JP2014516934A - 共沸蒸留により可能になるニトロ化選択の柔軟性のための装置と方法 - Google Patents

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Abstract

酢酸アルキルを共留剤として使用して、少なくとも1種の有機酸を濃縮するための方法と装置が開示される。この方法と装置は、同じ酢酸アルキルを共留剤として使用して、有機酸の混合物を濃縮する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月18日に出願されたインド仮特許出願第1329/CHE/2011号(これは、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
本発明は、高圧ニトロ化法における共沸蒸留に関する。さらに詳しくは本発明は、有機酸流が2種以上の有機酸を含む時、ニトロアルカン合成中に産生される有機酸流からの水の共沸除去のための方法と装置とに関する。
高圧ニトロ化法において、炭化水素(例えばプロパン)や有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、及び/又は酪酸)は、硝酸水溶液と反応して、ニトロメタン、1−ニトロプロパン、及び2−ニトロプロパンのような生成物を与える。さらにこの方法は、多量の水と少量の有機酸を産生する。反応器に供給される有機酸の多くは、反応器中の1回の通過では変換されない。すなわち、有機酸を反応器にリサイクルするためには、多くの水を除去する必要がある。酢酸と水の相対揮発性は小さいため、従来の蒸留法はエネルギー消費性でありコストが高い。さらに、従来の蒸留法が使用されると、プロピオン酸とn−酪酸は水と低沸点共沸混合物を形成し、蒸留オーバーヘッドで不可避な酸の喪失を引き起こす。さらに、2種以上の有機酸を反応器にリサイクルして戻すことが必要な場合がある。従って、多種類の有機酸を含む有機酸流から水を除去するための経済的でエネルギー効率の良い方法に対するニーズが存在する。
ある形態において例示態様は、炭化水素原料を水性原料と反応器中で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成し;生成物流を処理して、第1の上部流と第1の底部流とを生成することを含む方法を提供し、ここで第1の上部流はニトロアルカンを含み、第1の底部流は少なくとも第1の有機酸と水とを含む。この方法はさらに、第1の底部流を共沸蒸留塔に供給し;共沸蒸留塔中で酢酸アルキルを共留剤として使用して、第1の底部流を少なくとも第2の上部流と第2の底部流とに分離し(ここで、第2の上部流は酢酸アルキルと水を含み、第2の底部流は第1の有機酸を含む);相分離器中で第2の上部流を有機相と水相とに分離し(ここで、有機相は酢酸アルキルを含む);そして、有機相の少なくとも一部を共沸蒸留塔に戻す、ことを含む。
別の形態において例示態様は、炭化水素原料を水性原料と反応器中で高圧ニトロ化法で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成し(ここで、水性原料は、水、硝酸、少なくとも第1の有機酸、及び少なくとも第2の有機酸を含む);生成物流を処理して、第1の上部流と第1の底部流とを生成する(ここで、第1の上部流はニトロアルカンを含み、第1の底部流は第1の有機酸、第2の有機酸、及び水を含む)ことを含む方法を提供する。この方法はさらに、第1の底部流を共沸蒸留塔に供給し;共沸蒸留塔中で酢酸アルキルを共留剤として使用して、第1の底部流を少なくとも第2の上部流と第2の底部流とに分離し(ここで、第2の上部流は酢酸アルキルと水を含み、第2の底部流は、第1の有機酸と第2の有機酸を含む);相分離器中の第2の上部流を有機相と水相とに分離し(有機相は酢酸アルキルを含む);そして、有機相の少なくとも一部は共沸蒸留塔に戻される、ことを含む。
別の形態において例示態様は、炭化水素原料を水性原料と高圧ニトロ化法で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成するための反応器(ここで、水性原料は、水、硝酸、少なくとも第1の有機酸、及び少なくとも第2の有機酸を含む)と;生成物流を脱気して液体流を生成するための少なくとも1つの脱気装置と;及び、液体流を第1の上部流と第1の底部流とに分離するための少なくとも1つのストリッピング装置(ここで、第1の上部流はニトロアルカンを含み、第1の底部流は第1の有機酸、第2の有機酸、及び水を含む)とを含む装置を、提供する。この装置はさらに、酢酸アルキルを共留剤として使用して、第1の底部流を第2の上部流と第2の底部流とに分離するように構成された共沸蒸留塔(ここで、第2の上部流は酢酸アルキルと水とを含み、第2の底部流は第1の有機酸と第2の有機酸とを含む)と;及び、第2の上部流を有機相と水相とに分離するように構成された相分離器(有機相は酢酸アルキルを含む)とを含む。
上記要約は例示のみであり、決して限定することを意図するものではない。上記の例示形態、態様及び特徴以外に、さらなる形態、態様、及び特徴が、図面と以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
例示態様に従って、有機酸溶液から水を除去するための装置の略図である。 例示態様に従って、ニトロアルカンを製造するための、及び有機酸溶液から水を除去するための装置の略図である。 実施例7のために使用される蒸留塔の略図である。 温度プローブの位置を示す、実施例7のために使用される蒸留塔の略図である。 実施例7のための温度プロフィールのグラフである。
ある形態において、有機酸水溶液から水を除去するために、共沸蒸留塔で酢酸アルキルを共留剤として使用するための方法が提供される。図1は、有機酸水溶液から水を除去するための装置100を例示する。第1の水相101は、第1の調節弁103で有機相102と組合せて、原料流104を生成することができる。第1の水相101は、水と少なくとも1種の有機酸とを含んでよい。有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、別のカルボン酸、又はこれらの任意の組合せでもよい。好適な態様において第1の水相101は、少なくとも2種の異なる有機酸を含む。例えば、第1の水相101は、酢酸とプロピオン酸又はプロピオン酸と酪酸とを含んでよい。別の好適な態様において第1の水相101は、少なくとも3種の異なる有機酸を含む。例えば第1の水相101は、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸を含んでよい。有機相102は、少なくとも1種の酢酸アルキルを含んでよい。酢酸アルキルは、例えば酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、又は酢酸イソブチルでもよい。
原料流104は、共沸蒸留塔105に供給される。別の態様において第1の水相101と有機相102は、共沸蒸留塔105に直接供給されてもよい。共沸蒸留塔105は、例えば不均一共沸蒸留(HAD)塔(酸乾燥塔(ADC))でもよい。共沸蒸留塔105は、コンデンサー106とリボイラー107とを含んでよい。
共沸蒸留塔105において、酢酸アルキルは共留剤として使用され、従って原料流104は少なくとも上部流108と底部流109とに分離される。底部流109は、酢酸アルキルと水とを含んでよい。底部流109は少なくとも1種の有機酸を含んでよい。底部流109中の有機酸の濃度は、約70重量%又はそれ以上、さらに好ましくは約80重量%又はそれ以上、最も好ましくは約85重量%又はそれ以上でもよい。さらに、底部流109中の有機酸の濃度は、約98重量%又はそれ以下、さらに好ましくは約95重量%又はそれ以下、最も好ましくは約90重量%又はそれ以下でもよい。
上部流108は、相分離器110に入ることができる。相分離器110はデカンダーでもよい。相分離器110は、上部流108をガス相111、有機相112、第2の水相113とに分離することができる。有機相112の少なくとも一部は、有機相102として第2の調節弁114を通過し、これは蒸留塔104又は第1の調節弁103に戻してもよい。第2の水相113はデバイダ115中で、リサイクルされる水相116と廃棄される水相117とに分割される。リサイクルされる水相116は共沸蒸留塔105に戻されても良い。リサイクルされる水相116として共沸蒸留塔105に戻される第2の水相113の割合は、約40%又はそれ以上、さらに好ましくは約44%又はそれ以上、最も好ましくは約45%又はそれ以上でもよい。さらにリサイクルされる水相116として共沸蒸留塔105に戻される第2の水相113の割合は、約60%またはそれ以下、さらに好ましくは約54%またはそれ以下、最も好ましくは約47%またはそれ以下でもよい。
追加の共留剤は、共留剤補給流118を介して相分離器110に加えてもよい。追加の共留剤の量は、底部流109及び/又は廃棄される水相117で失われる量の共留剤を、バランスを取るために加えてもよい。
図2は、有機酸水溶液から水を除去するための装置200を例示し、ここで有機酸溶液は、高圧ニトロ化法の副産物である。高圧ニトロ化法は、混合相反応器システム(液相と蒸気相の両方を含む)を使用する。高い操作圧力の使用は、反応器中で明確な液相を与える。炭化水素原料201と水性原料202とは、反応器203に導入することができる。炭化水素原料201は、特に限定されないが、プロパン、シクロヘキサン、イソブタン、又はn−オクタンを含んでよい。水性原料202は、特に限定されないが、水、硝酸、及び少なくとも1種の有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、別のカルボン酸、又はこれらの混合物)を含んでよい。好適な態様において、水性原料201は少なくとも2種の異なる有機酸を含む。例えば水性原料201は、酢酸とプロピオン酸、又はプロピオン酸と酪酸を含んでよい。他の好適な態様において、水性原料201は、少なくとも3種の異なる有機酸を含む。例えば水性原料201は、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸を含んでよい。
炭化水素原料201と水性原料202は、反応器203中で反応器圧と反応器温度で反応してもよく、従ってニトロ化化合物と副産物とを含む反応生成物流204が形成される。反応生成物流204は、少なくとも1種の生成物ニトロアルカンを含んでよい。例えば、炭化水素原料201がプロパンを含む時、反応生成物流204は1種以上のニトロプロパン(特に限定されないが、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、及び/又は2,2−ジニトロプロパンを含む)を含んでよい。炭化水素原料201がシクロヘキサンを含む時、反応生成物流204は、ニトロシクロヘキサンを含んでよい。炭化水素原料201がイソブタンを含む時、反応生成物流204は、tert−ニトロブタンを含んでよい。炭化水素原料201がn−オクタンを含む時、反応生成物流はニトロ−n−オクタンを含んでよい。
炭化水素原料201と硝酸水溶液202は、反応器203に入る前に、混合されるか又は部分的に混合され、あるいは、これらは個々に添加されて、反応器203中で混合が起きる。さらに炭化水素原料201と硝酸水溶液202(一緒に又は個々に加えても)は、反応器203に入る前にプレ加熱されてよい。
水性原料202中の硝酸水溶液は、少なくとも約10重量%、さらに好ましくは少なくとも約15重量%、最も好ましくは少なくとも約20重量%の酸を含有する水溶液の形で、反応器203に送られることができる。さらにこの溶液は、約50重量%未満、さらに好ましくは約40重量%未満、最も好ましくは約35重量%未満の酸を含んでよい。他の態様において硝酸溶液は、約15〜約40重量%の酸を含んでよい。さらなる態様において硝酸溶液は、約18〜約35重量%の酸を含んでよい。
水性原料202中の有機酸は、少なくとも約15重量%、さらに好ましくは少なくとも約40重量%の有機酸を含む水溶液の形で、反応器203に送ることができる。
炭化水素原料201と水性原料202とのモル比は、少なくとも約0.3:1、さらに好ましくは少なくとも約0.5:1でもよい。
高圧ニトロ化法では、反応器圧は、少なくとも約3.4×106 パスカル(500psi)、さらに好ましくは約6.8×106 パスカル(1000psi)、最も好ましくは約8.3×106 パスカル(1200psi)でもよい。ある態様において圧力は、約11.0×106 パスカル(1600psi)またはそれ以下、さらに好ましくは約10.3×106 パスカル(1500psi)またはそれ以下、最も好ましくは約9.7×106 パスカル(1400psi)またはそれ以下でもよい。別の態様において圧力は、約6.8×106 パスカル(1000psi)及び9.7×106 パスカル(1400psi)でもよい。例えば背圧レギュレータの使用を含む、当該分野で公知の種々の方法が、圧力を所望の範囲内に維持するために使用できる。
反応器203内の反応温度は、少なくとも約140摂氏度かつ約325摂氏度未満に調節される(例えば、熱交換液を用いて、又は反応から生成された熱を使用して)。他の態様において温度は、少なくとも約215摂氏度かつ約325摂氏度未満でもよい。一部の態様において温度は、少なくとも約180度、少なくとも約200度、少なくとも約230度、又は少なくとも約240度でもよい。他の態様において温度は、約290度未満、約280度未満、約270度未満、又は約250度未満でもよい。さらなる態様において温度は、約200〜250摂氏度でもよい。さらなる態様において、温度は、約215〜250摂氏度、又は約220〜270摂氏度でもよい。
反応器203中の反応物の滞留時間は、好ましくは少なくとも約30秒、さらに好ましくは少なくとも約90秒でもよい。滞留時間は、例えば反応器の長さ及び/又は幅、又は充填材料の使用を含む種々の方法で制御される。滞留時間は、反応器の容積を入り口流速で割ることにより決定できる。
反応器203は、下降流構成反応器でもよい。すなわち、好ましくは細長い直線形状(例えば管状)の反応器が配置され、従って反応物は、反応器の上部又はその近くの入り口を介して添加され、次に反応が起き所望の生成物が形成されるのに充分な滞留時間だけ、反応器中を流れる。生成物混合物は、反応器の底の又はその近くの出口を介して回収される。
下降流構成の反応器の操作は、先行技術のシステム(これは一般に、水平で上向流の、コイル状又はバッチオートクレーブ型の装置である)に対していくつかの利点を与える。特に本発明の下降流構成は、このような先行技術のシステムと比較して、比較的低レベルの酸化副産物を含むニトロ化化合物を与える。
理論に拘束されるつもりはないが、下降流反応器の利点は、主に液相の反応器内での量と滞留時間を最小にできる能力に由来すると考えられる。液相は一般に、低モル比の炭化水素対硝酸を含む。この低モル比は、ニトロ化を犠牲にして酸化を促進し、従って主に液相中で起きる。下降流反応器(トリクルベッド反応器とも呼ばれる)では、ガスが連続相であり、液体は反応器の壁又はパッキンに沿ってしたたり落ちる。従って下降流構成反応器中の液相の量は低レベルで維持され、従って酸化化学が最小になる。
これに対して、上向流反応器(気泡塔とも呼ばれる)では、液体が連続相である(そして、連続液相中を泡が急速に上昇する)。すなわち上向流反応器は、液体の保持を最大にする。上記したように、酸化は主に液相中で起きるため、上向流反応器は酸化副産物の生成を最大にする。同様に、コイル型の水平医反応器構成はまた、液体の滞留時間を増加させ、従って下降流反応器と比較して酸化化学を上昇させる。コイル型反応器のさらなる欠点は、この形で大規模な反応器を作成することが困難なため、工業的スケールの製造に適していないことである。
反応器203はまた、反応物の混合と熱移動を改善し、及び/又は反応器容積を変化させるために充填材料を充填してもよい。反応器の充填は、例えばプロパンニトロ化システムで行うことが好適であり、ここでは、反応生成物流中の2,2−ジニトロプロパンの濃度を上げることが望ましい。適切な充填材料には、例えばガラスビーズ、ランダム充填、又は構造化充填(例えば、蒸留装置で典型的に使用されるもの)がある。他の充填材料が当該分野で公知であり、使用されている。反応器203はまた、非充填反応器でもよい。
反応生成物流204は、次に第1の脱気装置205に入ることができる。第1の脱気装置205は、反応生成物流204を、第1のガス相206と第1の液相207とに分離することができる。第1のガス相206は、吸収器208に送ることができる。吸収器208は、第1のガス相206中でニトロアルカンを吸収するために、リサイクルされる水流209を使用してもよく、こうして、第2のガス相210と第2の液相211とが形成される。例示態様において、リサイクルされる水流209中のリサイクルされる水は、下流のニトロアルカン回収プロセスからリサイクルしてもよい。
第2の液相211は、少なくとも1種の生成物ニトロアルカンを回収するために、第1のストリッピング装置212に送られてもよい。第1のストリッピング装置212は、第1のコンデンサー213と第1のリボイラー214を含んでよい。第1のストリッピング装置212は、第2の液相211から脂溶性成分を除去し、従って第2のガス相215、第1の油相216、及び第1の水相217が形成される。第1の油相216は、第1の分離器218に送られてもよい。第1の分離器218は、例えば通常の蒸留塔でもよい。第1の分離器218は、第1の油相216を、少なくともの第2の油相219と第2の水相220とに分離することができる。第2の油相219は、少なくとも1種の生成物ニトロアルカンを含んでよい。
第1の脱気装置205からの第1の液相207は、次に第2の脱気装置221に入ることができる。第2の脱気装置221は、第1の液相207を第3のガス相222と第3の液相223とに分離することができる。ある例示態様において高濃度の酢酸は、ニトロアルカン生成物を同時可溶化するため、油相と水相とではなく、単一の液相223は生じる。液相223は、少なくとも1種の生成物ニトロアルカンと少なくとも1種の有機酸とを含んでよい。
液相223は次に、第2のストリッピング装置224に送られる。第2のストリッピング装置224は、第2のコンデンサーと第2のリボイラー226とを含んでよい。第2のストリッピング装置224は、第3の液相223から脂溶性成分を除去し、従って第4のガス相227と、第3の油相228と、及び第3の水相229とが形成される。第3の油相228は第2の分離器230に送られる。第2の分離器230は、例えば第3の油相228を少なくとも第4の油相231と第4の水相232とに分離してもよい。第3の油相231は、少なくとも1種の生成物ニトロアルカンを含んでよい。
第3の水相229は、水と少なくとも1種の有機酸とを含んでよい。有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、別のカルボン酸、又はこれらの任意の組合せでもよい。好適な態様において、第3の水相229は少なくとも2種の有機酸を含む。別の好適な態様において、第3の水相229は、少なくとも3種の異なる有機酸を含む。第3の水相229は、第1の調節弁234で有機相233と組合わされて、原料流235を形成する。有機相233は、少なくとも1種の酢酸アルキルを含んでよい。酢酸アルキルは、例えば酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、又は酢酸イソブチルでもよい。
原料流235は、蒸留塔236(例えば、不均一共沸蒸留塔)に送られる。不均一共沸蒸留塔は、相対揮発度が近い混合物を分離するために、及び共沸混合物を分離するために、使用することができる。蒸留塔236は、第3のコンデンサー237と第3のリボイラー238とを含んでよい。蒸留塔236では、酢酸アルキルは共留剤として使用でき、従って原料流235は、少なくとも上部流239と底部流240とに分離される。上部流239は、酢酸アルキルと水とを含んでよい。底部流240は有機酸を含んでよい。底部流240中の有機酸の濃度は、約70重量%又はそれ以上、さらに好ましくは約80重量%又はそれ以上、最も好ましくは約85重量%又はそれ以上でもよい。さらに底部流240中の有機酸の濃度は、約98重量%またはそれ以下、さらに好ましくは約95重量%またはそれ以下、最も好ましくは約90重量%またはそれ以下でもよい。底部流240は、炭化水素原料201中の有機酸希釈剤として反応器203に戻すことができる。別の態様において底部流240は、他の目的、例えば他のプロセスで使用することができる。
上部流239は、相分離器241に入ることができる。相分離器241はデカンターでもよい。相分離器241は、上部流229を第5のガス相242、有機相243、及び第4の水相244とに分離することができる。有機相244の少なくとも一部は、有機相233として第2の調節弁245中を通過することができ、これは蒸留塔236又は第1の調節弁234に戻してもよい。第4の水相244は、分割器246中で、リサイクルされる水相247と廃棄される水相248とに分割される。リサイクルされる水相247は、蒸留塔236に戻される。リサイクルされる水相247として蒸留塔236に戻される第4の水相244の割合は、約40%又はそれ以上、さらに好ましくは約44%又はそれ以上、最も好ましくは約45%又はそれ以上でもよい。さらに、リサイクルされる水相247として蒸留塔236に戻される第4の水相244の割合は、約60%またはそれ以下、さらに好ましくは約54%またはそれ以下、最も好ましくは約47%またはそれ以下でもよい。
追加の共留剤は、共留剤補給流249として相分離器241に添加してもよい。追加の共留剤の量は、底部流240及び/又は廃棄される水相248で失われる量の共留剤のバランスを取るために加えてもよい。
種々の例が示される。実施例1〜6は、工学デザイン計算のための測定された物性値のデータベースを使用するASPENコンピューター支援プロセスシミュレーションソフトウェア(Aspen Technology,Incorporated,Burlington,Massachusetts)を使用して作成される。
シミュレーション
実施例1〜6は、ASPENコンピューター支援プロセスシミュレーションソフトウェアを使用して作成される。プロパン、硝酸、及び有機酸が反応器中で反応して、ニトロアルカン類(ニトロメタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、2,2−ジニトロプロパン、ニトロエタン)と酸化副産物(酢酸、プロピオン酸、酪酸)とを含む生成物流を生成する。生成物流はまた、排ガス(例えば、亜酸化窒素、酸化窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、未変換のプロパン)と水を含む。
生成物流は、2個の連続脱気装置中で脱気される。第1の脱気装置からのガス流は、次に吸収器中で分離され(リサイクルされた水、例えば下流のニトロアルカン回収プロセス中の工程からの水を用いてこすり洗いされる)、従ってガス相と水相とが形成される。吸収器からの水相は、第1のストリッピング装置に送られ、ここで少量の回収ニトロパラフィンが除去される。第2の脱気装置からの水相と第1のストリッピング装置からの水相は、第2のストリッピング装置に送られる。ここで、ニトロアルカン類は水相から除去され、従ってストリッピング装置からの底は、水と溶解有機酸とを含む。第2のストリッピング装置からの底は、強い約60重量%の有機酸を含み、これは典型的には約90重量%の有機酸に濃縮され、次に有機酸希釈剤として反応器にリサイクルされる。
以下の表1は、共留剤として使用される種々の酢酸アルキル類の共沸組成物を示す。共留剤と原料との比は、共沸組成物中の水の質量%に反比例する。すなわち、酢酸アルキル類の中で、必要な共留剤の量は、炭素鎖の長さが上昇すると低下する。
Figure 2014516934
酢酸イソプロピルを使用して酢酸を濃縮するための不均一共沸蒸留スキーム
この例は、共留剤としての酢酸イソプロピルの使用を示す。不均一共沸蒸留塔(HAD)は、酢酸イソプロピル/水共沸混合物をオーバーヘッドとして得ながら、塔の底での酢酸生成物の所望の純度を得るために設計される。凝縮されデカントされると、オーバーヘッド流は2つの液相(有機相と水相)を生成する。有機相は、おもに酢酸イソプロピルを含み、水相は主に水を含む(酸不含水性流(AFAS))。全有機相はHAD塔に還流されて戻され、共留剤として作用する充分量の酢酸イソプロピルを与える。これは次に原料と混合され、HAD塔に同時供給される。水相は、さらなる処理又は廃棄のために、システムから取り出される。有機フラックスが塔の規格を満たさない場合は、水相の一部は塔に還流して戻される。
HAD塔の設計基準は、以下の表2に示される。
Figure 2014516934
HAD塔は、40平衡段階からなり、ここで60重量%の水性酢酸流(第2のストリッパーの底から)が、上から7段目に供給される。HAD塔からのオーバーヘッドは凝縮され、次に相は分離されて、有機相と水相とを与える。全有機相と水相の10%は、HADの上部に還流して戻される。塔は、底の酢酸の98%回収の設計規格で運転される。表3は、共留剤が酢酸イソプロピルの場合のHAD塔の流入/流出流の詳細を示す。
Figure 2014516934
酢酸n−ブチルを使用して酢酸を濃縮するための不均一共沸蒸留スキーム
この例は、共留剤としての酢酸n−ブチルの使用を示す。HAD塔は、酢酸n−ブチル/水共沸混合物をオーバーヘッドとして得ながら、塔の底で所望の純度の酢酸生成物を得るように設計される。凝縮されデカントされると、オーバーヘッド流は2つの液相(有機相と水相)を生成する。有機相はおもに酢酸n−ブチルを含み、水相は主に水を含む(酸不含水性流(AFAS))。全有機相はHAD塔に還流されて戻され、共留剤として作用する充分量の酢酸n−ブチルを与える。これは次に原料と混合され、HAD塔に同時供給される。水相は、さらなる処理又は廃棄のために、システムから取り出される。有機フラックスが塔の規格を満たさない場合は、水相の一部は塔に還流して戻される。
HAD塔は、40平衡段階からなり、ここで60重量%の水性酢酸流(第2のストリッパーの底から)が、上から4段目に供給される。HAD塔からのオーバーヘッドは凝縮され、次に相は分離されて、有機相と水相とを与える。全有機相と20%の水相は、HADの上部に還流して戻される。表4は、共留剤が酢酸n−ブチルの場合のHAD塔の流入/流出流の詳細を示す。
Figure 2014516934
酢酸イソブチルを使用して酢酸を濃縮するための不均一共沸蒸留スキーム
この例は、共留剤としての酢酸イソブチルの使用を示す。HAD塔は、酢酸イソブチル/水共沸混合物をオーバーヘッドとして得ながら、塔の底での所望の純度の酢酸生成物を得るために設計される。凝縮されデカントされるとオーバーヘッド流は、2つの液相(有機相と水相)を生成する。有機相は、おもに酢酸イソブチルを含み、水相は主に水を含む(酸不含水性流(AFAS))。全有機相はHAD塔に還流されて戻され、共留剤として作用する充分量の酢酸イソブチルを与える。これは次に原料と混合され、HAD塔に同時供給される。水相は、さらなる処理又は廃棄のために、システムから取り出される。有機フラックスが塔の規格を満たさない場合は、水相の一部は塔に還流して戻される。
HAD塔は、40平衡段階からなり、ここで60重量%の水性酢酸流(第2のストリッパーの底から)が、上から16段目に供給される。HAD塔からのオーバーヘッドは凝縮され、次に相は分離されて、有機相と水相とを与える。全有機相と4%の水相は、HADの上部に還流して戻される。表5は、共留剤が酢酸イソブチルの場合のHAD塔の流入/流出流の詳細を示す。
Figure 2014516934
以下の表6は、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、及び酢酸イソブチルを使用する、HAD塔の設計パラメータを比較する。共留剤対原料の比は、酢酸イソブチル及び酢酸n−ブチル(それぞれ、16重量%と27重量%)と比較して、共沸組成物中の水含量(10重量%)が低いために、酢酸イソプロピルの場合に最大である。酢酸n−ブチルの場合に必要なリボイラー効率は最小であるが、AFAS流中の酢酸の減少は、3つの候補共留剤中で最大である。また反応器に戻される酢酸n−ブチルの減少は、不要な副産物の生成を招くことがあり、これは最終生成物を汚染することがある(これは、酢酸イソブチルではおきない)。
Figure 2014516934
酢酸イソブチルを使用して酢酸、プロピオン酸、酪酸を含む水性混合酸流を濃縮するための不均一共沸蒸留スキーム
この例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸を含む水性混合酸原料流を濃縮するための、共留剤としての酢酸イソブチルの使用を例示する。HAD塔の設計基準を以下の表7に示す。
Figure 2014516934
以下の表8は、混合酸原料の共留剤が酢酸イソブチルの場合のHAD塔の流入/流出流の詳細を示す。
Figure 2014516934
以下の表9は酢酸イソブチルを使用して、混合酸原料を濃縮するためのHAD塔の設計パラメータを示す。HAD塔で共留剤として酢酸イソブチルを使用して、全体の酸回収率約99.5%が達成される。
Figure 2014516934
酢酸イソブチルを使用して、50重量%の酢酸と50重量%のプロピオン酸とを含む水性混合酸流を濃縮するための不均一共沸蒸留スキーム
この例は、50:50(重量%)比の酢酸とプロピオン酸を含む水性混合酸原料流を濃縮するための、共留剤としての酢酸イソブチルの使用を例示する。HAD塔の設計基準は以下の表10に示される。
Figure 2014516934
以下の表11は、混合酸原料(酢酸:プロピオン酸)の共留剤が酢酸イソブチルの場合のHAD塔の流入/流出流の詳細を示す。
Figure 2014516934
以下の表12は、酢酸イソブチルを使用して、混合酸原料(酢酸:プロピオン酸)を濃縮するためのHAD塔の設計パラメータを示す。HAD塔で共留剤として酢酸イソブチルを使用して、全体の酸回収率約99.6%が達成される。
Figure 2014516934
酢酸イソブチルを使用して50重量%のプロピオン酸と50重量%のn−酪酸とを含む水性混合酸流を濃縮するための不均一共沸蒸留スキーム
この例は、50:50(重量%)比のプロピオン酸とn−酪酸とを含む水性混合酸原料流を濃縮するための、共留剤としての酢酸イソブチルの使用を例示する。HAD塔の設計基準は以下の表13に示される。
Figure 2014516934
以下の表14は、混合酸原料(プロピオン酸:n−酪酸)の共留剤が酢酸イソブチルの場合のHAD塔の流入/流出流の詳細を示す。
Figure 2014516934
以下の表15は、酢酸イソブチルを使用して混合酸原料(プロピオン酸:n−酪酸)流を濃縮するための、HAD塔の設計パラメータを示す。HAD塔で共留剤として酢酸イソブチルを使用して、全体の酸回収率約99.7%が達成される。
Figure 2014516934
実験例
共留剤としての酢酸イソブチルの使用は、実験的にも証明される。実施例7は、図3に示すように連続蒸留塔で完了される。この塔は、316リットルのステンレス鋼から構築される。塔の内径は6.36インチであり、高さは約24フィートである。充填剤は、1T INtalox(登録商標)構造化パッキンの5フィート3.3インチの4つの切片からなる。温度プロフィールは、図4に示すように、各充填セクションのほぼ真ん中に位置する温度プローブを使用して測定される。分配トレイは、液体の分配を維持するために、各充填セクション間に位置する。分配トレイはまた、原料位置を変更することを可能にする。塔には、リボイラーの周りのポンプが取り付けられている。熱は、2.8×106 パスカル(40psi)流を使用して供給される。オーバーヘッド生成物は、冷却水を使用して凝縮される。不均一共沸混合物から相を分離し、単一の相を還流するのに デカンターが利用できる。塔は、完全な真空(5mmHg)〜5.2×105 パスカル(75psi)までの圧力で運転することができる。共留剤として酢酸イソブチルの性能を試験するために、約60重量%の酢酸と40重量%の脱イオン水の原料混合物が調製される。
以下の表16は、底部流中でより多くの酢酸イソブチルが許容される場合の、オーバーヘッド流中の酢酸喪失を最小にする能力を示す。
Figure 2014516934
図5は、表16の実験中の温度プロフィールを示す。
本発明を、上記のようにその好適な態様に従って説明したが、これは本開示の精神と範囲内で変更することができる。すなわち本出願は、本明細書に開示した一般的原理に従って、本発明の任意の変更、用途、又は適合を包含することが意図される。さらに本出願は、本特許に関連する既知の又は一般的慣行内である本開示からの飛躍であるが、以下の特許請求の範囲の限界内である、ものを包含することを意図する。
本発明を、上記のようにその好適な態様に従って説明したが、これは本開示の精神と範囲内で変更することができる。すなわち本出願は、本明細書に開示した一般的原理に従って、本発明の任意の変更、用途、又は適合を包含することが意図される。さらに本出願は、本特許に関連する既知の又は一般的慣行内である本開示からの飛躍であるが、以下の特許請求の範囲の限界内である、ものを包含することを意図する。
以下に、本願発明に関連する発明の実施形態について列挙する。
[実施形態1]
炭化水素原料を水性原料と反応器中で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成し;
前記生成物流を処理して、第1の上部流と第1の底部流とを生成し、ここで前記第1の上部流はニトロアルカンを含み、前記第1の底部流は少なくとも第1の有機酸と水とを含み;
前記第1の底部流の少なくとも一部を共沸蒸留塔に供給し;
前記共沸蒸留塔中で酢酸アルキルを共留剤として使用して、前記第1の底部流を少なくとも第2の上部流と第2の底部流とに分離し、ここで、前記第2の上部流は前記酢酸アルキルと水を含み、前記第2の底部流は前記第1の有機酸を含み;
相分離器中で前記第2の上部流を有機相と水相とに分離し、ここで、前記有機相は前記酢酸アルキルを含み;そして、
前記有機相の少なくとも一部を前記共沸蒸留塔に戻す、ことを含む方法。
[実施形態2]
前記水性原料は、水、約10〜50重量%の硝酸、及び少なくとも約15重量%の前記第1の有機酸を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
前記水性原料は、少なくとも約40重量%の前記第1の有機酸を含む、実施形態1〜2のいずれか1項に記載の方法。
[実施形態4]
前記第1の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、実施形態1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[実施形態5]
前記第1の下部流は、少なくとも第2の有機酸をさらに含む、実施形態1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[実施形態6]
前記第2の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択され、かつ前記第2の有機酸は前記第1の有機酸とは異なる、実施形態5に記載の方法。
[実施形態7]
前記第1の底部流は、少なくとも第3の有機酸をさらに含む、実施形態5又は実施形態6に記載の方法。
[実施形態8]
前記第3の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択され、かつ前記第3の有機酸は、前記第1の有機酸及び前記第2の有機酸とは異なる、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]
前記第1の有機酸は、前記第1の底部流中より高濃度で前記第2の底部流中に存在する、実施形態1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[実施形態10]
前記第2の底部流の少なくとも一部を前記反応器に戻すことをさらに含む、実施形態1〜9のいずれか1項に記載の方法。
[実施形態11]
炭化水素原料を水性原料と反応器中で高圧ニトロ化法で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成し、ここで、前記水性原料は、水、硝酸、第1の有機酸、及び第2の有機酸を含み;
前記生成物流を処理して、第1の上部流と第1の底部流とを生成し、ここで、前記第1の上部流は前記ニトロアルカンを含み、前記第1の底部流は前記第1の有機酸、前記第2の有機酸、及び水を含み;
前記第1の底部流の少なくとも一部を共沸蒸留塔に供給し;
前記共沸蒸留塔中で酢酸アルキルを共留剤として使用して、前記第1の底部流を少なくとも第2の上部流と第2の底部流とに分離し、ここで、前記第2の上部流は前記酢酸アルキルと水を含み、前記第2の底部流は、前記第1の有機酸と前記第2の有機酸を含み;
相分離器中で前記第2の上部流を有機相と水相とに分離し、ここで、前記有機相は前記酢酸アルキルを含み;そして、
前記有機相の少なくとも一部を前記共沸蒸留塔に戻す、ことを含む方法。
[実施形態12]
前記第1の有機酸と前記第2の有機酸は、少なくとも約15重量%の前記水性原料を含む、実施形態11に記載の方法。
[実施形態13]
炭化水素原料を水性原料と高圧ニトロ化法で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成するための反応器(ここで、水性原料は、水、硝酸、第1の有機酸、及び第2の有機酸を含む)と;
前記生成物流を脱気して液体流を生成するための少なくとも1つの脱気装置と;
前記液体流を第1の上部流と第1の底部流とに分離するための少なくとも1つのストリッピング装置(ここで、前記第1の上部流は前記ニトロアルカンを含み、前記第1の底部流は前記第1の有機酸、前記第2の有機酸、及び水を含む)と;
酢酸アルキルを共留剤として使用して、前記第1の底部流を第2の上部流と第2の底部流とに分離するように構成された共沸蒸留塔(ここで、前記第2の上部流は前記酢酸アルキルと水とを含み、前記第2の底部流は前記第1の有機酸と前記第2の有機酸とを含む)と;
前記第2の上部流を有機相と水相とに分離するように構成された相分離器(前記有機相は前記酢酸アルキルを含む)と、を含む装置。
[実施形態14]
前記反応器は、前記第2の底部流の少なくとも一部を受けるように構成された、実施形態13に記載の装置。
[実施形態15]
前記共沸蒸留塔は、前記有機相の少なくとも一部を受けるように構成された、実施形態13又は実施形態14に記載の装置。

Claims (15)

  1. 炭化水素原料を水性原料と反応器中で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成し;
    前記生成物流を処理して、第1の上部流と第1の底部流とを生成し、ここで前記第1の上部流はニトロアルカンを含み、前記第1の底部流は少なくとも第1の有機酸と水とを含み;
    前記第1の底部流の少なくとも一部を共沸蒸留塔に供給し;
    前記共沸蒸留塔中で酢酸アルキルを共留剤として使用して、前記第1の底部流を少なくとも第2の上部流と第2の底部流とに分離し、ここで、前記第2の上部流は前記酢酸アルキルと水を含み、前記第2の底部流は前記第1の有機酸を含み;
    相分離器中で前記第2の上部流を有機相と水相とに分離し、ここで、前記有機相は前記酢酸アルキルを含み;そして、
    前記有機相の少なくとも一部を前記共沸蒸留塔に戻す、ことを含む方法。
  2. 前記水性原料は、水、約10〜50重量%の硝酸、及び少なくとも約15重量%の前記第1の有機酸を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水性原料は、少なくとも約40重量%の前記第1の有機酸を含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記第1の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1の下部流は、少なくとも第2の有機酸をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第2の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択され、かつ前記第2の有機酸は前記第1の有機酸とは異なる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1の底部流は、少なくとも第3の有機酸をさらに含む、請求項5又は請求項6に記載の方法。
  8. 前記第3の有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択され、かつ前記第3の有機酸は、前記第1の有機酸及び前記第2の有機酸とは異なる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1の有機酸は、前記第1の底部流中より高濃度で前記第2の底部流中に存在する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第2の底部流の少なくとも一部を前記反応器に戻すことをさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 炭化水素原料を水性原料と反応器中で高圧ニトロ化法で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成し、ここで、前記水性原料は、水、硝酸、第1の有機酸、及び第2の有機酸を含み;
    前記生成物流を処理して、第1の上部流と第1の底部流とを生成し、ここで、前記第1の上部流は前記ニトロアルカンを含み、前記第1の底部流は前記第1の有機酸、前記第2の有機酸、及び水を含み;
    前記第1の底部流の少なくとも一部を共沸蒸留塔に供給し;
    前記共沸蒸留塔中で酢酸アルキルを共留剤として使用して、前記第1の底部流を少なくとも第2の上部流と第2の底部流とに分離し、ここで、前記第2の上部流は前記酢酸アルキルと水を含み、前記第2の底部流は、前記第1の有機酸と前記第2の有機酸を含み;
    相分離器中で前記第2の上部流を有機相と水相とに分離し、ここで、前記有機相は前記酢酸アルキルを含み;そして、
    前記有機相の少なくとも一部を前記共沸蒸留塔に戻す、ことを含む方法。
  12. 前記第1の有機酸と前記第2の有機酸は、少なくとも約15重量%の前記水性原料を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 炭化水素原料を水性原料と高圧ニトロ化法で反応させて、ニトロアルカンと副産物とを含む生成物流を生成するための反応器(ここで、水性原料は、水、硝酸、第1の有機酸、及び第2の有機酸を含む)と;
    前記生成物流を脱気して液体流を生成するための少なくとも1つの脱気装置と;
    前記液体流を第1の上部流と第1の底部流とに分離するための少なくとも1つのストリッピング装置(ここで、前記第1の上部流は前記ニトロアルカンを含み、前記第1の底部流は前記第1の有機酸、前記第2の有機酸、及び水を含む)と;
    酢酸アルキルを共留剤として使用して、前記第1の底部流を第2の上部流と第2の底部流とに分離するように構成された共沸蒸留塔(ここで、前記第2の上部流は前記酢酸アルキルと水とを含み、前記第2の底部流は前記第1の有機酸と前記第2の有機酸とを含む)と;
    前記第2の上部流を有機相と水相とに分離するように構成された相分離器(前記有機相は前記酢酸アルキルを含む)と、を含む装置。
  14. 前記反応器は、前記第2の底部流の少なくとも一部を受けるように構成された、請求項13に記載の装置。
  15. 前記共沸蒸留塔は、前記有機相の少なくとも一部を受けるように構成された、請求項13又は請求項14に記載の装置。
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