(IFA)中ウシII型コラーゲンのエマルションをラットの背中の数ヶ所に皮内(i.d.)注射する。約7日目、尾の付け根又は背中の別の部位にコラーゲンエマルションの追加免疫注射(i.d.)を行う。関節炎は、一般的に、最初のコラーゲン注射の12〜14日後に観察される。14日目以降、下記(関節炎の評価)のとおり関節炎の発症について動物を評価し得る。2回目のチャレンジ時点から始めて、所定の期間(典型的には、2〜3週間)及び投与頻度(1日1回(QD)又は1日2回(BID))で、動物に候補治療剤を予防的に投与する。
関節炎の評価:
両モデルにおいて、下記基準に従って4本の足を評価することを含む採点システムを用いて、足及び肢関節の発症している炎症を定量する。
採点: 1=足又は1本の指の腫脹及び/又は発赤
2=2つ以上の関節における腫脹
3=2つ超の関節を含む、足の肉眼的腫脹
4=足及び指全体の重篤な関節炎
ベースライン測定については0日目に評価を行い、最初の徴候又は腫脹から再度始めて、実験の最後まで1週間に最大3回行う。個々の足の4つのスコアを足すことによって各マウスについての関節炎指数を得、動物1匹当たり最大16のスコアを与える。
ラットインビボ喘息モデル
雄性Brown-Norwayラットを、ミョウバン 0.2mL中OA(オボアルブミン) 100μgで3週間にわたって週1回(0、7、及び14日目)i.p.感作する。21日目(最後の感作の1週間後)に、OAエアゾールでチャレンジ(1%OAで45分間)する0.5時間前に、ラットにビヒクル又は化合物処方物のいずれかを皮下q.d.投与し、そして、チャレンジの4又は24時間後に終了する。供死時に、それぞれ血清検査及びPKのために全ての動物から血清及び血漿を回収する。気管カニューレを挿入し、そして、肺をPBSで3回洗浄する。BAL液を全白血球数及び白血球百分率について分析する。細胞のアリコート(20〜100μL)中の全白血球数は、Coulter Counterにより決定する。白血球百分率については、サンプル 50〜200μLをCytospinで遠心分離し、そして、スライドをDiff-Quikで染色する。標準的な形態学的基準を用いて光学顕微鏡下で単球、好酸球、好中球及びリンパ球の割合を計数し、そして、百分率として表す。BTKの代表的な阻害剤は、対照レベルと比較して、OA感作及びチャレンジしたラットのBALにおいて全白血球数の減少を示す。
前述の発明は、明確性及び理解のために、説明及び実施例によって、幾分詳細に説明されている。添付の特許請求の範囲の範囲内で変更及び改変を行い得ることが当業者には明らかである。したがって、上記説明は、例示を意図するものであって、限定を意図するものではないことが理解される。したがって、本発明の範囲は、上記説明を参照して決定されるべきではなく、特許請求の範囲が権利を与える等価物の全範囲と共に、以下の添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
本願で引用される全ての特許、特許出願及び刊行物は、各個々の特許、特許出願又は刊行物が個々に表されているのと同程度に、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に援用される。

Claims (21)

  1. 式(I):
    Figure 2016510051

    (式中、
    nは、1又は2であり;
    は、−C(=O)R1’、−S(=O)1’、又は−OC(R1’CHOHであり;
    1’は、メチル又はモルホリンであり;
    は、H又はFであり;
    は、クロロ又はC(CH3’であり;
    3’は、メチル、シアノ、又はヒドロキシメチルであり;
    Xは、CH、CH、又はNであり;
    は、CH又はNであり;
    は、CH又はNであり;
    Yは、CH又はOであるが、
    ただし、nが2であるとき、両Xは、CHである)
    で表される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
  2. が、Hである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、tert−ブチルである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. が、CHである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
  5. が、Nである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
  6. が、−C(=O)R1’であり、R1’が、モルホリンである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
  7. nが、1である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
  8. Xが、CH又はCHである、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
  9. Yが、CH又はCHである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
  10. nが、2であり、Yが、Oである、請求項5に記載の化合物。
  11. が、−S(=O)1’であり、R1’が、メチルであるか、又は、Rが、−C(=O)R1’であり、R1’が、モルホリンである、請求項10に記載の化合物。
  12. 2−[2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−6−イル]−2−メチルプロパンニトリル;
    2−[8−フルオロ−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[5−[[5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシピリジン−2−イル]アミノ]−1−メチル−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−1−オキソイソキノリン−6−イル]−2−メチルプロパンニトリル;
    4−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[(5−メチルスルホニルピリジン−2−イル)アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−8−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5−オン;
    5−クロロ−N−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリジン−3−イル]フェニル]−1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボキサミド;
    6−tert−ブチル−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリジン−3−イル]フェニル]−3,4−ジヒドロ−2,7−ナフチリジン−1−オン;
    6−tert−ブチル−2−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−3,4−ジヒドロ−2,7−ナフチリジン−1−オン;
    6−tert−ブチル−8−フルオロ−2−[2−メチル−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]フタラジン−1−オン;
    8−tert−ブチル−4−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[[5−(モルホリン−4−カルボニル)ピリジン−2−イル]アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5−オン;及び
    8−tert−ブチル−4−[2−(ヒドロキシメチル)−3−[1−メチル−5−[(5−メチルスルホニルピリジン−2−イル)アミノ]−6−オキソピリダジン−3−イル]フェニル]−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5−オン
    からなる群より選択される、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
  13. 炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む、方法。
  14. 炎症状態を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む、方法。
  15. 関節リウマチを処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む、方法。
  16. 喘息を処置するための方法であって、それを必要としている患者に、治療的に有効な量の請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む、方法。
  17. 少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤と混合された、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を含む医薬組成物。
  18. 炎症及び/又は自己免疫状態の処置における、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物の使用。
  19. 炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための医薬を調製するための、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物の使用。
  20. 炎症及び/又は自己免疫状態の処置において使用するための、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
  21. 本明細書に記載される発明。
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