JP2014511029A - コンデンサ用導電性コーティングおよびそれを用いたコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用導電性コーティングおよびそれを用いたコンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2014511029A
JP2014511029A JP2013554788A JP2013554788A JP2014511029A JP 2014511029 A JP2014511029 A JP 2014511029A JP 2013554788 A JP2013554788 A JP 2013554788A JP 2013554788 A JP2013554788 A JP 2013554788A JP 2014511029 A JP2014511029 A JP 2014511029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive coating
particles
solvent
silver
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013554788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014511029A5 (ja
Inventor
チェン・チャンジン
ワン・ミンハイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ablestik Shanghai Ltd
Original Assignee
Ablestik Shanghai Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ablestik Shanghai Ltd filed Critical Ablestik Shanghai Ltd
Priority claimed from PCT/CN2012/073137 external-priority patent/WO2012113354A1/en
Publication of JP2014511029A publication Critical patent/JP2014511029A/ja
Publication of JP2014511029A5 publication Critical patent/JP2014511029A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

本発明は、コンデンサ用導電性コーティングおよび前記導電性コーティングを用いたコンデンサを提供する。本発明の導電性コーティングには2種類のコーティング、すなわち、熱硬化性導電性コーティングおよび熱可塑性導電性コーティングが含まれる。本発明の熱硬化性導電性コーティングは、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、非金属銀めっき粒子および溶剤を含む。本発明の熱可塑性導電性コーティングは、熱可塑性樹脂、非金属銀めっき粒子および溶剤を含み、熱可塑性樹脂はフッ素ゴムである。

Description

本発明は、コンデンサ用導電性コーティングおよびそれを用いたコンデンサに関する。
現在、主流市場におけるコンデンサはアルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、およびセラミックコンデンサなどである。しかしながら、これらのコンデンサは、等価直列抵抗(ESRと略す)により大きなエネルギー損失が生じるという共通の問題を抱えている。
ESRが低い場合、エネルギー損失は小さくなり、出力電流は大きくなり、コンデンサの品質は改良される。ESRの低減に伴って特に以下の利点が生じる:(1)コンデンサの寄生抵抗要素に由来するノイズの直接的な減少;および(2)より高い振動数条件下に適するコンデンサの公称容量を与える。
高品質電子的要素への高まる需要に伴い、低ESRのコンデンサはコンデンサの最近の開発動向を示す。したがって、コンデンサのESRを効果的に低下させることは継続的な取り組みである。
コンデンサ素子の表面に導電性コーティングを塗布することによりコンデンサのESRを効果的に低下させ得ることが知られている。例えば、コンデンサの表面に導電性コーティングを塗布することにより、コンデンサのESRを80Ωから約0.1Ωに低下させることができる。
導電性コーティングに関して、商業的に入手し得るコンデンサ用導電性コーティングは、主に銀粉を含む導電性コーティングを含む。
銀粉(銀ペーストと称する)を含む導電性コーティングは、電解コンデンサのESRを低下させることができる。しかしながら、銀ペーストは高価であるため、その高いコストに起因して競合的でない。
銀めっき銅フィラーを導電性コーティングのコストを下げるために使用することができるが、めっき工程の制限により銅粉の表面は完全に銀で被覆されない。露出した銅は化学的に活性であり、容易に酸化され得るため、電気伝導性および熱伝導性の劇的な低下をもたらし、その実用的用途を制限する。
コンデンサ以外の技術分野において、非金属銀めっきフィラーに関する報告がある。例えば、CN1144847Cには、10〜50重量%の非金属銀めっき粉、5〜20重量%の熱可塑性アクリル樹脂および30〜85重量%のX−5アクリル系希釈剤を含む電磁遮蔽用のコーティングが記載されている。このコーティングは、物質に完全な金属部品の電磁遮蔽能と同じくらい良好な電磁遮蔽能を与えるために、電磁遮蔽性を有しないまたは電磁遮蔽性をほとんど有しない物質表面に導電性層を形成する。
CN101029212Aには、70〜90重量%のエポキシ樹脂、8〜12重量%の導電性物質、2〜5重量%の硬化剤、2〜10重量%の溶剤および他の添加剤を含み、導電性物質が銀封入ガラス、ミクロスフェアまたはセラミックミクロスフェアである、エポキシ樹脂に基づく異方性導電性接着剤が記載されている。この導電性接着剤は、電子的要素を結合するために使用される。
例えば、「preparation of an epoxy conductive anticorrosive coating in the electrolytic industry」(Electroplating and finishing、Vol.27、No.12、pp.49、2008)には、30重量%の変性エポキシ樹脂、70重量%の銀めっきガラス微粒子およびn−ブチルアルコール/キシレンの混合溶剤を含む導電性コーティングが記載されている。この導電性コーティングは、導電性金属物質の保護、特に電解工程において、湿潤および酸性環境下で使用する際腐食に対して一般的に使用される導電性ロッドの保護のために使用される。
しかしながら、非金属銀めっきフィラーを用いたコンデンサについて記載した文献はこれまでにない。コンデンサにおいて使用されるフィラーおよび前記用途において使用されるフィラーはいずれも同じ電子工業における導電性コーティングであったとしても、それらの調製物および製造方法は、異なる利用環境により互いに大きく異なる。
初期導電率および高温/湿潤安定性は、コンデンサ用導電性コーティングの重要な特性である。導電性コーティングの粘度は、別の重要な特徴であって、適用条件およびコーティング厚に直接影響を与える。先行技術において、コンデンサに適する導電性コーティングは存在しない。
中国特許第1144847号明細書 中国特許出願第101029212号明細書
したがって、優れた初期導電率および高温/湿潤安定性を有し、適当な粘度および高い費用効率を示すコンデンサ用導電性コーティングの開発が必要である。
先行技術に存在する問題を考慮して、本発明は新規のコンデンサ用導電性コーティングを提供する。
本発明の一態様によれば、5〜30重量%のエポキシ樹脂;0.5〜5重量%のエポキシ樹脂用硬化剤;20〜50重量%の非金属銀めっき粒子;および40〜70重量%の溶剤を含むコンデンサ用導電性コーティングが提供される。
また、本発明は、凝縮物の溶剤含量が前記導電性コーティングの溶剤含量より少ない前記導電性コーティングの凝縮物も提供する。
本発明の別の態様によれば、3〜20重量%の熱可塑性樹脂;20〜50重量%の非金属銀めっき粒子;および40〜70重量%の溶剤を含み、熱可塑性樹脂がフッ素ゴムであるコンデンサ用導電性コーティングが提供される。
また、本発明は、凝縮物の溶剤含量が前記導電性コーティングの溶剤含量より少ない前記導電性コーティングの凝縮物も提供する。
本発明において、非金属銀めっき粒子中の非金属物質は、ガラス、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭素繊維、アルミナおよびポリマー材料から選択される1種以上の物質である。
本発明の導電性コーティングから形成されるコーティング層は優れた導電特性を有するだけでなく、高温/湿潤環境下における高い安定性も示す。本発明の導電性コーティングは、作りやすく、すぐに使用でき、高い費用効果をもたらす。
さらに、本発明は、コンデンサの少なくとも一部の表面が導電性コーティング層により被覆されたコンデンサであって、この導電性コーティング層を本発明の導電性コーティングをコンデンサの表面に塗布した後、導電性コーティングを硬化および/または乾燥させることにより形成するコンデンサも提供する。
本発明の他の多くの特徴、態様および利点が下記記載、実施例および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
この開示において、他に明示しない限り、全ての科学的および技術的用語はこの分野の当業者に知られている意味と同じ意味を有する。矛盾が存在する場合は本発明の定義で解釈すべきである。
他に明示されない限り、本発明における全てのパーセンテージ、部および割合は重量に基づく。
全ての材料、方法および実施例は説明目的のために存在し、したがって、他に明確に特定されない限り、これらは本発明の限定として解釈されない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の明細書および/または特許請求の範囲において、用語「コンデンサ」は、一対の電極と電極間の誘電材料から構成される充電装置およびエネルギー貯蔵装置をいう。蓄電器とも呼ばれるコンデンサはサブ電気回路の主要素であり、これは種々の分野(例えば直流遮蔽、分断、バイパス、フィルタリング、同調回路、エネルギー変換および制御回路)で一般的に用いられている。
理想的なコンデンサ自身はいかなるエネルギーも損失しない。しかしながら、コンデンサを組み立てるために使用される材料は、通常、電気抵抗を有しており、コンデンサにおける絶縁誘電体の抵抗は決して無限ではないため漏洩電流を引き起こし、エネルギー損失は現実には生じる。すべてのこれらの損失はコンデンサから生じ、抵抗と理想的なコンデンサを含む直列回路として推測し得る。このように、ESRは回路で生じるコンデンサの抵抗値を説明するために用いられる。
電解コンデンサのESRを低コストで効果的に低下させるために、特に、本発明は新規のコンデンサ用導電性コーティングを提供する。
導電性コーティングは、その導電性メカニズムの観点から、付加型コーティングと構造型コーティングとに分けられる。付加型導電性コーティングは、導電性フィラーを非導電性樹脂に加えることにより調製され、一方、構造型導電性コーティング自体は、構造型導電性ポリマー化合物の導電性を利用する被膜形成物質として使用されるか、被膜を形成するために他のポリマーとの混合物において使用される。今のところ、付加型導電性コーティングが主流である。
<熱硬化性導電性コーティング>
本発明の実施態様によれば、5〜30重量%のエポキシ樹脂;0.5〜5重量%のエポキシ樹脂用硬化剤;20〜50重量%の非金属銀めっき粒子;および40〜70重量%の溶剤を含むコンデンサ用熱硬化性導電性コーティングが提供される。
この熱硬化性導電性コーティングは、良好な接着特性を示し、硬化のために比較的高い温度を必要とする。
本発明において、用語「エポキシ樹脂」は、一分子中に少なくとも1つのエポキシ基を含むポリマー化合物を意味する。
本発明における使用に適するエポキシ樹脂としては、芳香族ジグリシジルエポキシ樹脂または脂肪族エポキシ樹脂、例えばビスフェノール系若しくはノボラック系エポキシ樹脂が挙げられる。適当な例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール−ノボラック型エポキシ樹脂、および/またはクレゾール−ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の熱硬化性導電性コーティングにおいては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、例えばEpikote 1007(Resolution Europe B.V.から入手可能)を使用し得る。ビスフェノールF型エポキシ樹脂、例えば830CPR[大日本インキ化学工業(日本)製]も使用し得る。
エポキシ樹脂用硬化剤(硬化剤とも称する)は、エポキシ樹脂の硬化反応を促進または制御する物質若しくは材料である。エポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂と反応して立体網目形状のポリマーを生じる。本発明における使用に適する硬化剤としては、アミン系硬化剤またはイミダゾール系硬化剤、例えばトリヒドロキシエチルアミンが挙げられる。
本明細書で用いられる用語「非金属銀めっき粒子」は、非金属物質から形成された粒子が銀により覆われた/被覆された構造を意味する。
原則として、本発明の非金属銀めっき粒子に含まれる非金属物質は、導電性コーティングおよびコンデンサの作動環境において安定に存在できる限り特に制限されるものではない。例えば、ガラス、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭素繊維、アルミナおよびポリマー材料から選択される少なくとも1種の物質を使用し得る。
非金属粒子の表面は、従来の技術手段(例えば、塗布および浸漬など)により銀で封入される。
粒子の浮上や沈下により引き起こり得るコーティングの劣化および破損を防止するために、非金属銀めっき粒子の密度は導電性コーティングの全体密度と同じであることが好ましい。3〜5g/cmの密度を有する非金属銀めっき粒子が好ましい。
本発明で好適に使用する非金属銀めっき粒子は、5〜100μmの、より好ましくは10〜40μmの、最も好ましくは10〜20μmの平均粒子径を有する。
本明細書で使用する場合、用語「平均粒子径」は、50体積%の粒子が前記値より小さい直径を有する累積体積分布曲線のD50値を意味する。本発明において、平均粒子径またはD50値はレーザー回折法により、好ましくはMalvern Instruments社製のMalvern Mastersizer 2000を用いて測定される。この技術において、懸濁液若しくはエマルション中の粒子の大きさは、フラウンホーファーまたはミー理論のいずれかの応用に基づき、レーザー光線の回折を用いて測定される。本発明においては、ミー理論または非球状粒子に対する修正ミー理論を利用し、平均粒子径またはD50値は入射するレーザー光線に対して0.02〜135°での散乱計測に関する。測定に関して、アセトンなどの適当な液体中に粒子が分散した分散体を超音波処理により調製することがより好ましい。許容できる信号対ノイズ比にするために、分散体/懸濁液の粒子濃度を好ましくは6〜20%のオブスキュレーションが得られるように選択すべきである。
一般的に言えば、銀量の高い非金属銀めっき粒子が好ましく、高コストとなる。その一方で、めっき銀量が高すぎる場合、非金属銀めっき粒子は高すぎる密度のため硬化しやすい。種々の要因を考慮して、非金属銀めっき粒子中のめっき銀の好適な量は、非金属銀めっき粒子の総量に基づいて20〜60重量%である。銀めっきガラスについては35〜40重量%のめっき銀量が好ましいのに対して、銀めっき窒化ホウ素については45〜55重量%のめっき銀量が好ましい(各量は、非金属銀めっき粒子の総量に基づく)。
導電性コーティング中の他成分との親和性および材料の密度を考慮すると、本発明の導電性コーティングにおいては銀めっきガラス粒子または銀めっき窒化ホウ素粒子が好ましくは用いられる。
例えば、銀めっき窒化ホウ素粒子はTechnic Incから入手可能な銀めっき窒化ホウ素30−103であってよい。
銀めっきガラス粒子は、コスト面で銀めっき窒化ホウ素粒子より優れている。しかしながら、銀めっきガラス粒子を使用する場合、通常、導電性コーティング中に望ましくない金属イオンが導入される。したがって、金属イオン不純物に敏感な用途に対する導電性コーティングに、好ましくはイオン交換体を配合する。具体的なイオン交換体は、例えば、IXE 100(Toagosei Co., Ltdから入手可能)である。
本発明においては、エステル系溶剤および/またはエーテル系溶剤を好ましくは使用する。より好ましくは、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルまたはそれらの混合物を本発明に使用し、エチレングリコールブチルエーテルアセテートが特に好ましい溶剤である。
エポキシ樹脂は、本発明の導電性コーティングの5〜30重量%を構成する。
硬化剤の含量はエポキシ樹脂の種類により変わる。一般的に、エポキシ樹脂用硬化剤の量は0.5〜5重量%である。
非金属銀めっき粒子の含量は20〜50重量%である。
溶剤の量を選択する場合、導電性コーティングの安定性および粘度の両方を考慮すべきである。導電性コーティングに含まれる樹脂が熱硬化性樹脂である場合、コーティングの適切な粘度(25℃)は400mPa・s〜800mPa・sに及ぶ。それに応じて、本発明の熱硬化性導電性コーティングにおける溶剤の量は40〜70重量%である。
前記成分の含量または量は、本発明の導電性コーティングの総量に対する量である。
コーティング凝縮物(またはコーティングの準最終生成物)は一般的に商業的に入手可能である。コーティング凝縮物と導電性コーティングとの違いは、それらの溶剤含量である。導電性コーティングの最終生成物と比較して、コーティング凝縮物の溶剤含量は非常に少ない。これらのコーティング凝縮物は、本発明の別の態様である。
凝縮物を調製する場合、初期粘度の制御は重要である。理論上は、100000cps(5rpm)以下の粘度を有する生成物を本発明のコーティング凝縮物として用いることができる。コーティング凝縮物は、適当な本発明のコーティング組成物を調製するために適切に希釈される。熱可塑性導電性コーティングおよび熱硬化性導電性コーティングは粘度に対して異なる要件を有しており、それらの粘度は顧客の要求によっても変わる。凝縮物の粘度は、一般的に3000〜30000cps、好ましくは5000〜10000cpsで変化する。
前記粘度範囲に対応する本発明の熱硬化性導電性コーティングの凝縮物に含まれる各成分の含量は、例えば、エポキシ樹脂5〜40重量%、エポキシ樹脂用硬化剤0.5〜7.5重量%、非金属銀めっき粒子25〜65重量%および溶剤10〜40重量%である。
上述した主成分に加えて、例えば接着促進剤、分散剤、消泡剤およびチキソトロピー調整剤などの他の添加剤を本発明のコーティング組成物に添加し得る。活性官能基で末端化されたシロキサンに基づく接着促進剤(例えばSilane A−187、Z−6040など)を接着促進剤として使用することができる。有機ケイ素分散剤(例えばBYK W940およびBYK−333など)を分散剤として使用することができる。有機ケイ素分散剤(例えばModaflowおよびModaflow 2000:Cytec Surface Specialties Incから入手可能)を消泡剤として使用することができる。気相二酸化ケイ素(例えばTS720およびR202)をチキソトロピー調整剤として使用することができる。
本発明の導電性コーティングは、この分野の当業者に周知の方法にしたがって製造し得る。例えば、本発明の熱硬化性導電性コーティングを製造するために下記工程を採用し得る:はじめに、全溶剤量の40〜60%を構成する溶剤を、撹拌しながらエポキシ樹脂に加え、樹脂を完全に溶解させる;次いで、この溶液に非金属銀めっき粒子を添加し、溶液を0.5〜30分間撹拌する;最後に、溶剤の損失量を加え、この溶液を0.5〜30分間撹拌して導電性コーティングを得る。ここでの撹拌は好ましくは、500〜1500rpmの回転速度による機械的撹拌である。
本発明の熱硬化性導電性コーティングは、従来のコーティング方法、例えば浸漬被覆および噴霧被覆などにより、基材表面に塗布することができる。基材表面に塗布した後、導電性コーティングを適当な温度で乾燥および/または硬化させる。
熱硬化性導電性コーティングを乾燥および/または硬化させるための条件は下記のような条件であり得る:60〜150℃の一定温度を10〜120分間保持した後、160〜250℃の一定温度を10〜120分間維持する;典型的に、80℃の一定温度を30分間保持した後、200℃まで温度を上げ、1時間半この一定温度を保つ。
<熱可塑性導電性コーティング>
本発明の別の態様は、3〜20重量%の熱可塑性樹脂;20〜50重量%の非金属銀めっき粒子;および40〜70重量%の溶剤を含み、熱可塑性樹脂がフッ素ゴムである熱可塑性導電性コーティングである。
熱可塑性導電性コーティングを硬化する温度は低いため、熱可塑性導電性コーティングは、硬化温度に対する厳しい要件を有し、接着性に関しては厳しい要件の少ない用途に適している。今のところ、多くの導電性コーティングの硬化温度は150℃未満である必要があり、このためこの点において熱可塑性系は熱硬化性系より優れている。
本発明において、用語「熱可塑性樹脂」は加熱または溶融時には塑性状態で存在し、冷却時には再び硬化する樹脂を意味する。適当なフッ素ゴムとしては、フッ素ゴムエラストマーおよびフルオロエチレンモノマーのブロックコポリマーが挙げられる。適当なフッ素ゴムの例としては、Dyneonから入手可能なFC 2178またはFC 2017が挙げられる。
熱硬化性導電性コーティングの非金属銀めっき粒子に対する定義および実施態様が、熱可塑性導電性コーティングの非金属銀めっき粒子に準用されるものと理解されたい。
本発明の熱可塑性導電性コーティングに使用する溶剤に対して特に限定はなく、熱硬化性導電性コーティングにおける溶剤を熱可塑性導電性コーティングの溶剤として準用する。
本発明の熱可塑性導電性コーティングにおける熱可塑性樹脂の含量は、3〜20重量%である。
本発明の熱可塑性導電性コーティングにおいて使用する非金属銀めっき粒子の量は、20〜50重量%である。
上述したように、溶剤量を決定する場合には、導電性コーティングの安定性と粘度の両方を考慮すべきである。導電性コーティングの樹脂が熱可塑性樹脂である場合、コーティングの適切な粘度(25℃)は、1000mPa・s〜2000mPa・sに及ぶ。それに応じて、本発明の熱可塑性導電性コーティングにおける溶剤の量は40〜70重量%である。
前記成分の含量または量は、本発明の熱可塑性導電性コーティングの総量に対する量である。
理論上は、100000cps(5rpm)以下の粘度を有する生成物を本発明のコーティング凝縮物として用いることができる。コーティング凝縮物は、適当な本発明のコーティング組成物を調製するために適切に希釈される。
コーティング凝縮物の粘度は、通常、約10000cpsである。
前記粘度範囲に対応する本発明の熱可塑性導電性コーティングの凝縮物に含まれる各成分の含量は、例えば、10〜25重量%の熱可塑性樹脂;40〜65重量%の非金属銀めっき粒子;および10〜40重量%の溶剤である。
上述した主成分に加えて、例えば接着促進剤、分散剤、消泡剤およびチキソトロピー調整剤などの他の添加剤を本発明の熱可塑性導電性コーティング組成物に添加し得る。活性官能基で末端化されたシロキサンに基づく接着促進剤(例えばSilane A−187、Z−6040など)を接着促進剤として使用することができる。有機ケイ素分散剤(例えばBYK W940およびBYK−333など)を分散剤として使用することができる。アクリレート(例えばModaflowおよびModaflow 2000:Cytec Surface Specialties Incから入手可能)を消泡剤として使用することができる。気相二酸化ケイ素(例えばTS720およびR202)をチキソトロピー調整剤として使用することができる。
本発明の熱可塑性導電性コーティングは、この分野の当業者に周知の方法にしたがって製造し得る。例えば、本発明の熱可塑性導電性コーティングを製造するために下記工程を採用し得る:はじめに、全溶剤量の50〜80%を構成する溶剤を、撹拌しながら熱可塑性樹脂に加え、樹脂を完全に溶解させる;次いで、この溶液に非金属銀めっき粒子を添加し、溶液を0.5〜30分間撹拌する;最後に、溶剤の損失量を加え、この溶液を0.5〜30分間撹拌して導電性コーティングを得る。ここでの撹拌は好ましくは、500〜1500rpmの回転速度による機械的撹拌である。
本発明の熱可塑性導電性コーティングは、従来のコーティング方法、例えば浸漬被覆および噴霧被覆などにより、基材表面に塗布することができる。基材表面に塗布した後、導電性コーティングを適当な温度で乾燥および/または硬化させる。
熱可塑性導電性コーティングを乾燥および/または硬化させるための条件は下記のような条件であり得る:80〜200℃の一定温度を10〜120分間保持する、典型的には、150℃の一定温度を60分間保持する。
本発明の非金属銀めっき粒子の体積抵抗率は、銀粉の体積抵抗率に近似している。本発明の非金属銀めっき粒子は、前記粒子の表面上に被覆した銀コーティングを有するだけであるため、従来の銀粉と比較して本発明のコストは非常に低い。さらに、本発明の非金属銀めっき粒子の密度は導電性コーティングの全体密度と同じであり、このことが粒子の沈降を防止するためコーティングはより長い寿命を有する。
<コンデンサ>
様々な種類のコンデンサがあり、セラミックコンデンサ、アルミニウム電解コンデンサ、タルクコンデンサ、紙誘電性コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、およびフィルムコンデンサなどが一般的に用いられている。種々のコンデンサはそれらの構造において互いに区別されるが、これらのコンデンサは1つの特徴、すなわち、一対の電極間に挟まれた絶縁材料(誘電体)を有する点で共通している。
本発明の導電性コーティングは、導電性コーティング層を形成すべき任意のコンデンサ、特に高温/湿潤環境における安定性に対して比較的厳しい要件を有するコンデンサに使用することができる。本発明の導電性コーティングは、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサまたはニオブ電解コンデンサに特に適している。
例えば、タンタル電解コンデンサは、タンタル粉を圧縮し、焼結することにより得られる焼結体、焼結体上のタンタル酸化膜、二酸化マグネシウム層および二酸化マグネシウム上の導電性層を含む。導電性層は陰極の伝導性を促進するために使用され、これにより回路全体のESRを下げる。
本発明の導電性コーティングを、導電性層を形成するために使用することができる。本発明の導電性コーティングにより形成された導電性層は、優れた初期導電率および高温/湿潤安定性を示す。本発明の導電性コーティングは、一般的に使用される浸漬被覆工程に適合する適当な粘度を有する。
以下、本発明を実施例および具体的なデータを用いて説明する。実施例および具体的データは、本発明を実施するための態様およびその有利な効果を説明するために役立つものであって、本発明のいかなる限定も示すものではない。
<材料>
Epikote 1007:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、Resolution Europe B.V.より入手可能。
jER 828US:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジンより入手可能。
Silane A−187:グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、Momentive Performance Materialsより入手可能。
BYK W940:主成分として、不飽和ポリカーボネートおよび有機ケイ素コポリマーを含む、BYK USA Inc.より入手可能。
Modaflow:2−エチルアクリレートおよび2−エチルへキシル2−アクリレートのポリマー、Cytec Surface Specialties Inc.より入手可能。
TS720:気相二酸化ケイ素、CABOT Corporationより入手可能。
SG15F35:銀めっきガラスシート、35重量%の銀含量、平均粒子径:15μm、Potter Industries Inc.より入手可能。
SG05TF40:銀めっきガラスシート、40重量%の銀含量、平均粒子径:5μm、Potter Industries Inc.より入手可能。
30−103:銀めっき窒化ホウ素シート、53重量%の銀含量、平均粒子径:12μm、Technic Inc.より入手可能。
FC 2178:フッ素ゴム(フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー)、Dyneonより入手可能。
<試験方法>
導電性コーティングの有利な効果を実証するために、導電性試験、密度試験および高温/湿潤試験を含む一連の試験を行った。
<密度試験>
得られた導電性コーティングについて、業界標準ATM−0001に従う密度試験を行った。詳細は以下の通りである。
試験に使用した主な機器は密度計である。
蒸留水の質量(m1)を算出するために、はじめに、空の密度計の重量を測定し、次いで蒸留水で密度計を満たし再度重量を測定した。その後、サンプルの質量(m2)を得るために、密度計から水を除去し、試験するコーティングサンプルを密度計に充填した。最後に、コーティングサンプルの密度を、式D=m2/m1×1.0(g/cm)により算出した。
<粘度試験>
得られた導電性コーティングについて、業界標準ATM−0216に従う粘度試験を行った。詳細は以下の通りである。
試験機器:AR−500レオメーター、40mm コーン・プレート回転子
0.5mlのコーティング生成物を量り取り、コーンとプレートの間に配置し、15r/sの回転速度で粘度を測定した。
測定温度は、常に常温(すなわち25℃)に設定した。
<高温/湿潤試験>
得られた導電性コーティング層(硬化後)について、以下の方法で高温/湿潤試験を行った。
はじめに、試験するサンプルを85%の相対湿度および85℃の温度のサーモスタットに入れ、その後、サンプルを取り出して周期的に体積抵抗率を測定した。いくつかのデータを記録することで、一定期間での体積抵抗率の変化を測定することができ、これによりサンプルの高温/湿潤抵抗性を評価することができる。
<体積抵抗率試験>
硬化後の導電性コーティング層について、業界標準ATM−0020に従い伝導性試験を行った。詳細は以下の通りである。
試験機器:Gen Rad 1689 RLC精密デジタルブリッジ
長方形状(長さ:7.5cm;および幅:1.25cm)にコーティング層を形成するために導電性コーティングを塗布することにより、試験するサンプルをカバーガラスに調製した。厚さはサンプルにより変わり、具体的な測定を必要とした。厚さは、通常、0.001〜0.01cmで変化した。コーティング層を硬化させ、次いで抵抗を測定するために電橋上にのせ、下記式に従って体積抵抗率を算出した:
ρ=0.254R/L
〔式中、ρは体積抵抗率であり、Rは測定した抵抗値であり、Lはサンプルの厚さである〕。
実施例1
12.2gのエポキシ樹脂Epikote 1007(Resolution Europe B.V.より入手可能)、2.6gのトリエタノールアミン(Sinopharm Chemical Reagent Co., Ltdより入手可能)、0.4gのSilane A−187(接着促進剤、Momentive Performance Materialsより入手可能)、0.6gのBYK W940(分散剤、BYK USA Inc.より入手可能)および0.1gのModaflow(消泡剤、Cytec Surface Specialties Inc.より入手可能)の混合物に、シンキーミキサーにより撹拌しながら、26.5gのエチレングリコールブチルエーテルアセテートを添加した。
銀めっきガラス粒子SG15F35(Potter Industries Inc.より入手可能、銀含量35重量%、平均粒子径15μm)を得られた溶液に加え、均質な溶液となるよう撹拌した後、この溶液をロータリーエバポレーター(回転速度1200rpm、1分間)を用いて撹拌した。
21.8gのエチレングリコールブチルエーテルアセテートをさらに添加し、ロータリーエバポレーターを用いて1.5分間撹拌することにより導電性コーティングを得た。
二層のテープ(厚さ:約0.005cm)をカバーガラスの同じ側面に張り付け(2つのテープ層間に1.25cmのギャップを形成)、得られた導電性コーティングを適当な量量り取ってギャップにのせ、ドクターブレードにより平らにし、長方形状(長さ:約7.5cm、幅:約1.25cm、高さ:約0.005cm)のコーティングを得るために2つの縁上のテープ層を剥がした。
コーティング層を下記温度で硬化させた:
80℃の一定温度を30分間保持し、その後、200℃まで温度を上げ、1時間半保持した。これにより、導電性コーティング層サンプルを得た。
実施例1の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例2
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例2の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例3
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例3の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例4
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例4の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例5
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例5の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例6
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例6の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例7
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例7の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例8
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例8の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例9
40gのエチレングリコールブチルエーテルアセテートを8.2gの固体フッ素ゴムFC 2178(Dyneonより入手可能)に添加し、固体を溶解させるために撹拌し、これによりフッ素ゴム溶液を得た。
25.6gの銀めっきガラスフィラーSG15F35(Potter Industries Inc.より入手可能、銀含量35重量%、平均粒子径15μm)を得られた溶液に加え、均質な溶液を得るために撹拌した後、ロータリーエバポレーター(1200rpmの回転速度、1分間)を用いて溶液を撹拌した。
残りの溶剤を加え、得られた溶液をロータリーエバポレーターを用いて1分間撹拌することにより、熱可塑性導電性コーティングを得た。
二層のテープ(厚さ:約0.005cm)をカバーガラスの同じ側面に張り付け(2つのテープ層間に1.25cmのギャップを形成)、得られた導電性コーティングを適当な量量り取ってギャップにのせ、ドクターブレードにより平らにし、長方形状(長さ:約7.5cm、幅:約1.25cm、高さ:約0.005cm)のコーティングを得るために2つの縁上のテープ層を剥がした。
コーティング層を150℃の一定温度、60分で硬化させ、これにより、導電性コーティング層サンプルを得た。
実施例9の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例10
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例10の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例11
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例11の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例12
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例12の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例13
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例13の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例14
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例14の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
実施例15
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、下記コーティング処方を採用した以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
実施例15の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
比較例1:導電性フィラーとして銀粉を用いた。
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、導電性フィラーとして銀粉を用いた以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
比較例1の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
比較例2:導電性フィラーとして銀めっき銅粉を用いた。
導電性コーティングおよび導電性コーティング層を、導電性フィラーとして銀めっき銅粉を用いた以外は実施例9に記載の方法と同様の方法により調製した。
比較例2の導電性コーティングの具体的な処方は以下の通りである。
Figure 2014511029
<効果に関するデータ>
実施例1〜15で得られた導電性コーティングについて、粘度試験、密度試験、および高温/湿潤試験を行った。試験結果を下記表18に示す。
Figure 2014511029
Figure 2014511029
Figure 2014511029
Figure 2014511029
Figure 2014511029
Figure 2014511029
Figure 2014511029
実用的応用において、熱硬化性導電性コーティングの粘度は400〜800cpsに制御される必要があり、熱可塑性導電性コーティングの粘度は500〜2000cpsの範囲に制御される必要がある。表18から理解できるように、実施例1〜8で得られた熱硬化性導電性コーティングの粘度は400〜750cpsであった;また、実施例9〜15で得られた熱可塑性導電性コーティングの粘度は1000〜1800cpsの範囲であった。これらは、コンデンサにおける導電性コーティング層を形成するのに非常に適している。
導電性コーティングの密度は、好ましくは2.2g/cm未満である。表18に示すように、実施例1〜15の導電性コーティングの密度は1.2〜1.52g/cmであり、これらはすべて2.2g/cm未満である。
高温/湿潤試験の結果を考慮すると、導電性コーティングの初期体積抵抗率は0.01Ωcm−1未満であり、その後の試験において明らかな増加はなく、少なくとも1か月間は維持される必要がある。
表18に示すように、実施例1〜15の初期体積抵抗率は0.428×10−3〜4.5×10−3Ωcm−1であり、これらはすべて0.01Ωcm−1未満であり、これらの抵抗率はその後の試験において明らかな増加はなく、42日間維持され、優れた高温/湿潤抵抗性を示した。
銀粉を用いた導電性コーティング(比較例1)および銀めっき銅粉を用いた導電性コーティング(比較例2)も、表18に記載した。本発明の導電性コーティングの導電特性は銀粉を用いた導電性コーティングの導電特性に似ているが、銀めっき銅粉を用いた導電性コーティングは明らかに劣る高温安定性を示し、15日後、体積抵抗率は100倍以上に増加したことが理解される。
上記実施態様は本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものまたは本発明の範囲を減縮するものと解釈すべきでない。上記実施態様は、構成において制限的ではなく、当然、特許請求の範囲の技術的範囲内で修正し得るものである。

Claims (31)

  1. 5〜30重量%のエポキシ樹脂;
    0.5〜5重量%のエポキシ樹脂用硬化剤;
    20〜50重量%の非金属銀めっき粒子;および
    40〜70重量%の溶剤
    を含むコンデンサ用導電性コーティング。
  2. エポキシ樹脂がビスフェノール系エポキシ樹脂またはノボラック系エポキシ樹脂である、請求項1に記載の導電性コーティング。
  3. エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項2に記載の導電性コーティング。
  4. 硬化剤がアミン系硬化剤またはイミダゾール系硬化剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性コーティング。
  5. 硬化剤がトリエタノールアミンである、請求項4に記載の導電性コーティング。
  6. 非金属銀めっき粒子が以下の条件の少なくとも1つを満たす、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性コーティング:
    密度が3〜5g/cmである、
    平均粒子径が5〜100μmである、
    めっき銀の量が、非金属銀めっき粒子の総量に基づいて20〜60重量%である。
  7. 非金属銀めっき粒子の非金属物質が、ガラス、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭素繊維、アルミナおよびポリマー材料から選択される1種以上の物質である、請求項1〜6のいずれかに記載の導電性コーティング。
  8. 非金属銀めっき粒子が、銀めっきガラス粒子または銀めっき窒化ホウ素粒子である、請求項7に記載の導電性コーティング。
  9. 非金属銀めっき粒子が銀めっきガラス粒子であり、かつ、導電性銀コーティングがイオン交換体をさらに含む、請求項8に記載の導電性コーティング。
  10. 溶剤が、エステル系溶剤および/またはエーテル系溶剤である、請求項1〜9のいずれかに記載の導電性コーティング。
  11. 溶剤が、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルから選択される1種以上の溶剤である、請求項10に記載の導電性コーティング。
  12. 1種以上の下記添加剤:接着促進剤、分散剤、消泡剤およびチキソトロピー調整剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載の導電性コーティング。
  13. コーティングの粘度(25℃)が400〜800mPa・sである、請求項1〜12のいずれかに記載の導電性コーティング。
  14. 凝縮物の溶剤含量が導電性コーティングの溶剤含量より少ない、請求項1〜13のいずれかに記載の導電性コーティングの凝縮物。
  15. 凝縮物の粘度(25℃)が3000〜30000cpsである、請求項14に記載の導電性コーティングの凝縮物。
  16. 凝縮物の粘度(25℃)が5000〜10000cpsである、請求項15に記載の導電性コーティングの凝縮物。
  17. 3〜20重量%の熱可塑性樹脂;
    20〜50重量%の非金属銀めっき粒子;および
    40〜70重量%の溶剤;
    を含み、熱可塑性樹脂がフッ素ゴムであるコンデンサ用導電性コーティング。
  18. フッ素ゴムがフッ素ゴムエラストマーおよびフルオロエチレンモノマーのブロックコポリマーから選択される、請求項17に記載の導電性コーティング。
  19. 非金属銀めっき粒子が以下の条件の少なくとも1つを満たす、請求項17または18に記載の導電性コーティング:
    密度が3〜5g/cmである、
    平均粒子径が5〜100μmである、
    めっき銀の量が、非金属銀めっき粒子の総量に基づいて20〜60重量%である。
  20. 非金属銀めっき粒子の非金属物質が、ガラス、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭素繊維、アルミナおよびポリマー材料から選択される1種以上の物質である、請求項17〜19のいずれかに記載の導電性コーティング。
  21. 非金属銀めっき粒子が、銀めっきガラス粒子または銀めっき窒化ホウ素粒子である、請求項20に記載の導電性コーティング。
  22. 非金属銀めっき粒子が銀めっきガラス粒子であり、かつ、導電性銀コーティングがイオン交換体をさらに含む、請求項21に記載の導電性コーティング。
  23. 溶剤が、エステル系溶剤および/またはエーテル系溶剤である、請求項17〜22のいずれかに記載の導電性コーティング。
  24. 溶剤が、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルから選択される1種以上の溶剤である、請求項23に記載の導電性コーティング。
  25. 1種以上の下記添加剤:接着促進剤、分散剤、消泡剤およびチキソトロピー調整剤をさらに含む、請求項17〜24のいずれかに記載の導電性コーティング。
  26. コーティングの粘度(25℃)が1000〜2000mPa・sである、請求項17〜25のいずれかに記載のコンデンサ用導電性コーティング。
  27. 凝縮物の溶剤含量が導電性コーティングの溶剤含量より少ない、請求項17〜26のいずれかに記載の導電性コーティングの凝縮物。
  28. 凝縮物の粘度(25℃)が3000〜30000cpsである、請求項27に記載の導電性コーティングの凝縮物。
  29. 凝縮物の粘度(25℃)が5000〜10000cpsである、請求項28に記載の導電性コーティングの凝縮物。
  30. コンデンサの少なくとも一部の表面が導電性コーティング層により被覆されたコンデンサであって、前記導電性コーティング層を、請求項1〜13のいずれかに記載の導電性コーティングおよび/または請求項17〜26のいずれかに記載の導電性コーティングをコンデンサの表面に塗布した後、導電性コーティングを硬化および/または乾燥させることにより形成するコンデンサ。
  31. コンデンサがアルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサまたはニオブ電解コンデンサである、請求項30に記載のコンデンサ。
JP2013554788A 2012-03-27 2012-03-27 コンデンサ用導電性コーティングおよびそれを用いたコンデンサ Pending JP2014511029A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2012/073137 WO2012113354A1 (en) 2011-02-23 2012-03-27 Conductive coatings for capacitors and capacitors employing the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014511029A true JP2014511029A (ja) 2014-05-01
JP2014511029A5 JP2014511029A5 (ja) 2015-05-14

Family

ID=50792617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013554788A Pending JP2014511029A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 コンデンサ用導電性コーティングおよびそれを用いたコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014511029A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019230140A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 株式会社クレハ ポリマー溶液、これを用いたフィルムの製造方法、および非水電解質二次電池用樹脂組成物
WO2024070142A1 (ja) * 2022-09-30 2024-04-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体電解コンデンサ素子および固体電解コンデンサ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63207117A (ja) * 1987-02-24 1988-08-26 昭和電工株式会社 固体電解コンデンサの製造方法
JPH07207239A (ja) * 1990-11-01 1995-08-08 Poly Flex Circuits Inc 耐湿性導電性セメント及びそれの製造、使用方法
JPH10245528A (ja) * 1997-03-03 1998-09-14 Hitachi Chem Co Ltd 異方導電性接続部材
JP2001023869A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Toshiba Chem Corp 固体電解コンデンサ用導電性ペースト
JP2004153044A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Kyocera Chemical Corp 導電性ペースト及び固体電解コンデンサ
JP2007036146A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Showa Denko Kk 電子部品及びその製造方法
JP2011068772A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Namics Corp エポキシ樹脂組成物、および、それによる接着フィルム
WO2012011265A1 (ja) * 2010-07-23 2012-01-26 タツタ電線株式会社 接着剤組成物及び接着フィルム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63207117A (ja) * 1987-02-24 1988-08-26 昭和電工株式会社 固体電解コンデンサの製造方法
JPH07207239A (ja) * 1990-11-01 1995-08-08 Poly Flex Circuits Inc 耐湿性導電性セメント及びそれの製造、使用方法
JPH10245528A (ja) * 1997-03-03 1998-09-14 Hitachi Chem Co Ltd 異方導電性接続部材
JP2001023869A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Toshiba Chem Corp 固体電解コンデンサ用導電性ペースト
JP2004153044A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Kyocera Chemical Corp 導電性ペースト及び固体電解コンデンサ
JP2007036146A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Showa Denko Kk 電子部品及びその製造方法
JP2011068772A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Namics Corp エポキシ樹脂組成物、および、それによる接着フィルム
WO2012011265A1 (ja) * 2010-07-23 2012-01-26 タツタ電線株式会社 接着剤組成物及び接着フィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019230140A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 株式会社クレハ ポリマー溶液、これを用いたフィルムの製造方法、および非水電解質二次電池用樹脂組成物
JPWO2019230140A1 (ja) * 2018-05-31 2021-03-11 株式会社クレハ ポリマー溶液、これを用いたフィルムの製造方法、および非水電解質二次電池用樹脂組成物
WO2024070142A1 (ja) * 2022-09-30 2024-04-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体電解コンデンサ素子および固体電解コンデンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20140128220A (ko) 커패시터용 전도성 코팅 및 이를 사용한 커패시터
TW201306050A (zh) 用於電容器之導電黏合劑及相關電容器
JP5030196B2 (ja) 回路接続用接着剤
TWI716407B (zh) 樹脂組成物、樹脂薄片、預浸體、絕緣物、樹脂薄片硬化物及散熱構件
JP5488059B2 (ja) 導電性ペースト
JP5257574B2 (ja) 無溶剤型導電性接着剤
JP5683202B2 (ja) 熱硬化型導電性ペースト
KR20150100621A (ko) 도전성 접착제 조성물 및 그것을 사용한 전자 소자
JP5267958B2 (ja) 接着剤組成物
JP2017082195A (ja) 樹脂組成物、接合体及び半導体装置
JP2014511029A (ja) コンデンサ用導電性コーティングおよびそれを用いたコンデンサ
JP6891876B2 (ja) ポリエーテル系重合体組成物
TW202043410A (zh) 導電性黏接劑和導電性黏接劑的使用方法
JP4273399B2 (ja) 導電ペースト及びその製造方法
JP2021099912A (ja) 導電性ペースト
JP6852846B2 (ja) 電極用ペーストおよび積層セラミック電子部品
JP6891875B2 (ja) ポリエーテル系重合体組成物およびシート
TW201340125A (zh) 用於電容器的導電塗料及相關電容器
CN110970149B (zh) 电极形成用树脂组合物以及芯片型电子部件及其制造方法
US20230319988A1 (en) Electrically conductive adhesive, electronic circuit using the same, and method for manufacturing such electronic circuit
JP2005317491A (ja) 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板
JP5764824B2 (ja) 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子
JP2014511029A5 (ja)
JP6540590B2 (ja) 液状導電性樹脂組成物および電子部品
JP2023148843A (ja) 熱硬化性ペースト

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150326

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170606