JP2014518770A - 自動臨床分析装置用の閉管サンプリングおよび開管サンプリングのためのシステム、装置、および方法 - Google Patents

自動臨床分析装置用の閉管サンプリングおよび開管サンプリングのためのシステム、装置、および方法 Download PDF

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Abstract

遠心分離機が動いている間にサンプル管が導入されることができる遠心分離機。遠心分離機は、上部(204)および下部(206)を有するカルーセル(202)を備える。カルーセルの上部は、遠心分離動作のためのサンプル管用の複数の位置と、カルーセルの上部に取り付けられた複数の駆動機構(230)と、各駆動機構の上に搭載され、駆動機構が作動させられたときに駆動機構の長さをトラバースすることができる移動可能要素(352)と、サンプル管ホルダ(260)および各移動可能要素に取り付けられたベアリング(262)を備えるサンプル管保持組立体(258)と、遠心分離機の回転により発生させられる不平衡ベクトルを相殺する力ベクトルに寄与することができる少なくとも1つの平衡要素(320、322)とを有する。

Description

本発明は、自動診断分析装置用生体サンプルを準備するためのシステムに関する。
遠心分離機は、固定された軸を中心に対象物を回転状態にし、軸に垂直に力を加える装置である。遠心分離機は、一般に電気モータにより駆動される。遠心分離機は、求心加速度がより高密度の物質を径方向(管の底部)に沿って外へ分離させる沈降原理を使用して機能する。同時に、より軽い対象物が、管の最上部に移動する傾向がある。
遠心分離のためのプロトコルは、典型的には、回転/分などの回転速度を指定するのではなく、サンプルに加えられる加速度の量を指定する。この区別は、同じ回転速度で動作している、異なる直径を有する2つのロータが、異なる加速度をサンプルに受けさせるので、重要である。円運動中、加速度は、半径と角速度の二乗との積であり、従来「相対遠心力」(relative centrifugal force、RCF)と命名されている。加速度は、地球の表面での重力による標準加速度である「g」の倍数(または×「g」)で計測され、次式により与えられる。
RCF=r(2πN)/g
ここで、gは地球の重力加速度を表し、
rは回転半径を表し、
Nは、単位時間あたりの回転で計測された回転速度を表す。
関係は以下のように書かれてもよい。
RCF=1.118×10−5cm RPM
ここで、rcmは、センチメートル単位で計測された回転半径を表し、
RPMは、回転/分(revolution per minute、RPM)で計測された回転速度を表し、
g=(980.65cm/秒)(3,600秒/分)=3,530,340cm/分である。
臨床化学は、一般に体液の分析に関係する病理学の分野である。血液および尿のさまざまな成分のための簡単な化学試験を使用して、19世紀末に始まった専門分野である。その後、酵素活性、分光測定、電気泳動、およびイムノアッセイの使用および計測を含む他の技法が適用された。現在、殆どの研究所は、あまり自動化されておらず、厳密にモニタされ、品質のために制御されたアッセイを使用する。血液の細胞の検査および計測だけでなく、血液凝固の研究を必要とする試験が、一般に血液学の下で分類されたとき、含まれない。臨床化学は、任意の種類の体液に対して行われることができるが、一般に、血清または血漿に対して行われる。血清は、血液が凝固させられ、すべての血球が取り除かれた後に残された、血液の黄色い水のような部分である。このような除去は、より高濃度の血球および血小板を遠心管の底部に詰め込み、詰め込まれた細胞の上方に載る液体血清部分を残す遠心分離により最も容易に行われる。血漿は、本質的に血清と同じであるが、凝固させずに血液を遠心分離することにより得られる。したがって、血漿はフィブリノゲンを含む凝固因子のすべてを含む。
イムノアッセイは、しばしば物質の複雑な混合物を含む溶液中の物質の存在または濃度を計測する生化学的試験である。血清または尿などの生物流体のアナライトが、イムノアッセイ法を使用してしばしばアッセイされる。このようなアッセイは、抗体が分子の1つまたは非常に限られたグループに対して非常に特異的に結合する固有の能力に基づく。抗体に結合する分子は抗原と呼ばれる。イムノアッセイは、抗原/抗体対のいずれかのメンバについて実施されることができる。抗原アナライトでは、この抗原に特異的に結合する抗体が、分析用試薬として使用するためにしばしば準備されることができる。アナライトが特異抗体であるとき、この抗体の同種抗原が分析用試薬として使用されることができる。いずれの場合も、アッセイの特異性は、分析されるサンプル中に存在してもよいすべての他の物質を除外して、分析用試薬がその特異的結合相手に結合することができる程度に依存する。特異性が必要であることに加えて、正確な計測を可能にするために、アナライトに対して十分高い親和力を有する結合相手が選択されなければならない。親和力の要件は、使用される特定のアッセイフォーマットに依存する。
特異的に結合することに加えて、イムノアッセイすべての他の重要な特徴が、特異的結合に応答して、計測可能な信号を作り出すための手段である。歴史的に、信号は、何らかの物理的特性の変化、たとえば、光散乱、または屈折率の変化を計測することを伴う。今日、大部分のイムノアッセイは、検出可能な標識と結合された分析用試薬の使用に依存する。放射線イムノアッセイで使用される放射性元素;酵素;蛍光染料、燐光染料、および化学発光染料;ラテックス粒子および磁性粒子;染料微結晶、金、銀、およびセレンのコロイド粒子;金属キレート;補酵素;電気活性基;オリゴヌクレオチド、安定ラジカル、および他のものを含む、多種多様の標識が実証された。このような標識は、遊離したまたは結合した標識された試薬を分離した後、または結合イベントが標識により作り出された信号の変化をもたらすような方法でシステムを設計することにより、結合イベントの検出および定量化のために役立つ。しばしば分離イムノアッセイまたは異種イムノアッセイと呼ばれる分離ステップを必要とするイムノアッセイは、設計が容易であるので、一般的であるが、標識された試薬が結合した表面を、注意深く洗浄するステップを含む複数のステップをしばしば必要とする。結合により信号が影響を受けるイムノアッセイは、分離ステップなしにしばしば行われることができる。このようなアッセイは、単に、試薬とサンプルを混合し、物理的計測を行うことによりしばしば実施されることができる。このようなアッセイは、同種イムノアッセイ、またはそれほどしばしばではないが、非分離イムノアッセイと呼ばれる。
使用される方法とは無関係に、イムノアッセイで作り出された信号の解釈は、サンプル培養液の特性を模倣するキャリブレータを参照する必要がある。定性的アッセイのために、キャリブレータは、アナライトを有しない陰性サンプル、および検出可能であると考えられる、最低濃度のアナライトを有する陽性サンプルから構成されてもよい。定量的アッセイは、既知のアナライト濃度を有する追加のキャリブレータを必要とする。実際のサンプルのアッセイ応答をキャリブレータにより作り出されたアッセイ応答と比較することにより、サンプル中のアナライトの存在または濃度に関して信号強度を解釈することが可能になる。
血液学は、内科、生理学、病理学、臨床検査室の作業、ならびに血液、造血器官、および血液疾患の研究に関係する小児科の部門である。血液学は、血液疾患の病因、診断、処置、予後、および予防の研究を含む。血液の研究の中で行われる研究室の作業は、臨床検査技師によりしばしば行われる。血液疾患は、血液、および血液の成分、たとえば、血球、ヘモグロビン、血液タンパク質、凝固の機構などを作り出すことに影響を及ぼす。
血液学試験は、凝固因子からさまざまな細胞評価にまで及ぶ、多種多様な研究所での研究を含む。全血のサンプルが通常、静脈から採取される。量は、行われる試験の回数およびタイプ、ならびに使用される試験機器により異なる。典型的には、赤血球がカウントされ、溶解させられ(分解され)、次いで、白血球が計測される。血液は急速に凝固するので、計測された血液サンプルは、完了される試験(複数可)に応じて、溶解試薬または抗凝固試薬で希釈される。溶解試薬は赤血球を分解し、白血球をカウントすることができるようにする。希釈は、いくつかの理由で、試験用サンプルを準備する際の重要なステップである。第一に、抗凝固剤の濃度が、血液の体積に対して適切でなければならない。不十分な希釈が、細胞カウントを低減する小さな凝固の形成を可能にする場合があり、過剰な希釈が、細胞を縮小または膨潤させる可能性がある。広く使用されている抗凝固剤が、EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid、エチレンジアミン四酢酸)およびヘパリンである。EDTAは、定型的な細胞カウントおよび血小板カウントのためにしばしば使用される。ヘパリンは、赤血球の体積を歪めることなく凝固を抑制し、白血球細胞の研究のための好ましい抗凝固剤である。第二に、比較的大量の血液サンプルでさえ、計測のために分析装置を通って流れるほどの十分な量を提供しない。血液は、細胞が計測のために一定速度で流れるように十分な液体中で均一に懸濁されることができるようにする希釈剤と混合されなければならない。カウントおよび他の試験が、血液サンプルを得る3時間〜4時間以内(血小板カウントについては1時間〜2時間以内)に行われるべきである。
長年、自動血液学が大規模研究所で使用されてきた。自動化技術は以下を含む。
1.インピーダンス原理:この原理は、血球が電気の不良導体であるということに基づくコールター(coulter)原理である。コールターカウンタは、電場内の開口を通って細胞が一列に流れるときにカウントする。各細胞が開口を横切るとき、電気インピーダンスの増加が、細胞のサイズに比例する。細胞は、希釈液中に一様に懸濁され、懸濁液が一定速度で開口を通過する。これらのカウンタは、サイズに従って粒子間を区別するので、これらのカウンタのしきい値(通常、開口サイズ)が、カウントされる細胞に応じて、好ましいサイズ限界に設定されることができる。白血球カウントのための希釈は非常に重要である。白血球は小さく、数が多いので、白血球カウントが高いサンプルが、機器のカウント容量を超える場合がある、または2つの細胞が開口を同時に通過するカウントである、高い一致カウントを引き起こす場合がある。希釈液の量の増加がこれらの誤差を避けるために必要とされる場合がある、または機器がこれらの誤差に対して自動的に補正されてもよい。
2.光学原理:自動システムは、細胞の蛍光標識能力に基づき細胞を識別するフロースルー(フローサイトメータとも呼ばれる)光学技術に基づく。希釈液中の血球が開口を通過し、焦点が合わせられた光ビームを散乱させる。細胞は、計測可能であり、かつ各細胞タイプに固有の手法で光を回折させる(散乱させる)。開口を通過する2つの細胞が1つの大きな細胞として計測される場合がある(一次一致)、または計測しきい値以下の2つの粒子が1つの細胞としてカウントされる場合がある(二次一致)という一致誤差により精度が影響を受ける可能性がある。ほとんどの場合、一致要因は非常に小さいので、カウントを大きく乱すことができない。大部分の機器が一致誤差を自動的に補正する。
市販の臨床化学用自動分析装置が、すべてイリノイ州Abbott ParkのAbbott Laboratoriesから市販されている、商標「ARCHITECT」c16000、「ARCHITECT」c4000、および「ARCHITECT」c8000という名で販売されているものを含む。市販のイムノアッセイ用自動分析装置が、すべてイリノイ州Abbott ParkのAbbott Laboratoriesから市販されている、商標「ARCHITECT」i1000SR、「ARCHITECT」i2000SR、「ARCHITECT」i4000SR、および「AxSYM」という名で販売されているものを含む。市販の血液学用自動分析装置が、すべてイリノイ州Abbott ParkのAbbott Laboratoriesから市販されている、商標「CELL−DYN」1800、「CELL−DYN」3200、および「CELL−DYN」3700という名で販売されているものを含む。
臨床化学用自動分析装置、イムノアッセイ用自動分析装置、および血液学用自動分析装置は、典型的には、以下の構成要素のうち1つまたは複数を必要とする:
(a)サンプル吸引プローブがサンプルの一部を吸引することが可能になるように、サンプル管のストッパが貫通される穴開けステーション、
(b)サンプルを一方の自動分析装置から他方の自動分析装置に移動させ、それにより自動分析装置を一体化するための、サンプル移送用自動システム、
(c)サンプルをサンプル管から取り除き、サンプルを反応容器の中に分配するための吸引/分配デバイス、
(d)全血のサンプルがサンプル容器から引き出された後に血漿から血球を分離するための血液分離デバイス、
(e)サンプル容器からキャップを取り除くためのキャップ除去デバイス。
米国特許第6,033,355号明細書が、複数の個々の遠心分離機デバイス、ならびにロボットローディングおよび/またはアンローディングデバイスを有する遠心分離機について説明している。遠心分離機デバイスの各々が、その他の遠心分離機デバイスの動作に影響を及ぼすことなくロードまたはアンロードされてもよい。遠心分離機デバイスは、所定の経路に沿って間隔を置いて配置され、移動させられる複数のロータを含む。ロータは、所定の経路に対して回転可能に搭載され、ロータの回転面は、所定の経路に対して実質的に直角に伸びる。
たとえば、バッチタイプ遠心分離および血清フィルタなどの、いくつかの他のタイプの全血分離技法が利用可能である。
研究所で血液サンプルを試験することにより、エーロゾルを含む生物学的危険要因にオペレータがさらされる。さらに、オペレータが閉鎖型サンプル管からストッパを取り除くとき、反復運動が、手根管症候群などの身体的傷害につながる可能性がある。処理量およびアッセイ性能を低下させることなく、オペレータへのこれらのリスクを低減するシステムを開発することが望ましい。同じく、切れる「鋭利なもの」の危険要因にオペレータをさらすことを低減することも望ましい。
血液サンプルを試験する研究所は、血液学またはイムノアッセイ/臨床化学の試験用にサンプル管を分類するためにかなりの労力を費やす。この分類に加えて、イムノアッセイ/臨床化学試験を受ける予定のサンプル管に対して平衡および遠心分離が行われる。これらの動作は、結果を得るために必要な時間に最小限10分以上を加え、追加の10分によりSTATサンプルのアッセイを遅延する可能性がある。血液学/イムノアッセイ/臨床化学試験の一体化により、分類、平衡、および遠心分離のために必要な労力が低減され、分析装置システム/作業セルの中に血液分離ステップを一体化することにより、結果を得るために必要な時間が大きく低減される。血液学/イムノアッセイ/臨床化学試験用の1つのサンプル管を処理するための完全に自動化された方法を提供し、一方では、多くのサンプル、ならびにランダムな連続アクセスアッセイ処理だけでなく、STATサンプルの分析も処理する大規模研究所のために高い処理量を提供することが望ましい。さらに、新しい分析装置が開発される必要なしに、現在の製品ラインでこれらの利点を実現することが望ましい。最小の変更で、さまざまなカスタマ環境で、たとえば研究所で使用するためのシステムを開発することが望ましい。
患者および静脈採血士は、血液学試験およびイムノアッセイ/臨床化学試験のために2つのサンプル管を提供する必要がある。血液学/イムノアッセイ/臨床化学試験の一体化により、患者の苦痛が低減され、サンプルを採取するコストが低減され、(2つ以上のタイプのサンプル管を貯蔵するための)在庫のコストが低減され、固形廃棄物の処分コストが低減される。
遠心分離機の設計は、典型的には、「バッチ」タイプの設計であり、すべてのサンプル管がロードされ、次いで、10分間(最小限)分離される必要がある。遠心分離処理が開始された直後にSTATサンプルが到着した場合、STATサンプルは、10分(最小限)遅延させられる。連続アクセス遠心分離機は、「バッチ」、およびSTATサンプルを処理するためのその後のどんな遅延もなくし、それにより、遠心分離のために必要な時間を5分に低減する。
遠心分離機の設計は、典型的には、電力、空調などが一般的な先進国の研究所をターゲットとされていた。連続アクセス遠心分離機が、電気以外の動力源、たとえば、手回しクランク、自転車、風車、水車などからエネルギーを受け取る能力を提供し、それにより、現代の遠心分離技法が発展途上国で行われることができるようになる。
米国特許第6033355号明細書 米国特許第7678331号明細書 米国特許第7453483号明細書 米国特許出願公開第2008/0024301号明細書
McCall et al.、『Phlebotomy Essentials』、第4版、Lippincott Williams & Wilkins(2008年:Baltimore、Maryland、USA)、521〜522ページ bd.com/vacutainer/products/venous/plus_plastic_tubes_docs.asp jadaktech.com/products/machine_vision/MVCS.html coleparmer.com/catalog/product_index.asp?cls=6808 kjkmagnetics.com/proddetail.asp?prod=BX8X8X8%2DN52 『THE WAY THINGS WORK』、第2巻、Simon and Schuster(New York:1971年)、506〜517ページ vishay.com/docs/83795/tcnd5000.pdf kjmagnetics.com/proddetail.asp?prod=D44%2DN52 impactbearing.com/miniature_bearing_instrument.html globalspec.com/Featured Products/Detail/Lantec/SRBN219083_Ring_Bearing/154851/0?fromSpotlight=1 leespring.com/int_learn_torsion.asp ウェブサイトeagletreesystems.comのInstruction Manual for Optical RPM Sensory、Document Version2.2、Eagle Tree Systems,LLC、(2006年)、1〜4ページ en.wikipedia.org/wiki/Balancing_machine en.wikipedia.org/wiki/Accelerometer hofmann−balancing.com/products/vibration−sensors.html pbclinear.com/Low−Profile−Uni−Guide
研究所で血液サンプルを試験するには、血液学試験、イムノアッセイ試験、または臨床化学試験用にサンプル管を分類するために、かなりの量の労力が必要となる。この分類に加えて、イムノアッセイ試験および臨床化学試験を受ける予定のサンプル管に対して平衡および遠心分離が行われる。平衡および遠心分離により、結果を得るために必要な時間に最小限10分以上が追加される。
一様態では、本発明は、新規な遠心分離機を提供する。実施形態のいずれも、遠心分離機が動作状態にある間、サンプル管が遠心分離機の中に導入されることができる。実施形態のすべてで、遠心分離機は、上部および下部を有するカルーセルを有する。カルーセルの上部は、遠心分離動作のためのサンプル管用の複数の位置と、カルーセルの上部に取り付けられた複数の駆動機構と、各駆動機構に搭載され、駆動機構が作動させられたときに駆動機構の全長または駆動機構の任意の部分をトラバースすることができる移動可能要素と、サンプル管ホルダおよび各移動可能要素に取り付けられたベアリングを備えるサンプル管保持組立体と、遠心分離機の回転により発生させられる不平衡ベクトルを相殺する力ベクトルに寄与することができる少なくとも1つの平衡要素とを有する。カルーセルの下部は、カルーセル自体の動きを引き起こすためのロータコイルおよび界磁コイルを含む。
力ベクトルは、遠心分離機のカルーセルの軸からさまざまなサンプル管までの距離を考慮しながら、サンプル管およびサンプル管ホルダにより生成されるどんな不平衡(複数可)も相殺するような大きさおよび方向からなる。
一実施形態では、遠心分離機は、外部平衡キャップおよび内部平衡キャップを備える。同心の外部平衡キャップおよび内部平衡キャップは、遠心分離機のカルーセルの回転軸を中心に回転させられることができる。外部平衡キャップおよび内部平衡キャップの各々は、カルーセルの上部を覆うプラットフォームと、プラットフォームから垂れ下がり、平衡キャップのプラットフォームと垂直なスカート部とを備える。
他の実施形態では、遠心分離機を平衡させるために、平衡ウェイトが使用される。平衡ウェイトは、第1の位置決め機構に取り付けられ、支持され、平衡ウェイトと第1の位置決め機構の組合せが、第2の位置決め機構にさらに取り付けられ、支持され、第2の位置決め機構は、遠心分離機のカルーセルにより支持される。位置決め機構は、平衡ウェイトを動かして、遠心分離機の回転により発生させられるどんな不平衡も相殺するために、適切な方向に動かされることができる。
さらに他の実施形態では、遠心分離機は、少なくとも3つの平衡要素を備える組立体を備える。3つの平衡要素は、遠心分離機の回転により発生させられるどんな不平衡も相殺するために、動かされることができる。各平衡要素は、送りねじに沿って動かされることができる平衡ナットを備える。第1の送りねじが、第1のベアリング内部で回転し、第2の送りねじが、第2のベアリング内部で回転し、第3の送りねじが、第3のベアリング内部で回転する。第1の送りねじは、ベアリングが位置決めされた端部と反対側の、第1の送りねじの端部に位置決めされたステッピングモータにより作動させられ、第2の送りねじは、ベアリングが位置決めされた端部と反対側の、第2の送りねじの端部に位置決めされたステッピングモータにより作動させられ、第3の送りねじは、ベアリングが位置決めされた端部と反対側の、第3の送りねじの端部に位置決めされたステッピングモータにより作動させられる。
他の様態では、本発明は、臨床化学分析装置、イムノアッセイ分析装置、および血液学分析装置、または前記の任意の組合せを一体化するためのシステムを提供する。一実施形態では、システムは、少なくとも1つの臨床分析装置、および前述の遠心分離機を備える。臨床分析装置は、少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置を備えることができる。あるいは、臨床分析装置は、少なくとも1つの臨床化学分析装置を備えることができる。他の代替形態では、臨床分析装置は、少なくとも1つの血液学分析装置を備えることができる。さらに他の代替形態では、システムは、少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置、少なくとも1つの臨床化学分析装置、および少なくとも1つの血液学分析装置の任意の組合せを備えることができる。
さらに他の様態では、本発明は、開管サンプリングおよび閉管サンプリングを適合させることができるシステムを提供する。イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置が血液学分析装置と一体化されたとき、血液学分析装置が、管を数回逆さにすることにより血液のサンプル全体を混合し、それにより、血球の一様な分布を保証するので、サンプル管はストッパを定位置に配置してロードされなければならない(閉管システム)。血液学分析のためにサンプルを吸引した後に、アリコートが閉管から引き出され、その後、遠心分離機に、次いで、分析のために適切なイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定されることができる。イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置が、血液学分析装置と一体化されていない場合、サンプル管は「開放型」または「閉鎖型」とすることができる。サンプル管が「開放型」(ストッパが取り除かれる)である場合、すべてのアリコートが、現在の「ARCHITECT」分析装置と同じ手法で引き出される。サンプル管が「閉鎖型」(ストッパが定位置にある)である場合、ストッパが穴開けステーションで貫通され、その後、サンプル管が、サンプルを引き出すために分析装置に経路設定される、またはアリコートが閉管から引き出され、その後、分析のためにイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定される。
本明細書で説明されるシステムは、密封されたサンプル管から生体サンプルを吸引するためのオプションを2つ提供する。第1のオプションでは、サンプル管のストッパはスリットであり、それにより、自動臨床分析装置上の標準的サンプル吸引プローブが、通気管を通ってストッパに入り、サンプルを吸引することができるようになる。第2のオプションでは、典型的には自動血液学分析装置で使用されるサンプル吸引プローブが、サンプル管のストッパに穴を開け、サンプルを吸引し、自動臨床分析装置でその後使用するために、サンプルの一部を開管の中に分配する。
自動血液学分析装置で使用するのに適したサンプル管が、自動イムノアッセイ分析装置および自動臨床化学分析装置で同じく使用されることができるように、システムは共通の抗凝固剤を利用する。分析前に、全血のサンプルの成分を分離するためのいくつかの技法のいずれかが利用されることができる。たとえば、全血のサンプルの成分は、超音波エネルギーにより提供される定在波によって、または膠着試薬でコートされた磁性粒子によって分離されることができる。
本明細書で説明されるシステムは、密封されたサンプル管からのサンプルの自動的処理、血液学分析装置、イムノアッセイ分析装置、および臨床化学分析装置の一体化をさまざまなレベルで提供する。システムは、顧客のニーズを満たすように設計されることができる。したがって、システムは、所望の機能を行うために、拡張される、または簡略化されることができる。
本明細書で説明されるシステムは、処理量、アッセイ性能を低下させることなく、サンプル管のストッパの開口部を切断することによりもたらされる切り口にオペレータをさらすことなく、オペレータへのリスクを低減する。このようなリスクは、反復動作による傷害、生物学的危険要因への暴露、およびエーロゾルへの暴露を含むが、これらに限定されない。
血液学試験、イムノアッセイ試験、および臨床化学試験の一体化により、分類、平衡、および遠心分離のために必要な労力が低減され、臨床分析装置を含むシステムの中へ血液を分離するステップを一体化することにより、結果を得るために必要な時間が大きく低減される。本明細書で説明されるシステムは、血液学試験、イムノアッセイ試験、および臨床化学試験用に使用されることができる1つのサンプル管で1つのサンプルを処理するための、完全に自動化された方法を提供し、一方では、多数のサンプルを処理し、ランダムな連続アクセスアッセイ処理だけでなく、STATサンプルのためのアッセイも利用する大規模研究所のために高い処理量を提供する。さらに、これらの利点は、新しい分析装置の開発を必要とせずに、たとえば、「ARCHITECT」イムノアッセイ分析装置、「ARCHITECT」臨床化学分析装置、および「CELL−DYN」血液学分析装置などの現在の血液学分析装置、イムノアッセイ分析装置、および臨床化学分析装置で実現されることができる。システムは、大きな変更を必要とせずに、さまざまな研究所環境を設計するためのさまざまな概念を提供する。
血液学、イムノアッセイ、および臨床化学の試験の一体化には、試験用に1つのサンプル管だけが必要とされ、それにより、患者への苦痛、サンプルを採取するコスト、(2つ以上のタイプのサンプル管を貯蔵するための)在庫のコスト、および固形廃棄物の処分コストが低減される。
本明細書で説明される遠心分離機の連続アクセス機構は、「バッチ」による遅延、その結果として、STATサンプルを処理するための、その後のどんな遅延もなくす。
本明細書で説明される連続アクセス遠心分離機により、遠心分離機は、手回しクランク、自転車、風車、水車などの機械的動力源からエネルギーを受け取ることが可能になり、それにより、現代の遠心分離ステップが発展途上国で実施されることができるようになる。
図8、図10、および図14を除き、図面のすべてが概略図である。
サンプル管のストッパにスリットを入れるのに適した切刃の底面図である。 図1の切刃の側面図である。 図1の切刃の正面図である。 本明細書で説明されるサンプリングシステムで使用されることができる、複数のデバイスを保持するためのホルダの底面図である。保持されることができるデバイスは、ストッパの中にスリットを切るためのデバイス、ストッパに穴を開けるためのデバイス、およびストッパの中に切られスリットを拡大するためのデバイスを含むが、これらに限定されない。 図4のホルダの立体図である。 図1、図2、および図3に示される切刃により形成されたスリットを有する、サンプル管用ストッパの平面図である。 本明細書でスリーブ/カラーと呼ばれるデバイスがスリットの中に挿入された、図6に示されるストッパの平面図である。 本明細書で説明されるサンプリングシステムで使用するのに適したサンプル管の立面側面図である。 本明細書で説明されるサンプリングシステムで使用するのに適したサンプル管の立面側面図である。 本明細書で説明されるサンプリングシステムで使用するのに適したサンプル管の立面側面図である。 自動イムノアッセイ分析装置および自動臨床化学分析装置で使用するために、サンプル管のストッパの中にスリットを切るためのモジュールを利用するシステムの平面図を示す概略図である。図9はまた、少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置用モジュール、少なくとも1つの臨床化学分析装置用モジュール、少なくとも1つの血液学分析装置用モジュール、および少なくとも1つの遠心分離機またはサンプルの成分を分離するための他の装置用モジュールを示す。研究所の要件に応じて、モジュールのうち1つまたは複数がシステムから取り除かれることができることに留意されたい。 図9に示されるシステムで使用するのに適した臨床分析装置の立体図である。 本明細書で説明される遠心分離機の一実施形態の断面図である。この実施形態では、遠心分離機により発生させられる不平衡ベクトルを相殺するために外部平衡キャップおよび内部平衡キャップが利用される。 本明細書で説明される遠心分離機のカルーセルの上部を示す平面図である。 本明細書で説明される遠心分離機のカルーセルの下部を示す平面図である。 サンプル管保持組立体の斜視図であり、サンプル管ホルダおよびベアリングを示す。 本明細書で説明される遠心分離機の動作中に、サンプル管の傾斜角を示すエミッタ−検出器および反射器を示す側面図である。遠心分離機のロード/アンロード位置にあるサンプル管を示す側面図である。 本明細書で説明される遠心分離機の動作中に、サンプル管の傾斜角を示すエミッタ−検出器および反射器を示す側面図である。遠心分離機内で角度45°に傾けられた、図15Aのサンプル管を示す側面図である。 本明細書で説明される遠心分離機の動作中に、サンプル管の傾斜角を示すエミッタ−検出器および反射器を示す側面図である。遠心分離機内で角度90°に傾けられた、図15Aのサンプル管を示す側面図である。 本明細書で説明される遠心分離機の動作中に、サンプル管の傾斜角を示すエミッタ−検出器および反射器を示す側面図である。遠心分離機のロード/アンロード位置にある空のサンプル管保持組立体が示されていることを除き、図15Aと同じ図である。 サンプル管ホルダに接触しようとするクランプブレーキを示す平面図である。 クランプブレーキがサンプル管ホルダに接触している、図16Aのクランプブレーキの平面図である。 遠心分離機のロード/アンロード位置にあるサンプル管を示す側面図である。 サンプル管が、遠心分離機のロード/アンロード位置と、遠心分離機の外縁の間で一部離れた、遠心分離機内で角度45°に傾けられた図17Aのサンプル管を示す側面図である。 サンプル管が、遠心分離機のロード/アンロード位置と、遠心分離機の外縁の間で一部離れているが、図17Bのサンプル管より外縁に近い、遠心分離機内で角度90°に傾けられた図17Aのサンプル管を示す側面図である。 遠心分離機のロード/アンロード位置にある、図17Aのサンプル管を示す側面図である。 図11の遠心分離機の平面図であり、内部平衡キャップの上にある外部平衡キャップのこの部分が切り取られている。外部平衡キャップの外縁部分が、図18で見ることができる。 2つの位置決め機構、および遠心分離機により発生させられる不平衡ベクトルを相殺するための平衡ウェイトを備える組立体の側面図である。 図19Aの組立体の平面図である。 本明細書で説明される遠心分離機の他の実施形態の断面図である。この実施形態では、送りねじ上にそれぞれ搭載された平衡ウェイトが、遠心分離機により発生させられる不平衡ベクトルを相殺するために利用される。 遠心分離機のさまざまなパラメータをモニタするための表示の正面図である。
図面では、可能な限り、同様の部分は同じ参照番号を有する。
本明細書で使用されるとき、表現「イムノアッセイ分析装置」は、イムノアッセイ技法によって、すなわち、抗体を利用して抗原を探す技法、または抗原を利用して抗体を探す技法によって、サンプル中の物質の濃度を決定するための自動分析装置を意味する。3つのタイプのイムノアッセイ、すなわち、直接サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、または抗体検出アッセイが存在する。これらのタイプのイムノアッセイは当業者に周知である。本明細書で使用されるとき、表現「臨床化学分析装置」は、少なくとも1つの化学反応を利用する技法によってサンプル中の物質の濃度を決定するための自動分析装置を意味する。化学反応は、免疫化学反応とすることができる。本明細書で使用されるとき、表現「血液学分析装置」は、血液のサンプルのさまざまなパラメータ、すなわち、血液のサンプル中の成分のカウント、および血液のサンプル中の成分の分類を決定するための自動分析装置を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「モジュール」は、システムの主要な機能をサポートするための特定の仕事または仕事のクラスを行う、システムの自己完結型ユニットを意味する。たとえば、臨床分析装置のシステムが、サンプル吸引モジュール、イムノアッセイ分析装置、臨床化学分析装置、血液学分析装置、および遠心分離機というモジュールのうちいくつかを含むことができるが、これらに限定されない。システムの所与のモジュールが、このモジュールと結合された、システムの他のモジュールと共に使用されるように設計される。
本明細書で使用されるとき、表現「反応容器」は、生化学反応が実施される容器を意味する。本明細書で使用されるとき、表現「採取管」は、液体のサンプルが採取される管を意味する。液体は、たとえば血液などの生体液とすることができる。本明細書で使用されるとき、表現「アリコート管」は、サンプルのアリコートを含む管を意味する。アリコートは、試験のために使用される検体の一部またはサンプルである。検体またはサンプルのアリコートは、単一の検体またはサンプルに対して複数の試験が指示され、異なる機器で、または異なる分野の試験部門で試験が行われるときに作成されることがある。アリコートは、検体またはサンプルの管と同じ識別情報でラベルを付けられた1つまたは複数の管の中に検体の一部またはサンプルを移すことにより準備される。参照により本明細書に組み入れられる、McCall et al.、『Phlebotomy Essentials(静脈切開要説)』、第4版、Lippincott Williams & Wilkins(2008年:Baltimore、Maryland、USA)、521〜522ページを参照のこと。本明細書で使用されるとき、表現「サンプル管」は、サンプルが採取される管を意味する。サンプルは、たとえば血液などの生体サンプルとすることができる。
本明細書で使用されるとき、表現「中央処理装置」は、コンピュータプログラムの命令を実施し、かつコンピュータの機能を実施する主要な要素である、コンピュータシステムの一部を意味する。中央処理装置は、プログラムの各命令を順に実施して、システムの基本的な算術、論理、および入力/出力の動作を行う。遠心分離機が円運動する間、加速度は、半径と角速度の二乗との積であり、従来「相対遠心力」(あるいは、本明細書ではRCFと呼ばれる)と命名されている。加速度は、地球の表面での重力による標準加速度である「g」の倍数(または×「g」)で計測され、次式により与えられる無次元量である:
Figure 2014518770
ここで、
gは地球の重力加速度を表し、
rは回転半径を表し、
Nは、単位時間あたりの回転で計測された回転速度を表す。
「相対遠心力」は、遠心分離機の回転に起因する力だけと関係があり、地球に起因する重力と関係がないことに留意されたい。
本明細書で使用されるとき、表現「G力」は、重力=F(ニュートン単位)=質量(キログラム単位)×9.8メートル/秒を意味する。
本明細書で使用されるとき、表現「STATサンプル」は、即時に処理されなければならないサンプルを意味する。
本明細書で使用されるとき、品目の名前に続く記号「(s)((複数可))」は、文脈に応じて、対象品目の1つまたは複数が意図されることを示す。
本明細書で使用されるとき、斜線としても知られる記号「/」は、代替を示す。たとえば、表現「代替1および/または代替2」は「代替1」もしくは「代替2」または「代替1と代替2の両方」を意味することが意図される。表現「スリーブ/カラー」は、「スリーブ」または「カラー」のいずれかと呼ばれることができる品目を意味することが意図される。
本明細書で使用されるとき、表現「開管サンプリング」は、サンプル管の開口を覆うストッパを有しないサンプル管の利用を意味する。本明細書で使用されるとき、表現「閉管サンプリング」は、サンプル管の開口を覆うストッパを有するサンプル管の利用を意味する。イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置が血液学分析装置と一体化されたとき、血液学分析装置が、管を数回逆さにすることにより血液のサンプル全体を混合し、それにより、血球の一様な分布を保証するので、サンプル管はストッパを定位置に配置してロードされなければならない(閉管システム)。血液学分析のためにサンプルを吸引した後に、アリコートが閉管から引き出され、その後、遠心分離機に、次いで、分析のために適切なイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定されることができる。イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置が、血液学分析装置と一体化されていない場合、サンプル管は「開放型」または「閉鎖型」とすることができる。サンプル管が「開放型」である場合、すべてのアリコートが、現在の「ARCHITECT」臨床分析装置と同じ手法で引き出される。サンプル管が「閉鎖型」である場合(ストッパが定位置にある)、ストッパが切断ステーションで切られ、その後、サンプル管は、サンプルを引き出すために分析装置に経路設定される、またはアリコートが閉鎖型サンプル管から引き出され、その後、アリコート管は、分析のために臨床分析装置に経路設定される。
本明細書で使用されるとき、表現「通気針」は、サンプル管のストッパの中に開口を作成し、サンプル管内部の圧力を周囲の大気の圧力と等しくするのに適した薄肉管を意味する。通気針はまた、サンプル吸引プローブがサンプル管のストッパと接触するのを防止するためのガイドまたは覆いとして機能する。
本明細書で使用されるとき、用語「遠心分離機」は、異なる密度の材料を分離するため、または遠心力で重力をシミュレートするために、中心軸を中心に回転させられる区画を備えるデバイスを意味する。本明細書で使用されるとき、用語「カルーセル」は、回転式円形プラットフォームを意味する。本明細書で説明される遠心分離機に関しては、カルーセルが遠心分離機の構成要素である。本明細書で使用されるとき、表現「カルーセルの軸」、「カルーセルの回転軸」などは、カルーセルが回転する中心の直線を意味する。「カルーセルの軸」「カルーセルの回転軸」などは、事実上、遠心分離機の中心軸と同義語である。本明細書で使用されるとき、用語「重さ」は、地球により対象物に加えられる重力を意味し、対象物の質量と重力加速度の局地値の積に等しい。一般に、用語「重さ」および「質量」は、本明細書では、互いに交換可能に使用される。本明細書で使用されるとき、表現「力」は、力の適用方向に本体の加速度を作り出す傾向があるベクトル量を意味する。本明細書で使用されるとき、表現「力ベクトル」は、力の適用方向に本体の加速度を作り出す傾向がある力を特徴づけるベクトルを意味する。
血液学用サンプルは、典型的には全血である。イムノアッセイおよび臨床化学アッセイ用サンプルは、典型的には血清および血漿である。全血のサンプルがサンプル管から吸引された後、イムノアッセイ試験または臨床化学試験でその後使用するために一部分から血清または血漿が分離されることができるように、全血のサンプルの一部が全血のサンプルから取り除かれなければならない。
医薬品の分野では、静脈穿刺(venepuncture、venopuncture、またはvenipuncture)は、静脈内療法の目的で静脈内アクセスを得る、または静脈血のサンプルを得る処理である。この処置は、医療研究所の科学者、開業医、何人かの救急医療隊員、医療補助者、静脈採血士、および他の看護職員により行われる。静脈穿刺は、最も定型的に行われる侵襲的処置の1つであり、2つの理由で、すなわち、診断目的で血液を得るため、または血液成分のレベルをモニタするために実施される。血液分析は、健康管理の範囲内で臨床医に利用可能な最も重要な診断ツールの1つである。血液分析データは、無数の臨床徴候および臨床症状の解釈のための臨床設定で信頼されており、静脈穿刺の技能を育成することにより、全体論的で適時の処置を容易にすることができる。
米国および英国では大部分の血液採取は、真空管システム(2つの一般的なシステムが、「VACUTAINER」(Becton,Dickinson and Company)および「VACUETTE」(Greiner Bio−One GmBH)である)を使って行われる。装置は、プラスチックハブ、皮下注射針、および真空管を含む。ある種の環境の下では、シリンジが、短い針に取り付けられたプラスチックカテーテルである翼状針と共にしばしば使用されてもよい。発展途上の世界では、針およびシリンジが、依然として、血液を取り出す最も一般的な方法である。
血液が研究所へ移送される管は、さまざまな添加剤を含む、またはまったく含まない。試薬は研究所間で変わり、異なる添加剤により影響を受ける場合があるので、個々の研究所がどの管をどの試験のために必要とするかを知ることが重要である。一般に、凝固時間が、計測されるべき試験ではない限り、カルシウムが凝固するのを防止するために、全血が、カルシウムをキレート化するEDTAと混合される必要があり、凝固時間が、計測されるべき試験である場合には、クエン酸塩が使用される。生化学試験の大多数が、血清に対して行われ、その結果、平滑管または凝固促進剤が使用される。この凝固促進剤は、いくつかのアッセイを妨げる可能性があり、したがって、この場合、平滑管が推奨されるが、結果は明らかに遅延させられる。いくつかのアッセイがまた、全血を必要とする場合があるが、EDTAにより妨げられ、この場合、リチウムヘパリン(Lithium Heparin)が適切な代替である。
真空管システムを使えば、針がサンプル管のストッパに穴を開け、管内の添加剤と接触する可能性がある。針は中空針であるので、サンプルの一部が次の管の中に運び込まれ、次の針の内容物を汚染する可能性がある。困った事態を引き起こす可能性が最も高い添加剤がEDTAであり、EDTAは、凝固時間アッセイに影響を及ぼし、サンプル中の金属イオンの一部をキレート化することにより、生物化学的結果(特にカリウム)の一部を妨げる場合がある。したがって、EDTAサンプルは、ほとんどの場合最後に引き出されるべきであり、平滑管が最初に引き出されるべきである。
真空管は最初、商品名「VACUTAINER」管という名でBecton,Dickinson and Companyにより市販された。今日、このデバイスの特許がパブリックドメインにあるので、多くの会社が真空管を販売している。いくつかのモデルが血液を自分の中に自動的に吸引する真空を含む試験管のタイプである。管はガラスまたはプラスチックから作られる。管は針およびハブに取り付けられる。
サンプル管と共に使用するのに適した典型的なストッパが、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトbd.com/vacutainer/products/venous/plus_plastic_tubes_docs.aspで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによって見られることができる。前述のウェブサイトのカタログは、さまざまな材料、形状、サンプル容器への取付手段、および寸法を有するストッパを例示している。ストッパは、ゴム、または合成高分子材料などの材料から作られることができる。サンプル管は、ガラス、または合成高分子材料から作られることができる。本明細書で使用するのに適した管およびストッパは、Becton,Dickinson and Company、Franklin Lakes、New Jerseyから市販されている。
図1、図2、および図3は、ストッパの中にスリットを形成することができる切刃10を示す。切刃10は、2つの端部を有する細長い切り口として特徴づけられることができる形状を有し、この細長い切り口は、「>」記号に似た第1の切り口と「<」記号に似た第2の切り口との間に配置される。スリットの一実施形態が以下に示される。
Figure 2014518770
「>」記号の2つの脚部間の角度が、典型的には約60°〜約120°までの範囲であり、好ましくは90°である。「<」記号の2つの脚部間の角度が、典型的には約60°〜約120°までの範囲であり、好ましくは90°である。「>」記号の頂点が、細長い切り口の一方の端部と接触し、「<」記号の頂点が、細長い切り口の他方の端部と接触する。
図2および図3は、切刃10が、ストッパの伸長を制御し、かつゴムまたは合成高分子材料の効果的切断を促進するための先端角(中央から外側、および外側から中央)を有することを示す。さらに、切刃10は、洗剤、または潤滑用界面活性剤を含む、少量の残留した洗浄緩衝液を保持するための、少なくとも1つの溝10aを装備することができる。切る動作の前に、切刃10は洗浄される。切る動作中、切刃10は下方に垂直に駆動され、それにより、サンプル管のストッパを切って進む。ストッパを切る前に、サンプル管のストッパ用の検出器が、ストッパが定位置にあること、および定位置にあるストッパがスリットを入れられることができるタイプであることを保証する。この機能に適した検出器は、JADAK Technologies、Syracuse、New Yorkから市販されている。管支援視覚制御ソフトウェアを用いて、このような検出器は、管の高さ、管の形状、キャップの有無、キャップの形状を検出することができる。たとえば、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトjadaktech.com/products/machine_vision/MVCS.htmlで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題を参照のこと。ストッパがサンプル管上に存在しない場合、またはサンプル管のストッパが、スリットを入れられることができるタイプではない場合、サンプル管のストッパは切られない。誤ったタイプのストッパを有するサンプル管が処理されることはない。
図4および図5は、複数の切刃10を保持するのに適したホルダ12を示す。切刃ホルダ12は、時計回りに(または必要に応じて反時計回りに)1つの位置に回転し(割り出され)、使用された切刃10は7つの可能な洗浄位置の1つの中に回転させられ、次のサンプル管が吸引のための位置の中に動かされたとき、洗浄された切刃10が、吸引する場所に位置決めされる。切刃10は、使用された後、サンプルの持ち越しによる汚染を防止するために洗浄される。切刃10の洗浄による処理量の低減を最小にするために、好ましくは円筒容器16により取り囲まれた円板14である切刃ホルダ12は、複数の切刃10を保持することができ、その結果、適切な洗浄のために2つ以上の位置が利用可能である。各刃10は、固定具18によって円板14に取り付けられる。本文脈で使用されるとき、用語「位置」は、切刃ホルダ12の円板14上の場所を意味する。切刃ホルダ12の円板14が、たとえば8つの位置を有する場合、サンプル管のストッパの中にスリットを形成するために、8つの位置のうち1つが切刃10を作動させるために使用されるが、その他の7つの位置は、切刃10を洗浄するために使用される。
洗浄動作では、切刃10の表面上にたとえば噴霧としてなどで洗浄液が分配される。洗浄動作は、臨床分析装置の当業者には周知である。その後、残留したどんな洗浄液も、真空源によって切刃10から取り除かれることができる。この動作は、各インデックス位置で2〜4回繰り返されることができ、8つのインデックス位置のうち7つが洗浄動作用に利用可能であるので、最大7回繰り返されることができる。
たとえば、切刃10を保持するための円筒容器16により取り囲まれた円板14などの切刃ホルダ12は、単一の切刃10用ホルダに対していくつかの利点を提供する。各切刃10は、サンプルの持ち越しによる汚染を防止するために洗浄されなければならない。この洗浄動作の継続期間が、閉管サンプリングシステムの処理量要件を満たすために割り当てられた期間を超える可能性がある。したがって、1つの切刃10が、再利用されるために良好な状態になるように洗浄を受けている間に、切刃ホルダ12により、いくつかの切刃10が使用されることができるようになる。
図6は、本明細書で使用するのに適したサンプル管のストッパ20の平面図である。サンプル管のストッパ20は、切刃10により形成されたスリット22を有することにより特徴づけられる。スリット22は、サンプル管の内部に向かって、サンプル管の内部から離れて動くことができる1対のフラップ24、24’に隣接する。図6に示されるように、各フラップ24、24’は台形の形状を有する。各フラップ24、24’は、(1)ストッパ20の本体に取り付けられたより長い側面26a、26a’、(2)より長い側面26a、26a’と平行であるが、より長い側面26a、26a’より短い、より短い側面26b、26b’、(3)より長い側面26a、26a’の一方の端部をより短い側面26b、26b’の一方の端部に接続する第1の側面26c、26c’、および(4)より長い側面26a、26a’の他方の端部をより短い側面26b、26b’の他方の端部に接続する第2の側面26d、26d’を備える。好ましくは、第1の側面26c、26c’は、第2の側面26d、26d’と平行ではない。より短い側面26b、26b’は、ストッパ20の中心を通って延びる。より長い側面26a、26a’は破線で示され、破線に沿ってフラップ24、24’はそれぞれ屈曲することができる。フラップ24、24’を形成するための切り口は、図1〜図3に示される切刃10により作られることができる。
さらに、スリットストッパ20を有するサンプル管が、各イムノアッセイ分析装置または臨床化学分析装置に移送されたとき、サンプル管が吸引ステップのために位置決めされている間に、スリーブ/カラー30が、フラップ24、24’間のギャップ32の中に挿入される。図7を参照のこと。このスリーブ/カラー30は、フラップ24、24’を広げて、広がったフラップ24、24’間に、実質的に長方形の開口を形成する。スリーブ/カラー30は、たとえば、ステンレス鋼、高分子材料、またはサンプル吸引プローブを製造するのに適した任意の他のタイプの材料などの耐食材料から製作されることができる。スリーブ/カラー30のための他の可能な材料が、剛性のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)管であり、PEEKの説明は、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトcoleparmer.com/catalog/product_index.asp?cls=6808で、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能である。スリーブ/カラー30は孔を有し、この孔の寸法は、サンプル吸引プローブを受け取るのに十分大きくなければならないが、適当な量の力が適用されたときに、スリーブ/カラー30がストッパ20のスリット22をトラバースすることができるように、スリーブ/カラー30の外径が十分小さく作られることができるように、十分小さくなければならない。スリーブ/カラー30の形状はそれほど重要ではないが、サンプル吸引プローブがストッパ20のスリット22を容易にトラバースすることができるように、スリーブ/カラー30の形状は円筒形であることが好ましい。
スリーブ/カラー30は、サンプル吸引プローブがこのスリーブ/カラー30を通してサンプル管の中に挿入されている間に、ストッパ20内のスリット22を「広げる」機能を有する。スリーブ/カラー30の名前は、スリーブ/カラーの孔を通してサンプル吸引プローブを受け入れる機能に由来する。したがって、サンプル吸引プローブはストッパ20に接触せず、サンプル持ち越しおよび洗浄要件が低減される。本明細書で使用されるとき、表現「sleeve/collar(スリーブ/カラー)」の複数形はsleeve/collarsである。その後、スリーブ/カラー30は、洗浄される、または処分されることができる。
すでに述べられたように、サンプル吸引プローブは、スリーブ/カラー30の孔を通して挿入され、サンプルの一部を吸引する。要するに、分析装置のサンプル吸引プローブは、サンプル管が、閉じるものが取り除かれたサンプル管であるとき、サンプル管のスリットストッパ20を検出し、処理し、したがって、分析装置の修正は必要ない。スリーブ/カラー30をスリット22の中に挿入する前に、サンプル管のストッパ20用の検出器が、スリットストッパ20が存在することを保証する。スリーブ/カラー30は、ロボットデバイスによってスリット22の中に挿入される。スリットストッパ20が存在しない場合、検出器は、サンプル管が開放型であることを示し、スリーブ/カラー30は使用されない。スリーブ/カラー30は、使用された後、サンプルの持ち越しによる汚染を防止するために洗浄されることができる。スリーブ/カラー30の洗浄による、処理量の低減を最小にするために、図4および図5に示される切刃ホルダ12に実質的に類似するスリーブ/カラーホルダが使用されることができる。スリーブ/カラーホルダは、複数のスリーブ/カラー30を保持することができ、その結果、適切な洗浄のために2つ以上の位置が利用可能である。この文脈で使用されるとき、用語「位置」は、スリーブ/カラーホルダの円板上の場所を意味する。スリーブ/カラーホルダの円板が、たとえば8つの位置を有する場合、8つの位置のうち1つがサンプル管のストッパ20の中にスリット22を形成するために、スリーブ/カラー30を作動させるために使用されるが、その他の7つの位置は、スリーブ/カラー30を洗浄するために使用される。切刃ホルダ12と同様に、スリーブ/カラー30ホルダは、時計回りに(または必要に応じて反時計回りに)1つの位置に回転し(割り出され)、使用されたスリーブ/カラー30は7つの可能な洗浄位置の1つの中に回転させられ、次のサンプル管が吸引のための位置の中に動かされたとき、洗浄されたスリーブ/カラー30が、吸引場所に位置決めされる。
洗浄動作では、スリーブ/カラー30の内面および外面上にたとえば噴霧としてなどで洗浄液が分配される。洗浄動作は、臨床分析装置の当業者には周知である。その後、残留したどんな洗浄液も、真空源によってスリーブ/カラー30の内部および外部から取り除かれる。この動作は、各インデックス位置で2〜4回繰り返されることができ、8つのインデックス位置のうち7つが洗浄動作用に利用可能であるので、最大7回繰り返されることができる。図_は、このような円形スリーブ/カラーホルダを示す。
スリーブ/カラー30を保持するための円板は、単一のスリーブ/カラー30用ホルダに対していくつかの利点を提供する。切刃10と同様に、各スリーブ/カラー30は、サンプルの持ち越しによる汚染を防止するために洗浄されなければならない。この洗浄動作の継続期間が、閉管サンプリングシステムの処理量要件を満たすために割り当てられた期間を超える可能性がある。したがって、1つのスリーブ/カラー30が、再利用されるために良好な状態になるように洗浄を受けている間に、スリーブ/カラー30を保持するための円板により、いくつかのスリーブ/カラー30が使用されることができるようになる。
典型的な切る動作では、サンプル管が定位置にしっかりと保持されている間、切刃10(または1組の切刃10)は、サンプル管のストッパ20の最上部まで下げられる。その後、刃は、典型的には深さ約1インチ(約2.54cm)までストッパ20を通って押し込まれる。切刃10が引っ込められているとき、ストッパ20は、サンプル管内に留まるように、定位置に保持される。
切刃10を保持するための円板14は、時計回りに1つの位置に回転し(割り出され)、使用された切刃10は7つの可能な洗浄位置の1つの中に回転させられ、次のサンプル管がこの位置の中に動かされたとき、きれいにされた切刃10が、切る場所に位置決めされる。
たとえば、閉管サンプリングシステムの処理量要件が、1時間あたり300サンプルである場合、サンプル管のストッパ20内にスリット22を切るために必要な時間は12秒である。したがって、切刃10が次のサンプル管のストッパ20内にスリット22を切るために利用可能であるために、ストッパ20内にスリット22を切り、かつ切刃10を洗浄するための動作を完了するために、12秒が必要である。ストッパ20の検出、サンプル管のセンタリング、サンプル管のバーコードの読取り、およびストッパ20内にスリット22を切るのに9秒必要である場合、ストッパ20内にスリット22を切るために切刃10を洗浄および乾燥するには、3秒(12秒−9秒)のうちに完了される必要がある。「ARCHITECT」イムノアッセイ分析装置のサンプル吸引プローブのための現在の洗浄時間が、7秒〜10秒の範囲であるので、ストッパ20内にスリット22を切るために切刃10に3秒の洗浄期間を割り当てたのでは、十分ではない。したがって、切刃10を保持するために円板14により複数のインデックス位置が提供されることにより、使用されていない切刃10を洗浄するのに十分な時間の余裕がある。
血液学分析装置から得られた摩耗データが、閉管サンプリングシステム用通気針が、ほぼ5,000のストッパに穴を開けた後に交換される必要があることを示唆している。この摩耗の程度は、金属から作られる通気針と、ゴムから作られるサンプル管のストッパとの間の高い摩擦のレベルに起因する。ストッパ内にスリットを切るための機構の、この交換割合を仮定すると、分析装置のかなりのレベルの保守およびダウンタイムが、取扱量の多い研究所で定型的に必要とされる。切刃10を、たとえば、ストッパを切るための8つの切刃10を保持するための円筒容器16により取り囲まれた円板14が、交換割合を、ほぼ40,000のストッパを切るまでに改善する。切刃10を保持するための円板14のサイズは、特定の研究所の保守およびサンプル取扱量要件を満たすように選択されることができる。
ストッパ20用切刃10は、非常によく切れるように設計され、オペレータまたは切刃10を取り扱うサービス職員にかなりの安全上の危険要因を提示する。ストッパ20内にスリット22を切るための切刃10を保持するために円筒容器16により取り囲まれた円板14が、これらの危険要因をなくし、ストッパ20内にスリット22を切るための切刃10の封じ込めを提供し、オペレータがストッパ20内にスリット22を切るための切刃10の保守を行うことを可能にすることができ、それにより、訓練されたサービス職員を置き換え、その結果、研究所にとってかなりのコスト節約および便益が達成されることができる。
血液学試験用サンプル管とイムノアッセイおよび臨床化学アッセイ用サンプル管との間の区別に留意することは重要である。すでに述べられたように、イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置が血液学分析装置と一体化されたとき、血液学分析装置が、管を数回逆さにすることにより血液のサンプル全体を混合し、それにより、血球の一様な分布を保証するので、サンプル管はストッパを定位置に配置してロードされなければならない(閉管システム)。血液学分析のためにサンプルを吸引した後に、アリコートが閉管から引き出され、その後、遠心分離機に、次いで、分析のために適切なイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定されることができる。イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置が、血液学分析装置と一体化されていない場合、サンプル管は「開放型」または「閉鎖型」とすることができる。サンプル管が「開放型」(ストッパが取り除かれる)である場合、すべてのアリコートが、現在の「ARCHITECT」分析装置と同じ手法で引き出される。サンプル管が「閉鎖型」(ストッパが定位置にある)である場合、ストッパが切断ステーションで切られ、その後、サンプル管は、サンプルを引き出すために分析装置に経路設定される、またはアリコートが閉管から引き出され、その後、分析のためにイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定される。
参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,678,331(B2)号明細書で説明されているように、サンプル管キャリア内のサンプル管を持ち上げるためのデバイスが、穴開け組立体内の穴開け要素によりサンプル管のストッパが刺されることが可能になるように使用されることができる。サンプル管のストッパが刺された後、サンプル管からサンプルを吸引するためのプローブが、穴開け要素内の孔を通してサンプル管のレセプタクル内にサンプルを採取することができる。サンプルの一部を吸引する前に、サンプル管のストッパに穴を開けるために通気針が使用される。サンプル管がしっかりと保持されている間、特別に設計された先端を有する通気針が、ストッパを通して押しつけられ、サンプル管の内部を周囲の環境にさらし、それにより、サンプル管内部の圧力および大気圧が等しくなる。その後、サンプル管からサンプルの一部を吸引するためのプローブが、通気針の孔を通して挿入される。サンプルが吸引された後、ストッパは、通気針が引っ込められている間、サンプル管内に留まるように、定位置に保持される。サンプル管のストッパを刺すことに関連する追加情報が、すでに参照により本明細書にすでに組み入れられた米国特許第7,678,331(B2)号明細書の15段の31行目から16段の39行目まで、および18段の25行目から19段の23行目、ならびにすでに参照により本明細書にすでに組み入れられた米国特許第7,678,331(B2)号明細書の図22、図26、図27A、図27B、図27C、図27D、図28、図29、および図30で得られることができる。
切刃10を保持するための円板14と同様に、通気針ホルダは、時計回りに1つの位置に回転させられ(割り出され)、使用された通気針は7つの可能な洗浄位置の1つの中に回転させられ、次のサンプル管が適切な位置の中に動かされたとき、洗浄された通気針が、穴開け場所に位置決めされる。
血液学分析装置から得られた摩耗データが、閉管サンプリングシステム用通気針が、ほぼ5,000のストッパに穴を開けた後に交換される必要があることを示唆している。この摩耗の程度は、金属から作られる通気針と、ゴムから作られるサンプル針のストッパとの間の高い摩擦のレベルに起因する。ストッパに穴を開けるための通気針の、この交換割合を仮定すると、分析装置のかなりのレベルの保守およびダウンタイムが、取扱量の多い研究所で定型的に必要とされる。通気針を、たとえば8つの通気針を保持するための円板が、ほぼ40,000回ストッパに穴を開けるまでに交換割合を改善する。通気針を保持するための円板のサイズは、特定の研究所の保守およびサンプル取扱量要件を満たすように選択されることができる。
ストッパ用通気針は、非常によく切れるように設計され、オペレータまたは通気針を取り扱うサービス職員にかなりの安全上の危険要因を提示する。ストッパに穴を開けるための通気針を保持するために円筒容器により取り囲まれた円板が、これらの危険要因をなくし、ストッパに穴を開けるための通気針の封じ込めを提供し、オペレータがストッパに穴を開けるための通気針の保守を行うことを可能にすることができ、それにより、訓練されたサービス職員を置き換え、その結果、研究所にとってかなりのコスト節約および便益が達成されることができる。
図8A、図8B、および図8Cは、それぞれ本明細書で説明されるシステムで使用するのに適した、いくつかのタイプのサンプル管40a、40b、および40cを示す。サンプル管40a、40b、および40cの各々が、それぞれ異なるタイプのストッパ42a、42b、および42cを有する。しかしながら、他のタイプのサンプル管が、本明細書で説明されるシステムで同じく使用されることができる。本明細書で説明されるこの装置および方法は、穴を開けることができるストッパを有する「VACUTAINER」サンプル管と均等な、または類似するサンプル管で機能するように設計されている。
サンプリングシステム
図9は、少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置を備える少なくとも1つのイムノアッセイ処理モジュール102、少なくとも1つの臨床化学分析装置を備える少なくとも1つの臨床化学処理モジュール104、少なくとも1つの血液学分析装置を備える少なくとも1つの血液学モジュール106、サンプル管のストッパの中にスリットを切るための少なくとも1つのモジュール108、および所与の研究所により指定された機能のための、たとえば遠心分離、サンプルから成分を分離する他の手段などのための少なくとも1つのモジュール110、を利用することができる閉管サンプリングシステム100の構成を示す。少なくとも1つのイムノアッセイ処理モジュール102は、ローカルサンプルハンドラ102aおよび洗浄ステーション102bを含む。少なくとも1つの臨床化学処理モジュール104は、ローカルサンプルハンドラ104aおよび洗浄ステーション104bを含む。少なくとも1つの血液学モジュール106は、ローカルサンプルハンドラ106aおよび洗浄ステーション106bを含む。図9は3つの異なるタイプの臨床分析装置を示すが、サンプリングシステムのあらゆる構成が、3つのタイプの臨床分析装置すべてがあらゆるシステムで使用されることを必要とするわけではないことが理解されるべきである。たとえば、各タイプの分析装置が単独で利用されることができる、または任意の2つの異なるタイプの分析装置が一緒に利用されることができる、または3つのタイプの分析装置すべてが一緒に利用されることができる。さらに、図9に示されるシステムは、補助構成要素のための、たとえば、サンプル管用アンローダ112、アリコート管ローダ114、サンプル管キャリア内のサンプル管用のさまざまな位置106a、106b、およびサンプル貯蔵用のさまざまな処理モジュールおよびエリアにサンプル管を移送するトラックまたはベルト118などのためのスペースを確保する。
ストッパを有し、かつ遠心分離を受けたサンプル管が、サンプル管キャリア110によって閉管サンプリングシステム100の中に導入される。ロボットサンプルハンドラ(図示されず)が、定型的サンプル用キャリアに先立ってSTATサンプルのキャリアを優先させる。
次に、図10を参照すると、ロボットサンプルハンドラ120が、キャリブレータ、制御手段、必要に応じて患者のサンプル、および試薬をロードし、これらを少なくとも1つの自動臨床分析装置を含む、システムの処理モジュール(複数可)に提示するために使用される移送システムである。ロボットサンプルハンドラ120は、ローディングおよびアンローディングの機能を実施し、かつ自動試験用サンプルを位置決めするためのランダムな連続アクセスを可能にする。サンプルは、定型的処理または優先処理のために2つのタイプのベイに位置決めされることができる。再び図10を参照すると、ロボットサンプルハンドラ120は、ロボットサンプルハンドラ120の構成要素へのアクセスを提供するためのカバー122と、ロボットサンプルハンドラ120を制御するためのローカルユーザインタフェースを提供するためのキーパッド124と、サンプルおよびサンプル管キャリアの識別インデックスを読み取るためのバーコードリーダ126と、優先処理用サンプルを位置決めするための優先ベイ128と、定型的処理用サンプルを位置決めするための定型的ベイ130と、サンプル吸引プローブ用キャリアを位置決めするためのキャリアポジショナ132と、サンプル管キャリアをベイ128、130からキャリアポジショナ132に移し、サンプル管キャリアをキャリアポジショナ132からベイ128および130に戻すためのキャリアトランスポート134とを備える。
サンプル管キャリア用バーコードリーダ126は、サンプル管上のバーコードラベル、およびサンプル管キャリア上のバーコードラベルを読み取る。試薬キャリア(図示されず)用バーコードリーダが、試薬瓶上の2次元バーコードラベルを読み取る。サンプル管用キャリアトランスポートは、サンプル管キャリアをローディングベイ128および130からサンプルを吸引するためのエリアに移し、サンプル管キャリアをローディングベイ128および130に戻す。試薬キャリア(図示されず)用キャリアトランスポートは、試薬キャリアを試薬ローディングエリア(図示されず)から試薬カルーセル(図示されず)に移し、試薬キャリアを試薬ローディングエリアに戻す。
すでに説明されたロボットサンプルハンドラと関係がある追加の詳細が、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,453,483号明細書で得られることができる。
閉管サンプリングシステムでは、バーコードリーダはサンプル管上のバーコードを読み取る。もしあれば、サンプル管上のストッパ20の存在が検出され、ストッパ20が存在する場合、(必要に応じて)切刃10がサンプル管上のストッパ20内にスリット22を切る。スリットを切ることは、常に必要であるわけではない。ある種の状況下では、サンプル管がシステム上にロードされる前にストッパが取り除かれてもよい。このような状況には、ストッパ20が取り除かれる必要があった場合がある異なるシステムでの試験が含まれるが、これに限定されない。
スリットストッパ20により閉じられたサンプル管は、試験のために経路設定され、必要に応じて再試験のために保持され、もしも再試験の必要がないと結果が示すときにはアンローディングのために利用可能にされる。スリットストッパ20を有するサンプル管がイムノアッセイ分析装置102または臨床化学分析装置104に移送され、かつストッパ20がサンプル管上で検出されたとき、サンプル管が、サンプルを吸引するステップのために位置決めされる間、スリーブ/カラー30(図9および図10に示されず)がスリット22の中に挿入される。サンプルを吸引するステップにスリーブ/カラー30が使用された後、スリーブ/カラー30は、サンプルの持ち越しによる、サンプルもしくはサンプル吸引プローブまたは両方の汚染を防止するために洗浄される。要するに、分析装置のサンプル吸引プローブは、スリットストッパ20を有するサンプル管を「開放型」サンプル管として取り扱い、その結果、開管を使用する市販の分析装置の修正は必要ない。
「CELL−DYN」Sapphire(TM)血液学分析装置(Abott Laboratoriesから市販されている)の中に組み入れられた「Open Cannula(開カニューレ)」閉管サンプリング設計が、本明細書で説明されるシステムの中に組み入れられることができる。たとえば、参照により本明細書にすでに組み入れられた米国特許第7,678,331(B2)号明細書の15段の31行目から16段の39行目まで、および18段の25行目から19段の23行目、ならびに参照により本明細書にすでに組み入れられた米国特許第7,678,331(B2)号明細書の図22、図26、図27A、図27B、図27C、図27D、図28、図29、および図30を参照のこと。この設計では、サンプル管上のストッパはスリットではない。代わりに、閉管サンプリングモジュールのバーコードリーダは、サンプル管のバーコードを読み取り、サンプル管上のストッパの存在を検出し、必要に応じて、カスタム設計の通気針でストッパを貫通する。通気針は、サンプル吸引プローブを受け入れるための細長い孔を有する。使用されることができるサンプル管のタイプは、図9および図10に示される実施形態に適したサンプル管ほど限定されない。通気針はストッパの中に埋め込まれるが、「開カニューレ」と呼ばれるサンプル吸引プローブが、通気針の孔の中に挿入され、それにより、ストッパをトラバースし、それにより、サンプルの吸引を可能にする。切刃10は、ストッパ20のエラストマー部分の直径より大きな幅を有する場合があるので、ストッパ20内にスリット22を切るのは、すべてのタイプのサンプル管で実施されることができるわけではない。「Open Cannula」設計は、小さい直径を有するエラストマー部分を有するストッパを使用するサンプル管を含む、ほとんどのタイプの市販のサンプル管に適合する。
図4および図5に示される円板に実質的に類似する円板が、通気針を洗浄するための動作中に通気針を保持するために使用されることができる。切刃10およびスリーブ/カラー30を保持するための円板14について説明された利点はまた、通気針を保持するための円板にも適用でき、したがって、通気針を保持するための円板が、単一の通気針を洗浄するホルダに対して、(a)処理量の減少が低減され、洗浄のための時間増加が可能になる、(b)消耗品目の寿命が増加する(5,000ではなく40,000の穴開け)、および(c)鋭利な品目を収容することによりオペレータの安全が強化されるという利点を提供する。
閉管サンプリングシステムの他の実施形態によれば、構成要素は、少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置と、少なくとも1つの臨床化学分析装置と、サンプル管からサンプルを吸引するための少なくとも1つのサンプル管吸引モジュールとを含む。オペレータは、ストッパを有するサンプル管をサンプル管キャリアによってロードし、ロボットサンプルハンドラは、定型的サンプルを保持するサンプル管キャリアに先立って、STATサンプルを保持するサンプル管キャリアを優先する。サンプル管は、遠心分離、または他のどんな分離技法も受けていない。閉管サンプリングモジュールのバーコードリーダは、サンプル管上のバーコードを読み取り、もしあれば、サンプル管上のストッパの存在を検出し、ストッパが存在する場合、(必要に応じて)穴開け要素がサンプル管上のストッパに穴を開ける、または(必要に応じて)切刃がストッパの中にスリットを切る。この実施形態では、サンプル管吸引モジュールは、指定された体積のサンプルをアリコート管に移送する。次いで、サンプル管キャリアはアンロードされることができる。アリコート管内のサンプルは、試験のために経路設定され、再試験のために保持され、次いで、もしも再試験が必要ないと結果が示すときには処分される。オペレータが、個々のサンプルカップによって小さな体積を有するサンプルをロードすることができる。STATサンプル用の場所にあるサンプルの確実な識別のために、オペレータによるシステムとの対話が必要である。サンプルカップは、典型的にはバーコードを有しないので、オペレータは、ある種のデータを入力して、サンプル管から引き出されているサンプルが、試験が指示されたサンプルであることを保証する(すなわち、サンプルの確実な識別)必要がある。典型的には、定型的サンプルの取り扱いに関連するキューをバイパスするために、STATサンプル用に特別なローディングエリアが使用される。
アッセイのための較正が、ローカルサンプルハンドラによって分析装置で行われる。ローカルサンプルハンドラは、各臨床分析装置でサンプルをロードおよびアンロードするためのデバイス、たとえば小型カルーセルである。ローカルサンプルハンドラは、典型的には、STATサンプル、制御手段、較正器のために使用される。この実施形態の利点が、サンプル用アリコート管が「開放型」サンプル管であることであり、その結果、市販の分析装置の修正は必要ない。
血液分離技法が、血液学分析装置(複数可)、イムノアッセイ分析装置(複数可)、および臨床化学分析装置(複数可)を一体化するために選択され、使用されることができ、それにより、1つのサンプル採取管が、3つの分野すべての試験用に使用されることができ、それにより、研究所に大きな利点を提供し、サンプル、遠心分離サンプルを分類し、サンプルを適切な分析装置(複数可)に分散させるために必要な労力を低減する。
血球を血清または血漿から分離するための1つの分離技法によれば、磁気的に引きつけられる粒子が、膠着試薬、たとえば、細胞の壁に結合する糖結合タンパク質であるレクチンなどでコートされる。これらの粒子が全血のサンプルに追加されるとき、これらの粒子は即座に(すなわち、約2分以内に)細胞と結合し、その後、これらの細胞は、磁気引力によって血漿から分離されることができる。この分離技法は有効であることが示された、すなわち、分離技法は、99.99%の赤血球を取り除き、92.14%の白血球を取り除く。
血球を血清または血漿から分離するための他の分離技法によれば、超音波定在波(1.5MHz〜2.0MHz、12ボルトピークツーピーク)が、全血のサンプル内部の成分を分離するために使用されることができる。超音波エネルギーが、アリコート管内の全血のサンプルに加えられることができる。細胞は、超音波の節とピークの間の密度により血漿から分離される、すなわち、最も高い密度を有する赤血球が、定在波の節で血漿から分離され、最も低い密度を有する脂質が、定在波のピークで分離される。異なる密度を有する細胞が、定在波の節とピークの間に分散させられる。この血液分離技法、または代替の血液分離技法が、同じく血液学分析装置(複数可)、イムノアッセイ分析装置(複数可)、および臨床化学分析装置(複数可)を一体化するために使用されることができ、それにより、1つのサンプル採取管が、3つの分野すべての試験用に使用されることができる。
前述の磁気的に引きつけられる粒子の技法および超音波定在波技法が完了するまで、典型的には、イムノアッセイ試験および臨床化学試験を実施する前に生体サンプルを取り扱うために遠心分離が使用される。
連続アクセス遠心分離機
図11〜図21は、遠心分離によって生体サンプルを取り扱うシステムを示す。図11〜図21では、特に指定がない限り、複数の同一構成要素それぞれのうち1つだけが参照番号を与えられる。たとえば、25の送りねじが示されている場合、これら25の送りねじのうち1つだけが参照番号を与えられる。次に、図11を参照すると、遠心分離機200が、上部204および下部206を有するカルーセル202を備える。図12は、カルーセルの上部204は、遠心分離動作のためのサンプル管用に複数の位置を有することを示す。遠心分離ステップは5分の継続期間を有すると仮定すると、25の位置は、1時間あたり300のサンプルを準備するために必要である。
図13は、カルーセル202の下部206に搭載された複数のロータコイル208を示す。36のロータコイルが図13に示されている。図13は、カルーセル202の下部206の外縁の周りに搭載された複数の界磁コイル212を示す。24の界磁コイルが図13に示されている。ロータコイルは、磁界を通る動きにより電気エネルギーが誘導されるデバイスである。ロータコイルは、電気機械の回転部分(ロータと呼ばれる)上に配置される。界磁コイルは、内部でロータが動く磁界を提供するデバイスである。界磁コイル212(または永久磁石)は、電気機械の固定部分(ステータと呼ばれる)上に配置される。ロータコイル208および界磁コイル212の前述のシステムは、電磁誘導により機械的エネルギーを交流(AC)電気エネルギーに変換するエンジンである交流発電機に類似する。また、図11には、カルーセル202を回転させるためのシャフト216を回転させるためのモータ214、および遠心分離機200の性能を強化するために使用される補助構成要素を適合させるための、シャフト216内の孔218が示されている。
図13に示される実施形態では、静止している磁場が、電磁石を使用することにより調節されることができる。あるいは、図13に示される実施形態では、磁場は、永久磁石を使用することにより固定されることができる。いずれの代替形態も、本明細書で説明される遠心分離機に適している。
遠心分離ロータ用の積層された焼結鉄コアの周りに複数のループが巻かれることができる。ループは、典型的には、16または14のゲージワイヤから作られ、各コイルは典型的には、200ループを備える。本明細書で使用するのに適したステータ磁石が、N42またはN52の定格で1/2インチ(1.27cm)×1/2インチ×1/2インチの寸法を有することができる。たとえば、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトkjkmagnetics.com/proddetail.asp?prod=BX8X8X8%2DN52で、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題を参照のこと。直流機械、交流機械、コンバータ、および遠心分離機200のカルーセル202を作動させるために使用されることができるさまざまなタイプの機械の説明が、参照により本明細書に組み入れられる、『THE WAY THINGS WORK(ものごとの働き)』、第2巻、Simon and Schuster(New York:1971年)、506〜517ページで得られることができる。当業者は、これらの説明を使用して、本明細書で説明される遠心分離機200に適したカルーセル202を開発することができよう。
次に、図12を参照すると、カルーセル202の上部204に取り付けられているのが、複数の送りねじ230であり、各送りねじ230は、サンプル管の経路を規定する。再び図11を参照すると、送りねじ230は、伝導装置ケース232と、第1の円形ベアリング(図示されず)と、伝導装置ケース232を駆動するためのステッピングモータ236と、リングギア240を支持するための第2の円形ベアリング(図示されず)と、リングギア240を駆動するためのステッピングモータ242と、駆動ギア248を支持するための支柱(図示されず)およびベアリング(図示されず)と、複数の送りねじギア250とを備える構成により駆動される。各送りねじギア250は、特定の送りねじ230に結合される。支柱(図示されず)は、伝導装置ケース232の鋳型機構、またはねじ、リベット、もしくは伝導装置ケース232の最下部から放射状に伸びる他の固定具とすることができる。支柱は、リングギア240の真下にある。支柱に結合されたベアリングは、駆動ギア248の内部にあり、駆動ギア248の歯が、リングギア240の底部上の歯、および選択された送りねじギア250上の歯を同時にかみ合わせるような手法で、支柱を取り囲む。
伝導装置ケース232は、第1の円形ベアリング(図示されず)によってカルーセル202に取り付けられる。ギアの歯は、伝導装置ケース232の外縁で、伝導装置ケース232の最上部で機械加工される。伝導装置ケース232は、ステッピングモータ236により回転させられる。伝導装置ケース232に取り付けられているのが、リングギア240を支持する第2の円形ベアリング(図示されず)である。ギアの歯は、外縁上で、およびリングギア240の底部で機械加工される。リングギア240は、ステッピングモータ242により駆動される。伝導装置ケース232およびリングギア240は、互いに独立に回転することができる。伝導装置ケース232に取り付けられているのが、支柱(図示されず)、および駆動ギア248を支持するベアリング(図示されず)である。ギアの歯は、駆動ギア248上で機械加工され、これらのギアの歯は、リングギア240の底部に、および特定の送りねじギア250が選択されたときに送りねじギア250の1つの最上部にかみ合わせられる。図示されない構成要素は、当業者に周知であり、本明細書で説明される伝導装置機構は、市販の構成要素を用いて当業者により容易に構築されることができる。
各送りねじ230に搭載されるのが、送りねじ230が作動させられたときに、送りねじ230の長さをトラバースすることができる送りねじナット252である。ねじりばね256によって各送りねじナット252に取り付けられているのが、サンプル管を保持するための組立体258であり、以下、サンプル管保持組立体258と呼ばれる。サンプル管保持組立体258は、サンプル管ホルダ260およびベアリング262を備える。図14に示されるように、ベアリング262は、外レース262aおよび内レース262bを有する。外レース262aおよび内レース262bは、ボールベアリング262cにより分離される。各サンプル管ホルダ260は、ベアリング262内をジャーナルされ、それにより、カルーセル202が最高速度でさえ回転し続ける間に、ロード/アンロード位置にあるブレーキが、サンプル管が回転するのを防止することができ、それにより、遠心分離機200に結合されたロボットにより、より信頼性のあるピックアンドプレース動作が可能になる。
動作中、ステッピングモータ236によって伝導装置ケース232を回転させることにより、送りねじギア250が「選択される」。このように選択された送りねじギア250は、自分が結合された特定の送りねじ230を駆動する。この動きが、駆動ギア248の歯に、選択された送りねじギア250の歯をかみ合わせる。駆動ギア248の歯がリングギア240の歯と常にかみ合わせられるので、リングギアステッピングモータ242によってリングギア240を回転させることにより、駆動ギア248および選択された送りねじギア250が回転させられる。選択された送りねじギア250の回転が、選択された送りねじ230を回転させ、それにより、選択された送りねじ230に搭載された送りねじナット252を動かす。
次に、図15A、図15B、図15C、および図15Dを参照すると、各サンプル管保持組立体258は、エミッタ−検出器266により発光される信号を反射するための反射器(複数可)264を含む。エミッタ−検出器266は、本明細書で「LEDエミッタ−検出器」と代わりに呼ばれる発光ダイオードを使用するタイプからなることができる。エミッタ−検出器266は、サンプル管ホルダ260上の反射器を検出することができるような手法で位置決めされる。サンプル管保持組立体258の位置は、反射器(複数可)264およびエミッタ−検出器266によって検証されることができる。エミッタ−検出器266は、光のビームを発光する。エミッタ−検出器266から発光された光のビームは、サンプル管ホルダ260がカルーセル202の軸に平行であるとき、反射器264から反射される。エミッタ−検出器266から発光された光のビームは、エミッタ−検出器266から発光された光のビームにより反射器264が当たらないような程度、サンプル管保持組立体258が傾けられたとき、反射器264から反射されない。
サンプル管ホルダ260とエミッタ/検出器266の間に位置決めされた反射器264は、サンプル管ホルダ260の垂直位置からのさまざまな傾斜を検証するために使用されることができる。反射器(複数可)は、サンプル管ホルダ260が角度45°傾斜させられたときだけ、45°位置タブが45°LEDエミッタ−検出器266のための反射面を提供するように、サンプル管ホルダ260上に位置決めされる。さらに、90°反射器(複数可)264は、サンプル管ホルダ260が90°の位置にあるときだけ、90°LEDエミッタ−検出器266のための反射面を提供する。したがって、サンプル管ホルダ260が、指定された角度に傾斜させられたとき、サンプル管の傾斜角が検証されることができる。本明細書で使用するのに適したエミッタ−検出器266が市販されており、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトvishay.com/docs/83795/tcnd5000.pdfで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってさらに説明される。
本明細書で説明される遠心分離機200では、送りねじ230は細かいねじ山を有し、ねじ山は、粗いねじ山を有する実質的に類似する送りねじと比較して、送りねじナット252を動かし、送りねじナット252の位置を保守するためにより少ない量のトルクが必要となるように、十分小さなねじれ角を有する。送りねじナット252が所与の距離動くためには、粗いねじ山を有する実質的に類似する送りねじと比較して、細かいねじ山を有する送りねじ230では追加の回転が必要であるが、送りねじナット252による送りねじ230の長さのトラバースが、一定期間に達成されることはそれほど重要ではない。さらに、細かいねじ山を有する送りねじ230を使用することにより、実際には送りねじナット252のより正確な位置調節が提供される。さらに、送りねじが作られる材料の堅さが同じという前提では、細かいねじ山を有する送りねじ230は、粗いねじ山を有する送りねじより強い。この強度増大は、少し大きな引張応力エリア、および細かいねじ山を有する送りねじの少し大きな谷の径のために、張力モードと剪断モードの両方で見いだされる。
サンプル管ホルダ260がカルーセル202の中心に位置決めされたとき、図11に示される磁気ブレーキ270が、各サンプル管ホルダ260の底部と正確に位置が合うように設計される。本明細書で使用するのに適した磁気ブレーキ270が、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトkjmagnetics.com/proddetail.asp?prod=D44%2DN52で、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってさらに説明される。各サンプル管ホルダ260の最下部に磁石が取り付けられる。遠心分離機200のカルーセル202の下部206内の開口を通って突き出る、垂直方向を向くロッド272が、固定磁気ブレーキ270を支持する。磁気ブレーキ270は、永久磁石または電磁石を使用することができる。さらに、垂直方向を向くロッド272を適合させるために、モータ214のシャフト216は、シャフト216を通って形成された孔218を有する。
磁気ブレーキの一代替形態が、図16Aおよび図16Bに示されるクランプブレーキ280である。クランプブレーキ280は、サンプル管がサンプル管ホルダ260内に位置決めされたときに、サンプル管を取り囲むサンプル管ホルダ260に加えられるグリップ力を制御するためのばね282a、282bを有する、ソレノイド駆動またはモータ駆動のデバイスである。ばね282a、282bを使用することにより、ソレノイドまたはモータにより駆動される非弾性グリップアーム284a、284bにより直接提供される力ではなく、ばね282a、282bにより直接提供される力だけが、サンプル管ホルダ260に作用することが保証される。したがって、ソレノイドまたはモータにより駆動される非弾性グリップアーム284a、284bの動きは、ばね282a、282bをサンプル管ホルダ260に対して押しつけるために、少しの量のオーバトラベルを必要とする。クランプブレーキ280を設計する際、非弾性グリップアーム284a、284bにより対象物を直接グリップするには、正確な量の圧力と共に、非弾性グリップアーム284a、284bの正確な動きおよび配置が必要である。過大な圧力が、クランプブレーキ280の非弾性グリップアーム284a、284bにより保持された対象物を損傷する可能性がある。対照的に、ばね圧縮を利用してオーバトラベルを可能にするクランプブレーキ280を設計する際、ばね282a、282bによって所与の対象物を直接グリップするには、非弾性グリップアーム284a、284bと直接接触させることによって対象物をグリップするより低い精度が必要であり、それにより、より断定できるグリップ力を提供し、したがって、過大圧力の可能性を低減し、グリップされた対象物を損傷しない。
作動させられたとき、ブレーキは、磁気ブレーキ270であれ、クランプブレーキ280であれ、内レース262bが外レース262aと共に回転するのを防止する(外レース262aは、遠心分離機200のカルーセル202と同じ速度で回転する)。
サンプル管ホルダ260のベアリング262により、サンプル管ホルダ260は、遠心分離機200のカルーセル202が回転するとき、遠心分離機200のカルーセル202の動作速度で回転することができるようになる。しかしながら、この状況は好ましくない。サンプル管ホルダ260は、遠心分離機200のカルーセル202に取り付けられるので、サンプル管ホルダ260は、遠心分離機200のカルーセル202と同じ速度で回転する。ベアリング262の外レース262aは、サンプル管ホルダ260に接続されることができる。外レース262aは、遠心分離機200のカルーセル202と共に回転する。内レース262bは、低摩擦ベアリング262cにより外レース262aから分離される。ベアリング262の内レース262bは、サンプル管ホルダ260に接続されることができる、またはサンプル管ホルダ260と一体化される。内レース262bおよび外レース262aは、低摩擦ベアリング262cにより分離されるので、内レース262bは、外レース262aと共に回転する必要がない。さらに、内レース262bおよび磁気ブレーキ270は境界面を有する、または内レース262bおよびクランプブレーキ280は境界面を有する。したがって、外レース262aが遠心分離機200のカルーセル202と一緒に回転する間、内レース262bおよびサンプル管は、磁気ブレーキ270またはクランプブレーキ280により固定位置に保守されることができる。
各送りねじ230と結合されるのが、サンプル管保持組立体258、すなわち、サンプル管ホルダ260およびベアリング262が移動するトラック290である。サンプル管保持組立体258を誘導するためのトラック290は、2つの平行なガイド292、294を備える。ガイド292、294は、耐食材料、たとえば、ステンレス鋼、ポリマー材料から作られる。平行なガイド292、294間の距離は、ホイール296を適合させるのに十分であるが、それほど大きくないので、ホイールは、相殺される必要がある不平衡をホイールが生成するようなサイズからなる。このため、円筒形ローラーベアリングとすることができるホイール296は、できるだけ小さくすべきであり、軽量の材料から構築されるべきである。ホイール296、すなわち、円筒形ローラーベアリングは、ピン、ボルト、またはリベットによってサンプル管ホルダ260に取り付けられることができる。ホイール296は、その中心に開口を有する小型の密閉ベアリングとすることができ、それにより、ホイール260は、前述のピン、ボルト、またはリベットによってサンプル管ホルダ260に結合されることができる。たとえば、本明細書で使用するのに適した小型の密閉ベアリングについて、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトimpactbearing.com/miniature_bearing_instrument.htmlで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題、および本明細書で使用するのに適した小型の密閉ベアリングについて、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトglobalspec.com/Featured Products/Detail/Lantec/SRBN219083_Ring_Bearing/154851/0?fromSpotlight=1で、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題を参照のこと。
図17A、図17B、図17C、および図17Dに示されるように、トラック290は、4つのセクション290a、290b、290c、および290dを有する。第1セクション290aは、垂直線から典型的には45°の角度に傾斜させられる。第2セクション290bは、カルーセル202の軸に垂直である。第3セクション290cは、垂直線から典型的には45°の角度に傾斜させられる。第4セクション290dは、カルーセル202の軸に垂直である。第1セクション290aの傾斜角および第3セクション290cの傾斜角は、角度45°に傾斜させられる必要はないことに留意されたい。サンプル管保持組立体258が第2セクション290b内にあるとき、サンプル管ホルダ260は垂直位置から角度45°に傾斜させられる。サンプル管保持組立体258が第4セクション290d内にあるとき、サンプル管ホルダ260はカルーセル202の軸に垂直である。サンプル管ホルダ260の傾斜角は、サンプル管保持組立体258に作用する遠心分離機200のカルーセル202の回転運動に起因する。
遠心分離機200のカルーセル202の中心に最も近い、トラック290の最初のセクション290aは、磁気ブレーキ_へのサンプル管ホルダ260の急速な係合または離脱を提供し、それにより、サンプル管がカルーセル202の回転速度で回転するのを防止する。トラック290の最初のセクション290aに隣接する、トラック290の次のセクション290bは、サンプル管およびサンプル管ホルダ260に、垂直位置から45°の固定された傾斜角を提供する。トラックの次のセクションは、サンプル管およびサンプル管ホルダ260に、垂直位置から45°の傾斜角から、垂直位置から90°の傾斜角への遷移を提供する。
図17A、図17B、図17C、図17Dは、25のサンプル管ホルダ260のうちの1つのさまざまな角度位置を、すなわち、ロード位置(垂直位置から0°)、垂直位置から45°(最初の分離)、垂直位置から90°(最終分離)、およびアンロード位置(垂直位置から0°)を例示する。サンプル管ホルダ260が垂直位置から角度90°に傾斜させられたときの最終分離前に、サンプル管ホルダ260が垂直位置から角度45°に傾斜させられたときに最初の分離を行うことが、血清または血漿から血球を分離するのに必要な時間の長さをかなり低減することが、研究により示された。
各サンプル管保持組立体258は、ねじりばね300により送りねじナット252に取り付けられる。ねじりばね300は、サンプル管保持組立体258のベアリング262に取り付けられる。このねじりばね300は、サンプル管保持組立体258が送りねじナット252上で旋回することができるようにする円筒形ヒンジピンの周りに巻かれる。このねじりばね300は、サンプル管保持組立体258を垂直位置に片寄らせるが、ねじりばね300の力は、サンプル管保持組立体258が遠心分離機200の回転するカルーセル202の中心から離れて動くとき、遠心力により容易に打ち負かされる。たとえば、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトleespring.com/int_learn_torsion.aspで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題を参照のこと。
ねじりばね302および垂直ヒンジ304は、協調して、サンプル管がサンプル管ホルダ260にアクセスすることができるようにするドア306を開閉する。ドア306が閉じられたとき、サンプル管ホルダ260へのアクセスが防止される。送りねじナット252に取り付けられたロッド308によりドア306が押されて開いたとき、サンプル管ホルダ260へのアクセスが許可される。ドア306が開けられたとき、送りねじナット252は動くことができ、それにより、サンプル管保持組立体258は動かされることができる。サンプル管がサンプル管ホルダ260の中に挿入されているとき、ドア306は開いている。サンプル管がサンプル管ホルダ260の中に挿入されていないとき、ドア306は閉じられる。
典型的には腐食しない金属シートから作られる保護エンクロージャ310が、各サンプル管、サンプル管ホルダ260、送りねじ230、および送りねじナット252を取り囲み、それにより、サンプル管を互いに分離し、開放型サンプル管が遠心分離を受けることができるようにする。垂直ヒンジ304およびねじりばね302は、この保護エンクロージャ310の一部である。
サンプル管がそのサンプル管ホルダ260内でカルーセル202の中心に向かって動くとき、保護エンクロージャ310の端部を覆うドア306に遭遇する。ドア306は、ドア306のヒンジ304に結合されたねじりばね302によって閉じた位置に弾性で片寄らせられる。サンプル管は、そのサンプル管ホルダ260内で、自分がカルーセル202の中心に向かって動くことによって、ドア306を押して開くことができる。しかしながら、この押す作用は、サンプル管ホルダ260を垂直位置から離して傾斜させる傾向がある。したがって、送りねじナット252の端部に取り付けられたロッド308は、サンプル管をそのサンプル管ホルダ260内で垂直の向きに保持しながら、ドア306を押して開ける。
次に、図11および図18を参照すると、カルーセル202の上部204の上にあるのが、内部平衡キャップ320および外部平衡キャップ322である。内部平衡キャップ320は、カルーセル202のための密閉した取付カバーを形成する。外部平衡キャップ322は、内部平衡キャップ320の上にはまる。本明細書で使用されるとき、表現「平衡キャップ」は、遠心分離機200のカルーセル202の上にある、回転可能なデバイスを意味し、このデバイスは、遠心分離機200のカルーセル202の回転により発生させられたベクトルを相殺するベクトルに少なくとも寄与することができる。各平衡キャップ320、322は、遠心分離機200のカルーセル202の回転軸を中心に回転させられることができる。内部平衡キャップ320は、カルーセル202の上部204を覆うプラットフォーム324と、プラットフォーム324から垂れ下がり、内部平衡キャップ320のプラットフォーム324に垂直なスカート部326とを備える。外部平衡キャップ322は、内部平衡キャップ322のプラットフォーム324を覆うプラットフォーム328と、プラットフォーム328から垂れ下がり、外部平衡キャップ322のプラットフォーム328に垂直なスカート部330とを備える。たとえば約90°〜約180°まで、好ましくは120°の、内部平衡キャップ320のスカート部326の弓状部分が、内部平衡キャップ320の残りの弓状部分より重くなるように構築される。同様に、たとえば約90°〜約180°まで、好ましくは120°の、外部平衡キャップ322のスカート部330の弓状部分が、外部平衡キャップ322の残りの弓状部分より重くなるように構築される。各スカート部326、330のより重い弓状部分は、遠心分離機200を平衡させる力ベクトルを生成するために使用される重さを提供する。事実上、各平衡キャップ320、322のスカート部326、330のより重い弓状部分はそれぞれ、同じ平面内ではあるが、遠心分離機200を不平衡にさせているベクトルの方向と反対の補正力ベクトルを生成するために使用されることができる非対称な重さを提供する。不平衡ベクトルが検出されることがないとき、内部平衡キャップ320のスカート部326のより重い弓状部分および外部平衡キャップ322のスカート部330のより重い弓状部分は、これらの非対称な重さの効果を相殺するために、互いに180°分離されることができる。内部平衡キャップ320のスカート部326は、外部平衡キャップ322のスカート部330よりカルーセル202の軸に近いので、内部平衡キャップ320の重さが、外部平衡キャップ322の重さより少し大きいことが好ましい。
第1組のベアリング340が、カルーセル202の上部204と内部平衡キャップ320のプラットフォーム324の間に置かれる。第2組のベアリング342が、内部平衡キャップ320のプラットフォーム324と外部平衡キャップ322のプラットフォーム328の間に置かれる。この目的に適したベアリングは、ボールベアリング、ローラーベアリング、たとえば、円筒形ローラーベアリングを含むが、これらに限定されない。たとえば、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトglobalspec.com/Featured Products/Detail/Lantec/SRBN219083_Ring_Bearing/154851/0?fromSpotlight=1で、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題を参照のこと。
第1のステッピングモータ344が、外部平衡キャップ322を回転させるために提供される。第2のステッピングモータ346が、内部平衡キャップ320を回転させるために提供される。
第1組のベアリング340は、内部平衡キャップ320のプラットフォーム324が、カルーセル202の上部204の上方の平面内で回転することができるようにする。第2組のベアリング342は、外部平衡キャップ322のプラットフォーム328が、内部平衡キャップ320のプラットフォーム324の平面の上方の平面内で回転することができるようにする。
内部平衡キャップ320は、カルーセル202が回転するときに回転するが、内部平衡キャップ320は、平衡技法により必要に応じてカルーセル202を基準にして小さな増分単位で依然として動かされることができる。同様に、外部平衡キャップ322は、カルーセル202が回転するときに回転するが、外部平衡キャップ322は、平衡技法により必要に応じて内部平衡キャップ320を基準にして小さな増分単位で依然として動かされることができる。
内部平衡キャップ320のより重い弓状部分が外部平衡キャップ322のより重い弓状部分から180°に位置決めされたとき、内部平衡キャップ320のより重い弓状部分の効果が、外部平衡キャップ322のより重い弓状部分の効果を相殺する。内部平衡キャップ320のより重い弓状部分の位置が、外部平衡キャップ322のより重い弓状部分の位置との関連で変化する、すなわち、180°から異なる角度、たとえば120°に変化するとき、力ベクトルが生成される。この力ベクトルは、サンプル管およびサンプル管ホルダ260の重さと、遠心分離機200のカルーセル202の軸からサンプル管およびサンプル管ホルダ260までの距離とが組み合わさった効果に起因するどんな不平衡(複数可)も相殺するような大きさおよび方向からなる。
次に、図13を参照すると、電源、中央処理装置、および無線通信システム、たとえば、WiFi802.11、ブルートゥース802.15.1、またはSimpliciTI802.15.4などが、遠心分離機200のカルーセル202の下部206上のエリア350内に配置されることができる。モータ(図示されず)が、カルーセルの下方に位置決めされることができる。カルーセル202の回転/分を計測するためのセンサ352が、シャフト216のベアリング354上に位置決めされる。本明細書で説明される遠心分離機で使用するのに適した光センサがどのように設定されることができるかを説明する参考文献が、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトeagletreesystems.comで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な、Instruction Manual for the Optical RPM Sensor、Document Version2.2、Eagle Tree Systems,LLC、(2006年)、1〜4ページである。遠心分離機は、回転させられるとき、磁気誘導によって自分自身の多相AC(交流)電力を発生させる。
振動センサ(図示されず)が、シャフト216のベアリング354に搭載されることができる。振動センサは、小さな機械的動き、すなわち、振動を、不平衡がどこで発生したか、および不平衡の大きさを判定するために解釈されることができる電気信号に変換する。振動データは、遠心分離機200の中央処理装置により収集され、解析される。次いで、不平衡を打ち消すために、力ベクトルが計算されることができる。力ベクトルは、方向(360°の回転の範囲内)および大きさにより特徴づけられる。平衡キャップ320、322のより重い部分の重さ(複数可)、平衡キャップ320、322をそれぞれ回転させるためのステッピングモータ344、346の動き、送りねじ230の動き、およびモータステップと回転度との比という先験的知識を使用することにより、補正力ベクトルが計算されることができ、平衡キャップ320、322のうち少なくとも一方が適切な位置(複数可)の中に動かされることができる。このような手法の動きは、連続的、または半連続的、たとえば1秒に1回とすることができる。典型的には、振動センサは連続的にモニタされ、新しい不平衡ベクトルが毎秒(1秒)計測され、新しい平衡ベクトルが毎秒(1秒)計算される。振動センサは圧電加速度計とすることができる。振動センサがどのように動作するかを説明する参考文献が、参照により本明細書にすべて組み入れられる以下の参考文献で得られることができる:
(a)平衡機械−参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトen.wikipedia.org/wiki/Balancing_machineで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能なフリーな百科事典であるWikipedia
(b)加速度計−参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトen.wikipedia.org/wiki/Accelerometerで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能なフリーな百科事典であるWikipedia
(c)振動センサ−参照により本明細書に組み入れられる、ウェブサイトhofmann−balancing.com/products/vibration−sensors.htmlで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能なhoffman−balancing.com。
カルーセル202の主要な構成要素は、典型的には、ダイカストアルミニウムから作られる。サンプル管ホルダ260、ベアリング、および送りねじ230は、最も高いG力(1,500G)にさらされるので、これらの構成要素のためにより軽量の材料が考慮されることができる。これらの構成要素は、重さがより軽いので、過大な機械的応力を受けない。より軽量の材料の重さ、およびカルーセル202の重さは、サンプル管とサンプル管ホルダ260を組み合わせた重さが、回転するカルーセル202の重さと比較して小さくなるように、おそらくさらに取るに足らなくなるように選択されるべきである。この選択の手法は、遠心分離機200を平衡させる仕事を簡素化する。サンプル管およびサンプル管ホルダ260の個々の重さを選択するとき、サンプル管およびサンプル管ホルダ260がカルーセル202の軸から延びるさまざまな距離が考慮されるべきである。
密封された(または密封されない)サンプル管が、遠心分離機200内のサンプル管ホルダ260の中に挿入された後、サンプル管は、カルーセル202の中心から外側に動かされ、サンプル管が垂直線から角度45°に傾斜させられる半径方向位置で停止させられる。この位置は、サンプル管の重さの値、および図_に示されるねじりばねのばね定数の値を式RCF=0.00001118×R×RPMの中に代入することにより決定され、ここで、RCFは(G力と呼ばれることがある)相対遠心力を表し、Rは遠心分離機200のカルーセル202の中心からサンプル管までの距離をセンチメートル単位で表し、RPMは、遠心分離機200のカルーセル202の回転/分を表す(たとえば、2,500回転/分)。したがって、ロード位置およびアンロード位置でのRCFの値は、この位置では、遠心分離機200のカルーセル202の中心からサンプル管までの距離がゼロであるので、ゼロである。サンプル管ホルダ260が垂直線から角度45°に傾斜させられた位置(遠心分離機の中心からの、半径方向の距離=10cm)でのRCFの値は699であり、サンプル管ホルダ260が垂直線から角度90°に傾斜させられた位置(遠心分離機の中心からの、半径方向の距離=20cm)でのRCFの値は1398である。「VACUTAINER」サンプル管のRCFの値は、典型的には、約1,000〜約1,300までの範囲である。回転速度(回転/分)および遠心分離機200のカルーセル202の中心からの距離は、遠心分離機200の設計を最適化させるように選択されることができる。
遠心分離機200のカルーセル202の中心から各サンプル管ホルダ260までの距離は、動的に変えられることができる、すなわち、遠心分離機を平衡させるため、またはサンプル管のRCFの値を一定に保守するために、遠心分離機が回転しているときに変更されることができるが、遠心分離機200のカルーセル202の回転速度(回転/分)は、回転するモータ(電気モータ、ガソリンエンジン、水車、風車、自転車、または手回しクランク)の速度の変動の結果として変わる。回転速度(回転/分)の変動は、管とサンプル管ホルダ260を組み合わせた重さに対してカルーセル202を大きな重さになるように設計し、それにより、フライホイールの効果を作り出すことにより低減されることができる。フライホイール効果は、かなりの慣性モーメントを有する機械的デバイスが回転エネルギーの貯蔵デバイスとして使用されることができるとき、作り出されることができる。機械的デバイスは、自分の回転速度の変化に抵抗し、このことは、変動するトルクがシャフトに加えられたときに、シャフトの回転を安定させるのに役立つ。したがって、大きな重さを有する対象物、たとえばカルーセルは、小さな重さを有する対象物、たとえば送りねじより、小さな振動により影響を受けない。さらに、遠心分離機は、動的に平衡されてもよいが、サンプル管とサンプル管ホルダ260が組み合わさった重さが、カルーセル202の重さに対して取るに足らなくなるように設計され、それにより、サンプル管およびサンプル管ホルダ260の重さと、遠心分離機200のカルーセル202の軸からの、サンプル管およびサンプル管ホルダ260の距離とが組み合わさった効果に起因するどんな不平衡(複数可)も最小にする。
特に、サンプル管が、遠心分離機200のカルーセル202の軸から最大可能な距離に位置決めされたとき、推奨されるRCFの値をサンプル管に提供するために、1分あたり最小回転数が必要であることに留意されたい。1分あたりの最小回転数の典型的な数値が2,000である。
サンプル管からこぼれる液体を排出するために、流出ドレイン360が遠心分離機200に含まれる。こぼれた液体は、流出ドレインから、液体廃棄物用容器362に流れる。
サンプル管がサンプル管ホルダ260を介して遠心分離機200の中に挿入された後、かつ遠心分離が開始された後に、サンプル管が適切に平衡させられない場合、不平衡ベクトルが振動センサにより検出され、振動センサは情報を中央処理装置に送信する。わずかゼロのサンプル管から、遠心分離機200により保持されることができる多くのサンプル管、すなわち、遠心分離機200の最大容量まで、遠心分離機200が動き始める前に、遠心分離機200の中に挿入されることができる。たとえば、ゼロから25のサンプル管までが、25のサンプル管を保持することができる遠心分離機200の中に挿入されることができる。この説明のために、遠心分離機200のサンプル管ホルダの各々が、1つのサンプル管を受け取り、遠心分離機200のカルーセル202が、遠心分離が実施されることができる回転速度で、またはその近傍で回転していると仮定された。サンプル管をサンプル管ホルダの中に挿入し、サンプル管をサンプル管ホルダから取り除くためのプロトコルがいくつか、想定されることができる。一般に、遠心分離機200は、サンプル管が挿入されているときに動作しており、サンプル管は、12秒ごとほどの頻度で挿入され、取り除かれると仮定されることができる。平均的遠心分離プロトコルが5分必要であると仮定すると、遠心分離機により1時間あたり300のサンプル管が処理されることができる。要約すると、遠心分離機が動作している間、25のサンプル管が、すなわち、12秒ごとに1つのサンプル管が挿入されることができる。5分後、1つのサンプル管がサンプル管ホルダ260から取り除かれなければならず、その後、他のサンプル管が遠心分離機200の中に挿入されることができる。
遠心分離機200内の不平衡により発生させられたベクトルが、一定の大きさおよび方向を、たとえば、1,500Gで20gに相当する30kgを有する。遠心分離機200を平衡させるために、このベクトルは相殺されなければならない。遠心分離機200の不平衡に起因するベクトルは、遠心分離機200の不要な振動を検出する振動センサにより検出され、計測される。遠心分離機の不平衡に起因するベクトルは、不平衡ベクトルを相殺するような手法で、内部平衡キャップ320、外部平衡キャップ322、または内部平衡キャップ320と外部平衡キャップ322の両方を動かすことにより相殺されることができる。内部平衡キャップ320は、ステッピングモータにより動かされる。外部平衡キャップ322は、ステッピングモータにより動かされる。振動センサからデータを受信すると、中央処理装置により内部平衡キャップ320および外部平衡キャップ322への信号が開始される。内部平衡キャップ320および外部平衡キャップ322の動きの量は、平衡アルゴリズムにより決定される。遠心分離機200の不平衡に起因するベクトルを相殺するためのベクトルが、サンプル管と遠心分離機200のカルーセル202の軸との間の距離を修正することにより生成される。距離のこの修正は、典型的には1秒あたりステッピングモータが1つ動く割合で、連続的(すなわち、動的)である。ステッピングモータの動きは、ステッピングモータの1つまたは複数のステップを伴うことができる。振動センサをサンプリングし、平衡キャップを調節する好ましい頻度が、1秒あたり1回である。振動センサをサンプリングし、平衡キャップを調節する合理的な頻度が、1秒あたり約1回から1秒あたり約10回までの範囲である。
第1の密封された(または密封されない)サンプル管が、遠心分離機200内のサンプル管ホルダ260の中に挿入されたとき、次の密封された(または密封されない)サンプル管が、遠心分離機200を平衡させるのに役立ち、かつ必要とされる平衡の大きさを最小にするように、遠心分離機200の対向する位置(180°)でサンプル管ホルダ260の中にロードされる。所与のサンプル管が遠心分離機200の中に挿入された後、遠心分離機200全体のRCFベクトルを計算することにより、次のサンプル管の適切な位置が、その結果得られるRCFベクトルを最小にするように選択されることができる。したがって、遠心分離機200を平衡させるためのアルゴリズムは動的であり、アルゴリズムは、各サンプル管が遠心分離機200のサンプル管ホルダ260の中に挿入された、または遠心分離機200のサンプル管ホルダ260から取り除かれた後に、次のロード位置を連続して再計算する。任意の所与の時間に、サンプル管を受け取る、またはサンプル管を手放すために、遠心分離機200内に1つのサンプル管ホルダ260だけが位置決めされることができる。サンプル管を遠心分離機200の中に挿入し、サンプル管を遠心分離機200から取り除くための動作は、無線インタフェースによって、システム内のその他のロボットコントローラと連係させられることができ、それにより、最適な処理量、結果までの最適な時間、および遠心分離機200の動作を実施するのに十分な時間を保証する。図13は、カルーセル202の底部部分によって、他のロボットコントローラに無線通信が提供されることができることを示す。
代替の平衡技法が図19Aおよび図19Bに示されている。図11に示される実施形態のように、図19Aおよび図19Bに示され、以下で説明される平衡技法を使用する実施形態が、以下の構成要素を利用する:
(1)上部204および下部206を有するカルーセル202を備える遠心分離機200、
(2)カルーセル202の下部206に搭載された複数のロータコイル208、
(3)カルーセル202の下部206の外縁の周りに搭載された複数の界磁コイル212、
(4)結合されたサンプル管をそれぞれ有することができる複数の送りねじ230を含む、カルーセル202の上部204、
(5)各送りねじ230に搭載され、送りねじ230が作動されたときに送りねじ230をトラバースすることができる送りねじナット252、
(6)ねじりばねによって各送りねじナット252に取り付けられた、サンプル管ホルダ260およびベアリング262を備えるサンプル管保持組立体258、
(7)反射器264をさらに含むサンプル管保持組立体258、
(8)複数のエミッタ−検出器266、ならびに
(9)ブレーキシステム、たとえば、磁気ブレーキシステム、クランプブレーキシステム。
前述の主要な構成要素に加えて、平衡キャップを利用する遠心分離機に関連してすでに言及されたタイプの補助構成要素が、同じく含まれることができる。これらの補助要素には、振動センサ、1分あたりの回転をカウントするためのセンサが含まれるが、これらに限定されない。
この実施形態は、平衡ウェイト400を利用する。平衡ウェイト400は、少なくとも1つのベアリング404、たとえば、スライドベアリング、ボールスライドベアリングを備える第1の位置決め機構402に取り付けられ、支持される。このような構成により、平衡ウェイト400は、送りねじ408および送りねじナット410を介して、第1のステッピングモータ406により動かされることができるようになる。平衡ウェイト400が取り付けられた第1の位置決め機構402は、第1の位置決め機構402と第2の位置決め機構414の間に置かれた要素412に取り付けられる。第2の位置決め機構414は、少なくとも1つのベアリング416、たとえば、スライドベアリング、ボールスライドベアリングを備える。第1の位置決め機構402の少なくとも1つのベアリングは、第2の位置決め機構414の少なくとも1つのベアリングと垂直である。第2の位置決め機構414の少なくとも1つのベアリングは、遠心分離機200のカルーセル202に取り付けられ、支持される。第1の位置決め機構402と第2の位置決め機構414の間に置かれた要素412の機能は、第1の位置決め機構402と第2の位置決め機構414の間の接続を提供することである。平衡ウェイト400は、送りねじ420および送りねじナット422を介して、第2のステッピングモータ418により、要素412の動きと垂直な方向に動かされる。第1の位置決め機構402は、第2の位置決め機構414から90°以外の角度だけ分離されることができることに留意されたい。しかしながら、第1の位置決め機構が第2の位置決め機構と垂直ではない場合、3つ以上の位置決め機構が必要とされる場合がある。
したがって、少なくとも1つのベアリング404を備える第1の位置決め機構402および少なくとも1つのベアリング416を備える第2の位置決め機構414、第1のステッピングモータ406および第1のステッピングモータ406により作動させられる送りねじ408、第2のステッピングモータ418および第2のステッピングモータ418により作動させられる送りねじ420を使用することにより、それにより、送りねじ408は送りねじ420と垂直であり、平衡ウェイト400は、一方の方向が他方の方向と垂直である2つの方向に同じ平面内で動くことにより、位置決めされることができる。不平衡ベクトルが検出された後、平衡ウェイト400を特定の位置に動かすことにより、不平衡ベクトルは無効にされることができる。使用されるブレーキのタイプが磁気ブレーキである場合、シャフト216および磁気ブレーキを適合させるために、平衡ウェイト400の中に孔が形成されることができる。3つ以上の位置決め機構が使用されることができる。しかしながら、3つ以上の位置決め機構を使用することは、このような使用法がシステムの複雑さを増大させるので好ましくない。
米国特許出願公開第2008/0024301(A1)号明細書が、第1の方向での平衡ウェイトの制御可能な位置決め、および第2の方向での平衡ウェイトの制御可能な位置決めを提供するためのボールスライドベアリングを開示している。各方向の動きには別個の位置決め機構が使用されるので、位置決め機構は、独立に、および同時に動かされることができる。たとえば、参照により本明細書に組み入れられるウェブサイトpbclinear.com/Low−Profile−Uni−Guideで、ワールドワイドウェブ上のハイパーテキスト転送プロトコルによってアクセス可能な本題を参照のこと。
他の代替の平衡技法が図20に示されている。図11に示される実施形態のように、図20に示され、以下で説明される平衡技法を使用する実施形態が、以下の構成要素を利用する:
(1)上部204および下部206を有するカルーセル202を備える遠心分離機200、
(2)カルーセル202の下部206に搭載された複数のロータコイル208、
(3)カルーセル202の下部206の外縁の周りに搭載された複数の界磁コイル212、
(4)結合されたサンプル管をそれぞれ有することができる複数の送りねじ230を含む、カルーセル202の上部204、
(5)各送りねじ230に搭載され、送りねじ230が作動されたときに送りねじ230をトラバースすることができる送りねじナット252、
(6)ねじりばねによって各送りねじナット252に取り付けられた、サンプル管ホルダ260およびベアリング262を備えるサンプル管保持組立体258、
(7)反射器264をさらに含むサンプル管保持組立体258、
(8)複数のエミッタ−検出器266、ならびに
(9)ブレーキシステム、たとえば、磁気ブレーキシステム、クランプブレーキシステム。
前述の主要な構成要素に加えて、平衡キャップを利用する遠心分離機に関連してすでに言及されたタイプの補助構成要素が、同じく含まれることができる。これらの補助要素には、振動センサ、RPMセンサが含まれるが、これらに限定されない。
図20では、各平衡要素は、送りねじに沿って動かされることができる平衡ナットである。不平衡ベクトルを無効にするためには、この実施形態では、少なくとも3つの平衡ナットが必要である。しかしながら、2つの平衡ナットだけが図20に示されている。第1の送りねじ500および第2の送りねじ502が、120°だけ互いに分離される。第3の送りねじ(図示されず)が、送りねじ500から120°だけ分離され、送りねじ502から120°だけさらに分離される。第1の送りねじ500は、第1のベアリング(図示されず)内部で回転し、第2の送りねじ502は、第2のベアリング(図示されず)内部で回転する。第1の送りねじ500は、ベアリングが位置決めされた端部と反対側の第1の送りねじの端部に位置決めされたステッピングモータ508により作動させられる。第2の送りねじ502は、ベアリングが位置決めされた端部と反対側の第2の送りねじの端部に位置決めされたステッピングモータ510により作動させられる。不平衡ベクトルが検出された後、第1の平衡ナット512、または第2の平衡ナット514、または平衡ナット512、514の両方を特定の位置に動かすことにより、不平衡ベクトルは無効にされることができる。あるいは、送りねじ、ベアリング、ステッピングモータ、および平衡ナットの4つ以上の組立体が使用されることができる。送りねじ、ベアリング、ステッピングモータ、および平衡ナットの3つの組立体を使用することが、最も効果的で、最も経済的な構成であるように思われる。
遠心分離機が任意の速度(たとえば、最大2,500回転/分)で回転している間に、サンプル管が遠心分離機200の中心に導入されることができる。サンプル管は、採取管またはアリコート管とすることができる。遠心分離機200の回転運動は、たとえば、電気モータ、ガソリンエンジン、水車、風車、自転車、または手回しクランクなどの任意の動力源により引き起こされることができる。したがって、遠心分離機200は、発展途上国でも先進国でも使用されることができる。
本明細書で説明される遠心分離機の実施形態では、界磁コイルに起因する交流エネルギーが直流エネルギーに整流されて、カルーセル202上に位置決めされた動力源により調整される。この動力源は、中央処理装置に、ロボット用コントローラに、およびロボット、中央処理装置などのための他のコントローラとの無線信号の送受信に、十分なエネルギーを供給する。必要に応じて、電気が利用できないとき、他の機能のためのエネルギーを供給するために、カルーセル202から離れた位置から電力が供給されることができる。他の機能の例には、サンプル管のロード、ロボットデバイスのロード、ユーザインタフェースのディスプレイおよび制御手段の運用、システムの制御センタの運用、UPS電池の充電が含まれるが、これらに限定されない。回転/分を計測するための計器が利用可能である場合、遠心分離機のカルーセルの回転速度を示すためにディスプレイが提供されることができる。発展途上国では、電気が利用できない場合があるとき、このディスプレイは、手回しクランクまたは自転車を使用する人を「調整する」ために使用されることができる。図21は、オペレータに、カウントダウンクロック602、速度インジケータ604、および複数の状態条件606を提供するこのようなディスプレイ600を示す。
動作
システムを動作させるために、システムのオペレータまたはシステムのプロバイダが、研究所のワークフロー要件を再検討し、要求される処理量だけでなく、試験目的のために利用可能な分析装置ならびに試験および/またはアッセイの数も推定する。システムの構成は、研究所のワークフロー要件の大部分を満たすように設定される。システムまたは研究所情報システム(Laboratory Information System、LIS)のオペレータは、試験のためにシステムに最終的に提示されるサンプルに対する試験指示をシステムにダウンロードする。システムまたはロボットシステムのオペレータは、必要とされる使い捨ての/消耗できる品目をシステム上にロードする。システムまたは研究所自動化システム(Laboratory Automation System、LAS)のオペレータは、必要とされるサンプルをシステムに提示する。システムは、閉管サンプリングを自動的に行い、全血サンプルを血液学分析装置の中に分配し、イムノアッセイ試験または臨床化学試験用にサンプルのアリコート(複数可)を分離し、イムノアッセイ分析装置および/または臨床化学分析装置の中に血清または血漿を分配する。システムは、このサンプルについて、ダウンロードされた試験指示に従って、サンプル中の血液、または抗原もしくは他のアナライトの分析結果を判定し、報告する。システムまたはLASのオペレータは、サンプルをシステムから取り除く。システムまたはLISのオペレータは、試験結果を再検討し、試験指示の送信元に試験結果を公開する。
以下の非限定的な例は、本明細書で説明されるさまざまなサンプリングシステムの動作を示す。以下の例は、一般に、指定されないモジュールを取り除くと共に、図9に示されるタイプのシステムを利用する。
(実施例1)
閉管サンプリングシステムの動作
閉管サンプリングシステムの多用途の一実施形態が、1つの血液学分析装置、1つのイムノアッセイ分析装置、1つの臨床化学分析装置、1つのサンプル管吸引モジュール、および膠着試薬追加モジュールを含む。図9を参照のこと。オペレータが、ストッパを有し、かつ遠心分離を受けていない全血のサンプルを含むサンプル採取管を保持するサンプル管キャリアをロードする。ロボットサンプルハンドラは、定型的アッセイ用サンプル採取管を含むキャリアに先立って、STATアッセイ用サンプル採取管を保持するキャリアを優先する。閉管サンプリングシステムのバーコードリーダが、サンプル採取管上のバーコードを読み取り、サンプル採取管上のストッパの存在を、もしあれば、(必要に応じて)サンプル採取管上のストッパを検出し、指定された体積のサンプルをアリコート管に移す。次いで、サンプル管キャリアは、システムから取り除かれることができる。アリコート管内のサンプルは、試験のために経路設定される。典型的経路が、(1)まず、血液学分析装置に、(2)次いで、膠着試薬追加モジュールに、(3)次いで、吸引されたサンプルを受け取るためにアリコート管が位置決めされる前に磁界によって分離が実施されるイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置にというように説明されることができる。
イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に関しては、サンプル吸引プローブがアリコート管の中に挿入され、サンプルの一部が吸引される。要するに、分析装置のサンプル吸引プローブは、アリコート管を開放型「血漿/血清」サンプル管として読み取り、したがって、分析装置の修正は必要ない。さらに、アリコート管は、再試験(イムノアッセイ試験および臨床化学試験だけ)のために保持され、次いで、もしも再試験が必要ないと結果が示すときには処分される。オペレータは、個々のサンプルカップによって小さな体積のサンプルをロードすることができる。STATアッセイ用の位置にあるサンプルの確実な識別のために、オペレータによるシステムとの対話が必要である。サンプルカップは、典型的にはバーコードを有しないので、オペレータは、ある種のデータを入力して、サンプル管から引き出されているサンプルが、試験が指示されたサンプルであることを保証する(すなわち、サンプルの確実な識別)必要がある。アッセイのための較正が、ローカルサンプルハンドラによって分析装置で行われることができる。ローカルサンプルハンドラは、各臨床分析装置または血液学分析装置でサンプルをロードおよびアンロードするためのデバイス、たとえば小型カルーセルである。ローカルサンプルハンドラは、典型的には、STATサンプル、制御手段、較正器のために使用される。閉管サンプリングシステムの機能は、血液学分析装置内部で実施されることができる。
したがって、血液学試験のためにサンプル管から吸引されたサンプルの指定された部分が、サンプル管の中に移され、次いで、膠着試薬追加モジュールに、次いで、吸引のためにサンプル管が位置決めされる前、およびその間に磁界によって吸引が行われることができるイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定されることができる。
(実施例2)
閉管サンプリングシステムの動作
図9は、1つの血液学分析装置、1つのイムノアッセイ分析装置、1つの臨床化学分析装置、および1つのサンプル管吸引モジュールを有する閉管サンプリングシステムの一実施形態を示す。
システムを動作させるために、システムのオペレータは、ストッパを有し、遠心分離されていない全血のサンプルを含むサンプル採取管を有するサンプル管キャリアをロードする。ロボットサンプルハンドラは、定型的アッセイ用サンプル採取管を含むサンプル管キャリアに先立って、STATアッセイ用サンプル採取管を保持するサンプル管キャリアを優先する。バーコードリーダが、サンプル採取管上のバーコードを読み取り、サンプル採取管上のストッパの存在を検出し、もしあれば、穴開け要素が(必要に応じて)サンプル採取管上のストッパに穴を開ける、または切刃が(必要に応じて)ストッパの中にスリットを切り、指定された体積のサンプルがアリコート管に移される。次いで、サンプル管キャリアは、システムから取り除かれることができる。アリコート管内のサンプルは、試験のために経路設定される。典型的経路が、(1)まず、血液学分析装置に、(2)次いで、吸引されたサンプルの一部を受け取るためにアリコート管が位置決めされる前に、選択された分離技法によって、たとえば超音波などによって分離が実施されるイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置にというように説明されることができる。
その後、サンプル吸引プローブはアリコート管の中に挿入され、サンプルの一部が吸引される。要するに、分析装置のサンプル吸引プローブは、アリコート管を開放型「血漿/血清」サンプル管として読み取り、したがって、分析装置の修正は必要ない。さらに、サンプル管は、再試験(イムノアッセイ試験および臨床化学試験だけ)のために保持され、次いで、もしも再試験が必要ないと結果が示すときには処分される。オペレータは、個々のサンプルカップによって小さな体積のサンプルをロードすることができる。STATアッセイ用の位置にあるサンプルの確実な識別のために、オペレータによるシステムとの対話が必要である。サンプルカップは、典型的にはバーコードを有しないので、オペレータは、ある種のデータを入力して、サンプル管から引き出されているサンプルが、試験が指示されたサンプルであることを保証する(すなわち、サンプルの確実な識別)必要がある。アッセイのための較正が、ローカルサンプルハンドラによって分析装置で行われる。閉管サンプリングシステムの機能は、血液学分析装置内部で実施されることができる。
したがって、血液学試験のためにアリコート管から吸引されたサンプルの指定された部分が、サンプル管の中に移され、次いで、吸引のためにサンプル管が位置決めされる前、およびその間に磁界によって吸引が行われることができるイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定されることができる。
(実施例3)
閉管サンプリングシステムの動作
図9は、1つの血液学分析装置、1つのイムノアッセイ分析装置、1つの臨床化学分析装置、1つのサンプル管吸引モジュール、および連続アクセス遠心分離モジュールを含む閉管サンプリングシステムの一実施形態を示す。システムを動作させるために、オペレータは、ストッパを有し、遠心分離されていない全血のサンプルを含むサンプル採取管を保持するサンプル管キャリアをロードする。ロボットサンプルハンドラは、定型的分析用サンプル採取管を保持するサンプル管キャリアに先立って、STATサンプル用サンプル採取管を保持するサンプル管キャリアを優先する。バーコードリーダが、サンプル採取管上のバーコードを読み取り、サンプル採取管上のストッパの存在を検出し、もしあれば、穴開け要素が(必要に応じて)サンプル採取管のストッパに穴を開ける、または切刃が(必要に応じて)ストッパの中にスリットを形成し、指定された体積のサンプルがアリコート管に移される。次いで、サンプル管キャリアは、システムから取り除かれることができる。サンプルは、試験用に経路設定される。典型的経路が、(1)まず、血液学分析装置に、(2)次いで、連続アクセス遠心分離モジュールに(ここで、開放型サンプル管は、任意選択で、フォイルで密封されることができ、分離が行われる)、(3)次いで、適切なアッセイが行われるイムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置にというように説明されることができる。
要するに、イムノアッセイ分析装置または臨床化学分析装置のサンプル吸引プローブは、サンプル管を開放型「血漿/血清」サンプル管として読み取り、したがって、分析装置の修正は必要ない。さらに、アリコート管は、再試験(イムノアッセイ試験および臨床化学試験だけ)のために保持され、次いで、再試験が必要ないと結果が示すときには処分される。オペレータは、個々のサンプルカップによって小さな体積のサンプルをロードすることができる。STATサンプル用の場所にあるサンプルの確実な識別のために、オペレータによるシステムとの対話が必要である。サンプルカップは、典型的にはバーコードを有しないので、オペレータは、ある種のデータを入力して、サンプル管から引き出されているサンプルが、試験が指示されたサンプルであることを保証する(すなわち、サンプルの確実な識別)必要がある。アッセイのための較正が、ローカルサンプルハンドラによって分析装置で行われる。閉管サンプリングモジュールの機能は、血液学分析装置内部で実施されることができる。
したがって、血液学試験用にサンプル管から吸引されたサンプルの指定された部分が、サンプル管の中に移され、次いで、サンプルを吸引するためにサンプル管が位置決めされる前に分離が行われることができる遠心分離機に、次いで、イムノアッセイ分析装置および臨床化学分析装置に経路設定されることができる。
本明細書で説明される、血液学試験、イムノアッセイ試験、および臨床化学試験の一体化により、1つのサンプル採取管だけが必要とされる。凝固が、サンプルの吸引、および試験の方法を妨げるので、血液が凝固するのを防止するために、典型的には抗凝固剤がサンプル管内に置かれる。細胞の分離が、血液学のために行われる細胞カウントに優先するので、血液学用抗凝固剤が、イムノアッセイ試験および臨床化学試験用抗凝固剤とは別個に進化した。さらに、血液学分析は、血液塗抹分析を行うためにスライドを利用することがしばしばあり、抗凝固剤は、血液塗抹内の細胞を染色も、変色もさせてはならない。イムノアッセイ試験および臨床化学試験用抗凝固剤は、凝固を防止するだけでなく、血液化学分析のアナライト(たとえば、カルシウム、鉄、カリウムなど)に悪影響を及ぼすのを避けるように選択される。
その結果、血液学試験用抗凝固剤、ならびにイムノアッセイ試験および臨床化学試験用抗凝固剤は、機能は類似するが、はっきりと異なる。
さまざまなタイプの抗凝固剤が以下で説明される。
1.直接トロンビン抑制剤は、アルガトロバン(Argatroban)、ビバリルジン(Bivalirudin)、ダビガトラン(Dabigatran)、ヒルジン(Hirudin)、キシメラガトラン(Ximelagatran)を含むが、これらに限定されない。ヘパリンは、アルデパリン(Ardeparin)ナトリウム、ベミパリン(Bemiparin)ナトリウム、セルトパリン(Certoparin)ナトリウム、ダルテパリン(Dalteparin)ナトリウム、ダナパロイド(Danaparoid)ナトリウム、エノキサパリン(Enoxaparin)ナトリウム、フォンダパリヌクス(Fondaparinux)ナトリウム、ヘパリン、イドラパリヌクス(Idraparinux)ナトリウム、低分子量ヘパリン、パルナパリン(Parnaparin)ナトリウム、レビパリン(Reviparin)ナトリウム、チンザパリン(Tinzaparin)ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
2.ビタミンK拮抗薬は、アセノクマロール(Acenocoumarol)、ブロジファクム(Brodifacoum)、クマテトラリル(Coumatetralyl)、ジクマロール(Dicoumarol)、フェニンジオン(Phenindione)、フェンプロクーモン(Phenprocoumon)、ピンドン(Pindone)、チオクロマロール(Tioclomarol)、ワルファリン(Warfarin)を含むが、これらに限定されない。
3.体外のヘパリンは、緑色のストッパを有する「VACUTAINER」ブランドの試験管で提供されるヘパリンナトリウムまたはヘパリンリチウムを含むがこれらに限定されない。
4.キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、穏やかなクエン酸塩キレート化剤、通常のクエン酸三ナトリウム、抗凝固剤クエン酸デキストロース、クエン酸リン酸デキストロース、またはクエン酸リン酸デキストロースアデニンを含むが、これらに限定されない。
5.シュウ酸塩は、穏やかなキレート化剤であり、緑色のストッパを有する「VACUTAINER」ブランドの試験管で提供されるフッ化物で使用される抗凝固剤である。
本明細書で説明されるシステムは、オペレータに対する生物学的危険要因を低減し、オペレータに対する反復動作による傷害を低減し、既存の分析装置の処理量またはアッセイ性能を保守し、ホルダの中に鋭利なものをすべて収容することにより、ストッパを切る「鋭利なもの」に起因する、オペレータに対する危険要因を低減し、摩耗した鋭利なものの交換に必要なサービス保守を低減する。
本明細書で説明されるシステムは、サンプル分類、平衡、および遠心分離で必要とされる労力をかなり低減する。システムは、血液分離ステップを分析装置システム/作業セルの中に一体化することにより、結果を得るために必要な時間をかなり低減する。システムは、多くのサンプルを処理する大規模研究所に高い処理量を提供しながら、血液学試験、イムノアッセイ試験、および臨床化学試験用の単一のサンプル採取管を処理するための完全に自動化された方法を可能にする。システムは、STATサンプルを取り扱うと共に、アッセイのランダムな連続アクセス処理を可能にする。これらの利点は、新しい分析装置が開発される必要なしに、現在の自動分析装置で実現されることができる。
本明細書で説明されるこのシステムは、患者および静脈採血士が血液学試験、イムノアッセイ試験、および臨床化学試験用に1つのサンプル管だけを提供することを必要とし、それにより、患者の苦痛を低減し、サンプル採取コストを低減し、(2つ以上のタイプのサンプル管を貯蔵するための)在庫コストを低減し、固形廃棄物処理コスト(サンプル管は、研究所の固形廃棄物の大部分を占める場合が多い)を低減する。遠心分離機は「バッチ」、およびその後のSTATサンプル処理のどんな遅延もなくす。遠心分離機は、電源以外の動力源、たとえば、手回しクランク、自転車、風車、水車などからエネルギーを受け入れる能力を提供し、それにより、現代の遠心分離技法が発展途上国で行われることができるようになる。
本明細書で説明される連続アクセス遠心分離機は、血液学試験、イムノアッセイ試験、および臨床化学試験の一体化にいくつかの利点を提供する。これらの利点は、高い処理量、STATサンプルの導入のしやすさ、分類および自動平衡のしやすさ、ならびにさまざまな試験の全体的一体化を含むが、これらに限定されない。連続アクセス遠心分離機の処理量は、1時間あたり300サンプルに達することができ、それにより、血液学分析装置と一体化された、最大の「ARCHITECT」マルチモジュールシステム構成の処理量要件を満たす。バッチタイプの遠心分離機は、連続アクセスを提供することができないので、遠心分離処理が開始されると、遠心分離機は最大10分間利用することができない。したがって、救急処置室から渡されたSTATサンプルは、遠心分離機が回転している間、バッチタイプの遠心分離機の中にロードされることができない。バッチタイプの遠心分離機は、遠心分離機のバケツが遠心分離動作前に平衡させられる必要があり、その結果、遠心分離処理の時間が延長され、患者からの結果が遅延させられる。連続アクセス遠心分離機は、血液学分析装置(複数可)、イムノアッセイ分析装置(複数可)、および臨床化学分析装置(複数可)を一体化することにより研究所に全自動化を提供する。
本発明のさまざまな修正形態および代替形態が、本発明の範囲および精神を逸脱することなく当業者に明らかになり、本発明が、本明細書で示された例示的実施形態に不当に限定されてはならないことを理解されたい。

Claims (67)

  1. 上部および下部を有するカルーセルを備える遠心分離機であって、カルーセルの上部は、遠心分離動作のためのサンプル管用の複数の位置と、カルーセルの上部に取り付けられた複数の駆動機構と、各駆動機構の上に搭載され、駆動機構が作動させられたときに駆動機構の長さをトラバースすることができる移動可能要素と、サンプル管ホルダおよび各移動可能要素に取り付けられたベアリングを備えるサンプル管保持組立体と、遠心分離機のカルーセルの回転により発生させられたベクトルを相殺する力ベクトルに寄与することができる少なくとも1つの平衡要素とを有する、遠心分離機。
  2. 振動センサをさらに含む、請求項1に記載の遠心分離機。
  3. 振動センサが、小さな機械的動き、すなわち、振動を、不平衡がどこで発生したか、および不平衡の大きさを判定するために解釈されることができる電気信号に変換する、請求項2に記載の遠心分離機。
  4. 振動センサが圧電加速度計である、請求項3に記載の遠心分離機。
  5. 不平衡ベクトルを打ち消すための力ベクトルを計算するための中央処理装置をさらに含む、請求項1に記載の遠心分離機。
  6. 力ベクトルが、方向および大きさにより特徴づけられる、請求項1に記載の遠心分離機。
  7. 力ベクトルが、遠心分離機のカルーセルの軸からさまざまなサンプル管までの距離を考慮しながら、サンプル管およびサンプル管ホルダにより生成されるどんな不平衡(複数可)も相殺するような大きさおよび方向からなる、請求項1に記載の遠心分離機。
  8. サンプル管保持組立体が乗るトラックが各駆動機構に結合される、請求項1に記載の遠心分離機。
  9. トラックがサンプル管保持組立体を誘導する、請求項8に記載の遠心分離機。
  10. 遠心分離機の中心に隣接するトラックの第1セクションが、ブレーキへのサンプル管ホルダの係合および離脱を提供し、それにより、サンプル管がカルーセルの回転速度で回転するのを防止する、請求項8に記載の遠心分離機。
  11. サンプル管ホルダが遠心分離機のカルーセルの中心に位置決めされたときに、サンプル管ホルダの動きを防止するための磁気ブレーキをさらに備える、請求項1に記載の遠心分離機。
  12. サンプル管ホルダが遠心分離機のカルーセルの中心に位置決めされたときに、サンプル管ホルダの動きを防止するためのクランプブレーキをさらに備える、請求項1に記載の遠心分離機。
  13. 各サンプル管保持組立体、各駆動機構、および駆動機構の長さをトラバースすることができる各移動可能要素を取り囲む保護エンクロージャをさらに含み、それにより、サンプル管が互いに分離し、開放型サンプル管が遠心分離を受けることが可能になる、請求項1に記載の遠心分離機。
  14. 各サンプル管保持組立体が、エミッタ−検出器により発光される信号を反射するための反射器を含む、請求項1に記載の遠心分離機。
  15. サンプル管保持組立体の傾斜が、反射器およびエミッタ−検出器によって検出される、請求項14に記載の遠心分離機。
  16. 少なくとも1つの平衡要素が、外部平衡キャップおよび内部平衡キャップを備え、外部平衡キャップは、内部平衡キャップと同心である、請求項1に記載の遠心分離機。
  17. 外部平衡キャップおよび内部平衡キャップが、遠心分離機のカルーセルの回転軸を中心に回転させられることができる、請求項16に記載の遠心分離機。
  18. 外部平衡キャップを回転させるために、第1のモータが提供される、請求項16に記載の遠心分離機。
  19. 内部平衡キャップを回転させるために、第2のモータが提供される、請求項16に記載の遠心分離機。
  20. 内部平衡キャップが、カルーセルの上部を覆うプラットフォームと、プラットフォームから垂れ下がる、内部平衡キャップのプラットフォームと垂直なスカート部とを備え、外部平衡キャップは、内部平衡キャップを覆うプラットフォームと、プラットフォームから垂れ下がる、外部平衡キャップのプラットフォームと垂直なスカート部とを備える、請求項16に記載の遠心分離機。
  21. 外部平衡キャップのプラットフォームも、内部平衡キャップのプラットフォームも、カルーセルの軸と垂直である、請求項20に記載の遠心分離機。
  22. 外部平衡キャップのスカート部の弓状部分が、外部平衡キャップの残りの弓状部分より重くなるように構築され、内部平衡キャップのスカート部の弓状部分が、内部平衡キャップの残りの弓状部分より重くなるように構築される、請求項20に記載の遠心分離機。
  23. 不平衡ベクトルが検出されることができないとき、内部平衡キャップのより重い弓状部分および外部平衡キャップのより重い弓状部分は、これらの非対称な重さの効果を相殺するように、互いに180°だけ分離されることができる、請求項22に記載の遠心分離機。
  24. 内部平衡キャップのより重い弓状部分の位置が、外部平衡キャップのより重い弓状部分の位置との関連で変化するとき、力ベクトルが生成される、請求項22に記載の遠心分離機。
  25. 第1組のベアリングが、カルーセルの上部と内部平衡キャップのプラットフォームの間に置かれる、請求項20に記載の遠心分離機。
  26. 第2組のベアリングが、内部平衡キャップのプラットフォームと外部平衡キャップのプラットフォームの間に置かれる、請求項25に記載の遠心分離機。
  27. 第2組のベアリングが、外部平衡キャップが、内部平衡キャップのプラットフォームの平面の上方の平面内で回転することができるようにする、請求項26に記載の遠心分離機。
  28. 第1組のベアリングが、内部平衡キャップが、カルーセルの上部の上方の平面内で回転することができるようにする、請求項26に記載の遠心分離機。
  29. 駆動機構が送りねじである、請求項1に記載の遠心分離機。
  30. 移動可能要素が送りねじナットである、請求項1に記載の遠心分離機。
  31. サンプル管保持組立体が、ねじりばねにより送りねじナットに取り付けられる、請求項30に記載の遠心分離機。
  32. ねじりばねが、サンプル管保持組立体を垂直位置に片寄らせるが、ねじりばねの力は、サンプル管保持組立体が遠心分離機の回転するカルーセルの中心から離れて動くとき、遠心力により打ち負かされる、請求項31に記載の遠心分離機。
  33. ねじりばねおよび垂直ヒンジが協力して、サンプル管がサンプル管保持組立体にアクセスすることができるようにするドアを開閉する、請求項1に記載の遠心分離機。
  34. 平衡ウェイトが、遠心分離機を平衡させるために使用される、請求項1に記載の遠心分離機。
  35. 平衡ウェイトが、第1の位置決め機構に取り付けられ、支持され、第1の位置決め機構は、遠心分離機のカルーセルにより支持される第2の位置決め機構によりさらに支持される、請求項34に記載の遠心分離機。
  36. 第1の位置決め機構が、モータにより作動させられる駆動機構により動かされる、請求項35に記載の遠心分離機。
  37. 第2の位置決め機構が、モータにより作動させられる駆動機構により動かされる、請求項35に記載の遠心分離機。
  38. 少なくとも1つの平衡要素が、第1の駆動機構により移動可能な第1の平衡要素と、第2の駆動機構により移動可能な第2の平衡要素と、第3の駆動機構により移動可能な第3の平衡要素とを備える、請求項1に記載の遠心分離機。
  39. カルーセルの重さが、サンプル管とサンプル管ホルダを組み合わせた重さに対して大きい、請求項1に記載の遠心分離機。
  40. 界磁コイルにより発生させられた交流エネルギーが、直流エネルギーに整流されて、カルーセル上に位置決めされた動力源により調整される、請求項1に記載の遠心分離機。
  41. カルーセルからの無線信号の送信および受信が、カルーセルの外部にある構成要素用の他のコントローラと通信するために使用される、請求項1に記載の遠心分離機。
  42. 電気が利用できないとき、他の機能のために、カルーセルの外部にある動力源から動力が提供される、請求項1に記載の遠心分離機。
  43. 少なくとも1つの臨床分析装置、および請求項1に記載の遠心分離機を備えるシステム。
  44. 少なくとも1つの臨床分析装置がイムノアッセイ分析装置を備える、請求項43に記載のシステム。
  45. 少なくとも1つの臨床分析装置が臨床化学分析装置を備える、請求項43に記載のシステム。
  46. 少なくとも1つの臨床分析装置が血液学分析装置を備える、請求項43に記載のシステム。
  47. 少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置、少なくとも1つの臨床化学分析装置、もしくは少なくとも1つの血液学分析装置、または少なくとも1つのイムノアッセイ分析装置、少なくとも1つの臨床化学分析装置、および少なくとも1つの血液学分析装置の任意の組合せを含む、請求項43に記載のシステム。
  48. 1つのサンプル採取管だけが必要とされる、請求項47に記載のシステム。
  49. 遠心分離処理を実施する方法であって、サンプル管ホルダによって、請求項1に記載の遠心分離機の中にサンプル管を挿入するステップと、遠心分離が開始された後、サンプル管が適切に平衡させられていない場合、情報を中央処理装置に送信する振動センサにより不平衡ベクトルを検出するステップとを備える、方法。
  50. わずかゼロのサンプル管から、遠心分離機により保持されることができる多くのサンプル管までが、遠心分離機が動き始める前に、遠心分離機の中に挿入されることができる、請求項49に記載の方法。
  51. 遠心分離機のサンプル管ホルダの各々が1つのサンプル管を受け取り、遠心分離が実施されることができる回転速度で、またはその近傍で遠心分離機は回転している、請求項49に記載の方法。
  52. サンプル管が挿入されている、および取り除かれているとき、カルーセルは回転している、請求項49に記載の方法。
  53. 遠心分離機内の不平衡により発生させられたベクトルが、一定の大きさおよび方向を有し、前記不平衡ベクトルは、少なくとも1つの平衡ウェイトによって相殺される、請求項49に記載の方法。
  54. 遠心分離機の不平衡に起因するベクトルが、振動センサにより検出され、計測される、請求項53に記載の方法。
  55. 少なくとも1つの平衡ウェイトが、外部平衡キャップおよび内部平衡キャップを備え、外部平衡キャップ、内部平衡キャップ、または外部平衡キャップと内部平衡キャップの両方が、不平衡ベクトルを相殺するような手法で動かされる、請求項53に記載の方法。
  56. 振動センサからデータを受信すると、中央処理装置により外部平衡キャップおよび内部平衡キャップへの信号が開始される、請求項55に記載の方法。
  57. 外部平衡キャップおよび内部平衡キャップの動きの量が、平衡アルゴリズムにより決定される、請求項55に記載の方法。
  58. 遠心分離機の不平衡に起因するベクトルを相殺するためのベクトルが、サンプル管と遠心分離機のカルーセルの軸との間の距離を修正することにより生成される、請求項49に記載の方法。
  59. 前記距離の修正が連続的である、請求項58に記載の方法。
  60. 第1のサンプル管が、遠心分離機内のサンプル管ホルダの中に挿入された後、次のサンプル管が、遠心分離機を平衡させるのに役立ち、かつ必要とされる平衡の大きさを低減するために、遠心分離機の対向する位置(180°)でサンプル管ホルダの中にロードされる、請求項49に記載の方法。
  61. 所与のサンプル管が遠心分離機の中に挿入された後に、遠心分離機全体のRCFベクトルが計算され、それにより、その結果得られるRCFベクトルを最小にするように、次のサンプル管の適切な位置が選択されることができる、請求項49に記載の方法。
  62. 任意の所与の時間に、サンプル管を受け取る、またはサンプル管を手放すために、遠心分離機内に1つのサンプル管ホルダだけが位置決めされることができる、請求項49に記載の方法。
  63. サンプル管を遠心分離機の中に挿入し、サンプル動作を遠心分離機から取り除くための動作は、無線インタフェースによってシステム内のその他のロボットコントローラと連係させられることができ、それにより、最適な処理量、結果までの最適な時間、および遠心分離機の動作を実施するための十分な時間を保証することができる、請求項49に記載の方法。
  64. サンプル管が、遠心分離機内のサンプル管ホルダの中に挿入された後、サンプル管は、カルーセルの中心から外側に動かされ、サンプル管が垂直線から角度45°に傾斜させられる半径方向位置で停止させられる、請求項49に記載の方法。
  65. 遠心分離機の回転速度(回転/分単位)が変わる間、遠心分離機の中心から各サンプル管までの距離が、遠心分離機を平衡させるために、またはサンプル管に対してRCFの値を一定に保守するために、動的に変えられることができる、請求項49に記載の方法。
  66. サンプル管のストッパ内にスリットを切るための刃であって、ストッパの伸長を制御し、かつストッパが形成される材料の効果的切断を促進するための先端角を有する、刃。
  67. 少量の残留した洗浄緩衝液を保持するための溝を装備する、請求項66に記載の刃。
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