以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図17は、本実施の形態に係るロッカー装置を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態によるロッカー装置の正面図であり、図2(a)(b)は、図1に示すロッカー装置におけるロッカー操作部の正面図であり、図3は、図2に示すロッカー操作部のケーシングおよび仮施錠レバーの斜視図である。また、図4は、図1に示すロッカー装置における中央制御装置の正面図であり、図5は、図4に示す中央制御装置の機能ブロック図である。また、図6および図7は、図1等に示すロッカー装置におけるロッカーへの物品の預け入れ動作およびロッカーからの物品の払い出し動作をそれぞれ示すフローチャートである。また、図8(a)〜(g)は、物品の預け入れ時における中央制御装置の操作表示部の表示画面を示す図であり、図9(a)〜(c)はそれぞれ、本実施の形態および従来技術において物品の預け入れ時に中央制御装置のプリンタにより印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。また、図10(a)〜(f)および図11(a)〜(c)は、物品の払い出し時における中央制御装置の操作表示部の表示画面を示す図である。また、図12乃至図14は、強制施錠票、別途保管証明書、ロッカー利用確認票等をそれぞれ示す図である。また、図15(a)〜(c)および図16は、本実施の形態における管理モードでの中央制御装置の操作表示部の表示画面を示す図であり、図17(a)(b)は、従来技術における管理モードでの中央制御装置の操作表示部の表示画面を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態によるロッカー装置1は、預け入れる物品を収納するロッカー10を複数有するものであり、具体的には、ロッカー装置1において例えば5段×5列の計25個のロッカー10からなるロッカー組合せ体が左右2組配置されている。それぞれのロッカー10の前面には、ロッカー10毎に独立して開閉可能な扉12が設けられている。また、各ロッカー10における扉12の右側にはロッカー操作部20が設けられており、このロッカー操作部20には、扉12の施錠および解錠を行う施錠部29や、預入利用料金を投入するまで一時的に扉12の仮施錠を行う仮施錠レバー24等が設けられている(図2参照)。このようなロッカー操作部20の構成の詳細については後述する。また、ロッカー装置1において、それぞれが5段×5列のロッカー10からなる左右2組のロッカー組合せ体の間には中央制御装置30が設けられており、この中央制御装置30により、各ロッカー10における物品預入動作や、物品取出動作、精算処理等が集中して管理されるようになっている。中央制御装置30には、例えばタッチパネル等からなる操作表示部32や、ロッカー利用証明書等の各種レシートの印字を行うプリンタ38等が設けられている(図4参照)。このような中央制御装置30の構成の詳細については後述する。また、中央制御装置30の上方および下方にもそれぞれロッカー10が設けられているが、中央制御装置30の上方に配置されるロッカー10は、管理者用のメンテナンス工具や備品等を収納するための多目的ボックスとして使用されるようになっていてもよい。
図2および図3を用いて、各ロッカー10における扉12の右側に設けられるロッカー操作部20について以下に説明する。ここで、図2(a)は、ロッカー10に物品が何も入れられておらず待機状態にあるときのロッカー操作部20の正面図であり、図2(b)は、ロッカー10の扉12の仮施錠または施錠が行われているときのロッカー操作部20の正面図である。また、図3は、図2に示すロッカー操作部20のケーシング20aおよび仮施錠レバー24の斜視図である。
図2および図3に示すように、ロッカー操作部20は、その前面が長方形形状となっているケーシング20aを有しており、このケーシング20aの前面には例えばLED等からなる表示部21が設けられている。また、このケーシング20aの上下方向における中央部分には開口22が形成されており、この開口22近傍におけるケーシング20aの内部には、利用者がロッカー10の扉12の仮施錠を行うための仮施錠レバー24が設けられている。ここで、図3に示すように、仮施錠レバー24の前面の上下方向における中央位置には、利用者が指でつまむためのつまみ部25が設けられており、この仮施錠レバー24の前面におけるつまみ部25の下方および上方にはそれぞれ第1の表示部分26および第2の表示部分28が設けられている。ここで、第1の表示部分26および第2の表示部分28はそれぞれ互いに異なる色となっている。具体的には、第1の表示部分26は例えば青色となっているのに対し、第2の表示部分28は例えば赤色となっている。また、第1の表示部分26には、「空き」という文字が記載されているが、第2の表示部分28には何も文字が記載されていない。また、仮施錠レバー24のつまみ部25はケーシング20aの開口22を貫通するようになっており、このつまみ部25は開口22内で上下方向に移動可能となっている。なお、仮施錠レバー24は図示しないバネ等により常に上方向に付勢されるようになっており、この仮施錠レバー24に何ら力が加えられていないときには当該仮施錠レバー24は図2(a)に示す位置に維持されるようになる。また、ケーシング20a内において、仮施錠レバー24の下方には施錠部29が設けられており、この施錠部29により、ロッカー10の扉12の施錠および解錠が行われるようになっている。
ロッカー10に物品が何も入れられておらず待機状態にあるときは、図2(a)に示すように、仮施錠レバー24のつまみ部25はケーシング20aの開口22における上部に位置するようになっている。このときには、「空き」という文字が記載された第1の表示部分26は開口22を介して利用者が視認可能となっているのに対し、第2の表示部分28はケーシング20aの裏に隠れて利用者が見ることはできないようになっている。図2(a)に示すような状態において、利用者が物品の預け入れを行う場合には、利用者はまず扉12を開けてロッカー10に物品を収納し、次に仮施錠レバー24のつまみ部25を下方に押し下げてケーシング20aの開口22の下部に移動させる(図2(b)参照)。このことにより、施錠部29によって当該ロッカー10の扉12の施錠が行われ、このロッカー10の扉12は仮施錠状態となる。図2(b)に示すような状態では、「空き」という文字が記載された第1の表示部分26はケーシング20aの裏に隠れて利用者が見ることはできないようになるのに対し、第2の表示部分28は開口22を介して利用者が視認可能となる。その後、利用者が後述する中央制御装置30において預入利用料金の支払いを現金やICカード等で行うと、ロッカー10の扉12は施錠状態(本施錠状態)となる。この場合にも、仮施錠レバー24は図2(b)に示す位置に維持されるようになる。
なお、従来技術のロッカー装置のロッカー操作部では、利用者にとって仮施錠レバーの移動範囲が認識しにくくなっていたため、利用者は必要以上に仮施錠レバーを押し下げようとしてしまうという問題があった。より具体的に説明すると、複数の利用者がほぼ同時にロッカー装置における異なるロッカーに物品を入れた際に、一人目の利用者はロッカー操作部の仮施錠レバーを押し下げることでこのロッカーの扉は仮施錠されるため、必要以上に仮施錠レバーを押し下げることはないが、二人目以降の利用者はロッカー操作部の仮施錠レバーを押し下げてもこのロッカーの扉は仮施錠されない。このような場合、二人目以降の利用者は、仮施錠レバーの押し下げ動作が足りないと考えてしまい、この仮施錠レバーを必要以上に押し下げようとしてしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態のロッカー装置1のロッカー操作部20では、仮施錠レバー24のつまみ部25をケーシング20aの開口22内に収容することによりこの仮施錠レバー24の移動範囲を制限するとともに、仮施錠レバー24の上下の位置によってケーシング20aの開口22から見える表示内容を第1の表示部分26および第2の表示部分28で切り替えることによって、利用者にとって仮施錠レバー24の下げ代を容易に認識できるとともに、二人目以降の利用者が仮施錠レバー24を必要以上に押し下げようとしてしまうことを防止することができるようになる。
次に、中央制御装置30の構成について図4および図5を用いて説明する。図4は、図1に示すロッカー装置1における中央制御装置30の正面図であり、図5は、図4に示す中央制御装置30の機能ブロック図である。
図4に示すように、中央制御装置30の前面上部には操作表示部32、スピーカ34、バーコードリーダ36が設けられている。また、中央制御装置30の前面において操作表示部32の下方には左右一対のプリンタ38が設けられており、これらのプリンタ38の右側にはICカードリーダ40が設けられている。また、中央制御装置30の前面における中央部分には硬貨投入口42および紙幣出入口44が設けられており、利用者はこれらの硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することができるようになっている。また、中央制御装置30の前面下部には硬貨返却口46が設けられており、釣銭としての硬貨がこの硬貨返却口46により利用者に払い戻されるようになっている。また、中央制御装置30の前面下部にはメンテ錠48が設けられており、ロッカー装置1の管理者がメンテ鍵をこのメンテ錠48に差し込んで回すと、この管理者は中央制御装置30で後述する管理モードを実行することができるようになる。
図5に示すように、中央制御装置30の筐体内には制御部60が設けられており、操作表示部32、スピーカ34、バーコードリーダ36、プリンタ38、ICカードリーダ40等はそれぞれ制御部60に接続されている。また、中央制御装置30の筐体内には、硬貨の処理を行う硬貨処理部50および紙幣の処理を行う紙幣処理部52がそれぞれ設けられている。硬貨投入口42に投入された硬貨は、硬貨処理部50において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この硬貨処理部50の硬貨収納領域に収納されるようになっている。また、この硬貨処理部50の硬貨収納領域から釣銭としての硬貨が硬貨返却口46に払い出されるようになっている。また、紙幣出入口44に投入された紙幣は、紙幣処理部52において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この紙幣処理部52の紙幣収納領域に収納されるようになっている。また、利用者が紙幣出入口44に紙幣を投入した後、この紙幣の払い戻しを行う際には、この紙幣出入口44により利用者に紙幣が払い戻されるようになる。また、紙幣処理部52の紙幣収納領域から釣銭としての紙幣が紙幣出入口44に払い出されるようになっている。図5に示すように、これらの硬貨処理部50や紙幣処理部52は制御部60に接続されており、硬貨処理部50や紙幣処理部52の動作は制御部60により制御されるようになっている。ICカードリーダ40は、電子マネーによる支払いが行われる場合に、ICカード等の電子マネー媒体のデータを読み取ったり、書き込んだりする。
また、図5に示すように、制御部60には認証部62、鍵番号入力部64、預入利用料金設定部68、月日情報取得部70、取出指令受付部72、超過料金算出部74がそれぞれ接続されている。認証部62は、ロッカー装置1の管理者の認証を行うようになっている。また、鍵番号入力部64は、例えば操作表示部32による利用者の操作に基づいて鍵番号の入力を行うようになっている。また、預入利用料金設定部68は、例えば操作表示部32による管理者の操作に基づいて預入利用料金(基本料金や加算料金等)の設定を行うようになっている。また、月日情報取得部70は、ロッカー10の扉12が閉状態とされた月日の情報を取得するようになっている。また、取出指令受付部72は、ロッカー10から物品の取り出しを行う指令である物品取出指令を受け付けるようになっている。また、超過料金算出部74は、取出指令受付部72により物品取出指令が受け付けられた月日、月日情報取得部70により取得された月日および預入利用料金設定部68によって設定された加算料金に基づいて超過料金を算出するようになっている。これらの認証部62、鍵番号入力部64、預入利用料金設定部68、月日情報取得部70、取出指令受付部72、超過料金算出部74の各構成要素の詳細については後述する。また、本実施の形態では、ICカードリーダ40、硬貨処理部50および紙幣処理部52によって、ICカードまたは現金による預入利用料金の支払いを受け付ける支払い受付部が構成されている。
また、図5に示すように、制御部60には通信部76が接続されており、この通信部76により制御部60は外部装置80との間で様々な情報の送受信が可能となっている。ここで、外部装置80としては、例えば管理事務所に設けられた管理コンピュータ等が挙げられる。
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、利用者がロッカー10への物品の預け入れを行う際の動作について図6に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図8(a)〜(g)は、物品の預け入れ時における中央制御装置30の操作表示部32の表示画面を示す図であり、図9(a)は、本実施の形態において、預入利用料金をICカードで支払う場合における、物品の預け入れ時に中央制御装置30のプリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書を示す図であり、図9(b)は、本実施の形態において、預入利用料金を現金で支払う場合における、物品の預け入れ時に中央制御装置30のプリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。なお、図9(c)は、従来技術において物品の預け入れ時に中央制御装置のプリンタにより印字されるロッカーご利用証明書を示す図である。
利用者がロッカー装置1のロッカー10への物品の預け入れを行う際に、この利用者はまず複数のロッカー10のうち施錠されていないある一つのロッカー10に預け入れたい物品を収納し、ロッカー操作部20の仮施錠レバー24によりこのロッカー10の扉12の仮施錠を行う(STEP101)。具体的には、利用者は、図2(a)に示すような状態にあるロッカー操作部20の仮施錠レバー24のつまみ部25を下方に押し下げてケーシング20aの開口22における下部に移動させる(図2(b)参照)。このことにより、施錠部29によって当該ロッカー10の扉12の施錠が行われ、このロッカー10の扉12は仮施錠状態となる。また、ロッカー10の扉12の仮施錠が行われると、ロッカー操作部20の表示部21が点滅するようになる。
図8(a)は、中央制御装置30の操作表示部32の待機画面である。このような操作表示部32の待機画面において、ロッカー10の扉12の仮施錠が行われると、中央制御装置30の操作表示部32の画面は図8(a)に示す待機画面から図8(b)に示す確認画面に切り替わる。このような操作表示部32の確認画面において、利用者が「はい」のボタンを押下すると、図8(c)に示すように、中央制御装置30の操作表示部32に、ロッカー装置1全体のレイアウト表示が行われる。この際に、各ロッカー10のロッカー識別情報としてこれらのロッカー10の扉番号(1001〜1052)も操作表示部32に表示されるようになる。また、操作表示部32の表示画面において、仮施錠が行われたロッカー10は他のロッカー10と区別して表示される(STEP102)。具体的には、例えば仮施錠が行われたロッカー10の扉12の扉番号がNo.1013であった場合には、図8(c)に示すように、操作表示部32の表示画面において、扉番号がNo.1013である扉12のロッカー10が、他のロッカー10とは異なる色で表示されるようになる。また、操作表示部32には、「仮施錠した扉を選択してください」というメッセージが表示されるようになる。
中央制御装置30の操作表示部32に図8(c)に示すような選択画面が表示されているときに、利用者により、この選択画面における仮施錠が行われたロッカー10の箇所が押下されると、具体的には扉番号がNo.1013である扉12のロッカー10が押下されると(STEP103の「YES」)、図8(d)に示すように、操作表示部32には、預入利用料金の支払い方法の選択を求める旨の選択画面が表示される。具体的には、「施錠される扉はNo.1013でよろしいですか?よろしければ、お支払い方法を選んでください」というメッセージならびに「ICカード」および「現金」の2つのボタンが操作表示部32に表示される(STEP104)。
なお、従来技術のロッカー装置でも、ロッカーに物品を入れてこのロッカーの扉の仮施錠を行うと、操作表示部にロッカー装置全体のレイアウト図が表示されるとともに仮施錠が行われたロッカーが他のロッカーとは異なる色で表示されていた。また、操作表示部には、「ご利用になられる扉は、この扉でよろしいですか?」という利用者に確認を求めるメッセージが表示され、利用者が操作表示部において画面下方に配置された「はい」のボタンを押下することによりこのロッカーの施錠が行われるようになっていた。しかしながら、このような従来技術のロッカー装置では、複数の利用者がほぼ同時にロッカー装置における異なるロッカーに物品を入れた場合に、他のロッカーで他の利用者により仮施錠が行われたことによって物品を収納したロッカーの仮施錠を行うことができなかった利用者が先に中央制御装置で施錠操作を行ってしまった場合には、操作表示部に表示されている仮施錠が行われたロッカーの位置をレイアウト図で確認せずに「はい」のボタンを押下してしまうことにより、この利用者が他の利用者のロッカーの扉の施錠を行ってしまうおそれがある。これに対し、上述したような本実施の形態のロッカー装置1では、図8(c)に示すように、利用者に対して操作表示部32のレイアウト図において仮施錠したロッカー10の位置を直接タッチすることを求めるようになっているため、この利用者は操作表示部32における操作画面においてもし自分が物品を入れたロッカー10以外のロッカー10(すなわち、他の利用者が仮施錠を行ったロッカー10)が他のロッカー10と異なる色で表示されていた場合にはこのことに気づくことができ、他の利用者が仮施錠したロッカー10の扉12を施錠してしまうことを防止することができる。
また、中央制御装置30の操作表示部32に図8(c)に示すような選択画面が表示されているときに、利用者が「中止」のボタンを押下したときには、このロッカー10の仮施錠が解錠され、仮施錠レバー24は図2(a)に示すような状態に戻る。なお、中央制御装置30の操作表示部32に図8(c)に示すような選択画面が表示されているときに、「中止」のボタンが操作表示部32に表示されないようになっていてもよい。この場合には、複数の利用者がほぼ同時にロッカー装置1における異なるロッカー10に物品を入れた際に、他のロッカー10で他の利用者により仮施錠が行われたことによって物品を収納したロッカー10の仮施錠を行うことができなかった利用者が先に中央制御装置30で施錠操作を行おうとしたときでも、「中止」ボタンを押下することにより他の利用者による他のロッカー10の仮施錠状態が解除されてしまうことを防止することができる。
中央制御装置30の操作表示部32に図8(d)に示すような支払い方法の選択画面が表示されているときに、利用者が操作表示部32において「ICカード」のボタンを押下することにより預入利用料金をICカードで支払うことを選択した場合には、図8(e)に示すように、操作表示部32には、中央制御装置30のICカードリーダ40によるICカードの読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP105)。この際に、仮施錠が行われたロッカー10の扉12の扉番号(No.1013)や、預入利用料金の金額(300円)も操作表示部32に表示される。また、図8(e)に示すような操作表示部32の操作画面には「ご利用証明書発行」というボタンも表示され、利用者がこのボタンを押下すると後述するロッカーご利用証明書がプリンタ38により印字される。そして、利用者がICカードをICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によりICカードの読み取りが行われると(STEP106の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠状態(本施錠状態)となる(STEP107)。また、中央制御装置30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、ICカードリーダ40により読み取られたICカードの識別番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、制御部60において、利用されるロッカー10の扉12の扉番号と鍵番号との紐付けが行われる。なお、鍵番号は必ずしも数字に限定されることはなく、取引を一意に特定できる情報であればよい。また、図9(a)に示すようなロッカーご利用証明書が中央制御装置30のプリンタ38により印字される(STEP108)。ここで、中央制御装置30で発行されるロッカーご利用証明書には、利用開始日時、鍵となるICカードの種類(図9(a)では「○○○○○」と表示)、施錠されたロッカー10の扉の番号(No.1013)、預入利用料金の金額(400円)、ICカードで支払った金額(400円)、ICカードの残額(4400円)、ICカードの番号等が印字される。また、このロッカーご利用証明書には、物品をロッカー10から取り出す際に、物品の預け入れ動作で用いたICカードが必要である旨のメッセージが印字される。なお、預入利用料金をICカードで支払う場合には、後述するような預入利用料金を現金で支払う場合と比較して、プリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書に、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元バーコード等のバーコードが印字されることはない。
また、中央制御装置30の操作表示部32に図8(d)に示すような支払い方法の選択画面が表示されているときに、利用者が操作表示部32において「現金」のボタンを押下することにより預入利用料金を現金で支払うことを選択した場合には、図8(f)に示すように、操作表示部32には、仮施錠が行われたロッカー10の扉12の扉番号(No.1013)および預入利用料金の金額(300円)が表示されるとともに、預入利用料金の支払いを求める旨のメッセージが表示される(STEP109)。そして、利用者が中央制御装置30の硬貨投入口42や紙幣出入口44に硬貨や紙幣を投入することによって現金による預入利用料金の支払いを行うと(STEP110の「YES」)、仮施錠状態にあるロッカー10の扉12が施錠状態(本施錠状態)となる(STEP111)。また、中央制御装置30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の利用)に関する鍵番号が発行され、利用されるロッカー10の扉12の扉番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、図9(b)に示すようなロッカーご利用証明書が中央制御装置30のプリンタ38により印字される(STEP112)。ここで、中央制御装置30で発行されるロッカーご利用証明書には、施錠されたロッカー10の扉の番号(No.1013)および預入利用料金の金額(300円)が印字されるとともに、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元バーコード等のバーコードが印字される。このようなバーコードに保持された鍵番号に関する情報は、中央制御装置30のバーコードリーダ36により読み取り可能となっており、このことにより制御部60は当該ロッカーご利用証明書に係る鍵番号を取得することができるようになっている。また、ロッカーご利用証明書に印字される二次元バーコード等のバーコードには、ロッカー10の扉12の扉番号に関する情報およびロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持されるようになる。
なお、図9(b)に示すように、中央制御装置30のプリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書の右下には、バーコードがバーコードリーダ36により読み取ることができない場合に備えて、鍵番号に関する情報(具体的には、例えば10桁の数字)が小さな文字で印字されている。そして、中央制御装置30により発行されたロッカーご利用証明書が破損したり、バーコードリーダ36が故障したりした場合には、操作表示部32において例えばテンキーによりこの鍵番号に関する情報を入力することにより、制御部60が当該ロッカーご利用証明書に係る鍵番号を取得することができるようになっている。
鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持するバーコードが印字されたロッカーご利用証明書が中央制御装置30により発行されると、中央制御装置30の操作表示部32には、図8(g)に示すような、発行されたロッカーご利用証明書を利用者が保管することを促すメッセージが表示されるようになる。このようにして、本実施の形態によるロッカー装置1において、利用者がロッカー10に物品の預け入れを行う際の一連の動作が完了する。
なお、従来技術のロッカー装置では、預入利用料金を現金で支払う場合に、図9(b)に示すようなロッカーご利用証明書が発行される代わりに、図9(c)に示すような、ロッカーの扉の扉番号および鍵番号が印字されたロッカーご利用証明書が中央制御装置により発行されるようになっていた。しかしながら、鍵番号そのものがロッカーご利用証明書に記載されていた場合には、この鍵番号が利用者以外の第三者により盗み見された場合、この第三者が中央制御装置において盗み見した鍵番号をタッチパネル等の操作表示部により入力することにより、第三者が物品を盗み取るおそれがあった。とりわけ、老若男女が見やすいようにロッカーご利用証明書に印字される鍵番号の各数字が比較的大きなサイズとなっている場合には、中央制御装置においてロッカーご利用証明書が発行された直後等において第三者はロッカーご利用証明書に印字された鍵番号を盗み見しやすいという問題がある。また、利用者が物品の取り出しを行う場合には、中央制御装置において利用者はロッカーご利用証明書に印字された鍵番号を操作表示部により入力するが、利用者は手動で鍵番号に係る例えば6桁の数字を入力するため、入力間違いが生じてしまうおそれがあった。
これに対し、本実施の形態では、図9(b)に示すような、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持するロッカーご利用証明書が中央制御装置30により発行されるようになっているため、利用者以外の第三者に鍵番号が盗み見されて預け入れている物品が盗まれることを防止することができ、また、物品の取り出し時に利用者による入力間違いが生じることを防止することができるようになる。なお、預入利用料金をICカードで支払う場合にも、利用者以外の第三者に鍵番号が盗み見されて預け入れている物品が盗まれることを防止することができ、また、物品の取り出し時に利用者による入力間違いが生じることを防止することができるようになる。
次に、本実施の形態によるロッカー装置1において、利用者がロッカー10から物品の払い出しを行う際の動作について図7に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図10(a)〜図10(f)ならびに図11(a)〜図11(c)は、物品の払い出し時における中央制御装置30の操作表示部32の表示画面を示す図である。
利用者がロッカー装置1のロッカー10から物品の取り出しを行う際に、図10(a)に示すような中央制御装置30の操作表示部32の待機画面において、利用者が「荷物を取り出す」というボタンを押下すると、図8(b)に示すような、物品の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法の選択画面が中央制御装置30の操作表示部32に表示されるようになる(STEP201)。
図10(b)に示すような、物品の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法の選択画面が中央制御装置30の操作表示部32に表示されているときに、利用者が操作表示部32において「ICカード」のボタンを押下することにより支払い方法をICカードに特定した場合には、図10(c)に示すように、操作表示部32には、中央制御装置30のICカードリーダ40によるICカードの読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP202)。そして、利用者がICカードをICカードリーダ40に近づけることにより、ICカードリーダ40によるICカードの読み取りが行われると(STEP203の「YES」)、制御部60においてICカードリーダ40により読み取られたICカードの識別番号に紐付けられた鍵番号が取得される。
また、中央制御装置30の操作表示部32に図10(b)に示すような物品の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法の選択画面が表示されているときに、利用者が操作表示部32において「現金」のボタンを押下することにより支払い方法を現金に特定した場合には、図10(d)に示すように、操作表示部32には、バーコードリーダ36によりロッカーご利用証明書に印字されたバーコードの読み取りを求める旨のメッセージが表示される(STEP204)。そして、利用者がロッカーご利用証明書に印字されたバーコードをバーコードリーダ36に近づけることにより、バーコードリーダ36によるバーコードの読み取りが行われると(STEP205の「YES」)、このバーコードに保持された鍵番号が制御部60により取得される。
ここで、本実施の形態のロッカー装置1では、所定の利用日数(例えば、3日)を超えてロッカー10に物品が収納されていることを管理者が発見した場合に、管理者はこのロッカー10の扉12を中央制御装置30における別途保管モード(後述)で開状態とし、ロッカー10から物品を取り出して管理事務所に持ち帰り、この管理事務所で物品を別途保管していた。そして、制御部60により取得された鍵番号に対応する扉番号に係るロッカー10に収納された物品が後述する別途保管モードにより既に管理事務所で保管されていた場合には(STEP206の「YES」)、図10(e)に示すように、中央制御装置30の操作表示部32に、物品が管理事務所で保管されている旨のメッセージが表示される。また、この際に、図13(b)に示すように、物品が管理事務所で保管されている旨のメッセージおよび超過料金が印字されたロッカーご利用証明書(別途保管証明書)がプリンタ38により印字される(STEP207)。この場合には、利用者は、このような別途保管証明書を持って管理事務所まで移動し、管理事務所において管理者に超過料金を支払うことにより、管理事務所で別途保管されている物品を受け取るようになる。このような中央制御装置30における別途保管モードの詳細については後述する。
また、制御部60により取得された鍵番号に対応する扉番号に係るロッカー10に収納された物品が管理事務所で保管されていない場合において(STEP206の「NO」)、所定の利用日数を超えてロッカー10に物品が収納されることにより超過料金が発生している場合には(STEP208の「YES」)、中央制御装置30の操作表示部32に、超過料金が発生している旨のメッセージおよび超過料金の支払いを求める旨のメッセージがそれぞれ表示される。具体的には、物品の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法がICカードであった場合には、図10(f)に示すような画面が操作表示部32に表示され、また、物品の預け入れ時の預入利用料金の支払い方法が現金であった場合には、図11(a)に示すような画面が操作表示部32に表示される。そして、ICカードをICカードリーダ40に近づけてこのICカードの読み取りを行ったり、硬貨投入口42に硬貨を投入したりすることにより、超過料金が支払われると(STEP210の「YES」)、物品が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、物品が取り出し可能となる(STEP211)。また、この際に、中央制御装置30の操作表示部32には、図11(b)に示すように、物品が収納されたロッカー10の扉12が解錠され、物品が取り出し可能となった旨のメッセージが表示される。なお、超過料金が発生していない場合にも(STEP208の「NO」)、物品が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、物品が取り出し可能となり(STEP211)、この際に、図11(b)に示すようなメッセージが中央制御装置30の操作表示部32に表示されるようになる。また、物品が収納されたロッカー10の扉12の解錠が行われ、物品が取り出し可能となると、バーコードリーダ36によりロッカーご利用証明書のバーコードから読み取られたロッカー10の扉12の扉番号に基づいて、中央制御装置30の操作表示部32に、ロッカー装置1全体のレイアウト図における物品が収容されたロッカー10の位置が表示されるようになっていてもよい。具体的には、中央制御装置30の操作表示部32にロッカー装置1全体のレイアウト図を表示させたときに、物品が収容されたロッカー10を点滅表示したり、文言(例えば、「右側」、「左側」等の文言)で表示したりしてもよく、また、物品が収容されたロッカー10の位置を音声で利用者に報知するようになっていてもよい。このようにして、本実施の形態によるロッカー装置1において、利用者がロッカー10から物品の払い出しを行う際の一連の動作が完了する。
なお、前述したように、本実施の形態では、ロッカーご利用証明書に印字されるバーコードには、ロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持されるようになっている。そして、利用者がロッカー装置1のロッカー10から物品の払い出しを行うときに、このロッカーご利用証明書のバーコードがバーコードリーダ36により読み取られる際に、読み取られた情報におけるロッカー装置1の設置場所が、バーコードリーダ36により当該バーコードの読み取りを行ったロッカー装置1の設置場所と一致しない場合には、図11(c)に示すように操作者が利用しているロッカー装置1の設置場所が異なる旨のメッセージが操作表示部32に表示されるようになる。より具体的には、例えば姫路駅西口に設置されたロッカー装置1において利用者が物品の預け入れを行った際に、このロッカー装置1の中央制御装置30のプリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書のバーコードには、ロッカー装置1の設置場所が姫路駅西口である旨の情報が保持されるようになる。そして、この利用者がロッカー装置1から物品の払い出しを行う際に、誤って姫路駅西口ではなく姫路駅南口に設置されたロッカー装置1において物品の払い出し動作を行い、ロッカーご利用証明書のバーコードを当該ロッカー装置1の中央制御装置30のバーコードリーダ36により読み取らせると、図11(c)に示すように、操作表示部32には、「お客様のご利用になられたロッカーは、このロッカーではありません」というメッセージが表示される。
また、ロッカーご利用証明書のバーコードがバーコードリーダ36により読み取られる際に、読み取られた情報におけるロッカー装置1の設置場所が、バーコードリーダ36により当該バーコードの読み取りを行ったロッカー装置1の設置場所と一致しない場合には、バーコードリーダ36により読み取られた情報におけるロッカー装置1の設置場所(すなわち、正しいロッカー装置1の設置場所)が操作表示部32に表示されるようになる。より具体的には、上記の例において、操作表示部32には、図11(c)に示すように、利用者が物品の預け入れを行ったロッカー装置1の設置場所が「姫路駅西口」である旨の情報が表示される。また、この際に、ロッカー装置1の周辺地図およびこの周辺地図におけるロッカー装置1の設置場所が模式的に操作表示部32に表示されるようになっていてもよい。
このように、ロッカーご利用証明書に印字されるバーコードに、ロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持させるようにし、物品の預け入れを行ったロッカー装置1とは別の場所に設置されたロッカー装置1から利用者が誤って物品の払い出しを行おうとした際には、操作表示部32にこのことを表示させることによって、利用者は、物品の払い出しを行おうとしているロッカー装置1が、物品の預け入れを行ったロッカー装置1とは異なることにすぐに気づくことができ、利用者にとっての利便性を向上させることができる。もし、ロッカーご利用証明書に印字されるバーコードに、ロッカー装置1の設置場所に関する情報が保持されない場合には、物品の払い出しを行おうとしているロッカー装置1が、物品の預け入れを行ったロッカー装置1とは異なる場合でも、このことが利用者に報知されないため、利用者は何度もロッカーご利用証明書のバーコードをバーコードリーダ36に読み取らせることになり、利便性が悪くなってしまう。
また、本実施の形態では、それぞれのロッカー装置1に独自の識別番号(具体的には、例えば、1号機、2号機、・・・等)が割り当てられており、ロッカーご利用証明書に印字されるバーコードには、ロッカー装置1の識別番号に関する情報も保持するようになっていてもよい。この場合には、利用者がロッカー装置1のロッカー10から物品の払い出しを行うときに、このロッカーご利用証明書のバーコードがバーコードリーダ36により読み取られる際に、読み取られた情報におけるロッカー装置1の識別番号が、バーコードリーダ36により当該バーコードの読み取りを行ったロッカー装置1の識別番号と一致しない場合には、操作者が利用しているロッカー装置1が異なる旨のメッセージが操作表示部32に表示されるようになる。より具体的には、図1に示すようなロッカー装置1が一箇所に例えば10台設置されているときに、1号機のロッカー装置1において利用者が物品の預け入れを行った際に、このロッカー装置1の中央制御装置30のプリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書のバーコードには、ロッカー装置1の識別番号が1号機である旨の情報が保持されるようになる。そして、この利用者がロッカー装置1から物品の払い出しを行う際に、誤って2号機のロッカー装置1において物品の払い出し動作を行い、ロッカーご利用証明書のバーコードを当該ロッカー装置1の中央制御装置30のバーコードリーダ36により読み取らせると、操作表示部32には、「お客様のご利用になられたロッカーは、このロッカーではありません」というメッセージが表示される。
また、ロッカーご利用証明書のバーコードがバーコードリーダ36により読み取られる際に、読み取られた情報におけるロッカー装置1の識別番号が、バーコードリーダ36により当該バーコードの読み取りを行ったロッカー装置1の識別番号と一致しない場合には、バーコードリーダ36により読み取られた情報におけるロッカー装置1の号機に関する情報が操作表示部32に表示されるようになる。より具体的には、上記の例において、操作表示部32には、利用者が物品の預け入れを行ったロッカー装置1は1号機である旨の情報が表示される。
このような場合にも、物品の払い出しを行おうとしているロッカー装置1が、物品の預け入れを行ったロッカー装置1とは異なるときには、利用者はこのことにすぐに気づくことができ、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態のロッカー装置1では、管理者はロッカー装置1の中央制御装置30により管理モードを実行することができるようになっている。具体的には、管理者が中央制御装置30のメンテ錠48にメンテ鍵を差し込んで回したり、あるいは管理者が携帯する管理者カードを中央制御装置30のICカードリーダ40に読み取らせたりすると、中央制御装置30の操作表示部32には、図15(a)に示すような管理者認証画面が表示される。このような管理者認証画面において、管理者が管理者名とパスワードを入力し、「扉管理」のボタンを押下すると、認証部62において、ロッカー装置1の管理者の認証が行われる。認証部62によりロッカー装置1の管理者の認証が行われ、認証OKと判定されると、中央制御装置30の操作表示部32には、図15(b)に示すような扉管理画面が表示される。そして、このような扉管理画面において、管理者が操作したいロッカー10の扉12の箇所(例えば、「1028」)を押下すると、選択されたロッカー10の扉12に対して管理者は様々な処理を行うことができるようになる。具体的には、図15(b)に示すような扉管理画面において、管理者により押下されたロッカー10の扉12が施錠されている場合には、操作表示部32には、図15(c)に示すように、「強制解錠/別途保管」ボタンおよび「使用中止設定」ボタンが表示されるようになり、管理者はこのロッカー10の扉12の強制解錠を行ったり、ロッカー10の使用中止の予約を行ったりすることができるようになる。一方、図15(b)に示すような扉管理画面において、管理者により押下されたロッカー10の扉12が施錠されていない場合には、操作表示部32には、図16に示すように、「強制施錠」ボタン、「扉復元」ボタンおよび「使用中止」ボタンが表示されるようになり、管理者はこのロッカー10の扉12の強制解錠や扉復元を行ったり、ロッカー10の使用中止の設定を行ったりすることができるようになる。
なお、従来技術のロッカー装置の中央制御装置における管理モードでは、管理者が中央制御装置のメンテ錠にメンテ鍵を差し込んで回したり、あるいは管理者カードを中央制御装置のICカードリーダにより読み取らせたりすると、中央制御装置の操作表示部には、管理者名とパスワードの入力を求める管理者認証画面がまず表示され、このような管理者認証画面において管理者が管理者名とパスワードの入力を行い、管理者の認証が行われると、中央制御装置の操作表示部には図17(a)に示すような操作メニュー画面が表示されるようになっていた。そして、管理者が図17(a)に示すような操作メニュー画面において操作内容を選択すると、当該操作についてロッカーの扉の選択画面が操作表示部に表示されるようになっていた。具体的には、図17(a)に示すような操作メニュー画面において管理者が操作内容として例えば「8:強制施錠設定」を行うと、操作表示部には図17(b)に示すような強制施錠設定画面が表示され、このような強制施錠設定画面において強制施錠したいロッカーの扉を管理者が選択するようになっていた。
従来技術の管理モードにおいて、図17(a)に示すような操作メニュー画面により管理者がまず操作内容を選択する方法では、以下に示すような問題点がある。すなわち、ロッカー装置の管理者の操作としては、売上金の回収(売上管理)、扉管理、運用設定の3つに分かれるが、図17(a)に示すような操作メニュー画面では全ての操作が一覧となっておりこの一覧の中から選択するようになっているため管理者にとって分かりづらいという問題がある。また、管理者は日々の管理業務としてロッカーの扉の強制解錠や強制施錠、使用中止等の操作を行うが、管理者としてはロッカーの扉を中心に考えて操作を行うことが多い(例えば、1028番のロッカーを強制解錠したい)。それにもかかわらず、従来技術の管理モードでは図17(a)に示すような操作メニュー画面から操作内容をまず選択してから対象の扉を選択するため、手順が逆になっている。
これに対し、本実施の形態の管理モードでは、図15(b)に示すように、操作表示部32の扉管理画面において操作したいロッカー10の扉12をまず選択するようになっており、選択された扉12について操作内容が操作表示部32に表示されるようになっているため、管理者にとってロッカー10の扉12を中心とした操作を行うことができ、操作が分かりやすくなる。また、操作対象の扉12が選択された後、この扉12において操作できる操作内容のみが操作表示部32に表示されるようになるため、操作に誤りがなくなるという利点がある。また、本実施の形態の管理モードでは、図15(a)に示すような管理者認証画面において、管理者が管理者名とパスワードを入力し、「扉管理」のボタンを押下すると、認証部62によりロッカー装置1の管理者の認証が行われるようになっており、このような「扉管理」のボタンは、従来技術の管理モードにおける管理者認証画面での「確定」のボタンに対応しているため、本実施の形態の管理モードでは操作表示部32において管理者がボタンを押下する回数を減らすことができる。
なお、本実施の形態の管理モードでは、図15(b)に示すような扉管理画面において、複数のロッカー10の扉12を一度に選択することができるようになっていてもよい。この場合には、複数のロッカー10の扉12について一度に例えば使用中止の設定を行うことができるようになる。
次に、本実施の形態の管理モードにおける強制施錠モードについて説明する。このような強制施錠モードは、図16に示すような扉管理画面において管理者が「強制施錠」ボタンを押下することにより行われる。また、このような強制施錠モードでは、中央制御装置30における鍵番号入力部64、預入利用料金設定部68が用いられるようになっている。前述したように、鍵番号入力部64は、例えば操作表示部32による利用者の操作に基づいて制御部60への鍵番号の入力を行うものである。また、預入利用料金設定部68は、例えば操作表示部32による管理者の操作に基づいて預入利用料金の設定を行うものである。なお、以下に詳述するように、制御部60は、強制施錠モードにおいて、預入利用料金が支払われなくともロッカー10の扉12を閉状態とするようになっている。
具体的に説明すると、本実施の形態のロッカー装置1において、預入利用料金を支払わずにロッカー10に物品を収納するような無賃利用を管理者が発見した場合には、管理者はこのロッカー10の扉12を中央制御装置30における強制施錠モードで強制的に施錠する。より詳細には、中央制御装置30の制御部60において、認証部62により管理者の認証が行われたときに強制施錠モードを実行可能となっており、この強制施錠モードにおいて管理者により指定されたロッカー10の扉12が強制的に施錠されるようになっている。この際に、中央制御装置30の制御部60において今回の取引(具体的には、ロッカー10の扉12の強制施錠)に関する鍵番号が発行され、このロッカー10の扉12の扉番号と鍵番号との紐付けが行われる。また、この際に、管理者は、操作表示部32による操作に基づいて任意の金額の預入利用料金(具体的には、強制施錠開始料金)を入力することができるようになっている。預入利用料金設定部68は、操作表示部32による管理者の操作に基づいて、制御部60において預入利用料金の設定を行う。そして、中央制御装置30の操作表示部32にロッカー10の扉12の扉番号および預入利用料金の確認画面が表示されているときに、管理者が「はい」のボタンを押下し、強制施錠の対象となるロッカー10の扉12の仮施錠レバー24を下げると、このロッカー10の扉12が強制施錠される。また、ロッカー10の扉12の強制施錠が行われると、図12(a)に示すような、鍵番号、扉12の扉番号、強制施錠開始日時、強制施錠開始料金等が記載された強制施錠票がプリンタ38により印字されるようになる。ロッカー10の扉12の強制施錠を行った管理者は、中央制御装置30から強制施錠票を受け取り、強制施錠を行ったロッカー10内の物品の特徴(外観や内容)をこの強制施錠票に手書きで書き込んだ後、管理事務所で当該強制施錠票を保管する。一方、中央制御装置30の操作表示部32の待機画面に、強制施錠されたロッカー10が存在する旨の情報や、強制施錠されたロッカー10の扉12の扉番号を表示するようにしてもよい。更には、所定の操作に基づいて、強制施錠状態を解除するための手順を示すガイダンスを表示してもよい。また、強制施錠されたロッカー10の表示部21を、通常の使用状態とは異なる態様で制御してもよい。
また、操作表示部32における図10(a)に示すような待機画面にて利用者により「荷物を取り出す」というボタンが押下されたときに、強制施錠モードにより閉状態とされたロッカー10の扉12が存在する場合には、制御部60は、操作表示部32における支払い方法選択画面において、図12(b)に示すように、「鍵番号」のボタン(鍵番号入力ボタン)も表示させるようになる。そして、図12(b)に示すような支払い方法選択画面において「鍵番号」のボタンが押下されると、操作表示部32には図12(c)に示すような鍵番号入力画面が表示される。鍵番号入力部64によって、このような鍵番号入力画面により鍵番号が入力されると、制御部60は、入力された鍵番号に紐付けられた扉番号に係るロッカー10の扉12を開状態にすることを認容するようになっている。なお、図12(b)に示すような「鍵番号」のボタンは、ロッカー装置1において強制施錠モードにより閉状態とされたロッカー10の扉12が存在する場合にのみ操作表示部32に表示されるようになる。
このようなロッカー装置1では、無賃利用が行われていたロッカー10の扉12が強制施錠モードで強制的に施錠されると、無賃利用を行っていた利用者は、物品をロッカー10から取り出そうとしてロッカー装置1の設置場所に戻ったときに、扉12が強制的に施錠されたロッカー10から物品を取り出すにあたり、電話等で管理事務所に連絡してロッカー10の扉12の解錠を管理者に依頼するようになる。無賃利用を行っていた利用者が管理事務所に連絡してきたときに、管理事務所にいる管理者は、利用者の身元の確認およびロッカー10に収納されている物品の特徴の確認を行った後、ロッカー10の扉12の上述した解錠方法および強制施錠票に記載された鍵番号を電話応対によりこの利用者に教える。鍵番号を管理者から教わった利用者は、図12(b)に示すような操作表示部32の支払い方法選択画面において「鍵番号」のボタンを押下し、その後、図12(c)に示すような操作表示部32の鍵番号入力画面において管理者から教わった鍵番号を入力する。このことにより、鍵番号入力部64によって鍵番号が制御部60に入力されるようになる。その後、この利用者はICカードまたは現金により預入利用料金の支払いを行うことにより、強制施錠モードにより強制的に施錠されたロッカー10の扉12を開くことができるようになる。この際に、管理者が管理事務所からロッカー装置1の設置場所まで移動する必要がなくなるため、強制施錠モードにより強制的に施錠されたロッカー10の扉12を利用者は迅速に開くことができる。また、預入利用料金が支払われないと、ロッカー10の扉12を開くことができないため、この預入利用料金を確実に徴収することができる。
なお、支払われるべき預入利用料金の金額は、中央制御装置30の強制施錠モードにおいて管理者が預入利用料金設定部68により設定した預入利用料金(強制施錠開始料金)の金額、あるいはこの金額に超過料金を加算した金額となる。
本実施の形態では、上述したように、中央制御装置30の強制施錠モードにおいて管理者が強制施錠モードによりロッカー10の扉12を閉状態としたときに、図12(a)に示すような、鍵番号および扉12の扉番号が記載された強制施錠票をプリンタ38により印字させるようになっているが、このような強制施錠票をプリンタ38により印字させる代わりに、通信部76により強制施錠を行ったロッカー10の扉12の扉番号および鍵番号を外部装置80(具体的には、管理事務所の管理コンピュータ)に送信するようになっていてもよい。この場合でも、無賃利用を行っていた利用者が管理事務所に連絡してきたときに、管理事務所にいる管理者は、管理事務所の管理コンピュータのモニタに表示される鍵番号を電話応対によりこの利用者に教えることにより、管理者が管理事務所からロッカー装置1の設置場所まで移動する必要がなくなるため、強制施錠モードにより強制的に施錠されたロッカー10の扉12を迅速に開くことができる。
次に、本実施の形態の管理モードにおける別途保管モードについて説明する。このような別途保管モードは、図15(c)に示すような扉管理画面において管理者が「強制解錠/別途保管」ボタンを押下することにより行われる。また、このような別途保管モードでは、中央制御装置30における月日情報取得部70、取出指令受付部72、超過料金算出部74が用いられるようになっている。前述したように、月日情報取得部70は、ロッカー10の扉12が閉状態とされた月日の情報を取得するものであり、取出指令受付部72は、ロッカー10から物品の取り出しを行う指令である物品取出指令を受け付けるものである。また、超過料金算出部74は、取出指令受付部72により物品取出指令が受け付けられた月日と、月日情報取得部70により取得された月日とに基づいて超過料金を算出するものである。
本実施の形態のロッカー装置1において、所定の利用日数(例えば、3日)を超えてロッカー10に物品が収納されていることを管理者が発見した場合に、中央制御装置30の管理モードにおいて図15(c)に示す扉管理画面で「強制解錠/別途保管」ボタンを押下することにより、このロッカー10の扉12の解錠を行う。そして、管理者は、ロッカー10の扉12を開けてこのロッカー10に収納されている物品を確認する。また、中央制御装置30の操作表示部32には、物品を別途保管するか、あるいは別途保管せずにロッカー10の扉12を再度施錠するかの選択を求める確認画面が表示されるようになる。そして、管理者が操作表示部32により物品を別途保管することを選択すると、中央制御装置30のプリンタ38により、図13(a)に示すような別途保管票が印字される。その後、管理者はロッカー10から取り出した物品を管理事務所に持ち帰り、この管理事務所で別途保管を行う。また、管理者は別途保管を行う物品の特徴(外観や内容)を別途保管票の在中品明細の欄に手書きで書き込んだ後、この別途保管票も管理事務所で保管する。なお、別途保管モードにより物品が管理者によって取り出されたロッカー10は、他の利用者が通常通りの物品の預け入れを行うことができるようになる。
その後、このロッカー10の利用者が物品をロッカー10から取り出そうとしてロッカー装置1の設置場所に戻り、中央制御装置30においてICカードをICカードリーダ40により読み取らせたり、ロッカーご利用証明書に印字されたバーコードをバーコードリーダ36により読み取らせたりすると、取出指令受付部72において、ロッカー10から物品の取り出しを行う指令である物品取出指令が受け付けられるようになる。利用者がロッカー10に収納した物品が管理事務所で別途保管されている場合には、取出指令受付部72において物品取出指令が受け付けられたときに、図10(e)に示すように、中央制御装置30の操作表示部32に、物品が管理事務所で保管されている旨のメッセージが表示される。また、図13(b)に示すように、物品がロッカー装置1とは別の場所(具体的には、管理事務所)で保管されている旨のメッセージおよび超過料金が印字されたロッカーご利用証明書(別途保管証明書)がプリンタ38により印字される。この場合には、利用者は、プリンタ38により印字された別途保管証明書を持って管理事務所まで移動し、管理事務所において管理者に超過料金を支払うことにより、管理事務所で別途保管されている物品を受け取るようになる。
なお、別途保管の対象となるロッカー10を抽出する手段としては、例えば以下の2種類の方法のうち何れかが用いられてもよい。具体的には、第1の方法として、所定の利用日数を超過したロッカー10の表示部21の表示態様を切り替えてもよい。また、第2の方法として、中央制御装置30における管理モードにおいて、所定の利用日数を超過したロッカー10を検索して、このロッカー10の扉12の扉番号等を操作表示部32に表示したり、当該ロッカー10のリストを印字したりしてもよい。このように、中央制御装置30は、所定の条件が成立すると、対象となる利用中のロッカー10の扉12を開状態として物品を取り出して別途保管を可能とする別途保管処理を実行するようになっており、超過料金算出部74は、別途保管された期間を含めた超過料金を算出するようになっている。
より詳細には、本実施の形態では、月日情報取得部70によって、利用者によってロッカー10に物品が入れられこのロッカー10の扉12が施錠されて閉状態となった月日の情報が取得されるようになっている。また、利用者がロッカー10に収納した物品が管理事務所で別途保管されている場合には、取出指令受付部72において物品取出指令が受け付けられたときに、月日情報取得部70により取得された月日(例えば、2013年1月20日)から、取出指令受付部72により物品取出指令が受け付けられた月日、すなわちロッカーご利用証明書(別途保管証明書)の発行日時(例えば、2013年1月26日)までの期間に基づいて超過料金算出部74が超過料金(例えば、一日300円×6日=1,800円)を算出する。そして、図13(b)に示すような中央制御装置30により発行されるロッカーご利用証明書(別途保管証明書)には、超過料金算出部74により算出された超過料金が印字されるようになる。この場合には、たとえ、途中(例えば、2013年1月24日)で物品がロッカー10から取り出されて別途保管され、それ以降はロッカー10内に収納されていない状態であっても、その期間を含む超過料金が算出され、ロッカーご利用証明書(別途保管証明書)に印字されるようになる。
これに対して、従来技術の別途保管モードでは、ロッカーの利用者が物品をロッカーから取り出そうとしてロッカー装置の設置場所に戻り、中央制御装置においてICカードをICカードリーダにより読み取らせたり、ロッカーご利用証明書に印字されたバーコードをバーコードリーダにより読み取らせたりすることにより、取出指令受付部において物品取出指令が受け付けられると、ロッカーに収納された物品が管理事務所で保管されている旨のメッセージおよび超過金額が印字されたロッカーご利用証明書(別途保管証明書)が中央制御装置により発行されるが、この超過金額は、利用者がロッカーに物品を収納してから、管理者が別途保管モードにより当該ロッカーから物品を取り出した時までの期間に基づいて算出されるものであった。具体的には、図13(c)は、従来技術における、中央制御装置により発行されるロッカーご利用証明書(別途保管証明書)であるが、この別途保管証明書に印字される超過金額(1,200円)は、ロッカーの利用開始の月日(例えば、2013年1月20日)から、管理者が別途保管モードにより当該ロッカーから物品を取り出した月日(例えば、2013年1月24日)までの期間に基づいて算出されるものであった(具体的には、一日300円×4日=1,200円)。
しかしながら、このような超過料金の算出方法では、管理者が別途保管モードによりロッカーから物品を取り出した日と、利用者がロッカーから物品を取り出すために中央制御装置においてICカードをICカードリーダにより読み取らせたり、ロッカーご利用証明書に印字されたバーコードをバーコードリーダにより読み取らせたりした日とが異なる場合には、別途保管証明書に印字された超過料金の金額よりも、利用者がロッカーに物品を収納してから当該利用者が管理事務室において物品を受け取る時までの実際の超過料金の金額が大きくなってしまう。この場合には、前者の金額よりも後者の金額のほうが大きいにもかかわらず、管理事務室において利用者に物品を返却する際に別途保管証明書に印字された超過料金分の金額しか利用者に対して請求できないおそれがある。また、実際の超過料金を利用者に対して請求できた場合でも、管理事務所の管理者は、別途保管証明書に印字された超過料金に、事務所で物品を保管した日数分の超過料金を加算しなければならず、実際の超過料金の計算が面倒であるという問題がある。これに対し、本実施の形態の別途保管モードでは、月日情報取得部70により取得された月日(例えば、2013年1月20日)から、取出指令受付部72により物品取出指令が受け付けられた月日、すなわち別途保管証明書の発行日時(例えば、2013年1月26日)までの期間に基づいて超過料金算出部74が超過料金(例えば、一日300円×6日=1,800円)を算出するため、別途保管証明書に実際の超過料金を印字することができるようになるため、管理事務所において利用者に対して実際の超過料金を確実に請求することができるようになる。
次に、本実施の形態の管理モードにおける扉復元モードについて説明する。ロッカー10の利用者が図9(a)や図9(b)に示すようなロッカーご利用証明書を紛失した場合には、この利用者は管理事務所に問い合わせを行う。そして、利用者から連絡を受けた管理者はロッカー装置1の設置場所まで赴いて、この利用者がロッカー装置1におけるどのロッカー10を利用していたかについて確認した後、中央制御装置30の管理モードにおける強制解錠モードを選択する。この際に、管理者が指定した当該ロッカー10の扉12について解錠操作を行う前に操作表示部32において「確認票」のボタンを押下することにより、図14に示すようなロッカー利用確認票がプリンタ38により印字される。ロッカー利用確認票には、解錠が行われるべきロッカー10の扉12の扉番号、当該ロッカー10の利用開始日時、鍵番号、基本料金、超過料金等が記載される。また、図14に示すように、ロッカー利用確認票には、強制解錠モードで解錠を行おうとするロッカー10の扉12の扉番号に紐付けられた鍵番号等に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元バーコード等のバーコードが印字されていてもよい。
そして、管理者は利用者が指定したロッカー10の扉12の解錠を行い、このロッカー10に収納された物品が当該利用者のものであれば当該物品をロッカー10から取り出して利用者に手渡す。一方、扉12の解錠が行われたロッカー10に収納された物品が当該利用者のものでなければ、管理者は解錠操作を中止し、仮施錠レバー24を下げて元の状態に戻す。しかしながら、この際に、管理者は、利用者との対応で焦らされ、解錠操作を中止する代わりに誤って解錠操作をそのまま行ってしまうことがある。管理者が誤って解錠操作をそのまま行ってしまった場合には、この解錠操作が行われたロッカー10に物品の預け入れを行った利用者が戻るまでロッカー装置1の設置場所で待機するか、あるいは当該ロッカー10に張り紙をして管理事務所に持ち帰る必要があり、誤って解錠操作が行われたロッカー10に物品を預け入れた利用者からすれば、勝手にロッカー10の扉12の解錠が行われているので不信感を抱くことになってしまうという問題がある。
これに対し、本実施の形態では、管理者が誤ってロッカー10の扉12の解錠操作を行った場合には、中央制御装置30において以下に示すような扉復元モードを行う。このような扉復元モードは、図16に示すような扉管理画面において管理者が「扉復元」ボタンを押下することにより行われる。図16に示すような扉管理画面において「扉復元」ボタンを押下した後、管理者はプリンタ38により印字されたロッカー利用確認票(図14参照)を見ながら操作表示部32の入力画面においてロッカー10の扉12の扉番号、当該ロッカー10の利用開始日時、鍵番号、基本料金、超過料金等を入力し、その後、「入力完了」ボタンを押下する。その後、対象となるロッカー10に物品を戻し、ロッカー操作部20の仮施錠レバー24を押し下げることにより、このロッカー10の扉12が施錠部29により施錠され、元の状態に戻るようになる。このようにして、誤って解錠操作が行われたロッカー10の扉12は元の状態に戻される。また、この場合には、当該ロッカー10の利用者は、通常の操作で解錠を行うようになるので、管理者によりこのロッカー10の扉12が解錠されたことに気づくことはなく、この利用者に不信感を与えることはない。
なお、このような扉復元モードは、所定の利用日数(例えば、3日)を超えてロッカー10に収納されている物品を管理事務所で別途管理するために、管理者が中央制御装置30において別途保管モードを実行した場合にも用いることができる。すなわち、管理者が中央制御装置30において別途保管モードを実行した際に、誤って別のロッカー10の扉12の解錠操作を行ってしまった場合でも、中央制御装置30において上述した扉復元モードを実行することにより、誤って解錠操作が行われたロッカー10の扉12を元の状態に戻すことができる。
また、ロッカー装置1において、物品の預かり行為を継続したままロッカー10の増設や減設を行う場合には、図1に示すロッカー装置1のレイアウト図において例えば5段1列分のロッカー10を当該ロッカー装置1の左側に追加したり、ロッカー装置1の左側にある5段1列分のロッカー10を撤去したりする。このときに、ロッカー装置1の各ロッカー10の扉12の扉番号の再割り振りが行われ、必要に応じて各ロッカー10内の物品の移し替えが行われる。このような各ロッカー10内の物品の移し替え時にも、中央制御装置30において上述した扉復元モードを実行することにより、各ロッカー10の扉12の解錠操作を行った後にこの扉12を元の状態に戻すことができる。この場合には、当該ロッカー10の利用者は、通常の操作で解錠を行うようになるので、管理者によりこのロッカー10の扉12が解錠されたことに気づくことはなく、この利用者に不信感を与えることはない。
なお、管理者が中央制御装置30の管理モードにおける強制解錠モードで当該ロッカー10の扉12の解錠を行う前に、プリンタ38により図14に示すようなロッカー利用確認票の印字を行ったときに、このロッカー利用確認票に、このロッカー10の扉12の扉番号に紐付けられた鍵番号等に関する情報を機械読み取り可能に保持する例えば二次元バーコード等のバーコードが印字される場合には、中央制御装置30において管理者が扉復元モードを実行する際にこのバーコードをバーコードリーダ36により読み取らせることによって、ロッカー10の扉12の復元(すなわち、施錠)を行うことができるようになる。
最後に、本実施の形態のロッカー装置1およびその制御方法についてまとめると、本実施の形態のロッカー装置1およびその制御方法によれば、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持するバーコードが記載されたロッカーご利用証明書(鍵用媒体)が中央制御装置30のプリンタ38により印字されるようになっており(図9(b)参照)、各ロッカー10の扉12の開閉を行う制御部60は、このロッカーご利用証明書がプリンタ38により印字される際に、利用されるロッカー10の扉12の扉番号(ロッカー識別情報)と、ロッカーご利用証明書のバーコードに保持された情報における鍵番号との紐付けを行う。また、制御部60は、ロッカーご利用証明書のバーコードがバーコードリーダ36により読み取られる際に、読み取られた情報における鍵番号に紐付けられた扉番号に係るロッカー10の扉12を開状態にすることを認容するようになっている。このことにより、ロッカーご利用証明書に鍵番号そのものが記載されるような従来技術と比較して、利用者以外の第三者に鍵番号が盗み見されて預け入れている物品が盗まれることを防止することができ、また、物品の取り出し時に利用者による入力間違いが生じることを防止することができるようになる。
また、本実施の形態のロッカー装置1およびその制御方法においては、前述したように、プリンタ38により印字されるロッカーご利用証明書のバーコードは、ロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持するようになっており、制御部60は、ロッカーご利用証明書のバーコードがバーコードリーダ36により読み取られる際に、読み取られた情報におけるロッカー装置1の設置場所が、バーコードの読み取りを行ったバーコードリーダ36が設けられたロッカー装置1の設置場所と一致しない場合には、操作者が利用しているロッカー装置1の設置場所が異なる旨を操作表示部32に表示するようになっている(図11(c)参照)。このように、ロッカーご利用証明書に印字されるバーコードに、ロッカー装置1の設置場所に関する情報も保持させるようにし、物品の預け入れを行ったロッカー装置1とは別の場所に設置されたロッカー装置1から利用者が誤って物品の払い出しを行おうとした際には、操作表示部32にこのことを表示させることによって、利用者は、物品の払い出しを行おうとしているロッカー装置1が、物品の預け入れを行ったロッカー装置1とは異なることにすぐに気づくことができ、利便性を向上させることができる。更には、正しいロッカー装置1の設置場所を表示することができる。
また、本実施の形態のロッカー装置1およびその制御方法においては、前述したように、各ロッカー10の扉12の開閉を制御する制御部60は、認証部62により特定操作者として管理者の認証が行われたときに強制施錠モードを実行可能となっており、強制施錠モードにおいて管理者により指定されたロッカー10の扉12を閉状態とするとともに鍵番号が記載された強制施錠票をプリンタ38により印字させ、強制施錠モードにより扉12が閉状態となったロッカー10の扉番号(ロッカー識別情報)と、プリンタ38により印字される強制施錠票に記載された鍵番号との紐付けを行うようになっている。また、制御部60は、鍵番号入力部64により鍵番号が入力されたときに、入力された鍵番号に紐付けられた扉番号に係るロッカー10の扉12を開状態にすることを認容するようになっている。この場合には、無賃利用を行っていた利用者が管理事務所に連絡してきたときに、管理事務所にいる管理者は、強制施錠票に記載された鍵番号を電話応対によりこの利用者に教えることにより、管理者が管理事務所からロッカー装置1の設置場所まで移動する必要がなくなるため、強制施錠モードにより強制的に施錠されたロッカー10の扉12を利用者は迅速に開くことができる。
あるいは、本実施の形態のロッカー装置1およびその制御方法の他の態様においては、各ロッカー10の扉12の開閉を制御する制御部60は、認証部62により特定操作者として管理者の認証が行われたときに強制施錠モードを実行可能となっており、強制施錠モードにおいて管理者により指定されたロッカー10の扉12を閉状態とするとともに鍵番号に関する情報を通信部76により外部装置80(具体的には、管理事務所の管理コンピュータ)に送信させ、強制施錠モードにより扉12が閉状態となったロッカー10の扉番号(ロッカー識別情報)と、通信部76により外部装置80に送信される情報における鍵番号との紐付けを行うようになっている。また、制御部60は、鍵番号入力部64により鍵番号が入力されたときに、入力された鍵番号に紐付けられた扉番号に係るロッカー10の扉12を開状態にすることを認容するようになっている。この場合にも、無賃利用を行っていた利用者が管理事務所に連絡してきたときに、管理事務所にいる管理者は、この管理事務所に設置された外部装置80(具体的には、管理事務所の管理コンピュータ)のモニタに表示される鍵番号を電話応対によりこの利用者に教えることにより、管理者が管理事務所からロッカー装置1の設置場所まで移動する必要がなくなるため、強制施錠モードにより強制的に施錠されたロッカー10の扉12を利用者は迅速に開くことができる。
また、本実施の形態のロッカー装置1およびその制御方法においては、前述したように、月日情報取得部70によって、ロッカー10の扉12が閉状態とされた月日の情報が取得されるようになっており、超過料金算出部74は、取出指令受付部72により物品取出指令が受け付けられた月日と、月日情報取得部70により取得された月日とに基づいて超過料金を算出し、超過料金算出部74により算出された超過料金がプリンタ38により別途保管証明書に印字されるようになっている(図13(b)参照)。この場合には、別途保管証明書に実際の超過料金を印字することができるようになるため、管理事務所において利用者に対して実際の超過料金を確実に請求することができるようになる。
なお、本実施の形態によるロッカー装置1やその制御方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、利用者が物品の預け入れを行う場合において、仮施錠レバー24によりロッカー10の扉12の仮施錠を行った後、中央制御装置30において預入利用料金の支払いを現金やICカード等で行ったときに、この中央制御装置30のプリンタ38によって、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持するバーコードが記載されたロッカーご利用証明書(図9(b)参照)が印字されるようになっているが、中央制御装置30により発行される鍵用媒体は、このようなバーコードが記載されたロッカーご利用証明書に限定されることはない。バーコードが記載されたロッカーご利用証明書が中央制御装置30のプリンタ38により印字される代わりに、鍵番号に関する情報を機械読み取り可能に保持する磁気カードやICカード等のカード状記憶媒体が中央制御装置30により発行されるようになっていてもよい。
より具体的に説明すると、中央制御装置30に、磁気カードやICカード等の複数枚のカード状記憶媒体を収納する収納部(図示せず)と、このカード状記憶媒体に情報を書き込む書込部(図示せず)と、カード状記憶媒体を排出する排出部(図示せず)とがそれぞれ設けられていてもよい。この場合には、利用者が物品の預け入れを行う場合において、仮施錠レバー24によりロッカー10の扉12の仮施錠を行った後、中央制御装置30において預入利用料金の支払いを現金やICカード等で行ったときに、この中央制御装置30において、収納部に収納されているカード状記憶媒体が排出部により機体外に排出され、この際に鍵番号に関する情報が書込部により当該カード状記憶媒体に書き込まれる。このようにして、中央制御装置30から、鍵番号に関する情報を読み取り可能に保持する鍵用媒体として磁気カードやICカード等のカード状記憶媒体が発行される。また、この場合には、利用者が物品の払い出しを行う際に、中央制御装置30に設けられた磁気カードリーダ(図示せず)やICカードリーダ40により磁気カードやICカード等のカード状記憶媒体を読み取らせることによって、この利用者が物品の預け入れを行ったロッカー10の扉12の解錠が行われるようになる。また、利用者が物品の払い出しを行う際に、磁気カードやICカード等のカード状記憶媒体が中央制御装置30の機体内に回収され、この際にこのカード状記憶媒体の読み取りが行われるようになっていてもよい。この場合には、カード状記憶媒体のリサイクル利用を行うことができるようになる。
また、他の変形例に係るロッカー装置1では、利用者が物品の預け入れを行う際に、中央制御装置30において預入利用料金の支払いを現金やICカード等で行うと、利用されるロッカー10の扉12の扉番号と鍵番号との紐付けが制御部60において行われるとともに、ロッカー10の扉12の扉番号とともに鍵番号がプリンタ38によりロッカーご利用証明書に印字されるようになっていてもよい。このような態様では、利用者が物品の取り出しを行う場合には、中央制御装置30において利用者はロッカー10を指定した後にロッカーご利用証明書に印字された鍵番号を操作表示部32により手動で入力する。このことにより、鍵番号入力部64によって鍵番号が制御部60に入力される。そして、鍵番号が一致すれば、指定されたロッカー10の扉12が解錠され、利用者はこのロッカー10から物品を取り出すことができるようになる。
このようなロッカー装置1では、中央制御装置30において別途保管モードを実行する際に、制御部60は、管理者により指定されたロッカー10の扉12を開状態とするとともに、別途保管モードにより扉12が開状態となったロッカー10の扉番号と、プリンタ38により印字される別途保管票に記載された鍵番号との紐付けを行う。そして、制御部60は、利用者がロッカー装置1から物品の取り出しを行う際に、操作表示部32により鍵番号を手動で入力することによって鍵番号入力部64により制御部60に入力された鍵番号が、別途保管モードにより扉12が開状態となったロッカー10の扉番号に紐付けられた鍵番号と一致する場合に、超過料金算出部74により算出された超過料金が記載されたロッカーご利用証明書(別途保管証明書)をプリンタ38により印字させる。このようなロッカー装置1でも、超過料金算出部74は、取出指令受付部72により物品取出指令が受け付けられた月日と、月日情報取得部70により取得された月日とに基づいて超過料金を算出し、超過料金算出部74により算出された超過料金がプリンタ38により別途保管証明書に印字されるようになっているため、別途保管証明書に実際の超過料金を印字することができ、このため管理事務所において利用者に対して実際の超過料金を確実に請求することができるようになる。