JP2014503215A - メチオニンヒドロキシ類似体(mha)の発酵生産 - Google Patents

メチオニンヒドロキシ類似体(mha)の発酵生産 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒドロキシメチオニンの発酵生産方法であって、メチオニンを生産するように改変された組換え微生物を、炭素源、硫黄源および窒素源を含んでなる適当な培養培地において培養する工程、培養培地からヒドロキシメチオニンを回収する工程を含む方法に関する。特定の態様では、組換え微生物は窒素制限条件下で培養される。本発明はまた、生物学的に生産されたヒドロキシメチオニンおよびその使用にも関する。

Description

本発明は、必須アミノ酸メチオニンの類似体である2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸(HMBA)を発酵により生産するための方法に関する。発酵は、微生物が、培養培地により提供される炭素、硫黄および窒素を用いて、通常化学合成される目的産物を生合成する生物学的プロセスである。
「ヒドロキシメチオニン」と一般的に呼ばれている2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸(HMBA)は、必須アミノ酸メチオニンの類似体であり、重要な飼料添加物である。市販のトウモロコシ・大豆ベースの飼料中のメチオニンが第1の制限アミノ酸であると考えられることから、家禽飼料においてHMBAが一般的に用いられている。
メチオニンヒドロキシ類似体は、メチオニン分子のα−炭素上にアミノ基ではなくヒドロキシル基を有する。HMBAは下式:
Figure 2014503215
を有する。
アミノ酸と比べて、HMBAは生物によりタンパク質合成に直接使用されないが、それはHMBAが同化作用によってタンパク質合成に使用されるアミノ酸へと変換される必要があるためである。HMBAは純粋な形態では使用されず、様々な形態、すなわち、
・HMBAのカルシウム塩およびアンモニウム塩の混合物(米国特許第2,745,745号および同2,938,053第)、
・酸性水溶液(米国特許第4,353,924号)、
・米国特許第3,175,000号に記載されているプロセスによって得られる、HMBAのカルシウム塩
で使用される。
化学的経路によるHMBAの調製は長い間知られている。NOVUS International(PCT/US98/01595)、MONSANTO Company(EP0142488)、BRITISH Telecomm(EP0143000)またはRhone Poulenc Animal Nutrition S.A.(米国特許第6,180,359号)が所有するいくつかの特許には、2段階プロセスによる2−ヒドロキシ−4−メチルチオ−ヒドロキシブチロニトリル(HMBN)のHBMAへの加水分解が記載されている。これら総ての技術は、だいたい、同じ原料と重要な中間体とに依存している。
第1段階は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル(HMBN)を塩酸または硫酸などの強無機酸と接触させることにある。次の段階で、水での希釈後に、より高い温度で加水分解が完了する。次に、水との混和性があまりない、ケトンなどの有機溶媒でHMBAが抽出され、その後、エレクトロポレーションにより溶媒は除去される。
2−ヒドロキシ−4−メチルチオ−ブチロニトリル(HMBN)というアミドは、メチル−メルカプト−プロピオンアルデヒド(MMP)とヒドロシアン酸(HCN)またはシアン化ナトリウム(NaCN)との反応によって合成される。
この数年の間に、酵素または生物学的材料に関連して、新たな方法が分かってきた。例えば、Aventis Animal Nutrition S. A.は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル中間体の酵素加水分解によるHMBA製造方法を記載し、特許を取得した。その発明は、ニトリラーゼ活性を有する固定生物学的材料とHMBN分子を接触させた後のその生物変換に基づいている(米国特許第6,180,359号)。Novus社によって、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタンニトリルからの2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタンアミドまたは2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタン酸または塩への酵素変換を用いて同様の方法が記載された(WO1998032872)。
微生物によるメチオニンの生産を向上するための取り組みにおいて、本発明者らは驚くべきことに、ヒドロキシメチオニンも、微生物において発酵プロセスにより単純炭素源から生産され得ることを見出した。これは、メチオニンヒドロキシ類似体の完全に生物学的な生産の初めての報告である。
本発明は、ヒドロキシメチオニンの発酵生産方法であって、
−メチオニンを生産するように改変された組換え微生物を、炭素源、硫黄源、および窒素源を含んでなる適当な培養培地において培養する工程、
−該培養培地からヒドロキシメチオニンを回収する工程
を含んでなる方法に関する。
発酵生産は微生物の増殖に基づいており、その場合、微生物によって、増殖および目的化合物の生合成の両方に単純炭素源、通常、糖が使用される。
発明の具体的説明
本発明は、ヒドロキシメチオニンの生産方法であって、メチオニン生産用に最適化された組換え微生物が、炭素源、硫黄源、および窒素源からヒドロキシメチオニンを生産する方法に関する。
・産物
「ヒドロキシメチオニン」または「メチオニンヒドロキシ類似体」または「MHA」または「2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸」または「2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸」または「HMTBA」または「HMBA」または「DL−2−ヒドロキシ−4−(メチルメルカプト)ブタン酸」という用語は、発酵産物を表して互換的に用いられる。
・微生物
本発明は、ヒドロキシメチオニンを生産するための、メチオニン生産用に最適化された微生物の使用に関する。
「メチオニン生産用の微生物」または「メチオニン生産微生物」または「メチオニンを生産するように改変された微生物」または「メチオニン生産用に最適化された微生物」という用語は、内因的に必要なメチオニンしか生産しない非生産微生物よりも高レベルのメチオニンを生産する微生物を表し、その際、改変微生物は微生物代謝に必要な量より多くのメチオニンを生産する。メチオニン生産用に最適化された微生物は当技術分野で周知であり、特に、特許出願WO2005/111202、WO2007/077041およびWO2009/043803において開示されている。
「組換え微生物」または「改変微生物」という用語は、遺伝子の付加または抑制、あるいは一部の遺伝子の発現調節の改変によって、遺伝的に改変された微生物を表す。
本発明によれば、組換え微生物により生産されるメチオニンの量、特に、メチオニン収率(炭素源g/mol当たりに生産されるメチオニンg/molの割合)は、対応する未改変微生物と比べて改変微生物で高い。通常の改変としては、形質転換および組換えによる遺伝子の欠失、遺伝子置換、ならびに遺伝子の過剰発現、または異種遺伝子の発現のためのベクターの導入が含まれる。
メチオニン生産用に最適化されたこれらの微生物は、同時に、ヒドロキシメチオニンを生産することが可能である。本発明者らは、それらの微生物によってメチオニンがより多く生産されるならば、ヒドロキシメチオニンもより多く生産されることを見出した。
本発明で用いられる微生物は、細菌、酵母または真菌である。好適には、微生物は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、バチルス科(Bacillaceae)、ストレプトミセス科(Streptomycetaceae)およびコリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)の中から選択される。より好適には、微生物は、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシェラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、サルモネラ菌属(Salmonella)、またはコリネバクテリウム属(Corynebacterium)のものである。いっそうより好適には、微生物は、大腸菌(Escherichia coli)またはコリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種のいずれかである。
・発酵
「発酵プロセス」、「培養」または「発酵」という用語は、単純炭素源、硫黄源および窒素源を含有する適当な増殖培地における細菌の増殖を表して互換的に用いられる。
本発明の発酵プロセスでは、炭素源は、
・バイオマス生産:とりわけ、培地の炭素源を変換することによる微生物の増殖、および
・ヒドロキシメチオニンおよび/またはメチオニン生産:バイオマスによる同じ炭素源からヒドロキシメチオニンおよび/またはメチオニンへの変換
に同時に用いられる。
2つの工程は同時に起こり、増殖する微生物による炭素源の変換により培地においてヒドロキシメチオニンおよび/またはメチオニンの生産が行われる。これは、微生物がそのような変換を可能にする代謝経路を有するためである。
発酵は、好気性、微好気性または嫌気性条件下で行うことができる古典的プロセスである。
発酵は一般に、少なくとも1つの単純炭素源を、必要であれば代謝産物の生産のための補助基質とともに含有する、使用する微生物に適合された適当な培養培地の入った発酵槽で行われる。
本発明において、発酵はフェドバッチ式で行われる。これは、発酵中に追加の増殖培地が加えられるがバッチ終了まで培養物が取り出されない(サンプリングおよびHPLC/GCMS分析に用いる少量は除く)発酵形式を意味する。このプロセスは2つの主要な工程を含み、第1の工程は適当なバッチ無機培地およびフェドバッチ無機培地中での一連の前培養である。続いて、適当な最少バッチ培地を充填した発酵槽を使用し、所望の生産に応じた異なるフェドバッチ培地を用いて培養を進める。
当業者ならば、本発明による微生物に対する培養条件および培養培地組成を定義することができる。特に、細菌は、20℃〜55℃の間、好適には、25℃〜40℃の間、より具体的には、C.グルタミクムでは約30℃の温度で、大腸菌では約37℃の温度で発酵される。
大腸菌に対する既知の培養培地の例として、その培養培地は、M9培地(Anderson, 1946, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 32:120-128)、M63培地(Miller, 1992; A Short Course in Bacterial Genetics: A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)またはSchaefer et al. (1999, Anal. Biochem. 270: 88-96)により定義されているものなどの培地と同一または類似の組成のものであり得る。
C.グルタミクムに対する既知の培養培地の例として、その培養培地は、BMCG培地(Liebl et al., 1989, Appl. Microbiol. Biotechnol. 32: 205-210)またはRiedel et al. (2001, J. Mol. Microbiol. Biotechnol. 3: 573-583)により記載されているものなどの培地と同一または類似の組成のものであり得る。
本発明による「炭素源」という用語は、微生物の正常な増殖を支援するために当業者が使用可能な任意の炭素源を表し、六炭糖(グルコース、ガラクトースまたはラクトースなど);五炭糖;単糖類;二糖類(スクロース(糖蜜)、セロビオースまたはマルトースなど);オリゴ糖(デンプンまたはその誘導体など);ヘミセルロース;グリセロールおよびそれらの組合せであり得る。特に好ましい炭素源はグルコースである。別の好ましい炭素源はスクロースである。
本発明の特定の態様では、炭素源は再生可能な供給原料に由来する。再生可能な供給原料は、短時間で、その目的生成物への変換を可能とするのに十分な量で再生され得る、特定の工業プロセスに必要とされる原料と定義される。処理を受けるまたは受けない植物バイオマスは興味深い再生可能な炭素源である。
炭素源は発酵性である、つまり、炭素源は微生物による増殖に使用され得る。
本発明による「硫黄源」という用語は、硫酸塩、チオ硫酸塩、硫化水素、ジチオン酸塩、亜ジチオン酸塩、亜硫酸塩、メチルメルカプタン、硫化ジメチルおよび他のメチルキャップを有する硫化物または種々の供給源の組合せを意味する。より好適には、培養培地中の硫黄源は硫酸塩またはチオ硫酸塩またはそれらの混合物である。
培養は、微生物が無機基質、特に、リン酸塩および/またはカリウムについて制限されるかまたは飢餓状態にされるような条件で行われ得る。生物が無機基質の制限を受けるとは、微生物の増殖が供給された無機化学物質の量に支配され、それでもなお弱い増殖が認められる条件を定義する。微生物が無機基質について飢餓状態にされるとは、無機基質が存在しないために微生物の増殖が完全に停止する条件を定義する。
「窒素源」という用語は、アンモニウム塩またはアンモニアガスのいずれかに相当する。窒素は無機源(例えば、(NHSO)または有機源(例えば、尿素またはグルタミン酸塩)から得られる。本発明において、培養における窒素源は(NHHPO、(NHおよびNHOHである。
本発明の特定の側面では、組換え微生物は窒素制限条件下で培養される(cultivated)。実際に、本発明者らは、窒素制限条件によってヒドロキシメチオニン生産が高まることを見出した。
「窒素制限条件」という用語は、無機源(例えば、(NHSO)または有機源(例えば、尿素またはグルタミン酸塩)から供給され得る窒素を制限された濃度で含む培養培地を意味する。「窒素飢餓条件」という用語は、窒素源を全く含まない培地を意味する。
「窒素制限」とは、利用可能な窒素源が、細菌の増殖速度および/またはバイオマス収量が制限されるような量で存在する、つまり、窒素源が、最大増殖速度および/またはバイオマス収量を支援するのに必要な量に満たない量で存在することを意味する。当業者ならば、ヒドロキシメチオニンの生産を誘導するのに適した、適当な窒素制限濃度を決定することができる。実際の「窒素制限量」は、特定の培地や、使用する微生物株によって変動し得る。例えば、微生物は、窒素要求が高い、メチオニンおよびヒドロキシメチオニンを生産する組換え細菌である。培地に適用される窒素の量は、これらの特徴によって異なる。その量は、種々の濃度の窒素源を受けた培地中で細菌を用いる日常的な実験によって決定し得る。さらに、当業者ならば、制限条件を決定するために、発酵中に培地中の利用可能な窒素の濃度を測定し、そのようにして、残留窒素濃度を測定するための、イオンクロマトグラフィーなどの方法を知っている。
通常条件での非改変大腸菌株の増殖ではC/N比(モル/モル)約4.2が必要であることは知られている(Energetics and kinetics in biotechnology. J.A. Roels. Elsevier Science & Technology (May 1983))。
本発明の特定の態様では、発酵は一般的な条件で行われ、その条件では、培養に使用される種々の培地によって、C/Nモル比は約5より大きくなり、好ましくは、約10より大きくなり、より好ましくは、約20より大きくなり、最も好ましくは、約20〜約25の間となる(この場合、C/N比は炭水化物および窒素源それぞれの炭素元素の窒素元素に対するモル比として測定される)。
本発明の好ましい態様では、生産プロセスは、同じ培養用バッチ培地における同じ微生物を用いる3つの連続的工程:
・発酵性炭素源、硫黄源および窒素源を含んでなる適当な培養培地において組換え微生物を増殖させる工程、
・前記適当な培養培地において、窒素制限条件下で該組換え微生物を培養する工程、
・該培養培地からヒドロキシメチオニンを回収する工程
を含む。
発酵は、微生物性能および培養中に至るフェドバッチ培地の組成に応じて培養状態が発展する総てのプロセス中、同じ初期バッチ培地において行われる。
「増殖」工程は、メチオニンの生産が開始する、制限のない最少培地条件において行われる。ヒドロキシメチオニンの生産が高められる「培養」工程は、窒素制限条件下で行われる。
窒素制限は、微生物がその分裂および生産のために培養培地中に存在するほぼ総ての窒素を消費したときに起こる。微生物が増殖し、メチオニンを生産するほど、その微生物による窒素の使用は多くなる。このため、窒素制限条件は、微生物の特徴、より正確に言えば、その増殖および生産速度に依存する。当業者ならば、組換え微生物の特定の要求を計算し、予測することができる。
本発明の特定の態様では、組換え微生物は、バイオリアクター系において以下の2つの連続的工程:
a.発酵性炭素源、硫黄源および窒素を含んでなる適当な培養培地において、約10時間〜20時間の、好ましくは、約15時間〜20時間の該微生物の増殖工程、
b.前記適当な培養培地において窒素制限条件における、約10時間〜20時間の、好ましくは、約10時間〜15時間の該微生物の培養工程
により培養される。
これまでに記載した通り、本発明によるプロセスに使用される組換え微生物は、炭素源をメチオニンおよびヒドロキシメチオニンへと変換するために遺伝的に改変されている。
・遺伝子改変
本発明の記載において、遺伝子およびタンパク質は大腸菌における対応する遺伝子の名称を用いて識別される。しかしながら、特に断りのない限り、これらの名称の使用は本発明に従うより一般的な意味を有し、他の生物、より詳しくは微生物における対応する遺伝子およびタンパク質の総てを包含する。
PFAM(アラインメントのタンパク質ファミリーデータベースおよび隠れマルコフモデル(protein families database of alignments and hidden Markov models); http://www.sanger.ac.uk/Software/Pfam/)は、タンパク質配列アラインメントを多数集めたものである。各PFAMにより、多重アラインメントを視覚化し、タンパク質ドメインを調べ、生物間の分布を評価し、他のデータベースへのアクセスを確保し、既知のタンパク質構造を視覚化することができる。
38の系統発生系を示す、66の配列決定されたゲノムからのタンパク質配列を比較することにより、COG(タンパク質のオーソロガス群のクラスター(clusters of orthologous groups of proteins);http://www.ncbi.nlm.nih.gov/COG/)が得られる。各COGは、少なくとも3つの系から定義されるので、前に保存されたドメインを同定することができる。
相同配列およびそれらの相同性%を同定する手段は当業者によく知られており、特にBLASTプログラムが挙げられ、このプログラムは、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/から、このウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターとともに利用することができる。次に、得られた配列を、例えばプログラムCLUSTALW(http://www.ebi.ac.uk/clustalw/)またはMULTALIN(http://multalin.toulouse.intra.fr/multalin/)を、これらのウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターとともに用いて活用する(例えば、アラインする)ことができる。
当業者ならば、GenBankに示されている既知の遺伝子に関する参照番号を用いて他の生物、細菌株、酵母、真菌、哺乳類、植物などにおける等価な遺伝子を決定することができる。この常法は、有利には、他の微生物由来の遺伝子との配列アラインメントを行い、縮重プローブを設計して、他の生物における対応する遺伝子をクローニングすることにより決定することができるコンセンサス配列を使用して行われる。これらの分子生物学の常法は当業者によく知られており、例えば、Sambrook et al. (1989 Molecular Cloning: a Laboratory Manual. 2nd ed. Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, New York.)に記載されている。
本発明による「活性の減弱」という用語は、酵素または遺伝子に対して使用することができ、いずれの場合においても、対応する遺伝子の発現の部分的または完全な抑制を表し、その場合、該遺伝子は「減弱された」といわれる。この発現抑制は、該遺伝子の発現の阻害、該遺伝子発現に必要なプロモーター領域の総てまたは一部の欠失、該遺伝子のコード領域の欠失、あるいはより弱い天然または合成プロモーターによるその野生型プロモーターの置換のいずれであってもよい。好適には、遺伝子の減弱は本質的に該遺伝子の完全欠失であり、該遺伝子は本発明による株の同定、単離および精製を容易にする選択マーカー遺伝子で置き換えることができる。遺伝子は、好適には、相同組換え技術により不活性化される(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L. (2000) “One-step inactivation of chromosomal genes in Escherichia coli K-12 using PCR products”. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97: 6640-6645)。
「増強された活性」という用語は、非改変微生物の酵素活性よりも優れている酵素活性を表す。当業者ならば、該酵素の酵素活性を測定する方法を知っている。
酵素活性を増強するために、当業者ならば、種々の手段を知っている:該タンパク質の触媒部位の改変、該タンパク質の安定性の増加、そのメッセンジャーRNAの安定性の増加、該タンパク質をコードする遺伝子の発現の増加。
タンパク質を安定させる要素は当技術分野で公知であり(例えば、GSTタグ、Amersham Biosciences)、メッセンジャーRNAを安定させる要素(Carrier and Keasling (1998) Biotechnol. Prog. 15, 58-64)も同様である。
「遺伝子の増加された発現」、「遺伝子の増強された発現」または「遺伝子の過剰発現」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、同様の意味を有する。
遺伝子の発現を増加させるために、当業者ならば、種々の技術を知っている:微生物における該遺伝子のコピー数の増加、該遺伝子の高レベル発現を誘導するプロモーターの使用、該遺伝子の直接的または間接的転写レプレッサーの活性および/または発現の減弱。
該遺伝子は染色体上または染色体外にコードされる。該遺伝子が染色体上に位置する場合、当技術分野の専門家には公知の組換え法(遺伝子置換を含む)によって該遺伝子の数コピーを染色体上に導入することができる。該遺伝子が染色体外に位置する場合、該遺伝子は、それらの複製起点と、それによる細胞内でのそれらのコピー数が異なる種々のタイプのプラスミドによって担持される。これらのプラスミドは微生物中に1〜5コピー、または約20コピー、または最大500コピーで存在し、プラスミドの性質によって異なる:厳格な複製を行う低コピー数プラスミド(pSC101、RK2)、低コピー数プラスミド(pACYC、pRSF1010)または高コピー数プラスミド(pSK bluescript II)。
本発明の特定の態様では、遺伝子は異なる強度のプロモーターを用いて発現させる。本発明の一態様では、プロモーターは誘導性である。これらのプロモーターは同種または異種である。当業者ならば、どのプロモーターが最も便宜なプロモーターであるかを知っており、例えば、プロモーターPtrc、Ptac、PlacまたはλプロモーターcIが広く用いられている。
・メチオニン生合成経路の最適化:
微生物においてメチオニン生産に関与する遺伝子は当技術分野で周知であり、メチオニン特異的生合成経路に関与する遺伝子、ならびに前駆体供給経路に関与する遺伝子およびメチオニン消費経路に関与する遺伝子を含んでなる。
メチオニンの効率的生産には、メチオニン特異的経路およびいくつかの前駆体供給経路の最適化が求められる。メチオニン生産株は特許出願WO2005/111202、WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている。これらの出願は引用することにより本願の一部とされる。
特許出願WO2005/111202には、その阻害剤SAMおよびメチオニンに対するフィードバック感受性が低減されたホモセリンスクシニルトランスフェラーゼ対立遺伝子(metAと呼称する)を過剰発現するメチオニン生産株が記載されている。この出願には、これらの対立遺伝子と、メチオニンレギュロンのダウンレギュレーションに関与するメチオニンレプレッサーMetJの欠失との組合せも記載されている。加えて、その出願には、アスパルトキナーゼ/ホモセリンデヒドロゲナーゼ(thrA遺伝子によりコードされる)の過剰発現を伴う2つの改変の組合せも記載されている。
メチオニンの生産を向上させるために、微生物は以下を示す場合がある:
−以下からなる群の中から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現の増加:
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、原形質周辺の硫酸結合タンパク質をコードするcysP
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、硫酸ABC輸送体の構成要素をコードするcysU
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、膜結合型硫酸輸送タンパク質をコードするcysW
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、硫酸透過酵素をコードするcysA
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、O−アセチルセリンスルフヒドララーゼ(an O-acetyl serine sulfhydralase)をコードするcysM
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、亜硫酸レダクターゼのαサブユニットおよびβサブユニットそれぞれをコードするcysIおよびcysJcysIおよびcysJは一緒に過剰発現されることが好ましい、
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、アデニリル硫酸レダクターゼをコードするcysH
・WO2007/077041に記載されている、セリンアシルトランスフェラーゼをコードするcysE
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼをコードするserA
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、ホスホセリンホスファターゼをコードするserB
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼをコードするserC
・WO2005/111202に記載されている、S−アデノシルメチオニンおよび/またはメチオニンに対するフィードバック感受性が低減されたホモセリンスクシニルトランスフェラーゼをコードするmetA対立遺伝子(metA)、
・WO2009/043803およびWO2005/111202に記載されている、トレオニンに対するフィードバック阻害が低減されたアスパルトキナーゼ/ホモセリンデヒドロゲナーゼをコードするthrAまたはthrA対立遺伝子(thrA)、
−あるいは以下の遺伝子の少なくとも1つの発現の阻害:
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、ピルビン酸キナーゼをコードするpykA
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、ピルビン酸キナーゼをコードするpykF
・WO2007/077041およびWO2009/043803に記載されている、ホルミルテトラヒドロ葉酸デホルミラーゼをコードするpurU
・WO2010/020681に記載されている、N−アセチルトランスフェラーゼをコードするyncA
・WO2005/111202に記載されている、メチオニン生合成経路のレプレッサーをコードするmetJ
・アミノトランスフェラーゼをコードするybdL
−あるいはメチオニン生産の向上をもたらすC1代謝の増加。
本発明によれば、「C1代謝の増加」は、MetF、GcvTHP、Lpd、GlyA、MetEまたはMetHの中から選択される、C1代謝に関与する少なくとも1つの酵素の活性の増加に関するものである。酵素活性を増加させるためには、これらの異なる酵素の対応する遺伝子を過剰発現させてもよいし、または活性が向上した酵素を発現するようにそれらの核酸配列を改変してもよいし、あるいは、フィードバック調節に対するそれらの感受性を低減してもよい。
本発明の好ましい態様では、一炭素代謝は、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼMetFの活性および/またはグリシン開裂複合体GcvTHPの活性および/またはセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼGlyAの活性を増強することによって増加される。
本発明の特定の態様では、MetFの活性は、遺伝子metFを過剰発現させることによって、かつ/またはその翻訳を最適化することによって増強される。
本発明の特定の態様では、metF遺伝子の過剰発現は、Ptrcファミリープロモーターに属する強いプロモーターの制御下で、または出願PCT/FR2009/052520に記載されている温度誘導プロモーターPのような、誘導プロモーターの制御下でその遺伝子を発現させることによって達成される。
本発明の別の態様によれば、タンパク質MetFの翻訳の最適化は、RNA安定剤を使用することによって達成される。遺伝子の過剰発現のための他の手段は、当技術分野の専門家には公知であり、metF遺伝子の過剰発現のために使用することができる。
本発明の特定の態様では、遺伝子は誘導プロモーターの制御下にあってよい。特許出願PCT/FR2009/052520には、トレオニンに対するフィードバック阻害が低減されたthrA対立遺伝子と、cysEを誘導プロモーターの制御下で発現するメチオニン生産株が記載されている。この出願は引用することにより本願の一部とされる。
本発明の好ましい態様では、thrA遺伝子または対立遺伝子は温度誘導プロモーターの制御下にある。最も好ましい態様では、使用される温度誘導プロモーターはPプロモーターファミリーに属する。
本発明の別の側面では、ピルビン酸カルボキシラーゼの活性は増強される。ピルビン酸カルボキシラーゼの活性の増加は、対応する遺伝子を過剰発現させるか、または活性が向上した酵素を発現するようにこの遺伝子の核酸配列を改変することによって得られる。本発明の別の態様では、pyc遺伝子は、組換えにより一コピーまたは数コピーで染色体上に導入されるか、あるいは改変微生物中に少なくとも一コピーで存在するプラスミドによって担持される。pyc遺伝子は、インゲン根粒菌(Rhizobium etli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、乳酸連鎖球菌(Lactococcus lactis)またはコリネバクテリウム属の種に由来する。
メチオニン生産の向上をもたらす他の遺伝子改変は、特許出願EP10306164.4およびUS61/406249に記載されている、pntABの発現の増加および/またはudhAの減弱である。
本発明の特定の態様では、過剰発現される遺伝子は、染色体上のその天然の位置にあるか、または天然でない位置に組み込まれる。最適なメチオニン生産を得るには、数コピーの遺伝子が必要となる場合があり、これらの複数のコピーは特定の遺伝子座に組み込まれ、その改変はメチオニン生産に悪影響を及ぼさない。
細胞の代謝を妨害せずに、遺伝子を組み込み得る遺伝子座の例は下記の通りである。
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
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Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
本発明はまた、上記方法によって得られるような、生物学的に生産されたヒドロキシメチオニンにも関する。
本発明はまた、生物学的に生産されたヒドロキシメチオニンを含んでなる動物栄養用組成物、および生物学的に生産されたヒドロキシメチオニンを含んでなる化粧用組成物にも関する。
・ヒドロキシメチオニンの回収
「培養培地からヒドロキシメチオニンを回収すること」という操作は、ヒドロキシメチオニンを回収し精製するという操作を表す。
本発明の特定の態様では、ヒドロキシメチオニンは抽出により発酵培養液(培養培地)から回収される。
この回収は発酵培養液の液液抽出によって得られるであろう。好ましくは、この抽出に用いられる溶媒は実質的に水不混和性である。好適な溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン;イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル、2−プロパノールなどの第二級アルコール、n−ブチルアルデヒドなどのアルデヒド、ならびに酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピル(n-proyl acetate)および酢酸イソプロピルなどのエステルの中から選択される。好ましい溶媒は、ケトン、エーテルおよび第二級アルコールの中から選択される。
本発明の別の態様では、抽出は液液抽出と固固抽出の組合せであってよい。
抽出から回収されたヒドロキシメチオニンは、その後、蒸留、好ましくは、蒸気蒸留により、または蒸発により精製される。
発酵産物の精製中、所望により、0〜100%、好適には、少なくとも90%、より好適には、95%、いっそうより好適には、少なくとも99%のバイオマスは維持され得る。
発酵に用いられる3つのフェドバッチ溶液を用いた株1の培養物のアンモニウム残留濃度。
実施例I:実施例IIで試験するメチオニンおよびヒドロキシメチオニンの生産株の構築
1.プロトコール
いくつかのプロトコールを用いてメチオニンおよびヒドロキシメチオニンの生産株を構築したが、これらを下記の実施例に記載する。
プロトコール1:相同組換えによる染色体改変および組換え体の選択(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L. (2000)
特定の染色体遺伝子座における対立遺伝子置換または遺伝子破壊は、Datsenko. & Wanner (2000)により記載されているように相同組換えによって行った。Flp認識部位が隣接した、クロラムフェニコール(Cm)耐性cat遺伝子、カナマイシン(Km)耐性kan遺伝子またはゲンタマイシン(Gt)耐性gm遺伝子を、PCRにより、鋳型としてそれぞれpKD3またはpKD4またはp34S−Gm(Dennis et Zyltra, AEM july 1998, p 2710-2715)プラスミドを用いることで増幅した。得られたPCR産物を用いて、λRed(γ、β、exo)リコンビナーゼを発現するプラスミドpKD46を担持するレシピエント大腸菌株を形質転換した。次に、抗生物質耐性形質転換体を選択し、突然変異遺伝子座の染色体構造を、適当なプライマーを用いたPCR解析により確認した。
プロトコール2:ファージP1の形質導入
染色体改変をP1形質導入により、所与の大腸菌レシピエント株に移入した。このプロトコールは、(i)耐性関連の染色体改変を含むドナー株のファージ溶解液の調製と、(ii)このファージ溶解液によるレシピエント株の感染の2工程から構成される。
ファージ溶解液の調製
・10mlのLB+Km 50μg/ml+グルコース0.2%+CaCl 5mM(構築物の耐性カセットに対応する抗生物質を含有する)中に、目的の染色体改変を有するMG1655株の一晩培養物100μlを植菌する。
・振盪しながら37℃で30分間インキュベートする。
・ドナーMG1655株で調製したP1ファージ溶解液100μl(約1×10ファージ/ml)を添加する。
・細胞が完全に溶解するまで37℃で3時間振盪する。
・200μlのクロロホルムを加え、ボルテックスにかける。
・4500gで10分間遠心分離して細胞残屑を除去する。
・上清を滅菌試験管に移す。
・溶解液を4℃で保存する。
形質導入
・LB培地中で培養した大腸菌レシピエント株の一晩培養物5mlを1500gで10分間遠心分離する。
・2.5mlのMgSO 10mM、CaCl 5mMに細胞ペレットを懸濁させる。
・100μlの細胞に、染色体に改変を有するMG1655株のP1ファージ溶解液100μl(供試試験管)を感染させ、対照試験管として、P1ファージ溶解液を含まない細胞100μlと、細胞を含まないP1ファージ溶解液100μlとを感染させる。
・振盪せずに30℃で30分間インキュベートする。
・各試験管に100μlの1Mクエン酸ナトリウムを加え、ボルテックスにかける。
・1mLのLBを加える。
・振盪しながら37℃で1時間インキュベートする。
・7000rpmで3分間遠心分離する。
・LB+Km 50μg/ml(または耐性カセットに対応する抗生物質)に播種する。
・37℃で一晩インキュベートする。
Figure 2014503215
2.株1の構築
インゲン根粒菌のピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子を過剰発現させるために、pJB137−PgapApycReプラスミドを構築した。このプラスミドは、pBluescript−SK(Alting-Mees et al, Nucleic Acids Res. 17 (22), 9494 (1989)およびpJB137プラスミド(Blatny et al., Appl. Environ. Microbiol. 63: 370-379, 1997)から誘導される。
gapA−pycReインサートを構築するために、2つのプラスミドを構築した;pSK−PgapAおよびpSK−PgapApycRe
まず、gapAプロモーターおよびそのRBS配列を、プライマーOme 0053−gapA F(配列番号1)およびOme 0054−gapA R(配列番号2)を用い、PCRにより、大腸菌MG1655ゲノムDNAから増幅した。得られたPCR産物をHindIIIにより消化し、プラスミドpSKのHindIII部位間にクローニングした。得られたプラスミドを、DNA配列決定法により確認し、pSK−PgapAと呼称した。
次に、pycRe遺伝子を、プライマーOme 0057−PycR(配列番号3)およびOme058−PycF(配列番号4)を用い、インゲン根粒菌CFN 42ゲノムDNAから増幅した。得られたPCR産物を、SmaIおよびNdeI制限酵素により消化し、pSK−PgapAプラスミドのSmaI部位とNdeI部位の間にクローニングした。得られたプラスミドを、DNA配列決定法により確認し、pSK−PgapApycReと呼称した。
最後に、pSK−PgapA−pycReを、SmaIおよびPsiI制限酵素により消化し、得られたPgapApycRe消化断片を、pJB137プラスミドのSmaI部位間にクローニングした。得られたプラスミドを、DNA配列決定法により確認し、pJB137−PgapApycReと呼称した。
Ome 0053−gapA F(配列番号1)
Figure 2014503215
この配列において
・下線を施した大文字の配列は、HindIIIおよびPmeI制限部位および余分な塩基である。
・大文字の配列は、gapAプロモーター配列(1860640〜1860661、ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同である。
Ome 0054−gapA R (配列番号2)
Figure 2014503215
この配列において
・下線を施した大文字の配列は、HindIII、AgeI、AflIIIおよびNdeI制限部位および余分な塩基である。
・大文字の配列は、gapAプロモーター配列(1860772〜1860791、ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同である。
Ome 0057−PycR (配列番号3)
Figure 2014503215
この配列において
・下線を施した大文字の配列は、SmaI制限部位および余分な塩基である。
・大文字の配列は、インゲン根粒菌ピルビン酸カルボキシラーゼ(pycRe)遺伝子(4240368〜4240388、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/上に参照配列)と相同である。
Ome 0058−PycF(配列番号4)
Figure 2014503215
この配列において
・下線を施した大文字の配列は、SnaBI、NdeI制限部位および余分な塩基である。
・大文字の配列は、pycRe遺伝子のGTG開始コドンがATGで置き換えられていることを除いて、インゲン根粒菌ピルビン酸カルボキシラーゼ(pycRe)遺伝子(4236889〜4236908、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/上に参照配列)と相同である。
pJB137−PgapApycReをエレクトロポレーションによって、MG1655 metA 11trc−metH trcF−cysPUWAMtrcF−cysJIHtrc09−gcvTHPtrc36−ARNmst17−metFtrc07−serB ΔmetJ ΔpykF ΔpykA ΔpurU ΔyncA ΔmalS::TTadc−CI857−λR (−35)−thrA 1−cysE ΔpgaABCD::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−PgapA−metA 11 ΔuxaCA ::TT07−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔCP4−6::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔwcaM::TT02−TTadc−PλR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔtreBC::TT02−serA−serC株に導入した。この株は特許出願EP10306164.4およびUS61/406249に記載されている。pJB137−PgapApycReの存在を確認し、選択したMG1655 metA 11 trc−metH trcF−cysPUWAM trcF−cysJIHtrc09−gcvTHPtrc36−ARNmst17−metFtrc07−serB ΔmetJ ΔpykF ΔpykA ΔpurU ΔyncA ΔmalS::TTadc−CI857−λR (−35)−thrA 1−cysE ΔpgaABCD::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−PgapA−metA 11 ΔuxaCA ::TT07−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔCP4−6::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔwcaM::TT02−TTadc−PλR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 DtreBC::TT02−serA−serC pJB137−PgapApycRe株を株1と呼称した(表1)。
3.株2の構築
メチオニンおよびヒドロキシメチオニンの生産株2(表1)は特許出願EP10306164.4およびUS61/406249に記載されており、これは引用することにより本願の一部とされる。
4.株3の構築
4.1.MG1655 metA 11 pKD46 ΔybdL::Kmの構築
MG1655 metA 11 pKD46株のybdL遺伝子を欠失させるために、プロトコール1を用いたが、プラスミドpKD4由来のカナマイシン耐性カセットの増幅には、プライマーOme 0589−DybdLF(配列番号5)およびOme 0590−DybdLR(配列番号6)を用いた。
Ome 0589−DybdLF(配列番号5)
Figure 2014503215
この配列において
・大文字の配列は、ybdL遺伝子の下流配列(633791〜633870、ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同である。
・下線を施した大文字の配列は、pKD4プラスミドのプライマー部位1(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97: 6640-6645)に相当する。
Ome 0590−DybdLR(配列番号6)
Figure 2014503215
この配列において
・大文字の配列は、ybdL遺伝子の上流配列(632797〜632874、ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同である。
・下線を施した大文字の配列は、プラスミドpKD4のプライマー部位2(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97: 6640-6645)に相当する
カナマイシン耐性組換え体を選択した。耐性カセットの挿入を、プライマーOme 0591−ybdLR(配列番号7)およびOme 0592−ybdLF(配列番号8)を用いたPCRと、DNA配列決定法により確認した。確認済みの選択株をMG1655 metA 11 ΔybdL::Km pKD46と呼称した。
Ome 0591−ybdLR(配列番号7)
ybdM遺伝子の上流配列(634054〜634035、ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同な
Figure 2014503215
Ome 0592−ybdLF(配列番号8)
ybdH遺伝子の下流配列(632663〜632683、ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同な
Figure 2014503215
4.2.ybdLの形質導入
次に、ΔybdL::Km欠失を、上に第4.1.章で記載したMG1655 metA 11 pKD46 ΔybdL::Km株のP1ファージ溶解液(プロトコール2)を用いることによって、特許出願EP10306164.4およびUS61/406249に記載されているMG1655 metA 11trc−metHtrcF−cysPUWAMtrcF−cysJIHtrc09−gcvTHPtrc36−ARNmst17−metFtrc07−serB ΔmetJ ΔpykF ΔpykA ΔpurU ΔyncA ΔmalS::TTadc−CI857−λR (−35)−thrA 1−cysE ΔpgaABCD::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−PgapA−metA 11 ΔuxaCA::TT07−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔCP4−6::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔwcaM::TT02−TTadc−PλR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔtreBC::TT02−serA−serCに形質導入した。
カナマイシン耐性形質導入体を選択し、ΔybdL::Km染色体改変の存在を、Ome 0591−ybdLR(配列番号7)およびOme 0592−ybdLF(配列番号8)を用いたPCRにより確認した。得られた株は以下の遺伝子型MG1655 metA 11trc−metH trcF−cysPUWAMtrcF−cysJIHtrc09−gcvTHPtrc36−ARNmst17−metFtrc07−serB ΔmetJ ΔpykF ΔpykA ΔpurU ΔyncA ΔmalS::TTadc−CI857−λR (−35)−thrA 1−cysE ΔpgaABCD::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−PgapA−metA 11 ΔuxaCA::TT07−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔCP4−6::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔwcaM::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 DtreBC::TT02−serA−serC DybdL::Kmを有する。
特許出願EP10306164.4およびUS61/406249に記載されているpCL1920−PgapApycRe−TT07をエレクトロポレーションによって前記株に導入した。pCL1920−PgapApycRe−TT07の存在を確認し、得られたMG1655 metA 11trc−metH trcF−cysPUWAMtrcF−cysJIHtrc09−gcvTHPtrc36−ARNmst17−metFtrc07−serB ΔmetJ ΔpykF ΔpykA ΔpurU ΔyncA ΔmalS::TTadc−CI857−λR (−35)−thrA 1−cysE ΔpgaABCD::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−PgapA−metA 11 ΔuxaCA::TT07−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔCP4−6::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 ΔwcaM::TT02−TTadc−λR (−35)−RBS01−thrA 1−cysE−gapA−metA 11 DtreBC::TT02−serA−serC DybdL::Km pCL1920gapA−pycRe−TT07株を株3と呼称した(表1)。
実施例II:窒素制限下でのフェドバッチ法を用いた発酵によるヒドロキシメチオニンの生産
続いて、フラスコ内で十分な量の目的代謝産物を生産した株を、フェドバッチ法を用い、2.5L発酵槽(Pierre Guerin)において生産条件下で試験した。使用した異なる培地の組成を表02〜05に示す。
簡潔には、2.5g.L−1グルコースを添加したLB培地10mLで増殖させた24時間培養物を用いて、最少培地(B1a)に24時間前培養物を植菌した。これらのインキュベーションは、50mLの最少培地(B1a)の入った500mLバッフル付フラスコで、回転式振盪培養機(200RPM)に入れて行った。1回目の前培養は30℃の温度で行い、2回目の前培養は34℃の温度で行った。
3回目の前培養工程はバイオリアクター(Sixfors)で行い、バイオリアクターには200mLの最少培地(B1b)を充填し、3mL濃縮前培養物をバイオマス濃度1.2g.L−1に植菌した。前培養温度は34℃で一定に保ち、pHは10%NHOH溶液を用いて6.8の値に自動調整した。溶存酸素濃度は、空気供給および/または撹拌により大気分圧飽和の30%の値に連続的に調整した。バッチ培地のグルコース枯渇後、フェドバッチを初期流速0.7mL.h−1で開始し、増殖速度0.13h−1で24時間、指数関数的に増加させ、最終細胞濃度約18g.L−1を得た。
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
Figure 2014503215
必要な場合には、異なる培地中に、スペクチノマイシンおよびカナマイシンを終濃度50mg.L−1で加え、クロラムフェニコールを30mg.L−1で、カルベニシリンを100mg.L−1で、ゲンタマイシンを10mg.L−1で加えた。
続いて、2.5L発酵槽(Pierre Guerin)に600mLの最少培地(B2)を充填し、55〜70mLの間の範囲の前培養物量をバイオマス濃度2.1g.L−1に植菌した。
培養温度は37℃で一定に保ち、pHはNHOH溶液の自動添加(NHOH 10%を9時間、その後、培養終了まで28%)により作業値(6.8)に維持した。バッチ段階中、初期撹拌速度は200RPMに設定し、フェドバッチ段階中は1000RPMまで速めた。バッチ段階中、初期気流速度は40NL.h−1に設定し、フェドバッチ段階開始時に100NL.h−1まで速めた。溶存酸素濃度は撹拌回数を増やすことにより20〜40%の間の値、好適には、30%飽和に維持した。
細胞塊が5g.L−1に近い濃度に達したら、フェドバッチを初期流速5mL.h−1で開始した。供給溶液(実験に応じてF2、F3またはF4)は、流速が上昇し26時間後には24mL.h−1に達するS字状プロフィールで注入した。正確な供給条件は下式:
Figure 2014503215
(式中、Q(t)は供給流速(mL.h−1)であり、バッチ容量600mLの場合、p1=1.80、p2=22.40、p3=0.270、p4=6.5である)
により算出した。
26時間のフェドバッチ後、供給溶液ポンプを止め、グルコース枯渇後に培養を停止した。
細胞外アミノ酸を、OPA/Fmoc誘導体化後にHPLCにより定量し、他の関連代謝産物を、屈折率検出によるHPLC(有機酸およびグルコース)およびシリル化後のGC−MSを用いて分析した。
ヒドロキシメチオニン生産を高めるために、本発明者らは窒素制限下でフェドバッチ発酵を行った。培養は、上昇するアンモニウム濃度を有する、F2、F3およびF4と呼称した異なるフェドバッチ培地(表5の組成を参照のこと)を用い、上記のように行った。
F2培地の場合、窒素制限は培養時間15時間前後で起こるが、一方、F3培地の場合、制限は培養時間19時間前後で起こる。F4フェドバッチ溶液の場合、細胞は窒素制限状態にはならなかった。
F2培地およびF3培地の場合、下の図1に示すイオンクロマトグラフィー測定により確認された通り、最終残留アンモニウム濃度は0に近かった。
表6に示す結果は、メチオニンおよびヒドロキシメチオニンを生産するように遺伝的に改変された3つの組換え株により生産されたヒドロキシメチオニンのレベルを示している(表1の遺伝子型を参照のこと)。
Figure 2014503215
分かるように、培養中、窒素制限が早期に起こるほど、ヒドロキシメチオニン生産がより多く増加する。フェドバッチ培地F2で培養される株1および株3によって生産されるヒドロキシメチオニンは10mMより多いが、F4では1mMに過ぎない。
参照文献
Figure 2014503215

Claims (14)

  1. ヒドロキシメチオニンの発酵生産方法であって、
    −メチオニンを生産するように改変された組換え微生物を、炭素源、硫黄源、および窒素源を含んでなる適当な培養培地において培養する工程、
    −該培養培地からヒドロキシメチオニンを回収する工程
    を含んでなる、方法。
  2. 組換え微生物が、窒素制限条件下で培養される、請求項1に記載の方法。
  3. 培養培地のC/Nモル比が、5より大きく、好ましくは、約10より大きく、最も好ましくは、20より大きい、請求項1または2に記載の方法。
  4. C/Nモル比が約20〜約25の間である、請求項3に記載の方法。
  5. 以下の連続的工程:
    −炭素源、硫黄源、および窒素源を含んでなる適当な培養培地において組換え微生物を増殖させる工程、
    −前記適当な培養培地において、窒素制限条件下で該組換え微生物を培養する工程、
    −該培養培地からヒドロキシメチオニンを回収する工程
    を含んでなる、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 微生物が、バイオリアクター系において、以下の2つの連続的工程:
    −炭素源、硫黄源、および窒素源を含んでなる適当な培養培地において、約10時間〜20時間の、好ましくは、約15時間〜20時間の該微生物の増殖工程、
    −適当な培養培地において窒素制限条件における、約10時間〜20時間の、好ましくは、約10時間〜15時間の該微生物の培養工程
    により培養される、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 組換え微生物が、以下の遺伝子改変:
    −以下の遺伝子:metA metHcysPUWAMcysJIHgcvTHPmetFserBthrA cysEserAserCの発現の増加、
    −以下の遺伝子:metJpykFpykApurUyncAybdLの発現の減弱
    の少なくとも1つを含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 組換え微生物が、以下の改変:
    −遺伝子pntABおよび/またはpycの発現の増加、
    −遺伝子udhAの発現の減弱
    の少なくとも1つをさらに含んでなる、請求項7に記載の方法。
  9. 発酵性炭素源が、グルコースまたはスクロースである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 培養培地における硫黄源が、硫酸塩、チオ硫酸塩、硫化水素、ジチオン酸塩、亜ジチオン酸塩、亜硫酸塩、または種々の供給源の組合せである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ヒドロキシメチオニンが、培養培地から抽出により回収される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法により得られる、生物学的に生産されたヒドロキシメチオニン。
  13. 請求項12に記載の生物学的に生産されたヒドロキシメチオニンを含んでなる、動物栄養用組成物。
  14. 請求項12に記載の生物学的に生産されたヒドロキシメチオニンを含んでなる、化粧用組成物。
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