JP2014241596A - 放射線画像検出装置およびその作動方法 - Google Patents

放射線画像検出装置およびその作動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素早く線量検出センサの出力に基づく処理を行う。【解決手段】FPD35は画像検出用の画素36と線量検出用の検出画素65とを有する。信号処理回路43はA/D変換器53の後段に第1及び第2バッファメモリ54a、54bが設けられたパイプライン型である。線量検出動作時、信号処理回路43は、第1サイクルで、検出画素65からの電荷sに基づく線量検出信号Sdの第1バッファメモリ54aへの入力と、第2バッファメモリ54bからのダミー信号Ddの出力を並行して行う。第1サイクルより短い第2サイクルで、線量検出信号Sdの第1バッファメモリ54aからの出力とダミー信号Ddの第2バッファメモリ54bへの入力を並行して行う。第1サイクルと第2サイクルが交互に繰り返され、線量検出信号Sdにより照射開始検出部61でX線の照射開始が検出される。【選択図】図4

Description

本発明は、放射線画像検出装置およびその作動方法に関する。
医療分野において、放射線、例えばX線を利用したX線撮影システムが知られている。X線撮影システムは、X線を発生するX線発生装置と、被写体(患者)を透過したX線で形成されるX線画像を撮影するX線撮影装置とからなる。X線発生装置は、X線を被写体に向けて照射するX線源、X線源の駆動を制御する線源制御装置、およびX線源を動作させるための指示を線源制御装置に入力する照射スイッチを有している。X線撮影装置は、被写体を透過したX線を受けてX線画像を検出するX線画像検出装置、およびX線画像検出装置の駆動制御、X線画像の保存や表示を行うコンソールを有している。
画像検出部としてフラットパネルディテクタ(FPD;flat panel detector)を用いたX線画像検出装置が普及している。FPDは、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する複数の画素が配置された撮像領域を有する。画素は、電荷を発生してこれを蓄積する光電変換部、およびTFT等のスイッチング素子を備える。FPDは、スイッチング素子のオン動作に応じて、画素の列毎に設けられた信号線を通じて各画素の光電変換部に蓄積された信号電荷を1行ずつ順次信号処理回路に読み出し、信号処理回路で信号電荷を電圧信号に変換することでX線画像を電気的に検出する。
信号処理回路は、積分アンプ、CDS回路、A/D変換器等を備えている。積分アンプは各列の信号線に1個ずつ設けられ、信号線から入力される信号電荷を積分してアナログ電圧信号に変換する。CDS回路も各列の信号線に1個ずつ設けられ、各積分アンプの出力端子に接続されている。CDS回路はサンプルホールド回路を有し、積分アンプで変換されたアナログ電圧信号に対して相関二重サンプリングを施してノイズを除去するとともに、サンプルホールド回路でアナログ電圧信号を所定期間保持(サンプルホールド)する。A/D変換器は、サンプルホールド回路に保持されたアナログ電圧信号をデジタル電圧信号に変換してメモリに出力する。このメモリは、1枚分のX線画像を表すデジタル電圧信号を記録可能なフレームメモリである。信号処理回路には、この他にもアナログ電圧信号を増幅する増幅器や、各列のCDS回路のサンプルホールド回路を電子スイッチで順に選択して、サンプルホールド回路のアナログ電圧信号をA/D変換器に選択的に供給するマルチプレクサが設けられている。
特許文献1には、積分アンプ(読み出し部分回路)、A/D変換器(変換部分回路)、およびA/D変換器とメモリ(収集サブシステム)との間に配された第1、第2バッファメモリ(ラインバッファ)を備える信号処理回路が記載されている。第1、第2バッファメモリは、配列画素の1行分のX線画像を表すデジタル電圧信号を記録可能なラインメモリである。この信号処理回路を用いた1画面分の画像を読み出す画像読み出し動作は図16のように行われる。この信号処理回路では、図16に示すように、1行分のデジタル電圧信号を読み出す1回のサイクル(通常サイクル)において積分アンプで積分したある行、例えばNサイクル目で読み出す行の画素の信号電荷p(N)を変換したアナログ電圧信号である画像信号P(N)を、次のサイクルに移る直前にCDS回路でサンプルホールドし、サンプルホールドした画像信号P(N)を次のサイクルでA/D変換器でデジタル変換してデジタル画像信号Pd(N)とし第1バッファメモリに一時記憶(AD Dataの行参照)し、さらに次のサイクルで画像信号Pd(N)を第1バッファメモリから出力(Data Outの行参照)する、いわゆるパイプライン処理を実行している。1回のサイクルでは、アナログ画像信号PのA/D変換器によるデジタル変換および一方のバッファメモリへの一時記憶(信号入力)と、前のサイクルで他方のバッファメモリに一時記憶されていたデジタル画像信号Pd(N−1)のメモリへの出力(信号出力)を同時に行っている。
信号処理回路を通じて画素の電荷に基づく電圧信号を読み出す場合、バッファメモリが1つだけであると、バッファメモリに一時記憶した1行分の電圧信号をメモリに出力しなければ、次の行の電圧信号をバッファメモリに一時記憶させることができない。つまり積分アンプからのアナログ電圧信号の読み出しを開始して、メモリへデジタル電圧信号を書き込むまでの1サイクルの読み出し時間は、バッファメモリへの信号入力+バッファメモリからの信号出力の時間が必ず掛かる。
対して特許文献1に記載のようなパイプライン型の信号処理回路の場合は、積分アンプから連続して読み出される2回分の信号を保持する2つの第1、第2バッファメモリを持つので、前回のサイクルで一方のバッファメモリに一時記憶された電圧信号のメモリへの信号出力と今回のサイクルでCDS回路にサンプルホールドされた電圧信号の他方のバッファメモリへの信号入力とを並行に処理できる。つまり、1サイクルで1行分の信号入力と前の1行分の信号出力とが同時に行われるため、1画面(フレーム)分の読み出し時間は、バッファメモリが1つだけの場合の約半分で済む。ただし、ある行の電圧信号の信号入力と信号出力が1サイクルずれるため、ある行の信号電荷pを積分してアナログ画像信号Pを得てからそのデジタル画像信号Pdをメモリに出力するまでに1サイクル時間Tの間が空くことになる。
なお、Sync信号は信号処理回路の各部にアナログ画像信号Pのサンプルホールド、デジタル画像信号PdへのA/D変換およびデジタル画像信号Pdのバッファメモリへの一時記憶、メモリへの出力といった1回のサイクルを行わせるための同期制御信号、Internal Reset信号は積分アンプの電荷リセット、CDS回路のサンプルホールド状態のリセット、またはマルチプレクサの電子スイッチを動作させるシフトレジスタをリセットしてCDS回路の選択状態を選択開始時に戻す選択リセットのうちの少なくとも1つを実行させるための信号、Analog Clock信号は積分アンプ、CDS回路からなるアナログ信号処理回路(アナログフロントエンド)の動作制御タイミングを決める信号、具体的には積分アンプの電荷積分タイミング、CDS回路への電圧信号の出力、サンプルホールド等のタイミングを規定する基準クロック信号を意味する。ADC Clock信号、Buffer Data Clock信号は、それぞれA/D変換器、バッファメモリの動作制御信号である。
また、動作バッファは、第1、第2バッファメモリのうち、当該サイクルにおいてA/D変換器でデジタル変換された画像信号Pdが書き込まれる方のバッファメモリを示している。第1、第2バッファメモリが交互に動作バッファに切り替わる。例えば画像信号Pd(N)は第1バッファメモリに、次の行の画像信号Pd(N+1)は第2バッファメモリに一時記憶される。
ところで、FPDを利用したX線画像検出装置では、X線画像に乗る暗電荷ノイズの影響を最小にするために、暗電流や前回の撮影の残留電荷等による画素の不要蓄積電荷を掃き出すリセット動作をFPDが定期的に行っている。従って一般的にFPDを利用したX線画像検出装置を備えたX線撮影システムでは、X線の照射開始タイミングと、FPDがリセット動作を終了して画素に信号電荷を蓄積する蓄積動作を開始するタイミングとの同期をとっている。例えば線源制御装置とX線画像検出装置に相互通信可能なインターフェース(I/F)を設け、X線の照射を開始するタイミングに合わせて線源制御装置から同期信号をX線画像検出装置に送り、X線画像検出装置は同期信号の受信をトリガに蓄積動作に移行する処理を行うようにしたシステムがある。
あるいは、X線画像検出装置には、線源制御装置とは接続されずに同期信号の遣り取りもせず、代わりにX線の線量を線量検出センサで検出して、検出した線量と予め設定された照射開始閾値を比較し、線量が照射開始閾値を上回ったときにX線の照射が開始されたと判定してFPDに蓄積動作を開始させる照射開始検出機能をもつものもある。同様に線量検出センサで検出した線量と照射終了閾値の比較によりX線の照射終了を判定し、照射終了と判定したときにはFPDの動作を蓄積動作から読み出し動作に移行させる照射終了検出機能をもつものもある。
また、X線撮影システムにおいては、被写体への被曝量を抑えつつ適正な画質のX線画像を得るために、X線の撮影中(照射中)にX線の線量を線量検出センサで検出して、線量検出センサで検出した線量の積算値(累積線量)が予め設定した目標線量に達した時点でX線源によるX線の照射を停止させ、X線画像検出装置では蓄積動作から読み出し動作に移行させる自動露出制御(AEC;Automatic Exposure Control)が行われる場合がある。X線源が照射する線量は、X線の照射時間とX線源が単位時間当たりに照射する線量を規定する管電流との積である管電流時間積(mAs値)によって決まる。照射時間や管電流といった撮影条件は、被写体の撮影部位(胸部や頭部)、性別、年齢などによっておおよその推奨値はあるものの、被写体の体格などの個人差によってX線の透過率が変わるため、より適切な画質を得るためにAECが行われる。
線量検出センサには従来イオンチャンバー等が用いられてきたが、最近、FPDの画素に簡単な改造を施して線量検出センサとして動作させる技術が提案されている。特許文献2では、一部の画素(以下、検出画素という)を信号線ではなく放射線検出用配線にスイッチング素子を介さずに接続して、スイッチング素子のオンオフ動作に関わらず検出画素で発生した電荷が放射線検出用配線に流れ出すようにしている。そして、放射線検出用配線が繋がれた信号処理回路で、検出画素で発生した電荷に応じた電圧信号(以下、線量検出信号という)を所定の周期でサンプリングしてこれを制御部に入力し、制御部で線量検出信号に基づきAECやX線の照射開始または終了検出を行っている。
特開2004−000564号公報 特開2011−174908号公報
特許文献2では、線量検出センサである検出画素に信号線とは別の専用の放射線検出用配線を接続し、さらに該配線に線量検出専用の信号処理回路を接続しているが、これらの専用の構成を設けずに通常の画素用の信号線や信号処理回路から線量検出信号を取り出すことが提案されている。検出画素は、1本の信号線に複数個接続される場合もある。線量検出動作における1回のサンプリングにおいては、複数個の検出画素の電荷が信号線毎に一括して検出される。
このように通常の画素用の信号線や信号処理回路から線量検出信号を取り出す構成とし、かつ特許文献1のパイプライン型信号処理回路を用いた場合、AECによるX線照射停止の制御タイミングやX線の照射開始あるいは終了の判定が遅れ、FPDの蓄積動作や読み出し動作への移行がスムーズに行えず、被写体が無用な被曝に晒されたり、X線画像上にFPDの動作遅れによるアーチファクトが発生して画質が劣化したりする懸念がある。
というのも、パイプライン型信号処理回路では、前述のようにある行の電荷を積分アンプで積分してから対応するデジタル電圧信号(線量検出信号)をメモリに出力するまでに1サイクル分の時間の間が空くため、例えばX線の照射開始を検出しているときに、電荷を積分アンプで積分開始したタイミングで実際にX線の照射が開始された場合、デジタル電圧信号(線量検出信号)がメモリに出力されて照射開始と判定されるまでにおよそ3サイクル分の遅れが生じてしまうからである。
具体的には、パイプライン型信号処理回路を用いて、図16に示す画像読み出し動作と同様に一定のサイクルで線量検出動作を行う場合には、タイミングチャートは図17に示すようになる。図17は、画像読み出し動作のタイミングチャートを示した図16とほぼ同様であるが、図17においては、画像信号(画素の信号電荷「p」、アナログ画像信号「P」、デジタル画像信号「Pd」)の代わりに、線量検出信号(検出画素の電荷「s」、アナログ線量検出信号「S」、デジタル線量検出信号「Sd」)に置き換えられており、さらに、1サイクル分の時間もTsとなっている。
画像読み出し動作では1サイクルの時間Tで1行分の読み出しが行われ、1フレーム分(全画素)の読み出しを行うにはおよそTの行数倍の時間が掛かるのに対して、線量検出動作においては、複数の検出画素の電荷は信号線毎に一括して読み出されるため、1サイクル分の時間Tsで全ての検出画素の1回のサンプリングが行われる。照射開始を検出する場合には、N−1回目のサンプリング時の線量検出信号とN回目のサンプリング時の線量検出信号を比較して、線量検出信号の増加の有無を判定するというように、メモリに読み出された、前回のサンプリング時の線量検出信号と今回の線量検出信号が比較される。
前述のように、パイプライン型信号処理回路では、電荷を積分アンプで積分してからデジタル電圧信号をメモリに出力するまでに1サイクル分の時間Tsの間が空いてしまう。そのため、X線の照射開始を検出しているときに、図17に示すように、N回目のサンプリングが開始されるタイミング(検出画素の電荷s(N)を積分アンプで積分するタイミング)で実際にX線の照射が開始された場合、N回目のサンプリングにより得られたデジタル線量検出信号Sd(N)がバッファメモリから出力されるまでにおよそ3サイクル(3Ts)の遅れが生じてしまい、それだけ照射開始検出のタイミングも遅れてしまうことになる。
また、特にX線の照射開始直後はX線源の応答が鈍く線量の単位時間当たりの変化量が小さいので、線量検出信号をサンプリングする際にはS/Nを確保するために、画像信号Pの読み出し動作の1サイクルの時間Tよりも、線量検出動作の1サイクルの時間Tsを長くとる(50〜500μsec)のが望ましい。その場合、パイプライン処理に起因する3サイクル分の検出遅れは、誤差レベルでは片付けられない問題となる。被曝線量低減のためにX線の照射時間が数msecと短い場合はこの検出遅れは特に無視できない問題である。
しかしながら、特許文献1、2には、パイプライン型信号処理回路から線量検出センサの線量検出信号を取り出す構成とした場合に生じる上記の問題への対処はなされていない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、パイプライン型信号処理回路から線量検出センサの出力を取り出す構成とした場合でも、素早く線量検出センサの出力に基づく処理を行うことができる放射線画像検出装置およびその作動方法を提供することを目的とする。
本発明の放射線画像検出装置は、被写体の放射線画像を検出するFPDと、パイプライン型の信号処理回路と、メモリと、FPD、信号処理回路、およびメモリの動作タイミングを制御する制御部とを備える。FPDは、放射線源から照射された放射線の線量に応じた電荷を蓄積する複数の画素と、放射線の線量に応じた電荷を検出する線量検出センサと、画素の列毎に設けられた複数の信号線であり、画素および線量検出センサが接続され、画素に蓄積された電荷を画像信号として出力するとともに、線量検出センサで検出された電荷を線量検出信号として出力する複数の信号線とが配列された撮像領域を有する。信号処理回路は、複数の信号線毎に設けられ、電荷を積分して電圧信号に変換する複数の積分アンプと、積分アンプから連続して読み出される2回分の電圧信号を一時的に保持する第1および第2信号保持部とを有し、第1および第2信号保持部の一方への電圧信号の信号入力と、他方からの信号出力を並行して行う。メモリは、信号処理回路から電圧信号として出力される画像信号および線量検出信号を記憶する。制御部は、画像信号をメモリへ出力する読み出し動作では、第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を、積分アンプが電荷の積分を開始してリセットされるまでの1回分の積分期間に対応する一定の通常サイクルで繰り返す制御を実行する。一方、線量検出信号をメモリへ出力する線量検出動作では、第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を、第1サイクルと、第1サイクルよりも短い第2サイクルの2種類のサイクルで行い、2回の第1サイクルの間に第2サイクルを少なくとも1回挟む制御を実行する。
線量検出信号は、放射線の照射が開始されたことを検出する照射開始検出、放射線の照射が終了したことを検出する照射終了検出、放射線画像の自動露出制御、および読み出し動作時に画像信号に与えるゲイン設定のうちの少なくとも1つに利用される。
通常サイクルにおいて、複数の積分アンプは、複数の画素の1行分の電荷を積分する。
線量検出センサは撮像領域に分散して複数配置されており、第1サイクルおよび第2サイクルにおいて、複数の積分アンプは、複数の線量検出センサで検出された電荷を一括して積分する。
第1サイクルは、通常サイクルよりも長いことが好ましい。
第1サイクルまたは第2サイクルにおいて、積分アンプから第1信号保持部または第2信号保持部に信号入力される一方の電圧信号のみが線量検出信号として扱われ、他方の電圧信号は線量検出信号として扱われず、データ的に意味のないダミー信号として扱われる。
第1サイクルと第2サイクルは、線量検出動作において設定された、積分アンプの1回分の積分期間が分割して割り当てられている。または、第1サイクルと第2サイクルには、それぞれの時間に応じた積分期間が割り当てられている。
信号処理回路は、複数の積分アンプの後段に接続され、積分アンプで積分されたアナログの電圧信号をサンプルホールドするCDS回路と、CDS回路でサンプルホールドされたアナログの電圧信号をデジタルの電圧信号に変換するA/D変換器とを有する。
第1および第2信号保持部は、A/D変換器とメモリの間に並列接続された2つのバッファメモリである。あるいは、CDS回路は、積分アンプの後段に2つ並列に接続されており、第1および第2信号保持部は、2つのCDS回路である。これらの場合、制御部は、第1サイクルと第2サイクルを交互に行う。
第1および第2信号保持部は、それぞれ2つ設けられており、1つは、A/D変換器とメモリの間に並列接続された2つのバッファメモリであり、もう1つは、積分アンプの後段に2つ並列に接続されたCDS回路である。この場合、制御部は、2回の第1サイクルの間に、第2サイクルを2回挟む。
制御部は、信号処理回路に与える動作制御信号の個数や周期を制御することにより、第1サイクルに対して第2サイクルの時間を短くする。
線量検出センサは画素の一部を利用した形態である。具体的には、画素には、放射線を受けて信号電荷を蓄積し、スイッチング素子の駆動に応じて信号電荷を信号線に出力する通常画素と、信号線にスイッチング素子を介さず直接接続された検出画素とがあり、検出画素を線量検出センサとして用いる。もしくは、通常画素とは別に駆動するスイッチング素子が設けられた検出画素を線量検出センサとして用いてもよい。
なお、本発明の放射線画像検出装置は、FPDが可搬型の筐体に収納された電子カセッテであることが好ましい。
また、本発明の放射線画像検出装置の作動方法は、被写体の放射線画像を検出するFPDと、パイプライン型の信号処理回路と、メモリと、FPD、信号処理回路、およびメモリの動作タイミングを制御する制御部とを備える放射線画像検出装置の作動方法である。FPDは、放射線源から照射された放射線の線量に応じた電荷を蓄積する複数の画素と、放射線の線量に応じた電荷を検出する線量検出センサと、画素の列毎に設けられた複数の信号線であり、画素および線量検出センサが接続され、画素に蓄積された電荷を画像信号として出力するとともに、線量検出センサで検出された電荷を線量検出信号として出力する複数の信号線とが配列された撮像領域を有する。信号処理回路は、複数の信号線毎に設けられ、電荷を積分して電圧信号に変換する複数の積分アンプと、積分アンプから連続して読み出される2回分の電圧信号を一時的に保持する第1および第2信号保持部とを有し、第1および第2信号保持部の一方への電圧信号の信号入力と、他方からの信号出力を並行して行う。メモリは、信号処理回路から電圧信号として出力される画像信号および線量検出信号を記憶する。画像信号をメモリへ出力する読み出し動作では、第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を、積分アンプが電荷の積分を開始してリセットされるまでの1回分の積分期間に対応する一定の通常サイクルで繰り返す制御を制御部に実行させ、一方、線量検出信号をメモリへ出力する線量検出動作では、第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を、第1サイクルと、第1サイクルよりも短い第2サイクルの2種類のサイクルで行い、2回の第1サイクルの間に第2サイクルを少なくとも1回挟む制御を制御部に実行させる。
本発明は、パイプライン型信号処理回路から線量検出センサの出力である線量検出信号を取り出す構成とした場合に、第1および第2信号保持部による線量検出信号の信号入力および信号出力を、第1サイクルと、第1サイクルよりも短い第2サイクルの2種類のサイクルで行い、2回の第1サイクルの間に第2サイクルを少なくとも1回挟む制御を実行するので、素早く線量検出信号に基づく処理を行うことができる。
X線撮影システムの概略図である。 電子カセッテを示す外観斜視図である。 電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 パイプライン型信号処理回路の線量検出動作を示すタイミングチャートである。 X線撮影におけるFPDの動作の推移を示す図である。 各積分アンプの後段にCDSを2つ設けた電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 図6に示す例のパイプライン型信号処理回路の線量検出動作を示すタイミングチャートである。 バッファメモリを2つ設け、且つ各積分アンプの後段にCDSを2つ設けた電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 図8に示す例のパイプライン型信号処理回路の線量検出動作を示すタイミングチャートである。 照射終了検出部を有する電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 線源制御装置と電子カセッテの間に通信機能を持つX線撮影システムの概略図である。 AEC部を有する電子カセッテの内部構成を示すブロック図である。 図11、図12に示す例のX線撮影におけるFPDの動作の推移を示す図である。 ゲイン設定部を有する電子カセッテの内部構成の一部を示すブロック図である。 検出画素の別の例を示すブロック図である。 パイプライン型信号処理回路の画像読み出し動作を示すタイミングチャートである。 パイプライン型信号処理回路を用いて、画像読み出し動作と同様に一定のサイクルで線量検出動作を行う場合のタイミングチャートである。
[第1実施形態]
図1において、X線撮影システム2は、X線源10と、X線源10の動作を制御する線源制御装置11と、X線源10へのウォームアップ開始とX線の照射開始を指示するための照射スイッチ12と、被写体を透過したX線を検出してX線画像を出力する電子カセッテ13と、電子カセッテ13の動作制御やX線画像の表示処理を担うコンソール14と、被写体を立位姿勢で撮影するための立位撮影台15と、臥位姿勢で撮影するための臥位撮影台16とを有する。X線源10、線源制御装置11、および照射スイッチ12はX線発生装置2a、電子カセッテ13、およびコンソール14はX線撮影装置2bをそれぞれ構成する。X線発生装置2aとX線撮影装置2bは相互通信機能を持たず、電子カセッテ13はX線の照射開始検出機能を有する。この他にもX線源10を所望の方向および位置にセットするための線源移動装置等が設けられており、X線源10は立位撮影台15および臥位撮影台16で共用される。
X線源10は、X線を放射するX線管と、X線管が放射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)とを有する。X線管は、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有している。ウォームアップ開始の指示があると陽極が回転を開始し、規定の回転数となったらウォームアップが終了する。照射野限定器は、例えば、X線を遮蔽する4枚の鉛板を四角形の各辺上に配置し、X線を透過させる四角形の照射開口が中央に形成されたものであり、鉛板の位置を移動することで照射開口の大きさを変化させて、照射野を限定する。
線源制御装置11は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源10に供給する高電圧発生器と、X線源10が照射するX線のエネルギースペクトルを決める管電圧、単位時間当たりの照射量を決める管電流、およびX線の照射時間を制御する制御部とを備える。管電圧、管電流、照射時間といった撮影条件は、線源制御装置14の操作パネルを通じて放射線技師等のオペレータにより手動で設定される。
照射スイッチ12は、X線撮影開始時にオペレータによって操作される例えば2段階押しのスイッチであり、1段階押し(半押し)でX線源10のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、2段階押し(全押し)でX線源10に照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は信号ケーブルを通じて線源制御装置11に入力される。
線源制御装置11の制御部は、照射スイッチ12から照射開始信号を受けたときに高電圧発生器からX線源10への電力供給を開始させ、これと同時にタイマを作動させてX線の照射時間を計測する。そして、撮影条件で設定された照射時間が経過すると、高電圧発生器からX線源10への電力供給を停止させる。X線の照射時間は撮影条件に応じて変化するが、静止画撮影の場合はX線の最大照射時間が約500msec〜約2s程度の範囲に定められている場合が多く、照射時間はこの最大照射時間を上限として設定される。
コンソール14は、有線方式や無線方式により電子カセッテ13と通信可能に接続されており、キーボード等の入力デバイス14aを介したオペレータからの入力操作に応じて電子カセッテ13の動作を制御する。電子カセッテ13から送られたX線画像はコンソール14のディスプレイ14bに表示される他、そのデータがコンソール14内のハードディスクやメモリといったストレージデバイス、あるいはコンソール14とネットワーク接続された画像蓄積サーバといったデータストレージに記憶される。
コンソール14は、被写体の性別、年齢、撮影部位、撮影目的といった情報が含まれる検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイ14bに表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理する外部システムから入力されるか、オペレータにより手動入力される。検査オーダには、頭部、胸部、腹部等の撮影部位、正面、側面、斜位、PA(X線を被写体の背面から照射)、AP(X線を被写体の正面から照射)といった撮影方向が含まれる。オペレータは、検査オーダの内容をディスプレイ14bで確認し、その内容に応じた撮影条件をディスプレイ14bに映された操作画面を通じて入力する。
コンソール14で入力される撮影条件には、線源制御装置11の場合と同様、管電圧、管電流、照射時間といった各種パラメータがある。コンソール14には、これらの各種パラメータが撮影部位毎に記憶されており、所望の撮影部位を指定することでこれに応じた撮影条件を設定することが可能である。管電流と照射時間の積でX線の累積の照射量が決まるため、線源制御装置11およびコンソール14に設定される撮影条件としては、管電流と照射時間のそれぞれの値を個別に入力する代わりに、両者の積である管電流時間積(mAs値)の値が入力される場合もある。線源制御装置11の撮影条件は、オペレータがこのコンソール14の撮影条件を参照して同様の撮影条件を手動設定する。
図2において、電子カセッテ13は、FPD35とFPD35を収容する扁平な箱型をした可搬型の筐体20とからなる。筐体20は例えば導電性樹脂で形成されている。X線が入射する筐体20の前面20aには矩形状の開口が形成されており、開口には天板として透過板21が取り付けられている。透過板21は、軽量で剛性が高く、かつX線透過性が高いカーボン材料で形成されている。筐体20は、電子カセッテ13への電磁ノイズの侵入、および電子カセッテ13から外部への電磁ノイズの放射を防止する電磁シールドとしても機能する。
筐体20は、例えばフイルムカセッテやIPカセッテ(CRカセッテとも呼ばれる)と同様の国際規格ISO4090:2001に準拠した大きさである。電子カセッテ13はX線撮影システム2が設置される撮影室一部屋に複数台、例えば立位撮影台15、臥位撮影台16用に二台配備される。電子カセッテ13は、筐体20の前面20aがX線源10と対向する姿勢で保持されるよう、立位撮影台15、臥位撮影台16のホルダ15a、16a(図1参照)に着脱自在にセットされる。そして、使用する撮影台に応じて、線源移動装置によりX線源10が移動される。また、電子カセッテ13は、立位撮影台15や臥位撮影台16にセットされる他に、被写体が仰臥するベッド上に置いたり被写体自身に持たせたりして単体で使用されることもある。なお、電子カセッテ13は、サイズがフイルムカセッテやIPカセッテと略同様の大きさであるため、フイルムカセッテやIPカセッテ用の既存の撮影台にも取り付け可能である。
図3において、電子カセッテ13には、コンソール14と有線方式または無線方式で通信するための通信部30、およびバッテリ31が内蔵されている。通信部30は、コンソール14と制御部32の画像データを含む各種情報、信号の送受信を媒介する。バッテリ31は、電子カセッテ13の各部に所定の電圧の電力を供給する。バッテリ31は、薄型の電子カセッテ13内に収まるよう比較的小型のものが使用される。また、バッテリ31は、電子カセッテ13から外部に取り出して専用のクレードルにセットして充電することも可能である。さらにはバッテリ31を無線給電可能な構成としてもよい。
通信部30は、バッテリ31の残量不足等で電子カセッテ13とコンソール14との無線通信が不可能になった場合にコンソール14と有線接続される。通信部30にコンソール14からのケーブルを接続した場合、コンソール14との有線通信が可能になる。この際、コンソール14から電子カセッテ13に給電してもよい。
FPD35は、TFTアクティブマトリクス基板を有し、この基板上に撮像領域37が形成されている。撮像領域37には、X線の到達線量に応じた電荷を蓄積する複数の画素36が、所定のピッチでn行(x方向)×m列(y方向)のマトリクス状に配列されている。n、mは2以上の整数であり、例えばn、m≒2000である。なお、画素36の配列は正方配列でなくともよく、ハニカム配列でもよい。
FPD35は、X線を可視光に変換するシンチレータ(蛍光体、図示せず)を有し、シンチレータによって変換された可視光を画素36で光電変換する間接変換型である。シンチレータは、CsI:Tl(タリウム賦活ヨウ化セシウム)やGOS(GdS:Tb、テルビウム賦活ガドリウムオキシサルファイド)等からなり、画素36が配列された撮像領域37の全面と対向するように配置されている。なお、シンチレータとTFTアクティブマトリクス基板は、X線の入射する側からみてシンチレータ、基板の順に配置されるPSS(Penetration Side Sampling)方式でもよいし、逆に基板、シンチレータの順に配置されるISS(Irradiation Side sampling)方式でもよい。また、シンチレータを用いず、X線を直接電荷に変換する変換層(アモルファスセレン等)を用いた直接変換型のFPDを用いてもよい。
画素36は、可視光の入射によって電荷(電子−正孔対)を発生してこれを蓄積する光電変換部38、およびスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)39を備える。
光電変換部38は、電荷を発生する半導体層(例えばPIN型)とその上下に上部電極および下部電極を配した構造を有している。光電変換部38は、下部電極にTFT39が接続され、上部電極にはバイアス線(図示せず)が接続されている。バイアス線は撮像領域37内の画素36の行数分(n行分)設けられて一本の母線に結束されている。母線はバイアス電源に繋がれている。母線とその子線のバイアス線を通じて、バイアス電源から光電変換部38の上部電極にバイアス電圧が印加される。バイアス電圧の印加により半導体層内に電界が生じ、光電変換により半導体層内で発生した電荷(電子−正孔対)は、一方がプラス、他方がマイナスの極性を持つ上部電極と下部電極に移動し、光電変換部38に電荷が蓄積される。
TFT39は、ゲート電極が走査線40に、ソース電極が信号線41に、ドレイン電極が光電変換部38にそれぞれ接続される。走査線40と信号線41は格子状に配線されており、走査線40は1行分の画素36に対して共通に1本ずつ、画素36の行数分(n行分)、信号線41は1列分の画素41に対して共通に1本ずつ、画素36の列数分(m列分)それぞれ設けられている。走査線40はゲートドライバ42に接続され、信号線41は信号処理回路43に接続される。
ゲートドライバ42は、TFT39を駆動することにより、X線の到達線量に応じた信号電荷を画素36に蓄積する蓄積動作と、画素36から信号電荷を読み出す読み出し動作と、リセット動作とを行わせる。制御部32は、ゲートドライバ42によって実行される上記各動作の開始タイミングを制御する。
蓄積動作ではTFT39がオフ状態にされ、その間に画素36に信号電荷が蓄積される。読み出し動作では、ゲートドライバ42から同じ行のTFT39を一斉に駆動するゲートパルスG1〜Gnを順次発生して、走査線40を一行ずつ順に活性化し、走査線40に接続されたTFT39を1行分ずつオン状態とする。画素36に蓄積された電荷は、TFT39がオン状態になると信号線41に読み出されて、信号処理回路43に入力される。なお、読み出し動作時間短縮のため、ゲートパルスを所定行おきに発生させて所定行おきに電荷を読み出す間引き読み出しや、ゲートパルスを複数行に同時に与えて複数行の電荷を一度に読み出すビニング読み出しを実行してもよい。
光電変換部38の半導体層には、X線の入射の有無に関わらず暗電荷が発生する。この暗電荷はバイアス電圧が印加されているために光電変換部38に蓄積される。画素36において発生する暗電荷は、画像データに対してはノイズ成分となるので、これを除去するために所定時間間隔でリセット動作が行われる。リセット動作は、画素36において発生する暗電荷を、信号線41を通じて掃き出す動作である。
リセット動作は、例えば、一行ずつ画素36をリセットする順次リセット方式で行われる。順次リセット方式では、信号電荷の読み出し動作と同様、ゲートドライバ42から走査線40に対してゲートパルスG1〜Gnを順次発生して、画素36のTFT39を一行ずつオン状態にする。
順次リセット方式に代えて、複数行の画素を1グループとしてグループ内で順次リセットを行い、グループ数分の行の暗電荷を同時に掃き出す並列リセット方式や、全行にゲートパルスを入れて全画素の暗電荷を同時に掃き出す全画素リセット方式を用いてもよい。並列リセット方式や全画素リセット方式によりリセット動作を高速化することができる。
信号処理回路43は、制御部32から与えられるSync信号、Internal Reset信号、Analog Clock信号といった各種動作制御信号(図4等参照)に基づきパイプライン処理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。信号処理回路43は、画像読み出し動作では図16の従来例と同じく、一定のサイクル時間Tの通常サイクルを繰り返すパイプライン処理を実施する。これに対し、図4に示す、例えば照射開始検出のために用いられる線量検出信号Sdを検出する線量検出動作では、線量検出信号Sdの出力を早めるため、後述するように、信号処理回路43は時間T1の第1サイクルの間に、時間T1より短い時間T2の第2サイクルを挟んだパイプライン処理を実施する。
信号処理回路43は、積分アンプ50、CDS回路(CDS)51、マルチプレクサ(MUX)52、A/D変換器(A/D)53、および第1、第2バッファメモリ54a、54b等を備える。
積分アンプ50は、各信号線41に対して個別に接続される。積分アンプ50は、オペアンプ50aとオペアンプ50aの入出力端子間に接続されたキャパシタ50bとからなり、信号線41はオペアンプ50aの一方の入力端子に接続される。オペアンプ50aのもう一方の入力端子はグランド(GND)に接続される。キャパシタ50bにはリセットスイッチ50cが並列に接続されている。積分アンプ50は、信号線41から入力される電荷を積分し、アナログ電圧信号V1〜Vmに変換して出力する。各列のオペアンプ50aの出力端子には、増幅器55、CDS51を介してMUX52が接続される。MUX52の出力側には、A/D53が接続される。
CDS51は2個のサンプルホールド回路を有し、積分アンプ50の出力電圧信号に対して相関二重サンプリングを施してノイズを除去するとともに、サンプルホールド回路で積分アンプ50の出力電圧信号を所定期間保持(サンプルホールド)する。MUX52は、制御部32内のシフトレジスタ(図示せず)からの動作制御信号に基づき、パラレルに接続される各列のCDS51から順に1つのCDS51を電子スイッチで選択し、選択したCDS51から出力される電圧信号V1〜VmをシリアルにA/D53に入力する。A/D53は、入力された電圧信号V1〜Vmをデジタル電圧信号に変換して、並列に接続された第1バッファメモリ54a、または第2バッファメモリ54bに交互に出力する。
第1、第2バッファメモリ54a、54bはパイプライン処理を実現するための信号保持部であり、1行分のX線画像を表すデジタル電圧信号を記録可能なラインメモリである。第1、第2バッファメモリ54a、54bは、各列のデジタル電圧信号V1〜Vmがそれぞれ格納されるm個のメモリセルを有する。第1、第2バッファメモリ54a、54bは、A/D53から出力される1行分のデジタル電圧信号を一時記憶(信号入力)し、これを電子カセッテ13に内蔵されるメモリ60に出力(信号出力)する。メモリ60には、1行分のデジタル電圧信号が、それぞれの画素36の座標に対応付けられて、1行分のX線画像を表す画像データとして記録される。こうして1行分の読み出しが完了する。なお、MUX52とA/D53の間に増幅器を接続してもよい。
1行分の読み出しが完了すると、制御部32は、積分アンプ50に対してリセットパルスRSTを出力し、リセットスイッチ50cをオンする。これにより、キャパシタ50bに蓄積された1行分の信号電荷が放電されてリセットされる。積分アンプ50をリセットした後、再度リセットスイッチ50cをオフして所定時間経過後にCDS51のサンプルホールド回路の1つをホールドし、積分アンプ50のkTCノイズ成分をサンプリングする。その後、ゲートドライバ42から次の行のゲートパルスが出力され、次の行の画素36の信号電荷の読み出しを開始させる。さらにゲートパルスが出力されて所定時間経過後に次の行の画素36の信号電荷をCDS51のもう1つのサンプルホールド回路でホールドする。これらの動作を順次繰り返して全行の画素36の信号電荷を読み出す。
全行の読み出しが完了すると、1枚分のX線画像を表す画像データがメモリ60に記録される。この画像データはメモリ60から制御部32に読み出されて制御部32で各種画像処理を施された後、通信部30を通じてコンソール14に出力される。こうして被写体のX線画像が検出される。
なお、リセット動作では、TFT39がオン状態になっている間、画素36から暗電荷が信号線41を通じて積分アンプ50のキャパシタ50bに流れる。読み出し動作と異なり、MUX52によるキャパシタ50bに蓄積された電荷の読み出しは行われず、各ゲートパルスG1〜Gnの発生と同期して、制御部32からリセットパルスRSTが出力されてリセットスイッチ50cがオンされ、キャパシタ50bに蓄積された電荷が放電されて積分アンプ50がリセットされる。
制御部32には、メモリ60のX線画像データに対してオフセット補正、感度補正、および欠陥補正の各種画像処理を施す回路(図示せず)が設けられている。オフセット補正回路は、X線を照射せずにFPD35から取得したオフセット補正画像をX線画像から画素単位で差し引くことで、信号処理回路43の個体差や撮影環境に起因する固定パターンノイズを除去する。感度補正回路はゲイン補正回路とも呼ばれ、各画素36の光電変換部38の感度のばらつきや信号処理回路43の出力特性のばらつき等を補正する。欠陥補正回路は、出荷時や定期点検時に生成される欠陥画素情報に基づき、欠陥画素の画素値を周囲の正常な画素の画素値で線形補間する。また、欠陥補正回路は、後述する検出画素65が配置された列の画素36の画素値も同様に補間する。なお、上記の各種画像処理回路をコンソール14に設け、各種画像処理をコンソール14で行ってもよい。
FPD35は、上述のようにTFT39を介して信号線41に接続された通常の画素36の他に、TFT39を介さず信号線41に短絡して接続された検出画素65を同じ撮像領域37内に複数備えている。検出画素65は、撮像領域37へのX線の到達線量を検出するために利用される画素であり、照射開始検出を行うための線量検出センサとして機能する。なお、図では検出画素65にハッチングを施し通常の画素36と区別している。
検出画素65は、撮像領域37内で局所的に偏ることなく撮像領域37内に満遍なく散らばるよう配置されている。検出画素65は、同じ信号線41が接続された画素36の列に1個ずつ設けられ、検出画素65が設けられた列は、検出画素65が設けられない列を例えば2〜3列挟んで設けられる。検出画素65の位置はFPD35の製造時に既知であり、FPD35は全検出画素65の位置(座標)を不揮発性のメモリ(図示せず)に予め記憶している。なお、本実施形態とは逆に検出画素65を局所に集中して配置してもよく、検出画素65の配置は適宜変更可能である。例えば乳房を撮影対象とするマンモグラフィ装置では胸壁側に集中して検出画素65を配置するとよい。また、各列に複数個検出画素65を設けてもよい。
画素36と検出画素65は光電変換部38等の基本的な構成は全く同じである。したがってほぼ同様の製造プロセスで形成することができる。検出画素65は信号線41との間にTFT39が設けられておらず、信号線41に直に接続されている。このため、検出画素65の光電変換部38で発生した信号電荷は、TFT39のオンオフに関わらず信号線41に流れ出す。通常の画素36がTFT39をオフ状態とされ、信号電荷を蓄積する蓄積動作中であっても電荷を読み出すことが可能である。このため検出画素65が接続された信号線41上の積分アンプ50のキャパシタ50bには、検出画素65で発生した電荷s(図4参照)が常に流入する。積分アンプ50に蓄積された検出画素65からの電荷sはA/D53に出力され、A/D53でデジタル電圧信号(以下、線量検出信号Sdという)に変換される。線量検出信号Sdは第1バッファメモリ54aに入力され、それからメモリ60に出力される。また第2バッファメモリ54bには、第1バッファメモリ54aから線量検出信号Sdが出力される間に、後述するダミー信号Ddが入力され、第1バッファメモリ54aに次の線量検出信号Sdが入力される間に、第2バッファメモリ54bからダミー信号Ddが出力される。FPD35は、こうした線量検出動作を、照射開始検出部61で線量検出信号Sdに基づいてX線の照射が開始されたと判定するまで複数回繰り返す。
照射開始検出部61は、制御部32により駆動制御される。照射開始検出部61は、線量検出信号Sdをメモリ60から読み出して、読み出した線量検出信号Sdに基づいてX線の照射開始検出を行う。具体的には、メモリ60から読み出した線量検出信号Sdのうちの最大値と、予め設定された照射開始閾値とを線量検出信号Sdの出力毎に比較する。照射開始検出部61は、線量検出信号Sdの最大値が照射開始閾値以上となったときにX線の照射が開始されたと判定し、制御部32に照射開始検出信号を出力する。照射開始閾値は撮影条件によらず同じ値が設定される。
線量検出動作時には、信号処理回路43は図4に示すように動作する。なお、Sync信号、Analog Clock信号、ADC Clock信号、Buffer Clock信号の凡例の意味は図16及び図17の場合とほぼ同じであるため説明を省略する(図7等も同様)。Internal Reset信号も、図16及び図17の場合と同様に積分アンプ50のリセットに使用される信号であるが、図4の例では、第1サイクル終了時点では積分アンプ50のリセットは行われずに、第1サイクルに続く第2サイクルが終了した時点でのみ積分アンプ50のリセットが行われる。動作バッファの行の「第2」は第2バッファメモリ54bを表している(図9も同様)。
図4において、信号処理回路43は第1サイクルと第2サイクルを1セットとして交互に行う。第1サイクルとそれよりも極めて時間が短い第2サイクルを交互に行う点が一定の通常サイクルを繰り返す読み出し動作時と異なる。第1サイクルの時間T1は、線量検出信号SdのS/Nを確保するために読み出し動作時の1サイクルの時間Tよりも長くとられている(T1>T)。第1サイクルの時間T1は、例えば50〜500μsecで、読み出し動作の1サイクルの時間Tの数倍〜数十倍である。第1サイクルと第2サイクルを合わせた時間T1+T2は、線量検出動作で設定された積分アンプ50の1回分の積分期間に該当する。第1サイクルの動作バッファは第1バッファメモリ54a、第2サイクルの動作バッファは第2バッファメモリ54bである。なお、線量検出信号SdのS/Nが十分確保できるならば、第1サイクルの時間T1を通常サイクルの時間Tと同じかそれよりも短くしてもよい。
ここで線量検出信号Sd(N)に注目すると、第1サイクルでは、前回の第1サイクルと第2サイクルのセットのときに積分アンプ50で積分していた検出画素65からの電荷s(N)に基づくアナログの線量検出信号S(N)をCDS51でサンプルホールドし(CDSの行参照)、かつ線量検出信号S(N)をA/D53でデジタル線量検出信号Sd(N)に変換し(AD Dataの行参照)、これを第1バッファメモリ54aに一時記憶し、同時に前回の第2サイクルで第2バッファメモリ54bに一時記憶されていたデジタルのダミー信号Dd(N−1)を第2バッファメモリ54bからメモリ60へ出力(Data Outの行参照)している。
続く第2サイクルでは、アナログのダミー信号D(N)のサンプルホールド、ダミー信号Dd(N)へのデジタル変換、およびダミー信号Dd(N)の第2バッファメモリ54bへの一時記憶、先の第1サイクルで第1バッファメモリ54aに一時記憶されていた線量検出信号Sd(N)のメモリ60への出力を同時に行う。こうすることで、第1サイクルと第2サイクルの1セットで線量検出信号S(N)のA/D変換および線量検出信号Sd(N)の第1バッファメモリ54aへの一時記憶(信号入力)と、線量検出信号Sd(N)の第1バッファメモリ54aからメモリ60への出力(信号出力)を済ませることができる。線量検出動作においては、サイクル毎に全検出画素65の電荷が一括して読み出されるため、メモリ60には、第1サイクルと第2サイクルの1セットで全検出画素65からの線量検出信号Sdが記録される。
ダミー信号Ddは、第1サイクルで第1バッファメモリ54aに一時記憶されたデジタル線量検出信号Sdをいちはやくメモリ60に出力するため便宜的に用いられる信号に過ぎず、X線の照射開始検出には寄与しない、データ的に意味のない信号である。このためメモリ60は、第2サイクルで第1バッファメモリ54aから出力される線量検出信号Sdのみを受け取り、第1サイクルで第2バッファメモリ54bから出力されるダミー信号Ddは受け取らずに破棄する。
一点鎖線の丸囲いAで示すように、第2サイクルでは、ダミー信号Dのサンプルホールドのための時間を短縮化させる目的で第1サイクルのときよりもAnalog Clock信号の周期を極めて短くしている。第2サイクルの時間T2を第1サイクルの時間T1よりも極めて短く(T1≫T2)することで、線量検出信号Sdは実質的にA/D変換終了後直ちにメモリ60に出力されて照射開始検出に供される。
次に、図4、図5、図16および図17を参照して、X線撮影システム2においてX線撮影を行う場合の手順を説明する。
まず、被写体を立位撮影台15の前の所定の位置に立たせるか臥位撮影台16に仰臥させ、立位または臥位のいずれかの撮影台15、16にセットされた電子カセッテ13の高さや水平位置を調節して、被写体の撮影部位と位置を合わせる。また、電子カセッテ13の位置および撮影部位の大きさに応じて、X線源10の高さや水平位置、照射野の大きさを調整する。次いで線源制御装置11とコンソール14に撮影条件を設定する。
図5において、X線撮影前、制御部32はFPD35にリセット動作を繰り返し行わせている。被写体と電子カセッテ13の位置調整がされて線源制御装置11に撮影条件が設定された後、オペレータの入力操作によりコンソール14から撮影準備の指示が送信されたときに、制御部32はFPD35の動作をリセット動作から線量検出動作へ移行させる。すると、検出画素65で発生した電荷が信号線41から積分アンプ50のキャパシタ50bに流入する。また、線量検出動作ではTFT39がオフされるので通常画素36に電荷が蓄積されるが、この電荷は照射開始検出後のリセット動作で破棄される。
線量検出動作では、信号処理回路43は第1サイクルとそれに続く第2サイクルを1セットとするパイプライン処理を繰り返す。第1サイクルでは、前回のセットで積分アンプ50に積分された検出画素65からの電荷sに基づくアナログの線量検出信号SのCDS51によるサンプルホールド、A/D53による線量検出信号Sdへのデジタル変換、および第1バッファメモリ54aへの線量検出信号Sdの一時記憶が行われる。第1バッファメモリ54aへの線量検出信号Sdの入力と同時に第2バッファメモリ54bからメモリ60にダミー信号Ddが出力されるが、不要なデータとして破棄される。第2サイクルでは、第1バッファメモリ54aの線量検出信号Sdがメモリ60に出力される。メモリ60に出力された線量検出信号Sdは照射開始検出部61に読み出され、そのうちの最大値と照射開始閾値が比較される。
オペレータにより照射スイッチ12が押されてX線源10からX線が照射されると、間もなく線量検出信号Sdの最大値が照射開始閾値以上となり、照射開始検出部61はX線の照射が開始されたと判定し、制御部32に照射開始検出信号を出力する。制御部32は照射開始検出信号を受信すると、FPD35にリセット動作を1回行わせた後、蓄積動作を開始させる。これによりX線の照射開始タイミングとFPD35の蓄積動作開始タイミングとの同期がとられる。
制御部32は、撮影条件で設定された時間までFPD35に蓄積動作を行わせた後、画像の読み出し動作に移行させる。読み出し動作では図16の従来例と同じパイプライン処理が信号処理回路43により実施され、デジタル画像信号Pdは第1、第2バッファメモリ54a、54bから交互にメモリ60に出力される。読み出し動作終了後、FPD35はリセット動作に戻る。読み出し動作によりメモリ60に出力された画像データは、各種画像処理後に通信部30を介してコンソール14に送信され、X線画像としてディスプレイ14bに表示される。
図17の例のように一定のサイクルで線量検出動作を行った場合は、第2サイクルを実施せずに第1サイクルでパイプライン処理を繰り返すことになるので、バッファメモリ54aまたは54bに一時記憶された線量検出信号Sdをメモリ60に出力するまでに1サイクル分の時間T1が掛かる。線量検出信号Sdを出力する際にはS/Nを確保するために画像信号Pdを出力する際の1サイクルの時間Tよりも時間T1を数倍〜数十倍長くとるため、図17の例のパイプライン処理での1サイクル分の遅れが無視できない程大きくなるが、本実施形態では第2サイクルを実施することで線量検出信号Sdの出力を高速化することができる。具体的には、電荷を積分アンプ50で積分開始するタイミングで実際にX線の照射が開始された場合、照射開始検出部61で照射開始と判定されるまでに、図17の例ではおよそ3サイクル分の遅れが生じてしまうが、本例では第2サイクルが極めて短い時間であるため実質的に2サイクル分の遅れで済む。従って実際にX線が照射されてから照射開始検出部61で照射開始を検出するまでの時間を従来よりも短くすることができる。結果として被写体への無用な被曝を低減することができ、照射されたX線を無駄なくX線画像に反映させることができる、という特段の効果を得ることができる。
なお、本実施形態において、第1サイクルの終了時点で積分アンプ50のリセットを行わずに第2サイクルの終了時点でのみリセットを行う例で説明したが、第1サイクルの終了時点でリセットを行ってもよい。この場合には、線量検出信号の積分時間は、第1サイクルの時間T1となり、また、線量検出信号とダミー信号がそれぞれ一時記憶されるバッファメモリ54a、54bが逆転する。つまり、線量検出信号として利用される、第1サイクルの時間T1の間に積分された電荷sは、第1サイクルの終了時点においてCDS51に読み出されて、続く第2サイクルにおいて第2バッファメモリ54bに一時記憶される。そして、次の第1サイクルにおいて第2バッファメモリ54bからメモリ60に出力される。反対に、ダミー信号は、第1サイクルにおいて第1バッファメモリ54aに一時記憶され、次の第2サイクルにおいて第1バッファメモリ54aからメモリ60に出力される。
[第2実施形態]
第1実施形態では、信号保持部として第1、第2バッファメモリ54a、54bを設けてパイプライン処理を実現しているが、図6に示すFPD70のように、各積分アンプ50の出力端に増幅器55を介して、互いに並列接続された2つのCDS71a、71bを接続して、パイプライン処理用信号保持部とした信号処理回路72を用いてもよい。
この場合、線量検出動作時には、信号処理回路72は図7に示すように動作する。なお、動作CDSの行は、第1、第2CDS71a、71bのうち、当該サイクルにおいて線量検出信号Sまたはダミー信号Dをサンプルホールドするものを示している。第1CDS71aは第1サイクル時に線量検出信号S、第2CDS71bは第2サイクル時にダミー信号Dのサンプルホールドをそれぞれ開始する(第1、第2CDSの行参照)。
図7において、本実施形態も第1実施形態と同様に第1サイクルと第2サイクルを1セットとして交互に行う。第1サイクルでは、前回のセットのときに積分アンプ50で積分していた電荷s(N)に基づく線量検出信号S(N)を第1CDS71aでサンプルホールド(第1CDSの行参照)し、同時に前回の第2サイクルで第2CDS71bにサンプルホールドされたダミー信号D(N−1)をA/D53でデジタル変換してメモリ60へ出力(AD Dataの行参照)する。本実施形態ではA/D53の後段にバッファメモリがなく、A/D53とメモリ60が直接接続されているので、AD Dataの行が第1実施形態でのData Outに相当する。
続く第2サイクルでは、ダミー信号D(N)の第2CDS71bへのサンプルホールドと、先の第1サイクルで第1CDS71aにサンプルホールドされた線量検出信号S(N)のデジタル線量検出信号Sd(N)への変換およびメモリ60への出力を同時に行う。本実施形態においても、一点鎖線の丸囲いBで示すように、ダミー信号Dのサンプルホールドのための時間を短縮して第2サイクルの時間T2を短縮する目的で、第1実施形態と同様に第2サイクルにおいてAnalog Clock信号の周期を短くしている。本実施形態においても第1実施形態と同じ効果を得ることができる。なお、バッファメモリをCDSで代用した以外の構成および作用は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
[第3実施形態]
さらには第1、第2実施形態を組み合わせて、図8に示すFPD80のように、信号保持部として第1、第2CDS81a、81bと第1、第2バッファメモリ82a、82bを設けた信号処理回路83を用いてもよい。この場合、線量検出動作時には、信号処理回路83は図9に示すように動作する。
線量検出動作において、信号処理回路83は、第1サイクル後に短い第2サイクルを2回連続して行うことを1セットとしたパイプライン処理を繰り返す。第1サイクルでは、前回のセットのときに積分アンプ50で積分していた電荷s(N)に基づく線量検出信号S(N)を第1CDS81aでサンプルホールド(第1CDSの行参照)し、かつ前回のセットの2回目の第2サイクルで第2CDS81bにサンプルホールドされたダミー信号D(N−1)をA/D53でデジタル変換(AD Dataの行参照)してダミー信号Dd(N−1)とし、これを第1バッファメモリ82aに一時記憶する。同時に前セットの2回目の第2サイクルで第2バッファメモリ82bに一時記憶されていたダミー信号Dd(N−1)を第2バッファメモリ82bからメモリ60へ出力(Data Outの行参照)する。
続く1回目の第2サイクルでは、ダミー信号D(N)の第2CDS81bへのサンプルホールド、先の第1サイクルで第1CDS81aにサンプルホールドされた線量検出信号S(N)のデジタル変換、およびデジタル変換された線量検出信号Sd(N)の第2バッファメモリ82bへの一時記憶、第1サイクルで第1バッファメモリ82aに一時記憶されていたダミー信号Dd(N−1)のメモリ60への出力を同時に行う。また、2回目の第2サイクルでは、ダミー信号D(N)の第1CDS81aへのサンプルホールド、1回目の第2サイクルで第2CDS81bにサンプルホールドされたダミー信号D(N)のデジタル変換、およびダミー信号Dd(N)の第1バッファメモリ82aへの一時記憶、1回目の第2サイクルで第2バッファメモリ82bに一時記憶されていた線量検出信号Sd(N)のメモリ60への出力を同時に行う。この場合も第1、第2実施形態と同じく、一点鎖線の丸囲いCで示すように第2サイクルではAnalog Clock信号の周期を短くしている。これにより第2サイクルの時間T2を短縮することで、線量検出信号Sdを従来のパイプライン処理に比べて短い間隔でメモリ60に出力することができる。
なお、第1、第2実施形態の第2サイクルは、線量検出信号Sdの第1バッファメモリ54aからメモリ60への出力に要する時間(第1実施形態)、または第1CDS71aにサンプルホールドされた線量検出信号S(N)のデジタル変換に要する時間(第2実施形態)を確保できればよい。また、ダミー信号Ddは上述のようにX線の照射開始検出には寄与しない信号であるため、ダミー信号Dのサンプルホールド、A/D変換は第1サイクルのように厳密に実施する必要はない。第1、第2実施形態では第2サイクルの時間を短縮するため第2サイクル時にAnalog Clock信号の周期を短くしているが、周期は第1サイクル時と同じとし、Analog Clock信号のクロック数が第1サイクル時の個数に満たないうちにダミー信号Dのサンプルホールド、A/D変換を切り上げ、これらを形式的に行うだけに留めてもよいし、Analog Clock信号を入力せずにSync信号のみ周期を速めて入力して、ダミー信号DのサンプルホールドとA/D変換は実質行わずに線量検出信号Sdのメモリ60への出力のみを行ってもよい。これにより第2サイクルの時間T2をさらに短くすることができ、線量検出信号Sdの出力のさらなる高速化が可能となる。
同様に、第3実施形態の1回目の第2サイクルのバッファメモリからのダミー信号Ddの出力と2回目の第2サイクルのダミー信号DのA/D変換も厳密に実施する必要はなく、1回目の第2サイクルのBuffer Data Clock信号、2回目の第2サイクルのADC Clock信号のクロック数が第1サイクル時の個数に満たないうちにこれらの処理を切り上げることで、第2サイクルのさらなる高速化を図ってもよい。具体的には、バッファメモリからのダミー信号Ddの出力、ダミー信号DのA/D変換を全列分実施するのではなく途中で止める。あるいは、奇数列または偶数列だけ、複数列おき、もしくはi列連続して実施してj列飛ばす等して、処理を間引いてもよい。さらにはBuffer Data Clock信号、ADC Clock信号自体を与えずにバッファメモリの各メモリセルからの出力、またはA/D変換をさせなくともよい。MUX52に与える動作制御信号についても同様に、第2サイクルでは、周期を短くしたり、動作制御信号の出力を途中で止める、間引いて与える等して第1サイクル時よりもクロック数を少なくしたりしてもよいし、あるいはMUX52への動作制御信号の出力自体をしなくてもよい。これらAnalog Clock信号の周期の短縮化、MUXによるサンプルホールド回路の選択、A/D変換、バッファメモリからの出力の中止、および間引き等を複合して実施してもよい。
なお、線量検出信号Sdに基づきX線の照射開始を検出する代わりに、線量検出信号Sdに基づきX線の照射終了を検出してもよい。この場合、図10に示すFPD85のように、照射開始検出部61の代わりに照射終了検出部86を設ける。照射終了検出部86は、照射開始検出と同様に、第1サイクルと第2サイクルを交えた線量検出動作で得られた線量検出信号Sdの最大値と照射終了閾値とを比較し、最大値が照射終了閾値を下回ったらX線の照射が終了したと判定する。照射終了検出部86で照射終了を判定したら、制御部32はFPD85を蓄積動作から読み出し動作に移行させる。なお、FPD85は照射終了検出部86が設けられている他は図3のFPD35と同じであるため説明を省略する。また、照射開始検出部61と照射終了検出部86を両方設け、線量検出信号Sdに基づきX線の照射開始および終了を検出してもよい。
また、以下に説明するように線量検出信号Sdに基づき自動露出制御(AEC;Automatic Exposure Control)動作を行ってもよい。
図11において、X線撮影システム90は、互いに各種同期信号を遣り取りする通信機能を持つ線源制御装置91と電子カセッテ92とを備えている。図12に示すように、電子カセッテ92のFPD95には、照射開始検出部61の代わりにAEC部96が設けられている。線源制御装置91との通信は通信部97が担う。通信部97は通信部30と同様にコンソール14との通信も行う。なお、X線撮影システム90は、線源制御装置91と電子カセッテ92が通信機能を持つ点のみが図1のX線撮影システム2と異なるだけで、他の構成および作用はX線撮影システム2と同じであるため説明を省略する。同様にFPD95はAEC部96等が設けられている他は図3のFPD35と同じであるため説明を省略する。
この場合、線源制御装置91では、目標線量に達してAEC部96による照射停止の判断がされる前にX線の照射が終了して線量不足に陥ることを防ぐため、X線の照射時間は余裕を持った値が設定される。X線源10において安全規制上撮影部位に応じて設定されている照射時間の最大値を設定してもよい。線源制御装置91は、設定された撮影条件の管電圧や管電流、照射時間でX線の照射制御を行う。AEC機能はこれに対してX線の累積線量が必要十分な目標線量に到達したと判定すると、線源制御装置11で設定されている照射時間以下であってもX線の照射を停止するように機能する。
なお、この場合、コンソール14で設定される撮影条件には、AEC部96で累積線量を測定する採光野の情報が記憶されており、コンソール14で撮影条件を設定したときに採光野の情報が電子カセッテ92に提供される。採光野とは、診断時に最も注目すべき関心領域にあたり、かつ線量検出信号Sdを安定して得られる部分である。例えば撮影部位が胸部の場合は左右の肺野にあたる部分が設定されている。
図13に示すように、線源制御装置91は、照射スイッチ12からウォームアップ開始信号を受けたときに、X線の照射を開始してよいか否かを問い合わせる同期信号である照射開始要求信号を電子カセッテ92に送信する。電子カセッテ92は照射開始要求信号を通信部97で受信するとFPD95にリセット動作を終えさせて蓄積動作を開始させる。そして、通信部97から照射開始要求信号の応答である照射許可信号を線源制御装置91に送信する。線源制御装置91は電子カセッテ92から照射許可信号を受信して、さらに照射スイッチ12から照射開始信号を受けたときに高電圧発生器からX線源10への電力供給を開始させ、X線源10からX線を照射させる。また、線源制御装置91は、通信部97から発せられる照射停止信号を受けたときに、高電圧発生器からX線源10への電力供給を停止させ、X線の照射を停止させる。
AEC部96は、FPD95が蓄積動作を開始したときに動作する。信号処理回路43は、上記各実施形態の線量検出動作をし、定期的に線量検出信号Sdをメモリ60に出力する。
AEC部96は、複数回の出力によってメモリ60から読み出される線量検出信号Sdを座標毎に順次加算することにより、撮像領域37に到達するX線の累積線量を測定する。より具体的には、AEC部96は、コンソール14から与えられた採光野の情報に基づき、採光野内に存在する検出画素65からの線量検出信号Sdの代表値(平均値、最大値、最頻値、合計値等)を計算し、さらにその代表値を積算して採光野の累積線量を求める。
なお、採光野の決め方としては、撮像領域37を複数分割したブロック毎に線量検出信号の代表値を積算し、積算値が最も低いブロックを採光野と設定してもよいし、オペレータの設定により撮像領域37の任意の部分を採光野として指定してもよい。
AEC部96は、求めた採光野の累積線量と予め設定された照射停止閾値(目標線量)とを、線量検出信号Sdが出力される毎に比較して、累積線量が照射停止閾値に達したか否かを判定する。AEC部96は、採光野の累積線量が照射停止閾値を上回り、X線の累積線量が目標線量に達したと判定したときに制御部32に照射停止信号を出力する。
AEC部96で採光野へ到達したX線の累積線量が目標値に達したと判断され、照射停止信号が出力された場合、制御部32は、通信部97を介して線源制御装置91に照射停止信号を送信する。これによりX線源10によるX線の照射が停止される。同時に制御部32は、FPD95の動作を蓄積動作から読み出し動作へ移行させる。読み出し動作終了後、FPD95はリセット動作に戻る。
AEC部96で線量検出信号Sdの積算値と照射停止閾値を比較することにより、X線の累積線量が目標値に達すると予想される時間を算出してもよい。この場合は予想した時間が経過した後に線源制御装置91に照射停止信号を送信する、あるいは予想した時間を線源制御装置91に送信する。予想した時間を線源制御装置91に送信する場合、線源制御装置91は予想時間を計時し、予想時間に達したらX線の照射を停止させる。制御部32は、予想した時間経過後、FPD95の動作を蓄積動作から読み出し動作へ移行させる。
信号処理回路43に各実施形態の線量検出動作をさせて線量検出信号Sdの出力を高速化するので、X線の照射停止タイミングが遅れてX線が目標値よりも余計に照射されて被写体の被曝線量が増加してしまう事態を避けることができるという特段の効果が得られる。
また、線量検出信号SdをX線の照射開始または終了検出、AECに用いる他に、線量検出信号Sdに基づき読み出し動作時の積分アンプのゲインを切り替えてもよい。この場合は図14に示すように、積分アンプ50に代えてゲイン可変型の積分アンプ100を用いる。
図14において、積分アンプ100は、積分アンプ50と同様にオペアンプ100aとリセットスイッチ100cとを備える。オペアンプ100aの入出力端子間には、2つのキャパシタ100b、100dが接続され、キャパシタ100dにはゲイン切替スイッチ100eが接続されている。ゲイン切替スイッチ100eがオンのとき、積分アンプからの出力電圧信号VはV=q/(C1+C2)、ゲイン切替スイッチ100eがオフのときはV=q/C1となる。但しqは蓄積電荷、C1、C2はそれぞれキャパシタ100b、100dの容量である。このようにゲイン切替スイッチ100eのオン/オフを切り替えることで、積分アンプ100のゲインを変化させることができる。なお、ここではキャパシタを2個接続して2段階でゲインを切り替える例を示すが、キャパシタを2個以上接続して、ゲインを2段階以上変化可能に構成することが好ましい。
ゲイン設定部101は、照射開始検出部61、照射終了検出部86やAEC部96の代わりにFPDに設けられる。ゲイン設定部101は、FPDが蓄積動作を開始したときに動作し、読み出し動作時のゲイン切替スイッチ100eの動作を制御する。信号処理回路は、上記各実施形態の線量検出動作をし、定期的に線量検出信号Sdをメモリ60に出力する。ゲイン設定部101は、線量検出信号Sdが飽和しないよう、線量検出動作では積分アンプ100のゲインを最小値に設定する。本例の場合はゲイン切替スイッチ100eをオンさせる。
ゲイン設定部101は、AEC部96と同様に、採光野の検出画素65からの線量検出信号Sdの代表値を所定回数積算し、その積算値と予め設定された閾値とを比較する。積算値が閾値よりも大きい場合、ゲイン設定部101は、読み出し動作時にゲイン切替スイッチ100eをオンさせる。一方、撮像領域37の関心領域にあたる部分への到達累積線量が低く積算値が閾値以下であった場合は、読み出し動作時にゲイン切替スイッチ100eをオフさせて積分アンプ100のゲインを高くする。より具体的には、採光野の出力電圧信号Vの最大値および最小値がA/D変換のレンジの最大値および最小値に合うよう積分アンプ100のゲインを設定する。
X線の累積線量を低く設定した撮影では電圧信号Vの最大値と最小値の幅がA/D変換のレンジに対して狭く、こうした場合に得られるX線画像はノイズが目立つ不鮮明なものとなってしまうが、上記のように採光野への到達累積線量が低いときに積分アンプのゲインを高くすれば、ノイズが目立たない良好な画質のX線画像を得ることができるという特段の効果が得られる。
信号処理回路に上記各実施形態の線量検出動作をさせて線量検出信号Sdの出力を高速化するので、低線量撮影等でX線の照射時間が数msec以下で、FPDの蓄積動作が極めて短時間で終了して読み出し動作に移行する場合も積分アンプのゲイン設定を間に合わせることができる。
なお、積分アンプではなく増幅器のゲインを設定してもよい。また、X線の照射開始または終了検出、AEC、および積分アンプのゲイン設定を複合して行ってもよい。
上記各実施形態では、AECセンサとしてTFT39を介さず信号線41に短絡して接続された検出画素65を用いているが、TFT39のソース電極とドレイン電極を短絡した画素36を検出画素として用いてもよい。また、例えば図15に示す検出画素105のように、通常の画素36とは別のゲートドライバ106および走査線107で駆動するTFT108を接続し、通常の画素36とは独立して蓄積電荷を読み出すことが可能な構成としてもよい。ゲートドライバ106で採光野にあたる検出画素105に選択的にゲートパルスを与えて、採光野にあたる検出画素105の蓄積電荷を読み出すようにすることができる。
また、全てのTFT39をオフ状態にしたときに画素36から漏れるリーク電荷に基づくデジタル電圧信号を信号処理回路を介して読み出し、これに基づき線量を検出してもよい。この場合は全ての画素36が線量検出センサとなる。また、通常の画素に手を加えて検出画素とするのではなく、画素間の隙間等に画素とは別に線量検出センサを設け、該線量検出センサの出力を信号処理回路を介して読み出す構成としてもよい。要するに線量検出信号をパイプライン型信号処理回路から出力するものであれば本発明を適用可能であり、上記各実施形態と同様の効果を発揮する。
上記各実施形態では、コンソール14と電子カセッテ13が別体である例で説明したが、コンソール14は独立した装置である必要はなく、電子カセッテ13にコンソール14の機能を搭載してもよい。同様に線源制御装置11とコンソール14を一体化した装置としてもよい。また、可搬型のX線画像検出装置である電子カセッテに限らず、撮影台に据え付けるタイプのX線画像検出装置に適用してもよい。
さらに本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する撮影システムにも適用することができる。
2、90 X線撮影システム
10 X線源
11、91 線源制御装置
13、92 電子カセッテ
14 コンソール
32 制御部
35、70、80、85、95 FPD
36 画素
43、72、83 信号処理回路
50、100 積分アンプ
51、71a、71b、81a、81b CDS回路(CDS)
53 A/D変換器(A/D)
54a、54b、82a、82b バッファメモリ
61 照射開始検出部
65、105 検出画素
86 照射終了検出部
96 AEC部
101 ゲイン設定部

Claims (19)

  1. 放射線源から照射された放射線の線量に応じた電荷を蓄積する複数の画素と、前記画素の列毎に設けられた複数の信号線であり、前記画素が接続され、前記画素に蓄積された電荷を画像信号として出力する複数の信号線とが配列された撮像領域を有し、被写体の放射線画像を検出するFPDと、
    前記複数の信号線毎に設けられ、電荷を積分して電圧信号に変換する複数の積分アンプと、前記積分アンプから連続して読み出される2回分の電圧信号を一時的に保持する第1および第2信号保持部とを有し、前記第1および第2信号保持部の一方への電圧信号の信号入力と、他方からの信号出力を並行して行うサイクルを実施するパイプライン型の信号処理回路と、
    前記信号処理回路から電圧信号として出力される前記画像信号を記憶するメモリと、
    前記FPD、前記信号処理回路、および前記メモリの動作タイミングを制御する制御部であり、
    前記画像信号を前記メモリへ出力する読み出し動作では、前記第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を並行して行う前記サイクルとして、前記積分アンプが電荷の積分を開始してリセットされるまでの1回分の積分期間に対応する一定の通常サイクルを繰り返す制御を実行する制御部とを備えることを特徴とする放射線画像検出装置。
  2. 前記制御部は、前記第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を並行して行う前記サイクルとして、第1サイクルと、前記第1サイクルよりも短い第2サイクルの2種類のサイクルを行い、2回の第1サイクルの間に第2サイクルを少なくとも1回挟む制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出装置。
  3. 前記通常サイクルにおいて、前記複数の積分アンプは、前記複数の画素の1行分の電荷を積分することを特徴とする請求項2に記載の放射線画像検出装置。
  4. 前記第1サイクルは、前記通常サイクルよりも長いことを特徴とする請求項2または3に記載の放射線画像検出装置。
  5. 前記第1サイクルと前記第2サイクルには、それぞれの時間に応じた積分期間が割り当てられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  6. 前記信号処理回路は、前記複数の積分アンプの後段に接続され、前記積分アンプで積分されたアナログの電圧信号をサンプルホールドするCDS回路と、
    前記CDS回路でサンプルホールドされたアナログの電圧信号をデジタルの電圧信号に変換するA/D変換器とを有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  7. 前記第1および第2信号保持部は、前記A/D変換器と前記メモリの間に並列接続された2つのバッファメモリであることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像検出装置。
  8. 前記CDS回路は、前記積分アンプの後段に2つ並列に接続されており、
    前記第1および第2信号保持部は、2つの前記CDS回路であることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像検出装置。
  9. 前記制御部は、第1サイクルと第2サイクルを交互に行うことを特徴とする請求項7または8に記載の放射線画像検出装置。
  10. 前記第1および第2信号保持部は、それぞれ2つ設けられており、
    1つは、前記A/D変換器と前記メモリの間に並列接続された2つのバッファメモリであり、
    もう1つは、前記積分アンプの後段に2つ並列に接続された前記CDS回路であることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像検出装置。
  11. 前記制御部は、2回の第1サイクルの間に、第2サイクルを2回挟むことを特徴とする請求項10に記載の放射線画像検出装置。
  12. 前記制御部は、前記信号処理回路に与える動作制御信号の個数や周期を制御することにより、前記第1サイクルに対して前記第2サイクルの時間を短くすることを特徴とする請求項2ないし11のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  13. 放射線の線量に応じた電荷を検出する線量検出センサを有し、
    前記複数の信号線には前記線量検出センサが接続されて、前記線量検出センサで検出された電荷が線量検出信号として出力され、
    前記メモリには前記信号処理回路から電圧信号として出力される前記線量検出信号が記憶されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  14. 前記線量検出信号は、放射線の照射が開始されたことを検出する照射開始検出、放射線の照射が終了したことを検出する照射終了検出、放射線画像の自動露出制御、および前記読み出し動作時に前記画像信号に与えるゲイン設定のうちの少なくとも1つに利用されることを特徴とする請求項13に記載の放射線画像検出装置。
  15. 前記線量検出センサは前記画素の一部を利用した形態であることを特徴とする請求項13または14に記載の放射線画像検出装置。
  16. 前記画素には、放射線を受けて信号電荷を蓄積し、スイッチング素子の駆動に応じて信号電荷を前記信号線に出力する通常画素と、
    前記信号線に前記スイッチング素子を介さず直接接続された検出画素とがあり、
    前記検出画素を前記線量検出センサとして用いることを特徴とする請求項15に記載の放射線画像検出装置。
  17. 前記画素には、放射線を受けて信号電荷を蓄積し、スイッチング素子の駆動に応じて信号電荷を前記信号線に出力する通常画素と、
    前記通常画素とは別に駆動するスイッチング素子が設けられた検出画素とがあり、
    前記検出画素を前記線量検出センサとして用いることを特徴とする請求項15に記載の放射線画像検出装置。
  18. 前記FPDが可搬型の筐体に収納された電子カセッテであることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
  19. 放射線源から照射された放射線の線量に応じた電荷を蓄積する複数の画素と、前記画素の列毎に設けられた複数の信号線であり、前記画素が接続され、前記画素に蓄積された電荷を画像信号として出力する複数の信号線とが配列された撮像領域を有し、被写体の放射線画像を検出するFPDと、
    前記複数の信号線毎に設けられ、電荷を積分して電圧信号に変換する複数の積分アンプと、前記積分アンプから連続して読み出される2回分の電圧信号を一時的に保持する第1および第2信号保持部とを有し、前記第1および第2信号保持部の一方への電圧信号の信号入力と、他方からの信号出力を並行して行うサイクルを実施するパイプライン型の信号処理回路と、
    前記信号処理回路から電圧信号として出力される前記画像信号を記憶するメモリと、
    前記FPD、前記信号処理回路、および前記メモリの動作タイミングを制御する制御部とを備える放射線画像検出装置の作動方法であって、
    前記画像信号を前記メモリへ出力する読み出し動作では、前記第1および第2信号保持部による信号入力および信号出力を並行して行う前記サイクルとして、前記積分アンプが電荷の積分を開始してリセットされるまでの1回分の積分期間に対応する一定の通常サイクルを繰り返す制御を前記制御部に実行させることを特徴とする放射線画像検出装置の作動方法。
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