JP2014519875A - プラズマを用いた組織溶着 - Google Patents

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Abstract

組織溶着を行なう医療器具が提供され、該医療器具は:少なくとも1つのプロセッサを備え、該少なくとも1つのプロセッサは、プラズマヘッドにおける低温プラズマ発生を、RF電源を制御してプラズマ発生RF電力を前記プラズマヘッドに供給することにより調整するように構成される。同医療器具を用いる方法が更に提供される。

Description

本発明は、組織溶着を、プラズマを用いて行なう装置及び方法に関するものである。
組織の創傷または切開創を閉じる従来の手術法では、糊、縫合糸、クリップ、またはステイプルを用いる。このような手技は普通、組織の創傷または切開創を封止するためには十分であるが、これらの手技は、これらの手技の適用が限定されていて、例えば多くの場合、瘢痕形成、感染症、及び多数の免疫反応を伴なうという問題を有している。組織が縫合糸、クリップ、またはステイプルに適合しないことにより、疼痛を起こしてしまい、かつ治療が難しい瘻孔、肉芽腫、及び神経腫の原因となる。縫合糸、クリップ、またはステイプルはまた、弱い実質組織または薄い血管組織を切断してしまい易い。更に、縫合糸は器官の管腔の後ろに隠れて残って、体液漏れを引き起こしてしまい、そして多種多様な細菌がたやすく侵入する侵入経路を形成してしまう。
組織の創傷または切開創を封止する従来の手術法はまた、このような手術法を施す施術者、特にマイクロサージェリーを行なうときの施術者の技量に大きく依存する。
組織の創傷または切開創を封止する従来の手術法に代わる手術法では、組織溶着に適する組成物を用いる。“tissue welding(組織溶着)”とは、エネルギー供給源を用いて組成物を活性化させて、組織の創傷または切開創を封止する、または閉じる操作を意味している。通常、組織溶着組成物は、封止を必要とする組織部位に塗布される。エネルギー供給源により活性化されると、組成物が溶融して組織に流れ込み、そして組成物と組織とが接着して、縫合糸、クリップ、またはステイプルを用いる場合と殆ど同じようにして組織の切断部分を互いに接近させることができる。このような組織溶着組成物は数週間以内に亘って吸収性を示すので、組織瘢痕形成を伴なわない。
組織を凝固させる、封止する、接合する、または切開する非常に多くの器具が知られている。これらの器具のうちの幾つかの器具は、組織に接触する加熱素子、組織の摩擦熱を利用する超音波加熱ヒータ、またはモノポーラ電極加熱システムまたはバイポーラ電極加熱システムを用いて動作させて、電流を組織に流すことにより、組織を当該組織自体の電気抵抗で加熱する。
幾つかの器具は、組織を、組織が次のようにして“切開される”または“封止される”温度にまで加熱する。組織が100℃超の温度に加熱されると、組織が破壊されることにより“切開される”。しかしながら、組織を50℃〜90℃の温度に加熱すると、組織は切開されるのではなく、単に“封止される”か、または隣接組織に“溶着される”。熱及び圧力を組み合わせて正確に加える同じ概要原理を用いる非常に多くの器具を使用して、隣接する組織を接合するか、または“溶着する”ことにより、組織の接合部、または管状組織の吻合部を形成することができる。
モノポーラプローブ及びバイポーラプローブ、鉗子、またはハサミは、組織を流れて組織を凝固させる高周波電流を用いる。電流が組織を流れると、組織が加熱されて組織のタンパク質が凝固する。多種多様なこれらのモノポーラ手術器具では、電流が電極から流れ出し、そして組織を流れた後に、電流発生装置に“接地板”を介して戻り、この接地板は、患者の身体の末梢部分に取り付けられるか、または接続される。このようなバイポーラ電気手術器具では、電流は、2つの電極の間を、組織を2つの電極の間に配置した状態で、または保持した状態で流れる。
このようなモノポーラ手術器具及びバイポーラ手術器具の多数の例が今日では、Vally Lab社、Cabot社、Meditron社、Wolf社、Storz社を含む会社、及び他の世界中の会社から市販されている。
超音波組織加熱ヒータでは、非常に高い周波数(超音波)で振動する部材またはロッドが、組織に接触した状態で保持される。高速に振動することにより、熱が発生して、組織内のタンパク質が凝固するようになる。
放電生成プラズマを医療用途に適用する手法がこの技術分野では知られている。
例えば、電気手術がこの技術分野では知られており、そして電気手術方法により行なわれる。電気手術の開発は、手術時の出血を抑えるという臨床要求から推進されてきた。熱を医療に利用して出血を抑える方法は何千年にも亘って行なわれてきたが、電気を利用して熱を組織に発生させる方法は、1920年代の中頃以降にやっと広まってきたに過ぎず、そして可撓性内視鏡検査には1970年代以降に用いられるようになった。電気手術は、機械的な切開術、及び加熱手術よりも優れた少なくとも1つの顕著な利点:すなわち、組織の切開及び凝固を同時に行なう能力を提供する。この利点によって、電気手術が胃腸科専門医にとって理想的な手術用ツールとなる。
電気手術電流発生装置は、電気手術を施すために必要な高周波電気エネルギーを供給し、そしてこれらの電流発生装置のうちの幾つかの電流発生装置には、アルゴンガス支援電気手術を用いる選択肢が付与される。アルゴンガス支援凝固法またはアルゴンプラズマ凝固法(APC)は、手術室現場で長く用いられてきたものであり、そして普通は、実質臓器手術に時々用いられている。
アルゴンプラズマを用いた電気手術システムは、消化管及び肺の可撓性内視鏡検査に用いることができるように適合させた。
発光分光法がこの技術分野では知られており、そして混合物内の化学種の化学組成及び存在量を特定するために広く利用されている。プラズマは混合物を活性化し、そして放出蛍光を分光計に回収し、そして分析する。
非常に多くの研究が、レーザ組織溶着に向けられてきた。Laser Tissue Welding Inc.(Texas, USA)のような会社は、臨床試験を2009年に開始した。この会社は、内部器官を閉塞させることを目的としている。ロボットCO2レーザ装置を用いるイスラエルの新興企業であるSeraffixもまた、臨床試験を2009年に開始した。レーザ接着方法では、IRレーザ(波長>1μm)を利用し、殆どの場合、活性化の前に塗布されるアルブミンを加熱して活性化するCO2レーザ源を利用する。レーザの大きな利点は、マイクロメートル分解能を達成することができるレーザの空間分解能である。しかしながら、接着剤に適用する場合は、空間分解能はさほど重要ではない。
レーザの主要な不具合は、レーザによる熱的活性化が、レーザが標的領域に「衝突」する時間長によって線形的に変化することであり、これは、レーザビームが同じスポットに留まる時間が長すぎる場合に、アルブミン及びその近傍の組織を燃焼してしまい、接着状態を悪化させ、そして組織壊死を伴なうことを意味する。
Alfano,Rらによる「肺の空気漏れ部位及び臓器の瘻孔をCr4+レーザで組織溶着し、そして封止する接着剤としてのGelatin based on Power−gel(登録商標)」と題する米国特許第7,033,348号(特許文献1)には、組織を溶着する方法が開示されており、この方法では、組織傷の縁部を結合させ、そして傷に、Cr4+レーザ、半導体レーザ、及び光ファイバレーザからなるグループから選択されるレーザを照射し、この場合、溶着強度は水の吸収スペクトルに一致している。ゼラチン及びエステル化されたゼラチンを接着剤として、レーザ誘導組織溶着と併せて用いると、アルブミン接着剤よりも遥かに大きい引張強度及びねじれ強度を付与することができる。上記レーザ群からの選択NIR波長は、溶着を向上させ、そして単独で使用される場合の、またはゼラチン及びエステル化されたゼラチン接着剤と共に使用される場合の組織への熱ダメージを回避することができる。これらの知見を用いて、皮膚、粘液、骨、血管、神経、脳、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、肺、気管支、呼吸道、尿道、消化管、または婦人科系器官のような組織のレーザ組織溶着力を、肺の空気漏れ、及び腸瘻孔、直腸瘻孔、及び泌尿器瘻孔のような瘻孔の封止剤として強化することができる。
Lau,Limingらによる「Tissue welding and cutting apparatus and method」と題する米国特許出願第2006/0217706号(特許文献2)には、組織、特に血管を切断し、そして溶着する手術装置及び方法が開示されている。この装置は、シャフトの遠位端に一対の相対移動可能な顎部を有する細長シャフトを含む。これらの顎部のうちの一方の顎部に付設される第1加熱素子は、第1温度を最大とする温度までの加熱を行ない、そして溶着領域を組織内に形成するように適合させているのに対し、これらの顎部のうちの一方の顎部に付設される第2加熱素子は、第2温度を最大とする温度までの加熱を行ない、そして溶着領域内の組織を切断するように適合させている。
Truckai,Csabaらによる「Electrosurgical instrument and method of use」と題する米国特許第7,112,201号(特許文献3)には、熱溶着部を治療対象の組織内に形成する医療電気手術器具及び方法が開示されている。1つの実施形態では、手術器具の少なくとも1つの顎部で、導電性不純物をドープした非導電性エラストマーの導電性−抵抗性マトリクスを支持する組織治療平面を画定する。したがって、治療対象表面部分は、正の温度係数材料として表わすことができ、この材料は、低下した固有の選択電気コンダクタンスを、当該材料の各選択上昇温度で、目的とする治療範囲に亘って有する。導電性−抵抗性マトリクスは、目的の加熱治療範囲を、例えば組織溶着を行なうことができる約60℃〜80℃で囲むことができるように製造することができる。1つの動作モードでは、治療平面は、RFエネルギーを治療対象表面の微小部分全体に印加することにより、治療対象組織内の抵抗加熱を自動的に変調し、そして空間的に局所化させる。別の動作モードでは、導電性−抵抗性マトリクスは、RFエネルギー密度の「波形」を誘起して、組織全体を掃引することにより組織を溶着することができる。
「Surgical system for applying ultrasonic energy to tissue」と題する米国特許出願第2003/0055417号(特許文献4)には、血液組織を封止し、そして溶着する超音波手術器具が開示されており、この超音波手術器具は、挿入器具に対して移動する導波管と、そして選択近接位置に移動する細長顎部に接続される超音波源と、を有する。
Lauto,Antonio、及びPoppas,Dix P.による「Composition for tissue welding and method of use」と題する米国特許第6,323,037号(特許文献5)には、組織溶着に用いる組成物が開示されている。当該組成物は、活性化合物と、溶媒と、感エネルギー線酸発生剤とを含み、そして生理液には溶けない。組織を溶着する方法も提供されている。当該方法では、組織を上記組成物に接触させ、そして当該組成物を活性化して組織を溶着する。
Fujimoto Kotaro及びShimada Takeshiによる「Plasma etching method」と題する米国特許第7,186,659号(特許文献6)には、半導体素子をエッチングするエッチング方法が開示されており、この方法では、エッチングガスをエッチングチャンバ内に導入し、そしてエッチングガスを励起してプラズマ状態にすることにより、材料をエッチングする。
Farin、Gunter及びGrund、Karl Ernstによる「Electrosurgical instrument」と題する米国特許第6,197,026号(特許文献7)には、生体組織をプラズマ凝固法で凝固させて、例えば血栓、鬱血を治療する、病理組織を熱失活させる、または破壊する電気手術器具が開示されている。
Morris,Marciaによる「Compact electrosurgeryapparatuses」と題する米国特許出願第2008/0119843号(特許文献8)には、可撓性内視鏡検査のような電気手術に使用される小型電気手術装置が開示されている。
Truckai,Csaba及びShadduckによる「Electrical discharge devices and techniques for medical procedures」と題する米国特許第6,890,332号(特許文献9)には、供給源に接続されて、ガスを導入して、一時的なガス容積を、目的とする組織部位と境界を接する手術器具の作用面にある微小流路構造内に制御可能に形成し、そして捕捉する医療器具が開示されている。作用面の微小流路形状部の各々は、電源に接続される電極素子を支持する。エネルギーは、エネルギー供給電圧及びエネルギー供給繰り返し回数によって部分的に異なるが、2つの動作モードのいずれか一方の動作モードで目的とする部位に印加することができる。1つのエネルギー印加モードでは、電位は、強いアーク放電を、一時的なイオン化ガス容積全体に亘って発生させて、組織の蒸発で特徴付けられるエネルギー/組織相互作用を起こすように選択される。別の好適なエネルギー供給モードでは、システムは、選択レベルのエネルギーを目的とする部位に、器具作用面におけるエネルギープラズマを利用して印加することにより、表面高分子を分子蒸発させて、材料を除去する。両方の動作モードによって、目的とする部位に隣接する組織容積に対する付随的な熱ダメージを低く抑える。
Wells,Gregory及びBolton,Barbaraによる「Spectroscopic plasma torch for microwave induced plasmas」と題する米国特許第5,083,004号(特許文献10)には、大気圧での使用に適する分光分析用プラズマトーチが開示されている。
本発明は、組織溶着を、プラズマヘッドを用いて適用する装置及び方法に関するものである。
本出願に関連して、“tissue welding(組織溶着)”という用語は、反対方向に引き裂かれた組織を封止する、凝固させる、融着させる、溶着する、またはその他として、接合して合体させる手術を指す。
本発明は、組織溶着を行なう医療器具を開示するものであり、該医療器具は:電力を供給するバッテリを含む供給/制御ユニットと;プラズマガスを高圧下で貯留するガスタンクを含むガスハンドリングサブシステムと;ガス減圧/流量制御機構と;RF発生装置を含むRF回路と;RFアンプと;そしてRFインピーダンス整合回路と;ガスを前記ガスハンドリングサブシステムから、そしてRF信号を前記RF回路からハンドヘルドプラズマヘッドに移送するホースと;そしてヒトの片手で把持し、そして操作することができるプラズマヘッドであって、前記プラズマヘッドが、手で把持されるように構成される本体を備える先端を含む、前記プラズマヘッドと;近位開口部及び遠位開口部を有し、ガスをチューブまたはチャンバの近位開口部を通って流入させ、そしてプラズマをチューブまたはチャンバの遠位開口部を通って供給するプラズマチューブまたはチャンバを備える先端と;そして前記ガスを前記プラズマチューブ/チャンバ内で励起してプラズマ状態とするプラズマ励起装置と、を備える。
深い傷、及び長い傷に対応するように構成されるプラズマヘッドが提供される。更に、深い傷を溶着する方法が提供される。
1cmよりも深い傷は、1回のプラズマ照射で溶着させることは難しい。このような傷は、接着剤を繰り返し塗布し、そして接着剤のプラズマ凝固を行なうことにより治療することができる。
本発明の例示的な実施形態では、接着剤を付着させ、そして付着させた接着剤のプラズマ凝固を行なう手順を溶着対象の組織に適用する。例えば、液体接着剤を組織に向けて0.25〜2秒かけて噴霧し、続いて照射するまでに短い時間をかけて噴霧を滞留させて、または滞留させることなく、0.25〜2秒かけてプラズマを照射する。次に、この手順を繰り返す。好適には、噴霧及びプラズマ生成の自動制御を利用して、接着剤噴霧及びプラズマ凝固の手順を繰り返す。二重目的接着剤/プラズマアプリケータは、静止した状態で保持して、短く深い傷を溶着するか、または深い傷に沿って1つの方向に移動させる、または前後に移動させることができる。
本発明は、プラズマを、絶縁電極を用いた誘電体放電を利用して生成し、そして誘導励起プラズマを、片側に並んで配置されるアンテナコイルを利用して生成する器具及び方法を提供する。
本発明は、効率的で時間のかからない簡便な組織溶着を、複数の機能を有するマルチヘッドプラズマアプリケータを利用して行なう器具及び方法を提供する。
本発明は、プラズマ及び溶着プロセスを制御する器具及び方法を提供する。
本発明は、接着剤を溶着領域に均一に散布する器具及び方法を提供する。
本発明は、溶着領域を溶着前に減菌する器具及び方法を提供する。
本発明は、溶着領域を溶着後に封止する器具及び方法を提供する。
本発明は、溶着領域の出血を抑える器具及び方法を提供する。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療器具が提供され、該医療器具は:ガスをプラズマ先端に供給するガス供給源と;RF電力を前記プラズマ先端に供給するRF電源と;そして近位開口部及び遠位開口部を有し、ガスを前記ガス供給源からチューブの近位開口部を通って流入させ、そしてプラズマを、チューブの遠位開口部を通って供給するプラズマチューブを備えるプラズマ先端と;そしてRF電力を前記RF電源から受電し、そして前記ガスを励起して、前記プラズマを発生させる少なくとも1つの電極と、を備え、前記電極は前記ガスに直接触れることがないので、プラズマは、コロナプラズマが生成されることによってではなく、誘電体絶縁破壊によって発生する。
幾つかの実施形態では、前記医療器具は更に、前記組織を接地する接地電極パッドを備える。
幾つかの実施形態では、前記プラズマ先端は単一電極を備える。
幾つかの実施形態では、前記単一電極は、RF電力を一方の端部からのみ受電するコイルの形態である。
幾つかの実施形態では、前記プラズマチューブは電気絶縁製であり、そして前記コイルは、前記プラズマチューブの外周面に配設される。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法が提供され、該医療方法は:溶着対象の組織の上方で、単一のハンドヘルド塗布/プラズマ装置器具を、溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体を塗布しながら移動させることにより第1凝固生体適合性接着剤層を付着させるステップと;そして前記生体適合性液体を、プラズマを前記生体適合性液体に照射することにより凝固させるステップと、を含む。
幾つかの実施形態では、前記プラズマの温度は70℃未満である。
幾つかの実施形態では、前記生体適合性液体は止血剤を含む。
幾つかの実施形態では、前記生体適合性液体はキトサンを含む。
幾つかの実施形態では、前記方法は更に、更に別の凝固生体適合性接着剤層を、前記第1層を付着させた部位に、凝固生体適合性接着剤層を付着させる前記ステップを繰り返すことにより付着させるステップを含む。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法が提供され、該医療方法は:溶着対象の組織を、プラズマを前記組織に照射することにより溶着前に減菌するステップと;前記溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体を塗布するステップと;そして前記生体適合性液体を、プラズマを前記生体適合性液体に照射することにより凝固させるステップと、を含む。
幾つかの実施形態では、溶着前に減菌するために使用されるガスは、N2,O2,及び空気から成るグループから選択されるガスを含む。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法が提供され、該医療方法は:溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体を塗布するステップと;そして前記溶着組織を、溶着後にプラズマを前記組織に照射することにより封止するステップと、を含む。
幾つかの実施形態では、溶着後のプラズマ封止に用いるガスはアルゴンを含む。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法が提供され、該医療方法は:溶着対象の組織を、プラズマを前記組織に照射することにより溶着前に減菌するステップと;前記溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体を塗布するステップと;そして前記溶着組織を、溶着後にプラズマを前記組織に照射することにより封止するステップと、を含む。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療器具が提供され、該器具は:ガス供給源と;RF電力を供給するRF電源と;少なくとも第1及び第2プラズマヘッドと;そして接着剤塗布器と、を備える。
幾つかの実施形態では、前記接着剤塗布器は、前記第1プラズマヘッドと前記第2プラズマヘッドとの間に配設される。
幾つかの実施形態では、前記器具は更に、少なくとも第3プラズマヘッドを備える。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療器具が提供され、該器具は:ガス供給源と;低温プラズマを発生させるプラズマヘッドと;そしてプラズマ発生RF電力を前記プラズマヘッドに供給するRF電源と、を備え、前記プラズマ発生RF電力は、200〜600Hzの周波数に変調され、かつ5〜20%のデューティサイクルで変調される1〜10MHzの搬送波周波数を含む。
幾つかの実施形態では、前記搬送波は正弦波である。
幾つかの実施形態では、前記変調はオン/オフ変調である。
幾つかの実施形態では、前記プラズマ発生RF電力は更に、DC成分を含む。
幾つかの実施形態では、前記プラズマ発生RF電力の前記搬送波は、100〜500ボルトの範囲である。
幾つかの実施形態では、前記電源は、前記プラズマヘッドに、1500ボルトよりも大きいRFプラズマ着火信号を供給することができる。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法であって、該方法は: 溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体を塗布するステップと;そして前記生体適合性液体を、プラズマを前記生体適合性液体に照射することにより凝固させるステップと;そして前記生体適合性液体に照射される前記プラズマを:プラズマ経路の電気インピーダンス、電力、電流、または電圧のうちの少なくとも1つを監視し;前記生体適合性液体の凝固状態を、測定される前記インピーダンスの変化に基づいて判断し;そして前記プラズマを発生するRF電力を、前記生体適合性液体の前記判断状態に応じて制御することにより制御するステップと、を含む。
本発明の1つの態様によれば、前記溶着対象の組織は、変性、凝固、または炭化のような大きな変化を受けることがない。従って、インピーダンスまたは他の測定プラズマパラメータの変化は、接着剤の凝固から生じていると解釈することができる。
これらの変化は、例示的な実施形態に使用されるプラズマパラメータに起因して、小さく抑えられるか、または少なくとも主として接着剤に封じ込められる。好適には、使用されるプラズマは、100℃未満または70℃未満の低温であり、そして数秒、例えば1分未満の短い時間長に亘って同じ部位に照射される。接着剤は、熱の影響をより受け易いので、当該接着剤は、組織近傍におけるよりも大きな影響を受ける。更に、かつ任意であるが、プラズマは主として接着剤に向けられることにより、エネルギーは主として当該接着剤に蓄積される。従って、接着剤温度は、周囲の組織の温度よりも高くなって、変化を接着剤に強力に封じ込めることができる。
幾つかの実施形態では、前記生体適合性液体の凝固状態の前記判断は、プラズマ照射中の前記測定インピーダンスの変化に基づいて行なわれる。
幾つかの実施形態では、RF電力を制御する前記ステップでは:前記測定インピーダンスの変化を監視し;そして前記プラズマ発生RF電力を、インピーダンスの前記変化が事前設定閾値を超えると遮断する。
幾つかの実施形態では、前記プラズマ発生ヘッドと前記溶着組織との間の距離は、プラズマインピーダンスの前記変化を前記監視しているときに一定に保持される。
例示的な実施形態では、接着剤溶液を組織に塗布するとともに、組織溶着を行なう医療用塗布/プラズマ装置器具であって、該器具は:プラズマ発生ヘッドと;そしてプラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体に関する塗布器具であって、前記塗布器具が:前記生体適合性液体を保管する容器を含む、前記塗布器具と;そして溶着対象の組織に触れ、前記生体適合性液体を前記容器から流入させる多孔質材料製ローラであって、該ローラが回転して前記液体を前記組織に散布することができる、前記多孔質材料製ローラと、を備える。幾つかの実施形態では、前記塗布/プラズマ装置器具は、前記プラズマ発生ヘッド及び前記塗布器具のうちの少なくとも一方の動作が、前記運動検出器の信号によって制御される。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法であって、該方法は:第1溶着層を:生体適合性液体を溶着対象の組織に噴霧し;そして前記生体適合性液体を、プラズマを用いて凝固させる手順により生成するステップであって、前記手順が、4秒未満の時間内に完了する、前記生成するステップと;そして第2溶着層を、前記手順を繰り返すことにより生成するステップと、を含む。
幾つかの実施形態では、前記手順は、前記噴霧及びプラズマ生成を制御する自動コントローラによって作成される。
例示的な実施形態では、組織溶着を行なう医療方法であって、該方法は:乾燥キトサンシートを溶着対象の組織の上に載置するステップと;前記乾燥キトサンシートを濡らすステップと;そしてキトサンを、プラズマを照射することにより凝固させるステップと、を含む。
特に断らない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において記載される方法及び材料と同様または等価な方法及び材料は、本発明を実施または試行する際に用いることができるが、適切な方法及び材料が以下に記載されている。相容れない状況が生じる場合、定義を含む本特許明細書が優先するものとする。更に、材料、方法、及び例は、単なる例示にすぎず、限定的に捉えられてはならない。
本発明は、単なる一例として、添付の図面を参照しながら説明される。次に、特にこれらの図面を詳細に参照しながら、開示される具体例は一例であり、かつ本発明の好適な実施形態を例示的に説明するためにのみ提供され、そして本発明の原理及び概念的側面についての最も有用な説明であり、かつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されることを強調したい。この点に関して、本発明の構造的詳細を、本発明の基本的な理解に必要な程度よりも詳細に開示しようとするものではなく、図面と併せて参照されるこの説明から、この技術分野の当業者に対して、本発明の幾つかの形態を具体的に実施することができる過程を明らかにしようとしている。
本発明は、他の実施形態が可能である、または種々の方法で実施する、または実行することができる。また、本明細書において用いられる表現及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定的に捉えられるべきではないことを理解されたい。
以下に本明細書において記載される種々の図の説明では、同様の参照番号は同様の構成要素を指す。これらの図面は普通、寸法通りになっていない。図面を分かり易くするために、必須ではない構成要素は、これらの図面のうちの幾つかの図面から省略されている。幾つかの任意の構成要素は、破線を用いて描かれている。
本発明の例示的な実施形態による組織溶着を行なうプラズマ溶着システムのブロック図を模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態による組織溶着を行なうハンドヘルドプラズマヘッドの幾つかの詳細を模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態による本体及び取り替え可能な組織溶着先端を備える分解プラズマヘッドを模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態によるプラズマ溶着先端の断面を模式的に示している。 本発明の別の例示的な実施形態によるバイポーラ溶着構造の二重目的プラズマ溶着/焼灼先端の断面を模式的に示している。 本発明の別の例示的な実施形態によるモノポーラ焼灼構造またはモノポーラ凝固構造の二重目的プラズマ溶着/焼灼先端の断面を模式的に示している。 本発明の別の例示的な実施形態による誘電体絶縁破壊プラズマ先端の断面を模式的に示している。 本発明の更に別の例示的な実施形態による誘導励起プラズマを用いるプラズマ溶着先端の断面を模式的に示している。 本発明の更に別の例示的な実施形態による誘導励起プラズマのアンテナコイルを用いるプラズマ溶着先端の断面を模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態による大型プラズマヘッドを模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態による螺旋中心電極を有するプラズマヘッドを模式的に示している。 プラズマヘッドから治療組織までの距離を制御する対向脚板部を有するプラズマヘッドを模式的に示している。 本発明の1つの態様による組織溶着効率を高める複数の機能を有するマルチヘッドプラズマアプリケータを模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態によるバイポーラプラズマシステムの任意の電気回路のブロック図を模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態によるモノポーラプラズマシステムの電気接続を模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態によるバイポーラプラズマヘッドを駆動する電気回路を模式的に示している。 プラズマモニタの電気回路を模式的に示している。 本発明の例示的な実施形態によるRFの振動関数を模式的に示している。 本発明の別の実施形態による接着剤溶液を組織の上で均一に広げるワイパーを模式的に示している。 本発明の別の実施形態による接着剤溶液を組織に均一に散布するローラ器具を模式的に示している。 本発明の更に別の実施形態による接着剤溶液を組織に均一に散布するローラ器具を模式的に示している。 本発明の更に別の例示的な実施形態による接着剤溶液を組織に塗布するとともに、組織溶着を行なう二重目的塗布/プラズマ装置器具の幾つかの詳細を模式的に示している。
本発明は、組織溶着を、プラズマヘッドを用いて行なう装置及び方法に関するものである。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、本発明の適用形態に関して、以下の説明に記載される、または図面に示される構成要素の構成及び配置の細部に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態とすることもできる、または種々の方法で実施する、或いは実行することもできる。
図1は、本発明の例示的な実施形態による組織溶着を行なうプラズマ溶着システムのブロック図を模式的に示している。
本発明の例示的な実施形態によれば、プラズマ溶着システム100は、ハンドヘルドプラズマヘッド102に可撓性ホース122を介して接続される制御/供給ユニット101を備える。制御/供給ユニット101は、ハンドヘルドプラズマヘッド102に可撓性ホース122を介して、少なくとも:プラズマ生成に使用されるガスと、そしてガスを励起し、そしてプラズマ116を生成するための高周波(RF)エネルギーと、を供給する。
可撓性ホース122は任意であるが、溶着プロセスパラメータ、例えば:プラズマ発光スペクトル、プラズマ温度、組織温度、RF電流、RFインピーダンスなどを表わす信号を制御/供給ユニット101に返すことができる。また、ホース122は更に、指示をプラズマヘッド上の指示スイッチ群から制御/供給ユニット101に送信する電気ケーブルを備えることができる。
可撓性ホース122が複数のホースを備えることができ、かつ更に別のチューブ、電気ケーブル、光ファイバなどを備えることができることは明らかである。同様に、制御/供給ユニット101は、1つ以上のハウジング、例えば電子機器に収容することができ、そしてガス処理サブユニットは、それとは別に収容することができることは明らかである。好適には、小型ポータブルプラズマ溶着システムは、小型制御/供給ユニットを1つだけ備えることができる。
ガス供給サブシステム
プラズマ溶着システム100のガス供給サブシステムは、加圧ガスを貯蔵する少なくとも1つのガスタンク131を備える。図1に示す例示的な実施形態では、タンク131が制御/供給ユニット101の内部に位置する様子を見ることができるが;タンク131は制御/供給ユニット101の外部に配置してもよい。
好適には、ヘリウム(He)ガスが、ヘリウムガスの破壊電圧が低いので使用される。従って、プラズマを生成するために低周波電力(low RF power)で済ませることができる。低RF電力により、高周波発生装置(RF power generator)のサイズ及びコストを低減することができ、バッテリ電力を用いる、例えば任意の充電式バッテリ165を用いるシステムを作動させることができる。破壊電圧が低いガスを用いて、低いプラズマ温度で必要に応じて作用させることにより、溶着作業を行なうことができる。しかしながら、他のガス、または混合ガスを用いてもよい。例えば、アルゴン(Ar)ガスを用いることができる。詳細には、他のガスは、異なる適用形態に用いることができる。例えば、低いプラズマ温度が、プラズマ溶着術に有利となり得るのに対し、他のガスは、組織の焼灼、組織の切開または凝固に用いることができる。幾つかの実施形態では、複数のガスタンクを用いて異なるガス、または混合ガスを貯蔵することができる。
ガスの破壊電圧は、次の方程式:
V=a(pd)/{ln(pd)+b}
で表わされるパッシェンの法則(Paschen’ law)により与えられ、式中、Vはボルト単位で表わされる破壊電圧であり、pは圧力であり、そしてdはギャップ距離である。定数a及びbは、ガスの組成によって異なる。大気圧下で作用させる場合、破壊電圧は、ガス特性及び放電ギャップによって異なることが分かる。破壊電圧を低くするために、選択される好適なガスは、Heであり、そしてRF電極の間(または、RF電極と接地電極との間)のギャップを最小化する。
幾つかの実施形態では、化学的に活性なガスを用いる、または化学的に活性な成分または複数成分を当該ガスに添加する。例えば、重合性ガスをキャリアガスに添加して、切断された側壁の接着を強固にすることができる。このようなガスの例として、CHF3またはCH3Fのような高重合性ガスを挙げることができ、これらの高重合性ガスは、プラズマ内で解離すると、CF高分子鎖を強固に結合させる。任意であるが、O2のような反応性ガスを用いる。
ガスタンク131は、取り替え可能なタンクとするか、または使い捨て式タンクとすることができる、または当該ガスタンク131は、その場で補充することができる。好適には、ガスタンク131には、バルブ接続継手132が配設され、そしてガスタンク131は減圧調整器133に接続される。調整器133は、タンク内の高ガス圧を減圧して、低圧、例えば20〜30psiとする。
好適には、任意のマスフローコントローラ(MFC)134を用いて、一定で既知のガス流を確保する。MFC134は機械式または電子式コントローラとすることができ、そして任意であるが、制御/供給ユニット101内のコントローラ161により制御される。
コントローラ161により任意に制御される電気ソレノイドバルブ135が開き、ガス流がガスサブシステムからガス導管137を通って可撓性ホース122に流れるようにすることができる。
任意であるが、可撓性ホースは、制御/供給ユニット101にコネクタまたは複数のコネクタ104を介して着脱可能に接続されて、幾つかの、または幾つかの種類のハンドヘルドプラズマヘッド102を制御/供給ユニット101に用いることができるようにする。
ガス供給サブシステムの構成要素群は、コントローラ161によって電子的に制御されるのではなく、手動で制御されるようにしてもよいことに留意されたい。
プラズマを維持するためには、1atmにおいて毎分1リットルのガス流量、またはそれよりもずっと少ないガス流量で十分であることが実験から判明している。従って、200atmに加圧された150cc容量のガスタンクは、30分間継続して作動し続けることになる。このようなガスタンクは、十分小さくする(例えば、2cmの内半径、及び12cmの内部長を持つ円筒体)ことにより、持ち運んで現場で使用することができる小型ポータブルユニットに取り付ける。別の構成として、大型ガスタンクを静止ユニット内に用いるか、またはカートに取り付けられるユニット内に用いることができる。
本発明の好適な実施形態によれば、システム100は、約40×40×20cmの寸法を有するボックス内に収容することができ、この場合、プラズマヘッドは、1〜2mの長さのホースに接続される携帯ペン型アプリケータである。
RFサブシステム
制御/供給ユニット101は更に、プラズマを着火し、そして維持する高周波(RF)電力を供給するRFサブシステムを備える。
RFサブシステムは、RF発生器(高周波発生器)141と、そしてRF発生器141の後段に続く振幅変調器142と、を備えることが好ましい。任意であるが、RF発生器141の周波数、及び振幅変調器142の変調深度、波形整形量、及び周波数のような変調パラメータは、コントローラ161により制御される。最新のRF発生器は、RF(高周波)を発生させるとともに、変調させることができることに留意されたい。次に、RF信号はRFアンプ143により増幅され、このRFアンプ143もコントローラ161で制御することができる。別の構成として、パルスDC(直流)電力を用いてもよい。
電力は、RF入力ライン147に任意のインピーダンス整合回路144を介して入力されることが好ましい。好適には、RF入力ライン147は同軸電気ケーブルである。幾つかの実施形態では、プラズマは「バイポーラ」モードで発生し、この場合、RF回路は、プラズマヘッド102の先端で近接離間した2つの電極の間に形成されるプラズマによって完成する。
好適には、接続接地電極145は、患者の皮膚、例えば、彼/彼女の手に取り付けられるか、またはプラズマ治療領域の近傍に取り付けられる。接地電極145は、RFサブシステムに電気ケーブル146を介して接続される。患者を接地電極に接触させる処置は、安全対策になると同時に、「モノポーラ」モードでのプラズマヘッドの使用を可能にし、この場合、RF電気回路は、患者の組織、接地電極145、及び電気ケーブル146に接続して完成する。
本発明の例示的な実施形態によれば、100KHzよりも高いRF周波数、例えば、1〜20MHzが用いられる。好適には、約4MHzの周波数が用いられるが、それよりも低い、または高い周波数を用いてもよい。本発明の例示的な実施形態によれば、0.5〜15ワットのRF電力が用いられる。この電力レベルによって、組織溶着及び組織エッチングの両方が1〜50mm/分の速度で可能となるが、これよりも高い、または低い電力レベル、及び焼灼量を、より高い、またはより低い速度で用いてもよい。
好適には、RF信号を変調して、搬送波のプラズマへの作用の仕方を保持しながら、プラズマ着火及び維持の効率を高める。例えば、プラズマは、4MHzの搬送波周波数、及び1000Hz周波数の99%変調された周波数を用いて生成される。このようにして発生するプラズマは、4MHz周波数から予測される通りの「アーク放電を伴なわない」プラズマであるが、変調を行なわないで必要とされる場合よりも遥かに低いRF電力で着火され、そして維持される。しかしながら、異なる変調深度、変調周波数、及び変調包絡線波形を選択してもよい。
プラズマ制御
インピーダンス整合回路144は、プラズマインピーダンス(プラズマ状態に応じて変化する)に従って変化する回路の動的インピーダンスに整合する。更に、RF電力レベルは、例えば:アンプ143の利得を変化させることにより、変調器142を減衰器として用いることにより、または発生器141により生成されるRF電力を変化させることにより、制御することができる。任意であるが、変調パラメータ及びRF周波数は、プラズマ状態、組織の反応、または熱溶着性化合物、医療処置などが変化すると、変更することができる。
任意であるが、後述するように、電気ケーブル169から取り出される信号を用いてプラズマを制御することができる。
同様に、インピーダンス整合回路144から電気接続線148を介して取り出される信号を用いて、プラズマを制御することもできる。任意であるが、幾つかの実施形態では、プロセッサ161は、プラズマが発生する過程を表わす信号を、例えばプラズマ電流またはプラズマインピーダンスを、例えばモニター線148を介して監視することにより受信する。
幾つかの実施形態では、インピーダンス整合回路144は抵抗を備え、そして前記抵抗に現われる電圧は、プラズマ電流を表わす。幾つかの実施形態では、前記抵抗はプラズマヘッド内に配置され、そして幾つかの実施形態では、プラズマ電極に極めて近接して配置される。
任意であるが、制御/供給ユニット101は更に、光学分光計151を備える。分光計151は、プラズマ116から発生する光を、光ファイバ152を介して受光する。任意の光ファイバ152は、プラズマ116から発生し、かつプラズマの強度、及び当該プラズマの安定性だけでなく、前記プラズマの焼灼/溶着生成物を表わす光信号を任意の光学分光計151に供給する。分光計151からの電気信号は、コントローラユニット161に報告され、そしてプラズマ溶着または焼灼の進行状態の解析に用いられる。任意であるが、分光計151は、1つの、または複数の光フィルタ及び光センサを備える。
例えば、光学分光計151は、リン光波長群のうちの1つのリン光波長、例えば253nmの波長を監視することにより、生きた細胞内に蓄積され、かつ脂肪組織には存在しない大量のリン(P)を検出することができる。
更に、または別の構成として、他の光センサ群(この図には見えない)をプラズマヘッド102内に取り付けることができ、そして溶着または焼灼の進行度を監視するために用いることができる。前記センサ群は、電力を受電し、そしてこれらのセンサの読み取り値をコントローラ161に電気ケーブル169を介して報告する。
コントローラ
コントローラユニット161は、PCまたはラップトップコンピュータのようなコンピュータとすることができる。しかしながら、コントローラ161は、DSPまたは他のデータ処理装置とすることができる。コントローラ161は、ユーザ入力を受信し、そしてユーザ出力を、周辺ユニット群162を介して表示し、これらの周辺ユニット162は:キーボード、マウス、フットペダル、及び/又は他の入力デバイス、ディスプレイ、プリンタ、拡声器、及び/又は他の出力装置、及び任意であるが、外部記憶装置、及びLANまたはインターネット通信手段のうちの幾つかを備えることができる。更に、コントローラ161は、指示を、プラズマヘッド102に設けられる任意のユーザ入力デバイス群113から電気ケーブル169を介して受信することができる。
しかしながら、コントローラ161により電子的に制御するのではなく、RFサブシステムの構成要素群は、手動で制御することができることに留意されたい。このような実施形態では、コントローラ161は、限定された機能を有しているだけでよい、または機能を有していなくてもよい。
ポータブル器具の場合、RFシステムは、固体素子を用いて小型化することにより、RFを生成し、そして当該過程を制御する。平均RF電力が5Wであり、アンプのエネルギー変換効率が33.3%であり、そしてコントローラ、発生器、及びセンサの消費エネルギーが低い場合、例えば1200mAhの平均容量を有する9V出力の標準リチウム電池165を30分間継続して動作させる必要がある。従って、電池サイズは小型ポータブルユニットに適合する。幾つかの実施形態では、電池165が充電式電池であるのに対し、他の実施形態では、電池165は交換式であり、そして更に他の実施形態では、電力は、プラグを電源出力に差し込むことにより供給される。
プラズマヘッド
本発明の例示的な実施形態によれば、プラズマ溶着ユニットは、制御/供給ユニット101に接続されるプラズマヘッド102を備え、制御/供給ユニット101は、ハンドヘルドプラズマヘッド102に可撓性ホース122を介して接続される。ペン型プラズマヘッド102の代表的な寸法は、約15cmの長さ、及び1〜2cmの直径とすることができる。
幾つかの実施形態では、ホース122は制御/供給ユニット101に永久的に接続されるが、他の実施形態では、ホース122は、制御/供給ユニット101からホースコネクタ104の位置で取り外すことができる。コネクタ104は、ガス供給チューブ、RF(高周波)ライン、電子ケーブル、及び光ファイバ群に対応する複数のコネクタを備えることができることに留意されたい。好適には、コネクタ104は、ホース及びプラズマヘッドを迅速に取り替える作業を可能にする迅速着脱式コネクタである。プラズマヘッドを取り替える作業は、ヘッドの種類を変更するために、そして各処置の前に、ヘッドを新品の滅菌ヘッドに取り替えるために有用となり得る。任意であるが、ホース及びヘッドは使い捨てである。別の構成として、ホース及びヘッドは滅菌可能である。幾つかの実施形態では、ホースをヘッドに、コネクタを用いて接続して、ヘッドだけを取り替えることができるようにする。更に他の実施形態では、プラズマヘッドの先端部アセンブリ114を取り替えることができる。
プラズマヘッド102は、手で把持するように適合させた本体112を備える。任意であるが、ヘッド102は、制御スイッチまたは制御スイッチ群111を備え、これらの制御スイッチ111は、システム100の動作を制御する施術者が、例えばガス流を流す、または止める、或いは調整する、RF電力をオンする、またはオフする、或いは調整する、組成物を供給して組織溶着を行なう、その他の操作を行なうことにより施術者によって使用される。更に、ヘッド102は任意であるが、システム100の状態、例えばガス流、RF電力などの状態を表示するLEDのようなインジケータまたはインジケータ群113を備える。
更に、プラズマヘッド102はインジェクタ118を備えることができ、このインジェクタ118は、組成物250を噴射して組織溶着を行なう、例えば組織270の隙間、傷、または不連続部260に噴射して、プラズマで活性化され、そして凝固されるときの接着剤として用いることができるアルブミン溶液を噴射する。インジェクタ118は、組織溶着組成物を、ノズル119を介して噴射することが好ましく、ノズル119は、プラズマチューブ115の遠位端の近傍で終端することが好ましい。任意であるが、インジェクタは、プラズマヘッド102の本体112の外側に配置され、そしてノズル119は、インジェクタに至るチューブに接続される。幾つかの実施形態では、インジェクタは、制御/供給ユニット101内に配置され、そして任意であるが、スイッチ群111のうちの1つのスイッチを用いて作動させる。
他の任意の特徴または構成要素は、本発明の範囲内で、システム100に追加することができる、またはシステムと組み合わせて用いることができることに留意されたい。同様に、幾つかの特徴、または構成要素は設けなくてもよい。詳細に、これらの構成要素のうちの幾つかの構成要素について以下に説明する。
図2Aは、本発明の例示的な実施形態によるプラズマ溶着するハンドヘルドプラズマヘッド102の幾つかの細部を模式的に示している。
この図では、ホース122の構成要素、すなわちガスライン137、光ファイバ152、RF(高周波)ケーブル147、及び電子ケーブル169は別々に図示されているが、好適にはこれらの構成要素の全ては、共通の可撓性シュラウド内に収容されることに留意されたい。
図示の実施形態では、インジェクタ118は、ヘッド102の本体112に取り付けられるか、または本体112の内部に収容される。例えば、インジェクタ118は、接着剤溶液を収容し、かつバネ付勢ピストン230を有するシリンジとすることができる。インジェクタ118は、ノズル119に、機械式バルブまたは電気式バルブ211により閉塞される接着剤チューブ219を介して接続されて、バルブ211を開くと、組織熱溶着性化合物がノズル19を通って組織に塗布されて組織を溶着することができる。
別の構成として、インジェクタ118は、機械的または電気的に作動させることにより、インジェクタが作動すると、所定量の熱溶着性化合物を供給することができる。任意であるが、インジェクタ118は、電気作動ポンプを備えることができ、この電気作動ポンプは、ポンプが作動すると、熱溶着性化合物を所定流量で供給するように構成される。
本発明の好適な実施形態では、組織溶着に用いる組成物250はアルブミン溶液である。好適には、高濃度アルブミンが必要となる。アルブミンは、アルブミン製造業者から、例えばSigma−Aldrich社またはEquitech−Bio社から粉末状態で購入することができる。アルブミンは、滅菌水と混合して必要な濃度、例えば50%w/vとする。
必要なアルブミンの量はごく僅かであり、例えば5cmの傷には、購入する量によって異なるが、グラム当たり$0.5〜2.5の費用を要する5グラムのアルブミンが必要になる。
アルブミンを“biological glue(生体糊)”として使用するのは、アルブミンが活性化されると変性して、アルブミンの近傍の表面にアルブミンが“sticks(固着する)”からである。アルブミンを“glue(糊)”として使用することについてのデータの殆どは、レーザを用いる組織接着剤(tissue soldering)について行われた15年間に亘る研究中に収集されたものである。
アルブミンとは、一般的に、高濃度の塩溶液に中程度に溶解することができ、かつ加熱凝固(タンパク質変性)が生じる水溶性の任意のタンパク質を指す。最も良く知られている種類のアルブミンは、血液中の血清アルブミンである。血清アルブミンは、最も量の多い血漿タンパク質であり、そして肝臓内で生成され、そして血漿タンパク質全体の大きな割合を占めている。ヒトアルブミンはヒト血清アルブミンであり、そしてヒトアルブミンは普通、ヒト血漿タンパク質の約60%を構成する。
接着剤塗布(レーザによる処理)に最も頻繁に用いられるアルブミンは、ウシ血清アルブミン−BSA(牛)、及びヒトアルブミンである。変性前のアルブミンは、主としてα螺旋構造を持つように形成されている。化学配列は主に、電子結合(水素結合)を利用していると推定され、この電子結合(水素結合)が、プラズマ電位に重要な役割を与えている。
任意であるが、“custom made(カスタムメイド:専用)”接着剤を開発し、そしてプラズマプロセス特性に合わせることができる。
光ファイバ152は、プラズマチューブ115の遠位端の近傍に位置する遠位端252で終端して、プラズマ116から生じる光が光ファイバ152の遠位端252に入射するようにすることが好ましい。任意であるが、光ファイバ152の遠位端252は、集光効率を高め、そして分光計151の信号強度を高める集光光学系(この図には、図を分かり易くするために図示されていない)を備える。組織溶着中に直面する1つの問題は、溶着領域が過熱することであり、そして炭化することさえあることである。分光器151を用いて、溶着プロセスを監視することにより、温度が安全限界値以内に収まる状態を確保することができる。
図2Bは、本発明の例示的な実施形態による本体112及び交換可能な組織溶着先端300Wを備える分解後のプラズマヘッド102を模式的に示している。
この例示的な実施形態では、交換可能な先端300Wは、コネクタ314Wと、そしてプラズマ溶着チューブ315Wと、を備える。コネクタ314Wは、本体112内のガス導管及びRFケーブルを、プラズマ溶着チューブ315W内のガス流路及びRF電極に接続する。好適には、接続は迅速着脱式である。図を簡略化しているために、光ファイバ接続はこの図では見えない。しかしながら、任意の光ファイバ152を単純に、本体112から、例えばコネクタ314Wのスリットから延出させてもよい。別の構成として、光コネクタを、ファイバ部分を短くした状態で用いることができる。別の構成として、プラズマ溶着チューブ315Wは、ガラス、石英、サファイアなどのような透明材料により形成され、そしてファイバ152の末端部分に代わって、光を収集するために使用される。この場合、収集光は、クラッドレスファイバにおけるように、全内部反射により透明チューブ内に閉じ込めることができるか、または光反射層をチューブの側面に付加する、例えば金属コーティングまたは誘電体反射コーティングを付加することができる。このようにして収集される光は、本体112内の光ファイバに導入される。図を簡略化しているために、ノズル119はこの図では見えない。
本体及び先端それぞれの嵌合インタフェース398及び399が、電気信号を本体と先端との間で伝送するコンタクトまたはプラグのような電気接続器具、“O”リングまたは他のガスシールを含むことができるガス接続機構、及び2つの部材を接合する締結具を備えることができることに留意されたい。
図3は、本発明の例示的な実施形態によるプラズマ溶着先端400の断面を模式的に示している。
図を簡略化しているために、重要ではない細部(幾つかは他の図面に既に図示されている)はこの図には図示していない。
先端400は、プラズマヘッドの本体112に接続することができるベース401を備える。好適には、締結具(この図では見えない)を有することが好ましい迅速着脱式コネクタを用いて、先端を所定の位置に保持する。先端400は、RF電力を本体112内のRF(任意であるが、同軸)ケーブルからコンタクト412及び411を介して受電する。好適には、コンタクト412が、RFケーブルの中心導体に接続されるのに対し、コンタクト411は前記同軸ケーブルの外部導体に接続される。更に、先端400には、ガス流406が、プラズマヘッドの本体112内のガスチューブから中心ガスチューブ416のガス流入開口部405を通って流れ込む。
中心ガスチューブ416は、中心電極としても機能して、両極としてプラズマを発生させる薄い金属チューブであることが好ましい。好適には、中心チューブは、当該中心チューブの遠位端417において鋭利に尖らせ、かつ任意であるが、鋸歯状とすることにより、プラズマ発生を促進し、そしてイオン化に必要な電圧を小さくする。中心チューブ416は、外側チューブ409に対して中心になるように、スペーサ418を用いて保持される。外側チューブ409は、ガラス、セラミック、プラスチック、または石英のような非導電性材料により形成される薄壁チューブであることが好ましい。透明外側チューブによって、プラズマ着火を容易に目で確認することができる。環状RF接地電極414は、本体112内のRFケーブルに、戻り配線413及びコンタクト411を介して接続される。戻り配線413は、この図では外側チューブ404の外部に位置する様子が見えるが、当該戻り配線413は、当該戻り配線が内側チューブ416から適正に絶縁されている限り、外側チューブの内部に配置してもよいことに留意されたい。
図4Aは、本発明の別の例示的な実施形態によるバイポーラ電極で溶着するように構成される二重目的プラズマ溶着/焼灼先端420の断面を模式的に示している。
図を簡略化しているために、重要ではない細部(幾つかは他の図面に既に図示されている)はこの図には図示していない。図を簡略化しているために、既に説明された幾つかの構成要素は、この図では、記号が付されていない。
先端420は、プラズマヘッドの本体112に接続することができるベース401(この図では、記号が付されていない)を備える。好適には、締結具(この図では見えない)を有することが好ましい迅速着脱式コネクタを用いて、先端を所定の位置に保持する。先端420は、RF電力を本体112内のRF(任意であるが、同軸)ケーブルからコンタクト422及び421を介して受電する。好適には、コンタクト422が、RFケーブルの中心導体に接続されるのに対し、コンタクト411は前記同軸ケーブルの外部導体に接続される。更に、先端420には、ガス流406が、プラズマヘッドの本体112内のガスチューブから、外側チューブ431の管腔に通じるガス流入開口部425を通って流れ込む。
先端400とは異なり、先端420は、中心ガスチューブ416ではなく、中心電極426を備える。中心電極426は、両極としてプラズマを発生させる中心電極として機能する薄い金属電極であることが好ましい。好適には、中心電極は、当該中心電極の遠位端427において鋭利に尖らせることにより、プラズマ発生を促進し、そしてイオン化に必要な電圧を小さくする。中心電極426は、外側チューブ431に対して中心になるように、複数開口部429を有するスペーサ428を用いて保持されて、ガス流430が流れることができるようにしている。外側チューブ431は、ガラス、セラミックス、プラスチック、または石英のような非導電性材料により形成される薄壁チューブであることが好ましい。透明外側チューブによって、プラズマ着火を容易に目で確認することができる。先端400と同様に、環状RF接地電極は、本体内のRFケーブルに、戻り配線及びRFコネクタコンタクト421を介して接続される。当該戻り配線は、この図では外側チューブ404の外部に位置する様子が見えるが、当該戻り配線は、当該戻り配線が内側チューブ416から適正に絶縁されている限り、前記外側チューブの内部に配置してもよいことに留意されたい。
図4Bは、本発明の別の例示的な実施形態による、モノポーラ電極で焼灼する、または凝固させるように構成される二重目的プラズマ溶着/焼灼先端420の断面を模式的に示している。
図を簡略化しているために、重要ではない細部(幾つかは他の図面に既に図示されている)はこの図には図示していない。図を簡略化しているために、既に説明された幾つかの構成要素は、この図では、記号が付されていない。
この図に図示されているように、中心電極426は、当該中心電極の遠位端427が外側チューブ431の外部に出るまで、プラズマヘッド(この図では見えない)の本体112内に適宜配置される機械式レバーまたは電気ソレノイドを用いて前方に押し出される。この構成では、RF回路は接地パッド145に接続して完成する。好適には、環状接地電極434へのRF電力は遮断される。しかしながら、中心電極426は、当該中心電極の長さに沿って絶縁することができ、そして当該中心電極の先端427でのみ剥き出しにすることができる。この場合、電流の殆どの部分は、環状電極434がRF回路に接続される場合でも、パッド145を通って流れる。
図4Cは、本発明の別の例示的な実施形態による誘電体絶縁破壊プラズマ先端490の断面を模式的に示している。
図を簡略化しているために、重要ではない細部(幾つかは他の図面に既に図示されている)はこの図には図示されていない。図を簡略化しているために、既に説明された幾つかの構成要素は、この図では、記号が付されていない。
前に図示した先端とは異なり、先端490は中心電極491を備え、中心電極491は、電気絶縁体492で被覆されて、ガスによって誘電体絶縁破壊が起こるとプラズマが絶縁電極の先端493の近傍で発生するようになる。例えば、多重絶縁層を用いることができ、この場合、内側層が、誘電強度の殆どの部分を付与し、そして外側層が周囲に対する安定性を付与する。
電気絶縁体492は、電極491を覆う誘電体コーティングとすることができる、または端部閉塞チューブのような個別の絶縁体形状とすることができる。ガラス、石英、セラミック、ポリマー材料(ポリイミドまたはマイラーのような)、または他の材料を使用してもよい。好適には、選択される材料または材料群は、先端493近傍の高い電界、及び発生プラズマによる腐食を生じる環境に耐えることができる。
電極491の端部は、鋭利に尖らせることにより、当該電極の先端または尖っていない先端の近傍の電界を高くすることができる。任意であるが、絶縁体293は、電極492の遠位端部分に限定され、そして確実にプラズマが誘電体絶縁破壊によって発生するのに十分な長さだけ延出させる。
誘電体絶縁破壊プラズマ先端490はこの場合、環状接地電極434を備えるものとして図示されているが、環状接地電極434はモノポーラ電極を使用した手術の場合には無くてもよいことに留意されたい。更に、図4A及び4Bに図示されている形状部を設けるかどうかは任意とすることができ、例えば絶縁電極及び接地電極145を足し合わせた等価的な形状部を設けてもよい。また、絶縁物は、これらの図(図5A、4B、及び5Dそれぞれ)のリング434またはコイル467,487,及び856のような他の電極に用いるか、または他の実施形態における他の電極に用いることができることに留意されたい。ガラス、石英、セラミック、ポリマー材料(ポリイミドまたはマイラーのような)、または他の材料を絶縁物に用いることができる。
図5Aは、本発明の更に別の例示的な実施形態による誘導励起プラズマを用いるプラズマ溶着先端460の断面を模式的に示している。
図を簡略化しているために、重要ではない細部(幾つかは他の図面に既に図示されている)はこの図には図示されていない。図を簡略化しているために、既に説明された幾つかの構成要素は、この図では、記号が付されていない。
先端400,420,及び440とは異なり、コンタクト462及び463を介して先端460に至るRF電源は、配線465及び466を介して、外側チューブ469に巻き付けたコイル467に接続される。コイル469は、調整共振回路の一部であることが好ましく、この共振回路は、インピーダンス整合回路の一部とすることができる。別の構成として、コイル469は、RFアンテナ(当該アンテナの遠位端が接続されていない)として機能し、RF電流がコイル467内を流れると、ガス流470が外側チューブ469内を流れるようになることによりプラズマを生成する。幾つかの実施形態では、コイル469の巻回数は、少なく抑えられ、例えばほんの数巻回数に過ぎず、そして任意であるが、1,1.5、または2巻回数といった少ない巻回数である。
この構成では、外側チューブ469内を流れるガス流470は中断されないので、より大きな流れが生まれる、またはより細いチューブを用いることができる。配線465及び466、及びコイル467は、外側チューブ469の外側に在る様子を見ることができるが、これらの配線及びコイルは何れも、前記チューブの前方に配置することができることに留意されたい。
図5Bは、本発明の更に別の例示的な実施形態によるプラズマを誘導励起するアンテナコイル480を用いるプラズマ溶着先端460の断面を模式的に示している。
先端460のコイル467とは異なり、アンテナコイル487はRF電力に1個のコンタクト482及び1本の配線485を介して接続されることにより、誘導結合プラズマ(ICP)を生成する。
任意であるが、アンテナコイル487は、RF動作周波数に周波数調整される。
図5Cは、本発明の例示的な実施形態による大型プラズマヘッド800を模式的に示している。
プラズマヘッド800には、ガスが流入ガスパイプ801を通って流入し、そしてRF電力が配線802及び803を介して入力される。任意であるが、配線802及び803はコネクタ内で終端し、そして任意であるが、ガスパイプ801は脱着可能でもあるので、大型プラズマヘッド800を取り外して取り替えることができる。
プラズマヘッド800は、薄いガラスにより形成され、かつ6〜10mmの直径を有することが好ましいチューブ805を備える。パイプ801からのガスは、チューブ805に開口部809を通って流入し、そして遠位開口部810から、治療対象組織の方に向かうプラズマとして流出する。中心電極806が第1プラズマ電極として機能するのに対し、リング状電極807は、第2プラズマ電極として機能する。
好適には、リング状電極807は、チューブ805の外側表面に配置される。好適には、中心電極806は、薄い電気絶縁材料で被覆される。中心電極806を絶縁すると、プラズマ溶着プロセス及び均一性が向上することが判明した。
同様の実施形態では、中心電極806を設けない。任意であるが、外側電極807の代わりに、プラズマを誘導励起するコイルを用いる。
図5Dは、本発明の例示的な実施形態による螺旋形中心電極850を有するプラズマヘッド模式的に示している。
これまでの実施形態とは異なり、ヘッド850の中心電極806は螺旋形状を有する。螺旋形電極によって、磁界が螺旋の中心に形成されるので、誘導結合プラズマ(ICP)が生成される。
電極856は、図5Bのアンテナコイル487と同様のコイルアンテナとして機能することができる。
任意であるが、電極856は、RF動作周波数に周波数調整される。任意に整形された電極807は設けられず、そしてプラズマは、RF電力を電極856からの放電電力として用いることにより生成される。
大型プラズマヘッド800及び850は、本明細書で説明される、またはこの技術分野で公知の他のプラズマ励起法を用いることができることに留意されたい。
図6は、プラズマヘッドから治療対象組織までの距離を制御する対向脚板部905を有するプラズマヘッド900を模式的に示している。
プラズマヘッド900には、RF電力が入力され、そしてガスが、本体902に、かつ本体902の近位端で接続されるホース901を介して供給される。本体902は、ユーザが持ち運ぶことができ、かつ操作することができるような形状に形成される。プラズマヘッド900は更に、プラズマチューブ904を本体902の遠位端の近傍に備える。プラズマは、プラズマチューブ904の位置で生成され、そして患者の皮膚906の傷260に向かって出て行く。ユーザが、プラズマチューブ804の開口部を皮膚906から適正な距離に保ち易くするために、少なくとも1つの、好適には2つの対向脚板部905がヘッド900の本体902から突出する。これらの脚板部905を皮膚906に押圧載置することにより、適正な距離が容易に保たれる。
深い傷をプラズマヘッド900または本明細書において記載される、または先行技術において公知の他のヘッドを用いて溶着する場合、アルブミンまたは他の溶着材料をまず、傷の深さにまで塗布し、そして硬化させて傷の下側部分の部分溶着部を形成することができる。次に、第2層を塗布し、そして溶着術を繰り返す。必要な限り多くの回数の塗布を行なって、深い傷を完全に閉じる。
任意であるが、市販のアルブミン溶液を使用することができる。市販の溶液は、上に記載した約50%よりも低い濃度である。しかしながら、プラズマを照射するすると、溶液が乾燥して無くなって、濃度が一層濃くなる可能性がある。任意であるが、より小さな応力しか受けない傷のより深い部分は、溶着部の全強度を必要とせずに済み、そしてより低い濃度の溶液を塗布して溶着することができる。
本発明の幾つかの実施形態では、止血材料を接着剤に添加して出血を抑えることができる。キトサンのような材料を接着剤に添加して血液を、接着剤を傷に塗布するときに凝固させることができる。この方法により、傷口からの出血または体液の浸出に起因して接着剤が溶解しないようにする接着剤耐性を高めることができる。キトサンまたは他の止血剤を添加することにより、接着剤をより安定させることができる。
幾つかの実施形態では、接着剤は、シート状に乾燥させた溶解キトサンシートの形態とすることができる。好適には、これらのシートは、20〜300マイクロメートルの厚さを有することができる。
キトサンは、海老の殻から抽出される材料である。当該キトサンは、傷口の止血、及び他の医療分野に使用される。工業用途では、キトサンは、粉末状にして、溶液に、例えば酸性溶液に溶解させ、そして接着剤溶液に添加することができる。
幾つかの実施形態では、酢酸のような低pH値の酸、または水酸化ナトリウムのような高pH値の塩基性溶液をアルブミンに添加して、より強力な溶着、及びより高い安定性を実現することができる。
幾つかの用途では、20〜300マイクロメートルの薄い溶解乾燥キトサンシートを傷の上に直接載せて傷を溶着する。当該シートは、例えば水または水溶液を噴霧することにより湿らせる。湿ったキトサンは、傷に固着し、そしてプラズマ照射を利用して凝固させることにより接着剤として使用される。
幾つかの実施形態では、組織溶着は更に少なくとも1つの追加ステップ:すなわち、溶着前にプラズマ減菌するステップ、及び溶着後に傷口を封止するステップを含む。
任意の溶着前プラズマ減菌段階では、プラズマを傷組織に、そして任意であるが、周囲の組織に照射する。接着剤はこの段階では塗布しない。
プラズマ減菌効果は、遊離基の発生量を増やすことにより、例えば組織溶着性ガスを置換することにより高めることができる。例えば、混合ガスを、空気で置換するか、または窒素(N2)または酸素(O2)のような他のガスまたは混合ガスで置換することができる。別の構成として、N2、O2、または空気のようなガスを組織溶着性ガスに添加することができる。
別の構成として、更に、または任意であるが、プラズマ状態は、溶着前の減菌段階において異ならせることができる。例えば、溶着前の減菌段階では、低いガス流量及び非絶縁性電極(CCP−容量結合型プラズマ構造)を用いることにより、イオン衝撃及び高電圧を利用することができる。
溶着前プラズマ照射は、任意であるが、組織表面の凝固治療、止血治療、溶着プロセスに起こり、かつ溶着プロセスの邪魔になる可能性のある壊死組織または瘢痕組織の焼灼治療、焼灼による組織の整形治療、またはこれらの治療の組み合わせに用いることができる。
任意の溶着後プラズマ封止(plasma sealing)段階では、プラズマを、傷の上の既に溶着されている傷に、そして任意であるが、傷の周囲の組織に照射する。接着剤はこの段階では塗布しない。傷口を、プラズマ照射を利用して封止すると、溶着部の完全性を高めることができ、そして感染を防止することができる。
プラズマ封止効果は、イオン衝撃を利用することにより、例えば組織溶着性ガスを置換することにより高めることができる。例えば、アルゴンのような高原子量のガスを用いることができる。
別の構成として、更に、または任意であるが、プラズマ状態は、溶着後封止段階において異ならせることができる。例えば、溶着後封止段階では、低いガス流量及び非絶縁性電極(CCP−容量結合型プラズマ構造)を用いることにより、イオン衝撃及び高電圧を利用することができる。
図7は、本発明の1つの態様による組織溶着効率を高める複数の機能を有するマルチヘッドプラズマアプリケータ780を模式的に示している。
マルチヘッドプラズマアプリケータ780は、ユーザが手作業で操作するハンドル781を備える。ハンドル781は、ユーザに対して、マルチヘッドプラズマアプリケータの動作状態及び動作モードを通知するインジケータを備えることができる。ハンドル781は、制御スイッチ782(または、複数のスイッチ)を備えることができ、この制御スイッチ782をユーザが使用してマルチヘッドプラズマアプリケータの動作状態及び動作モードを制御する。
マルチヘッドプラズマアプリケータ780には、ガス/RF電力が、制御/供給ユニット101のようなコントローラボックスに接続されるケーブル783を介して入力される。
マルチヘッドプラズマアプリケータ780は更に、ヘッド784,785,787,及び787のうちの少なくとも2つのヘッドを備える。
本発明の例示的な実施形態では、ヘッド784,785,787,及び787の全ては、ハンドル782に一直線に並んで接続されて、アプリケータ780が、組織の上を矢印788で示す方向に移動し、ヘッド784,785,787,及び787が組織上の部位を、この順番で通過する。
図示の例示的な実施形態では、ヘッド784は、例えば本明細書において開示されるように、溶着前の減菌処理に使用されるプラズマ減菌ヘッドである。
図示の例示的な実施形態では、ヘッド785は、例えば本明細書において開示されるように、アルブミン溶液または他の組織溶着溶液を塗布するために使用されるアルブミン塗布ヘッドである。
図示の例示的な実施形態では、ヘッド786は、例えば本明細書において開示されるように、プラズマ組織溶着に使用されるプラズマヘッドである。
図示の例示的な実施形態では、ヘッド787は、例えば本明細書において開示されるように、プラズマ組織封止に使用されるプラズマヘッドである。
これらのヘッドの順番は、逆にすることができ、そしてアプリケータ780の方向も逆にすることができることに留意されたい。
また、同一構造のプラズマヘッドは、減菌、溶着、及び封止のような異なる機能を:RF電力、ガス流量、ガス混合比、及び組織までの距離のうちの1つ、または幾つかのような動作パラメータを任意に変化させることにより実行することができることに留意されたい。任意であるが、異なるヘッドの機能はユーザが、例えば運動方向によって異なるように選択することができる。
例えば、接着剤塗布ヘッドが任意の2つの同一構造のプラズマヘッドの間に設けられる構成の対称マルチヘッドプラズマアプリケータは、マルチヘッドプラズマアプリケータが同じ運動をしている状態で、減菌し、接着剤を塗布し、そして溶着するために用いることができる。同じマルチヘッドプラズマアプリケータは、逆向きの運動をしながら用いることもできる。封止する任意のステップは、同じマルチヘッドプラズマアプリケータが、これらのプラズマヘッドのうちの1つのプラズマヘッド及び接着剤塗布ヘッドが使用不能の状態で第2の運動をしながら行なうことができる。別の構成として、単一ヘッドのプラズマ封止装置(plasama sealing device)を用いてもよい。
医療器具製造分野の当業者であれば、マルチヘッドプラズマアプリケータのヘッド群を他の組み合わせとする構成を想到することができる。例えば、プラズマヘッド及び接着剤塗布ヘッドで組織を減菌し、そして組織に接着剤塗布する構成の第1マルチヘッドプラズマアプリケータの後に、2つのプラズマヘッドで溶着し、そして封止する構成の第2マルチヘッドプラズマアプリケータが続くようにすることができる。
図7は、多機能プラズマ治療装置の1つの非限定的な例に過ぎないと見なされるべきであることを明確にしておく必要がある。
例えば、図2Aのハンドヘルドプラズマヘッド102は、マルチヘッド装着具780、例えば接着剤溶液を組織に塗布する処理、及びプラズマを組織に照射する処理を同時に施すことができるデュアルヘッド装着具と見なすことができる。このようなデュアルヘッド装着具は:溶液スプレー散布器、例えば図11Aまたは11Bに参照番号770及び/又は780で図示される1つ以上のローラ、例えば図10に参照番号950で図示されるワイパー付き散布器、またはこの技術分野で公知であり、かつ本明細書において図示されるこの技術分野で公知のプラズマヘッド群のうちの任意のプラズマヘッドと同時に作動する別の溶液散布器のような任意の接着剤溶液散布器を備えることができる。このデュアルヘッド装着具は、任意であるが、図6に示す対向脚板部905と組み合わせることができる。このようなデュアルヘッド装着具を用いることにより、ユーザは、傷の上の1回の動きで、接着剤溶液を塗布し、そして塗布溶液を凝固させることができる。傷が深い場合、傷の上を数回に亘って通過する必要がある。
ヘッドの数及びヘッドの種類の他の組み合わせは、想到することができ、そして本発明の広い範囲に含まれる。
図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるバイポーラプラズマシステムの任意の電気回路のブロック図を模式的に示している。
この構成は、組織溶着先端300Wのような組織溶着プラズマヘッドに主として用いることができる。
任意の可変インピーダンス511をRFリターン電流経路に設ける。可変インピーダンス511のインピーダンスが低い場合、リターン電流は、主として中心電極530から接地電極525を通って流れている。従って、当該器具は主としてバイポーラ器具として振る舞う。
これとは異なり、可変インピーダンス511のインピーダンスが高い場合、リターン電流は、主として中心電極530から患者の身体270に流れ、そして接地ケーブル146を介して電気的に接続される接地電極パッド145を通って戻る。このように、当該器具は主としてモノポーラ器具として振る舞う。可変インピーダンス511のインピーダンスが中間の値である場合、当該器具は、バイポーラ器具及びモノポーラ器具の組み合わせとして振る舞う。
RF順方向及び逆方向電力測定は、この場合、インピーダンス整合回路144の一部であると仮定される標準装置(双方向性結合器)により行なうことができる。順方向電力を監視し、そして順方向電力から信号を、発生電力制御手段に渡す。順方向電力が特定の電力(例えば、10W)を超える場合、発生電力制御手段は電力を小さくし、そして最大電力を事前設定通りに維持する。
接地パッドに電気的に接地されている患者の身体270がプラズマ先端に近付くと、プラズマインピーダンスが低くなり、そしてプラズマが吸収する電力が大きくなることにより、順方向電力は、より大きい読み取り値を示す(または、監視されるインピーダンスが低くなる)ようになり、これを、コントローラにフィードバックして、電力を事前設定されたより低い電力に調整することができる。実験から明らかになった別の可能な制御方法が“プラズマ電流測定法”であり、このプラズマ電流測定法では、プラズマの周りの配線ループで、プラズマ内を通過する電荷、及びプラズマ密度点及びプラズマ電力点を検出する。
図8Bは、本発明の例示的な実施形態によるモノポーラプラズマシステムの電気接続を模式的に示している。
この構成は、組織焼灼先端300Aのような組織焼灼プラズマヘッドに主として用いることができる。
リターン電流は、焼灼電極530から患者の組織270に流れており、そして患者の身体に電気的に接続される接地パッド145を通って戻る。このように、当該器具は主としてモノポーラ器具として振る舞う。次に、モノポーラプラズマ116で、傷560を形成する組織270を焼灼する。
バイポーラ先端及び電気回路は、可変インピーダンス511の特性を変化させてRF電気回路を、接地パッド145を介して強制的に閉じることにより、モノポーラ先端及び電気回路として機能することができることに留意されたい。任意であるが、焼灼はしかしながら、電極530が組織270に接触する状態で行なうことができる。
任意であるが、中心電極530(図5a)を、組織の方を向いた状態で摺動させて(または、チューブ315Wを、プラズマヘッド本体112の方に向かって後退させて)、モノポーラ焼灼または凝固処置が必要なときに中心電極530を剥き出しにすることができる。溶着処置、及び焼灼または凝固は、周波数、電力、及び変調度のような異なるRFパラメータを必要とすることに留意されたい。
図9Aは、本発明の例示的な実施形態によるバイポーラプラズマヘッドを駆動する電気回路700を模式的に示している。
バイポーラアイソレータ701は、RFアンプ143と、第1及び第2電極(例えば、図3の電極417及び414)に、またはコイル(例えば、図5Aのコイル467)に導かれるRFケーブル705及び706との間に挿入される。アイソレータ700は、インピーダンス整合ユニット144の代わりに用いることができる、またはインピーダンス整合ユニット144の一部とすることができることに留意されたい。
その結果、RF電圧は、変圧器704を、接地(患者の身体の電位)703を基準にして使用することにより浮遊電圧となるので、1つの電極と別の電極との間の電圧になる。これにより、プラズマを第1電極から第2電極に誘導することができ、ユニポーラ構造におけるように、プラズマを第1電極から接地(患者の身体)に誘導するのではない。
この任意の実施形態により、電流の流れ方向を決定することができ、そして患者の身体を流れて接地電極に達する(ユニポーラ構造におけるように)のではなく、電流は流れて第2バイポーラ電極に達し、この第2バイポーラ電極は、所望の箇所に挿入することができる。
電源と電極群のうちの一方の電極との間の可変抵抗707のような任意の可変負荷は、これらの電極に供給される電力を異ならせることができ、そして当該可変負荷によって、他方の電極からよりも多い電力を一方の電極から、負荷に掛かる電力を“無駄にする”ことにより供給することができる。
任意であるが、プラズマパラメータモニタ709は、RFアンプ143の出力701と一直線に並んだ状態で挿入される。
別の構成として、アイソレータ701及び/又はモニタ709は、図1から分かるように、インピーダンス整合回路144の後ろに挿入されるか、またはインピーダンス整合回路144に一体化される。
図9Bは、プラズマモニタ709の電子回路を模式的に示している。この電子回路模式図では、送信電力及び反射電力をそれぞれ示しているメータ710及び711は、信号を検出コイル712から受信する。
本発明の例示的な実施形態では、送信RF電力及び/又は反射RF電力を表わす信号は、任意であるが、図1から分かるように、デジタル化され、そしてプロセッサ161に配線148を介して転送され、そしてプラズマ監視及びプラズマ制御に使用される。
送信RF電力及び反射RF電力が判明することにより、プラズマに投入される電力を認識し、そして治療表面のインピーダンス、または接地までの距離を推定することができる。接地までの距離が判明し、そして一定である場合、唯一の自由パラメータは、接着剤の変性を表わす表面導電率である。
例えば、インピーダンスの増加は、接着剤がプラズマによって既に架橋してしまった後の接着剤の脱水を表わすことができる。この場合、プラズマを遮断して、組織への熱ダメージを防止することができる。
本発明の幾つかの実施形態では、プラズマパラメータモニタ709のようなプラズマパラメータモニタは、プラズマパラメータ群を測定し、そしてプラズマを、事前設定電力値、電流値などのような所定の範囲値内に保持するように適合させる。
本発明の幾つかの実施形態では、プラズマパラメータモニタ709のようなプラズマパラメータモニタは、組織に塗布される接着剤の状態の変化を、プラズマ発生電流経路のインピーダンスの変化を監視することにより測定するように適合させる。インピーダンスの抵抗(実部)及びインダクタンスまたはキャパシタンス(虚部)の両方を監視することができることに留意されたい。組織は、溶着プロセス中に殆ど変化することがないので、インピーダンス変化は、接着剤の状態の変化を表わすことができ、そして凝固のような溶着プロセス中の指示値として用いることができる。取得される信号は、施術者が、溶着が完了したことを表わす指示値として利用することができ、そして任意であるが、プラズマ生成の自動停止に使用されて、例えば溶着部位の過熱及び溶着部位への熱ダメージを防止することができる。同様に、取得される信号は、ユーザが利用することにより、プラズマヘッド運動速度を調整して、一様な溶着部が、プラズマヘッド運動が継続している状態で得られるようにする。好適には、プラズマヘッドから組織までの距離は、監視プロセス中は一定に保持される。
幾つかの実施形態では、接着剤層の凝固及び/又は乾燥によって、接着剤溶液を基準としたときの処理済みの接着剤の抵抗率が高くなる。この効果から、プラズマの向きを、既に溶着されている固体接着剤の部位から未だ液状である接着剤に変えることにより、溶着の均一性を高めることができる。
本発明の幾つかの実施形態では、プラズマパラメータモニタ709のようなプラズマパラメータモニタは、電流またはインピーダンスのようなプラズマパラメータを測定し、そして電流または供給電力が閾値レベルを下回るか、または上回ると、或いはこの状態が溶着プロセスの完了を示したときにインピーダンスが閾値を下回るか、または上回ると、プラズマ生成を停止するように適合させる。
例えば、短いプラズマパルスを短い時間長さ(例えば、0.1〜5秒)に亘って印加して、特定の部位におけるインピーダンスまたは電流を検出することができる。当該インピーダンスが閾値を上回っている場合、プラズマを継続的に発生させる。当該インピーダンスが限界値から外れたままである場合、別の検出パルスが生成される前に、プラズマを短い時間長さ(例えば、0.1〜5秒)に亘って停止する。このプロセスを、先端が、溶着プロセスを継続する必要がある“non−welded area(未溶着領域)”の上方に位置するまで継続する。任意であるが、可聴通知または可視通知を施術者に対して行なって、プラズマヘッドを新規部位に移動させる必要があることを通知する。任意であるが、検出に用いられるプラズマパラメータは、溶着に用いられる電力よりも低いプラズマ電力レベルに設定される。
任意であるが:インピーダンス、電力、電流のうちの少なくとも1つのパラメータの勾配または微分値;或いは経時電圧変化を当該電圧の絶対値に代わって監視して、更に感度の高い確実な読み取り値を実現し、そして室温などのような自由パラメータの変化に起因する溶着手術のバラツキを無くす。インピーダンスは、10〜1000オームの範囲で変化する可能性があり;電力は、0.01〜5Wの範囲で変化する可能性があり、そして電流は、1〜100mAの範囲で変化する可能性がある。
任意であるが、プラズマの着火は、約2KVの高電圧正弦パルスを印加することにより行なわれ、そして着火後、RF電圧を100〜500Vの動作範囲に下げる。
幾つかの実施形態では、複雑なRF波形を用いる、例えばRF波形は:1〜10MHzの周波数の正弦搬送波を含むことができ、この搬送波は、包絡線関数で変調される。包絡線関数は、短パルス列を特定のパルス時間長で、かつデューティサイクルで生成するon/off(オン/オフ)ステップ関数とすることができるか、または他の包絡形関数とすることができる。包絡線関数は、DC部分を有することにより、当該DC部分で、RF電力を完全にゼロにすることなく、RF電力を変調する。
任意であるが、更に別の信号を、プラズマ中の正イオン及び負イオンの向きを異なる方向に変えるために用いることができるDC電流、または他の周波数、或いはこれらの組み合わせのような最終RF出力に混入させることができる。
図9Cは、本発明の例示的な実施形態によるRF(高周波)関数を模式的に示している。
この図は、寸法通りには描かれておらず、そして低デューティサイクルのRFパルス列の例として利用され、RFパルス列によって、安定したプラズマ(RF電圧が高いので)を生成することができ、更には、非常に低い電力(デューティサイクルが低いので)を生成することもできる。RF励起が行なわれないより長い時間長さで分離される短RFパルスの低デューティサイクルは、プラズマに供給される平均RF電力を低減することにより、電力投入量及びプラズマ温度を低減するために使用されることが好ましい。パルス期間中、RF電圧は閾値電圧よりも高い電圧に保持されて、プラズマ発生を維持する。幾つかの用途では、パルス間の休止時間長は、プラズマ寿命よりも短くなるように選択されるので、プラズマがパルス間で完全に消滅することはない。従って、パルス電圧は、プラズマ着火に必要な閾値レベルをより高くするのではなく、プラズマを維持するために必要な閾値レベルに保持するか、または当該閾値レベルよりも若干高いレベルに保持することができる。
以下のパラメータ群は、本明細書において、例えば図5Bに記載されているように、プラズマ励起にRFアンテナコイルを用いるプラズマヘッド部材に使用される例示的なパラメータと見なすことができる。幾つかのパラメータは、他のプラズマヘッドに使用されるために採用することができる。
アンテナコイルは、RF回路に一方の端部でのみ接続される。この構成により、電極と患者の身体との間の電圧を高くすることができ、そしてプラズマが着火すると、反応がコイルと身体との間に現われることにより、組織溶着性が向上する。
RF信号は、1〜4MHzの周波数;200〜600Hzの変調周波数;及び5〜20%のデューティサイクルにより特徴付けられる。
任意であるが、アンテナコイル467は、電気絶縁チューブ469の外部に配置されるので、チューブ466内のプラズマガス470にじかに触れることはない。このようにして、アンテナコイル467は、高温プラズマではなく、低温プラズマを生成することにより、溶着領域の下の皮膚が炭化するのを回避することができる。
このような構造により、プラズマを、標的組織から1cmよりも長い距離の位置で着火することができる。
高温プラズマとは異なり、低温プラズマからは、接着剤停止層の表面炭化及び表面閉塞が生じることがなく、接着剤の十分な凝固を起こすことができる。これらの現象は、プラズマ−患者間電圧が低くなることによりイオン衝撃が小さくなることで説明することができる。
コイルは、例えば図1及び8Bから分かるように、RF回路と患者の身体との間の電気的接続(接地電極145)を利用するモノポーラ構造で使用される。
ガスに触れる電極と誘電体絶縁破壊放電の関係:
既存の医療用プラズマ装置の殆どは、RF電極がガスに直接触れる構造を用いる。この構造は、コロナ放電機構と呼ばれる。このような構造を用いる場合、非常に表層的な炭化及び燃焼を達成することができる。このような表層的な効果は、プラズマ凝固装置にとって好ましい。しかしながら、溶着では、下方に向かって接着剤の底面にまで到達し、かつ接着剤の良好な“粘着”を確実にする、深達するエネルギー伝達を実現する必要がある。
溶着を行なう場合、例えば米国特許第6,099,523号に記載されているように、外部コイル電極及び非絶縁内部電極を組み合わせることは、好ましくない。電極群を組み合わせると、凝固プラズマがプラズマ−患者間電圧が高い状態で生成され、プラズマ−患者間電圧を高くすると、表面の炭化が生じる。これとは異なり、モノポーラ構造のコイルを使用すると、組織凝固には十分ではない低電力プラズマが生成される。このようにして、組織溶着では、低エネルギープラズマを利用するので、組織への付随的なダメージが加わることがない。
“アンテナコイル”と“共振コイル”の関係
共振コイルは、例えば半導体産業において頻繁に使用される一般的な構造である。例えば、このような共振コイルについて記載している米国特許第5,883,470号を参照されたい。
共振コイルはRF電源に両端で接続され(図5Aから分かるように)、そして実際には、RF共振回路の一部である。共振コイルは、殆ど誘導結合によってのみエネルギーが供給されるプラズマ(ICP)であるという利点を有し、そして普通、高電力でプラズマを発生させた状態で使用され、例えば半導体産業におけるように、材料処理に使用される。
共振コイル構造は、接地から分離され、そしてプラズマエネルギーが患者の身体に入力されるので、組織溶着にはさほど適していないことが判明した。本明細書における開示内容から理解できることであるが、溶着プロセスでは、プラズマ装置と患者の身体との間の電気的な相互作用を利用する。プラズマ装置から接着剤に流れる電気エネルギーで接着剤を凝固させる。上記のことから、プラズマ装置は、接着剤と患者の身体との間に電気的に接続される必要があることが理解できるであろう。
図10は、本発明の別の実施形態による接着剤溶液を組織の上で均一に広げるワイパー950を模式的に示している。
ワイパー950は、持ち運ぶことができるように構成され、かつ人間工学的な形状に設計されることが好ましいハンドル951を備え、当該ハンドル951は、例えば操作を容易にするために湾曲させる、指把持部を有する、または滑り止め付き材料で被覆される。
遠位端に、ワイパー部材952を取り付ける。ワイパー部材952は、シリコンゴムのような薄い弾性材料、または他の軟質材料により形成されることが好ましく、そして組織に塗布されるか、または組織または皮膚の傷に塗布される接着剤溶液を均一に広げるために使用される。
任意であるが、ワイパー部材952の縁部953の窪み954によって、余分な接着剤を拭き取りながら接着剤溶液の中の所望の部分が残り易くする。例えば、これに限定されないが、ブレードの窪みは、0.6mmの深さ、及び6mmの幅である。
図11Aは、本発明の別の実施形態による接着剤溶液を組織に均一に散布するローラ器具970を模式的に示している。
ローラ器具970はローラ971を備え、ローラ971は、当該ローラが、例えばハンドル974で方向990に引っ張られると、軸972の回りを回転することができる。ローラ971上方の接着剤容器976は、接着剤溶液979を収容する。ガスパイプ977は加圧ガスを供給することができ、この加圧ガスで接着剤溶液979を接着剤容器976からローラ971の多孔質表面に押し出すことができる。ローラ971が組織(図面を分かり易くしているためにこの図では見えない)の表面の上で回転すると、当該ローラは均一な接着剤層975を残す。
例示的な実施形態では、ローラ971の幅978は約5mmである。この多孔質ローラは、約0.1mmの細孔径を有することができる。幾つかの実施形態では、ローラ全体は、発泡体のような多孔質材料により形成される。別の構成として、ローラ971は、多孔質層で被覆される。
図11Bは、本発明の更に別の実施形態による接着剤溶液を組織に均一に散布するローラ器具980を模式的に示している。
ローラ器具970とは異なり、ローラ器具980は、接着剤溶液979を収容する接着剤インジェクタ981に接続される接着剤散布器989を備える。接着剤インジェクタ981にはピストン982が取り付けられ、ピストン982は、接着剤溶液をインジェクタ981から散布器989を通ってローラ971の表面に押し出す。ピストン982は、ガスパイプ987から供給される加圧ガスで作動させることができる。封止用接着剤インジェクタ981を用いると、ローラ器具980を任意の姿勢で、例えば上下逆に配置して、または傾けて作動させることができるという利点がある。
医療器具の分野の当業者であれば、ローラ971を、例えば小型電動モータを用いて回転させる他の方法が、本発明の広い範囲内で可能であることを理解できるであろう。
医療器具の分野の当業者であれば、ピストン982を、例えば小型電動モータまたは圧電プッシャーを用いて作動させる他の方法が、本発明の広い範囲内で可能であることを理解できるであろう。
図12は、本発明の更に別の例示的な実施形態による接着剤溶液を組織に塗布するとともに組織溶着を行なう2機能型塗布/プラズマ装置器具1200の詳細を模式的に示している。
塗布/プラズマ装置器具1200は、制御ボックス(この図では見えない)にホース1204を介して接続されるハンドル1201を備える。ホース1204は、プラズマガス及びRF電力を供給して、アンテナコイルを用いるプラズマ溶着先端のようなプラズマヘッドを作動させ、そして任意であるが、電力または加圧ガスを供給して、ローラ器具980のような接着剤塗布器を作動させる。
図示の実施形態では、ハンドル1201内の内部RFケーブル及びガスパイプは、図面を分かり易くするために描かれていない。
ハンドル1201は、操作ボタンまたは複数のボタン、或いはボタン1202及び1203のようなスイッチを備えることにより、塗布/プラズマ装置器具1200の動作を制御することができる。
例えば、図11A及び1Bに開示されるように、ボタン1202を使用して接着剤塗布を、例えば加圧ガスを、パイプ1206を介して供給して、接着剤溶液をローラに押し当てることにより開始することができる。別の構成として、インジェクタ118(図2Aに見える)と同様の接着剤塗布方法を用いることができる。任意であるが、インジェクタ118はボタン1202で作動し、例えば加圧ガスを供給してインジェクタ118のピストン230を押圧することにより、またはバルブ211を開くことにより作動する。
例えば、ボタン1203は、プラズマヘッドを作動させるために使用することができる。
両方のボタンを押下し、そして塗布/プラズマ装置器具1200を方向990に移動させることにより、接着剤を組織の傷に塗布し、そして次に、塗布した接着剤をプラズマで凝固させる。第2接着剤層は、この操作を繰り返すことにより塗布することができる。幾つかの実施形態では、回転センサ1121のようなモーションセンサを用いて塗布/プラズマ装置器具1200の運動を、ローラ971の回転を検出する、または測定することにより測定する。任意であるが、モーションセンサはコントローラに接続され、当該コントローラはプラズマを、塗布/プラズマ装置器具1200が組織の上を移動しているときに活性化するか、または移動しているときにのみ活性化する。幾つかの実施形態では、当該コントローラは更に、接着剤塗布を、運動が検出されると開始する。任意であるが、プラズマ電力、及び/又は接着剤塗布量は、検出される運動速度を基準にして制御される。
均一な接着剤層を塗布する他の方法を任意であるが、用いてもよい:例えば、接着剤溶液を加圧容器から、この技術分野で公知のスプレー法を用いて噴霧することができる。任意であるが、細径ノズルを用いて、スプレーを傷に狙いを定めて当てる。
幾つかの実施形態では、キトサン溶液または固体キトサンシートを使用してもよい。市販のキトサンは、粉末状で入手することができるが、溶液に、例えば酸溶液に溶解させ、そして接着剤溶液に添加してもよい。当該溶液は、シート状に乾燥させ、そして溶着プロセスに用いることができる。
当該シートは、傷口に塗布することができ、そして次に、少量の水、または食塩水、患者の血液、血漿、または他の生体適合液のような少量の他の液体を当該シートに塗布するか、または噴霧し、そして当該シートを部分的に溶解させる。次に、プラズマビームを、部分的に溶解した接着剤に振り向ける、または接着剤/キトサン混合物に振り向けることにより溶着を行なう。
この方法を用いて、強力な溶着を行なうことができる。また、良好な水溶性及び良好なプロセス制御性を実現することができる。
溶着領域を溶着後に封止する他の方法を任意であるが、用いることができる:例えば、任意の薬局で購入することができる接着テープを使用して、溶着部位を乾燥しないように封止することができる。手術室で使用されている標準の“減菌試験紙”は任意であるが、この目的に使用することができる。任意であるが、ナイロンのような防水膜を、保湿効果を高めるために使用することができる。
任意であるが、保湿クリームを溶着後に塗布してもよい。
接着剤を溶着後に噴霧し、そして任意の薬局で購入することができる接着テープで被覆する処置を行なって、溶着部位を乾燥しないように封止することができる。
本発明を本発明の特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、変形、及び変更が行なわれることは当業者には明らかであろう。従って、添付の請求項の思想及び広義の範囲に含まれるこのような代替、変形、及び変更の全てを包含するものである。本明細書において言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の各刊行物、特許、または特許出願が、参照されることにより本明細書に組み込まれるために詳細かつ個々に提示されたのと同じ程度に、本明細書においてこれらの刊行物、特許、または特許出願の内容全体が参照されることにより、本明細書に組み込まれる。更に、本出願において参考文献の引用または特定が行なわれると必ず、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを容認していると解釈されるべきではない。

Claims (46)

  1. 組織溶着を行なう医療器具であって、プラズマヘッドにおける低温プラズマ発生を、RF電源を制御してプラズマ発生RF電力を前記プラズマヘッドに供給することにより調整するように構成される、少なくとも1つのプロセッサを備え、該プロセッサは、最高600Hzの周波数に変調され、かつ少なくとも2〜20%のデューティサイクルで変調される1〜10MHzの周波数の搬送波信号の供給RFエネルギーを調整するように構成されることを特徴とする医療器具。
  2. 前記搬送波信号は正弦波を含む、請求項1に記載の医療器具。
  3. 前記変調周波数は、オン/オフ変調を用いて行なわれる、請求項1に記載の医療器具。
  4. 前記プラズマ発生RF電力は更に、DC成分を含む、請求項1に記載の医療器具。
  5. 前記プラズマ発生RF電力の前記搬送波は、100〜6000ボルトの範囲である、請求項1に記載の医療器具。
  6. 前記電源は、前記プラズマヘッドに、1500ボルトよりも大きいRFプラズマ着火信号を供給することができる、請求項1に記載の医療器具。
  7. 組織溶着を行なう医療器具であって:
    ガス供給源からガスを得ると共にRF電力をRF電源から得ることのできる少なくとも第1プラズマヘッド及び第2プラズマヘッドと、
    前記第1及び第2プラズマヘッドのうちの少なくとも一方に接続されかつ接着剤を組織溶着中に塗布するように構成される接着剤塗布器と、
    を備えることを特徴とする医療器具。
  8. 前記接着剤塗布器は、前記第1プラズマヘッドと前記第2プラズマヘッドとの間に配設される、請求項7に記載の医療器具。
  9. 更に、少なくとも第3プラズマヘッドを備える、請求項7に記載の医療器具。
  10. 組織溶着を行なう医療方法であって:
    溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体を塗布するステップと、
    前記生体適合性液体を、プラズマを前記生体適合性液体に照射することにより凝固させるステップと、
    前記生体適合性液体に照射される前記プラズマを、
    プラズマ経路の電気インピーダンスを監視し、そして電力、電流、及び電圧のうちの少なくとも1つを監視し、
    前記生体適合性液体の凝固状態を、監視される前記インピーダンスの変化に基づいて判断し、
    前記プラズマを発生するRF電力を、前記生体適合性液体の前記判断状態に応じて制御することにより制御するステップと、
    を含むことを特徴とする医療方法。
  11. 前記生体適合性液体の凝固状態を判断する前記ステップは、プラズマ照射中の前記測定インピーダンスの変化に基づいて行なわれる、請求項10に記載の医療方法。
  12. RF電力を制御する前記ステップは:
    前記測定インピーダンスの変化を監視するステップと、
    前記プラズマ発生RF電力を、インピーダンスの変化が事前設定閾値を超えると遮断するステップと、を含む、請求項10に記載の医療方法。
  13. 前記プラズマ発生ヘッドと前記溶着組織との間の距離は、前記プラズマインピーダンスを監視する前記ステップ中に略一定に保持される、請求項10に記載の医療方法。
  14. 接着剤溶液を組織に塗布するとともに、組織溶着を行なう医療用塗布/プラズマ装置器具であって:
    プラズマを発生するように構成されるヘッドと、
    プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性液体に関する塗布器具であって、前記塗布器具が、前記生体適合性液体を保管する容器を含む、前記塗布器具と、
    溶着対象の組織に触れ、前記生体適合性液体を前記容器から流入させる多孔質材料製ローラであって、該ローラが回転して前記液体を前記組織に散布することができる、前記多孔質材料製ローラと、
    を備えることを特徴とする、医療器具。
  15. 前記塗布/プラズマ装置器具は、前記プラズマ発生ヘッドのうちの少なくとも1つの動作を制御するように構成される運動検出器を備える、請求項14に記載の医療器具。
  16. 組織溶着を行なう医療方法であって:
    第1溶着層を、
    生体適合性液体を溶着対象の組織に噴霧し、
    前記生体適合性液体を、プラズマを用いて凝固させる手順により生成するステップと、
    第2溶着層を、前記手順を繰り返すことにより生成するステップと、
    を含むことを特徴とする医療方法。
  17. 前記手順は、4秒未満の時間内に完了する、請求項16に記載の医療方法。
  18. 前記手順は、前記噴霧及びプラズマ生成を制御する自動コントローラによって作成される、請求項16に記載の医療方法。
  19. 組織溶着を行なう医療方法であって:
    乾燥キトサンシートを溶着対象の組織の上に載置するステップと、
    前記乾燥キトサンシートを濡らすステップと、
    前記キトサンを、プラズマを照射することにより凝固させるステップと、
    を含むことを特徴とする、医療方法。
  20. 前記シートを濡らす前記ステップは、水、食塩水、患者の血液、血漿、及び他の生体適合性液体から成るグループから選択される液体群から選択される液体によって行なわれる、請求項19に記載の医療方法。
  21. 前記シートを濡らす前記ステップは、噴霧によって行なわれる、請求項19に記載の医療方法。
  22. 組織溶着を行なう医療器具であって:
    ガスをガス供給源から流入させ、そしてRF電力をRF電源から受電することができるプラズマ先端を備え、前記プラズマ先端は:
    近位開口部及び遠位開口部を有することにより、ガスを前記ガス供給源から前記近位開口部を通って流入させ、そしてプラズマを、前記遠位開口部を通って供給するプラズマチューブと、
    RF電力を前記RF電源から受電し、そして前記ガスを励起して、前記プラズマを発生させる少なくとも1つの電極と、を備え、
    前記プラズマ先端は、前記電極が前記ガスに直接触れるのを防止することにより、誘電体絶縁破壊によるプラズマ発生を容易にしながら、コロナプラズマが生成されるのを防止するように構成されることを特徴とする、医療器具。
  23. 更に、組織を接地する接地電極パッドを備える、請求項22に記載の医療器具。
  24. 前記プラズマ先端は単一電極を備える、請求項22に記載の医療器具。
  25. 前記単一電極は、RF電力を一方の端部からのみ受電するように構成されるコイルの形態である、請求項24に記載の医療器具。
  26. 前記プラズマチューブは電気絶縁製であり、そして前記コイルは、前記プラズマチューブの外周面に配設される、請求項24に記載の医療器具。
  27. 組織溶着を行なう医療方法であって:
    溶着対象の組織に、プラズマが照射されると凝固する性質を有する生体適合性材料を塗布するステップと、
    前記生体適合性材料を、プラズマを前記生体適合性材料に照射することにより凝固させるステップと、
    を含むことを特徴とする、医療方法。
  28. 前記プラズマの温度は70℃未満である、請求項27に記載の医療方法。
  29. 前記生体適合性材料は止血剤を含む、請求項27に記載の医療方法。
  30. 前記生体適合性材料はキトサンを含む、請求項27に記載の医療方法。
  31. 前記生体適合性材料はアルブミンを含む、請求項27に記載の医療方法。
  32. 前記生体適合性材料は液状である、請求項27乃至31に記載の医療方法。
  33. 前記生体適合性材料は薄いシートを含む、請求項27乃至31に記載の医療方法。
  34. 前記生体適合性材料シートは溶解乾燥キトサンを含む、請求項33に記載の医療方法。
  35. 前記溶解乾燥キトサンシートは、20〜300マイクロメートルの厚さである、請求項33に記載の医療方法。
  36. 更に:
    前記シートを溶着対象の傷の上に直接載せるステップと、
    前記シートを加湿するステップと、
    を含む、請求項34に記載の医療方法。
  37. 更に:
    前記シートを溶着対象の傷の上に直接載せるステップと、
    前記シートを、患者の血液で濡らすステップと、
    前記血液を、前記プラズマを用いて凝固させるステップと、
    を含む、請求項36に記載の医療方法。
  38. 更に、更に別の凝固生体適合性材料層を付着させるステップと、そしてプラズマを前記更に別の層に照射するステップと、を含む、請求項27に記載の医療方法。
  39. 更に、前記生体適合性材料を塗布する前に、溶着部位の溶着前のプラズマ減菌を行なうステップを含む、請求項27に記載の医療方法。
  40. 前記溶着前のプラズマ減菌では、プラズマ発生に使用されるガスとは異なるガスを使用する、請求項39に記載の医療方法。
  41. 前記溶着前のプラズマ減菌では:窒素、酸素、及び空気から成るグループから選択されるガスを少なくともあるパーセンテージで含有するガスを使用する、請求項40に記載の医療方法。
  42. 更に、前記溶着組織を、溶着後にプラズマを前記組織に照射することにより封止するステップを含む、請求項27乃至40に記載の医療方法。
  43. 溶着後のプラズマ封止に使用されるガスはアルゴンを含む、請求項42に記載の医療方法。
  44. 前記溶着対象の組織に生体適合性材料を塗布する前記ステップでは、溶着対象の組織の上方で、液体接着剤塗布器を移動させる、請求項27に記載の医療方法。
  45. 前記液体接着剤塗布器はプラズマ溶着ヘッドに一体化される、請求項44に記載の医療方法。
  46. 前記液体接着剤塗布器はハンドヘルドプラズマ溶着ヘッドに一体化される、請求項45に記載の医療方法。
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