JP2014241668A - 無線電力伝送装置及び無線電力伝送装置の電力供給方法 - Google Patents

無線電力伝送装置及び無線電力伝送装置の電力供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】給電モジュール及び受電モジュールの周辺に発生する磁界の強度を抑制しつつ、新たな機器を設けずに、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域にない場合(待機状態)における給電モジュールの消費電力を低減することができる無線電力伝送装置、及び、無線電力伝送装置の電力供給方法を提供する。【解決手段】交流電源6に接続された給電モジュール2から、受電モジュール3に対して共振現象を利用して電力を供給する給電モジュール2に関して、磁界空間Z1、Z2が形成されていない待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、磁界空間Z1、Z2が形成されている給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなる、電源周波数で作動させる。【選択図】図18

Description

本発明は、無線電力伝送装置及び無線電力伝送装置の電力供給方法に関する。
近年、ノート型PC、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、携帯ゲーム機、イヤホン型音楽プレイヤー、無線式ヘッドセット、補聴器、レコーダーなど人が携帯しながら使用できる携帯型の電子機器が急速に普及してきている。そして、これらの携帯型の電子機器の多くには充電池が搭載されており、定期的な充電が必要とされる。この電子機器の充電池への充電作業を簡易にするために、給電モジュールと電子機器に搭載された受電モジュールとの間で無線による電力伝送を利用した給電技術(磁界を変化させて電力伝送を行う無線電力伝送技術)により、充電池を充電する機器が増えつつある。
無線電力伝送技術としては、給電装置(給電モジュール)及び受電装置(受電モジュール)が備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより電力伝送を行う技術が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
例えば、上記給電モジュール及び受電モジュールが備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより無線電力伝送をするときには、受電モジュールを給電モジュールに近づけて、給電モジュールから受電モジュールに対して給電できる距離(給電可能領域)になるように配置して使用する必要がある。このような使用過程において、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域内にない場合、給電モジュールでは、受電モジュールが給電可能領域に近接配置されるのに備えて常に電力が供給され続け、無駄に電力が消費されてしまう問題がある(待機電力が大きくなる)。
この問題に対して、何らかの検出部(センサ等)を給電モジュール又は受電モジュールに設け、その検出部が、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域内に配置されたことによる各種の変化を検出し、その検出結果をトリガーとして給電モジュールに電力供給を開始する対処法が提案されている。
例えば、特許文献2の給電システムの給電装置(給電モジュール)には、検出部(電流・電圧検出部113)が設けられ、この検出部で測定した電流値・電圧値に基づきインピーダンスを求め、このインピーダンスの変化(インピーダンスの増加量など:段落[0047]等参照)を予め設定した閾値と比較することにより、給電装置(給電モジュール)と2次側機器(受電モジュール)とが給電可能領域にあるか否かを判断する構成が記載されている。
確かに、上記のように検出部を設けて、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域にあるか否かを判断すれば、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域にないと判断した場合は、給電モジュールへの電力供給を止めて無駄に電力が消費されるのを防ぐことができる。
特開2010−239769号公報 特開2013−62895号公報
しかしながら、上記のように検出部を新たに設けることは、コストが掛かるうえに、給電モジュールの小型化の点からも不都合である。
また、検出部を設けた場合でも、所定の時間間隔を空けて(間欠的に)検出部を動作させる必要があり、この検出部の動作に電力が必要となり、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域にない場合でも電力は消費されることになる(特許文献2の段落[0044]参照)。
更に、上記の無線電力伝送技術では、共振器間の共振現象時に給電装置及び受電装置が備える共振器周辺に磁界が発生する。その結果、給電装置や受電装置の内部や外部に配置された整流器、充電池、その他の電子部品などに、磁界に起因する渦電流が発生して発熱し、整流器や充電池や電子部品などに悪影響を及ぼす問題もある。
そこで、本発明の目的は、給電モジュール及び受電モジュールの周辺に発生する磁界の強度を抑制しつつ、新たな機器を設けずに、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域にない場合(待機状態)における給電モジュールの消費電力を低減することができる無線電力伝送装置、及び、無線電力伝送装置の電力供給方法を提供することにある。
上記課題を解決するための発明の一つは、電源に接続された給電モジュールに受電モジュールを近接させて、前記給電モジュール周辺に発生する磁界と前記受電モジュール周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせることにより、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成しつつ、給電モジュールから、受電モジュールに対して共振現象を利用して電力を供給する無線電力伝送装置であって、
前記磁界空間が形成されていない待機状態における前記給電モジュールの入力インピーダンスが、前記磁界空間が形成され、前記受電モジュールに電力が供給されている給電状態における前記給電モジュール及び前記受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなる、前記電源の電源周波数で作動させることを特徴としている。
上記構成によれば、給電モジュール周辺に発生する磁界と受電モジュール周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせる程度に、給電モジュールに対して受電モジュールを近接させることにより、給電モジュール及び受電モジュールの間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。そして、磁界空間が形成されていない待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスが、磁界空間が形成されている給電状態における給電モジュール及び受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュールの消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置であって、前記給電モジュール及び前記受電モジュールは、少なくとも所定の共振周波数で共振する給電共振器及び受電共振器を有し、
前記給電共振器から前記受電共振器に対して前記共振現象により電力を供給するときに、前記給電共振器に流れる電流の向きと前記受電共振器に流れる電流の向きとが、同じ向きになるように、前記電源の電源周波数を前記共振周波数よりも低周波数側に設定することを特徴としている。
上記の構成では、共振現象を利用した電力伝送を行う際に、給電モジュールに受電モジュールを近接させることにより、給電共振器と受電共振器との結合の強さを表す結合係数が高くなる。このように結合係数が高い状態で、伝送特性『S21』(給電モジュールから受電モジュールに電力を送電する際の送電効率の指標となる値)を解析すると、その解析波形は低周波側と高周波側とにピークが分離する。
そして、この低周波側の周波数に、電源の電源周波数を設定することにより、給電共振器に流れる電流の向きと受電共振器に流れる電流の向きとが同じ向きになり、給電モジュールの外周側に発生する磁界と受電モジュールの外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール及び受電モジュールの外周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール及び受電モジュールの外周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。そして、給電モジュール及び受電モジュールの外周側に磁界空間が形成されていない待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスが、給電モジュール及び受電モジュールの外周側に磁界空間が形成されている給電状態における給電モジュール及び受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュールの消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置であって、前記給電モジュール及び前記受電モジュールは、少なくとも所定の共振周波数で共振する給電共振器及び受電共振器を有し、
前記給電共振器から前記受電共振器に対して前記共振現象により電力を供給するときに、前記給電共振器に流れる電流の向きと前記受電共振器に流れる電流の向きとが、逆向きになるように、前記電源の電源周波数を前記共振周波数よりも高周波数側に設定することを特徴としている。
上記の構成では、共振現象を利用した電力伝送を行う際に、給電モジュールに受電モジュールを近接させることにより、給電共振器と受電共振器との結合の強さを表す結合係数が高くなる。このように結合係数が高い状態で、伝送特性『S21』(給電モジュールから受電モジュールに電力を送電する際の送電効率の指標となる値)を解析すると、その解析波形は低周波側と高周波側とにピークが分離する。
そして、この高周波側の周波数に、電源の電力周波数を設定することにより、給電共振器に流れる電流の向きと受電共振器に流れる電流の向きとが逆向きになり、給電モジュールの内周側に発生する磁界と受電モジュールの内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール及び受電モジュールの内周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール及び受電モジュールの内周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。そして、給電モジュール及び受電モジュールの内周側に磁界空間が形成されていない待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスが、給電モジュール及び受電モジュールの内周側に磁界空間が形成されている給電状態における給電モジュール及び受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュールの消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置であって、前記給電モジュールは、給電コイル、給電共振器、及び、受電共振器を備え、前記受電モジュールは、受電コイルを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスを、給電コイル、給電共振器、及び、受電共振器を有する給電モジュールの入力インピーダンスとして構成することができる。
これによれば、給電モジュールは、少なくとも給電コイル、給電共振器、及び、受電共振器の3つの要素によって構成されているため、給電モジュールの入力インピーダンスを決定するための要素が多くなる。そして、給電モジュールの入力インピーダンスを決定するための要素が多くなるということは、電源の電源周波数に対する給電モジュールの入力インピーダンスの関係を決定するための要素も多くなるため、給電モジュールの設計自由度を高めることができる。
また、受電モジュールを、受電コイルを有する構成としているため、受電モジュールのコンパクト化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置であって、前記給電モジュールは、給電コイル、及び、給電共振器を備え、前記受電モジュールは、受電共振器、及び、受電コイルを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスを、給電コイル、及び、給電共振器を有する給電モジュールの入力インピーダンスとして構成することができる。
これによれば、給電モジュールは、少なくとも給電コイル、及び、給電共振器の2つの要素によって構成されているため、給電モジュールの入力インピーダンスを決定するための要素が多くなる。そして、給電モジュールの入力インピーダンスを決定するための要素が多くなるということは、電源の電源周波数に対する給電モジュールの入力インピーダンスの関係を決定するための要素も多くなるため、給電モジュールの設計自由度を高めることができる。
また、受電モジュールを、受電コイルを有する構成としているため、受電モジュールのコンパクト化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置であって、前記給電モジュールは、給電コイルを備え、前記受電モジュールは、給電共振器、受電共振器、及び、受電コイルを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスを、給電コイルの入力インピーダンスとして構成することができる。
これによれば、給電モジュールは、主に給電コイルの1つの要素によって構成されているため、給電モジュールの入力インピーダンスを決定するための要素を単一化することができる。そして、給電モジュールの入力インピーダンスを決定するための要素を単一化することができるということは、電源の電源周波数に対する給電モジュールの入力インピーダンスの関係を決定するための要素も単一化することができるため、給電モジュールの設計の簡素化を図ることができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、電源に接続された給電モジュールに受電モジュールを近接させて、前記給電モジュール周辺に発生する磁界と前記受電モジュール周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせることにより、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成しつつ、給電モジュールから、受電モジュールに対して共振現象を利用して電力を供給する無線電力伝送装置の電力供給方法であって、
前記電源の電源周波数を、前記磁界空間が形成されていない待機状態における前記給電モジュールの入力インピーダンスが、前記磁界空間が形成され前記受電モジュールに電力が供給されている給電状態における前記給電モジュール及び前記受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなる帯域に調整することを特徴としている。
上記方法によれば、給電モジュール周辺に発生する磁界と受電モジュール周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせる程度に、給電モジュールに対して受電モジュールを近接させることにより、給電モジュール及び受電モジュールの間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。そして、磁界空間が形成されていない待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスが、磁界空間が形成されている給電状態における給電モジュール及び受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュールの消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
給電モジュール及び受電モジュールの周辺に発生する磁界の強度を抑制しつつ、新たな機器を設けずに、給電モジュールと受電モジュールとが給電可能領域にない場合(待機状態)における給電モジュールの消費電力を低減することができる無線電力伝送装置、及び、無線電力伝送装置の電力供給方法を提供することができる。
給電モジュールを搭載した充電器、及び、受電モジュールを搭載した無線式ヘッドセットの説明図である。 待機状態における給電モジュール及び受電モジュールの説明図である。 給電状態における給電モジュール及び受電モジュールを等価回路で示した説明図である。 磁界空間の形成場所を説明した説明図である。 ネットワークアナライザに接続した無線電力伝送装置の説明図である。 電源周波数に対する伝送特性『S21』の関係を示したグラフである。 (A)同相共振モードの説明図である。(B)同相共振モードにおける磁界ベクトル図である。 (A)同相共振モードにおける給電モジュール及び受電モジュールを側面から見た磁界強度分布である。(B)図8(A)の給電モジュール及び受電モジュールのA−A断面図である。 (A)逆相共振モードの説明図である。(B)逆相共振モードにおける磁界ベクトル図である。 (A)逆相共振モードにおける給電モジュール及び受電モジュールを側面から見た磁界強度分布である。(B)図10(A)の給電モジュール及び受電モジュールのB−B断面図である。 実施例1−1に係る給電モジュールを等価回路で示した説明図である。 実施例1−1に係る解析結果を示すグラフである。 実施例1−2に係る給電モジュールを等価回路で示した説明図である。 実施例1−2に係る解析結果を示すグラフである。 実施例1−3に係る給電モジュールを等価回路で示した説明図である。 実施例1−3に係る解析結果を示すグラフである。 実施例2−1に係る給電モジュールを等価回路で示した説明図である。 実施例2−1に係る解析結果を示すグラフである。 実施例2−2に係る給電モジュールを等価回路で示した説明図である。 実施例2−2に係る解析結果を示すグラフである。 実施例2−3に係る給電モジュールを等価回路で示した説明図である。 実施例2−3に係る解析結果を示すグラフである。 給電モジュールを搭載した充電器、及び、受電モジュールを搭載した無線式ヘッドセットの設計方法を説明したフローチャートである。
以下に本発明である無線電力伝送に用いる無線電力伝送装置1、及び、無線電力伝送装置1の電力供給方法の実施形態について説明する。
(実施形態)
まず、本実施形態では、無線電力伝送を実現する、給電モジュール2及び受電モジュール3を主な構成要素とする無線電力伝送装置1を、図1に示すように、給電モジュール2を備えた充電器101、及び、受電モジュール3を備えた無線式ヘッドセット102を例に説明する。
(充電器101及び無線式ヘッドセット102の構成)
充電器101は、図1に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を有した給電モジュール2を備えている。また、無線式ヘッドセット102は、イヤホンスピーカ部102a、受電コイル31及び受電共振器32を有した受電モジュール3を備えている。そして、給電モジュール2の給電コイル21には、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を所定の値に設定した発振回路を備えた交流電源6が接続され、受電モジュール3の受電コイル31には、受電された交流電力を整流化する安定回路7及び過充電を防止する充電回路8を介して充電池9が接続されている。なお、図1では、説明の都合上、安定回路7、充電回路8及び充電池9を受電モジュール3の外に記載しているが、実際は、ソレノイド状の受電コイル31及び受電共振器32のコイル内周側に配置されている。また、本実施形態における安定回路7、充電回路8、及び、充電池9は、図1に示すように、最終的な電力の給電先となる被給電機器10であり、被給電機器10は、受電モジュール3に接続された電力の給電先の機器全体の総称である。また、給電モジュール2及び受電モジュール3を無線電力伝送装置1としている。
また、図示しないが、充電器101は、無線式ヘッドセット102を収納するための、無線式ヘッドセット102の形状に即した収納溝が設けられており、この充電器101の収納溝に無線式ヘッドセット102を収納することにより、充電器101が備える給電モジュール2と無線式ヘッドセット102が備える受電モジュール3とが対向配置されるように無線式ヘッドセット102を位置決めすることができるようになっている。
給電コイル21は、交流電源6から得られた電力を電磁誘導によって給電共振器22に供給する役割を果たす。この給電コイル21は、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。なお、コイルL部分は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。また、給電コイル21を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとしており、本実施形態では、給電コイル21を構成する抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。また、給電コイル21に流れる電流をIする。
受電コイル31は、給電共振器22から受電共振器32に磁界エネルギーとして伝送された電力を電磁誘導によって受電し、安定回路7及び充電回路8を介して充電池9に供給する役割を果たす。この受電コイル31は、給電コイル21同様に、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。なお、コイルL部分は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。また、受電コイル31を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとしており、本実施形態では、受電コイル31を構成する抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。また、受電コイル31に接続された被給電機器10の合計のインピーダンスをZとするが、本実施形態では、図3に示すように、受電コイル31に接続された安定回路7、充電回路8及び充電池9(被給電機器10)の各負荷インピーダンスを合わせたものを便宜的に抵抗器R(Zに相当)としている。また、受電コイル31に流れる電流をIする。
給電共振器22は、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。また、受電共振器32は、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。そして、給電共振器22及び受電共振器32は、それぞれ共振回路となり、磁界共鳴状態を創出する役割を果たす。ここで、磁界共鳴状態(共振現象)とは、2つ以上のコイルが共振周波数帯域において共振することをいう。また、給電共振器22を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとし、本実施形態では、給電共振器22を構成する、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。また、受電共振器32を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとし、本実施形態では、受電共振器32を構成する、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。また、給電共振器22に流れる電流をIとし、受電共振器32に流れる電流をIとする。
また、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31における共振回路としてのRLC回路では、インダクタンスをL、コンデンサ容量をCとすると、(式1)によって定まるfが共振周波数となる。そして、本実施形態における給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31の共振周波数は、1.0MHzとしている。

・・・(式1)
また、給電共振器22及び受電共振器32は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。また、給電共振器22及び受電共振器32における共振周波数は上記のように一致させている。なお、給電共振器22及び受電共振器32は、コイルを使用した共振器であれば、スパイラル型やソレノイド型などのコイルであってもよい。
また、給電コイル21と給電共振器22との間の距離をd12とし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離をd23とし、受電共振器32と受電コイル31との間の距離をd34としている(図1参照)。
また、図3に示すように、給電コイル21のコイルLと給電共振器22のコイルLとの間の相互インダクタンスをM12、給電共振器22のコイルLと受電共振器32のコイルLとの間の相互インダクタンスをM23、受電共振器32のコイルLと受電コイル31のコイルLとの間の相互インダクタンスをM34としている。また、給電モジュール2及び受電モジュール3において、コイルLとコイルLとの間の結合係数をk12と表記し、コイルLとコイルLとの間の結合係数をk23と表記し、コイルLとコイルLとの間の結合係数をk34と表記している。
また、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34は、設計・製造段階等で変更可能なパラメータとして設定される。
上記給電モジュール2及び受電モジュール3によれば、給電共振器22の共振周波数と受電共振器32の共振周波数とを一致させた場合、給電共振器22と受電共振器32との間に磁界共鳴状態を創出することができる。給電共振器22及び受電共振器32が共振した状態で磁界共鳴状態が創出されると、給電共振器22から受電共振器32に電力を磁界エネルギーとして伝送することが可能となり、給電モジュール2を備えた充電器101から、受電モジュール3を備えた無線式ヘッドセット102に電力が無線伝送され、無線式ヘッドセット102内に設けられた充電池9が充電される。
(磁界強度を弱めた磁界空間の形成)
本実施形態では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に発生する磁界の強度を抑制するために、磁界強度を弱めた磁界空間を形成する。具体的には、図4に示すように、給電モジュール2の給電共振器22から受電モジュール3の受電共振器32に共振現象を利用した電力供給をする際に、給電共振器22と受電共振器32の間の所望位置に、当該所望位置以外の磁界強度よりも磁界強度が小さな磁界空間Z1又は磁界空間Z2を形成する。ここで、所望の位置とは、詳細は後述するが、給電モジュール2におけるコイル(給電共振器22)又は受電モジュール3におけるコイル(受電共振器32)の内周側の空間(磁界空間Z2)又は外周側の空間(磁界空間Z1)をいう。
(磁界空間が形成される場所)
図5に示すように、上記充電器101及び無線式ヘッドセット102に組み込まれる無線電力伝送装置1(給電モジュール2及び受電モジュール3)をネットワークアナライザ110(本実施形態では、アジレント・テクノロジー株式会社製のE5061Bを使用)に接続し、磁界空間が形成される場所について説明する。また、磁界空間を測定するに際しては、電磁界解析を用いて解析し、磁界強度を色調で表示させることによって測定する。
まず、ネットワークアナライザ110を使用して、給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を変えながら伝送特性『S21』を解析する。この際、図6のグラフに示すように、横軸を出力端子111から出力される交流電力の電源周波数とし、縦軸を伝送特性『S21』として解析する。
なお、伝送特性『S21』とは、ネットワークアナライザ110を給電モジュール2及び受電モジュール3に接続して計測される信号を表しており、デシベル表示され、数値が大きいほど電力伝送効率が高いことを意味する。また、電力伝送効率とは、ネットワークアナライザ110に無線電力伝送装置1を接続した状態で、出力端子111から給電モジュール2に供給される電力に対する入力端子112に出力される電力の比率のことをいう。即ち、伝送特性『S21』が高いほど、電力伝送効率が高くなることを意味する。
本実施形態では、図6に示すように、解析された伝送特性『S21』の解析波形(図6の実線52)が、低周波側と高周波側とにピークが分離する双峰性の性質を有するように設定される。なお、分離したピークのうち、高周波側の周波数をfH、低周波側の周波数をfLとして表す。
ここで、無線電力伝送装置1に供給する電力の電源周波数に対する伝送特性『S21』は、給電モジュール2及び受電モジュール3の間の磁界による結びつき度合い(磁界結合)の強度により、単峰性の性質を有するものと双峰性の性質を有するものに分かれる。そして、単峰性とは、電源周波数に対する伝送特性『S21』のピークが一つで、そのピークが共振周波数帯域(fo)において現れるものをいう(図6の破線51参照)。一方、双峰性とは、電源周波数に対する伝送特性『S21』のピークが二つあり、その二つのピークが共振周波数よりも低い電源周波数帯域(fL)と共振周波数よりも高い電源周波数帯域(fH)において現れるものをいう(本実施形態の解析結果に係る図6の実線52参照)。更に詳細に双峰性を定義すると、上記ネットワークアナライザ110に給電モジュール2及び受電モジュール3を接続して計測される反射特性『S11』が二つのピークを有する状態をいう。従って、電源周波数に対する伝送特性『S21』のピークが一見して一つに見えたとしても、計測されている反射特性『S11』が二つのピークを有する場合には、双峰性の性質を有するものとする。
仮に、単峰性の性質を有するように設定すると、給電モジュール2及び受電モジュール3の伝送特性『S21』は、図6の破線51に示すように、電源周波数が共振周波数fの帯域で最大化する(電力伝送効率が最大化する)。
一方、本実施形態のように、双峰性の性質を有する給電モジュール2及び受電モジュール3では、図6の実線52に示すように、伝送特性『S21』は、共振周波数foよりも低い電源周波数帯域(fL)と共振周波数foよりも高い電源周波数帯域(fH)において最大化する。なお、一般的に、給電共振器22と受電共振器32との間の距離が同じであれば、双峰性における伝送特性『S21』の最大値(fL又はfHでの伝送特性『S21』の値)は、単峰性における伝送特性『S21』の最大値(fでの伝送特性『S21』の値)よりも低い値になる。
なお、本実施例では、解析された伝送特性『S21』の解析波形が、低周波側と高周波側とにピークが分離する程度に給電共振器22と受電共振器32とが近接配置されていればよい。また、無線電力伝送装置1の伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するには、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、結合係数k12、k23、k34、コイル間距離d12、d23、d34などの給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する変更可能なパラメータを設定することにより実現される。
そして、伝送特性『S21』の解析波形が双峰性を示す場合に、共振周波数foよりも低い周波数帯域に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定した場合、給電共振器22及び受電共振器32が同位相で共振状態となり、図7(A)に示すように、給電共振器22に流れる電流の向き(22A)と受電共振器32に流れる電流の向き(32A)とが同じ向きになる。その結果、図7(B)の磁界ベクトル図に示すように、給電共振器22の外周側に発生する磁界と受電共振器32の外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の外周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の外周側以外の磁界強度(例えば、給電共振器22及び受電共振器32の内周側の磁界強度)よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z1を形成することができる。ここで、給電モジュール2におけるコイル(給電共振器22)に流れる電流の向きと受電モジュール3におけるコイル(受電共振器32)に流れる電流の向きとが同じ向きとなる共振状態を同相共振モードと呼ぶことにする。また、同相共振モードにおいて、伝送特性『S21』の解析波形が双峰性を示す場合に、共振周波数foよりも低い周波数帯域に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定することを広義の同相共振モード(図6参照)と定義し、更に、『S21』の解析波形の共振周波数foよりも低い周波数帯域に現れるピーク(fL)付近(『S21』の値がおよそ−10dB以上となる範囲)の周波数帯域に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定することを狭義の同相共振モード(図6参照)と定義する。なお、狭義の同相共振モードにおいて、『S21』の解析波形の共振周波数foよりも低い周波数帯域に現れるピーク(fL)に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定することを最狭義の同相共振モードとする。
上記最狭義の同相共振モードにおける給電共振器22及び受電共振器32周辺の磁界強度分布を、図8(A)(B)に、電磁界解析を用いて解析し、磁界強度を色調で表示させた解析結果として示す。この図8(A)(B)の磁界強度分布からも、給電共振器22及び受電共振器32の外周側に、磁界による影響が低減されて、比較的小さな磁界強度を有する磁界空間Z1を確認することができる。なお、図8(A)は、給電モジュール2及び受電モジュール3を側面から見た磁界強度分布であり、図8(B)は、図8(A)の給電モジュール2及び受電モジュール3のA−A断面図である。
一方、伝送特性『S21』の解析波形が双峰性を示す場合に、共振周波数foよりも高い周波数帯域に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定した場合、給電共振器22及び受電共振器32が逆位相で共振状態となり、図9(A)に示すように、給電共振器22に流れる電流の向き(22A)と受電共振器32に流れる電流の向き(32A)とが逆向きになる。その結果、図9(B)の磁界ベクトル図に示すように、給電共振器22の内周側に発生する磁界と受電共振器32の内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の内周側以外の磁界強度(例えば、給電共振器22及び受電共振器32の外周側の磁界強度)よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z2を形成することができる。ここで、給電モジュール2におけるコイル(給電共振器22)に流れる電流の向きと受電モジュール3におけるコイル(受電共振器32)に流れる電流の向きとが逆向きとなる共振状態を逆相共振モードと呼ぶことにする。また、逆相共振モードにおいて、伝送特性『S21』の解析波形が双峰性を示す場合に、共振周波数foよりも高い周波数帯域に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定することを広義の逆相共振モード(図6参照)と定義し、更に、『S21』の解析波形の共振周波数foよりも高い周波数帯域に現れるピーク(fH)付近(『S21』の値がおよそ−10dB以上となる範囲)の周波数帯域に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定することを狭義の逆相共振モード(図6参照)と定義する。なお、狭義の逆相共振モードにおいて、『S21』の解析波形の共振周波数foよりも高い周波数帯域に現れるピーク(fH)に給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を設定することを最狭義の逆相共振モードとする。
上記最狭義の逆相共振モードにおける給電共振器22及び受電共振器32周辺の磁界強度分布を、図10(A)(B)に、電磁界解析を用いて解析し、磁界強度を色調で表示させた解析結果として示す。この図10(A)(B)の磁界強度分布からも、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に、磁界による影響が低減されて、比較的小さな磁界強度を有する磁界空間Z2を確認することができる。なお、図10(A)は、給電モジュール2及び受電モジュール3を側面から見た磁界強度分布であり、図10(B)は、図10(A)の給電モジュール2及び受電モジュール3のB−B断面図である。
上記によれば、無線電力伝送装置1(給電モジュール2及び受電モジュール3)に関して、電源周波数に対する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するように設定し、給電共振器22から受電共振器32に対して共振現象により電力を供給するときに、給電モジュール2に供給する交流電力の電源周波数を同相共振モードに設定することにより、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが同じ向きになり、給電共振器22の外周側に発生する磁界と受電共振器32の外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の外周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の外周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z1を形成することができる。
そして、この磁界空間Z1に磁界の影響を低減させたい安定回路7や充電回路8や充電池9などを収納した場合、安定回路7や充電回路8や充電池9などに対して、磁界に起因する渦電流の発生を低減・防止して、発熱による悪影響を抑制することが可能となる。
また、上記のように、無線電力伝送装置1(給電モジュール2及び受電モジュール3)に関して、電源周波数に対する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するように設定し、給電共振器22から受電共振器32に対して共振現象により電力を供給するときに、給電モジュール2に供給する交流電力の周波数を逆相共振モードに設定することにより、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが逆向きになり、給電共振器22の内周側に発生する磁界と受電共振器32の内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の内周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z2を形成することができる。
そして、この磁界空間Z2に磁界の影響を低減させたい安定回路7や充電回路8や充電池9などを収納した場合、安定回路7や充電回路8や充電池9などに対して、磁界に起因する渦電流の発生を低減・防止して、発熱による悪影響を抑制することが可能となる。また、この逆相共振モードにより形成される磁界空間は、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に形成されるので、この空間に安定回路7や充電回路8や充電池9などの電子部品を組み込むことにより給電モジュール2及び受電モジュール3自体のコンパクト化・設計自由度の向上が実現される。
(待機状態の入力インピーダンスと給電状態の入力インピーダンスの関係)
まず、本実施形態に係る無線電力伝送装置1における給電状態及び待機状態の概念について説明する。図1及び図3に示すように、給電モジュール2から受電モジュール3に対して電力が供給されている状態を給電状態とする。この給電状態は、給電モジュール2及び受電モジュール3が備える給電共振器22と受電共振器32とが磁界共鳴状態を創出したときとも言える。また、給電状態は、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23がある程度近接配置された場合(給電可能領域)に成立する状態でもある。また、この給電状態では、上述した磁界空間(Z1又はZ2)が形成されている状態ともいえる。また、本実施形態では、無線式ヘッドセット102における充電池9に充電がなされている状態が給電状態といえる。
一方、図2に示すように、給電モジュール2から受電モジュール3に対して電力が供給されていない状態を待機状態とする。この待機状態は、給電モジュール2及び受電モジュール3が備える給電共振器22と受電共振器32とが磁界共鳴状態を創出していないときとも言える。また、待機状態は、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23が、上記磁界共鳴状態を創出しない程度の配置関係にある場合に成立する状態でもある。また、この待機状態では、上述した磁界空間(Z1又はZ2)が形成されていない状態ともいえる。また、本実施形態では、無線式ヘッドセット102における充電池9に充電がなされていない状態が待機状態といえる。
次に、上記の待機状態、及び、給電状態の概念を踏まえて、待機状態における給電モジュール2の消費電力を低減するための、給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態の入力インピーダンスと給電状態の入力インピーダンスとの関係を説明する。
まず、無線電力伝送を利用した電力伝送において、待機状態における消費電力を低減させる必要性を説明する。上述したように、給電モジュール2及び受電モジュール3が備える給電共振器22と受電共振器32との間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより無線電力伝送をするときには、受電モジュール3を給電モジュール2に近づけて、給電モジュール2から受電モジュール3に対して給電できる距離(給電可能領域)になるように配置して使用する必要がある。このような使用過程において、給電モジュール2と受電モジュール3とが給電可能領域内にない場合(待機状態)、給電モジュール2では、受電モジュール3が給電可能領域に近接配置される(給電状態)のに備えて常に電力が供給され続けた状態になる。
そうすると、待機状態における給電モジュール2の消費電力は無駄になってしまう。
一方、待機状態では、受電モジュール3が給電可能領域に近接配置された際に、すぐに給電状態に移行できるように給電モジュール2に電力を供給され続ける必要がある。
そうすると、待機状態における消費電力は、給電状態における消費電力よりも抑制されることが求められる。
そこで、待機状態における消費電力を、給電状態における消費電力よりも抑制するためには、消費電力Pは下記(式2)により算出されることから、待機状態における入力インピーダンスZinの値を、給電状態における入力インピーダンスZinの値よりも大きくすればよいことが分かる。なお、交流電源6によって給電モジュール2に印加される電圧V(実効値)は一定に保持されるため、電圧Vは可変要素とはしていない。

・・・(式2)
従って、本実施形態に係る給電モジュール2は、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるように設定され、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなる電源周波数で作動させることにより実現される。そして、このように構成することにより、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュール2の消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
以下実施例を示して説明する。以下の実施例では、様々な構成をした給電モジュール2及び受電モジュール3を用いて、待機状態(OFF)における電源周波数に対する入力インピーダンスZinと給電状態(ON)における電源周波数に対する入力インピーダンスZinを測定した。なお、実施例では、安定回路7、充電回路8、及び、充電池9の代わりに可変抵抗器11(R)を接続して測定している。
また、実施例1−1〜実施例2−3では、給電状態における、給電モジュール2及び受電モジュール3に供給する電力の電源周波数に対する伝送特性『S21』が、双峰性の性質を有するもので解析している。
(実施例1−1)
実施例1−1に係る給電モジュール2は、図11に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を備えた構成をしている。一方、受電モジュール3は、受電共振器32及び受電コイル31を備えた構成をしている。そして、給電コイル21は、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC直列回路を構成しており(共振あり)、コイルL部分は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。同様に、受電コイル31も、抵抗器R、コイルL4、及び、コンデンサCを要素とするRLC直列回路を構成しており、コイルL部分は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。また、給電共振器22は、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC直列回路を構成しており、コイルL部分は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。また、受電共振器32は、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC直列回路を構成しており、コイルL部分は、線径0.4mmφの銅線材(絶縁被膜付)を18回巻きにしたコイル径15mmφのソレノイドコイルである。そして、実施例1−1におけるR、R、R、Rの値をそれぞれ、0.5Ωに設定した。また、L、L、L、Lの値をそれぞれ、4.5μHに設定した。また、被給電機器10のRは100Ωである。また、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31における共振周波数は1.0MHzである。また、各結合係数k12、k23、k34は0.3である(なお、給電状態での結合係数の値である)。
待機状態では、図11に示すように、給電モジュール2を構成する給電コイル21及び給電共振器22における入力インピーダンスをZinとしている。また、図3に示すように、給電状態では、給電モジュール2を構成する給電コイル21、給電共振器22、及び、受電モジュール3を構成する受電共振器32、受電コイル31における入力インピーダンスをZinとしている。
実施例1−1における給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図12の破線)と給電状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図12の実線)の測定結果を図12に示す。これを見ると、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(図12の破線)が、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZin(図12の実線)よりも大きくなる電源周波数帯域は、約0.78〜0.84MHzの帯域A1、約0.92〜1.09MHzの帯域A2、及び、約1.28〜1.5(測定上限)MHzの帯域A3の3つの帯域があることが分かる。
また、上述したように本実施例では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に磁界空間(Z1、Z2)を形成することも目的の一つとしている。具体的には、実施例1−1では、磁界空間Z1を形成するときに設定する、狭義の同相共振モードとなる電源周波数帯域は、0.83MHZ以上、1.00MHz未満の帯域a1である(図12参照)。一方、磁界空間Z2を形成するときに設定する、狭義の逆相共振モードとなる電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく、1.37MHz以下の帯域a2である(図12参照)。
上記より、実施例1−1において、磁界空間Z1を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、0.83〜0.84MHzの帯域、及び、0.92MHz以上1.00MHz未満の帯域となる。よって、実施例1−1に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z1を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、0.83〜0.84MHzの帯域、又は、0.92MHz以上1.00MHz未満の帯域に設定して使用する。また、磁界空間Z2を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく1.09MHz以下の帯域、及び、1.28〜1.37MHzの帯域となる。よって、実施例1−1に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z2を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、1.00MHzより大きく1.09MHz以下の帯域、又は、1.28〜1.37MHzの帯域に設定して使用する。
(実施例1−2)
実施例1−2に係る給電モジュール2は、図13に示すように、給電コイル21、給電共振器22、及び受電共振器32を備えた構成をしている。一方、受電モジュール3は、受電コイル31を備えた構成をしている。なお、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31それぞれの構成は実施例1−1と同様である。
待機状態では、図13に示すように、給電モジュール2を構成する給電コイル21、給電共振器22、及び、受電共振器32における入力インピーダンスをZinとしている。また、図3に示すように、給電状態では、給電モジュール2を構成する給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電モジュール3を構成する受電コイル31における入力インピーダンスをZinとしている。
実施例1−2における給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図14の破線)と給電状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図14の実線)の測定結果を図14に示す。これを見ると、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(図14の破線)が、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZin(図14の実線)よりも大きくなる電源周波数帯域は、約0.87〜0.89MHzの帯域B1、及び、約1.14〜1.22MHzの帯域B2の2つの帯域があることが分かる。
また、上述したように本実施例では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に磁界空間(Z1、Z2)を形成することも目的の一つとしている。実施例1−2も、実施例1−1と同様に、磁界空間Z1を形成するときに設定する、狭義の同相共振モードとなる電源周波数帯域は、0.83MHZ以上、1.00MHz未満の帯域a1である(図14参照)。一方、磁界空間Z2を形成するときに設定する、狭義の逆相共振モードとなる電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく、1.37MHz以下の帯域a2である(図14参照)。
上記より、実施例1−2において、磁界空間Z1を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、0.87〜0.89MHzの帯域となる。よって、実施例1−2に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z1を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、0.87〜0.89MHzに設定して使用する。また、磁界空間Z2を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、1.14〜1.22MHzの帯域となる。よって、実施例1−2に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z2を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、1.14〜1.22MHzに設定して使用する。
(実施例1−3)
実施例1−3に係る給電モジュール2は、図15に示すように、給電コイル21を備えた構成をしている。一方、受電モジュール3は、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31を備えた構成をしている。なお、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31それぞれの構成は実施例1−1と同様である。
待機状態では、図15に示すように、給電モジュール2を構成する給電コイル21における入力インピーダンスをZinとしている。また、図3に示すように、給電状態では、給電モジュール2を構成する給電コイル21、及び、受電モジュール3を構成する給電共振器22、受電共振器32、受電コイル31における入力インピーダンスをZinとしている。
実施例1−3における給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図16の破線)と給電状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図16の実線)の測定結果を図16に示す。これを見ると、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(図16の破線)が、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZin(図16の実線)よりも大きくなる電源周波数帯域は、約0.60〜0.85MHzの帯域C1、及び、約1.25〜1.5(測定上限)MHzの帯域C2の2つの帯域があることが分かる。
また、上述したように本実施例では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に磁界空間(Z1、Z2)を形成することも目的の一つとしている。実施例1−3も、実施例1−1と同様に、磁界空間Z1を形成するときに設定する、狭義の同相共振モードとなる電源周波数帯域は、0.83MHZ以上、1.00MHz未満の帯域a1である(図16参照)。一方、磁界空間Z2を形成するときに設定する、狭義の逆相共振モードとなる電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく、1.37MHz以下の帯域a2である(図16参照)。
上記より、実施例1−3において、磁界空間Z1を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、0.83〜0.85MHzの帯域となる。よって、実施例1−3に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z1を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、0.83〜0.85MHzに設定して使用する。また、磁界空間Z2を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、1.25〜1.37MHzの帯域となる。よって、実施例1−3に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z2を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、1.25〜1.37MHzに設定して使用する。
(実施例2−1)
実施例2−1〜実施例2−3は、実施例1−1〜実施例1−3とは異なり、給電モジュール2に含まれる給電コイル21を構成するRLC回路(抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサC)のコンデンサCが、図17、図19、図21に示すように、並列接続されている。
実施例2−1に係る給電モジュール2は、図17に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を備えた構成をしている。一方、受電モジュール3は、受電共振器32及び受電コイル31を備えた構成をしている。そして、前述したように給電コイル21は、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素としたRLC回路であり、コンデンサCが並列接続されている。なお、他の構成は実施例1−1と同様である。
待機状態では、図17に示すように、給電モジュール2を構成する給電コイル21及び給電共振器22における入力インピーダンスをZinとしている。また、給電状態では、給電モジュール2を構成する給電コイル21、給電共振器22、及び、受電モジュール3を構成する受電共振器32、受電コイル31における入力インピーダンスをZinとしている。
実施例2−1における給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図18の破線)と給電状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図18の実線)の測定結果を図18に示す。これを見ると、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(図18の破線)が、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZin(図18の実線)よりも大きくなる電源周波数帯域は、約0.84〜0.93MHzの帯域D1、及び、約1.12〜1.30MHzの帯域D2の2つの帯域があることが分かる。
また、上述したように本実施例では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に磁界空間(Z1、Z2)を形成することも目的の一つとしている。具体的には、実施例2−1では、磁界空間Z1を形成するときに設定する、狭義の同相共振モードとなる電源周波数帯域は、0.83MHZ以上、1.00MHz未満の帯域b1である(図18参照)。一方、磁界空間Z2を形成するときに設定する、狭義の逆相共振モードとなる電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく、1.43MHz以下の帯域b2である(図18参照)。
上記より、実施例2−1において、磁界空間Z1を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、0.84〜0.93MHzの帯域となる。よって、実施例2−1に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z1を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、0.84〜0.93MHzに設定して使用する。また、磁界空間Z2を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、1.12〜1.30MHzの帯域となる。よって、実施例2−1に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z2を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、1.12〜1.30MHzに設定して使用する。
(実施例2−2)
実施例2−2に係る給電モジュール2は、図19に示すように、給電コイル21、給電共振器22、及び受電共振器32を備えた構成をしている。一方、受電モジュール3は、受電コイル31を備えた構成をしている。なお、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31それぞれの構成は実施例2−1と同様である。
待機状態では、図19に示すように、給電モジュール2を構成する給電コイル21、給電共振器22、及び、受電共振器32における入力インピーダンスをZinとしている。また、給電状態では、給電モジュール2を構成する給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電モジュール3を構成する受電コイル31における入力インピーダンスをZinとしている。
実施例2−2における給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図20の破線)と給電状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図20の実線)の測定結果を図20に示す。これを見ると、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(図20の破線)が、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZin(図20の実線)よりも大きくなる電源周波数帯域は、約0.83〜0.84MHzの帯域E1、約0.98〜1.02MHzの帯域E2、及び、約1.30〜1.35MHzの帯域E3の3つの帯域があることが分かる。
また、上述したように本実施例では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に磁界空間(Z1、Z2)を形成することも目的の一つとしている。実施例2−2も、実施例2−1と同様に、磁界空間Z1を形成するときに設定する、狭義の同相共振モードとなる電源周波数帯域は、0.83MHZ以上、1.00MHz未満の帯域b1である(図20参照)。一方、磁界空間Z2を形成するときに設定する、狭義の逆相共振モードとなる電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく、1.43MHz以下の帯域b2である(図20参照)。
上記より、実施例2−2において、磁界空間Z1を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、0.83〜0.84MHzの帯域、及び、0.98MHz以上1.00MHz未満の帯域となる。よって、実施例2−2に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z1を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、0.83〜0.84MHzの帯域、又は、0.98MHz以上1.00MHz未満の帯域に設定して使用する。また、磁界空間Z2を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく1.02MHz以下の帯域、及び、1.30〜1.35MHzの帯域となる。よって、実施例2−2に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z2を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、1.00MHzより大きく1.02MHz以下の帯域、又は、1.30〜1.35MHzの帯域に設定して使用する。
(実施例2−3)
実施例2−3に係る給電モジュール2は、図21に示すように、給電コイル21を備えた構成をしている。一方、受電モジュール3は、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31を備えた構成をしている。なお、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31それぞれの構成は実施例2−1と同様である。
待機状態では、図21に示すように、給電モジュール2を構成する給電コイル21における入力インピーダンスをZinとしている。また、給電状態では、給電モジュール2を構成する給電コイル21、及び、受電モジュール3を構成する給電共振器22、受電共振器32、受電コイル31における入力インピーダンスをZinとしている。
実施例2−3における給電モジュール2及び受電モジュール3に関する、待機状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図22の破線)と給電状態における電源周波数に対する入力インピーダンスZin(図22の実線)の測定結果を図22に示す。これを見ると、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(図22の破線)が、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZin(図22の実線)よりも大きくなる電源周波数帯域は、約0.86〜1.28MHzの帯域F1があることが分かる。
また、上述したように本実施例では、給電モジュール2及び受電モジュール3の周辺に磁界空間(Z1、Z2)を形成することも目的の一つとしている。実施例2−3も、実施例2−1と同様に、磁界空間Z1を形成するときに設定する、狭義の同相共振モードとなる電源周波数帯域は、0.83MHZ以上、1.00MHz未満の帯域b1である(図22参照)。一方、磁界空間Z2を形成するときに設定する、狭義の逆相共振モードとなる電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく、1.43MHz以下の帯域b2である(図22参照)。
上記より、実施例2−3において、磁界空間Z1を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、0.86MHz以上1.00MHz未満の帯域となる。よって、実施例2−3に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z1を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、0.86MHz以上1.00MHz未満の帯域に設定して使用する。また、磁界空間Z2を形成しつつ、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくする電源周波数帯域は、1.00MHzより大きく1.28MHz以下の帯域となる。よって、実施例2−3に係る無線電力伝送装置1を使用するときは、磁界空間Z2を形成したい場合は、交流電源6の電源周波数帯域を、1.00MHzより大きく1.28MHz以下の帯域に設定して使用する。
上記実施例1−1〜実施例2−3で説明したように、上記構成によれば、給電モジュール2周辺に発生する磁界と受電モジュール3周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせる程度に、給電共振器22に対して受電共振器32を近接させることにより、給電モジュール2及び受電モジュール3の間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z1、Z2を形成することができる。そして、磁界空間Z1、Z2が形成されていない待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、磁界空間Z1、Z2が形成されている給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュール2の消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
なお、給電モジュール2及び受電モジュール3を、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるように設定する要素(パラメータ)としては、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、結合係数k12、k23、k34、負荷インピーダンス(負荷抵抗)などの設定値が挙げられる。また、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、受電コイル31におけるRLC回路を直列にするか並列にするかコンデンサを接続しないかも、上記要素(パラメータ)となる。また、給電モジュール2に、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32の何れかを盛り込むか否かも上記要素(パラメータ)となる。
また、上記の構成では、共振現象を利用した電力伝送を行う際に、給電共振器22に受電共振器32を近接させることにより、給電共振器22と受電共振器32との結合の強さを表す結合係数が高くなる。このように結合係数が高い状態で、伝送特性『S21』を計測すると、その解析波形は低周波側と高周波側とにピークが分離する(双峰性)。
そして、この低周波側の周波数帯域(fL)に、交流電源6の電源周波数を設定することにより(同相共振モード)、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが同じ向きになり、給電モジュール2の外周側に発生する磁界と受電モジュール3の外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール2及び受電モジュール3の外周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール2及び受電モジュール3の外周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z1を形成することができる。そして、給電モジュール2及び受電モジュール3の外周側に磁界空間Z1が形成されていない待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電モジュール2及び受電モジュール3の外周側に磁界空間Z1が形成されている給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュール2の消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
また、上記の構成では、共振現象を利用した電力伝送を行う際に、給電共振器22に受電共振器32を近接させることにより、給電共振器22と受電共振器32との結合の強さを表す結合係数が高くなる。このように結合係数が高い状態で、伝送特性『S21』を計測すると、その解析波形は低周波側と高周波側とにピークが分離する(双峰性)。
そして、この高周波側の周波数帯域(fH)に、交流電源6の電力周波数を設定することにより(逆相共振モード)、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが逆向きになり、給電モジュール2の内周側に発生する磁界と受電モジュール3の内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール2及び受電モジュール3の内周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール2及び受電モジュール3の内周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間Z2を形成することができる。そして、給電モジュール2及び受電モジュール3の内周側に磁界空間Z2が形成されていない待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電モジュール2及び受電モジュール3の内周側に磁界空間Z2が形成されている給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュール2の消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
また、実施例1−2、実施例2−2の構成によれば、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電コイル21、給電共振器22、及び、受電共振器32を有する給電モジュール2の入力インピーダンスとして構成することができる。
これによれば、給電モジュール2は、少なくとも給電コイル21、給電共振器22、及び、受電共振器32の3つの要素によって構成されているため、給電モジュール2の入力インピーダンスZinを決定するための要素が多くなる。そして、給電モジュール2の入力インピーダンスZinを決定するための要素が多くなるということは、交流電源6の電源周波数に対する給電モジュール2の入力インピーダンスZinの関係を決定するための要素も多くなるため、給電モジュール2の設計自由度を高めることができる。
また、受電モジュール3は、受電コイル31を有する構成とすることができるため、受電モジュール3のコンパクト化を実現することができる。
また、実施例1−1、実施例2−1の構成によれば、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電コイル21、及び、給電共振器22を有する給電モジュール2の入力インピーダンスZinとして構成することができる。
これによれば、給電モジュール2は、少なくとも給電コイル21、及び、給電共振器22の2つの要素によって構成されているため、給電モジュール2の入力インピーダンスZinを決定するための要素が多くなる。そして、給電モジュール2の入力インピーダンスZinを決定するための要素が多くなるということは、交流電源6の電源周波数に対する給電モジュール2の入力インピーダンスZinの関係を決定するための要素も多くなるため、給電モジュール2の設計自由度を高めることができる。
また、受電モジュール3を、受電共振器32、受電コイル31を有する構成としているため、受電モジュール3のコンパクト化を実現することができる。
また、実施例1−3、実施例2−3の構成によれば、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinを、給電コイル21の入力インピーダンスZinとして構成することができる。
これによれば、給電モジュール2は、主に給電コイル21の1つの要素によって構成されているため、給電モジュール2の入力インピーダンスZinを決定するための要素を単一化することができる。そして、給電モジュール2の入力インピーダンスZinを決定するための要素を単一化することができるということは、交流電源6の電源周波数に対する給電モジュール2の入力インピーダンスZinの関係を決定するための要素も単一化することができるため、給電モジュール2の設計の簡素化を図ることができる。
(設計方法)
次に、給電モジュール2及び受電モジュール3を製造する一工程である、設計方法(調整)について、図23を参照して説明する。
本設計方法で設計されるのは、図1に示す給電モジュール2を備えた充電器101、及び、受電モジュール3を備えた無線式ヘッドセット102である。
まず、図23に示すように、充電池9の容量、及び、充電池9の充電に必要とされる充電電流から、受電モジュール3が受電する受電電力量が決まる(S1)。
次に、給電共振器22と受電共振器32との間の距離を決定する(S2)。これは、受電モジュール3を内蔵した無線式ヘッドセット102を、給電モジュール2を内蔵した充電器101に載置した際の給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23であり、使用形態としては給電状態である。本設計例では、安定回路7、充電回路8、及び、充電池9を、ソレノイド状の受電コイル31及び受電共振器32のコイル内周側に配置するため、受電共振器32の内周側に磁界空間Z2を形成する必要がある。故に、磁界空間Z2の形成場所を考慮して給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23が決定される。なお、距離d23は、無線式ヘッドセット102と充電器101の形状・構造も考慮して決定される。
また、無線式ヘッドセット102及び充電器101の大きさ・形状・構造を踏まえて、給電コイル21、給電共振器22、受電コイル31、及び、受電共振器32のコイル径が決定される(S3)。
上記S2〜S3の手順を経ることにより、給電共振器22(コイルL)と受電共振器32(コイルL)との間の結合係数k23と、電力伝送効率が決まることになる。
上記S1で決定した受電モジュール3が受電する受電電力量、及び、S2〜S3の手順を経て決定された電力伝送効率より、給電モジュール2に給電する必要最低限の給電電力量が決定される(S4)。
そして、上記受電モジュール3が受電する受電電力量、電力伝送効率、及び、給電モジュール2に給電する必要最低限の給電電力量を踏まえて、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinの設計値が決まる(S5)。
そして、本設計例では、上述したように、磁界空間Z2を形成できるように逆相共振モードにおける電源周波数帯域において、S5で決定された給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinの設計値に基づき、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるように、各要素(パラメータ)を決定する。具体的に、給電モジュール2及び受電モジュール3を、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるように設定する要素(パラメータ)としては、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、結合係数k12、k23、k34、負荷インピーダンス(負荷抵抗)などの設定値が挙げられる。また、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、受電コイル31におけるRLC回路を直列にするか並列にするかコンデンサを接続しないかも、上記要素(パラメータ)となる。また、給電モジュール2に、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32の何れかを盛り込むか否かも上記要素(パラメータ)となる。
上記方法によれば、磁界空間Z2が形成されていない待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZinが、磁界空間Z2が形成されている給電状態における給電モジュール2及び受電モジュール3の入力インピーダンスZinよりも大きくなるため、待機状態における給電モジュール2の消費電力を給電状態における消費電力よりも低減することができる。
(その他の実施形態)
上記の説明では、無線式ヘッドセット102を例示して説明したが、充電池を備えた機器であれば、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、イヤホン型音楽プレイヤー、補聴器、集音器などにも使用することができる。
また、上記では、被給電機器10に充電池9を含む受電モジュール3として説明したが、これに限らず、被給電機器10に直接電力を消費しながら可動する機器を採用してもよい。
また、上記説明では、給電モジュール2及び受電モジュール3を携帯型の電子機器に搭載した場合を想定して説明したが、用途はこれら小型なものに限らず、必要電力量に合わせて仕様を変更することにより、例えば、比較的大型な電気自動車(EV)における無線充電システムや、より小型な医療用の無線式胃カメラなどにも搭載することができる。
(磁界空間の大きさの変更)
また、上記実施形態では、磁界空間Z1、Z2を形成することができることについて説明したが、更に、磁界空間Z1、Z2は、その大きさを変更することができる。
磁界空間Z1、Z2の大きさを変更するには、給電共振器22及び受電共振器32の間の磁界による結びつき度合い(磁界結合)の強度を変更することによって行うが、この磁界結合を変化させるには、給電モジュール2における給電コイル21や給電共振器22、及び、受電モジュール3における受電コイル31や受電共振器32に関する調整パラメータを変化させることによって行う。この調整パラメータを変化させる態様には、給電モジュール2における給電コイル21と給電共振器22との配置関係、及び、受電モジュール3における受電コイル31と受電共振器32との配置関係を変化させることや、給電モジュール2に供給する電力量を変化させることや、給電共振器22及び受電共振器32の各素子(コンデンサ、コイル)の容量やインダクタンスを変化させることや、給電モジュール2に供給する電力の周波数を変えることなどが挙げられる。
上記方法によれば、給電コイル21、給電共振器22、受電コイル31、受電共振器32に関する調整パラメータを変化させて、給電共振器22及び受電共振器32の間に発生する磁界結合の強度を変更させることより、磁界空間(Z1又はZ2)の大きさを変更することができる。例えば、給電共振器22及び受電共振器32の間に発生する磁界結合を相対的に弱めることにより磁界空間(Z1又はZ2)の大きさを拡大することができる。一方、給電共振器22及び受電共振器32との間に発生する磁界結合を相対的に強めることにより磁界空間(Z1又はZ2)の大きさを小さくすることができる。
(磁界空間の形状の変更)
また、上記実施形態では、磁界空間Z1、Z2を形成することができることについて説明したが、更に、磁界空間の形状を変更することができることについて説明する。
磁界空間の形状を変更するには、例えば、給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、受電コイル31のそれぞれの間・周辺の磁界による結びつき度合い(磁界結合)の強度を変更することによって行うが、この磁界結合を変化させるには、給電コイル21、給電共振器22、受電コイル31、受電共振器32のコイル形状を変えることによって行う。
上記方法によれば、給電コイル21、給電共振器22、受電コイル31、受電共振器32を所望の形状にすることにより、磁界強度が相対的に弱い磁界空間を、給電コイル21、給電共振器22、受電コイル31、受電共振器32の形状に沿った所望の形状で形成することができる。即ち、給電コイル21・給電共振器22及び受電モジュール3における受電コイル31・受電共振器32の形状を変えることにより、磁界強度が相対的に弱い磁界空間Zの形状を変えることが可能となる。
以上の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明したが、本発明は、以上の詳細な説明に記載する実施形態・実施例に限定されず、その他の実施形態・実施例にも適用することができ、その適用範囲は可能な限り広く解釈されるべきである。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされるべきである。また、本発明の目的及び本発明の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌することが望まれる。
2 給電モジュール
3 受電モジュール
6 交流電源
7 安定回路
8 充電回路
9 充電池
10 被給電機器
11 可変抵抗器
21 給電コイル
22 給電共振器
31 受電コイル
32 受電共振器
102 無線式ヘッドセット
101 充電器
110 ネットワークアナライザ
Z1、Z2 磁界空間

Claims (7)

  1. 電源に接続された給電モジュールに受電モジュールを近接させて、前記給電モジュール周辺に発生する磁界と前記受電モジュール周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせることにより、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成しつつ、給電モジュールから、受電モジュールに対して共振現象を利用して電力を供給する無線電力伝送装置であって、
    前記磁界空間が形成されていない待機状態における前記給電モジュールの入力インピーダンスが、前記磁界空間が形成され、前記受電モジュールに電力が供給されている給電状態における前記給電モジュール及び前記受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなる、前記電源の電源周波数で作動させることを特徴とする無線電力伝送装置。
  2. 前記給電モジュール及び前記受電モジュールは、少なくとも所定の共振周波数で共振する給電共振器及び受電共振器を有し、
    前記給電共振器から前記受電共振器に対して前記共振現象により電力を供給するときに、前記給電共振器に流れる電流の向きと前記受電共振器に流れる電流の向きとが、同じ向きになるように、前記電源の電源周波数を前記共振周波数よりも低周波数側に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送装置。
  3. 前記給電モジュール及び前記受電モジュールは、少なくとも所定の共振周波数で共振する給電共振器及び受電共振器を有し、
    前記給電共振器から前記受電共振器に対して前記共振現象により電力を供給するときに、前記給電共振器に流れる電流の向きと前記受電共振器に流れる電流の向きとが、逆向きになるように、前記電源の電源周波数を前記共振周波数よりも高周波数側に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送装置。
  4. 前記給電モジュールは、給電コイル、給電共振器、及び、受電共振器を備え、
    前記受電モジュールは、受電コイルを備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の無線電力伝送装置。
  5. 前記給電モジュールは、給電コイル、及び、給電共振器を備え、
    前記受電モジュールは、受電共振器、及び、受電コイルを備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の無線電力伝送装置。
  6. 前記給電モジュールは、給電コイルを備え、
    前記受電モジュールは、給電共振器、受電共振器、及び、受電コイルを備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の無線電力伝送装置。
  7. 電源に接続された給電モジュールに受電モジュールを近接させて、前記給電モジュール周辺に発生する磁界と前記受電モジュール周辺に発生する磁界とを打ち消し合わせることにより、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間若しくは周辺の所定位置に、当該所定位置以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成しつつ、給電モジュールから、受電モジュールに対して共振現象を利用して電力を供給する無線電力伝送装置の電力供給方法であって、
    前記電源の電源周波数を、前記磁界空間が形成されていない待機状態における前記給電モジュールの入力インピーダンスが、前記磁界空間が形成され前記受電モジュールに電力が供給されている給電状態における前記給電モジュール及び前記受電モジュールの入力インピーダンスよりも大きくなる帯域に調整することを特徴とする無線電力伝送装置の電力供給方法。
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